JP2016032777A - マグネットセパレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】新たな装置を設置させることなく、油の混入によるクーラントの機能低下を抑制するマグネットセパレータを提供する。【解決手段】マグネットセパレータ10によれば、絞りローラ22は、ドラム20の円筒状外周面24に磁性粉体Sを押圧する押圧位置とドラム20の円筒状外周面24から離れる離隔位置との間で絞りローラ駆動装置50により所定の周期で往復移動させられる。このため、ドラム20の円筒状外周面24に吸着された磁性粉体Sは、押圧位置にある絞りローラ22により絞られることによりその水分量が低下され、また、絞りローラ22が離隔位置にあるときには、絞りローラ22とドラム20の円筒状外周面24との間に滞留した油は磁性粉体Sとともに回収される。このことから、新たな装置を設置することなく、油の混入によるクーラントKの機能低下を抑制することができる。【選択図】図5
Description
本発明は、クーラント中の磁性粉体を分離するマグネットセパレータに関し、とりわけ、磁性粉体とともに油をクーラント中から回収する技術に関する。
自動車部品や航空機部品などの機械部品の加工において用いられる切削盤、研削盤などの工作機械から排出されるクーラントには、様々な磁性粉体や砥粒の破砕片あるいは軽合金片やプラスチック片などの異物が含まれるため、クーラントを再利用するためにクーラント中の磁性粉体を除去し、清浄化するマグネットセパレータが用いられている。たとえば、特許文献1および2のマグネットセパレータがそれである。
上記特許文献1および2のマグネットセパレータは、クーラントを貯留する貯留槽と、該貯留槽内で回転可能に水平に支持された円筒状外周面を有し、円筒状外周面に磁力により磁性粉体を吸着するドラムと、前記ドラムの円筒状外周面に前記ドラムの円筒状外周面に吸着された前記クーラント中の磁性粉体を押圧する円筒状外周面を有する絞りローラと、を備えており、前記ドラムの円筒状外周面に吸着された前記クーラント中の磁性粉体は、絞りローラにより押圧され、脱水された後に回収される。これにより、水分量が低下された状態で磁性粉体が除去されるとともに、循環するクーラントの総量の低下が抑制される。
ところで、機械部品および工作機械に予め塗付された潤滑油やグリースなどの油が、研削などの加工中にクーラント中に混入すると、クーラント中の油は、酸化し、あるいは腐敗して作業衛生環境を悪化させるとともに、上記腐敗、クーラント中の油分濃度の上昇によるクーラントの粘度の増加や、クーラント中における固化などによりクーラントの機能低下を引き起こし、加工歩留まりの低下および機械部品の加工点へクーラントを供給する噴射ノズルの詰まりなどの問題を引き起こす可能性があった。このため、クーラントの更液頻度を高め、上記噴射ノズルを含めたクーラント供給装置のメンテナンス頻度を高める必要が生じ、結果としてコストが上昇する可能性があった。
このようなクーラント中に混入した油が引き起こす問題を解決するために、たとえば、工作機械から排出される様々な異物を含むクーラントをマグネットセパレータなどにより清浄化した上で再度工作機械へ供給するクーラント循環装置においては、クーラントを貯留する貯留槽において、2つのプーリの間に巻き掛けられて、貯留槽中の浮上油を吸着する金属ベルトと、金属ベルトに吸着された油分を分離する油分離器とを備えた浮上油回収装置が設けられ、クーラントに混入した油の回収が従来から行われている。しかしながら、上記浮上油回収装置は、金属ベルトの摩耗やプーリの破損に対応するために定期的な部品交換が必要であり、コストが増加するという問題がある。そのため、クーラント中から油を分離するたとえば上記浮上油回収装置のような新たな装置を設置することなく、クーラント中から油を除去する方法が望まれる。
図8は、従来のマグネットセパレータ110において、その貯留槽112に貯留されたクーラント114中の磁性粉体がドラム116の円筒状外周面に吸着され、絞りローラ118により脱水されている状態を貯留槽112側から見た模式図である。ドラム116の円筒状外周面に吸着された磁性粉体は、ドラム116の回転により絞りローラ118の押圧面に送られて、その水分量が低下させられた後に回収される。このとき、磁性粉体に親和性のあるクーラント114中の油120は磁性粉体が絞りローラ118により絞られることによりクーラント114とともに貯留槽112側へ戻される。このように、上記特許文献1および2のような従来のマグネットセパレータ110は、磁性粉体の分離と並行してクーラント114中から油120を排出する機能を備えるものではなかった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、新たな装置を設置させることなく、油の混入によるクーラントの機能低下を抑制するマグネットセパレータを提供することにある。
本発明者等は、上記事情を背景とし、磁性粉体と油との間の親和性に着眼し、鋭意研究を重ねた結果、マグネットセパレータのドラムの円筒状外周面に磁気的に吸着された磁性粉体と親和性のある油は酸化などによって比較的高粘性であって、絞りローラによりドラム上の磁性粉体が絞られている間は絞りローラとドラムとの間に滞留し、絞りローラをドラムから一時的に離す期間を設けると、滞留した油が磁性粉体と共に好適に回収される事実を見出すに至ったものである。本発明は斯かる知見に基づいて為されたものである。
すなわち、本発明の要旨とするところは、クーラントを貯留する貯留槽と、該貯留槽内で回転可能に水平に支持された円筒状外周面を有し、該円筒状外周面に磁力により磁性粉体を吸着するドラムと、該ドラムの円筒状外周面に前記ドラムの円筒状外周面に吸着された前記クーラント中の磁性粉体を押圧する円筒状外周面を有する絞りローラと、を備えるマグネットセパレータであって、前記絞りローラを、回転可能に、且つ前記ドラムの円筒状外周面に前記磁性粉体を押圧する押圧位置と前記ドラムの円筒状外周面から離れる離隔位置との間で往復移動可能に支持する絞りローラ支持装置と、前記絞りローラを前記押圧位置と前記離隔位置との間で繰り返し往復駆動する絞りローラ駆動装置とを含むことにある。
本発明のマグネットセパレータによれば、前記絞りローラは、前記ドラムの円筒状外周面に前記磁性粉体を押圧する押圧位置と前記ドラムの円筒状外周面から離れる離隔位置との間で絞りローラ駆動装置により繰り返し往復移動させられる。このため、絞りローラの押圧位置において、ドラムの円筒状外周面に吸着された磁性粉体が絞りローラにより絞られることによりその水分量が低下され、また、絞りローラの離隔位置において、絞りローラとドラムの円筒状外周面との間に滞留した油は磁性粉体とともに回収される。このことから、新たな装置を設置することなく、油の混入によるクーラントの機能低下を好適に抑制することができる。
ここで、好適には、前記絞りローラ駆動装置は、前記絞りローラを前記押圧位置とする時間が前記離隔位置とする時間よりも長い1周期で繰り返し駆動する。これにより、絞りローラが押圧位置にあるときに絞りローラにより磁性粉体が絞られてその水分量が低下されつつ回収されるとともに、絞りローラとドラムの円筒状外周面との間に油が滞留する。また、絞りローラが押圧位置にあるときにドラムの円筒状外周面との間に滞留していた油が、絞りローラが離隔位置にあるときに絞りローラが押圧位置にある時間よりも短い時間で回収される。このことから、油が回収される一方、水分量が低下していない状態で磁性粉体が回収される絞りローラが離隔位置にある時間が短くされるため、水分量が低下された状態での磁性粉体の回収と油の回収とを両立することが可能となる。
以下、本発明のマグネットセパレータの一実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明のマグネットセパレータ10の側面図であり、図2は、マグネットセパレータ10のカバー51を取り外して示す平面図である。マグネットセパレータ10は、たとえば、自動車部品、ベアリングなどの製造に際して用いられる研削装置あるいは切削装置などに設けられたクーラント循環装置を循環するクーラントK中からそれに含まれる磁性粉体を除去するために、そのクーラント循環装置内の循環経路内に配置して用いられる。マグネットセパレータ10は、処理前のクーラントKを流入させる流入口12および処理後のクーラントKを流出させる流出口14を有し、上方へ開口する長手箱型の貯留槽16を備えている。この貯留槽16は、長方形の底壁16aと、底壁16aの長辺から立ち上がる一対の側壁16bおよび16cと、底壁16aの短辺から立ち上がる前壁16dおよび後壁16eとから構成され、側壁16bおよび16cには、流出口14を形成する接続管16fが、後壁16eには流入口12を形成する接続管16gがそれぞれ固設されている。
貯留槽16では、貯留槽16内を、流入口12から流入するクーラントKを貯留する貯留室S1と流出口14に接続されてクーラントKを排出する排出空間S2とに仕切る堰板17が底壁16aおよび側壁16bおよび16cに固設されており、貯留室S1内のクーラントKが堰板17の幅方向中央部の上端を越えた分が、排出空間S2および流出口14へ排出されるようになっている。堰板17はその上端部が斜めに曲げられた斜板部17aを備えており、その斜板部17aの幅方向中央部には、クーラントKを排出空間S2側へ超えさせるための広幅のU字状あるいは長手矩形状の開口17bが形成されている。
図3は、マグネットセパレータ10に備えられた絞りローラ駆動装置18をドラム20および絞りローラ22の回転軸心を含む平面に垂直な方向であるAの矢印方向に視た拡大図である。また、ドラム20の端部側の一部を切り欠いて示している。ドラム20は、円筒状外周面24を有する円筒部材25と円筒部材25の長手状の両端部が内周側へ突き出すように形成された環状部材26とを備えている。ドラム20は、円筒状の円筒軸部27とその円筒軸部27の両端から突き出す一対の支持軸部28を有し、それら一対の支持軸部28が一対の側壁16bおよび16cを貫通した状態で一対の側壁16bおよび16cに水平に固定された、長手状の支持部材29に、環状部材26の内周側端部30が軸受け31を介して支持軸部28に支持されることにより、軸心C1を回転軸心として回転可能に支持されている。円筒軸部27の外周面にはドラム20の円筒部材25の内周面との間において複数個の永久磁石32が一面に固定されており、ステンレスチール、銅合金などの非磁性体金属により構成された円筒部材25の円筒状外周面24には永久磁石32による磁界が形成されて、磁性粉体がドラム20の円筒状外周面24に吸着されるようになっている。また、ドラム20の環状部材26は、その内周側端部30のそれぞれが、軸心C1方向へ互いに離隔する方向へ突き出して支持軸部28の外周に位置する円筒部33と、その円筒部33の外周面に沿ってボルト34により固定されて、回転軸心C1を中心とする円に沿って環状に接続された環状ローラチェーン35とを備えている。この環状ローラチェーン35は、たとえばJIS0148に規定されるものと同様に、スプロケットホイール間に捲き掛けられる動力伝達部材として良く知られたものである。
側壁16bには、電動機36および減速機37から成る電動式のドラム駆動装置38が図示しないボルトなどにより固定されており、そのドラム駆動装置38の出力軸39には、環状ローラチェーン35と噛み合い、駆動歯車として機能するスプロケットホイール40が固定されている。スプロケットホイール40は、たとえばJISB0109、JISB0141、0148に示される良く知られたものである。このドラム駆動装置38により、ドラム20が一定の回転数で軸心C1まわりに回転駆動される。
また、一対の側壁16bおよび16cには、支持ロッド44により軸受を介して回転可能に支持された、円筒状外周面46を有する絞りローラ22が、その軸心C2が、ドラム20の軸心C1に平行となるように設けられている。絞りローラ22は、その外周部が、たとえばゴム、スポンジなどの軟質弾性体から構成されており、円筒状外周面46がドラム20の円筒状外周面24を押圧する押圧位置において、ドラム20の円筒状外周面24に吸着された磁性粉体が剥離される前に絞られるようになっている。また、絞りローラ22を支持する支持ロッド44の両端部には、上記押圧位置とドラム20の円筒状外周面24から離れる離隔位置との間で絞りローラ22を往復移動させる絞りローラ駆動装置18が設けられている。また、絞りローラ22は、カバー51で覆われている。なお、図1ないし図3は、絞りローラ22が上記押圧位置にある状態を示している。
また、一対の側壁16bおよび16cの前方側且つ上側の角は、斜めに切り落とされているとともに、前壁16dの上部は斜め方向に曲げられており、その斜め方向に曲げられた前壁16dの上部には、ドラム20の円筒状外周面24に上端縁が接触してその円筒状外周面24に吸着された磁性粉体および磁性粉体に親和性のある油を掻き取って図示しない容器内へ落下させる掻取板52が固設されている。
図1に示されるように、ドラム20の円筒状外周面24のうちの下側の表面に所定の間隔を隔てて内周面が対向する部分円筒板54が、堰板17の下流側において側壁16bおよび16c間に固設されている。この部分円筒板54の上流側の端縁は、広幅のU字状開口17bと面一となる高さ位置で堰板17の下流側の壁面に接している。一対の凹面板56は、ドラム20の円筒状外周面24から1mm乃至1.5mm程度の僅かな間隙を隔てて軸心C1と同心に側壁16bおよび16cに固定され、その両端部と同様の軸心C1方向の寸法を有している。堰板17のU字状開口17bが形成されていない水平方向(長手方向)の両端部は、それら一対の凹面板56の外周面に接している。部分円筒板54の下部(最低位置下部)と凹面板56の下部(最低位置下部)との間にはその間を連結する縦方向の連結板58が設けられている。
上記凹面板56の幅方向中央側の側縁と、部分円筒板54の内周面上の軸心C1方向における上記側縁と同じ曲線すなわちU字状開口17bの軸心C1方向における端と同じ上記曲線との間に、クーラントKの流れが側壁16b側へ向かうのを防止する流路規制板60が固定されている。側壁16c側も同様である。すなわち、流路規制板60は、上記の曲線で示される、部分円筒板54上のドラム20の円筒状外周面24に対向する対向部分とドラム20の円筒状外周面24に対向しない非対向部分との境界線である曲線上にドラム20の円筒状外周面24に向かってそれと1mm乃至1.5mm程度の僅かな間隙を隔てる高さで立設されている。凹面板56の貯留槽16の幅方向中央側の側縁部は、ドラム20の円筒状外周面24に僅かな間隙を隔てて対向しているため、堰板17を超えてそのU字状開口17bから流入したクーラントKは、大部分がドラム20の円筒状外周面24とそれに対向する部分円筒板54の内表面(対向部分)との間の吸着用流路Rを経て排出空間S2へ流入させられる。
図3に詳しく示されるように、マグネットセパレータ10には、絞りローラ22を回転可能に支持する支持ロッド44の両端部が固定される可動ブロック62と、可動ブロック62における軸心C1および軸心C2を含む平面上且つ軸心C2方向と垂直な方向の軸心C3を有する貫通穴に摺動可能に挿通された案内ロッド64と、シリンダ本体65と案内ロッド64の軸心C3方向と平行な軸心C4を有するロッド66とを有し、可動ブロック62の外側に固定されたシリンダ68と、可動ブロック62とシリンダ68とを一体に固定する固定板70と、側壁16b、16cにボルト72で締結され、ロッド66の突出し側端部を軸心C4方向に移動不能に固定するシリンダコネクタ74とジョイント76とを介し、可動ブロック62とシリンダ68とを支持するブラケット78とが、設けられている。上記ブラケット78と、それから突設された案内ロッド64と、支持ロッド44の端部が固定され、且つその案内ロッド64に案内される可動ブロック62とは、絞りローラ22を回転可能に、且つ絞り位置と離隔位置との間に移動可能に支持する絞りローラ支持装置19として機能している。また、上記可動ブロック62の外側に固定され、ブラケット78にシリンダコネクタ74およびジョイント76を介して固定されたロッド66を有するシリンダ68は、絞りローラ駆動装置18として機能している。
図4は、絞りローラ駆動装置18のシリンダ68を作動させる回路図であり、押圧側ポート82を通じてシリンダ68に空気圧が供給されている状態が示されている。第1レギュレータ84は、ポンプ86から吐出された空気圧を一次圧に減圧する。方向切換弁88は、離隔側ポート80を通じて空気圧を供給して絞りローラ22を離隔位置とする状態と、押圧側ポート82を通じて空気圧を供給して絞りローラ22を押圧位置とする状態とに切換える。第2レギュレータ94は、第1レギュレータ84により調圧された一次圧を元圧として、絞りローラ22の押圧力に対応する二次圧を調節する。
このように構成されたマグネットセパレータ10においては、堰板17を超えたクーラントKが吸着用流路Rを通過させられる際に、クーラントK中の磁性粉体はドラム20の円筒状外周面24に吸着させられ、ドラム20が軸心C1まわりに図1の矢印方向に回転させられて、絞りローラ22へと送出される。絞りローラ駆動装置18の押圧側ポート82を通じてシリンダ68に空気圧が供給されることにより、絞りローラ22がドラム20の円筒状外周面24を押圧する押圧位置に位置させられるときには、磁性粉体はドラム20の円筒状外周面24に第2レギュレータ94により調圧された押圧力で押し付けられることより絞られ、その水分量が低下される。
マグネットセパレータ10において、絞りローラ22がドラム20の円筒状外周面24から離れる離隔位置とされると、それまでに絞りローラ22とドラム20の円筒状外周面24との間に滞留していた油OILが磁性粉体Sとともに掻取板52に掻き取られ回収される。掻取板52に掻き取られた油OILは、掻取板52の幅方向の大部分を覆うように、掻取板52の下部方向へ向かって流れている。図5はその状態を流出口14側から見た図である。図5では、絞りローラ駆動装置18の離隔側ポート80を通じてシリンダ68に空気圧が供給されることにより、絞りローラ22がドラム20の円筒状外周面24から軸心C3方向に離れた離隔位置に位置させられている。この絞りローラ22が離隔位置にあるときには、磁性粉体Sは絞りローラ22により絞られない状態で回収されるため、絞りローラ22が押圧位置にある時間が離隔位置にある時間よりも長い周期で絞りローラ22が軸心C3方向に往復移動させられる。ここで、絞りローラ22が押圧位置にある時間と離隔位置にある時間との比は、クーラントK中の油OILの性質や油分濃度にもよるが、たとえば、10対1〜20対1が好適な範囲として挙げられる。クーラントK中の油分濃度が高いときには、絞りローラ22が離隔位置にある時間が長くされる。このようにすれば、絞りローラが押圧位置にあるときに絞りローラ22とドラム20の円筒状外周面24との間に滞留した十分量の油OILが、絞りローラ22が離隔位置にあるときの絞りローラ22が押圧位置にあるときよりも短い時間でまとめて回収されるため、絞りローラ22により絞られることなく回収される磁性粉体Sの量が極力少なくされて、水分量が低下された状態での磁性粉体Sの回収と油OILの回収の両立が達成される。
続いて、マグネットセパレータ10のクーラントに混入した油の回収能力を評価するために本発明者が行った実験条件について図6に基づいて詳細に説明する。
先ず、水溶性クーラント(株式会社ノリタケカンパニーリミテド、ノリタケクールNK−Z)600mLと機械油(Exxon Mobil Corporation、バクトラオイルNo.2)600mLと水28.8Lとを混合し、水溶性クーラントが2%に希釈された機械油との混合液30Lを作成した。図6は、マグネットセパレータ10の水溶性クーラントからの油回収能を評価する実験に用いられるクーラント循環装置96および、クーラント循環装置96を流れる水溶性クーラントの濃度および流量を説明する図である。クーラント循環装置96は、マグネットセパレータ10と、混合液を貯留するタンク98と、タンク98に貯留された混合液をマグネットセパレータ10の流入口12へ送出するポンプ100とから構成されており、マグネットセパレータ10により回収されるスラッジおよび油は、クーラント循環装置96外部へ除去され、流出口14から流出されるスラッジおよび油が除去された水溶性クーラントすなわちクリーン液はタンク98に戻されて再循環されるようにした。次に、上記混合液30Lを液温10.9℃、流速60L/minでクーラント循環装置96に適用し、クーラント循環装置96の各装置に油分が付着する定常状態となるまで混合液をしばらく循環させた。定常状態となった後、スラッジを投入して実験を開始した。スラッジは5minごとにタンク98内の混合液に投入した。また、マグネットセパレータ10の絞りローラ22が、ドラム20の円筒状外周面24に吸着された磁性粉体を押圧する押圧位置とドラム20の円筒状外周面24から離れる離隔位置との間で、押圧位置が280秒、離隔位置が20秒の合計5分を1サイクルとして往復移動されるように絞りローラ駆動装置18を作動させた。上記1サイクルを12回繰り返し、合計60分間の実験時間中、実験開始時および実験開始から20分後、40分後、60分後のタンク内の油分濃度C1(g/L)を計測し、そのタンク内油分濃度C1からタンク内油分量M(g)(=C1×V(L))を計算し、マグネットセパレータ10の油回収能力を評価した。ここで、クーラント循環装置96を循環する混合液の総液量Vは、マグネットセパレータ10により磁性粉体に付着した水分および油が回収されて循環装置96の外部に除去されるなどのため、実験開始から時間を経るに連れ減少するものであるが、その減少量は無視できるほど小さいため、総液量Vは実験開始当初の30Lで不変とした。なお、クリーン液の油分濃度C2(g/L)は、マグネットセパレータ10により油が除去されているため、混合液のタンク内油分濃度C1よりも小さい値である。
図7は、上記実験の結果を、タンク内油分量Mと時間t(min)との関係を用いて示すグラフである。時間経過に比例して、タンク内油分量Mは低下するという結果が得られた。この結果から、少なくとも本実験のタンク内油分量Mの範囲においてはその多少に関らず、1サイクルごとの絞りローラ22がドラム20の円筒状外周面24に対して離隔位置にあるときに磁性粉体とともに一定量の油が回収されることが示された。
上述のように、本実施例のマグネットセパレータ10によれば、絞りローラ22は、ドラム20の円筒状外周面24に磁性粉体を押圧する押圧位置と、ドラム20の円筒状外周面24から離れる離隔位置との間で絞りローラ駆動装置18により繰り返し往復移動させられる。このため、絞りローラ22の押圧位置において、ドラム20の円筒状外周面24に吸着された磁性粉体が絞りローラ22により絞られることによりその水分量が低下され、また、絞りローラ22の離隔位置において、絞りローラ22とドラム20の円筒状外周面24との間に滞留した油は磁性粉体とともに回収される。このことから、新たな装置を設置することなく、油の混入によるクーラントKの機能低下を抑制することができる。
また、本実施例のマグネットセパレータ10によれば、絞りローラ駆動装置18は絞りローラ22を押圧位置とする時間が離隔位置とする時間よりも長い1周期で繰り返し駆動する。これにより、絞りローラ22が押圧位置にあるときに絞りローラ22により磁性粉体が絞られてその水分量が低下されつつ回収されるとともに、絞りローラ22とドラム20の円筒状外周面24との間に油が滞留する。また、絞りローラ22が押圧位置にあるときにドラム20の円筒状外周面24との間に滞留していた油が、絞りローラ22が離隔位置にあるときに絞りローラ22が押圧位置にある時間よりも短い時間でまとめて回収される。このことから、油が回収される一方、水分量が低下していない状態で磁性粉体が回収される絞りローラ22が離隔位置にある時間が短くされるため、水分量が低下された状態での磁性粉体の回収と油の回収とを両立することが可能となる。
以上、本発明を表及び図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
10:マグネットセパレータ
16:貯留槽
18:絞りローラ駆動装置
19:絞りローラ支持装置
20:ドラム
24:円筒状外周面
22:絞りローラ
46:円筒状外周面
62:可動ブロック(絞りローラ支持装置)
64:案内ロッド(絞りローラ支持装置)
68:シリンダ(絞りローラ駆動装置)
78:ブラケット(絞りローラ支持装置)
K:クーラント
16:貯留槽
18:絞りローラ駆動装置
19:絞りローラ支持装置
20:ドラム
24:円筒状外周面
22:絞りローラ
46:円筒状外周面
62:可動ブロック(絞りローラ支持装置)
64:案内ロッド(絞りローラ支持装置)
68:シリンダ(絞りローラ駆動装置)
78:ブラケット(絞りローラ支持装置)
K:クーラント
Claims (2)
- クーラントを貯留する貯留槽と、該貯留槽内で回転可能に水平に支持された円筒状外周面を有し、該円筒状外周面に磁力により磁性粉体を吸着するドラムと、該ドラムの円筒状外周面に前記ドラムの円筒状外周面に吸着された前記クーラント中の磁性粉体を押圧する円筒状外周面を有する絞りローラと、を備えるマグネットセパレータであって、
前記絞りローラを、回転可能に、且つ前記ドラムの円筒状外周面に前記磁性粉体を押圧する押圧位置と前記ドラムの円筒状外周面から離れる離隔位置との間で往復移動可能に支持する絞りローラ支持装置と、前記絞りローラを前記押圧位置と前記離隔位置との間で繰り返し往復駆動する絞りローラ駆動装置とを含むことを特徴とするマグネットセパレータ。 - 前記絞りローラ駆動装置は、前記絞りローラを前記押圧位置とする時間が前記離隔位置とする時間よりも長い1周期で繰り返し駆動することを特徴とする請求項1のマグネットセパレータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014155562A JP2016032777A (ja) | 2014-07-30 | 2014-07-30 | マグネットセパレータ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014155562A JP2016032777A (ja) | 2014-07-30 | 2014-07-30 | マグネットセパレータ |
Publications (1)
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ID=55451958
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2016032777A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7385067B2 (ja) | 2022-03-11 | 2023-11-21 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | マグネットセパレータ |
-
2014
- 2014-07-30 JP JP2014155562A patent/JP2016032777A/ja active Pending
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