<第1実施形態>
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
<遊技機の構造>
図1〜図3を用いて、第1実施形態における遊技機1の構造について説明する。図1は、遊技機1の正面図の一例である。遊技者は、遊技媒体(例えばメダルや遊技球)を用いて遊技機1で遊技する。本実施形態においては、遊技媒体としてメダルが使用される遊技機1(パチスロ機)を例示する。
遊技機1は、正面側(遊技者側)に開口を有する箱状のキャビネット2と、前面扉3とを含んで構成される。図2は、キャビネット2の内部構造の一例を示す図である。また、図3は、前面扉3の裏面(遊技機1の内部側の面)の正面図の一例を示す図である。図2に示すように、キャビネット2には蝶番機構2aが設けられている。前面扉3は、蝶番機構2aにより、キャビネット2の開口を開閉可能に軸支される。
前面扉3の正面の左右両端側の各々には、サイドランプ5(5a、5b)が設けられている。各サイドランプ5は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode)などの発光体と、当該発光体を覆う光透過性のレンズとから構成される。サイドランプ5は、遊技機1における各演出に応じた態様で発光する。
図1に示すように、前面扉3には、腰部パネル6が設けられる。腰部パネル6は、遊技機1の名称などが描かれる。また、遊技機1の内部には、腰部パネル6を照射する発光体が設けられる。腰部パネル6を照射する発光体としては、例えば、発光ダイオードや冷陰極管が採用される。また、腰部パネル6の下側には、メダルを貯留する受皿ユニット7が設けられる。受皿ユニット7は、貯留したメダルを遊技者が自由に取り出すことができる形状に形成される。
前面扉3には、メダルが投入される開口を有するメダル投入部8と、遊技機1の内部からのメダルが排出されるメダル払出口9とが設けられる。メダル投入部8から規定枚数(3枚)のメダルが投入されると、遊技が開始可能になる。規定枚数は、遊技の状態に応じて設定される。メダル払出口9から排出されたメダルは、受皿ユニット7に貯留される。
前面扉3の正面の中央側には、パネル10が設けられる。パネル10の中央には、略矩形状の表示窓11が形成される。表示窓11からは、キャビネット2の内部に設けられた複数のリール12(12L、12C、12R)を視認することができる。
各リール12は、略円筒状のドラム部と、ドラム部の外周面に装着された帯状のシート部材とを含んで構成される。リール12のシート部材は、光透過性であり、複数種類の図柄が描かれている。各リール12は、回転可能に設けられ、図2に示すように、相互に隣り合うように水平方向に配列される。具体的には、各リール12は、回転軸が同一の直線上に位置するように配列される。また、各リール12は、リール支持体12Fに固定される。また、ステッピングモーター101(101L、101C、101R)がリール12の各々に設けられ、各リール12は、各ステッピングモーター101により回転する。
図4は、本実施形態の各リール12に配列された各図柄を示す図である。図4に示すように、複数のリール12の各々の外周は、21個の単位領域U(いわゆる「コマ」)に区分される。図4に示すように、単位領域Uの各々には1個の図柄が描かれる。具体的には、図4に示すように、各リール12には、図柄「ベル」や図柄「リプレイx」を含む複数種類の図柄が描かれている。
図1に示した前面扉3の表示窓11には、リール12毎に3個の図柄が停止表示される。すなわち、全てのリール12が停止した状態では、表示窓11に合計9個の図柄が停止表示される。リール12の各図柄は、当該リール12が回転中であっても、遊技者が概ね識別可能である。したがって、遊技者は、特定の図柄が表示窓11内を通過するタイミングで、リール12を停止させる操作(いわゆる目押し)をすることができる。
規定枚数のメダルがメダル投入部8に投入されると、有効ラインが設定される。図5は、有効ラインの概念図である。有効ラインは、表示窓11に停止表示された単位領域のうち、リール12Lの何れか1個の単位領域Uとリール12Cの何れか1個の単位領域Uとリール12Rの何れか1個の単位領域Uとを結ぶ領域である。本実施形態の有効ラインは、表示窓11に停止表示される単位領域Uのうちリール12Lの単位領域UL2とリール12Cの単位領域UC2とリール12Rの単位領域UR2とを結ぶラインである。
有効ラインには、遊技の結果としての図柄の組合せが停止表示される。有効ラインに予め定められた図柄の組合せが停止された場合、当該停止した図柄の組合せに応じて遊技者に利益が付与される。例えば、入賞に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示された場合は、遊技者にメダルが付与される。また、再遊技に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示された場合は、遊技者に再遊技の権利が付与される。具体的には、再遊技に係る図柄の組合せが今回の遊技で表示された場合、メダルの投入を必要とせず次回の遊技が開始可能になる。有効ラインに停止表示することが可能な図柄の組合せは、後述する内部抽選処理の結果に応じて遊技毎に決定される。
本実施形態において、リール12Lの上段の単位領域UL1とリール12Cの上段の単位領域UC1とリール12Rの上段の単位領域UR1とを結んだラインを「上段ライン」と記載する場合がある。同様に、リール12Lの中段の単位領域UL2とリール12Cの中段の単位領域UC2とリール12Rの中段の単位領域UR2とを結んだライン(本実施形態の有効ライン)を「中段ライン」と記載する場合がある。また、リール12Lの下段の単位領域UL3とリール12Cの下段の単位領域UC3とリール12Rの下段の単位領域UR3とを結んだラインを「下段ライン」と記載する場合がある。また、リール12Lの下段の単位領域UL3と、リール12Cの中段の単位領域UC2と、リール12Rの上段の単位領域UR1とを結んだラインを「右上りライン」と記載する場合がある。同様に、リール12Lの上段の単位領域UL1と、リール12Cの中段の単位領域UC2と、リール12Rの下段の単位領域UR3とを結んだラインを「右下りライン」と記載する場合がある。
図1に示すように、パネル10には、投入可能表示ランプ13、BETランプ14(14a、14b、14c)、スタートランプ15、払出枚数表示器16、貯留枚数表示器17、再遊技表示ランプ18、ウェイトランプ19と打ち止ランプ20とを含む複数の表示器(以下「メイン表示器ML」という)が設けられる。
投入可能表示ランプ13は、メダル投入部8からのメダルを受付ることが可能な状態であるか否かを報知する。具体的には、メダル投入部8からのメダルを受付ることが可能な状態では、投入可能表示ランプ13が点灯する。一方で、メダルを受付ることができない状態では、投入可能表示ランプ13が消灯する。例えば、リール12が回転している期間は、メダルを受付けることができない状態であるため、投入可能表示ランプ13が消灯する。一方で、全てのリール12が停止してメダルを受付可能な状態になった場合は、投入可能表示ランプ13が点灯する。
BETランプ14は、賭けメダルの枚数を表示する。また、BETランプ14は、1枚ランプ14aと2枚ランプ14bと3枚ランプ14cとを含んでいる。1枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14aが点灯し、2枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14aおよび2枚ランプ14bが点灯し、3枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14a、2枚ランプ14bおよび3枚ランプ14cが点灯する。
スタートランプ15は遊技の開始操作(後述のスタートレバー24の操作)を受け付けることが可能であるか否かを報知する。具体的には、規定枚数の賭けメダルが設定された場合や再遊技に係る図柄の組合せが有効ラインに停止した場合に、スタートランプ15が点灯する。
払出枚数表示器16は、入賞図柄の組合せが有効ラインに表示された場合に、遊技者に付与されるメダルの枚数を表示する。例えば、図柄の組合せ「ベル−ベル−ベル」が有効ラインに停止表示された場合、9枚のメダルが遊技者に付与され、払出枚数表示器16は数値「9」を表示する。
遊技者に付与されたメダルの枚数は、遊技機1(後述のメインRAM303)において電気的に記憶(貯留)することができる(以下、貯留されているメダルの枚数を「クレジット数」という)。クレジット数は、遊技の結果メダルが付与された場合に加算される。また、クレジット数は、規定枚数の賭けメダルが投入された状態において、さらにメダル投入部8からメダルが投入された場合に加算される。
貯留枚数表示器17は、クレジット数を表示する。具体的には、貯留枚数表示器17は、数値「0」からクレジット数の上限値である数値「50」までを、記憶されているクレジット数に応じて可変に表示する。
再遊技表示ランプ18は、再遊技中である旨を報知する。具体的には、今回の遊技で再遊技に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示されてから次回の遊技が終了するまで再遊技表示ランプ18は点灯する。再遊技表示ランプ18が点灯することで、メダルを使用することなく次回の遊技の開始操作が可能であることが遊技者に報知される。
ウェイトランプ19は、遊技の開始操作(後述のスタートレバー24の操作)がされてから各リール12の回転が開始されるまでのウェイト期間に点灯する。ウェイト期間は、1回の遊技に要する平均の時間長を所定値(約4.1秒)以上にするために設けられる。打ち止ランプ20は、遊技が不可能な打ち止め状態である旨を報知する。
図1に示すように、前面扉3には、1BETボタン21、MAX−BETボタン22、精算ボタン23、スタートレバー24、複数の停止ボタン25(25L、25C、25R)、演出ボタン26と方向指定ボタン27とを含む複数の操作部が設けられる。各操作部は、遊技者により操作される。
1BETボタン21は、貯留されたメダルを用いて1枚の賭けメダルを設定する場合に操作される。例えば、賭けメダルが設定されていない状態で1BETボタン21が操作されると、クレジット数から数値「1」が減算され、賭けメダルが1枚に設定される。すなわち、遊技者は、1BETボタン21を操作することで、貯留されたメダルを利用して1枚の賭けメダルを設定することができる。
MAX−BETボタン22は、貯留されたメダルを用いて規定枚数の賭けメダルを設定する場合に操作される。例えば、賭けメダルが設定されていない状態でMAX−BETボタン22が操作された場合、クレジット数から3枚(規定枚数)が減算され、3枚の賭けメダルが設定される。
精算ボタン23は、クレジット数として記憶されたメダルおよび賭けメダルを精算する場合に操作される。精算ボタン23が操作されると、クレジットと賭けメダルとを合計した枚数のメダルがメダル払出口9から払い出される。なお、精算ボタン23の1度目の操作で賭けメダルを精算し、2度目の操作でクレジットを精算する構成としてもよい。
スタートレバー24は、遊技を開始する場合に遊技者により操作される。遊技者は、遊技が開始可能な状態において、スタートレバー24に対して開始操作をすることで、遊技の開始を指示することができる。本実施形態のスタートレバー24は、前面扉3に対して略垂直な状態から360度何れの方向にも傾動可能である。また、スタートレバー24の握玉部は、透光性を有する樹脂により形成され、レバー演出用ランプ42を内蔵する。レバー演出用ランプ42は、所定の演出において点灯する。
停止ボタン25は、リール12を停止する場合に遊技者により操作される。また、停止ボタン25は、停止ボタン25Lと停止ボタン25Cと停止ボタン25Rとを含んでいる。停止ボタン25Lはリール12Lに対応し、停止ボタン25Cはリール12Cに対応し、停止ボタン25Rはリール12Rに対応する。リール12が回転している期間において、当該リール12に対応する停止ボタン25が操作(以下「停止操作」という)されると、当該リール12は停止する。
以下、本実施形態においては、各遊技における最初の停止操作を第1停止操作という。同様に、2番目の停止操作を第2停止操作、3番目の停止操作を第3停止操作という。また、遊技機1(後述のメインCPU301)が第1停止操作に基づいてリール12を停止させる制御を第1停止制御という。同様に、第2停止操作に基づくリール12の停止制御を第2停止制御、第3停止操作に基づくリール12の停止制御を第3停止制御という。また、停止操作がされた時点において表示窓11の中段ラインに位置するリール12のコマ(単位領域U)を停止操作位置という。
全てのリール12が停止すると、遊技の結果としての図柄の組合せが有効ラインに表示され、当該遊技が終了する。なお、後述するように、遊技が開始されると、各リール12は一定の回転速度まで加速する。各リール12が一定の回転速度の期間(リール12が定常回転している期間)において、遊技の結果を有効ラインに停止表示させるための停止操作が可能になる。一方で、各リール12が回転を開始してから定常回転するまでの加速期間では、リール12が回転中であっても、遊技の結果を表示させるための停止操作は受付られない。
演出ボタン26は、演出に関する指示をする場合に遊技者により操作される。例えば、利用者は、演出ボタン26を操作することで特定の演出の実行を指示することができる。すなわち、当該特定の演出は、演出ボタン26の操作を契機(トリガ)に実行される。なお、MAX−BETボタン22に演出ボタン26の機能を兼備させることも可能である。以上の構成によれば、演出ボタン26が省略され、部品点数を削減することができる。
方向指定ボタン27は、例えば、液晶表示装置30にメニュー画像が表示されている場合に、遊技者により操作される。方向指定ボタン27は、上ボタン、下ボタン、右ボタンおよび左ボタンを含んで構成される。例えば、方向指定ボタン27の操作により、メニュー画像に表示された選択肢を指定するカーソルを移動させることができる。具体的には、上ボタンが操作されると、メニュー画像内のカーソルが上方向に移動する。同様に、下ボタンが操作されると下方向にカーソルが移動し、右ボタンが操作されると右方向にカーソルが移動し、左ボタンが操作されると左方向にカーソルが移動する。
図1に示すように、前面扉3のパネル10には、上述したメイン表示器MLに加え、複数の演出用ランプ28(28a〜28j)と複数の停止操作順序表示ランプ29(29L、29C、29R)とが設けられている。複数の演出用ランプ28のうち演出用ランプ28aから演出用ランプ28eは、正面視で表示窓11の左側に設けられ、演出用ランプ28fから演出用ランプ28jは、正面視で表示窓11の右側に設けられる。各演出用ランプ28は、現在の演出の状態(例えば、ART状態)等を報知する。
各停止操作順序表示ランプ29は、パネル10のうち表示窓11より下側の領域に設けられ、各停止ボタン25の操作の順序を報知する。具体的には、停止操作順序表示ランプ29Lは、リール12Lに対応する位置(表示窓11の左下側)に設けられ、停止操作順序表示ランプ29Cは、リール12Cに対応する位置(表示窓11の中央下側)に設けられ、停止操作順序表示ランプ29Rは、リール12Rに対応する位置(表示窓11の右下側)に設けられる。例えば、第1停止操作で停止ボタン25R、第2停止操作で停止ボタン25C、第3停止操作で停止ボタン25Lの順序(いわゆる逆押し)を遊技者に対して報知する場合を想定する。以上の場合、遊技が開始された時点で停止操作順序表示ランプ29Rが点灯し、停止ボタン25Rが操作された後に停止操作順序表示ランプ29Cが点灯し、停止ボタン25Cが操作された後に停止操作順序表示ランプ29Lが点灯する。
図1に示すように、前面扉3の表示窓11の上側には、各種の画像を表示する液晶表示装置30が設けられる。液晶表示装置30は、遊技機1で実行される演出に応じて動画像および静止画像を表示する。具体的には、液晶表示装置30は、後述の内部抽選処理の結果に係る情報、演出状態を示唆する情報などを報知する。
図1および図3に示すように、前面扉3には、スピーカー31(31L、31R)とスピーカー32(32L、32R)とが設けられる。スピーカー31は、前面扉3の下端側に設けられ、遊技者側から見て左側に取り付けられるスピーカー31Lと右側に取り付けられるスピーカー31Rとを含む。また、スピーカー32は、前面扉3の上端側に設けられ、遊技者側から見て左側に取り付けられるスピーカー32Lと右側に取り付けられるスピーカー32Rとを含んでいる。スピーカー31とスピーカー32とは、演出に応じた音響(楽曲、音声および効果音)を出力する。例えば、スピーカー31とスピーカー32とは、上述した液晶表示装置30、演出用ランプ28、サイドランプ5、停止操作順序表示ランプ29またはレバー演出用ランプ42で実行される演出に関連した音響を出力する。スピーカー31とスピーカー32とは、前面扉3の裏面に取り付けられ、前面扉3の表面には、スピーカー31とスピーカー32との各々に対応する位置に、複数の放音孔が形成される。
図1に示すように、前面扉3には、返却ボタン33が設けられている。返却ボタン33は、遊技機1の内部のメダル流路におけるメダル詰まりを解消するために操作される。返却ボタン33を操作することで、メダル流路に詰まったメダルがメダル払出口9から排出される。
前面扉3には、鍵穴が形成された施錠装置4が設けられている。キャビネット2の係止片(図示略)に前面扉3の施錠装置4が係合することで、前面扉3が施錠される。図1に示すように、施錠装置4の鍵穴は、前面扉3の前面に位置し、前面扉3を解錠するための鍵(図示略)が挿入可能である。後述するように、キャビネット2の内部には各種の操作部(例えば設定変更ボタン37)が設けられる。キャビネット2の内部の各操作部は、前面扉3を解錠する鍵の管理者(例えば遊技機1が設置される遊技場の店員)によって操作される。
図3に示すように、前面扉3の裏面には、メダル投入部8から投入されたメダルの流路を切替可能なセレクター34が設けられる。具体的には、セレクター34は、ソレノイド(図示略)を具備し、当該ソレノイドのON/OFFの状態に応じてメダルの流路が切替えられる。また、ソレノイドのON/OFFの状態は、メダルの投入が許可されているか否かに応じて変更される。例えば、メダルの投入が許可されている場合、セレクター34のソレノイドはON状態であり、セレクター34は、メダル投入部8から投入されたメダルを遊技機1の内部に導く。図3に示すように、遊技機1の内部側から見てセレクター34の右側の近傍には、投入メダルガイド部材522が設けられる。投入メダルガイド部材522は、セレクター34を通過したメダルを、キャビネット2の内部に設けられたホッパー520に導く。
一方で、メダルの投入が許可されていない場合(例えばリール12が回転している場合)、セレクター34のソレノイドはOFF状態であり、セレクター34は、メダル投入部8から投入されたメダルを遊技機1の外部に導く。また、セレクター34は、メダルの投入が許可されている場合であっても、メダル投入部8から投入された異物(例えば不正なメダル)を遊技機1の外部に導く。図3に示すように、セレクター34の下側の近傍には、排出メダルガイド部材523が設けられる。排出メダルガイド部材523は、セレクター34からのメダル等を、前面扉3の正面側のメダル払出口9へ導く。
図2に示すように、キャビネット2の内部には、メダルを貯留するタンク部521aを具備するとともに、メダルを排出する排出スリット521bを有するホッパー520が設けられる。メダル投入部8から投入されたメダルがタンク部521aに貯留され、タンク部521aに貯留されたメダルが排出スリット521bからメダル払出口9を介して受皿ユニット7に払出される。例えば、ホッパー520は、入賞に係る図柄の組合せが有効ラインに表示された場合や精算ボタン23が操作された場合にメダルを払い出す。
図3に示すように、前面扉3の裏面には、払出メダルガイド部材524が設けられる。払出メダルガイド部材524は、ホッパー520からのメダルをメダル払出口9に案内する。具体的には、払出メダルガイド部材524は開口を有し、当該開口は、前面扉3が閉塞された状態で、ホッパー520の排出スリット521bに対向する。排出スリット521bから排出されたメダルは、払出メダルガイド部材524の開口に入り、払出メダルガイド部材524によりメダル払出口9に案内される。
図2に示すように、キャビネット2の内部には、補助貯留部530が設けられる。補助貯留部530は、ホッパー520から溢れたメダルを貯留する。なお、補助貯留部530の底部とキャビネット2の底部とを貫通する孔を設け、ホッパーから溢れたメダルを、当該孔を介して遊技機1の外部に排出する構成としてもよい。
図2に示すように、キャビネット2の内部には、メイン制御基板300が設けられる。具体的には、メイン制御基板300は、透明の基板ケースに収められ、キャビネット2の背面板に取り付けられる。メイン制御基板300には、後述のメインCPU301を含む各種の電子部品が実装される。また、メイン制御基板300は、後述のリール基板100、中継基板200、サブ制御基板400および電源基板500を含む各種の基板とコネクタを介して電気的に接続される。なお、上述した各種の基板は、単一の基板で構成してもよいし、複数の基板で構成してもよい。
図2に示すように、キャビネット2の内部には、設定表示部36および設定変更ボタン37が形成される。設定表示部36は、遊技機1に設定される設定値を表示する。設定値とは、遊技機1の出玉率に関する数値であり、各遊技において設定値に応じた確率で各種の抽選が実行される。例えば、設定値は「1」から「6」までが設けられ、設定値「6」が設定されている場合が最も出玉率が高くなる。本実施形態においては、設定変更用の鍵穴(図示略)に設定変更キー(図示略)を挿入して回転した場合に、設定表示部36は、設定値を表示する。
設定変更ボタン37は、設定表示部36の数値を変更する場合に操作される。例えば、設定表示部36に数値「1」が表示されている状態において、設定変更ボタン37が操作されると、設定表示部36に数値「2」が表示される。設定変更ボタン37が操作される毎に、設定表示部36は、数値を1づつ加算して表示する。ただし、設定表示部36に数値「6」が表示されている状態において、設定変更ボタン37が操作された場合、設定表示部36には数値「1」が表示される。設定表示部36に設定値が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、当該操作の時点で設定表示部36に表示されている数値が設定値として設定される。
図3に示すように、前面扉3の裏面には、サブ制御基板400が設けられる。サブ制御基板400は、演出制御基板410、画像制御基板420およびサウンド基板430を含む各種の基板を含んで構成される。
図2に示すように、キャビネット2の内部には、電源装置510が設けられる。電源装置510は、AC−DCコンバータおよびDC−DCコンバータ(何れも図示略)を具備し、遊技機1の外部から供給される交流電圧から直流電圧を生成し、生成した直流電圧から複数種類の直流電圧を生成する。例えば、電源装置510は、モータやソレノイドの駆動に用いられる32Vの直流電圧と、液晶表示装置30に供給される12Vの直流電圧と、電子回路基板(例えばメイン制御基板300)に供給される5Vの直流電圧とを生成する。
電源装置510には、図2に示すように、電源ボタン511およびリセットボタン512が設けられる。電源ボタン511をON状態に操作した場合、遊技機1に電源が供給され、電源ボタン511をOFF状態に操作した場合、電源が遮断される。リセットボタン512は、遊技状態などをリセットする場合に操作される。具体的には、リセットボタンを操作した場合、後述のメインRAM303の所定の記憶領域が初期値にリセットされる。
図2に示すように、電源ボタン511およびリセットボタン512の前面側には遮蔽板513が位置している。遮蔽板513は、電源ボタン511およびリセットボタン512を遮蔽する位置と遮蔽しない位置とに移動することができる。具体的には、前面扉3が閉じている状態では、遮蔽板513は、電源ボタン511およびリセットボタン512を遮蔽する。以上の構成によれば、例えば、遊技機1の外部からスピーカー31の放音孔に針金を挿入し、遊技機1の内部の電源ボタン511またはリセットボタン512を操作する不正行為が抑止される。
<遊技機の回路>
遊技機1の構造の説明は以上である。以下において、図6を用いて遊技機1が備える各回路の機能について説明する。遊技機1は、図6に示すように、メイン制御基板300、サブ制御基板400、リール基板100、中継基板200、サブ制御基板400および電源基板500を具備している。
<メイン制御基板>
メイン制御基板300は、図6に示すように、メインCPU301とメインROM302とメインRAM303と乱数発生器304とI/F(インターフェース)回路305とを含んで構成される。なお、メインCPU301とメインROM302とメインRAM303とを、別体の電子機器として具備してもよいし、各要素が一体的に構成されたワンチップ型のマイクロコンピュータとして具備してもよい。
メインROM302は、メインCPU301により実行される制御プログラムおよび各種のデータ(例えば当選エリア抽選テーブル)を不揮発的に記憶する。メインRAM303は、メインCPU301が実行する各処理で用いられる各種のデータを格納する。
メインCPU301は、メインROM302に記憶される制御プログラムを読み込み、遊技の進行に合わせて所定の処理を行うことにより、サブ制御基板400と各リール12とホッパー520とメイン表示器MLとを含む各種の機器を制御する。
乱数発生器304は、後述する内部抽選処理において用いられる乱数値R1を生成する。本実施形態の乱数発生器304は、カウンタ回路とサンプリング回路とパルス発生回路(何れも図示略)とを具備し、ハードウェア乱数を生成する。具体的には、パルス発生回路は所定の周期でカウンタ回路に信号を出力する。カウンタ回路の数値は、パルス発生回路から信号が入力される毎に「1」だけインクリメントされる。サンプリング回路は、遊技者が遊技の開始操作をした場合に、カウンタ回路の数値を乱数値R1として記憶する。乱数値R1は、数値「0」〜「65535」の範囲で生成される。なお、ソフトウェア乱数を乱数値R1として採用してもよい。
本実施形態においては、乱数値R1に加え乱数値R2が生成される。乱数値R2は、メインCPU301に内蔵されるレジスタから取得されるソフトウェア乱数であり、数値「0」〜「255」の範囲で生成される。後述するように、乱数値R2は、回胴演出制御処理で用いられる。
I/F回路305は、各種の操作部(例えばスタートレバー24)の各スイッチSW(例えばスタートスイッチ24SW)からの信号および各センサSE(例えばメダルセンサ34SE)をメインCPU301に入力する。各スイッチSWおよび各センサSEからの信号は、ハイレベルまたはローレベルの信号である。なお、本実施形態においては、説明のため、第1のレベル(ハイレベルまたはローレベル)の信号をON信号と表記し、第2のレベル(ローレベルまたはハイレベル)の信号をOFF信号と表記する。ON信号である第1のレベルがハイレベルであるかローレベルであるかは、スイッチSWまたはセンサSEの種別に応じて設定される。
I/F回路305は、メイン表示器ML、ホッパー520および各リール12を駆動させる各種の信号をメイン制御基板300の外部に出力する。また、I/F回路305は、サブ制御基板400に各種のコマンドを出力する。なお、不正なコマンドがメイン制御基板に入力されることを防止するため、サブ制御基板400からのコマンドは、メイン制御基板300で受信されない。
リール基板100には、メイン制御基板300からの信号が入力される。リール基板100は、メイン制御基板300からの信号に応じて、駆動パルスを各リール12に出力する。リール基板100からの駆動パルスに応じて、各リール12の各ステッピングモータ101が駆動される。
ステッピングモータ101は、複数個(4つ)のコイルを具備する。各コイルのうち励磁されるコイルの組合せは、リール基板100から駆動パルスが入力される毎に順次に切り替わり、励磁されるコイルの組合せが順次に切り替わることにより、各リール12が回転する。具体的には、ステッピングモータ101の励磁されるコイルの組合せが1回切り替えられると、リール12が所定の角度だけ回転する。例えば、パルスが24回付与された場合に、リール12は1コマ(単位領域U)分の角度だけ回転し、パルスが504回付与された場合に、リール12は1回転する。以上の構成では、駆動パルスが付与される時間間隔が短いほどリールの回転速度は速くなる。
メイン制御基板300には、複数のリールセンサ111(111L、111C、111R)からのON/OFF信号がリール基板100を介して入力される。各リールセンサ111のうちリールセンサ111Lはリール12Lに対応し、リールセンサ111Cはリール12Cに対応し、リールセンサ111Rはリール12Rに対応する。各リールセンサ111は、対応するリール12の回転角度が基準位置である場合にON信号を出力する。他方で、各リール12の回転角度が基準位置以外である場合、各リールセンサ111は、OFF信号を出力する。メイン制御基板300のメインCPU301は、各リールセンサ111からの信号と各ステッピングモータ101へ駆動パルスが出力された回数とから、各リール12の回転角度を判別することができる。
中継基板200は、メイン制御基板300からメイン表示器MLへの信号を中継する。メイン制御基板300から出力された信号に応じて、メイン表示器MLが駆動される。また、中継基板200は、各操作部(スタートレバー24など)の操作を検出する各センサ(後述のスタートスイッチ24SWなど)からメイン制御基板300に入力されるON/OFF信号を中継する。
1BETスイッチ21SWは、遊技者による1BETボタン21の操作を検出する。また、1BETスイッチ21SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、1BETスイッチ21SWからのON信号が入力された場合に、1枚のメダルを賭けメダルに加算する。
MAX−BETスイッチ22SWは、遊技者によるMAX−BETボタン22の操作を検出する。また、MAX−BETスイッチ22SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、MAX−BETスイッチ22SWからのON信号が入力された場合に、規定枚数のメダルを賭けメダルとして設定する。以下において、1BETスイッチ21SWとMAX−BETスイッチ22SWとを総称して「BETスイッチ」と記載する場合がある。
精算スイッチ23SWは、遊技者による精算ボタン23の操作を検出する。精算スイッチ23SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。
精算スイッチ23SWからのON信号が入力された場合、または、入賞にかかる図柄の組合せが有効ラインに表示された場合、メインCPU301は、ホッパー520に対してホッパー駆動信号を出力する。ホッパー駆動信号は、メイン制御基板300から電源基板500を介してホッパー520に入力される。ホッパー520は、ホッパー駆動信号が入力されると、メダルの払出しを行う。
払出センサ112SEは、ホッパー520から1枚のメダルが払い出される毎に、払出信号をメイン制御基板300に出力する。具体的には、ホッパー520の排出スリット521bを通過するメダルが検知される位置に、払出センサ112SEが設けられる。払出センサ112SEは、メダルを検知した場合、払出信号を出力する。払出信号は、電源基板500を介してメイン制御基板300に入力される。メインCPU301は、払出信号が入力された回数を計数することで、払い出されたメダルの枚数を判別することができる。
満タンセンサ530SEは、補助貯留部530が満タンであることを検出する。具体的には、満タンセンサ530SEは、補助貯留部530の底部から所定の高さに設けられ、補助貯留部530の内部のメダルが増加して満タンセンサ530SEの位置に到達した場合に、ON信号をメイン制御基板300に出力する。満タンセンサ530SEのON信号は、電源基板500を介してメイン制御基板300に入力される。メインCPU301は、満タンセンサ530SEのON信号が入力された場合、例えば液晶表示装置30に「ホッパーフルエラー」というメッセージを表示し、エラー状態に移行する。当該メッセージが表示された場合、例えば遊技店の店員が補助貯留部530のメダルを回収した後に、リセットボタン512を操作することで、エラー状態が解除される。
電源スイッチ511SWは、電源ボタン511の操作によりON状態またはOFF状態に切り替えられる。電源スイッチ511SWがON状態では、電源装置510から遊技機1に電源が供給され、電源スイッチ511SWがOFF状態では、電源装置510から遊技機1への電源が遮断される。電源装置510は、電源が供給されると直流電圧を生成する。電源装置510で生成された直流電圧は、電源基板500を介してホッパー520を含む各種の装置に供給される。
リセットスイッチ512SWは、電源装置510に設けられ、リセットボタン512が操作されるとメイン制御基板300にリセット信号を出力する。リセット信号は、電源基板500を介してメイン制御基板300に入力される。メインCPU301は、リセット信号を受信すると、メインRAM303の所定の記憶領域を初期化し、例えばエラー状態を解除する。なお、複数個のリセットスイッチ512SW(リセットボタン512)を設ける構成としてもよい。例えば、電源装置510に設けられたリセットスイッチ512SWに加え、施錠装置4にリセットスイッチを設けてもよい。以上の構成において、例えば、施錠装置4の鍵穴に鍵を挿入し、右に鍵を回転させた場合に前面扉3が解錠され、左に鍵を回転させた場合にリセットスイッチからリセット信号が出力される構成が好適に採用される。
設定変更スイッチ37SWは、設定変更ボタン37の操作を検出する。設定変更スイッチ37SWからのON信号は、メイン制御基板300に入力される。設定変更スイッチ37SWからのON信号が入力されると、メインCPU301は、設定表示部36の表示を更新する。なお、設定表示部36に設定値が表示されない期間において、設定変更スイッチ37SWからのON信号が入力された場合、メインCPU301は、リセットスイッチ512SWからリセット信号が入力された場合と同様に、所定のリセット動作をする構成としてもよい。
メダルセンサ34SEは、メダル投入部8から投入されたメダルを検出する。具体的には、メダルセンサ34SEは、メダル流路のうちセレクター34の内部にメダルが位置する場合にON信号を出力する。一方で、メダルセンサ34SEは、セレクター34の内部にメダルが位置しない場合に、OFF信号を出力する。メダルセンサ34SEからのON/OFF信号は、中継基板200を介してメイン制御基板300に入力される。なお、上述したセレクター34のメダルセンサ34SEに加え、セレクター34の下流に位置する投入メダルガイド部材522にメダルセンサを設けてもよい。以上の構成において、セレクター34のメダルセンサ34SEのON信号が入力された後に、投入メダルガイド部材522のメダルセンサのON信号が入力された場合に、メインCPU301は、メダルが投入されたと判断してもよい。一方で、例えば、セレクター34のメダルセンサ34SEのON信号が入力された後に、投入メダルガイド部材522のメダルセンサのON信号が入力されない場合は、メダル流路でメダルが滞留している可能性があるため、メインCPU301がエラーの報知をしてもよい。
メイン制御基板300には、複数の停止スイッチ25SW(25SWL、25SWC、25SWR)からのON/OFF信号が中継基板200を介して入力される。各停止スイッチ25SWのうち停止スイッチ25SWLは停止ボタン25Lに対応し、停止スイッチ25SWCは停止ボタン25Cに対応し、停止スイッチ25SWRは停止ボタン25Rに対応する。メインCPU301は、ON信号が入力された停止スイッチ25SWに対応するリール12の停止制御をする。具体的には、停止スイッチ25SWLからON信号が入力された場合は、リール12Lの停止制御をする。同様に、メインCPU301は、停止スイッチ25SWCからON信号が入力された場合は、リール12Cの停止制御をし、停止スイッチ25SWRからON信号が入力された場合は、リール12Rの停止制御をする。
スタートスイッチ24SWは、遊技者によるスタートレバー24の操作を検出する。スタートスイッチ24SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、スタートスイッチ24SWからのON信号が入力された場合に、例えば、各ステッピングモータ101を制御して各リール12を回転させる。また、設定変更スイッチ37SWからのON信号がメイン制御基板300に入力される。
本実施形態のスタートスイッチ24SWは、スタートレバー24が操作された方向を検出可能に形成される。具体的には、スタートスイッチ24SWは、遊技者側から見てスタートレバー24を押上げる押上操作、押下げる押下操作、右側に倒す右側操作、左側に倒す左側操作の何れかを個別に検出可能である。例えば、スタートスイッチ24SWを、スタートレバー24が押上操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWUと、押下操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWDと、右側操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWRと、左側操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWLとを含む複数のセンサで構成する。以上の構成によれば、例えば、スタートレバー24が押下操作された場合と押上操作された場合とで、実行される演出を異ならせることができる。
<サブ制御基板>
サブ制御基板400は、液晶表示装置30、スピーカー(31、32)および各ランプ(例えば演出用ランプ28)を制御する。図6に示すように、サブ制御基板400は、演出制御基板410と画像制御基板420とサウンド基板430とを含む複数の基板で構成される。また、サブ制御基板400には、演出ボタンスイッチ26SWと方向指定スイッチ27SWとを含む各種のセンサと、サイドランプ5と演出用ランプ28と停止操作順序表示ランプ29とレバー演出用ランプ42とを含む各種のランプが電気的に接続される。
演出制御基板410は、図6に示すように、I/F回路411とサブCPU412とサブROM413とサブRAM414とを含んで構成される。演出制御基板410(サブCPU412)は、サイドランプ5と演出用ランプ28と停止操作順序表示ランプ29とレバー演出用ランプ42とを含む各種のランプとサウンド基板430とを制御する。また、演出制御基板410は、画像制御基板420に対して、液晶表示装置30に各画像を表示させるコマンドを与える。
サブROM413は、サブCPU412により実行される制御プログラムと各種のデータを記憶する。例えば、演出の種類を決定するための演出抽選テーブルや各種のランプの点滅パターンを示すランプデータがサブROM413に記憶される。
サブRAM414は、各種のデータを揮発的に格納するワーク領域として機能する。I/F回路411は、メイン制御基板300(I/F回路305)からのコマンドを受信する。I/F回路411で受信されたコマンドは、サブCPU412に供給される。I/F回路411が受信するコマンドは、例えば、有効ラインに停止した当選役の種別を示す表示当選役コマンドを含む。
サブCPU412は、サブROM413が記憶する制御プログラムを実行し、サブROM413が記憶する各データに基づいて各種のランプ(例えばサイドランプ5)とサウンド基板430とを制御する。例えば、サブCPU412は、サブROM413からサイドランプ5の点滅パターンを示すデータを読み出して、サイドランプ5を点滅させる。また、サブCPU412は、後述する演出制御処理などで用いる乱数値R3を生成する。乱数値R3としては、例えば範囲0〜65535の乱数が好適に採用される。なお、サブROM413は、単一の電子部品で構成してもよいし、複数の電子部品(記憶装置)で構成してもよい。
画像制御基板420は、演出制御基板410からのコマンドに応じて、液晶表示装置30に各種の画像を表示させる。画像制御基板420は、図6に示すように、液晶制御CPU421と液晶制御ROM422とVDP(Video Display Processor)423とCGROM424とVRAM425とを含んで構成される。
液晶制御CPU421は、液晶制御ROM422が記憶する制御プログラムを実行し、演出制御基板410からのコマンドに応じた指示をVDP423に与える。CGROM424は、圧縮符号化された画像データ(例えばテクスチャデータ)を記憶する。VDP423は、画像デコーダと描画回路とを含んで構成される(何れも図示略)。液晶制御CPU421からの指示がVDP423に入力されると、画像デコーダは、当該指示に応じてCGROM424から画像データを読出す。画像デコーダは、読み出した画像データを伸長(デコード)し、VRAM425に格納する。描画回路は、VRAM425に格納された画像データに応じて、各種の画像を液晶表示装置30に表示させる。
サウンド基板430は、サブCPU412に制御されて、音響信号を生成する。サウンド基板430で生成された音響信号は、スピーカー31およびスピーカー32に供給され、音波として出力される。図6に示すように、サウンド基板430は、音源IC431と音源ROM432とアンプ433とを含んで構成される。サブCPU412は、メイン制御基板300からのコマンドに応じてサウンド基板430を制御する。
音源ROM432は、複数の音響データを圧縮して記憶する。各音響データは、例えば、特定の遊技状態の楽曲、遊技者が停止ボタン25を操作する毎に出力される音声、エラー状態に出力されるエラー音を含む音響の各々を示すデータである。
音源IC431は、音源ROM432の音響データから音響信号を生成する。また、音源IC431は、デコーダと制御レジスタとA/D変換器(何れも図示略)とを含んで構成される。音源IC431のデコーダは、サブCPU412からの指示に応じて音源ROM432から音響データを読出す。また、音源IC431のデコーダは、読出した音響データの音量を調整した後に、当該音響データを制御レジスタに格納する。制御レジスタには複数の音響データが格納され、制御レジスタに格納された各音響データは、格納された順序でA/D変換器に供給される。A/D変換器は、音響データから音響信号を生成してアンプ433に供給する。
アンプ433は、音源IC431(A/D変換器)から供給された音響信号を増幅してスピーカー31およびスピーカー32に供給する。なお、本実施形態においては、サブCPU412が音源IC431を制御して音響信号を生成する構成を示したが、例えば、上述した液晶制御CPU421が音源IC431を制御する構成としてもよいし、音源IC431を制御するCPUを、サブCPU412および液晶制御CPU421とは別に設ける構成としてもよい。
<メインCPUが用いる各データ>
遊技機1の各回路の説明は以上の通りである。以下、図面を用いて、メインROM302に記憶される各種のデータを説明する。メインROM302には、図7に示す図柄配置テーブル、図8に示す図柄コードテーブル、図9に示す当選エリア抽選テーブル、図10に示す当選役決定テーブル、図11に示す当選役規定テーブル、図14に示す移行図柄規定テーブル、図15に示すリールロック抽選テーブルを含む各種のデータが記憶されている。
図7は、図柄配置テーブルの概念図である。図柄配置テーブルは、図柄位置と当該図柄位置の図柄の種別とを対応付ける。図柄配置テーブルの各図柄位置(「00」から「20」)は、図4に示した各単位領域Uに対応し、図柄配置テーブルの各図柄は、図4に示したリール12に描かれた各図柄に対応する。回転中に中段ラインに位置する図柄位置が、メインRAM303の図柄カウンタに記憶される。
図8は、図柄コードテーブルの概念図である。図柄コードテーブルは、各リール12の各図柄を特定する図柄コードを含んで構成される。図7から理解されるとおり、各リール12には、「赤セブン」「BAR1」「BAR2」「リプレイx」「リプレイy」「ベル」「ブドウ」「スイカ」「チェリー」の9種類の図柄が配列される。図8に示すように、各図柄コードは、9種類の各図柄に対応する。具体的には、「赤セブン」には図柄コード01の「00000001」が対応し、「BAR1」には図柄コード02の「00000010」が対応し、「BAR2」には図柄コード03の「00000011」が対応し、「リプレイx」には図柄コード04の「00000100」が対応し、「リプレイy」には図柄コード05の「00000101」が対応し、「ベル」には図柄コード06の「00000110」が対応し、「ブドウ」には図柄コード07の「00000111」が対応し、「スイカ」には図柄コード08の「00001000」が対応し、「チェリー」には図柄コード09の「00001001」が対応する。
図9は、当選エリア抽選テーブルの概念図である。メインCPU301は、後述する内部抽選処理において、当選エリア抽選テーブルと乱数値R1とを用いて、当選エリアを決定する。
図9に示すように、各当選エリア抽選テーブルは、複数の当選エリアと各当選エリアに対応する各抽選値とを含んで構成される。図9には、各当選エリアの名称が示されている。当選エリア抽選テーブルは、設定値(1から6)毎にメインROM302に記憶される。図9には、設定値が「1」の場合に参照される当選エリア抽選テーブルが例示されている。
当選エリア抽選テーブルの各当選エリアは、図10に示す当選役決定テーブルで規定される各当選役を指定する。なお、図10において、リプレイを単に「リプ」と省略して記載する。また、他の図においても同様に、リプレイを「リプ」と省略する場合がある。
例えば、当選エリア「01」の「打順リプレイX1」が内部抽選処理で決定された場合を想定する。当選エリア「01」は、図10に示すように、当選役「通常リプレイ」と当選役「RT2移行リプレイ」とを指定する。すなわち、当選エリア「打順リプレイX1」が当選した遊技において、複数種類の当選役が重複して指定される。当選エリアで指定された当選役の図柄の組合せは、有効ラインへの停止が許可される。
当選エリア抽選テーブルの各抽選値は、内部抽選処理において乱数値R1に減算される。具体的には、内部抽選処理において、メインCPU301は、乱数値R1から各当選エリアに対応する各抽選値を当選エリアの昇順(「00」から「36」の順番)に減算していく。内部抽選処理において、乱数値R1から抽選値を減算した結果が負数となった当選エリアが決定される。乱数値R1に減算した場合に負数になる確率は、大きい抽選値ほど高くなるため、当選エリアのうち抽選値が大きい当選エリアほど当選する確率が高くなる。
図9に示すように、当選エリア抽選テーブルは、RT状態毎の各抽選値を含んで構成される。各RT状態は、RT0状態とRT1状態とRT2状態とRT3状態とRT4状態とRT5状態とを含む。各RT状態は、有効ラインにRT移行図柄が停止表示された場合に移行する。メインCPU301は、RT状態に応じた抽選値を乱数値R1に減算する。したがって、各当選エリアが当選する確率は、RT状態に応じる。
図9から理解されるとおり、当選エリア「01」から「21」(以下「再遊技当選エリア」という)の各抽選値がRT状態毎に相違する。具体的には、RT0状態では、図9に示すように、再遊技当選エリアのうち「通常リプレイ」の当選エリアに抽選値「8980」が割り振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、RT0状態では、再遊技当選エリアのうち「通常リプレイ」が当選する。また、再遊技当選エリアの何れかの当選エリアが決定される確率は8980/65536である。
図9に示すように、RT1状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイX1〜X4」の各当選エリアに抽選値「2245」が割り振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、RT1状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイX1〜X4」が当選する。また、再遊技当選エリアの何れかの当選エリアが決定される確率は8980(2245×4)/65536である。
図9に示すように、RT2状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイY1〜Y6」の各当選エリアに抽選値「7070」が割り振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、RT2状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイY1〜Y6」が当選する。また、再遊技当選エリアの何れかの当選エリアが決定される確率は42420(7070×6)/65536である。
図9に示すように、RT3状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイZ1〜Z6」の各当選エリアに抽選値「7070」が割り振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、RT3状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイZ1〜Z6」が当選する。また、再遊技当選エリアの何れかの当選エリアが決定される確率は42420(7070×6)/65536である。
図9に示すように、RT4状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイZ7〜Z9」の各当選エリアに抽選値「4140」が割り振られ、「上乗せリプレイ」の当選エリアに抽選値「30000」が割り振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、RT4状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイZ7〜Z9」および「上乗せリプレイ」が当選する。また、再遊技当選エリアの何れかの当選エリアが決定される確率は42420(4140×3+30000)/65536である。
図9に示すように、RT5状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイY1〜Y3」の各当選エリアに抽選値「14140」が割り振られ、その他の再遊技当選エリアの抽選値は数値「0」である。すなわち、RT5状態では、再遊技当選エリアのうち「打順リプレイY1〜Y3」が当選する。また、再遊技当選エリアの何れかの当選エリアが決定される確率は42420(14140×3)/65536である。
以上の説明から理解される通り、RT2状態からRT5状態の再遊技当選エリアの当選確率は、RT1状態の再遊技当選エリアと比較して高い。また、図9から理解されるとおり、当選エリア「22」から「36」(以下「入賞当選エリア」という)の各抽選値は各RT状態で共通である。すなわち、入賞当選エリアの当選確率は、各RT状態で等しい。したがって、RT2状態からRT5状態は、RT0状態およびRT1状態と比較して、当選役の当選確率が高く、遊技者にとって有利なRT状態である。
図11は、当選役規定テーブルの概念図である。当選役規定テーブルは、各当選役が当選した遊技において、有効ラインへの停止が許可される図柄の組合せを規定する。例えば、当選役「正解ベル」が当選した遊技においては、「ベル−ベル−ベル」の図柄の組合せが有効ラインに停止することが許可される。
当選役規定テーブルは、図11に示すように、各当選役の許可ビット番号と各当選役が有効ラインに停止した場合のメダルの払出枚数とを含んで構成される。図11には、規定枚数が3枚の遊技状態において各当選役が有効ラインに停止した場合の払出し枚数を示す。
図11に示すように、当選役「正解ベル」「上段ベル1〜8」「スイカ1、2」「角チェリー」「中段チェリー」「1枚役A」「1枚役B」(入賞当選エリアが当選した遊技で指定される当選役)が有効ラインに表示されると、各当選役に応じた払出枚数のメダルが遊技者に付与される。本実施形態においては、有効ラインに表示された場合にメダルが払い出される当選役を「入賞当選役」という。また、「RT5移行リプレイ」「RT4移行リプレイ」「RT3移行リプレイ」「RT2移行リプレイ」「BARリプレイ」「フォローリプレイ」「制御用リプレイ1〜3」「通常リプレイ」(再遊技当選エリアが当選した遊技で指定される当選役)が有効ラインに表示されると、次回の遊技が再遊技に設定される。本実施形態においては、有効ラインに表示された場合に次回の遊技が再遊技に設定される当選役を総称してリプレイという場合がある。
当選役規定テーブルの各許可ビット番号は、メインRAM303の表示許可ビット格納領域の各表示許可ビットを指定する。表示許可ビット格納領域は、複数の表示許可ビットを含んで構成され、各表示許可ビットは、各当選役に対応する。例えば、当選エリア「22」の打順ベルC1が当選して、当選役「正解ベル」と「上段ベル1」と「上段ベル6」とが有効ラインに停止を許可された場合を想定する(図10参照)。以上の場合では、表示許可ビット格納領域の許可ビット番号「10」「11」「16」で指定される各表示許可ビットが「1」に設定され、その他のビットは「0」に設定される。
メインRAM303は、後述の表示判定処理において、表示許可ビット格納領域と対比される表示役格納領域を記憶する。表示役格納領域は、複数の表示可能ビットを含んで構成され、各表示可能ビットは、各当選役に対応する(表示許可ビット格納領域と同様)。また、各表示可能ビットは、当該表示可能ビットに対応する当選役が有効ラインに停止する可能性がある場合に「1」に設定され、対応する当選役が有効ラインに停止する可能性がない場合に「0」に設定される。例えば、各リール12が回転を開始した時点においては、全ての当選役が有効ラインに停止する可能性があるため、全ての表示可能ビットが「1」に設定される。また、表示役格納領域の各表示可能ビットは、各リール12が停止する毎に更新され、全てのリール12が停止した時点において、実際に有効ラインに停止した当選役に対応する表示可能ビットのみが「1」になる。
内部抽選処理で当選した当選役は、遊技者の各停止ボタン25の操作態様に応じて、有効ラインに停止する。具体的には、各当選役は、各停止ボタン25の停止操作位置および停止操作の順序に応じて、有効ラインに停止する。例えば、停止操作位置から4コマ(停止操作位置を含めて5コマ)の範囲(以下「引き込み範囲」という)内に位置する図柄が有効ラインに停止可能であり、当該範囲外に位置する図柄は、当選役を構成する図柄であっても有効ラインに停止されない(いわゆる「取りこぼし」が発生する)。また、上述したとおり、一回の遊技において、複数種類の当選役が重複して当選する場合がある。複数種類の当選役が当選した遊技においては、例えば停止操作の順序に応じた当選役が有効ラインに停止する。
図12および図13は、当選エリアと停止操作順序と有効ラインに停止する当選役(有効ラインに停止する図柄の組合せ)との対応関係の説明図である。
図12は、再遊技当選エリアが当選した遊技において、各停止操作順序で有効ラインに停止する当選役を説明する図である。図12に示すように、当選エリア「打順リプレイX1〜X4」の何れかが当選した場合、停止操作の態様に応じて「通常リプレイ」または「RT2移行リプレイ」が有効ラインに停止する。具体的には、当選エリア「打順リプレイX1」が当選した遊技において、リール12Cが第1停止操作、リール12Lが第2停止操作、リール12Rが第3停止操作される停止操作順序(以下単に「中左右」の停止操作順序という)の場合、当選役「RT2移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイX1」が当選した遊技において、「中左右」以外の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。
図12に示すように、当選エリア「打順リプレイX2」が当選した遊技において、「中右左」の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイX2」が当選した遊技において、「中右左」以外の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。また、当選エリア「打順リプレイX3」が当選した遊技において、「右左中」の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイX3」が当選した遊技において、「右左中」以外の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。同様に、当選エリア「打順リプレイX4」が当選した遊技において、「右中左」の順序で停止操作した場合、当選役「RT2移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイX4」が当選した遊技において、「右中左」以外の順序で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。
図12に示すように、当選エリア「打順リプレイY1〜Y3」の何れかが当選した場合、停止操作の態様に応じて「通常リプレイ」または「RT3移行リプレイ」が有効ラインに停止する。具体的には、当選エリア「打順リプレイY1」が当選した遊技において、リール12Lが第1停止操作された場合、当選役「RT3移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイY1」が当選した遊技において、リール12L以外が第1停止操作された場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。また、当選エリア「打順リプレイY2」が当選した遊技において、リール12Cが第1停止操作された場合、当選役「RT3移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイY2」が当選した遊技において、リール12C以外が第1停止操作された場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。同様に、当選エリア「打順リプレイY3」が当選した遊技において、リール12Rが第1停止操作された場合、当選役「RT3移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイY3」が当選した遊技において、リール12R以外が第1停止操作された場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。
図12に示すように、当選エリア「打順リプレイY4〜Y6」の何れかが当選した場合、停止操作の態様に応じて「通常リプレイ」または「RT5移行リプレイ」が有効ラインに停止する。具体的には、当選エリア「打順リプレイY4」が当選した遊技において、左第1停止操作された場合、当選役「RT5移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイY4」が当選した遊技において、リール12L以外が第1停止操作された場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。また、当選エリア「打順リプレイY5」が当選した遊技において、中第1停止操作された場合、当選役「RT5移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイY5」が当選した遊技において、リール12C以外が第1停止操作された場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。同様に、当選エリア「打順リプレイY6」が当選した遊技において、右第1停止操作された場合、当選役「RT5移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイY6」が当選した遊技において、リール12R以外が第1停止操作された場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。
図12に示すように、当選エリア「打順リプレイZ1〜Z3」の何れかが当選した場合、停止操作の態様に応じて「通常リプレイ」または「RT2移行リプレイ」が有効ラインに停止する。具体的には、当選エリア「打順リプレイZ1」が当選した遊技において、左第1停止操作された場合、当選役「RT2移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイZ1」が当選した遊技において、リール12L以外が第1停止操作された場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。また、当選エリア「打順リプレイZ2」が当選した遊技において、中第1停止操作された場合、当選役「RT2移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイZ2」が当選した遊技において、リール12C以外が第1停止操作された場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。同様に、当選エリア「打順リプレイZ3」が当選した遊技において、右第1停止操作された場合、当選役「RT2移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイZ3」が当選した遊技において、リール12R以外が第1停止操作された場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。
図12に示すように、当選エリア「打順リプレイZ4〜Z6」の何れかが当選した場合、停止操作の態様に応じて「通常リプレイ」または「RT4移行リプレイ」が有効ラインに停止する。具体的には、当選エリア「打順リプレイZ4」が当選した遊技において、左第1停止操作された場合、当選役「RT4移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイZ4」が当選した遊技において、リール12L以外が第1停止操作された場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。また、当選エリア「打順リプレイZ5」が当選した遊技において、中第1停止操作された場合、当選役「RT4移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイZ5」が当選した遊技において、リール12C以外が第1停止操作された場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。同様に、当選エリア「打順リプレイZ6」が当選した遊技において、右第1停止操作された場合、当選役「RT4移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイZ6」が当選した遊技において、リール12R以外が第1停止操作された場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。
図12に示すように、当選エリア「打順リプレイZ7〜Z9」の何れかが当選した場合、停止操作の態様に応じて「通常リプレイ」または「RT3移行リプレイ」が有効ラインに停止する。具体的には、当選エリア「打順リプレイZ7」が当選した遊技において、左第1停止操作された場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイZ7」が当選した遊技において、リール12L以外が第1停止操作された場合、当選役「RT3移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。また、当選エリア「打順リプレイZ8」が当選した遊技において、中第1停止操作された場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイZ8」が当選した遊技において、リール12C以外が第1停止操作された場合、当選役「RT3移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。同様に、当選エリア「打順リプレイZ9」が当選した遊技において、右第1停止操作された場合、当選役「通常リプレイ」が有効ラインに停止表示される。一方で、当選エリア「打順リプレイZ9」が当選した遊技において、リール12R以外が第1停止操作された場合、当選役「RT3移行リプレイ」が有効ラインに停止表示される。
図12に示すように、上乗せリプレイが当選した場合であって、右第1停止の場合、当選役「BARリプレイ」または「フォローリプレイ」または「通常リプレイ」が停止表示される。具体的には、上乗せリプレイが当選した遊技において、右第1停止操作の場合であって、各リール12の各「BAR2」図柄が引込範囲内に位置するタイミングで停止操作された場合、当選役「BARリプレイ」が停止表示される。一方で、右第1停止操作の場合であって、リール12Rの「BAR2」図柄を引込範囲内で停止操作し、リール12Lおよびリール12Cの一方または両方の「BAR2」図柄が引込範囲外に位置するタイミングで停止操作された場合、当選役「フォローリプレイ」が停止表示される。上乗せリプレイが当選した遊技で右第1停止操作の場合であって、リール12Rの「BAR2」図柄を引込範囲外で停止操作した場合、当選役「通常リプレイ」が停止表示される。また、上乗せリプレイが当選した遊技で、左第1停止操作または中第1停止操作がされた場合、停止操作位置によらず、当選役「通常リプレイ」が停止表示される。なお、当選エリア「通常リプレイ」が当選した場合、何れの停止操作順序であっても、当選役「通常リプレイ」が停止表示される。
図13は、当選エリア「打順ベル」(C1〜C4、R1〜R4)が当選した遊技において、各停止操作順序で有効ラインに停止する当選役を説明する図である。当選エリア「打順ベル」が決定された場合、当選役「正解ベル」および当選役「上段ベル1〜8」の何れかが当選役として指定される(図10参照)。図13から理解される通り、当選エリア「打順ベル」が当選した遊技において、停止操作順序に応じて、当選役「正解ベル」または当選役「上段ベル」の一方が有効ラインに停止する。
図13に示すように、当選エリア「打順ベルC1」が決定された遊技において、中第1停止操作の場合、当選役「正解ベル」を有効ラインに引込む停止制御がされる。当選役「正解ベル」は、何れの停止操作位置であっても有効ラインに停止表示される。他方で、停止ボタン25C以外が第1停止操作された場合、当選役「上段ベル1」または「上段ベル6」を有効ラインに引込む停止制御がされる。ただし、当選役「上段ベル1」および「上段ベル6」は、停止操作位置によっては取りこぼす。
図13に示すように、当選エリア「打順ベルC2」が決定された遊技において、中第1停止操作の場合、当選役「正解ベル」を有効ラインに引込む停止制御がされる。他方で、停止ボタン25C以外が第1停止操作された場合、当選役「上段ベル2」または「上段ベル5」を有効ラインに引込む停止制御がされる。ただし、当選役「上段ベル2」および「上段ベル5」は、停止操作位置によっては取りこぼす。同様に、当選エリア「打順ベルC3」が当選した遊技においては、中第1停止操作の場合は、停止操作位置にかかわらず、有効ラインに当選役「正解ベル」が停止し、最初に停止ボタン25C以外が操作された場合は、当選役「上段ベル3」または「上段ベル8」が停止する。当選エリア「打順ベルC4」が当選した遊技においては、中第1停止操作の場合は、停止操作位置にかかわらず、有効ラインに当選役「正解ベル」が停止し、最初に停止ボタン25C以外が操作された場合は、当選役「上段ベル4」または「上段ベル7」が停止する。
図13に示すように、当選エリア「打順ベルR1」が決定された遊技において、右第1停止操作の場合、有効ラインに当選役「正解ベル」が停止する。他方で、停止ボタン25R以外が第1停止操作された場合、当選役「上段ベル1」または「上段ベル7」が停止する。また、当選エリア「打順ベルR2」が決定された遊技において、右第1停止操作の場合、何れの停止操作位置であっても、有効ラインに当選役「正解ベル」が停止する。他方で、停止ボタン25R以外が第1停止操作された場合、当選役「上段ベル2」または「上段ベル8」が停止する。同様に、当選エリア「打順ベルR3」が当選した遊技においては、右第1停止操作の場合は、停止操作位置にかかわらず、有効ラインに当選役「正解ベル」が停止し、最初に停止ボタン25R以外が操作された場合は、当選役「上段ベル3」または「上段ベル5」が停止する。当選エリア「打順ベルR4」が当選した遊技においては、右第1停止操作の場合は、停止操作位置にかかわらず、有効ラインに当選役「正解ベル」が停止し、最初に停止ボタン25R以外が操作された場合は、当選役「上段ベル4」または「上段ベル6」が停止する。
以上の説明から理解される通り、当選エリア「打順ベル」が当選した遊技においては、正解押し順で停止操作がされた場合、「正解ベル」(払出枚数は9枚)が有効ラインに停止する。一方で、正解押し順以外で停止操作がされた場合、ハズレ目が有効ラインに停止する場合がある。したがって、正解押し順で遊技をした場合、正解押し順以外で遊技した場合と比較して、遊技者にとって有利となる。詳細には後述するが、サブCPU412はAT状態の場合、正解ベルの正解押し順を報知する。
上述した通り、RT状態は、RT0状態からRT5状態を含んで構成される。また、RT状態は、RT移行図柄が有効ラインに表示された場合に移行する。具体的には、有効ラインにRT1移行図柄が表示された場合、RT1状態に移行する。同様に、有効ラインにRT2移行図柄が表示された場合、RT2状態に移行し、RT3移行図柄が表示された場合、RT3状態に移行し、RT4移行図柄が表示された場合、RT4状態に移行し、RT5移行図柄が表示された場合、RT5状態に移行する。
図14は、RT移行図柄規定テーブルの概念図である。図14および図11から理解される通り、RT5移行図柄は、RT5移行リプレイの図柄の組合せと同じである。すなわち、RT5移行リプレイが停止表示された場合、再遊技の権利が付与され、且つ、RT5状態に移行する。同様に、RT4移行リプレイが停止表示された場合、再遊技の権利が付与されるとともにRT4状態に移行し、RT3移行リプレイが停止表示された場合、再遊技の権利が付与されるとともにRT3状態に移行し、RT2移行リプレイが停止表示された場合、再遊技の権利が付与されるとともにRT2状態に移行する。
RT1移行図柄は、当選エリア「打順ベル」が当選した遊技において、当選役(正解ベル、上段ベル)を取りこぼした場合に停止表示される。すなわち、打順ベルの正解押し順以外で停止操作をし、且つ、当選した上段ベルが引き込めないタイミングで停止操作をした場合、RT1移行図柄は停止表示される。RT1移行図柄は、当選役の図柄の組合せではない。
詳細には後述するが、サブCPU412は、RT移行リプレイが停止表示される停止操作順序を報知することで、RT状態を適宜に移行可能とし、通常リプレイが停止表示される停止操作順序を報知することで、RT状態を維持可能とする。また、サブCPU412は、打順ベルの正解押し順を報知することで、正解ベルを停止表示可能とし、RT1移行図柄が停止表示されることを防止する。
図15は、各リールロック抽選テーブル(A、B)の概念図である。各リールロック抽選テーブルは、リールロック抽選テーブルAとリールロック抽選テーブルBとを含んで構成される。リールロック抽選テーブルAは、当選エリア「31」(弱スイカ)、当選エリア「33」(弱チェリー)または当選エリア「35」(弱チャンス目)(以下「弱レア役」という)が当選した場合に参照される。リールロック抽選テーブルBは、当選エリア「32」(強スイカ)、当選エリア「34」(強チェリー)または当選エリア「36」(強チャンス目)(以下「強レア役」という)が当選した場合に参照される。
図15に示すように、各リールロック抽選テーブルは、各リールロック(ショートロック、ミドルロック、ロングロック)に対応する各抽選値を含んで構成される。各抽選値は、回胴演出制御処理において、乱数値R2に減算される。回胴演出制御処理では、各抽選値が順次に乱数値R2に減算され、減算の結果が負数になったリールロックが決定される。
本実施形態においては、ショートロックとミドルロックとロングロックとを含むリールロックが実行される。ショートロックにおいては、遊技の開始が指示された時点(スタートレバー24が操作された時点)から所定の時間長(例えば約1000ms)だけ各リール12が停止した状態に維持され、所定の時間長が経過した後に各リール12が定常回転する。ミドルロックにおいても、遊技の開始が指示された時点から所定の時間長(例えば約2000ms)だけ各リール12が停止した状態に維持され、所定の時間長が経過した後に各リール12が定常回転する。ただし、各リール12の停止が維持される時間長は、ミドルロックの方がショートロックと比較して長い。ロングロックにおいては、遊技の開始が指示された時点から所定の時間長(例えば約5000ms)だけ各リール12が停止した状態に維持され、所定の時間長が経過した後に各リール12が定常回転する。各リール12の停止が維持される時間長は、ロングロックの方がミドルロックと比較して長い。
メインRAM303には、有効ラインへの停止が許可された図柄の組合せを示す表示許可ビット格納領域、設定表示部36に表示される数値が格納される表示設定値格納領域、設定値が格納される設定値格納領域、乱数値R1が格納される乱数値R1格納領域、乱数値R2が格納される乱数値R2格納領域、サブ制御基板400に送信するコマンドを格納するコマンド格納領域、各種のランプの表示態様を示すデータを格納するランプ関連データ格納領域、当選エリアを格納する当選エリア格納領域、停止操作がされていない停止ボタン25の個数を示す未停止操作カウンタ、各停止ボタン25の操作順序を格納する停止順序格納領域を含む格納領域が設けられている。
<サブCPUが用いる各データ>
以下、図面を用いて、サブROM413に記憶される各種のデータを説明する。サブROM413は、図18に示すART決定テーブル、図19に示す特殊遊技決定テーブル、図20に示す特別遊技決定テーブル、図21および図22に示す上乗せ決定テーブル、図23に示す特典決定テーブルおよび図25に示す演出抽選テーブルを含む各種のデータを記憶する。
図16は、サブ状態の遷移を説明する図である。サブCPU412はサブ状態に応じて各種の処理を実行する。現在のサブ状態は、例えば、サブRAM414に記憶される。図16に示すように、各サブ状態は、通常状態、前兆状態、特別遊技状態、開始準備状態、ART状態、終了準備状態、ART中前兆状態および特殊遊技状態を含んでいる。また、各サブ状態は、特定の条件を満たした場合(例えば、特定の抽選に当選した場合)に移行する。
通常状態の各遊技において、ART状態または特別遊技状態に移行するか否かが決定される。具体的には、弱スイカ、弱チェリー、弱チャンス目(弱レア役)または強スイカ、強チェリー、強チャンス目(強レア役)が当選した遊技でART状態または特別遊技状態への移行が所定の確率で決定される。また、通常状態は、低確率通常状態と高確率通常状態とを含む。高確率通常状態においては、低確率通常状態と比較して、ART状態への移行が決定されやすい。
弱レア役または強レア役が低確率通常状態で当選した場合、高確率通常状態への移行が所定の確率で決定される。また、高確率通常状態において打順ベルが当選した場合、低確率通常状態への移行が所定の確率で決定される。なお、詳細には後述するが、通常状態のRT状態は、原則としてRT1状態になる。
前兆状態は、例えば、通常状態においてレア役に当選した場合に移行する(図16の(A))。また、前兆状態は、本前兆状態とガセ前兆状態とを含む。本前兆状態は、通常状態において、レア役が当選した場合であって、ART状態または特別遊技状態への移行が決定された場合に移行する。また、本前兆状態は所定の回数の遊技で終了し、本前兆状態が終了した場合、開始準備状態に移行する(図16の(B))。一方で、ガセ前兆状態は、通常状態においてレア役が当選した場合であって、ART状態への移行、および、特別遊技状態への移行が決定されない場合に移行する。ガセ前兆状態は所定の回数の遊技で終了し、ガセ前兆状態が終了した場合、通常状態に移行する(図16の(C))。
開始準備状態は、各RT移行図柄(RT移行リプレイ)を有効ラインに停止させる停止操作順序が報知される。詳細には後述するが、ART状態が当選した場合の開始準備状態においては、RT3移行リプレイの正解押し順が報知され、RT3移行リプレイが停止表示されると、ART状態に移行する(図16の(D))。ART状態に移行する場合、ART状態の残り遊技回数の初期値「50」がARTゲーム数カウンタにセットされる。ARTゲーム数カウンタは、例えば、サブRAM414に設けられる。
特別遊技状態が当選した場合の開始準備状態においては、RT5移行リプレイの正解押し順が報知され、RT5移行リプレイが停止表示されると、特別遊技状態に移行する(図16の(E))。特別遊技状態に移行する場合、特別遊技状態の残り遊技回数の初期値「30」が特別遊技数カウンタにセットされる。特別遊技数カウンタは、例えば、サブRAM414に設けられる。なお、通常状態において、予め定められた回数(例えば1000回)の遊技でART状態または特別遊技状態への移行が決定されない場合、通常状態から前兆状態に移行し、その後、開始準備状態を介してART状態または特別遊技状態に移行する構成としてもよい。
ART状態は、原則、通常状態(RT1状態)よりリプレイの当選確率が高いRT3状態である。また、ART状態においては、正解ベルの正解押し順が報知される。したがって、ART状態は、通常状態と比較して、遊技者にとって有利なサブ状態である。ART状態の各遊技では、特殊遊技状態に移行するか否か、および、ART状態の残り遊技回数に上乗せ遊技回数を加算するか否かが決定される。また、ART状態は、残り遊技回数が終了値「0」に到達した場合に終了する(図16の(F))。また、詳細には後述するが、ART状態は、第1ART状態と、第1ART状態より上乗せ遊技回数が決定されやすい第2ART状態とを含んでいる。
ART中前兆状態は、例えば、ART状態においてレア役が当選した場合に移行する(図16の(G))。また、ART中前兆状態は、ART中本前兆状態とART中ガセ前兆状態とを含む。ART中本前兆状態には、ART状態において、レア役が当選した場合であって、特殊遊技状態または特別遊技状態への移行が決定された場合に移行する。また、ART中本前兆状態は、所定の回数の遊技で終了し、その後、開始準備状態に移行する(図16の(H))。特殊遊技状態が当選した場合の開始準備状態においては、RT4移行リプレイの正解押し順が報知され、RT4移行リプレイが停止表示されると、特殊遊技状態に移行する(図16の(I))。また、ART状態において特別遊技状態に当選した場合は、通常状態において特別遊技状態に当選した場合と同様に、開始準備状態においてRT5移行リプレイの正解押し順が報知され、RT5移行リプレイが停止表示されると、特別遊技状態に移行する。一方で、ART中ガセ前兆状態は、ART状態においてレア役が当選した場合であって、特殊遊技状態への移行、および、特別遊技状態への移行が決定されない場合に移行する。また、ART中ガセ前兆状態は、所定の回数の遊技で終了し、その後、ART状態に移行する(図16の(J))。
特別遊技状態は、通常状態(RT1状態)よりリプレイの当選確率が高いRT5状態であり、特別遊技状態においては、正解ベルの正解押し順が報知される。したがって、特別遊技状態は、通常状態と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態である。また、特別遊技状態は、予め定められた回数(例えば30回)の遊技で終了し、その後、当該特別遊技状態が当選したサブ状態に移行する。具体的には、通常状態で当選した特別遊技状態が終了した場合、終了準備状態に移行し(図16の(K))、その後、通常状態に移行する。一方で、ART状態で当選した特別遊技状態が終了した場合、ART状態に移行(復帰)する(図16の(L))。
特殊遊技状態は、ART状態と比較して、上乗せ遊技回数が加算されやすい遊技状態である。詳細には後述するが、特殊遊技状態においては、当選役「上乗せリプレイ」が当選する毎に上乗せ遊技回数が残り遊技回数に加算される。また、特殊遊技状態は、RT3移行リプレイが有効ラインに停止した場合に終了(転落)する(図16の(M))。
終了準備状態は、ART状態または特別遊技状態が終了した後に移行する遊技状態である。また、終了準備状態は、打順ベルが当選し、且つ、打順ベルの各当選役を取りこぼした場合に終了する。すなわち、RT1移行図柄が有効ラインに停止表示された場合に終了する。終了準備状態が終了すると、通常状態に移行する(図16の(N))。
図17は、サブ状態とRT状態との組合せに応じて報知される停止操作順序を説明する図である。サブCPU412は、サブ状態およびRT状態に応じて、有効ラインに特定の当選役が停止する停止操作順序を報知する。なお、図17においては、RT状態のうちRT0状態が省略されている。本実施形態においては、RT状態は、RT0状態からRT1状態に移行した後の遊技において、原則、RT0状態に再度移行しない。RT0状態においては、停止操作順序は報知されない。
図17に示すように、通常状態および前兆状態においては、停止操作順序の報知がされない。本実施形態においては、停止操作順序が報知されないサブ状態で、各停止ボタン25のうち停止ボタン25L以外を最初に停止操作した場合、遊技者に対して警告がされる。例えば、「左リールから押してください」というメッセージを液晶表示装置30に表示させて警告する。したがって、遊技者は、停止操作順序が報知されないサブ状態においては、停止ボタン25Lを最初に停止操作する。なお、停止操作順序が報知されないサブ状態において、停止ボタン25L以外が最初に操作された場合、上述した警告に加えて、遊技者に対して遊技上のペナルティを与えてもよい。例えば、停止ボタン25L以外が最初に停止操作されてから所定の期間(例えば5ゲームの期間)が経過するまで、ART状態への移行が決定されない構成が採用され得る。
通常状態においては、停止ボタン25Lが最初に停止操作されるため、打順リプレイが当選した遊技でRT移行リプレイが停止表示されない(図12参照)。したがって、通常状態は、原則、RT1状態になる。ただし、上述した警告を無視して停止ボタン25L以外を最初に停止操作した場合、RT移行リプレイが有効ラインに停止して、RT1状態以外に移行し得る。しかし、図17に示すように、通常状態では正解ベルの正解押し順が報知されない。したがって、仮に、通常状態においてRT1状態以外に移行した場合であっても、打順ベルが当選した遊技で取りこぼしが発生し、RT1移行図柄が停止表示されてRT1状態に移行する。
図17に示すように、開始準備状態において、RT1状態ではRT2移行リプレイの正解押し順が報知される。前兆状態(通常状態)はRT1状態であるため、前兆状態が終了して開始準備状態に移行した直後はRT1状態になる。したがって、開始準備状態に移行した直後の遊技では、RT2移行リプレイの正解押し順が報知される。また、図17に示すように、開始準備状態において、打順ベルの正解押し順が報知される。
図17に示すように、開始準備状態において、RT2状態では移行するサブ状態に応じたRT移行リプレイの正解押し順が報知される。具体的には、ART状態に移行する場合、開始準備状態において、RT3移行リプレイの正解押し順が報知される。また、特別遊技状態に移行する場合は、RT5移行リプレイの正解押し順が報知され、特殊遊技状態に移行する場合は、RT4移行リプレイの正解押し順が報知される。上述したように、開始準備状態において、RT3移行リプレイが停止表示されると、ART状態に移行する。また、RT5移行リプレイが停止表示されると、特別遊技状態に移行し、RT4移行リプレイが停止表示されると、特殊遊技状態に移行する。
なお、開始準備状態において、正解ベルを有効ラインに停止させてメダルを獲得しつつ、例えば、RT3移行リプレイの正解押し順の報知を無視してART状態に移行させない(すなわち、ART状態の残り遊技回数の減算を開始させない)不正行為が想定される。以上の不正行為を防止する観点から、RT移行リプレイの正解押し順を無視した場合、遊技上のペナルティを与える構成としてもよい。例えば、開始準備状態において、全ての停止操作順序の報知を所定の遊技回数だけ停止させるペナルティを付与する構成が想定される。
図17に示すように、ART状態およびART中前兆状態において、RT3状態では通常リプレイと正解ベルとの正解押し順が報知される。遊技者は、報知される正解押し順で停止操作することにより、RT3状態を維持しつつ、正解ベルを停止させてメダルを獲得することができる。また、ART状態において、RT5状態ではRT3移行リプレイと正解ベルとの正解押し順が報知される。以上の構成では、特別遊技状態(RT5状態)が終了した直後のART状態において、RT3移行リプレイの正解押し順が報知され、RT5状態からRT3状態に移行する。
図17に示すように、ART状態において、RT1状態では正解ベルの正解押し順とRT2移行リプレイの正解押し順とが報知される。また、ART状態において、RT2状態では正解ベルの正解押し順とRT3移行リプレイの正解押し順とが報知される。以上の構成によれば、ART状態においてRT1状態に移行した場合であっても、報知される停止操作順序に従うことにより、RT3状態に移行(復帰)可能である。なお、ART状態でRT1状態に移行する場合とは、遊技者の不注意等により、報知された正解ベルの押し順以外で停止操作がされた場合が想定される。
なお、サブCPU412は、RT1状態に移行してからRT3状態に復帰するまでの期間において、RT3状態に復帰中である旨を遊技者に報知してもよい。例えば、液晶表示装置30に「RT状態復帰中」というメッセージを表示する構成が考えられる。また、RT1状態からRT3状態に復帰するまで、ART状態の残り遊技回数の減算を停止してもよい。
図17に示すように、特別遊技状態において、RT5状態では通常リプレイと正解ベルとの正解押し順が報知される。遊技者は、報知される正解押し順で停止操作することにより、RT5状態を維持しつつ、正解ベルを停止させてメダルを獲得することができる。また、特別遊技状態において、RT5状態以外に移行した場合、RT5状態に復帰するための停止操作順序が報知される。例えば、特別遊技状態においてRT1状態に転落した場合を想定する。以上の場合、RT1状態においてRT2移行リプレイの正解押し順が報知され、RT2状態においてRT5移行リプレイの正解押し順が報知される。
図17に示すように、特殊遊技状態において、RT4状態では通常リプレイと正解ベルとの正解押し順が報知される。ただし、通常リプレイの正解押し順の報知は、特殊遊技状態が特定の回数の遊技に到達するまでの期間に実行され、特定の回数に到達した以降においては実行されない。具体的には、特殊遊技状態において当選エリア「打順リプレイZ7〜Z9」が当選した場合であって、当該特殊遊技状態の遊技回数が5回未満の場合、通常リプレイが停止する操作順序を報知する。一方で、当該特殊遊技状態の遊技回数が5回以上の場合、通常リプレイが停止する操作順序を報知しない。上述したように、当選エリア「打順リプレイZ7〜Z9」が当選した場合、停止操作順序に応じて、通常リプレイまたはRT3移行リプレイが有効ラインに停止する。本実施形態においては、当選エリア「打順リプレイZ7〜Z9」が当選した遊技でRT3移行リプレイが停止した場合、特殊遊技状態が終了する。他方で、当選エリア「打順リプレイZ7〜Z9」が当選した遊技で通常リプレイが停止した場合、特殊遊技状態が継続する。
以上の構成によれば、当選エリア「打順リプレイZ7〜Z9」(RT3移行リプレイ)が当選した場合であっても、通常リプレイを有効ラインに停止せることにより、特殊遊技状態を継続させることができる。例えば、今回の特殊遊技状態で5回以上の遊技の後に当選エリア「打順リプレイZ7〜Z9」が当選した場合、「押順正解で特殊遊技継続!」というメッセージを液晶表示装置30に表示する。また、特殊遊技状態の遊技回数が5回に到達するまでは、通常リプレイの正解押し順が報知されるため、当該期間においては、報知された押順に従うことで特殊遊技状態を継続させることができる。すなわち、遊技回数が5回に到達するまでは、特殊遊技状態の継続が保障されるとも換言できる。また、特殊遊技状態において、RT4状態以外に移行した場合、RT4状態に復帰するための停止操作順序が報知される。
図17に示すように、終了準備状態においては、停止操作順序の報知がされない。したがって、遊技者は、停止ボタン25Lを最初に停止操作する。終了準備状態において、RT1移行図柄が有効ラインに停止した場合、通常状態に移行する。
図18は、各ART決定テーブルの概念図である。各ART決定テーブルは、低確率通常状態で用いられるART決定テーブル(図18(a))と、高確率通常状態で用いられるART決定テーブル(図18(b))とを含んでいる。
各ART決定テーブルは、当選エリア毎の各抽選値を含んで構成される。サブCPU412は、通常状態の各遊技のART決定処理において、当選エリアに応じた抽選値を乱数値R3に減算する。また、各当選エリアの各抽選値は、「当選」の抽選値と「非当選」の抽選値とを含む。サブCPU412は、「当選」の抽選値を乱数値R3から減算した結果が負数になった場合、ART状態への移行を決定する。本実施形態においては、図18に示すように、当選エリア「00」から「30」(ハズレ、リプレイ、ベル)の「当選」の抽選値は「0」である。したがって、当選エリア「00」から「30」が当選した遊技において、乱数値R3の減算結果は負数にならない。すなわち、当選エリア「00」から「30」が当選した遊技のART決定処理において、ART状態への移行は決定されない。一方で、当選エリア「31」から「36」(レア役)の「当選」の抽選値は「0」より大きく、レア役が当選した場合、ART状態への移行が決定され得る。
図18に示すように、高確率通常状態におけるレア役の「当選」の各抽選値は、低確率通常状態における各当選エリアの「当選」の各抽選値より大きい。乱数値R3に減算される抽選値が大きいほど、減算結果が負数になる確率は高くなるため、高確率通常状態は低確率通常状態と比較してART状態への移行が決定されやすい。なお、図18では、高確率通常状態のレア役の「当選」の各抽選値は、低確率通常状態より大きい構成を例示したが、一部の当選エリアについて、高確率通常状態より低確率通常状態の抽選値が大きい(または等しい)構成としてもよい。また、高確率通常状態と低確率通常状態とで、ART状態への移行が決定され得る当選エリアの種類を異ならせてもよい。例えば、低確率通常状態の場合はレア役が当選した場合にART状態への移行が決定され、高確率通常状態の場合はレア役が当選した場合に加え共通ベルが当選した場合にART状態への移行が決定され得る構成としてもよい。
図19は、特殊遊技決定テーブルの概念図である。サブCPU412は、ART状態の各遊技における当選エリアに応じて、特殊遊技決定テーブルを用いて特殊遊技状態に移行するか否かを決定する。特殊遊技決定テーブルは、ART決定テーブルと同様に、当選エリア毎の各抽選値を含んで構成される。サブCPU412は、ART状態の各遊技の特殊遊技決定処理において、当選エリアに応じた抽選値を乱数値R3に減算する。また、各当選エリアの各抽選値は、「当選」の抽選値と「非当選」の抽選値とを含む。サブCPU412は、「当選」の抽選値を乱数値R3から減算した結果が負数になった場合、特殊遊技状態への移行を決定する。なお、図19では、当選エリア「00」から「30」の「当選」の抽選値が「0」の特殊遊技決定テーブルを例示したが、当該当選エリアの「当選」の抽選値を「0」より大きくしてもよい。以上の構成では、レア役が当選しない場合であっても、特殊遊技状態への移行が決定され得る。
図20は、特別遊技決定テーブルの概念図である。サブCPU412は、通常状態およびART状態の各遊技における当選エリアに応じて、特別遊技決定テーブルを用いて特別遊技状態に移行するか否かを決定する。特別遊技決定テーブルは、ART決定テーブルおよび特殊遊技決定テーブルと同様に、当選エリア毎の各抽選値を含んで構成される。サブCPU412は、通常状態およびART状態の各遊技の特別遊技決定処理において、当選エリアに応じた抽選値を乱数値R3に減算する。また、各当選エリアの各抽選値は、「当選」の抽選値と「非当選」の抽選値とを含む。サブCPU412は、「当選」の抽選値を乱数値R3から減算した結果が負数になった場合、特別遊技状態への移行を決定する。なお、図20では、当選エリア「00」から「30」の「当選」の抽選値が「0」の特別遊技決定テーブルを例示したが、当該当選エリアの「当選」の抽選値を「0」より大きくしてもよい。以上の構成では、レア役が当選しない場合であっても、特別遊技状態への移行が決定され得る。また、特別遊技決定テーブルは、通常状態(低確率通常状態、高確率通常状態)およびART状態において、共通としてもよいし、各状態で異なる特別遊技決定テーブルを用いてもよい。
サブCPU412は、ART状態の各遊技において、上乗せ遊技回数を上乗せ決定処理により決定する。具体的には、サブCPU412は、当選エリア「弱スイカ」「強スイカ」「弱チェリー」「強チェリー」「弱チャンス目」「強チャンス目」(レア役)の何れかが当選したことを契機に、上乗せ決定処理で上乗せ遊技回数を決定する。上乗せ遊技回数は、「10ゲーム」「20ゲーム」「30ゲーム」「50ゲーム」「100ゲーム」「200ゲーム」「300ゲーム」が設けられる。上乗せ遊技回数を決定した場合、サブCPU412は、当該上乗せ遊技回数をARTゲーム数カウンタに加算する。
図21は、上乗せ決定処理で用いられる各上乗せ決定テーブル(A、B)の概念図である。図21に示すように、上乗せ決定テーブルは、各当選エリアが当選した場合の各上乗せ遊技回数が決定される確率を規定する。
各上乗せ決定テーブルは、第1ART状態で用いられる上乗せ決定テーブルA(図21(a))と第2ART状態で用いられる上乗せ決定テーブルB(図21(b))とを含む。第1ART状態は、失敗カウンタが数値「5」より小さい場合のART状態である。また、第2ART状態は、失敗カウンタが数値「5」以上の場合のART状態である。
失敗カウンタは、上乗せ決定処理で「上乗せなし」が決定された場合に加算される。また、失敗カウンタは、上乗せ決定処理で上乗せ遊技回数の何れかが決定された場合、初期値「0」にクリアされる。すなわち、失敗カウンタは、上乗せ決定処理において上乗せを実行しないことが決定された連続回数を計数する。失敗カウンタは、例えば、サブRAM414に設けられる。
図21に示すように、弱スイカが当選した場合、「上乗せなし」が決定される確率は、第1ART状態(確率約89%)より第2ART状態(確率約76%)が小さい。すなわち、弱スイカが当選した場合、「10ゲーム」以上の上乗せ遊技回数が決定される確率(「上乗せなし」以外が決定される確率)は、第1ART状態(確率約11%)より第2ART状態(確率約24%)が大きい。同様に、強スイカが当選した場合、上乗せ遊技回数が決定される確率は、第1ART状態(確率約33%)より第2ART状態(確率約48%)が大きく、弱チェリーが当選した場合、上乗せ遊技回数が決定される確率は、第1ART状態(確率約10%)より第2ART状態(確率約20%)が大きい。また、弱チャンス目が当選した場合、上乗せ遊技回数が決定される確率は、第1ART状態(確率約21%)より第2ART状態(確率約31%)が大きい。また、何れのART状態であっても、強チェリーまたは強チャンス目が当選した場合、「上乗せなし」は決定されない。以上の通り、各レア役が当選した場合の上乗せ遊技回数が決定される確率は、第1ART状態より第2ART状態が大きい。すなわち、第2ART状態は、第1ART状態より上乗せ遊技回数が決定されやすい。
ART状態に移行した直後において、失敗カウンタは初期値「0」である。したがって、ART状態に移行した直後は、第1ART状態になる。その後、上乗せ決定処理において「上乗せなし」が決定される毎に数値「1」が失敗カウンタに加算され、「上乗せなし」が5回連続して決定されると、失敗カウンタが数値「5」に到達し、第2ART状態に移行する。第2ART状態において、上乗せ決定処理で上乗せ遊技回数が決定された場合、失敗カウンタは初期値「0」にクリアされ、第1ART状態に移行する。
詳細には後述するが、失敗カウンタが数値「5」に到達した場合、サブCPU412は、第1特典付与処理で遊技者に特典(上乗せ遊技回数)を付与する。また、失敗カウンタが数値「10」に到達した場合、サブCPU412は、第2特典付与処理で特典(上乗せ遊技回数)を付与する。第2特典付与処理が実行された場合、失敗カウンタは初期値「0」にクリアされる。
図22(a)は、特殊遊技状態で参照される上乗せ決定テーブルCの概念図である。図22(a)に示すように、特殊遊技状態においては、レア役に加え、ベルおよび上乗せリプレイが当選した場合も上乗せ遊技回数が加算される。また、特殊遊技状態においては、レア役、ベルおよび上乗せリプレイが当選した場合、上乗せ遊技回数が必ず加算される。以上の説明から理解される通り、特殊遊技状態は、ART状態と比較して上乗せ遊技回数が加算されやすい遊技状態であるといえる。
図22(b)は、ART状態において特別遊技状態に当選した場合に参照される上乗せ決定テーブルDの概念図である。図22(b)に示すように、ART状態において特別遊技状態に当選した場合、10ゲーム以上の上乗せ遊技回数が残り遊技回数に加算される。なお、特別遊技状態(30ゲーム)の各遊技において上乗せ遊技回数が加算される構成としてもよい。
図23(a)は、第1特典付与処理で用いられる第1特典決定テーブルの概念図である。サブCPU412は、失敗カウンタが数値「5」に到達した場合、第1特典付与処理により特典を付与する。具体的には、サブCPU412は、失敗カウンタが数値「5」に到達した場合、上乗せ遊技回数「20ゲーム」「30ゲーム」「50ゲーム」「100ゲーム」の何れかを残り遊技回数に加算する。第1特典付与処理で決定される上乗せ遊技回数は、上乗せ決定処理で決定される上乗せ遊技回数より大きくなりやすい。なお、本実施形態において、失敗カウンタが数値「5」に到達することを「失敗カウンタが第1天井に到達する」という場合がある。
ART状態でレア役が当選した場合、遊技者は、上乗せが実行されることを期待する。しかし、上乗せを実行するか否かは、上述したように抽選により決定されるため、複数回レア役に当選した場合であっても、上乗せが実行されない場合がある。以上の場合、遊技者によっては、遊技に対する意欲が低下し得る。そこで、本実施形態においては、上乗せ決定処理で特定回数(5回)連続して上乗せが実行されなかった場合、第1特典付与処理により特典が付与される。以上の構成によれば、複数回連続して上乗せ遊技回数が決定されなかった場合であっても、特典が付与されるため、遊技者の遊技意欲の低下が抑制される。
図23(b)は、第2特典付与処理で用いられる第2特典決定テーブルの概念図である。サブCPU412は、失敗カウンタが数値「10」に到達した場合、第2特典付与処理により遊技者に特典を付与する。具体的には、サブCPU412は、失敗カウンタが第1天井に到達した後に、さらに5回連続して上乗せ決定処理で上乗せが決定されなかった場合、上乗せ遊技回数を残り遊技回数に加算する。なお、本実施形態において、失敗カウンタが数値「10」に到達することを「失敗カウンタが第2天井に到達する」という場合がある。
図23に示すように、失敗カウンタが第1天井に到達した場合に加算される上乗せ遊技回数は「20ゲーム」「30ゲーム」「50ゲーム」「100ゲーム」の何れかであるのに対し(図23(a))、第2天井に到達した場合に加算される上乗せ遊技回数は、「100ゲーム」および「300ゲーム」の何れかである(図23(b))。すなわち、第2天井に到達した場合に付与される特典は、第1天井に到達した場合に付与される特典と比較して、遊技者にとって有利である。
以上の構成によれば、レア役当選時に上乗せ遊技回数が付与されなかった連続回数が5回以上10回未満の場合、第1特典付与処理により特典が付与される。一方で、レア役当選時に上乗せ遊技回数が付与されなかった連続回数が10回以上の場合、第1特典付与処理による特典と第2特典付与処理による特典とが付与される。すなわち、レア役当選時に上乗せが実行されない連続回数が大きいほど多くの特典が付与される。したがって、レア役当選時に上乗せが連続して実行されなかった場合の遊技意欲の低下が抑制される。また、失敗カウンタが第2天井に到達した場合に付与される特典は、第1天井に到達した場合に付与される特典と比較して、遊技者にとって有利である。したがって、レア役当選時に上乗せが連続して実行されなかった場合の遊技意欲の低下を抑制するという効果は、格別に顕著である。
ところで、失敗カウンタが天井に到達した場合に特典を付与する構成では、失敗カウンタが天井に頻繁に到達した場合、遊技者に対して過剰な利益が付与される場合がある。特に、上述した第1実施形態においては、失敗カウンタが第2天井に到達した場合の上乗せ遊技回数は、他の上乗せの契機(レア役当選時および第1天井到達時)より上乗せ遊技回数が大きくなりやすい。したがって、失敗カウンタが頻繁に第2天井に到達した場合、遊技者に付与される利益が過剰になりやすい。
以上の事情を考慮して、本実施形態においては、上述したように、第2ART状態でレア役に当選した場合は、第1ART状態でレア役に当選した場合と比較して、上乗せ遊技回数が当選しやすい構成とした。以上の構成によれば、失敗カウンタが数値「5」以上になった場合、失敗カウンタがクリアされやすくなる。したがって、失敗カウンタが頻繁に第2天井に到達することが抑制可能となる。なお、数値「5」以上に加算された失敗カウンタが第2天井に到達する以前にクリアされた場合、第2特典付与処理による特典が付与されないため、遊技者によっては、不満を感じる場合がある。しかし、本実施形態においては、失敗カウンタがクリアされる場合に上乗せ遊技回数が加算されるため、上述した不満が抑制される。
図24は、液晶表示装置30がART状態において表示する各画像(MA、MB)の模擬図である。図24(a)に示すように、画像MAには、ART状態の残り遊技回数(ARTゲーム数カウンタの現在値)、当該ART状態の合計遊技回数、および、当該ART状態で獲得したメダルの合計値が表示される。また、画像MAは、図像GAと図像GBとを含んで構成される。図像GAは、当選エリアに応じた停止操作順序を表示する。例えば、当選エリア「打順ベルR1〜R4」(正解押し順は右第1停止)が当選した場合、停止ボタン25Rを最初に停止操作すべき旨が表示される。遊技者は、図像GAにより報知された正解押し順に従うことで、例えば、正解ベルを有効ラインに停止表示することができる。
図像GBは、失敗カウンタの値を表示する。具体的には、図像GBは、数値「0」から数値「10」を表示する。例えば、ART状態が開始した直後においては、失敗カウンタは「0」であるため、図像GBは数値「0」を表示する。また、レア役に当選し、且つ、上乗せが実行されない場合、図像GBの数値が加算される。上述したように、失敗カウンタが数値「5」より小さい場合のサブ状態は、第1ART状態であり、失敗カウンタが数値「5」以上である場合は、第2ART状態である。したがって、遊技者は、図像GBに数値「0」から数値「4」の何れかが表示される場合、サブ状態が第1ART状態であることを認識可能である。また、図像GBに数値「5」以上が表示される場合、遊技者は、サブ状態が第2ART状態であることを認識可能である。なお、第2ART状態である場合、例えば、画像MAに「上乗せ高確率中!」というメッセージを表示して、第2ART状態である旨を報知してもよい。
サブCPU412は、ART状態においてレア役が当選した場合、上乗せ決定処理を実行するとともに、特定演出を実行させる。図24(b)は、特定演出における画像MBの模擬図である。特定演出において、上乗せ決定処理で上乗せの実行が決定されたか否かが報知される。
図24(b−1)は、特定演出が開始された直後の画像MB1の模擬図である。図24(b−1)に示すように、画像MB1において、演出ボタン26の押下が指示される。また、特定演出において演出ボタン26が押下された場合であって、上乗せ決定処理で上乗せの実行が決定された場合、液晶表示装置30は、図24(b−2)に示す画像MB2を表示する。画像MB2には、上乗せ決定処理で決定された上乗せ遊技回数が表示される。すなわち、特定演出において、演出ボタン26の押下を契機に、上乗せ遊技回数が報知される。図24(b−2)には、上乗せ決定処理で上乗せ遊技回数「10ゲーム」が決定された場合の特定演出が例示される。
他方で、上乗せ決定処理で上乗せをしないことが決定された場合、特定演出で演出ボタン26が押下されると、図24(b−3)に示す画像MB3が表示される。画像MB3においては、例えば、上乗せが実行されない旨のメッセージが表示される。また、画像MB3において、上乗せの連続失敗回数(失敗カウンタの数値)が加算される旨が報知される。例えば、図24(b−3)に示すように、図像GBの失敗カウンタの値の付近に、文字「+1」を表示する図像が配置される。
特定演出が終了した場合、その後、画像MAが表示される。特定演出の後の画像MAは、当該特定演出の結果(上乗せの有無)に応じて、残り遊技回数または連続失敗回数を更新して表示する。具体的には、特定演出において上乗せに成功した場合(画像MB2が表示された場合)、その後の画像MAにおいては、当該特定演出が開始される直前の残り遊技回数に上乗せ遊技回数を加算した数字を表示する。例えば、特定演出の直前に表示していた残り遊技回数が数値「100」の場合であって、当該特定演出で遊技回数「10ゲーム」が上乗せされた場合、残り遊技回数を数値「110」に更新して表示する。また、例えば、特定演出の直前に表示していた連続失敗回数が数値「3」の場合であって、当該特定演出で上乗せに失敗した場合(画像MB3が表示された場合)、連続失敗回数を数値「4」に更新して表示する。
以上の構成によれば、連続失敗回数が報知されるため、第1特典付与処理または第2特典付与処理が実行されるまでの残りの回数を遊技者に意識させることができ、遊技に対する意欲の低下が抑制される。なお、特定演出は、レア役当選時の一部で実行してもよいし、レア役当選時の全てで実行してもよい。また、特定演出は上述した態様に限られない。例えば、複数回の遊技に亘り実行される演出を特定演出として採用してもよい。また、演出ボタン26の押下の指示はされなくともよい。さらに、複数種類の特定演出を設けてもよい。
図25は、演出抽選テーブルの概念図である。サブCPU412は、サブ状態などに応じて演出抽選テーブルを選択し、各遊技で実行する演出を決定する。図25には、当選エリア「ハズレ」が決定された通常状態または前兆状態の各遊技で参照される各演出抽選テーブルを例示する。図25に示すように、各演出抽選テーブルは、演出番号と各演出番号の各抽選値とを含んで構成される。各抽選値は、演出番号の順序で乱数値R3に減算され、減算の結果が負数になった演出番号が決定される。演出抽選処理で決定された演出番号は、サブRAM414の演出番号格納領域に格納される。
通常状態および前兆状態においては、演出A1から演出An(nは2以上の整数)の何れかが決定される。図25から理解される通り、低確率通常状態、高確率通常状態、ガセ前兆状態および本前兆状態においては、演出A1を含む各演出が共通して選択される。したがって、遊技者は、演出抽選処理で決定された演出からは、原則、サブ状態を特定できない。ただし、「演出なし」が選択される確率は、各サブ状態で異なるため(低確率通常状態>高確率通常状態>ガセ前兆状態>本前兆状態)、遊技者は演出A1から演出Anまでの何れかが実行された確率から現在のサブ状態を推測することができる。また、例えば、図25に示す演出Anは、本前兆状態以外では決定されない。したがって、演出Anが決定された場合、遊技者は、現在のサブ状態が本前兆状態であると特定することができる。
サブRAM414は、サブCPU412が各処理を実行することで生成および更新される各データを格納する各記憶領域を具備する。具体的には、サブRAM414は、サブ状態を格納するサブ状態格納領域、各遊技で実行される演出の種別を示す演出番号を格納する演出番号格納領域、ART状態の残り遊技回数示すARTゲーム数カウンタを含む各種の領域を具備する。
また、サブRAM414は、上述した失敗カウンタを具備する。失敗カウンタは、レア役の何れかが当選した場合であって、上乗せ遊技回数に当選しなかった場合に更新される。本実施形態においては、何れのレア役が当選した場合であっても、共通の失敗カウンタが更新される。
例えば、対比例として、当選エリア毎に失敗カウンタを設ける構成を想定する。対比例においては、弱スイカが当選した場合に加算される失敗カウンタと、強スイカが当選した場合に加算される失敗カウンタと、弱チェリーが当選した場合に加算される失敗カウンタと、強チェリーが当選した場合に加算される失敗カウンタと、弱チャンス目が当選した場合に加算される失敗カウンタと、強チャンス目が当選した場合に加算される失敗カウンタとを具備し、各失敗カウンタの合計が特定の数値に到達した場合、特典が付与される。
以上の対比例においては、上乗せの契機となる当選エリアの種類数(6種類)と同数の失敗カウンタを設ける必要がある。したがって、上乗せの契機となる当選エリアの種類数によっては、サブRAM414の記憶領域を失敗カウンタが圧迫する問題が生じ得る。特に、上乗せの契機となる当選エリアの種類数が膨大である場合、上述した問題が顕在化する。本実施形態においては、何れのレア役が当選した場合であっても、共通の失敗カウンタが更新される構成を採用した。したがって、例えば、上乗せの契機毎に失敗カウンタを設ける構成と比較して、カウンタの数を削減することができる。すなわち、サブRAM414の記憶容量を失敗カウンタが圧迫する問題が低減される。
<メインCPUが実行する各処理>
メインCPU301は、上述した各データを用いて各種の処理を実行する。図26は、メインCPU301の起動処理のフローチャートである。メインCPU301は、リセット回路からのリセット信号が入力された場合、起動処理を実行する。リセット信号は、メイン制御基板300に供給される電源電圧が所定の閾値を超えた場合に出力される。例えば、電源スイッチ511SWがON状態になることでメイン制御基板300への電源電圧の供給が開始された場合、起動処理が実行される。
起動処理を開始すると、メインCPU301は、起動時初期化処理(S1)を実行する。起動時初期化処理により、メインCPU301は、メイン制御基板300の各レジスタ等を初期化する。なお、メインCPU301は、起動時初期化処理の以前に、メインROM302が記憶する制御プログラムの正当性を判断するセキュリティチェック処理を実行してもよい。
起動時初期化処理の後に、メインCPU301は、設定スイッチがON状態であるか否かを判定する(S2)。設定スイッチは、遊技機1の内部に設けられた鍵穴に設定キーを挿入して回転した場合にON状態になる。メインCPU301は、設定スイッチがON状態であると判断した場合(S2:YES)、メインRAM303のコマンド格納領域に設定変更開始コマンドを設定し(S3)、図27に示す設定変更処理に移行する。
一方で、設定スイッチがON状態ではないと判断した場合(S2:NO)、メインCPU301は、メインRAM303にバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する(S4)。本実施形態においては、メイン制御基板300に供給される電源電圧が所定の閾値を下回った場合(電源が遮断された場合)に、メインCPU301は、メインRAM303が記憶する各データをバックアップし、メインRAM303にバックアップフラグを記憶させる。したがって、電源が遮断される際に正常にバックアップが実行されていれば、バックアップフラグがメインRAM303に記憶される。
メインCPU301は、バックアップフラグが記憶されていると判断した場合(S4:YES)、メインRAM303が記憶するデータのチェックサムを算出する(S5)。本実施形態においては、電源が遮断された場合においても、起動処理のステップS4と同様に、メインRAM303のチェックサムが算出されて記憶されている。
メインCPU301は、ステップS4で算出したチェックサム(電源投入時のチェックサム)と電源の遮断時に算出したチェックサムとが一致するか否かを判定する(S6)。電源が遮断されてから投入されるまでの期間に、メインRAM303のデータが変化していない場合は、電源投入時のチェックサムと電源遮断時のチェックサムとは一致する。一方で、電源が遮断されてから投入されるまでの期間に、メインRAM303のデータが変化(劣化)した場合は、電源投入時のチェックサムと電源遮断時のチェックサムとは一致しない。
メインCPU301は、電源投入時のチェックサムと電源遮断時のチェックサムとが一致すると判断した場合(S6:YES)、メインRAM303が記憶する各データに基づいて、電源が遮断された時点(バックアップが実行された時点)の状態に各レジスタを復帰させる(S7)。各レジスタの状態を復帰すると、メイン制御基板300は、電源が遮断された時点の状態になる。メインCPU301は、各レジスタの状態(メイン制御基板300の状態)を復帰させると、電源が遮断された時点のステップから処理を再開する。なお、メインCPU301は、メイン制御基板300の状態を復帰させる場合、遊技機1の演出の状態を復帰させるのに必要な各種の情報をサブ制御基板400に送信する。
メインCPU301は、バックアップフラグが記憶されていないと判断した場合(S4:NO)、または、電源投入時のチェックサムと電源遮断時のチェックサムとが一致しないと判断した場合(S6:NO)、メインRAM303の異常を示すメインRAM異常フラグを設定する(S8)。すなわち、バックアップが実行できなかった場合、または、電源が遮断されている期間にメインRAM303のデータが変化した場合、メインRAM異常フラグが設定される。メインRAM異常フラグが設定される期間において、メインCPU301は、例えばメイン表示器MLを用いてメインRAMの異常を報知する。メインRAM異常フラグは、例えば、設定値変更処理が正常に実行された場合にクリアされる。
メインRAM異常フラグを設定した後に、メインCPU301は、RAMエラー処理に移行する。RAMエラー処理においては、遊技の進行が禁止される。なお、RAMエラー処理において、メインCPU301は、メインRAM303の異常を報知させるコマンドをサブ制御基板400に送信し、例えば、液晶表示装置30が警告画像を表示する構成としてもよい。
図27は、設定変更処理のフローチャートである。設定変更処理を開始すると、メインCPU301は、前面扉3が開放されているか否かを判定する(S11)。例えば、前面扉3が閉じている場合にOFF信号を出力し、前面扉3が開放されている場合にON信号を出力するドアセンサを設け、ドアセンサからの信号に応じて前面扉3が開放されているか否かをメインCPU301が判定する構成が採用され得る。上述した通り、設定スイッチは、遊技機1の内部に設けられているため、設定変更処理は、前面扉3が開放されている期間に実行されるのが通常である。したがって、前面扉3が閉じた状態で設定変更処理が開始された場合は、不正行為により設定スイッチおよび電源スイッチ511SWのON信号が入力された場合が想定される。以上の事情を考慮して、前面扉3が開放されていないと判断した場合(S11:NO)、メインCPU301は、設定スイッチ異常フラグをON状態に設定し(S12)、設定スイッチエラー処理に移行する。設定スイッチエラー処理においては、遊技の進行が禁止される。また、設定スイッチエラー処理において、メインCPU301は、設定スイッチの異常を報知させるエラーコマンドをサブ制御基板400に送信し、例えば、液晶表示装置30が警告画像を表示する構成としてもよい。設定スイッチ異常フラグは、起動処理が再度開始され、設定値変更処理が正常に実行された場合にクリアされる。
他方で、前面扉3が開放されていると判断した場合(S11:YES)、メインCPU301は、設定値に対応する数値を設定表示部36に表示する(S13)。具体的には、メインCPU301は、メインRAM303の表示設定値格納領域に格納さている数値を設定表示部36に表示する。
メインCPU301は、設定変更ボタン37が操作されたか否かを判定する(S14)。具体的には、メインCPU301は、設定変更スイッチ37SWからのON信号が入力されているか否かを判定する。設定変更ボタン37が操作されたと判断した場合(S14:YES)、メインCPU301は、メインRAM303の表示設定値格納領域に格納された数値をインクリメントして(S15)、ステップS16に処理を移行する。他方で、設定変更ボタン37が操作されていないと判断した場合(S14:NO)、メインCPU301は、表示設定値格納領域の数値をインクリメントしないでステップS16に処理を移行する。
ステップS16において、メインCPU301は、スタートレバー24が操作されたか否かを判定する。具体的には、メインCPU301は、スタートスイッチ24SWのON信号が入力されているか否かを判定する。メインCPU301は、スタートレバー24が操作されたと判断するまで、ステップS13からステップS15までの処理を繰り返す(S16:NO)。以上の説明から理解される通り、設定変更ボタン37が操作されて表示設定値格納領域の数値がステップS15で加算される毎に、ステップS13で設定表示部36に表示される数値が加算される。
一方で、スタートレバー24が操作されたと判断した場合(S16:YES)、メインCPU301は、設定表示部36に表示されている数値を設定値として決定する(S17)。具体的には、メインCPU301は、表示設定値格納領域に格納されている数値を、メインRAM303の設定値格納領域に格納する。また、メインCPU301は、設定値を示す設定値コマンドをコマンド格納領域に格納する(S18)。メインCPU301は、設定値コマンドを格納した後に、設定値変更処理を終了して遊技制御処理に移行する。なお、起動処理または設定変更処理の期間において、他の処理の割込みが禁止される。また、遊技制御処理に移行した場合、その後、割込みが許可される。
図28は、メインCPU301の遊技制御処理のフローチャートである。遊技制御処理は、遊技者が一回の遊技を行う毎に実行される。詳細には後述するが、メインCPU301は、遊技制御処理が実行される期間において、所定の時間間隔(例えば1.49ms)で割込処理を実行する。すなわち、メインCPU301は、遊技制御処理と割込処理とを交互に実行する。詳細には後述するが、例えば、サブ制御基板400に送信されるコマンド(例えば後述の開始操作コマンド)は、遊技制御処理でセットされ、割込処理でサブ制御基板400に送信される。また、遊技制御処理でセットされた各タイマ(例えばウェイトタイマ)は、割込処理で減算される。
メインCPU301は、遊技制御処理を開始すると、初期設定処理を実行する(S101)。ステップS101の初期設定処理は、一回の遊技が終了する毎に実行される。メインCPU301は、初期設定処理において、メインRAM303の記憶領域のうち遊技毎に初期化される記憶領域を初期化する。
メインCPU301は、初期設定処理の後に、自動投入処理(S102)に移行する。
自動投入処理により、メインCPU301は、前回の遊技の結果、有効ラインにリプレイが揃った場合、前回の遊技と同数の賭けメダルを今回の遊技の賭けメダルとして設定する。
メインCPU301は、自動投入処理の後に、遊技開始前処理(S103)に移行する。遊技開始前処理において、メインCPU301は、メダル投入部8からのメダルの検知、および、精算ボタン23の操作の検出をする。また、メインCPU301は、遊技開始前処理において、スタートレバー24の操作(すなわち遊技の開始操作)を検出する。
メインCPU301は、遊技開始前処理で遊技の開始操作を検知すると、設定値確認処理(S104)に移行する。設定値確認処理において、メインCPU301は、メインRAM303の設定値格納領域に格納されている設定値の適否を判断する。具体的には、メインCPU301は、設定値確認処理において、設定値格納領域に格納されている設定値が数値「1」から数値「6」の範囲内であるか否かを判定する。設定値が数値「1」から数値「6」の範囲内でないと判断した場合、メインCPU301は、設定値の異常を示す設定値異常コマンドをコマンド格納領域に格納し、設定値エラー処理に移行する。例えば、設定値格納領域に格納された設定値が、ノイズにより変更された場合、設定値エラー処理が実行される。設定値エラー処理において、メインCPU301は、遊技制御処理を中止(遊技の進行を禁止)する。設定値エラー処理が実行された場合は、例えば、電源ボタン511をOFF状態にした後に再度ON状態にして、メインCPU301に起動処理および設定変更処理を実行させ、正常な設定値が設定された場合、遊技が可能な状態に復帰する。
メインCPU301は、設定値確認処理で設定値が適正であると判断した場合、乱数値R1および乱数値R2を取得する(S105)。乱数値R1は、乱数発生器304で生成されるハードウェア乱数であり、内部抽選処理で用いられる。乱数値R2は、メインCPU301に内蔵されるレジスタから取得されるソフトウェア乱数であり、後述の回胴演出制御処理等で用いられる。メインCPU301は、取得した乱数値R1をメインRAM303の乱数値R1格納領域に格納する。同様に、メインCPU301は、取得した乱数値R2をメインRAM303の乱数値R2格納領域に格納する。
メインCPU301は、乱数値R1および乱数値R2をメインRAM303に格納した後に、内部抽選処理(S106)を実行する。内部抽選処理においては、乱数発生器304が生成した乱数値R1と当選エリア抽選テーブルとに基づいて、当選エリアを決定する。
メインCPU301は、内部抽選処理を実行した後に、回胴演出制御処理(S107)を実行する。上述したとおり、メインCPU301は、各リール12に回胴演出を実行させる。回胴演出制御処理においては、例えば、乱数値R2とリールロック抽選テーブルとを用いてリールロックの有無が決定される。
メインCPU301は、回胴演出制御処理を実行した後に、ウェイト処理(S108)を実行する。ウェイト処理は、各遊技の時間長を所定の長さ以上にするための処理である。メインCPU301は、ウェイト処理において、ウェイト期間が経過したか否かを判定し、ウェイト期間が経過していないと判断した場合、ウェイト処理から後述の停止前処理に移行しない。
一方で、ウェイト期間が経過したと判断した場合、メインCPU301は、停止前処理(S109)に移行する。停止前処理においては、内部抽選処理で決定された当選エリアに応じて各種のデータ(後述の優先順位等)がメインRAM303に格納される。後述の停止制御処理において、停止前処理で格納された各データに応じて各リール12が停止されることにより、当選エリアで指定される当選役が有効ラインに停止表示される。
メインCPU301は、停止前処理を実行した後に、停止制御処理(S110)に移行する。停止制御処理により、メインCPU301は、各停止ボタン25が操作される毎に、当該停止ボタン25に対応するリール12を停止させる。各リール12は、上述した停止前処理で設定した各データに応じた停止位置で停止する。
停止制御処理で全てのリール12を停止すると、メインCPU301は、表示判定処理(S111)に移行する。表示判定処理において、メインCPU301は、有効ラインに表示された図柄の組合せの判定をする。また、メインCPU301は、有効ラインに表示された図柄の組合せの種別に応じて各種のデータを設定する。例えば、リプレイが有効ラインに停止表示していると判定した場合、メインCPU301は、再遊技作動中フラグをON状態に設定する。また、メインCPU301は、有効ラインに入賞当選役が停止していると判断した場合、当該入賞当選役の種別に応じた枚数のメダルをクレジット数に加算する。
メインCPU301は、表示判定処理を実行した後に、RT状態移行処理(S112)を実行する。RT状態移行処理において、メインCPU301は、有効ラインに表示された図柄の組合せに応じて、RT状態を更新する。具体的には、メインCPU301は、有効ラインに停止表示したRT移行図柄に応じてRT状態を変更する。メインCPU301は、RT状態移行処理を終了すると、ステップS101に処理を戻す。
図29は、遊技終了時の初期設定処理のフローチャートである。初期設定処理において、メインCPU301は、メインRAM303の格納領域のうち一回の遊技に必要な情報を格納する格納領域を初期化する(S101−1)。例えば、前回の遊技の当選エリアが格納された当選エリア格納領域は、初期設定処理で初期化される。
メインRAM303を初期化した後に、メインCPU301は、補助貯留部530が満タンであるか否かを判定する(S101−2)。具体的には、メインCPU301は、満タンセンサ530SEからのON信号が入力されているか否かを判定する。補助貯留部530が満タンであると判断した場合(S101−2:YES)、メインCPU301は、満タンエラーコマンドを設定し(S101−3)、満タンエラー処理に移行する。
満タンエラー処理において、メインCPU301は、払出枚数表示器16を用いて満タンエラーを報知する。例えば、満タンエラー処理を実行する期間において、メインCPU301は、払出枚数表示器16に「HF」(ホッパーフル)という文字を表示させる。なお、満タンエラーを他の表示器(例えば貯留枚数表示器17)で報知する構成としてもよい。メインCPU301は、補助貯留部530が満タンではないと判断した場合(S101−2:NO)、遊技開始前処理を終了して自動投入処理に移行する。
図30は、自動投入処理のフローチャートである。メインCPU301は、自動投入処理を開始すると、前回の遊技で有効ラインにリプレイが揃っているか否かを判定する(S102−1)。具体的には、メインCPU301は、再遊技作動中フラグが設定されているか否かを判定する。再遊技作動中フラグは、前回の遊技制御処理の表示判定処理(S109)で設定される。前回の遊技でリプレイが有効ラインに揃っていない場合(S102−1:NO)、メインCPU301は、自動投入処理を終了する。
一方で、前回の遊技でリプレイが有効ラインに揃っていると判断した場合(S102−1:YES)、メインCPU301は、メインRAM303のコマンド格納領域に自動投入コマンドを格納する(S102−2)。自動投入コマンドは、一枚の賭けメダルが自動投入されることを示す。
自動投入コマンドを格納した後に、メインCPU301は、自動投入タイマをセットする(S102−3)。自動投入タイマは、サブ制御基板400に自動投入コマンドが送信される時間間隔を所定の時間長以上に確保するためのタイマである。
自動投入タイマをセットすると、メインCPU301は、自動投入タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S102−4)。メインCPU301は、自動投入タイマがタイムアップしたと判断するまでステップS102−4を繰り返す(S102−4:NO)。
自動投入タイマがタイムアップしたと判断した場合(S102−4:YES)、メインCPU301は、賭数カウンタに数値「1」を加算する(S102−5)。賭数カウンタは、今回の遊技の賭けメダルの枚数を示す。また、メインCPU301は、賭数カウンタの値に応じて、BETランプ14(14a、14b、14c)の表示の態様を示すBETランプ表示データを生成する(S102−6)。具体的には、賭数カウンタが数値「1」の場合は、BETランプ14のうち1枚ランプ14aを点灯させるBETランプ表示データを生成する。同様に、賭数カウンタが数値「2」の場合は、BETランプ14のうち1枚ランプ14aおよび2枚ランプ14bを点灯させるBETランプ表示データを生成し、賭数カウンタが数値「3」の場合は、BETランプ14のうち1枚ランプ14a、2枚ランプ14bおよび3枚ランプ14cを点灯させるBETランプ表示データを生成する。BETランプ表示データは、メインRAM303のランプ関連データ格納領域に格納される。
メインCPU301は、賭数カウンタの数値と前回の遊技の賭けメダルとが一致したか否かを判定する(S102−7)。メインCPU301は、賭数カウンタの数値と前回の遊技の賭けメダルとが一致したと判断するまで、ステップS102−2からステップS102−6までの処理を繰り返す(S102−7:NO)。他方で、賭数カウンタの数値と前回の遊技の賭けメダルとが一致したと判断した場合(S102−7:YES)、メインCPU301は、自動投入処理を終了する。以上の説明から理解されるとおり、前回の遊技の結果、リプレイが有効ラインに揃った場合は、前回の遊技の賭けメダルと同じの賭けメダルが今回の遊技で設定される。
図31は、遊技開始前処理のフローチャートである。メインCPU301は、遊技開始前処理を開始すると、メインRAM303の遊技状態格納領域の遊技状態フラグを参照して規定枚数を設定する(S103−1)。本実施形態においては、何れの遊技であっても、規定枚数は数値「3」に設定される。
遊技状態に応じた規定枚数を設定した後に、メインCPU301は、投入メダル受付処理に移行する(S103−2)。投入メダル受付処理において、メインCPU301は、メダル投入部8からのメダルを受付ける。また、メインCPU301は、メダル投入部8からのメダルを受付けた場合、賭数カウンタまたはクレジット数を加算する。
メインCPU301は、投入メダル受付処理を実行した後に、BET操作受付処理(S103−3)に移行する。メインCPU301は、BET操作受付処理において、遊技者の1BETボタン21の操作またはMAX−BETボタン22の操作を受け付ける。
メインCPU301は、BET操作受付処理を実行した後に、精算操作受付処理(S103−4)に移行する。メインCPU301は、精算操作受付処理において、遊技者の精算ボタン23の操作を受付ける。
メインCPU301は、精算操作受付処理を実行した後に、賭数カウンタが規定枚数であるか否かを判定する(S103−5)。上述した、ステップS102の自動投入処理、ステップS103−2の投入メダル受付処理またはステップS103−3のBET操作受付処理において、賭数カウンタが規定枚数まで加算された場合、メインCPU301は、賭数カウンタが規定枚数であると判断し(S103−5:YES)、ステップS103−6に処理を移行する。一方で、賭数カウンタが規定枚数に達していない場合(S103−5:NO)、メインCPU301は、ステップS103−2からステップS103−4までの各ステップを繰り返し実行する。
ステップS103−6において、メインCPU301は、遊技者によりスタートレバー24が操作されたか否かを判定する。スタートレバー24が操作されたと判断した場合(S103−6:YES)、メインCPU301は、メインRAM303のコマンド格納領域に開始操作コマンドを格納する(S103−7)。開始操作コマンドを格納すると、メインCPU301は、遊技開始前処理を終了して設定値確認処理(S104)に移行する。一方で、スタートレバーが操作されていないと判断した場合(S103−6:NO)、メインCPU301は、ステップS103−2からステップS103−5までの各ステップを繰り返し実行する。
図32は、投入メダル受付処理のフローチャートである。投入メダル受付処理を開始すると、メインCPU301は、投入不可フラグがON状態であるか否かを判定する(S103−2−1)。投入不可フラグは、賭数カウンタが上限値であり、且つ、クレジット数が上限値である場合に、後述のS103−2−8でON状態に設定される。メインCPU301は、投入不可フラグがON状態であると判定した場合(S103−2−1:YES)、投入メダル受付処理を終了する。他方で、メインCPU301は、投入不可フラグがON状態ではないと判定した場合(S103−2−1:NO)、メダル投入部8からメダルが投入されたか否かを判定する(S103−2−2)。
具体的には、上述したように、メダル投入部8から投入されたメダルは、メダルセンサ34SEからの信号により検知される。本実施形態においては、メインCPU301は、周期的に実行される割込処理の入力ポート読込処理で、メダルセンサ34SEからの信号を読込み、メダルセンサ34SEからの信号に応じて、メインRAM303のメダル検知フラグをON状態に設定する。メインCPU301は、ステップS103−2−2において、メダル検知フラグがON状態であるか否かを判定する。
メインCPU301は、メダル投入部8からメダルが投入されたと判断した場合(S103−2−2:YES)、メダルが投入されたことを示す投入コマンドをコマンド格納領域に格納する(S103−2−3)。なお、投入コマンドと上述した自動投入コマンドとを共通のコマンドとして設けてもよいし、別々のコマンドとして設けてもよい。本実施形態においては、自動投入コマンド、メダル投入コマンドを総称して投入関連コマンドという。
投入コマンドを格納した後に、メインCPU301は、賭数カウンタが規定枚数であるか否かを判定する(S103−2−4)。賭数カウンタが規定枚数ではないと判断した場合(S103−2−4:NO)、メインCPU301は、賭数カウンタに数値「1」を加算し(S103−2−5)、投入メダル受付処理を終了する。他方で、賭数カウンタが規定枚数であると判断した場合(S103−2−4:YES)、メインCPU301は、クレジット数に数値「1」を加算する(S103−2−6)。
メインCPU301は、クレジット数を加算した後に、クレジット数が上限である数値「50」に一致するか否かを判定する(S103−2−7)。クレジット数が数値「50」であると判断した場合(S103−2−7:YES)、メインCPU301は、メダル投入不可フラグをON状態に設定し(S103−2−8)、投入メダル受付処理を終了する。他方で、メインCPU301は、クレジット数が数値「50」ではないと判断した場合(S103−2−7:NO)、メダル投入不可フラグをON状態に設定することなく、投入メダル受付処理を終了する。なお、メダル投入不可フラグがON状態に設定される期間において、メインCPU301は、メダル投入部8から投入されたメダルが、遊技機1の外部に導かれる状態にセレクター34を制御する。したがって、メダル投入部8から投入されたメダルは、メダル投入不可フラグがON状態の期間において、遊技機1の外部(受皿ユニット7)に排出される。
図33は、BET操作受付処理のフローチャートである。BET操作受付処理において、メインCPU301は、クレジット数が数値「0」であるか否かを判定する(S103−3−1)。クレジット数が数値「0」である場合(S103−3−1:YES)、メインCPU301は、BET操作受付処理を終了する。
クレジット数が「0」ではないと判断した場合(S103−3−1:NO)、メインCPU301は、1BETボタン21が操作されたか否かを判定する(S103−3−2)。1BETボタン21が操作されたと判断した場合(S103−3−2:YES)、メインCPU301は、投入要求カウンタに数値「1」をセットする(S103−3−3)。他方で、1BETボタン21が操作されていないと判断した場合(S103−3−2:NO)、メインCPU301は、MAX−BETボタン22が操作されたか否かを判定する(S103−3−4)。MAX−BETボタン22が操作されたと判断した場合(S103−3−4:YES)、メインCPU301は、投入要求カウンタに数値「3」をセットする(S103−3−5)。MAX−BETボタン22が操作されていないと判断した場合(S103−3−4:NO)、メインCPU301は、BET操作受付処理を終了する。
ステップS103−3−3またはステップS103−3−5において、投入要求カウンタに所定の数値(数値「1」または数値「3」)がセットされた場合、メインCPU301は、投入要求カウンタから数値「1」を減算する(S103−3−6)。投入要求カウンタを「1」減算すると、メインCPU301は、クレジットカウンタから数値「1」を減算し(S103−3−7)、賭数カウンタに数値「1」を加算する(S103−3−8)。また、メインCPU301は、賭数カウンタに数値「1」を加算する場合、メダル投入コマンドをコマンド格納領域に格納する。
賭数カウンタに数値「1」を加算した後に、メインCPU301は、賭数カウンタが規定枚数と一致するか否かを判定する(S103−3−9)。メインCPU301は、賭数カウンタが規定枚数と一致すると判断した場合(S103−3−9:YES)、BET操作受付処理を終了する。他方で、賭数カウンタが規定枚数と一致しないと判断した場合(S103−3−9:NO)、メインCPU301は、投入要求カウンタが数値「0」であるか否かを判定する(S103−3−10)。投入要求カウンタが数値「0」であると判断した場合(S103−3−10:YES)、メインCPU301は、BET操作受付処理を終了する。一方で、投入要求カウンタが数値「0」でないと判断した場合(S103−3−10:NO)、メインCPU301は、クレジット数が「0」であるか否かを判定する(S103−3−11)。メインCPU301は、クレジット数が「0」であると判断した場合(S103−3−11:YES)、BET操作受付処理を終了し、クレジットカウンタが数値「0」でないと判断した場合(S103−3−11:NO)、ステップS103−3−6に処理を戻す。
以上の説明から理解されるとおり、メインCPU301は、MAX−BETボタン22の操作を受け付けた場合、賭数カウンタが規定枚数に到達するか、クレジット数がなくなるまで賭数カウンタが加算される。
図34は、精算操作受付処理のフローチャートである。精算操作受付処理において、メインCPU301は、精算ボタン23が遊技者に操作されたか否かを判定する(S103−4−1)。精算ボタン23が操作されたと判定した場合(S103−4−1:YES)、メインCPU301は、払出要求カウンタに精算メダルを設定する(S103−4−2)。精算メダルは、精算ボタン23が操作された時点における、賭数カウンタとクレジット数との合計である。また、メインCPU301は、精算ボタン23の操作を示す精算操作コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納し(S103−4−3)、メダル投入不可フラグをOFF状態に設定する(S103−4−4)。
精算ボタン23が操作されていないと判定した場合(S103−4−1:NO)、メインCPU301は、精算操作受付処理を終了する。なお、詳細には後述するが、ホッパー駆動処理においては、払出要求カウンタの枚数のメダルがホッパー520からメダル払出口9を介して受皿ユニット7に排出される。
図35は、内部抽選処理のフローチャートである。メインCPU301は、内部抽選処理を開始すると、RT状態に応じて当選エリア抽選テーブルを設定する(S106−1)。具体的には、メインCPU301は、メインRAM303のRT状態格納領域に格納されたRT状態の種別を示すRTフラグに応じて、当選エリア抽選テーブルを設定する。
内部抽選処理において、メインCPU301は、乱数値R1格納領域に格納した乱数値R1を取得する(S106−2)。乱数値R1は、ステップ105において乱数値R1格納領域に格納される。また、メインCPU301は、当選エリアオフセット値を初期値である数値「00」に設定する(S106−3)。当選エリアオフセット値は、各当選エリアを指定する。また、当選エリアオフセット値は、順次に更新され、更新される毎に異なる当選エリアを指定する。例えば、当選エリアオフセット値は、数値「00」で「ハズレ」の当選エリアを指定する。
メインCPU301は、当選エリアオフセット値が指定する当選エリアの抽選値を取得する(S106−4)。例えば、RT0状態の当選エリア抽選テーブルが設定された場合は、当選エリアオフセット値が数値「00」であれば、抽選値「33440」が取得される。
メインCPU301は、ステップS106−1で取得した乱数値R1からステップS106−4で取得した抽選値を減算する(S106−5)。また、メインCPU301は、乱数値R1から抽選値を減算した結果が負数であるか否かを判定する(S106−6)。例えば、RT0状態の遊技において、数値「33440」より小さい乱数値R1が取得された場合、当選エリア「00」の抽選値「33440」を乱数値R1から減算した結果は負数になる。他方で、数値「33440」より大きい乱数値R1が取得された場合、当選エリア「00」の抽選値を乱数値R1から減算した結果は負数にならない。
メインCPU301は、減算結果が負数ではないと判断した場合(S106−6:NO)、当選エリアオフセット値で全ての当選エリア(当選エリア「00」から「36」)を指定したか否かを判定する(S106−7)。全ての当選エリアが指定済みでない場合(S106−7:NO)、メインCPU301は、当選エリアオフセット値を更新(数値「1」を加算)して(S106−8)、ステップS106−4に処理を戻す。ステップS106−4では、更新された当選エリアオフセット値で指定される当選エリアの抽選値が取得され、ステップS106−5では、当該抽選値を前回の減算結果に減算する。ステップS106−4からステップS106−8までの処理は、演算結果が負数であると判断(S106−6:YES)されるか全ての当選エリアが指定されるまで(S106−7:YES)繰り返される。
演算結果が負数であると判断した場合または全ての当選エリアが指定された場合、メインCPU301は、データ格納処理(S106−9)を実行する。具体的には、メインCPU301は、現在の当選エリアオフセット値をメインRAM303の当選エリア格納領域に格納する。例えば、減算結果が負数になった当選エリアオフセット値が「12」の場合は、数値「12」が当選エリア格納領域に格納される。また、メインCPU301は、データ格納処理において、当選エリアを示す当選エリアコマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する。また、データ格納処理において、メインCPU301は、RT状態格納領域に格納されるRTフラグを示すRT種別コマンドをコマンド格納領域に格納する。データ格納処理を終了すると、メインCPU301は、内部抽選処理を終了する。
図36は、回胴演出制御処理のフローチャートである。メインCPU301は、回胴演出制御処理を開始すると、当選エリア格納領域から当選エリアを取得する(S107−1)。また、メインCPU301は、当選エリア格納領域から取得した当選エリアが弱レア役であるか否かを判定する(S107−2)。具体的には、メインCPU301は、当選エリア「31」(弱スイカ)または当選エリア「33」(弱チェリー)または当選エリア「35」(弱チャンス目)であるか否かを判定する。当選エリア格納領域から取得した当選エリアが弱レア役であると判断した場合(S107−2:YES)、メインCPU301は、リールロック抽選テーブルAを参照して回胴演出を決定する(S107−3)。具体的には、メインCPU301は、リールロック抽選テーブルAの各抽選値を「ロックなし」「ショートロック」「ミドルロック」「ロングロック」の順に乱数値R2から減算し、減算結果が負数になった回胴演出を決定する。また、決定した回胴演出の回胴演出番号を回胴演出番号格納領域に格納する。
当選エリアが弱レア役ではないと判断した場合(S107−2:NO)、メインCPU301は、当選エリア格納領域から取得した当選エリアが強レア役であるか否かを判定する(S107−4)。具体的には、メインCPU301は、当選エリア「32」(強スイカ)または当選エリア「34」(強チェリー)または当選エリア「36」(強チャンス目)であるか否かを判定する。当選エリア格納領域から取得した当選エリアが強レア役であると判断した場合(S107−4:YES)、メインCPU301は、リールロック抽選テーブルBを参照して回胴演出を決定する(S107−5)。
一方で、当選エリアが強レア役ではないと判断した場合(S107−4:NO)、すなわち、当選エリアが弱レア役および強レア役の何れでもない場合、メインCPU301は、回胴演出を「ロックなし」に決定する。また、メインCPU301は、ステップS107−2またはステップS107−4またはステップS107−6で決定した回胴演出を示す回胴演出種別コマンドをコマンド格納領域に格納し(S107−7)、回胴演出制御処理を終了する。
図37は、ウェイト処理のフローチャートである。メインCPU301は、回胴演出の実行期間、または、単位遊技の時間長を所定の長さ以上にするためのウェイト期間が経過するまでウェイト処理を実行する。
ウェイト処理を開始すると、メインCPU301は、回胴演出番号格納領域の回胴演出番号が「0」であるか否かを判定する(S108−1)。すなわち、回胴演出制御処理で「ロックなし」が決定されたか否かを判定する。回胴演出番号が「0」である場合(S108−1:YES)、メインCPU301は、ウェイトタイマが数値「0」であるか否かを判定する(S108−2)。ウェイトタイマは、割込処理が実行される毎に減算される。ウェイトタイマがタイムアップしていない(ウェイトタイマ≠0)と判断した場合、メインCPU301は、ステップS108−2を繰り返す(S108−2:NO)。
一方で、ウェイトタイマがタイムアップしたと判断した場合(S108−2:YES)、メインCPU301は、新たにウェイトタイマを初期値(約4200ms)にセットする(S108−3)。また、メインCPU301は、各リール12が始動したことを示すリール始動コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納し(S108−4)、各リール12の回転を開始させて、ウェイト処理を終了する。
メインCPU301は、ステップS108−1において、回胴演出番号が「0」以外であると判断した場合、回胴演出番号がショートロックを示す「1」であるか否かを判定する(S108−5)。回胴演出番号が「1」であると判断した場合(S108−5:YES)、メインCPU301は、回胴演出タイマにショートロック期間(1000sm)をセットする(S108−6)。
一方で、回胴演出番号が「1」ではないと判断した場合(S108−5:NO)、メインCPU301は、回胴演出番号がミドルロック演出を示す「2」であるか否かを判定する(S108−7)。回胴演出番号が「2」であると判断した場合(S108−7:YES)、メインCPU301は、回胴演出タイマにミドルロック期間(2000sm)をセットする(S108−8)。
回胴演出番号が「2」ではないと判断した場合(S108−7:NO)、メインCPU301は、回胴演出タイマにロングロック期間(5000sm)をセットする(S108−10)。
メインCPU301は、ステップS108−6、ステップS108−8、ステップS108−9で回胴演出タイマをセットすると、回胴演出タイマが数値「0」まで減算されたか否かを判定する(S108−10)。回胴演出タイマは、割込処理が実行される毎に減算される。メインCPU301は、回胴演出タイマがタイムアップするまで(すなわち、リールロックが終了するまで)ステップS108−12を繰り返し(S108−10:NO)、回胴演出タイマがタイムアップしたと判断した場合(S108−10:YES)、ステップS108−2に処理を移行させる。
図38は、停止前処理のフローチャートである。メインCPU301は、停止前処理を開始すると、加速ウェイトタイマに初期値をセットする(S109−1)。加速ウェイトタイマの初期値は、各リール12が始動を開始してから定常回転まで加速するのに要する時間長に設定される。メインCPU301は、加速ウェイトタイマに初期値をセットした後に、加速ウェイトタイマがタイムアップしたか否かを判定する(S109−2)。メインCPU301は、ステップS109−2を加速ウェイトタイマがタイムアップするまで繰り返し(S109−2:NO)、加速ウェイトタイマがタイムアップした場合(S109−2:YES)、ステップS109−3に処理を移行する。
ステップS109−3において、メインCPU301は、停止操作がされていない停止ボタン25(25L、25C、25R)の個数を示す未停止操作カウンタに数値「3」を格納する。また、メインCPU301は、表示役格納領域の設定処理をする(S109−4)。上述したように、表示役格納領域の各表示可能ビットは、各当選役に対応し、対応する当選役が有効ラインに停止する可能性がある場合は数値「1」である。したがって、全てのリール12が回転しているステップS109−4においては、全ての当選役が有効ラインに停止可能であるため、表示役格納領域の全てのビットが数値「1」に設定される。
メインCPU301は、表示役格納領域の設定処理の後に、優先順位格納処理(S109−5)に移行する。図39は、優先順位格納処理で設定される複数の優先順位格納領域P(PL、PC、PR)の概念図である。優先順位格納領域Pは、図39に示すように、リール12Lに対応する左リール優先順位格納領域PLと、リール12Cに対応する中リール優先順位格納領域PCと、リール12Rに対応する右リール優先順位格納領域PRとを含んで構成される。また、各優先順位格納領域Pは、複数個(21個)の領域Qに区分される。各領域Qは、リール12の各図柄位置(単位領域U)に対応する。
優先順位格納処理が実行されると、各領域Qには、当該領域Qの図柄の優先順位が格納される。例えば、有効ラインに停止した場合に、当選していない当選役が表示される領域Qには、優先順位「HFF」が格納される。また、有効ラインに停止させることが可能な図柄の領域Qには優先順位「H00」が格納され、当選役を構成する図柄の領域Qには、数値「H01」が格納される。
図40は、優先順位格納処理のフローチャートである。メインCPU301は、優先順位格納処理を開始すると、未停止操作カウンタを検索回数として格納する(S109−5−1)。また、メインCPU301は、未だ停止操作がされていないリール12のうち1つのリール12を対象リールとして決定する(S109−5−2)。
メインCPU301は、優先順位テーブル選択処理(S109−5−3)を実行する。優先順位テーブルは、各当選役の優先順位を規定し、複数の優先順位テーブルのうちの一つが選択される。優先順位テーブルは、各当選役の優先順位を規定し、複数の優先順テーブルのうちの一つが選択される。例えば、当選エリア「打順ベルC1〜C4」(正解押し順の第1停止がリール12C)が当選した遊技を想定する。当該遊技で選択される優先順位テーブルによれば、中リール優先順位格納領域PCにおいて、「上段ベル」の図柄の優先順位より「正解ベル」の図柄の優先順位が高くなる。他方で、左リール優先順位格納領域PLおよび右リール優先順位格納領域PRにおいては、「正解ベル」の図柄の優先順位より「上段ベル」の図柄の優先順位が高くなる。以上の構成によれば、優先順位テーブルが適宜に選択されることにより、有効ラインに停止される図柄が停止操作順序の態様に応じて変化する。
優先順位テーブル選択処理を実行した後に、メインCPU301は、領域ポインタに初期値「00」を格納し、領域残数に初期値「21」を格納する(S109−5−4)。領域ポインタは、対象リールの領域Qを指定する。また、領域残数は、当該対象リールにおいて、優先順位が格納されていない領域Qの個数を意味する。
メインCPU301は、領域ポインタで指定される図柄位置の図柄コード(図柄の種別)を取得する(S109−5−5)。また、メインCPU301は、当該図柄コードと当選エリア(当選役)と優先順位テーブルとに応じて、優先順位を決定する(S109−5−6)。メインCPU301は、決定した優先順位を現在の領域ポインタが指定する領域Qに格納する(S109−5−7)。
メインCPU301は、領域ポインタに数値「1」を加算し、領域残数から数値「1」を減算する(S109−5−8)。その後、メインCPU301は、領域残数が数値「0」であるか否かを判定する(S109−5−9)。領域残数が「0」ではないと判断した場合(S109−5−9:NO)、メインCPU301は、ステップS109−5−5からステップS109−5−9までを繰り返し実行する。他方で、領域残数が「0」であると判断した場合(S109−5−9:YES)、すなわち、対象リールの優先順位格納領域の生成が終了した場合、メインCPU301は、検索回数から「1」を減算する(S109−5−10)。
検索回数を減算した後に、メインCPU301は、検索回数が終了したか否かを判定する(S109−5−11)。検索回数が終了していないと判断した場合(S109−5−11:NO)、メインCPU301は、ステップS109−5−2に処理を戻し、対象リールを変更してステップS109−5−2からステップS109−5−11までを繰り返し実行する。一方で、検索回数が終了したと判断した場合(S109−5−11:YES)、メインCPU301は、優先順位格納処理を終了する。
図41は、停止制御処理のフローチャートである。メインCPU301は、回転中のリール12に対応する停止ボタン25が操作されたか否かを判定する(S110−1)。回転中のリール12に対応する停止ボタン25が操作されるまで、メインCPU301は、ステップS110−1を繰り返し実行する(S110−1:NO)。他方で、回転中のリール12に対応する停止ボタン25が操作された場合(S110−1:YES)、メインCPU301は、停止操作された停止ボタン25の種別を示す停止操作コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S110−2)。
停止操作コマンドを格納すると、メインCPU301は、停止順序格納領域を更新する(S110−3)。また、メインCPU301は、未停止操作カウンタから数値「1」を減算する(S110−4)。メインCPU301は、操作された停止ボタン25に対応するリール12を、停止対象リールとして設定する(S110−5)。
メインCPU301は、図柄カウンタの現在値(すなわち、中段ライン上に位置する図柄番号)を停止操作位置として取得する(S110−6)。メインCPU301は、対象リールの優先順序格納領域の各領域Qのうち、停止操作位置の領域Qと当該停止操作位置の次のコマから4コマ分の領域Qとの優先順位(すなわち、5コマ分の優先順位)を取得する(S110−7)。また、メインCPU301は、取得した5コマ分の優先順位のうち最も優先順位が高いコマを停止予定位置に決定するとともに、停止操作位置から停止予定位置までのコマ数を滑りコマ数として設定する(S110−8)。
メインCPU301は、停止予定位置の図柄コード(すなわち、停止予定位置の図柄の種別)に応じて、表示役格納領域の各ビットを更新する(S110−9)。例えば、停止制御処理でリール12Lが停止して有効ラインに図柄「ベル」が停止した場合、左リールの図柄が「ベル」ではない当選役(例えば当選役「スイカ」)は、有効ラインに停止する可能性がなくなるため、表示役格納領域の各ビットのうち当該当選役に対応するビットは数値「0」になる。
表示役格納領域を更新した後に、メインCPU301は、未停止操作カウンタが「0」であるか否かを判定する(S110−10)。未停止操作カウンタが数値「0」であることは、全てのリール12について停止操作がされたことを意味する。未停止操作カウンタが「0」であると判断した場合(S110−10:YES)、メインCPU301は、停止制御処理を終了する。他方で、未停止操作カウンタが「0」では無いと判断した場合(S110−10:NO)、停止前処理でも実行した優先順位格納処理を実行する(S110−11)。ステップS110−11において、停止前処理のステップS109−3と同様に、回転中のリール12の優先順位格納領域Pに優先順位が格納される。ただし、当選エリア格納領域の当選エリアで示される当選役を構成する図柄であっても、何れかのリール12が停止したことにより有効ラインに表示される可能性が無くなった当選役の図柄は、他の図柄と比較して優先順位が高く設定されない。
メインCPU301は、優先順位格納処理を実行した後に、ステップS110−1に処理を戻す。メインCPU301は、全てのリール12に対して停止操作がされるまで、すなわち、未停止操作カウンタが「0」であると判断されるまで、ステップS110−1からステップ110−11までの処理を繰り返し実行する。未停止操作カウンタが「0」であると判断された場合(S110−10:YES)、メインCPU301は、リール停止制御処理を終了する。
図42は、表示判定処理(S111)のフローチャートである。表示判定処理を開始すると、メインCPU301は、有効ラインに停止した当選役が、当該遊技で有効ラインへの停止が許可された当選役であるか否かを判定する(S111−1)。具体的には、メインCPU301は、ステップS111−1において、表示役格納領域の表示可能ビットのうち「1」に設定された表示可能ビットに対応する当選役について、当該当選役に対応する表示許可ビットが「1」に設定されているか否かを判定する。数値「1」の表示可能ビットに対応する表示許可ビットが「0」に設定されている場合、メインCPU301は、不正入賞が発生したと判断する。
メインCPU301は、不正入賞が発生したと判断した場合(S111−1:YES)、不正入賞コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納し(S111−2)、不正入賞エラー処理に移行して遊技の進行を禁止する。不正入賞エラー処理が実行された場合は、例えば、電源ボタン511をOFF状態にした後に再度ON状態にして、メインCPU301に起動処理および設定変更処理を実行させ、正常な設定値が設定されることで遊技が可能となる。
有効ラインへの停止が許可された当選役が停止したと判定した場合(S111−1:NO)、メインCPU301は、有効ラインにリプレイが停止しているか否かを判定する(S111−3)。リプレイが有効ラインに停止していると判定した場合(S111−3:YES)、メインCPU301は、再遊技作動中フラグをON状態に設定して(S111−4)、再遊技コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納し(S111−5)、表示判定処理を終了する。再遊技コマンドは、有効ラインにリプレイが停止したことを示す。
他方で、リプレイが有効ラインに停止していないと判定した場合(S111−3:NO)、メインCPU301は、再遊技作動中フラグをOFF状態に設定し(S111−6)、入賞当選役が有効ラインに停止しているか否かを判定する(S111−7)。入賞当選役が有効ラインに停止していると判定した場合(S111−7:YES)、メインCPU301は、入賞当選役コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S111−8)。入賞当選役コマンドは、有効ラインに揃った入賞当選役の種別を示す。
メインCPU301は、有効ラインに停止した入賞当選役の種別に応じた枚数のメダルをクレジット数に加算する(S111−9)。クレジット数を加算した後に、メインCPU301は、クレジット数の上限値である数値「50」よりも加算した結果が大きいか否かを判定する(S111−10)。クレジット数が「50」より大きい場合(S111−10:YES)、クレジット数の上限値を上回った分のメダル枚数(例えば、ステップS111−9の加算結果が「55」である場合は数値「5」)を、メダル要求カウンタに設定する(S111−11)。メダル要求カウンタにメダル枚数を設定した後に、メインCPU301は、ホッパー駆動処理に移行する。他方で、クレジット数が「50」以下である場合(S111−10:NO)、メインCPU301は、表示判定処理を終了する。
メインCPU301は、ステップS111−7において、入賞当選役が有効ラインに停止していないと判断した場合(S111−7:NO)、ハズレ表示コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S111−12)。ハズレ表示コマンドは、有効ラインに当選役が停止していないことを示す。本実施形態においては、再遊技コマンドと入賞当選役コマンドとハズレ表示コマンドとを表示当選役コマンドと総称する。
図43は、ホッパー駆動処理のフローチャートである。ホッパー駆動処理は、表示判定処理、または、遊技開始前処理の精算操作受付処理において、払出要求カウンタが設定された場合に実行される。ホッパー駆動処理を開始すると、メインCPU301は、払出開始コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S120)。払出開始コマンドは、ホッパー520におけるメダル排出の開始を示す。また、メインCPU301は、払出期間監視タイマに初期値を設定する(S121)。払出期間監視タイマは、ホッパー駆動処理が開始してから所定の時間長(例えば30秒)が経過した場合にタイムアップする。
メインCPU301は、ホッパー駆動信号の出力を開始する(S122)。ホッパー駆動信号が出力される期間において、ホッパー520からメダルが順次に排出される。ホッパー駆動信号の出力を開始した後に、メインCPU301は、払出期間監視タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S123)。メインCPU301は、払出期間監視タイマがタイムアップしたと判断した場合(S123:YES)、エラーコマンドをコマンド格納領域に格納し(S124)、ホッパーエンプティエラー処理に移行する。メインCPU301は、ホッパー駆動処理の開始から払出期間監視タイマがタイムアップするまでに、払出要求カウンタの枚数のメダルの排出が完了しなかった場合、ホッパーエンプティーエラー処理に移行し、遊技の進行を禁止する。ホッパーエンプティー処理が実行された場合、例えば、ホッパー520にメダルが補充され、リセットボタン512が操作された場合に、遊技の進行が許可される。
メインCPU301は、ホッパー520からの払出信号を検出したか否かを判定する(S125)。上述したとおり、払出信号は、ホッパー520から1枚のメダルが払い出される毎に、払出センサ112SEから出力される。メインCPU301は、払出信号を検出したと判断するまで、ステップS125を繰り返し実行する(S125:NO)。
メインCPU301は、払出信号を検出したと判断した場合(S125:YES)、払出要求カウンタを「1」減算する(S126)。その後、メインCPU301は、払出要求カウンタが数値「0」まで減算されたか否かを判定する(S127)。払出要求カウンタが数値「0」まで減算されたと判断した場合(S127:YES)、メインCPU301は、ホッパー駆動信号の出力を停止し(S128)、払出終了コマンドをメインRAM303のコマンド格納領域に格納する(S129)。例えば、サブ制御基板400は、メインCPU301から払出開始コマンドを受信した場合に払出の効果音の出力を開始し、払出終了コマンドを受信した場合に払出の効果音の出力を停止する。メインCPU301は、払出終了コマンドを格納すると、ホッパー駆動処理を終了する。他方で、払出要求カウンタが「0」でないと判断した場合(S127:NO)、メインCPU301は、ステップS123からステップ127を繰り返し実行する。
図44は、RT状態移行処理のフローチャートである。メインCPU301は、RT状態移行処理において、有効ラインに停止した図柄の組合せに応じて、RT状態を変更する。
メインCPU301は、RT状態移行処理を開始すると、RT1移行図柄が有効ラインに停止したか否かを判定する(S112−1)。上述したように、RT1移行図柄は、当選役「上段ベル」を取りこぼした場合に有効ラインに停止する。有効ラインにRT1移行図柄が停止したと判断した場合(S112−1:YES)、メインCPU301は、RT1状態に移行する(S112−2)。具体的には、メインRAM303のRT状態格納領域に格納されるRTフラグを「RT1」に変更する。なお、RT1状態においてRT1移行図柄が有効ラインに停止した場合は、RT状態は変更されない。メインCPU301は、RTフラグを変更すると、RT1移行図柄が有効ラインに停止したことを示すRT1移行コマンドをコマンド格納領域に格納し(S112−3)、RT状態移行処理を終了する。
メインCPU301は、RT1移行図柄が有効ラインに停止していないと判断した場合(S112−1:NO)、有効ラインにRT2移行図柄が停止したか否かを判定する(S112−4)。RT2移行図柄が有効ラインに停止したと判断した場合(S112−4:YES)、メインCPU301は、RT状態をRT2状態に変更する(S112−5)。具体的には、メインRAM303のRT状態格納領域に格納されるRTフラグを「RT2」に変更する。メインCPU301はRTフラグを変更すると、RT2移行図柄が有効ラインに停止したことを示すRT2移行コマンドをコマンド格納領域に格納し(S112−6)、RT状態移行処理を終了する。
メインCPU301は、RT2移行図柄が有効ラインに停止していないと判断した場合(S112−4:NO)、有効ラインにRT3移行図柄が停止したか否かを判定する(S112−7)。有効ラインにRT3移行図柄が停止したと判断した場合(S112−7:YES)、メインCPU301は、RT状態をRT3状態に変更する(S112−8)。具体的には、メインRAM303のRT状態格納領域に格納されるRTフラグを「RT3」に変更する。メインCPU301はRTフラグを変更すると、RT3移行図柄が有効ラインに停止したことを示すRT3移行コマンドをコマンド格納領域に格納し(S112−9)、RT状態移行処理を終了する。
メインCPU301は、RT3移行図柄が有効ラインに停止していないと判断した場合(S112−7:NO)、有効ラインにRT4移行図柄が停止したか否かを判定する(S112−10)。有効ラインにRT4移行図柄が停止したと判断した場合(S112−10:YES)、メインCPU301は、RT状態をRT4状態に変更する(S112−11)。具体的には、メインRAM303のRT状態格納領域に格納されるRTフラグを「RT4」に変更する。メインCPU301は、RTフラグを変更すると、RT4移行図柄が有効ラインに停止したことを示すRT4移行コマンドをコマンド格納領域に格納し(S112−12)、RT状態移行処理を終了する。
有効ラインにRT4移行図柄が停止していないと判断した場合(S112−10:NO)、メインCPU301は、有効ラインにRT5移行図柄が停止したか否かを判定する(S112−13)。有効ラインにRT5移行図柄が停止したと判断した場合(S112−13:YES)、メインCPU301は、RT状態をRT5状態に変更する(S112−14)。具体的には、メインRAM303のRT状態格納領域に格納されるRTフラグを「RT5」に変更する。メインCPU301はRTフラグを変更すると、RT5移行図柄が有効ラインに停止したことを示すRT5移行コマンドをコマンド格納領域に格納し(S112−15)、RT状態移行処理を終了する。他方で、有効ラインにRT5移行図柄が停止していないと判断した場合(S112−13:NO)、メインCPU301は、RT状態を変更しないでRT状態移行処理を終了する。
図45は、割込処理のフローチャートである。上述したように、メインCPU301は、遊技制御処理を実行している期間に、1.49ms毎に割込処理を実行する。
メインCPU301は、割込処理を開始すると、各種のレジスタのデータを退避させる(S201)。その後、メインCPU301は、入力ポート読込処理(S202)を実行する。入力ポート読込処理において、メインCPU301は、I/F回路305に入力された各種の信号を読込む。具体的には、メインCPU301は、入力ポート読込処理において、スタートスイッチ24SW、各停止スイッチ25SW、メダルセンサ34SE、精算スイッチ23SWなどのON信号を読込む。メインCPU301は、ON信号を読み込んだセンサの検知フラグをON状態に設定する。
メインCPU301は、タイマ計測処理(S203)を実行する。タイマ計測処理において、メインCPU301は、各種のタイマから所定値を減算する。メインCPU301は、タイマ計測処理において、例えば、ホッパー駆動処理で設定された払出期間監視タイマ、ウェイト処理で設定された回胴演出タイマおよびウェイトタイマを減算する。
メインCPU301は、回転しているリールから駆動対象リールを選択し(S204)、駆動対象リールの駆動制御処理(S205)を実行する。駆動制御処理において、メインCPU301は、駆動対象リールのステッピングモータに駆動パルスを出力する。駆動パルスが入力された場合、ステッピングモータの励磁パターンが切替わる。
メインCPU301は、全てのリール12の駆動制御処理が実行されたか否かを判定する(S206)。全てのリール12の駆動制御処理が実行されていないと判断した場合(S206:NO)、メインCPU301は、ステップS204とステップS205とを繰り返す。他方で、全てのリール12の駆動制御処理を実行したと判断した場合(S206:YES)メインCPU301は、外部信号出力処理(S207)に移行する。
メインCPU301は、外部信号出力処理において、遊技機1の外部に所定の信号を出力する。例えば、設定変更処理を開始した場合、メインCPU301は、設定変更処理の開始を示す信号を遊技機1の外部に出力する。
メインCPU301は、LED表示処理(S208)において、各種のランプを駆動する。例えば、メインCPU301は、遊技制御処理で生成したBETランプ表示データが示す態様で、BETランプ14を表示する。また、メインCPU301は、LED表示処理において、再遊技作動中フラグがON状態に設定されている場合に再遊技表示ランプ18を点灯する。また、メインCPU301は、LED表示処理において、クレジット数を貯留枚数表示器17に表示する。
メインCPU301は、LED表示処理の後に、制御コマンド送信処理(S209)に移行する。上述したように、メインRAM303のコマンド格納領域には、遊技制御処理において各種のコマンドが格納される。コマンド格納領域に格納されたコマンドは、制御コマンド送信処理において、サブ制御基板400に送信される。
制御コマンド送信処理の後に、メインCPU301は、レジスタ復帰処理(S210)を実行し、ステップS210で退避したデータをレジスタを復帰させる。レジスタ復帰処理を実行すると、メインCPU301は、割込処理を開始した際に実行していた遊技制御処理のステップSに処理を復帰させる。
<サブCPUが実行する各処理>
図46は、サブCPU412のサブ起動処理のフローチャートである。サブCPU412は、リセット回路からのリセット信号が入力された場合にサブ起動処理を実行する。リセット回路は、サブ制御基板400に供給される電源電圧が所定の閾値を超えた場合に、リセット信号を出力する。すなわち、例えば、サブ制御基板400への電源電圧の供給が開始された場合に、サブ起動処理が実行される。
サブ起動処理を開始すると、サブCPU412は、起動時初期化処理(S301)を実行する。サブ起動処理においては、サブ制御基板400の各種のレジスタを初期化し、サブRAM414の各種のカウンタに初期値を設定する。
サブ起動処理において、サブCPU412は、サブRAM414のバックアップ異常の有無を判定する。バックアップ異常である場合、サブCPU412は、バックアップデータを初期化する。また、サブCPU412は、起動時初期化処理において、CGROM424を含む各種のROMに記憶されたデータが適正であるか否かを判定する。例えば、各ROMの特定のアドレスに格納されたデータを読み出し、当該データが適正であるか否かを判定する。各種のROMに異常が発見された場合、サブCPU412は、所定のエラー処理に移行する。
サブCPU412は、サブ起動処理において、ランプ制御タスクの起動(S302)、音響制御タスクの起動(S303)、画像制御基板通信タスクの起動(S304)、メイン制御基板通信タスクの起動(S305)、演出ボタン入力タスクの起動(S306)を行う。
図47は、サブ起動処理において起動される各タスクのフローチャートである。サブCPU412は、ランプ制御タスクにより、サイドランプ5と演出用ランプ28とを含む各種のランプを制御する。また、サブCPU412は、音響制御タスクにより、スピーカ(31、32)を制御する。また、サブCPU412は、画像制御基板通信タスクにより、画像制御基板420にコマンドを送信し、メイン制御基板通信タスクにおいてメイン制御基板300からのコマンドを受信し、演出ボタン入力タスクにおいて演出ボタン26および方向指定ボタン27の操作を受付ける。
サブCPU412には、タイマ割込信号が所定の時間間隔で入力される。サブCPU412は、タイマ割込信号を受信すると、各タスクのうちの何れかを実行する。すなわち、各種のランプおよびスピーカ(31、32)を含む各周辺装置は、時分割で制御される。
図47(a)は、ランプ制御タスクのフローチャートである。サブCPU412は、ランプ制御タスクを開始すると、各種のランプを制御するためのデータを初期化する(S302−1)。サブCPU412は、各種のデータを初期化すると、ランプデータ解析処理(S302−2)に移行する。ランプデータは、各種のランプの点滅パターンを示すデータである。例えば、特定のランプを点灯状態にする時間を示すデータと消灯状態にする時間を示すデータとの時系列(300ms点灯→300ms消灯→300ms点灯→……)がランプデータとして採用され得る。
サブCPU412は、ランプ制御処理(S302−3)において、ランプデータにより指定される態様で特定のランプを点滅させる。ランプデータ解析処理とランプ演出実行処理とは、タイマ割込信号が入力されるまで繰り返し実行される。
図47(b)は、音響制御タスクのフローチャートである。サブCPU412は、音響制御タスクを開始すると、スピーカ(31、32)を制御するための各種のデータを初期化する(S303−1)。サブCPU412は、各種のデータを初期化すると、音響解析処理(S303−2)に処理を移行する。
サブCPU412は、音響制御処理(S303−3)において、音響データ解析処理の結果に応じてサウンド基板430(音源IC431)に指示をする。音源IC431は、サブCPU412からの指示に応じて音源ROM432から音響データを読み出し、音響データから音響信号を生成してスピーカ(31、32)に供給する。音響データ解析処理と音響制御処理とは、タイマ割込信号が入力されるまで繰り返し実行される。
図47(c)は、画像制御基板通信処理のフローチャートである。サブCPU412は、画像制御基板通信タスクを開始すると、非遊技タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S304−1)。非遊技タイマは、前回の遊技が終了してから非遊技の状態が所定の時間継続した場合にタイムアップする。具体的には、非遊技タイマは、前回の遊技が終了した時点で初期値にセットされ、非遊技の期間において所定の周期毎に減算される。例えば、非遊技タイマは、前回の遊技が終了してから非遊技の期間が1分間継続した場合にタイムアップする。また、非遊技タイマは、例えば、サブRAM414に設けられる。
サブCPU412は、非遊技タイマがタイムアップしたと判断した場合(S304−1:YES)、デモ表示コマンド送信処理(S304−2)に移行し、デモ表示コマンドを画像制御基板420に送信する。画像制御基板(液晶制御CPU421)420は、デモ表示コマンドを受信した場合、液晶表示装置30にデモンストレーション画像を表示させる。また、サブCPU412は、デモンストレーション画像が表示される期間において、各種のランプを消灯する。
他方で、非遊技タイマがタイムアップしていないと判断した場合(S304−1:NO)、サブCPU412は、サブRAM414に格納されている演出番号に応じて演出コマンドをセットする(S304−3)。演出番号は、遊技機1において実行される演出の種類を示し、後述する演出抽選処理においてサブRAM414の演出番号格納領域に格納される。サブCPU447は、ステップS304−3でセットした演出コマンドを画像制御基板420に送信して(S304−4)、画像制御基板通信タスクを終了する。なお、画像制御基板通信タスクにおいて、画像制御基板420からのコマンドを受信可能な構成としてもよい。
図47(d)は、メイン制御基板通信タスクのフローチャートである。メイン制御基板通信タスクを開始すると、サブCPU412は、所定の記憶領域を初期化する通信開始前処理(S305−1)を実行する。通信開始前処理を実行した後に、サブCPU412は、受信コマンドチェック処理(S305−2)に移行する。受信コマンドチェック処理においては、メイン制御基板300から受信したコマンドの内容をチェックする。
サブCPU412は、今回の受信コマンドチェック処理でチェックしたコマンドと前回の受信コマンドチェック処理でチェックしたコマンドとが異なるか否かを判定する(S305−3)。すなわち、ステップS305−3において、サブCPU412は、メイン制御基板300からのコマンドが変化したか否かを判定する。サブCPU412は、メイン制御基板300からのコマンドが変化するまで、ステップS305−3を繰り返し実行する(S305−3:NO)。メイン制御基板300からのコマンドが変化した場合(S305−3:YES)、サブCPU412は、コマンド解析処理(S305−4)に移行する。
コマンド解析処理を実行した後に、サブCPU412は、遊技情報更新処理(S305−5)を実行する。遊技情報更新処理において、サブCPU412は、メイン制御基板300から受信したコマンドに応じて遊技情報を更新する。遊技情報は、例えば、ART状態の残り遊技回数を含む各種の情報である。サブCPU412は、ステップS305−5において、複数種類の遊技情報更新処理のうちの何れかを実行する。具体的には、サブCPU412は、複数種類の遊技情報更新処理のうちメイン制御基板300から受信したコマンドの種別に応じた遊技情報更新処理を実行する。例えば、サブCPU412は、開始操作コマンドを受信した場合、ART状態の残り遊技回数(ARTゲーム数カウンタ)を更新するための遊技情報更新処理を実行する。遊技情報を更新した後に、サブCPU412は、ステップS305−2に処理を戻し、次回のタイマ割込信号が入力されるまでステップS305−2からステップS305−5までの処理を繰り返す。
図48は、コマンド解析処理のフローチャートである。サブCPU412は、コマンド解析処理を開始すると、演出制御処理(S401)を実行する。後述するように、サブCPU412は、演出制御処理において、例えば、遊技機1で実行する演出を決定する。
演出制御処理を実行した後に、サブCPU412は、演出に応じたランプデータを決定し(S402)、決定したランプデータをサブRAM414に格納する(S403)。また、サブCPU412は、演出制御処理で決定した演出に応じて、音響データを決定し(S404)、決定した音響データをサブRAM414に格納する(S405)。音響データを格納すると、サブCPU412は、コマンド解析処理を終了する。
図49は、演出制御処理のフローチャートである。サブCPU412は、演出制御処理を開始すると、メイン制御基板300から受信したコマンドが設定変更開始コマンドまたは設定値コマンドであるか否かを判定する(S401−1)。メイン制御基板300から受信したコマンドが設定変更開始コマンドまたは設定値コマンドであると判断した場合(S401−1:YES)、サブCPU412は、設定変更開始/終了処理(S401−2)に処理を移行する。
具体的には、設定変更開始コマンドを受信したと判断した場合、サブCPU412は、設定変更処理が実行中である旨を報知をする。例えば、サブCPU412は、液晶表示装置30に「設定変更中です」というメッセージを表示させ、各スピーカーに当該メッセージの音声を出力させる。また、設定値コマンドを受信したと判断した場合(すなわち、設定変更処理が終了した場合)、サブCPU412は、設定値コマンドが示す設定値をサブRAM414に格納して設定変更処理の報知を終了する。設定変更開始/終了処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
メイン制御基板300から受信したコマンドが設定変更開始コマンドまたは設定値コマンドではないと判断した場合(S401−1:NO)、サブCPU412は、投入関連コマンド(自動投入コマンド,メダル投入コマンド)を受信したか否かを判定する(S401−3)。投入関連コマンドを受信したと判断した場合(S401−3:YES)、サブCPU412は、投入関連コマンド受信時処理(S401−4)に移行する。投入関連コマンド受信時処理においては、サブCPU412は、例えば、メダルの投入時の演出を発生させる。投入関連コマンド受信時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了させる。
サブCPU412は、受信したコマンドが投入関連コマンドではないと判断した場合(S401−3:NO)、精算操作コマンドを受信したか否かを判定する(S401−5)。精算操作コマンドを受信したと判断した場合(S401−5:YES)、サブCPU412は、精算操作コマンド受信時処理(S401−6)を実行する。精算操作コマンド受信時処理において、サブCPU412は、メダルの精算が実行されている旨を報知する。サブCPU412は、精算操作コマンド受信時処理において、例えば、「精算中です」というメッセージを液晶表示装置30に表示させ、スピーカから所定の警告音を出力する。精算操作コマンド受信時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
サブCPU412は、受信したコマンドが精算操作コマンドではないと判断した場合(S401−5:NO)、開始操作コマンドを受信したか否かを判定する(S401−7)。開始操作コマンドを受信したと判断した場合(S401−7:YES)、サブCPU412は、開始操作時処理(S401−8)を実行する。開始操作時処理において、サブCPU412は、演出抽選処理を含む各種の処理を実行する。開始操作時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
サブCPU412は、受信したコマンドが開始操作コマンドではないと判断した場合(S401−7:NO)、リール始動コマンドを受信したか否かを判定する(S401−9)。リール始動コマンドを受信したと判断した場合(S401−9:YES)、サブCPU412は、リール始動コマンド受信時処理(S401−10)を実行する。リール始動コマンド受信時処理において、サブCPU412は、例えば、リールの回転が開始される際に出力されるリール回転音をスピーカーに出力させる。リール始動コマンド受信時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
サブCPU412は、受信したコマンドがリール始動コマンドではないと判断した場合(S401−9:NO)、停止操作コマンドを受信したか否かを判定する(S401−11)。停止操作コマンドを受信したと判断した場合(S401−11:YES)、サブCPU412は、停止操作時処理(S401−12)を実行する。停止操作時処理において、例えば、液晶表示装置30の表示態様を切替える。停止操作時処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
サブCPU412は、受信したコマンドが停止操作受付コマンドではないと判断した場合(S401−11:NO)、表示当選役コマンド(再遊技コマンド、入賞当選役コマンドまたはハズレ表示コマンド)を受信したか否かを判定する(S401−13)。表示当選役コマンドを受信したと判断した場合(S401−13:YES)、サブCPU412は、表示当選役コマンド受信時処理(S401−14)を実行する。
サブCPU412は、受信したコマンドが表示当選役コマンドではないと判断した場合(S401−13:NO)、払出開始コマンドまたは払出終了コマンドを受信したか否かを判定する(S401−15)。払出開始コマンドまたは払出終了コマンドを受信したと判断した場合(S401−15:YES)、サブCPU412は、払出音制御処理(S401−16)を実行する。例えば、サブCPU412は、払出開始コマンドを受信した場合、メダルの排出を報知するメダル払出音の出力を開始する。また、払出終了コマンドを受信した場合、サブCPU412は、メダル払出音を停止する。払出音制御処理を実行した後に、サブCPU412は、演出制御処理を終了する。
図50は、開始操作時処理のフローチャートである。サブCPU412は、開始操作処理を開始すると、サブ状態を取得する(S501)。その後、サブCPU412は、サブ状態が特別遊技状態であるか否かを判定する(S502)。特別遊技状態であると判断した場合(S502:YES)、サブCPU412は、特別遊技状態処理(S503)に移行する。特別遊技状態処理において、サブCPU412は、例えば、特別遊技状態の残り遊技回数を遊技毎に減算する。
一方で、特別遊技状態ではないと判断した場合(S502:NO)、サブCPU412は、特殊遊技状態であるか否かを判定する(S504)。特殊遊技状態であると判断した場合(S504:YES)、サブCPU412は、特殊遊技状態処理(S505)に移行する。特殊遊技状態処理において、サブCPU412は、例えば、当選エリアに応じて上乗せ遊技回数を決定する。
サブ状態が特殊遊技状態ではないと判断した場合(S504:NO)、サブCPU412は、ART状態(ART中前兆状態を含む)であるか否かを判定する(S506)。ART状態であると判断した場合(S506:YES)、サブCPU412は、ART状態処理(S507)に移行する。サブCPU412は、ART状態処理において、特殊遊技決定処理、特別遊技決定処理、上乗せ決定処理、第1特典付与処理および第2特典付与処理を含む各種の処理を実行する。
サブCPU412は、サブ状態がART状態ではないと判断した場合(S506:NO)、開始準備状態であるか否かを判定する(S508)。開始準備状態であると判断した場合(S508:YES)、サブCPU412は、開始準備状態処理(S509)に移行する。開始準備状態処理において、サブCPU412は、移行先のサブ状態と当選エリアとに応じて、報知する停止操作順序を決定する。
サブCPU412は、開始準備状態ではないと判断した場合(S508:NO)、通常状態処理(S510)に移行する。通常状態処理において、サブCPU412は、ART決定処理および特別遊技決定処理を含む各種の処理を実行する。
開始操作時処理において、サブCPU412は、サブ状態および当選エリア等に応じて演出抽選処理(S511)を実行する。具体的には、サブCPU412は、演出抽選処理を開始すると、乱数値R3を取得し、サブ状態および当選エリアに応じた演出抽選テーブルを選択する。サブCPU412は、演出抽選テーブルから各演出の各抽選値を順次に取得し、取得した抽選値を乱数値R3に減算する。サブCPU412は、減算の結果が負数になった演出の演出番号をサブRAM414の演出番号格納領域に格納する。また、演出ボタン操作指示が実行される演出(例えば、上述の特定演出。図24参照)が決定された場合、サブCPU412は、演出ボタン指示フラグをON状態に設定する。演出ボタン操作指示が実行される遊技においては、例えば、液晶表示装置30に「PUSH!」というメッセージが表示される。演出ボタン指示フラグがON状態に設定される期間において、演出ボタン26が操作されると、サブCPU412は、所定の演出を実行させる。演出抽選処理を実行した後に、サブCPU412は、開始操作時処理を終了する。
図51は、ART状態処理のフローチャートである。サブCPU412は、ART状態処理を開始すると、サブCPU412は、特殊遊技決定処理(S601)に移行する。
特殊遊技決定処理において、サブCPU412は、特殊遊技決定テーブル(図19参照)を用いて、特殊遊技状態に移行するか否かを決定する。具体的には、特殊遊技決定処理において、特殊遊技決定テーブルの「当選」の各抽選値のうち当選エリアに応じた抽選値を取得し、当該抽選値を乱数値R3に減算する。乱数値R3から抽選値を減算した結果が負数になった場合、特殊遊技状態への移行を決定する。特殊遊技状態への移行が決定された場合、ART中前兆状態に移行し、その後、開始準備状態を介して特殊遊技状態に移行する。
特殊遊技決定処理を実行した後に、サブCPU412は、特別遊技決定処理(S602)に移行する。特別遊技決定処理において、サブCPU412は、特別遊技決定テーブル(図20参照)を用いて、特別遊技状態に移行するか否かを決定する。具体的には、特別遊技決定処理において、特別遊技決定テーブルの「当選」の各抽選値のうち当選エリアに応じた抽選値を取得し、当該抽選値を乱数値R3に減算する。乱数値R3から抽選値を減算した結果が負数になった場合、特別遊技状態への移行を決定する。特別遊技状態への移行が決定された場合、ART中前兆状態に移行し、その後、開始準備状態を介して特別遊技状態に移行する。なお、本実施形態においては、レア役に1回当選した場合、特殊遊技状態と特別遊技状態との双方に当選し得る構成としたが、何れか一方のみに当選し得る構成としてもよい。
特別遊技決定処理を実行した後に、サブCPU412は、上乗せ決定処理(S603)に移行する。上乗せ決定処理において、サブCPU412は、上乗せ決定テーブル(図21参照)を用いて、上乗せを実行するか否かを決定する。具体的には、サブ状態が第1ART状態である場合、上乗せ決定テーブルA(図21(a)参照)の確率で「上乗せなし」または各上乗せ遊技回数の何れかを決定する。また、サブ状態が第2ART状態である場合、上乗せ決定テーブルB(図21(b)参照)の確率で「上乗せなし」または各上乗せ遊技回数の何れかを決定する。
上乗せ決定処理を実行した後に、サブCPU412は、当該上乗せ決定処理で上乗せ遊技回数が決定されたか否か(上乗せをするか否か)を判定する(S604)。上乗せすると判断した場合(S604:YES)、サブCPU412は、上乗せ決定処理で決定した上乗せ遊技回数をARTゲーム数カウンタに加算する(S605)。上乗せ遊技回数を加算した後に、サブCPU412は、失敗カウンタを初期値「0」にリセットする(S606)。失敗カウンタをリセットした後に、サブCPU412は、第1ART状態に移行する(S607)。具体的には、第2ART状態である場合は、ステップS607において、サブ状態が第2ART状態から第1ART状態に変更される。一方で、第1ART状態である場合は、サブ状態は第1ART状態に維持される(サブ状態は移行しない)。
上乗せを実行しないと判断した場合(S604:NO)、サブCPU412は、今回の遊技の当選エリアがレア役(チェリー、スイカ、チャンス目)であったか否かを判定する(S608)。当選エリアがレア役ではない場合(S608:NO)、サブCPU412は、ART状態処理を終了する。一方で、当選エリアがレア役である場合(S608:YES)、サブCPU412は、失敗カウンタに数値「1」を加算する(S609)。以上の説明から理解される通り、失敗カウンタは、レア役に当選し、且つ、上乗せ遊技回数が決定されなかった場合、加算される。すなわち、失敗カウンタは、特典付与契機(レア役に当選した契機)で上乗せが決定されなかった回数を計数する。
失敗カウンタを加算した後に、サブCPU412は、失敗カウンタが数値「5」(第1天井)であるか否かを判定する(S610)。失敗カウンタが数値「5」であると判断した場合(S610:YES)、サブCPU412は、サブ状態を第2ART状態に移行させる(S611)。
失敗カウンタが第1天井である場合、サブCPU412は、第1特典付与処理(S612)を実行する。第1特典付与処理において、サブCPU412は、第1特典決定テーブル(図23(a)参照)を用いて上乗せ遊技回数を決定する。また、サブCPU412は、第1特典付与処理において、上乗せ遊技回数をARTゲーム数カウンタに加算する。第1特典付与処理を終了した後に、サブCPU412は、ART状態処理を終了する。
失敗カウンタが第1天井の数値「5」ではないと判断した場合(S610:NO)、サブCPU412は、失敗カウンタが数値「10」(第2天井)であるか否かを判定する(S613)。サブCPU412は、失敗カウンタが数値「10」ではないと判断した場合(S613:NO)、ART状態処理を終了する。
一方で、失敗カウンタが数値「10」であると判断した場合(S613:YES)、サブCPU412は、第2特典付与処理(S614)を実行する。第2特典付与処理において、サブCPU412は、第2特典決定テーブル(図23(b)参照)を用いて上乗せ遊技回数を決定する。また、サブCPU412は、第2特典付与処理において、上乗せ遊技回数をARTゲーム数カウンタに加算する。その後、サブCPU412は、上乗せ決定処理で上乗せを決定した場合と同様に、失敗カウンタを数値「0」にリセットし、サブ状態を第1ART状態に移行させてART状態処理を終了する。
図52は、演出ボタン入力タスクのフローチャートである。演出ボタン入力タスクを開始すると、サブCPU412は、演出ボタン26が操作されたか否かを判定する(S306−1)。演出ボタン26が操作されていないと判断した場合(S306−1:NO)、サブCPU412は、演出ボタン入力タスクを終了する。他方で、演出ボタン26が操作されたと判断した場合(S306−1:YES)、サブCPU412は、演出ボタン指示フラグがON状態であるか否かを判定する(S306−2)。演出ボタン指示フラグがON状態であると判断した場合(S306−2:YES)、サブCPU412は、演出ボタン26の操作に応じた演出(例えば上述の特定演出)を実行し(S306−3)、演出ボタン指示フラグをOFF状態にして(S306−4)演出ボタン入力タスクを終了する。
ステップS306−2において、演出ボタン指示フラグがON状態ではないと判断した場合(S306−2:NO)、サブCPU412は、非遊技期間であるか否かを判定する(S306−7)。非遊技期間ではないと判断した場合(S306−5:NO)、サブCPU412は、演出ボタン入力タスクを終了する。他方で、非遊技期間であると判断した場合(S306−5:YES)、サブCPU412は、メニュー画像制御処理(S306−6)を実行する。メニュー画像制御処理において、サブCPU412は、演出ボタン26の操作に応じてメニュー画像の表示を制御するコマンドをセットする。例えば、メニュー画像が液晶表示装置30に表示されていない期間において演出ボタン26が操作された場合、サブCPU412は、メニュー画像の表示を開始させる。メニュー画像制御処理を実行した後に、サブCPU412は、演出ボタン入力タスクを終了する。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、第1実施形態の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
第2実施形態は、特別ART状態が設けられる点において、第1実施形態と相違する。特別ART状態は、ART状態とは別の利益が付与されるサブ状態である。本実施形態の特別ART状態では、ART状態と比較して、上乗せ遊技回数が決定されやすい。また、特別ART状態では、ART状態と比較して、特殊遊技状態への移行が決定されやすい。すなわち、特別ART状態は、上乗せ遊技状態および特殊遊技状態が高確率で当選するサブ状態である。
特別ART状態は、予め定められた回数の遊技(例えば10回)で終了する。なお、特別ART状態の終了契機は適宜に変更可能である。また、特別ART状態の終了契機を複数設けてもよい。例えば、所定の抽選で終了が決定された場合に特別ART状態が終了する構成としてもよい。
サブCPU412は、ART状態において、特別ART決定処理を実行し、特別ART状態に移行するか否かを決定する。特別ART決定処理は、前回の特別ART決定処理から25回の遊技が経過したことを契機に実行される。本実施形態において、前回の特別ART決定処理から今回の特別ART状態処理が実行されるまでの遊技を「1周期」という場合がある。すなわち、サブCPU412は、1周期毎に特別ART決定処理を実行する。詳細には後述するが、特別ART決定処理において特別ART状態に当選する確率は、各周期で相違する。
図53は、第2実施形態の特別ART決定テーブルの概念図である。特別ART決定テーブルは、特別ART決定処理において用いられる。特別ART状態への移行が決定された場合、ART中前兆状態を介して特別ART状態に移行する。
図53に示すように、特別ART決定テーブルは、各周期の特別ART決定処理で特別ART状態に当選する確率を規定する。具体的には、ART状態が開始してから25ゲーム目(1周期目)の特別ART決定処理においては、確率約50%で特別ART状態への移行が決定される。また、50ゲーム目(前回の周期が終了してから25ゲーム目)の特別ART決定処理においては、確率約5%で特別ART状態への移行が決定される。同様に、75ゲーム目では確率約5%、100ゲーム目では確率約10%、125ゲーム目では確率約15%、150ゲーム目では確率約25%、175ゲーム目では確率約25%、200ゲーム目では確率約100%で特別ART状態への移行が決定される。
特別ART決定処理において特別ART状態への移行が決定された場合、当該特別ART状態が終了した後に、1周期目が再開する。すなわち、特別ART状態が終了して25ゲーム目に特別ART決定処理が実行され、当該特別ART決定処理では、ART状態が開始して25ゲーム目の特別ART決定処理と同様に、確率約50%で特別ART状態への移行が決定される。
以上の構成によれば、サブCPU412は、各周期が終了する毎に特別ART状態に移行するか否かを決定するため、遊技者は、各周期が終了する毎に特別ART状態への移行を期待することになる。しかし、連続する各周期において特別ART状態への移行が決定されない場合、遊技者によっては、遊技意欲が低下する可能性がある。
以上の事情を考慮して、第2実施形態においては、図53に示すように、200ゲーム目(8周期目)の特別ART決定処理においては、特別ART状態への移行が確率約100%で決定される。以上の構成によれば、175ゲーム目の特別ART決定処理までに特別ART状態に当選しない場合、200ゲーム目の特別ART決定処理で特別ART状態に当選する。したがって、連続した特定回数(7回)の特別ART決定処理で特別ART状態に当選しない場合、その後、特別ART状態への移行が決定されるため、遊技者の遊技意欲の低下が抑制される。
また、図53から理解される通り、50ゲーム目から175ゲーム目の各特別ART決定処理では、周期が経過する毎に、特別ART状態に当選する確率が高く設計される。具体的には、特別ART状態に当選する確率は、約5%(50ゲーム目、75ゲーム目)、約10%(100ゲーム目)、約15%(125ゲーム目)、約25%(150ゲーム目、200ゲーム目)の順に上昇する。以上の構成によれば、特別ART決定処理で特別ART状態への移行が決定されない回数が多いほど、次回の特別ART決定処理で特別ART状態に当選する期待度が高くなる。したがって、連続した各周期の特別ART決定処理で特別ART状態に非当選した場合の遊技者の遊技意欲の低下が抑制される。
また、図53に示すように、1周期目の特別ART決定処理に当選する確率は、2周期目から7周期目の特別ART決定処理と比較して高い。したがって、特別ART状態が終了した後は、25ゲーム目に再度特別ART状態に当選しやすい。以上の構成によれば、特別ART決定処理で連続して特別ART状態に当選しやすくなる。したがって、特別ART状態の連荘に対する遊技者の期待感を向上させることができ、遊技性が向上する。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様な効果を奏することができる。なお、上述した構成においては、1周期の遊技回数を25ゲームにしたが、1周期の遊技回数は適宜に変更することができる。また、特別ART状態は、上述した例に限定されない。例えば、ART状態より特別遊技状態に当選しやすいサブ状態を特別ART状態として採用することができる。さらに、特別ART状態に移行するか否かを、各周期が終了した契機に加え、他の契機で決定してもよい。例えば、ART状態においてレア役が当選した場合、特別ART状態に移行するか否かが決定される構成としてもよい。
<第3実施形態>
第3実施形態は、第1失敗カウンタと第2失敗カウンタと周期カウンタとを具備する点において第1実施形態と相違する。第1失敗カウンタは、レア役のうち当選エリア「チェリー」が当選し、且つ、上乗せ決定処理で上乗せしないことが決定された場合、数値「1」加算される。第2失敗カウンタは、レア役のうち当選エリア「スイカ」が当選し、且つ、上乗せ決定処理で上乗せしないことが決定された場合、数値「1」加算される。
また、第3実施形態においては、ART状態において、20回の遊技毎に、特殊遊技状態に移行するか否かの抽選(以下「周期抽選」という)が実行される。周期抽選においては、例えば確率約10%で特殊遊技状態への移行を決定する。周期カウンタは、周期抽選において、特殊遊技状態に当選しなかった場合、数値「1」加算される。なお、第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、レア役が当選した場合、特殊遊技状態に移行するか否かが抽選で決定される。ただし、レア役が当選した場合は、特殊遊技状態に当選しなかった場合であっても、周期カウンタは加算されない。
サブCPU412は、第1失敗カウンタの値、第2失敗カウンタの値、および、周期カウンタの値に応じて特典を付与する。具体的には、各カウンタの値が特定の値に到達した場合、当該カウンタに応じた特典を付与する。第3実施形態においては、第1失敗カウンタまたは第2失敗カウンタが数値「3」に到達した場合、サブCPU412は、上乗せ遊技回数を決定する。また、周期カウンタが数値「10」に到達した場合、サブCPU412は、特殊遊技状態への移行を決定する。
図54は、第3実施形態の特典決定テーブル(A、B、C)の概念図である。第3実施形態の特典決定テーブルは、特典決定テーブルAと特典決定テーブルBと特典決定テーブルCとを含んで構成される。なお、各特典決定テーブルで規定される各確率は、適宜に変更可能である。
特典決定テーブルAは、第1失敗カウンタが数値「3」に到達した場合の各上乗せ遊技回数が決定される確率を規定する。サブCPU412は、第1失敗カウンタが数値「3」に到達した場合、図54(a)に示すように、上乗せ遊技回数「10ゲーム」「20ゲーム」「30ゲーム」および「50ゲーム」の何れかを決定する。第1失敗カウンタは、数値「3」に到達した場合、その後、初期値「0」にリセットされる。
特典決定テーブルBは、第2失敗カウンタが数値「3」に到達した場合の各上乗せ遊技回数が決定される確率を規定する。サブCPU412は、第2失敗カウンタが数値「3」に到達した場合、図54(b)に示すように、上乗せ遊技回数「10ゲーム」「20ゲーム」「30ゲーム」「50ゲーム」「100ゲーム」「200ゲーム」および「300ゲーム」の何れかを決定する。第2失敗カウンタは、数値「3」に到達した場合、その後、初期値「0」にリセットされる。また、第2失敗カウンタが数値「3」に到達した場合は、「上乗せなし」が決定され得る。「上乗せなし」が決定された場合であっても、上乗せ遊技回数が決定された場合と同様に、第2失敗カウンタは初期値「0」にリセットされる。
特典決定テーブルCは、周期カウンタが数値「10」に到達した場合に特殊遊技状態へ移行する確率を規定する。本実施形態においては、図54(c)に示すように、周期カウンタが数値「10」に到達した場合、必ず特殊遊技状態に移行する。上述したように、周期抽選は、20回の遊技毎に実行される。したがって、ART状態において200回の遊技で特殊遊技状態に当選しない場合、特殊遊技状態への移行が決定される。周期カウンタは、周期抽選で特殊遊技状態に当選した場合、または、数値「10」に到達した場合、その後、初期値「0」にリセットされる。また、周期カウンタは、レア役当選時の特殊遊技決定処理で特殊遊技状態が当選した場合も、初期値「0」にクリアされる。
以上の通り、本実施形態いおいては、ART状態の所定回数の遊技毎に周期抽選を実行し、連続した10回の周期抽選で特殊遊技状態に当選しない場合、特殊遊技状態への移行が決定される。
第3実施形態においても、第1実施形態と同様な効果を奏することができる。また、第3実施形態においては、チェリー当選時の上乗せ決定処理で上乗せを実行しないことを決定した回数と、スイカ当選時の上乗せ決定処理で上乗せを実行しないことを決定した回数とが別々のカウンタで計数される。しがたって、各失敗カウンタに応じて特典を付与することが可能となる。例えば、第3実施形態のように、第1失敗カウンタが特定の値に到達した場合と第2失敗カウンタが特定の値に到達した場合とで付与される上乗せ遊技回数の種類が異なる構成とすることができる。以上の構成によれば、付与される特典が多様化し、遊技性が向上する。
なお、第3実施形態において、レア役当選時の特殊遊技決定処理で特殊遊技状態への移行が決定された場合、周期カウンタが初期化される構成としたが、周期抽選に当選するまでは初期化されない構成としてもよい。さらに、特殊遊技決定処理で特殊遊技状態への移行が決定されなかった場合、周期カウンタが加算される構成としてもよい。
また、第3実施形態において、第1失敗カウンタと第2失敗カウンタと周期カウンタとを設けたが、特典の付与に用いるカウンタは、上述した各カウンタに限られない。例えば、チャンス目が当選した場合の上乗せ決定処理で上乗せを実行しないことが決定された場合に加算される第3失敗カウンタを具備する構成としてもよい。また、上述したカウンタの何れかを省略する構成としてもよい。
<変形例>
以上の各形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
(1)以上の各形態において、失敗カウンタを加算する契機は、適宜に変更可能である。例えば、当選エリア「共通ベル」が当選した場合、上乗せ決定処理を実行し、当該上乗せ決定処理で上乗せの実行が決定されない場合、失敗カウンタが加算される構成としてもよい。また、特殊遊技状態において失敗カウンタが加算され得る構成としてもよいし、特別遊技状態において失敗カウンタが加算され得る構成としてもよい。また、各種の演出のうち特定の演出が決定された場合、失敗カウンタが加算される構成としてもよい。
図55は、変形例における演出抽選処理のフローチャートである。変形例においては、各演出のうち失敗演出が決定された場合に失敗カウンタが加算される。失敗演出は、上乗せしないことが決定された旨を報知する演出である。例えば、第1実施形態の図24(b−3)に示す特定演出が失敗演出として採用され得る。変形例において、レア役が当選した場合の一部で失敗演出が実行される。また、変形例においては、上乗せすることが決定された旨を報知する成功演出が実行される。例えば、第1実施形態の図24(b−2)に示す特定演出が成功演出として採用され得る。
サブCPU412は、演出抽選処理を開始すると、演出抽選テーブルを用いて演出を決定する(S701)。具体的には、サブCPU412は、上乗せ決定処理の結果に応じて演出を決定する。例えば、上乗せ決定処理で上乗せ遊技回数が決定された場合、サブCPU412は、成功演出を含む各演出の何れかを決定する。また、上乗せ決定処理で上乗せしないことが決定された場合、サブCPU412は、失敗演出を含む各演出の何れかを決定する。
演出を決定した後に、サブCPU412は、当該演出が失敗演出であるか否かを判定する(S702)。失敗演出であると判断した場合(S702:YES)、サブCPU412は、失敗カウンタに数値「1」を加算する(S703)。その後、サブCPU412は、失敗カウンタが天井に到達したか否かを判定する(S704)。変形例の失敗カウンタの天井は、数値「5」である。
失敗カウンタが天井に到達したと判断した場合(S704:YES)、サブCPU412は、ステップS701で決定した演出(失敗演出)を成功演出に変更する(S705)。以上の構成によれば、ステップS701で失敗演出が決定された場合であっても、成功演出が実行される。また、サブCPU412は、失敗演出を成功演出に変更した後に、特典付与処理(S706)を実行する。特典付与処理において、特典が決定され付与される。例えば、特典付与処理において、上乗せ遊技回数が抽選で決定され、当該上乗せ遊技回数がART状態の残り遊技回数に加算される。
特典付与処理において特典を付与すると、サブCPU412は、失敗カウンタを初期値「0」にリセットする(S707)。また、サブCPU412は、ステップS705で決定した成功演出の演出番号を演出番号格納領域に格納し(S708)、演出抽選処理を終了する。
ステップS702において、失敗演出ではないと判断した場合(S702:NO)、サブCPU412は、成功演出であるか否かを判定する(S709)。成功演出であると判断した場合(S709:YES)、サブCPU412は、失敗カウンタを初期値にリセットする。一方で、成功演出ではないと判断した場合(S709:NO)、サブCPU412は、失敗カウンタをリセットしない。
遊技者によっては、成功演出が実行されることなく失敗演出が連続した場合、すなわち、上乗せが実行されない旨ばかりが報知され続けた場合、遊技に対する意欲が低下し得る。本実施形態においては、成功演出が実行されることなく失敗演出が5回決定された場合、失敗演出に替えて成功演出が実行されるとともに上乗せ遊技回数が加算される。したがって、上述した問題が抑制される。
なお、失敗演出および成功演出の態様は上述の例に限られない。例えば、失敗演出および成功演出を複数の遊技に亘り実行される連続演出としてもよい。また、失敗演出が連続した場合に付与される特典は、上述した例に限られない。例えば、失敗演出が連続した場合の特典として、特殊遊技状態に移行させてもよいし、特別遊技状態に移行させてもよい。また、特典として第2ART状態に移行させてもよい。
(2)以上の各形態において、特典が付与される失敗カウンタの数値の大きさ、および、その種類は適宜に変更可能である。例えば、以上の第1実施形態において、第1天井と第2天井とで特典が付与される構成としたが、第2天井より大きい第3天井を設ける構成としてもよい。
また、特典が付与される失敗カウンタの数値を抽選により決定してもよい。例えば、数値「1」から数値「5」までの何れかを抽選で第1天井に設定し、数値「6」から数値「10」までの何れかを抽選で第2天井に設定する。
さらに、第3実施形態において、第1失敗カウンタと第2失敗カウンタとの天井を等しい値にしたが、各カウンタの天井を異ならせてもよい。例えば、各失敗カウンタが加算される契機となる各当選エリアの当選確率を考慮して、各失敗カウンタの天井を設定する構成が好適である。例えば、当選確率が比較的高い当選エリアが当選した場合に加算される失敗カウンタの天井は、当該当選エリアより当選確率が低い当選エリアが当選した場合に加算される失敗カウンタの天井より大きな数値とする。以上の構成によれば、当選確率が比較的高い当選エリアの失敗カウンタが天井に到達する頻度を低く調整することが可能となる。したがって、過剰な特典が付与されることを抑制することができる。
(3)以上の各形態において、失敗カウンタが天井に到達した場合の特典は、上述した各形態の例に限定されない。例えば、失敗カウンタが天井に到達した場合、ART状態に移行する権利が付与される構成としてもよい。また、上述した第3実施形態において、第1失敗カウンタまたは第2失敗カウンタが特定の値に到達した場合、特殊遊技状態への移行が決定され得る構成としてもよいし、周期カウンタが特定の値に到達した場合、上乗せ遊技回数が決定される構成としてもよい。
(4)以上の各形態において、失敗カウンタをサブRAM414に設ける構成としたが、失敗カウンタをメインRAM303に設ける構成としてもよい。図56は、変形例におけるメインCPU301の上乗せ制御処理のフローチャートである。上乗せ制御処理は、例えば、遊技制御処理(図28)の内部抽選処理(S106)以降であってウェイト処理(S108)以前の期間に実行される。
上乗せ制御処理において、上乗せ決定処理(S801)が実行される。すなわち、変形例においては、サブCPU412に替えてメインCPU301が上乗せ決定処理を実行する。また、以上の各形態においては、ARTゲーム数カウンタは、サブRAM414に設けたが、変形例においては、メインRAM303に設けられる。
メインCPU301は、上乗せ制御処理を開始すると、上乗せ決定処理を実行する。その後、上乗せ決定処理において上乗せ遊技回数が決定されたか否かを判定する(S802)。上乗せ遊技回数が決定されなかったと判断した場合(S802:NO)、メインCPU301は、今回の遊技でレア役に当選していたか否かを判定する(S803)。メインCPU301は、レア役に当選していないと判断した場合(S803:NO)、上乗せ制御処理を終了する。他方で、レア役に当選していたと判断した場合(S803:YES)、メインCPU301は、失敗カウンタを加算する(S804)。失敗カウンタを加算した後に、メインCPU301は、失敗カウンタが天井に到達したか否かを判定する(S805)。
図56に示す変形例においては、失敗カウンタが数値「10」に到達した場合、特典が付与される。例えば、失敗カウンタが数値「10」に到達した場合、上乗せ遊技回数「100ゲーム」が特典として付与される。メインCPU301は、失敗カウンタが天井に到達していないと判断した場合(S805:NO)、上乗せ制御処理を終了する。
一方で、失敗カウンタが天井に到達したと判断した場合(S805:YES)、メインCPU301は、天井フリーズフラグをON状態にする。変形例においては、天井フリーズフラグがON状態の場合、回胴演出(ショートロック等)が実行される期間(ウェイト処理)において、天井フリーズ演出を実行する。天井フリーズ演出が実行されると、例えば、所定時間(10秒間)各リール12が停止した状態に維持され、その後、定常回転する。なお、天井フリーズ演出が実行された後に、天井フリーズフラグはOFF状態にリセットされる。また、メインCPU301は、天井フリーズフラグをON状態に設定した後に、天井到達コマンドをコマンド格納領域に格納する(S807)。天井到達コマンドが受信された場合、サブCPU412は、例えば、天井フリーズ演出が実行される期間において、所定の演出を液晶表示装置30で実行する。
上述した上乗せ決定処理で上乗せ遊技回数が決定されたと判断した場合(S802:YES)、および、失敗カウンタが天井に到達したと判断した場合、メインCPU301は、上乗せ遊技回数を示す上乗せゲーム数コマンドをコマンド格納領域に格納する(S808)。サブCPU412は、上乗せゲーム数コマンドが示す上乗せ遊技回数を報知する。上乗せゲーム数コマンドを格納した後に、メインCPU301は、ARTゲーム数カウンタに上乗せ遊技回数を加算し(S809)、失敗カウンタをクリアして(S810)、上乗せ制御処理を終了する。
以上の変形例においても、第1実施形態と同様な効果を奏することができる。また、変形例においては、メインRAM303(メイン制御基板300)に失敗カウンタを設けたため、失敗カウンタに応じた回胴演出をメインCPU301が実行することができる。
(5)以上の各形態において、ART状態が終了する契機は適宜に変更することができる。例えば、所定の枚数のメダルが払出された場合、ART状態を終了してもよい。また、ベルの正解押し順が所定の回数報知された場合、ART状態を終了してもよい。
本発明の遊技機は、例えば以下の遊技機である。
本発明に係る遊技機は、複数種類の図柄を変動表示するとともに、遊技の結果としての図柄の組合せを停止表示する可変表示手段(各リール12)と、遊技者の操作を受付けて遊技を開始させる遊技開始手段(S103−6)と、遊技が開始された場合に、複数種類の当選役の何れかを抽選により決定する内部抽選手段(S106)と、図柄を停止させる場合に遊技者により操作される停止操作手段(各停止ボタン25)と、内部抽選手段が決定した当選役と停止操作手段に対する遊技者の操作態様とに応じて各図柄を停止させる図柄変動制御手段(S110)と、可変表示手段に停止表示された図柄の組合せを判定する入賞判定手段(S111)と、通常遊技状態と比較して遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を決定する特別遊技状態決定手段(S510)と、特別遊技状態において所定の特典付与契機が成立した場合に特典を付与可能な第1特典付与手段(S612)と、第1特典付与手段が特典を付与しなかった連続回数が特定回数に達した場合、特典を付与する第2特典付与手段(S614)とを具備する。
以上の構成によれば、第1特典付与手段が特典付与契機(例えばレア役の当選)で特典を付与しなかった連続回数が特定回数に達した場合、特典(例えば上乗せ遊技回数)が付与される。したがって、特典付与契機で特典を付与しなかった連続回数が特定回数に達した場合に何ら特典が付与されない構成と比較して、遊技者の遊技に対する意欲の低下が抑制される。
以上の課題を解決するために、本発明に係る遊技機は、複数種類の図柄を変動表示するとともに、遊技の結果としての図柄の組合せを停止表示する可変表示手段と、遊技者の操作を受付けて遊技を開始させる遊技開始手段と、遊技が開始された場合に、複数種類の当選役の何れかを抽選により決定する内部抽選手段と、図柄を停止させる場合に遊技者により操作される停止操作手段と、内部抽選手段が決定した当選役と停止操作手段に対する遊技者の操作態様とに応じて各図柄を停止させる図柄変動制御手段と、可変表示手段に停止表示された図柄の組合せを判定する入賞判定手段と、通常遊技状態と比較して遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を決定する特別遊技状態決定手段と、特別遊技状態において所定の特典付与契機が成立した場合、特別遊技状態が終了するまでの遊技回数を延長することが特別遊技状態より決定されやすい特定遊技状態に今回の特別遊技状態において移行する権利を付与可能な第1特典付与手段と、第1特典付与手段が特定遊技状態に移行する権利を付与しなかった連続回数が特定回数に達した場合、特定遊技状態に移行する権利を付与する第2特典付与手段とを具備する。
本発明に係る遊技機は、複数種類の図柄を変動表示するとともに、遊技の結果としての図柄の組合せを停止表示する可変表示手段(各リール12)と、遊技者の操作を受付けて遊技を開始させる遊技開始手段(S103−6)と、遊技が開始された場合に、複数種類の当選役の何れかを抽選により決定する内部抽選手段(S106)と、図柄を停止させる場合に遊技者により操作される停止操作手段(各停止ボタン25)と、内部抽選手段が決定した当選役と停止操作手段に対する遊技者の操作態様とに応じて各図柄を停止させる図柄変動制御手段(S110)と、可変表示手段に停止表示された図柄の組合せを判定する入賞判定手段(S111)と、通常遊技状態と比較して遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を決定する特別遊技状態決定手段(S510)と、特別遊技状態において所定の特典付与契機が成立した場合、特別遊技状態が終了するまでの遊技回数を延長することが特別遊技状態より決定されやすい特定遊技状態に今回の特別遊技状態において移行する権利を付与可能な第1特典付与手段(S612)と、第1特典付与手段が特定遊技状態に移行する権利を付与しなかった連続回数が特定回数に達した場合、特定遊技状態に移行する権利を付与する第2特典付与手段(S614)とを具備する。