JP2016032190A - スイッチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチ装置について突入電流の抑制およびターンオン時の応答遅れ時間を悪化させることなく、ターンオフ時の応答遅れ時間の短縮化を進める。【解決手段】高電位側の入力端子T1pと高電位側の出力端子T2pとを繋ぐ電源供給ラインL51の途中に接続/遮断用のスイッチング素子Q51が挿入される。接続/遮断用のスイッチング素子Q51のソースとゲートとの間に積分用の容量素子C51および充放電用の抵抗素子R51が並列接続される。接続/遮断用のスイッチング素子Q51のゲートと接地ラインL52との間に電流制限用の抵抗素子R52と駆動用のスイッチング素子Q52が接続される。さらに、積分用の容量素子C51の正極端子と、駆動用のスイッチング素子Q52と電流制限用の抵抗素子R52との接続点との間に急速放電用の抵抗素子R56が接続される。【選択図】図1

Description

本発明は、電源供給ラインを非導通状態から導通状態に切り替えるパワーMOSFETを用いたスイッチ装置に関する。
この種のスイッチ装置は直流電源を接続した際の負荷回路(特に容量性負荷)に対する突入電流を抑制するために電源供給ラインの途中に挿入されている。駆動用の信号に応じて導通状態と非導通状態とに切り替えられるスイッチング素子と、このスイッチング素子の駆動電圧の立ち上がりを緩やかにするための積分用の容量素子および充放電用の抵抗素子を有している。
<第1の従来例>
図4は第1の従来例のスイッチ装置Bの構成を示す回路図である。負荷回路53に対する駆動停止状態においてスイッチ制御信号Scは“L”レベルとされ、駆動用のスイッチング素子(NPN型トランジスタ)Q52は非導通状態にある。このとき、接続/遮断用のスイッチング素子(Pチャネル型のMOS‐FET)Q51はその制御端子(ゲート)に印加される制御電圧(ゲート‐ソース間電圧)が小さいことから非導通状態となっており、負荷回路53には給電が行われていない。この状態では、積分用の容量素子(コンデンサ)C51に対する充電は行われていない。
スイッチ制御信号Scが“H”レベルに切り替えられると、駆動用のスイッチング素子Q52が導通する。すると、高電位側の入力端子T1p→時定数回路51a(充放電用の抵抗素子R51と積分用の容量素子C51)→電流制限用の抵抗素子R52→駆動用のスイッチング素子Q52→低電位側の入力端子T1nの経路で電流が流れる。接続/遮断用のスイッチング素子Q51の制御電圧は駆動用のスイッチング素子Q52のターンオン後、一定時間の経過後から緩やかに増加し始め、制御電圧がしきい値電圧を超え、それ以降、接続/遮断用のスイッチング素子Q51からの出力電圧および出力電流が緩やかに増加する。このターンオン時の出力電圧と出力電流の波形が図5(a)に示されている。
図5(a)に示すように、出力電圧はスイッチ制御信号Scの立ち上がり時点から約8[ms](ミリ秒)の経過後に立ち上がりを開始し、約4[ms]かけて入力電圧と同レベルまで緩やかに立ち上がり(ターンオン時の応答遅れ時間は約12[ms]である)、負荷回路53に対して直流電力が供給される。これに応じて出力電流も時定数回路51aによって緩やかに増加し、負荷回路53における容量性負荷C53への突入電流は抑制される。突入電流は約6.6[A]に抑えられている。
なお、上記の約8[ms]、約12[ms]の計測データは、回路定数として、充放電用の抵抗素子R51の抵抗値を10[kΩ]、電流制限用の抵抗素子R52の抵抗値を10[kΩ]、積分用の容量素子C51の容量値を10[μF]、容量性負荷C53の容量値を300[μF]、直流電源E51による入力電圧を24[V]、負荷回路53への出力電流を3.5[A]とした場合の値である。なお、ここで例示した回路定数や定格値は、後述する複数の例でも共通である。
次に、図4に示す第1の従来例において、スイッチ制御信号Scが“L”レベルに切り替えられると、駆動用のスイッチング素子Q52がターンオフする。すると、積分用の容量素子C51の充電電荷の放出が始まる。放電電流は充放電用の抵抗素子R51で消費され、積分用の容量素子C51の両端電圧すなわち接続/遮断用のスイッチング素子Q51の制御電圧が徐々に減少する。この制御電圧がしきい値電圧以下になると、接続/遮断用のスイッチング素子Q51がターンオフし、負荷回路53に対する直流電力の供給が停止される。このターンオフ時の出力電圧と出力電流の波形が図5(b)に示されている。
<第2の従来例>
図6は特許文献1(特開平7−30394号公報)に開示された第2の従来例のスイッチ装置Cを示す。これは駆動用のスイッチング素子(NPN型トランジスタ)6をオン/オフ制御するスイッチ制御信号Sc′の生成のために、ワンショットパルス回路1、発振回路2、アンドゲート3、排他的論理和ゲート4などを設けたものである。これらの回路要素を用いて駆動用のスイッチング素子6のベースに印加するスイッチ制御信号Sc′として、初期の一定期間高速に“H”,“L”を繰り返すパルス波形と、そのパルス波形の終了時点から“H”レベルを継続する波形との組み合わせ波形の信号を生成する。このスイッチ制御信号Sc′により駆動用のスイッチング素子6を、ひいては接続/遮断用のスイッチング素子(Pチャネル型のMOS‐FET)7を一定期間スイッチングし、その後に導通状態とすることができる。結果として、接続/遮断用のスイッチング素子7を非導通状態から緩やかに導通状態に遷移させ、突入電流を抑制する。8は積分用の容量素子(コンデンサ)である。
この第2の従来例においては、ワンショットパルス回路1、発振回路2、アンドゲート3、排他的論理和ゲート4などを用いて特殊な波形(初期はパルス波形、その後は“H”レベル)のスイッチ制御信号Sc′を生成するので、ターンオン時の出力電圧の立ち上がりが速くなる。
<第3の従来例>
図7は特許文献2(特開平10−55729号公報)に開示された第3の従来例のスイッチ装置Dを示す。スイッチ制御信号Scの入力段の駆動用のスイッチング素子(NPN型トランジスタ)TR12のベース側に時定数回路15を追加している。この時定数回路15は積分用の容量素子(コンデンサ)C13、積分用の抵抗素子R15,急速放電用の抵抗素子R16および一方向性通電素子(整流ダイオード)D12で構成されている。“H”レベルのスイッチ制御信号Scが時定数回路15の入力端子14に印加されると、駆動用のスイッチング素子TR12のベースに対して時定数回路15から僅かずつ増加するベース電流が流入される。これにより、駆動用のスイッチング素子TR12のコレクタ電流が緩やかに増加し、接続/遮断用のスイッチング素子(Pチャネル型のMOS‐FET)TR11の制御電圧を緩やかに増加させる。結果、接続/遮断用のスイッチング素子TR11のドレイン電流が緩やかに増加し、コンデンサC2に対する出力電圧が緩やかに上昇する。出力電圧の上昇が緩やかであるので、ターンオン時の突入電流を抑制することができる。ターンオフ時にはスイッチ制御信号Scが“L”レベルとされ、積分用の容量素子C13から一方向性通電素子D12を介して急速放電用の抵抗素子R16に放電されるので、ターンオフ時の応答遅れ時間を短縮化できる。D11は電圧制限用のツェナーダイオードである。
<第4の従来例>
図8に示す第4の従来例のスイッチ装置Eは、図4に示す第1の従来例のスイッチ装置Bにおいて、ターンオフ時の応答遅れ時間を短縮するために、時定数回路51bにおいて、急速放電用の抵抗素子R55と急速放電用のスイッチング素子(NPN型トランジスタ)Q53と一方向性通電素子(整流ダイオード)D52とを追加したものである。すなわち、接続/遮断用のスイッチング素子Q51のゲート‐ソース間の積分用の容量素子C51に対して急速放電用の抵抗素子R55とスイッチング素子Q53の直列回路を並列接続するとともに、積分用の容量素子C51と急速放電用のスイッチング素子Q53の接続点と充放電用の抵抗素子R51との間に一方向性通電素子D52を挿入したものである。
“L”レベルのスイッチ制御信号Scが入力されると、駆動用のスイッチング素子Q52はターンオフし、急速放電用のスイッチング素子Q53はそのベース電圧が上昇してターンオンする。結果、急速放電用の抵抗素子R55がターンオンした急速放電用のスイッチング素子Q53を介して積分用の容量素子C51に並列に接続されることになる。すると、積分用の容量素子C51に蓄積されていた電荷が急速放電用の抵抗素子R55を通じて急速に放出される。接続/遮断用のスイッチング素子Q51の制御電圧は極短時間後にしきい値電圧以下になり、接続/遮断用のスイッチング素子Q51が直ちにターンオフし、負荷回路53への出力が遮断される。
接続/遮断用のスイッチング素子Q51の導通状態では急速放電用のスイッチング素子Q53は非導通状態にあるから、抵抗素子R55の抵抗値はこれを充分に小さくすることが可能である。なぜなら、もしも接続/遮断用のスイッチング素子Q51の導通状態で急速放電用のスイッチング素子Q53も導通するのなら、導通状態維持のために接続/遮断用のスイッチング素子Q51の制御電圧を一定以上に保つには、抵抗素子R55の抵抗値をある程度大きく設定しなければならない。しかし、そうではなく、接続/遮断用のスイッチング素子Q51の導通状態では急速放電用のスイッチング素子Q53が非導通状態となるため、抵抗素子R55の抵抗値を充分に小さくすることが許容される。
急速放電用の抵抗素子R55の抵抗値が充分に小さいと、スイッチ制御信号Scの“L”レベル切り替えに伴う駆動用のスイッチング素子Q52のターンオフ時に、積分用の容量素子C51からの放電を急速に行うことができ、ターンオフ時の応答遅れ時間を大幅に短縮することが可能となる。ちなみに、ターンオフ時の応答遅れ時間は図9(b)に示すように約0.8[ms]と、大幅に短縮化されている。
もし、急速放電用のスイッチング素子Q53がない(素子Q53のコレクタ‐エミッタ間をショート)とすると、駆動用のスイッチング素子Q52のターンオン時に直流電源E51から高電位側の入力端子T1pに流入した電流の大部分が急速放電用の抵抗素子R55を流れて積分用の容量素子C51への充電速度が大きく低下し、ターンオン時の応答遅れ時間が過剰に長いものになってしまう。よって、接続/遮断用のスイッチング素子Q51の入力側(ソース側)で急速放電用の抵抗素子R55を積分用の容量素子C51に並列接続するときには急速放電用のスイッチング素子Q53は欠かせないものとなっている。なお、一方向性通電素子D52はスイッチング素子Q52をオンさせたとき、容量素子C51からの充電電流を流している。
特開平7−30394号公報 特開平10−55729号公報
上記で説明した図4の第1の従来例の場合、接続/遮断用のスイッチング素子Q51がターンオフしたときの出力電圧と出力電流の波形が図5(b)に示されている。出力電圧が急峻な立ち下がりをし、出力電流も急激に減少するが、ターンオフ時の応答遅れ時間は約187[ms]とかなり長く、遮断特性は良くない。すなわち、容量性負荷C53への突入電流を回避する手段として、接続/遮断用のスイッチング素子Q51のゲート‐ソース間に積分用の容量素子C51を介装してあるが、これが原因でターンオフ時の出力電圧の遮断確立に長い時間を要するという問題があった。一方、ターンオフ時の応答遅れ時間を短縮するために積分用の容量素子C51に並列接続した充放電用の抵抗素子R51の抵抗値を小さくすると、今度はターンオン時の応答遅れ時間が過剰に短縮化されて、容量性負荷C53への突入電流が過大化してしまうという課題がある。
また、図6の第2の従来例の場合、スイッチ制御信号Sc′の波形を特殊化しており(初期はパルス波形、その後は“H”レベル)、そのためにワンショットパルス回路1、発振回路2、アンドゲート3、排他的論理和ゲート4などを必要とし、回路構成が相当に複雑化している。しかも、並列接続された積分用の容量素子8と充放電用の抵抗素子5が原因でターンオフ時の応答遅れ時間について充分な短縮化は期待できない。積分用の容量素子の容量値を小さくしたり充放電用の抵抗素子の抵抗値を小さくすればターンオフ時の応答遅れ時間を短縮できるが、ターンオン時の突入電流の過大化やターンオン時の応答遅れ時間の伸長を招く。
また、図7の第3の従来例の場合、接続/遮断用のスイッチング素子TR11のゲート‐ソース間には積分用の容量素子を接続していないが、スイッチ制御信号Scの入力段の時定数回路15における積分用の容量素子C13の電荷を放出するために、急速放電用の抵抗素子R16と一方向性通電素子D12を用いている。つまり、時定数回路15は、積分用の容量素子C13と積分用の抵抗素子R15からなる積分回路と、積分用の抵抗素子R15の両端間をバイパスする一方向性通電素子D12と急速放電用の抵抗素子R16とからなり、部品点数が多く、回路構成が複雑化している。
接続/遮断用のスイッチング素子TR11の制御電圧の変化を緩やかに制御するのに、このスイッチング素子TR11に対して直接に時定数回路を付加するのではなく、離れて設けられた駆動用のスイッチング素子TR12のベースに対して時定数回路15を付加している。接続/遮断用のスイッチング素子TR11の制御電圧の微調整を達成するのに、実際上は離れて位置する駆動用のスイッチング素子TR12のベース電流の微調整を行うようになっている。しかし、時定数回路15は構成部品点数が多く、個々の構成部品にばらつきがあるため、時定数回路15での微調整が接続/遮断用のスイッチング素子TR11の制御電圧の微調整に正しく反映させることが非常にむずかしいという問題がある。すなわち、時定数回路15の構成部品のばらつきのために突入電流が増大したり、出力電圧のターンオン時の応答遅れ時間やターンオフ時の応答遅れ時間についてばらつきが増大してしまうという問題がある。
図8の第4の従来例の場合、その基本構成をもつ図4の第1の従来例との比較において、そのターンオフ時の応答遅れ時間の大幅な短縮化が実現される。しかし、そのための追加構成として、急速放電用の抵抗素子R55とスイッチング素子Q53と一方向性通電素子D52の3部品を必要とし、追加部品点数が多いため回路構成の複雑化を招くという問題がある。それでいてターンオフ時の応答遅れ時間の短縮化についての技術要請は、現実的にはそれほど極端に短い時間(約0.8[ms])にする必要はなく、およそ30〜40%程度にでも短縮できれば問題がないとされているのが実情である。換言すれば、急速放電用の抵抗素子R55とスイッチング素子Q53と一方向性通電素子D52の3部品の追加は過剰な対応となっているということである。
図4に示す第1の従来例の場合にターンオフ時の応答遅れ時間を短縮するには積分用の容量素子の容量値を小さくすればよい。しかし、そうするとターンオン時の突入電流が過剰に大きくなってしまう。また、積分用の容量素子に並列接続された充放電用の抵抗素子の抵抗値を小さくして放電を早めることによりターンオフ時の応答遅れ時間を短縮することは可能である。しかし、そうするとターンオン時の出力電圧の応答遅れ時間が過剰に長くなってしまう。
本発明はこのような事情に鑑みて創作したものであり、スイッチ装置に関して簡易な構成により突入電流の抑制およびターンオン時の応答遅れ時間を悪化させることなく、ターンオフ時の応答遅れ時間の短縮化を進めることができるようにすることを目的としている。
本発明は、次の手段を講じることにより上記の課題を解決する。
本発明によるスイッチ装置は、
電源供給ラインの途中に挿入された接続/遮断用のスイッチング素子の電流路における入力側端子と制御端子との間に積分用の容量素子と充放電用の抵抗素子とが並列に接続され、前記接続/遮断用のスイッチング素子の制御端子と接地ラインとの間に電流制限用の抵抗素子と駆動用のスイッチング素子の直列回路が接続されたスイッチ装置において、さらに、前記積分用の容量素子の正極端子と、前記駆動用のスイッチング素子と前記電流制限用の抵抗素子との接続点との間に急速放電用の抵抗素子を接続している。
上記のように構成された本発明のスイッチ装置において、駆動用のスイッチング素子がターンオンすると、接続/遮断用のスイッチング素子の制御端子が電流制限用の抵抗素子とターンオンした駆動用のスイッチング素子を介して接地レベルに降圧され、接続/遮断用のスイッチング素子がターンオンする。駆動用のスイッチング素子がターンオンすると、積分用の容量素子に充電が行われ、その両端電圧(接続/遮断用のスイッチング素子の制御電圧)が緩やかに増加する。すなわち、接続/遮断用のスイッチング素子が徐々に高抵抗状態から低抵抗状態へ遷移する。やがて接続/遮断用のスイッチング素子は非導通状態から反転してターンオンすることになるが、その抵抗変化が上記のとおり緩やかであるため、負荷回路の容量性負荷に対する突入電流が抑制される。
この接続/遮断用のスイッチング素子をターンオンさせる動作に対して、急速放電用の抵抗素子は関係しない。なぜなら、接続/遮断用のスイッチング素子の制御端子と電流制限用の抵抗素子と駆動用のスイッチング素子の経路は接続/遮断用のスイッチング素子のターンオンに実効的な役割を果たす経路であるが、この経路に対して、追加した急速放電用の抵抗素子は実効性を有しないからである。すなわち、急速放電用の抵抗素子は接続/遮断用のスイッチング素子のターンオン時の応答遅れ時間に影響を与えるものとはならない。
次に駆動用のスイッチング素子が導通状態から反転して非導通状態に切り替えられると、積分用の容量素子からの放電が開始される。このときの放電経路は次の並列抵抗回路によって形成される。すなわち、1つは積分用の容量素子に対して並列に接続された充放電用の抵抗素子であり、もう1つは電流制限用の抵抗素子および急速放電用の抵抗素子からなる抵抗直列回路(これも積分用の容量素子に対して並列に接続されている)である。この放電経路を形成する並列抵抗回路の合成抵抗値は、積分用の容量素子に対して並列に接続された充放電用の抵抗素子の抵抗値よりも小さなものとなり、急速放電が実現する。この急速放電の後、接続/遮断用のスイッチング素子は導通状態から反転して非導通状態に切り替えられる。すなわち、ターンオフ時の応答遅れ時間の短縮化が図られる。
本発明によれば、容量性負荷を含む負荷回路と直流電源との間を接続/遮断するためのスイッチ装置につき、積分用の容量素子に並列に接続された充放電用の抵抗素子に対して、電流制限用の抵抗素子と急速放電用の抵抗素子との直列回路を並列に接続したことにより、突入電流抑制効果と良好な立ち上がり特性の維持とターンオフ時の応答遅れ時間の短縮の効果を簡易な構成により実現することができる。
本発明の第1の実施例のスイッチ装置の構成を示す回路図 本発明の第1の実施例のスイッチ装置におけるターンオン時の動作波形を示すタイミングチャート(a)とターンオフ時の動作波形を示すタイミングチャート(b) 本発明の第2の実施例のスイッチ装置の構成を示す回路図 第1の従来例のスイッチ装置の構成を示す回路図 第1の従来例のスイッチ装置におけるターンオン時の動作波形を示すタイミングチャート(a)とターンオフ時の動作波形を示すタイミングチャート(b) 第2の従来例(特許文献1開示)のスイッチ装置の構成を示す回路図 第3の従来例(特許文献2開示)のスイッチ装置の構成を示す回路図 第4の従来例のスイッチ装置の構成を示す回路図 第4の従来例のスイッチ装置におけるターンオン時の動作波形を示すタイミングチャート(a)とターンオフ時の動作波形を示すタイミングチャート(b)
上記構成の本発明のスイッチ装置には、次のようないくつかの好ましい態様がある。
上記の構成において、さらに、前記の電流制限用の抵抗素子に対して、一方向性通電素子が、その順方向を駆動用のスイッチング素子から積分用の容量素子に向かう方向とする状態で並列に接続されているという好ましい態様がある。
この一方向性通電素子は、積分用の容量素子からの放電状態において、電流制限用の抵抗素子を短絡的にバイパスする作用を有する。すなわち、前述の並列抵抗回路における電流制限用の抵抗素子と急速放電用の抵抗素子の抵抗直列回路から電流制限用の抵抗素子を切り離す作用を発揮する。その結果、部品点数として一方向性通電素子の1部品が増えはするものの、接続/遮断用のスイッチング素子のターンオフ時の応答遅れ時間をさらに短縮化する効果が生じる。そして、この一方向性通電素子の追加は接続/遮断用のスイッチング素子のターンオン時の応答遅れ時間には影響を与えない。
また、上記の構成において、電源供給ラインの途中に挿入される接続/遮断用のスイッチング素子としては、Pチャネル型のMOS‐FET(金属酸化物半導体による電界効果トランジスタ)とするのが好ましい。バイポーラトランジスタの場合は導通状態保持のための電力が必要となるのに対して、MOS‐FETの場合は導通状態保持のための電力が不要である。ただし、本発明では接続/遮断用のスイッチング素子としてMOS‐FETに限定するものではなく、バイポーラトランジスタ(NPN型またはPNP型)を用いるのでもよい。MOS‐FETの場合にはNチャンネル型とPチャンネル型のいずれでもよい。制御端子については、MOS‐FETの場合はゲート端子となり、バイポーラトランジスタの場合はベース端子となる。
また、接続/遮断用のスイッチング素子をオン/オフ制御する駆動用のスイッチング素子としては上記のバイポーラトランジスタとするほか、MOS‐FETを用いてもよい。バイポーラトランジスタの場合にはNPN型のトランジスタとPNP型のトランジスタのいずれでもよい。MOS‐FETの場合にはNチャンネル型とPチャンネル型のいずれでもよい。
以下、上記構成の本発明のスイッチ装置につき、その実施の形態を具体的な実施例のレベルで詳しく説明する。
〔第1の実施例〕
以下、図1、図2を参照して本発明にかかわるスイッチ装置の第1の実施例を説明する。
図1は本発明の第1の実施例におけるスイッチ装置の構成を示す回路図である。まず、構成要素を列挙する。図1において、Aはスイッチ装置、T1p,T1nはスイッチ装置Aにおける直流電源の第1と第2の入力端子、T2p,T2nはスイッチ装置Aにおける直流電圧の第1と第2の出力端子、Q51は接続/遮断用のスイッチング素子、51は時定数回路、52は駆動制御回路、53は負荷回路、E51はバッテリなどの直流電源である。時定数回路51の構成要素として、C51は積分用の容量素子、R51は充放電用の抵抗素子、R52はバイアス用であるとともに容量素子C51を充電する電流制限用の抵抗素子、R56は急速放電用の抵抗素子である。駆動制御回路52は駆動用のスイッチング素子Q52と電流制限用の抵抗素子R52を備えている。電流制限用の抵抗素子R52は駆動制御回路52の構成要素であるとともに時定数回路51の構成要素も兼ねている。負荷回路53は、容量性負荷C53と抵抗性負荷R53を含んでいるものとする。接続/遮断用のスイッチング素子Q51として、ここではPチャネル型のMOS‐FETが用いられ、駆動用のスイッチング素子Q52として、ここではバイポーラでNPN型のトランジスタが用いられている。
一対の入力端子T1p,T1nは、これに直流電源E51を接続して直流電流を入力するものであり、一対の出力端子T2p,T2nは、これに接続される負荷回路53に対して直流電力を供給するものである。高電位側の入力端子T1pと高電位側の出力端子T2pとが電源供給ラインL51を介して接続されるが、その途中に接続/遮断用のスイッチング素子Q51が挿入されている。低電位側の入力端子T1nと低電位側の出力端子T2nとが接地ラインL52を介して接続されている。
駆動制御回路52において、駆動用のスイッチング素子Q52のコレクタに電流制限用の抵抗素子R52の一方端子が接続され、その他方端子が接続/遮断用のスイッチング素子Q51の制御端子であるゲートに接続され、駆動用のスイッチング素子Q52のエミッタは接地ラインL52に接続されている。駆動用のスイッチング素子Q52のベースにはスイッチ制御信号Scが入力されるようになっている。このスイッチ制御信号Scは単純な“H”/“L”切り替え式の信号である。
時定数回路51は、積分用の容量素子C51と充放電用の抵抗素子R51および電流制限用の抵抗素子R52に加えて、さらに急速放電用の抵抗素子R56を有している。すなわち、接続/遮断用のスイッチング素子Q51のゲート‐ソース間に積分用の容量素子C51が接続され、さらに積分用の容量素子C51に充放電用の抵抗素子R51が並列接続されている。加えて、接続/遮断用のスイッチング素子Q51の入力側において、積分用の容量素子C51の正極端子と駆動用のスイッチング素子Q52の電流路におけるハイサイド端子であるコレクタとの間に急速放電用の抵抗素子R56が接続されている。換言すると、急速放電用の抵抗素子R56は、充放電用の抵抗素子R51と高電位側の入力端子T1pの接続点と、駆動用のスイッチング素子Q52のコレクタと電流制限用の抵抗素子R52との接続点との間に接続されている。ここで、積分用の容量素子C51に対しては、充放電用の抵抗素子R51が並列に接続され、さらに、電流制限用の抵抗素子R52と急速放電用の抵抗素子R56との抵抗直列回路が並列に接続されている。つまり、充放電用の抵抗素子R51と、電流制限用の抵抗素子R52と急速放電用の抵抗素子R56との直列回路とは、積分用の容量素子C51からの放電経路を形成する並列抵抗回路を構成している。
以上のように、本発明の第1の実施例のスイッチ装置Aは、図4の第1の従来例のスイッチ装置Bに対して、急速放電用の抵抗素子R56を積分用の容量素子C51の正極端子と駆動用のスイッチング素子Q52のコレクタ(ハイサイド端子)との間に追加したものに相当している。追加の回路要素は1部品となっている。
次に、上記のように構成されたスイッチ装置Aの動作を図2のタイミングチャート(動作波形図)を参照しながら説明する。図2(a)は本発明の第1の実施例のスイッチ装置Aの立ち上がり特性を示す波形図であり、図2(b)は立ち下がり特性を示す波形図である。
〔1〕<スイッチ制御信号Scの“L”レベル状態>
いま、接続/遮断用のスイッチング素子Q51が非導通状態にあって電源供給ラインL51が遮断されており、負荷回路53に対して直流電源E51からの電力供給が行われていない負荷停止状態にあるとする。このとき、駆動制御回路52においてスイッチ制御信号Scは“L”レベルとなっていて、駆動用のスイッチング素子Q52は非導通状態となっている。したがって、積分用の容量素子C51には充電は行われていない。すなわち、積分用の容量素子C51の両端電圧はゼロであり、接続/遮断用のスイッチング素子Q51の制御電圧(ゲート‐ソース間電圧)もゼロとなっている。
〔2〕<スイッチ制御信号Scの“H”レベルへの立ち上げ>
次に、負荷回路53に直流電源E51からの電力を供給して負荷動作状態にしようとするときは、図2(a)に示すように、スイッチ制御信号Scを“L”レベルから“H”レベルに立ち上げる。すると、駆動用のスイッチング素子Q52がターンオンし、高電位側の入力端子T1pに印加されている直流電源E51により、時定数回路51における積分用の容量素子C51および並列抵抗回路(R51,R52+R56)から駆動用のスイッチング素子Q52の経路で電流が流れる。充放電用の抵抗素子R51の抵抗値と積分用の容量素子C51の容量値とで決まる時定数のもとで積分用の容量素子C51に対する充電が開始される。図2(a)に示すように、スイッチ制御信号Scの立ち上がりタイミングから一定時間約9[ms]が経過した時点で接続/遮断用のスイッチング素子Q51の制御電圧がしきい値電圧を超え、それ以降、接続/遮断用のスイッチング素子Q51からの出力電圧および出力電流が緩やかに増加する。増加が緩やかであるため、負荷回路53の容量性負荷C53への突入電流は抑制される。
〔3〕<接続/遮断用のスイッチング素子Q51のターンオン>
さらに所定の時間(約3[ms])の経過後に接続/遮断用のスイッチング素子Q51が完全にターンオンし、出力電圧が高電位側の入力端子T1pへの印加電圧のレベル(ここでは約24[V])で安定するとともに、出力電流は突入電流(6.6[A])の後、安定化する。この時点では突入電流の影響は緩和され、負荷回路53における容量性負荷C53と抵抗性負荷R53に対しては正常レベルの電流が安定的に供給される。
上記の〔2〕および〔3〕の動作説明のように、本発明の第1の実施例で追加した急速放電用の抵抗素子R56の存在は、スイッチ装置Aの接続状態への立ち上がり初期における動作には影響を与えることがない。つまり、スイッチ装置Aのターンオン時の応答遅れ時間(約12[ms])は図4に示す第1の従来例のターンオン時の応答遅れ時間(約12[ms])とほぼ同じとなる。また、突入電流に対する抑制効果についても遜色がなく、良好である。
〔4〕<スイッチ制御信号Scの“L”レベルへの立ち下げ>
次に、負荷回路53の動作を停止させようとするときは、図2(b)に示すように、スイッチ制御信号Scを“H”レベルから“L”レベルに立ち下げる。すると、駆動用のスイッチング素子Q52がターンオフする。しかし、接続/遮断用のスイッチング素子Q51はすぐにはターンオフしない。それは、積分用の容量素子C51に対して行われた充電によって接続/遮断用のスイッチング素子Q51の制御電圧がしきい値電圧を超える状態を暫時継続するためである。駆動用のスイッチング素子Q52のターンオフによって負極端子が接地ラインL52から切り離された積分用の容量素子C51の充電電荷は、正極端子から負極端子へ向けて放電される。このとき、放電電流の一部は充放電用の抵抗素子R51を通して放電され、放電電流の残りは急速放電用の抵抗素子R56および電流制限用の電流制限用の抵抗素子R52の抵抗直列回路を通しても放電される。したがって、図4の場合の充放電用の抵抗素子R51のみの放電より速く積分用の容量素子C51の蓄積電荷を放出できる。そしてこれに伴って、接続/遮断用のスイッチング素子Q51の制御電圧が急速に降下する。しかし、接続/遮断用のスイッチング素子Q51が導通状態を保つ限りにおいて出力電圧、出力電流はともに“H”レベルに維持される(経過時間121[ms]まで)。この第1の実施例では、充放電用の抵抗素子R51、電流制限用の抵抗素子R52の抵抗値がともに10[kΩ]であり、急速放電用の抵抗素子R56も10[kΩ]となっている。
ちなみに、充放電用の抵抗素子R51と抵抗直列回路(R56+R52)の合成抵抗値Rcを求めると、
Rc=R51・(R56+R52)/(R51+R56+R52)
であり、
R51−Rc=R512 /(R51+R56+R52)>0
∴R51>Rc
のように、合成抵抗値Rcは急速放電用の抵抗素子R56がない図4(第1の従来例)の場合の抵抗値R51よりも小さくなっている。それゆえに、上述したように、第1の実施例によれば、積分用の容量素子C51の蓄積電荷を充放電用の抵抗素子R51のみ場合より速く放出することができるのである。
〔5〕<接続/遮断用のスイッチング素子Q51のターンオフ>
制御電圧がしきい値電圧以下となると、接続/遮断用のスイッチング素子Q51がターンオフする。これにより、直流電源E51から高電位側の入力端子T1pを介して流入していた電流が遮断され、負荷回路53への電源供給が停止される。やがて、積分用の容量素子C51の放電が完了する。なお、接続/遮断用のスイッチング素子Q51の非導通状態は、次にスイッチ制御信号Scが“H”レベルに立ち上がった後、所定のターンオン時の応答遅れ時間が経過するまで保持される。
本発明の第1の実施例のスイッチ装置Aでは、図4に示す第1の従来例に比べてターンオフ時の応答遅れ時間を相当に短縮することが可能となっている。ちなみに、スイッチ装置Aにおいては、図2(b)に示すようにターンオフ時の応答遅れ時間は約121[ms]であり、これは図5(b)に示す第1の従来例(図4)のターンオフ時の応答遅れ時間約187[ms]に比べて大幅に短縮されている(約64.7%への短縮)。
本発明の第1の実施例での対策は、図7に示す複雑な回路構成の時定数回路15をもつ第3の従来例に比べてより簡易な回路構成となっている。また、急速放電用の抵抗素子R56を接続/遮断用のスイッチング素子Q51の直近で付加していることから、次のメリットがある。すなわち、図7の接続/遮断用のスイッチング素子TR11から離れた状態で駆動用のスイッチング素子TR12のベース側に時定数回路15を付加するものに比べると、突入電流やターンオフ時の応答遅れ時間のばらつきを抑制するために行う、接続/遮断用のスイッチング素子Q51の制御電圧の調整がより容易に行える。
また、図4に示す第1の従来例のターンオフ時の応答遅れ時間が長いという問題点を解消することを意図して考えられた図8に示す第4の従来例の場合は、ターンオフ時の応答遅れ時間が約0.8[ms]と大幅に短縮化されている。しかし、そのための追加構成として、急速放電用の抵抗素子R55と急速放電用のスイッチング素子Q53と一方向性通電素子D52の3部品が必要であり、追加部品点数が多いために回路構成の複雑化を招くという問題がある。これに対して本発明の第1の実施例の場合の追加構成は、積分用の容量素子C51の正極端子と駆動用のスイッチング素子Q52のコレクタ(ハイサイド端子)との間に接続した急速放電用の抵抗素子R56の1部品で済んでいて、回路構成の簡易化を図ることができる。
ターンオフ時の応答遅れ時間の短縮の効果については、図8に示す第4の従来例の方が優れている(図9(b)参照)。一例を挙げると、回路定数や定格値を上記と同じにして、図4に示す第1の従来例の場合のターンオフ時の応答遅れ時間は図5(b)のように約187[ms](ミリ秒)であるのに対して、図8に示す第4の従来例の場合は図9(b)のように約0.8[ms]であり、本発明の第1の実施例の場合は図2(b)のように約121[ms]の計測データがある。第4の従来例(図8、図9)によればターンオフ時の応答遅れ時間の大幅な短縮が図られるが、現実的な技術要請はそれほど極端なものでなく、約30〜40%にでも短縮できれば問題のない仕様のスイッチ装置Aにあっては、本発明の第1の実施例で充分満足いく結果が得られる。
以上をまとめると、本発明の第1の実施例によれば、ターンオン時の応答遅れ時間および突入電流抑制作用については図4、図5に示す第1の従来例と遜色がなく、ターンオフ時の応答遅れ時間については図4、図5に示す第1の従来例に比べて相当な短縮を実現し、それでいて部品点数、回路構成の点では図8に示す第4の従来例に比べて簡易化が実現されている。
ところで、図7に示す第3の従来例においては、ターンオフ時の応答遅れ時間短縮のために時定数回路15において積分用の容量素子C13の充電電荷を急速放電するための急速放電用の抵抗素子R16と一方向性通電素子D12が設けられている。しかし、この積分用の容量素子の急速放電のために急速放電用の抵抗素子と一方向性通電素子からなる直列回路の追加対策は、図4に示す第1の従来例の接続/遮断用のスイッチング素子Q51のゲート‐ソース間の積分用の容量素子C51に対しては単純に適用することはできない。本発明の第1の実施例のスイッチ装置Aのターンオン時の応答遅れ時間は図4に示す第1の従来例のターンオン時の応答遅れ時間と変わらない。また、突入電流に対する抑制効果についても遜色がない。
〔第2の実施例〕
次に、図3を参照して本発明にかかわるスイッチ装置の第2の実施例を説明する。図3は本発明の第2の実施例におけるスイッチ装置A′の構成を示す回路図である。
第2の実施例のスイッチ装置A′は、図1に示した第1の実施例のスイッチ装置Aにおいて、一方向性通電素子D51を追加したものに相当する。一方向性通電素子D51としては例えば整流ダイオードが用いられる。一方向性通電素子D51は、その順方向を駆動用のスイッチング素子Q52から積分用の容量素子C51に向かう方向とする状態で、電流制限用の抵抗素子R52に並列に接続されている。すなわち、一方向性通電素子D51のアノードを駆動用のスイッチング素子Q52のコレクタに接続し、そのカソードを積分用の容量素子C51の負極端子に接続している。
一方向性通電素子D51は、積分用の容量素子C51からの放電状態において、電流制限用の抵抗素子R52を短絡的にバイパスする。図1に示す第1の実施例の場合には、積分用の容量素子C51に並列接続の充放電用の抵抗素子R51に対してさらに並列接続されているのは、急速放電用の抵抗素子R56と電流制限用の抵抗素子R52との抵抗直列回路である。これに対して、第2の実施例の場合には、電流制限用の抵抗素子R52に対してこれをバイパス的に短絡する状態で一方向性通電素子D51が並列に接続されているため、積分用の容量素子C51に並列接続の充放電用の抵抗素子R51に対してさらに並列接続されているは、急速放電用の抵抗素子R56のみとなり、電流制限用の抵抗素子R52は切り離された状態となる。
ちなみに、充放電用の抵抗素子R51と急速放電用の抵抗素子R56の合成抵抗値Rc′を求めると、
Rc′=R51・R56/(R51+R56)
である。大小関係を求めると、
Rc−Rc′=R52・R512 /{(R51+R56+R52)・(R51+R56)}>0
∴Rc>Rc′
であり、第1の実施例よりも第2の実施例の方が放電の抵抗がより小さくなっている。したがって、部品点数として一方向性通電素子D51の1部品が増えはするが、接続/遮断用のスイッチング素子Q51のターンオフ時の応答遅れ時間をさらに短縮化することが可能となっている。なお、追加された一方向性通電素子D51は接続/遮断用のスイッチング素子Q51のターンオン時の応答遅れ時間には影響を与えない。
以上、2つの実施例について説明したが、本発明では次のような実施例も含むものである。
一方向性通電素子D51としては整流ダイオードのほかサイリスタであってもよいし、ダイオード接続されたトランジスタであってもよい。バイポーラトランジスタの場合は、コレクタとベースを短絡したものが一方向性通電素子となり、MOS‐FETの場合は、ドレインとゲートを短絡したものが一方向性通電素子となる。
直流電源E51としては、電池(リチウムイオン電池、ニッケル水素電池など)、バッテリ(蓄電池)、太陽電池、燃料電池、DC−DCコンバータ、AC−DCコンバータ、スーパーキャパシタなどどのようなものであってもよい。
負荷回路53としては、容量性負荷と抵抗性負荷を備えたものが一般的であるが、もっぱら容量性負荷が主体のものであってもよい。
本発明は、直流電源と、容量性負荷を含む負荷回路とを接続/遮断するためのスイッチ装置において、急速放電用の抵抗素子を、積分用の容量素子の正極端子と駆動用のスイッチング素子と電流制限用の抵抗素子との接続点との間に配置したことにより、突入電流抑制効果と良好な立ち上がり特性の維持とターンオフ時の応答遅れ時間の短縮の効果とを簡易な構成により実現する技術として有用である。
51 時定数回路
52 駆動制御回路
53 負荷回路
C51 積分用の容量素子
C53 容量性負荷
D51 一方向性通電素子(整流ダイオード)
E51 直流電源
L51 電源供給ライン
L52 接地ライン
Q51 接続/遮断用のスイッチング素子(Pチャネル型のMOS‐FET)
Q52 駆動用のスイッチング素子(NPN型トランジスタ)
R51 充放電用の抵抗素子
R52 電流制限用の抵抗素子
R53 抵抗性負荷
R56 急速放電用の抵抗素子
Sc スイッチ制御信号
T1p 高電位側の入力端子
T1n 低電位側の入力端子
T2p 高電位側の出力端子
T2n 低電位側の出力端子

Claims (4)

  1. 電源供給ラインの途中に挿入された接続/遮断用のスイッチング素子の電流路における入力側端子と制御端子との間に積分用の容量素子と充放電用の抵抗素子とが並列に接続され、前記接続/遮断用のスイッチング素子の制御端子と接地ラインとの間に電流制限用の抵抗素子と駆動用のスイッチング素子の直列回路が接続されたスイッチ装置において、さらに、前記積分用の容量素子の正極端子と、前記駆動用のスイッチング素子と前記電流制限用の抵抗素子との接続点との間に急速放電用の抵抗素子を接続しているスイッチ装置。
  2. さらに、前記電流制限用の抵抗素子に対して、一方向性通電素子が、その順方向を前記駆動用のスイッチング素子から前記積分用の容量素子に向かう方向とする状態で並列に接続されている請求項1に記載のスイッチ装置。
  3. 前記接続/遮断用のスイッチング素子はPチャネル型のMOS‐FETで構成されている請求項1または請求項2に記載のスイッチ装置。
  4. 前記駆動用のスイッチング素子はバイポーラトランジスタで構成されている請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のスイッチ装置。
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