JP2016041633A - 炭素材料の製造方法、及び炭素材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】植物性バイオマスを原料とした高い浄化機能を備えた炭化材料の製造方法を提供する。
【解決手段】バイオマスを酸化処理する酸化処理工程と、酸化処理された前記バイオマスを水熱処理する水熱処理工程とを、少なくとも有する炭素材料の製造方法。前記バイオマス1に対して酸化剤0.01〜10の比率で、前記バイオマスを酸化処理する酸化処理工程と、前記バイオマスを大気圧〜20MPa以下の圧力下で水熱処理する水熱処理工程と、を有する炭素材料の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】バイオマスを酸化処理する酸化処理工程と、酸化処理された前記バイオマスを水熱処理する水熱処理工程とを、少なくとも有する炭素材料の製造方法。前記バイオマス1に対して酸化剤0.01〜10の比率で、前記バイオマスを酸化処理する酸化処理工程と、前記バイオマスを大気圧〜20MPa以下の圧力下で水熱処理する水熱処理工程と、を有する炭素材料の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、炭素材料の製造方法、及び炭素材料に関し、特に、植物性のバイオマスを原料とする炭素材料の製造方法、及び炭素材料に関する。
バイオマスの水熱処理法に関しては、従来から主に、酸化、ガス化、糖化、油化(非特許文献1、非特許文献2)などに用いられてきた。しかし、250℃及び350℃の酸化剤併用水熱処理により、活性炭や球状炭素を改質し酸性官能基を増加しえる事を示した報告例はあり、水熱過酸化処理によるアンモニア吸着特性が向上することが示されている(非特許文献3)ものの、広範な温度・圧力にて、バイオマス由来の炭化物を賦活し、水質浄化粒にする方法に関して示されたものは見当たらない。従来の方法では、高温低酸素状態でガスを吹き込むことによって炭化を促進し、比表面積を大きくし、表面改質を行う方法に留まっていた。(非特許文献4及び5)
特許文献1及び2では、植物性のバイオマスを原料とし、この原料を加熱水蒸気で処理することで、植物性のバイオマスを工業原料化するシステムが提示されているが、具体的な実施例及び利用上の課題については何ら記載がなく実用的ではない。
特許文献1では、バイオマスからの水熱ハイブリッド材料の製造方法と生成水熱ハイブリッド材料についての方法が示されている。この中では、共重合可能な化合を添加することにより、化学的特性を調整するハイブリッド材料の製造方法と材料についての説明がなされている。アクリル酸やアルカノールアミン等の共重合可能な化合物は、反応混合物を調整するときに添加される。この目的は活性化バイオマスとする工程及び反応混合物に重合開始剤を加える工程を含み、共重合可能な化合物はどちらかの工程で加えられるとされている。目的のハイブリッド材料は、共重合を有するバイオマスハイブリッド材料であり、水質浄化のための細孔分布や官能基修飾に関するものではない。
特許文献2では、バイオマスの水熱炭化装置と方法について記載されている。この文献では熱エネルギーの回収方法について記載されているが、バイオマス材料の生成・製造に関するものではなかった。
曹建動、「酢酸の生成を目的としたリグノセルロース系バイオマスの研究」、東北大学博士論文、2006年
安川隼也、「マイクロフロー反応器によるバイオマス由来の中間化成品の高効率製造に関する研究」、京都大学博士論文、2011年
Hydrothermal modification of carbon adsorbents(J. Skubiszewska-Zieba V.V. Sydorchuk V.M. Gun’ko R. Leboda)Adsorption (2011) 17:pp.919-pp927
活性炭ハンドブック(林昌彦、川下由加訳)平成23年1月発刊、丸善株式会社
新版 活性炭−基礎と応用−(著者:真田雄三、鈴木基之、藤本薫)1992年3月、株式会社講談社pp.5-pp9
前述の従来技術での炭化材料は、排水浄化の際に、有機性不純物、特に分子量の大きな物質を捕獲して水質浄化可能な機能性材料を製造することは難しかった。
この理由は、石炭・コークス系を原料とした活性炭では、高温でガス賦活することにより、比表面積と細孔分布を調整する事が可能であり、ガスの成分によって、表面に修飾する官能基を選択することが可能であるのに対して、植物性のバイオマス由来の活性炭を製造するためには、同様に高温賦活することが一般的であるが、高温で賦活を行うと、炭化度が上がって疎水性が強くなるためである。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、植物性のバイオマスから、高い親水性、排水性、更には排気性を有し、高い水浄化機能、及び気体浄化機能を備えた炭化材料を提供することが本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明は、以下の構成を少なくとも具備するものである。
植物性のバイオマスを原料として炭素材料を製造する製造方法であって、前記バイオマスを酸化処理する酸化処理工程と、前記バイオマスを水熱処理する水熱処理工程とを、少なくとも有する炭素材料の製造方法である。
また、植物性のバイオマスを原料として炭素材料を製造する製造方法であって、前記バイオマス1に対して酸化剤0.01〜10の比率で、前記バイオマスを酸化処理する酸化処理工程と、前記バイオマスを、大気圧〜20MPa以下の圧力下で水熱処理する水熱処理工程とを有する炭素材料の製造方法である。
前記酸化処理工程、及び前記水熱処理工程が、同時に、又は順次個別に、或いは繰り返し行われてもよい。
また、植物性のバイオマスを原料として炭素材料を製造する製造方法であって、前記バイオマス1に対して酸化剤0.01〜10の比率で、前記バイオマスを酸化処理する前処理工程と、酸化処理された前記バイオマスを、100℃〜350℃の温度、且つ大気圧〜20MPa以下の圧力とする条件下で水熱処理する水熱処理工程と、前記水熱処理で前記バイオマスを焼成することで得られた生成物を、前記生成物1に対して酸化剤0.01〜10の比率で酸化処理する後処理工程とを有する炭素材料の製造方法である。
また、植物性のバイオマスを原料として炭素材料を製造する製造方法であって、前記バイオマス1に対して酸化剤0.01〜10の比率で酸化処理した前記バイオマスを、100℃〜350℃の温度、且つ大気圧〜20MPa以下の圧力とする条件下で、前記バイオマス1に対して酸化剤0.01〜10の比率で酸化処理、及び水熱処理する工程を有する炭素材料の製造方法である。
また、植物性のバイオマスを原料として炭素材料を製造する製造方法であって、前記バイオマス1に対して酸化剤0.01〜10の比率で、前記バイオマスを酸化処理する前処理工程と、酸化処理した前記バイオマスを、100℃〜350℃の温度の条件下で、前記バイオマス1に対して酸化剤0.01〜10の比率として水熱処理する水熱処理工程と、前記水熱処理で前記バイオマスを焼成することで得られた生成物を、前記生成物1に対して酸化剤0.01〜10の比率で酸化処理する後処理工程とを有する炭素材料の製造方法である。
また、植物性のバイオマスを原料として炭素材料を製造する製造方法であり、前記バイオマスを酸化処理する前処理工程と、酸化処理された前記バイオマスを水熱処理する水熱処理工程と、水熱処理された前記バイオマスを焼成することで得られた生成物を酸化処理する後処理工程とを有する炭素材料の製造方法であって、前記前処理工程での前記バイオマスの酸化処理が、前記バイオマス1に対して酸化剤0.01〜10の比率で行われることを特徴とする炭素材料の製造方法である。
更に、前述の製造方法で製造されたことを特徴とする炭素材料であり、この炭素材料の表面には、水酸基、及び/又は、カルボキシル基が修飾されていることが好ましい。
このような特徴を有することで本発明は、以下の効果を奏する。すなわち、植物性のバイオマスを原料とし、このバイオマスを酸化処理、及び水熱処理することによって、植物性のバイオマスから、高い親水性、排水性、更には排気性を有し、高い水浄化機能、及び気体浄化機能を備えた炭化材料を提供することができる。
本発明でいう植物性のバイオマスとは、植物性の有機物であり、具体的には、木質材(廃材、間伐材、枝葉、等を含む)、籾殻、稲わら、豆殻、椰子殻、種子、等が例示できる。
本発明でいう酸化処理とは、植物性のバイオマスに対して酸化作用を有する物質を接触させることによって、植物性のバイオマスを酸化する処理であり、ここで、酸化作用を有する物質は、過酸化水素を含む各種酸化剤が例示できる。
本発明でいう水熱処理とは、常温・常圧を超えた高温・高圧に保った密閉された容器内で、植物性のバイオマスを水熱処理することである。
以下、本発明に係る炭化材料の製造方法、及び炭化材料を図1〜図8に基づいて説明する。なお、以下に例示する各実施例は、本発明を限定するものではない。
本発明に係る炭化材料は、基本的に、図1〜図3に示すように、以下の三通りの製造方法で製造される。
図1の製造方法は、植物性のバイオマスを酸化処理(酸化処理工程)した後に、酸化処理されたバイオマスを水熱処理(水熱処理工程)する製造方法である。
図2の製造方法は、植物性のバイオマスを水熱処理(水熱処理工程)した後に、水熱処理されたバイオマスを酸化処理(酸化処理工程)する製造方法である。
図3の製造方法は、植物性のバイオマスを酸化処理(酸化処理工程(前処理工程))した後に、酸化処理されたバイオマスを、酸化処理と同時に水熱処理(水熱処理工程)を行い、更に、水熱処理されたバイオマスを酸化処理(後処理工程)する製造方法である。尚、図3の製造方法の水熱処理工程では、酸化処理を省略することができる。
図1〜図3に示す製造方法、すなわち、植物性のバイオマスを酸化処理する酸化処理工程と、植物性のバイオマスを水熱処理する水熱処理工程とを有することによって、図8に示すように、メソ孔とミクロ孔にピークを持つ細孔分布を有し、比表面積や細孔容量が大きい炭化材料を製造することができる。ただし、本発明に係る炭化材料の製造方法では、比表面積や細孔容量の大小にかかわらず、高い親水性や高い吸着能を有する炭化材料を製造することができる。
また、図1〜図3に示す製造方法で製造された炭化材料は夫々、異なる吸着性能を有するものとなり、所望の吸着性能を有する炭化材料を得るために、図1〜図3に示す製造方法のいずれかを選択することができる。
尚、前述の酸化処理工程(前処理工程・後処理工程)と、水熱処理(酸化処理を含むもの、含まないもの)工程との工程順や工程数は、図1〜図3に示す製造方法に限るものではなく、様々な工程順や工程数で組み合わせることによって、より多くの吸着性能の異なる炭化材料を製造することができる。
前述のように製造された炭化材料は、メソ孔とミクロ孔にピークを持つ細孔分布を有し、比表面積や細孔容量が大きいため、高い親水性・通気性を有し、汚染水等に含まれる高分子有機物質、大気中の汚染物質を吸着して除去・浄化する吸着材(除去材・浄化材)として利用することができる。
更に、前述のように製造された炭化材料は、比表面積や細孔容量の大小にかかわらず、炭化材料の表面に多くの水酸基及びカルボキシル基の官能基を修飾することができ、これによって、より高い各種吸着性能を備えた炭化材料とすることができる。
ここで、高分子有機物質とは、フミン酸類全般、ポリアミド、スチレン、ウレタン等、及び金属製微粒子が含まれた前述の各高分子有機物質、等が挙げられる。
図4は、図1〜図3の製造方法の水熱処理工程で用いることができる水熱装置Aの一例を示す概略図であり、本実施形態では、第一種高圧容器による水熱装置Aを示している。
水熱装置Aは、蓋部1が着脱自在に締め付け固定されるフランジ2を、バイオマスが挿入される容器3の上部開放口10に備えており、フランジ2に対して蓋部1をボルト・ナットで締め付け固定することで、上部開放口10を閉鎖して容器3の密閉状態を保持し、蓋部1を取り外すことで上部開放口10を開放して、バイオマスや酸化剤を挿入することができると共に、バイオマスや炭化材料を取り出すことができるようにされている。
容器3の周囲には、バンドヒータ4が設けられており、このバンドヒータ4で容器3内を加熱するようにされている。
容器3の下部には、排水用のパイプ5が配管されており、このパイプ5の下流側に開閉バルブ6が接続され、さらに、開閉バルブ6の下流側に排水管7が接続されていて、開閉バルブ6を開くことで、水熱処理後に容器3内に残留する液体を排水することができるようになっている。
尚、容器3内に、バイオマスを保持する籠を備えてもよく、水熱処理をより安定化するために、籠が回転するようにしてもよい。また、バンドヒータ4に換えて、ボイラ(図示せず)の熱を容器3に作用させるようにしてもよい。
図5は、図1〜図3の製造方法の水熱処理工程で用いることができる水熱装置A’の他例を示す概略図である。
水熱装置A’は、図4に示した水熱装置Aを複数台(図示では二台)繋げてなる構造のものであり、上流側に配置された水熱装置Aの開閉バルブ6を、下流側に配置された水熱装置Aの容器3と連通するように配管し、上流側の水熱装置Aから排水される高温の液体を、下流側の水熱装置Aに移動させることができるようにされている。
すなわち、水熱装置A’は、上流側の水熱装置Aから排水される高温の液体の熱を、下流側の水熱装置Aでの水熱処理の熱の一部として利用することができ、本来であれば、廃棄される高温の液体を有効利用することができる。
図4に示した水熱装置Aを複数台繋げてなる構造の水熱装置A’の他の構成として、複数台の水熱装置Aをエンドレスとなるように繋げ、上流側の水熱装置Aからこの上流側の水熱装置Aと隣接して隣り合う下流側の水熱装置Aに、高温の液体を順次排水することで、高温の液体を循環させるようにしてもよい(図示せず)。この場合、高温の液体を水熱装置Aから外部へ排水する排水部(図示せず)を設けるとよい。
尚、水熱装置A’の各水熱装置Aは、図4に示す水熱装置Aと同構成であるので、水熱装置A、水熱装置A同士を繋ぐパイプ5、開閉バルブ6を除く部位についての図示、及び説明を省略した。
次に、本発明に係る炭化材料の製造方法の各実施例を説明する。
実施例1では、表1に示すように、従来の製造方法により製造された炭化材料(a)〜(c)と本発明の製造方法により製造された炭化材料(d)の、比表面積、全細孔容積、高分子有機物(メチレンブルー(表1においてMBと記載する))の吸着能を比較した。
<使用した炭化材料>
(a):300℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物20g。
(b):300℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)20gを、500mlの耐圧容器内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、処理時間:一時間、の条件下で熱処理した炭化材料。
(c):300℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)20gを、500mlの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:100ml、処理時間:一時間、の条件下で水熱処理した炭化材料。
(d):300℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)20gを、500mlの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40ml、酸化剤:30%過酸化水素0.04kg、処理時間:一時間、の条件下で、水熱処理、及び酸化処理した炭化材料。
(a):300℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物20g。
(b):300℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)20gを、500mlの耐圧容器内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、処理時間:一時間、の条件下で熱処理した炭化材料。
(c):300℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)20gを、500mlの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:100ml、処理時間:一時間、の条件下で水熱処理した炭化材料。
(d):300℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)20gを、500mlの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40ml、酸化剤:30%過酸化水素0.04kg、処理時間:一時間、の条件下で、水熱処理、及び酸化処理した炭化材料。
前述の(a)〜(d)の各製造方法で製造された炭化材料の、比表面積、全細孔容積、メチレンブルーの吸着能を、夫々実験により調査した結果、(表1)に示すように、(a)〜(c)の炭化材料の比表面積及び全細孔容積に対して、(d)の炭化材料の比表面積及び全細孔容積が20倍以上であることが示された。
また、(a)〜(c)の炭化材料のメチレンブルー吸着能に対して、(d)の炭化材料のメチレンブルー吸着能も、およそ20倍であることが示された。
尚、(a)〜(d)の炭化材料は、図6に示すような細孔形態となっている。(a):図6の(a1)、(a2)、(b):図6の(b1)、(b2)、(c):図6の(c1)、(c2)、(d):図6の(d1)、(d2)。
図6の(d1)、(d2)に示す炭化材料の細孔分布は、図8に示すように、メソ孔とミクロ孔一部マイクロ孔を有し、炭・コークス系活性炭の細孔分布に類似した細孔分布であるため、炭化材料の表面への水酸基、カルボキシル基の修飾が行い易くなり、この水酸基、カルボキシル基を修飾した炭化材料は、より高いメチレンブルー吸着能を有するものになると期待できる。
この実験結果から、(d)の製造方法で製造された炭化材料は、(a)〜(c)の製造方法で製造された炭化材料と比較して、比表面積、及び全細孔容積がそれほど大きくなっていないにもかかわらず、メチレンブルー吸着能が高いということが証明された。
実施例2では、表2に示すように、本発明の製造方法により製造された炭化材料(b)、(c)と、従来の製造方法により製造された炭化材料(a)の、比表面積、全細孔容積、高分子有機物(メチレンブルー(表2においてMBと記載する))の吸着能を比較した。
<使用した炭化材料>
(a):385℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物20g。
(b):385℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)20gを、500mlの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40ml、酸化剤:30%過酸化水素0.04kg、処理時間:一時間、の条件下で、水熱処理、及び酸化処理した炭化材料。
(c):385℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)3kgを、開放容器内で30kgの30%過酸化水素に5時間浸して酸化処理し、酸化処理された木質炭化物を、100lの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40l、処理時間:一時間、水熱装置内の空気圧力1MPa、の条件下で、水熱処理した炭化材料。
(a):385℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物20g。
(b):385℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)20gを、500mlの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40ml、酸化剤:30%過酸化水素0.04kg、処理時間:一時間、の条件下で、水熱処理、及び酸化処理した炭化材料。
(c):385℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)3kgを、開放容器内で30kgの30%過酸化水素に5時間浸して酸化処理し、酸化処理された木質炭化物を、100lの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40l、処理時間:一時間、水熱装置内の空気圧力1MPa、の条件下で、水熱処理した炭化材料。
前述の(a)〜(c)の各製造方法で製造された炭化材料の、比表面積、全細孔容積、メチレンブルーの吸着能を、夫々実験により調査した結果、(表2)に示すように、(a)の炭化材料の比表面積及び全細孔容積に対して、(b)、(c)の炭化材料の比表面積及び全細孔容積が減少しているものの、(a)の炭化材料のメチレンブルー吸着能に対して、(b)、(c)の炭化材料のメチレンブルー吸着能が10倍以上であることが示された。
(b)の炭化材料は、図7の(b1)、(b2)に示すような細孔形態となっている。この炭化材料の細孔分布も、実施例1と同様に、図8に示すような、炭・コークス系活性炭の細孔分布に類似した細孔分布であるため、炭化材料の表面への水酸基、カルボキシル基の修飾が行い易くなり、この水酸基、カルボキシル基を修飾した炭化材料は、より高いメチレンブルー吸着能を有するものになると期待できる。
この実験結果から、(b)、(c)の製造方法で製造された炭化材料は、(a)の製造方法で製造された炭化材料と比較して、炭化材料の比表面積及び全細孔容積が減少しているにもかかわらず、メチレンブルー吸着能が極めて高いということが証明された。
実施例3では、表3に示すように、実施例2の(c)で製造された炭化材料を、(c1)〜(c3)の条件で洗浄した後の、比表面積、全細孔容積、高分子有機物(メチレンブルー(表3においてMBと記載する))の吸着能を比較した。
<使用した炭化材料>
(c1):(c)の炭化材料を水酸化ナトリウム(NaOH)で洗浄した炭化材料。
(c2):(c)の炭化材料を水酸化ナトリウム(NaOH)で洗浄後、更に150℃の熱水で洗浄した炭化材料。
(c3):(c)の炭化材料を70℃の温水で洗浄した炭化材料。
(c1):(c)の炭化材料を水酸化ナトリウム(NaOH)で洗浄した炭化材料。
(c2):(c)の炭化材料を水酸化ナトリウム(NaOH)で洗浄後、更に150℃の熱水で洗浄した炭化材料。
(c3):(c)の炭化材料を70℃の温水で洗浄した炭化材料。
前述の(c1)〜(c3)の各製造方法で製造された炭化材料の、比表面積、全細孔容積、メチレンブルーの吸着能を、夫々実験により調査した結果、洗浄時においてタールが溶出するが、(表3)に示すように、(c)の炭化材料の比表面積及び全細孔容積に対して、(c1)〜(c3)の炭化材料の比表面積及び全細孔容積が減少しているにもかかわらず、(c)の炭化材料のメチレンブルー吸着能に対して、(c1)〜(c3)の炭化材料のメチレンブルー吸着能が向上したことが示された。
特に、(c2)の炭化材料のメチレンブルー吸着能は、(c)、(c1)、(c3)の炭化材料のメチレンブルー吸着能に比べて大幅に高いことが示された。
この実験結果から、酸化処理、及び水熱処理して製造された炭化材料を洗浄する洗浄工程を用いることによってメチレンブルー吸着能が、洗浄しない炭化材料のメチレンブルー吸着能よりも高くなるということが証明され、しかも、NaOHで洗浄する洗浄工程後に150℃の熱水で洗浄する洗浄工程を用いることにより、炭化材料のメチレンブルー吸着能が大幅に高くなることが証明された。
実施例4では、表4に示すように、本発明の製造方法により製造された炭化材料(b)、(c)と、従来の製造方法により製造された炭化材料(a)の、比表面積、全細孔容積、高分子有機物(メチレンブルー(表4においてMBと記載する))の吸着能を比較した。
<使用した炭化材料>
(a):585℃の温度、酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物20g。
(b):585℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)20gを、500mlの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40ml、酸化剤:30%過酸化水素0.04kg、処理時間:一時間、の条件下で、水熱処理、及び酸化処理した炭化材料。
(c):(b)で製造された炭化材料を、500mlの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40ml、酸化剤:30%過酸化水素0.04kg、処理時間:一時間、の条件下で、水熱処理、及び酸化処理した炭化材料。
(a):585℃の温度、酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物20g。
(b):585℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)20gを、500mlの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40ml、酸化剤:30%過酸化水素0.04kg、処理時間:一時間、の条件下で、水熱処理、及び酸化処理した炭化材料。
(c):(b)で製造された炭化材料を、500mlの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40ml、酸化剤:30%過酸化水素0.04kg、処理時間:一時間、の条件下で、水熱処理、及び酸化処理した炭化材料。
前述の(a)〜(c)の各製造方法で製造された炭化材料の、比表面積、全細孔容積、メチレンブルーの吸着能を、夫々実験により調査した結果、(表4)に示すように、(a)の炭化材料の比表面積及び全細孔容積に対して、(b)、(c)の炭化材料の比表面積及び全細孔容積が大きいものであることが示された。
また、(a)の炭化材料のメチレンブルー吸着能に対して、(b)、(c)の炭化材料のメチレンブルー吸着能が高くなることが示された。
この実験結果から、実施例1、2で用いた木質炭化物(植物性バイオマス)と異なる条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)を用いて炭化材料を製造しても、比表面積、及び全細孔容積が大きくなると共に、メチレンブルーの吸着能が高くなることが証明された。
実施例5では、表5に示すように、従来の製造方法により製造された炭化材料(a)と、本発明の製造方法により製造された炭化材料(b)、(c)の比表面積、全細孔容積、高分子有機物(メチレンブルー(表5においてMBと記載する))の吸着能を比較した。(c)の炭化材料は洗浄処理されたものを用いた。
<使用した炭化材料>
(a):カルシウム(Ca)を担持させた籾殻を600℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた炭化物20g。
(b):Caを担持させた籾殻(植物性バイオマス)を600℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた炭化物20gを、500mlの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40ml、酸化剤:30%過酸化水素0.04kg、処理時間:一時間、の条件下で、水熱処理、及び酸化処理した炭化材料。
(c):(b)の炭化材料を、HCl、及びNaOHで洗浄してシリカを溶解分離した炭化材料。
(a):カルシウム(Ca)を担持させた籾殻を600℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた炭化物20g。
(b):Caを担持させた籾殻(植物性バイオマス)を600℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた炭化物20gを、500mlの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40ml、酸化剤:30%過酸化水素0.04kg、処理時間:一時間、の条件下で、水熱処理、及び酸化処理した炭化材料。
(c):(b)の炭化材料を、HCl、及びNaOHで洗浄してシリカを溶解分離した炭化材料。
前述の(a)〜(c)の各製造方法で製造された炭化材料の、比表面積、全細孔容積、メチレンブルーの吸着能を、夫々実験により調査した結果、表5に示すように、(a)の炭化材料の比表面積及び全細孔容積に対して、(b)、(c)の炭化材料の比表面積及び全細孔容積が大きくなることが示された。
また、(a)の炭化材料のメチレンブルー吸着能に対して、(b)、(c)の炭化材料のメチレンブルー吸着能が大幅に高くなることが示された。
また、(c)の炭化材料の比表面積及び全細孔容積が、(b)の炭化材料の比表面積及び全細孔容積よりも大きくなることが示され、しかも、(b)の炭化材料のメチレンブルー吸着能に対して、(c)の炭化材料のメチレンブルー吸着能が2倍高くなることが示された。
また、実施例5では、実施例1〜4で用いた植物性バイオマス(木質炭化物)と異なる植物性バイオマス(籾殻(穀物殻)炭化物)を用いているが、このようなバイオマスを使用しても、メチレンブルー吸着能が高くなることが示されており、このことから、本発明の炭化材料の製造方法では、各種植物性のバイオマスであれば、高いメチレンブルー吸着能を有する炭化材料を製造できる。
この実験結果から、実施例1〜4で用いた素材の植物性バイオマスと異なる素材の植物性バイオマスから炭化材料を製造しても、メチレンブルー吸着能が高くなることが証明された。しかも、水熱処理工程、酸化処理工程に加えて、炭化材料をHClで洗浄する洗浄処理工程、NaOHで洗浄する洗浄処理工程を用いてシリカを溶解分離することによって、メチレンブルー吸着能がより高くなることが証明された。
実施例6では、表6に示すように、本発明の製造方法により製造された炭化材料(b)〜(d)と、従来の製造方法により製造された炭化材料(a)の、高分子有機物(メチレンブルー(表6においてMBと記載する))の吸着能を比較した。
<使用した炭化材料>
(a)385℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物3kg。
(b)385℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)3kgを、開放容器内で30kgの0.3%過酸化水素に5時間浸して酸化処理し、酸化処理された木質炭化物を、100lの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40l、処理時間:1時間、水熱装置内の空気圧力0.1MPa、の条件下で、水熱処理した炭化材料。
(c)385℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)3kgを、開放容器内で30kgの3%過酸化水素に5時間浸して酸化処理し、酸化処理された木質炭化物を、100lの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40l、処理時間:1時間、水熱装置内の空気圧力0.8MPa、の条件下で、水熱処理した炭化材料。
(d)385℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)3kgを、開放容器内で30kgの30%過酸化水素に5時間浸して酸化処理し、酸化処理された木質炭化物を、100lの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40l、処理時間:1時間、水熱装置内の空気圧力1MPa、の条件下で、水熱処理した炭化材料。
(a)385℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物3kg。
(b)385℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)3kgを、開放容器内で30kgの0.3%過酸化水素に5時間浸して酸化処理し、酸化処理された木質炭化物を、100lの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40l、処理時間:1時間、水熱装置内の空気圧力0.1MPa、の条件下で、水熱処理した炭化材料。
(c)385℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)3kgを、開放容器内で30kgの3%過酸化水素に5時間浸して酸化処理し、酸化処理された木質炭化物を、100lの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40l、処理時間:1時間、水熱装置内の空気圧力0.8MPa、の条件下で、水熱処理した炭化材料。
(d)385℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)3kgを、開放容器内で30kgの30%過酸化水素に5時間浸して酸化処理し、酸化処理された木質炭化物を、100lの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40l、処理時間:1時間、水熱装置内の空気圧力1MPa、の条件下で、水熱処理した炭化材料。
前述の(a)〜(d)の各製造方法で製造された炭化材料のメチレンブルーの吸着能を、夫々実験により調査した結果、表6に示すように、(a)の炭化材料のメチレンブルー吸着能に対して、(b)〜(d)の炭化材料のメチレンブルー吸着能が高くなることが示された。
また、木質炭化物の量に対する過酸化水素の量の比率を高くした酸化処理工程を有する製造方法で製造された炭化材料のメチレンブルー吸着能が高くなることが示された。
この実験結果から、(b)〜(d)の製造方法で製造された炭化材料は、(a)の製造方法で製造された炭化材料と比較して、メチレンブルー吸着能が高いということが証明され、しかも、酸化処理工程での木質炭化物の量に対する過酸化水素の量の比率が高いほど、炭化材料のメチレンブルー吸着能が高い炭化材料となることが証明された。
実施例7では、実施例2の(b)の製造方法で製造された炭化材料(b1)と、(b)の炭化材料を洗浄処理した炭化材料(b2)の、各々の高分子有機物(メチレンブルー(表7においてMBと記載する))の吸着能を比較した。
<使用した炭化材料>
(b1):実施例2の(b)と同じもの。
(b2):(b1)の炭化材料をNaOHで洗浄処理した後に、水で洗浄処理した炭化材料。
(b1):実施例2の(b)と同じもの。
(b2):(b1)の炭化材料をNaOHで洗浄処理した後に、水で洗浄処理した炭化材料。
前述の(b1)、(b2)の各製造方法で製造された炭化材料のメチレンブルーの吸着能を、夫々実験により調査した結果、表7に示すように、(b1)の炭化材料のメチレンブルー吸着能に対して、(b2)の炭化材料のメチレンブルー吸着能が、およそ2倍高くなることが示された。
また、水熱処理工程、及び酸化処理工程に加えて、NaOHによる洗浄処理工程、及び水による洗浄処理工程を用いることで、炭化材料のメチレンブルー吸着能が大幅に高くなることが示された。
この実験結果から、水熱処理工程、及び酸化処理工程、NaOHによる洗浄処理工程、水による洗浄処理工程を用いた(b2)の製造方法で製造された炭化材料は、(b2)の製造方法で製造された炭化材料と比較して、メチレンブルー吸着能が高いということが証明された。
実施例8では、表8に示すように、実施例1の(d)の製造方法で製造された炭化材料(d1)と、(d1)の炭化材料を洗浄処理した炭化材料(d2)と、(d1)と異なる処理時間により製造された炭化材料を洗浄処理した炭化材料(d3)の、各々の高分子有機物(メチレンブルー(表8においてMBと記載する))の吸着能を比較した。
<使用した炭化材料>
(d1):実施例1の(d)と同じもの。
(d2):(d1)の炭化材料を、過酸化水素で洗浄処理した後に、アセトンで洗浄処理した炭化材料。
(d3):300℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)20gを、500mlの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40ml、酸化剤:30%過酸化水素0.04kg、処理時間:五時間、の条件下で、水熱処理、及び酸化処理した炭化材料を、過酸化水素で洗浄処理した後に、アセトンで洗浄処理した炭化材料。
(d1):実施例1の(d)と同じもの。
(d2):(d1)の炭化材料を、過酸化水素で洗浄処理した後に、アセトンで洗浄処理した炭化材料。
(d3):300℃の温度、且つ酸素欠乏条件で気相炭化させた木質炭化物(植物性バイオマス)20gを、500mlの水熱装置内で、熱処理温度(賦活処理温度):200℃、水:40ml、酸化剤:30%過酸化水素0.04kg、処理時間:五時間、の条件下で、水熱処理、及び酸化処理した炭化材料を、過酸化水素で洗浄処理した後に、アセトンで洗浄処理した炭化材料。
前述の(d1)〜(d3)の各製造方法で製造された炭化材料のメチレンブルーの吸着能を、夫々実験により調査した結果、表8に示すように、(d1)の炭化材料のメチレンブルー吸着能に対して、(d2)、(d3)の炭化材料のメチレンブルー吸着能が高くなることが示された。
また、水熱処理工程、及び酸化処理工程に加えて、過酸化水素による洗浄工程、及びアセトンによる洗浄工程を用いることで、炭化材料のメチレンブルー吸着能が大幅に高くなることが示された。
この実験結果から、水熱処理工程、及び酸化処理工程、過酸化水素による洗浄工程、及びアセトンによる洗浄工程を用いた(d2)、(d3)の製造方法で製造された炭化材料は、(d1)の製造方法で製造された炭化材料と比較して、メチレンブルー吸着能が高いということが証明された。
以上、実施例1〜実施例8で説明したとおり、植物性のバイオマスを、酸化処理、及び水熱処理すること、或いは、植物性のバイオマスを、酸化処理、及び水熱処理した後に、洗浄処理することによって、メチレンブルー吸着能が高い炭素材料を得ることができると共に、炭素材料の表面に水酸基、カルボキシル基の修飾が行い易い炭素材料を製造することができ、これによって、高い親水性、排水性、更には排気性を有し、高い水浄化機能、及び気体浄化機能を備えた炭化材料を提供することができる。
尚、本発明は、前述の各実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された範囲の構成による実施が可能である。
Claims (9)
- 植物性のバイオマスを原料として炭素材料を製造する製造方法であって、前記バイオマスを酸化処理する酸化処理工程と、前記バイオマスを水熱処理する水熱処理工程と、を有することを特徴とする炭素材料の製造方法。
- 植物性のバイオマスを原料として炭素材料を製造する製造方法であって、前記バイオマス1に対して酸化剤0.01〜10の比率で、前記バイオマスを酸化処理する酸化処理工程と、前記バイオマスを大気圧〜20MPa以下の圧力下で水熱処理する水熱処理工程と、を有することを特徴とする炭素材料の製造方法。
- 前記酸化処理工程、及び前記水熱処理工程が、同時に、又は順次個別に、或いは繰り返し行われることを特徴とする請求項1又は2記載の炭素材料の製造方法。
- 植物性のバイオマスを原料として炭素材料を製造する製造方法であって、前記バイオマス1に対して酸化剤0.01〜10の比率で、前記バイオマスを酸化処理する前処理工程と、酸化処理された前記バイオマスを、100℃〜350℃の温度、且つ大気圧〜20MPa以下の圧力とする条件下で水熱処理する水熱処理工程と、前記水熱処理で前記バイオマスを焼成することで得られた生成物を、前記生成物1に対して酸化剤0.01〜10の比率で酸化処理する後処理工程と、を有することを特徴とする炭素材料の製造方法。
- 植物性のバイオマスを原料として炭素材料を製造する製造方法であって、前記バイオマス1に対して酸化剤0.01〜10の比率で酸化処理した前記バイオマスを、100℃〜350℃の温度、且つ大気圧〜20MPa以下の圧力とする条件下で、前記バイオマス1に対して酸化剤0.01〜10の比率で酸化処理、及び水熱処理する工程を有することを特徴とする炭素材料の製造方法。
- 植物性のバイオマスを原料として炭素材料を製造する製造方法であって、前記バイオマス1に対して酸化剤0.01〜10の比率で、前記バイオマスを酸化処理する前処理工程と、酸化処理した前記バイオマスを、100℃〜350℃の温度の条件下で、前記バイオマス1に対して酸化剤0.01〜10の比率として水熱処理する水熱処理工程と、前記水熱処理で前記バイオマスを焼成することで得られた生成物を、前記生成物1に対して酸化剤0.01〜10の比率で酸化処理する後処理工程と、を有することを特徴とする炭素材料の製造方法。
- 植物性のバイオマスを原料として炭素材料を製造する製造方法であり、前記バイオマスを酸化処理する前処理工程と、酸化処理された前記バイオマスを水熱処理する水熱処理工程と、水熱処理された前記バイオマスを焼成することで得られた生成物を酸化処理する後処理工程とを有する炭素材料の製造方法であって、前記前処理工程での前記バイオマスの酸化処理が、前記バイオマス1に対して酸化剤0.01〜10の比率で行われることを特徴とすることを特徴とする炭素材料の製造方法。
- 請求項1乃至請求項7いずれか1項に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする炭素材料。
- 前記炭素材料の表面に、少なくとも、水酸基、及び/又は、カルボキシル基が修飾されていることを特徴とする請求項8記載の炭素材料。
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