JP2016035486A - 波長可変光フィルター、光学モジュール及び電子機器 - Google Patents

波長可変光フィルター、光学モジュール及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】対向する第1反射面と第2反射面とが相対的に傾斜することを抑制できる波長可変光フィルターを提供する。【解決手段】第1反射面33a及び第1配線34を有する固定基板14と、第1反射面33aと対向する第2反射面37a及び第2配線44を有する可動基板13と、を備え、可動基板13は、第2反射面37aが設置された可動部13bと、可動部13bを支持する複数の梁部36と、梁部36と接続する枠部13cとを有し、第1配線34と第2配線44とは第1導電膜端子32及び第2導電膜端子42にて接続され、梁部36と枠部13cとが接続する第1接続場所57及び第2接続場所58と第1導電膜端子32及び第2導電膜端子42との間には固定基板14と枠部13cとを固定する固定部56が位置する。【選択図】図5

Description

本発明は、波長可変光フィルター、光学モジュール及び電子機器に関するものである。
従来、入射光の中から特定の波長の光を選択して通過させる光フィルターが活用されている。そして、特定の波長の光を通過させる光フィルターが特許文献1に開示されている。それによると、光フィルターは一対の基板を対向配置し、これら基板の対向する面のそれぞれに反射面が設置されている。この光フィルターは、対向する一対の反射面間のギャップに応じた波長の光を選択的に取り出すことができる波長可変干渉フィルターである。反射面間のギャップは、基板間に設けられたアクチュエーターにより設定されていた。
光フィルターは駆動電極がそれぞれ設けられた一対の基板(固定基板及び可動基板)を備えている。この固定基板には可動基板に向かって突出する突出部と、この突出部の可動基板側の端面から固定基板の外周縁に延出した導通電極と、が設けられている。また、固定基板に対向する面とは反対側の面の可動基板には上記突出部に対応する位置にエッチングにより凹部が設けられ、当該凹部の底部は可撓性を有する薄肉部となっていた。
そして、可動基板において固定基板に対向する面には駆動電極から薄肉部まで引出電極が設けられ、突出部上の導通電極及び薄肉部の引出電極が当接する。この際、薄肉部が弾性変形することで引出電極と導通電極とが所定接触圧で接続されていた。
特開2012−168438号公報
固定基板上の導通電極と可動基板上の引出電極とを導通させるとき、各基板の電極を互いに押圧させて接触させる。このとき、固定基板及び可動基板に歪が生じる。固定基板には第1反射面が設置され、可動基板には第2反射面が設置されている。この歪により、第1反射面と第2反射面とが相対的に傾斜するとき、第1反射面と第2反射面との距離の分布の範囲が大きくなる。このため波長可変光フィルターを通過する光の波長の分布の幅が広くなる。そこで、第1反射面と第2反射面とが相対的に傾斜することを抑制できる波長可変光フィルターが望まれていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例にかかる波長可変光フィルターであって、第1反射面及び第1配線を有する第1基板と、前記第1反射面と対向する第2反射面及び第2配線を有する第2基板と、を備え、前記第2基板は、前記第2反射面が設置された可動部と、前記可動部を支持する複数の梁部と、前記梁部と接続する枠部とを有し、前記第1配線と前記第2配線とは導通部にて接続され、前記梁部と前記枠部とが接続する接続場所と前記導通部との間には前記第1基板と前記枠部とを固定する固定部が位置することを特徴とする。
本適用例によれば、第1基板には第1反射面が設置されている。同様に、第2基板には第2反射面が設置されている。第1反射面と第2反射面を通過する方向に光を入力するとき、光の一部は第1反射面と第2反射面との間で反射する。そして、第1反射面と第2反射面との間隔に対応した波長の光が通過する。第2反射面は可動部に設置され、可動部は梁部により支持されている。そして、梁部は接続場所において枠部に接続されている。梁部が撓むことにより第1反射面と第2反射面との間隔を変えることが可能になっている。
第1基板には第1配線が設置されている。同様に、第2基板には第2配線が設置されている。そして、第1配線と第2配線とが導通部で接触して導通する。第1配線と第2配線とが接触するとき第1基板と第2基板とが互いに押圧するので各基板に応力が作用する。該応力による各基板の内部応力が第1反射面と第2反射面とに影響するとき、第1反射面と第2反射面との平行度が低下する。これにより、第1反射面と第2反射面との間隔が短い場所と長い場所とができるため通過する光の波長の分布の幅が大きくなる。
本適用例では、梁部が枠部と接続する接続場所と導通部との間に固定部が位置している。固定部では第1基板と第2基板とが固定しているので剛性が高くなっており歪が生じ難くなっている。従って、導通部において第1基板と第2基板とが撓むときにも固定部にて撓みが抑制される。その結果、第1反射面と第2反射面とが相対的に傾斜することを抑制することができる。
[適用例2]
上記適用例にかかる波長可変光フィルターにおいて、前記固定部の形状は線対称となっていることを特徴とする。
本適用例によれば、固定部の形状は線対称となっている。第1基板と第2基板とを互い固定するとき、各基板は互いに押圧される。このとき、対称の軸上に荷重の重心が重なるように荷重を加えることにより固定部に均等な圧力を加えることができる。従って、第1基板と第2基板とを互いに平行になるように固定することができる。その結果、第1反射面と第2反射面とが互いに傾斜することを抑制することができる。
[適用例3]
上記適用例にかかる波長可変光フィルターにおいて、前記第2反射面の重心と前記導通部とを通る仮想線と交差しない場所に前記梁部が設置されていることを特徴とする。
本適用例によれば、第2反射面の重心と導通部とを通る仮想線と交差しない場所に梁部が設置されている。第2反射面と導通部との間に梁部を設置するとき導通部の撓みの影響を受けて梁部が撓み、第2反射面が傾くので好ましくない。本適用例では梁部が第2反射面と導通部との間にないので、導通部と梁部の接続場所との間に固定部を配置できる。その結果、導通部における第1基板及び第2基板の撓みの影響が第2反射面に及ぼすことを抑制することができる。
[適用例4]
上記適用例にかかる波長可変光フィルターにおいて、前記第2基板の厚み方向から見た平面視で前記導通部と対向する場所には第1凹部が設置されていることを特徴とする。
本適用例によれば、導通部と対向する場所には第1凹部が設置されている。これにより、第2基板では導通部の板厚が薄くなるので、導通部では第1凹部が変形し易くなっている。従って、導通部で発生する応力が第1凹部の撓みで吸収される為、第1基板及び第2基板が変形することを抑制することができる。
[適用例5]
上記適用例にかかる波長可変光フィルターにおいて、前記梁部の形状は線対称となっていることを特徴とする。
本適用例によれば、梁部の形状は線対称となっている。このとき、梁部と枠部とが接続する接続場所も線対称であるため、固定部を線対称に配置することができる。
[適用例6]
上記適用例にかかる波長可変光フィルターにおいて、前記第1配線は前記第1反射面に設置された第1導電膜と前記第1導電膜と並んで設置された第1静電電極とを有し、前記可動部において前記第2配線は前記第2反射面に設置された第2導電膜と前記第2導電膜と並んで設置された第2静電電極とを有し、前記第2導電膜及び前記第2静電電極は互いに接続されていることを特徴とする。
本適用例によれば、第1反射面には第1導電膜が設置され、第2反射面には第2導電膜が設置されている。そして、第1静電電極と第2静電電極との間に電圧を印加することにより第1静電電極と第2静電電極との間に静電力を作用させることができる。これにより、第1反射面と第2反射面との距離を変えることができる。
そして、第2導電膜と第2静電電極とは互いに接続されている。第2導電膜及び第2静電電極は可動部に位置し可動部の外側には梁部が位置している。従って、梁部では1本の第2配線で第2導電膜及び第2静電電極に通電させることができる。配線と枠部とでは材質が異なるので熱膨張の差等による応力が生じやすい。その結果、枠部における配線の本数を減らすことができる為、枠部における配線の応力の影響を減らすことができる。
[適用例7]
上記適用例にかかる波長可変光フィルターにおいて、前記第2配線は通電される通電用配線及び模擬配線を有し、前記梁部は複数設置され、各前記梁部には同じ本数の前記第2配線が設置されることを特徴とする。
本適用例によれば、梁部には第2配線が設置され、第2配線は通電される通電用配線と、模擬配線とを有する。そして、各梁部には同じ本数の第2配線が設置されている。従って、各枠部が第2配線により受ける応力は同等の大きさにすることができる為、各枠部の第2配線から受ける応力により第2反射面が傾くことを抑制することができる。
[適用例8]
上記適用例にかかる波長可変光フィルターにおいて、前記第1基板には前記第1反射面と並んで前記第1静電電極が位置する第2凹部が設置され、前記第2基板には前記第2凹部と対向する場所に配線設置場所が設置され、前記第2配線の一部は前記配線設置場所に設置されることを特徴とする。
本適用例によれば、第1基板には第1反射面と並んで第2凹部が設置されている。第2凹部と対向する場所に第2基板の一部が設置され、この場所が配線設置場所となっている。そして、配線設置場所には第2配線の一部が設置されている。第2凹部には第1静電電極が設置され、第1静電電極と第2静電電極との距離が適正な距離となるように設定されている。そして、配線設置場所に第2配線を設置することにより、別途第1基板に配線用の溝を設置する構造より製造しやすい波長可変光フィルターにすることができる。
[適用例9]
上記適用例にかかる波長可変光フィルターにおいて、前記第1基板には前記第1反射面を囲む円環状の部分を含む第2凹部が設置され、前記第2基板には隣り合う前記梁部の間に前記第2反射面を中心とする円周に沿って円弧状の開口部が設置され、前記開口部の外周側の直径は前記円環状の部分の直径と同じであり、前記第1基板と前記第2基板とは前記第2配線の厚みより厚い固定膜を介して固定され、前記第2配線が位置しない場所に前記固定膜が設置されていることを特徴とする。
本適用例によれば、第1基板と第2基板とは固定膜を介して固定されている。そして、固定膜の厚みは第2配線の厚みより厚くなっている。そして、第2配線が位置しない場所に固定膜が設置されている。これにより、第2配線に応力をかけずに第1基板と第2基板とを固定することができる。第1基板には第1反射面と並んで円環状の部分を含む第2凹部が設置されている。そして、開口部の外周側の直径は円環状の部分の直径と同じになっている。従って、開口部の外周に沿って配線を配置する配線設置場所を設けないので、波長可変光フィルターを小型にすることができる。
[適用例10]
上記適用例にかかる波長可変光フィルターにおいて、前記第1配線は前記第2凹部に設置され、前記導通部は前記第2凹部に設置されることを特徴とする。
本適用例によれば、第1基板には第2配線と対向する場所に第2凹部が設置されている。第1配線は第2凹部に沿って設置されている。そして、第2凹部には導通部が設置されている。第2凹部とは別の場所に導通部を設けるときには、最短距離の配線パターンから離れた場所に導通部を設け、この導通部へ迂回する配線パターンになる。このときに比べて本適用例では導通部が第2凹部に設置されている為、第1配線及び第2配線の配線パターンを簡易にすることができる。
[適用例11]
本適用例にかかる光学モジュールであって、第1反射面及び第1配線を有する第1基板と、前記第1反射面と対向する第2反射面及び第2配線を有する第2基板と、を備えた波長可変光フィルターと、内部空間を有し前記内部空間に前記波長可変光フィルターを収納する筐体と、を備え、前記第2基板は、前記第2反射面が設置された可動部と、前記可動部を支持する複数の梁部と、前記梁部と接続する枠部とを有し、前記第1配線と前記第2配線とは導通部にて接続され、前記梁部と前記枠部とが接続する接続場所と前記導通部との間には前記第1基板と前記枠部とを固定する固定部が位置することを特徴とする。
本適用例によれば、光学モジュールは波長可変光フィルター及び筐体と、を備えている。そして、波長可変光フィルターでは接続場所と導通部との間に固定部が位置している。導通部において第1基板と第2基板とが撓むときにも固定部にて撓みが抑制される。そして、第1反射面と第2反射面とが互いに傾斜することを抑制することができる。従って、光学モジュールは通過する光の波長の分布の幅を狭くすることができる。
[適用例12]
本適用例にかかる電子機器であって、第1反射面及び第1配線を有する第1基板と、前記第1反射面と対向する第2反射面及び第2配線を有する第2基板と、を備えた波長可変光フィルターと、前記波長可変光フィルターを収納可能な内部空間を有する筐体と、を備える光学モジュールと、前記光学モジュールを制御する制御部と、を備え、前記第2基板は、前記第2反射面が設置された可動部と、前記可動部を支持する複数の梁部と、前記梁部と接続する枠部とを有し、前記第1配線と前記第2配線とは導通部にて接続され、前記梁部と前記枠部とが接続する接続場所と前記導通部との間には前記第1基板と前記枠部とを固定する固定部が位置することを特徴とする。
本適用例によれば、電子機器は光学モジュールと光学モジュールを制御する制御部とを備えている。そして、光学モジュールは通過する光の波長の分布の幅を狭くすることができるモジュールとなっている。従って、電子機器は通過する光の波長の分布の幅を狭くすることができるモジュールを備えた装置とすることができる。
第1の実施形態にかかわり、(a)及び(b)は光学モジュールの構造を示す概略斜視図。 (a)は光学モジュールの構造を示す模式平面図、(b)及び(c)は光学モジュールの構造を示す模式側断面図。 (a)は固定基板の構造を示す模式平面図、(b)は、固定基板の配線の配置を示す模式レイアウト。 (a)は可動基板の構造を示す模式平面図、(b)は、可動基板の配線の配置を示す模式レイアウト。 光フィルターの構造を示す模式平面図。 (a)及び(b)は光フィルターの構造を示す模式側断面図。 制御部の電気制御ブロック図。 光学モジュールの製造方法を説明するための模式図。 光学モジュールの製造方法を説明するための模式図。 第2の実施形態にかかわり、(a)は、固定基板の構造を示す模式平面図、(b)は可動基板の構造を示す模式平面図。 第3の実施形態にかかわり、(a)は、可動基板の構造を示す模式平面図、(b)は固定基板の構造を示す模式平面図。 配線の構造を示す要部模式断面図。 第4の実施形態にかかわり、測色装置の構成を示すブロック図。 第5の実施形態にかかわり、ガス検出装置の構成を示す模式正面図。 ガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図。 第6の実施形態にかかわり、食物分析装置の構成を示すブロック図。 第7の実施形態にかかわり、分光カメラの構成を示す概略斜視図。
以下、実施形態について図面に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
本実施形態では、特徴的な構造を有する光学モジュールと、この光学モジュールの製造方法について図面に従って説明する。光学モジュールについて図1〜図9に従って説明する。図1(a)及び図1(b)は光学モジュールの構造を示す概略斜視図である。図1(a)は光学モジュールの第1蓋体側から見た図であり、図1(b)は光学モジュールの第2蓋体側から見た図である。図1(a)に示すように、光学モジュール1は略直方体の形状となっている。光学モジュール1の図中下方向をZ方向とし、Z方向と直交する2方向をX方向及びY方向とする。X方向、Y方向、Z方向はそれぞれ光学モジュール1の辺に沿う方向であり、直交する方向となっている。
光学モジュール1は有底角筒状の筐体2を備え、筐体2の−Z方向側には円形の第1孔2aが形成されている。そして、第1孔2aを塞ぐように第1蓋体3が設置されている。筐体2と第1蓋体3とは第1の低融点ガラス4により接合されている。筐体2において−Z方向側の面には第1端子5、第2端子6、第3端子7、第4端子8が設置されている。筐体2のZ方向側には第2蓋体9が設置され、筐体2と第2蓋体9とは第2の低融点ガラス10により接合されている。
図1(b)に示すように、筐体2のZ方向には四角形の第2孔2bが形成されている。第2孔2bは第1孔2aより大きな孔となっている。そして、第2孔2bを塞ぐように第2蓋体9が設置されている。筐体2、第1蓋体3及び第2蓋体9に囲まれた内部空間11は密閉された空間であり、内部空間11には波長可変光フィルターとしての光フィルター12が設置されている。換言すれば、筐体2は内部空間11を有し内部空間11に光フィルター12を収納する。第2蓋体9は筐体2と接続され内部空間11を密閉する。筐体2、第1蓋体3及び第2蓋体9等により収納部が形成され、収納部の内部に光フィルター12が収納されている。
光学モジュール1の寸法は特に限定されないが、本実施形態では例えば、第1蓋体3から第2蓋体9までの厚みが約3mmである。筐体2をZ方向から見た大きさは1辺が約15mmの四角形となっている。第2蓋体9の厚みは約1mmである。光フィルター12をZ方向から見た大きさは1辺が約11mm〜12mmの四角形となっている。光フィルター12の厚みは約0.7mm〜約1.5mmとなっている。
図2(a)は光学モジュールの構造を示す模式平面図であり、光学モジュール1をZ方向側から見た図である。図2(a)は第2蓋体9を除いた図となっている。図2(b)は光学モジュールの構造を示す模式側断面図であり、図2(a)のA−A線に沿う断面側から見た図である。図2(a)及び図2(b)に示すように、筐体2の底面2cに光フィルター12が設置され、光フィルター12は第2基板としての可動基板13と第1基板としての固定基板14とが重なった構造となっている。
可動基板13は+X方向側の端に第1端子15、第2端子16、第3端子17、第4端子18が設置されている。+X方向側の底面2cには第1端子21、第2端子22、第3端子23、第4端子24が設置されている。第1端子15は第1端子21と金線25により接続され、第2端子16は第2端子22と金線25により接続されている。さらに、第3端子17は第3端子23と金線25により接続され、第4端子18は第4端子24と金線25により接続されている。
筐体2には貫通電極26が設置され、第1端子21は第1端子5と貫通電極26により接続されている。同様に、第2端子22は第2端子6と貫通電極26により接続され、第3端子23は第3端子7と貫通電極26により接続されている。さらに、第4端子24は第4端子8と貫通電極26により接続されている。つまり、第1端子15は第1端子5と接続され、第2端子16は第2端子6と接続されている。そして、第3端子17は第3端子7と接続され、第4端子18は第4端子8と接続されている。
第1端子5〜第4端子8は制御部27と電気的に接続されている。制御部27は第1端子5〜第4端子8、貫通電極26、第1端子21〜第4端子24及び金線25を介して第1端子15〜第4端子18の電圧を制御する。
第1蓋体3及び第2蓋体9は光透過性を有するケイ酸ガラスによって形成されている。可動基板13及び固定基板14の材料にもケイ酸ガラスが用いられている。ケイ酸ガラスには例えばソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等の各種ガラスや、水晶等を用いることができる。従って、第1蓋体3、光フィルター12、第2蓋体9を光28が通過することが可能になっている。筐体2の材質は第1蓋体3及び第2蓋体9と線膨張率が近い材質であれば良く特に限定されないが、本実施形態では例えば、筐体2の材質にセラミックを用いている。
図2(c)は光学モジュールの構造を示す模式側断面図であり、図2(a)のB−B線に沿う断面側から見た図である。図2(a)及び図2(c)に示すように、固定基板14の−X方向且つ+Y方向側の角の付近にはフィルター固定部29が設置され、フィルター固定部29により固定基板14は上面にて第2蓋体9に固定されている。フィルター固定部29にはケイ酸ガラスに添加剤を加えた低融点ガラスが用いられている。本実施形態では例えば、第2蓋体9、可動基板13及び固定基板14、に石英ガラスが用いられている。
図3(a)は固定基板の構造を示す模式平面図であり、図3(b)は、固定基板の配線の配置を示す模式レイアウトである。図4(a)は可動基板の構造を示す模式平面図である。図4(b)は、可動基板の配線の配置を示す模式レイアウトである。図5は光フィルターの構造を示す模式平面図である。図6(a)及び図6(b)は光フィルターの構造を示す模式側断面図である。図6(a)は、図5のC−C線に沿う断面側から見た図である。図6(b)は、図5のD−D線に沿う断面側から見た図である。
図3及び図6に示すように、−Z方向から見た平面視で固定基板14の中央には円柱状に−Z方向に突出する反射膜設置部14aが設置されている。反射膜設置部14aを囲んで円環状に凹んだ第2凹部としての電極設置溝14bが設置されている。さらに、電極設置溝14bは反射膜設置部14aの+X方向側及び−X方向側に延び固定基板14の外周にまで延在している。従って、固定基板14では電極設置溝14bが+X方向側及び−X方向側で開口している。固定基板14は厚みが例えば500μm〜1000μmに形成されたガラス基材を加工することで形成されている。
電極設置溝14bの−Z方向側の面には反射膜設置部14aを中心とした円環状の固定電極30が設置されている。固定電極30の材質にはIGO(Indium−gallium oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、ICO(indium−doped cadmium oxide)等を用いることができる。本実施形態では例えば固定電極30の材質にITOが用いられている。このため、シュウ酸系のエッチング液を用いて所定に形状に容易に形成することができる。
電極設置溝14bでは固定電極30から固定電極配線30aが+X方向側及び−Y方向側に延在して設置されている。電極設置溝14bには反射膜設置部14aの+X側に角柱状の導通部としての突起部31が設置されている。突起部31の−Z方向側の面には導通部としての第1導電膜端子32が設置されている。固定電極配線30aは+X方向側及び+Y方向側に折れて延在し第1導電膜端子32と接続されている。
固定基板14の電極設置溝14bは可動基板13に設置される配線と対向する場所に設置されている。固定電極配線30aは電極設置溝14bに沿って設置され、電極設置溝14bには突起部31及び第1導電膜端子32が設置されている。第1導電膜端子32は第1導電膜端子32と接続する第2端子16に近い場所に設置されている。電極設置溝14bとは別の場所に第1導電膜端子を設けるときには、最短距離の配線パターンから離れた場所に突起部31及び第1導電膜端子32を設置し、その第1導電膜端子32へ迂回するパターンになる。このときに比べて固定電極配線30a及び可動基板13に設置する配線パターンを簡易にすることができる。
固定電極配線30a及び第1導電膜端子32は金属下地層上に金属上側層が積層された構造となっている。金属下地層は金属上側層の密着性を良くする機能を有する。金属上側層は通電する機能を有する。金属下地層にはCr膜、TiW膜、NiCr合金膜、Cr膜上にNi膜を積層した膜等を用いることができる。例えば本実施形態では、金属下地層にTiW膜を用いている。そして、金属上側層は抵抗の小さい金属が好ましく、例えば本実施形態では、金属上側層にAu膜を用いている。
反射膜設置部14aの−Z方向側の面には固定反射膜33が設置されている。固定反射膜33は−Z方向から見た形状が円形の膜であり表面が鏡面となっている。反射膜設置部14aに位置する固定反射膜33において−Z方向を向く面が第1反射面33aとなっている。第1反射面33aは光28の一部を反射させ一部を透過させる。固定反射膜33は導電性があり固定電極30と接続されている。固定電極30、固定電極配線30a、第1導電膜端子32及び固定反射膜33が固定基板14に設置された第1配線34に相当する。
固定反射膜33の材質は光28を反射する反射率の高い材質が好ましく、本実施形態では例えば固定反射膜33の材質に銀または銀合金が用いられている。銀合金には例えば、AgSmCu(銀サマリウム銅合金)、AgC(炭化銀)、AgPdCu(銀パラジウム銅合金)、AgBiNd(銀ビスマスネオジム合金)、AgGaCu(銀ガリウム銅合金)、AgAu(金化銀)、AgInSn(銀インジウム錫合金)、AgCu(銅化銀)を使用することができる。AgSmCu、AgBiNdの合金は特に硫黄、ハロゲン化合物、ナトリウムに対して耐性が高いので製造工程における反射率を劣化の抑制することができる。本実施形態では例えば固定反射膜33にAgSmCuが用いられている。
図4及び図6に示すように、Z方向から見た平面視で可動基板13には中央を囲む円環状の溝13aが設置されている。溝13aに囲まれた円柱状の部分を可動部13bとする。可動部13bは固定基板14の反射膜設置部14aと対向して配置されている。溝13aには円弧状の開口部としての孔35が設置されている。孔35は可動部13bの±X方向側と±Y方向側の4か所に設置されている。
溝13aに位置し隣り合う孔35の間に位置する部分を梁部36とする。梁部36は厚みが薄いので変形し易くなっている。これにより、可動部13bは容易にZ方向に移動することが可能になっている。可動基板13は厚みが例えば300μm〜1000μmに形成されたガラス基材を加工することで形成されている。梁部36の厚みは特に限定されないが本実施形態では例えば約50μmになっている。
梁部36のうち可動部13bの+X方向側であり+Y方向側に位置する梁部36を第1梁部36aとする。そして、第1梁部36aを起点として時計回りに第2梁部36b、第3梁部36c及び第4梁部36dが可動部13bを中心とする同心円上に配置されている。孔35及び梁部36の外周側を枠部13cとする。梁部36は枠部13cと可動部13bとを連結し、可動部13bを支持する。
可動部13b上には可動反射膜37が設置されている。可動反射膜37はZ方向から見た形状が円形の膜であり表面が鏡面となっている。可動反射膜37において+Z方向を向く面が第2反射面37aとなっている。第2反射面37aは光28の一部を反射させ一部を透過させる。可動反射膜37は入射する光28の一部を反射し一部を透過させる。可動反射膜37の材質は光28を反射する反射率の高い材質が好ましい。可動反射膜37の材質は固定反射膜33と同様の材質が用いられている。可動反射膜37の重心37bを中心とする円周に沿って孔35、溝13aが配置され、梁部36は重心37bから放射状に配置されている。
可動反射膜37の+X方向側且つ+Y方向側には可動鏡配線37cが設置されている。可動鏡配線37cは可動反射膜37から第1梁部36a上を通って枠部13c上に設置されている。さらに、可動鏡配線37cは枠部13cにおいて孔35の外周側に沿って−Y方向に向かって設置され重心37bの+X側の場所で+X方向に折れて第3端子17に接続されている。
可動反射膜37と並んで第1可動電極38が設置され、第1可動電極38は円弧状に可動反射膜37を囲んでいる。第1可動電極38は円弧状の+X方向側且つ+Y方向側が分断され、分断された場所に可動鏡配線37cが設置されている。第1可動電極38は第1電極配線38aにより第1端子15と接続されている。第1電極配線38aは第1可動電極38から第1梁部36a上を通って枠部13c上に設置されている。さらに、第1電極配線38aは孔35の外周側に沿って−Y方向に向かって設置され重心37bの+X側の場所で+X方向に折れて第1端子15に接続されている。第1端子15は筐体2の第1端子5と接続されているので、第1可動電極38は第1端子5と接続されている。
第1可動電極38と並んで第2可動電極41が設置され、第2可動電極41は円弧状に第1可動電極38を囲んでいる。第2可動電極41は円弧状の+X方向側且つ+Y方向側が分断され、分断された場所に可動鏡配線37c及び第1電極配線38aが設置されている。第2可動電極41は第2電極配線41aにより第4端子18と接続されている。第2電極配線41aは第2可動電極41から第2梁部36b上を通って枠部13c上に設置されている。さらに、第2電極配線41aは孔35の外周側に沿って+Y方向に向かって設置され重心37bの+X側の場所で+X方向に折れて第4端子18に接続されている。第4端子18は筐体2の第4端子8と接続されているので、第2可動電極41は第4端子8と接続されている。
可動鏡配線37cは第1梁部36aから第2梁部36bまで孔35の外周に沿って時計回りに設置されている。そして、可動鏡配線37cは第2梁部36b上まで繋がって設置されている。これにより、第2梁部36b上には可動鏡配線37cと第2電極配線41aとが並んで配置されている。可動鏡配線37cは重心37bの+X側の場所で+X方向に折れて第3端子17に接続されている。第3端子17は筐体2の第3端子7と接続されているので、可動反射膜37は第3端子7と接続されている。可動鏡配線37cのうち可動反射膜37と第3端子17との間は通電する配線である。可動反射膜37と第3端子17との間の配線は通電用配線44aであり、通電用配線以外の配線は模擬配線44bになっている。
第1電極配線38aは第1梁部36aと枠部13cとが接続する場所で2方向に分岐する。第1電極配線38aの一方は第1端子15に向かって設置されている。第1電極配線38aは第1梁部36aから第2梁部36bに向かう途中まで孔35の外周に沿って時計回りに設置されている。
第1電極配線38aの他方は、重心37bを中心にして孔35の外周に沿って反時計回りに設置されている。この第1電極配線38aは第1梁部36aから第4梁部36dまで設置されている。さらに、第1電極配線38aは第3梁部36c及び第4梁部36d上に各2本の配線の形態で設置されている。第1電極配線38aのうち第1可動電極38と第1端子15との間は通電する通電用配線44aであり、通電用配線以外の配線は模擬配線44bになっている。
第2電極配線41aは第2梁部36bと枠部13cとが接続する場所で2方向に分岐する。第2電極配線41aの一方は第4端子18に向かって設置されている。第2電極配線41aは第2梁部36bから第1梁部36aに向かう途中まで孔35の外周に沿って反時計回りに設置されている。
第2電極配線41aの他方は、重心37bを中心にして孔35の外周に沿って時計回りに設置されている。この第2電極配線41aは第2梁部36bから第1梁部36aまで設置されている。第2電極配線41aのうち第2可動電極41と第4端子18との間は通電する通電用配線44aであり、通電用配線44a以外の配線は模擬配線44bになっている。
孔35の外周は可動鏡配線37c、第1電極配線38a及び第2電極配線41aにより略全周が囲まれている。第1梁部36a〜第4梁部36dの各梁部36では2つの配線が設置されている。これにより、可動鏡配線37c、第1電極配線38a及び第2電極配線41aにより形成される配線のパターンは重心37bを中心とする略点対称の形状になっている。
可動鏡配線37c、第1電極配線38a及び第2電極配線41aと可動基板13とは線膨張係数が異なるので、内部応力による歪が発生することがある。また、製造工程において。可動鏡配線37c、第1電極配線38a及び第2電極配線41aと可動基板13との間に内部応力による歪が発生することがある。このときにも、歪の分布が重心37bを中心として一様に分布する。このため、歪みにより可動部13bが移動するときにも可動基板13を枠部13cに対してZ方向に平行に移動させることができる。このとき、第2反射面37aは第1反射面33aと平行の状態を維持する為、光フィルター12を通過する光28の波長の分布を狭い範囲の分布にすることができる。
第1梁部36aでは可動鏡配線37c及び第1電極配線38aの2つの配線が設置されている。第2梁部36bでは可動鏡配線37cの模擬配線44b及び第2電極配線41aの2つの配線が設置されている。第3梁部36c及び第4梁部36dでは第1電極配線38aの2つの模擬配線44bが設置されている。梁部36には第2配線44が設置され、第2配線44は通電される通電用配線44aと、模擬配線44bとを有する。そして、各梁部36にはそれぞれ2本の第2配線44が設置されている。従って、各梁部36が第2配線44により受ける応力は同等の大きさにすることができる為、各梁部36の第2配線44から受ける応力により第2反射面37aが傾くことを抑制することができる。
枠部13cの+X方向側の場所では第1導電膜端子32と対向する場所に導通部としての第2導電膜端子42が設置されている。そして、第2導電膜端子42と第2端子16とは配線43により接続されている。固定電極30は固定電極配線30a、第1導電膜端子32、第2導電膜端子42、配線43と介して第2端子16と接続されている。第2端子16は筐体2の第2端子6と接続されているので、固定電極30は第2端子6と接続されている。
可動反射膜37、可動鏡配線37c、第1可動電極38、第1電極配線38a、第2可動電極41、第2電極配線41a及び配線43が可動基板13に設置された第2配線44に相当する。
可動反射膜37の材質は固定反射膜33の材質と同様の材質を用いることができる。第1可動電極38及び第2可動電極41の材質には固定電極30と同様の材質を用いることができる。可動鏡配線37c、第1電極配線38a、第2電極配線41a及び配線43の材質は固定電極配線30aと同様の材質を用いることができる。
可動基板13において第2配線44が設置された面とは逆側の面には第2導電膜端子42と対向する場所を重心とした第1凹部としての凹部13dが設置されている。凹部13dにおける可動基板13の厚みは梁部36における可動基板13の厚みと略同じ厚みとなっている。従って、第2導電膜端子42のある場所では可動基板13がZ方向に変形し易くなっている。従って、突起部31により凹部13dに発生する応力が凹部13dの撓みで吸収される為、可動基板13の凹部13d以外の場所が変形することを抑制することができる。
図5及び図6に示すように、光フィルター12では可動基板13と固定基板14とが固定膜としての接合膜45により接合されている。接合膜45には例えば、シロキサンを主成分とするプラズマ重合膜等により構成された膜を用いることができる。接合膜45が設置させている場所を固定部56とする。固定部56は固定基板14において電極設置溝14bが設置されていない場所に相当する。
固定部56は可動基板13の枠部13cの一部に位置する。第1梁部36aと枠部13cとが接続する場所を接続場所としての第1接続場所57とし、第2梁部36bと枠部13cとが接続する場所を接続場所としての第2接続場所58とする。第3梁部36cと枠部13cとが接続する場所を第3接続場所61とし、第4梁部36dと枠部13cとが接続する場所を第4接続場所62とする。
第1接続場所57と突起部31との間には固定部56の一部が設置され、第2接続場所58と突起部31との間にも固定部56の一部が設置されている。
可動基板13と固定基板14とが接合膜45により接合されるとき、突起部31が第1導電膜端子32及び第2導電膜端子42を介して凹部13dを押圧する。これにより第1導電膜端子32と第2導電膜端子42とが互いに押圧されて、第1導電膜端子32と第2導電膜端子42とが導通する。そして、凹部13dでは突起部31を中心にして歪む。第1接続場所57と突起部31との間には固定部56の一部が設置されている。固定部56では可動基板13と固定基板14とが接合されているため断面係数が大きくなり歪難くなっている。このため、第1接続場所57が歪むことを抑制することができる。
同様に、第2接続場所58と突起部31との間には固定部56の一部が設置されている。このため、第2接続場所58が歪むことを抑制することができる。第3接続場所61及び第4接続場所62と突起部31との間には孔35の一部が設置されているため凹部13dにおける内部応力は伝達されない。そして、第3接続場所61及び第4接続場所62は凹部13dと離れており、枠部13cが固定部56となっている為、第3接続場所61及び第4接続場所62に凹部13dの応力が伝達されることを抑制することができる。従って、突起部31において可動基板13が撓むときにも固定部56にて撓みが抑制される。その結果、第1接続場所57〜第4接続場所62では可動基板13が撓み難い為、第1反射面33aと第2反射面37aとが相対的に傾斜することを抑制することができる。
固定部56の形状は重心37bを通りX方向に延びる仮想線としての第1仮想線63に対して線対称となっている。さらに、固定部56の形状は重心37bを通りY方向に延びる第2仮想線64に対して線対称となっている。可動基板13と固定基板14とを互い固定するとき、各基板は互いに押圧される。このとき、対称の軸上が重心になるように荷重を加えることにより固定部56に均等な圧力を加えることができる。従って、可動基板13と固定基板14とが互いに平行になるように固定することができる。その結果、第1反射面33aと第2反射面37aとが相対的に傾斜することを抑制することができる。
第1仮想線63は突起部31及び重心37bを通る仮想線であり、梁部36は第1仮想線63と交差しない場所に設置されている。突起部31及び重心37bとの間に梁部36を設置するとき梁部36は凹部13dにおける可動基板13の影響を受け易くなる。この為梁部36が撓んで第2反射面37aが傾くので好ましくない。本実施形態では梁部36が第2反射面37aと突起部31との間になく、突起部31による可動基板13の撓みの影響が孔35で開放される。その結果、凹部13dにおける可動基板13の歪が第2反射面37aに及ぼすことを抑制することができる。そして、梁部36が第1仮想線63と交差しない場所にあるので、固定部56の形状を線対称の形状にし易くすることができる。
梁部36の形状は第1仮想線63及び第2仮想線64に対して線対称となっている。このとき、第1接続場所57〜第4接続場所62も線対称である。従って、固定部56が第1接続場所57〜第4接続場所62を含むように設置するとき固定部56を容易に線対称に配置することができる。
図6に示すように、可動基板13には孔35の外周に沿って第1電極配線38a及び第2電極配線41aが設置されている。この第1電極配線38a及び第2電極配線41aが設置された孔35の外周の場所を配線設置場所65と称す。配線設置場所65は電極設置溝14bと対向する場所に設置されている。これにより、第1電極配線38a及び第2電極配線41aが接合膜45より厚いときにも第1電極配線38a及び第2電極配線41aは可動基板13及び固定基板14に挟まれないようになっている。従って、可動基板13と固定基板14とを平行に組み合わせることができる。また、固定基板14に電極設置溝14bとは別に第1電極配線38a及び第2電極配線41aと対向する場所に溝を設置する構造より製造しやすい構造の光フィルター12にすることができる。
固定基板14のZ方向側の面にはアパーチャー66が設置されている。アパーチャー66は例えばCr等の非透光性部材の膜である。アパーチャー66は円環状であり、アパーチャー66の内周径は光フィルター12が光干渉する光28の有効径に設定されている。これにより、アパーチャー66は光学モジュール1に入射する光28を所定の範囲に限定して絞ることができる。アパーチャー66が無くても光フィルター12が通過させる光28の波長の精度がだせるときにはアパーチャー66を省略しても良い。
第1可動電極38及び第2可動電極41と固定電極30とは円環状の部分が対向して設置されている。そして、制御部27が、第2端子6と第1端子5との間に所定の電圧を印加する。これにより、第1可動電極38と固定電極30との間に静電気力が発生する。同様に、制御部27が、第2端子6と第4端子8との間に所定の電圧を印加する。これにより、第2可動電極41と固定電極30との間に静電気力が発生する。
静電気力により梁部36が撓むことで、可動反射膜37と固定反射膜33との間隔である反射膜間ギャップ67を変位させる。これにより、制御部27が反射膜間ギャップ67を所望の寸法に設定することが可能となる。第1可動電極38、第2可動電極41、固定電極30及び梁部36等により静電アクチュエーター68が構成されている。
可動反射膜37及び固定反射膜33は光フィルター12に入射する光28の一部を反射し一部を透過する。可動反射膜37と固定反射膜33との間で多重反射が生じ、位相の合う光28は光28が進行する方向に透過して進行する。静電アクチュエーター68が反射膜間ギャップ67を制御することにより光フィルター12は所定の波長の光28を透過させることができる。
図7は制御部の電気制御ブロック図である。図7に示すように、制御部27には第1スイッチ69、第2スイッチ70の2個のスイッチと第1スイッチ69及び第2スイッチ70を制御するスイッチ制御部71とが設置されている。各スイッチは2回路2接点スイッチの形態となっている。第1スイッチ69は第1可動切片69a、第2可動切片69b、第1接点69c、第2接点69d、第3接点69e及び第4接点69fを備えている。
第1可動切片69a及び第2可動切片69bは共に接地されている。第1接点69cは孤立し接続されていない接点である。第2接点69dは第3端子7を介して可動反射膜37と接続されている。第1可動切片69aは第1接点69c及び第2接点69dの一方と導通する。同様に、第3接点69eは孤立し接続されていない接点である。第4接点69fは第2端子6を介して固定反射膜33及び固定電極30と接続されている。第2可動切片69bは第3接点69e及び第4接点69fの一方と導通する。
第1可動切片69aと第2可動切片69bとは連動しスイッチ制御部71に制御される。スイッチ制御部71が第1可動切片69aを第1接点69cと導通させて第2可動切片69bを第3接点69eと導通させる。このとき、第1スイッチ69では可動反射膜37が第1可動切片69aと切断され、固定反射膜33が第2可動切片69bと切断された状態となる。一方、スイッチ制御部71が第1可動切片69aを第2接点69dと導通させて第2可動切片69bを第4接点69fと導通させるとき、第1スイッチ69では可動反射膜37及び固定反射膜33が接地された状態となる。従って、スイッチ制御部71は可動反射膜37及び固定反射膜33を短絡させて且つ接地させるか開放するかを制御することができる。
第2スイッチ70は第1可動切片70a、第2可動切片70b、第1接点70c、第2接点70d、第3接点70e及び第4接点70fを備えている。第1可動切片70a及び第2可動切片70bは距離検出部72と接続されている。第1接点70cは第3端子7を介して可動反射膜37と接続されている。第2接点70dは孤立し接続されていない接点である。第1可動切片70aは第1接点70c及び第2接点70dの一方と導通する。同様に、第3接点70eは第2端子6を介して固定反射膜33と接続されている。第4接点70fは孤立し接続されていない接点である。第2可動切片70bは第3接点70e及び第4接点70fの一方と導通する。距離検出部72は可動反射膜37と固定反射膜33との間の電気容量を測定することにより可動反射膜37と固定反射膜33との間の距離を検出する機能を有する。
光フィルター12は第2端子6及び第3端子7の外部端子を備えている。そして、第2端子6及び第3端子7の外部端子を用いて距離検出部72が可動反射膜37と固定反射膜33との間の距離を検出することが可能になっている。
第1可動切片70aと第2可動切片70bとは連動しスイッチ制御部71に制御される。スイッチ制御部71が第1可動切片70aを第1接点70cと導通させて第2可動切片70bを第3接点70eと導通させる。このとき、第2スイッチ70では可動反射膜37及び固定反射膜33が距離検出部72と接続される。一方、スイッチ制御部71が第1可動切片70aを第2接点70dと導通させて第2可動切片70bを第4接点70fと導通させるとき、第2スイッチ70では可動反射膜37及び固定反射膜33が距離検出部72と切断される。従って、スイッチ制御部71は可動反射膜37及び固定反射膜33を距離検出部72に接続させるか接地させるかを制御することができる。
制御部27が反射膜間ギャップ67を検出するとき、まず、スイッチ制御部71が第1スイッチ69及び第2スイッチ70を切り替える。第1スイッチ69ではスイッチ制御部71が第1可動切片69aを第1接点69cと接触させる。さらに、スイッチ制御部71は第2可動切片69bを第3接点69eと接触させる。さらに、第2スイッチ70ではスイッチ制御部71が第1可動切片70aを第1接点70cと接触させる。さらに、スイッチ制御部71は第2可動切片70bを第3接点70eと接触させる。これにより、可動反射膜37及び固定反射膜33はそれぞれ距離検出部72と接続される。そして、距離検出部72は可動反射膜37及び固定反射膜33に通電して可動反射膜37と固定反射膜33との間の電気容量を測定する。これにより、距離検出部72は反射膜間ギャップ67を検出する。
距離検出部72が反射膜間ギャップ67を測定しないとき、第1スイッチ69ではスイッチ制御部71が第1可動切片69aを第2接点69dと接触させる。さらに、スイッチ制御部71は第2可動切片69bを第4接点69fと接触させる。第2スイッチ70ではスイッチ制御部71は第1可動切片70aを第2接点70dと接触させる。さらに、スイッチ制御部71は第2可動切片70bを第4接点70fと接触させる。これにより、可動反射膜37及び固定電極30はそれぞれ接地され、互いに導通する。
可動反射膜37と固定反射膜33との間には水分子や酸素分子等の分子が移動し、分子同士が衝突しあう。このとき、各分子に静電気が生ずることがある。そして、静電気をもつ分子が可動反射膜37及び固定反射膜33に接触するとき可動反射膜37及び固定反射膜33が帯電する。静電気により可動反射膜37と固定反射膜33との間で電圧差が生じるとき、可動反射膜37と固定反射膜33との間に静電気力が生じる。これにより反射膜間ギャップ67が変動する。反射膜間ギャップ67が変動することにより光フィルター12を通過する光の波長が変動する。そこで、スイッチ制御部71が所定の時間間隔にて可動反射膜37及び固定反射膜33を接地する。これにより、可動反射膜37及び固定反射膜33の静電気が除去される為反射膜間ギャップ67を精度良く制御することができる。
尚、第1スイッチ69及び第2スイッチ70はトランジスター等の半導体により構成されたスイッチング素子を用いても良く電磁スイッチでも良い。電流が小さいときには半導体により構成されたスイッチング素子を用いる方が製造し易く耐久性があり好ましい。本実施形態では、例えば、第1スイッチ69及び第2スイッチ70は半導体により構成されたスイッチング素子を用いている。
制御部27には電圧制御部73が設置され、電圧制御部73には第1可動電極38、第2可動電極41及び固定電極30が電気的に接続されている。電圧制御部73は第1可動電極38、第2可動電極41及び固定電極30に印加する電圧を制御することにより反射膜間ギャップ67を制御することが可能になっている。電圧制御部73が反射膜間ギャップ67を所定の間隔に変更する。そして、光28が光フィルター12に入射される。光28は可動反射膜37と固定反射膜33との間で多重反射し、反射膜間ギャップ67の寸法に応じた波長の光が光フィルター12を通過する。従って、電圧制御部73が反射膜間ギャップ67を制御することにより光フィルター12を通過する光28の波長を制御することが可能になっている。
次に、光フィルターの製造方法について説明する。図8及び図9は光学モジュールの製造方法を説明するための模式図である。まず、可動基板13の製造方法を説明する。図8(a)に示すように、可動基板13にマスク74を設置する。マスク74は例えばクロム膜または金膜等の金属膜をスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD法(Physical Vapor Deposition)やCVD法(Chemical Vapor Deposion)にて成膜する。次に、フォトレジストを塗布しマスクアライナーを用いて所定のパターンに露光する。次に、金属膜をエッチングする。クロム膜は塩酸、硫酸にてウエットエッチングする。金膜は王水や酸素を含むシアン化物イオン水にてウエットエッチングする。次に、フォトレジストを剥離することによりマスク74を設置することができる。
次に、図8(b)に示すように、可動基板13をエッチングして溝13a及び可動部13bを設置する。次に、超高純度バッファードフッ酸を用いてエッチングすることにより溝13a及び可動部13bを形成する。
次に、図8(c)に示すように、可動基板13からマスク74を除去する。マスク74のクロム膜のときには塩酸、硫酸にてウエットエッチングする。マスク74が金膜のときには王水や酸素を含むシアン化物イオン水にてウエットエッチングする。
次に、図8(d)に示すように、溝13aに孔35を形成する。これにより梁部36が形成される。この工程は溝13aを形成した方法と同様の方法を用いることができるので説明を省略する。
次に、図8(e)に示すように、可動基板13上に第1可動電極38及び第2可動電極41を設置する。まず、可動基板13上に第1可動電極38の材料であるITOのベタ膜を形成する。ベタ膜は基板上全体に同じ膜厚で設置された膜を示す。ベタ膜の形成には蒸着法、スパッタ法等の成膜方法を用いることができる。次に、ベタ膜をパターニングして第1可動電極38及び第2可動電極41を形成する。第1可動電極38及び第2可動電極41を形成するには公知のリソグラフィー法を用いてマスクをパターニングしてベタ膜をエッチングすることにより形成することができる。
次に、図8(f)に示すように、可動基板13上に第1電極配線38a、第2電極配線41a、可動鏡配線37c、第2導電膜端子42、配線43、第1端子15〜第4端子18を設置する。まず、可動基板13上にTiW膜及び金膜のベタ膜を重ねて積層する。成膜にはスパッタリング法、蒸着法、PVD法やCVD法にて成膜する。次に、フォトレジストを塗布しマスクアライナーを用いて所定のパターンに露光する。次に、金属膜をエッチングする。TiW膜は過塩素酸系のエッチング液にてウエットエッチングする。金膜はヨウ素系エッチング液にてウエットエッチングする。次に、フォトレジストを剥離することにより各配線及び端子を設置することができる。
次に、図8(g)に示すように、可動基板13上に可動反射膜37を設置する。まず、AgSmCuのベタ膜を成膜する。成膜にはスパッタリング法、蒸着法、PVD法やCVD法にて成膜する。次に、AgSmCuのベタ膜上にフォトレジストを塗布しマスクアライナーを用いて所定のパターンに露光する。次に、公知のリソグラフィー法を用いてマスクをパターニングして反射ベタ膜をエッチングすることにより可動反射膜37を形成する。反射ベタ膜のエッチング液にはリン酸、硝酸、酢酸混合エッチング液を用いることができる。エッチング液を用いずにリフトオフ法を用いて可動反射膜37を形成しても良い。
次に、固定基板14の製造方法を説明する。図9(a)に示すように、固定基板14を用意する。固定基板14は、例えば、厚みが1mmの石英基板をエッチングして形成されたものである。次に、図9(b)に示すように固定基板14にアパーチャー66を設置する。アパーチャー66の形成には、まず、アパーチャー66の材料のベタ膜を形成する。ベタ膜の形成には蒸着法、スパッタ法等の成膜方法を用いることができる。次に、ベタ膜を円環状にパターニングしてアパーチャー66を形成する。アパーチャー66を形成するには公知のリソグラフィー法を用いてマスクをパターニングしてベタ膜をエッチングすることにより形成することができる。アパーチャー66の材料にCrを用いるときには硝酸セリウム系エッチング液や塩酸系エッチング液を用いてエッチングすることができる。
次に、図9(c)に示すように、突起部31の一部を形成する。突起部31を形成するには公知のリソグラフィー法を用いてマスクをパターニングしてベタ膜をエッチングすることにより形成することができる。固定基板14のエッチングには超高純度バッファードフッ酸を用いることができる。
次に、図9(d)に示すように、突起部31、反射膜設置部14a及び電極設置溝14bを形成する。突起部31、反射膜設置部14a及び電極設置溝14bを形成するには公知のリソグラフィー法を用いてマスクをパターニングしてベタ膜をエッチングすることにより形成することができる。固定基板14のエッチングには超高純度バッファードフッ酸を用いることができる。電極設置溝14bの深さは特に限定されないが、本実施形態では、例えば、1μmとなっている。
次に、図9(e)に示すように、電極設置溝14bに固定電極30を設置する。まず、固定基板14上に固定電極30の材料であるITOのベタ膜を形成する。ベタ膜の形成には蒸着法、スパッタ法等の成膜方法を用いることができる。次に、ベタ膜をパターニングして固定電極30を形成する。
次に、図9(f)に示すように、電極設置溝14bから突起部31にかけて固定電極配線30aを設置し、突起部31上に第1導電膜端子32を設置する。まず、固定基板14上にTiW膜及び金膜のベタ膜を重ねて積層する。成膜にはスパッタリング法、蒸着法、PVD法やCVD法にて成膜する。次に、フォトレジストを塗布しマスクアライナーを用いて所定のパターンに露光する。次に、金属膜をエッチングする。TiW膜は過塩素酸系のエッチング液にてウエットエッチングする。金膜はヨウ素系エッチング液にてウエットエッチングする。次に、フォトレジストを剥離することにより各配線及び端子を設置することができる。
次に、図9(g)に示すように、反射膜設置部14aから固定電極30上の一部にかけて固定反射膜33を設置する。まず、AgSmCuのベタ膜を成膜する。成膜にはスパッタリング法、蒸着法、PVD法やCVD法にて成膜する。次に、AgSmCuのベタ膜上にフォトレジストを塗布しマスクアライナーを用いて所定のパターンに露光する。次に、公知のリソグラフィー法を用いてマスクをパターニングして反射ベタ膜をエッチングすることにより固定反射膜33を形成する。反射ベタ膜のエッチング液にはリン酸、硝酸、酢酸混合エッチング液を用いることができる。エッチング液を用いずにリフトオフ法を用いて固定反射膜33を形成しても良い。
次に、図6(b)に示すように、可動基板13と固定基板14とを接合する。可動基板13及び固定基板14にそれぞれシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜を成膜する。詳細には、各基板において接合膜45が設置される領域だけが露出するパターンのレジストを形成する。次に、厚み寸法30nmのポリオルガノシロキサンを用いたプラズマ重合膜をプラズマCVD法により成膜する。そして、レジストを除去することで、可動基板13及び固定基板14を接合する面にプラズマ重合膜が設置される。
次に、可動基板13及び固定基板14を貼り合わせる。具体的には、可動基板13及び固定基板14に形成されたプラズマ重合膜に活性化エネルギーを付与するために、O2プラズマ処理またはUV処理を行う。O2プラズマ処理は、O2流量30cc/分、圧力27Pa、RFパワー200Wの条件で30秒間実施する。また、UV処理は、UV光源としてエキシマUV(波長172nm)を用いて3分間処理を行う。プラズマ重合膜に活性化エネルギーを付与した後、可動基板13及び固定基板14のアライメントを行う。次に、可動基板13及び固定基板14を重ね合わせて荷重をかけることにより、可動基板13及び固定基板14同士を接合する。接合するときには、第1仮想線63と第2仮想線64とが交差する場所が重心となるように荷重を加える。これにより、固定部56に均等な荷重を加えることができる。これにより、可動基板13及び固定基板14のプラズマ重合膜が接合されて接合膜45となる。
このとき、固定基板14の突起部31が可動基板13の凹部13dと対向する場所を押圧する。そして、第2導電膜端子42は第1導電膜端子32と接続される。以上の工程により光フィルター12が完成する。
続いて、図2に示すように、光フィルター12を筐体2及び第2蓋体9で密閉する。まず、筐体2及び光フィルター12を用意する。筐体2には第1蓋体3、第1端子5〜第4端子8、貫通電極26、第1端子21〜第4端子24等が設置されている。尚、筐体2の製造方法は公知の方法を用いて製造することが可能であり説明を省略する。
次に、筐体2内の内部空間11に光フィルター12を配置し、図示しない固定治具を用いて筐体2と光フィルター12との位置関係を固定する。
次に、第1端子15と第1端子21とを金線25で接続し、第2端子16と第2端子22とを金線25で接続する。さらに、第3端子17と第3端子23とを金線25で接続し、第4端子18と第4端子24とを金線25で接続する。金線25の接続はワイヤーボンディング法を用いて行われる。金線25が設置された後で固定治具を除去する。
次に、筐体2の第2蓋体9を設置する予定の面に低融点ガラスペーストを配置する。固定基板14上でフィルター固定部29を設置する予定の場所に低融点ガラスペーストを配置する。続いて、低融点ガラスペーストを加熱してバインダー成分を蒸発させて除去する。
次に、筐体2上に第2蓋体9を配置し、真空チャンバー装置等によって真空雰囲気に設定された環境下で加熱する。低融点ガラスペーストが溶融した後、徐冷する。これにより、筐体2に設置された低融点ガラスペーストが第2の低融点ガラス10になり、固定基板14に設置された低融点ガラスペーストがフィルター固定部29になる。そして、内部空間11が減圧された状態で光学モジュール1が封止される。以上の工程により光学モジュール1が完成する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、第1接続場所57と第1導電膜端子32及び第2導電膜端子42との間には固定部56が位置している。従って、第1導電膜端子32及び第2導電膜端子42において可動基板13と固定基板14とが撓むときにも固定部56にて撓みが抑制される。その結果、第1反射面33aと第2反射面37aとが互いに傾斜することを抑制することができる。
同様に、第2接続場所58と第1導電膜端子32及び第2導電膜端子42との間には固定部56が位置している。従って、第1反射面33aと第2反射面37aとが互いに傾斜することを抑制することができる。
(2)本実施形態によれば、固定部56の形状は第1仮想線63に対して線対称となっており、第2仮想線64に対しても線対称となっている。可動基板13と固定基板14とを互い接合して固定するとき、各基板は互いに押圧される。このとき、対称の軸上が重心になるように荷重を加えることにより固定部56に均等な圧力を加えることができる。従って、可動基板13と固定基板14とを互いに平行になるように固定することができる。その結果、第1反射面33aと第2反射面37aとが互いに傾斜することを抑制することができる。
(3)本実施形態によれば、第1仮想線63は第2反射面37aの重心37bと第1導電膜端子32及び第2導電膜端子42とを通る線である。そして、第1仮想線63と交差しない場所に梁部36が設置されている。第2反射面37aと第1導電膜端子32及び第2導電膜端子42との間に梁部36を設置するとき梁部36が撓んで第2反射面37aが傾くので好ましくない。本実施形態では梁部36が第2反射面37aと第1導電膜端子32及び第2導電膜端子42との間にない。従って、突起部31における可動基板13及び固定基板14の撓みの影響が第2反射面37aに及ぼすことを抑制することができる。
(4)本実施形態によれば、突起部31と対向する場所には凹部13dが設置されている。これにより、可動基板13では第2導電膜端子42が位置する場所の板厚が薄くなるので、第2導電膜端子42が位置する場所では凹部13dが変形し易くなっている。従って、第2導電膜端子42が位置する場所で発生する応力が凹部13dの撓みで吸収される為、可動基板13及び固定基板14が変形することを抑制することができる。
(5)本実施形態によれば、梁部36の形状は第1仮想線63に対して線対称となっており、第2仮想線64に対しても線対称になっている。このとき、第1接続場所57〜第4接続場所62も第1仮想線63及び第2仮想線64に対して線対称であるため、固定部56を線対称に配置し易くすることができる。
(6)本実施形態によれば、各梁部36には第2配線44が設置され、第2配線44は通電される通電用配線44aと、模擬配線44bとを有する。そして、各梁部36には同じ本数の第2配線44が設置されている。従って、各梁部36が第2配線44により受ける応力は同等の大きさにすることができる為、各梁部36の第2配線44から受ける応力により第2反射面37aが第1反射面33aに対して傾くことを抑制することができる。
(7)本実施形態によれば、固定基板14には第1反射面33aを囲んで電極設置溝14bが設置されている。電極設置溝14bと対向する場所に可動基板13の一部が設置され、この場所が配線設置場所65となっている。そして、配線設置場所65には第2配線44の一部が設置されている。そして、配線設置場所65に第2配線44を設置することにより、別途固定基板14に配線用の溝を設置するより製造しやすい構造にすることができる。
(8)本実施形態によれば、固定基板14には電極設置溝14bが設置されている。第1配線34は電極設置溝14bに沿って設置されている。そして、電極設置溝14bには突起部31が設置されている。そして、突起部31において第1導電膜端子32及び第2導電膜端子42が互いに接続する導通部となっている。電極設置溝14bとは別の場所に突起部31を設けるときには、第1配線34から第2端子16の距離が最短距離になる配線パターンから離れた場所の導通部へ迂回することになる。このときに比べて第1配線34及び第2配線44の配線パターンを簡易にすることができる。
(9)本実施形態によれば、光学モジュール1は光フィルター12を備えている。そして、光学モジュール1は第1接続場所57及び第2接続場所58と第2導電膜端子42との間には固定部56が位置している。突起部31と対向する凹部13dにおいて可動基板13が撓むときにも固定部56にて撓みが抑制される。そして、第1反射面33aと第2反射面37aとが互いに傾斜することを抑制することができる。従って、光学モジュール1は通過する光の波長の分布の幅を狭くすることができる。
(第2の実施形態)
次に、光フィルターの一実施形態について図10の光フィルターの構造を示す模式平面図を用いて説明する。図10(a)は、固定基板の構造を示す模式平面図であり、図10(b)は可動基板の構造を示す模式平面図である。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、各基板の配線パターン形状が異なる点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図10(a)に示すように、波長可変光フィルターとしての光フィルター77は四角形の第1基板としての固定基板78を備えている。固定基板78の図中左側を+X方向とし、図中上側を+Y方向とする。固定基板78の外形となる4辺はX方向またはY方向に沿って設置されている。固定基板78の中央には反射膜設置部78aが設置され、反射膜設置部78aを囲んで電極設置溝78bが設置されている。固定基板78の周囲は厚みが反射膜設置部78aより厚い固定部79になっている。固定部79は接合膜45が設置される場所である。電極設置溝78bにおいて+X方向側には突起部80が設置されている。
反射膜設置部78aの重心78cと突起部80とを結ぶ線を第1仮想線81とする。重心78cを通り第1仮想線81と直交する線を第2仮想線82とする。固定部79の形状は第1仮想線81に対して対称であり、第2仮想線82に対して対称となっている。
反射膜設置部78a及び反射膜設置部78aを囲む場所には第1導電膜としての固定反射膜83が設置され、固定反射膜83の−Z方向側の面が第1反射面83aになっている。電極設置溝78bにおいて固定反射膜83と並んで第1静電電極としての第1固定電極84が円弧状に設置され、第1固定電極84と並んで第1静電電極としての第2固定電極85が円弧状に設置されている。
電極設置溝78bにおいて+X方向側には第1端子15〜第4端子18が設置されている。固定反射膜83と第3端子17とは固定鏡配線83bにより接続されている。第1固定電極84と第1端子15とは第1固定電極配線84aにより接続されている。第2固定電極85と第4端子18とは第2固定電極配線85aにより接続されている。
突起部80では−Z方向を向く第1導電膜端子86と第2端子16とが配線87により接続されている。固定反射膜83、固定鏡配線83b、第1固定電極84、第1固定電極配線84a、第2固定電極85、第2固定電極配線85a、第1導電膜端子86及び配線87等により第1配線88が構成されている。
図10(b)に示すように、光フィルター77は四角形の第2基板としての可動基板89を備えている。可動基板89の図中左側を+X方向とし、図中下側を+Y方向とする。可動基板89の外形となる4辺はX方向またはY方向に沿って設置されている。可動基板89の中央には第2導電膜としての可動反射膜90が設置され、可動反射膜90においてZ方向を向く面が第2反射面90aになっている。可動反射膜90を囲んで可動反射膜90と接続する第2静電電極としての可動電極91が設置されている。
Z方向から見た平面視で可動基板89には中央を囲む円環状の溝89aが設置されている。溝89aに囲まれた円柱状の部分を可動部89bとする。可動部89bは固定基板78の反射膜設置部78aと対向して配置されている。溝89aには円弧状の孔92が設置されている。孔92は可動部89bの±X方向側と±Y方向側の4か所に設置されている。
隣り合う孔92の間に位置する部分を梁部93とする。梁部93は厚みが薄いので変形し易くなっている。これにより、可動部89bは容易にZ方向に移動することが可能になっている。孔92及び梁部93の外周側を枠部89cとする。梁部93は枠部89cと可動部89bとを連結し、可動部89bを支持する。
可動部89b上には可動反射膜90が設置されている。可動反射膜90の重心90bを中心にして孔92、溝89aが配置され、梁部93は重心90bから放射状に配置されている。各梁部93には可動電極91に接続された可動電極配線91aが設置されている。可動電極配線91aは梁部93上を通って枠部89c上に設置されている。さらに、枠部89cにおいて可動電極配線91aは孔92及び梁部93を囲んで円環状に設置されている。さらに、重心90bを通ってX方向に延在する第1仮想線81に沿って可動電極配線91aが+X方向及び−X方向に延びるように配置されている。+X方向に延びる可動電極配線91aは第2導電膜端子94と接続され、第2導電膜端子94は第1導電膜端子86と接続される。可動反射膜90、可動電極91、可動電極配線91a及び第2導電膜端子94等により第2配線95が構成されている。
第2導電膜端子94と対向する可動基板89は−Z方向側に凹部89dが設置されている。凹部89dでは可動基板89の厚みが薄いので、突起部80に押圧されて撓み易くなっている。
可動反射膜90、可動電極91、可動電極配線91a及び第2導電膜端子94は電気的に接続されている。そして、各梁部93にはそれぞれ1本の可動電極配線91aが設置されている。可動電極配線91aと梁部93とでは材質が異なるので熱膨張の差等による応力が生じやすい。本実施形態では梁部93における配線の本数を減らすことができる為、梁部93における配線の応力の影響を減らすことができる。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、梁部93における配線の応力の影響を減らすことができる為、第1反射面83aと第2反射面90aとを平行にし易くすることができる。
(第3の実施形態)
次に、光フィルターの一実施形態について図11及び図12を用いて説明する。図11(a)は、可動基板の構造を示す模式平面図であり、図11(b)は固定基板の構造を示す模式平面図である。図12は配線の構造を示す要部模式断面図である。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、各基板の配線パターン形状が異なる点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図11(a)に示すように、光フィルター98は四角形の可動基板99を備えている。可動基板99の図中左側を+X方向とし、図中下側を+Y方向とする。可動基板99の外形となる4辺はX方向またはY方向に沿って設置されている。Z方向から見た平面視で可動基板99には中央を囲む円環状の溝99aが設置されている。溝99aに囲まれた円柱状の部分を可動部99bとする。溝99aには円弧状の孔35が設置されている。孔35は可動部99bの±X方向側と±Y方向側の4か所に設置されている。孔35は可動部99bを中心とする円周に沿って設置されている。孔35の外周はZ方向から見た平面視で円に沿って設置されており、この円の直径を第1直径35aとする。
溝99aに位置し隣り合う孔35の間に梁部36が位置している。梁部36のうち可動部99bの+X方向側であり+Y方向側に位置する梁部36を第1梁部36aとする。そして、第1梁部36aを起点として時計回りに第2梁部36b、第3梁部36c及び第4梁部36dが可動部99bを中心とする同心円上に配置されている。孔35及び梁部36の外周側を枠部99cとする。梁部36は枠部99cと可動部99bとを連結し、可動部99bを支持する。
可動部99b上には可動反射膜37が設置されている。可動反射膜37の重心37bを中心とする円周上に孔35、溝99aが配置され、梁部36は重心37bから放射状に配置されている。
可動反射膜37の+X方向側且つ+Y方向側には可動鏡配線100が設置されている。可動鏡配線100は第1梁部36a上を通って枠部99c上に設置されている。枠部99c上で可動鏡配線100は孔35の外周から離れた場所を通って第2端子16に接続されている。
可動反射膜37の周囲には第1可動電極38が設置されている。第1可動電極38は円弧状の+X方向側且つ+Y方向側の場所が分断され、分断された場所に可動鏡配線100が設置されている。第1可動電極38は第1電極配線101により第1端子15と接続されている。第1電極配線101は第1可動電極38から第1梁部36a上を通って枠部99c上に設置されている。枠部99c上では第1電極配線101は孔35の外周から離れた場所を通って第1端子15に接続されている。
第1可動電極38の周囲には第2可動電極41が設置されている。第2可動電極41は円弧状の+X方向側且つ+Y方向側の場所が分断され、分断された場所に可動鏡配線100及び第1電極配線101が設置されている。第2可動電極41は第2電極配線102により第4端子18と接続されている。第2電極配線102は第2可動電極41から第2梁部36b上を通って枠部99c上に設置されている。枠部99c上では第2電極配線102は孔35の外周から離れた場所を通って第4端子18に接続されている。
第2梁部36bには第2電極配線102と並行に第1模擬配線103が設置されている。第1模擬配線103は第2梁部36b及び枠部99cに設置され、第1模擬配線103の長さは第2電極配線102の途中までの長さとなっている。
第3梁部36cには第2模擬配線104及び第3模擬配線105が設置されている。第2模擬配線104及び第3模擬配線105は第3梁部36c及び枠部99cに設置されている。第4梁部36dには第4模擬配線106及び第5模擬配線107が設置されている。第4模擬配線106及び第5模擬配線107は第4梁部36d及び枠部99cに設置されている。
可動反射膜37、第1可動電極38、第2可動電極41、可動鏡配線100、第1電極配線101、第2電極配線102、第1模擬配線103〜第5模擬配線107等により第2配線108が構成されている。第1電極配線101及び第2電極配線102が通電用配線であり、第1模擬配線103〜第5模擬配線107が模擬配線となっている。第2配線108は第1仮想線63を中心線とした略対称な図形になっている。さらに、第2配線108は第2仮想線64を中心線とした略対称な図形になっている。つまり、第2配線108の形状は重心37bを中心とする点対称に近い形状になっている。これにより、第2配線108と可動基板99との間で応力が発生しても歪により第2反射面37aが傾くことが抑制される。
枠部99cでは可動鏡配線100、第1電極配線101、第2電極配線102、第1模擬配線103〜第5模擬配線107が設置されていない場所に接合膜45が設置されている。そして、接合膜45が設置された場所が固定部109となっている。
図11(b)に示すように、−Z方向から見た平面視で固定基板110の中央には円柱状に−Z方向に突出する反射膜設置部110aが設置されている。反射膜設置部110aの周囲には円環状に凹んだ第2凹部としての電極設置溝110bが設置されている。この円環状の部分の直径を第2直径110cとする。第2直径110cは第1直径35aと同じ長さまたは短い長さとなっている。さらに、電極設置溝110bは反射膜設置部110aの+X方向側及び−X方向側に延び固定基板110の外周にまで延在している。従って、固定基板110では電極設置溝110bが+X方向側及び−X方向側で開口している。
電極設置溝110bの−Z方向側の面には反射膜設置部110aを中心とした円環状の固定電極30が設置されている。電極設置溝110bには固定電極配線30a、第1導電膜端子32及び突起部31が設置されている。
図12に示すように、固定基板110と可動基板99とは接合膜45により接合されている。そして、接合膜45は厚みが第2配線108より厚い膜となっている。そして、第2配線108が位置しない場所に接合膜45が設置されている。これにより、第2配線108に応力をかけず固定基板110と可動基板99とを固定することができる。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、第2配線108に応力をかけず固定基板110と可動基板99とを固定することができる。そして、第2直径110cは第1直径35aと同じ長さまたは短い長さになっている。従って、孔35の外周に沿って第2配線108を配置する場所を設けないので、光フィルター98を小型にすることができる。
(第4の実施形態)
次に、上記の光学モジュール1、を備えた測色装置の一実施形態について図13を用いて説明する。尚、上記の実施形態と同じ点については説明を省略する。
(測色装置)
図13は、測色装置の構成を示すブロック図である。図13に示すように、電子機器としての測色装置120は、測定対象物121に光を射出する光源装置122と、測色センサー123と、測色装置120の全体動作を制御する制御装置124とを備える。そして、この測色装置120は光源装置122から射出される光を測定対象物121にて反射させる。反射された検査対象光を測色センサー123が受光する。測色センサー123から出力される検出信号に基づいて測色装置120は検査対象光の色度すなわち測定対象物121の色を分析して測定する。
光源装置122は光源125及び複数のレンズ126(図中には1つのみ記載)を備え、測定対象物121に対して例えば白色光等の基準光を射出する。また、複数のレンズ126にはコリメーターレンズが含まれてもよい。この場合、光源125から射出された基準光をコリメーターレンズが平行光にし、光源装置122は図示しない投射レンズから測定対象物121に向かって光を射出する。尚、本実施形態では、光源装置122を備える測色装置120を例示するが、例えば測定対象物121が液晶パネル等の発光部材である場合、光源装置122が設けられない構成としてもよい。
測色センサー123は光フィルター127と、光フィルター127を透過する光を受光するディテクター128と、光フィルター127を透過させる光の波長を制御する制御部としての波長制御部129とを備える。光フィルター127には上記の光学モジュール1が用いられている。波長制御部129は第1の実施形態における制御部27の機能を備えている。
また、測色センサー123は、光フィルター127に対向する場所に図示しない入射光学レンズを備えている。入射光学レンズは測定対象物121で反射された反射光(検査対象光)を測色センサー123の内部に導光する。そして、測色センサー123では入射光学レンズから入射した検査対象光のうち所定の波長の光を光フィルター127が分光し、分光した光をディテクター128が受光する。
制御装置124は測色装置120の全体動作を制御する。この制御装置124としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや携帯情報端末の他にも測色専用コンピューター等を用いることができる。そして、制御装置124は光源制御部130、測色センサー制御部131及び測色処理部132等を備えて構成されている。光源制御部130は光源装置122に接続され、例えば、操作者の設定入力に基づいて光源装置122に所定の制御信号を出力して所定の明るさの白色光を射出させる。測色センサー制御部131は測色センサー123の波長制御部129に接続されている。例えば、操作者の設定入力に基づいて測色センサー123にて受光させる光の波長を測色センサー制御部131が設定する。そして、設定した波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー制御部131が波長制御部129に出力する。これにより、制御信号に基づいて波長制御部129は光フィルター127を駆動させる。測色処理部132は、ディテクター128により検出された受光量から、測定対象物121の色度を分析する。
光フィルター127には上記の光学モジュール1が用いられている。光学モジュール1は第1反射面33aと第2反射面37aとが相対的に傾斜することを抑制され、狭い範囲の波長の光を通過させることができる構造となっている。従って、測色装置120は、狭い範囲の波長の光を透過させることができる光フィルター127を備えた電子機器とすることができる。
(第5の実施形態)
次に、上記の光学モジュール1を備えたガス検出装置の一実施形態について図14及び図15を用いて説明する。このガス検出装置は、例えば、特定ガスを高感度検出する車載用ガス漏れ検出器や、呼気検査用の光音響希ガス検出器等に用いられる。尚、上記の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図14は、ガス検出装置の構成を示す模式正面図であり、図15は、ガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。図14に示すように、電子機器としてのガス検出装置135はセンサーチップ136と吸引口137a、吸引流路137b、排出流路137c及び排出口137dを備えた流路137と本体部138とを有する構成となっている。
本体部138は、センサー部カバー139、排出手段140及び筐体141を備えている。センサー部カバー139を開閉することにより、流路137を着脱することが可能になっている。さらに、本体部138は光学部142、フィルター143、光フィルター144、受光素子145(検出部)等を含む検出装置を備えている。光フィルター144には上記の光学モジュール1が用いられている。
さらに、本体部138は検出された信号を処理し、検出部を制御する制御部146(処理部)及び電力を供給する電力供給部147等を備えている。光学部142は、光を射出する光源148、ビームスプリッター149、レンズ150、レンズ151及びレンズ152により構成されている。ビームスプリッター149は光源148から入射された光をセンサーチップ136側に反射し、センサーチップ側から入射された光を受光素子145側に透過する。
図15に示すように、ガス検出装置135には操作パネル155、表示部156、外部とのインターフェイスのための接続部157及び電力供給部147が設けられている。電力供給部147が二次電池の場合には充電のための接続部158を備えてもよい。更に、ガス検出装置135の制御部146は、CPU等により構成された信号処理部159及び光源148を制御するための光源ドライバー回路160を備えている。更に、制御部146は光フィルター144を制御するための制御部としての波長制御部161、受光素子145からの信号を受信する受光回路162を備えている。波長制御部161は第1の実施形態における制御部27の機能を備えている。更に、制御部146はセンサーチップ136のコードを読み取り、センサーチップ136の有無を検出するセンサーチップ検出器163からの信号を受信するセンサーチップ検出回路164を備えている。更に、制御部146は排出手段140を制御する排出ドライバー回路165等を備えている。
次に、ガス検出装置135の動作について説明する。本体部138の上部のセンサー部カバー139の内部にはセンサーチップ検出器163が設けられている。センサーチップ検出器163によりセンサーチップ136の有無が検出される。信号処理部159はセンサーチップ検出器163からの検出信号を検出するとセンサーチップ136が装着された状態であると判断する。そして、信号処理部159は表示部156へ検出動作を実施可能な旨を表示させる表示信号を出す。
そして、操作者により操作パネル155が操作され、操作パネル155から検出処理を開始する旨の指示信号が信号処理部159へ出力される。まず、信号処理部159は光源ドライバー回路160に光源駆動の指示信号を出力して光源148を作動させる。光源148が駆動されると、光源148から単一波長で直線偏光の安定したレーザー光が射出される。光源148には温度センサーや光量センサーが内蔵されており、センサーの情報が信号処理部159へ出力される。光源148から入力された温度や光量に基づいて、光源148が安定動作していると信号処理部159が判断すると、信号処理部159は排出ドライバー回路165を制御して排出手段140を作動させる。これにより、検出すべき標的物質(ガス分子)を含んだ気体試料が、吸引口137aから吸引流路137b、センサーチップ136内、排出流路137c、排出口137dへと誘導される。尚、吸引口137aには、除塵フィルター137eが設けられ、比較的大きい粉塵や一部の水蒸気等が除去される。
センサーチップ136は金属ナノ構造体が複数組み込まれた素子であり、局在表面プラズモン共鳴を利用したセンサーである。このようなセンサーチップ136ではレーザー光により金属ナノ構造体間で増強電場が形成される。この増強電場内にガス分子が入り込むと、分子振動の情報を含んだラマン散乱光、及びレイリー散乱光が発生する。これらのレイリー散乱光やラマン散乱光は光学部142を通ってフィルター143に入射する。フィルター143によりレイリー散乱光が分離され、ラマン散乱光が光フィルター144に入射する。
そして、信号処理部159は波長制御部161に対して制御信号を出力する。これにより、波長制御部161は光フィルター144のアクチュエーターを駆動させて検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光を光フィルター144に分光させる。分光した光が受光素子145にて受光されると、受光量に応じた受光信号が受光回路162を介して信号処理部159に出力される。
信号処理部159は、得られた検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光のスペクトルデータとROMに格納されているデータとを比較する。そして、検出対象となるガス分子が目的のガス分子か否かを判定し物質の特定をする。また、信号処理部159は表示部156にその結果情報を表示し、接続部157から外部へ出力する。
ラマン散乱光を光フィルター144により分光し、分光されたラマン散乱光からガス検出を行うガス検出装置135を例示した。ガス検出装置135はガス固有の吸光度を検出してガス種別を特定するガス検出装置として用いてもよい。この場合、センサー内部にガスを流入させ、入射光のうちガスにて吸収された光を検出するガスセンサーに光フィルター144を用いる。そして、ガス検出装置はガスセンサーによりセンサー内に流入されたガスを分析、判別する電子機器である。ガス検出装置135はこのような構成にすることで光フィルター144を用いてガスの成分を検出することができる。
光フィルター144には上記の光学モジュール1が用いられている。光学モジュール1は第1反射面33aと第2反射面37aとが相対的に傾斜することを抑制され、狭い範囲の波長の光を通過させることができる構造となっている。従って、ガス検出装置135は、狭い範囲の波長の光を透過させることができる光フィルター144を備えた電子機器とすることができる。
(第6の実施形態)
次に、上記の光学モジュール1を備えた食物分析装置の一実施形態について図16を用いて説明する。上記の光学モジュール1は近赤外線分光による糖類の非侵襲的測定装置や食物、生体、鉱物等の情報の非侵襲的測定装置等の物質成分分析装置に用いることができる。食物分析装置は物質成分分析装置の1種である。尚、上記の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図16は、食物分析装置の構成を示すブロック図である。図16に示すように、電子機器としての食物分析装置168は検出器169、制御部170及び表示部171を備えている。検出器169は光を射出する光源172、測定対象物173からの光が導入される撮像レンズ174、撮像レンズ174から導入された光を分光する光フィルター175を備えている。光フィルター175には上記の光学モジュール1が用いられている。さらに、検出器169は分光された光を検出する撮像部176(検出部)を備えている。
制御部170は光源172の点灯・消灯制御、点灯時の明るさ制御を実施する光源制御部177及び光フィルター175を制御する制御部としての波長制御部178を備えている。波長制御部178は第1の実施形態における制御部27の機能を備えている。さらに、制御部170は撮像部176を制御して撮像部176で撮像された分光画像を取得する検出制御部179、信号処理部180及び記憶部181を備えている。
食物分析装置168を駆動させると光源制御部177により光源172が制御されて光源172から測定対象物173に光が照射される。そして、測定対象物173で反射された光は撮像レンズ174を通って光フィルター175に入射する。光フィルター175は波長制御部178の制御により駆動される。これにより、光フィルター175から精度よく目的波長の光を取り出すことができる。そして、取り出された光は、例えば、CCDカメラ等により構成される撮像部176に撮像される。また、撮像された光は分光画像として記憶部181に蓄積される。また、信号処理部180は波長制御部178を制御して光フィルター175に印加する電圧値を変化させ、各波長に対する分光画像を取得する。
そして、信号処理部180は記憶部181に蓄積された各画像における各画素のデータを演算処理し、各画素におけるスペクトルを求める。また、記憶部181にはスペクトルに対する食物の成分に関する情報が記憶されている。記憶部181に記憶された食物に関する情報を基に信号処理部180は求めたスペクトルのデータを分析する。そして、信号処理部180は測定対象物173に含まれる食物成分と各食物成分含有量を求める。また、得られた食物成分及び含有量から信号処理部180は食物カロリーや鮮度等をも算出することができる。更に、画像内のスペクトル分布を分析することで、信号処理部180は検査対象の食物の中で鮮度が低下している部分の抽出等をも実施することができる。更には、信号処理部180は食物内に含まれる異物等の検出をも実施することができる。そして、信号処理部180は上述のようにして得られた検査対象の食物の成分や含有量、カロリーや鮮度等の情報を表示部171に表示させる処理をする。
光フィルター175には上記の光学モジュール1が用いられている。光学モジュール1は第1反射面33aと第2反射面37aとが相対的に傾斜することを抑制され、狭い範囲の波長の光を通過させることができる構造となっている。従って、食物分析装置168は、狭い範囲の波長の光を透過させることができる光フィルター175を備えた電子機器とすることができる。
また、食物分析装置168の他にも略同様の構成により、上述したようなその他の情報の非侵襲的測定装置としても利用することができる。例えば、血液等の体液成分の測定、分析等、生体成分を分析する生体分析装置として用いることができる。このような生体分析装置としては、例えば、血液等の体液成分を測定する装置に食物分析装置168を用いることができる。他にも、エチルアルコールを検知する装置とすれば、運転者の飲酒状態を検出する酒気帯び運転防止装置に食物分析装置168を用いることができる。また、このような生体分析装置を備えた電子内視鏡システムとしても用いることができる。更には、鉱物の成分分析を実施する鉱物分析装置としても用いることができる。
更には、上記の光学モジュール1を用いた電子機器としては、以下のような装置に適用することができる。例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることで、各波長の光でデータを伝送させることも可能であり、この場合、上記の光学モジュール1により特定波長の光を分光する。そして、受光部で受光させることで、特定波長の光により伝送されるデータを抽出することができ、このように上記の光学モジュール1でデータを抽出する電子機器により各波長の光のデータを処理することで、複数波長の光通信を実施することもできる。
(第7の実施形態)
次に、上記の光学モジュール1を備えた分光カメラの一実施形態について図17を用いて説明する。光を分光させて分光画像を撮像する分光カメラや分光分析機等に上記の光学モジュール1を用いることができる。このような分光カメラの一例として、上記の光学モジュール1を内蔵した赤外線カメラが挙げられる。尚、上記の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図17は、分光カメラの構成を示す概略斜視図である。図17に示すように、電子機器としての分光カメラ184はカメラ本体185、撮像レンズユニット186及び撮像部187を備えている。カメラ本体185は操作者により把持され操作される部分である。
撮像レンズユニット186はカメラ本体185に接続され、入射した画像光を撮像部187に導光する。また、この撮像レンズユニット186は対物レンズ188、結像レンズ189及びこれらのレンズ間に設けられた光フィルター190を備えて構成されている。光フィルター190には上記の光学モジュール1が用いられている。さらに、カメラ本体185には光フィルター190が分光する光の波長を制御する制御部としての波長制御部191が設置されている。波長制御部191は第1の実施形態における制御部27の機能を備えている。
撮像部187は受光素子により構成され、撮像レンズユニット186により導光された画像光を撮像する。分光カメラ184では光フィルター190が撮像対象となる波長の光を透過させて、撮像部187が所望の波長の光の分光画像を撮像する。
光フィルター190には上記の光学モジュール1が用いられている。光学モジュール1は第1反射面33aと第2反射面37aとが相対的に傾斜することを抑制され、狭い範囲の波長の光を通過させることができる構造となっている。従って、分光カメラ184は、狭い範囲の波長の光を透過させることができる光フィルター190を備えた電子機器とすることができる。
更には、光フィルター190を組み合わせた光学モジュールをバンドパスフィルターとして用いてもよい。例えば、発光素子が射出する所定波長域の光のうち、所定の波長を中心とした狭帯域の光のみを光フィルター190で分光して透過させる光学式レーザー装置としても用いることができる。また、光学モジュールを生体認証装置として用いてもよく、例えば、近赤外領域や可視領域の光を用いた血管、指紋、網膜及び虹彩等の認証装置にも適用できる。更には、光学モジュールを濃度検出装置に用いることができる。この場合、上記の光学モジュール1により物質から射出された赤外エネルギー(赤外光)を分光して分析し、サンプル中の被検体濃度を測定する。
上記に示すように、上記の光学モジュール1は、入射光から所定の光を分光するいかなる装置にも適用することができる。そして、上記の光学モジュール1は上記のように複数の波長を効率良く分光させることができる。このため、複数の波長のスペクトルの測定、複数の成分に対する検出を効率よく実施することができる。したがって、単一波長を分光させる複数の光学モジュールにより所望の波長を取り出す従来の装置に比べて、電子機器の小型化を促進でき、例えば、携帯用や車載用の光学デバイスとして好適に用いることができる。このときにも、上記の光学モジュール1は狭い範囲の所定の波長の光を通過させることができる為、これらの光学モジュールを用いた電子機器は複数の波長の光を精度良く取り出して利用することができる。
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第4の実施形態〜第7の実施形態では、光学モジュール1が用いられた。第2の実施形態における光フィルター77及び第3の実施形態における光フィルター98を用いても良い。このときにも、光フィルター77及び光フィルター98は狭い範囲の波長の光を透過させることができる。
(変形例2)
前記第1の実施形態では、梁部36は第1梁部36a〜第4梁部36dの4つの梁部により構成された。梁部36は3つの梁部で構成されても良く、5つ以上の梁部により構成されても良い。梁部の個数が少ない方が構造が簡単になるので、製造し易くすることができる。また、梁部の数が多い程安定して可動部13bを支持することができる。
(変形例3)
前記第1の実施形態では、梁部36にはそれぞれ2本の配線が設置された。配線の個数は3本以上でも良い。
(変形例4)
前記第1の実施形態では、第1可動電極38及び第2可動電極41と固定電極30との間に電圧を印加し、静電気力を用いて反射膜間ギャップ67を制御した。これに限らず、電磁気や、圧電素子等によるアクチュエーターにより反射膜間ギャップ67を制御しても良い。
1…光学モジュール、2…筐体、12,77…波長可変光フィルターとしての光フィルター、13,89,99…第2基板としての可動基板、13b,89b,99b…可動部、13d…第1凹部としての凹部、14,78,110…第1基板としての固定基板、14b,110b…第2凹部としての電極設置溝、27…制御部、31…導通部としての突起部、32…導通部としての第1導電膜端子、33a,83a…第1反射面、34…第1配線、35…開口部としての孔、36…梁部、37a,90a…第2反射面、37b…重心、42…導通部としての第2導電膜端子、44,95,108…第2配線、44a…通電用配線、44b…模擬配線、45…固定膜としての接合膜、56,109…固定部、57…接続場所としての第1接続場所、58…接続場所としての第2接続場所、63…仮想線としての第1仮想線、65…配線設置場所、81…第1仮想線、82…第2仮想線、83…第1導電膜としての固定反射膜、84…第1静電電極としての第1固定電極、85…第1静電電極としての第2固定電極、90…第2導電膜としての可動反射膜、91…第2静電電極としての可動電極、98…光フィルター、101…通電用配線としての第1電極配線、102…通電用配線としての第2電極配線、103…模擬配線としての第1模擬配線、104…模擬配線としての第2模擬配線、105…模擬配線としての第3模擬配線、106…模擬配線としての第4模擬配線、107…模擬配線としての第5模擬配線、120…電子機器としての測色装置、135…電子機器としてのガス検出装置、168…電子機器としての食物分析装置、184…電子機器としての分光カメラ。

Claims (12)

  1. 第1反射面及び第1配線を有する第1基板と、
    前記第1反射面と対向する第2反射面及び第2配線を有する第2基板と、を備え、
    前記第2基板は、前記第2反射面が設置された可動部と、
    前記可動部を支持する複数の梁部と、
    前記梁部と接続する枠部とを有し、
    前記第1配線と前記第2配線とは導通部にて接続され、前記梁部と前記枠部とが接続する接続場所と前記導通部との間には前記第1基板と前記枠部とを固定する固定部が位置することを特徴とする波長可変光フィルター。
  2. 請求項1に記載の波長可変光フィルターであって、
    前記固定部の形状は線対称となっていることを特徴とする波長可変光フィルター。
  3. 請求項2に記載の波長可変光フィルターであって、
    前記第2反射面の重心と前記導通部とを通る仮想線と交差しない場所に前記梁部が設置されていることを特徴とする波長可変光フィルター。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長可変光フィルターであって、
    前記第2基板の厚み方向から見た平面視で前記導通部と対向する場所には第1凹部が設置されていることを特徴とする波長可変光フィルター。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の波長可変光フィルターであって、
    前記梁部の形状は線対称となっていることを特徴とする波長可変光フィルター。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の波長可変光フィルターであって、
    前記第1配線は前記第1反射面に設置された第1導電膜と前記第1導電膜と並んで設置された第1静電電極とを有し、
    前記可動部において前記第2配線は前記第2反射面に設置された第2導電膜と前記第2導電膜の周囲に設置された第2静電電極とを有し、
    前記第2導電膜及び前記第2静電電極は互いに接続されていることを特徴とする波長可変光フィルター。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の波長可変光フィルターであって、
    前記第2配線は通電される通電用配線及び模擬配線を有し、前記梁部は複数設置され、各前記梁部には同じ本数の前記第2配線が設置されることを特徴とする波長可変光フィルター。
  8. 請求項6に記載の波長可変光フィルターであって、
    前記第1基板には前記第1反射面と並んで前記第1静電電極が位置する第2凹部が設置され、
    前記第2基板には前記第2凹部と対向する場所に配線設置場所が設置され、
    前記第2配線の一部は前記配線設置場所に設置されることを特徴とする波長可変光フィルター。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の波長可変光フィルターであって、
    前記第1基板には前記第1反射面を囲む円環状の部分を含む第2凹部が設置され、
    前記第2基板には隣り合う前記梁部の間に前記第2反射面を中心とする円周に沿って円弧状の開口部が設置され、
    前記開口部の外周側の直径は前記円環状の部分の直径と同じであり、
    前記第1基板と前記第2基板とは前記第2配線の厚みより厚い固定膜を介して固定され、前記第2配線が位置しない場所に前記固定膜が設置されていることを特徴とする波長可変光フィルター。
  10. 請求項8に記載の波長可変光フィルターであって、
    前記第1配線は前記第2凹部に設置され、
    前記導通部は前記第2凹部に設置されることを特徴とする波長可変光フィルター。
  11. 第1反射面及び第1配線を有する第1基板と、前記第1反射面と対向する第2反射面及び第2配線を有する第2基板と、を備えた波長可変光フィルターと、
    内部空間を有し前記内部空間に前記波長可変光フィルターを収納する筐体と、を備え、
    前記第2基板は、前記第2反射面が設置された可動部と、
    前記可動部を支持する複数の梁部と、
    前記梁部と接続する枠部とを有し、
    前記第1配線と前記第2配線とは導通部にて接続され、前記梁部と前記枠部とが接続する接続場所と前記導通部との間には前記第1基板と前記枠部とを固定する固定部が位置することを特徴とする光学モジュール。
  12. 第1反射面及び第1配線を有する第1基板と、前記第1反射面と対向する第2反射面及び第2配線を有する第2基板と、を備えた波長可変光フィルターと、
    前記波長可変光フィルターを収納可能な内部空間を有する筐体と、を備える光学モジュールと、
    前記光学モジュールを制御する制御部と、を備え、
    前記第2基板は、前記第2反射面が設置された可動部と、
    前記可動部を支持する複数の梁部と、
    前記梁部と接続する枠部とを有し、
    前記第1配線と前記第2配線とは導通部にて接続され、前記梁部と前記枠部とが接続する接続場所と前記導通部との間には前記第1基板と前記枠部とを固定する固定部が位置することを特徴とする電子機器。
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