JP2016035196A - 水廻り機器への除菌水の供給方法および水洗便器 - Google Patents
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Abstract
【課題】単に除菌水を供給する場合よりも除菌効果を高めることができる水廻り機器への除菌水の供給方法を提供する。
【解決手段】水タンク1には水道からの水道水が供給され、普通水W1が溜められる。オゾン水生成装置2は配管6aを介して水タンク1に接続されている。水タンク1内の水道水の一部がオゾン水生成装置に流入し、電気分解によってオゾンガスが生成され、水に溶解してオゾン水(除菌水W2)が生成される。水タンク1からの普通水W1とオゾン水生成装置2からのオゾン水(除菌水W2)が、切替弁4を介して、同一のノズル5から水廻り機器の除菌対象部分に供給される。
【選択図】図1
【解決手段】水タンク1には水道からの水道水が供給され、普通水W1が溜められる。オゾン水生成装置2は配管6aを介して水タンク1に接続されている。水タンク1内の水道水の一部がオゾン水生成装置に流入し、電気分解によってオゾンガスが生成され、水に溶解してオゾン水(除菌水W2)が生成される。水タンク1からの普通水W1とオゾン水生成装置2からのオゾン水(除菌水W2)が、切替弁4を介して、同一のノズル5から水廻り機器の除菌対象部分に供給される。
【選択図】図1
Description
本発明は、水廻り機器への除菌水の供給方法および水洗便器に関する。
清潔で快適な生活環境を求める消費者の増加に伴い、住居内の水廻り機器においては、除菌によって、ぬめりやカビの発生や、雑菌の繁殖を抑制することが求められている。
従来、このような水廻り機器のうち、水洗便器において除菌を行うものとして、電気分解により生成したオゾン含有水(除菌水)を流して洗浄する水洗便器が提案されている(特許文献1、2)。
特許文献2には、便器本体のボウル部の殺菌を開始する指令に基づいて、ボウル部に貯留された溜水の水位を待機時よりも下げた後、ボウル部にオゾン含有水を便器に流して洗浄することが記載されている。この水洗便器は、通常使用時あるいは待機時には溜水で水没しているボウル部の部分を効果的に除菌することができ、ボウル部の喫水線近傍に汚れが発生することを抑制することができるとされている。
しかしながら、単にオゾン含有水をボウル部に流すだけでは、菌が積層されて付着している場合は、オゾン含有水の効果を奥まで行き渡らせることが困難であった。
すなわち、菌が層状に付着している場合、オゾン含有水はこのような層状の菌に対して表面(最外層)側から供給される。そのため、最外層に位置する菌に対しては除菌効果が得られても、積層している菌の奥までオゾン含有水による除菌効果を行き渡らせることが困難であった。
このように、層状の菌に対して表面のみではなく奥まで除菌する観点から、除菌効果には更に改善が望まれていた。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、単に除菌水を供給する場合よりも除菌効果を高めることができる水廻り機器への除菌水の供給方法を提供することを課題としている。
また、本発明は、単に除菌水を供給する場合よりも除菌効果を高めることができる水洗便器を提供することも課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の水廻り機器への除菌水の供給方法は、除菌成分非含有の普通水を水廻り機器の除菌対象部分に供給した後、除菌成分を含有する除菌水を前記除菌対象部分に供給することを特徴としている。
また、本発明の水洗便器は、ボウル部を有する便器本体と、前記ボウル部の除菌対象部分に除菌成分を含有する除菌水を供給するノズルと、前記ボウル部に除菌成分非含有の普通水を供給する給水路と、前記ボウル部の溜水などを排出する排水路と、前記ボウル部の溜水の喫水線の高さを制御する溜水制御部とを備え、前記排水路は、前記給水路から供給される前記普通水を前記ボウル部に貯留可能に形成され、かつ少なくとも一部が可動式であるトラップ部を備え、前記溜水制御部は、前記トラップ部を駆動させることによって前記ボウル部の溜水の喫水線の高さを制御し、前記ボウル部の溜水の待機時の喫水線以下を前記除菌対象部分とし、除菌成分非含有の普通水を前記ボウル部の前記除菌対象部分に供給した後、除菌成分を含有する除菌水を前記除菌対象部分に供給するよう制御することを特徴としている。
本発明によれば、単に除菌水を供給する場合よりも除菌効果を高めることができる。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る水廻り機器への除菌水の供給方法では、まず、除菌成分非含有の普通水を水廻り機器の除菌対象部分に供給する。その後、除菌成分を含有する除菌水を前記除菌対象部分に供給する。
ここで、除菌成分を含有する除菌水を、以下、単に「除菌水」とも称する。除菌水よりも吐水圧が高い除菌成分非含有の普通水を、以下、単に「普通水」とも称する。
本実施形態において、水廻り機器は、給水機能、排水機能、または給排水機能などを備え、衛生に保たれることが求められている機器である。例えば、水洗便器、食器洗浄機、洗濯機、キッチンシンク、手洗器、洗面器、浴槽などを挙げることができる。
除菌水には、除菌成分が溶解している。本実施形態に係る除菌成分は、水廻り機器の除菌対象部分に付着した菌に対する除菌効果を得るために水に含有させている成分を意図する。このため、水道水に含まれる残留塩素など、水に含まれる物質に対する殺菌効果を得るために含有させている成分(以下、「残留塩素等」とも称する)については、本実施形態に係る除菌成分が意図する成分ではない。もちろん、除菌水に残留塩素等が含まないことを意味するものではなく、除菌水には残留塩素等を含んでいてもよい。
除菌成分の具体例としては、オゾン、次亜塩素酸などが挙げられる。除菌成分がオゾンである除菌水(以下、「オゾン水」とも称する)は、例えば、水を電気分解してオゾンガスを生成させ、生成したオゾンガスを水に溶解させることによって得ることができる。除菌成分が次亜塩素酸である除菌水は、例えば、NaClを含む水を電気分解して塩素ガスを生成させ、生成した塩素ガスを水と反応させることによって得ることができる。
オゾンは水中での寿命が短く水質汚染の懸念が少ない。また、水道水などの水をそのまま電気分解してオゾンを生成することができる。このため、本実施形態では除菌成分がオゾンであることが好ましい。
普通水は、除菌水に含まれる除菌成分を含まない。なお、普通水に残留塩素等を含むことは許容される。このような除菌成分を含まない普通水の具体例としては、水道水が挙げられる。
除菌水による除菌効果を出すためには、菌へ直接に除菌水が接触すること、菌が死滅するのに必要な時間の間、除菌水が作用していること、そして除菌効果が長期間継続されること(掛ける頻度、1回での効果)が必要である。ところが、水廻り機器の除菌対象部分には、菌が層状に付着している場合がある。除菌水は、このような層状の菌に対して表面(最外層)側から供給されるので、除菌水の除菌効果は、最外層に位置する菌に対しては高いが、積層している菌の奥まで除菌水の効果を行き渡らせることは困難である。
そこで、本実施形態では、層状に付着した菌の奥まで除菌を可能とし、これにより除菌効果を高める手段として、除菌対象部分の菌や汚れに事前に普通水を掛けて洗浄し、その後に除菌水を掛けるようにしている。
すなわち、本実施形態に係る水廻り機器への除菌水の供給方法は、単に菌に除菌水を掛けるよりも、まずは、普通水を掛けることで、除菌水に含まれる除菌成分が効果的に菌に対して作用することが判明した知見に基づいている。そして、除菌水を掛ける時間は同じでも、事前に除菌成分を含まない普通水を掛けた場合と掛けない場合とで除菌効果に差が見られ、菌に除菌水を作用させる前に普通水で洗浄(菌の表面を流す)すると、除菌効果が上がった知見に基づいている。また、普通水を供給した後、除菌水を水廻り機器の除菌対象部分に供給することで、除菌対象部分に付着している菌の付着力を除菌成分の作用によって弱めることができ、そして菌の繁殖を抑制することができる。
このような普通水を供給することによる効果をより効果的に実現するためには、普通水の供給時間を10秒〜3分程度にすることが望ましい。また、除菌水の供給時間は5秒〜3分程度にすることが望ましい。なお、普通水の供給と除菌水の供給を1サイクルとして、このサイクルを複数回繰り返してもよい。
普通水や除菌水を供給するための吐水口は、ノズルの先端部などとして、除菌対象部分に供給可能な適宜の位置に設けることができる。また、普通水や除菌水を除菌対象部分の全体に流すために、あるいは噴射するために、吐水口にスプレッダーを設けたり、吐水方向を調整可能な可動式ノズルを設けたりしてもよい。
普通水や除菌水を供給するための吐水口は、例えば同一のノズルを用いて普通水と除菌水の流路を切り替える切替弁を設ける方法などによって、同一の吐水口とすることができる。あるいは、例えば、普通水を供給するノズルと、除菌水を供給する別途のノズルを設ける方法などによって、普通水を供給する吐水口と、除菌水を供給する吐水口を、それぞれ別途のものとしてもよい。
本実施形態において、除菌対象部分に供給する普通水は、除菌水よりも吐水圧が高いことが好ましい。ここで、吐水圧とは、吐水口における給水圧力を指す。
ノズルなどの吐水口から普通水を除菌対象部分に向けて供給する際、普通水の吐水圧、すなわち給水圧力を除菌水に比べて高くすることで、除菌水よりも勢いよく普通水を吐出させることができる。
普通水の吐水圧を除菌水の吐水圧よりも高くする場合には、例えば除菌水の吐水圧の1.2〜5倍の範囲内に設定されることが望ましい。1.2倍以上にすることで、除菌対象部分から表面付近の菌や汚れをより一層容易にはがすことができる。5倍以下にすることで、除菌対象部分での普通水の跳ね返りを抑制し、はがされた菌や汚れが普通水と共に周辺に飛び散ることを抑えることができる。
普通水の吐水圧を除菌水の吐水圧よりも高くすると、表面の菌や汚れを水の勢いによる物理的な力で除菌対象部分から洗い落としたり、表面の菌の付着力を弱めたりして、その内側に位置する菌まで除菌水の効果を行き渡らせやすくすることができる。その後、除菌水を供給することによって、この内側の菌に除菌成分をより効果的に作用させ、除菌効果をより高めることができる。
このように、除菌水よりも勢いのある普通水を、除菌水の供給前に除菌対象部分に供給することで、単に除菌水を供給する場合、また、普通水を供給した後に除菌水を供給する場合よりも除菌効果をより高めることができる。
以上に説明した本実施形態に係る水廻り機器への除菌水の供給方法によれば、除菌水の供給前に普通水を除菌対象部分に供給することで、菌や汚れを事前に洗浄し、積層している菌の奥まで、除菌水の効果を行き渡らせることができる。これにより、単に除菌水を供給する場合よりも除菌効果を高めることができる。また、普通水の吐水圧を除菌水の吐水圧に比べて高くした場合には、ノズルなどの吐水口から普通水を除菌対象部分に向けて供給する際、普通水を勢いよく吐出させることができ、その後の除菌水の供給による除菌効果をより高めることができる。
図1は、本発明の水廻り機器への除菌水の供給方法の一実施形態における機器構成図である。
本実施形態では、水タンク1からの普通水W1と、オゾン水生成装置2からのオゾン水(除菌水W2)を、切替弁4を介して、同一のノズル5から水廻り機器の除菌対象部分に供給するようにしている。
図1に示すように、水タンク1は水道に接続されている。水タンク1の槽内に水道からの水道水が供給され、普通水W1が溜められる。
オゾン水生成装置2は配管6aを介して水タンク1に接続されている。水タンク1の槽内の水道水の一部がオゾン水生成装置2に流入し、電気分解によってオゾンガスが生成される。
オゾン水生成装置2では、生成されたオゾンガスが水に溶解してオゾン水(除菌水W2)が生成される。水タンク1での普通水W1の生成の開始や停止、およびオゾン水生成装置2での除菌水W2の生成の開始や停止は、水タンク1およびオゾン水生成装置2それぞれに電気的に接続されたノズル制御部3によって行われる。
水タンク1およびオゾン水生成装置2の下流には上流側から順に、切替弁4、ノズル5が設けられている。
切替弁4は、配管6bを介して水タンク1と接続され、また配管6cを介してオゾン水生成装置2と接続されている。ノズル5は、配管6dを介して切替弁4と接続されている。切替弁4は、普通水W1および除菌水W2のうちいずれか一方の水をノズル5に供給するように切り替える弁である。
すなわち、切替弁4は、配管6bと配管6dを連通させて普通水W1を流通させるか、または配管6cと配管6dを連通させて除菌水W2を流通させるかを切り替える。切替弁4の作動は、切替弁4に電気的に接続されたノズル制御部3によって行われる。
ノズル5は、吐水口を有する。ノズル5に供給された水は、水廻り機器の除菌対象部分に向けて吐水口から吐出される。普通水W1の吐水圧を除菌水W2に比べて高く設定した場合には、普通水W1は、除菌水W2に比べて勢いよく吐出される。
水廻り機器への普通水W1および除菌水W2の供給は、例えば、次のようにして行うことができる。まず、水タンク1およびオゾン水生成装置2のそれぞれにおいて普通水W1および除菌水W2を生成させる。
次に、配管6bと配管6dを連通させるように切替弁4を作動させる。そしてノズル5の吐水口から普通水W1を吐出させ、水廻り機器の除菌対象部分に普通水W1を供給する。
所定時間経過後、配管6cと配管6dを連通させるように切替弁4を作動させる。これによって、ノズル5の吐水口から吐出する水が、普通水W1から除菌水W2に切り替わる。
なお、ノズル5の吐水口での吐水圧は、切替弁4の開放の度合いや、水タンク1内の普通水W1とオゾン水生成装置2内の除菌水W2の圧力などによって調整することができる。これにより、水廻り機器の除菌対象部分に供給する普通水W1および除菌水W2の吐水圧を調節することができる。
以上に説明した本実施形態に係る水廻り機器への除菌水の供給方法によれば、除菌水の供給前に普通水を除菌対象部分に供給することで、菌や汚れを事前に洗浄し、積層している菌の奥まで、除菌水の効果を行き渡らせることができる。これにより、単に除菌水を供給する場合よりも除菌効果を高めることができる。また、普通水の吐水圧を除菌水の吐水圧に比べて高くした場合には、ノズルなどの吐水口から普通水を除菌対象部分に向けて供給する際、普通水を勢いよく吐出させることができ、その後の除菌水の供給による除菌効果をより高めることができる。
さらに本実施形態では、普通水W1と除菌水W2を供給するノズルを別ノズルとせずに一つのノズル5を使用しているので、機器構成の小型化、低コスト化が図られる。
次に、本発明の水廻り機器への除菌水の供給方法の具体例として、水廻り機器が水洗便器である実施形態について説明する。以下で詳述するように、本実施形態では、除菌対象部分は、水洗便器のボウル部の、溜水の待機時の喫水線以下の部分を含む。
図2(a)〜図2(d)は、水洗便器への除菌水の供給方法の第一実施形態を工程順に示す概略断面図である。図3(a)〜図3(d)は、水洗便器への除菌水の供給方法の第二実施形態を工程順に示す概略断面図である。図4(a)〜図4(e)は、水洗便器への除菌水の供給方法の第三実施形態を工程順に示す概略断面図である。図5(a)〜図5(f)は、水洗便器への除菌水の供給方法の第四実施形態を工程順に示す概略断面図である。図6(a)〜図6(f)は、水洗便器への除菌水の供給方法の第五実施形態を工程順に示す概略断面図である。なお、図2〜図6において、重複する構成要素には同一の符号を付し、以下では重複する説明は省略する。
図2〜図6に示すように、本実施形態の水洗便器10は、使用者が着座して使用する椅子型の便器、いわゆる洋式便器である。水洗便器10は、ボウル部11を有する便器本体10aと、ボウル部11の上方に載置可能な便座および便蓋(図示せず)とを備えている。また、水洗便器10は、ボウル部11の溜水の喫水線の高さを制御する溜水制御部(図示せず)を備えている。
便器本体10aは、例えばトイレルーム等の床面に固定される。また、前記便座および便蓋は、便器本体10a上の一端部に回動可能に取り付けられる。
便器本体10aのボウル部11は、上方に開口した椀状となっている。また、便器本体10aは、その内部に、ボウル部11に普通水W1を供給する給水路21と、ボウル部11の溜水などを排出する排水路22とを備えている。
給水路21は、その上流端は、便器本体10aの後部から外方に突出する。そして、この上流端は、外部の水道管(図示せず)に接続され、水道圧によって、この水道管から給水路21に水道水が流入する。給水路21の下流端は、ボウル部11の上端部に配置され、ボウル部11内に臨ませて設けられている。この下流端は、前記水道管から給水路21に流入した水道水を、洗浄水としてボウル部11内に吐出する。したがって、給水路21の前記下流端は、図3(c)に示すように、ボウル部11に普通水W1を吐出する吐水部21aになっている。
吐水部21aは、例えば、給水路21に一つ設けられている。吐水部21aは、ボウル部11に上方側(ボウル部11の上部を含む)から平面視におけるボウル部11の周方向(椀の周方向)に普通水W1を吐出する。このため、吐水部21aからの普通水W1は、図3(c)において曲線状の矢印で示すように、ボウル部11の椀状の内面に沿って周方向に旋回しながら下方に流動する。言い換えると、給水路21は、ボウル部11の上方側から旋回流で普通水W1を供給する。
給水路21は、給水弁(図示せず)を開放させることで、通水状態になり、この給水弁を閉止させることで、止水状態になる。言い換えると、給水路21は、給水弁の開閉によって、ボウル部11への普通水W1の吐水とその停止とが切り替わる。例えば、この給水弁は、例えば、その駆動が前記溜水制御部に制御されるステッピングモータと、このステッピングモータの駆動によって開閉の切替および開放時の開放量の切替を行う弁体とから構成することができる。
排水路22は、筒部22aと、その下流端に設けたトラップ部22bと、外部の排水管(図示せず)に接続された排出部(図示せず)とを備えている。そして、排水路22は、ボウル部11の溜水や汚物等を、筒部22aからトラップ部22bを介して前記排出部に流し、この排出部から前記排水管に排出する。トラップ部22bとしては、トラップ筒22cの上下動(上下の回動)によって、封水状態(例えば、図2(a)に示す状態)と排水状態(例えば、図4(b)に示す状態)とに切替可能ないわゆる回動式となっているものが好ましい。より具体的には、図2(a)に示すように、トラップ筒22cが、その後方側の先端を上方に向けた姿勢(封水姿勢)となることで、水洗便器10は、給水路21(吐水部21a)からの普通水W1をボウル部11に貯留可能な封水状態となる。そして、図4(b)に示すように、トラップ筒22cの後方側の先端が下方に回動した姿勢(排水姿勢)となることで、水洗便器10は、溜水を排水路22に排出可能な排水状態となる。また、図2(b)に示すように、トラップ筒22cの後方側の先端が、封水姿勢と排水姿勢との間の位置に止めた姿勢(一部排水姿勢)となることで、水洗便器10は、封水状態での溜水の一部を排水路22に排出し、封水状態よりも少ない量の溜水をボウル部11に貯留可能な部分封水状態となる。
前記溜水制御部は、トラップ部22bを駆動させることによってボウル部11の溜水の喫水線の高さを制御し、ボウル部11の溜水の待機時の喫水線12a以下を除菌対象部分15とする。また、前記溜水制御部は、除菌成分非含有の普通水W1をボウル部11の除菌対象部分15に供給した後、除菌成分を含有する除菌水W2を除菌対象部分15に供給するよう制御する。
より具体的には、前記溜水制御部は、給水路21の給水弁と電気的に接続しており、給水弁の開閉およびその開放量の制御と、トラップ部22bの駆動制御(トラップ筒22cの上下回動)を行う。前記溜水制御部は、トラップ筒22cの後方側の先端の上下における位置情報となる位置検知信号を検知して、それに基づいてトラップ筒22cの駆動やその停止、あるいはこの駆動におけるトラップ筒22cの回動方向(上下の回動向き)の切替等の制御を行う。これにより、トラップ筒22cに封水姿勢と排水姿勢と一部排水姿勢とを切り替えさせる。
また、水洗便器10は、除菌水W2をボウル部11の除菌対象部分15に供給するノズル13を備えている。なお、ノズル13は、普通水W1を供給可能に構成されていてもよい。
ノズル13は、除菌対象部分15に供給可能な適宜の位置に設けることができるが、本実施形態では、ボウル部11の後方上側に設けられている。ノズル13は、先端の吐水口14から除菌対象部分15に向けて、除菌水W2や普通水W1を供給する。除菌水W2や普通水W1を除菌対象部分15の全体に供給するために、吐水口14にスプレッダーを設けたり、ノズル13として吐水方向を調整可能な可動式ノズルを設けたりしてもよい。例えば、図2に示す第一実施形態では、図1と同様に、普通水W1および除菌水W2を供給するものとして同一のノズル13を用いている。
除菌対象部分15は、水洗便器10のボウル部11の待機時の喫水線12a付近を含むが、上述したように水洗便器10が封水状態の場合には、ボウル部11の下部には封水としての溜水が存在する。そのため、封水状態において、普通水W1を給水路21(吐水部21a)または吐水口14からボウル部11に供給しても、喫水線12a以下のボウル部11の部分では、除菌対象部分15の菌や汚れを事前に洗浄し、積層している菌の奥まで、除菌水W2の効果を行き渡らせることが困難になるおそれがある。また、除菌水W2を吐水口14からボウル部11に供給しても、喫水線12a以下のボウル部11の部分では、除菌効果が低下するおそれがある。すなわち、ボウル部11を洗浄する水(洗浄水)として給水路21(吐水部21a)から適宜吐水され、一時的に封水として貯留された溜水によって、除菌水W2の濃度が薄まり、待機時の喫水線12a以下の部分を除菌することができないおそれがある。
そこで、本実施形態では、除菌水W2をボウル部11に供給する際には、溜水の水位を待機時の喫水線12aよりも下方の喫水線12bまで下げた状態で、ボウル部11の除菌対象部分15の全体を露出させる。
このような構成の水洗便器10は、次のようにして普通水W1および除菌水W2の供給が行われる。以下の各工程を行うタイミングや工程時間は、前記溜水制御部により制御される。
<第一実施形態>
まず、図2を参照して、第一実施形態について説明する。
まず、図2を参照して、第一実施形態について説明する。
図2(a)に示すように、水洗便器10が封水状態である場合には、水洗便器10のボウル部11の溜水の水位は、待機時の喫水線12aの位置にある。このような場合には、まず、図2(b)に示すように、トラップ筒22cを一部排水姿勢とする。これにより、溜水の水位を待機時の喫水線12aよりも下方の喫水線12bまで下げて、ボウル部11の除菌対象部分15の全体を露出させる。
前記溜水制御部は、封水状態において、普通水W1とその後の除菌水W2の供給による除菌操作を行うことを指示する信号が入力されると、トラップ部22bを駆動させる制御を行い、排出動作を開始させる。この制御によって、トラップ筒22cを下方に少し回動させて一部排水姿勢とし、トラップ部22b内の封水を一部排水する。このようにして、溜水の水位を待機時の喫水線12aよりも下方の喫水線12bまで下げて、ボウル部11の除菌対象部分15の全体を露出させる。
次に、図2(c)に示すように、溜水が喫水線12bまで下げられ、ボウル部11の除菌対象部分15の全体が露出した状態で、前記溜水制御部の制御によって、この露出した除菌対象部分15にノズル13の吐水口14から普通水W1を供給する。このとき、除菌対象部分15は、待機時の喫水線12aから喫水線12bまで下がって全体が露出しているため、ノズル13の吐水口14からの普通水W1を除菌対象部分15の全体に直接掛けることができる。
このように、普通水W1を後述する除菌水W2の供給前に除菌対象部分15に供給することで、菌や汚れを事前に洗浄し、積層している菌の奥まで、除菌水W2の効果を行き渡らせることができ、単に除菌水W2を供給する場合よりも除菌効果を高めることができる。また、ノズル13の吐水口14から吐出される普通水W1の吐水圧を除菌水W2の吐水圧よりも高くした場合には、普通水W1は、除菌水W2に比べて勢いよく吐出される。そのため、普通水W1による菌や汚れを事前に洗浄する効果や除菌水W2による除菌効果をより高めることができる。
次に、図2(d)に示すように、溜水が喫水線12bまで下げられたままの状態で、前記溜水制御部の制御によって、露出した除菌対象部分15にノズル13の吐水口14から除菌水W2を供給する。このとき、除菌対象部分15は、待機時の喫水線12aから喫水線12bまで下がって全体が露出しているため、ノズル13の吐水口14からの除菌水W2を除菌対象部分15の全体に直接掛けることができる。
除菌対象部分15は、上述した普通水W1の供給によって、あらかじめ表面の菌や汚れが洗い落とされ、あるいは表面の菌の付着力が弱められている。そのため、除菌水W2を除菌対象部分15に供給することで、普通水W1による洗浄前は内側に位置していた菌まで除菌水の効果が行き渡りやすくなり、除菌効果を高めることができる。また、ノズル13の吐水口14から吐出される普通水W1の吐水圧を除菌水W2の吐水圧よりも高くした場合には、勢いのある普通水W1によって、除菌対象部分15の表面の菌や汚れが水の勢いによる物理的な力で洗い落とされ、あるいは表面の菌の付着力が弱められている。そのため、除菌水W2による除菌効果をより高めることができる。
除菌水W2の供給後は、図2(e)に示すように、喫水線12bを待機時の水位である喫水線12aまで戻す。例えば、前記溜水制御部の制御によって、トラップ筒22cを上方に回動させて封水姿勢とし、給水路21の給水弁を開放し、給水路21を止水状態から通水状態に切り替えて給水路21からの通水を所定時間行うことで、封水としての溜水を喫水線12aまで復水することができる。
溜水を喫水線12bから喫水線12aまで復水することで、除菌水W2が掛けられた除菌対象部分15付近が溜水に浸漬する。そのため、除菌水W2が溜水に希釈されて濃度が低下し、除菌水W2に含まれる除菌成分の揮発を抑えることもできる。
<第二実施形態>
次に、図3を参照して、第二実施形態について説明する。
次に、図3を参照して、第二実施形態について説明する。
第二実施形態では、図3(c)に示すように、普通水W1が給水路21から供給されること以外は、上記第一実施形態と同様にして、普通水W1および除菌水W2の供給が行われる。
より具体的には、まず、図3(a)、(b)に示すように、水洗便器10のボウル部11の溜水の水位が待機時の喫水線12aの位置にある状態から、喫水線12aよりも下方の喫水線12bまで下げて、ボウル部11の除菌対象部分15の全体を露出させる。
次に、図3(c)に示すように、ボウル部11の除菌対象部分15の全体が露出した状態で、前記溜水制御部の制御によって、この露出した除菌対象部分15に給水路21の吐水部21aから普通水W1を供給する。このとき、吐水部21aから吐出される普通水W1は、ボウル部11の椀状の内面に沿って周方向に旋回しながら下方に流動するので、除菌対象部分15の全体に普通水W1を直接掛けることができる。
このように、普通水W1を除菌水W2の供給前に除菌対象部分15に供給することで、菌や汚れを事前に洗浄し、積層している菌の奥まで、除菌水W2の効果を行き渡らせることができ、単に除菌水W2を供給する場合よりも除菌効果を高めることができる。また、給水路21の吐水部21aから吐出される普通水W1の吐水圧を除菌水W2の吐水圧よりも高くした場合には、普通水W1は、除菌水W2に比べて勢いよく吐出される。そのため、普通水W1による菌や汚れを事前に洗浄する効果や除菌水W2による除菌効果をより高めることができる。
次に、図3(d)に示すように、溜水が喫水線12bまで下げられたままの状態で、前記溜水制御部の制御によって、露出した除菌対象部分15にノズル13の吐水口14から除菌水W2を供給する。このとき、除菌対象部分15は、待機時の喫水線12aから喫水線12bまで下がって全体が露出しているため、ノズル13の吐水口14からの除菌水W2を除菌対象部分15の全体に直接掛けることができる。
除菌対象部分15は、上述した普通水W1の供給によって、あらかじめ表面の菌や汚れが洗い落とされ、あるいは表面の菌の付着力が弱められている。そのため、除菌水W2を除菌対象部分15に供給することで、普通水W1による洗浄前は内側に位置していた菌まで除菌水の効果が行き渡りやすくなり、除菌効果を高めることができる。また、給水路21の吐水部21aから吐出される普通水W1の吐水圧を除菌水W2の吐水圧よりも高くした場合には、勢いのある普通水W1によって、除菌対象部分15の表面の菌や汚れが水の勢いによる物理的な力で洗い落とされ、あるいは表面の菌の付着力が弱められている。そのため、除菌水W2による除菌効果をより高めることができる。
除菌水W2の供給後は、図3(e)に示すように、喫水線12bを待機時の水位である喫水線12aまで戻す。
<第三実施形態>
次に、図4を参照して、第三実施形態について説明する。
次に、図4を参照して、第三実施形態について説明する。
第三実施形態では、図4(a)に示すように、封水状態の水洗便器10のボウル部11に、給水路21から普通水W1が供給される。この工程としては、例えば、水洗便器10の使用後に、ボウル部11を洗浄する水(洗浄水)として給水路21の吐水部21aから普通水W1が吐水される場合が挙げられる。このとき、吐水部21aから吐出される普通水W1は、ボウル部11の椀状の内面に沿って周方向に旋回しながら下方に流動し、溜水と一緒になって旋回流を発生させ、除菌対象部分15の全体に行き渡る。
次に、給水路21からの普通水W1の供給から所定時間経過後、図4(b)に示すように、トラップ筒22cを排水姿勢とし、水洗便器10を排水状態とする。例えば、前記溜水制御部の制御によって、トラップ筒22cを下方に回動させて排水姿勢とし、トラップ部22b内の封水を排水する。このようにして、ボウル部11の溜水を排水路22に排出する。
次に、図4(c)に示すように、前記溜水制御部の制御によって、トラップ筒22cを上方に回動させて一部排水姿勢とした状態で、給水路21から普通水W1を供給して、喫水線12bまでボウル部11に溜水を貯留する。このとき、ボウル部11の除菌対象部分15は、その全体が露出した状態となる。
次に、図4(d)に示すように、溜水が喫水線12bまで貯留され、ボウル部11の除菌対象部分15の全体が露出した状態で、前記溜水制御部の制御によって、露出した除菌対象部分15にノズル13の吐水口14から除菌水W2を供給する。このとき、除菌対象部分15は全体が露出しているため、ノズル13の吐水口14からの除菌水W2を除菌対象部分15の全体に直接掛けることができる。
除菌対象部分15は、上述した普通水W1の供給によって、あらかじめ表面の菌や汚れが洗い落とされ、あるいは表面の菌の付着力が弱められている。そのため、除菌水W2を除菌対象部分15に供給することで、普通水W1による洗浄前は内側に位置していた菌まで除菌水の効果が行き渡りやすくなり、除菌効果を高めることができる。また、給水路21の吐水部21aから吐出される普通水W1の吐水圧を除菌水W2の吐水圧よりも高くした場合には、勢いのある普通水W1によって、除菌対象部分15の表面の菌や汚れが水の勢いによる物理的な力で洗い落とされ、あるいは表面の菌の付着力が弱められている。そのため、除菌水W2による除菌効果をより高めることができる。
除菌水W2の供給後は、図4(e)に示すように、喫水線12bを待機時の水位である喫水線12aまで戻す。例えば、前記溜水制御部の制御によって、トラップ筒22cを上方に回動させて封水姿勢とし、給水路21の給水弁を開放し、給水路21を止水状態から通水状態に切り替えて給水路21からの通水を所定時間行うことで、封水としての溜水を喫水線12aまで復水することができる。
<第四実施形態>
次に、図5を参照して、第四実施形態について説明する。
次に、図5を参照して、第四実施形態について説明する。
第四実施形態では、図5(d)に示すように、溜水が喫水線12bまで貯留され、ボウル部11の除菌対象部分15の全体が露出した状態で、普通水W1がノズル13から供給された後、図5(e)に示すように、除菌水W2がノズル13から供給される。この工程以外は、上記第三実施形態と同様にして、普通水W1および除菌水W2の供給が行われる。
より具体的には、まず、図5(a)に示すように、封水状態の水洗便器10のボウル部11に、給水路21の吐水部21aから普通水W1が供給される。このとき、吐水部21aから吐出される普通水W1は、ボウル部11の椀状の内面に沿って周方向に旋回しながら下方に流動し、溜水と一緒になって旋回流を発生させ、除菌対象部分15の全体に行き渡る。
次に、給水路21からの普通水W1の供給から所定時間経過後、図5(b)に示すように、トラップ筒22cを排水姿勢とし、水洗便器10を排水状態とする。例えば、前記溜水制御部の制御によって、トラップ筒22cを下方に回動させて排水姿勢とし、トラップ部22b内の封水を排水する。このようにして、ボウル部11の溜水を排水路22に排出する。
次に、図5(c)に示すように、前記溜水制御部の制御によって、トラップ筒22cを上方に回動させて一部排水姿勢とした状態で、給水路21から普通水W1を供給して、喫水線12bまでボウル部11に溜水を貯留する。このとき、ボウル部11の除菌対象部分15は、その全体が露出した状態となる。
次に、図5(d)に示すように、ボウル部11の除菌対象部分15の全体が露出した状態で、前記溜水制御部の制御によって、この露出した除菌対象部分15にノズル13の吐水口14から普通水W1を供給する。このとき、除菌対象部分15は全体が露出しているため、ノズル13の吐水口14からの普通水W1を除菌対象部分15の全体に直接掛けることができる。
このように、ボウル部11を洗浄した後、除菌水W2を供給する前に、再度普通水W1を除菌対象部分15に供給することで、普通水W1による菌や汚れを事前に洗浄する効果や除菌水W2による除菌効果をより高めることができる。また、ノズル13の吐水口14から吐出される普通水W1の吐水圧を除菌水W2の吐水圧よりも高くした場合には、普通水W1は、除菌水W2に比べて勢いよく吐出される。そのため、普通水W1による菌や汚れを事前に洗浄する効果や除菌水W2による除菌効果をさらに高めることができる。
次に、図5(e)に示すように、溜水が喫水線12bまで貯留され、ボウル部11の除菌対象部分15の全体が露出した状態で、前記溜水制御部の制御によって、露出した除菌対象部分15にノズル13の吐水口14から除菌水W2を供給する。このとき、除菌対象部分15は全体が露出しているため、ノズル13の吐水口14からの除菌水W2を除菌対象部分15の全体に直接掛けることができる。
除菌対象部分15は、上述した普通水W1の供給によって、あらかじめ表面の菌や汚れが洗い落とされ、あるいは表面の菌の付着力が弱められている。そのため、除菌水W2を除菌対象部分15に供給することで、普通水W1による洗浄前は内側に位置していた菌まで除菌水の効果が行き渡りやすくなり、除菌効果を高めることができる。また、ノズル13の吐水口14から吐出される普通水W1の吐水圧を除菌水W2の吐水圧よりも高くした場合には、勢いのある普通水W1によって、除菌対象部分15の表面の菌や汚れが水の勢いによる物理的な力で洗い落とされ、あるいは表面の菌の付着力が弱められている。そのため、除菌水W2による除菌効果をより高めることができる。
除菌水W2の供給後は、図5(f)に示すように、喫水線12bを待機時の水位である喫水線12aまで戻す。
<第五実施形態>
次に、図6を参照して、第五実施形態について説明する。
次に、図6を参照して、第五実施形態について説明する。
第五実施形態では、図6(d)に示すように、普通水W1が給水路21から供給されること以外は、上記第四実施形態と同様にして、普通水W1および除菌水W2の供給が行われる。
より具体的には、まず、図6(a)に示すように、封水状態の水洗便器10のボウル部11に、給水路21の吐水部21aから普通水W1が供給される。このとき、吐水部21aから吐出される普通水W1は、ボウル部11の椀状の内面に沿って周方向に旋回しながら下方に流動し、溜水と一緒になって旋回流を発生させ、除菌対象部分15の全体に行き渡る。
次に、給水路21からの普通水W1の供給から所定時間経過後、図6(b)に示すように、トラップ筒22cを排水姿勢とし、水洗便器10を排水状態とする。例えば、前記溜水制御部の制御によって、トラップ筒22cを下方に回動させて排水姿勢とし、トラップ部22b内の封水を排水する。このようにして、ボウル部11の溜水を排水路22に排出する。
次に、図6(c)に示すように、前記溜水制御部の制御によって、トラップ筒22cを上方に回動させて一部排水姿勢とした状態で、給水路21から普通水W1を供給して、喫水線12bまでボウル部11に溜水を貯留する。このとき、ボウル部11の除菌対象部分15は、その全体が露出した状態となる。
次に、図6(d)に示すように、ボウル部11の除菌対象部分15の全体が露出した状態で、前記溜水制御部の制御によって、この露出した除菌対象部分15に給水路21の吐水部21aから普通水W1を供給する。このとき、吐水部21aから吐出される普通水W1は、ボウル部11の椀状の内面に沿って周方向に旋回しながら下方に流動するので、除菌対象部分15の全体に普通水W1を直接掛けることができる。
このように、ボウル部11を洗浄した後、除菌水W2を供給する前に、再度普通水W1を除菌対象部分15に供給することで、普通水W1による菌や汚れを事前に洗浄する効果や除菌水W2による除菌効果をより高めることができる。また、給水路21の吐水部21aから吐出される普通水W1の吐水圧を除菌水W2の吐水圧よりも高くした場合には、普通水W1は、除菌水W2に比べて勢いよく吐出される。そのため、普通水W1による菌や汚れを事前に洗浄する効果や除菌水W2による除菌効果をさらに高めることができる。
次に、図6(e)に示すように、溜水が喫水線12bまで貯留され、ボウル部11の除菌対象部分15の全体が露出した状態で、前記溜水制御部の制御によって、露出した除菌対象部分15にノズル13の吐水口14から除菌水W2を供給する。このとき、除菌対象部分15は全体が露出しているため、ノズル13の吐水口14からの除菌水W2を除菌対象部分15の全体に直接掛けることができる。
除菌対象部分15は、上述した普通水W1の供給によって、あらかじめ表面の菌や汚れが洗い落とされ、あるいは表面の菌の付着力が弱められている。そのため、除菌水W2を除菌対象部分15に供給することで、普通水W1による洗浄前は内側に位置していた菌まで除菌水の効果が行き渡りやすくなり、除菌効果を高めることができる。また、給水路21の吐水部21aから吐出される普通水W1の吐水圧を除菌水W2の吐水圧よりも高くした場合には、勢いのある普通水W1によって、除菌対象部分15の表面の菌や汚れが水の勢いによる物理的な力で洗い落とされ、あるいは表面の菌の付着力が弱められている。そのため、除菌水W2による除菌効果をより高めることができる。
除菌水W2の供給後は、図6(f)に示すように、喫水線12bを待機時の水位である喫水線12aまで戻す。
以上に説明した本実施形態に係る水廻り機器への除菌水の供給方法によれば、除菌水の供給前に普通水を除菌対象部分に供給することで、菌や汚れを事前に洗浄し、積層している菌の奥まで、除菌水の効果を行き渡らせることができる。そのため、単に除菌水を供給する場合よりも除菌効果を高めることができる。また、普通水の吐水圧を除菌水の吐水圧よりも高くした場合には、ノズルなどの吐水口から普通水を除菌対象部分に向けて供給する際、普通水を勢いよく吐出させることができ、その後の除菌水の供給による除菌効果をより高めることができる。
さらに本実施形態では、待機時の喫水線以下の除菌対象部分に普通水および除菌水を直接掛けることができるため、この除菌対象部分を効果的に除菌することができ、ボウル部の清潔性や衛生を向上させることができる。
なお、本実施形態では、上下に反転駆動が可能な蛇腹式のトラップ部を有する回動式による排水を行う機械式排出機構便器を用いたが、これに代えて、いわゆるサイホンゼット方式によるものなど、別の方式による排水を行う水洗便器を用いてもよい。
また、本実施形態では、固定式の排出機構を有する便器において、排出機構の一部が可動式である水洗便器を用いることもできる。
図7は、図2に示す水洗便器への除菌水の供給方法の第一実施形態の変形例を示す概略断面図である。
図7に示す水洗便器100は、ボウル部110を有する便器本体100aを備えている。便器本体100aは、その内部に、ボウル部110に普通水W1を供給する給水路210と、ボウル部110の溜水などを排出する排水路220とを備えている。
また、水洗便器100は、除菌水W2をボウル部110の除菌対象部分150に供給するノズル130を備えている。なお、ノズル130は、普通水W1を供給可能に構成されていてもよい。
また、水洗便器100は、ボウル部110の溜水の喫水線の高さを制御する溜水制御部(図示せず)を備えている。なお、給水路210、ノズル130および溜水制御部としては、図2において説明したものと同様の構成とすることができ、以下ではその説明を省略する。
排水路220は、排出部220aと、トラップ部220bと、ボウル部110の底面110aから斜め上方に延びるトラップ部材220cとを備えている。排出部220aは、外部の排水管(図示せず)に接続されている。トラップ部材220cは、ボウル部110の底面110aから延びる第一トラップ部材220c1と、第一トラップ部材220c1の上端から延びる第二トラップ部材220c2とで構成されている。また、第二トラップ部材220c2は、第一トラップ部材220c1との継ぎ目部分220b3を支点として、図7(b)に示すように、排出部220a側に回動可能に構成されている。
本変形例においては、図7(a)に示すように、第二トラップ部材220c2の上端を斜め上方に向けた姿勢(封水姿勢)とすることで、トラップ部220bにトラップ構造を形成する。これによって、水洗便器100は、給水路210からの普通水W1をボウル部110に貯留可能な封水状態となり、待機時の喫水線120aまで溜水が貯留される。そして、図7(b)に示すように、第二トラップ部材220c2の上端を排出部220a側に回動させて下方に向けた姿勢(一部排水姿勢)とすることで、ボウル部110の溜水の一部を排水路220に排出し、封水状態よりも少ない量の溜水をボウル部110に貯留可能な部分封水状態となる。このとき、溜水の水位は、待機時の喫水線120aよりも下方の喫水線120bまで下げられる。
このように、第二トラップ部材220c2の上端を一部排水姿勢とし、溜水を喫水線120bまで下げ、ボウル部110の除菌対象部分150の全体が露出した状態で、前記溜水制御部の制御によって、ノズル130の吐水口140から普通水W1および除菌水W2が供給される。
図8は、図4に示す水洗便器への除菌水の供給方法の第三実施形態の変形例を示す概略断面図である。なお、図8において、図7と重複する構成要素には同一の符号を付し、以下では重複する説明は省略する。
本変形例では、図8(a)に示すように、普通水W1が給水路21から供給されること以外は、上記図7を参照して説明した第一実施形態の変形例と同様にして、普通水W1および除菌水W2の供給が行われる。
より具体的には、まず、図8(a)に示すように、封水状態の水洗便器100のボウル部110に、給水路210の吐水部210aから普通水W1が供給される。このとき、吐水部210aから吐出される普通水W1は、ボウル部110の椀状の内面に沿って周方向に旋回しながら下方に流動し、溜水と一緒になって旋回流を発生させ、除菌対象部分150の全体に行き渡る。
なお、水洗便器100においては、給水路210から普通水W1を所定時間供給することによって、ボウル部110の溜水が排水路220に排出される。
その後、図8(b)に示すように、第二トラップ部材220c2の上端を排出部220a側に回動させて一部排水姿勢とすることで、ボウル部110の溜水を喫水線120bまで下げた状態とする。そして、ボウル部110の除菌対象部分150の全体が露出した状態で、前記溜水制御部の制御によって、この露出した除菌対象部分150にノズル130の吐水口140から除菌水W2を供給する。このとき、除菌対象部分150は全体が露出しているため、ノズル130の吐水口140からの除菌水W2を除菌対象部分150の全体に直接掛けることができる。
除菌水W2の供給後は、図8(c)に示すように、第二トラップ部材220c2の上端を斜め上方に向けた封水姿勢とし、給水路210からの通水を所定時間行うことで、喫水線120bを待機時の水位である喫水線120aまで戻す。
<実施例>
水道水(普通水)とオゾン水(除菌水)とを同一のノズルから除菌対象部分に供給した。実験条件は下記のとおりである。
水道水(普通水)とオゾン水(除菌水)とを同一のノズルから除菌対象部分に供給した。実験条件は下記のとおりである。
水廻り機器の代用として、アクリル樹脂を成形した板を用いた。そしてこの板の表面に、クラドスポリウム菌を約106程度塗布して試験用サンプルとした。
そしてこの試験用サンプルに対して、普通水を50秒供給後、5秒の間隔を空けて除菌水を10秒供給した。普通水には水道水を用い、除菌水には、水道水にオゾンガスを約2mg/L溶解させたオゾン水を用いた。また、普通水の供給は、オゾン水の供給より1.5倍の圧力とした。
<比較例>
オゾン水(除菌水)のみをノズルから除菌対象部分に供給した。実験条件は下記のとおりである。
<比較例>
オゾン水(除菌水)のみをノズルから除菌対象部分に供給した。実験条件は下記のとおりである。
実施例と同様の試験用サンプルに対して、実施例と同様の除菌水を、60秒供給した。<残菌率の測定>
実施例および比較例の各実験後の試験用サンプルにおける菌の残菌率を測定し、除菌効果を評価した。
実施例および比較例の各実験後の試験用サンプルにおける菌の残菌率を測定し、除菌効果を評価した。
残菌率は、次のようにして算出した。各実験後の試験用サンプルの菌の塗布面を抽出液で洗い出し、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)に液を塗布、培養し菌数測定を行った。そして、除菌を行わなかった試験用サンプルの菌数に対する除菌率を算出した。
残菌率は、比較例では49.4%であったのに対し、実施例では0.01%であった。
結果として、実施例と比較例の数値には差が見られる。このことから、除菌水のみを作用させるよりも、普通水を供給してから除菌水を作用させた方が、除菌効果が高まることが確認できた。
すなわち、単に菌に除菌水を掛けるよりも、まずは、除菌成分非含有の普通水を掛けることで菌に影響を与えやすいことが分かった。また、除菌成分を含有する除菌水よりも吐水圧の高い除菌成分非含有の普通水を掛けることで、除菌水を掛ける時間を短くしても、単に菌に除菌水を掛けた場合に比べて残菌率は顕著に減少した。
W1 除菌成分非含有の普通水
W2 除菌成分を含有する除菌水
10、100 水洗便器
10a、100a 便器本体
11、110 ボウル部
12a、12b、120a、120b 喫水線
13、130 ノズル
14 吐水口
15 除菌対象部分
21、210 給水路
22、220 排水路
22b、220b トラップ部
W2 除菌成分を含有する除菌水
10、100 水洗便器
10a、100a 便器本体
11、110 ボウル部
12a、12b、120a、120b 喫水線
13、130 ノズル
14 吐水口
15 除菌対象部分
21、210 給水路
22、220 排水路
22b、220b トラップ部
Claims (6)
- 除菌成分非含有の普通水を水廻り機器の除菌対象部分に供給した後、除菌成分を含有する除菌水を前記除菌対象部分に供給することを特徴とする水廻り機器への除菌水の供給方法。
- 前記除菌成分が、オゾンであることを特徴とする請求項1に記載の水廻り機器への除菌水の供給方法。
- 前記普通水の吐水圧が前記除菌水の吐水圧よりも高いことを特徴とする請求項1または2に記載の水廻り機器への除菌水の供給方法。
- 前記水廻り機器が水洗便器であり、前記除菌対象部分が、前記水洗便器のボウル部の、溜水の待機時の喫水線以下の部分を含むことを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の水廻り機器への除菌水の供給方法。
- ボウル部を有する便器本体と、前記ボウル部の除菌対象部分に除菌成分を含有する除菌水を供給するノズルと、前記ボウル部に除菌成分非含有の普通水を供給する給水路と、前記ボウル部の溜水などを排出する排水路と、前記ボウル部の溜水の喫水線の高さを制御する溜水制御部とを備え、前記排水路は、前記給水路から供給される前記普通水を前記ボウル部に貯留可能に形成され、かつ少なくとも一部が可動式であるトラップ部を備え、前記溜水制御部は、前記トラップ部を駆動させることによって前記ボウル部の溜水の喫水線の高さを制御し、前記ボウル部の溜水の待機時の喫水線以下を前記除菌対象部分とし、除菌成分非含有の普通水を前記ボウル部の前記除菌対象部分に供給した後、除菌成分を含有する除菌水を前記除菌対象部分に供給するよう制御することを特徴とする水洗便器。
- 前記ノズルが前記普通水を供給可能に構成されており、前記ノズルまたは前記給水路から前記除菌対象部分に前記普通水が供給されることを特徴とする請求項5に記載の水洗便器。
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JP2018100491A (ja) * | 2016-12-19 | 2018-06-28 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 便器装置 |
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