JP2016041916A - 風車装置 - Google Patents

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武内 康浩
Yasuhiro Takeuchi
康浩 武内
靖浩 井上
Yasuhiro Inoue
靖浩 井上
宏 加納
Hiroshi Kano
宏 加納
浩靖 加藤
Hiroyasu Kato
浩靖 加藤
史弥 杉浦
Fumiya Sugiura
史弥 杉浦
松岡 久永
Hisanaga Matsuoka
久永 松岡
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Soken Inc
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    • Y02E10/74Wind turbines with rotation axis perpendicular to the wind direction

Abstract

【課題】翼の表面から気流が剥離して回転効率が低下することを抑制することが可能な風車装置を提供する。
【解決手段】風車部2Aの翼であるブレード20は、長手方向の一端部21の移動軌跡の径が他端部22の移動軌跡の径よりも小さくなっている。ブレード20の内部には、長手方向に延びて、導入口31から導入した外部の空気を一端部21の側から他端部22の側に流通して排出口32から外部へ排出する空気通路30を備えている。空気通路30には、通路断面積を絞る絞り部33が形成されている。絞り部33を空気が通過する際のベンチュリ効果によって、吸入口36からブレード20の表面近傍の空気を吸入する。
【選択図】図1

Description

本発明は、風を受けて周回移動する翼を備える風車装置に関する。
従来技術として、下記特許文献1に開示された風力発電用の風車装置がある。この風車装置は、風を受けて周回移動する翼からなるプロペラを備えている。
特開平11−270455号公報
しかしながら、上記従来技術の風車装置では、翼の表面に沿って流れる気流が、翼の表面から剥離し、風車装置の回転効率が低下する場合がある。例えば、翼の背側の表面で気流の剥離が発生すると、翼に生じる揚力が低下して、回転効率が低下する。
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、翼の表面から気流が剥離して回転効率が低下することを抑制することが可能な風車装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、
風を受けて周回移動する翼(20、220、320、420)を備え、
翼の長手方向の一端部(21)の移動軌跡の径が他端部(22)の移動軌跡の径よりも小さい風車装置であって、
翼の内部に長手方向に延設され、周回移動に伴い発生する遠心力によって、導入口(31)から導入した外部の空気を一端部の側から他端部の側に流通して排出口(32)から外部へ排出する空気通路(30、30A)と、
空気通路の通路断面積を絞る絞り部(33)と、
翼の外部と空気通路とを連通するように設けられ、絞り部を空気が通過する際のベンチュリ効果によって、翼の表面に開口した吸入口(36)から吸入された外部の空気が空気通路に向かって流れる吸入通路(35)と、を備えることを特徴としている。
これによると、風を受けて翼が周回移動した際には、周回移動に伴い発生する遠心力によって空気通路内に導入口から排出口へ向かう空気流れが形成される。空気通路を流れる空気は、通路断面積を絞る絞り部を通過する際にベンチュリ効果を発現し負圧を発生する。この負圧により、吸入通路を介して翼の表面の空気を空気通路内へ吸入することができる。したがって、翼の表面近傍を流れる気流を翼の表面に吸い寄せて、翼の表面から気流が剥離することを抑制することができる。これにより、回転効率が低下することを抑制することができる。
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明を適用した第1の実施形態における風車装置である風力発電装置1の正面図である。 第1の実施形態の風力発電装置1の側面図である。 第1の実施形態の風力発電装置1のブレード20の一例を示す正面図である。 ブレード20の他の例を示す正面図である。 ブレード20を一部断面表示した正面図である。 ブレード20の空気通路30内の圧力の一例を示すグラフである。 ブレード20の断面図である。 比較例のブレードの断面図である。 第2の実施形態における風車装置である風力発電装置の正面図である。 第2の実施形態の風力発電装置の側面図である。 第2の実施形態の風力発電装置のブレード220の一例を示す正面図である。 ブレード220の他の例を示す正面図である。 ブレード220を一部断面表示した正面図である。 ブレード220の空気通路30A内の圧力の一例を示すグラフである。 第3の実施形態における風車装置である風力発電装置301の正面図である。 第3の実施形態の風力発電装置301の上面図である。 図16のXVII−XVII線断面図である。 図15のXVIII−XVIII線断面図である。 第4の実施形態の風力発電装置の正面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1の実施形態)
本発明を適用した第1の実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態の風車装置である風力発電装置1は、回転軸が水平方向に沿って延びている。風力発電装置1は、回転軸が水平方向に沿って延びる、所謂水平型の風力発電装置である。風力発電装置1は、水平型の風車の一例であるプロペラ型と呼ばれる風車を備えている。本例の風力発電装置1では、ブレード20等からなる風車部2が支柱9や発電機5よりも風下側に位置付けられる、所謂ダウンウィンド型としている。
風力発電装置1は、風車部2、発電装置である発電機5、および、支柱9等を備えている。支柱9は、例えば金属製もしくは樹脂製であり、図示を省略したベース上に立設される。支柱9は、ベース上に立設されるものに限定されず、例えば、下方部である基端部を地中に埋設したり、地面や建物の屋上部に設けられた柱状部材に係止したりするものであってもよい。
本実施形態の風車部2は、翼であるブレード20、固定部11、および、支持部12を備える風車部2Aである。風車部2Aは、風を受けて回転軸の周囲を周回移動するブレード20を複数備えている。本例では、回転軸を中心とする周方向において等間隔に3つのブレード20を備えている。
それぞれのブレード20は、風車部2Aの径方向に延設されている。ブレード20は、風車部2Aの回転軸線に近い側の基端部から回転軸線から遠い側の先端部に向かって延びている。ブレード20の基端部はブレード20の長手方向の一端部21である。ブレード20の先端部はブレード20の長手方向の他端部22である。一端部21はブレード20の内方端部であり、他端部22はブレード20の外方端部である。
ブレード20の一端部21は、ブレード20の内方側の翼端および翼端近傍部分からなる。一方、ブレード20の他端部22は、ブレード20の外方側の翼端および翼端近傍部分からなる。ブレード20の一端部21と他端部22とは、ブレード20の中央部分を挟んでブレード20の長手方向の両端側に位置する部分である。ブレード20の一端部21、他端部22、および、両端部に挟まれる中央部は、例えば、いずれもブレード20の長手方向長さを略同一とすることができる。また、例えば、ブレード20の一端部21および他端部22は、それぞれ、ブレード20の長手方向において、各翼端から所定割合の長さ部分とすることができる。このときの所定割合は、例えば、ブレード20全長の5%〜33%のいずれかとすることができる。所定割合は、例えば、5%とすることができる。また、所定割合は、例えば、15%とすることができる。
固定部11は、例えば、金属製または樹脂製であり、円盤状をなしている。固定部11には、各ブレード20の一端部21の翼端面から突出した固定軸部40が固定されている。支持部12は、支柱9の上方部である先端部に配置されている。支持部12は、例えば、金属製または樹脂製である。本実施形態の発電機5Aは、支持部8と一体的に設けられている。発電機5Aは、支持部8を挟んで固定部11の配置側とは反対側に配設されている。発電機5Aは、後述する発電機5Bとほぼ同様の原理で発電する発電機構を有している。発電機5Aのステータの内方に配設されたロータ部分は、支持部8の内部に配設された回転軸を介して固定部11と接続されている。ブレード20と共に固定部11が回転した際には、回転力が直接、もしくは、増速機構を介して発電機5Aに伝わるようになっている。
図7にも示すように、ブレード20は、長手方向に直交する周回方向の断面が航空機の翼のような形状をなしている。これにより、ブレード20が風を受けた際には揚力が発生し、ブレード20に働く揚力の回転方向成分により風車部2Aが回転する。風車部2Aが回転したときには、ブレード20の一端部21の移動軌跡である回動軌跡の径は、ブレード20の他端部22の回動軌跡の径よりも小さい。一端部21の回動軌跡の半径は、一端部21と回転軸線との距離である。他端部22の回動軌跡の半径は、他端部22と回転軸線との距離である。
図3および図4に示すように、ブレード20の内部には、空気通路30が形成されている。空気通路30は、ブレード20の一端部21に開口した導入口31と、他端部22に開口した排出口32とを繋いでいる。空気通路30は、ブレード20内をブレード20の長手方向に延び、一端部21において滑らかに曲がるように設けられている。
ブレード20は、例えば、図7に示す腹側壁部23と背側壁部24とを有して、中空体状に形成することができる。そして、ブレード20の腹側壁部23と背側壁部24との間の空間を空気通路30とすることができる。腹側壁部23は、図2に示す風力発電装置1に対する風流れにおいて、風上側に位置付けられる壁部である。背側壁部24は、図2に示す風力発電装置1に対する風流れにおいて、風下側に位置付けられる壁部である。
ブレード20は、例えば、金属製または樹脂製とすることができる。ブレード20は、例えば、繊維強化プラスチックを成形して得ることができる。また、ブレード20は、例えば、翼形状に成形した基布材に樹脂を含浸して硬化させ得ることができる。また、ブレード20は、例えば、基布材に熱硬化性樹脂を含浸して半硬化させたプリプレグを翼形状に成形して硬化させ得ることができる。
導入口31は、ブレード20の一端部21に開口している。導入口31は、少なくとも一部が、ブレード20の一端部21の翼端近傍部分に開口している。導入口31は、少なくとも一部が、ブレード20の一端部21のうち、翼端面に連なるブレード外表面に開口している。導入口31は、ブレード20の一端部21で、ブレード20の周回方向の先端20a側の部位に開口している。ブレード20の周回方向の先端20aは、翼の前縁と呼ばれることがある。ブレード20の周回方向の後端20bは、翼の後縁と呼ばれることがある。
導入口31は、風車部2Aが回動する際の回動方向の先頭側に開口している。導入口31は、ブレード20のうち、長手方向の中央よりも一端部21側に設けることが好ましい。導入口31は、ブレード20の他端部22側の翼端との距離よりも、回転軸線との距離の方が小さくなる位置に設けることが好ましい。導入口31は、主に、背側壁部24の外表面である負圧面24aに開口している。負圧面24aは、風力発電装置1に対する風流れにおける、ブレード20の風下側の表面である。導入口31は、風車部2Aが回転した際に、空気を導入し易いとともに、ブレード20の発生揚力が低下し難い位置に設けることが好ましい。
排出口32は、ブレード20の他端部22に開口している。排出口32は、他端部22のうち、最外方部である翼端に開口している。排出口32は、ブレード20の他端部22の翼端のほぼ全域に亘って開口している。
空気通路30の経路の途中には、通路断面積を絞る絞り部33が設けられている。絞り部33は、一端部21よりも他端部22に近い部位に設けられている。絞り部33は、空気通路30を流れる空気の流速を上昇させ、流速の上昇に伴い空気が減圧される減圧効果を得るために設けられている。すなわち、絞り部33は、空気通路30を流れる空気が絞り部33を通過する際にベンチュリ効果を得るために設けられている。
絞り部33は、例えば、図3に示すようなベンチュリ管様形状の絞り部33Aとすることができる。絞り部33Aは、通路縮小部331、喉部332および通路拡大部333により構成される。喉部332は、空気通路30の通路断面積が最も縮小される部分である。通路縮小部331は、空気流れ上流側から喉部332へ向かって通路断面積を徐々に縮小する部分である。通路拡大部333は、喉部332から空気流れ下流側へ向かって通路断面積を徐々に拡大する部分である。本例では、通路拡大部333は、喉部332から排出口32にまでわたっている。
空気通路30が、断面円形状もしくは断面楕円形状等の略円形状をなしている場合には、通路縮小部331は、縮径部と呼ぶことができ、通路拡大部333は、拡径部と呼ぶことができる。
また、絞り部33は、例えば、図4に示すようなオリフィス板状の絞り部33Bとすることができる。絞り部33Bは、板状部334と貫通孔335とにより構成することができる。板状部334は、ブレード20の腹側壁部23および背側壁部24と一体的に設けられた板状部材である。板状部334は、空気通路30を横断するように設けられている。貫通孔335は、板状部334の中央部を貫通するように設けられた絞り通路であり、空気通路30の板状部334よりも上流側と板状部334よりも下流側とを連通している。
ブレード20には、吸入通路35が形成されている。吸入通路35は、ブレード20の表面に開口した吸入口36からブレード20の内方へ向かって延びており、ブレード20の外部と空気通路30とを連通している。
吸入口36は、ブレード20の風下側の表面である負圧面24aに開口している。吸入口36は、ブレード20の長手方向において一端部21よりも他端部22に近い部位に開口している。吸入口36は、それぞれのブレード20に複数設けられており、複数の吸入口36は、ブレード20の長手方向に配列されている。
また、吸入口36は、ブレード20が周回移動する方向におけるブレード20の後縁部20cに開口している。ブレード20の後縁部20cは、ブレード20の翼型におけるキャンバと翼弦との離間距離が最大である位置よりも後端20b側の部分とすることができる。ここで、キャンバとは、ブレード20の正圧面23aおよび負圧面24aの中心点を結んだ曲線、すなわち、両面から均等距離にある中間点を結んだ曲線であり、反り線と呼ばれることもある。翼弦とは、先端20aと後端20bとを結ぶ線分である。また、ブレード20の後縁部20cは、ブレード20の翼型における翼厚が最大である位置よりも後端20b側の部分とすることができる。
それぞれの吸入通路35の吸入口36とは反対側の端部は、空気通路30に接続している。吸入通路35の空気通路30への接続点は、空気通路30内において絞り部33によりベンチュリ効果が得られる部位に設けられている。
図5および図6から明らかなように、ブレード20の長手方向のX位置に設けられた絞り部33により、空気通路30内の圧力は、絞り部33の近傍で負圧となる。特に、絞り部33よりも下流側で大きな負圧を発生する。吸入通路35の空気通路30への接続点は、この負圧生成域に設けられている。具体的には、当該接続点は、所定圧以下の負圧を生成する領域に設けられている。所定圧は、例えば、大気圧を基準として−30Paすることができる。また、所定圧は、例えば、大気圧を基準として−50Paすることができる。
複数の吸入通路35の空気通路30への接続点は、比較的多数である一部の接続点が、空気通路30の絞り部33よりも下流側に設けられ、比較的少数である残部の接続点が、空気通路30の絞り部33よりも上流側で、絞り部33の近傍に設けられている。
なお、図5および図6に示した例は、絞り部33がオリフィスタイプの絞り部33Bの場合であった。これに対し、絞り部33がベンチュリ管様タイプの絞り部33Aの場合には、喉部332を中心として、通路縮小部331から通路拡大部333までの領域に、吸入通路35の空気通路30への接続点を設けることができる。
上述した構成の風力発電装置1では、ブレード20が風を受けて回転軸を中心に周回移動すると、固定部11および支持部12内の回転力伝達機構を介してブレード20と連結された発電機5Aのロータが回転する。このロータの回転運動に伴い、発電機5Aでは電磁誘導により発電が行なわれる。
ブレード20が風を受けて周回移動する際には、ブレード20の周回方向先頭側に設けられた導入口31から空気通路30内へ空気が導入される。空気通路30内へ導入された空気は、ブレード20の周回移動に伴い発生する遠心力により空気通路30内を排出口32へ向かって流れる。空気通路30内を流れる空気は、絞り部33を通過する際に流速が増大することで減圧され、負圧を生成する。
これにより、吸入通路35の両端に圧力差が生じ、図7に示すようにブレード20の外表面近傍の空気が吸入口36から吸入され、ブレード20の負圧面24aに沿って流れる気流を吸い寄せる。図8に示す比較例のように、吸入通路を設けていないブレード90の場合には、ブレード90の後縁部において気流が負圧面から剥離して剥離域を形成することがある。本実施形態では、ブレード20の負圧面24aに沿って流れる気流を吸い寄せることで、剥離域の形成を抑制することができる。本実施形態では、吸入通路35を介して剥離域の空気を吸引し、剥離域の形成を抑制しているとも言える。
上述した本実施形態の風力発電装置1の構成および作動によれば、以下に述べる作用効果を得ることができる。
本実施形態の風車部2Aのブレード20は、長手方向の一端部21の移動軌跡の径が他端部22の移動軌跡の径よりも小さくなっている。そして、ブレード20の内部に長手方向に延設され、周回移動に伴い発生する遠心力によって、導入口31から導入した外部の空気を一端部21の側から他端部22の側に流通して排出口32から外部へ排出する空気通路30を備えている。また、空気通路30には、空気通路30の通路断面積を絞る絞り部33が形成されている。更に、ブレード20の外部と空気通路30とを連通するように設けられ、絞り部33を空気が通過する際のベンチュリ効果によって、吸入口36から空気通路30に向かって空気を流通する吸入通路35を備えている。吸入口36は、ブレード20の表面に開口しており、ブレード20の外部の空気を吸入する。
これによると、風を受けてブレード20が周回移動した際には、周回移動に伴い発生する遠心力によって空気通路30内に導入口31から排出口32へ向かう空気流れが形成される。空気通路30を流れる空気は、通路断面積を絞る絞り部33を通過する際にベンチュリ効果を発現し負圧を発生する。この負圧により、吸入通路35を介してブレード20の表面の空気を空気通路30内へ吸入することができる。したがって、ブレード20の表面近傍を流れる気流をブレード20の表面に吸い寄せて、ブレード20の表面から気流が剥離することを抑制することができる。これにより、回転効率が低下することを抑制することができる。
境界層が剥離する前にブレード20表面近傍を流れる比較的速度が低下した気流を吸入口36から吸い取ると、吸入口36より下流側において比較的速度が大きい気流をブレード20表面近傍に流すことができ、境界層の速度分布が剥離し難い形となる。このように、ブレード20表面から気流が剥離することを抑制して、風車部の回転効率が低下することを抑制することができる。
また、吸入口36は、ブレード20の長手方向において一端部21よりも他端部22に近い部位に開口している。これによると、比較的周回移動速度が大きくブレード20の表面からの気流の剥離が起き易いブレード20の他端部22近傍において、気流の剥離を抑制することができる。
また、吸入口36は、ブレード20が周回移動する方向におけるブレード20の後縁部20cに開口している。これによると、ブレード20の表面からの気流の剥離が比較的起き易いブレード20の後縁部20cにおいて、気流の剥離を抑制することができる。
また、ブレード20は、水平方向に沿って延びる回転軸を中心に周回移動するものであり、吸入口36は、風力発電装置1に対する風流れにおけるブレード20の風下側の表面である負圧面24aに開口している。これによると、水平型の風車装置で比較的気流の剥離が起き易いブレード20の風下側の表面から気流が剥離することを抑制することができる。
また、吸入口36は、複数設けられており、複数の吸入口36は、ブレード20長手方向に配列されている。これによると、ブレード20の長手方向における比較的広範囲にわたって、ブレード20の表面から気流が剥離することを抑制することができる。
また、吸入口36は、比較的小径の口であり、吸入通路35は比較的通路断面積が小さい通路である。したがって、ブレード20の表面に吸入口36を設けても、周回移動時に騒音が発生し難い。また、吸入通路35を設けても、ブレード20の剛性や強度の低下を抑止することができる。
また、導入口31は、ブレード20の一端部21に形成されている。これによると、回転速度が比較的小さくブレード20が受けた風力を回転力に変換する効率が比較的低い一端部21に導入口31を設けることができる。したがって、ブレード20の表面に開口する導入口31を設けた風車部2Aであっても回転効率の低下を抑制することができる。
また、排出口32は、ブレード20の他端部22に形成されている。これによると、回転速度が比較的大きい他端部22から、空気通路30内の空気を効率よく外部に排出することができる。したがって、空気通路30内に確実に空気流を形成することができる。また、他端部22の排出口32から風車部2Aの径外方向へ排出される空気流れは、ブレード20の他端部22の翼端で正圧面23aから負圧面24aに向かう流れを抑制することができる。したがって、翼端に発生する渦の生成を抑制し、回転効率を向上することができる。
絞り部33は、通路縮小部331、喉部332、通路拡大部333からなる絞り部33Aとすることができる。喉部332は、空気通路30の通路断面積が最も縮小された部分である。通路縮小部331は、空気通路30の上流側から喉部332へ向かって通路断面積を漸次縮小する部分である。通路拡大部333は、喉部332から空気通路30の下流側へ向かって通路断面積を漸次拡大する部分である。これによると、絞り部33をベンチュリ管様形状とすることができるので、空気通路30内に効率よく負圧を発生させることができる。
また、絞り部33は、空気通路30を横断するように設けられた板状部334と、板状部334を貫通するように形成された絞り通路としての貫通孔335とを有する絞り部33Bとすることができる。これによると、絞り部33をオリフィス板の形態とすることができるので、絞り部33を比較的容易に形成することができる。
また、風車装置である風力発電装置1は、ブレード20の周回移動により駆動される発電機5を備えている。これによると、風力発電用の風車装置において、ブレード20の表面から気流が剥離することを抑制して、回転効率が低下することを抑制することができる。したがって、ブレード20で風を受けた際に、発電機5で効率よく発電することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図9〜図14を参照して説明する。
第2の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、空気通路の形態が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。第1の実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品、第2の実施形態において説明しない他の構成は、第1の実施形態と同様であり、また同様の作用効果を奏するものである。
図9および図10に示すように、本実施形態の風車装置である風力発電装置は、回転軸が水平方向に沿って延びている。本例では、ブレード220等からなる風車部2が支柱9や発電機5よりも風下側に位置付けられる、所謂ダウンウィンド型としている。
本実施形態の風車部2は、翼であるブレード220、固定部11、および、支持部12を備える風車部2Bである。風車部2Bは、風を受けて回転軸の周囲を周回移動するブレード220を複数備えている。本例では、回転軸を中心とする周方向において等間隔に3つのブレード220を備えている。ブレード220が風を受けた際には揚力が発生し、ブレード220に働く揚力の回転方向成分により風車部2Bが回転する。風車部2Bが回転したときには、ブレード220の一端部21の移動軌跡である回動軌跡の径は、ブレード220の他端部22の回動軌跡の径よりも小さい。
ブレード220は、例えば、前述のブレード20に対して、導入口31を形成していない点、および空気通路30が空気通路30Aとなっている点だけが異なる。図11および図12に示すように、ブレード220の内部には、空気通路30Aが形成されている。空気通路30Aは、複数の吸入口36のうち、喉部332または絞り部33Bよりもブレード20の一端部21側に開口した吸入口36を導入口としても機能させる。空気通路30Aは、ブレード220内に形成された空間のうち、最も一端部21側に位置する吸入口36と排出口32とを繋ぐ部分である。
空気通路30Aの経路の途中には、通路断面積を絞る絞り部33が設けられている。空気通路30Aの絞り部33は、例えば、図11に示すようなベンチュリ管様形状の絞り部33Aとすることができる。また、絞り部33は、例えば、図12に示すようなオリフィス形状の絞り部33Bとすることができる。
それぞれの吸入通路35の空気通路30Aへの接続点は、空気通路30A内において絞り部33によりベンチュリ効果が得られる部位に設けられている。
図13および図14から明らかなように、ブレード220の長手方向のX位置に設けられた絞り部33により、空気通路30A内の圧力は、絞り部33の近傍で負圧となる。特に、絞り部33よりも下流側で大きな負圧を発生する。吸入通路35の空気通路30Aへの接続点は、この負圧発生域に設けられている。具体的には、当該接続点は、所定圧以下の負圧を発生する領域に設けられている。所定圧は、例えば、大気圧を基準として−30Paとすることができる。また、所定圧は、例えば、大気圧を基準として−50Paとすることができる。
複数の吸入通路35の空気通路30Aへの接続点は、比較的多数である一部の接続点が、空気通路30Aの絞り部33よりも下流側に設けられ、比較的少数である残部の接続点が、空気通路30Aの絞り部33よりも上流側で、絞り部33の近傍に設けられている。
なお、図13および図14に示した例は、絞り部33がオリフィスタイプの絞り部33Bの場合である。これに対し、絞り部33がベンチュリ管様タイプの絞り部33Aの場合には、喉部332を中心として、通路縮小部331から通路拡大部333までの領域に、吸入通路35の空気通路30Aへの接続点を設けることができる。
本実施形態の風力発電装置では、ブレード220が風を受けて周回移動する際には、導入口としても機能する吸入口36から空気通路30A内へ空気が導入される。空気通路30A内へ導入された空気は、ブレード220の周回移動に伴い発生する遠心力により空気通路30A内を排出口32へ向かって流れる。空気通路30A内を流れる空気は、絞り部33を通過する際に流速が増大することで減圧され、負圧を生成する。これにより、吸入通路35の両端に圧力差が生じ、ブレード220の外表面近傍の空気が吸入口36から吸入され、ブレード220の負圧面24aに沿って流れる気流を吸い寄せる。
本実施形態の風力発電装置によっても第1の実施形態の風力発電装置とほぼ同様の作用効果を得ることができる。また、第1の実施形態の風力発電装置のように大きく開口した導入口31を設けていないので、導入口が抵抗となって回転効率が低下することを抑制することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について、図15〜図18を参照して説明する。
第3の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、風車部の形態が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。第1の実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品、第3の実施形態において説明しない他の構成は、第1の実施形態と同様であり、また同様の作用効果を奏するものである。
図15に示すように、本実施形態の風車装置である風力発電装置301は、回転軸が鉛直方向に沿って延びている。風力発電装置301は、回転軸が垂直方向に沿って延びる、所謂垂直型の風力発電装置である。風力発電装置301は、垂直型の風車の一例であるジャイロミル型と呼ばれる風車を備えている。
風力発電装置301は、風車部2、発電装置である発電機5、および、支柱9等を備えている。本実施形態の発電機5Bは、支柱9の上方部である先端部に配置されている。図17に示すように、発電機5Bは、ロータ50とステータ60とを備えている。ロータ50は、天井部が閉塞された円筒体からなるケーシング51と、ケーシング51の下方開口を塞ぐ蓋52とを有している。ケーシング51の円筒部内周面には、磁石53が固着されている。磁石53は、周方向に複数配設するものであってもよいし、円筒状の磁石53に対し周方向に交互に異なる磁極を形成するように着磁したものであってもよい。
ケーシング51は、例えば金属製もしくは樹脂製とすることができる。ケーシング51は、磁石53が発生する磁束を通過させる磁気回路の一部をなすため、磁性材であることが好ましい。ケーシング51の天井部には、下方に向かって突出する円柱形状の軸部54が設けられている。軸部54は、ロータ50の回転中心となる位置に設けられている。
蓋52は、例えば金属製もしくは樹脂製とすることができる。蓋52は、軽量化等のために樹脂製であることが好ましい。ケーシング51と蓋52との間には、例えばOリング等のシール部材を介設することができる。ケーシング51の円筒部の外周面に、ロータ50とブレード20とを繋ぐワイヤ46の留ジグ55が配置されている。留ジグ55は、例えば金属材により形成される。
ステータ60は、ロータ50の内方に配置されている。ロータ50の蓋52の中央部には貫通孔が形成されており、支柱9の上部が蓋52の貫通孔内に挿設されている。ステータ60は、蓋52よりも上方において支柱9の上端部に固定されている。
ステータ60は、固定軸61、ステータコア62、ステータコイル63、および、軸受64等を備えている。固定軸61は、上下方向に延びる円柱形状をなしており、支柱9の上端に取り付けられている。固定軸61には、上面から下方に向かって凹んだ凹部61aが形成されている。凹部61aは、円柱形状の空間を形成しており、ロータ50の軸部54が凹部61a内に配置されている。
軸部54の外周面と固定軸61の凹部61a内周面との間には、例えばベアリングからなる軸受64が介設されている。軸受64は、例えば止め輪により、軸部54および固定軸61に係止している。
固定軸61の周囲にはステータコア62が配設されている。ステータコア62にはステータコイル63が巻回されている。ステータコイル63が巻かれたステータコア62は、ロータ50の内方において、磁石53に対向する位置に配置されている。
図15および図16に示すように、発電機5Bの外周側に風車部2が配設されている。本実施形態の風車部2は、翼であるブレード320、固定梁45、および、ワイヤ46を備える風車部2Cである。風車部2Cは、風を受けて回転軸の周囲を周回移動するブレード320を複数備えている。本例では、回転軸を中心とする周方向において等間隔に3つのブレード320を備えている。
各ブレード320は、それぞれ回転軸線から所定距離離れた位置に配置されて上下方向に対して傾斜した方向に延びている。ブレード320は、風車部2Cの回転軸線に近い側の下端部から回転軸線から遠い側の上端部に向かって傾斜して延びている。ブレード320は、下端から上端へ向かうにしたがって回転軸線から遠ざかるように傾斜した傾斜翼をなしている。ブレード320の下端部はブレード320の長手方向の一端部21である。ブレード320の上端部はブレード320の長手方向の他端部22である。一端部21はブレード320の内方端部であり、他端部22はブレード320の外方端部である。
ブレード320の一端部21は、ブレード320の内方側の翼端および翼端近傍部分からなる。一方、ブレード320の他端部22は、ブレード320の外方側の翼端および翼端近傍部分からなる。ブレード320の一端部21と他端部22とは、ブレード20の中央部分を挟んでブレード320の長手方向の両端側に位置する部分である。ブレード320の一端部21、他端部22、および、両端部に挟まれる中央部は、例えば、いずれもブレード320の長手方向長さを略同一とすることができる。また、例えば、ブレード320の一端部21および他端部22は、それぞれ、ブレード320の長手方向において、各翼端から所定割合の長さ部分とすることができる。このときの所定割合は、例えば、ブレード320全長の5%〜33%のいずれかとすることができる。所定割合は、例えば、5%とすることができる。また、所定割合は、例えば、15%とすることができる。
固定梁45は、ブレード320と同数設けられている。固定梁45は、それぞれが、例えば水平方向に延びて、各ブレード320の上下方向の中央部と発電機5Bのケーシング51とを繋いでいる。固定梁45は、例えば金属製または繊維強化プラスチック等の樹脂製とすることができる。
ワイヤ46は、各ブレード320に対して例えば2本設けられている。2本のワイヤ46のうち一方のワイヤ46は、ブレード320の上部とケーシング51の上部とを繋いでいる。また、他方のワイヤ46は、ブレード320の下部とケーシング51の下部とを繋いでいる。ワイヤ46には、例えば金属製もしくは伸張性が比較的低い樹脂製の繊維部材を用いることができる。
図16および図18に示すように、ブレード320は、長手方向に直交する略水平方向の断面が航空機の翼のような形状をなしている。これにより、ブレード320が風を受けた際には揚力が発生し、ブレード320に働く揚力の回転方向成分により風車部2Cが回転する。風車部2Cが回転したときには、ブレード320の一端部21の移動軌跡である回動軌跡の径は、ブレード320の他端部22の回動軌跡の径よりも小さい。一端部21の回動軌跡の半径は、一端部21と回転軸線との距離である。他端部22の回動軌跡の半径は、他端部22と回転軸線との距離である。
図16および図18に示すように、ブレード320の内部には、前述したブレード20と同様に、空気通路30が形成されている。空気通路30は、ブレード320の一端部21に開口した導入口31と、他端部22に開口した排出口32とを繋いでいる。空気通路30は、ブレード320内をブレード20の長手方向に延び、一端部21において滑らかに曲がるように設けられている。
ブレード320は、例えば、図18に示す腹側壁部23と背側壁部24とを有して、中空体状に形成することができる。そして、ブレード320の腹側壁部23と背側壁部24との間の空間を空気通路30とすることができる。腹側壁部23は、図16に示す風車部2Cの周回移動において、内周側に位置付けられる壁部である。背側壁部24は、図16に示す風車部2Cの周回移動において、外周側に位置付けられる壁部である。ブレード320は、例えば、金属製または樹脂製とすることができる。ブレード320は、前述したブレード20と同様に製造することができる。
導入口31は、ブレード320の一端部21に開口している。導入口31は、少なくとも一部が、ブレード320の一端部21の翼端近傍部分に開口している。導入口31は、少なくとも一部が、ブレード320の一端部21のうち、翼端面に連なるブレード外表面に開口している。導入口31は、ブレード320の一端部21で、ブレード320の周回方向の先端20a側の部位に開口している。導入口31は、風車部2Cが回動する際の回動方向の先頭側に開口している。導入口31は、ブレード320のうち、長手方向の中央よりも一端部21側に設けることが好ましい。導入口31は、主に、背側壁部24の外表面である外周側面24bに開口している。外周側面24bは、風車部2Cの周回移動におけるブレード320の外周側の表面である。導入口31は、風車部2Cが回転した際に、空気を導入し易いとともに、ブレード320の発生揚力が低下し難い位置に設けることが好ましい。
排出口32は、ブレード320の他端部22に開口している。排出口32は、他端部22のうち、最外方部である翼端に開口している。排出口32は、ブレード320の他端部22の翼端のほぼ全域に亘って開口している。
第1の実施形態と同様に、空気通路30の経路の途中には、通路断面積を絞る絞り部33が設けられている。絞り部33は、例えば、前述したベンチュリ管様形状の絞り部33Aとしてもよいし、オリフィス板状の絞り部33Bとしてもよい。
ブレード320には、吸入通路35が形成されている。吸入通路35は、ブレード320の表面に開口した吸入口36からブレード320の内方へ向かって延びており、ブレード320の外部と空気通路30とを連通している。
吸入口36は、ブレード320の外周側の表面である外周側面24bに開口している。吸入口36は、ブレード320の長手方向において一端部21よりも他端部22に近い部位に開口している。吸入口36は、それぞれのブレード320に複数設けられており、複数の吸入口36は、ブレード20の長手方向に配列されている。本例では、複数の吸入口36は、ブレード20の長手方向に2列に配列されている。本例では、2列の吸入口36群は、ブレード20の長手方向の位置が相互にずれている。
また、吸入口36は、ブレード320が周回移動する方向におけるブレード320の後縁部20cに開口している。ブレード320の後縁部20cは、前述のブレード20の後縁部20cと同様に定義することができる。
第1の実施形態と同様に、それぞれの吸入通路35の吸入口36とは反対側の端部は、空気通路30に接続している。吸入通路35の空気通路30への接続点は、空気通路30内において絞り部33のベンチュリ効果によって負圧が得られる部位に設けられている。
上述した構成の風力発電装置301では、ブレード320が風を受けて回転軸を中心に周回移動すると、固定梁45およびワイヤ46でブレード320と連結された発電機5Bのロータ50が回転する。ロータ50の回転運動に伴い、磁石53がステータコイル63に対して移動することで、電磁誘導により発電が行なわれる。
ブレード320が風を受けて周回移動する際には、ブレード320の周回方向先頭側に設けられた導入口31から空気通路30内へ空気が導入される。空気通路30内へ導入された空気は、ブレード320の周回移動に伴い発生する遠心力により空気通路30内を排出口32へ向かって流れる。空気通路30内を流れる空気は、絞り部33を通過する際に流速が増大することで減圧され、負圧を生成する。
これにより、吸入通路35の両端に圧力差が生じ、ブレード320の外表面近傍の空気が吸入口36から吸入され、ブレード320の外周側面24bに沿って流れる気流を吸い寄せる。本実施形態では、ブレード320の外周側面24bに沿って流れる気流を吸い寄せることで、剥離域の形成を抑制することができる。
上述した本実施形態の風力発電装置301の構成および作動によれば、以下に述べる作用効果を得ることができる。
本実施形態の風車部2Cのブレード320は、長手方向の一端部21の移動軌跡の径が他端部22の移動軌跡の径よりも小さくなっている。そして、ブレード320の内部に長手方向に延設され、周回移動に伴い発生する遠心力によって、導入口31から導入した外部の空気を一端部21の側から他端部22の側に流通して排出口32から外部へ排出する空気通路30を備えている。また、空気通路30には、空気通路30の通路断面積を絞る絞り部33が形成されている。更に、ブレード320の外部と空気通路30とを連通するように設けられ、絞り部33を空気が通過する際のベンチュリ効果によって、吸入口36から空気通路30に向かって空気を流通する吸入通路35を備えている。吸入口36は、ブレード320の表面に開口しており、ブレード320の外部の空気を吸入する。
これによると、風を受けてブレード320が周回移動した際には、周回移動に伴い発生する遠心力によって空気通路30内に導入口31から排出口32へ向かう空気流れが形成される。空気通路30を流れる空気は、通路断面積を絞る絞り部33を通過する際にベンチュリ効果を発現し負圧を発生する。この負圧により、吸入通路35を介してブレード320の表面の空気を空気通路30内へ吸入することができる。したがって、ブレード320の表面近傍を流れる気流をブレード320の表面に吸い寄せて、ブレード320の表面から気流が剥離することを抑制することができる。これにより、回転効率が低下することを抑制することができる。
また、吸入口36は、ブレード320の長手方向において一端部21よりも他端部22に近い部位に開口している。これによると、比較的周回移動速度が大きくブレード320の表面からの気流の剥離が起き易いブレード320の他端部22近傍において、気流の剥離を抑制することができる。
また、吸入口36は、ブレード320が周回移動する方向におけるブレード320の後縁部20cに開口している。これによると、ブレード320の表面からの気流の剥離が比較的起き易いブレード320の後縁部20cにおいて、気流の剥離を抑制することができる。
また、ブレード320は、垂直方向に沿って延びる回転軸を中心に周回移動するものであり、吸入口36は、周回移動するブレード320の外周側の表面である外周側面24bに開口している。これによると、垂直型の風車装置で比較的気流の剥離が起き易いブレード320の外周側の表面から気流が剥離することを抑制することができる。
また、吸入口36は、複数設けられており、複数の吸入口36は、ブレード320長手方向に配列されている。これによると、ブレード320の長手方向における比較的広範囲にわたって、ブレード320の表面から気流が剥離することを抑制することができる。
また、導入口31は、ブレード320の一端部21に形成されている。これによると、回転速度が比較的小さくブレード320が受けた風力を回転力に変換する効率が比較的低い一端部21に導入口31を設けることができる。したがって、ブレード320の表面に開口する導入口31を設けた風車部2Cであっても回転効率の低下を抑制することができる。
また、排出口32は、ブレード320の他端部22に形成されている。これによると、回転速度が比較的大きい他端部22から、空気通路30内の空気を効率よく外部に排出することができる。したがって、空気通路30内に確実に空気流を形成することができる。また、他端部22の排出口32から略上方へ排出される空気流れは、ブレード320の他端部22の翼端で内周側面23bから外周側面24bに向かう流れ、および、外周側面24bから内周側面23bに向かう流れを抑制することができる。したがって、翼端に発生する渦の生成を抑制し、回転効率を向上することができる。
また、風車装置である風力発電装置301は、ブレード320の周回移動により駆動される発電機5Bを備えている。これによると、風力発電用の風車装置において、ブレード320の表面から気流が剥離することを抑制して、回転効率が低下することを抑制することができる。したがって、ブレード320で風を受けた際に、発電機5Bで効率よく発電することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について図19を参照して説明する。
第4の実施形態は、前述の第3の実施形態と比較して、空気通路の形態が異なる。なお、第1〜第3の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。第1〜第3の実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品、第4の実施形態において説明しない他の構成は、第1〜第3の実施形態と同様であり、また同様の作用効果を奏するものである。
図19に示すように、本実施形態の風車装置である風力発電装置は、回転軸が垂直方向に沿って延びる、所謂垂直型の風力発電装置である。本実施形態の風力発電装置は、垂直型の風車の一例であるジャイロミル型と呼ばれる風車を備えている。
本実施形態の風車部2は、翼であるブレード420、固定梁45、および、ワイヤ46を備える風車部2Dである。風車部2Dは、風を受けて回転軸の周囲を周回移動するブレード420を複数備えている。本例では、回転軸を中心とする周方向において等間隔に3つのブレード420を備えている。ブレード420が風を受けた際には揚力が発生し、ブレード420に働く揚力の回転方向成分により風車部2Dが回転する。風車部2Dが回転したときには、ブレード420の一端部21の移動軌跡である回動軌跡の径は、ブレード420の他端部22の回動軌跡の径よりも小さい。ブレード420は、例えば、前述のブレード320に対して、導入口31を形成していない点、および空気通路30が空気通路30Aとなっている点のみが異なる。
本実施形態の風力発電装置によっても第3の実施形態の風力発電装置とほぼ同様の作用効果を得ることができる。また、第3の実施形態の風力発電装置のように大きく開口した導入口31を設けていないので、導入口が抵抗となって回転効率が低下することを抑制することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
上記各実施形態では、吸入口36は、ブレード20、220の風下側の表面、または、ブレード320、420の外周側の表面に開口していたが、これに限定されるものではない。また、吸入口36は、ブレード20、220、320、420の長手方向において一端部21よりも他端部22に近い部位に開口していたが、これに限定されるものではない。また、吸入口36は、ブレード20、220、320、420に複数設けられており、複数の吸入口36は、ブレード20の長手方向に配列されていたが、これに限定されるものではない。また、吸入口36は、ブレード20、220、320、420が周回移動する方向におけるブレードの後縁部20cに開口していたが、これに限定されるものではない。吸入口36は、例えば、ブレードに吸入口を設けていない場合に、ブレード表面から気流の剥離が発生する領域に形成するものであればよい。吸入口36の数も1つもしくは複数であればよい。
また、上記各実施形態では、導入口31は、ブレード20、320の一端部21に開口していたが、これに限定されるものではない。例えば、導入口は、一端部21と他端部22と間の部位に形成されるものであってもよい。このとき、導入口は、他端部22よりも一端部21に近い部位に設けられることが好ましい。
また、上記各実施形態では、排出口32は、ブレード20、220、320、420の他端部22の翼端面に開口していたが、これに限定されるものではない。例えば、排出口は、他端部22の翼端に隣接した部位の表面に開口するものであってもよい。
また、上記各実施形態では、風車部は、プロペラ型の水平型風車装置、または、ジャイロミル型の垂直型風車装置をなしていたが、これに限定されるものではない。風車部をプロペラ型以外の水平型風車装置としてもかまわない。また、例えば、プロペラ型の水平型風車装置であっても、ダウンウィンド型ではなく、アップウィンド型としてもかまわない。また、風車部をジャイロミル型以外の垂直型の風車装置としてもかまわない。例えば、直線翼型、サポニウス型、パドル型、クロスフロー型、S型ロータ型等を採用することも可能である。いずれの場合も、翼の長手方向の一端部の回動軌跡の径が他端部の回動軌跡の径よりも小さくなるように、翼の長手方向を垂直方向から傾斜させる傾斜翼とすればよい。また、例えば、ダリウス型の垂直型風車装置としてもかまわない。ダリウス型の場合には、弓状に湾曲した翼が上部翼と下部翼とを一体化した翼として、上下翼および下部翼の少なくともいずれかに本発明を適用することができる。
また、上記各実施形態では、風車部を、ブレードが風を受けた際に発生する揚力を利用する揚力型の風車装置としていたが、これに限定されるものではない。風車部を、ブレードが風を受けた際に揚力を発生しない抗力型の風車装置としてもかまわない。
また、上記各実施形態では、風車装置を、回転運動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機5を備える風力発電装置としていたが、これに限定されるものではなく、発電装置を備えないものであってもよい。例えば、風車部の回転力を伝達して水を汲み上げるポンプ機構を備える風車装置であっても、本発明を適用して有効である。
1、301 風量発電装置(風車装置)
2、2A、2B、2C、2D 風車部
5、5A、5B 発電機(発電装置)
20、220、320、420 ブレード(翼)
21 一端部
22 他端部
30、30A 空気通路
31 導入口
32 排出口
33、33A、33B 絞り部
35 吸入通路
36 吸入口

Claims (11)

  1. 風を受けて周回移動する翼(20、220、320、420)を備え、
    前記翼の長手方向の一端部(21)の移動軌跡の径が他端部(22)の移動軌跡の径よりも小さい風車装置であって、
    前記翼の内部に前記長手方向に延設され、前記周回移動に伴い発生する遠心力によって、導入口(31)から導入した外部の空気を前記一端部の側から前記他端部の側に流通して排出口(32)から外部へ排出する空気通路(30、30A)と、
    前記空気通路の通路断面積を絞る絞り部(33)と、
    前記外部と前記空気通路とを連通するように設けられた通路であって、前記絞り部を空気が通過する際のベンチュリ効果によって、前記翼の表面に開口した吸入口(36)から吸入された前記外部の空気が前記空気通路に向かって流れる吸入通路(35)と、を備えることを特徴とする風車装置。
  2. 前記吸入口は、前記長手方向において前記一端部よりも前記他端部に近い部位に開口していることを特徴とする請求項1に記載の風車装置。
  3. 前記吸入口は、前記周回移動する方向における前記翼の後縁部に開口していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の風車装置。
  4. 前記翼は、水平方向に沿って延びる回転軸を中心に前記周回移動するものであり、
    前記吸入口は、装置に対する風流れにおける前記翼の風下側の表面(24a)に開口していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の風車装置。
  5. 前記翼は、垂直方向に沿って延びる回転軸を中心に前記周回移動するものであり、
    前記吸入口は、前記周回移動における前記翼の外周側の表面(24b)に開口していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の風車装置。
  6. 前記吸入口は、複数設けられており、
    前記複数の吸入口は、前記長手方向に配列されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の風車装置。
  7. 前記導入口は、前記一端部に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の風車装置。
  8. 前記排出口は、前記他端部に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載の風車装置。
  9. 前記絞り部は、
    前記空気通路を横断するように設けられた板状部材(334)と、
    前記板状部材を貫通するように形成された絞り通路(335)と、を有することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の風車装置。
  10. 前記絞り部は、
    前記空気通路の通路断面積が最も縮小された喉部(332)と、
    前記空気通路の上流側から前記喉部へ向かって前記空気通路の通路断面積を漸次縮小する通路縮小部(331)と、
    前記喉部から前記空気通路の下流側へ向かって前記空気通路の通路断面積を漸次拡大する通路拡大部(333)と、を有することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の風車装置。
  11. 前記翼の周回移動により駆動される発電装置(5)を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1つに記載の風車装置。
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