JP2016040114A - 複合体およびその製造方法ならびに複合軸受部材 - Google Patents

複合体およびその製造方法ならびに複合軸受部材 Download PDF

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Abstract

【課題】接合強度および耐久性が優れた複合体を、安価かつ容易に提供する。【解決手段】樹脂材料を含んでなる第一の部材と、金属材料を含んでなる第二の部材と、前記の第一の部材と前記の第二の部材との間に配置された接着材を含む接着層とを具備してなる複合体であって、前記の第一の部材に網目構造体が埋設され、この網目構造体の少なくとも一部が前記の接着層側に露出しており、この網目構造体に前記の接着材の少なくとも一部が含浸されてなることを特徴とする複合体、この複合体の製造方法およびこの複合体からなる複合軸受部材。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、複合体およびその製造方法ならびに複合軸受部材に関する。
従来から、異なる材料部材を接合させた複合体が提案されている。
このような複合体によれば、例えば、単独の材料からなる部材では得られ難かった機能、特性が得られるようになったり、部材の最適化や、軽量化ならびに製造コストの低減が図れるなどの種々の利点がある。
このような複合体の一例としては、樹脂材料部材と金属材料部材との複合体を挙げることができる。このような複合体を得ようとする場合には、金属材料同士を接合させる時のような拡散結合や、樹脂材料同士を結合させる時のような融着法等を採用することが困難である。このことから、樹脂材料部材と金属材料部材とを接着材を利用して接合させることが一般的に行われている。
しかしながら、樹脂材料と金属材料とは、一般的に熱膨張係数の差が大きいことから、樹脂材料と金属材料との接合界面に大きな熱応力が発生しやすく、これによって両部材間の接合強度が低下して、場合によってよっては両部材が剥離することがあった。
また、接着材は、樹脂材料と金属材料との両者に対して十分な接着強度を有する必要があるが、樹脂材料および金属材料との具体的な組み合わせ事例によっては、両材料に対して共に十分な接着強度を有する接着材を選択することが難しいという問題点があった。
このことから、他の部材(例えば、金属材料からなる部材)の表面処理を施したり、フッ素系樹脂材料からなる部材と金属材料からなる部材との間に中間層を介在させることが検討されている。
さて、発電機器のすべり軸受け材料の体表的なものとしては、すず(Sn)系ホワイトメタルが使用されてきた。ここで、すべり軸受け用のすず系ホワイトメタルの代表的なものとしては、Sn83〜87重量%、Sb8〜10重量%およびCu5〜7重量%を含むものを挙げることができる。
近年、発電機器の高性能化、効率向上や環境負荷低減などを目指した設計がすすみ、軸受面圧の増大、滑り速度が増大する傾向にあり、また、油潤滑から水潤滑への変更など、使用環境が変化してきている。そこで、既に改良が進み、使用限界に到達しつつあるホワイトメタルに代わるものとして樹脂材料の利用が図られており、例えば、PTFEに代表されるフッ素系樹脂材料が検討されている。
このような樹脂材料からなるすべり軸受けは、用途や要求性能によっては実質的に樹脂材料のみから構成されることもあるが、例えば剛性や耐久性、精度の向上、その他を考慮して、他の材料(例えば、金属材料)等と複合化し、すべり軸受けを構成することが行われている。
特許第3194866号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、特殊な装置や操作を必要とせずに、従来から汎用されてきた接着材を利用した複合体であって、安価かつ容易に、接合強度、形状安定性および耐久性が優れた複合体を提供することである。
上述したような状況に鑑み、本発明者らは、上記の要求を満たすことができる複合体を見出すにいたった。
したがって、本発明の実施形態による複合体は、
樹脂材料を含んでなる第一の部材と、金属材料を含んでなる第二の部材と、前記の第一の部材と前記の第二の部材との間に配置された接着材を含む接着層とを具備してなる複合体であって、
前記の第一の部材に網目構造体が埋設され、この網目構造体の少なくとも一部が前記の接着層側に露出しており、
この網目構造体に前記の接着材の少なくとも一部が含浸されてなること、を特徴とする。
そして、本発明の実施形態による複合体の製造方法は、
樹脂材料を含んでなる第一の部材と、金属材料を含んでなる第二の部材と、前記の第一の部材と前記の第二の部材との間に配置された接着材を含む接着層とを具備してなる複合体を製造する方法であって、下記の工程(A)と工程(B)とを含んでなること、特徴とする。
工程(A):網目構造体の網目に樹脂材料を充填するとともに、この網目構造体に樹脂材料を堆積させて、この網目構造体の少なくとも一部が露出した表面を有する第一の部材を形成する工程
工程(B):前記の工程(A)で形成された前記の第一の部材の網目構造体の少なくとも一部が露出した表面と、前記の第二の部材の表面とを接着材を介して接触させて、前記の接着材を前記の網目構造体に含浸させながら前記の第一の部材と前記の第二の部材とを接合する工程
また、本発明の実施形態による複合軸受部材は、
前記の複合体からなる滑り軸受部材であって、前記の第一の部材により形成された軸受摺動材と、前記の第二の部材により形成された軸受基材とを具備すること、を特徴とする。
本発明の実施形態による好ましい複合体および複合軸受部材を示す断面図。 図1に示された本発明の実施形態による好ましい複合体および複合軸受部材の一部分について示す部分拡大図。 本発明の実施形態による複合軸受部材を組み合わせてなる滑り軸受けの概要を示す上面図。 本発明の実施形態による複合軸受部材の好ましい一具体例を示す斜視図。
下記に示す実施形態は例示であって、従って、発明の範囲はこれら具体的に開示された範囲内に限定されることはない。
<複合体>
以下、本発明の実施形態による複合体のうち、特に好ましい具体例を、必要に応じて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態による複合体の好ましい一具体例の断面を示す図であり、図2は、図1の本発明の実施形態による複合体の点線で囲まれたZ部分について示す部分拡大図である。
図1および図2に示される本発明の実施形態による複合体1は、樹脂材料を含んでなる第一の部材2と、金属材料を含んでなる第二の部材3と、前記の第一の部材2と前記の第二の部材3との間に配置された接着材を含む接着層4とを具備してなる複合体1であって、
前記の第一の部材2に網目構造体5が埋設され、この網目構造体5の少なくとも一部が前記の接着層4側に露出しており、
この網目構造体5に前記の接着材の少なくとも一部4’が含浸されてなるものである。
<< 第一の部材および第二の部材 >>
本発明の実施形態による複合体における、第一の部材を構成する樹脂材料の好ましい具体例としては、フッ素系樹脂材料、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂材料を挙げることができる。フッ素系樹脂(例えば、四フッ化エチレン(PTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化エチレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂(ETFE)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA)等を挙げることができる。二種またはそれ以上の樹脂材料の混合物であってもよい。これらの中で特に好ましい樹脂材料としては、四フッ化エチレン(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA)を挙げることができる。
また、第一の部材を形成する樹脂材料は、必要に応じて、各種の充填材を配合することができる。そのような充填材としては、無機材料からなる繊維、ウイスカーおよび粒子を挙げることができる。好ましい充填材としては、平均直径が1〜10μm、アスペクト比が10〜100の炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、アルミナ・シリカ繊維、炭化ケイ素繊維、平均直径が0.1〜10μm、アスペクト比が10〜100のチタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー、ムライトウイスカーおよび平均粒径が1〜100μmのカーボン粒子、グラファイト粒子、二硫化モリブデン粒子、ボロン ナイトライド粒子を挙げることができる。なお、これらの充填材は、複数併用することができる。
このような充填材によれば、第一の部材の機械的特性(例えば、強度、圧縮・曲げ剛性、耐クリープ性等)の向上、摩擦・摩耗特性の向上(例えば、摩擦係数の低減、耐摩耗性の向上等)、熱的特性の向上(例えば、熱膨張係数の低減、熱伝導率の向上等)に寄与することになる。これらの充填材の組合せおよび配合量は、第一部材の要求性能に応じて適宜選定するものであり、好ましくは5〜30体積%、特に好ましくは10〜20体積%、である(樹脂材料と充填材との合計を100体積%とする)。充填材の配合量が5体積%未満では上記の効果を十分に発揮できず、30体積%を越えると第一部材の母材の樹脂材料の体積占有率が小さく、十分な結合力を確保できないことがあるためである。
なお、本発明の実施形態による複合体においては、これらの充填材が樹脂材料と同伴して網目構造体5の網目の中に充填される場合および充填されない場合の両者がある。
本発明の実施形態による複合体における第一の部材には、網目構造体5が埋設され、この網目構造体5の少なくとも一部が前記の接着層4側に露出している(詳細後記)。
本発明の実施形態による複合体における第二の部材は、金属材料を含むものである。金属材構成材料の好ましい具体例としては、例えば、鉄、ステンレス鋼、チタン、コバルト、ニッケル、銅、アルミニウム、およびこれらのいずれかの金属種を含んでなる合金などを挙げることができる。
なお、図1の複合体1の断面図において、第一の部材2と第二の部材3とが同じ長さで示されているが、本発明の実施形態による複合体では、第一の部材と第二の部材とは、その形状および大きさ、厚さ等に関して同一であっても異なっていてもよい。また、第一の部材と第二の部材の数は異なることができる。例えば、一つの連続した第二の部材と複数個の第一の部材との複合体であることができる。
<< 網目構造体 >>
図1に示される複合体1における第一の部材2は、網目構造体5が埋設され、この網目構造体5の少なくとも一部が前記の接着層4側に露出しているものである。
この第一の部材2は、さらに詳細には図2にあるように、その網目構造体5が繊維質材料を含むものであって、複数の繊維からなる第一の繊維束5aと、複数の繊維からなる第二の繊維束5bとの交錯物からなる織物である。
この網目構造体(具体的には、織物)は、上記の通りに、第一の部材2に埋設されているところから、網目構造体5の複数の網目(即ち、第一の繊維束5aと、第二の繊維束25との交錯によって形成された、第一の繊維束5aと第二の繊維束5bとに囲まれた升目状の隙間部分)には、それぞれ樹脂材料2’が充填されて「網目構造体と樹脂材料との一体化物」が形成されている。
なお、第一の部材を形成する樹脂材料が、前述の充填材が配合されたものである場合、第一の繊維束5aと第二の繊維束5bとに囲まれた升目状の隙間部分には、樹脂材料と共に充填材が充填される場合と、充填材が充填されていない場合の両者がある。
本発明の実施形態による第一の部材2では、その網目構造体5の少なくとも一部が前記の接着層4側に露出している必要がある。なお、図2においては、網目構造体の接着層に露出している部分がAで示されている。
本発明の実施形態による複合体1は、前述のように、網目構造体5に接着材の少なくとも一部が含浸されてなるものであるが、この接着材の含浸は、主として、第一の部材2の接着層側に露出した網目構造体の露出部分Aを介して行うことができる。露出部分Aの面積割合(即ち、第一の部材2の全体の接合面積に対する、網目構造体の露出部分Aの面積の総和)は、第一部材の母材の樹脂材料と接着層4の接着材との接着性によって、適宜選定するものである。例えば、難接着性のフッ素樹脂系材料とエポキシ系接着材の場合では、露出部分A以外の第一部材の母材のフッ素樹脂系材料とエポキシ系接着材の十分な接着強度が期待できないため、網目構造体の露出部分Aの面積を大きく選定することが望ましい。露出部分Aの面積を大きくする施策として、例えば、単繊維の本数を増やして繊維束の直径を大きくし、繊維束に囲まれた升目(ピッチ)を小さくして、繊維密度を高くすることを挙げることができる。一般に、露出部分Aの面積割合は30%〜70%、好ましくは50〜60%である。このような面積割合範囲内であることによって、第一の部材と第二の部材との接合強度および接着材の吸収性の両方を特に好ましい値になる。
図1に具体的に示される実施形態以外の、第一の部材の他の好ましい具体例としては、第一の部材の第二の部材との接合面側に網目構造体が埋設されるとともに、他の網目構造体が第一の部材の全面あるいは一部の領域に更に設けられてなるもの(即ち、1つの第一の部材の中に、網目構造体が複数配設されているもの)(図示せず)を挙げることができる。このようにして、複雑な形状の第一部材の第二の部材との接合面のみに網目構造体を形成することが困難の場合や第二部材以外の部材(例えば、第三部材)との接着が必要とする場合にも対処できる。第一部材の網目構造体は、やむを得ない場合以外、他の部材との接合面のみに設けられてなるものである。
特に、図1および図2に示される本発明の実施形態による複合体1によれば、第二の部材3と、第一の部材2の網目構造体が存在しない領域2”との間に、網目構造体5および樹脂材料2’が介在されていることによって、第二の部材3と第一の部材2の網目構造体が存在しない領域3’との間の材料特性上の差が仮に大きくても、その違いに基づく問題点を防止もしくは緩和ないし抑制することが可能になる。例えば、第二の部材3が金属材料であり、第一の部材2が樹脂材料(特に、フッ素系樹脂)である場合の、本発明の実施形態による好ましい複合体1によれば、金属材料と樹脂材料とが熱膨張係数に関して差が大きいにも関わらず、金属材料と樹脂材料との間に、埋設された網目構造体5が存在していることから、上記材料間の熱膨張係数の差によって生じる熱応力が効果的に抑制される。
また、網目構造体5(但し、接着材を含浸させた後の状態)の厚さは、使用する網目構造体の単繊維の直径、若しくは、繊維束の直径、網目構造体が第一部材に十分保持される厚さ、かつ、接着層の接着材が含浸しうる深さなどを配慮して適宜選定するものである。好ましくは単繊維の直径、若しくは、繊維束の直径に1〜10倍、特に好ましくは2〜3倍である。
本発明の実施形態による複合体の網目構造体としては、単繊維または繊維束を織らずに絡み合わせた不織布シート、経緯に組み合わせて作った織布クロスを挙げることができる。この中では、特に、経緯に組み合わせて作った織布クロスは、網目構造体の強度、規則性、取扱いの容易さ、接着材の含浸性の点でより好ましい(図1および図2参照)。
図1および図2に示されるように、網目構造体5が、複数の繊維からなる第一の繊維束5aと、複数の繊維からなる第二の繊維束5bとの交錯物からなる織物である場合、第一の繊維束5aとしては、1本当たりの平均直径が好ましくは1〜100μm、特に好ましくは5〜10μmである単繊維を、好ましくは3〜100本、特に好ましくは10〜20本、束ねたものが好ましい。第二の繊維束5bも、第一の繊維束2aと同様に、1本当たりの平均直径が好ましくは1〜100μm、特に好ましくは5〜10μmである単繊維を、好ましくは3〜100本、特に好ましくは10〜20本、を束ねたものが好ましい。ここで、第一の繊維束5aと第二の繊維束5bとは、その材質、単繊維の平均直径あるいは一束当たりの単繊維の本数に関して、同一であっても異なっていてもよい。
また、単繊維や繊維束の断面形状は、円形のみに限定されることはなく、多角形、星形等任意である。また、中空糸であってもよい。
そして、この第一の部材2に埋設された網目構造体5は、接着材を接触させた際に接着層4中の接着材の少なくとも一部が網目構造体5に含浸されるように、第一の繊維束5aおよび(または)第二の繊維束5bの少なくとも一部分の表面(ないし繊維の断面)が、第一の部材2の表面に露出している。ここで、「露出」とは、接着材と接触可能になるとうに第一の部材の表面に曝されていることを意味する。したがって、第一の部材の表面から突出している場合のみに限定されない。
網目構造体5への接着材の含浸は、例えば、第一の繊維束5aおよび(または)第二の繊維束5bにおける、樹脂材料2’の未接触ないし未充填の領域へ接着材を接触させ、浸透させることによって行うことができる。このような第一の繊維束5aおよび(または)第二の繊維束5bにおける樹脂材料2’の未接触ないし未充填の領域としては、例えば、複数の繊維からならなる第一の繊維束5aおよび複数の繊維からならなる第二の繊維束5bの繊維束の内部に存在する空隙部(例えば、繊維束の内部の各繊維の間に存在する空隙部)を挙げることができる。
また、網目構造体を構成している繊維材料それ自体が接着材吸収性材料である場合(例えば、繊維本体内に微細な連続ないし不連続の空隙を有する物である場合)等は、そのような繊維本体内の微細な連続ないし不連続の空隙等が含まれる。
<< 接着材 >>
本発明の実施形態による複合体の接着材は、網目構造体2および第二の部材3に対して良好な接着作用を有するものであって、かつ網目構造体5に含浸可能な物の中から適宜選択して使用することができる。
ここで、網目構造体2に対して良好な接着作用を有するものには、網目構造体およびこの網目構造体の網目に充填された樹脂材料2’に対して良好な接着作用を有するものが包含される。
そして、本発明の実施形態の接着材の好ましい具体例の中には、例えば、網目構造体のみに良好な接着作用を有するが、樹脂材料2’に対しては接着性が十分でない、もしくは接着材が全く観察されないものも包含される。これは、仮に、樹脂材料2’に対しては接着性が十分でない接着材4であっても、網目構造体5に含浸された接着材4’が第二の部材3との界面に存在する接着層4と連続相となっており、そのことにより強固な接着強度が得られていること、かつ第一の部材2に網目構造体5が埋設されていることから、複合体1全体としての十分な接合強度が実現されるからである。
そして、本発明の実施形態による好ましい複合体1によれば、前述した通り、網目構造体5および樹脂材料2’が介在することによって、第二の部材3と第一の部材2の樹脂材料との間に材料特性上の差が仮に大きくても、その違いに基づく問題点が効果的に防止ないし抑制されている。このことからも、例えば熱履歴や外部からの応力を受けた際においても複合体1全体としての十分な接合強度がより効果的に実現されている。
本発明の実施形態による複合体においては、特に第一の部材がフッ素系樹脂材料を含むものであり、網目構造体がガラス繊維を含むものであり、第二の部材が鉄やステンレス鋼からなる場合における接着材の好ましい具体例としては、フェノール系、エポキシ系、ユリヤ系、シアノアクリル系、ビニール系、シリコーンゴム系の接着材を挙げることができる。特に、熱硬化性の接着材は、複合体1全体としての接合強度の向上や、機械的強度の向上、熱的強度の向上等の観点で特に好ましい。
<複合体の製造方法>
本発明の実施形態による複合体は、好ましくは、下記の工程(A)と工程(B)とを含んでなる複合体の製造方法によって製造することができる。
工程(A):網目構造体の網目に樹脂材料を充填するとともに、この網目構造体に樹脂材料を堆積させて、この網目構造体の少なくとも一部が露出した表面を有する第一の部材を形成する工程
工程(B):前記の工程(A)で形成された前記の第一の部材の網目構造体の少なくとも一部が露出した表面と、前記の第二の部材の表面とを接着材を介して接触させて、前記の接着材を前記の網目構造体に含浸させながら前記の第一の部材と前記の第二の部材とを接合する工程
ここで、第一の部材、第二の部材、樹脂材料、網目構造体、接着材等の詳細は、前述した通りである。
本発明の実施形態による複合体の製造方法における、工程(A)の好ましい態様には、例えば下記の工程(A1)および工程(A2)が包含される。
工程(A1):網目構造体の網目に粉体状の樹脂材料を充填するともに、この網目構造体に前記の粉体状の樹脂材料を堆積させ、その後に、この粉体状の樹脂材料の溶融温度以上の温度に加熱し、この網目構造体の少なくとも一部が露出した表面を有する第一の部材を形成する工程。
工程(A2):網目構造体の網目に溶融状態の樹脂材料を充填するともに、この網目構造体に前記の溶融状態の樹脂材料を堆積させて、この網目構造体の少なくとも一部が露出した表面を有する第一の部材を形成する工程。
ここで、工程(A1)において、粉体状の樹脂材料としては、平均粒子径が、網目構造材の網目よりも小さいもの、特に各網目の最小幅の1/1000〜1/10、とりわけ1/100〜1/200、であるものが好ましい。このように網目構造材の網目よりも十分に小さい樹脂粒子を用いることにより、各網目に樹脂材料を確実にかつ緻密に充填することが容易になる。
この工程(A1)では、好ましくは、例えば、型等の密閉可能な容器内の底面に先ず網目構造体を設置し、その上に粉体状の樹脂材料(ならびに、必要に応じて、この粉体状の樹脂材料と共に前述のような各種の充填材)等を導入し、網目構造体の網目内に粉体状の樹脂材料を充填するともに、この網目構造体に粉体状の樹脂材料を堆積させ、その後、外部から熱や圧力の印加を、同時にあるいは逐次的に行うことによって、第一の部材を得ることができる。
なお、粉体状の樹脂材料および必要に応じて用いられる各種の充填材の導入は、1回で行うことができるし、また複数回に分割して行うことができる。ここで、粉体状の樹脂材料および充填材の導入を複数回行う場合、各回で導入される樹脂材料および(または)充填材は、その材質、粒径ないし導入量等に関して同じあっても異なっていてもよい。そして、外部から加熱および圧力の印加も1回で行うことができるし、同一条件または異なる条件にて複数回行うことができる。
また、第一の部材の中に網目構造体を複数設ける場合には、所望の第一の部材が得られるように、網目構造体および樹脂材料の導入段階および方法等を適宜採用することができる。また、所望の第一の部材が得られるような複数の部材を用意し、これらの複数の部材を合体することによって、目的とする第一の部材を得ることができる。
このような工程(A)によれば、第一の部材に網目構造体が埋設され、この網目構造体の少なくとも一部が前記の接着層側に露出した第一の部材を容易に形成することができる。このような工程(A)の特に好ましい態様として記載した工程(A1)によれば、網目構造体5を構成している第一の繊維束5aおよび第二の繊維束5bの少なくとも一部分が樹脂材料に被覆されることなく露出した第一の部材を、容易に得ることができる。
本発明の実施形態による複合体の製造方法における工程(B)は、前記の工程(A)で形成された前記の第一の部材の網目構造体の少なくとも一部が露出した表面と、前記の第二の部材の表面とを接着材を介して接触させて、前記の接着材を前記の網目構造体に含浸させながら前記の第一の部材と前記の第二の部材とを接合する工程である。
この工程(B)においては、(イ)第一の部材の網目構造体が露出した表面と、第二の部材の表面との接着とともに、網目構造体5への接着材の含浸を行うことができる。ここでの網目構造体5への接着材の含浸は、網目構造体の少なくとも一部が露出している第一の部材の被接合面に接着材を塗工し、これに第二の部材の被接触面(この第二の部材の被接触面には、接着材を予め塗工しておくことができる)を重ね合わせた物を、単に常温、常圧下に放置することによって行うことができる。
また、本発明の実施形態による複合体の製造方法では、(ロ)網目構造体の少なくとも一部が露出している第一の部材の被接合面に加圧した接着材を塗工して、網目構造体の深部まで接着材を圧入し、その後、第二の部材の被接触面を重ね合わせる方法、(ハ)網目構造体の少なくとも一部が露出している第一の部材の被接合面に接着材を塗工した後、減圧雰囲気に設置し、網目構造体の内部(例えば、典型的には、繊維束の内部の各繊維間に存在する空隙部)に存在するガスを吸引除去し、そのガスと接着材とを置換する方法、(ニ)網目構造体の少なくとも一部が露出している第一の部材の被接合面に接着材を塗工し、これに第二の部材の被接触面を重ね合わせた物の全体を、加圧雰囲気に設置して、網目構造体の内部に接着材を圧入する方法、(ホ)網目構造体の少なくとも一部が露出している第一の部材の被接合面に接着材を塗工し、これに第二の部材の被接触面を重ね合わせた物の全体を、減圧雰囲気に設置して、網目構造体の内部に存在したガスを吸引除去し、そのガスと接着材とを置換する方法、(へ)その他、等を採用することができる。これらの中では、加圧法では工程時間が短い反面複雑な形状の製品では採用が困難という欠点がある。一方、減圧法では工程時間が長いが、複雑な形状の製品に適用でき、網目構造体の内部に存在したガスを吸引除去し、確実にそのガスと接着材とを置換できるという利点がある。
なお、上記の(イ)〜(へ)の各方法においては、接着材に溶剤等を添加することができる。このことによって、例えば接着材の塗工性や浸透性を更に向上させ、接着材の含浸を更に効率的、効果的に行うことができる場合がある。
本発明の実施形態による複合体の製造方法は、上述した工程(A)と工程(B)とを含んでなることを特徴とする。このような本発明の実施形態による複合体の製造方法は、工程(A)と工程(B)とのみからなるものに限定されることはなく、工程(A)と工程(B)に加えて、工程(A)、(B)以外の他の工程ないし処理を必要に応じて行うことができる。従って、工程(A)と工程(B)とを含んでなる本発明の実施形態による複合体の製造方法は、工程(A)、(B)以外の他の工程ないし処理を含んでなるものをも包含する。
そのような必要に応じて行うことができる他の工程ないし処理の代表的なものとしては、例えば、工程(B)によって得られた第一の部材と第二の部材との複合体を、更に加圧処理および(または)加熱処理に付す工程(C)、ならびに、工程(A)の後、工程(B)に付す前に、工程(A)で形成された第一の部材の第二の部材との接合面側の表面に対して行う表面処理(A3)を挙げることができる。
例えば、上記の工程(C)を行う本発明の実施形態による複合体の製造方法によれば、より複合体の接合強度が更に優れた、機械的特性(例えば、強度、曲げ剛性、耐久性、耐衝撃強度等)が向上し、熱的特性(例えば、耐熱性や熱膨膨張特性)がさらに最適化された複合体1を製造することができる。
また、上記の工程(A3)を行う本発明の実施形態による複合体の製造方法によれば、工程(A3)の表面処理として、例えば粗面化処理を採用した場合には、第一の部材の表面における網目構造体の露出面積の増大、繊維破断面の露出等による接着材の含浸効率の向上、接合強度の向上を達成することが可能になる。
<複合体の利用>
本発明の実施形態による複合体は、数々の用途に利用可能なものである。
本発明の実施形態による複合体の特に好ましい利用用途ないし利用形態としては、例えば、前記の第一の部材により形成された軸受摺動材と、前記の第二の部材により形成された軸受基材とを具備する複合軸受部材を挙げることができる。
ここで、本発明の実施形態による複合軸受部材に具備されている、第一の部材、第二の部材、ならびにその具体的内容等は、本明細書の<複合体>、<< 第一の部材および第二の部材 >>、<< 網目構造体 >>、<< 接着材 >>、<複合体の製造方法>等の項において記載した通りであり、そして、[実施例]ならびに図面等においても記載されている通りである。よって、本発明の実施形態による複合軸受部材は、本明細書の上記箇所の記載ならびに図面によっても支持されている。
以下、本発明の実施形態による複合軸受部材のうち、特に好ましい具体例を、必要に応じて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態による複合軸受部材の好ましい一具体例の断面を示す図であり、図2は、図1の本発明の実施形態による複合軸受部材の点線で囲まれたZ部分について示す部分拡大図である。
そして、図3は、図1の本発明の実施形態による複合軸受部材10を組み合わせてなる滑り軸受けの概要を示す上面図であり、図4は、本発明の実施形態による複合軸受部材の他の好ましい一具体例を示す斜視図である。
図1に示される本発明の実施形態による複合軸受部材10は、第一の部材2により形成された軸受摺動材と、第二の部材3により形成された軸受基材とを具備するものである。
この図1の断面図に示される本発明の実施形態による複合軸受部材10は、図3に示されるようなスラスト滑り軸受けに分類される軸受けに採用可能な複合軸受部材であり、また、図4に示されるようなジャーナル滑り軸受けに分類される軸受けに採用可能な複合軸受部材である。
ここで、図3には、本発明の実施形態による複合軸受部材10を6個採用した滑り軸受けが記載されており、図4には、本発明の実施形態による複合軸受部材10を2個用いることによる滑り軸受けが記載されているが、本発明の実施形態による複合軸受部材は、1個、あるいは同一または異なる2個以上を用いることにより、滑り軸受けを提供できるものである。
本発明の実施形態による複合軸受部材10は、その断面構造が図1に示されるようなものであるならば、その外形形状、大きさ、厚み、その他の構造や利用形態等が限定されることはない。
以下の実施例は、上記した実施形態による複合体のうちの、特に好ましい幾つかの代表例について、より詳細に示すものである。従って、下記に示された実施例に具体的に開示された技術的範囲内のみに限定されることはない。
<実施例1>
厚さ0.2mm、平均繊維径10μmの単繊維10本からなる繊維束を縦横に平織り込んだガラスクロスを金型に設置し、炭素繊維(平均繊維長3mm、平均繊維径10μm)を12体積%を含有したPTFEの混合原料を充填し、成形圧力50MPaで圧縮成形した後、370℃で2時間の条件でPTFEを焼成して、第一の部材を制作した。この第一の部材の表面におけるガラス繊維の露出面積の割合は約60%であった。
次いで、エポキシ系接着材を、S45Cからなる第二の部材と第一の部材のガラス繊維が露出した面の全面に対して塗布し、第二の部材と第一部材の接着面とを重ね合わせた。
次に、重ね合わせた第二の部材と第一部材をゴム封印し、真空吸引し、接着材を繊維束の繊維間隙に含浸させながら硬化した。
得られた複合体から、せん断試験片を採取し、せん断試験を行った結果、接合界面のせん断強度は20MPaであった。
<比較例1>
ガラスクロスを使用しない以外は実施例1と全く同じ条件で、炭素繊維を含有したPTFEからなる第一の部材と第二の部材とを接合した。
得られた複合体は、実施例1と同様、第一部材の背面には反りが発生していないものの、接合体の一端部に隔離が発生した。S45Cの第一部材の曲げ弾性率が高いため、反りが発生せず、接着強度が弱い一部端面の剥離により残留応力が解放されたと見られる。
隔離していない接合体の残部から、実施例1と同様に、せん断試験片を採取し、同様にせん断試験を行った結果、接合界面のせん断強度は5MPaであった。
<実施例2〜3および比較例2〜3>
実施例1のガラス繊維、第一の部材、第二の部材、接着材等を表1に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして、複合体を製造した。そして、実施例1と同様にせん断試験を行った。結果は、表1に示される通りである。
Figure 2016040114
以上のような本発明の実施形態による複合体およびその製造方法ならびに複合軸受部材は、下記のような数々の利点を有するものである。
(イ) 異種材料からなる部材間の接合強度が高い複合体が得られる。このことから、部材の剥離や欠落が防止された、耐久性が高い複合体が得られる。
(ロ) 熱膨張係数が差が大きい部材同士を接合した複合体であっても、温度変化による熱応力の発生が有効に防止されている。これにより、部材間の剥離や接合強度の低下、複合体の形状変化、反り等が抑制されている。
(ハ) 上記(イ)および(ロ)を有する優れた複合体を、容易にかつ低コストで製造することができる。
(ニ) 従来は適用が困難とされていた樹脂材料部材を用いた複合体を、容易にかつ低コストで得られる。よって、複合体の利用用途が拡大する。また、従来から適用されてきた用途においても、従来よりも優れた性能を得ることができる。
(ホ) 例えば、滑り軸受部材として利用される場合には、
・ 熱応力の発生が抑制されているので、温度変化による変形や反りの発生が防止されている。これにより、摺動部材と回転軸とのクリアランスを精密に制御することが可能でる。そして、回転軸のぶれの低減、摺動面の異常摩耗、回転抵抗の低減、発熱量の低減、潤滑剤の圧力分布の最適化、更なる耐久性の向上等を図ることができる。また、滑り軸受け部材の大型化が容易である。また、滑り軸受け部材の軽量化が容易である。
・ 最適な樹脂材料等を選択することにより、滑り軸受けの具体的用途や目的等に応じた、最適化された軸受部材を提供できる。例えば、摩擦抵抗や電気絶縁性や耐燃焼性に優れた樹脂材料(好ましくは、例えばPTFE)を滑り軸受摺動材として採用する場合には、従来の金属材料や他の樹脂材料では得られなかったような良好な諸性能を有する軸受部材を提供できる。
・ 樹脂材料の選択等により、油潤滑に代わって水潤滑を採用することが容易なので、環境負荷を低減できる。
・ 軸受面圧や摺動速度の増大に対応できる。
1 複合体
2 第一の部材
2’ 網目に充填された樹脂材料
3 第二の部材
4 接着層
4’ 含浸された接着材
5 網目構造体
5a 第一の繊維束
5b 第二の繊維束
10 複合軸受部材

Claims (12)

  1. 樹脂材料を含んでなる第一の部材と、金属材料を含んでなる第二の部材と、前記の第一の部材と前記の第二の部材との間に配置された接着材を含む接着層とを具備してなる複合体であって、
    前記の第一の部材に網目構造体が埋設され、この網目構造体の少なくとも一部が前記の接着層側に露出しており、
    この網目構造体に前記の接着材の少なくとも一部が含浸されてなることを特徴とする、複合体。
  2. 前記の樹脂材料が、フッ素系樹脂材料、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミドおよびポリアミドイミド樹脂材料から選ばれたものである、請求項1に記載の複合体。
  3. 前記の第二の部材が、鉄、ステンレス鋼、チタン、コバルト、ニッケル、銅、アルミニウム、およびこれらのいずれかの金属種を含んでなる合金から選ばれた少なくとも一種の金属材料を含んでなるものである、請求項1または2に記載の複合体。
  4. 前記の網目構造体が繊維質材料を含むものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合体。
  5. 前記の網目構造体が、単繊維または繊維束を織らずに絡み合わせた不織布シート、若しくは、経緯に組み合わせて作った織布クロスのいずれかを含むものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合体。
  6. 前記の網目構造体が、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、アルミナ・シリカ繊維、炭化ケイ素繊維からなる群から選ばれた繊維質材料を含むものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合体。
  7. 前記の樹脂材料が、当該樹脂材料中に、炭素繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー、ムライトウイスカー、カーボン粒子、グラファイト粒子、二硫化モリブデン粒子、ボロン ナイトライド粒子からなる群から選ばれた少なくとも一種の充てん材を含むものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合体。
  8. 樹脂材料を含んでなる第一の部材と、金属材料を含んでなる第二の部材と、前記の第一の部材と前記の第二の部材との間に配置された接着材を含む接着層とを具備してなる複合体を製造する方法であって、下記の工程(A)と工程(B)とを含んでなること特徴とする、複合体の製造方法。
    工程(A):網目構造体の網目に樹脂材料を充填するとともに、この網目構造体に樹脂材料を堆積させて、この網目構造体の少なくとも一部が露出した表面を有する第一の部材を形成する工程
    工程(B):前記の工程(A)で形成された前記の第一の部材の網目構造体の少なくとも一部が露出した表面と、前記の第二の部材の表面とを接着材を介して接触させて、前記の接着材を前記の網目構造体に含浸させながら前記の第一の部材と前記の第二の部材とを接合する工程
  9. 前記の工程(A)が、網目構造体の網目に粉体状の樹脂材料を充填するともに、この網目構造体に前記の粉体状の樹脂材料を堆積させ、その後に、この粉体状の樹脂材料の溶融温度以上の温度に加熱し、この網目構造体の少なくとも一部が露出した表面を有する第一の部材を形成する工程(A1)である、請求項8に記載の複合体の製造方法。
  10. 前記の工程(A)が、網目構造体の網目に溶融状態の樹脂材料を充填するともに、この網目構造体に前記の溶融状態の樹脂材料を堆積させて、この網目構造体の少なくとも一部が露出した表面を有する第一の部材を形成する工程(A2)である、請求項8に記載の複合体の製造方法。
  11. 前記の工程(B)において、加圧含浸法あるいは真空吸引含浸法によって前記の網目構造体に前記の接着材の少なくとも一部を含浸させる、請求項8〜10のいずれか1項に記載の複合体の製造方法。
  12. 前記の請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合体からなる滑り軸受部材であって、
    前記の第一の部材により形成された軸受摺動材と、前記の第二の部材により形成された軸受基材とを具備することを特徴とする、複合軸受部材。
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