JP2016037482A - 化粧料 - Google Patents

化粧料 Download PDF

Info

Publication number
JP2016037482A
JP2016037482A JP2014163240A JP2014163240A JP2016037482A JP 2016037482 A JP2016037482 A JP 2016037482A JP 2014163240 A JP2014163240 A JP 2014163240A JP 2014163240 A JP2014163240 A JP 2014163240A JP 2016037482 A JP2016037482 A JP 2016037482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
edible
metal
rolling
metal foil
foil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014163240A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6320874B2 (ja
Inventor
浅野 達也
Tatsuya Asano
達也 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HAKUICHI KK
Original Assignee
HAKUICHI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HAKUICHI KK filed Critical HAKUICHI KK
Priority to JP2014163240A priority Critical patent/JP6320874B2/ja
Publication of JP2016037482A publication Critical patent/JP2016037482A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6320874B2 publication Critical patent/JP6320874B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 伝統的な箔打ち方法に改良を施すことで人体への安全性を高め且つ効率的に製造できる食用金属箔の製造方法、当該方法を使用して製造した食用金属箔及び当該食用金属箔を含有する化粧料を提供する。
【解決手段】 本発明の食用金属箔の製造方法は、金属を可食性の圧延油を用いて第1のロール圧延機で圧延する第1の延金工程を行った後、当該金属を澄打機で打ち延ばす小兵工程の替わりに、可食性の圧延油を用いて第2のロール圧延機で更に圧延する第2の延金工程を行い、次に当該金属を澄打機で叩く荒金工程を経て金属箔を得ることを特徴とする。一般的にロール圧延機を用いる圧延作業は作業者の長年の経験や勘に頼らなくても一定の品質を保つことができる利点がある。また、可食性の圧延油は完成品の金属箔の表裏両面に皮膜として残るため人体に及ぼす悪影響をほぼ完全に無くすことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、伝統的な箔打ち方法に改良を施すことで人体への安全性を高め且つ効率的に製造できる食用金属箔の製造方法、当該方法を使用して製造した食用金属箔及び当該食用金属箔を含有する化粧料に関する。
金(きん、英:gold)は原子番号79の元素であり、元素記号はAu。第11族元素に属する金属元素であり、周期表第1B族に属し、銅族元素(貨幣金属元素ともいう)の一つ。単体は黄金色の色沢をもつ金属として代表的な貴金属の一つである(非特許文献1)。
金の歴史は古く、太古の昔から人々に珍重されてきた。その大きな理由の1つに時間が経過しても基本的に外観が「変わらない」という特長がある。金は化学反応しにくく、表面が酸化しにくいためいつまでもその光沢感を保ち続けることが可能である。ヨーロッパ人の到来以前の中央アメリカで人々が使用した素材は彼らの信仰と宇宙観を現しており、金はその輝きから太陽に例えられ、重要視された(非特許文献2)。
また、金や白金は古代から薬として有効であり、1200年前の奈良・正倉院には、約60種の漢薬が献納された。37%が石薬と呼ばれる鉱物≒無機化合物から出来ているものであり、金、銀、銅、鉄、錫、鉛、ヒ素などが検出されている。また、中世ヨーロッパでは鉄、銅、水銀、鉛、アンチモン、ヒ素などを内服薬として用い、病気の治療を試みていた(非特許文献3)。化学の発展した今日では、上記の鉱物は毒物に当たるものであるが、20世紀後半には、金や白金などの貴金属を含む医薬品が開発されることになった。具体例としては、白金イオンによる抗がん剤のシスプラチンや有機金化合物で抗リウマチ剤のオーラノフィン、抗潰瘍薬としてのアルミニウムを含むスクラルファートや亜鉛を含むポラプレジンクが挙げられる(非特許文献3)。
金には見た目の美しさだけではなく、生体機能に働きかける何かしらの要素が含まれている可能性があり、金を用いた香粧品等も開発されているがその効果についてはまだ明らかになっていないと考えられる。
例えば特許文献1には、金、銀、白金等の金属箔の片面にタマリンドガム含有組成物を被覆処理してあり、かつ1cmあたりの金属箔とタマリンドガム含有組成物の合計質量が、3.5〜6.5mgの範囲になるように皮膜処理された金属箔粉末を配合した化粧料が開示されている。
また、特許文献2には、金属箔表面に樹脂を1cmあたりの樹脂と金属箔の合計質量が、0.8〜10.0mgの範囲になるように塗工処理した後に粉砕して得られる、金属箔を固定した板状樹脂粉末を配合した化粧料が開示されている。
また、特許文献3には、天然にがりに食用金箔を含有した化粧品が開示されている。
特許第5378587号公報 特開2013−007023号公報 特開2006-067991号公報
伊奈伸太郎:古代医学にみる""の効用, フレグランスジャーナル,No.2,59-61,1991 SALAS Guillermo et al, The Sacred in Mesoamerican Materials, JOM, Vol.58, No.5, 44-47,2006 桜井弘:金や白金は薬として有効−金属で病気を治す−,生物と金属−金属イオンの生体内で働く仕組み−, 第15回「大学と科学」公開シンポジウム組織委員会編
ところが、上記従来技術では以下のような問題があった。
すなわち、特許文献1及び2では物理的強度を高める等の目的で表面に皮膜処理を施した金属箔を用いるので、皮膜の成分によっては肌に悪影響を及ぼす可能性があるという問題、皮膜処理のためのコストが増加するという問題、更には肌に塗り込む際に金属箔が微粒子化されにくく、いわゆるダマになる可能性があるという問題がある。
また、特許文献3はあくまで金イオンと天然にがりの相乗効果で美肌効果を促進するものであり(特許文献3の[0009]参照)、天然にがりを用いない化粧料に金属箔を使用した例については記載されていない。
また、伝統的な箔打ち方法は職人の長年の経験と勘に基づいて行われているため、化粧料等の工業的に大量に製造する製品に伝統的な箔打ち方法で製造した金属箔を含有することは製造効率低下の原因になるという問題もある。
本発明はこのような問題に鑑み、伝統的な箔打ち方法に改良を施すことで人体への安全性を高め且つ効率的に製造できる食用金属箔の製造方法、当該方法を使用して製造した食用金属箔及び当該食用金属箔を含有する化粧料を提供することを目的とする。
本発明の食用金属箔の製造方法は、少なくとも澄打工程と箔打工程とを備える伝統的な金属箔の製造工程のうち、金属を可食性の圧延油を用いて第1のロール圧延機で圧延する第1の延金工程を行った後、当該金属を澄打機で打ち延ばす小兵工程の替わりに、可食性の圧延油を用いて第2のロール圧延機で更に圧延する第2の延金工程を行い、次に当該金属を澄打機で叩く荒金工程を経ることで、最終的に金属層の表裏両面に前記圧延油からなる皮膜層を形成した金属箔を得ることを特徴とする。
また、前記金属箔が、金、銀、銅及び白金のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする。
本発明の食用金属箔は、上記食用金属箔の製造方法により製造したことを特徴とする。
本発明の化粧料は、上記食用金属箔を含有することを特徴とする。
また、更に、ブチレングリコールを含有することを特徴とする。
伝統的な箔打ち方法は主に澄打工程と箔打工程とに分かれている。
澄打工程では、合金(金属)を製造する金合せ工程、金属をロール圧延機で延ばす延金工程、数百枚の金属を澄打紙の間に交互に挟み入れて革で包み、澄打機で打ち延ばす小兵工程、より大きな澄打紙で挟んで打ち延ばす荒金工程等を経て、最終的に上澄と呼ばれる厚さ1/1,000mm程度の金属を製造する。
箔打工程では、上澄をその厚さに応じて適当な大きさで上澄片に切り分ける澄切工程、複数の上澄片を方形状になるように配置しながら箔打紙の間に挟んでいく仕入れ工程、箔打紙の束を革で包んで箔打機で叩く小間打ち工程、正方形に切って箔合紙に移し替える箔うつし工程を経て最終的に1/10,000mm程度の金属箔を製造する。
ここで上記小兵工程では、その前段階の延金工程で製造した厚さ約0.05mm、幅5cm程度の金属を約13cm角の澄打紙とほぼ同じ大きさにまで澄打機で叩いて延ばしていくが、完成品の金属箔(厚さ1/10,000mm)と比較してまだ充分に厚い(0.05mm=1/20mm)金属を叩く際に面内に生じる凹凸の高低差がほぼ無くなるまで叩き均すには高度な技術が必要となるため、この小兵工程の出来不出来が完成品の金属箔の品質を左右する。通常は職人の長年の経験と勘に頼ることで金属箔の品質低下を免れているが、職人であっても小兵工程での作業に長時間を要することから、金属箔製造の効率化の点でネックになっていた。
本発明では、上記延金工程(第1の延金工程)を終えた後、小兵工程を行わずに、第2のロール圧延機を用いて小兵工程と同様の厚さ(約0.05mm)まで金属を再度圧延する第2の延金工程を行うことにした。一般的にロール圧延機を用いる圧延作業は作業者の長年の経験や勘に頼らなくても一定の品質を保つことができる利点があり、また、圧延技術も比較的短期間で習得可能なため、これにより金属箔製造の効率化に大きく貢献する。
また、ロール圧延機を使用する際には金属の表面に圧延油を塗布するが、本発明では第1の延金工程と第2の延金工程で可食性の圧延油を用いる。この可食性の圧延油は完成品の金属箔の表裏両面に皮膜として残るため、従来のように金属箔の表面に樹脂等で皮膜を形成する場合と比較して人体に及ぼす悪影響をほぼ完全に無くすことができる。
また、圧延作業で使用する圧延油がそのまま皮膜になるので、従来のように完成品の金属箔に対して別途皮膜処理を行う場合と比較してコストを抑えることができる。
また、このようにして製造した食用金属箔を含有する化粧料を肌に塗り込む際に、皮膜が可食性の圧延油から成るため、圧延油は肌の温度で溶け出し、金属箔の表面から離れて肌に吸収されていく。したがって、従来のように皮膜の影響により金属箔が微粒子化されにくく、ダマになるという問題を解消できる。
また、金属箔が金、銀、銅及び白金のうちの少なくとも一つを含むものとすれば、これら金属は適量であれば人体に対して悪影響がないことが知られているため、化粧料としての安全性をより高めることができる。特に、金属箔が金を含有する場合には、後述のとおり、実験により金箔が肌の保湿性(皮膚水分量)及び弾力性(皮膚弾力性(戻り率))を向上させたり、金箔が人に与えるリラックス効果や被膜様効果によって、肌症状を改質する可能性を有するので、化粧料としてより好ましい。
また、化粧料がブチレングリコールを含有することにすれば、ブチレングリコールが通常有する効果、すなわち防腐効果、殺菌効果、肌への低刺激性効果、化粧料中のビタミンCの酸化抑制効果及び化粧料の変色抑制効果を得られるだけでなく、金属箔を化粧料中に均一に分散・滞留させる効果も得られる。金属箔が化粧料中に均一に分散・滞留していると美観が向上し、また、化粧料の使用時に微量だけ容器から取り出した際に、当該微量の化粧料中にも金属箔が含まれるようにできるという利点がある。なお、化粧料が更に加水分解コラーゲン及びヒアルロン酸を含むことにすれば、美肌効果及び保湿効果をより高めることができる。
本発明の食用金属箔の構造を示す側面図(a)及び斜視図(b) 本発明の食用金属箔の製造方法を構成する各工程を示すフローチャート(a)及び(b) 皮膚水分量の推移を示すグラフ 皮膚弾力性(戻り率)の推移を示すグラフ
本発明の食用金属箔、食用金属箔の製造方法及び食用金属箔を含有する化粧料の実施の形態について説明する。
図1(a)、(b)に示すように、本発明の食用金属箔10は金属層20と皮膜層30から構成される。
金属層20を構成する金属の種類としては、金、銀、銅、白金、錫、アルミニウム等の単金属或いはこれら金属の合金が挙げられるがこれらに限定されるものではない。特に、金属が金、銀、銅及び白金のうちの少なくとも一つを含むものであれば人体への安全性及び皮膚の弾力性や保湿性を高める効果を得られる点で好ましい。金属層20の厚さも適宜調節可能であるが、一般的には約0.1〜1.5μm程度である。
皮膜層30は可食性の圧延油から成る。可食性の圧延油としては例えばCARL BECHEM社のベルジンスシリーズ等の食品機械用潤滑油(NSF H1グレード)を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の食用金属箔10の用途としては例えば化粧料中に含有する、そのまま或いは粉状に粉砕した状態で食品に載せたり飲料中に混ぜる、粉状に粉砕したものをスプレーで食品に噴射する、砂糖等を球状や立方体形状に固めたものの周囲に粉状の食用金属箔をコーティングする、漢字、アルファベット、図柄等に型抜きする等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、本発明の食用金属箔の製造方法について説明する。
本発明の食用金属箔の製造方法は、図2(a)、(b)に示すように、澄打工程及び箔打工程から成る伝統的な箔打ち方法を基本にし、これに改良を施したものである。以下の説明においては主に澄打行程中の当該改良を施した工程について説明し、その他の工程については周知であるため詳細な説明を省略する。
また、箔打工程では、箔打紙として手漉きの和紙に卵や柿渋などを混ぜたものを使用し、革を張った板(革板)の上で竹製の枠を使用して規定の寸法に金属箔を裁断し、これを箔紙へ移して完成する「縁付箔」を製造する場合と、カーボンを塗布した特殊な箔打紙を用い、当該箔打紙と金属箔とをまとめて裁断する「断切箔」を製造場合の2種類が存在するが、本発明の食用金属箔の製造方法においては「縁付箔」と「断切箔」のいずれを製造してもよいものとする。
また、伝統的な箔打方法では、澄打工程及び箔打工程以外に、これら工程での使用に適した澄打紙・箔打紙を製造する紙仕込み工程も存在するが、これも周知であるため説明を省略する。
本発明の食用金属箔の製造方法では澄打工程中、(1)延金工程(本発明の第1の延金)において可食性の圧延油を用いる点、(2)小兵工程の替わりに第2のロール圧延機で金属を更に圧延する工程(本発明の第2の延金工程)を備える点、(3)当該第2の延金工程において可食性の圧延油を用いる点に特徴を有する。
このように、本発明の食用金属箔の製造方法では、伝統的な箔打ち方法に改良を施すことで人体への安全性を高めた食用箔を効率的に製造できる。
次に、本発明の食用金属箔を含有する化粧料の実施例を説明する。
20歳以上59歳以下の肌のかさつきやたるみなどが気になる日本人女性を対象として、本発明の食用金属箔として金箔を含有した化粧水の塗布による肌諸症状改善効果について、金箔を含有していない化粧水を対照として左右顔面にそれぞれを1日朝晩、4週間連続塗布させた非盲検群間比較を実施した。
[1.被験者]
(1)対象
株式会社SOUKENに登録したボランティアのうち、以下の選択基準に合致し、除外基準に該当しなかった者20名の中から、左右頬部の皮膚水分量値及び皮膚弾力性値(戻り率)が相対的に低く、被験品の塗布を自ら希望した者11名を被験者とした。なお、当然のことながら被験者には守秘義務を課している。
(2)選択基準
・同意取得時の年齢が20歳以上59歳以下の日本人女性
・肌のかさつきを感じる者
・肌のたるみを感じる者
(3)除外基準
・妊娠中または妊娠している可能性のある者、および授乳中の者・検査結果に影響する可能性のあると思われる薬(美肌効果を有する医薬品等)を服用または塗布している者
・検査結果に影響する可能性のあると思われる健康食品(美肌効果を謡っているサプリメント等)を日常的に塗布している者
・肌アレルギー症状を示す恐れのある者および皮膚過敏症の者
・被験品成分によりアレルギー症状を示す恐れのある者
・現在、皮膚科に通っている者
・他の臨床試験に参加している者
(4)被験者の同意
本試験の実施に先立ち、ヘルシンキ宣言に従い、芝パレスクリニック倫理審査委員会の承認の下、試験開始前に被験者に対して試験内容および方法などについて十分に説明を行い、文書による同意を得た上で実施した。
[2.被験品]
被験品は金箔含有化粧水、対照品は金箔非含有化粧水であり、表1に成分組成を示す。なお、被験品及び対照品は株式会社箔一から供与された。
Figure 2016037482
[3.試験方法、試験期間、検査・測定法、被験者の選定、被験者割り付け]
(1)試験方法
被験品及び対照品は1日2回(朝と晩の洗顔後)約2mlを4週間、それぞれを半顔ずつ塗布させる非盲検群間比較試験とした。
(2)試験期間
試験期間は2013年8月27日から同年10月8日までの4週間で、被験品及び対照品を左右半顔にそれぞれ4週間連用塗布し、塗布前、塗布2週後、塗布4週後の3回を観察日とした。なお、試験期間中は測定部位(頬部)の剃毛・脱毛・除毛は禁止するように指示した。
(3)検査・測定法
塗布前、塗布2週後、塗布4週後の3回の観察日に、被験者は洗顔した後、温度22±2℃、湿度50±RH10%に維持された部屋で20分間安静にして肌を馴化させ、機器にて顔面の肌状態を測定した。
・「皮膚水分量」は、CORNEOMETER CM825(インテグラル社)のを用い、被験者の左右の頬骨の上を5mmずつずらして3箇所測定し、得られた測定値の平均値を頬部皮膚水分量として記録した。
・「皮膚水分蒸散量」は、VAPOMETER SWL-4360(Delfin echnologies Ltd)を用い、被験者の左右の耳朶下の付け根と唇端を結ぶ線上で、耳朶下の付け根から3cmの部分の測定を行い、得られた測定値を頬部皮膚水分蒸散量とした。
・「頬部皮膚弾力性」は、CUTOMETER MPA580(インテグラル社)を用い、被験者の左右の耳朶下の付け根と唇端を結ぶ線上で、耳朶下の付け根から4cmの部分で3回測定を行い、得られた振幅最大値および振幅最小値の各中央値の差と振幅最大値の比(戻り率)を頬部皮膚弾力性として記録した。
・「自覚症状アンケート」は、被験者に各観察時に主観評価での肌に対する自覚症状についてアンケートを行った。顔の肌状態を、「たるみについて」、「メイクのノリの悪さについて」、「顔全体のくすみ、顔色の悪さについて」、「顔全体のかさつきについて」、「目元、口元のかさつきについて」、「小ジワについて」、「洗顔後のつっぱり感について」、「目元のくまについて」、「お肌のキメ・毛穴の開きについて」、「お肌のハリ・弾力について」、の10項目で、1:非常に気なる、2:少し気になる、3:どちらともいえない、4:あまり気にならない、5:まったく気にならない、の5段階で評価させた。
(4)被験者の選定
スクリーニングとして、20名の被験者の左右頬部について「皮膚水分量」及び「皮膚弾力性(戻り率)」を測定し、それらに関して基準に該当する者から1,2,3…と順位をつけ、それを各項目のスコアとみなし、合計スコアの低い者11 名を選抜し、本試験参加の被験者とした。ただし、合計スコアが同じになった場合には、「皮膚水分量」のスコアの低い者を優先するものとした。
(5)被験者割り付け
スクリーニングで選抜された被験者は、金箔含有化粧品と金箔非含有化粧品を被験者の左右顔面のどちらかに無作為に割り付け、皮膚水分量及び皮膚弾力性(戻り率)のスクリーニングの平均値ができるだけ同一になるように割り付けた。
[4.統計処理]
測定値は、本文および表については平均値±標準偏差で、図3及び図4については平均値±標準誤差で示した。統計処理は、Dr. SPSSII(エスピ−エスエス(株))を用いて行った。
皮膚水分量、皮膚水分蒸散量及び皮膚弾力性における塗布前と各観察時期との比較はDunnettの多重比較検定で、自覚症状の塗布前と各観察時期との比較についてはWilcoxon符号付き順位検定(Bonferroniの不等式による修正)で解析した。
また、皮膚水分量、皮膚水分蒸散量及び皮膚弾力性における各観察時期での金箔含有化粧品群と金箔非含有化粧品群との群間比較では対応のあるt検定、自覚症状における金箔含有化粧品群と金箔非含有化粧品群との群間比較ではWilcoxonの符号付き順位検定で解析した。いずれも有意水準は両側検定で危険率5%とした。
[試験結果]
1.被験者背景
最終的に本試験への参加が決まった11名の被験者の平均年齢は、47.5±4.6歳であり、表2に示した。
Figure 2016037482
2.皮膚水分量の推移
皮膚水分量の推移を表3及び図3に示す。
Figure 2016037482
金箔含有化粧品群で、塗布前において47.4±6.4、2週後において51.8±6.3、4週後において51.8±7.8であり、塗布前と比較して2週後(P=0.002)、4週後(P=0.002)で有意に高値であり、金箔非含有化粧品群では経時的に有意な変化は見られなかった。また、金箔含有化粧品群と金箔非含有化粧品群の群間比較で、2週後(P=0.018)、4週後(P=0.006)で金箔非含有化粧品群と比べて有意に皮膚水分量が高かった。
3. 皮膚水分蒸散量の推移
皮膚水分蒸散量では、経時比較で両群共に有意な変化は見られず、また群間有意差も確認されなかった。
4. 皮膚弾力性(戻り率)の推移
皮膚弾力性(戻り率)の推移を表4及び図4に示す。
Figure 2016037482
金箔含有化粧品群で、塗布前において67.0±4.4%、2週後において68.4±4.6%、4週後において70.5±3.9%であり、塗布前と比較して2週後において+1.4、4週後において+3.5であり、4週後(P<0.001)で有意に高値であり、金箔非含有化粧品群では経時的に有意な変化は見られなかった。また、金箔含有化粧品群と金箔非含有化粧品群の群間比較で、2週後(P=0.044)、4週後(P<0.001)で金箔非含有化粧品群と比べて有意に皮膚弾力性が高かった。
5.自覚症状の推移
自覚症状の推移は、表5に示す。
Figure 2016037482

たるみについて、メイクのノリの悪さについて、目元、口元のかさつきについて、洗顔後のつっぱり感について、お肌のキメ・毛穴の開きについておよびお肌のハリ・弾力についての項目で、金箔含有化粧品群および金箔非含有化粧品群において2週後および4週後で、塗布前と比べて有意に高スコアを示した。顔全体のくすみ、顔色の悪さについての項目で、金箔含有化粧品群および金箔非含有化粧品群において2週後で、塗布前と比べて有意に高スコアを示した。顔全体のかさつきについておよび小ジワについての項目で、金箔含有化粧品群および金箔非含有化粧品群において4週後で、塗布前と比べて有意に高スコアを示した。一方、いずれの観察においても群間有意差は認められなかった。
6.安全性
試験期間中、有害事象の発生がなかったことから、被験品は安全性に問題がないと考えられた。
[考察]
本試験では、20歳以上59歳以下の肌のかさつきやたるみなどが気になる日本人女性を対象として、金箔含有化粧水の塗布による肌諸症状改善効果について、金箔を含有していない化粧水を対照として左右顔面にそれぞれを1日朝晩、4週間連続塗布させた非盲検群間比較を実施した。
肌の保湿性を現す皮膚水分量及び肌の弾力性において、金箔を含まない化粧水と比べて金箔を含む化粧水で有意な改善が確認され、金箔の存在による肌の保湿性及び弾力性の改善効果が示唆された。昔から人は自然と金を好む性質があることは歴史が物語っており、金が人体に何かしらの影響を与える可能性はある。純金の継続的な服用による脳活動への影響を脳波測定によって検討している報告があり、金を食することで左脳の活性化及びリラックス効果によるストレス軽減について示唆している。そこには物質としての金だけではなく、金の色が大きく関係している可能性もある。
人は視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の五感によって外界からの情報を得ており、特に視覚に入る情報の中で最も多いのは色彩である。色彩は言語化されなくとも心理的な影響が強く、例えば20代の被験者にスクリーンに映した色を「かわいい−かわいくない」の7段階で評価させ、同時に心拍や脳波等々を測定したところ、「かわいい」と評価(≒認識)した場合は、そうでない場合と比べて、生体反応が活発になるという報告がある。また、化粧品の色をはじめとして香りや触感といった感性は中枢神経を刺激し、高明度の色光は低明度に比べて快適性やリラックス感が高まる。
また、ワセリンのような油性成分は角質上に被膜を作って水分の蒸散を防ぐ効果があり、金箔が皮膚表面上に塗布された場合、被膜のような働きをする可能性も考えられた。
本試験で用いられた被験品は金箔含有の有無に限らず、その他の成分として加水分解コラーゲンやヒアルロン酸Naが処方されており、金箔を含有していない対照品も十分に皮膚の改質効果は期待出来る中、客観評価である皮膚水分量や皮膚弾力性で金箔を含有することによって有意な改善効果が確認出来たことは特筆すべきであると考える。
以上のことから、当該被験品に含有される金箔のリラックス効果や被膜様効果によって、保湿性や皮膚の弾力性が向上する可能性が示唆された。
[まとめ]
20歳以上59歳以下の肌のかさつきやたるみなどが気になる日本人女性を対象として、金箔含有化粧水の塗布による肌諸症状改善効果について、金箔を含有していない化粧水を対照として左右顔面にそれぞれを1日朝晩、4週間連続塗布させた非盲検群間比較で調べた結果、以下のことが明らかになった。
(1)肌の保湿性(皮膚水分量)が化粧水に金箔を含有させることで有意に向上した。
(2)肌の弾力性(皮膚弾力性(戻り率))が化粧水に金箔を含有させることで有意に向上した。
(3)金箔が人に与えるリラックス効果や被膜様効果によって、肌症状を改質する可能性が示唆された。
(4)以上より、金箔を含有させた化粧水を1日2回、朝晩の洗顔時に塗布することにより、安全でかつ有効的な肌の保湿性や弾力性を向上する事が出来ると考えられ、美容学的に価値のあるアプローチになることが期待された。
本発明は、伝統的な箔打ち方法に改良を施すことで人体への安全性を高め且つ効率的に製造できる食用金属箔の製造方法、当該方法を使用して製造した食用金属箔及び当該食用金属箔を含有する化粧料であり、産業上の利用可能性を有する。
10 食用金属箔
20 金属層
30 皮膜層

Claims (5)

  1. 少なくとも澄打工程と箔打工程とを備える伝統的な金属箔の製造工程のうち、金属を可食性の圧延油を用いて第1のロール圧延機で圧延する第1の延金工程を行った後、当該金属を澄打機で打ち延ばす小兵工程の替わりに、可食性の圧延油を用いて第2のロール圧延機で更に圧延する第2の延金工程を行い、次に当該金属を澄打機で叩く荒金工程を経ることで、最終的に金属層の表裏両面に前記圧延油からなる皮膜層を形成した金属箔を得ることを特徴とする食用金属箔の製造方法。
  2. 前記金属箔が、金、銀、銅及び白金のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の食用金属箔の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の食用金属箔の製造方法により製造したことを特徴とする食用金属箔。
  4. 請求項3に記載の食用金属箔を含有することを特徴とする化粧料。
  5. 更に、ブチレングリコールを含有することを特徴とする請求項4に記載の化粧料。
JP2014163240A 2014-08-09 2014-08-09 食用金属箔の製造方法 Active JP6320874B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014163240A JP6320874B2 (ja) 2014-08-09 2014-08-09 食用金属箔の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014163240A JP6320874B2 (ja) 2014-08-09 2014-08-09 食用金属箔の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016037482A true JP2016037482A (ja) 2016-03-22
JP6320874B2 JP6320874B2 (ja) 2018-05-09

Family

ID=55528867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014163240A Active JP6320874B2 (ja) 2014-08-09 2014-08-09 食用金属箔の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6320874B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018103609A (ja) * 2016-12-22 2018-07-05 明俊 町田 金箔装飾法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004091908A (ja) * 2002-09-04 2004-03-25 Takaoka Shoji Kk 合金箔若しくは上澄及びその製造法
JP2004155701A (ja) * 2002-11-06 2004-06-03 Hidekazu Itaka 濃縮深層水を用いた化粧品

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004091908A (ja) * 2002-09-04 2004-03-25 Takaoka Shoji Kk 合金箔若しくは上澄及びその製造法
JP2004155701A (ja) * 2002-11-06 2004-06-03 Hidekazu Itaka 濃縮深層水を用いた化粧品

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018103609A (ja) * 2016-12-22 2018-07-05 明俊 町田 金箔装飾法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6320874B2 (ja) 2018-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Shankar et al. Fair skin in South Asia: an obsession?
Mohiuddin An extensive review of cosmetics in use
Amodu Knowledge, attitude and practice of skin whitening among female university students in Northeastern Nigeria
JP6320874B2 (ja) 食用金属箔の製造方法
Janssen Transgenderism before gender: nosology from the sixteenth through mid-twentieth century
Ben-Nun Beauty of humans
CN108888568B (zh) 组合物及含有该组合物的化妆品
Tulina et al. Evaluation of the in vivo cosmetic efficacy of the MF3 blue cell serum gel. One‐and two‐month test results
Arterbery et al. Apigenin as an anti-aging skin treatment
JPH10265323A (ja) 皮膚外用剤
EP1291011A1 (en) Hand treatment lotion
Roizen et al. YOU: Being Beautiful: The Owner's Manual to Inner and Outer Beauty
CN108403553A (zh) 一种鸢尾脱毛后的皮肤护理组合物及应用
Kiernan Pretty Sick: The Beauty Guide for Women with Cancer
Kunin The DERMAdoctor skinstruction manual: The smart guide to healthy, beautiful skin and looking good at any Age
Novick Super Skin: A Leading Dermatologist's Guide to the Latest Breakthroughs in Skin Care
JP2016210685A (ja) 積層錠
Das et al. Cosmetology in Ayurveda and It's Scope in Research
Sharma et al. REGIMEN IN COSMETOLOGY
CN106474021A (zh) 一种天然护肤面膜
JP2019119706A (ja) 快感情向上剤
JP2014533704A (ja) ネオヘスペリジンの新規の使用
CN111803419A (zh) 一种具有皮肤美白、保湿功效的组合物、制备方法及使用方法
Blaha The Portrayal of Women in Magazine Advertisements across Four Different Women᾽ s Magazines
Fischer Beauty design

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170606

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20170606

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20170607

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171006

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20171204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180313

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180404

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6320874

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250