JP2016031210A - 加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水管式の熱交換器を備えながら突沸が生ぜず、加熱装置内で左右方向に移動させた燃焼排気ガスを上下に移動させることなく、いわゆる横引き排気でありながら熱交換用のフィン部材で均等に熱交換させる加熱装置を提供する。
【解決手段】加熱装置における熱交換部分は、複数の熱交換用フィン部材を水平に配置する一方で、水管を縦方向に配置して沸騰させる水が下から上に循環するようにするように構成している。これにより、ガス燃焼手段からの燃焼排気ガスは、水平に並べられた熱交換用フィン部材を通過するという横引き排気になる。水管内で発生する沸騰時の気泡は上方に移動し、水管の上端口から滞留することなく排出されるため、気泡の影響で水管内の圧力が上昇することもなく突沸が発生することを回避できる。突沸が回避されることによる二次的効果として、異常振動による騒音も起きない。したがって、高い熱変換効率の静かな加熱装置を提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば蒸し器や食器洗浄機に使用される温水を液槽内で加熱しておくための加熱装置に関するものである。
蒸し器は水を高温に熱して水蒸気で食材を加熱させることが必要である。蒸し器の加熱源は電気式とガス式があり、業務用の蒸し器の場合、昇温スピードの短縮を図るため、ガスを燃焼させ熱交換フィンにより温水を生成させていることが多い。
熱交換器の種類として、水管式と浸管式の分類に大別することができる。水管式は水管内の液体(例えば、水)を燃焼ガスで加熱するのに対し、浸管式は水槽内の液体に管を浸して管内に燃焼ガスを通して水槽内の液体を加熱するものである。
浸管式は水などの液体に管が浸されるので、管の外側に気泡が発生する。すなわち、液体内の管外側に生じた気泡は、液体内にただちに拡散されてしまうことから、気泡には水圧以上の圧力が加わることはない。その結果、浸管式の熱交換器はその構造上の特徴から突沸は起こりにくいのである。突沸とは、沸点以上の加熱状態になった液体が突発的に激しい沸騰を起こす現象である。突沸の原因は様々あるが、その一つは後述するように、液体内の気泡によるものである。
これに対し、水管式は、水管内に液体を通すので水管内に気泡が発生する。水管内の気泡は、管の両端口のみから排出されるしかない。例えば、水温が100℃となり管内に気泡が発生すると、気泡は上方に移動し管の端口から外部に排出しようとする。管内で生じた気泡が先を争って両端口へ向かおうとするが、両端口まで距離があるために直ちに排出されず、一方で次に沸騰させる水が管の端口から流入する。このため、端口においては流入しようとする水と、排出しようとする気泡とが衝突し、管内の圧力が上昇する現象が起きる。100℃を超えても水が沸騰せず、しばらく時間が経過し、ある限界を超えたときに爆発的に沸騰状態となる。これが突沸の原因と言われている。突沸が生じると、加熱装置が異常振動を起こして大きな騒音を発生させてしまう。
したがって、浸管式に比べて突沸が生じ易い水管式の熱交換器は、突沸対策が必要となる。
また、加熱させる水が通る水管に熱交換用フィン部材を組み合わせて熱交換器を構成することは従来より公知の技術であるが、小型の加熱装置にする場合、燃焼手段からの燃焼排気ガスを上方に移動させて排気させるのではなく、熱交換器のサイドに燃焼排気ガスを移動させて排気(いわゆる、横引き排気)するのが効果的である(浸管式の場合、例えば、特許文献1参照)。上方から燃焼排気ガスを排気させる場合、排気用煙突の長さの分だけ加熱装置の高さが大きくなり、しかも煙突のせいで加熱装置を配膳台の下に置くことや加熱装置の上面を有効に利用できなくなってしまうからである。加熱装置の上面にせいろ等を乗せて食材の蒸し調理をする場合、横引き排気の構成は重要である。
特開2002−243277号公報
しかしながら、通常、加熱された燃焼排気ガスは上方へと移動してしまい、熱交換器用のフィン部材全体に行き渡って均等に熱交換することが困難である。その結果、熱交換力が下がり、加熱装置の能力が十分に担保できないという問題が生じていた。
そこで、特許文献1の液体加熱装置は、燃焼ガスを横引き排気する中間加熱方式のフィン部材を使用しているが、このフィン部材は温度勾配に沿ってフィン高さを五角形のステンレスパイプに手前は低く、奥にいくほど高くなるように設計されている(図6参照)。また、フィンにねじれを加えて、横に進行する燃焼ガスを下方に向けようとしている。これにより、フィンの側壁部で燃焼ガスが下方に向けて誘導されつつ下流側に流れるため、排気管の長手方向の全域において熱交換が行われるようにしている。
このようなフィン構成は、左右のフィン隙間が無ければ有効に働くが、特許文献1の場合、温度勾配をとるために前方部のフィンは短く設計されている。そのため、熱交換が十分になされていない前方部において、熱交換器上方の隙間に高温ガスが集まってしまうため、後方のフィンで燃焼排気ガスを下方に導こうとしても、すでに上方に集まっているガスを下方に誘導できない。つまり、後方のフィンは上部に集まった温度の低い排気を上部フィンで熱吸収し、下部フィンでは低い温度のガスに対しての熱吸収しか行うことができないのである。
本発明は、上記の課題に鑑みてなしたものであり、水管式の熱交換器を備えながら突沸が生ぜず、しかも加熱装置内で横(左右方向)に移動させた燃焼排気ガスを上下に移動させることなく、いわゆる横引き排気でありながら熱交換用のフィン部材で均等に熱交換させる加熱装置を提供としようとするものである。
上記課題を解決するために本発明の加熱装置は、その構成部品として、液体を貯留するための液槽と、前記液槽の下方に設置したガス燃焼手段と、前記ガス燃焼手段の真上位置ではない前記加熱装置の側面に配置した熱交換器であって、波状に複数回折り曲げられて水平に配置された複数の熱交換用フィン部材を含む前記熱交換器と、前記熱交換器に隣接して配置した、前記液槽内の液体が往来する水管と、前記ガス燃焼手段からの燃焼排気ガスを外部に排出する排気筒とを少なくとも含み、前記ガス燃焼手段の真上のガス流路壁の勾配により、前記ガス燃焼手段からの燃焼排気ガスを水平方向に通過させた後に、前記熱交換器へと移動させ、前記水管が前記熱交換用フィン部材の間で縦方向に設置して縦方向に水が流れるようにすることで、沸騰時の気泡の上方への移動を促して水管外に排出させ、前記熱交換器と前記排気筒の連結口の上部及び下部に排気遮断板を設けて連結口の上下幅を制限し、前記燃焼排気ガスが前記熱交換器の中央部から出て前記排気筒へ移動させることを特徴としている。
また、前記水管の後方に比べて前方の熱交換用フィン部材のフィン長が長く、当該フィン長に反比例して前記水管の断面寸法を決定し、前記水管の断面形状が台形となるようにしたことを特徴とする。
本発明の加熱装置における熱交換部分の構造は、複数の熱交換用フィン部材を水平に配置する一方で、水管を縦方向に配置して沸騰させる水(液体)が下から上に循環するようにすることが特徴である。このため、ガス燃焼手段からの燃焼排気ガスは、水平に並べられた熱交換用フィン部材を通過するという横引き排気になる。水管内で発生する沸騰時の気泡は上方に移動し、水管の上端口から滞留することなく排出されるため、気泡の影響で水管内の圧力が上昇することもなく突沸が発生することを回避できる。突沸が回避されることによる二次的効果として、異常振動による騒音も起きない。したがって、高い熱変換効率の静かな加熱装置を提供できる。
また、熱交換器と前記排気筒の連結口の上部及び下部に排気遮断板を設けて連結口の上下幅を制限しているため、中央付近に燃焼排気ガスが集まって混合する。これにより、熱交換用フィン部材の上方からの燃焼排気ガスは冷却され、熱交換用フィン部材の下方からの燃焼排気ガスを熱して熱交換による蒸発量を増加させることができる。
本発明の一実施形態である加熱装置の全体斜視図である。 加熱装置の断面模式図である。 熱交換器の斜視図である。 浸管式熱交換器における突沸現象を説明するための図である。 水管式熱交換器で水管を水平方向に配置したときの突沸現象を説明するための図である。 水管式熱交換器で水管を縦方向に配置したときの突沸現象を説明するための図である。 熱交換器の別の実施態様を示した図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の加熱装置全体をあらわした斜視図である。図2は、図1に示す加熱装置の断面図である。
水を貯留するための液槽3の下方には液槽の水を加熱するガス燃焼手段4が配置されている。ガス燃焼手段4は、ガス制御弁、空だき防止用のリミットバルブ、種火ガスパイプ、圧電着火ユニットなどを含む構造であるが、本発明と直接関係しないので詳細な説明は省略する。
種火ガスパイプからの燃料ガスが着火されて、ガス燃焼手段4のメインバーナーが点火すると、炎孔での燃焼に伴い燃焼排気ガス2が発生する。この燃焼排気ガス2は、液槽3内の貯留水と隔てられた熱風通路の空間で上昇しながら移動する。なお、液槽3内における燃焼排気ガス2の移動を矢印で示す。
燃焼排気ガス2が上方に移動した先には隣接して熱交換器1が配置されている。図3に示すように、熱交換器1は、銅またはアルミ製などの薄く長い帯状の金属材を矩形波状に複数回折り曲げていわゆるつづら織りに形成した熱交換用フィン部材1を備えており、その矩形波によって形成される溝が相互に平行に配置されている。(以下の説明において、熱交換器1は熱交換用フィン部材1と同義である。)熱交換用フィン部材1に隣接して溶着された水管6が鉛直方向に配置される。したがって、熱交換器1では、水平方向に並べられた複数の熱交換用フィン部材1を通過する燃焼排気ガスと、隣接する水管6内を通る液体(例えば、水)との間で熱交換が行われている。
液槽3内にはフロートタンク11があり、水位計(不図示)によって水量がチェックされるようになっており、熱交換器1の側面では、水管6の下端口と連結するフロートタンク11からの水が水管6に流入し、熱交換器1で燃焼排気ガス2からの熱を受けて水管6内の水が熱せられる。
液槽3内において上昇した燃焼排気ガス2が、貯留水と隔てている壁とぶつかる箇所のガス流路壁5には勾配を設けている。これは、燃焼排気ガス2が上昇すると上方の隅に滞留してしまって熱交換器1側に移動しにくいからである。上方のガス流路壁5が勾配をもつことで、燃焼排気ガス2が上方の壁で滞留することなく、熱交換器1に移動することを促している。
また、図1に示すとおり、水管6を間に挟む込むかたちで隣接される熱交換用フィン部材1は加熱装置10の横幅全体にわたり隙間無く並べて配置し、燃焼排気ガス2を横引きするフィン総面積量を大きくしている。無駄な空間のない、最大限の熱交換用フィン部材1の配置により、熱交換性能を向上させているので、各水管6自体の長さを短くしても、従来の加熱装置と同等又はそれ以上の熱交換力を保持できる。
また、本実施形態の加熱装置10における熱交換器1は、ガス燃焼手段4の真上位置ではなく、加熱装置10の側面に寄せて熱交換器1を配置している。ガス燃焼手段4の真上位置に熱交換器1を配置してしまうと、ガス流路壁5の勾配により、熱交換用フィン部材1の面積が小さくなり、吸熱して熱交換する量が減ってしまうからである。また、ガス燃焼手段4の真上位置に熱交換器1がある場合、ガス燃焼手段4の幅分の熱交換用フィン部材1が燃焼排気ガス2を吸収してしまうので、ガス燃焼手段4から外れた部分では燃焼排気ガス2が熱交換用フィン部材1にあたらず無駄となる。
したがって、燃焼排気ガス2を横引き排気する構成にして、燃焼排気ガス4のすべてを無駄なく利用し、加熱装置10自体は小型でありながら熱交換用フィン部材1の面積ができるだけ大きくなるようにしている。
本実施形態ではガス燃焼手段4の幅と面積は、熱交換器1の幅と面積に等しく作製し、横引き排気しながら上下の燃焼ガスの温度を同じくすることが可能になった。上部に熱交換器を設置する場合と比べると熱交換機の幅と面積が大きくなるため、より熱吸収させることにつながり、一層の熱効率の向上を図ることが可能である。一方、横引き排気中の燃焼ガスの温度差を解消できない文献1の場合は、熱交換器を縦に並べて熱交換器の面積を増やしても上方に燃焼ガスが集まってしまうので、本実施形態の熱交換器1以上の効果を奏することは実際には不可能である。
熱交換用フィン部材1を通過した燃焼排気ガス2は、加熱装置10の側面に設けられた開口を通じてつながる排気筒7に移動し、排気筒上方の排気口9から外部に排気される。上方の排気口9といっても、上述したように熱交換器1を加熱装置10の側面に寄せて横引き排気にする構成のため、排気口9の高さを低く抑えることが可能となり、加熱装置10の高さサイズを小さくすることができる。
また、図2に示すように、開口の上部及び下部の両方に排気遮断板12を設け、燃焼排気ガス2が開口の中央部から排気されるように誘導する。排気遮断板12で開口の上部及び下部を塞ぐことにより中央付近に燃焼排気ガス2が集まって混合し、熱交換用フィン部材1の上方を通過した燃焼排気ガス2は、下方の比較的低温なガスの影響で冷却される。また、上部の比較的高温なガスの影響により、熱交換用フィン部材1の下部における熱交換率を向上させることにもなる。
このように、ガス流路壁5の勾配により熱交換用フィン部材1に均等に燃焼排気ガス2を通過させ、排気遮断板12により燃焼排気ガス2を混合させることで熱交換用フィン部材1を通過中も燃焼排気ガス2が上方に偏らないようにして、熱交換による蒸発量を増加させる。実験結果によると、排気遮断板12によりおよそ0.6Kg/hの蒸発量が増えた効果を確認できた。このような蒸発量の向上により、外部に排出される燃焼排気ガスの排出ロスも減少し、地球温暖化防止に貢献できる。
本実施形態の加熱装置10は、熱交換用フィン部材1の間にある水管6は縦方向に水が流れるように配置していることが特徴の一つになっているので、その技術的意義をあらためて説明する。図4は、特許文献1に記載の浸管式の熱交換器における気泡の発生を示した図である。浸管式は、熱交換用フィン13が管14の内側に溶着した構造であり、かかる構造の管14が液槽の中に浸される。したがって、管14内を通過する燃焼排気ガスの熱により管14の外側で気泡15が発生しても、その気泡15は広い液槽内に存在するためになんら滞留することなく上昇可能である。
図5は、管14内に水があり、管14の外側に燃焼排気ガスを通過させる水管式の熱交換器における気泡15の発生を示した模式図であって、特に管14が水平方向に配置された場合を示している。
ガス燃焼手段からの燃焼排気ガスは、水管の外部から水管壁を介して管内を流れる水を熱する。効率的な熱効交換を行うため管14全体を熱するのが望ましいが燃焼ガスは最初にフィンの下部で熱吸収される。そのため、管14の下部で沸騰が生じ、気泡15発生する。気泡15はまずは上昇し、後に水管上部を水平方向に移動して、水管端部両側(A、B)から排出される。高温になった管内の水もまずは上昇し、後に水管上部を水平方向に移動して水管端部両側(A、B)より排出される。一方、排出された湯の水量を補うために、低温の水又は湯が侵入してくる。燃焼中は水管下部から気泡が発生し、それが上方移動し、水管全体で見れば水管の上部と下部のすべてに気泡が存在する状態になる。
沸騰初期の段階では、排出と侵入が互いにぶつかりあうことなくできていたが、水温が高くなるにつれ、気泡15の発生が多くなり、管14の上部では気泡ばかりの状態になる。蒸発した水を補うために管両端(A、B)の下部から水が進入するものの、沸騰は水管全体で起きているのに対し、水は両端からしか入らないため、管14の中央付近では新たな水が供給されにくくなる。また、沸騰が進むと出て行こうとする気泡15が多くなり、入ってこなければいけない水が入りにくくなる状態が形成されてしまう。
時間の経過とともに上述した状態の沸騰が進行し、最終的には水管内の圧力が急激に高まる。管の中央付近の湯温が100℃になると、管端部の出口では100℃を超えるように管内が高温になってしまい、爆発的な沸騰、すなわち突沸が発生する。
このような突沸を回避するため、本実施の形態の水管6は縦方向に配置しているのである。本発明も水管式の熱交換器1を備えた加熱装置である。
図6に示すように、燃焼排気ガス2が熱交換器1を通過するとき、まず、熱交換用フィン部材1の前方と接触して熱交換が行われる。後方の熱交換用フィン1’は、既に前方での熱交換で温度低下した燃焼排気ガス2に対する熱交換を行うことになる。そのため、燃焼排気ガス2が最初に接触した熱交換用フィン部材1の前方である水管前部で気泡15が発生するが、水管後部では温度低下した燃焼排気ガスによって気泡は発生しない。図6に示すとおり、水管前部のみに存在する気泡15が水管中で上昇する。ここで、水管は縦方向の配置であるため発生した気泡15は速やかに上昇し、且つ水管後部からの気泡がないために上昇した気泡15が水管上部端で充満することにならない。
また、水管6の上部端16は気泡15の排出、下部端17は水の供給とそれぞれ機能が分担されており、下部端からの新たな水の供給が気泡15を上方に押し上げることに役立つ。さらに、沸騰で生じた気泡15の圧力は水管後方で吸収(すなわち、平均化)されてしまうので水管内の圧力が高まることがない。その結果、図5で示すように水平向きに配置された水管14とは異なり、突沸が起きないのである。
よって、本発明は、管内を水が通過する水管式でありながら突沸が起きず、これにより沸騰時の騒音や振動が格段に静かな加熱装置を提供することができる。
本実施の形態における水管6の形状は、図3に示すような、板金を長方形に折り曲げた内部が空洞の四角柱であるが、必ずしもこの形状に限定されるわけではない。上述したように、燃焼排気ガス2が最初に接触する熱交換用フィンの前方は高温になるのでフィン長を大きくすることが熱交換の性能アップになる。そこで、図7のように、熱交換用フィン1の前方のフィンを長くし、後方のフィンになるほどを徐々に短くする。この形状にあわせるため、水管の形状は、断面が長方形ではなくて台形となるように、水管6の前方は狭い空洞で、後方は広い空洞という変化をつけてもよい。
水管6の前方で気泡15が発生するが、縦方向に配置した水管なので気泡は水管内の上方に滞りなく移動することができる。
また、突沸は水管の長さにも深く関係し、気泡15の排出を迅速に行うには、水管6の長さは短い方がよい。水管6の長さは、ガス燃焼手段4であるバーナーのバーナーヘッドの寸法によって決まる。自然燃焼用ステンレスバーナーは、早沸きバーナータイプと、Kバーナータイプに二分される。早沸きバーナーは能力によるが、およそ200mm角である。Kバーナーは、縦幅300mmで、燃焼能力により横幅が異なり30〜400mm程度のサイズである。これらサイズのバーナーヘッドを有するバーナーに対し、本実施形態の加熱装置で用いた水管は、約110mmであり、従来の同様サイズの加熱装置で用いられる水管の長さ約350mmに対しておよそ1/3の長さにしている。
さらに言うと、縦型の水管は突沸を抑えることだけでなく、メンテナンスの面においても有益である。すなわち、水中に溶けているカルシウムなどは水管内で固着してしまうことがある(スケール問題)。特に、横に寝かせた水管の場合、スケールだけでなく、異物が貯まりやすいことは避けられない。一方、本実施の形態の加熱装置のような垂直の水管の場合、スケールや異物は下方に落ちやすい。そして、縦型の水管であれば加熱装置自体の高さを低く抑えることができることに伴い、その分、加熱装置の脚部分の高さを確保できるため、液槽下部に空間を設けやすくなる。したがって、液槽下部の空間を作業スペースとし、落下したスケールを液槽下部より容易に取り出すことができるので、掃除作業が楽になる。
1 熱交換器(熱交換用フィン部材)
2 燃焼排気ガス
3 液槽
4 ガス燃焼手段
5 ガス流路壁
6 水管
7 排気筒
9 排気口
10 加熱装置
11 フロートタンク
12 排気遮断板
14 管
15 気泡

Claims (2)

  1. 加熱装置の構成部品として、
    液体を貯留するための液槽と、
    前記液槽の下方に設置したガス燃焼手段と、
    前記ガス燃焼手段の真上位置ではない前記加熱装置の側面に配置した熱交換器であって、波状に複数回折り曲げられて水平に配置された複数の熱交換用フィン部材を含む前記熱交換器と、
    前記熱交換器に隣接して配置した、前記液槽内の液体が往来する水管と、
    前記ガス燃焼手段からの燃焼排気ガスを外部に排出する排気筒と、
    を少なくとも含み、
    前記ガス燃焼手段の真上のガス流路壁の勾配により、前記ガス燃焼手段からの燃焼排気ガスを水平方向に通過させた後に、前記熱交換器へと移動させ、
    前記水管が前記熱交換用フィン部材の間で縦方向に設置して縦方向に水が流れるようにすることで、沸騰時の気泡の上方への移動を促して水管外に排出させ、
    前記熱交換器と前記排気筒の連結口の上部及び下部に排気遮断板を設けて連結口の上下幅を制限し、前記燃焼排気ガスが前記熱交換器の中央部から出て前記排気筒へ移動させる、
    ことを特徴とする加熱装置。
  2. 前記水管の後方に比べて前方の熱交換用フィン部材のフィン長が長く、当該フィン長に反比例して前記水管の断面寸法を決定し、前記水管の断面形状が台形となるようにした、請求項1に記載の加熱装置。
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