JP2016030542A - 列車運行管理システム - Google Patents

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泰巨 磯谷
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Abstract

【課題】設備状況が変化した場合でも、それらの変化を反映した尤もらしい予測結果を用いて列車の運行が管理できるような、列車運行管理システムを提供すること。【解決手段】列車運行管理システムにおいて、列車に関する環境が変化した箇所を検出する環境変化検出部と、列車の状況に対応した影響範囲情報を記憶する条件記憶部と、環境が変化した箇所と、前記条件記憶部に記憶された影響範囲情報に基づいて、環境変化の影響範囲を特定する影響範囲特定部と、特定された影響範囲に基づいて、列車の運行を予測するための制約条件を決定する条件決定部と、決定された制約条件に基づいて列車の運行を予測する予測部と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、列車の運行を管理するシステムに関し、特に、現在時刻以降の列車の運行状況を予測する機能を備えた列車運行管理システムに関する。
鉄道運行管理の分野では、従来、列車の運行状況を指令員や旅客に対して参考情報として提示することを目的として、現在時刻以降の列車の運行状況を予測する機能を備えた列車運行管理システムが利用されてきた。これは、現在の走行実績から予想される未来の遅延の状況を含む列車の運行状況を提示することで、指令員の運転整理業務や、旅客の行動決定の際、補助的な情報として活用してもらうことを意図したものである。
これらのシステムでは、列車の運行状況を予測するために、ある駅から次の駅まで走行するのに最低限必要となる時分(時間)である基準運転時分や、ある駅に到着してから出発するまでに最低限必要となる時分である最小停車時分、ある平面交差箇所において走行経路が支障し合う関係にある2列車に対して先行列車が平面交差箇所に進入してから後続列車が当該箇所に進入するまでの間に最低限確保する必要がある時分である交差時隔等、設備状況や列車ダイヤに影響される幾つかの予測パラメータを用いて列車の運行を予測していた。
しかし、例えば基準運転時分や交差時隔であれば信号現示のパターンによって値が変動し、最小停車時分であれば定常的な旅客流動のパターンが列車ダイヤに依存して変動するため、多くの場合に尤もらしい予測結果が得られるような、最適な予測パラメータを、各種のシミュレーションによって予め求めておくことは難しかった。一方で、列車の運行予測に必要となるこれらの予測パラメータは、膨大な量に及ぶため、シミュレーションによって求めた予測パラメータを人手によって調整する、という方法も、作業コストが高くなるという問題があった。
このような背景の下、運行状況を予測するのに適した予測パラメータを簡易に求めるために列車の走行実績データを蓄積しておき、それを利用して最適な予測パラメータを推定する、という技術が、非特許文献1や特許文献1に開示されている。非特許文献1には、ロバスト統計の手法を用いて、蓄積された走行実績データ(走行実績データベース)から基準運転時分や最小停車時分等の予測パラメータを推定する方法が開示されている。また、特許文献1には、走行実績データベースを時々刻々更新しながら、基準運転時分及び最小停車時分を、遅延の状況を考慮しつつ、必要に応じて列車単位で推定する技術が開示されている。特許文献1に記載の技術では、予測パラメータの推定は、検索キーによる走行実績データベースの検索が基本となっており、検索キーに合致する予測パラメータが取得できない場合には検索条件を緩和して検索することで尤もらしい予測パラメータを取得する技術も開示されている。
I.A. Hansen, R.M.P. Goverde, D.J. van der Meer: "Online train delay recognition and running time prediction," 2010 13th International IEEE Conference on Intelligent Transportation Systems, pp. 1783-1788 (2010).
特開2010‐221839号公報
非特許文献1に開示されている技術では、ある時点までに蓄積された走行実績データベースを用いて、列車の運行予測の際に使用される予測パラメータを推定しているため、番線の新設や渡り線の位置の変更等、設備の状況が変化する場合に、自動で対応することが困難である。
また、特許文献1に開示されている技術では、定常的に蓄積されていく走行実績データから統計的に求めた予測パラメータを用いて、列車の運行を予測しているため、設備の新設等の環境の変化に適切に対応することができなかった。
本発明の目的は、列車に関する環境が変化した場合でも、それらの変化を反映した尤もらしい予測結果を用いて列車の運行管理ができるような列車運行管理システムを提供することにある。
前記課題を解決するため、開示する列車運行管理システムは、列車に関する環境が変化した箇所を検出する環境変化検出部と、列車の状況に対応した影響範囲情報を記憶する条件記憶部と、環境が変化した箇所と、条件記憶部に記憶された影響範囲情報に基づいて、環境変化の影響範囲を特定する影響範囲特定部と、特定された影響範囲に基づいて、列車の運行を予測するための制約条件を決定する条件決定部と、決定された制約条件に基づいて列車の運行を予測する予測部と、を備える。
本発明によれば、列車に関する環境が変化した場合でも、それらの変化を反映した尤もらしい予測結果を用いて列車の運行が管理できるような列車運行管理システムを提供することができる。
第1実施形態に係る列車運行管理システムの構成を説明する図。 第1実施形態に係るデータ管理装置102の構成を説明する図。 第1実施形態に係る列車運行予測装置103の構成を説明する図。 第1実施形態に係る基準運転時分データの構造を説明する図。 第1実施形態に係る走行実績データベースに格納されている基準運転時分推定用データの構造を説明する図。 第1実施形態に係る最小停車時分データの構造を説明する図。 第1実施形態に係る最小停車時分推定用データの構造を説明する図。 第1実施形態に係る交差時隔データの構造を説明する図。 交差時隔推定用データの構造を説明する図。 第1実施形態に係る交差時隔の定義を説明する図。 第1実施形態に係る日替わり処理を実行する前のデータ格納領域の構成を説明する図。は状態を示す図。 第1実施形態に係る日替わり処理を実行した後のデータ格納領域の構成を説明する図。 第1実施形態に係るデータ管理装置の動作のうち、日替わり処理に関する動作を示すフローチャート。 第1実施形態に係るデータ管理装置の動作のうち、走行実績データベース更新処理に関する動作を示すフローチャート。 第1実施形態に係るデータ管理装置の動作のうち、基準運転時分推定用データベース更新処理に関する動作を示すフローチャート。 第1実施形態に係るデータ管理装置の動作のうち、最小停車時分推定用データベース更新処理に関する動作を示すフローチャート。 第1実施形態に係るデータ管理装置の動作のうち、交差時隔推定用データベース更新処理に関する動作を示すフローチャート。 第1実施形態に係るデータ管理装置の動作のうち、環境変化反映処理に関する動作を示すフローチャート。 第1実施形態に係る環境変化反映処理において使用される条件テーブルの構成を説明する図。 第1実施形態に係るデータ管理装置の動作のうち、予測パラメータ更新処理に関する動作を示すフローチャート。 第1実施形態に係る予測パラメータ更新処理において、基準運転時分の推定方法を説明する図。 第1実施形態に係る予測パラメータ更新処理において、最小停車時分の推定方法を説明する図。 第1実施形態に係る列車運行予測装置の動作のうち、列車運行予測処理に関する動作を示すフローチャート。 第1実施形態に係る列車運行予測処理において作成される、列車運行ネットワークを説明する図。 第1実施形態に係る列車運行ネットワークにおける、有向辺に対応するデータ構造を説明する図。 第1実施形態に係る列車運行予測装置の動作のうち、予測時刻算出処理に関する動作を示すフローチャート。 第1実施形態に係る列車運行予測装置の動作のうち、制約条件反映処理に関する動作を示すフローチャート。 第1実施形態に係る列車運行予測装置の動作のうち、制約条件決定処理に関する動作を示すフローチャート。 第1実施形態に係る列車運行予測装置の動作のうち、予測時刻基準制約条件決定処理に関する動作を示すフローチャート。 第1実施形態に係る列車運行予測装置の動作のうち、設備データ基準制約条件決定処理に関する動作を示すフローチャート。 第1実施形態に係る列車運行管理システムにおいて、運転整理端末が備える表示画面に列車運行予測装置が出力した予測結果を表示する際の表示内容であり、使用できない設備を使用せざるを得ない予測結果が得られた場合の表示内容を説明する図。 第1実施形態に係る列車運行管理システムにおいて、運転整理端末が備える表示画面に列車運行予測装置が出力した予測結果を表示する際の表示内容を説明する図であり、列車を遅延させることで使用できない設備を使用せずに列車が運行するような予測結果が得られた場合の表示内容を説明する図。 第1実施形態に係る列車運行管理システムにおいて、運転整理端末が備える表示画面に列車運行予測装置が出力した予測結果を表示する際の表示内容を説明する図であり、列車を遅延させることで使用できない設備を使用せずに列車が運行するような予測結果が得られた場合の表示内容を説明する図。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、図1乃至図27を参照して説明する。
[列車運行管理システムの構成]
図1は、本実施形態における列車運行管理システムの構成を説明する図である。本実施形態の列車運行管理システム100は、進路制御装置101と、データ管理装置102と、列車運行予測装置103と、運転整理端末104と、ネットワークを介して計画系システム140や旅客案内システム150との情報の授受を行うための通信装置105と、データ記憶装置110と、データベース記憶装置120と、を備えている。
進路制御装置101は、連動装置130との間のインタフェースを持ち、列車の進路制御機能、及び、列車追跡機能を備えたものである。進路制御装置101は、必要に応じて、予測ダイヤ114を順序判断のために使用する。
データ管理装置102は、データ記憶装置110及びデータベース記憶装置120に格納されているデータを管理する機能を備えたものである。データ管理装置102の詳細な構成については、後述(図2)する。
列車運行予測装置103は、運転整理端末104からの予測ダイヤ更新要求により、データ記憶装置に格納されているデータを用いて、現在時刻以降の列車の運行状況を予測する機能を備えたものである。列車運行予測装置103の詳細な構成については後述(図3)する。
運転整理端末104は、指令員からの運転整理等の情報入力と、指令員への情報の提示を担当するものであり、キーボード、マウス等の入力インタフェースと、列車スジ等をグラフィカルに提示するための出力インタフェースとしての表示画面を備える。運転整理端末104は、表示画面に、計画ダイヤ112或いは予測ダイヤ114を実績ダイヤ113と重畳して表示可能であるように構成されている。運転整理端末104は、所定の時間周期で列車運行予測装置103に予測ダイヤ更新要求を送信し、予測ダイヤ114を更新させる機能を備える。
データ記憶装置110は、設備データ111、計画ダイヤ112、実績ダイヤ113、予測ダイヤ114を格納するためのものである。これらのデータは、適宜、進路制御装置101、データ管理装置102、列車運行予測装置103、運転整理端末104から参照され、必要に応じて更新される。
設備データ111は、列車運行予測装置103が列車の運行状況を予測する際に使用されるデータであり、駅間の基準運転時分や、交差支障を考慮すべき箇所において先行列車と後続列車の間で確保すべき走行間隔(時分)等、設備状況に応じて変化する予測パラメータが定義されたデータである。設備データ111については、計画系システム140から送信されたものを、列車運行管理システム100内で更新した後に、列車運行予測装置103で使用する。
計画ダイヤ112は、計画系システム140から送信されるデータであり、各列車の走行経路(駅の並び)、走行時に使用する予定の運転線路や番線、各駅の到着時刻と出発時刻の計画値、等の情報で構成される。計画系システム140は、日々の計画ダイヤを輸送計画に基づいて作成し、列車運行管理システム100の要求に応じる形で列車運行管理システム100に対して送信する。本実施形態では、最小停車時分は、どのような時刻に、どのような列車の後に、どのような時間間隔で走行する列車であるかに依存して、列車ごとに異なる値を設定可能であるように構成し、計画ダイヤ112中の、各列車の各駅の情報の中に、使用する予定の番線等の情報と共に保持しておく。
実績ダイヤ113は、進路制御装置101によって更新されるデータであり、予測演算対象時間範囲内の各演算ポイントの実績時刻、すなわち、各列車の各駅の到着時刻と出発時刻の実績値と、各列車が走行時に使用した運転線路や番線の情報で構成される。未実績の演算ポイントに対しては、「−1」等のデフォルト値をマーカーとして格納しておく。実績時刻を採時しない駅においては、その先の駅の実績時刻が採時された時点で、基準運転時分を用いた按分処理等によって補完した値を登録するようにする。当該補完処理は、データ管理装置102等、他の装置が実施するようにしてもよい。
予測ダイヤ114は、列車運行予測装置103によって作成されるデータであり、予測演算対象時間範囲内の各演算ポイントの予測時刻、すなわち、各列車の各駅の到着時刻と出発時刻の予測値で構成される。予測ダイヤ114は、運転整理端末104の表示画面で表示されるほか、進路制御装置101における順序判断や、旅客案内システム150における情報提示のために使用される。
データベース記憶装置120は、走行実績データベースを格納するためのものである。走行実績データベースは、尤もらしい予測パラメータを統計的に推定するために使用されるものであり、データ管理装置102が実施する日替わり処理の際に、日々の実績ダイヤが加工された上で蓄積される。本実施例では、推定の対象とする予測パラメータが、基準運転時分、最小停車時分、交差時隔である例について説明するため、走行実績データベースは、基準運転時分を推定するためのデータベースである基準運転時分推定用データベースと、最小停車時分を推定するためのデータベースである最小停車時分推定用データベースと、交差時隔を推定するためのデータベースである交差時隔推定用データベースを備えるように構成するが、本発明の走行実績データベースの構成はこれに限るものではなく、推定用のデータベースが必要な予測パラメータの各々について、対応するデータベースを備えるような構成とすることができる。
連動装置130は、転轍機と信号機の動作を制御し、列車が進行中の進路に支障を来す他の進路が構成されないように、転轍機と信号機の動作に一定の連鎖関係を持たせるための、保安装置である。列車運行管理システムによる列車の運行管理を可能とするため、進路制御装置との間で情報の授受が可能なように構成される。
なお、列車運行管理システム100を構成する要素のうち、進路制御装置101と、データ管理装置102と、列車運行予測装置103と、運転整理端末104については、例えば、演算処理装置(CPU)と主記憶装置を備えたパーソナルコンピュータ(PC)に適切なプログラムを実行させるように構成することで実施する。また、データ記憶装置110、及びデータベース記憶装置120については、ハードディスクを備えたPCや、NAS(Network Area Storage)を使用して実施する。
[データ管理装置102の構成]
図2は本実施形態におけるデータ管理装置102の構成を説明する図である。本実施形態のデータ管理装置102は、演算処理装置210と、主記憶装置220と、記憶装置230と、通信装置240を備えている。また、記憶装置230には、日替わり処理プログラム231と走行実績データベース更新プログラム232と環境変化反映プログラム233と予測パラメータ更新プログラム234が格納されている。演算処理装置210は、これらのプログラムを実行する際に、適宜、プログラム及び必要となるデータを主記憶装置220に記憶した上でプログラムを実行する。その際、他の装置との間のデータの授受が発生する場合には、通信装置240を利用してデータの授受を行う。
記憶装置230に記憶されているプログラムの内容に関しては、日替わり処理プログラム231については図9で、走行実績データベース更新プログラム232については図10乃至図13で、環境変化反映プログラム233については図14乃至図15で、予測パラメータ更新プログラム234については図16乃至18で、それぞれ詳細に説明する(後述)。
また、記憶装置230には、データ管理装置102が実行する各プログラムの動作条件を記載した設定ファイルも格納しておき、各々のプログラムの実行時に必要に応じて参照できるようにしておく。
[列車運行予測装置103の構成]
図3は本実施形態における列車運行予測装置103の構成を説明する図である。本実施形態の列車運行予測装置103は、演算処理装置310と、主記憶装置320と、記憶装置330と、通信装置340を備えている。また、記憶装置330には、列車運行予測プログラム331が格納されている。演算処理装置310は、運転整理端末104からの予測ダイヤ更新要求に対して列車運行予測プログラム331を実行する際、適宜、プログラム及び必要となるデータを主記憶装置320に記憶した上でプログラムを実行する。その際、他の装置との間のデータの授受が発生する場合には、通信装置340を利用してデータの授受を行う。
記憶装置330に記憶されている列車運行予測プログラム331の内容に関しては、図19乃至図26を用いて詳細に説明する(後述)。
また、記憶装置330には列車運行予測装置103が実行する各プログラムの動作条件を記載した設定ファイルも格納しておき、各々のプログラムの実行時に必要に応じて参照できるようにしておく。
[データ構造]
以下、本実施形態において各装置が参照するデータの構造及び定義について、図4乃至図8を用いて説明する。
図4は、本実施形態に係る基準運転時分に関連するデータの構造を説明する図である。このうち、図4(a)は基準運転時分データの構造を説明する図である。基準運転時分データは、キー部400とデータ部410と状態フラグ420で構成される。キー部400には、基準運転時分を定義するために必要となる情報として、後方駅コード401、後方駅番線コード402、当駅コード403、及び、当駅番線コード404が格納される。データ部410には、列車運行予測処理で使用される情報として、有効期間411と基準運転時分412とが格納される。有効期間411は、基準運転時分データが有効である期間を示すデータであり、当該基準運転時分データの使用開始日時と使用終了日時で構成される。使用開始日時や使用終了日時が不定の場合には、「−1」等、所定のマーカーをデータとして格納しておくようにし、「何月何日何時何分から使用開始、使用終了時期は未定」というような条件にも対応できるようにしておく。
状態フラグ420は、環境が変化したか否かを表現するためのフラグである。定常状態の場合、設備が新設された場合、設備が更新された場合、設備が廃止された場合、等の各々の状態が区別可能であるように、例えば列挙型の値を保持しておく。状態フラグ420の値は、計画系システム140において設定され送信された値を、そのまま使用する。なお、要求される推定精度が高くなく、設備の更新に伴うデータベースの更新を不要とする場合には、状態フラグ420を陽に保持することはせず、有効期間411で代用するような構成としてもよい。
図4(b)は走行実績データベースに格納されている基準運転時分推定用データの構造を説明する図である。基準運転時分推定用データは、基準運転時分を統計的に推定する際の、1つのサンプルデータに相当するデータである。基準運転時分推定用データは、キー部400とデータ部430と有効期間440と重み係数450で構成される。このうち、キー部400に関しては、対応する基準運転時分データと同一の内容である。
データ部430には、走行実績データに基づいて算出された、後方駅出発遅延時分431及び運転時分432が格納される。
有効期間440は、「当該基準運転時分推定用データを用いて基準運転時分を推定することが意味を持つ期間」を示すデータであり、当該基準運転時分推定用データの使用開始日時と使用終了日時で構成される。有効期間411と同様に、使用開始日時や使用終了日時が不定の場合には、所定のマーカーをデータとして格納しておくようにする。設備の状況が変化した際に、変化の前後において基準運転時分の推定に用いるデータ群を切り替えるために使用する。
重み係数450は、基準運転時分を統計的に推定する際に参照されるデータであり、本実施形態では0以上1以下の値を取るように構成する。取得日時が古いデータほど値を小さくする、或いは、ノイズと予想されるデータほど値を小さくする等、信頼できるデータの重みが重くなるようにデータ管理装置102によって逐次更新される。本実施形態では、基準運転時分推定用データベースを、キー部400の内容が同じデータ毎に予め定めた最大個数の基準運転時分推定用データ群を格納可能な大きさのキューとして構成する。
図5は、本実施形態に係る最小停車時分に関連するデータの構造を説明する図である。このうち、図5(a)は最小停車時分データの構造を説明する図である。最小停車時分データは、キー部500とデータ部510と状態フラグ520で構成される。キー部500には、最小停車時分を定義するために必要となる情報として、列車コード501及び当駅コード502が格納される。データ部510には、列車運行予測処理で使用される情報として、有効期間511と最小停車時分512とが格納される。有効期間511は最小停車時分データが有効である期間を示すデータであり、当該最小停車時分データの使用開始日時と使用終了日時で構成される。使用開始日時や使用終了日時が不定の場合には、「−1」等、所定のマーカーをデータとして格納しておくようにし、「何月何日何時何分から使用開始、使用終了時期は未定」というような条件にも対応できるようにしておく。
状態フラグ520は、環境が変化したか否かを表現するためのフラグである。定常状態の場合、設備が新設された場合、設備が更新された場合、設備が廃止された場合、等の各々の状態が区別可能であるように、例えば列挙型の値を保持しておく。状態フラグ520の値は、計画系システム140において設定され送信された値を、そのまま使用する。なお、要求される推定精度が高くなく、設備の更新に伴うデータベースの更新を不要とする場合には、状態フラグ520を陽に保持することはせず、有効期間511で代用するような構成としてもよい。
図5(b)は走行実績データベースに格納されている最小停車時分推定用データの構造を説明する図である。最小停車時分推定用データは、最小停車時分を統計的に推定する際の、1つのサンプルデータに相当するデータである。最小停車時分推定用データは、キー部500とデータ部530と有効期間540と重み係数550で構成される。このうち、キー部500に関しては、対応する最小停車時分データと同一の内容である。
データ部530には、走行実績データに基づいて算出された、当駅到着遅延時分531及び停車時分532が格納される。
有効期間540は、「当該最小停車時分推定用データを用いて最小停車時分を推定することが意味を持つ期間」を示すデータであり、当該最小停車時分推定用データの使用開始日時と使用終了日時で構成される。有効期間511と同様に、使用開始日時や使用終了日時が不定の場合には、所定のマーカーをデータとして格納しておくようにする。設備の状況が変化した際に、変化の前後において最小停車時分の推定に用いるデータ群を切り替えるために使用する。
重み係数550は、最小停車時分を統計的に推定する際に参照されるデータであり、本実施形態では0以上1以下の値を取るように構成する。取得日時が古いデータほど値を小さくする、或いは、ノイズと予想されるデータほど値を小さくする等、信頼できるデータの重みが重くなるように、データ管理装置102によって逐次更新される。本実施形態では最小停車時分推定用データベースを、キー部500の内容が同じデータ毎に予め定めた最大個数の最小停車時分推定用データ群を格納可能な大きさのキューとして構成する。
図6は、本実施形態に係る交差時隔に関連するデータの構造を説明する図である。このうち、図6(a)は交差時隔データの構造を説明する図である。交差時隔データは、キー部600とデータ部610と状態フラグ620で構成される。キー部600には、交差時隔を定義するために必要となる情報として、当駅コード601、先行列車走行経路コード602、及び、後続列車走行経路コード603が格納される。データ部610には、列車運行予測処理で使用される情報として、有効期間611と交差時隔612とが格納される。有効期間611は、交差時隔データが有効である期間を示すデータであり、当該交差時隔データの使用開始日時と使用終了日時で構成される。使用開始日時や使用終了日時が不定の場合には、「−1」等、所定のマーカーをデータとして格納しておくようにし、「何月何日何時何分から使用開始、使用終了時期は未定」というような条件にも対応できるようにしておく。
状態フラグ620は、環境が変化したか否かを表現するためのフラグである。定常状態の場合、設備が新設された場合、設備が更新された場合、設備が廃止された場合、等の各々の状態が区別可能であるように、例えば列挙型の値を保持しておく。状態フラグ620の値は、計画系システム140において設定され送信された値を、そのまま使用する。なお、要求される推定精度が高くなく、設備の更新に伴うデータベースの更新を不要とする場合には、状態フラグ620を陽に保持することはせず、有効期間611で代用するような構成としてもよい。
図6(b)は走行実績データベースに格納されている交差時隔推定用データの構造を説明する図である。交差時隔推定用データは、交差時隔を統計的に推定する際の、1つのサンプルデータに相当するデータである。交差時隔推定用データは、キー部600とデータ部630と有効期間640と重み係数650で構成される。このうち、キー部600に関しては、対応する交差時隔データと同一の内容である。また、データ部630には、走行実績データに基づいて算出された、交差時隔631が格納される。
有効期間640は、「当該交差時隔推定用データを用いて交差時隔を推定することが意味を持つ期間」を示すデータであり、当該交差時隔推定用データの使用開始日時と使用終了日時で構成される。有効期間611と同様に、使用開始日時や使用終了日時が不定の場合には、所定のマーカーをデータとして格納しておくようにする。設備の状況が変化した際に、変化の前後において交差時隔の推定に用いるデータ群を切り替えるために使用する。
重み係数650は、交差時隔を統計的に推定する際に参照されるデータであり、本実施形態では0以上1以下の値を取るように構成する。取得日時が古いデータほど値を小さくする、或いは、ノイズと予想されるデータほど値を小さくする等、信頼できるデータの重みが重くなるように、データ管理装置102によって逐次更新される。本実施形態では、交差時隔推定用データベースを、キー部600の内容が同じデータ毎に、予め定めた最大個数の交差時隔推定用データ群を格納可能な大きさのキューとして構成する。
図7は、本実施形態に係る交差時隔の定義を説明する図である。駅700から走行経路720を通って運転線路に進出する列車710と、駅700に走行経路720を通って進入する列車711が、概ね同じ時刻に走行する場合、走行経路720と走行経路721は平面的に交わっているため、例えば列車710が列車711よりも先に当該交差箇所を走行するのであれば、列車711が駅700に到着するのは、列車710が駅700を出発した時刻から所定時分β以降の時刻になる。このβの値を、駅700、先行列車の走行経路720、後続列車の走行経路721、に対する交差時隔の値とする。なお、走行経路は、当駅に到着する列車については進入運転線路と到着番線の組によって、当駅から出発する列車については進出運転線路と出発番線の組によって、それぞれ指定する。その際、運転線路と番線の組が同一であっても、当駅に到着する場合と当駅から出発する場合では列車が走行する向きが異なるため、それらは異なる経路であるとして定義する。なお、走行経路の指定の仕方は例示したものに限るものではなく、例えば、すべての走行経路の各々に予めIDを振っておき、当該IDを用いて指定するようにしてもよい。このような指定方法とすることにより、より詳細な分解能で走行経路を指定することが可能である。
図8は、本実施形態に係るデータ格納領域の構成を説明する図である。本実施形態では、予測演算対象とする時間範囲は、前日0時から翌日24時までの3日間であるとする。そこで、施行日を跨いでの連続走行を可能とするため、データ格納領域としては4日分の領域(データ格納領域800、データ格納領域801、データ格納領域802、データ格納領域803)を用意しておき、そのうち3日分を予測演算で使用し、1日分を翌々日分のデータ書き込み用のバッファとして使用する。現在、どの領域が演算対象となっているかは、演算対象面ポインタ810で特定する。以下、前日分のデータ格納領域を「(N−1)日面」、当日分のデータ格納領域を「N日面」、翌日分のデータ格納領域を「(N+1)日面」、翌々日のデータ格納領域を「(N+2)日面」と呼ぶ。
例えば、図8(a)は日替わり処理を実行する前の状態を示す図であり、図8(b)は日替わり処理を実行した後の状態を示す図である。演算対象面ポインタ810が指している位置から3日分が予測演算対象とする時間範囲となり、4日目に相当するデータ格納領域が、データ書き込み用のバッファとなる。演算対象面ポインタ810が指している位置は、後述の日替わり処理(図9)において、データ管理装置102によって更新される。
各データ格納領域には、各施行日に対応する設備データ、計画ダイヤ、実績ダイヤ、予測ダイヤが格納される。このうち設備データについては、(N+1)日面に前日から翌日までの予測演算を実施するために必要なデータのすべてが格納されており、列車運行予測処理では、設備データに格納されている有効期間の情報を参照し、適切な設備データを用いて予測処理を実施するような構成とする。
[データ管理装置102の動作]
以下、本実施形態におけるデータ管理装置102の動作について、図9乃至図18を用いて説明する。
図9は、本実施形態に係るデータ管理装置102の動作のうち、日替わり処理に関する動作を示すフローチャートである。日替わり処理は、現在時刻が24時となった時点で実行される処理である。
日替わり処理が開始されると、データ管理装置102は、まず、ステップS901において、予測演算の対象とするデータ範囲を特定するための演算対象面ポインタを更新する。具体的には、(N−1)日面の先頭を指していた演算対象面ポインタを、N日面の先頭を指すように更新する。演算対象面ポインタの更新の際は、進路制御装置101、データ管理装置102、列車運行予測装置103、運転整理端末104等の複数装置におけるデータ読み込みで不整合が発生しないよう、適宜、セマフォ等の排他処理を利用する。
続いて、ステップS902において、データ管理装置102は、(N+2)日面用の計画ダイヤと設備データを計画系システムから受信して、(演算対象面ポインタ更新後の)(N+2)日面のデータ格納領域に書き込む。
続いて、ステップS903において、データ管理装置102は、(N−1)日面のデータ格納領域に書き込まれている実績ダイヤを用いて、走行実績データベースを更新する。ステップS903の処理の詳細は、図10乃至図13を用いて後述する。
続いて、ステップS904において、データ管理装置102は、(N+2)日面のデータ格納領域に書き込まれている設備データを用いて、走行実績データベースに設備の変更を反映させる。ステップS904の処理の詳細は、図14乃至図15を用いて後述する。
続いて、ステップS905において、データ管理装置102は、設備の変更が反映された走行実績データベースと(N+2)日面のデータ格納領域に書き込まれている設備データ及び計画ダイヤを用いて、(N+2)日面のデータ格納領域に書き込まれている設備データ及び計画ダイヤに含まれる予測パラメータを更新する。ステップS905の処理の詳細は、図16乃至図18を用いて後述する。
ステップS905の処理の終了後、データ管理装置102は、日替わり処理を終了する。
図10は、本実施形態に係るデータ管理装置102の動作のうち、走行実績データベース更新処理に関する動作を示すフローチャートである。
走行実績データベース更新処理が開始されると、データ管理装置102は、まず、ステップS1001において、基準運転時分推定用データベース更新処理を実行する。ステップS1001の基準運転時分推定用データベース更新処理の詳細は、後述(図11)する。
続いて、ステップS1002において、データ管理装置102は、最小停車時分推定用データベース更新処理を実行する。ステップS1002の最小停車時分推定用データベース更新処理の詳細は、後述(図12)する。
続いて、ステップS1003において、データ管理装置102は、交差時隔推定用データベース更新処理を実行する。ステップS1003の交差時隔推定用データベース更新処理の詳細は、後述(図13)する。
続いて、ステップS1004において、データ管理装置102は、不要となったデータベースを削除する。具体的には、基準運転時分推定用データ、最小停車時分推定用データ、交差時隔推定用データの各々について、各々のデータが備える有効期間の情報を参照し、使用終了日時を過ぎている場合に削除すればよい。
ステップS1004の処理の終了後、データ管理装置102は、走行実績データベース更新処理を終了する。
図11は、本実施形態に係るデータ管理装置102の動作のうち、基準運転時分推定用データベース更新処理に関する動作を示すフローチャートである。
基準運転時分推定用データベース更新処理が開始されると、データ管理装置102は、まず、ステップS1101において、実績ダイヤ上で各列車が走行した各駅についてのループを回すことにより、実績ダイヤ上で各列車が走行した各駅について、以下のステップS1102乃至ステップS1104で説明する処理を実行する。
データ管理装置102は、まず、ステップS1102において、実績ダイヤを参照し、後方駅出発遅延時分と「後方駅〜当駅」間の運転時分を求め、基準運転時分推定用データを作成する。具体的には、後方駅出発遅延時分を「後方駅実績出発時刻−後方駅計画出発時刻」として求め、「後方駅〜当駅」間の運転時分を「当駅実績到着時刻−後方駅実績出発時刻」として求める。
続いて、ステップS1103において、データ管理装置102は、対応する基準運転時分推定用データベースに既に格納されている基準運転時分推定用データの重み係数を更新する。具体的には、忘却係数Kを用いて、各々のデータの重み係数に忘却係数Kを乗じた値を、あらためて当該データの重み係数とする。忘却係数Kの値は、例えば「0.9」のような値であり、予め定めて設定ファイルに記載しておけばよいが、運転整理端末104から入力可能であるように構成してもよい。
続いて、ステップS1104において、データ管理装置102は、対応する基準運転時分推定用データベースに、今回求めた基準運転時分推定用データを登録する。
実績ダイヤ上で各列車が走行した各駅について前述のステップS1102乃至ステップS1104で説明した処理を実行後、データ管理装置102は、基準運転時分推定用データベース更新処理を終了する。
図12は、本実施形態に係るデータ管理装置102の動作のうち、最小停車時分推定用データベース更新処理に関する動作を示すフローチャートである。
最小停車時分推定用データベース更新処理が開始されると、データ管理装置102は、まず、ステップS1201において、実績ダイヤ上で各列車が停車した各駅についてのループを回すことにより、実績ダイヤ上で各列車が停車した各駅について、以下のステップS1202乃至ステップS1204で説明する処理を実行する。
データ管理装置102は、まず、ステップS1202において、実績ダイヤを参照し、当駅の到着遅延時分と当駅の停車時分を求め、最小停車時分推定用データを作成する。具体的には、当駅の到着遅延時分を「当駅実績到着時刻−当駅計画到着時刻」として求め、当駅の停車時分を「当駅実績出発時刻−当駅実績到着時刻」として求める。
続いて、ステップS1203において、データ管理装置102は、対応する最小停車時分推定用データベースに既に格納されている最小停車時分推定用データの重み係数を更新する。具体的には、前述のステップS1103の処理と同様、忘却係数を用いて更新すればよい。
続いて、ステップS1204において、データ管理装置102は、対応する最小停車時分推定用データベースに、今回求めた最小停車時分推定用データを登録する。
実績ダイヤ上で各列車が停車した各駅について前述のステップS1202乃至ステップS1204で説明した処理を実行後、データ管理装置102は、最小停車時分推定用データベース更新処理を終了する。
図13は、本実施形態に係るデータ管理装置102の動作のうち、交差時隔推定用データベース更新処理に関する動作を示すフローチャートである。
交差時隔推定用データベース更新処理が開始されると、データ管理装置102は、まず、ステップS1301において、実績ダイヤ上で各列車が走行した各駅についてのループを回すことにより、実績ダイヤ上で各列車が走行した各駅について、以下のステップS1302乃至ステップS1307で説明する処理を実行する。
データ管理装置102は、まず、ステップS1302において、「着目している列車(=先行列車)の着発時刻」以降「先行列車の着発時刻+所定時分」以前の時間範囲内に当駅に到着または当駅から出発した列車を列挙する。所定時分の値としては、交差時隔の上限値を与えるものであればよく、例えば、「5分」という値を使用する。所定時分の値は、予め定めて設定ファイルに記載しておいたものを参照すればよい。
続いて、ステップS1303において、データ管理装置102は、列挙された各々の列車(=後続列車)についてのループを回すことにより、列挙された各々の列車(=後続列車)について、以下のステップS1304乃至ステップS1307で説明する処理を実行する。
データ管理装置102は、まず、ステップS1304において、先行列車と後続列車の走行経路が支障関係にあるか否かを判定する。具体的には、設備データを参照し、交差時隔データが定義されている場合に「支障関係にある」、交差時隔データが定義されていない場合に「支障関係にない」と判定すればよい。
先行列車と後続列車の走行経路が支障関係にある場合(ステップS1304「YES」)、データ管理装置102は、ステップS1305の処理に進む。
先行列車と後続列車の走行経路が支障関係にない場合(ステップS1304「NO」)、データ管理装置102は、ステップS1303のループの先頭に戻り、次の後続列車の処理に移る。
ステップS1305では、データ管理装置102は、先行列車と後続列車の実績時刻を用いて、交差時隔推定用データを作成する。具体的には、例えば、先行列車と後続列車の走行経路が共に当駅に到着する走行経路である場合「後続列車の当駅実績到着時刻−先行列車の当駅実績到着時刻」として交差時隔を求める。先行列車と後続列車の走行経路の出発・到着のその他の組み合わせについても、同様に、実績出発時刻、或いは、実績到着時刻を用いて求めればよい。
続いて、ステップS1306において、データ管理装置102は、対応する交差時隔推定用データベースに既に格納されている交差時隔推定用データの重み係数を更新する。具体的には、前述のステップS1103の処理と同様、忘却係数を用いて更新すればよい。
続いて、ステップS1307において、データ管理装置102は、対応する交差時隔推定用データベースに今回求めた交差時隔推定用データを登録する。
列挙された各々の列車(=後続列車)について前述のステップS1304乃至ステップS1307で説明した処理を実行後、データ管理装置102は、ステップS1301のループの先頭に戻り、次の駅または次の列車の処理に移る。
実績ダイヤ上で各列車が走行した各駅について前述のステップS1302乃至ステップS1307で説明した処理を実行後、データ管理装置102は、交差時隔推定用データベース更新処理を終了する。
図14は、本実施形態に係るデータ管理装置102の動作のうち、環境変化反映処理に関する動作を示すフローチャートである。
環境変化反映処理が開始されると、データ管理装置102は、まず、ステップS1401において、設備状況が変化した箇所を検出する。具体的には、基準運転時分データ等が保持する状態フラグの値を参照することで検出すればよい。
続いて、ステップS1402において、データ管理装置102は、検出された変化箇所についてのループを回すことにより、検出された変化箇所の各々について、以下のステップS1403乃至ステップS1411の処理を実行する。
データ管理装置102は、まず、ステップS1403において、設備状況の切替時刻を求める。具体的には、設備データの使用開始時刻及び使用終了時刻のうち、予測演算対象とする時間範囲内に存在する時刻を求めればよい。
続いて、ステップS1404において、データ管理装置102は、検出した設備状況の変化に伴って走行実績データベースの修正(作成,削除,更新)が必要となる予測パラメータを特定する。具体的には、図15に例を示したような条件テーブルを用いて、設備状況の変化に伴って直接影響を受ける予測パラメータのほかに、間接的に影響を受ける予測パラメータをルールベースで抽出する。
例えば、番線が新設された場合、直接的には新設前に存在しなかった基準運転時分、最小停車時分、交差時隔等に関するデータベースの修正が必要となるが、さらに、間接的な影響として、旅客流の変化による別番線の最小停車時分の変化が予想されるため、そのような予測パラメータについてもデータベースの修正要として抽出する。
別の例としては、渡り線の位置が変更された場合、交差支障を考慮すべき走行経路のペアは変わらず時隔のみが変化するケースが考えられる。そのような場合には、交差時隔データのキー部の情報に変化はないものの、適切な推定値は改修前後で異なった値となるべきであるため、当該予測パラメータについて、データベースの修正要として抽出する。
なお、本発明における設備状況の変化としては、例示したものに限るものではなく、適切な条件テーブルを具備しておくことで、駅の追加や削除、線路の追加や削除、番線の追加や削除、渡り線の追加や削除等、種々の状況変化に適用することができる。
続いて、ステップS1405において、データ管理装置102は、処理対象の予測パラメータに対応するデータベースが既に存在するか否かを判定する。処理対象の予測パラメータに対応するデータベースが既に存在する場合(ステップS1405「YES」)、データ管理装置102は、ステップS1408の処理に進む。処理対象の予測パラメータに対応するデータベースが存在しない場合(ステップS1405「NO」)、データ管理装置102は、ステップS1406の処理に進む。
ステップS1406では、データ管理装置102は、データベースを新規に作成する。続いて、ステップS1407に進み、データ管理装置102は作成したデータベースに初期値を登録する。登録する初期値はルールベースで算出すればよく、例えば、シミュレータを用いて算出した結果や、計画時分に所定の換算係数を乗じた結果や、近傍の設備データに関して登録されている値に基づいて近似した結果等を用いることができるが、これらの算出方法に限るものではない。
ステップS1407の処理の終了後、データ管理装置102は、ステップS1402のループの先頭に戻り、次の変化箇所に関する処理に移る。
ステップS1408では、データ管理装置102は、切替時刻を有効期間内に含むデータベースが存在するか否かを判定する。切替時刻を有効期間内に含むデータベースが存在する場合(ステップS1408「YES」)、データ管理装置102は、ステップS1409の処理に進む。切替時刻を有効期間内に含むデータベースが存在しない場合(ステップS1408「NO」)、データ管理装置102は、ステップS1406の処理に進む。
ステップS1409では、データ管理装置102は、データベースを複製し、その後、データ管理装置102は、ステップS1410に進んでデータベースの有効期間を更新する。具体的には、複製元のデータベースを切替時刻以前の設備状況に対応するもの、複製により新たに作成されたデータベースを切替時刻以降の設備状況に対応するもの、との位置付けで、複製元のデータベースの使用終了時刻を切替時刻に、複製により新たに作成されたデータベースの使用開始時刻を切替時刻に、それぞれ更新する。
続いて、ステップS1411において、データ管理装置102は、切替時刻以降に対応するデータベースの重み係数を更新する。具体的には、切替係数Cを用いて、各々のデータの重み係数に切替係数Cを乗じた値を、あらためて当該データの重み係数とすることで実施する。切替係数Cの値は、例えば「0.2」のような値であり、予め定めて設定ファイルに記載しておけばよいが、運転整理端末104から入力可能であるように構成してもよい。
検出された変化箇所の各々について、前述のステップS1403乃至ステップS1411で説明する処理を実行後、データ管理装置102は、環境変化反映処理を終了する。
図16は、本実施形態に係るデータ管理装置102の動作のうち、予測パラメータ更新処理に関する動作を示すフローチャートである。
予測パラメータ更新処理が開始されると、データ管理装置102は、まず、ステップS1601において、予測パラメータについてのループを回すことにより、各々の予測パラメータについて、以下のステップS1602乃至ステップS1603で説明する処理を実行する。
データ管理装置102は、まず、ステップS1602において、対応するデータベースに基づいて予測パラメータの推定値を求める。基準運転時分の推定方法については図17で、最小停車時分の推定方法については図18で、それぞれ後述する。交差時隔の推定方法については、例えば、時分の小さい方からNh%分のサンプル点を参照し、それらの時分の加重平均として求めればよい。Nhの値は、予め定めて設定ファイルに記載しておき、必要に応じて参照すればよい。
なお、交差時隔の推定方法についてはこれに限るものではなく、例えば、予測パラメータの推定精度を向上させるために、走行実績として得られた時刻がそのような時刻となった要因を推定し、交差時隔の影響が疑われるデータだけを登録するようにしてもよい。要因の推定については、例えば後述(図19,図20)の列車運行ネットワークを用いて推定すればよい。具体的には、ある有向辺に対して始点側の演算ポイントの実績時刻と有向辺に登録されている所要時分の和が終点側の演算ポイントの実績時刻と略一致している場合、当該有向辺に対応する制約条件が終点側の演算ポイントの実績時刻を決める要因となっている、と推定できるため、そのような場合は、終点側の演算ポイントに関する交差時隔推定用データの登録を省略すればよい。
続いて、ステップS1603において、データ管理装置102は、求めた推定値で予測パラメータを更新する。
各々の予測パラメータについて、前述のステップS1602乃至ステップS1603で説明する処理を実行後、データ管理装置102は、予測パラメータ更新処理を終了する。
図17は、本実施形態に係る予測パラメータ更新処理において、基準運転時分の推定方法を説明する図である。
発明者の検討によれば、サンプル点群1700は定時運行時に余裕時分いっぱいまで使って計画どおりに到着しようとするグループを、サンプル点群1701は定時運行時でも基準運転時分(最短時間)で走行しようとするグループを、サンプル点群1702は列車遅延時に基準運転時分で走行するグループを、それぞれ表していると予想される。本実施形態では、精度のよい推定値を得るため、後方駅の出発遅延時分が所定の値以上となるサンプル点が所定の個数以上ある場合には、それらのサンプル点を用いて傾き「0」の直線1710を推定し、切片1720を基準運転時分の推定値とする。サンプル点群1702に該当するサンプル点が十分な数だけ得られない場合、すなわち、推定結果の直線1710から所定の閾値以内の距離に存在する、後方駅の出発遅延時分が所定の値以上であるサンプル点の数が、所定の個数以下である場合には、すべてのサンプル点を対象として、時分の少ないほうからNr%番目に該当するサンプル点の時分を推定値として採用する。Nrの値は、例えば「5」程度の値とすればよい。Nrの値は、予め定めて設定ファイルに記載しておく。
図18は、本実施形態に係る予測パラメータ更新処理において、最小停車時分の推定方法を説明する図である。
発明者の検討によれば、サンプル点群1800は「服や鞄がドアに挟まった」「先行列車が詰まっている」など何らかの理由で出発が遅延しているグループを、サンプル点群1801は列車が早着した場合に「計画通り出発」を目指しているグループを、サンプル点群1802は列車が遅延して最小停車時分だけ停車するグループを、それぞれ表していると予想される。本実施形態では、精度のよい推定値を得るため、サンプル点群1801或いはサンプル点群1802に含まれるサンプルを対象として傾き「−1」の半直線1810と傾き「0」の半直線1811から成る折れ線を推定し、半直線1811を延長した場合の切片1820として最小停車時分を推定する。具体的にはサンプル点群1800も含めたすべてのサンプル点の集合に対して、ロバスト推定手法を用いて、前述の折れ線を推定すればよい。サンプル点群1802に該当するサンプル点が十分な数だけ得られない場合、すなわち、推定結果の直線1811から所定の閾値以内の距離に存在する、当駅の到着遅延時分が所定の値以上であるサンプル点の数が、所定の個数以下である場合には、すべてのサンプル点を対象として、時分の少ないほうからNd%番目に該当するサンプル点の時分を推定値として採用する。Ndの値は、予め定めて設定ファイルに記載しておく。
[列車運行予測装置103の動作]
以下、本実施形態における列車運行予測装置103の動作について、図19乃至図26を用いて説明する。
図19は、本実施形態に係る列車運行予測装置103の動作のうち、列車運行予測処理に関する動作を示すフローチャートである。列車運行予測装置103は、列車運行予測プログラム331に従って、図19に示す列車運行予測処理を実施する。
列車運行予測処理が開始されると、列車運行予測装置103は、まず、ステップS1901において、入力データを読み込む。具体的には、設備データ111と、計画ダイヤ112と、実績ダイヤ113と、列車運行予測処理の動作条件が記載されている図示しない設定ファイルを読み込み、また、システム内の現在時刻を取得する。
続いて、ステップS1902において、列車運行予測装置103は、列車運行ネットワークを作成する。列車運行ネットワークとは、予測時刻に依存しない、静的に決まる順序によって定義される制約条件を表現する、有向グラフである。ステップS1902において作成される列車運行ネットワークの一部を、図20に示す。
図20の有向グラフの各頂点は、予測時刻を算出すべき演算ポイントを示している。各演算ポイントの予測時刻同士が満たすべき制約条件として、ある演算ポイントに対応するイベントが発生してから、別の演算ポイントに対応するイベントが発生する、という条件がある場合、当該条件は、前者に対応する頂点を始点とし、後者に対応する頂点を終点とする有向辺によって表現される。
具体的には、例えば、頂点2000と頂点2001は、列車Aがある駅に到着後、出発する、という関係にあるため、頂点2000を始点とし、頂点2001を終点とする有向辺によって結ばれる。有向辺のデータ構造は、図21に示すように、制約条件種別2100と、始点側の演算ポイントの識別子2101と、終点側の演算ポイントの識別子2102と、所要時分2103を備えるように成されており、例示した場合では、制約条件種別は「最小停車時分遵守」、始点側の演算ポイントの識別子は頂点2000の識別子、終点側の演算ポイントの識別子は頂点2001の識別子、所要時分は最小停車時分という有向辺2010が作成される。同様に、頂点2001と頂点2002の間には、制約条件種別が「基準運転時分遵守」、所要時分の値が基準運転時分であるような有向辺2011が作成される。列車間の関係については、運転線路や番線等、同一のリソースを使用する場合に、時分の確保が必要となるため、例えば、列車Aと列車Bが同じ番線を使用する場合には、制約条件種別が「番線使用順序遵守」で所要時分の値が発着続行時隔(ある番線を使用する先行列車が出発してから当該番線を使用する後続列車が到着するまでに最低限確保すべき時間間隔)であるような有向辺2012が頂点2001と頂点2003の間に作成される。同様に、制約条件種別が「駅間追越し禁止」で所要時分の値が着着続行時隔(ある線路を使用する先行列車がある駅に到着してから当該線路を使用する後続列車が当該駅に到着するまでに最低限確保すべき時間間隔)であるような有向辺2013が頂点2006と頂点2004の間に作成され、制約条件種別が「同線路出発順序」で所要時分の値が発発続行時隔(ある線路を使用する先行列車がある駅から出発してから当該線路を使用する後続列車が当該駅を出発するまでに最低限確保すべき時間間隔)であるような有向辺2014が頂点2007と頂点2005の間に作成される。図20には一部の条件のみが図示されているが、これ以外にも遵守すべき制約条件があれば、同様に、適宜追加すればよい。なお、所要時分の値を決定する際、開始日時か終了日時が予測時間幅(現在時刻の何時間後までを予測対象とするか)に含まれるものが存在する場合には、有向辺の所要時分に、「−86400」等、所要時分としては例外値となるような値をマーカーとして入れておくことにより、後段の処理で設備状況の変化が検出できるようにしておく。
なお、各演算ポイントの予測時刻の初期値は「0」で初期化されており、列車運行予測処理が進むにしたがって、即ち、各演算ポイントが満たすべき制約条件が増えるにしたがって、徐々に大きな値となっていく。頂点に入ってくる有向辺の始点側の時刻がすべて確定した時点で当該演算ポイントの予測時刻が確定可能となる。
運転整理の過渡期の状態を考慮する場合には、列車運行ネットワーク上の有向閉路に相当する順序矛盾を有向グラフの強連結成分として検出し、検出した強連結成分から有向閉路がなくなって非閉路グラフとなるまで、有向辺を削除する処理を実施する。これは「論理的に実行可能な解がない場合に、制約条件を緩めて実行可能解が存在することを保証する」ことに相当し、この処理を実施することによって、列車運行予測処理が、必要な演算ポイントすべての予測時刻を求めた上で必ず終了することが保証される。有向辺を削除した場合は、例えば有向辺の終点側の演算ポイントに関して、「順序矛盾あり」との指摘情報を作成することで、制約条件を緩和したことを運転整理端末104を用いて指令員に提示できるようにする。
続いて、ステップS1903において、列車運行予測装置103は、各演算ポイントの予測時刻を算出する。ステップS1903の処理の詳細は、後述(図22)する。
続いて、ステップS1904において、列車運行予測装置103は、有向辺を参照して指摘情報を作成する。具体的には、所要時分としてマーカーの値が入っている有向辺の各々について、ステップS1903で算出した予測時刻を基に設備データを参照し、対応する設備データが存在しない場合について、「設備使用不可」との指摘情報を作成すればよい。列車が遅延することで実行可能となる、すなわち、対応する設備データが存在するようになる場合には、実行可能であるように予測時刻が算出されるため、「設備使用不可」という指摘情報は作成されないが、その場合、運転整理端末104上では遅れスジとして表示されるため、指令員は当該遅れスジを見ることによって、状況を把握することができる。
続いて、ステップS1905において、列車運行予測装置103は、予測結果として各演算ポイントの予測時刻と指摘情報を出力する。ステップS1905の処理の終了後、列車運行予測装置103は、列車運行予測処理を終了する。
図22は、本実施形態に係る列車運行予測装置103の動作のうち、予測時刻算出処理に関する動作を示すフローチャートである。
予測時刻算出処理が開始されると、列車運行予測装置103は、まず、ステップS2201において、すべての演算ポイントの制約条件反映フラグを「反映未済」とする。
続いて、ステップS2202において、列車運行予測装置103は、時刻に関する制約条件と走行実績に関する制約条件を各演算ポイントの予測時刻に反映させる。例えば、走行実績が既に存在する演算ポイントの予測時刻は、走行実績と等しい時刻で確定させる。また、走行実績がなく、計画時刻よりも早く出発することが許されていない駅の出発時刻に対応する演算ポイントの予測時刻については、「現時点での当該演算ポイントの予測時刻」と「計画出発時刻」のうち大きいほうの時刻で更新する。走行実績がない演算ポイントに対する、時刻に関するその他の制約条件についても同様に、時刻に関するすべての制約条件を必ず満たすような値を用いて当該演算ポイントの予測時刻を更新するようにすればよい。
続いて、ステップS2203において、列車運行予測装置103は、制約条件反映処理の対象とする演算ポイントを選択する。具体的には、入エッジの始点側の演算ポイントの制約条件反映フラグがすべて予測時刻「反映済み」となっている演算ポイントの中で、現時点での予測時刻が最も早い演算ポイントを選択する。
続いて、ステップS2204において、列車運行予測装置103は、制約条件反映処理の対象とする演算ポイントが選択できたか否かを判定する。制約条件反映処理の対象とする演算ポイントが選択できた場合(ステップS2204「YES」)、列車運行予測装置103は、ステップS2205の処理に進む。制約条件反映処理の対象とする演算ポイントが選択できなかった場合(ステップS2204「NO」)、列車運行予測装置103は、予測時刻算出処理を終了する。
ステップS2205では、列車運行予測装置103は、制約条件反映処理を実行する。制約条件反映処理の詳細は後述(図23)する。
続いて、ステップS2206において、列車運行予測装置103は、制約条件反映処理の結果、再伝播要否フラグの値が「再伝播必要」となっているか否かを判定する。再伝播要否フラグの値が「再伝播必要」である場合(ステップS2206「YES」)、列車運行予測装置103は、ステップS2203の処理に戻って処理を続ける。再伝播要否フラグの値が「再伝播必要」でない場合(ステップS2206「NO」)、列車運行予測装置103は、ステップS2207の処理に進む。
ステップS2207では、列車運行予測装置103は、選択した演算ポイントに関して交差時隔を確保するための制約条件を、関連する演算ポイントの予測時刻に反映させる。選択した演算ポイントの側が先行列車に該当するとして、後続列車に対して所定の時分を確保するような制約条件を反映させればよい。
後続列車としては、制約条件反映フラグが「反映済み」となっていない列車のうち、先行列車と支障関係にある走行経路を使用するすべての列車を対象とすればよいが、在線状況を管理しておくことで対象となる列車を絞り込むようにしてもよい。例えば、交差時隔の最大値が60秒である場合、他の制約条件から当該支障箇所を通過する時刻が先行列車に比べて60秒以上遅くなる列車があった場合、当該列車については、要に制約条件を入れる対象から外すことができる。
続いて、ステップS2208において、列車運行予測装置103は、選択した演算ポイントの制約条件反映フラグを「反映済み」とする。
ステップS2208の処理の終了後、列車運行予測装置103は、ステップS2203の処理に戻って処理を続ける。
図23は、本実施形態に係る列車運行予測装置103の動作のうち、制約条件反映処理に関する動作を示すフローチャートである。
制約条件反映処理が開始されると、列車運行予測装置103は、まず、ステップS2301において、列車運行ネットワークにおいて選択した演算ポイントを始点とする有向辺の各々について、順次、以下の処理を実行する。
列車運行予測装置103は、まず、ステップS2302において、再伝播要否フラグの値を「再伝播不要」とする。
続いて、ステップS2303において、列車運行予測装置103は、着目している有向辺が設備の変化に影響される制約条件に対応するものであるか否かを判定する。具体的には、有向辺の所要時分を参照し、マーカーであるか否かで判定すればよい。着目している有向辺が設備の変化に影響される制約条件に対応するものである場合、(ステップS2303「YES」)、列車運行予測装置103は、ステップS2305の処理に進む。着目している有向辺が設備の変化に影響される制約条件に対応するものではない場合(ステップS2303「NO」)、列車運行予測装置103は、ステップS2304の処理に進む。
ステップS2304では、列車運行予測装置103は、有向辺に登録されている所要時分を用いて有向辺の終点側の演算ポイントの予測時刻を更新する。具体的には、着目している有向辺の終点側の演算ポイントの予測時刻を「始点側の演算ポイントの予測時刻+所要時分」と「現時点での終点側の演算ポイントの予測時刻」のうち大きいほうの時刻で更新する。
ステップS2304の処理の終了後、列車運行予測装置103は、ステップS2301に戻って処理を続ける。
ステップS2305では、列車運行予測装置103は、制約条件決定処理を実行し、制約条件を決定する。制約条件決定処理の詳細は後述(図24)する。
続いて、ステップS2306において、列車運行予測装置103は、再伝播要否フラグの値が「再伝播必要」であるか否かを判定する。再伝播要否フラグの値が「再伝播必要」である場合(ステップS2306「YES」)、列車運行予測装置103は、ステップS2301で開始したループを抜け、制約条件反映処理を終了する。再伝播要否フラグの値が「再伝播必要」ではない場合(ステップS2306「NO」)、列車運行予測装置103は、ステップS2307の処理に進む。
ステップS2307では、列車運行予測装置103は、ステップS2304と同様に、決定された制約条件を用いて有向辺の終点側の演算ポイントの予測時刻を更新する。ステップS2307の処理の終了後、列車運行予測装置103は、ステップS2301に戻って処理を続ける。
図24は、本実施形態に係る列車運行予測装置103の動作のうち、制約条件決定処理に関する動作を示すフローチャートである。
制約条件決定処理が開始されると、列車運行予測装置103は、まず、ステップS2401において、設備データを参照して着目している制約条件に対応する予測パラメータ群(予測パラメータの集合)を取得する。
続いて、ステップS2402において、列車運行予測装置103は、有向辺の始点側の演算ポイントの予測時刻Tsを有効期間内に含むような予測パラメータが、取得した予測パラメータ群の中に存在するか否かを判定する。
有向辺の始点側の演算ポイントの予測時刻Tsを有効期間内に含むような予測パラメータが存在する場合(ステップS2402「YES」)、列車運行予測装置103は、ステップS2403の処理に進む。有向辺の始点側の演算ポイントの予測時刻Tsを有効期間内に含むような予測パラメータが存在しない場合(ステップS2402「NO」)、列車運行予測装置103は、ステップS2404の処理に進む。
ステップS2403では、列車運行予測装置103は、予測時刻基準制約条件決定処理を実行する。予測時刻基準制約条件決定処理の詳細は後述(図25)する。予測時刻基準制約条件決定処理の終了後、列車運行予測装置103は、制約条件決定処理を終了する。
ステップS2404では、列車運行予測装置103は、設備データ基準制約条件決定処理を実行する。設備データ基準制約条件決定処理の詳細は後述(図26)する。設備データ基準制約条件決定処理の終了後、列車運行予測装置103は、制約条件決定処理を終了する。
図25は、本実施形態に係る列車運行予測装置103の動作のうち、予測時刻基準制約条件決定処理に関する動作を示すフローチャートである。
予測時刻基準制約条件決定処理が開始されると、列車運行予測装置103は、まず、ステップS2501において、有向辺の始点側の演算ポイントの予測時刻Tsが有効期間内に含まれる予測パラメータの所要時分Tcに対して、「Ts+Tc」が有効期間内に含まれているか否かを判定する。有効期間内に含まれている場合(ステップS2501「YES」)、列車運行予測装置103は、ステップS2502の処理に進む。有効期間内に含まれていない場合(ステップS2501「NO」)、列車運行予測装置103はステップS2503の処理に進む。
ステップS2502では、列車運行予測装置103は、着目している制約条件の所要時分をTcとする。すなわち、所要時分まで含めた詳細な制約条件を決定する。ステップS2502の処理の終了後、列車運行予測装置103は予測時刻基準制約条件決定処理を終了する。
ステップS2503では、列車運行予測装置103は、「Ts+Tc」を有効期間内に含む予測パラメータが存在するか否かを判定する。存在する場合(ステップS2503「YES」)、列車運行予測装置103は、ステップS2504の処理に進む。存在しない場合(ステップS2503「NO」)、列車運行予測装置103は、ステップS2505の処理に進む。
ステップS2504は、設備の更新があった場合の処理に相当する。列車運行予測装置103は、着目している制約条件の所要時分をTcとする。すなわち、所要時分まで含めた詳細な制約条件を決定する。ステップS2504の処理の終了後、列車運行予測装置103は予測時刻基準制約条件決定処理を終了する。
ステップS2505は、設備の廃止があった場合の処理に相当する。列車運行予測装置103は、着目している制約条件の所要時分をTcとする。すなわち、所要時分まで含めた詳細な制約条件を決定する。ステップS2505の処理の終了後、列車運行予測装置103は予測時刻基準制約条件決定処理を終了する。
図26は、本実施形態に係る列車運行予測装置103の動作のうち、設備データ基準制約条件決定処理に関する動作を示すフローチャートである。
設備データ基準制約条件決定処理が開始されると、列車運行予測装置103は、まず、ステップS2601において、使用開始時刻がTs以降である予測パラメータのうち使用開始時刻が最も早い予測パラメータを取得する。
続いて、ステップS2602において、列車運行予測装置103は、使用開始時刻がTs以降である予測パラメータが取得できたか否かを判定する。取得できた場合(ステップS2602「YES」)、列車運行予測装置103は、ステップS2603の処理に進む。取得できなかった場合(ステップS2602「NO」)、列車運行予測装置103は、ステップS2605の処理に進む。
ステップS2603は、設備の新設があった場合の処理に相当する。列車運行予測装置103は、取得した予測パラメータの使用開始時刻Tbを用いて始点側の演算ポイントの予測時刻を「Ts ← Tb」と更新する。その後、ステップS2604において、列車運行予測装置103は、始点側の演算ポイントの再計算要否フラグを「再伝播必要」とする。ステップS2604の処理の終了後、列車運行予測装置103は、設備データ基準制約条件決定処理を終了する。
ステップS2605は、設備の廃止があった場合の処理に相当する。列車運行予測装置103は、使用開始時刻がTs以前である予測パラメータのうち使用終了時刻が最も遅い予測パラメータを取得する。その後、ステップS2606において、列車運行予測装置103は、取得した予測パラメータの所要時分Tpを着目している制約条件の所要時分とする(実行可能解がないため、不合理となる状況を提示するための便法である)。ステップS2606の処理の終了後、列車運行予測装置103は設備データ基準制約条件決定処理を終了する。
[運転整理端末104における予測結果の表示方法]
以下、運転整理端末104における予測結果の表示方法について、図27を用いて説明する。
図27は、本実施形態に係る列車運行管理システムにおいて、運転整理端末104が備える表示画面に列車運行予測装置103が出力した予測結果を表示する際の表示内容を説明する図である。図27において、縦線2700は現在時刻を、縦線2701は設備の切替時刻を表している。
図27(a)は、設備の切替時刻以降、B駅の2番線が廃止となった場合の例である。本実施形態における運転整理端末104は、予測演算の対象とする時間範囲のうち、どこかの時点で番線が存在している場合には、駅線を展開して個々の番線が見えるように表示する際に、新設前または廃止後の番線についても表示するように構成される。その際、実際には当該番線が使用できない時間帯があることを指令員に知らせるために、番線が使用可能な時間帯と使用できない時間帯とでは、異なる表示方法で番線表示線を表示するように構成しておく。具体的には、例えば、番線が使用可能な時間帯については、番線表示線2720に示されているように、番線表示線を実線で表現し、番線が使用できない時間帯については、番線表示線2721に示されているように、番線表示線を破線で表現する。尚、「異なる表示方法」についてはここで例示した方法に限るものではなく、線の色や太さを変える等、種々変更が可能である。
図27(a)において、予測スジ2730で表現されている列車については、当該予測スジによって、設備が使用可能な時間帯に通常通り運行できるであろうことが示されている。他方、予測スジ2731で表現されている列車1A01については、到着予定のB駅の2番線が廃止されることに伴い、「使用できない設備を使用せざるを得ない」という予測結果が得られている。このような場合、運転整理端末104は、不合理の発生を指令員に知らせるために、列車運行予測装置103が出力した指摘情報に基づいて、不合理発生箇所に指摘マーク2740を付して表示するほか、「不合理の発生時刻が早い順」等、優先度の高い順に、指摘表示領域2710に不合理発生箇所や関連列車、不合理と判断した理由等の指摘情報を表示する。
図27(b)は、D駅2番線が新設される例である。この場合、設備の有効期間を考慮せずに列車の運行を予測すると、予測スジ2732aのような結果、或いは、「設備使用不可(運行不可能)」という不合理を摘出する結果となるが、本実施例の列車運行予測装置103では、設備が使用可能な時間帯まで列車の運行を遅らせる、という予測結果を出力するため、運転整理端末104が備える表示画面には予測スジ2732bのように表示される。このような場合、列車の運行が可能であることから不合理としては扱わず、指摘表示領域2710には指摘情報を表示しない。
図27(c)は、F駅2番線が新設される例である。この場合、設備の有効期間を考慮せずに列車の運行を予測すると、予測スジ2733aのような結果、或いは、「設備使用不可(運行不可能)」という不合理を摘出する結果となるが、本実施例の列車運行予測装置103では、E駅出発時点で設備が使用可能であることが確定する時間帯まで列車の運行を遅らせる、という予測結果を出力するため、運転整理端末104が備える表示画面には予測スジ2733bのように表示される。このような場合、図27(b)と同様に、列車の運行が可能であることから不合理としては扱わず、指摘表示領域2710には指摘情報を表示しない。
以上、本実施形態によれば、データ管理装置102による走行実績データベースの更新まで含んだ列車運行予測処理の構成を、(1)設備の状況が変化した箇所を検出し、(2)当該変化によって影響を受ける予測パラメータ群を特定し、(3)特定された予測パラメータ群の各々に対応する走行実績データベースを適切に修正した上で修正された走行実績データベースを用いて予測パラメータを推定し、(4)推定された予測パラメータを用いて列車の運行を予測するような構成としたことにより、設備状況が変化した場合でも、それらの変化を反映した尤もらしい予測パラメータを用いて列車の運行を予測することができるため、結果として、尤もらしい予測結果を得ることができる。特に、ある設備状況の変化に影響されて別の箇所の予測パラメータの最適値が変化するような場合においても、後者の予測パラメータに対応する走行実績データベースを適切に更新することで、設備状況の変化前に蓄積されたデータの影響が低減されることになり、従来技術によるシステムに比べ、より尤もらしい予測結果を得ることができる。
また、列車運行予測装置103における列車運行予測処理の構成を、(1)設備状況が変化したことを設備データの有効期間を参照して検出し、(2)設備状況の変化の影響を受ける予測演算ポイントを設備データの有無から特定し(例えば番線が新設される場合、当該番線に到着するような運転線路の基準運転時分についても、有効とされるのは当該番線の新設後となるため、当該番線の新設前の段階では、後方駅を出発できないことになる)(3)特定された演算ポイントに対して、実績ダイヤに基づいて、満たすべき制約条件を求め、(4)求められた制約条件に従って列車の運行を予測するような構成としたことにより、設備状況が変化した場合でも、それらの変化を反映した尤もらしい予測結果を得ることができる。
さらに、各設備データが有効期限の情報を備えて、列車運行予測処理では当該有効期限の情報を参照して適切な設備データを演算に使用するような構成とした上で、ある演算ポイントの予測時刻を決定する際に、参照する設備データが存在しない場合は、実行可能となる解があれば実行可能となるように予測時刻を決定し、実行可能となる解がなければ指摘情報を摘出して提示するような構成としたことで、列車が遅延して設備状況が変化する時刻を跨ぐ状況が想定外に発生した場合でも、指令員に対して有用な情報を提示することができる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば次のように変更することができる。
前記実施形態では、設備データについても4面保持する構成としたが、本発明の実施形態はこれに限るものではない。例えば、読み込み用(列車運行予測処理で使用する)とデータ書き込み用のバッファ(日替わり処理で使用する)の2面分の記憶領域のみを備えた構成とし、交互に役割を交代させながら使用するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、走行実績データベースや予測パラメータの更新頻度を日替わり処理の度に実施する例を示したが、本発明における走行実績データベースや予測パラメータの更新頻度は、これに限るものではない。例えば、設備状況が変化した直後は相対的に高い頻度で更新するようにし、その後、収集されたデータ量が増えて推定値が安定してくるにつれ、更新頻度を下げるようにしてもよい。これにより、変化後の状況に予測パラメータが適合し易くなるとともに、定常状態においては、予測パラメータの更新に伴うコストや不適切な推定値を使用することになるリスクを低減することができる。
また、前記実施形態では、走行実績データベースを各予測パラメータに対して1対1に対応するキューとして構成し、各予測パラメータを推定する際に、対応するキューに格納されているデータのみを使用して推定するような構成としたが、本発明における走行実績データベースの構成や、予測パラメータの推定方法は、これに限るものではない。例えば、遅延時分が2分未満のデータと、遅延時分が2分以上5分未満のデータと、遅延時分が5分以上10分未満のデータと、遅延時分が10分以上のデータの、各々のグループに対して個別の格納キューを用意する等、ある予測パラメータに対応するキューを複数用意し、遅延時分に応じて格納するキューを使い分けるようにしてもよい。またさらに、キュー毎に、格納可能なデータの個数を変更可能としてもよいし、格納されているデータに関する忘却係数を異なるものにしてもよい。このような構成とすることによって、予測パラメータの推定精度の向上への寄与が大きいが出現する頻度があまり高くない、中程度の遅延時分のデータを重用することができるため、予測パラメータの推定精度を向上させることができる。さらに、ある予測パラメータを推定する際に、当該予測パラメータと挙動が類似する、別の予測パラメータに対応する走行実績データベースを利用するようにしてもよい(例えば、ある列車の最小停車時分を推定する際に、当該列車と始発駅及び終着駅が同一で、当駅への到着時刻や計画停車時分が類似する列車の、最小停車時分推定用データベースに格納されているデータを使用する等)。これにより、設備状況が変化した直後で、当該設備状況の変化に影響される予測パラメータに対応する走行実績データベースに当該予測パラメータの推定に十分な個数のデータが格納されていない場合でも、尤もらしい推定値を得ることができる。
また、前記実施形態では、設備状況が変化する例を示したが、本発明における環境の変化は、これに限るものではない。例えば、ダイヤ改正がなされた場合、ある列車の出発時間のほか、前後の列車との間の運転間隔や前後の列車の緩急の変化によっても旅客流動が変化すると予想されるため、前記実施形態と同様に、走行実績データベースの更新や、最小停車時分等の予測パラメータの推定を実施するようにすることができる。
すなわち、列車運行管理システム100は、列車に関する環境が変化した箇所を検出する環境変化検出部(データ管理装置102)と、列車の状況に対応した影響範囲情報を記憶する条件記憶部(条件テーブル)と、環境が変化した箇所と、前記条件記憶部に記憶された前記影響範囲情報に基づいて、環境変化の影響範囲を特定する影響範囲特定部(データ管理装置102)と、特定された影響範囲に基づいて、列車の運行を予測するための制約条件を決定する条件決定部(列車運行予測装置103)と、決定された制約条件に基づいて列車の運行を予測する予測部(列車運行予測装置103)とを備える。
また、予測部の出力した予測結果を提示する表示部(出力インタフェース)をさらに備え、予測部は、列車が使用できない設備を使用した予測結果となった場合、表示部は、使用できない設備を使用している箇所について、指摘情報を出力しても良い。
また、条件決定部は、設備の新設に伴い予測時刻を遅らせることで列車の運行が可能となる場合には、予測時刻を遅らせるような制約条件を決定しても良い。
また、表示部は、設備状況の変化に伴い当該設備が使用可能な時間帯と使用できない時間帯が混在する場合には、当該設備を表現するシンボルについて、当該設備が使用できない時間帯についても表示しても良い。
また、列車の走行実績情報を記憶する走行実績データベース(実績ダイヤ113)を備え、条件決定部は、走行実績情報と制約条件に基づいて列車の運行を予測するために必要となるパラメータを推定し、条件決定部は、設備状況が変化した際に、特定された影響範囲に基づいて、走行実績情報の作成、更新又は削除を実施しても良い。
環境変化は、設備状況の変化、或いは、計画ダイヤの変化を含む。
以上により、設備状況の変化等、列車の走行に関する環境が変化した場合でも、それらの変化を反映した尤もらしい予測結果を求めることができ、当該予測結果を用いることで、列車の運行を適切に管理することができる。
100 列車運行管理システム
101 進路制御装置
102 データ管理装置
103 列車運行予測装置
104 運転整理端末
105 通信装置
110 データ記憶装置
120 データベース記憶装置
111 設備データ
112 計画ダイヤ
113 実績ダイヤ
114 予測ダイヤ

Claims (12)

  1. 列車に関する環境が変化した箇所を検出する環境変化検出部と、
    前記列車の状況に対応した影響範囲情報を記憶する条件記憶部と、
    前記環境が変化した箇所と、前記条件記憶部に記憶された前記影響範囲情報に基づいて、環境変化の影響範囲を特定する影響範囲特定部と、
    特定された前記影響範囲に基づいて、前記列車の運行を予測するための制約条件を決定する条件決定部と、
    決定された前記制約条件に基づいて列車の運行を予測する予測部と、
    を備えることを特徴とする列車運行管理システム。
  2. 予測部の出力した予測結果を提示する表示部をさらに備え、
    前記予測部は、前記列車が使用できない設備を使用した予測結果となった場合、
    前記表示部は、前記使用できない設備を使用している箇所について、指摘情報を出力する
    ことを特徴とする請求項1記載の列車運行管理システム。
  3. 前記条件決定部は、設備の新設に伴い予測時刻を遅らせることで列車の運行が可能となる場合には、予測時刻を遅らせるような制約条件を決定する
    ことを特徴とする請求項1記載の列車運行管理システム。
  4. 前記表示部は、設備状況の変化に伴い当該設備が使用可能な時間帯と使用できない時間帯が混在する場合には、当該設備を表現するシンボルについて、当該設備が使用できない時間帯についても表示する
    ことを特徴とする請求項2記載の列車運行管理システム。
  5. 更に、列車の走行実績情報を記憶する走行実績記憶部を備え、
    前記条件決定部は、前記走行実績情報と、前記制約条件に基づいて列車の運行を予測するために必要となるパラメータを推定し、
    前記条件決定部は、設備状況が変化した際に、前記特定された影響範囲に基づいて、前記走行実績情報の作成、更新又は削除を実施する
    ことを特徴とする請求項1記載の列車運行管理システム。
  6. 前記環境変化は、設備状況の変化、或いは、計画ダイヤの変化であること、
    を特徴とする請求項1記載の列車運行管理システム。
  7. 列車運行管理システムにおける列車運行管理方法であって、
    条件記憶部が、予め列車の状況に対応した影響範囲情報を記憶し、
    環境変化検出部が、前記列車に関する環境が変化した箇所を検出し、
    影響範囲特定部が、前記環境が変化した箇所と、前記条件記憶部に記憶された前記影響範囲情報に基づいて、環境変化の影響範囲を特定し、
    条件決定部が、特定された前記影響範囲に基づいて、前記列車の運行を予測するための制約条件を決定し、
    予測部が、決定された前記制約条件に基づいて列車の運行を予測する
    ことを特徴とする列車運行管理方法。
  8. 前記予測部が、前記列車が使用できない設備を使用した予測とした場合、
    表示部は、前記使用できない設備を使用している箇所について、指摘情報を出力する
    ことを特徴とする請求項7記載の列車運行管理方法。
  9. 前記条件決定部は、設備の新設に伴い予測時刻を遅らせることで列車の運行が可能となる場合には、予測時刻を遅らせるような制約条件を決定する
    ことを特徴とする請求項7記載の列車運行管理方法。
  10. 前記表示部は、設備状況の変化に伴い当該設備が使用可能な時間帯と使用できない時間帯が混在する場合には、当該設備を表現するシンボルについて、当該設備が使用できない時間帯についても表示する
    ことを特徴とする請求項8記載の列車運行管理方法。
  11. 更に、列車の走行実績情報を予め記憶する走行実績記憶部を備え、
    前記条件決定部は、前記走行実績情報と、前記制約条件に基づいて列車の運行を予測するために必要となるパラメータを推定し、
    前記条件決定部は、設備状況が変化した際に、前記特定された影響範囲に基づいて、前記走行実績情報の作成、更新又は削除を実施する
    ことを特徴とする請求項7記載の列車運行管理方法。
  12. 前記環境変化は、設備状況の変化、或いは、計画ダイヤの変化であること、
    を特徴とする請求項7記載の列車運行管理方法。
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