JP2016038476A - フィルターデータの作成方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】原画像と合成することでレンチキュラーレンズ用画像を比較的簡単に作成することが可能なフィルターデータの作成方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】原画像とほぼ同サイズのパターンデータP1を取得する。パターンデータP1はその全域が透過度0%に設定されている。パターンデータを原画像数×レンズ数の短冊状領域に区画する。つまり、M本のレンズに対応するレンズ領域LAを原画像の枚数NでN等分することで、パターンデータP1をN×M本の短冊状領域DAに区画する。パターンデータP1におけるレンズ領域LA内のN本の短冊状領域DAのうち原画像に対応する1つの短冊状領域を透過度100%に透明化して、透過領域D1を縞状に有する縞状透過フィルターF1を作成する。そして、縞状透過フィルターF1を、想定のレンズピッチLPと実際のレンズピッチLPrとの比LP/LPrを掛けたサイズにリサイズする。
【選択図】図11

Description

本発明は、レンチキュラーレンズを通し見ることで、立体視効果、チェンジング効果、モーション効果等の効果を発揮可能なレンチキュラーレンズ用画像を作成する際に、原画像と合成して用いられるフィルターデータの作成方法及びプログラムに関する。
レンチキュラーレンズのレンズ層を有するレンズシートに、立体視効果、チェンジング効果あるいはモーション効果のある三次元画像を印刷して画像の三次元視を可能にする技術が開示されている(特許文献1、2等)。
例えば特許文献1には、互いに異なる複数の原画像のそれぞれから作成した短冊状画像を順番に並べてなる多視点画像を作成する画像作成手段と、レンチキュラーレンズを有するレンチキュラーシートに記録材による印刷ドットを並べて形成することで多視点画像を印刷する印刷手段とを備えた印刷装置が開示されている。
特許文献2には、3Dプリントを得る製造方法が開示されている。4個の原画像A1〜A4(各画像は横hピクセル、縦vピクセルのデジタル画像)を、コンピューターはソフトウェアによってこれらの画像を横方向に公知の画像圧縮方法によって1/4(1/M)に圧縮して、横1/4hピクセル、縦vピクセルの圧縮画像DS1〜DS4を取得する。次に、4つの圧縮画像DS1〜DS4から1つの画像を合成する。先ず、各圧縮画像DS1〜DS4をそれぞれ横方向にN個の部分画像に分割する。ついで、部分画像を対応する圧縮画像DS1〜DS4の順番に1つずつ取り出して横方向に並べて行く。その結果、部分画像が横方向に順番に並んだ、横hピクセル、縦vピクセルで構成された1個の合成画像が得られる。次にプリンターはこれにセットされたレンチキュラーシートの裏面に上記の画像を印刷して3D画像の印刷された立体視表示物が作製される。
特開2013−206013号公報 特開平8−101359号公報
ところで、特許文献1及び2に開示された三次元画像の製造方法では、複数の原画像のそれぞれをレンチキュラーレンズの長さ方向と交差する方向に複数分割した短冊状画像を作成し、短冊状画像を原画像の枚数分の1の幅に圧縮したうえで、各短冊状画像を順番に並べ替える再配列が行われる。しかし、例えばスマートフォン等の携帯端末で、プリンターのユーザー等が、レンチキュラーレンズシートに印刷する画像を作成して、複数の原画像からレンチキュラーレンズ用画像を作成するには、複雑な処理のために画像作成処理時間が長くなったり、ソフトウェアの容量が大きくなり、メモリーの容量を多く使ったりする。そのため、比較的簡単にレンチキュラーレンズ用画像を作成できる方法が要望されている。
本発明の目的は、原画像と合成することでレンチキュラーレンズ用画像を比較的簡単に作成することが可能なフィルターデータの作成方法及びプログラムを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するフィルターデータの作成方法は、レンチキュラーレンズを通して見られるレンチキュラー画像のデータを作成する過程で原画像データに重畳させて使用されるフィルターデータを作成するフィルターデータの作成方法であって、原画像データに対して重ねて配置したときにレンチキュラーレンズの想定レンズピッチがレンズ幅方向の画素ピッチの自然数倍の値となる原データを取得する取得ステップと、前記原画像データのうちレンチキュラーレンズのレンズ幅に相当するレンズ領域内の一部であってレンチキュラー画像の一部として残す部分と対応する所定の領域を透過させる透過処理を前記原データに施すことで、透過領域を有するフィルターデータを作成する透過処理ステップと、を備えている。
この方法によれば、レンチキュラーレンズの実際のレンズピッチが、想定レンズピッチからさほど外れていなければ、実際のレンズピッチに合った解像度のフィルターデータを作成することができる。例えば画素とレンズとの間でピッチ合わせのための処理(一例としてリサイズ処理)を不要にできる頻度が高まる。
上記フィルターデータの作成方法では、前記透過処理ステップでは、前記フィルターデータを複数の原画像データの個々と対応する複数作成し、複数の前記フィルターデータはレンチキュラーレンズのレンズ幅内における前記透過領域の位置がそれぞれ異なることが好ましい。
この方法によれば、レンチキュラーレンズのレンズ幅内における透過領域の位置がそれぞれ異なる、複数の原画像データと個別に対応する複数のフィルターデータが作成される。各フィルターデータと、対応する各原画像データとを重畳させる画像合成を行って生成される複数の縞状画像データを重畳させる画像合成を行うことで、例えば立体視効果、チェンジング効果及びモーション効果のうち少なくとも一つの効果のあるレンチキュラー画像データを作成できる。
上記フィルターデータの作成方法では、前記フィルターデータを、想定レンズピッチと実際のレンズピッチとの比に応じたサイズにリサイズするリサイズ処理を行うリサイズステップを更に備えていることが好ましい。
この方法によれば、フィルターデータが、想定レンズピッチと実際のレンズピッチとの比に応じたサイズにリサイズされる。よって、フィルターデータを原画像データに重畳させる合成を行った場合、実際のレンズピッチに合った適切な位置の透過領域を通して原画像データが視覚化されることで、適切な縞状画像データを取得できる。
上記フィルターデータの作成方法では、前記原データに前記レンズ幅方向のピクセル数をK倍(但しKは2以上の自然数)にするリサイズ処理を施して第2データを取得する第1リサイズステップを備え、前記透過処理ステップでは、前記第2データに対して前記所定の領域を透過させる透過処理を施し、前記透過処理後の前記第2データを前記レンズ幅方向に1/K倍にリサイズして第3データを取得する第2リサイズステップを更に備えることが好ましい。
この方法によれば、第1リサイズステップでは、原データがレンズ幅方向にK倍にリサイズされて第2データが作成される。次に、第2データに対して所定の領域を透過させる透過処理ステップ、レンズピッチに応じたリサイズ処理が施され、その後、第2リサイズステップにおいて、第2データがレンズ幅方向に1/K倍にリサイズされて第3データが得られる。これにより第3データのレンズ幅方向のピクセル数が原データと同じになる。透過処理は、ピクセル数がK倍の第2データに対して行われるので、1つの透過領域の幅(太さ)を細く形成することができる。このため、原画像データに縞状フィルターデータを重畳させる合成を行って作成される縞状画像中に縞状に現れる短冊状画像の幅を細くすることができる。
上記フィルターデータの作成方法では、前記第3データのレンズ幅方向の一端である基準端と反対側の端部に位置するデータを削除して、前記第3データのレンズ幅方向のサイズをレンズシートの幅に応じた値に調整するトリミングステップを更に備えていることが好ましい。
この方法によれば、トリミングステップでは、第3データの基準端と反対側の端部に位置するデータが削除され、第3データのレンズ幅方向のサイズがレンズシートの幅に応じた値に調整される。よって、フィルターデータを用いて作成したレンチキュラー画像を基準端がレンズの谷部となるようにレンズシートに印刷できる。
上記フィルターデータの作成方法では、前記リサイズ処理を、バイリニア法、バイキュービック法、ニアレストネイバー法のうちから選択される一つを用いて行うことが好ましい。
この方法によれば、リサイズ処理は、バイリニア法、バイキュービック法、ニアレストネイバー法のうちから選択される一つを用いて行われるので、リサイズステップにおいて想定レンズピッチと実際のレンズピッチとの比に応じてフィルターデータをリサイズすることによって、フィルターデータの画素ピッチを実際のレンズピッチに合わせることが可能となる。また、第1リサイズステップで原画像をK倍にリサイズした後に、第2リサイズステップで第2データを1/K倍にリサイズしたときに、リサイズに応じて画素が調整される。
上記フィルターデータの作成方法では、前記リサイズ処理によって生じた画素のぼけを低減するぼけ低減処理を前記リサイズ処理後のデータに施すことが好ましい。
この方法によれば、リサイズ処理によって画素がぼけても、リサイズ処理後のデータにぼけを低減するぼけ低減処理が施されるので、リサイズ処理を行っても画素のぼけが低減されたデータを取得できる。
上記課題を解決するプログラムは、レンチキュラーレンズを通して見られるレンチキュラー画像のデータを作成する過程で原画像データに重畳させて使用されるフィルターデータを作成するためにコンピューターに実行させるプログラムであって、コンピューターに、原画像データに対して重ねて配置したときにレンチキュラーレンズの想定レンズピッチがレンズ幅方向の画素ピッチの自然数倍の値となる原データを取得する取得ステップと、
前記原画像データのうちレンチキュラーレンズのレンズ幅に相当するレンズ領域内の一部であってレンチキュラー画像の一部として残す部分と対応する所定の領域を透過させる透過処理を前記原データに施すことで、透過領域を有するフィルターデータを作成する透過処理ステップとを実行させる。このプログラムによれば、コンピューターに実行させることで、フィルターデータの作成方法と同様の作用効果を得ることができる。
第1実施形態の印刷システムを示す模式図。 携帯端末と印刷装置の電気的構成を示すブロック図。 レンズシートを示す模式斜視図。 印刷部の構成及びレンズシートをセットする向きを説明する模式平面図。 印刷エンジンによりレンズシートに印刷される様子を示す模式側面図。 印刷エンジンによりレンズシートに印刷される様子を示す模式背面図。 レンチキュラー画像シートを示す正面図。 レンズピッチとドットピッチとの関係を説明する模式断面図。 レンチキュラー画像シートを見る角度によって見えるドットを説明する模式断面図。 三次元画像データの作成方法を説明する模式図。 (a)〜(c)は縞状透過フィルターの作成方法を説明する模式図。 (a)はレンチキュラー画像シートにおいて圧縮・伸張の処理がない画像の例を示す模式部分断面図、(b)は圧縮・伸張の処理がある画像の例を示す模式部分断面図。 画像作成処理ルーチンを示すフローチャート。 フィルター作成処理ルーチンを示すフローチャート。 第2実施形態における縞状フィルターの作成手順を説明し、(a)は第1パターンデータを示す模式図、(b)は第2パターンデータを示す模式図、(c)は作成途中にある縞状フィルターの一部を拡大した模式図。 (a),(b)は縞状透過フィルターの作成手順を説明する模式図。 (a),(b)は縞状透過フィルターの作成手順を説明する模式図。 縞状透過フィルターと副画像との合成による縞状画像の作成手順を説明する模式図。 縞状画像を示す模式図。 (a)は主画像と縞状画像とを合成して三次元画像を作成する手順を示す模式図、(b)はレンチキュラー画像シートの正面視を示す模式図、(c)は同じく斜め視を示す模式図。 三次元画像と窓フィルターとを合成して部分三次元画像を作成する手順を示す模式図。 画像作成処理ルーチンを示すフローチャート。 フィルター作成処理ルーチンを示すフローチャート。 第3実施形態における三次元画像とフレームデータとを合成してフレーム画像を作成する手順を示す模式図。 変形例における主画像と縞状画像とを合成して三次元画像を作成する手順を示す模式図。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に示す印刷システム11は、三次元画像をレンズシートに印刷できるシステムである。印刷システム11は、三次元画像印刷用のコンテンツを提供するサーバー15と、ユーザーが印刷画像の作成、表示及び印刷の操作を行うための携帯端末20及び印刷装置30とを備えている。ここで、三次元画像とは、ユーザーがレンチキュラーレンズを通して画像を立体的に見せたり(3D効果)、見る角度を変えることにより異なる画像を見せたり(チェンジング効果)、見る角度を少しずつ変えることにより画像に動きを与えたり(モーション効果)などの各種の視覚効果を、レンチキュラーレンズを通して得ることが可能な画像を指す。
サーバー15には複数種のコンテンツ及びレンチキュラー画像作成用のプログラムPRが保存されている。ユーザーはサーバー15から有料又は無料でプログラムPR及び所望の三次元画像データGDを含むコンテンツのうち少なくとも一方を、携帯端末20又はホスト装置にインターネットNWを通じてダウンロードする。なお、プログラムPRはCDRやDVD等の記憶媒体からインストールしてもよい。
携帯端末20は表示部21及び操作部22を備え、表示部21の画面をタッチする操作により各種の指示が可能になっている。ユーザーは印刷前に表示部21にプレビューされることで、コンテンツの内容や、プログラムPRを実行して作成された三次元画像を確認可能である。プレビューで確認してOKであれば、ユーザーは操作部22(又は画面タッチ操作)を操作して印刷の実行を指示する。すると、三次元画像用の印刷データが印刷条件と共に携帯端末20から印刷装置30に送信される。なお、携帯端末20は、スマートフォン、携帯電話、タブレットPC、携帯情報端末(PDA(Personal Digital Assistants))などが用いられる。
印刷装置30は、略直方体形状を有する本体31と、本体31の背面側に設けられた媒体をセット可能な給送部32と、本体31の前主走査方向面(図1では右手前面)に設けられた操作パネル33とを備えている。操作パネル33は、表示部34及び操作部35を備えている。三次元画像の印刷に用いる媒体であるレンズシート50は、給送部32に斜めの姿勢でセットされる。なお、本実施形態では、表示部34のタッチパネル機能も操作部の一例を構成する。印刷装置30は、印刷データPDを受信すると、レンズシート50を給送しつつ、印刷データPDに基づき三次元視画像を含む画像を印刷する。
次に図2を用いて携帯端末20と印刷装置30の電気的構成を説明する。図2に示すように、携帯端末20はコンピューター61、表示回路62及び通信部63を備えている。また、携帯端末20は、通信回路、マイク及びスピーカー(いずれも図示せず)等を内蔵する。コンピューター61は、CPU65(中央処理回路)、ROM66、RAM67及び記憶部の一例としての不揮発性メモリー68を備えている。ROM66には電話機能を実現するプログラムなど、携帯端末20における各種の機能を実現するための各種のプログラムが記憶されている。また、不揮発性メモリー68には、サーバー15からダウンロードしたコンテンツ、プログラムPR及び三次元画像を含む画像データGDが記憶されている。CPU65はプログラムPRを実行することにより画像作成処理及びこの画像作成処理の際に原画像と画像合成させる後述する縞状フィルターを作成する。CPU65は、この画像作成処理で作成した三次元画像データに基づく三次元画像をレンズシート50に印刷させるために、この三次元画像データをそのまま、あるいは印刷データに変換して印刷装置30に送信する。
また、図2に示すように、印刷装置30は、その全体的な制御を司るコンピューター71、印刷エンジン72、表示回路73及び通信部74を備える。携帯端末20と印刷装置30は、通信部63,74を通じて無線通信が可能である。携帯端末20から印刷装置30への印刷データPDの送信は、通信部63,74を通じて無線で行われる。
図2に示すコンピューター71は、CPU75(中央処理回路)、ASIC76(Application Specific IC(特定用途向けIC))、ROM77、RAM78及び記憶部の一例としての不揮発性メモリー79を備えている。ROM77には印刷装置30の各種機能を実現するための各種のプログラムが記憶されている。不揮発性メモリー79には、印刷装置30の各種制御に必要な各種のプログラムが記憶されている。
なお、印刷装置30はサーバー15と通信可能な構成であり、不揮発性メモリー79には、サーバー15からダウンロードしたプログラムPR及び画像データGDが記憶される場合もある。この場合、コンピューター71がプログラムPRを実行し、レンズシート50への印刷に適した三次元画像を含む画像データを生成する。
図2に示す印刷エンジン72は、レンズシート50及び用紙等の媒体を搬送する搬送ローラー対36及び排出ローラー対37(図4、図5参照)等を有する搬送機構の動力源となる搬送モーター、キャリッジ38と共に走査方向Xに移動可能な印刷ヘッド39(図4〜図6参照)を備えている。印刷装置30がレンズシート50を媒体とする印刷の指示を受け付けた場合、印刷エンジン72は、搬送機構の駆動によりレンズシート50を搬送させつつそのシート面上に印刷ヘッド39により画像を印刷する。
図3に示すように、レンズシート50は、インク吸収層51とレンズ層52とを備える。インク吸収層51は、高インク吸収性材料により成膜されたフィルムからなり、インク吸収層51は、レンズ層52のレンズ53側と反対側の裏面に、透光性を有する粘着テープ又は接着剤を介して接合されている。もちろん、インク吸収層51はレンズ層52の裏面に溶着されていてもよい。
図3に示すように、レンズ層52には、一方向に沿って互いに平行にかつ隣同士が隣接した状態で延びる複数本のレンズ53が形成されている。本実施形態のレンズシート50は、一例としてシリンドリカルレンズからなる複数のレンズ53を有するレンズ層52がレンチキュラーレンズにより構成されるレンチキュラーレンズシートである。レンズ53は、その長手方向と直交する断面の形状が例えば半円形状を有している。なお、以下の説明では、レンズシート50において、レンズ53の長手方向を指して「レンズ長手方向LY」と呼び、レンズ長手方向と直交する方向を指して「レンズ幅方向LX」と呼ぶ場合がある。また、レンズ層52を「レンチキュラーレンズ52」という場合がある。
図4に示すように、キャリッジ38が走査される領域(「走査領域」ともいう。)と対向する位置には、走査方向Xに沿って延びる長尺状の支持台40が設けられている。支持台40を搬送方向Yに挟んだ上流側と下流側には、それぞれ搬送ローラー対36と排出ローラー対37とが設けられている。両ローラー対36,37がレンズシート50を挟持(ニップ)する状態で回転することにより、レンズシート50は支持台40のリブ40aに裏面を支持された状態で搬送方向Yに搬送される。なお、図4の支持台40上には、走査方向Xにおいて印刷ヘッド39による液体(インク)の噴射が行われる最大領域となる印刷領域PAが設定されている。
図4に示すリニアエンコーダー41は、走査方向Xに沿って一定ピッチで開口する多数のスリットを有する符号板41aと、投光部から出射された光がスリットを通過して受光部で受光するセンサー41bとを有する。リニアエンコーダー41は、センサー41bからキャリッジモーターの回転量に比例する数のパルスを有するパルス信号を出力する。コンピューター71は、リニアエンコーダー41からのパルス信号のパルスエッジの数を計数するカウンターを備える。そして、コンピューター71は、キャリッジ38がホーム位置HPから離れる往動中にカウンターの値をインクリメントし、キャリッジ38がホーム位置HPに近づく復動中にカウンターの値をデクリメントすることで、その計数値からキャリッジ38の位置を把握する。図4において、レンズシート50のサイズが決まれば基準エッジ50Aの位置が決まるため、キャリッジ38の往動過程で印刷ヘッド39はその基準エッジ50Aの位置から印刷を開始する。但し、レンズシート50よりも少し外側にはみ出した領域が印刷領域となり、レンズシート50の位置が想定範囲内で多少ずれても縁無し印刷が可能となっている。また、レンズシート50の搬送方向先端を検知可能な検知器42が設けられ、検知器42がレンズシート50の先端を検知した位置を基準にしてレンズシートの搬送方向の位置が把握され、例えばレンズシート50の印刷開始位置への給送が行われる。さらにキャリッジ38には幅検知器43が設けられ、キャリッジ38が印刷中に走査方向Xに移動する過程でレンズシート50の幅方向端部を検知して、レンズシート50の幅の検知や、エッジ50A,50Bの位置を検出し、例えばエッジ50Aからの印刷を開始することが可能になる。なお、印刷ヘッド39から噴射されたインク滴が着弾して形成される印刷画像領域は、レンズシート50よりもはみ出し量分広くなっているが、そのはみ出し量分を考慮してレンズシート50に印刷されるべき走査方向Xのインクドットのうち最初のインクドットがレンズの端(基準エッジ50A)から印刷されるように設定される。
シリアル式の印刷装置30では、キャリッジ38を走査方向Xに往復動させながら印刷ヘッド39のノズルからレンズシート50にインクを噴射する印字動作と、レンズシート50を搬送方向Yに次の印字位置までの搬送量だけ搬送する送り動作とを交互に繰り返すことで、レンズシート50に三次元画像が印刷される。レンズシート50に印刷するときは、キャリッジ38をホーム位置HPから、反ホーム位置側へ向かう第1方向に移動するときに印刷ヘッド39により印刷が行われる。そして、レンズシート50のレンズ幅方向における一端である基準エッジ50Aがホーム位置HP側に位置する向きにセットされる。このとき、ユーザーは、図4に示すように、マーク部54が反ホーム位置側となる向きにレンズシートを50セットすることで、レンズシート50は基準エッジ50Aがホーム位置HP側に位置する向きにセットされる。
レンズシート50は、走査方向Xの一方側の基準エッジ50Aと他方側の非基準エッジ50Bとが非対称に形成されている。具体的には、エッジ50Bは一部が切り欠かれることでマーク部54が形成され、このマーク部54が目印(識別マーク)となり、印刷装置30により印刷を行う際に、その反対側の基準エッジ50Aを適正な方向に合わせる際、それを容易に且つ確実に行うことが可能になっている。そのため、はみ出し量を除くと、レンズ53の幅方向端部(基準エッジ50A)から印刷が開始されるため、レンズ53の幅内に着弾されるインクドットが適切な位置に配置され、確実に良好な印刷結果を得ることができる。
図5〜図7は、レンチキュラー画像シート55の形成過程を説明する。画像の三次元視が可能なレンチキュラー画像シート55は、レンズシート50の裏面に三次元画像を印刷することで形成される。図5に示すように、印刷装置30の給送部32にセットされたレンズシート50は、印刷が開始されると、搬送経路を挟んで対峙する駆動ローラー36aと従動ローラー36bとを有する搬送ローラー対36にニップされた状態で印刷開始位置まで給送される。レンズシート50は、支持台40のリブ40aに支持されつつ搬送される。キャリッジ38と共に走査方向Xに移動する印刷ヘッド39のノズルからインク滴が噴射されることで、レンズシート50に印刷が施される。図5に示すように、レンズシート50の裏面に着弾したインクは、インク吸収層51に吸収されてレンズ層52の裏面(界面)まで浸透する。
図6に示すように、本実施形態の印刷装置30はシリアルプリンターであり、キャリッジ38は搬送方向Yと交差する走査方向Xに往復移動し、そのうちの往動方向X1に移動する途中で、印刷ヘッド39のノズルからインク滴を噴射することで、レンズシート50に対して基準エッジ50A側からインクドットを着弾させる。そして、インク滴の噴射を伴ってキャリッジ38が走査方向Xに移動する印刷動作と、レンズシート50の搬送方向Yへの間欠的な搬送動作とが略交互に行われることで、レンズシート50の裏面に画像が印刷される。
こうして図7に示すレンチキュラー画像シート55が作製される。図7に示すように、レンチキュラー画像シート55には、インク吸収層51とレンズ層52との間にレンチキュラー画像56(画像層)が形成されている。
図8に示すように、本実施形態では、一例としてレンチキュラーレンズ52のレンズ幅方向LXにおける単位長さ当たりのレンズ53の個数で示されるレンズピッチLPが、60LPI(Lense per Inch)(LPIは1インチ当たりのレンズ数、但し1inch=25.4mm)のレンズシート50を使用している。また、印刷装置30においてレンズシート50への印刷に使用する印刷モードにおける印刷解像度(ドットピッチ)は、一例として360dpi(dot per inch)(dpiは1インチ当たりのドット数)である。なお、印刷解像度は、180dpi、720dpi、1440dpi、2880dpiであってもよい。
図8に示すように、レンズピッチLPが60LPI、印刷解像度が360dpiである場合、1つのレンズ53の幅内に6個のインクドットIDが配置される。レンズピッチLP(例えば60DPI:1/60inch)が、ドットピッチDP(例えば360dpi:1/360inch)の自然数倍(この例では6倍)である場合、レンズと印刷ドットとの間でピッチ合わせは不要である。
図9に示すように、レンズ53の幅内の領域(以下、「レンズ領域LA」という。)には、原画像がN枚、レンズ53のレンズ本数がM本、レンズピッチLP、ドットピッチDPであるとする。また、N枚(一例として3枚)の原画像G1,G2,G3を構成する画像をA,B,Cとする(図10参照)。図9に示すように、レンチキュラー画像56は、N枚の画像A,B,Cのそれぞれに対応する線状像を、線状像A1〜AM、線状像B1〜BM、線状像C1〜CMとする。計N×M本の線状像(短冊状像)A1〜C1,A2〜C2,…,AM〜CM等のうち、レンズ領域LA内には、N本(この例では3本)ずつが、順番に配置されている。レンズ領域LA内には、N枚の原画像の画像A,B,Cのレンズ幅方向LXに同じレンズ位置にある線状像A1〜C1,A2〜C2,…,AM〜CMがこの順番に配置されている。例えば図9に示す一番左側のレンズ53のレンズ領域LA内には、3本の線状像A1〜C1が配列されている。そして、図9に示すように、線状像Ai,Bi,Ci(但し、i=1,2,3,…,M)の配列方向(図9では左右方向)は、レンズ幅方向LXに等しい。このため、以下では、レンズ53の配列方向でもある、線状像の配列方向を「配列方向LX」と呼ぶ場合がある。
図9において右目によって視線K1に沿って右斜め上方の角度から見ると、各レンズ53を通して線状像A1,A2,…,AMと線状像B1,B2,…,BMの約半分ずつとが見え、全体として画像A,Bが見える。また、図9において左目によって視線K2に沿って左斜め上方の角度から見ると、各レンズ53を通して線状像C1,C2,…,CMと線状像B1,B2,…,BMの約半分ずつとが見え、全体として画像C,Bが見える。
ここで、従来の作成方法で三次元画像を作成する場合、N枚の原画像データをそれぞれレンズ幅方向にレンズ数Mと同数個の分割画像に分ける分割処理、M枚ずつの分割画像を1/N倍に圧縮してM本ずつの短冊状画像を作成する圧縮処理、M本ずつの短冊状画像を原画像の順番に再配列する再配列処理等が必要であった。このため、レンチキュラー画像を作成するためのソフトウェアが、携帯端末にとって比較的重く、作成にかなりの時間を要したり、ソフトウェアが携帯端末のメモリーのかなりの部分を占有したりするなどの問題がある。そこで、本実施形態では、ユーザーがレンチキュラーレンズ52を通して見た画像の画質をさほど落とさずに、しかも比較的簡単な処理でプログラムPRを構成することで、携帯端末にインストールするべきプログラム(ソフトウェア)の容量を小さくしている。
本実施形態では、従来行っていた分割処理、圧縮処理、配列処理を行っていない。本実施形態では、N枚の原画像のそれぞれに対応する縞状フィルターを重畳させてN枚の縞状画像を作成する第1画像合成処理と、N枚の縞状画像を1枚に合成して三次元画像を作成する第2画像合成処理とを行う。原画像のうち縞状フィルターで透過したM個の短冊状部分のみを合成するため、原画像の分割や分割した線状像の再配列が不要になる。
ところで、実際に使用されるレンズシート50は、合成樹脂製のため、レンズシート50のレンズ幅方向LXにおける伸び縮み等に起因して実際のレンズピッチLPrが厳密に想定のレンズピッチLPに等しくはなく、レンズ幅方向LXに誤差を含んでいる。あるいは、市販品を購入してユーザーが使用するレンズシート50のレンズピッチが、ドットピッチDPの自然数倍の値には必ずしもなっていない。
例えば実際のレンズピッチLPrが想定のレンズピッチLPよりも短く、一例として、想定のレンズピッチLP=60LPIに対して実際のレンズピッチLPrが60.08LPIであるものとする。印刷解像度360dpiで印刷する場合、レンズ幅内に配置できるドット数が6個未満の値(=360/60.08個)になるため、レンズ幅内から6個目のドットが少しずつはみ出て、そのはみ出し量がレンズ毎に蓄積されていく。この場合、レンズ53を通して見たときに所定の角度で見えなければならないドットが見えなくなったり、見えてはいけないドットが見えたりする。
この対策として、1個分のドットが蓄積される度に1個分のドットを間引く処理を行えばよいが、この間引き処理の分だけプログラムPRのサイズが大きくなり、画像作成処理に要する作成所要時間がその分長くなる。そのため、本実施形態では、画像を実際のレンズピッチに合わせてサイズ調整するリサイズ処理を施すようにしている。つまり、リサイズ処理では、画像を、想定のレンズピッチLPと実際のレンズピッチLPrとの比に相当する値(=LP/LPr)だけ変倍する。実際のレンズピッチLPrが60.08DPIであるこの例では、画像をレンズ幅方向LXにLP/LPr倍(=60/60.08倍)に圧縮する。なお、想定のレンズピッチLPと実際のレンズピッチLPrの大小関係が、LP<LPrのときは合成画像をLP/LPr(<1)倍に圧縮することになるが、LP>LPrのときは合成画像をLP/LPr(>1)倍に伸張することになる。
このとき、印刷解像度(ドットピッチDP)は変更することなく360dpiのままとする。印刷装置30が図4〜図6に示すようなシリアルプリンターである場合、印刷ヘッド39の走査方向Xの移動速度とインク噴射間隔時間とにより、ドットピッチDPは決まる。また、印刷装置30がラインプリンターである場合、印刷ヘッドのノズルピッチによりドットピッチDPは決まる。つまり、ドットピッチDPは印刷装置30における印刷モードに応じた固有の値であり、その調整は基本的にできない。
本実施形態の携帯端末20では、プログラムPRを実行するコンピューター61によりソフトウェアからなる機能部分が構成される。コンピューター61は、機能部分として、複数の原画像G1〜G3(原画像データ)(図10参照)のそれぞれに対応する複数種のフィルターデータの一例としての縞状フィルターF1〜F3(縞状フィルターデータ)(図10参照)を作成するフィルター作成部を備える。さらにコンピューター61は、原画像G1〜G3と縞状フィルターF1〜F3とを互いに対応するもの同士を画像合成して、原画像と同数の縞状画像H1〜H3(縞状画像データ)(図10参照)を作成する第1画像合成部を備える。また、コンピューター61は、複数の縞状画像H1〜H3を1つに合成してレンチキュラー画像データの一例としての三次元画像BV(三次元画像データ)を作成する第2画像合成部を備えている。さらにコンピューター61は、三次元画像BVを、携帯端末20の表示部21に表示させたり、印刷装置30へその印刷データを出力して印刷させたりする出力部を備える。この出力部は、三次元画像BVを印刷データに変換してから印刷装置30に出力する場合と、三次元画像BVの画像データをそのまま印刷装置30へ出力し、印刷装置30内で印刷データに変換する場合とがある。
次に図13及び図14を参照して、携帯端末20のコンピューター61がプログラムPRを実行して行う画像作成処理について説明する。なお、携帯端末20の他、印刷装置30内又はサーバー15内のコンピューターがプログラムPRを実行して画像作成処理を行ってもよく、この場合、各コンピューターが実行する処理は基本的に同じである。
携帯端末20の不揮発性メモリー68には、予めサーバー15からダウンロードしたコンテンツに含まれるプログラムPR及び画像データGDが記憶されている。画像データGDは三次元画像データである。但し、ここでいう三次元画像データとは、その画像の少なくとも一部が、レンチキュラーレンズ52を通して画像が立体的に見える立体視効果、見る角度によって画像中の対象物が変化するチェンジング効果、見る角度によって画像中の対象物が動いて見えるモーション効果のうち少なくとも1つを発揮する画像であればよい。例えば三次元画像と二次元画像とが混在する画像データでもよい。
ユーザーは印刷の実行を指示する前に、携帯端末20を操作して原画像の選択と、レンズシート50に関する情報(シートサイズ(例えばハガキサイズ)、レンズ数、レンズピッチ等)と、必要な印刷情報(印刷解像度又はこれを特定可能な情報(印刷モード等))とを入力する。
次に図10を参照して、本実施形態の画像作成処理方法で使用する原画像G1〜G3及び縞状フィルターF1〜F3について説明する。なお、図10において、各画像においてレンズシート50に印刷されたときにレンズ53の幅方向となる方向を同じくレンズ幅方向LXと呼び、レンズ53の長手方向となる方向を同じくレンズ長手方向LYと呼ぶものとする。
図10は、3つの原画像G1〜G3から3つの縞状フィルターF1〜F3を用いて、レンチキュラーレンズ52を通して立体視が可能な三次元画像データBVを作成する例である。説明を簡単にするため、図10の例では、レンチキュラー画像56(図7を参照)が印刷されるレンズシート50のレンズ53の数(レンズ数M)を「4」にしている。レンチキュラー画像56はレンズシート50の裏面に印刷されるため、レンチキュラーレンズ52を通して表面から見たときに画像が正しい向きで見えるように、レンチキュラー画像56は左右反転させた画像として印刷される。このため、図10の例では、3つの原画像G1〜G3は、それぞれ撮影対象(図10の例では直方体)を、左上斜め方向から撮影した画像を左右反転させた画像A、正面斜め上側から撮影した画像を左右反転させた画像B、右上斜め方向から撮影した画像を左右反転させた画像Cとなっている。なお、図10において左右反転とは、レンズ幅方向LXに画像を反転させることを指す。また、原画像G1〜G3のサイズは、例えばハガキサイズのレンズシート50に印刷できる画像サイズとなっている。この場合、周縁部に余白のない縁無し印刷が可能になるように、原画像G1〜G3の印刷画像領域にはレンズシート50の外側に少しのはみ出し量が設定され、原画像G1〜G3はこのはみ出し量も含めた画像サイズとなっている。
次に図10に示す3つの縞状フィルターF1〜F3について説明する。縞状フィルターF1〜F3は、原画像G1〜G3と同じサイズである。レンズ53一つ当たりにそのレンズ幅の領域(以下、「レンズ領域LA」という。)を、原画像の数NでN等分(図10の例では3等分)の領域DAに区画し、各領域DAのうちレンズ領域LA毎に原画像に対応する1つの同じ位置の領域を透過処理により透過させて透過領域D1,D2,D3にする。つまり、M個のレンズ領域LAをN等分した合計M×N本の領域DAを、図10における左側から順番に短冊番号1,2,3,…,(M×N)(例えば「12」)とする。
第1原画像G1に対応する縞状フィルターF1は、短冊番号3n+1(但しn=0以上の整数)の各領域DA、つまり図10の例では短冊番号1,4,7,10を透過させて透過領域D1とすることで作成される。第2原画像G2に対応する縞状フィルターF2は、短冊番号3n+2の各領域DA、つまり図10の例では短冊番号2,5,8,11を透過させて透過領域D2とすることで作成される。第3原画像G3に対応する縞状フィルターF3は、短冊番号3n+3の各領域DA、つまり図10の例では短冊番号3,6,9,12を透過させて透過領域D3とすることで作成される。
本実施形態では、ユーザーは原画像G1〜G3を、撮影、描画、ダウンロード等の方法で取得し、不揮発性メモリー68に画像データGDのうちの一部として記憶し用意しておく。コンピューター61がプログラムPRを実行すると、表示部21に設定画面(図示せず)が表示され、この設定画面で原画像G1〜G3を選択するとともに、レンズシート50に関するレンズ情報(レンズシートの商品名・品番等)と、印刷ドットピッチDPを特定可能な印刷情報(例えば印刷解像度又は印刷モード等)とを入力する。レンズ情報としては、レンズシート50のシートサイズ及びレンズピッチLP等の必要なレンズ情報を取得できるものであればよい。なお、印刷情報は、例えば印刷時に画像作成処理を行う場合は、設定された印刷条件から取得することもできる。
こうして必要な設定情報が入力すると、ユーザーは携帯端末20の操作部22を操作して画像作成処理の実行を指示する。コンピューター61は、操作部22からこの指示の信号を受け付けると、不揮発性メモリー68から読み出した図13及び図14にフローチャートで示されるプログラムPRを実行する。つまり、コンピューター61は、図13に示す画像作成処理ルーチンを実行するとともに、このルーチンのサブルーチンとして図14に示すフィルター作成処理ルーチンを実行する。
以下、図13及び図14に従ってコンピューター61が実行する画像作成処理ルーチンについて、図10〜図12等を参照しつつ説明する。
ステップS11では、原画像を取得する。すなわち、ユーザーが指定したN枚の原画像データを取得する。図10の例では3枚の原画像G1〜G3を取得する。
ステップS12では、原画像をレンズ幅方向に圧縮・伸張する。すなわち、コンピューター61は、原画像G1〜G3をレンズ幅方向LXに定数分の1倍(例えば1/6倍)に圧縮させる圧縮処理と、圧縮処理後の原画像G1〜G3を定数倍(6倍)に伸張させる伸張処理とを行う。このときの圧縮処理及び伸張処理は共に非可逆の処理であり、例えばバイリニア法で行う。このように原画像データG1〜G3を非可逆に圧縮処理した後に元に戻す伸張処理を行うのは、原画像G1〜G3中の斜め線に発生し易いジャギーを低減させるためである。
図12(a)に示すように、圧縮処理と伸張処理を施していない印刷後のレンチキュラー画像56Aを、レンズ53を通して見た場合、視線K3で正面(角度が約90度)から見ると、対象T1が例えば濃灰色に見えるが、視線K4で斜めの角度から見ると、対象T1が消え例えば白く見える。例えばレンチキュラー画像56A中にレンズ長手方向LYに対して斜めに延びる斜線があると、その斜線がレンズピッチ毎に太さが大きく変化してギザギザに見えるジャギーが発生する。また、レンチキュラー画像56A中に人物が存在する例では、人物の黒目が見る角度によって白目に変わる現象が発生する。
これに対して図12(b)に示すように、非可逆の圧縮処理と伸張処理を施した後に印刷したレンチキュラー画像56を、レンズ53を通して見た場合、視線K3で正面から見ても、視線K4で斜めの角度から見ても、共に対象T2が例えば黒く(厳密には濃灰色に)見える。つまり、レンチキュラー画像56を見る角度が変化しても、画像の一部が消える現象が起きにくくなる。このため、レンズ長手方向LYに対して斜めに延びる斜線のジャギーが抑制される。また、人物の黒目は見る角度が変化しても黒目に見える。なお、圧縮処理及び伸張処理の倍率を規定する定数は、「6」に限らず、2〜10の範囲内の適宜な値を選択することができる。また、非可逆の圧縮処理及び伸張処理であれば、バイリニア法以外の他の方法を採用してもよい。例えばバイリニア法、バイキュービック法、ニアレストネイバー法のうちから選択される一つを用いればよい。
ステップS13では、原画像に対応する縞状フィルターを作成する。図10の例では、原画像G1〜G3に対応する縞状フィルターF1〜F3を作成する。例えば図10において、原画像G1〜G3と同サイズかそれよりレンズ幅方向LXに若干大きなサイズで、全域が透過度0%かつ所定階調(一例として8階調)の例えば白色のパターンデータP1(図11(a)参照)を用意する。パターンデータP1において、レンズ53に対応するレンズ領域LA(図11(b)参照)をレンズ幅方向LXにN等分(本例では三等分)に区画した短冊状領域DAのうち、短冊番号3n+1(nは0以上の整数)の短冊状領域DAを透過度100%の透過領域D1〜D3とし、その他の短冊状領域DAを透過度0%にする。詳しくは、パターンデータP1に短冊番号1,4,7,10の短冊状領域DAを透過度100%にする透過処理を施すことで、透過領域D1を縞状に有する第1縞状フィルターF1が作成される。同様に、パターンデータP1に短冊番号3n+2(図10の例では短冊番号2,5,8,11)の短冊状領域DAを透過度100%にする透過処理を施すことで、透過領域D2を縞状に有する第2縞状フィルターF2を作成する。さらにパターンデータP1に短冊番号3n+3(図10の例では短冊番号3,6,9,12)の短冊状領域DAを透過度100%にする透過処理を施すことで、透過領域D3を縞状に有する第3縞状フィルターF3を作成する。このフィルター作成処理の詳細は、図14に示すサブルーチンを参照して後述する。なお、このステップS13が、フィルター取得ステップの一例に相当する。
ステップS14では、原画像と縞状フィルターとをそれぞれ合成して、縞状画像を作成する。詳しくは、図10に示すように、第1原画像G1と第1縞状フィルターF1とを合成して、第1縞状画像H1を作成する。また、第2原画像G2と第2縞状フィルターF2とを合成して、第2縞状画像H2を作成する。さらに第3原画像G3と第3縞状フィルターF3とを合成して、第3縞状画像H3を作成する。なお、図10における縞状画像H1〜H3は、分かりやすくするため、画像A,B,Cの全てを描いているが、実際には、画像A,B,Cのち灰色で示される透過領域D1,D2,D3と重なった部分だけが残り、他の部分は消えた画像になる。さらにコンピューター61は、縞状画像H1〜H3において短冊状領域DAの部分(図10において白色部分)に透過度100%にする透過処理を施す。
ステップS15では、各縞状画像を合成して、レンチキュラー画像を作成する。詳しくは、図10に示すように、第1縞状画像H1と第2縞状画像H2と第3縞状画像H3とを合成して、レンチキュラー画像としての三次元画像BV(三次元画像データ)を作成する。なお、図10において三次元画像BVは、分かりやすくするため、画像A,B,Cの全てを描いているが、実際には、画像A,B,Cのうち縞状画像H1〜H3において灰色で示される透過領域D1,D2,D3と重なった部分だけが残る画像になる。つまり、三次元画像BVは、N枚(本例では3枚)の原画像G1〜G3のうちレンズ幅の1/N(本例では1/3)に相当する縞状の部分画像がそれぞれレンズ幅方向にこの順に配列された画像となる。なお、このステップS15が、合成ステップの一例に相当する。
次に図14を参照してステップS13のフィルター作成処理の詳細を説明する。コンピューター61は、図14に示す画像作成処理ルーチンを実行する。
ステップS21では、原画像と同サイズのパターンデータを取得する。例えばレンズシート50のサイズ(媒体サイズ)がハガキサイズである場合、ハガキサイズのレンズシート50に印刷するときの原画像と同サイズでパターンデータP1を作成する。この場合、パターンデータP1は、図11(a)に示すように、例えば縦2210ピクセル、横1489ピクセルのサイズとなる。このパターンデータP1はその全域が例えば透過度0%に設定されている。また、パターンデータP1は、例えば原画像データに対して重ねて配置したときの向き(重畳して画像合成するときの向き)において、レンチキュラーレンズのレンズ幅方向の画素ピッチ(例えば360dpi(=1/360inch))が想定レンズピッチ(例えば60DPI(=1/60inch))の自然数倍(一例として6倍)の値となるデータである。なお、画素ピッチと想定レンズピッチは、自然数倍が2倍以上となる範囲の組合せで適宜設定することができる。
ステップS22では、パターンデータを原画像数×レンズ数の短冊状領域に区画する。つまり、M本のレンズ領域LAをそれぞれN等分することで、パターンデータP1をレンズ幅方向LXにN×M等分して、N×M本の短冊状領域DAに区画する。例えば図11(b)に示すM=4の例では、原画像G1〜G3の枚数NがN=3である場合、パターンデータP1をレンズ幅方向LXに、12等分(=3×4)して12本の短冊状領域DAに区画する。
ステップS23では、パターンデータにおける原画像に対応する短冊状領域を透明化して、縞状フィルターを作成する。図11(c)では、第1縞状フィルターF1の作成例を示し、パターンデータP1に、図10に示す短冊番号1,4,7,10の短冊状領域DAを透過度100%にする透過処理(透明化処理)を施して透過領域D1とすることにより、第1縞状フィルターF1を作成する。同様に、パターンデータP1に、図10に示す短冊番号2,5,8,11の短冊状領域DAを透過度100%にする透過処理を施して透過領域D2とすることにより、第2縞状フィルターF2を作成する。さらに同様に、パターンデータP1に、図10に示す短冊番号3,6,9,12の短冊状領域DAを透過度100%にする透過処理を施して透過領域D3とすることにより、第3縞状フィルターF3を作成する。なお、このステップS23が透過処理ステップの一例に相当する。
ステップS24では、縞状フィルターをレンズピッチに合わせてリサイズする。すなわち、縞状フィルターF1〜F3の横(レンズ幅方向LX)のピクセル数である1489ピクセルに、想定のレンズピッチLPと実際のレンズピッチLPrとの比LP/LPrを掛けたピクセル数となるように、縞状フィルターF1〜F3をレンズ幅方向にLP/LPr倍に変倍する。LP/LPr(<1)である場合、縞状フィルターF1〜F3をレンズ幅方向にLP/LPr倍に圧縮する。例えばLP/LPr=60/60.08である場合、縞状フィルターF1〜F3を60/60.08倍に圧縮する。また、LP/LPr(>1)である場合、縞状フィルターF1〜F3をLP/LPr倍に伸張する。また、LP=LPr(LP/LPr=1)の場合、リサイズ処理は行わない。なお、リサイズ処理は、例えばバイリニア法、バイキュービック法、ニアレストネイバー法のうちから選択される一つを用いて行われる。なお、このステップS24がリサイズステップの一例に相当する。
ユーザーは、コンピューター61がプログラムPRを実行して作成した三次元画像データBVに基づく画像を、例えば表示部21にプレビューさせ、その画像でOKであれば、印刷条件の設定と印刷の実行を指示する。ユーザーは、媒体の種類としてレンズシート、媒体サイズとして例えばハガキサイズ、印刷モードとして高画質モード、印刷色として例えばカラーを選択する。そして、ユーザーはレンズシート50を印刷装置30の給送部32に、図4に示すようにマーク部54側のエッジ50Bと反対側の基準エッジ50Aをホーム位置HP側に配置する向きでセットする。そして、携帯端末20を操作して印刷の開始を指示する。
コンピューター61は印刷の開始を指示する操作信号を入力すると、三次元画像データBVにヘッダーを付けた印刷データPD、又は三次元画像データBVをCMYK表色系データに変換してヘッダーを付けた印刷データPDを、印刷装置30に送信する。この印刷データPDを受信した印刷装置30は、印刷データPDに基づいて印刷エンジン72を駆動して、レンズシート50にレンチキュラー画像56を印刷する。このとき、印刷データPDに含まれる画像データがRGB表色系画像データである場合、印刷装置30は、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理等を行ってCMYK表色系の印刷画像データを生成し、印刷エンジン72がこの印刷画像データに基づくレンチキュラー画像56をレンズシート50に印刷する。印刷されたレンチキュラー画像56を構成する線状像A1,B1,C1の幅は、実際のレンズ領域LAの幅の1/N(図9の例では1/3)にリサイズされている。また、画像は、レンズ幅方向LXに圧縮処理と伸張処理とが施されている。この結果、作製されたレンチキュラー画像シート55により、質の高い三次元視が可能になる。
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)原画像データを取得する原画像取得ステップ(S11)と、レンチキュラーレンズ(レンズ層52)と重ねて配置したときにレンズ53の長手方向LYに沿って延びかつ幅方向LXに一部がレンズ領域LA内の同じ位置で透過する透過領域D1〜D3を持つ縞状フィルターデータF1〜F3を取得するフィルター取得ステップ(S13)とを備える。さらに、原画像データG1〜G3と縞状フィルターデータF1〜F3とを重畳させる合成を行って原画像データG1〜G3のうち透過領域D1〜D3と対応する縞状の部分が視覚化された縞状画像データH1〜H3を少なくとも一つ(本例では3つ)作成する合成ステップ(S14)を備える。そして、少なくとも一つの縞状画像データH1〜H3を含む複数の画像データ(本例では複数(例えば3つ)の縞状画像データH1〜H3)を合成してレンチキュラー画像データ(本例では三次元画像データBV)を作成する画像作成ステップ(S15)を備える。よって、従来必要であった原画像の圧縮、短冊状化のための分割、短冊状像(線状像)の再配列(並び替え)の処理が不要になり、画像の合成処理だけで、原画像の縞状化(短冊状化)、縞状画像を構成する線状像の再配列を行うことができる。この結果、レンチキュラー画像の作成が比較的簡単な処理で済む。例えば携帯端末20等に備えられた比較的処理能力の低いコンピューター61でも、長時間を要さずレンチキュラー画像を比較的簡単に作成できる。また、レンチキュラー画像を構成する原画像が一部欠落する縞状であるものの、レンズピッチと同程度の細かなピッチでレンチキュラーレンズ52のレンズ長手方向LYと平行な線状に欠落するだけなので、ユーザーはレンチキュラーレンズ52を通してさほど違和感なくレンチキュラー画像を見ることができる。
(2)原画像取得ステップ(S11)では、複数の原画像データG1〜G3を取得し、フィルター取得ステップ(S13)では、複数の原画像データG1〜G3ごとにレンズ幅方向LXにレンズ領域LA内の位置の異なる透過領域D1〜D3を有する複数の縞状フィルターデータF1〜F3を取得する。そして、合成ステップ(S14)では、複数の原画像データG1〜G3を対応する各縞状フィルターデータF1〜F3と重畳させる合成を行うことで、複数の縞状画像データH1〜H3を作成し、これら複数の縞状画像データH1〜H3を重畳させる合成を行うことでレンチキュラー画像(本例では三次元画像データBV)を作成する。よって、複数の原画像データG1〜G3が必要な三次元画像データBVを、例えば携帯端末20等に備えられた比較的処理能力の低いコンピューター61によっても比較的簡単に作成できる。
(3)レンチキュラーレンズ(レンズ層52)を通して見られるレンチキュラー画像データを作成する過程で原画像データG1〜G3に重畳させる合成に使用される縞状フィルターデータF1〜F3の作成方法を提供した。原画像データG1〜G3に対して重ねて配置したときにレンズ層52の想定レンズピッチLPが、レンズ幅方向LXの画素ピッチの自然数倍の値となるパターンデータP1(原データの一例)を取得する取得ステップ(S21)を備える。さらに原画像データG1〜G3のうちレンチキュラー画像の一部として残す部分と対応する所定の領域を透過させる透過処理をパターンデータP1に施すことで、透過領域D1〜D3を有する複数の縞状フィルターデータF1〜F3を作成する透過処理ステップ(S23)を備える。よって、レンズ層52の実際のレンズピッチLPrが、想定レンズピッチLPからさほど外れていなければ、実際のレンズピッチLPrに合った解像度の縞状フィルターデータF1〜F3を作成することができる。例えば画素とレンズとの間でピッチ合わせのための例えばリサイズ処理を施さなくて済む頻度が高まる。また、想定レンズピッチLPと実際のレンズピッチLPrのピッチを合わせるためのリサイズ処理を施したとしても、そのリサイズの倍率をなるべく1倍に近い値に抑えることができる。例えばぼけ低減処理をしなくても、透過領域D1〜D3の透過度の比較的高い縞状フィルターデータF1〜F3を作成できる。
(4)縞状フィルターデータF1〜F3を、想定レンズピッチと実際のレンズピッチとの比LP/LPrに応じたサイズにリサイズするリサイズステップ(S24)を更に備えた。よって、縞状フィルターデータF1〜F3を原画像データG1〜G3に重畳させる合成を行った場合、実際のレンズピッチ(つまりレンズ幅)に合った適切な領域が視覚化された縞状画像データH1〜H3を取得できる。
(5)透過処理ステップ(S23)において、縞状フィルターデータF1〜F3は、複数の原画像データG1〜G3の個々と対応する複数作成されるとともに、レンチキュラーレンズ52のレンズ幅内における透過領域D1〜D3がレンズ幅方向LXにそれぞれ異なる位置に作成される。このため、画像作成ステップで、各縞状フィルターデータF1〜F3を、対応する各原画像データG1〜G3に重畳させる画像合成を行えば、複数の縞状画像データH1〜H3を作成できる。さらにこれら複数の縞状画像データH1〜H3を重畳させる画像合成を行えば、立体視が可能なレンチキュラー画像(三次元画像BV)のデータを作成することができる。
(6)リサイズステップ(S24)において、バイリニア法、バイキュービック法、ニアレストネイバー法のうちから選択される一つを用いてリサイズ処理を行う。よって、リサイズ処理を非可逆で行うことができる。
(7)リサイズ処理(S24)の後にぼけを低減させる処理(ぼけ低減処理)を施す。よって、リサイズ処理が原因で縞状フィルターデータの画素がぼけても、その後のぼけ低減処理でその画素のぼけを低減させることができる。この結果、透過領域D1,D2,D3の透過度の比較的高い高品質な縞状フィルターデータF1〜F3を作成できる。よって、比較的高品質なレンチキュラー画像(三次元画像BV)を作成することができる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、印刷装置30の構成は第1実施形態と同様であり、コンピューター61が実行する画像作成処理及びフィルター作成処理の内容が異なるだけなので、第1実施形態と共通の構成及び共通の処理については同一の符号を用いてその説明を省略し、特に異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態では、三次元画像が、主画像MG(図20(a)参照)の上側(視方向手前側)に副画像SG(図18参照)を重畳させた画像である。レンチキュラー画像シート55は、見る角度を変えると、主画像MGの上(手前)の副画像SGが出現したり消失したりするチェンジング効果を有する。
本実施形態の画像作成処理方法は、まず図18に示す副画像SGと縞状フィルターFDとを画像合成して、縞状画像HDを作成する。次いで、縞状画像HDの背景の白領域WAを透過度100%の透過領域TAに変換して縞状画像HG(図19参照)を作成する。そして、主画像MGと縞状画像HGとを画像合成して、レンチキュラー画像MSを作成する。このレンチキュラー画像MSをレンズシート50の裏面に印刷して作製されたレンチキュラー画像シート55は、図20(b)に示す正面視(正面から見る角度)では主画像MG(対象M1)のみが見える。また、ユーザーがレンチキュラー画像シート55を左右に傾けて見る図20(c)に示す斜め視(斜めから見る角度で所定の角度の一例)では、主画像MGの上(手前)に副画像SGの文字CRが重畳して見える。つまり、レンチキュラー画像シート55を見る角度を変えると、主画像MGの手前に文字CRが出現したり消失したりする。
また、図21に示すように、レンチキュラー画像データMSに、透過窓部Wを有するフレーム形の窓フィルターデータWFを重畳させる合成を行って、レンチキュラー画像MSのうち中央部分だけを残してその他の周縁部分を消去した部分三次元画像PGを作成することもできる。部分三次元画像PGは、部分主画像MPの手前にスリット状の文字CPが重畳されたレンチキュラー画像である。この部分三次元画像PGをレンズシート50の裏面に印刷して作製されたレンチキュラー画像シート55も、図20(b),(c)に示すように、見る角度を変えると、部分主画像MPの手前にスリット状の文字CPが出現したり消失したりする。
以下、図15〜図20を参照して三次元画像の作成方法について説明する。まず図15〜図17等を参照して縞状フィルターFDの作成方法について説明する。
まず、主画像MGと副画像SGは媒体サイズに応じた同サイズである。媒体サイズが例えばハガキサイズである場合、ハガキサイズのレンズシート50に印刷するときの画像サイズと同サイズで全域が例えば透過度0%のパターンデータP1(図15(a)参照)を用意する。パターンデータP1は、所定階調(一例として8階調)の例えば白地の画像データである。このパターンデータP1が原データ(第1原データ)の一例に相当する。なお、以下の説明において、パターンデータP1を「第1パターンデータP1」と呼ぶ場合もある。
このパターンデータP1は、図15(a)に示すとおり、縦2210ピクセル、横1496ピクセルの画像サイズである。本例では、レンチキュラー画像シート55を正面から見たときに見えなかった副画像SGの文字CRを、レンチキュラー画像シート55を所定角度以上に傾けたときに見えるようにするために、副画像SGの線状像を、レンズ53の谷部に相当する箇所、つまりレンズ領域LAの幅方向端部に比較的狭い幅で形成する必要がある。
図15(c)に示すように、レンズ領域LAの端部領域EAに透過領域DTを作成する場合、作成できるその最小幅はピクセルの幅に依存するため、少なくとも横方向のピクセル数を増やす処理を行う。そのために図15(a)に示す第1パターンデータP1の縦横のピクセル数を定数倍(K倍)(但し、Kは2以上の自然数)して、第1パターンデータP1に比べ縦横のピクセル数が定数倍である図15(b)に示す第2パターンデータP2を作成する。図15(b)の例では、定数倍は「4倍」であり、第2パターンデータP2は縦が8840ピクセル、横が5984ピクセルの画像サイズになる。なお、定数倍は4倍に限らず、例えば2〜10の範囲内の所定の定数Kを選択してもよい。このように第2パターンデータP2のピクセル数を第1パターンデータP1のピクセル数の定数倍(K倍)にすることで、第1パターンデータP1を用いる場合に比べ、およそ定数分の1の幅の細い透過領域DTを有する縞状フィルターF4の作成が可能になる。
図15(c)に示すように、第2パターンデータP2では、レンズ53の谷部に相当する箇所に比較的狭い幅の透過領域DTを形成するため、1つのレンズ領域LAのピクセル数を24ピクセルとしている。そして、第2パターンデータP2に、レンズ領域LA内の両端に位置する1ピクセル幅分の端部領域EAを透過度100%の透過領域DTに変換する透過処理を施すことで、縞状フィルターF4を作成する。すなわち、ピクセル番号が、24nと24n+1(但し、nは0以上の整数)の隣合う2列のピクセル列ずつ透過度100%に透過させる。つまり、1番目、24番目、25番目、48番目、49番目、…のピクセル列を透過度100%の透過領域DTにすることで、レンズ53の谷部に相当する箇所にピクセル2列分の幅の透過領域を形成する。
ここで、第2パターンデータP2の横方向(レンズ幅方向)が例えば5976ピクセルであれば、5976ピクセルがレンズ幅である24ピクセルの倍数となり、第2パターンデータP2のマーク部54に相当する側の端部(図16では左端)が透過領域DTになる。しかし、その後の実際のレンズピッチ60.08LPIに応じたリサイズ(例えば圧縮)を考慮すると、5984ピクセル(=5976×(60.08/60))とすることで、60.08LPIのシートでも、マーク部54に相当する側の端部が透過領域DTになる。この点も考慮して図15(a)に示す第1パターンデータP1の横方向のピクセル数は設定されている。
つまり、媒体サイズ(例えばハガキサイズ)から決まる横方向(レンズ幅方向LX)のピクセル数Mwよりも少し大きな値Pwが選択される。この値Pwは、その値Pwを定数倍(K倍)した後の値(Pw・K)にレンズピッチに合わせるためにLP/LPr倍した値(Pw・K・LP/LPr)が、レンズ領域LA当たりのドット数DNの定数倍(K倍)の値(K・DN)の整数倍になることを満たす。第1パターンデータP1の横方向のピクセル数Pwは、Pw=(Mw+α)で示され、Pw×K×LP/LPrがK・DNのほぼ整数倍になるPwが決定される。例えばMw=1489ピクセルの場合、α=7とすると、Pw=1496になり、このときPw×K×LP/LPr=5976になり、K=4、DN=6の場合はK・DN=24になり、5976が24の整数倍(249倍)になっていることを満たすので、Pw=1496が決定される。もちろん、この条件を満たすPwは複数存在し、その中でもαがなるべく小さく済むPwが選択される。
図15(c)は、図16(a)に示す縞状フィルターF4の矢印Pで示された領域の拡大を示すものである。このような図15(c)に示す形態を有する縞状フィルターF4のレンズ幅方向(図16における左右方向)のピクセル数をレンズピッチに合わせてLP/LPr倍(一例として60/60.08倍)することで、図16(b)に示すように縦8840ピクセル、横5976ピクセルの縞状フィルターF4にリサイズする。さらに図17に示すように、同図(a)に示す縞状フィルターF4の縦横のピクセル数を定数分の1倍(1/K倍)にリサイズし、同図(b)に示す縦2210ピクセル、横1494ピクセルの縞状フィルターF4とする。この縞状フィルターF4の横のピクセル数1494をレンズシート50の媒体サイズ(一例としてのハガキサイズ)の横のピクセル数1489に合わせるため、端数分(5ピクセル分)をマーク部54に相当する側(同図では左側)から除去して、図18に示すように縦2210ピクセル、横1489ピクセルの縞状フィルターFDにサイズを整える。
次に図22及び図23を参照して、コンピューター61がプログラムPRを実行することで実施される画像作成処理について説明する。ユーザーが携帯端末20の操作部22等の操作で、主画像MGと副画像SGとを選択指定し、レンズシート50に関するレンズ情報及び印刷解像度を規定する印刷情報を少なくとも含む設定情報を入力設定する。その後、画像作成処理の開始を指示すると、コンピューター61は図22及び図23にフローチャートで示される画像作成処理及びフィルター作成処理を実行する。
まずステップS31では、主画像と副画像とを取得する。主画像MGと副画像SGは予め作成されたものをWeb上又はメモリーから読み出すか、ユーザーがデジタルカメラで撮影した写真や画像編集ソフトを用いて画像を描画することで取得する。なお、このステップS31が、原画像取得ステップの一例に相当する。
ステップS32では、主画像をレンズ幅方向に圧縮・伸張する。すなわち、図13におけるステップS12の処理と同様に、コンピューター61は、主画像MGをレンズ幅方向LXに定数分の1倍(例えば1/6倍)に圧縮させる圧縮処理と、圧縮処理後の主画像MGを定数倍(6倍)に伸張させて元のサイズに戻す伸張処理とを行う。例えばバイリニア法で行う。このように主画像MGを非可逆に圧縮処理した後に元に戻す伸張処理を行うことで、主画像MG中の斜め線に発生し易いジャギーの低減や、人物の黒目が白目に見える等の不都合を低減させることが可能になる。なお、非可逆の圧縮処理及び伸張処理であれば、バイリニア法に限定されず、例えばバイリニア法、バイキュービック法、ニアレストネイバー法のうちから選択される一つを用いればよい。
ステップS33では、副画像に対応する縞状フィルターを作成する。副画像SGと画像合成させる縞状フィルターFDを作成する。この縞状フィルターFDの作成は、コンピューター61が、図23に示されるフィルター作成処理ルーチンを実行することで行われる。このフィルター作成処理ルーチンの詳細は後述する。なお、このステップS33が、フィルター取得ステップの一例に相当する。
ステップS34では、縞状フィルターと副画像とを合成して、縞状画像を作成する。すなわち、図18に示す副画像SGと縞状フィルターFDとを画像合成して、縞状画像HDを作成する。この画像合成の結果、図18に示すように、縞状画像HDでは、スリット状の透過領域DTと重なった部分が見えるスリット状の文字CPが残る。なお、このステップS34が、合成ステップの一例に相当する。
ステップS35では、縞状画像の白部を透明化する。図18に示す縞状画像HDは、スリット状の文字CPの背景が白領域WA(白部)になっているので、白領域WAを透過度100%の透過領域TAに変換する透過処理(透明化処理)を施すことにより、図19に示す縞状画像HGを作成する。
ステップS36では、主画像と縞状画像とを合成して、レンチキュラー画像を作成する。すなわち、図20(a)に示すように、主画像MGの上側(視方向手前側)に縞状画像HGを重畳させる画像合成を行って、レンチキュラー画像MSを作成する。なお、このステップS36が、合成ステップの一例に相当する。
次に図23を参照して本実施形態のフィルター作成処理方法について説明する。ステップS33の処理に相当する。
ステップS41では、原画像と同じピクセル数で第1パターンを作成する。主画像MGと副画像SGとほぼ同サイズ(一例としてハガキサイズ)で全域が例えば透過度0%のパターンデータP1(図15(a))を作成する。例えば縦2210ピクセル、横1496ピクセルの第1パターンデータP1を作成する。このとき、媒体サイズ(例えばハガキサイズ)から決まる横方向(レンズ幅方向LX)のピクセル数Mwよりもαだけ大きめで、かつ前述の条件を満たすPwが決定される。媒体サイズがハガキサイズである場合は、Pw=1496が選択される。なお、このステップS41が、取得ステップの一例に相当する。
ステップS42では、第1のパターンのピクセル数を縦横共に定数倍して第2パターンを作成する。図15(a)に示す第1パターンデータP1の縦横のピクセル数をK倍(但し、Kは2以上の自然数)して、第1パターンデータP1に比べ縦横のピクセル数がK倍である図15(b)に示す第2パターンデータP2を作成する。図15(b)の例では、K=4であり、第2パターンデータP2は縦が8840ピクセル、横が5984ピクセルの画像サイズに作成される。この第2パターンデータP2では、図15(c)に示すように、レンズ領域LA内のピクセル数が第1パターンデータP1のときの6ピクセルの4倍の24ピクセルになっている。
ステップS43では、レンズ幅の両端に相当する領域を透過させて、縞状フィルターを作成する。
第2パターンデータP2に、レンズ領域LA内の両端に位置する1ピクセル幅分の端部領域EAを透過度100%の透過領域DTに変換する透過処理を施すことで、縞状フィルターF4を作成する(図15(c)参照)。詳しくは、図15(c)に示すように、ピクセル番号が、24nと24n+1(但し、nは0以上の整数)のピクセル列、つまりピクセル番号1,24,25,48,49,…のピクセル列を、透過度100%に透過させる。この結果、縞状フィルターF4には、レンズ53の谷部に相当する箇所にピクセル2列分の幅の透過領域が形成される。
ステップS44では、縞状フィルターをレンズピッチに合わせてリサイズする。図15(c)及び16(a)に示す縞状フィルターF4のレンズ幅方向のピクセル数を実際のレンズピッチに合わせてLP/LPr倍することでリサイズする。例えばLP/LPr=60/60.08倍である場合、縞状フィルターF4のレンズ幅方向のピクセル数を実際のレンズピッチに合わせて60/60.08倍することで、図16(b)に示すように縦8840ピクセル、横5976ピクセルの縞状フィルターF4にリサイズする。このリサイズ処理は、例えばバイリニア法により行われるが、バイリニア法、バイキュービック法、ニアレストネイバー法のうちから選択される一つを用いればよい。
ステップS45では、縞状フィルターのピクセル数を縦横共に定数分の1(=1/K)にリサイズする。図17に示すように、縞状フィルターF4の縦横のピクセル数を定数分の1倍(1/K倍)にリサイズし、K=4の例では、1/4倍(25%)に圧縮するリサイズ処理が行われ、図17(b)に示す縦2210ピクセル、横1494ピクセルの縞状フィルターF4とする。このリサイズ処理も例えばバイリニア法により行われるが、バイリニア法、バイキュービック法、ニアレストネイバー法のうちから選択される一つを用いればよい。
ステップS46では、縞状フィルターをレンズシートサイズに合わせてトリミングする。すなわち、この縞状フィルターF4の横のピクセル数1494をレンズシート50の媒体サイズ(一例としてハガキサイズ)の横のピクセル数1489に合わせるため、端数分(5ピクセル分)をレンズ幅方向LXにマーク部54が位置する側の端部から除去する。これにより図18に示すように、縞状フィルターFDを縦2210ピクセル、横1489ピクセルにサイズを整える。
本実施形態では、マーク部54がホーム位置側と反対側に配置される向きで、レンズシート50をセットする。そして、このマーク部54とレンズ幅方向LXに反対側の基準エッジ50Aから印刷を開始できる。このため、基準エッジ50Aの最初のレンズ53の谷部から印刷が開始される。よって、品質の高いレンチキュラー画像シート55が作成される。
以上詳述したように本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(8)パターンデータP1にレンズ幅方向のピクセル数をK倍(但しKは2以上の自然数)にするリサイズ処理を施して第2データの一例としての第2パターンデータP2を取得する第1リサイズステップ(S42)を更に備える。透過処理ステップ(S43)では、第2パターンデータP2に対して所定の領域(原画像G1〜G3に対応する短冊状領域DA)を透過させる透過処理を施す。透過処理後の第2パターンデータP2をレンズ幅方向LXに1/K倍にリサイズする第2リサイズステップ(S45)を備える。よって、透過処理は、ピクセル数がK倍の第2パターンデータP2に対して行われるので、1つの透過領域DTの幅(太さ)を細く形成することができる。このため、原画像データの一例である副画像データSGに縞状フィルターデータFDを重畳させる合成を行って作成された縞状画像HG中に縞状に現れる短冊状画像(副画像SGの文字CP)の幅を細くすることができる。例えばレンチキュラー画像シート55の斜め視のときのみ副画像SGの文字CPを見ることができる。
(9)第3データの一例である縞状フィルターデータF4のレンズ幅方向の一端である基準端と反対側の端部に位置するデータを削除して、縞状フィルターデータF4のレンズ幅方向LXのサイズをレンズシート50の幅に応じた値に調整するトリミングステップ(S46)を更に備える。よって、縞状フィルターデータFDを用いて作成したレンチキュラー画像MSを基準端がレンズ53の谷部となるようにレンズシート50に印刷できる。
(10)縞状フィルターデータFDは透過領域DTの幅がレンズ幅の半分未満に形成され、画像作成ステップ(S34)では、縞状フィルターデータFDを原画像データとしての副画像データSGと重畳させる合成を行って縞状画像データHGを作成する。そして、縞状画像データHGを主画像データMGと重畳させる合成を行ってレンチキュラー画像MSを作成する。よって、レンチキュラーレンズ52を通してレンチキュラー画像MSを見る場合、見る角度を所定の角度にすると、主画像MGと共に副画像SGも視認できる。
(11)縞状フィルターデータFDの透過領域DTが、レンズ幅方向LXにレンズ53の谷間に相当する位置に配置されるので、レンチキュラーレンズ52を正面から見たときに副画像SGが視認できない状態で主画像MGを視認でき、正面に対して傾けて見たときに主画像MGと共に副画像SGを視認できる。
(第3実施形態)
次に図24を参照して、第3実施形態について説明する。従来の方法で複数の原画像のそれぞれをレンズ幅方向LXに圧縮、分割、再配列の各処理を予め行って作成され、原画像の全てをレンズ幅方向LXに圧縮された複数の線状像を含む第1のレンチキュラー画像データ(一例として三次元画像データ)を第1コンテンツとして取得する。そして、第1のレンチキュラー画像データを含む第1コンテンツをダウンロードして携帯端末20の不揮発性メモリー68に記憶する(第1ステップ)。また、前記第1及び第2実施形態におけるプログラムPRを実行して原画像データG1〜G3又はMG,SGと縞状フィルターデータF1〜F3又はFDとを使って作成されたレンチキュラー画像のデータを第2のレンチキュラー画像データとして含む第2コンテンツを作成する。この第2のレンチキュラー画像データは、原画像の透過領域D1〜D3又はDTに対応する部分が縞状に配列されてなる複数の線状像を含む。そして、第2のレンチキュラー画像データを第2コンテンツとして、携帯端末20のRAM67又は不揮発性メモリー68に記憶することで取得する(第2ステップ)。そして、第1コンテンツと第2コンテンツとを合成して一つの第3のレンチキュラー画像データを作成する(画像作成ステップ)。
例えば図24に示すように、第1コンテンツとして、三次元画像IGがフレーム内に描かれたフレームデータFGを取得する。このフレームデータFGは窓部FWを有する。また、第2コンテンツとして第2実施形態でプログラムPR(図22、図23)を実行して得られた部分三次元画像PG(図21)を取得する。そして、図24に示すように、第2コンテンツである部分三次元画像データPGに対し第1コンテンツであるフレームデータFGを重畳させる画像合成を行って、フレームデータFGの窓部FWに、部分三次元画像PGの少なくとも一部が配置されたフレーム画像データBG(レンチキュラー画像データの一例)を作成する(画像作成ステップ)。そして、フレーム画像データBGに基づくフレーム画像を印刷装置30でレンズシート50に印刷することで、レンチキュラー画像シート55が作成される。なお、フレームデータFGを重畳させる相手の画像は、部分三次元画像PGに替え、レンチキュラー画像MS(図20、図21)でもよいし、三次元画像BV(図10)でもよい。また、第2ステップで取得する第2コンテンツの作成処理は、携帯端末20のコンピューター61が実行することに限定されず、パーソナルコンピューター(PC)又はサーバー15が実行し、PC又はサーバーが作成した第2コンテンツを転送又はダウンロードにより携帯端末20のコンピューター61が取得する構成でもよい。さらに携帯端末20以外のPC又はサーバーのコンピューターが、第1ステップ、第2ステップ及び画像作成ステップを行ってもよい。
また、第1実施形態において適用することもできる。すなわち、第1コンテンツとして、三次元画像IGがフレーム内に描かれたフレームデータFGを取得する(第1ステップ)。また、第2コンテンツとして第1実施形態でプログラムPR(図13、図14)を実行して得られた三次元画像データBV(図10)を取得する(第2ステップ)。そして、三次元画像データBVとフレームデータFGとを画像合成して、第3のレンチキュラー画像データを作成する(画像作成ステップ)。この場合、第2実施形態におけるレンチキュラー画像データMSを第2コンテンツとして取得することもできる。この場合、画像作成ステップにおいて、レンチキュラー画像データMSとフレームデータFGとを画像合成して、第3のレンチキュラー画像データを作成する。
さらに第2実施形態において適用することもできる。すなわち、主画像MGを、従来の方法で複数の原画像のそれぞれの圧縮、分割、再配列を行って予め作成された三次元画像データ(第1のレンチキュラー画像データの一例)を第1コンテンツとして取得する(第1ステップ)。次に、図18に示す副画像SGと縞状フィルターFDとを画像合成して作成した縞状画像HDの背景の白領域WAを透過度100%の透過領域TAに変換して縞状画像HG(図19参照)を作成し、この縞状画像HG(第2のレンチキュラー画像データの一例)を第2コンテンツとして取得する(第2ステップ)。そして、主画像MGと縞状画像HGとを画像合成して、レンチキュラー画像MS(第3のレンチキュラー画像データ)を作成する(画像作成ステップ)。
(12)予め作成された三次元画像IG又は主画像MG(三次元画像)を含む第1コンテンツを取得する第1ステップを備える。画像作成ステップでは、原画像データG1〜G3又はSGと縞状フィルターデータF1〜F3又はFDとを使って作成されたレンチキュラー画像BV,HG,MS,PGを第2コンテンツとして取得する(第2ステップ)。そして、第1コンテンツと第2コンテンツとを重畳させる合成を行って第3のレンチキュラー画像データBG,MSを作成する。よって、予め作成済みのレンズ幅方向LXに原画像の欠落のない相対的に精細な第1のレンチキュラー画像データである第1コンテンツと、レンズ幅方向LXに原画像の欠落のある相対的に粗い第2のレンチキュラー画像データである第2コンテンツとが合成されることで、高品質な第3のレンチキュラー画像BG,MSを作成することができる。
(13)予め作成された相対的に高解像度の三次元画像IGを一部に含むフレームデータFGを第1コンテンツとして取得し、ユーザーが原画像データG1〜G3と縞状フィルターデータF1〜F3との合成処理を行って作成された相対的に低解像度の三次元画像(部分三次元画像データPG)が第2コンテンツとして取得される。そして、画像作成ステップにおいて、高解像度の三次元画像IGを含むフレームデータFGと低解像度の三次元画像PGとが合成されることで、高解像度と低解像度の各三次元画像が混在するフレーム画像データBGを作成することができる。よって、低解像度のレンチキュラー画像データのみが提供される方法に比べ、高品質なレンチキュラー画像データを提供できる。
なお、上記実施形態は以下のような形態に変更することもできる。
・前記第2実施形態では、レンズシート50を見るときにユーザーがレンズ軸線に対してレンズシート50を左右に傾けた。これに対して図25に示すように、レンズ幅方向(同図における上下方向)が上下となる向きで対象M2が描かれた二次元画像からなる主画像MGに、スリット状の文字CPを同じくレンズ幅方向が上下となる向きで含む縞状画像HGを重畳させる合成を行ってレンチキュラー画像MSを作成する。そして、レンチキュラー画像MSをレンズシート50に印刷し、レンズシート50をユーザーの左右方向と平行なレンズ軸線を中心として上下に傾けて画像を変化させるタイプのレンチキュラー画像シートを作成してもよい。なお、主画像MGとして三次元画像を使用することもできる。
・第2及び第3実施形態において、主画像MGは三次元画像ではなく二次元画像でもよい。
・前記各実施形態では、画像作成処理ルーチン(図13、図22)中で、フィルター作成処理ルーチン(図14、図23)により縞状フィルターデータを作成したが、縞状フィルターデータを予め用意しておいてもよい。この場合、原画像G1〜G3に応じて重ねる縞状フィルターデータF1〜F3を使い分けるだけなので、画像処理が比較的簡単になる。
・第1実施形態において、レンチキュラー画像は、立体視効果が得られる画像に限定されず、チェンジング効果又はモーション効果が得られる画像としてもよい。また、立体視効果、チェンジング効果及びモーション効果のうち少なくとも一つの効果が得られる画像であればよい。例えば効果の異なる複数の対象を含むレンチキュラー画像を作成してもよい。
・上記各実施形態において、原画像データに対する圧縮・伸張処理(S12,S32)を廃止してもよい。
・前記各実施形態では、予め従来の方法で原画像の圧縮、分割、再配列の各処理を行って作成された三次元画像を含む第1コンテンツは、フレームデータFGに限定されない。枠以外の一部分が三次元画像となった第1コンテンツでもよい。
・前記第2実施形態では、副画像の線を細くするため、縞状フィルターデータFDは透過領域の幅がレンズ幅の1/10としたが、フィルターデータは透過領域をレンズ幅の半分未満に形成するのが好ましい。例えばレンズ幅の1/3,1/4,1/5,1/6,1/7,1/8,1/9でもよい。さらに1/15や1/20としてもよい。
・リサイズ処理(S42,S45)を廃止してもよい。
・トリミング処理(S46)を廃止してもよい。
・第2実施形態では、見る角度を変化させると、副画像が現れたり消えたりするチェンジングとしたが、対象物が動くモーションでもよい。例えば副画像の位置が少しずつ変化するモーション効果を発揮可能なレンチキュラー画像を作成するものでもよい。
・立体視の効果を得る場合、原画像の枚数Fは、3枚に限らず、2枚以上(F≧2)であればよい。例えば2枚でもよいし、4枚又は5枚でもよい。
・前記実施形態では、RGB表色系の画像データGDに対して画像作成処理を施したが、CMYK表色系の印刷画像データに対して画像作成処理を施してもよい。
・ユーザーがカメラで撮影した複数の画像を基に三次元画像を生成する機能をプログラムPRにもたせてもよい。そして、このプログラムPRにより生成した三次元画像に対してピッチ調整処理を行って調整後の三次元画像データ(レンチキュラー画像データの一例)を生成してもよい。
・レンズシート50又はレンズ層に面して配置して用いられる媒体を、線状像長手方向LY(レンズ長手方向)に搬送しつつ印刷ヘッド39で印刷を行ったが、媒体を線状像配列方向LX(レンズ幅方向)に搬送しつつ印刷ヘッド39で印刷を行ってもよい。
・レンチキュラーレンズ52等のレンズ層とインク吸収層51とを有するレンズシート50に印刷する構成に替え、フィルム又は用紙からなる媒体にレンチキュラー画像を印刷し、その印刷後の媒体の画像印刷面にレンチキュラーレンズ52を貼り付けてもよい。また、媒体の画像印刷面に、液体噴射装置を用いてインクジェット記録方式により液体噴射ヘッドのノズルから透明樹脂液を噴射することでレンチキュラーレンズ52を形成してもよい。透明樹脂液には例えば光エネルギーにより硬化する光硬化性樹脂(一例として紫外線硬化樹脂)を用い、媒体上に形成されたレンズ状の合成樹脂液を光(例えば紫外線)の照射で硬化させてレンズを形成する。要するに、最終的にレンズ層を通して三次元視等が可能なレンチキュラー画像シートが作製されれば、印刷時の媒体はレンズ層が有っても無くてもよい。
・印刷装置は、媒体に印刷できる印刷機能と携帯端末20又はホスト装置と通信可能に接続できる通信機能とを少なくとも有していればよい。例えばプリンターに限らず複合機でもよい。また、印刷装置は、インクジェット式、ドットインパクト式、レーザー式でもよい。さらに、印刷装置は、シリアルプリンター、ラインプリンター又はページプリンターでもよい。
11…印刷システム、15…サーバー、20…携帯端末、21…表示部、30…印刷装置、32…給送部、50…媒体の一例としてのレンズシート、51…インク吸収層、52…レンズ層(レンチキュラーレンズ)、53…レンズ(シリンドリカルレンズ)、55…レンチキュラー画像シート、56…レンチキュラー画像、61…コンピューター(携帯端末側)、68…記憶部の一例としての不揮発性メモリー、71…コンピューター(印刷装置側)、72…印刷部の一例としての印刷エンジン、79…記憶部の一例としての不揮発性メモリー、PR…プログラム、GD…画像データ、PD…印刷データ、LX…レンズ幅方向(短冊状画像配列方向)、LY…レンズ長手方向(短冊状画像長手方向)、LA…レンズの幅の一例としてのレンズ領域、A1〜C1,A2〜C2,A3〜C3,AM〜CM,Ai〜Ci…線状像(短冊状像)、LP…レンズピッチ、DP…ドットピッチ、BV…三次元画像(三次元画像データ)、G1〜G3…原画像データ、P1…原データ及び第1原データの一例であるパターンデータ(第1パターンデータ)、P2…第2原データの一例である第2パターンデータ、Pw…ピクセル数、F1〜F3…フィルターデータの一例としての縞状フィルターデータ、MG…原画像データの一例である主画像データ、SG…原画像データの一例である副画像データ、HG…縞状画像、MS…レンチキュラー画像、FD…フィルターデータの一例としての縞状フィルターデータ、PG…レンチキュラー画像データの一例としての部分三次元画像データ、FG…フレームデータ、BG…第3のレンチキュラー画像データの一例としてのフレーム画像データ。

Claims (8)

  1. レンチキュラーレンズを通して見られるレンチキュラー画像のデータを作成する過程で原画像データに重畳させて使用されるフィルターデータを作成するフィルターデータの作成方法であって、
    原画像データに対して重ねて配置したときにレンチキュラーレンズの想定レンズピッチがレンズ幅方向の画素ピッチの自然数倍の値となる原データを取得する取得ステップと、
    前記原画像データのうちレンチキュラーレンズのレンズ幅に相当するレンズ領域内の一部であってレンチキュラー画像の一部として残す部分と対応する所定の領域を透過させる透過処理を前記原データに施すことで、透過領域を有するフィルターデータを作成する透過処理ステップと、
    を備えたことを特徴とするフィルターデータの作成方法。
  2. 前記透過処理ステップでは、前記フィルターデータを複数の原画像データの個々と対応する複数作成し、複数の前記フィルターデータはレンチキュラーレンズのレンズ幅内における前記透過領域の位置がそれぞれ異なることを特徴とする請求項1に記載のフィルターデータの作成方法。
  3. 前記フィルターデータを、想定レンズピッチと実際のレンズピッチとの比に応じたサイズにリサイズするリサイズ処理を行うリサイズステップを更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルターデータの作成方法。
  4. 前記原データに前記レンズ幅方向のピクセル数をK倍(但しKは2以上の自然数)にするリサイズ処理を施して第2データを取得する第1リサイズステップを備え、
    前記透過処理ステップでは、前記第2データに対して前記所定の領域を透過させる透過処理を施し、
    前記透過処理後の前記第2データを前記レンズ幅方向に1/K倍にリサイズして第3データを取得する第2リサイズステップを更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のフィルターデータの作成方法。
  5. 前記第3データのレンズ幅方向の一端である基準端と反対側の端部に位置するデータを削除して、前記第3データのレンズ幅方向のサイズをレンズシートの幅に応じた値に調整するトリミングステップを更に備えたことを特徴とする請求項4に記載のフィルターデータの作成方法。
  6. 前記リサイズ処理を、バイリニア法、バイキュービック法、ニアレストネイバー法のうちから選択される一つを用いて行うことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載のフィルターデータの作成方法。
  7. 前記リサイズ処理によって生じた画素のぼけを低減するぼけ低減処理を前記リサイズ処理後のデータに施すことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか一項に記載のフィルターデータの作成方法。
  8. レンチキュラーレンズを通して見られるレンチキュラー画像のデータを作成する過程で原画像データに重畳させて使用されるフィルターデータを作成するためにコンピューターに実行させるプログラムであって、
    コンピューターに、
    原画像データに対して重ねて配置したときにレンチキュラーレンズの想定レンズピッチがレンズ幅方向の画素ピッチの自然数倍の値となる原データを取得する取得ステップと、
    前記原画像データのうちレンチキュラーレンズのレンズ幅に相当するレンズ領域内の一部であってレンチキュラー画像の一部として残す部分と対応する所定の領域を透過させる透過処理を前記原データに施すことで、透過領域を有するフィルターデータを作成する透過処理ステップと
    を実行させるためのプログラム。
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