JP2016031279A - 物理量センサー、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体 - Google Patents

物理量センサー、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた検出感度を有する物理量センサーを提供すること、また、かかる物理量センサーを備える圧力センサー、高度計、電子機器および移動体を提供すること。
【解決手段】本発明の物理量センサー1は、一方の面に開口している凹部24を有する基板2と、凹部24の底部を含んでいて、受圧により撓み変形するダイヤフラム部20と、ダイヤフラム部20に配置されているピエゾ抵抗素子5と、基板2の他方の面側でダイヤフラム部20の外周に沿って配置されていて、ダイヤフラム部20に対してダイヤフラム部20の厚さ方向に凹部24の深さdよりも小さい高さhで突出している段差部30と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、物理量センサー、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体に関するものである。
受圧により撓み変形するダイヤフラムを備えた圧力センサーが広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。このような圧力センサーは、一般に、ダイヤフラム上に配置されたセンサー素子でダイヤフラムの撓みを検出することにより、ダイヤフラムに加わった圧力を検出する。
また、このような圧力センサーに用いられるダイヤフラムは、一般に、特許文献1に開示されているように、基板の一方の面に凹部を形成することにより、その基板の凹部により薄肉化された部分を用いて構成されている。そして、このようなダイヤフラムの撓みを検出するセンサー素子がその基板の凹部が開口している側とは反対側の面に配置されている。
ところで、近年、圧力センサーのさらなる小型化が求められている。しかし、特許文献1に係る圧力センサーでは、ダイヤフラムを小型化すると、十分な検出感度を実現することが難しいという問題があった。
特開2011−75400号公報
本発明の目的は、優れた検出感度を有する物理量センサーを提供すること、また、かかる物理量センサーを備える圧力センサー、高度計、電子機器および移動体を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
[適用例1]
本発明の物理量センサーは、一方の面側に開口している凹部を有する基板と、
前記凹部の底部を含んでいて、受圧により撓み変形するダイヤフラム部と、
前記ダイヤフラム部に配置されているセンサー素子と、
前記基板の他方の面側で前記ダイヤフラム部の外周に沿って配置されていて、前記ダイヤフラム部に対して前記ダイヤフラム部の厚さ方向に突出していて、突出量が前記凹部の深さよりも小さい段差部と、
を備え、
前記段差部は、前記ダイヤフラム部の外周縁を基準として前記ダイヤフラム部の中心側に向かって−5μm以上15μm以下の範囲内にあることを特徴とする。
このような物理量センサーによれば、ダイヤフラム部が受圧により撓み変形したとき、ダイヤフラム部の段差部との間の境界部分に応力を集中させることができる。そのため、かかる境界部分にセンサー素子を配置することにより、検出感度を向上させることができる。
[適用例2]
本発明の物理量センサーでは、前記ダイヤフラム部の前記一方の面側の面が受圧面であるとが好ましい。
これにより、基板の凹部が開口している側とは反対側の面に、半導体製造プロセスを用いて圧力基準室および段差部を容易に形成することができる。
[適用例3]
本発明の物理量センサーでは、前記センサー素子は、前記ダイヤフラム部の厚さ方向の中心よりも前記他方の面側に配置されていることが好ましい。
これにより、ダイヤフラム部の受圧により応力が集中する部分にセンサー素子を配置することができ、その結果、検出感度を向上させることができる。また、基板の凹部が開口している側の面にセンサー素子を配置する場合に比べて、センサー素子を簡単かつ高精度に形成することができる。
[適用例4]
本発明の物理量センサーでは、前記センサー素子は、前記ダイヤフラム部の中心よりも前記段差部側に配置されていることが好ましい。
これにより、ダイヤフラム部の受圧により応力が集中する部分にセンサー素子を配置することができ、その結果、検出感度を向上させることができる。
[適用例5]
本発明の物理量センサーでは、前記段差部は、前記基板とは別体の層で構成されていることが好ましい。
これにより、適宜な高さの段差部を簡単かつ高精度に形成することができる。
[適用例6]
本発明の物理量センサーでは、前記別体の層は、多結晶シリコンを含んで構成されていることが好ましい。
これにより、成膜法を用いて段差部を簡単かつ高精度に形成することができる。また、シリコン基板を用いてダイヤフラム部を形成した場合、段差部とダイヤフラム部との間の線膨張係数差を小さくすることができ、その結果、物理量センサーの温度特性を優れたものとすることができる。
[適用例7]
本発明の物理量センサーでは、前記基板の前記他方の面側に配置されている圧力基準室を備えることが好ましい。
これにより、圧力基準室内の圧力を基準として圧力を検出することができる。また、基板の凹部が開口している側とは反対側の面に、半導体製造プロセスを用いて圧力基準室を容易に形成することができる。
[適用例8]
本発明の物理量センサーでは、前記圧力基準室の側壁部は、前記別体の層に接続していることが好ましい。
これにより、段差部と圧力基準室の側壁部との間の隙間を無くし、犠牲層エッチングにより圧力基準室を形成する際に用いるエッチング液の不本意な挙動を低減することができる。
[適用例9]
本発明の物理量センサーでは、前記ダイヤフラム部の幅が50μm以上300μm以下の範囲内にあることが好ましい。
これにより、ダイヤフラム部が受圧により撓み変形したとき、ダイヤフラム部の段差部との間の境界部分に応力を効果的に集中させることができる。
[適用例10]
本発明の圧力センサーは、本発明の物理量センサーを備えることを特徴とする。
これにより、優れた検出感度を有する圧力センサーを提供することができる。
[適用例11]
本発明の高度計は、本発明の物理量センサーを備えることを特徴とする。
これにより、優れた検出感度を有する物理量センサーを備える高度計を提供することができる。
[適用例12]
本発明の電子機器は、本発明の物理量センサーを備えることを特徴とする。
これにより、優れた検出感度を有する物理量センサーを備える電子機器を提供することができる。
[適用例13]
本発明の移動体は、本発明の物理量センサーを備えることを特徴とする。
これにより、優れた検出感度を有する物理量センサーを備える移動体を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。 図1に示す物理量センサーのピエゾ抵抗素子の配置を示す拡大平面図である。 図1に示す物理量センサーの作用を説明するための図であって、(a)は加圧状態を示す断面図、(b)は加圧状態を示す平面図である。 図1に示す物理量センサーが備える段差部を説明するための模式図である。 段差部の高さと検出感度との関係を示すグラフである。 段差部の端位置と検出感度との関係を示すグラフである。 図1に示す物理量センサーの製造工程を示す図である。 図1に示す物理量センサーの製造工程を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る物理量センサーのピエゾ抵抗素子の配置を示す拡大平面図である。 本発明の圧力センサーの一例を示す断面図である。 本発明の高度計の一例を示す斜視図である。 本発明の電子機器の一例を示す正面図である。 本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の物理量センサー、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体を添付図面に示す各実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.物理量センサー
<第1実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る物理量センサーを示す断面図、図2は、図1に示す物理量センサーのピエゾ抵抗素子の配置を示す拡大平面図である。また、図3は、図1に示す物理量センサーの作用を説明するための図であって、図3(a)は加圧状態を示す断面図、図3(b)は加圧状態を示す平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1中の上側を「上」、下側を「下」という。
図1に示す物理量センサー1は、ダイヤフラム部20を有する基板2と、ダイヤフラム部20に配置されている複数のピエゾ抵抗素子5(センサー素子)と、段差形成層3およびダイヤフラム部20とともに空洞部S(圧力基準室)を形成している積層構造体6と、基板2と積層構造体6との間に配置されている段差形成層3と、を備えている。
以下、物理量センサー1を構成する各部を順次説明する。
−基板−
基板2は、半導体基板21と、半導体基板21の一方の面上に設けられた絶縁膜22と、絶縁膜22の半導体基板21とは反対側の面上に設けられた絶縁膜23と、を有している。
半導体基板21は、単結晶シリコンで構成されているシリコン層211(ハンドル層)と、シリコン酸化膜で構成されている酸化シリコン層212(ボックス層)と、単結晶シリコンで構成されているシリコン層213(デバイス層)とがこの順で積層されたSOI基板である。なお、半導体基板21は、SOI基板に限定されず、例えば、単結晶シリコン基板等の他の半導体基板であってもよい。
絶縁膜22は、例えば、シリコン酸化膜であり、絶縁性を有する。また、絶縁膜23は、例えば、シリコン窒化膜であり、絶縁性を有するとともに、フッ酸を含むエッチング液に対する耐性をも有する。ここで、半導体基板21(シリコン層213)と絶縁膜23(シリコン窒化膜)との間に絶縁膜22(シリコン酸化膜)が介在していることにより、絶縁膜23の成膜時に生じた応力が半導体基板21に伝わるのを絶縁膜22により緩和することができる。また、絶縁膜22は、半導体基板21およびその上方に半導体回路を形成する場合、素子間分離膜として用いることもできる。なお、絶縁膜22、23は、前述した構成材料に限定されず、また、必要に応じて、絶縁膜22、23のうちのいずれか一方を省略してもよい。
このような基板2の絶縁膜23上には、パターニングされた段差形成層3が配置されている。この段差形成層3は、平面視でダイヤフラム部20の周囲を囲むように形成されており、段差形成層3の上面と基板2の上面との間であって、ダイヤフラム部20の中心側(内側)に、段差形成層3の厚さ分の段差部30を形成する。
この段差形成層3は、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン(ポリシリコン)またはアモルファスシリコンで構成されている。また、段差形成層3は、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン(ポリシリコン)またはアモルファスシリコンにリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)して構成されていてもよい。この場合、段差形成層3は、導電性を有するため、例えば、空洞部Sの外側において基板2上にMOSトランジスタを形成する場合、段差形成層3の一部をMOSトランジスタのゲート電極として用いることができる。また、段差形成層3の一部を配線として用いることもできる。なお、段差部30については、後に詳述する。
このような基板2には、周囲の部分よりも薄肉であり、受圧によって撓み変形するダイヤフラム部20が設けられている。ダイヤフラム部20は、半導体基板21の下面に有底の凹部24を設けることで形成されている。すなわち、ダイヤフラム部20は、基板2の一方の面に開口している凹部24の底部を含んで構成されている。このダイヤフラム部20は、その下面が受圧面25となっている。本実施形態では、図2に示すように、ダイヤフラム部20は、正方形の平面視形状である。
本実施形態の基板2では、凹部24がシリコン層211を貫通しており、ダイヤフラム部20が酸化シリコン層212、シリコン層213、絶縁膜22および絶縁膜23の4層で構成されている。ここで、酸化シリコン層212は、後述するように、物理量センサー1の製造工程において凹部24をエッチングにより形成する際にエッチングストップ層として利用することができ、ダイヤフラム部20の厚さの製品ごとのバラツキを少なくすることができる。
なお、凹部24がシリコン層211を貫通せず、ダイヤフラム部20がシリコン層211の薄肉部、酸化シリコン層212、シリコン層213、絶縁膜22および絶縁膜23の5層で構成されていてもよい。
−ピエゾ抵抗素子−
複数のピエゾ抵抗素子5は、図1に示すように、それぞれ、ダイヤフラム部20の厚み方向の中心よりも空洞部S側に形成されている。ここで、ピエゾ抵抗素子5は、半導体基板21のシリコン層213に形成されている。
図2に示すように、複数のピエゾ抵抗素子5は、ダイヤフラム部20の外周部に配置されている複数のピエゾ抵抗素子5a、5b、5c、5dで構成されている。
基板2の厚さ方向から平面視(以下、単に「平面視」という)で四角形をなすダイヤフラム部20の4つの辺にそれぞれ対応して、ピエゾ抵抗素子5a、ピエゾ抵抗素子5b、ピエゾ抵抗素子5c、ピエゾ抵抗素子5dが配置されている。
ピエゾ抵抗素子5aは、ダイヤフラム部20の対応する辺に対して垂直な方向に沿って延びている。そして、ピエゾ抵抗素子5aの両端部には、1対の配線214aが電気的に接続されている。同様に、ピエゾ抵抗素子5bは、ダイヤフラム部20の対応する辺に対して垂直な方向に沿って延びている。そして、ピエゾ抵抗素子5bの両端部には、1対の配線214bが電気的に接続されている。
一方、ピエゾ抵抗素子5cは、ダイヤフラム部20の対応する辺に対して平行な方向に沿って延びている。そして、ピエゾ抵抗素子5cの両端部には、1対の配線214cが電気的に接続されている。同様に、ピエゾ抵抗素子5dは、ダイヤフラム部20の対応する辺に対して平行な方向に沿って延びている。そして、ピエゾ抵抗素子5dの両端部には、1対の配線214dが電気的に接続されている。
なお、以下では、配線214a、214b、214c、214dをまとめて「配線214」ともいう。
このようなピエゾ抵抗素子5および配線214は、それぞれ、例えば、リン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)したシリコン(単結晶シリコン)で構成されている。ここで、配線214における不純物のドープ濃度は、ピエゾ抵抗素子5における不純物のドープ濃度よりも高い。なお、配線214は、金属で構成されていてもよい。
また、複数のピエゾ抵抗素子5は、例えば、自然状態における抵抗値が互いに等しくなるように構成されている。
以上説明したようなピエゾ抵抗素子5は、配線214等を介して、ブリッジ回路(ホイートストンブリッジ回路)を構成している。このブリッジ回路には、駆動電圧を供給する駆動回路(図示せず)が接続されている。そして、このブリッジ回路では、ピエゾ抵抗素子5の抵抗値に応じた信号(電圧)として出力される。
−積層構造体−
積層構造体6は、前述した基板2との間に空洞部Sを画成するように形成されている。ここで、積層構造体6は、ダイヤフラム部20のピエゾ抵抗素子5側に配置されていてダイヤフラム部20とともに空洞部S(圧力基準室)を構成している「壁部」である。
この積層構造体6は、基板2上に平面視でピエゾ抵抗素子5を取り囲むように形成された層間絶縁膜61と、層間絶縁膜61上に形成された配線層62と、配線層62および層間絶縁膜61上に形成された層間絶縁膜63と、層間絶縁膜63上に形成され、複数の細孔642(開孔)を備えた被覆層641を有する配線層64と、配線層64および層間絶縁膜63上に形成された表面保護膜65と、被覆層641上に設けられた封止層66とを有している。
層間絶縁膜61、63は、それぞれ、例えば、シリコン酸化膜で構成されている。また、配線層62、64および封止層66は、それぞれ、アルミニウム等の金属で構成されている。また、封止層66は、被覆層641が有する細孔642を封止している。また、表面保護膜65は、例えば、シリコン窒化膜である。ここで、配線層62、64は、それぞれ、平面視で空洞部Sを囲むように形成されている部分を含んでいる。
このような積層構造体6は、CMOSプロセスのような半導体製造プロセスを用いて形成することができる。なお、シリコン層213上およびその上方には、半導体回路が作り込まれていてもよい。この半導体回路は、MOSトランジスタ等の能動素子、その他必要に応じて形成されたコンデンサ、インダクタ、抵抗、ダイオード、配線(ピエゾ抵抗素子5に接続されている配線を含む)等の回路要素を有している。
基板2と積層構造体6とによって画成された空洞部Sは、密閉された空間である。この空洞部Sは、物理量センサー1が検出する圧力の基準値となる圧力基準室として機能する。本実施形態では、空洞部Sが真空状態(300Pa以下)となっている。空洞部Sを真空状態とすることによって、物理量センサー1を、真空状態を基準として圧力を検出する「絶対圧センサー」として用いることができ、その利便性が向上する。
ただし、空洞部Sは、真空状態でなくてもよく、大気圧であってもよいし、大気圧よりも気圧が低い減圧状態であってもよいし、大気圧よりも気圧が高い加圧状態であってもよい。また、空洞部Sには、窒素ガス、希ガス等の不活性ガスが封入されていてもよい。
以上、物理量センサー1の構成について簡単に説明した。
このような構成の物理量センサー1は、図3(a)に示すように、ダイヤフラム部20の受圧面25が受ける圧力に応じて、ダイヤフラム部20が変形し、これにより、図3(b)に示すように、ピエゾ抵抗素子5a、5b、5c、5dが歪み、ピエゾ抵抗素子5a、5b、5c、5dの抵抗値が変化する。それに伴って、ピエゾ抵抗素子5a、5b、5c、5dが構成するブリッジ回路の出力が変化し、その出力に基づいて、受圧面25で受けた圧力の大きさを求めることができる。
より具体的に説明すると、前述したようなダイヤフラム部20の変形が生じる前の自然状態では、例えば、ピエゾ抵抗素子5a、5b、5c、5dの抵抗値が互いに等しい場合、ピエゾ抵抗素子5a、5bの抵抗値の積とピエゾ抵抗素子5c、5dの抵抗値の積とが等しく、ブリッジ回路の出力(電位差)はゼロとなる。
一方、前述したようなダイヤフラム部20の変形が生じると、図3(b)に示すように、ピエゾ抵抗素子5a、5bにその長手方向に沿った圧縮歪みおよび幅方向に沿った引張歪みが生じるとともに、ピエゾ抵抗素子5c、5dその長手方向に沿った引張歪みおよびその幅方向に沿った圧縮歪みが生じる。したがって、前述したようなダイヤフラム部20の変形が生じたとき、ピエゾ抵抗素子5a、5bの抵抗値とピエゾ抵抗素子5c、5dの抵抗値とのうち、一方の抵抗値が増加し、他方の抵抗値が減少する。
このようなピエゾ抵抗素子5a、5b、5c、5dの歪みにより、ピエゾ抵抗素子5a、5bの抵抗値の積とピエゾ抵抗素子5c、5dの抵抗値の積との差が生じ、その差に応じた出力(電位差)がブリッジ回路から出力される。このブリッジ回路からの出力に基づいて、受圧面25で受けた圧力の大きさ(絶対圧)を求めることができる。
ここで、前述したようなダイヤフラム部20の変形が生じたとき、ピエゾ抵抗素子5a、5bの抵抗値とピエゾ抵抗素子5c、5dの抵抗値とのうち、一方の抵抗値が増加し、他方の抵抗値が減少するため、ピエゾ抵抗素子5a、5bの抵抗値の積とピエゾ抵抗素子5c、5dの抵抗値の積との差の変化を大きくすることができ、それに伴って、ブリッジ回路からの出力を大きくすることができる。その結果、圧力の検出感度を高めることができる。
(段差部)
以下、段差部30について詳述する。
図4は、図1に示す物理量センサーが備える段差部を説明するための模式図である。また、図5は、段差部の高さと検出感度との関係を示すグラフ、図6は、段差部の端位置と検出感度との関係を示すグラフである。
前述したように、段差部30は、基板2上に配置された段差形成層3により形成されており、基板2の上面側でダイヤフラム部20の外周に沿って配置されている。本実施形態では、段差部30は、ダイヤフラム部20の外周の全域にわたって配置されている。なお、図示では、平面視において、段差部30とダイヤフラム部20の外周部との間の距離がダイヤフラム部20の全周にわたって一定であるが、かかる距離がダイヤフラム部20の周方向での一部において異なる部分を有していてもよい。
図4に示すように、段差部30は、ダイヤフラム部20に対してダイヤフラム部20の厚さ方向(上側)に突出していて、段差部30の高さ(その突出量)が凹部24の深さdよりも小さい。このような段差部30がダイヤフラム部20の外周近傍に配置されていることにより、ダイヤフラム部20が図4中の二点鎖線で示すように受圧により撓み変形したとき、ダイヤフラム部20の段差部30との間の境界部分に応力を集中させることができる(図4(a)参照)。そのため、かかる境界部分(またはその付近)にピエゾ抵抗素子5を配置することにより、検出感度を向上させることができる。
ここで、段差形成層3は、段差部30の高さhが比較的低く、かつ、段差部30の位置Xがダイヤフラム部20の外周縁近傍である。これにより、ダイヤフラム部20の受圧による必要な撓み変形を許容しつつ、ダイヤフラム部20の外周部またはその近傍部に受圧時の応力集中を生じさせる。言い換えると、段差形成層3は、ダイヤフラム部20の外周部またはその近傍部において、ダイヤフラム部20の受圧による撓み変形を適度に規制することにより、ダイヤフラム部20の受圧時に応力集中を効率的に生じさせる。
図5に示すように、段差部30の高さhが3800Å以下であるとき、段差部30を設けない場合に比べて検出感度が向上する。また、図5に示す結果では、段差部30の高さhが2000Åであるとき、最も検出感度が向上する。図5に示す結果から、段差部30の高さhは、1Å以上3800Å以下の範囲内にあればよいが、1000Å以上3000Å以下であることが好ましく、1500Å以上2500Å以下であることがより好ましい。これにより、ダイヤフラム部20が受圧により撓み変形したとき、ダイヤフラム部20の段差部30との間の境界部分に応力を効果的に集中させることができる。その結果、ダイヤフラム部20の小型化を図っても、優れた検出感度を実現することができる。
なお、図5に示すグラフは、段差形成層3がポリシリコンで構成され、ダイヤフラム部20の外周位置を基準とした段差部30の位置X(以下、単に「段差部30の位置X」という)が0μmであり、ダイヤフラム部20の幅(平面視でのダイヤフラム部20の縁部から対向する縁部までの距離)が150μmであり、ダイヤフラム部20の厚さが3μmである場合のシミュレーション結果である。ここで、「段差部30の位置X」は、ダイヤフラム部20の外周縁(図中の「0」の位置)を基準としてダイヤフラム部20の中心側に向かう位置であって、ダイヤフラム部20の外周縁に対してダイヤフラム部20の中心側を「+」、外側を「−」とした場合の段差部30(段差形成層3の内側端)の位置である。また、図5における「主応力の気圧感度」は、受圧時にダイヤフラム部20の上面の最も応力が大きくなる部分に基づく検出感度である。
これに対し、段差部30の高さhが低すぎると、段差形成層3の構成材料や弾性率、段差部30の位置X等によっては、ダイヤフラム部20の受圧による撓み変形に伴う応力集中を効果的に生じさせることが難しく、検出感度の向上の効果が著しく小さくなる傾向を示す。一方、段差部30の高さhが高すぎると、段差形成層3の構成材料や弾性率、段差部30の位置X等によっては、ダイヤフラム部20の受圧による撓み変形を阻害してしまい、かえって検出感度を低下させてしまう。
また、図6に示すように、段差部30の位置Xが−5μm以上15μm以下であるとき、段差部30を設けない場合に比べて検出感度が効果的に向上する。図6に示す結果から、段差部30の位置Xは、−5μm以上15μm以下であればよいが、−2μm以上15μm以下であることが好ましく、−1μm以上10μm以下であることがより好ましく、−0.5μm以上5μm以下であることがさらに好ましい。これにより、ダイヤフラム部20が受圧により撓み変形したとき、ダイヤフラム部20の段差部30との間の境界部分に応力を効果的に集中させることができる。その結果、ダイヤフラム部20の小型化を図っても、優れた検出感度を実現することができる。
なお、図6に示すグラフは、段差形成層3がポリシリコンで構成され、段差部30の高さhが3000Åであり、ダイヤフラム部20の幅(平面視でのダイヤフラム部20の縁部から対向する縁部までの距離)が150μmであり、ダイヤフラム部20の厚さが3μmである場合のシミュレーション結果である。ここで、図6における「主応力の気圧感度」は、受圧時にダイヤフラム部20の上面の最も応力が大きくなる部分に基づく検出感度である。
これに対し、段差部30の位置Xが小さすぎると、ダイヤフラム部20の受圧による撓み変形に伴う応力集中を効果的に生じさせることが難しく、検出感度の向上の効果が著しく小さくなる傾向を示す(図4(b)参照)。一方、段差部30の位置Xが大きすぎると、段差形成層3の構成材料や弾性率、段差部30の高さh等によっては、ダイヤフラム部20の受圧による撓み変形を阻害してしまい、かえって検出感度を低下させてしまう(図4(c)参照)。
ここで、このような図5および図6に示す結果からもわかるように、段差部30の位置Xが前述した範囲内であれば、図5に示す結果と同様の結果が得られるし、段差部30の高さhが前述したような範囲内であれば、図6に示す結果と同様の結果が得られる。また、ダイヤフラム部20の厚さが1μm以上8μm以下の範囲内にある場合や、ダイヤフラム部20の幅が50μm以上300μm以下の範囲内にある場合も、図5および図6に示す結果と同様の結果が得られることがシミュレーションにより確認されている。
このようなことから、ダイヤフラム部20の厚さが1μm以上8μm以下の範囲内にあることが好ましく、また、ダイヤフラム部20の幅が50μm以上300μm以下の範囲内にあることが好ましい。言い換えると、ダイヤフラム部20の厚さは、段差部30の高さhに対して、3倍以上27倍以下であることが好ましく、また、ダイヤフラム部20の幅は、段差部30の高さhに対して、160倍以上1000倍以下であることが好ましい。これにより、ダイヤフラム部20が受圧により撓み変形したとき、ダイヤフラム部20の段差部30との間の境界部分に応力を効果的に集中させることができる。
また、段差部30は、基板2とは別体の層である段差形成層3で構成されているため、適宜な高さの段差部30を簡単かつ高精度に形成することができる。特に、段差形成層3を多結晶シリコンで構成することにより、成膜法を用いて段差部30を簡単かつ高精度に形成することができる。また、段差形成層3を多結晶シリコンで構成すると、シリコン基板を用いてダイヤフラム部20を形成した場合、段差部30とダイヤフラム部20との間の線膨張係数差を小さくすることができ、その結果、物理量センサー1の温度特性を優れたものとすることができる。
なお、段差形成層3の構成材料は、前述したように、単結晶シリコンまたはアモルファスシリコンであってもよいし、シリコン以外の材料であってもよいが、線膨張係数やヤング率が基板2の主たる構成材料(シリコン単結晶)に近いものであることが好ましい。具体的には、段差形成層3の構成材料の線膨張係数は、1×10−7/K−1以上1×10−5/K−1以下であることが好ましく、1×10−6/K−1以上1×10−5/K−1以下であることがより好ましく、1×10−6/K−1以上5×10−6/K−1以下であることがさらに好ましい。また、段差形成層3の構成材料のヤング率は、1×1010Pa以上1×1012Pa以下であることが好ましく、5×1010Pa以上5×1011Pa以下であることがより好ましい。
このような段差部30を有する物理量センサー1において、ピエゾ抵抗素子5は、ダイヤフラム部20の厚み方向の中心よりも受圧面25とは反対側に配置されていて、ダイヤフラム部20の中心よりも段差部30側に偏在している。すなわち、ピエゾ抵抗素子5は、ダイヤフラム部20の段差部30の近くに配置されている。これにより、ダイヤフラム部20の受圧により応力が集中する部分にピエゾ抵抗素子5を配置することができ、その結果、検出感度を向上させることができる。また、基板2の凹部24が開口している側の面にピエゾ抵抗素子(センサー素子)を配置する場合に比べて、ピエゾ抵抗素子5を簡単かつ高精度に形成することができる。
また、ピエゾ抵抗素子5は、前述したようにダイヤフラム部20の受圧により応力が集中する部分またはその近傍に配置されていればよく、具体的には、段差部30からダイヤフラム部20の中心側へ10μm以内の領域内に配置されていることが好ましい。
また、前述したようにダイヤフラム部20の下面を受圧面25とし、基板2の上面側に空洞部Sを配置することにより、基板2の凹部24が開口している側とは反対側の面に、後に詳述するように半導体製造プロセスを用いて空洞部Sおよび段差部30を容易に形成することができる。
また、図1に示すように、空洞部Sの側壁部(平面視で配線層62、64の空洞部Sを囲んでいる部分)が段差形成層3の上面に接続しているため、段差部30と空洞部Sの側壁部との間の隙間を無くし、後述する犠牲層エッチングにより空洞部Sを形成する際に用いるエッチング液の不本意な挙動を低減することができる。
(物理量センサーの製造方法)
次に、物理量センサー1の製造方法を簡単に説明する。
図7および図8は、図1に示す物理量センサーの製造工程を示す図である。以下、物理量センサー1の製造方法を、これらの図に基づいて説明する。
[歪検出素子形成工程]
まず、図7(a)に示すように、SOI基板である半導体基板21を用意する。
そして、半導体基板21のシリコン層213にリン(n型)またはボロン(p型)等の不純物をドープ(イオン注入)することにより、図7(b)に示すように、複数のピエゾ抵抗素子5および配線214を形成する。
例えば、ボロンを+80keVでイオン注入を行う場合、ピエゾ抵抗素子5へのイオン注入濃度を1×1014atoms/cm程度とする。また、配線214へのイオン注入濃をピエゾ抵抗素子5よりも多くする。例えば、ボロンを10keVでイオン注入を行う場合、配線214へのイオン注入濃度を5×1015atoms/cm程度とする。また、前述したようなイオン注入の後、例えば、1000℃程度で20分程度のアニールを行う。
[絶縁膜等形成工程]
次に、図7(c)に示すように、シリコン層213上に絶縁膜22、絶縁膜23および段差形成層3をこの順で形成する。
絶縁膜22、23の形成は、それぞれ、例えば、スパッタリング法、CVD法等により行うことができる。段差形成層3は、例えば、多結晶シリコンをスパッタリング法、CVD法等により成膜した後、その膜に必要に応じてリン、ボロン等の不純物をドープ(イオン注入)し、その後、エッチングによりパターニングすることで形成することができる。
[層間絶縁膜・配線層形成工程]
次に、図7(d)に示すように、絶縁膜23上に、犠牲層41、配線層62、犠牲層42および配線層64をこの順で形成する。
この犠牲層41、42は、それぞれ、後述する空洞部形成工程により一部が除去され、残部が層間絶縁膜61、63となるものである。犠牲層41、42の形成は、それぞれ、シリコン酸化膜をスパッタリング法、CVD法等により形成し、そのシリコン酸化膜をエッチングによりパターンニングすることにより行う。
また、犠牲層41、42の厚さは、それぞれ、特に限定されないが、例えば、1500nm以上5000nm以下程度とされる。
また、配線層62、64の形成は、それぞれ、例えばアルミニウムよりなる層をスパッタリング法、CVD法等により形成した後、パターニング処理することにより行う。
ここで、配線層62、64の厚さは、それぞれ、特に限定されないが、例えば、300nm以上900nm以下程度とされる。
このような犠牲層41、42および配線層62、64からなる積層構造は、通常のCMOSプロセスを用いて形成され、その積層数は、必要に応じて適宜に設定される。すなわち、必要に応じてさらに多くの犠牲層や配線層が積層される場合もある。
[空洞部形成工程]
次に、犠牲層41、42の一部を除去することにより、図8(e)に示すように、半導体基板21と被覆層641との間に空洞部S(キャビティ)を形成する。これにより、層間絶縁膜61、63が形成される。
空洞部Sの形成は、被覆層641に形成された複数の細孔642を通じたエッチングにより、犠牲層41、42の一部を除去することにより行う。ここで、かかるエッチングとしてウェットエッチングを用いる場合、複数の細孔642からフッ酸、緩衝フッ酸等のエッチング液を供給し、ドライエッチングを用いる場合、複数の細孔642からフッ化水素酸ガス等のエッチングガスを供給する。このようなエッチングの際、絶縁膜23がエッチングストップ層として機能する。また、絶縁膜23は、エッチング液に対する耐性を有することから、絶縁膜23に対して下側の構成部(例えば、絶縁膜22、ピエゾ抵抗素子5、配線214等)をエッチング液から保護する機能をも有する。
ここで、かかるエッチングの前に、スパッタリング法、CVD法等により表面保護膜65を形成する。これにより、かかるエッチングの際、犠牲層41、42の層間絶縁膜61、62となる部分を保護することができる。表面保護膜65の構成材料としては、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリイミド膜、エポキシ樹脂膜など、素子を水分、ゴミ、傷などから保護するための耐性を有するものが挙げられ、特に、シリコン窒化膜が好適である。表面保護膜65の厚さは、特に限定されないが、例えば、500nm以上2000nm以下程度とされる。
[封止工程]
次に、図8(f)に示すように、被覆層641上に、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、Al、Cu、W、Ti、TiN等の金属膜等からなる封止層66をスパッタリング法、CVD法等により形成し、各細孔642を封止する。これより、空洞部Sが封止層66により封止され、積層構造体6を得る。
ここで、封止層66の厚さは、特に限定されないが、例えば、1000nm以上5000nm以下程度とされる。
[ダイヤフラム形成工程]
次に、シリコン層211の下面を必要に応じて研削した後、シリコン層211の下面の一部をエッチングにより除去(加工)することにより、図8(g)に示すように、凹部24を形成する。これにより、空洞部Sを介して被覆層641に対向するダイヤフラム部20が形成される。
ここで、シリコン層211の下面の一部を除去する際、酸化シリコン層212がエッチングストップ層として機能する。これにより、ダイヤフラム部20の厚さを高精度に規定することができる。
なお、シリコン層211の下面の一部を除去する方法としては、ドライエッチングであっても、ウェットエッチング等であってもよい。
以上のような工程により、物理量センサー1を製造することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図9は、本発明の第2実施形態に係る物理量センサーのピエゾ抵抗素子の配置を示す拡大平面図である。
以下、本発明の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第2実施形態は、空洞部の天井部の構成およびその製造方法が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図9に示す物理量センサー1Aは、絶縁膜23上に配置された段差形成層3Aを備えている。この段差形成層3Aは、ダイヤフラム部20の外周に沿って配置された複数の段差部30Aを有している。本実施形態では、各段差部30Aは、平面視で四角形をなすダイヤフラム部20の各辺の途中にのみ対応して設けられている。すなわち、本実施形態では、各段差部30Aが各ピエゾ抵抗素子5の配置に対応して設けられている。このように複数の段差部30Aを配置することにより、ダイヤフラム部20のピエゾ抵抗素子5が配置されている部分以外の部分において、段差部30Aによりダイヤフラム部20の受圧による撓み変形を阻害してしまうのを低減することができる。そのため、検出感度をより向上することができる。
2.圧力センサー
次に、本発明の物理量センサーを備える圧力センサー(本発明の圧力センサー)ついて説明する。図10は、本発明の圧力センサーの一例を示す断面図である。
図10に示すように、本発明の圧力センサー100は、物理量センサー1と、物理量センサー1を収納する筐体101と、物理量センサー1から得た信号を圧力データに演算する演算部102とを備えている。物理量センサー1は、配線103を介して演算部102と電気的に接続されている。
物理量センサー1は、筐体101の内側に、図示しない固定手段により固定されている。また、筐体101には、物理量センサー1のダイヤフラム部20が、例えば大気(筐体101の外側)と連通するための貫通孔104を有している。
このような圧力センサー100によれば、貫通孔104を介してダイヤフラム部20が圧力を受ける。この受圧した信号を配線103を介して演算部に送信し、圧力データに演算する。この演算された圧力データは、図示しない表示部(例えば、パーソナルコンピューターのモニター等)を介して表示することができる。
3.高度計
次に、本発明の物理量センサーを備える高度計(本発明の高度計)の一例について説明する。図11は、本発明の高度計の一例を示す斜視図である。
高度計200は、腕時計のように、手首に装着することができる。また、高度計200の内部には、物理量センサー1(圧力センサー100)が搭載されており、表示部201に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。
なお、この表示部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる。
4.電子機器
次に、本発明の物理量センサーを備える電子機器を適用したナビゲーションシステムについて説明する。図12は、本発明の電子機器の一例を示す正面図である。
ナビゲーションシステム300には、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、物理量センサー1と、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部301とを備えている。
このナビゲーションシステムによれば、取得した位置情報に加えて高度情報を取得することができる。高度情報を得ることにより、例えば、一般道路と位置情報上は略同一の位置を示す高架道路を走行する場合、高度情報を持たない場合には、一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかナビゲーションシステムでは判断できず、優先情報として一般道路の情報を使用者に提供してしまっていた。そこで、本実施形態に係るナビゲーションシステム300では、高度情報を物理量センサー1によって取得することができ、一般道路から高架道路へ進入することによる高度変化を検出し、高架道路の走行状態におけるナビゲーション情報を使用者に提供することができる。
なお、表示部301は、例えば液晶パネルディスプレイや、有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなど、小型かつ薄型化が可能な構成となっている。
なお、本発明の物理量センサーを備える電子機器は、上記のものに限定されず、例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター等に適用することができる。
5.移動体
次いで、本発明の物理量センサーを適用した移動体(本発明の移動体)について説明する。図13は、本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
図13に示すように、移動体400は、車体401と、4つの車輪402とを有しており、車体401に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪402を回転させるように構成されている。このような移動体400には、ナビゲーションシステム300(物理量センサー1)が内蔵されている。
以上、本発明の物理量センサー、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
前述した実施形態では、段差部を、ダイヤフラム部を有する基板とは別体の層で形成する場合を例に説明したが、これに限定されず、ダイヤフラム部を有する基板と一体で段差部を形成してもよい。
また、1つのダイヤフラム部に設けられるピエゾ抵抗素子の数は、前述した実施形態では4つである場合を例に説明したが、これに限定されず、例えば、1つ以上3つ以下、または、5つ以上であってもよい。また、ピエゾ抵抗素子の配置や形状等も前述した実施形態に限定されず、例えば、前述した実施形態において、ダイヤフラム部の中央部にもピエゾ抵抗素子を配置してもよい。
また、前述した実施形態では、ダイヤフラム部の撓みを検出するセンサー素子としてピエゾ抵抗素子を用いた場合を例に説明したが、かかる素子としては、これに限定されず、例えば、共振子であってもよい。
また、前述した実施形態では、ダイヤフラム部を有する基板の凹部が形成されている側と反対側に圧力基準室を設けた場合を例に説明したが、かかる基板の凹部側の面に圧力基準室を形成してもよい。この場合、例えば、かかる基板の凹部を封鎖するように他の基板を接合して圧力基準室を形成することができる。
1‥‥物理量センサー
1A‥‥物理量センサー
2‥‥基板
3‥‥段差形成層
3A‥‥段差形成層
5‥‥ピエゾ抵抗素子(センサー素子)
5a‥‥ピエゾ抵抗素子(センサー素子)
5b‥‥ピエゾ抵抗素子(センサー素子)
5c‥‥ピエゾ抵抗素子(センサー素子)
5d‥‥ピエゾ抵抗素子(センサー素子)
6‥‥積層構造体
20‥‥ダイヤフラム部
21‥‥半導体基板
22‥‥絶縁膜
23‥‥絶縁膜
24‥‥凹部
25‥‥受圧面
30‥‥段差部
30A‥‥段差部
41‥‥犠牲層
42‥‥犠牲層
61‥‥層間絶縁膜
62‥‥配線層
63‥‥層間絶縁膜
64‥‥配線層
65‥‥表面保護膜
66‥‥封止層
100‥‥圧力センサー
101‥‥筐体
102‥‥演算部
103‥‥配線
104‥‥貫通孔
200‥‥高度計
201‥‥表示部
211‥‥シリコン層
212‥‥酸化シリコン層
213‥‥シリコン層
214‥‥配線
214a‥‥配線
214b‥‥配線
214c‥‥配線
214d‥‥配線
300‥‥ナビゲーションシステム
301‥‥表示部
400‥‥移動体
401‥‥車体
402‥‥車輪
641‥‥被覆層
642‥‥細孔
d‥‥凹部の深さ
h‥‥段差部の高さ
S‥‥空洞部
X‥‥段差部の位置

Claims (13)

  1. 一方の面側に開口している凹部を有する基板と、
    前記凹部の底部を含んでいて、受圧により撓み変形するダイヤフラム部と、
    前記ダイヤフラム部に配置されているセンサー素子と、
    前記基板の他方の面側で前記ダイヤフラム部の外周に沿って配置されていて、前記ダイヤフラム部に対して前記ダイヤフラム部の厚さ方向に突出していて、突出量が前記凹部の深さよりも小さい段差部と、
    を備え、
    前記段差部は、前記ダイヤフラム部の外周縁を基準として前記ダイヤフラム部の中心側に向かって−5μm以上15μm以下の範囲内にあることを特徴とする物理量センサー。
  2. 前記ダイヤフラム部の前記一方の面側の面が受圧面である請求項1に記載の物理量センサー。
  3. 前記センサー素子は、前記ダイヤフラム部の厚さ方向の中心よりも前記他方の面側に配置されている請求項1または2に記載の物理量センサー。
  4. 前記センサー素子は、前記ダイヤフラム部の中心よりも前記段差部側に配置されている請求項3に記載の物理量センサー。
  5. 前記段差部は、前記基板とは別体の層で構成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  6. 前記別体の層は、多結晶シリコンを含んで構成されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  7. 前記基板の前記他方の面側に配置されている圧力基準室を備える請求項5または6に記載の物理量センサー。
  8. 前記圧力基準室の側壁部は、前記別体の層に接続している請求項7に記載の物理量センサー。
  9. 前記ダイヤフラム部の幅が50μm以上300μm以下の範囲内にある請求項1ないし8のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の物理量センサーを備えることを特徴とする圧力センサー。
  11. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の物理量センサーを備えることを特徴とする高度計。
  12. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の物理量センサーを備えることを特徴とする電子機器。
  13. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の物理量センサーを備えることを特徴とする移動体。
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