JP2016048304A - 電気泳動表示装置の製造方法、電気泳動表示装置および電子機器 - Google Patents

電気泳動表示装置の製造方法、電気泳動表示装置および電子機器 Download PDF

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Kiyoshi Nakamura
潔 中村
康弘 寺島
Yasuhiro Terashima
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Abstract

【課題】帯電極性が等しく、かつ、帯電量のばらつきを抑えた帯電粒子を選別することができる電気泳動表示装置の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の電気泳動表示装置の製造方法は、本発明の電気泳動表示装置の製造方法は、第1の液槽内に収容された第1の電気泳動粒子を含む分散液に、転写基板電極を接触させ、第1の液槽の電極と転写基板電極との間に電圧を印加して、転写基板電極の表面に第1の電気泳動粒子を付着させる工程と、第2の液槽内に収容された分散媒に第1の電気泳動粒子が付着した転写基板電極を接触させ、対向電極と転写基板電極との間に電圧を印加して、対向電極の表面に第1の電気泳動粒子を付着させる工程と、を備えたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電気泳動表示装置の製造方法、電気泳動表示装置および電子機器に関する。
電気泳動表示装置としては、特許文献1のように、表示基板と背面基板と隔壁とによって区画された領域内に濃色の帯電粒子を封入した構造のものが知られている。電気泳動表示装置の表示を切替えるためには、各帯電粒子の帯電極性を合わせるとともに、各帯電粒子の帯電ばらつきを抑える必要がある。
特開2009−31640号公報
しかしながら、帯電粒子の帯電極性を合わせたり、帯電粒子の帯電ばらつきを抑えたりといった粒子の選別は非常に難しく、結果として、電気泳動表示装置の表示性能が著しく低下するという課題があった。
本発明の一つの態様は、上記の課題を解決するためになされたものであって、帯電極性が等しく、かつ、帯電量のばらつきを抑えた帯電粒子を選別することができる電気泳動表示装置の製造方法、この製造方法によって得られた電気泳動表示装置および電子機器を提供することを目的とする。
本発明の第1態様に従えば、電極を備えた電極基板を有する第1の液槽内に収容された、第1の電気泳動粒子を含む分散液に、転写基板に設けられた転写基板電極を接触させるとともに、前記電極と前記転写基板電極とを対向させて、前記電極と前記転写基板電極との間に電圧を印加することにより、前記転写基板電極の表面に前記第1の電気泳動粒子を付着させる工程と、対向電極を備えた対向基板が配設された第2の液槽内に収容された分散媒に、前記第1の電気泳動粒子が付着した前記転写基板電極を接触させるとともに、前記対向電極と前記転写基板電極とを対向させて、前記対向電極と前記転写基板電極との間に電圧を印加することにより、前記対向電極の表面に前記第1の電気泳動粒子を付着させる工程と、を備えた電気泳動表示装置の製造方法が提供される。
第1態様に係る電気泳動表示装置の製造方法によれば、対向電極に付着させる第1の電気泳動粒子の量、第1の電気泳動粒子の粒径、帯電極性および帯電量を目的とする範囲内に調整することができる。よって、粒径、帯電極性および帯電量のばらつきが少ない第1の電気泳動粒子を選別することができる。
上記第1態様において、前記転写基板電極における前記電極と対向する面側にメッシュ状の部材が配設されたことが好ましい。
この構成によれば、メッシュ状の部材を透過した第1の電気泳動粒子のみを転写基板電極の表面に付着させることができる。これにより、粒径、帯電極性および帯電量のばらつきが少ない第1の電気泳動粒子を選別することができる。
上記第1態様において、前記転写基板電極は、メッシュ状電極であることが好ましい。
この構成によれば、メッシュ状電極を透過した第1の電気泳動粒子のみを転写基板電極の表面に付着させることができる。これにより、粒径、帯電極性および帯電量のばらつきが少ない第1の電気泳動粒子を選別することができる。
上記第1態様において、前記転写基板電極の表面物性は、前記対向電極の表面物性と異なることが好ましい。
この構成によれば、対向電極と転写基板電極との間に電圧を印加したとき、転写基板電極から対向電極へ容易に移動することができる。
上記第1態様において、素子基板の画素電極上に設けられたセルマトリクスのセル内に、前記第1の電気泳動粒子とは帯電極性が異なる第2の電気泳動粒子を含む分散液を供給する工程と、前記画素電極と、前記第1の電気泳動粒子が付着した前記対向電極とが対向するように、前記セルマトリクスを介して、前記素子基板に前記対向基板を貼付する工程と、を備えたことが好ましい。
この構成によれば、粒径、帯電極性および帯電量が揃った第1の電気泳動粒子を含む電気泳動表示装置を効率的に製造することができる。
本発明の第2態様に従えば、第1態様に係る電気泳動表示装置の製造方法を用いて製造された電気泳動表示装置が提供される。
第2態様に係る電気泳動表示装置によれば、第1態様に係る電気泳動表示装置の製造方法によって選別された第1の電気泳動粒子を含むので、表示品質の優れた、信頼性の高いものとなる。
本発明の第3態様に従えば、第2態様に係る電気泳動表示装置を備えた電子機器が提供される。
第3態様に係る電子機器によれば、表示品質の優れた電気泳動表示装置を備えるので、電子機器自体も良好な表示品質の優れた付加価値の高いものとなる。
電気泳動表示装置の概略構成を示す断面図。 (a)および(b)は、セルマトリクスの構成例を示す平面図。 電気泳動表示装置の製造工程を示す斜視図。 図3に続く、電気泳動表示装置の製造工程を示す斜視図。 図4に続く、電気泳動表示装置の製造工程を示す斜視図。 電気泳動表示装置の製造工程を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図。 電気泳動表示装置の製造工程を示す断面図。 電気泳動表示装置の製造工程を示す断面図。 電気泳動表示装置の製造工程を示す断面図。 電気泳動表示装置の製造工程を示す断面図。 電気泳動表示装置の製造工程を示す断面図。 電気泳動表示装置の製造工程を示す断面図。 電気泳動表示装置の製造工程を示す断面図。 電気泳動表示装置の製造に用いられるメッシュ状基板の一例を示す斜視図。 電気泳動表示装置の製造に用いられるメッシュ状基板の他の例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図。 電気泳動表示装置の製造に用いられるメッシュ状基板の他の例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線に沿う断面図。 電気泳動表示装置の製造に用いられるメッシュ状基板の他の例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D線に沿う断面図。 電気泳動表示装置の製造に用いられるメッシュ状基板の他の例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のE−E線に沿う断面図。 電気泳動表示装置の製造に用いられるメッシュ状基板の他の例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のF−F線に沿う断面図。 電子機器の一例に係る構成を示す図。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
(電気泳動表示装置)
図1は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の概略構成を示す断面図である。図1に示すように、電気泳動表示装置10は、素子基板1と、対向基板2と、素子基板1および対向基板2間に配置される電気泳動層11と、素子基板1上において複数のセルを有すると共に、そのセルの各々に電気泳動層11が配置されることにより、電気泳動層11を複数の収容部に分割するセルマトリクス4と、電気泳動層11上に配置された対向電極5と、を備えている。また、電気泳動表示装置10は、表示領域と、表示領域の外側に設けられた非表示領域を有しており、セルマトリクス4と、電気泳動層11と、対向電極5とは表示領域全体に設けられている。
素子基板(一対の基板の一方の基板)1は、基材1Aと、基材1Aの電気泳動層11側に設けられた画素電極12と、を含む。基材1Aは、ガラスやプラスチック等からなる基板であり、画像表示面とは反対側に配置されるため透明なものでなくてもよい。画素電極12は、銅箔上にニッケルめっきと金めっきとをこの順で積層したものや、アルミニウム(Al)、インジウム錫酸化物(ITO)等により形成された電極である。図示は省略しているが、画素電極12と基材1Aとの間には、走査線、データ線、および選択トランジスタ等が形成されている。
対向基板(一対の基板の他方の基板)2は、ガラスやプラスチック等の透明基材から構成され、画像表示側に配置される。対向基板2の電気泳動層11側には複数の画素電極12と対向する平面形状の対向電極5が形成されている。対向電極5は、MgAg、ITO、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)等から形成された透明電極である。
電気泳動層11は、分散媒30と、この分散媒30中に分散された複数の電気泳動粒子31とを含んだ分散液から構成される。本実施形態において、電気泳動粒子31は、例えば、黒色粒子31aおよび白色粒子31bを含む。
黒色粒子31aは、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子あるいはコロイド)であり、例えば、負に帯電されて用いられる。これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加することができる。
白色粒子31bは、例えば、酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子あるいはコロイド)であり、例えば、正に帯電されて用いられる。
分散媒30としては、例えば、親油性の炭化水素系の溶媒であり、例えば、アイソパー(登録商標)を含む。すなわち、分散媒30は、例えば、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーMのうちのいずれか1種類を含む液体、若しくはこれらのうちの2種類以上を混合した液体、あいは、これらのうちのいずれか1種類以上と他の種類の炭化水素系の溶媒とを混合した液体である。
あるいは、分散媒30は、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼンのような長鎖アルキル基を有するベンゼン類(アルキルベンゼン誘導体)等の芳香族炭化水素類、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族復素環類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ギ酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、カルボン酸塩、シリコーンオイルまたはその他の各種油類等でもよく、これらを単独または混合物として用いることができる。
セルマトリクス4は、例えば、基部13と、基部13上に配置された隔壁14と、を有する。セルマトリクス4は、接着層20を介して素子基板1と貼り付けられている。
ここで、基部13は、セルマトリクス4の底面を成すものであり、シート状(即ち、平板状)の部材で構成されている。基部13の厚さに制限はなく、例えば、数μm〜数十μm程度の薄膜であってもよい。また、隔壁14は、セルマトリクス4の側壁を成すものであり、電気泳動層11を複数の収容部に分割するものである。この隔壁14によって、素子基板1上は複数の空間(すなわち、セル15)に区画され、これら複数のセル15の各々に電気泳動層11がそれぞれ配置されている。本実施形態において、隔壁14は、断面構造が基部13側と反対の先端側に向かうにつれて先細るテーパー形状を呈している。なお、隔壁14の断面構造は、基部13側と先端側の幅がほぼ等しい柱状構造であってもよいし、基部13側の幅が先端側の幅よりも狭い逆テーパー形状であってもよい。
隔壁14の平面視による形状(以下、平面形状ともいう。)は、例えば、正方格子状、六角格子状、または、三角格子状である。
図2(a)および(b)は、セルマトリクス4の構成例を示す平面図である。図2(a)に示すように、隔壁14の平面形状が正方格子状の場合は、セル15の平面形状は正方形である。また、図2(b)に示すように、隔壁14の平面形状が六角格子状の場合は、セル15の平面形状は六角形となる。
なお、図1では、隔壁14は平板状の基部13と一体となって形成されている場合を示しているが、これはあくまで一例である。本実施の形態では、隔壁14と平板状の基部13とを別々に形成しておき、平板状の基部13の一方の面上に隔壁14を固定するようにしてもよい。あるいは、基部13を省略して、隔壁14のみでセルマトリクス4を構成するようにしてもよい(その場合は、隔壁14を素子基板1に直接取り付けるようにしてもよい。)。
基部13と隔壁14とが一体となって形成されている場合、基部13と隔壁14とが同一の材料で構成されている。また、基部13と隔壁14とが別々に形成されている場合、基部13と隔壁14とが同一の材料で構成されていてもよいし、異なる材料で構成されていてもよい。
基部13を構成する材料としては、可撓性を有するもの、硬質なもののいずれであってもよく、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の各種樹脂材料や、シリカ、アルミナ、チタニア等の各種セラミックス材料が挙げられる。ただし、電気泳動表示装置10に可塑性を付与する場合には、基部13には可塑性を有する樹脂材料のものを選択する。
隔壁14を構成する材料としては、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の各種樹脂材料や、シリカ、アルミナ、チタニア等の各種セラミックス材料が挙げられる。
このような構成に基づき、電気泳動表示装置10では、例えば、画素電極12と対向電極5との間に電圧を印加すると、これらの間に生じる電界にしたがって、電気泳動粒子31(黒色粒子31aおよび白色粒子31b)はいずれかの電極(画素電極12、対向電極5)に向かって電気泳動する。例えば、黒色粒子31aが負荷電を有する場合、画素電極12の電位を対向電極5に対して正電位とすると、黒色粒子31aは画素電極12側(下側)に移動して集まり、対向基板側からは白粒子が視認されるため白表示となる。これにより、電気泳動表示装置10は、所望の画像を表示することが可能となっている。
また、電気泳動表示装置10は、後述する電気泳動表示装置10の製造方法によって製造されているので、帯電極性および帯電量が揃った黒色粒子31aまたは白色粒子31bを含むため、黒表示および白表示において、色純度が上がる。なお、白色粒子31bに黒色粒子31aが混ざると、反射率が低下し、色純度が下がる。また、黒色粒子31aまたは白色粒子31bの帯電極性および帯電量が揃っているので、電気泳動表示装置10の表示を切替える速さを、黒表示と白表示のそれぞれで揃えることができる。すなわち、電気泳動表示装置10の表示を切替える際、黒表示と白表示のそれぞれのタイミングを常に揃えることができる。また、黒色粒子31aまたは白色粒子31bの粒径が揃っているので、凝集した粒子や極微小の粒子を取り除くことができるため、電気泳動表示装置10の表示品質を向上することができる。なお、凝集した粒子は沈降速度が速いため、電気泳動表示装置10の表示面内において、色の保持時間や表示の切替え時間(泳動速度)のムラや欠陥を生じる原因となる。一方、極微小の粒子は、電極等への付着力が強く、電極の焼き付きの原因となる。
(電気泳動表示装置の製造方法)
次に、電気泳動表示装置10の製造方法について、図3〜図5を参照して説明する。
図3〜図5は、電気泳動表示装置10の製造工程を示す斜視図である。
まず、図3(a)に示すように、電極基板41を有する第1の液槽40を用意する。
第1の液槽40は、電極基板41と、電極基板41の一方の面(上面)上に設けられた枠体42とから構成されている。
電極基板41は、その一方の面側に電極43を備えている。すなわち、電極基板41と枠体42との間には、電極43が存在している。
枠体42は、平面形状が長方形状であり、その内側の開口部42aの形状は、例えば、後述する転写基板61に設けられた転写基板電極62における電気泳動粒子31を付着させる領域と等しい形状をなしている。また、枠体42を構成する材料としては、例えば、セルマトリクス4の隔壁14を構成する材料と同様のものが用いられる。転写基板電極62の表面物性は、対向電極5と同じでよいし、異なっていてもよい。転写基板電極62の表面物性を対向電極5と同じにしておくことで、例えば、対向電極5に固着してしまう可能性のある電気泳動粒子31を、予め転写基板電極62に固着させてしまうことで、より不具合の少ない電気泳動表示装置10とすることができる。あるいは、転写基板電極62の表面に、対向電極5よりも粒子が固着し難くなるような処理を施しておくことで、所望の量の電気泳動粒子31を対向電極5に転写させることもできる。
次いで、図3(b)に示すように、第1の液槽40内に黒色粒子31aを含む分散液50を供給する。
第1の液槽40内への分散液50の供給は、例えば、ディスペンサを用いた滴下法等が挙げられる。
なお、分散液50としては、分散媒である脂肪族炭化水素類や芳香族炭化水素類等に、黒色粒子31aを添加した後、十分に攪拌して、黒色粒子31aが凝集することなく、黒色粒子31a単体が分散媒中に十分に分散されたものを用いる。
分散液50に含まれる黒色粒子31aの濃度(含有量)は、特に限定されないが、転写基板61の転写基板電極62に付着させる黒色粒子31aの量等に応じて適宜調整される。また、分散液50には、正に帯電した黒色粒子31aと、負に帯電した黒色粒子31aとが混在していてもよい。
ここでは、黒色粒子31aは、特許請求の範囲における第1の電気泳動粒子に相当する。
分散液50を構成する分散媒としては、上記の分散媒30と同様のものが用いられる。
次いで、図3(c)に示すように、第1の液槽40内に収容された分散液50に、転写基板61に設けられた転写基板電極62を接触させるとともに、電極基板41の電極43と転写基板61の転写基板電極62とを対向させるように、第1の液槽40に転写基板61を重ねる。
第1の液槽40内に収容された分散液50に転写基板電極62を接触させるには、例えば、第1の液槽40の枠体42の上面42bと分散液50の液面50aの高さが等しくなるように、第1の液槽40内に分散液50を供給し、第1の液槽40に転写基板61を重ねる。また、枠体42の開口部42aの大きさを、転写基板61よりも大きくしておき、第1の液槽40内の分散液50に転写基板61を浸漬することにより、分散液50に転写基板電極62を接触させるようにしてもよい。このとき、転写基板電極62以外が分散液50に接触しないように、マスク等を介して分散液50に転写基板61を浸漬させることが好ましい。
また、分散液50に転写基板電極62が接触するように、第1の液槽40に転写基板61を重ねた状態で、電極43と転写基板電極62の間隔が全体で一定になるように、第1の液槽40に対して転写基板61を配置する。
次いで、図4(a)に示すように、第1の液槽40に転写基板61を重ねた状態で、電源70から、電極基板41の電極43と転写基板61の転写基板電極62との間に電圧を印加することにより、転写基板電極62の表面(電極43と対向する面)に、図4(b)に示すように、黒色粒子31aを付着させる。
ここでは、電極43と転写基板電極62の間に印加する電圧の大きさ、すなわち、電圧の印加によって、電極43と転写基板電極62の間に発生する電界の強度や電圧を印加する時間を調整することにより、転写基板電極62に付着させる黒色粒子31aの量、黒色粒子31aの粒径、帯電極性および帯電量を目的とする範囲内に調整することができる。このように電極43と転写基板電極62の間に印加する電圧の大きさや電圧を印加する時間を所定の範囲とすることにより、粒径、帯電極性および帯電量のばらつきが少ない(粒径、帯電極性および帯電量が揃った)黒色粒子31aを選別することができる。言い換えれば、ある強度の電界によって動く帯電極性および帯電量を持つ黒色粒子31aを選別することができる。また、粒径、帯電極性および帯電量が揃った黒色粒子31aは、分散液50を構成する分散媒中における分散性も等しくなっている。なお、黒色粒子31aの分散性にばらつきがあると、電気泳動表示装置10において、対向電極5と画素電極12との間に電圧を印加した際、これらの電極に焼き付きが生じる原因となる。また、電気泳動表示装置10において、対向電極5と画素電極12との間に電圧を印加した際、時間の経過に伴って泳動しない黒色粒子31aが存在し、電気泳動表示装置10の表示品質が低下する。
また、ここでは、転写基板電極62の表面に、粒径、帯電極性および帯電量が揃った黒色粒子31aを付着させるために、図4(a)に示すように、転写基板61を鉛直方向上方(第1の液槽40の上側)に配置することが好ましい。これにより、不要な(粒径、帯電極性および帯電量が所定の範囲内にない)黒色粒子31aが重力を受けて鉛直方向下方(第1の液槽40の底)に沈降し、転写基板電極62側に移動することが抑制される。
次いで、図4(c)に示すように、対向基板2を有する第2の液槽80を用意する。
第2の液槽80は、対向基板2と、対向基板2の一方の面(上面)上に設けられた枠体81とから構成されている。
対向基板2は、その一方の面側に対向電極5を備えている。すなわち、対向基板2と枠体81との間には、対向電極5が存在している。
枠体81は、平面形状が長方形状であり、その内側の開口部81aの形状は、例えば、対向基板2に設けられた対向電極5における電気泳動粒子31を付着させる領域と等しい形状をなしている。また、枠体81を構成する材料としては、例えば、セルマトリクス4の隔壁14を構成する材料と同様のものが用いられる。
次いで、図4(c)に示すように、第2の液槽80内に分散媒90を供給する。
第2の液槽80内への分散媒90の供給は、例えば、ディスペンサを用いた滴下法等が挙げられる。
なお、分散媒90としては、上記の分散媒30と同様のものが用いられる。
次いで、図4(c)に示すように、第2の液槽80内に収容された分散媒90に、黒色粒子31aが付着した転写基板61の転写基板電極62を接触させるとともに、対向基板2の対向電極5と転写基板61の転写基板電極62とを対向させるように、第2の液槽80に転写基板61を重ねる。
第2の液槽80内に収容された分散媒90に転写基板電極62を接触させるには、例えば、第2の液槽80の枠体81の上面81bと分散媒90の液面90aの高さが等しくなるように、第2の液槽80内に分散媒90を供給し、第2の液槽80に転写基板61を重ねる。また、枠体81の開口部81aの大きさを、転写基板61よりも大きくしておき、第2の液槽80内の分散媒90に転写基板61を浸漬することにより、分散媒90に転写基板電極62を接触させるようにしてもよい。このとき、転写基板電極62以外が分散媒90に接触しないように、マスク等を介して分散媒90に転写基板61を浸漬させることが好ましい。
また、分散媒90に転写基板電極62が接触するように、第2の液槽80に転写基板61を重ねた状態で、対向電極5と転写基板電極62の間隔が全体で一定になるように、第2の液槽80に対して転写基板61を配置する。
次いで、図5(a)に示すように、第2の液槽80に転写基板61を重ねた状態で、電源70から、対向基板2の対向電極5と転写基板61の転写基板電極62との間に電圧を印加することにより、対向電極5の表面(転写基板電極62と対向する面)に、図5(b)に示すように、黒色粒子31aを付着させる。
次いで、図5(c)に示すように、素子基板1の画素電極12上に設けられたセルマトリクス4のセル15内に、黒色粒子31aとは帯電極性が異なる白色粒子31bを含む分散液100を供給する。
なお、図示を簡略化するために、図5(c)では、素子基板1におけるセルマトリクス4が設けられる側の面の全面に、画素電極12が設けられているように示したが、本実施形態では、図1に示すように、素子基板1上の所定の位置に画素電極12が設けられる。
ここでは、白色粒子31bは、特許請求の範囲における第2の電気泳動粒子に相当する。
また、各セル15内への分散液100の供給は、例えば、ディスペンサを用いた滴下法、インクジェット法(液滴吐出法)、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法等の各種塗布法が挙げられるが、これらの中でも、滴下法、またはインクジェット法を用いるのが好ましい。滴下法、またはインクジェット法によれば、各セル15に対して選択的に供給することができることから、セル15内に無駄なく、かつより確実に分散液100を供給することができる。
次いで、図5(c)に示すように、素子基板1の画素電極12と、黒色粒子31aが付着した対向基板2の対向電極5とが対向するように、セルマトリクス4を介して、素子基板1に対向基板2を貼付する。素子基板1と対向基板2の貼着には、不図示の接着剤を用いる。その後、対向基板2の外周を囲むように不図示のシール材を配置する。
以上の工程を経て、図1に示した電気泳動表示装置10が完成する。このような工程により製造された電気泳動表示装置10においては、画素電極12と対向電極5との間に発生した電界に応じて黒色粒子31aが精度よく移動する。このため、白色粒子31bの帯電極性や帯電量にバラつきがあったとしても、白表示の際には黒色粒子31aが対向電極5付近に残存することを低減でき、黒表示の際には黒色粒子31aを精度よく対向電極5付近に移動させることができる。よって、表示品位のすぐれた電気泳動装置10とすることができる。
電気泳動表示装置10の製造方法の第1の実施形態によれば、一旦、転写基板61の転写基板電極62の表面に黒色粒子31aを付着させた後、転写基板電極62から対向基板2の対向電極5の表面に黒色粒子31aを移動させて、対向電極5の表面に黒色粒子31aを付着させることにより、粒径、帯電極性および帯電量のばらつきが少ない黒色粒子31aを選別することができる。
また、黒色粒子31aを選別する工程から、素子基板1に対向基板2を貼付する工程までを連続して行うことにより、粒径、帯電極性および帯電量が揃った黒色粒子31を備えた電気泳動表示装置10を効率的に製造することができる。
上述の実施形態では、まず、対向基板2の対向電極5の表面に、黒色粒子31aを付着させ、その後、素子基板1の画素電極12上に設けられたセルマトリクス4のセル15内に白色粒子31bを含む分散液100を供給して、素子基板1に対向基板2を貼付する場合を例示したが、本発明は上述の実施形態に限定されることはなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。
すなわち、本発明では、まず、対向基板2の対向電極5の表面に、白色粒子31bを付着させ、その後、素子基板1の画素電極12上に設けられたセルマトリクス4のセル15内に黒色粒子31aを含む分散液を供給して、素子基板1に対向基板2を貼付してもよい。
また、本発明では、以下のようにして、電気泳動表示装置を製造することもできる。
電気泳動表示装置10の製造方法の第2の実施形態について、図6〜図9を参照して説明する。図6〜図9において、図3〜図5に示した電気泳動表示装置10の製造工程と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
図6は、電気泳動表示装置10の製造工程を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。図7〜図9は、電気泳動表示装置10の製造工程を示す断面図である。
まず、図6(a)、(b)に示すように、基板111と、その一方の面111aのほぼ全面に形成された転写基板電極112と、転写基板電極112の基板111と接している面とは反対の面112a上に形成され、転写基板電極112を複数の領域に区切る隔壁113と、を有する転写基板110を用意する。
隔壁113は、転写基板110の転写基板電極112を、電気泳動装置となった際のセルマトリクスに対応するように区切っている。また、本実施形態において、隔壁113は、断面構造が基板111側と反対の先端側に向かうにつれて先細るテーパー形状を呈している。なお、隔壁113の断面構造は、基板111側と先端側の幅がほぼ等しい柱状構造であってもよいし、基板111側の幅が先端側の幅よりも狭い逆テーパー形状であってもよい。また、隔壁113の外縁113Aは、平面形状が長方形状である。また、隔壁113を構成する材料としては、例えば、セルマトリクス4の隔壁14を構成する材料と同様のものが用いられる。
次いで、図7に示すように、電極121を有する第1の液槽120を用意する。
電極121は、第1の液槽120内の分散液50に、転写基板110を接触させた際、転写基板電極112と対向するように配設されている。すなわち、電極121は、第1の液槽120内(分散液50が収容させる部分)に配置される。
次いで、図7に示すように、第1の液槽120内に黒色粒子31aを含む分散液50を供給する。
第1の液槽120内への分散液50の供給は、例えば、ディスペンサを用いた滴下法等が挙げられる。
次いで、図7に示すように、第1の液槽120内に収容された分散液50に、転写基板110の転写基板電極112を接触させるとともに、第1の液槽120内の電極121と転写基板電極112とを対向させる。
ここでは、第1の液槽120の開口部120aの大きさを、転写基板110よりも大きくしておき、第1の液槽120内の分散液50に転写基板110を浸漬することにより、分散液50に転写基板電極112を接触させる。このとき、隔壁113によって区切られた転写基板電極112のみが分散液50に接触するように、分散液50に転写基板110を浸漬することが好ましい。転写基板110のうち、分散液50に接触させたくない部位にはマスク等で保護しておいてもよい。また、電極121と転写基板電極112の間隔が全体で一定になるように、第1の液槽120に対して転写基板電極112を配置する。
次いで、電極121と転写基板電極112とを対向させた状態で、電源(図示略)から、電極121と転写基板電極112との間に電圧を印加することにより、転写基板電極112の表面(電極121と対向する面)に、図7に示すように、黒色粒子31aを付着させる。
ここでは、電極121と転写基板電極112の間に印加する電圧の大きさ、すなわち、電圧の印加によって、電極121と転写基板電極112の間に発生する電界の強度や電圧を印加する時間を調整することにより、転写基板電極112に付着させる黒色粒子31aの量、黒色粒子31aの粒径、帯電極性および帯電量を目的とする範囲内に調整することができる。このように電極121と転写基板電極112の間に印加する電圧の大きさや電圧を印加する時間を所定の範囲とすることにより、粒径、帯電極性および帯電量のばらつきが少ない(粒径、帯電極性および帯電量が揃った)黒色粒子31aを選別することができる。
また、ここでは、転写基板電極112の表面に、粒径、帯電極性および帯電量が揃った黒色粒子31aを付着させるために、図7に示すように、転写基板110を鉛直方向上方(第1の液槽120の上側)に配置することが好ましい。これにより、不要な(粒径、帯電極性および帯電量が所定の範囲内にない)黒色粒子31aが重力を受けて鉛直方向下方(第1の液槽120の底)に沈降し、転写基板電極110側に移動することが抑制される。
次いで、図8に示すように、第2の液槽130に分散媒90を供給する。
第2の液槽130内への分散媒90の供給は、例えば、ディスペンサを用いた滴下法等が挙げられる。
次いで、図8に示すように、第2の液槽130内に収容された分散媒90に、黒色粒子31aが付着した転写基板110の転写基板電極112を浸漬するとともに、対向基板2の対向電極5と転写基板110の転写基板電極112とを対向させるように、転写基板110に対向基板2を重ねる。ここでは、隔壁113が設けられている面側が上方になるように、分散媒90に転写基板110を浸漬する。
また、第2の液槽130の開口部130aの大きさを、転写基板110よりも大きくしておき、第2の液槽130内の分散媒90に転写基板110を浸漬することにより、分散媒90に転写基板電極110を接触させる。
次いで、図8に示すように、転写基板110に対向基板2を重ねた状態で、電源(図示略)から、対向基板2の対向電極5と転写基板110の転写基板電極112との間に電圧を印加することにより、対向電極5の表面(転写基板電極112と対向する面)に、黒色粒子31aを付着させる。
また、ここでは、対向電極5の表面に、粒径、帯電極性および帯電量が揃った黒色粒子31aを付着させるために、図8に示すように、対向基板2を鉛直方向上方(第2の液槽130の上側)に配置することが好ましい。これにより、不要な(粒径、帯電極性および帯電量が所定の範囲内にない)黒色粒子31aが重力を受けて鉛直方向下方(第2の液槽130の底)に沈降し、対向電極5側に移動することが抑制される。
次いで、図9に示すように、素子基板1の画素電極12上に設けられたセルマトリクス4のセル15内に、黒色粒子31aとは帯電極性が異なる白色粒子31bを含む分散液100を供給する。
次いで、素子基板1の画素電極12と、黒色粒子31aが付着した対向基板2の対向電極5とが対向するように、セルマトリクス4を介して、素子基板1に対向基板2を貼付する。素子基板1と対向基板2の貼着には、不図示の接着剤を用いる。その後、対向基板2の外周を囲むように不図示のシール材を配置する。
以上の工程を経て、図1に示した電気泳動表示装置10が完成する。
電気泳動表示装置10の製造方法の第2の実施形態によれば、一旦、転写基板110の転写基板電極112の表面に黒色粒子31aを付着させた後、転写基板電極112から対向基板2の対向電極5の表面に黒色粒子31aを移動させて、対向電極5の表面に黒色粒子31aを付着させることにより、粒径、帯電極性および帯電量のばらつきが少ない黒色粒子31aを選別することができる。
また、黒色粒子31aを選別する工程から、素子基板1に対向基板2を貼付する工程までを連続して行うことにより、粒径、帯電極性および帯電量が揃った黒色粒子31を備えた電気泳動表示装置10を効率的に製造することができる。
さらに、転写基板電極112を複数の領域に区切る隔壁113が設けられた転写基板110を用いることにより、対向電極5における隔壁113と接する部分に黒色粒子31aが付着することを抑制でき、黒色粒子31aが付着した対向基板2と素子基板1とを貼りあわせる際に、素子基板1の隔壁14と対向電極5との間に電気泳動粒子31が挟み込まれるのを防止することができる。
電気泳動表示装置10の製造方法の第3の実施形態について、図10〜図17を参照して説明する。図10〜図17において、図3〜図5に示した電気泳動表示装置10の製造工程と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
図10〜図13は、電気泳動表示装置10の製造工程を示す断面図である。図14は、電気泳動表示装置10の製造に用いられるメッシュ状基板の一例を示す斜視図である。図15は、電気泳動表示装置10の製造に用いられるメッシュ状基板の他の例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。図16は、電気泳動表示装置10の製造に用いられるメッシュ状基板の他の例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線に沿う断面図である。図17は、電気泳動表示装置10の製造に用いられるメッシュ状基板の他の例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D線に沿う断面図である。図18は、電気泳動表示装置10の製造に用いられるメッシュ状基板の他の例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のE−E線に沿う断面図である。図19は、電気泳動表示装置10の製造に用いられるメッシュ状基板の他の例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のF−F線に沿う断面図である。
まず、図10および図14に示すように、平面形状が長方形状の枠体141と、枠体141の内側に設けられたメッシュ状電極142と、を有するメッシュ状基板140を用意する。
なお、メッシュ状基板140は、特許請求の範囲における転写基板に相当する。
メッシュ状電極142としては、表面が金属等の導電性の材料により被覆された合成繊維(以下、導電性繊維ともいう。)が網目状に織られてなる導電性樹脂製の織物(以下、導電性樹脂織物ともいう。)、線状または繊維状の金属(以下、金属繊維ともいう。)が網目状に織られてなるもの(以下、金網ともいう。)等が用いられる。
メッシュ状電極142の平面形状は、対向基板2の対向電極5の平面形状とほぼ等しいことが好ましい。また、メッシュ状電極142の平面形状の面積は、対向電極5の平面形状の面積とほぼ等しいか、対向電極5の平面形状の面積よりも大きいことが好ましい。メッシュ状電極142の平面形状の面積を、対向電極5の平面形状の面積よりも大きくすることにより、対向電極5の表面全面に黒色粒子31aを付着させることができる。
メッシュ状電極142が導電性繊維の場合、メッシュ状電極142を形成する合成繊維としては、上記の分散媒30中で、電気的または化学的に酸化して、イオンが溶出したり、腐食したりすることがない材料からなるものが用いられる。このような材料としては、例えば、ナイロン等が挙げられる。また、前記の合成繊維を被覆する導電性の材料としては、上記の分散媒30中で、電気的または化学的に酸化して、イオンが溶出したり、腐食したりすることがない材料からなるものが用いられる。このような材料としては、例えば、金(Au)、白金(Pt)等の安定な金属、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)または銅(Cu)やこれらの金属を含む合金、ステンレス等が挙げられる。
メッシュ状電極142が金網の場合、メッシュ状電極142を形成する金属繊維としては、上記の合成繊維を被覆する導電性の材料と同様の材料からなるものが用いられる。
次いで、図10に示すように、電極151を有する第1の液槽150を用意する。
電極151は、第1の液槽150内の分散液50に、メッシュ状基板140を接触させた際、メッシュ状電極142と対向するように配設されている。すなわち、電極151は、第1の液槽150内(分散液50が収容させる部分)に配置される。
次いで、図10に示すように、第1の液槽150内に黒色粒子31aを含む分散液50を供給する。
第1の液槽150内への分散液50の供給は、例えば、ディスペンサを用いた滴下法等が挙げられる。
次いで、図11に示すように、第1の液槽150内に収容された分散液50に、メッシュ状基板140のメッシュ状電極142を接触させるとともに、第1の液槽150内の電極151とメッシュ状電極142とを対向させる。
ここで、第1の液槽150の開口部150aの大きさを、メッシュ状基板140よりも大きくしておき、第1の液槽150内の分散液50にメッシュ状基板140を浸漬することにより、分散液50にメッシュ状電極142を接触させる。
次いで、電極151とメッシュ状電極142とを対向させた状態で、電源70から、電極151とメッシュ状電極142との間に電圧を印加することにより、メッシュ状電極142の表面(電極151と対向する面)に、図11に示すように、黒色粒子31aを付着させる。
このとき、メッシュ状電極142の両面(電極151と対向する面、および、電極151と対向する面とは反対側の面)に黒色粒子31aが付着してしまわないよう、黒色粒子31aを選定できなくなるため、分散液50にメッシュ状電極142を完全には浸漬させないようにする。また、例えば、メッシュ状電極142の周囲に設けられた枠体141の厚さを、メッシュ状電極142の厚さよりも大きくして、分散液50が枠体141を越えて、メッシュ状電極142側に入らないようにする。
また、ここでは、電極151とメッシュ状電極142の間に印加する電圧の大きさ、すなわち、電圧の印加によって、電極151とメッシュ状電極142の間に発生する電界の強度や電圧を印加する時間を調整することにより、メッシュ状電極142に付着させる黒色粒子31aの量、黒色粒子31aの粒径、帯電極性および帯電量を目的とする範囲内に調整することができる。このように電極151とメッシュ状電極142の間に印加する電圧の大きさや電圧を印加する時間を所定の範囲とすることにより、粒径、帯電極性および帯電量のばらつきが少ない(粒径、帯電極性および帯電量が揃った)黒色粒子31aを選別することができる。
また、ここでは、メッシュ状電極142の表面に、粒径、帯電極性および帯電量が揃った黒色粒子31aを付着させるために、図11に示すように、メッシュ状基板140を鉛直方向上方(第1の液槽150の上側)に配置することが好ましい。これにより、不要な(粒径、帯電極性および帯電量が所定の範囲内にない)黒色粒子31aが重力を受けて鉛直方向下方(第1の液槽150の底)に沈降し、メッシュ状基板140側に移動することが抑制される。
次いで、図12に示すように、メッシュ状電極142における黒色粒子31aが付着していない側の面(メッシュ状電極142における電極151と対向する面とは反対側の面)に、対向基板2を配置する。このとき、第1の液槽150内に収容された分散媒50に、対向基板2の対向電極5を接触させるとともに、対向電極5とメッシュ状電極142とを対向させる。
次いで、図12に示すように、メッシュ状電極142に対向基板2を重ねた状態で、電源70から、対向電極5とメッシュ状電極142との間に電圧を印加することにより、図13に示すように、対向電極5の表面(メッシュ状電極142と対向する面)に、黒色粒子31aを付着させる。
このとき、粒径の大きい黒色粒子31aが、メッシュ状電極142を通過することができないように、メッシュ状電極142を形成する合成繊維や金属繊維の線径を調整しておくことが好ましい。具体的には、1μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上20μm以下であることがさらに好ましい。また、メッシュ状電極142を形成する合成繊維や金属繊維の間隔は、選定したい粒子の粒径の2.5倍以上5倍以下であることが好ましい。これにより、粒径の揃った黒色粒子31aを選定することができる。
次いで、例えば、図5(c)に示すように、素子基板1の画素電極12上に設けられたセルマトリクス4のセル15内に、黒色粒子31aとは帯電極性が異なる白色粒子31bを含む分散液100を供給する。
次いで、例えば、図5(c)に示すように、素子基板1の画素電極12と、黒色粒子31aが付着した対向基板2の対向電極5とが対向するように、セルマトリクス4を介して、素子基板1に対向基板2を貼付する。素子基板1と対向基板2の貼着には、不図示の接着剤を用いる。その後、対向基板2の外周を囲むように不図示のシール材を配置する。
以上の工程を経て、図1に示した電気泳動表示装置10が完成する。
電気泳動表示装置10の製造方法の第3の実施形態によれば、一旦、メッシュ状基板140のメッシュ状電極142の表面に黒色粒子31aを付着させた後、メッシュ状電極142から対向基板2の対向電極5の表面に黒色粒子31aを移動させて、対向電極5の表面に黒色粒子31aを付着させることにより、粒径、帯電極性および帯電量のばらつきが少ない黒色粒子31aを選別することができる。
また、黒色粒子31aを選別する工程から、素子基板1に対向基板2を貼付する工程までを連続して行うことにより、粒径、帯電極性および帯電量が揃った黒色粒子31を備えた電気泳動表示装置10を効率的に製造することができる。
さらに、メッシュ状電極142を備えたメッシュ状基板140を用いることにより、所定の粒径の黒色粒子31aがメッシュ状電極142を通過するので、対向電極5の表面に、粒径、帯電極性および帯電量のばらつきが少ない黒色粒子31aを付着することができる。
なお、本実施形態では、図14に示すメッシュ状基板140を用いる場合を例示したが、本実施形態はこれに限定されない。本実施形態にあっては、図15〜図20に示すメッシュ状基板を用いることもできる。
例えば、図15に示すように、メッシュ状基板160としては、平面形状が長方形状の枠体161と、枠体161の内側に設けられたメッシュ状電極162と、を有し、枠体161が、電気泳動装置となった際のセルマトリクスに対応するように、メッシュ状電極162区切る内側隔壁163と、外郭を形成する外側隔壁164と、を有する構造としてもよい。内側隔壁163は、素子基板1に設けられる隔壁14と対応するよう、同形状で形成される。
内側隔壁163を設けることにより、黒色粒子31aを対向電極5に付着させる際に、対向電極5のうち内側隔壁163と重なる部分には黒色粒子31aが付着し難くなる。これにより、黒色粒子31aが付着した対向基板2と素子基板1とを貼り合わせる際に、素子基板1の隔壁14と対向電極5の間に電気泳動粒子31が挟み込まれるのを防止することができる。
また、図16に示すように、メッシュ状基板170としては、平面形状が長方形状の枠体171と、枠体171の内側に設けられたメッシュ状電極172と、を有し、メッシュ状電極172が、線径の細い繊維または金属からなる細径部172Aと、細径部172Aよりも線径の太い繊維または金属からなる細径部172Bと、を有する構造としてもよい。細線部172Bは、素子基板1に設けられる隔壁14と対応するよう、同形状で形成される。
細線部172Bを設けることにより、黒色粒子31aを対向電極5に付着させる際に、対向電極5のうち細線部172Bと重なる部分には黒色粒子31aが付着し難くなる。これにより、黒色粒子31aが付着した対向基板2と素子基板1とを貼り合わせる際に、素子基板1の隔壁14と対向電極5の間に電気泳動粒子31が挟み込まれるのを防止することができる。
また、図17に示すように、メッシュ状基板180としては、平面形状が長方形状の枠体181と、枠体181の内側に設けられたメッシュ状電極182と、を有し、メッシュ状電極182が、導電性の基板183の全面にわたって多数の細孔184が形成された構造としてもよい。細孔184の幅(開口径)は、3μm以上100μm以下であることが好ましく、15μm以上60μm以下であることがより好ましい。また、隣り合う細孔184同士の間隔は、1μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上20μm以下であることがより好ましい。また、メッシュ状基板180の板厚は、1μm以上100μm以下であることが好ましい。メッシュ状基板180の板厚が100μm以上の場合、付着した黒色粒子31aが対向電極5に移動し難くなることがある。
また、細孔184は、基板183を厚み方向に貫通して形成されている。
なお、細孔184の平面形状は、三角形状、正方形状、長方形状、五角形以上の多角形状、円形状、楕円形状等であってよい。
細孔184は、基板183の打ち抜き加工、電鋳、エッチング等によって形成される。
また、図18に示すように、メッシュ状基板190としては、平面形状が長方形状の枠体191と、枠体191の内側に設けられたメッシュ状電極192と、を有し、枠体191が、電気泳動装置となった際のセルマトリクスに対応するように、メッシュ状電極192区切る内側隔壁193と、外郭を形成する外側隔壁194と、を有し、メッシュ状電極192が、導電性の基板195の全面にわたって多数の細孔196が形成された構造としてもよい。内側隔壁193は、素子基板1に設けられる隔壁14と対応するよう、同形状で形成される。
内側隔壁193を設けることにより、黒色粒子31aを対向電極5に付着させる際に、対向電極5のうち内側隔壁193と重なる部分には黒色粒子31aが付着し難くなる。これにより、黒色粒子31aが付着した対向基板2と素子基板1とを貼り合わせる際に、素子基板1の隔壁14と対向電極5の間に電気泳動粒子31が挟み込まれるのを防止することができる。
また、図19に示すように、メッシュ状基板200としては、平面形状が長方形状の枠体201と、枠体201の内側に設けられたメッシュ状電極202と、を有し、メッシュ状電極202が、多数の細孔203が形成された領域(細孔が密な領域)204と、細孔203が形成されていない領域(細孔が疎な領域)205と、を有する構造としてもよい。細孔203が形成されていない領域205は、素子基板1に設けられる隔壁14と対応するよう、同形状で形成される。
細孔203が形成されていない領域205を設けることにより、黒色粒子31aを対向電極5に付着させる際に、対向電極5の細孔203が形成されていない領域205と重なる部分には黒色粒子31aが付着し難くなる。これにより、黒色粒子31aが付着した対向基板2と素子基板1とを貼り合わせる際に、素子基板1の隔壁14と対向電極5の間に電気泳動粒子31が挟み込まれるのを防止することができる。
(電子機器)
次に、上述の電気泳動表示装置を電子機器に適用した場合について説明する。
図20は、本発明の電気泳動表示装置を適用した電子機器の具体例を説明する斜視図である。
図20(a)は、電子機器の一例である電子ブックを示す斜視図である。
この電子ブック(電子機器)210は、ブック形状のフレーム211と、このフレーム211に対して回動自在に設けられた(開閉可能な)カバー212と、操作部213と、本発明の電気泳動表示装置によって構成された表示部214と、を備えている。
図20(b)は、電子機器の一例である腕時計を示す斜視図である。
この腕時計(電子機器)220は、本発明の電気泳動表示装置によって構成された表示部221を備えている。
図20(c)は、電子機器の一例である電子ペーパーを示す斜視図である。
この電子ペーパー(電子機器)230は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体部231と、本発明の電気泳動表示装置によって構成された表示部232を備えている。
例えば、電子ブックや電子ペーパー等は、白地の背景上に文字を繰り返し書き込む用途が想定されるため、表示ムラの解消が必要とされる。
なお、本発明の電気泳動表示装置を適用可能な電子機器の範囲はこれに限定されず、帯電粒子の移動に伴う視覚上の色調の変化を利用した装置を広く含むものである。
以上の電子ブック210、腕時計220および電子ペーパー230によれば、本発明に係る電気泳動表示装置が採用されているので、表示ムラが抑制されることで品質の高い表示特性を得ることができる信頼性に優れた高品位の電子機器となる。
なお、上記の電子機器は、本発明に係る電子機器を例示するものであって、本発明の技術範囲を限定するものではない。例えば、携帯電話、携帯用オーディオ機器等の電子機器の表示部や、マニュアル等の業務用シート、教科書、問題集、情報シート等にも、本発明に係る電気泳動表示装置を好適に用いることができる。
1・・・素子基板、2・・・対向基板、4・・・セルマトリクス、5・・・対向電極、6・・・切欠部、10・・・電気泳動表示装置、11・・・電気泳動層、12・・・画素電極、13・・・基部、14・・・隔壁、15・・・セル、20・・・接着層、31・・・電気泳動粒子、31a・・・黒色粒子、31b・・・白色粒子、40・・・第1の液槽、41・・・電極基板、42・・・枠体、43・・・電極、50・・・分散液、61・・・転写基板、62・・・転写基板電極、70・・・電源、80・・・第2の液槽、81・・・枠体、90・・・分散媒、100・・・分散液。

Claims (7)

  1. 電極を備えた電極基板を有する第1の液槽内に収容された、第1の電気泳動粒子を含む分散液に、転写基板に設けられた転写基板電極を接触させるとともに、前記電極と前記転写基板電極とを対向させて、前記電極と前記転写基板電極との間に電圧を印加することにより、前記転写基板電極の表面に前記第1の電気泳動粒子を付着させる工程と、
    対向電極を備えた対向基板が配設された第2の液槽内に収容された分散媒に、前記第1の電気泳動粒子が付着した前記転写基板電極を接触させるとともに、前記対向電極と前記転写基板電極とを対向させて、前記対向電極と前記転写基板電極との間に電圧を印加することにより、前記対向電極の表面に前記第1の電気泳動粒子を付着させる工程と、を備えたことを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。
  2. 前記転写基板電極における前記電極と対向する面側にメッシュ状の部材が配設されたことを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
  3. 前記転写基板電極は、メッシュ状電極であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
  4. 前記転写基板電極の表面物性は、前記対向電極の表面物性と異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
  5. 素子基板の画素電極上に設けられたセルマトリクスのセル内に、前記第1の電気泳動粒子とは帯電極性が異なる第2の電気泳動粒子を含む分散液を供給する工程と、
    前記画素電極と、前記第1の電気泳動粒子が付着した前記対向電極とが対向するように、前記セルマトリクスを介して、前記素子基板に前記対向基板を貼付する工程と、を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする電気泳動表示装置。
  7. 請求項6に記載の電気泳動表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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