本発明の固体撮像装置は、光電変換素子が表面に配された第1半導体基板と、光電変換素子の電荷に基づく信号を生成するための回路の少なくとも一部が表面に配された第2半導体基板と、を有している。そして、第1半導体基板の表面と第2半導体基板の表面とが対向するように配置されている。第1半導体基板と第2半導体基板との間には配線構造が配されている。固体撮像装置は、外部端子が接続されるパッドを有しており、パッドの第1面に外部端子が接続される。
第1の固体撮像装置では、パッドの第1面は第1半導体基板の表面を含み当該表面に平行な仮想平面と第2半導体基板の表面との間に位置し、第1面とは反対側の面である第2面は第1面と第2半導体基板の表面との間に位置している。パッドが、第2半導体基板に配された周辺回路に配線構造を介して接続するように、パッドの第2面が配線構造に接続されている。
第2の固体撮像装置では、周辺回路の一部が第1半導体基板に配されている。そして、パッドの第1面は、第1半導体基板の表面と、第2半導体基板の表面を含み当該表面に平行な仮想平面との間に位置し、第1面とは反対側の面である第2面は第1面と第1半導体基板の表面との間に位置している。パッドが、第1半導体基板に配された周辺回路の一部に配線構造を介して接続するように、パッドの第2面が配線構造に接続され、第1半導体基板に配された周辺回路の一部は、第2半導体基板に配された周辺回路の一部に配線構造を介して接続されている。
このような構成によれば、パッドと周辺回路との接続の信頼性が高い固体撮像装置が提供可能である。
また、本発明の固体撮像装置の製造方法は、第1部材と第2部材とを張り合せる工程を有する。第1部材は、光電変換素子が表面に配された第1半導体基板、及び第1半導体基板の表面の上に配された第1配線構造を有する。第2部材は、光電変換素子の電荷に基づく信号を生成するための周辺回路の少なくとも一部が表面に配された第2基板及び第2半導体基板の表面の上に配された第2配線構造を有する。張り合せる工程は、第1配線構造と第2配線構造とを接続するように行われる。張り合せる工程の後に、第1半導体基板を第1半導体基板の裏面側から薄くする工程を有する。張り合せる工程の前に、第1配線構造又は第2配線構造には、外部端子と接続されるパッドが接続されており、薄くする工程の後に、第1半導体基板側にパッドを露出させる工程を有する。
このような製造方法によって、パッドと周辺回路との接続の形成を容易にすることが可能となる。
以下、本発明について図面を用いて詳細に説明を行う。上述した第1の固体撮像装置に関しては、実施例1〜3を用いて説明し、第2の固体撮像装置に関しては実施例4を用いて説明する。なお、実施例の説明において、第1基板の主面及び第2基板の主面とは基板の表面である。各基板に対して、該主面(表面)の反対側の面が、第1基板の裏面及び第2基板の裏面である。また、各基板において上方向は裏面から主面(表面)に向かう方向とし、下方向及び深さ方向は基板の主面(表面)から裏面に向かう方向とする。固体撮像装置としては、図面の表示方向に合せて第1基板が第2基板の上に配置されているものとし、第2基板から第1基板に向かう方向を上、第1基板から第2基板に向かう方向を下とする場合もある。
(実施例1)
本発明の実施例1について、図1から図6を用いて説明する。
まず、図3を用いて実施例1の固体撮像装置の回路を説明する。本実施例では、信号電荷が、例えば電子の場合について説明を行う。図3の固体撮像装置は、複数の光電変換素子が配列した画素部301を有する。また、画素部301からの信号を読み出す読み出し回路や、画素部301及び読み出し回路の駆動のための制御回路や、読み出した信号を処理する信号処理回路を含む周辺回路を有する周辺回路部302を有する。
画素部301は、光電変換素子303と、転送トランジスタ304と、増幅トランジスタ306と、リセットトランジスタ307が複数配置されている。少なくとも1つの光電変換素子303を含む構成を画素とする。本実施例の1つの画素は、光電変換素子303と、転送トランジスタ304と、増幅トランジスタ306と、リセットトランジスタ307を含む。光電変換素子303のアノードは接地している。転送トランジスタ304のソースは光電変換素子303のカソードと接続しており、転送トランジスタ304のドレイン領域は増幅トランジスタ306のゲート電極と接続している。この増幅トランジスタ306のゲート電極と同一のノードをノード305とする。リセットトランジスタはノード305に接続し、ノード305の電位を任意の電位(例えば、リセット電位)に設定する。ここで、増幅トランジスタ306はソースフォロア回路の一部であり、ノード305の電位に応じた信号を信号線RLに出力する。ノード305はフローティングディフュージョンとも称される場合がある。転送トランジスタ304と、増幅トランジスタ306と、リセットトランジスタ307を含む回路が画素回路である。
周辺回路部302は、画素部301以外の領域を示している。周辺回路部302は、読み出し回路や制御回路を含む周辺回路が配置されている。周辺回路は、画素部301のトランジスタのゲート電極へ制御信号を供給するための制御回路である垂直走査回路VSRを有する。また、周辺回路は、画素部301から出力された信号を保持し、増幅や加算やAD変換などの信号処理を行う読み出し回路RCを有する。また、周辺回路は、読み出し回路RCから信号を順次出力するタイミングを制御する制御回路である水平走査回路HSRを有する。
ここで、実施例1の固体撮像装置は2つの部材が張り合わされることによって構成されている。2つの部材とは、第1の基板101を有する第1部材308と第2の基板121を有する第2部材309である。第1基板101には画素部301の光電変換素子303と、転送トランジスタ304とが配されており、第2基板121には画素部301の増幅トランジスタ306と、リセットトランジスタ307と、周辺回路部302とが配されている。第2部材309の周辺回路部302から第1部材308の転送トランジスタ304のゲート電極への制御信号は、接続部310を介して供給される。接続部310の構成については後述する。第1部材308の光電変換素子303にて生じた信号は、転送トランジスタ304のドレイン領域、即ちノード305に読み出される。ノード305は、第1部材308に配された構成と第2部材309に配された構成とを含む。
このような構成によって、従来の1つの部材(即ち1つの基板)に画素部を全て配置する場合に比べて、光電変換素子303の面積を大きくすることが可能となり感度の向上させることが可能となる。また、従来の1つの部材(即ち1つの基板)に画素部を全て配置する場合に比べて、光電変換素子の面積を同一とするならば、光電変換素子303を多く設けることが可能となり、多画素化が可能となる。なお、第1基板には少なくとも光電変換素子が配置されていればよく、第1基板に増幅トランジスタ306が配置されていてもよい。また、転送トランジスタを設けず、光電変換素子と増幅トランジスタのゲート電極とが接続する構成であってもよい。本発明は、第1基板に配置される素子は任意に選定可能であり、画素回路の構成も任意に選択可能である。
このような固体撮像装置の具体的な平面レイアウトを、図2の固体撮像装置の平面模式図を用いて説明する。図2(A)は第1部材308、即ち第1基板(101)における平面レイアウトを示し、図2(B)は第2部材309、即ち第2基板(121)の平面レイアウトを示している。
図2(A)において、第1部材308には、複数の光電変換素子が配列した画素部301Aと、パッド313が配されたパッド部312A、とが配されている。画素部301Aには、図3における光電変換素子303と転送トランジスタ304と接続部310、311とが複数配されている。また、パッド部312Aには、パッド313と平面的に同一位置に第2部材309との接続のための接続部314Aが配されている。パッド313には外部端子が接続される。外部端子の一例としては、ワイヤボンディング法によってパッド313に接続されるボンディングワイヤが挙げられる。パッド313は固体撮像装置に複数配置されており、光電変換素子で生じた電荷に基づく信号(画像信号)を出力するパッド(出力パッド)や、外部から供給される周辺回路を駆動するための電圧などが入力されるパッド(入力パッド)が含まれる。
次に、図2(B)において、第2部材309には、画素部301Bと周辺回路部302とパッド部312Bとが配されている。画素部301Bには画素回路の一部が配されており、図3における増幅トランジスタ306とリセットトランジスタ307と接続部310と接続部311とが複数配置されている。周辺回路部302には周辺回路の一部が配されており、水平走査回路HSR、垂直走査回路VSR、読み出し回路RCとが配されている。パッド部312Bは、保護ダイオード回路315を有している。パッド部312Bには、保護ダイオード回路315と平面的に同一位置に第1部材308との接続のための接続部314Bが配されている。保護ダイオード回路315と接続部314Bとは平面的に同一位置に配置されていなくてもよい。保護ダイオード回路315は周辺回路と接続されている。具体的には、保護ダイオード回路315は、図2(B)に示す様に複数個設けられており、各パッド313に接続された保護ダイオード回路315は、それぞれ垂直走査回路VSR、水平走査回路HSE、あるいは読み出し回路RCに接続されている。以上のように、第2基板121には、画素部301に配された画素回路と、周辺回路部302に配された周辺回路と、パッド部312Bに配された保護ダイオード回路とが設けられている。これらの回路は半導体集積回路であり、トランジスタやダイオード、抵抗素子や容量素子等を含む多数の半導体素子で構成されている。半導体素子で構成される集積回路を動作させることにより、光電変換素子303の電荷(信号電荷)に基づく信号が生成される。
そして、図2(A)及び図2(B)に示した平面レイアウトを有する第1部材308と第2部材309とが張り合わされて本実施例の固体撮像装置を構成している。具体的には、画素部301Aと画素部301Bとが重なるように配置される。そして、接続部314Aと接続部314Bとが接続し、第1部材の接続部310、接続部311と第2部材の接続部310、接続部311とが接続する。なお、図2では、第2部材309の周辺回路部302Bに対応する第1部材308の領域を周辺回路部302Aで示している。周辺回路部302Aには走査回路の一部、即ち周辺回路の一部を配置してもよい。
次に、図2及び図3に示した固体撮像装置の断面模式図を、図1を用いて説明する。図1では図2、図3と同一の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
第1部材308は、第1配線構造149と第1基板101とを有する。第1基板101は例えばシリコン半導体基板であり、主面102と裏面103とを有する。第1基板の主面102にはトランジスタが配置されている。第1配線構造149は、層間絶縁膜104〜106と、ゲート電極や配線を含むゲート電極層107と、複数の配線を含む配線層109、111と、複数のコンタクトあるいはビアを含むコンタクト層108、110とを有する。ここで第1配線構造149に含まれる層間絶縁膜、配線層及びコンタクト層の層数は任意に設定可能である。本実施例では、配線層の層数は2である。なお、第1配線構造149の配線層111は、接続部を含む。
第1部材308の画素部301において、第1基板101には、光電変換素子を構成するn型半導体領域112と、転送トランジスタのドレインであるn型半導体領域114と、素子分離構造119とが配されている。転送トランジスタはn型半導体領域112とn型半導体領域114と、ゲート電極層107に含まれるゲート電極113とで構成される。ここで、n型半導体領域112で蓄積された電荷は、ゲート電極113によって、n型半導体領域114に転送される。n型半導体領域114に転送された電荷に基づく電位はコンタクト層108のコンタクト、配線層109の配線、コンタクト層110のビア、配線層111の配線を介して、第2部材309へと伝達される。この配線層111の配線は、接続部311を構成する。なお、光電変換素子は更にp型半導体領域を有する埋込みフォトダイオードであってもよく、フォトゲートであってもよく、適宜変更可能である。
画素部301の第1基板101の裏面103側には、平坦化層115、複数のカラーフィルタを含むカラーフィルタ層116、平坦化層117、複数のマイクロレンズを含むマイクロレンズ層118がこの順に配置されている。図1において、複数のカラーフィルタ及び複数のマイクロレンズはそれぞれが1つの光電変換素子に対応して、すなわち画素毎に配置されているが、複数画素に対して1つずつ設けられていてもよい。本実施例の固体撮像装置は、このマイクロレンズ層118側から光が入射し光電変換素子が受光する、所謂、裏面照射型の固体撮像装置である。
第1部材308のパッド部312には、パッド313と、外部端子と接続させるためのパッド313を露出する開口100とが配されている。本実施例では、入力パッドとしてパッド313を例に挙げ説明する。パッド313は導電膜であり、第1面3131と、第1面の反対側の面である第2面3132を有している。パッド313の第1面3131は第1基板101側に露出しており、この第1面3131に外部端子が接続される。また、パッド313から入力された電圧を第2部材309に伝達する接続部314Aが配置されている。接続部314Aは、パッド313と平面的に同一位置に配されている。なお、第1部材308において、第2部材309の周辺回路部302に対応する領域には、図1に示したように任意の回路素子120を設けている。
第2部材309は、第2配線構造150と第2基板121とを有する。第2基板121は例えばシリコン半導体基板であり、主面122と裏面123とを有する。第2基板の主面122にはトランジスタが配置される。第2配線構造150は、層間絶縁膜124〜127と、ゲート電極や配線を含むゲート電極層128と、複数の配線を含む配線層130、132、134と、複数のコンタクトあるいはビアを含むコンタクト層129、131、133とを有する。ここで第2配線構造150に含まれる層間絶縁膜、配線層及びコンタクト層の層数は任意に設定可能である。本実施例では、第2配線構造150の配線層の層数は3であり、第1配線構造149よりも配線層が多い。なお、配線層134は、接続部を含む。
第2部材309の画素部301において、第2基板121には、画素回路の増幅トランジスタを構成するウエル135と、増幅トランジスタのソース・ドレイン領域を構成するn型半導体領域138と、素子分離構造136とが配されている。増幅トランジスタは、ウエル135に配され、ゲート電極層128に含まれるゲート電極137と、ソース・ドレイン領域を構成するn型半導体領域138とで構成される。ここで、第1部材308の接続部311と増幅トランジスタのゲート電極137とは、配線層134の配線、コンタクト層133のビア、配線層132の配線、コンタクト層131のビア、配線層130の配線、コンタクト層129のコンタクトとを介して接続される。ここで、図3のノード305は、図1のn型半導体領域114と、配線層109、111、134、132、130の配線と、コンタクト層108、110、133、131、129のコンタクトあるいはビアと、ゲート電極137と、から構成される。画素部301の他の回路(例えば、リセットトランジスタ)は不図示である。
次に、第2部材309の周辺回路部302には、水平走査回路や垂直走査回路等の制御回路や読み出し回路を含む周辺回路の少なくとも一部が配置されている。図1では、周辺回路に含まれる任意の回路におけるn型のトランジスタとp型のトランジスタを示している。ゲート電極層128に含まれるゲート電極140と、n型のソース・ドレイン領域141とからなるn型トランジスタがp型のウエル139に配置されている。そして、ゲート電極層128に含まれるゲート電極143と、p型のソース・ドレイン領域を構成するp型半導体領域144と、を有するp型トランジスタがn型のウエル142に配置されている。
そして、第2部材309のパッド部312には、第1部材308のパッド313からの信号を入力するための保護ダイオード回路315と、第1部材308と接続するための接続部314Bとが配置されている。接続部314Bは、保護ダイオード回路315と平面的に同一位置に配されている。本実施例の保護ダイオード回路315には、半導体領域から構成される2つのダイオード145、146と、ゲート電極層128からなる2つの抵抗147、148とが含まれている。
抵抗147は保護ダイオード回路315の入力であり、抵抗148は保護ダイオードの出力である。保護ダイオード回路315は以下のような構成をしている。パッド313と抵抗147の一端が接続しており、抵抗147の他端がダイオード145のアノード、ダイオード146のカソード、及び抵抗148の一端と、配線層130を介して接続している。そして、抵抗148の他端が後段の周辺回路部302(例えば垂直走査回路VSRや水平走査回路HSR)の回路素子320と接続する構成となっている。つまり、配線層130に代表されるノードにおいて、抵抗147の他端、ダイオード145のアノード、ダイオード146のカソード、及び抵抗148の一端が接続している。ダイオード145のカソードは不図示の配線によって所定の電圧VDDに接続され、ダイオード146のアノードは不図示の配線によって所定の電圧と異なる電圧VSSに接続される。ここで、電圧の関係はVDD>入力電圧>VSSである。また、VSSはVDDよりも低い電圧であればよく、基準電圧GNDであってもよい。このような保護ダイオード回路を設けることで、例えばパッド313に、VDDとダイオード145における順方向の電圧降下の和よりも大きな電圧が入力された場合には、ダイオード145に順方向バイアスがかかり、ノードからVDDへ電流が流れる。そのため後段の回路へは、VDDとダイオード145における順方向の電圧降下の和よりも大きな電圧が印加されることを防ぐことが可能となる。また、パッドにVSSとダイオード146における順方向の電圧の差よりも小さな電圧が入力された場合には、ダイオード146に順方向バイアスがかかり、VSSからノードへ電流が流れる。そのため後段の回路へは、VSSと第2ダイオード146における順方向の電圧の差よりも小さな電圧が印加されることを防ぐことが可能となる。なお、抵抗147、148は入力された電圧を電圧降下させ、後段へ印加される電圧の絶対値を小さくさせる効果がある。
本実施例で示した保護ダイオード回路315は一例であり、本実施例に限定されることなく、一般に使用される構成の保護ダイオード回路が適用可能である。例えば、上記保護ダイオード回路315は入力電圧がVDD>入力電圧>VSSである場合に有効であるが、VDD<入力電圧や入力電圧<VSSに対応した保護ダイオード回路を必要に応じて設けてもよい。この場合、保護ダイオード回路に用いられるダイオードは1つのみであってもよい。ここでは、入力パッドを例に挙げたが、出力パッドにも同様に、保護ダイオード回路315を接続することができる。その場合には、抵抗148を保護ダイオード回路315の入力として、抵抗147を保護ダイオード回路315の出力として用い、抵抗148の他端を前段の周辺回路部302(例えば読み出し回路RC)の回路素子320と接続する構成とすることができる。また、保護ダイオード回路を画素回路とパッドと間の電気経路に配してもよい。出力パッドに接続した保護ダイオード回路315は、固体撮像装置内部で異常信号が生じた場合に、この異常信号が装置外部のへ出力されることも抑制できるであろう。保護ダイオード回路315のような保護回路は、パッド313からの外来ノイズの混入を低減することが可能となる。また、誤入力やサージ電圧に対して、後段の回路を保護することが可能となる。外来ノイズの原因としては、上述したように、誤入力、電圧サージ等が挙げられる。特に静電気放電(ESD:Electro−Static Discharge)によって生じる電圧サージから周辺回路を保護する上では、保護ダイオード回路315を第2基板121に配することは非常に有意義である。静電気放電による電圧サージは、入力パッドと出力パッドの区別なく混入する可能性が高いことから、保護ダイオード回路は入力パッドと出力パッドの双方にそれぞれ対応して配置されことが望ましい。なお、外来ノイズの混入を低減するために配される保護回路の例として、保護ダイオード回路を例にあげたが、ダイオードを用いた保護回路に限定されることなく、トランジスタを用いた保護回路でも同様の効果を得ることができる。なお、保護ダイオード回路315を省略して、入力パッドを周辺回路や画素回路に接続したり、出力パッドを周辺回路に接続したりしてもよい。しかしながら、電気的信頼性を向上する点では、入力パッド及び/又は出力パッドと周辺回路部302との間には保護回路を設けることが望ましい。また、保護回路を画素回路とパッドと間の電気経路の途中に配してもよい。
そして、本実施例の固体撮像装置においては、第1基板101の主面102と第2基板121の主面122とが、第1配線構造149及び第2配線構造150を介して向かい合う向きに配置されている(対向配置)。つまり、第1基板101、第1配線構造149、第2配線構造150、第2基板121の順に配置されている。第1配線構造149の上面と、第2配線構造150の上面とが、接合面Xにおいて張り合わされている。つまり、第1部材308と第2部材309とが接合面Xにて接合されている。接合面Xは、第1配線構造149の上面と第2配線構造150の上面とで構成される。その結果、第1配線構造149と第2配線構造150とが一体となって、第1基板101と第2基板121の間の配線構造151を成している。配線構造151は、配線層109、111、130、132、134の5つの配線層を有することになる。なお、第1配線構造149と第2配線構造150の張り合わせには、間にマイクロボンディングなどの接続部材を利用してもよく、また金属接合を利用してもよい。かかる接合は、接続部311および接続部314で達成される。
そして、外部と信号のやりとりを行うための固体撮像装置のパッド313が第2部材309の主面122である第2基板121の表面の上部に配置され、第1部材308側に開口100が設けられている。
つまりパッド313の第1面3131及び第2面3132はともに、主面122よりも第1基板101側に位置している。ここで、第1基板101の主面102を拡張して仮想平面1020を考える。仮想平面1020は、主面102を仮想的に延長した面であり、主面102に平行で主面102を含んでいる。そのため、図1において仮想平面1020は開口100を横切る。パッド313は第2基板121の主面122と仮想平面1020との間に位置している。詳細には、パッド313の第1面3131は仮想平面1020と第2面3132との間に位置しており、パッド313の第2面3132は第1面3131と第2基板121の主面との間に位置している。本実施例では、パッド313は5つの配線層のうち、仮想平面1020側から数えて1番目の配線層109と同じ層に配されている。
このように、パッド313が第2基板121の主面122と仮想平面1020との間に位置している構成によって、パッド313と第2基板121との距離を、第1基板101と第2基板121との距離未満にすることができる。その結果、パッド313と周辺回路との間の電気経路を短くすることができる。その結果、入力及び/又は出力における信号の遅延や損失を低減することができる。第1基板101と第2基板121との距離(間隔)は、現実的には1μm以上10μm以下の範囲である。パッド313と第2基板121との距離が5μm以下であれば、電気経路は十分に短いといえる。第1基板101と第2基板121との距離(間隔)は1.5μ〜3.0μmが好適であり、その場合には、パッド313から保護ダイオード回路315までの電気経路を数μm以下、さらにはサブミクロンオーダーとすることができる。
また、第2部材309には開口を設ける必要がないため、第2部材309の周辺回路部への水分の浸入を低減することが可能となる。本実施例では、第1部材308のパッド部312Aの近傍に配置される素子の数は、第2部材309のパッド部312Bの近傍に配置される素子の数より少なくすることが容易である。そして、第1部材308のパッド部に近接して配置される素子は、第2部材309のパッド部に近接して配置される素子よりも距離を離すことが可能となる。よって、パッドのための開口100からの水分が素子へ与える影響をより低減することが可能である。また、外部端子が第1部材308の裏面側に配置されることにより、パッド313への接続が容易となり、接続不良が低減される。
パッド部312においては、パッド313は、第1配線構造149のコンタクト層110と配線層111(接続部314A)を介し、さらに、第2配線構造150の配線層134(接続部314B)とコンタクト層133、配線層132、コンタクト層131、配線層130、コンタクト層129、ゲート電極層128を介して、保護ダイオード回路315に接続される。このようにして、パッド313の第2面3132は配線構造151に接続されている。このような構成によって、パッド313が第2基板121の主面122と仮想平面1020との間に位置し、パッド313の第2面3132から電気経路が形成されることで、パッド313と保護ダイオード回路315との間の電気経路を短くすることができる。その結果、パッド313と周辺回路との間の電気経路も短くすることができる。
上述したように、パッド部312Bには、保護ダイオード回路315と平面的に同一位置に第1部材との接続のための接続部314Bが配されている。さらに、パッド部312Aには、パッド313と平面的に同一位置に第2部材309との接続のための接続部314Aが配されている。接続部314Aと接続部314Bが接続されることにより、保護ダイオード回路315とパッド313も平面的に同一位置に配されることから、保護ダイオード回路315とパッド313は互いに重なる。そのため、保護ダイオード回路315とパッド313を最短の電気経路で接続することが可能になる。
なお、保護ダイオード回路315を省略する場合には、パッド313と重なる位置に周辺回路部302や回路素子320を配置して、パッド313とこれらを配線構造151を介して接続すると良い。
また、本実施例では、パッド313はコンタクト層133の複数のビアと接続されている。このように、配線構造151と外力の加わりやすいパッド313との接続が複数の箇所でなされることにより、配線構造151に加わる力が分散されるので、第2基板10や配線構造151への衝撃が緩和される。また、仮にいずれかのビアとの接続が損なわれても、パッド313と配線構造151との接続が維持される可能性が高くなるため信頼性が向上する。
次に、本実施例の固体撮像装置の製造方法を、図4〜6を用いて説明する。図4は第1部材308の製造工程を示す断面模式図であり、図5は第2部材309の製造工程を示す断面模式図であり、図6は第1部材308と第2部材309とを接合した後の製造工程を示す断面模式図である。
図1の第1部材308の製造工程を、図4を用いて説明する。図4においては、後に図1の第1部材308になる構成を308’とし、図1の画素部301、周辺回路部302、パッド部312、周辺回路の一部である回路素子120になる部分を304’、302’、312’、120’としている。
まず、半導体基板を準備し、半導体基板に素子を形成する。主面402と裏面403を有する厚みD3の半導体基板401を用意する。半導体基板401は例えばシリコン半導体基板である。半導体基板401に、素子分離構造119を形成する。素子分離構造119は、シリコン酸化膜などの絶縁体を含み、例えばLOCOSやSTI構造を有する。そして、半導体基板401に任意の導電型のウエル(不図示)を形成する。その後、光電変換素子やトランジスタを構成するn型半導体領域112、114、及びp型半導体領域(不図示)を形成する。また、転送トランジスタのゲート電極113を含むゲート電極を含むゲート電極層107を形成する。ゲート電極層は例えば、ポリシリコン層の堆積及びパターニングによって形成され、ゲート電極のみではなく配線をも含みうる。ここで、ゲート電極、素子分離及び半導体領域の形成方法については、一般的な半導体プロセスで形成可能であり、詳細な説明は省略する。以上によって、図4(A)の構成が得られる。
次に、半導体基板401の主面402上に配線構造を形成する。配線構造は、層間絶縁膜104’、105、106と、コンタクト層108、110と、配線層109、111と、を有する。ここで、層間絶縁膜104’は、後に図1の層間絶縁膜104となる。層間絶縁膜104’はゲート電極層107を覆い、コンタクト層108は層間絶縁膜104’に配され、配線層109及びパッド313は層間絶縁膜104’上に配されている。また、層間絶縁膜105は配線層109を覆い、コンタクト層110は層間絶縁膜105に配され、配線層111は層間絶縁膜105上に配され、層間絶縁膜106は層間絶縁膜105上に配され且つ配線層111の配線が露出するような開口を有する。配線構造の上面は、層間絶縁膜106の上面及び配線層111の上面により形成される。
ここで、層間絶縁膜はシリコン酸化膜である。しかし、層間絶縁膜は、シリコン窒化膜、あるいは有機樹脂等で形成されてもよい。配線層はアルミニウムを主成分とする配線や銅を主成分とする配線からなる。コンタクトは例えばタングステンで形成され、ビアはタングステン、あるいは銅を主成分とする配線と一体に形成されうる。ここで、配線層111は接続部314A及び311Aを含み、銅を主成分とする配線から構成される。また、配線層109は、アルミニウムを主成分とする配線から構成される。パッド313は配線層109と同じ層に配されており、アルミニウムを主成分とする。これら配線層、コンタクト層、層間絶縁膜、パッド313の製造方法については、一般的な半導体プロセスで形成可能であり、詳細な説明は省略する。以上によって、図4(B)の構成が得られる。図4(B)において、符号104’、105、106、108〜111は後に図1における第1配線構造149となる。また、接続部311Aは後に接続部311を構成する。
次に、図1の第2部材309の製造工程を、図5を用いて説明する。図5においては、後に図1の第2部材309となる構成を309’とし、図1の画素部301、周辺回路部302、パッド部312、保護ダイオード回路315になる部分を304’、302’、312’、315’としている。
まず、半導体基板を準備し、半導体基板に素子を形成する。主面405と裏面406を有する厚みD4の半導体基板404を用意する。そして、半導体基板404にLOCOSやSTI構造を用いて素子分離構造136を形成する。また、半導体基板404にp型のウエル135、139やn型のウエル142を形成する。その後、トランジスタを構成するソース・ドレイン領域となりうるn型半導体領域138、141、及びp型半導体領域144や、ダイオードを構成する半導体領域を形成する。そして、トランジスタのゲート電極137、140、143及び配線(抵抗)を含むゲート電極層128をポリシリコン層の堆積及びパターニングによって形成する。ここで、ゲート電極、素子分離及び半導体領域の形成方法については、一般的な半導体プロセスで形成可能であり、詳細な説明は省略する。以上によって、図5(A)の構成が得られる。
次に、半導体基板404の主面405上に配線構造を形成する。配線構造は、層間絶縁膜124〜127と、コンタクト層129、131、133と、配線層130、132、134とを有する。層間絶縁膜124はゲート電極層128を覆い、コンタクト層129は層間絶縁膜124に配され、配線層130は層間絶縁膜124上に配されている。また、層間絶縁膜125は配線層130を覆い、コンタクト層131は層間絶縁膜125に配され、配線層132は層間絶縁膜125上に配され、層間絶縁膜126は配線層132を覆い層間絶縁膜125上に配される。そして、コンタクト層133は層間絶縁膜126に配され、配線層134は層間絶縁膜126上に配され、層間絶縁膜127は層間絶縁膜126上に配され、且つ配線層134の配線を露出する開口を有する。配線構造の上面は、層間絶縁膜127の上面及び配線層134の上面により形成される。
ここで、層間絶縁膜はシリコン酸化膜である。シリコン窒化膜、あるいは有機樹脂等で形成されていてもよい。配線層はアルミニウムを主成分とする配線や銅を主成分とする配線からなる。ここで、配線層134は接続部314B及び311Bを含み、銅を主成分とする配線から構成される。これら配線層、コンタクト層、層間絶縁膜の製造方法については、一般的な半導体プロセスで形成可能であり、詳細な説明は省略する。以上によって、図5(B)の構成が得られる。図5(B)において、符号124〜127、129〜134等は後に図1における第1配線構造150となる。また、接続部311Bは後に接続部311を構成する。
このような図4(B)及び図5(B)に示した第1部材308’と第2部材309’とを、互いの半導体基板の主面402及び主面405とが向かい合うように張り合わせる。つまり、第1部材308’の配線構造の最上面と第2部材309’の配線構造の最上面とが接合される。ここで、接続部311A、311B及び接続部314A及び314Bは銅を主成分とする配線から構成されているため、張り合わせの際は銅の金属接合によって行うことが可能である。
第1部材308’と第2部材309’とが接合された後に、第1部材308’の半導体基板401の裏面403側から半導体基板401を薄くして、半導体基板401を薄膜化する。薄膜化は、CMP(化学的機械研磨)やエッチングによって行うことが可能である。そして、半導体基板401は半導体基板407となり、厚みがD3からD1(D1<D3)となる(図6(A))。このように半導体基板401を薄膜化し半導体基板407とすることで、後に入射光が光電変換素子に効率良く入射することを可能にする。また、この時、半導体基板407の厚みD1<半導体基板404の厚みD4となる。
次に、半導体基板407の裏面408に、樹脂からなる平坦化層409、カラーフィルタ層410、樹脂からなる平坦化層411、マイクロレンズ層412をこの順に形成する。これら平坦化層、カラーフィルタ層、マイクロレンズ層の製造方法については、一般的な半導体プロセスで形成可能であり、詳細な説明は省略する。ここでマイクロレンズ層はパッド部となる312’の領域まで形成されていてもよい。以上の工程によって、図6(B)の構成が得られる。
そして、パッド313を露出するための開口100を形成する。ここでは、フォトリソグラフィ技術を用いてマイクロレンズ層412の上に任意の開口を有するフォトレジストマスクを設ける。そして、ドライエッチング技術を用いて、マイクロレンズ層412、平坦化層411、カラーフィルタ層410、平坦化層409、半導体基板407及び層間絶縁膜104’を除去し、開口100を形成して、この開口100からパッド313を露出させる。
そして、マイクロレンズ層118、平坦化層117、115、カラーフィルタ層116、第1基板101及び層間絶縁膜104が形成される。以上のようにして、図1の構成となる。なお、図6(B)の半導体基板404、主面405、裏面406、厚さD4は、図1の第2基板121、主面122、裏面123、厚さD2と対応している。
ここで、厚さD4とD2とは変化がないが、半導体基板404の薄膜化を行い厚さD2<D4となるようにしてもよい。薄膜化によって、工程が増えるが固体撮像装置としての小型化が可能となる。
以上のように、パッドを露出させるためのエッチングを薄膜化された半導体基板407の裏面408側から行うことで、パッド形成のエッチングに要する時間を短縮することが可能となる。また、パッド313は配線層109の配線と同一工程で形成可能であり、工数が削減可能である。そして、パッド313は本実施例のように外部端子との接続抵抗を低減するためにアルミニウムを主成分とする金属からなることが好ましい。なお、エッチングの際には、パッド313がエッチングストッパとしても機能することが可能である。
本発明は本実施例の製造方法において説明した工程に限定されるものではなく、工程順が変更されていてもよい。また、第1部材308と第2部材309の製造順番については適宜設定可能である。更には、第1部材308と第2部材309とを購入し、張り合わせて形成することも可能である。なお、半導体基板401、402にはSOI基板を適用することも可能である。
(実施例2)
本発明の実施例2について、図7を用いて説明する。図7(A)及び図7(B)は固体撮像装置の断面模式図であり、それぞれ図1に対応する図面である。図7において図1と同様の要素については同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施例において、実施例1と異なる構成は、図7(A)における開口700及びパッド701と、図7(B)における開口702及びパッド701である。本実施例では、実施例1よりも深い開口700及び開口702を有し、実施例1よりも第2部材309の主面122に近接したパッド701を有する。このようにパッドは第2部材309の主面122よりも第1部材308側であって、仮想平面1020と主面122との間に配されていればどのような位置に配置されていてもよい。しかし、本実施形態のようにこのようにパッドが第2部材309に近接して配置されることで、実施例1に比べてパッド701から保護ダイオード回路315までの接続抵抗を低減することが可能となる。本実施例では、配線構造151の配線層は実施例1と同様に5層であるが、パッド701は5つの配線層のうち、仮想平面1020側から数えて3番目の配線層134と同じ層に配されている。このように、仮想平面1020側の配線層(配線層109、111)よりも仮想平面1020から離れた配線層(配線層134、132、130)にパッド701を配することが好ましい。すなわち、配線層数Nが奇数の場合には、仮想平面1020側から数えて(N+1)/2〜N番目の配線層と同じ層にパッド701を配することが好ましい。配線層数Nが偶数の場合には、仮想平面1020側から数えて1+(N/2)〜N番目の配線層と同じ層にパッド313を配することが好ましい。また、図7(B)においては、実施例1の開口100、図7(A)の開口700とは開口702の形状が異なる。図7(B)に示すように第1部材308のパッド部より外側に位置する不要な層間絶縁膜や半導体基板は除去してしまってもよい。また、予め作製する第1部材308を第2部材309よりも小さくしておいたり、第1部材308と第2部材309の端面をずらしておいたりすることで、開口702を設けるために第1部材308エッチングする工程の一部または全部を省略することもできる。開口702は装置端部に向かって開口しているが、パッド部への水分等の侵入を抑制する上では、図7(A)のように、開口700が第1基板101で囲まれた空間となるように、第1基板101に貫通穴を設けることが好ましい。
なお、パッド701は第2部材309の配線層134と同一の層に配されている。ここで、同一の層とは、同一工程で形成される、あるいは主面からの高さが同一である場合である。パッド701は配線層134と同じ層に含まれ、同一工程で形成される。そのため、配線層134はアルミニウムを主成分とする配線であることが好ましい。本実施例においては、実施例1と同様に銅を主成分とする配線としたが、パッド701と同じ層であることから配線層134はアルミニウムを主成分とする配線である方がより好ましい。この場合には接続部311はマイクロバンプ等で接合されていてもよい。
(第3の実施例)
本発明の実施例3について、図8を用いて説明する。図8(C)は本実施例の固体撮像装置の断面模式図であり図1に対応する図面である。また、図8(A)及び図8(B)は本実施例の固体撮像装置の製造方法を説明するための断面模式図であり、図6に対応する図面である。図8において図1及び図6と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施例において実施例1と異なる構成は、図8(C)における開口811、保護膜806の構成である。本実施例の保護膜806は開口811を有する第1基板101の側壁(側面)を覆っている。さらに保護膜806は側壁から延在して、パッド313の第1面3131の周縁を覆っている。このような保護膜806を有することで、開口811から装置内部への水分の浸入を低減することが可能となる。また、パッド313との接続をとるための外部端子が第1基板101などの導電体に接触するとリークが生じてしまう。保護膜806は外部端子が導電体と接触することを防ぎ、リークの発生を抑制する。更に、本実施例の保護膜806は画素部301の光電変換部の入射面(即ち第1基板101の裏面103)上にも配置されており、反射防止膜としても機能可能である。なお、保護膜806を有することによって、開口の構成が実施例1とは異なる構成になっている。また、平坦化層807、カラーフィルタ層808、平坦化層809、マイクロレンズ層810の構成も実施例1とは異なる構成に変化しうる。
本実施例の製造方法について、図8(A)及び図8(B)を用いて説明する。実施例1の図6(A)までは同様の方法であるので、説明を省略する。図6(A)の半導体基板407に開口800をフォトリソグラフィ及びエッチング技術によって形成し、第1基板101を形成する。開口800はパッド313が露出するように形成される。その後、保護膜となりうるシリコン窒化膜801をプラズマCVD法などの手法によって、開口800の側面を覆い、第1基板101の裏面103を覆うように形成し、図8(A)の構成を得る。
その後、シリコン窒化膜801を覆うように、平坦化層802、カラーフィルタ層803、平坦化層804、マイクロレンズ層805をこの順に形成する。各材料及び製造方法は実施例1と同様である。そして、開口811を形成する。開口811は、シリコン窒化膜801、平坦化層802、カラーフィルタ層803、平坦化層804、マイクロレンズ層805を貫通し、保護膜806がパッド313の第1面3131の周縁のみを覆うようにパッド313の第1面3131の一部を露出させる。ここで、シリコン窒化膜801、平坦化層802、カラーフィルタ層803、平坦化層804、マイクロレンズ層805は、それぞれ保護膜806、平坦化層807、カラーフィルタ層808、平坦化層809、マイクロレンズ層810となる。そして、図8(C)に示す固体撮像装置が製造される。
(第4の実施例)
本発明の実施例3について、図9を用いて説明する。図9は本実施例の固体撮像装置の断面模式図であり図1に対応する図面である。図9において図1及び図6と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施例において実施例1とは、開口900が第1基板101ではなく第2基板121に設けられている点と、保護ダイオード回路315が第2基板121でなく第1基板101に配されている点が異なる。以下、これらの点について説明する。
外部と信号のやりとりを行うための固体撮像装置のパッド313が第1部材308の主面102である第1基板101の表面の下部に配置され、第2部材309側に開口900が設けられている。パッド313は第1面3131と、第1面3131の反対側の面である第2面3132を有している。パッド313の第1面3131は第2基板121側に露出しており、この第1面3131に外部端子が接続される。つまりパッド313の第1面3131及び第2面3132はともに、主面102よりも第2基板121側に位置している。ここで、第2基板121の主面122を拡張して仮想平面1220を考える。仮想平面1220は、主面122を仮想的に延長した面であり、主面122に平行で主面122を含んでいる。そのため、図9において仮想平面1220は開口900を横切る。パッド313は第1基板101の主面122と仮想平面1220との間に位置している。詳細には、パッド313の第1面3131は仮想平面1220と第2面3132との間に位置しており、パッド313の第2面3132は第1面3131と第1基板101の主面102との間に位置している。本実施例では、パッド313は5つの配線層のうち、仮想平面1220側から数えて1番目の配線層130と同じ層に配されている。配線層130は、アルミニウムを主成分とする配線から構成され、パッド313もアルミニウムを主成分とする。なお、配線層111は接続部314A及び接続部311を、配線層134は接続部314Bおよび接続部311をそれぞれ含み、各々は銅を主成分とする配線から構成される。
実施例2と同様に、仮想平面1220側の配線層(配線層130、132)よりも仮想平面1220から離れた配線層(配線層134、111、109)にパッド313を配することで、接続抵抗を小さくすることも可能である。しかしながら、本実施例でも、第1基板101の厚みD1<第2基板121の厚みD2となっている。パッド313の第1面3131と第1基板101の裏面103との距離が極端に小さくなるとパッド部312の機械的強度が低下する。そのため、仮想平面1220側の配線層(配線層130、132)と同じ層にパッド313を配して、パッド313の第1面3131と第1基板101の裏面103との距離を十分に確保することが好ましい。
保護ダイオード回路315は第1部材308のパッド部312に配されている。また、周辺回路部302には周辺回路の或る一部を成す回路素子320が第1基板101に配されており、回路素子320は配線構造151を介して第2基板121に配された、周辺回路の別の一部に接続されている。両基板に配された周辺回路を接続する配線層は接続部を含む配線層111と配線層134を、少なくとも含む。パッド部312においては、パッド313は、第2配線構造150のコンタクト層131と配線層132、コンタクト層133配線層134(接続部314B)を介し、さらに、第1配線構造149の配線層111(接続部314A)とコンタクト層110、配線層109、コンタクト層108、ゲート電極層107を介して、保護ダイオード回路315に接続されている。パッド313の第2面3132は、コンタクト層131と複数の箇所で接続されている。このように、半導体集積回路の一部である保護ダイオード回路315が第1基板101に設けられている場合には、パッド313が主面102と仮想平面1220との間に位置して第2面3132から電気経路を設ける構成を採用することができる。この構成によって、パッド313と保護ダイオード回路315、さらにはパッド313と周辺回路との間の電気経路を短くすることができる。本実施例においても、パッド313と第1基板101との距離は5μm以下とすることが好ましい。
なお、本実施例においては、保護ダイオード回路315から周辺回路の一部である回路素子320に接続され、回路素子320が、配線構造151と、を介して第2基板121に配された周辺回路の別の一部に接続されている。しかし、保護ダイオード回路315と接続さるのは周辺回路の回路素子320に限らない。例えば、保護ダイオード回路315を第1基板101に配された画素回路(例えば転送トランジスタ)へ接続して、当該画素回路と第2基板121に配された周辺回路とを配線構造151を介して接続してもよい。また、保護ダイオード回路315を、第1基板101に配された周辺回路を経由せずに、第2基板121に配された周辺回路へ直接、配線構造151を介して接続してもよい。また、本実施例の固体撮像装置では外部端子として実施例1と同様にボンディングワイヤを用いることができるが、フリップチップボンディングを用いることもできる。第2基板121の裏面123に外部端子を配することにより、外部端子の劣化や損傷、あるいはパッド周辺からの水分の侵入を抑制することができる。
開口900は第2基板121および第2配線構造150の一部をエッチングすることによって形成することができる。なお、本実施例でも、実施例2で説明した図7(B)と同様に、第2基板121の端部を除去してもよいし、実施例3と同様に、保護膜を設けることもできる。
以上、述べてきたように、本実施例の固体撮像装置によれば、パッドと回路との接続の信頼性が高い固体撮像装置が提供可能である。
以下、上記の各実施形態に係る固体撮像装置の応用例として、固体撮像装置が組み込まれた撮像システムについて例示的に説明する。撮像システムには、撮影を主目的とするカメラなどの装置のみならず、撮影機能を補助的に備える装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末)も含まれる。例えば、カメラは、本発明に係る固体撮像装置と、固体撮像装置から出力される信号を処理する処理部とを含む。この処理部とは、例えば、A/D変換器、及びA/D変換器から出力されるデジタルデータを処理するプロセッサを含みうる。処理部へは、固体撮像装置のパッドに接続されたボンディングワイヤ等の外部端子を介して、処理する信号が入力される。
以上述べてきたように、本発明の固体撮像装置によれば、パッドと回路との接続の信頼性が高い固体撮像装置が提供可能である。また、本発明によって、パッドと回路との接続を容易にすることが可能である。
なお、本発明は明細書記載の構成に限定されるものではなく、導電型や回路も逆導電型にするなど変更可能である。また、接続部は配線層の配線からなる構成を説明したが、ビアやマイクロバンプであってもよく、導通が確保可能な構成であればよい。また、各実施例の構成を適宜組み合わせることも可能である。