JP2016045007A - 腐食試験装置、および腐食試験方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の試料片に対して、同一の試験条件で腐食試験を行うことが可能であり、かつ、固体成分の多い高濃度のスラリーを用いて腐食試験を行うことが可能な腐食試験装置、およびこの腐食試験装置を用いた腐食試験方法を提供する。【解決手段】試料片のスラリーに対する耐蝕性を試験するための腐食試験装置であって、 前記スラリーを収容する容器と、該容器の底面に対して所定の間隔を保って回動自在に支持される円板状の試料保持板と、該試料保持板を回転させる回転手段と、を備え、前記試料保持板には、前記一面とこれに対向する他面との間を貫通する貫通穴が形成され、前記容器の底面と対向する前記試料保持板の一面に、複数の前記試料片が係止されることを特徴とする。【選択図】図1
Description
この発明は、粉体を懸濁する液に対する金属試料片の耐食性を試験するための腐食試験装置、およびこれを用いた腐食試験方法に関するものである。
例えば、石膏など粉体を含有する懸濁液(以下スラリーとよぶ)をポンプを用いて輸液する場合、ポンプ内の羽根車は、スラリーとの接触による物理的な浸食(エロージョン)と、スラリーの成分に対する化学的な腐食(コロージョン)によって、肉厚が減少したり、局所的に破断するなどの不具合が生じる懸念がある。スラリー中の羽根車は、コロージョン及びエロージョンが同時に進行し相互作用により腐食が激しく進行する(エロージョン・コロージョン)。このため、スラリーを輸液する羽根車は、こうしたエロージョン・コロージョンに対して耐久性のある材料を選択する必要がある。
特定の材料のスラリーによるエロージョン・コロージョンに対する耐久性を調べるためには、例えば、特許文献1に開示された腐食試験装置が知られている。なお、以下の説明においては、エロージョン・コロージョンに対する耐久性試験を、単に腐食試験と称することがある。この腐食試験装置では、先端がラッパ状に広がったノズルから金属試験片に向けてスラリーを流すことによって、1つの試料片の一面全体に対して、ほぼ均一な流速でスラリーを接触させることができるとされている。
しかしながら、特許文献1に示した腐食試験装置では、一回の試験で試料片を1つしか処理できない構成であるため、複数の試料片に対して腐食試験を行う場合、試料片の数だけ試験を繰り返す必要があり、試験に長時間を要するという課題があった。
また、複数回の試験を行う際に、毎回の試験条件(流速など)を完全に同じにすることは困難であり、試料片どうしの比較試験結果の信頼性が低くなる懸念もあった。
また、複数回の試験を行う際に、毎回の試験条件(流速など)を完全に同じにすることは困難であり、試料片どうしの比較試験結果の信頼性が低くなる懸念もあった。
更に、均一なエロージョン・コロージョン雰囲気を形成するためには、ノズルの根元部分の内径を十分に小さくする必要があるが、スラリーに含まれる固体成分が例えば50%以上など高濃度の場合、このノズルが固体成分によって閉塞される虞があった。このため、固体成分が多いスラリーを用いて腐食試験を行うことが困難であった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、複数の金属試料片に対して、同一の試験条件で腐食試験を行うことが可能であり、かつ、固体成分の多い高濃度のスラリーを用いて腐食試験を行うことが可能な腐食試験装置、およびこの腐食試験装置を用いた腐食試験方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のいくつかの態様は、次のような腐食試験装置、および腐食試験方法を提供した。
すなわち、本発明の腐食試験装置は、金属試料片のスラリーに対する耐食性を試験するための腐食試験装置であって、前記スラリーを収容する容器と、該容器の底面に対して所定の間隔を保って回動自在に支持される円板状の試料保持板と、該試料保持板を回転させる回転手段と、を備え、前記試料保持板には、前記一面とこれに対向する他面との間を貫通する貫通穴が形成され、前記容器の底面と対向する前記試料保持板の一面に、複数の前記金属試料片が係止されることを特徴とする。
すなわち、本発明の腐食試験装置は、金属試料片のスラリーに対する耐食性を試験するための腐食試験装置であって、前記スラリーを収容する容器と、該容器の底面に対して所定の間隔を保って回動自在に支持される円板状の試料保持板と、該試料保持板を回転させる回転手段と、を備え、前記試料保持板には、前記一面とこれに対向する他面との間を貫通する貫通穴が形成され、前記容器の底面と対向する前記試料保持板の一面に、複数の前記金属試料片が係止されることを特徴とする。
本発明の腐食試験装置によれば、複数の金属試料片を1つの試料保持板に係止して、この試料保持板を回転させることで、試料保持板の遠心力によって、貫通穴を通過して底面に向かう下降流と、この底面から試料保持板の周縁と容器の内壁との隙間を通過して上昇する上昇流とを含むスラリーの対流が形成される。これによって、複数の金属試料片は、一様な流れのスラリーの対流に晒され、複数の金属試料片どうしを、ほぼ同一の条件で腐食試験を行うことが可能になる。また、こうしたスラリーの対流を形成することによって、例えば、固体成分の割合が多いスラリーを適用したとしても、固体成分が沈殿することを防止することが可能になる。更に、複数の金属試料片を同時に試験することによって、金属試験片を1つずつ試験する場合と比較して、試験時間を大幅に短縮することも可能になる。
本発明では、前記試料保持板の一面側を平面視した時に、前記試料保持板の周縁と前記容器の内壁との隙間の面積は、前記貫通穴の面積に対して100%以上130%以下であることを特徴とする。
試料保持板の周縁と容器の内壁との隙間の面積が、貫通穴の面積よりも小さいと、貫通穴によって試料保持板の一面側に引き込まれるスラリーよりも、試料保持板の周縁と容器の内壁との隙間から上昇するスラリーのほうが少なくなるため、試料保持板の一面側でスラリーの乱流が生じやすくなる。こうした乱流は、例えば固体成分の割合の高いスラリーを用いた場合、固体成分の沈殿を引き起こす。このため、試料保持板の周縁と容器の内壁との隙間の面積を、貫通穴の面積と同じかそれよりも大きくすることによって、試料保持板の一面側でのスラリーの乱流を防止する。これにより、スラリーの固体成分の沈殿を防止することが可能になる。
試料保持板の周縁と容器の内壁との隙間の面積が、貫通穴の面積よりも小さいと、貫通穴によって試料保持板の一面側に引き込まれるスラリーよりも、試料保持板の周縁と容器の内壁との隙間から上昇するスラリーのほうが少なくなるため、試料保持板の一面側でスラリーの乱流が生じやすくなる。こうした乱流は、例えば固体成分の割合の高いスラリーを用いた場合、固体成分の沈殿を引き起こす。このため、試料保持板の周縁と容器の内壁との隙間の面積を、貫通穴の面積と同じかそれよりも大きくすることによって、試料保持板の一面側でのスラリーの乱流を防止する。これにより、スラリーの固体成分の沈殿を防止することが可能になる。
本発明では、前記容器から前記スラリーを汲み上げ、該記スラリーを所定の温度に調温してから前記容器に還流させる調温手段を更に備えたことを特徴とする。
これによって、液温の変動によるエロージョン・コロージョンの進行度合いが変動することを防止して、より正確に金属試料片の腐食試験を行うことが可能になる。
これによって、液温の変動によるエロージョン・コロージョンの進行度合いが変動することを防止して、より正確に金属試料片の腐食試験を行うことが可能になる。
本発明では、前記調温手段は、前記スラリーを汲み上げるポンプと、前記スラリーを貯留する調温槽と、該調温槽に設けられるヒータと、を含むことを特徴とする。
これによって、容器内に収容されているスラリーの液温を均一にすることができ、一定の液温でより正確な金属試料片の腐食試験を行うことが可能になる。
これによって、容器内に収容されているスラリーの液温を均一にすることができ、一定の液温でより正確な金属試料片の腐食試験を行うことが可能になる。
本発明では、前記容器の底面を構成する底板は、耐摩耗性材料からなることを特徴とする。
これによって、スラリーとの接触による底板の摩耗を防止して、スラリーを収容する容器の劣化を防止することができる。
これによって、スラリーとの接触による底板の摩耗を防止して、スラリーを収容する容器の劣化を防止することができる。
本発明の腐食試験方法は、金属試料片のスラリーに対する耐食性を試験する腐食試験方法であって、前記スラリーを収容する容器の底面に対して所定の間隔を保って回動自在に支持される円板状の試料保持板における前記容器の底面と対向する一面に、複数の前記金属試料片を係止させて、前記試料保持板を回転させることによって、前記貫通穴を通過して前記底面に向かう下降流と、前記底面から前記試料保持板の周縁と前記容器の内壁との隙間を通過して上昇する上昇流とを含む対流を前記スラリーに生じさせ、複数の前記金属試料片を前記スラリーの対流環境に晒すことを特徴とする。
本発明の腐食試験方法によれば、貫通穴が形成された試料保持板を回転させることによって、貫通穴を通過して底面に向かう下降流と、底面から試料保持板の周縁と容器の内壁との隙間を通過して上昇する上昇流とを含む対流をスラリーに生じさせる。これによって、複数の金属試料片を完全に同一の腐食環境下で、エロージョン・コロージョンによる腐食の影響を試験することが可能になる。また、こうしたスラリーの対流を形成することによって、例えば、固体成分が多いスラリーを適用したとしても、固体成分が沈殿することを防止することが可能になる。更に、複数の金属試料片を同時に試験することによって、金属試験片を1つずつ試験する場合と比較して、試験時間を大幅に短縮することも可能になる。
本発明では、前記試料保持板の一面側を平面視した時に、前記試料保持板の周縁と前記容器の内壁との隙間の面積は、前記貫通穴の面積に対して100%以上130%以下であることを特徴とする。
試料保持板の周縁と容器の内壁との隙間の面積が、貫通穴の面積よりも小さいと、貫通穴によって試料保持板の一面側に引き込まれるスラリーよりも、試料保持板の周縁と容器の内壁との隙間から上昇するスラリーのほうが少なくなるため、試料保持板の一面側でスラリーの乱流が生じやすくなる。こうした乱流は、例えば固体成分の割合の高いスラリーを用いた場合、固体成分の沈殿を引き起こす。このため、試料保持板の周縁と容器の内壁との隙間の面積を、貫通穴の面積と同じかそれよりも大きくすることによって、試料保持板の一面側でのスラリーの乱流を防止する。これにより、スラリーの固体成分の沈殿を防止することが可能になる。
試料保持板の周縁と容器の内壁との隙間の面積が、貫通穴の面積よりも小さいと、貫通穴によって試料保持板の一面側に引き込まれるスラリーよりも、試料保持板の周縁と容器の内壁との隙間から上昇するスラリーのほうが少なくなるため、試料保持板の一面側でスラリーの乱流が生じやすくなる。こうした乱流は、例えば固体成分の割合の高いスラリーを用いた場合、固体成分の沈殿を引き起こす。このため、試料保持板の周縁と容器の内壁との隙間の面積を、貫通穴の面積と同じかそれよりも大きくすることによって、試料保持板の一面側でのスラリーの乱流を防止する。これにより、スラリーの固体成分の沈殿を防止することが可能になる。
本発明では、前記スラリーは、液体成分に対する固体成分の体積割合が0.5%以上、70%以下であることを特徴とする。
これは、体積比0.5%以下ではエロージョン効果があまり確認されず、70%以上では反応槽の底面にスラリーが堆積してしまうためである。
これは、体積比0.5%以下ではエロージョン効果があまり確認されず、70%以上では反応槽の底面にスラリーが堆積してしまうためである。
本発明の腐食試験装置および腐食試験方法によれば、複数の金属試料片に対して、同一の試験条件で腐食試験を行うことができ、かつ、固体成分の多い高濃度のスラリーを用いて腐食試験を行うことを可能にする。
以下、図面を参照して、本発明の腐食試験装置、腐食試験方法について説明する。なお、以下に示す各実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(腐食試験装置)
本発明の腐食試験装置について説明する。
図1は、腐食試験装置の一構成例を示す概略構成図である。
本発明の腐食試験装置10は、本体部11と調温部(調温手段)12とから構成されている。本体部11は、容器14と、この容器14の底面14aに対して所定の間隔を保って回動自在に支持される円板状の試料保持板15と、この試料保持板15を回転させるモータ(回転手段)16と、を備えている。
本発明の腐食試験装置について説明する。
図1は、腐食試験装置の一構成例を示す概略構成図である。
本発明の腐食試験装置10は、本体部11と調温部(調温手段)12とから構成されている。本体部11は、容器14と、この容器14の底面14aに対して所定の間隔を保って回動自在に支持される円板状の試料保持板15と、この試料保持板15を回転させるモータ(回転手段)16と、を備えている。
容器14は、例えば、上部が開放された円筒形の樹脂製部材であり、腐食試験時には、内部にスラリー(試料流体)Qが収容される。容器14を構成する樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。また、この容器14の底面を構成する部材として、耐摩耗性材料からなる底板17が配されている。この底板17を構成する耐摩耗性材料としては、金属材料、例えばニッケル合金が挙げられる。ニッケル合金としては、例えばインコネル625(登録商標)やインコネル600(登録商標)、ハステロイB(登録商標)、ハステロイC(登録商標)などが挙げられる。また、金属材料以外にも、例えば、アルミナなどのセラミック材料が挙げられる。
なお、こうした底板17は、本実施形態のように、容器14の樹脂製の底板の上に重ねて配置する構成以外にも、両端が開放されたパイプ状の部材の一方の端面に、耐摩耗性材料からなる底板を接合したものを容器として用いることもできる。
図2(a)は、試料保持板の厚み方向に沿った断面を示す断面図である。また、図2(b)は、試料保持板を一面側から見た時の平面図である。
試料保持板15は、容器14の内径よりも小さい直径の円板状部材である。試料保持板15は、容器14の底板17に対向する側が一面(下面)15aとされ、この一面15aの反対面が他面(上面)15bとされる。
試料保持板15は、容器14の内径よりも小さい直径の円板状部材である。試料保持板15は、容器14の底板17に対向する側が一面(下面)15aとされ、この一面15aの反対面が他面(上面)15bとされる。
試料保持板15を構成する材料としては、例えば、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂などの樹脂板、または金属板などを用いることができる。本実施形態では、試料保持板15として、塩化ビニル樹脂製の円板を用いている。こうした試料保持板15の一面15aには、複数の試料片(金属試料片)Tが係止可能とされている。本実施形態では、試料保持板15の一面15aに、例えば、4つの試料片T1〜T4が係止される。
試料保持板15の周縁に近い領域には、試料片T1〜T4を係止するためのピン穴21a〜21dが形成されている。ピン穴21a〜21dは、同心円上に互いに等間隔に形成される。本実施形態では、ピン穴21a〜21dは、同心円上で互いに90°ずつ離れた位置に形成されている。
試料片T1〜T4は、予めピン穴21a〜21と同じ直径の係止穴が形成され、ピン22によって、試料保持板15の一面15aに係止される。ピン22は、例えば樹脂から形成され、ピン穴21a〜21と、それぞれの試料片T1〜T4の係止穴とを貫通するように圧入される。
試料保持板15の試料片T1〜T4が係止される領域よりも中心側には、一面15aと他面15bとの間を貫通する複数の貫通穴23a,23bが形成されている。貫通穴23a,23bは、平面視した時に矩形の一辺が外側に湾曲した形状の開口であり、例えば、試料保持板15の中心に対して対称に配置される。
図3に示すように、試料保持板15の一面15a側を平面視した時に、試料保持板15の周縁15Eと容器14の内壁14Wとの隙間の面積R1が、貫通穴23aと貫通穴23bとの合計の面積R2と同じか、それよりも大きくなるように、試料保持板15の直径、および貫通穴23a、23bのサイズが設計される。
再び図1を参照して、試料保持板15の他面15bの中心には、回転軸24が固着されている。回転軸24は、金属製の棒状部材からなり、本実施形態では、ステンレス棒が用いられる。そして、この回転軸24には、モータ(回転手段)16が接続されている。これによって、試料保持板15は、容器14内において任意の回転速度で回転することができる。
調温部(調温手段)12は、スラリーQを容器14から汲み上げるポンプ26、スラリーQを貯留する調温槽27、調温槽27に設けられるヒータ28、およびいくつかの配管から構成されている。
ポンプ26は、スラリーQを吸引しても閉塞することないスラリー搬送ポンプを用いることが好ましい。調温槽27は、樹脂製の水槽、例えば塩化ビニル樹脂製の角型水槽を用いることができる。ヒータ28は調温槽27に貯留されたスラリーQを、予め設定した所定の液温まで昇温させるものである。こうしたヒータ28は、例えば、調温槽27に設けられた温度センサ(図示略)によって検出したスラリーQの液温に応じて、制御装置(図示略)等を介して制御される構成であればよい。
なお、調温槽27で調温されたスラリーQは、自然流下によって容器14に還流される構成であればよい。このため、調温槽27は、容器14よりも高い位置に設置されることが望ましい。また、調温槽27内のスラリーQを撹拌するための攪拌手段を更に設けることも好ましい。
図4は、試料保持板の他の実施形態を示す平面図である。この実施形態の試料保持板31では、同心円上に8つの試料片T10〜T17が係止可能な構成となっている。そして、回転軸32の周囲には、4つの貫通穴33a,33b,33c,33dが形成されている。このような試料保持板31を用いることによって、図2に示す試料保持板15よりもさらに多数の試料片T10〜T17の腐食試験を一度に行うことができる。
(腐食試験方法)
図1に示す構成の腐食試験装置を用いた、本発明の腐食試験方法を説明する。
図5は、本発明の腐食試験方法を段階的に示したフローチャートである。
本発明の腐食試験方法によって、例えば4つの試料片を同一の環境下で腐食試験(エロージョンおよびコロージョンに対する耐久性試験)を行う際には、まず、試料保持板15のピン穴21a〜21dの形成位置に、試料片T1〜T4を係止する(試料片係止工程S1)。本実施形態では、試料片T1〜T4として、硬度やハロゲン元素に対する耐蝕性が互いに異なる4種類の金属片(金属試料片)を用いた。
図1に示す構成の腐食試験装置を用いた、本発明の腐食試験方法を説明する。
図5は、本発明の腐食試験方法を段階的に示したフローチャートである。
本発明の腐食試験方法によって、例えば4つの試料片を同一の環境下で腐食試験(エロージョンおよびコロージョンに対する耐久性試験)を行う際には、まず、試料保持板15のピン穴21a〜21dの形成位置に、試料片T1〜T4を係止する(試料片係止工程S1)。本実施形態では、試料片T1〜T4として、硬度やハロゲン元素に対する耐蝕性が互いに異なる4種類の金属片(金属試料片)を用いた。
試料片T1〜T4の係止は、試料片T1〜T4に予め形成した係止穴と、ピン穴21a〜21とを貫通するように、例えば、樹脂製のピン22を圧入することによって行う。こうした試料片係止工程S1によって、4つの試料片T1〜T4は、試料保持板15の一面15a側の同心円上に等間隔で係止される。
次に、試料片T1〜T4を係止した試料保持板15の回転軸24を、モータ(回転手段)16に取り付ける(S2)。この時、試料片T1〜T4の下面と、容器14の底板17との間の隙間が、適切な寸法になるように調節する。こうした試料片T1〜T4の下面と、底板17との隙間は、例えば、1mm〜30mm程度に設定される。
次に、容器14および調温槽27にスラリーQ、例えば石膏液を所定の容量入れる。本実施形態では、スラリーQとして、水(液体成分)に対する固体成分の割合が70%の石膏スラリーを用いた。なお、スラリーQとして液体成分に対する固体成分の割合が70%を超えると、容器14中に固体成分が沈殿する虞があるため好ましくない。
次に、調温槽27のヒータ28を動作させて、調温槽27内のスラリーQを所定の液温にする。そして、ポンプ26を動作させて、容器14と調温槽27との間でスラリーQを循環させ、容器14および調温槽27のスラリーQ全体を均一な液温にする。
次に、モータ(回転手段)16を動作させて、スラリーQに対する試料片T1〜T4の腐食試験を開始する(試験工程S3)。試料保持板15の回転速度は、例えば、300rpm〜1000rpm程度に設定される。なお、こうした試料保持板15の回転速度は、腐食環境の再現状態に応じて適宜選択されればよい。
図6に示すように、試料保持板15を回転させると、容器14内でスラリーQの対流が発生する。即ち、スラリーQは、試料保持板15に形成された貫通穴23a,23bを通過する下降流L1が形成され、かつ試料保持板15の周縁15Eと容器14の内壁14Wとの隙間を通過する上昇流L2が形成される。こうしたスラリーQの対流は、試料保持板15の回転によって生じる遠心力によって、試料保持板15と底板17との間にあるスラリーQが、試料保持板15の周縁Eに向けて流動するために生じるものである。また、試料片T1〜T4は、試料保持板15の一面15aから底板17に向かって突出するように係止されているので、試料保持板15の回転中は、これら試料片T1〜T4がフィンの役割を果たし、より一層円滑なスラリーQの対流が形成される。
試料片T1〜T4は、このような流動するスラリーQに対して所定の時間晒されることによって、試料片T1〜T4の材質に応じたエロージョンやコロージョンによる腐食が生じる。
試料保持板15を予め設定した所定の試験時間、例えば、数日から数十日間回転させたら試料保持板15を停止させ、試料片T1〜T4を試料保持板15から取り外す。なお、所定の試験時間が経過する前に、試料片T1〜T4のうち、特定の試料片だけが他の試料片よりも大きく腐食した場合、試料保持板15の回転振動が増大する虞があるため、所定の試験時間よりも前に試験を終了させることが好ましい。
そして、試料保持板15から取り外した試料片T1〜T4の腐食度合いを確認する(評価工程S4)。試料片T1〜T4の評価方法としては、例えば、目視による外観の観察、SEMによる組織面の観察などが挙げられる。
以上の工程によって、複数の試料片T1〜T4を、同一の環境条件で腐食試験を行うことができる。
以上の工程によって、複数の試料片T1〜T4を、同一の環境条件で腐食試験を行うことができる。
以上、説明したように、本発明の腐食試験装置、およびこれを用いた腐食試験方法によれば、複数の試料片T1〜T4を1つの試料保持板15に係止して、スラリーQの液流に接触させることによって、複数の試料片T1〜T4を完全に同一の腐食環境下で、エロージョンやコロージョンによる腐食の影響を試験することができる。
また、複数の試料片T1〜T4を同時に試験することによって、試験片T1〜T4を1つずつ試験する場合と比較して、試験時間を大幅に短縮することが可能になる。
また、複数の試料片T1〜T4を係止した試料保持板15を回転させることでスラリーQの対流を形成することで、例えば液体成分に対する固体成分の割合が70%といった固体成分が多いスラリーであっても、固体成分が沈殿することない。これによって、実際に利用しているスラリーの固体成分の割合を数倍に高めて加速試験を行うことが可能になり、試験時間の更なる短縮を実現することができる。
また、複数の試料片T1〜T4を係止した試料保持板15を回転させることでスラリーQの対流を形成することで、例えば液体成分に対する固体成分の割合が70%といった固体成分が多いスラリーであっても、固体成分が沈殿することない。これによって、実際に利用しているスラリーの固体成分の割合を数倍に高めて加速試験を行うことが可能になり、試験時間の更なる短縮を実現することができる。
以上、本発明の腐食試験装置、およびこれを用いた腐食試験方法について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明の腐食試験装置、腐食試験方法では、調査したい金属材料を自由に選択することができ、複数の金属試料片を同時に試験できる。スラリーの固体成分、温度、スラリー対流状態(試料保持板の回転速度)、液体成分に対する固体成分の体積割合などを所定の値に調整して腐食試験をすることができる。すなわち、使用環境に合わせた腐食試験を実施することにより、使用環境にて適した金属材料を選定することができる。
本発明の腐食試験装置、腐食試験方法では、調査したい金属材料を自由に選択することができ、複数の金属試料片を同時に試験できる。スラリーの固体成分、温度、スラリー対流状態(試料保持板の回転速度)、液体成分に対する固体成分の体積割合などを所定の値に調整して腐食試験をすることができる。すなわち、使用環境に合わせた腐食試験を実施することにより、使用環境にて適した金属材料を選定することができる。
また、例えば、上記実施形態では、液体成分に固体成分が懸濁したスラリーを例示しているが、一様な組成をもつ液体化合物やそれらの溶液であっても、全く同様に適用することができる。
また、例えば、上記実施形態では、調温部(調温手段)を備えているが、スラリーの液温による腐食への影響が少ない場合、調温部(調温手段)を省略することもできる。また、調温部(調温手段)として、スラリーを加熱するヒータ以外にも、スラリーを冷却する冷却手段を備えることもできる。
また、例えば、上記実施形態では、試料片の試料保持板への係止手段として、ピンによる係止を例示しているが、これに限定されるものでは無い。例えば、接着剤による接合など試料片に加工を施す必要のない係止手段を用いることも好ましい。
以下、本発明の効果を検証した検証結果について説明する。
(検証例1)
図3に示す試料保持板15の周縁15Eと容器14の内壁14Wとの隙間の面積R1と、貫通穴23a,23bの合計の面積R2との割合に応じた、スラリーQの固体成分の沈殿状況を検証した。
腐食試験装置および金属試料片の仕様は以下のとおりである。
容器: 高さ350mm、外径160mm、内径150mmの塩化ビニル製の円筒状容器
ポンプ: マグネットポンプ、送液速度9L/min、チューブ内径10mm
試料保持板: 直径140mm、厚さ10mm
貫通穴: 20mm×60mmの穴
回転軸: SUS316L製、長さ400mm、直径8mmの丸棒
金属試料片: 厚さ5mm、直径30mmのコイン状
金属試料片の下面と底板との隙間: 20mm
この金属試料片を表1記載の金属A〜Dとして、合計4個を試料保持板に配した。
スラリー: 石膏スラリー(スラリー濃度20%)を使用した。なお、スラリー濃度は、石膏スラリー全体積に対する石膏の体積の割合を示す。石膏は、関東化学製、鹿一級のものを用いた。
(検証例1)
図3に示す試料保持板15の周縁15Eと容器14の内壁14Wとの隙間の面積R1と、貫通穴23a,23bの合計の面積R2との割合に応じた、スラリーQの固体成分の沈殿状況を検証した。
腐食試験装置および金属試料片の仕様は以下のとおりである。
容器: 高さ350mm、外径160mm、内径150mmの塩化ビニル製の円筒状容器
ポンプ: マグネットポンプ、送液速度9L/min、チューブ内径10mm
試料保持板: 直径140mm、厚さ10mm
貫通穴: 20mm×60mmの穴
回転軸: SUS316L製、長さ400mm、直径8mmの丸棒
金属試料片: 厚さ5mm、直径30mmのコイン状
金属試料片の下面と底板との隙間: 20mm
この金属試料片を表1記載の金属A〜Dとして、合計4個を試料保持板に配した。
スラリー: 石膏スラリー(スラリー濃度20%)を使用した。なお、スラリー濃度は、石膏スラリー全体積に対する石膏の体積の割合を示す。石膏は、関東化学製、鹿一級のものを用いた。
試験例1として、図3に示す面積R2よりも面積R1が小さくなるように、試料保持板15と貫通穴23a,23bとを形成した。具体的には、面積R1は、面積R2に対して90%となるようにした。
また、試験例2として、図3に示す面積R2よりも面積R1が大きくなるように、試料保持板15と貫通穴23a,23bとを形成した。具体的には、面積R1は、面積R2に対して150%となるようにした。
試験例3として、図3に示す面積R2よりも面積R1が同一なるように、試料保持板15と貫通穴23a,23bとを形成した。
また、試験例4として、図3に示す面積R2よりも面積R1が大きくなるように、試料保持板15と貫通穴23a,23bとを形成した。具体的には、面積R1は、面積R2に対して130%となるようにした。
また、試験例2として、図3に示す面積R2よりも面積R1が大きくなるように、試料保持板15と貫通穴23a,23bとを形成した。具体的には、面積R1は、面積R2に対して150%となるようにした。
試験例3として、図3に示す面積R2よりも面積R1が同一なるように、試料保持板15と貫通穴23a,23bとを形成した。
また、試験例4として、図3に示す面積R2よりも面積R1が大きくなるように、試料保持板15と貫通穴23a,23bとを形成した。具体的には、面積R1は、面積R2に対して130%となるようにした。
こうした腐食試験装置を用いて、固体成分の割合が20%の石膏スラリーを対流させ、固体成分の沈殿状況を観察した。
その結果、試験例1では試料保持板の下部領域に固体成分の沈殿が見られた。また、試験例2では容器の底面角部に固体成分の沈殿が見られた。試験例3および試験例4では固体成分の沈殿状況が観察されなかった。
その結果、試験例1では試料保持板の下部領域に固体成分の沈殿が見られた。また、試験例2では容器の底面角部に固体成分の沈殿が見られた。試験例3および試験例4では固体成分の沈殿状況が観察されなかった。
(検証例2)
腐食試験装置および試料片の仕様は検証例1と同じである。図3に示す面積R1は、面積R2に対して130%となるようにした。
試験例5として、スラリーは石膏スラリー(スラリー濃度0.5%)のものを用いた。
試験例6として、スラリーは石膏スラリー(スラリー濃度20%)のものを用いた。
試験例7として、スラリーは石膏スラリー(スラリー濃度70%)のものを用いた。
試験例8として、スラリーは石膏スラリー(スラリー濃度80%)のものを用いた。
試験例5,6,7,8では、石膏は関東化学製、鹿一級のものを用いた。
腐食試験装置および試料片の仕様は検証例1と同じである。図3に示す面積R1は、面積R2に対して130%となるようにした。
試験例5として、スラリーは石膏スラリー(スラリー濃度0.5%)のものを用いた。
試験例6として、スラリーは石膏スラリー(スラリー濃度20%)のものを用いた。
試験例7として、スラリーは石膏スラリー(スラリー濃度70%)のものを用いた。
試験例8として、スラリーは石膏スラリー(スラリー濃度80%)のものを用いた。
試験例5,6,7,8では、石膏は関東化学製、鹿一級のものを用いた。
こうした試験例5〜8の試料保持板を備えた腐食試験装置を用いて、石膏スラリーを対流させ、固体成分の沈殿状況を観察した。
その結果、試験例5ではエロージョンによる腐食が確認されなかった。試験例6および試験例7では固体成分の沈殿状況が観察されなかった。試験例8では試料保持板の下部領域に固体成分の沈殿が見られた。
その結果、試験例5ではエロージョンによる腐食が確認されなかった。試験例6および試験例7では固体成分の沈殿状況が観察されなかった。試験例8では試料保持板の下部領域に固体成分の沈殿が見られた。
(検証例3)
腐食試験装置および試料片の仕様は検証例1と同じである。スラリーは石膏スラリー(スラリー濃度20%)を使用した。(石膏は、関東化学製、鹿一級のもの)図7に、検証例2の試料保持板を示す。また、表1に試料片(サンプル)の具体例を示す。また、表2にスラリーの具体的な仕様を示す。ただし表2の溶液について、Cu濃度調整には関東化学製、鹿一級試薬である塩化銅二水和物を、Cl濃度調整には、Cu濃度調整に用いた塩化銅二水和物に加えて、関東化学製、鹿一級試薬である塩化カルシウムを、pH調整には関東化学製、特級試薬の塩酸を用いた。
腐食試験装置および試料片の仕様は検証例1と同じである。スラリーは石膏スラリー(スラリー濃度20%)を使用した。(石膏は、関東化学製、鹿一級のもの)図7に、検証例2の試料保持板を示す。また、表1に試料片(サンプル)の具体例を示す。また、表2にスラリーの具体的な仕様を示す。ただし表2の溶液について、Cu濃度調整には関東化学製、鹿一級試薬である塩化銅二水和物を、Cl濃度調整には、Cu濃度調整に用いた塩化銅二水和物に加えて、関東化学製、鹿一級試薬である塩化カルシウムを、pH調整には関東化学製、特級試薬の塩酸を用いた。
腐食試験装置を用いて、試料保持板に試料片(サンプル)を係止してから、700rpm(≒5m/s)で回転させ、溶液温度50℃を維持し、一か月(30日間)の試験を行った。この結果を表3に示す。
試験の結果、エロージョン、コロージョンによる試料片の減量が確認され、調製したスラリーにおける耐エロージョン・コロージョン性に対して優劣を確認することができた。
(検証例4)
腐食試験装置および試料片の仕様は検証例1と同じである。
スラリーはアルミナ粉末スラリー(スラリー濃度70%)を使用した。(アルミナ粉末は、関東化学製、鹿一級のもの)
図7に、検証例2の試料保持板を示す。試料片(サンプル)は検証例3と同様である。また、スラリーの具体的な仕様は、検証例3の表2と同様である。
腐食試験装置および試料片の仕様は検証例1と同じである。
スラリーはアルミナ粉末スラリー(スラリー濃度70%)を使用した。(アルミナ粉末は、関東化学製、鹿一級のもの)
図7に、検証例2の試料保持板を示す。試料片(サンプル)は検証例3と同様である。また、スラリーの具体的な仕様は、検証例3の表2と同様である。
検証例4で用いた腐食試験装置を用いて、試料保持板に試料片(サンプル)を係止してから700rpm(≒5m/s)で回転させ、溶液温度40℃を維持し、10日間の試験を行った。この結果を表4に示す。
腐食試験の結果、エロージョン・コロージョンによる金属試料片の減量が確認され、調製したスラリーにおける耐エロージョン・コロージョン性に対して金属A〜Dの優劣を確認することができた。
石膏スラリーを用いた検証例3の結果、検証例3に示した腐食試験条件下では、金属Dが最も耐食性に優れ、金属Aが最も耐食性に劣っていた。実際の工場において発生する石膏を含んだ排水(pHおよそ2、スラリー濃度:およそ20%)を送液するポンプの羽根車に金属D、金属Aをそれぞれ使用してポンプの腐食状況を観察した。その結果、金属Dからなる羽根車は、2年経過後も、エロージョン・コロージョンによる損耗が観察されていないのに対し、金属Aからなる羽根車は3カ月程度でエロージョン・コロージョンによって破損した。工場内の類似の使用環境にあるポンプの羽根車の材料を金属Aから金属Dに変更してポンプの使用寿命を大幅に改善することができた。
石膏スラリーを用いた検証例3の結果、検証例3に示した腐食試験条件下では、金属Dが最も耐食性に優れ、金属Aが最も耐食性に劣っていた。実際の工場において発生する石膏を含んだ排水(pHおよそ2、スラリー濃度:およそ20%)を送液するポンプの羽根車に金属D、金属Aをそれぞれ使用してポンプの腐食状況を観察した。その結果、金属Dからなる羽根車は、2年経過後も、エロージョン・コロージョンによる損耗が観察されていないのに対し、金属Aからなる羽根車は3カ月程度でエロージョン・コロージョンによって破損した。工場内の類似の使用環境にあるポンプの羽根車の材料を金属Aから金属Dに変更してポンプの使用寿命を大幅に改善することができた。
10 腐食試験装置
11 本体部
12 調温部(調温手段)
14 容器
15 試料保持板
T 試料片
Q スラリー
11 本体部
12 調温部(調温手段)
14 容器
15 試料保持板
T 試料片
Q スラリー
Claims (8)
- 金属試料片のスラリーに対する耐食性を試験するための腐食試験装置であって、
前記スラリーを収容する容器と、該容器の底面に対して所定の間隔を保って回動自在に支持される円板状の試料保持板と、該試料保持板を回転させる回転手段と、を備え、
前記試料保持板には、前記一面とこれに対向する他面との間を貫通する貫通穴が形成され、
前記容器の底面と対向する前記試料保持板の一面に、複数の前記金属試料片が係止されることを特徴とする腐食試験装置。 - 前記試料保持板の一面側を平面視した時に、前記試料保持板の周縁と前記容器の内壁との隙間の面積は、前記貫通穴の面積に対して100%以上130%以下であることを特徴とする請求項1記載の腐食試験装置。
- 前記容器から前記スラリーを汲み上げ、該記スラリーを所定の温度に調温してから前記容器に還流させる調温手段を更に備えたことを特徴とする請求項1または2記載の腐食試験装置。
- 前記調温手段は、前記スラリーを汲み上げるポンプと、前記スラリーを貯留する調温槽と、該調温槽に設けられるヒータと、を含むことを特徴とする請求項3記載の腐食試験装置。
- 前記容器の底面を構成する底板は、耐摩耗性材料からなることを特徴とする請求項1ないし4いずれか一項記載の腐食試験装置。
- 金属試料片のスラリーに対する耐食性を試験する腐食試験方法であって、
前記スラリーを収容する容器の底面に対して所定の間隔を保って回動自在に支持される円板状の試料保持板における前記容器の底面と対向する一面に、複数の前記金属試料片を係止させて、前記試料保持板を回転させることによって、前記貫通穴を通過して前記底面に向かう下降流と、前記底面から前記試料保持板の周縁と前記容器の内壁との隙間を通過して上昇する上昇流とを含む対流を前記スラリーに生じさせ、複数の前記金属試料片を前記スラリーの対流環境に晒すことを特徴とする腐食試験方法。 - 前記試料保持板の一面側を平面視した時に、前記試料保持板の周縁と前記容器の内壁との隙間の面積は、前記貫通穴の面積に対して100%以上130%以下であることを特徴とする請求項6記載の腐食試験方法。
- 前記スラリーは、液体成分に対する固体成分の体積割合が0.5%以上、70%以下であることを特徴とする請求項6または7記載の腐食試験方法。
Priority Applications (1)
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JP2014167538A JP2016045007A (ja) | 2014-08-20 | 2014-08-20 | 腐食試験装置、および腐食試験方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106226185A (zh) * | 2016-08-31 | 2016-12-14 | 马鞍山市海天重工科技发展有限公司 | 一种耐磨试验机 |
CN109900579A (zh) * | 2019-04-04 | 2019-06-18 | 中国船舶重工集团公司第七0四研究所 | 实现海水泵叶轮冲刷腐蚀试验装置 |
CN112639441A (zh) * | 2018-09-07 | 2021-04-09 | 哈斯特帕大学 | 风化分类设备 |
WO2022154634A1 (ko) * | 2021-01-18 | 2022-07-21 | 서울대학교 산학협력단 | 부식 실험 장치 |
-
2014
- 2014-08-20 JP JP2014167538A patent/JP2016045007A/ja active Pending
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