JP2016030396A - ラミネート装置およびラミネート方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラミネート加工時の加熱の不均一性に起因した被ラミネート体における不具合の発生を抑制できるラミネート装置を得ること。【解決手段】被ラミネート体をラミネート処理するための処理空間を構成する真空チャンバ内に、前記被ラミネート体を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の上方に設けられて前記加熱手段により加熱された前記被ラミネート体を真空下で加圧する加圧手段とを備え、前記加熱手段は、平板状の加熱ヒータ盤と、前記加熱ヒータ盤の直上に設けられて上面に前記被ラミネート体を保持し、内部に流体を充填および排出可能とされるとともに前記流体が内部に充填された状態で前記被ラミネート体を保持する前記上面が前記被ラミネート体の表面形状に沿って変形可能な保持部と、を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、ラミネート装置およびラミネート方法に関するものである。
太陽光モジュールは、カバーガラス、太陽電池セルを封止する封止樹脂、太陽電池セル、太陽電池セルを封止する封止樹脂、耐湿性を供えたバックシートが積層されて構成されるのが一般的である。通常、封止樹脂を用いて太陽電池セルを封止するためには、ラミネート装置が用いられる。
一般的に、ラミネート装置は、開放自在に構成された上ケースと下ケースとを備える。上ケースには耐熱ゴム等で構成されたダイヤフラムが装着されている。上ケースと下ケースとが閉じられた状態においては、ダイヤフラムによって仕切られた上チャンバと下チャンバがラミネート装置内に形成される。下ケースの内部には、被ラミネート体を保持して該被ラミネート体を加熱するヒータ盤が設けられている。そして、上ケースと下ケースとが閉じられた状態において上チャンバ内と下チャンバ内とをそれぞれ真空引きし、また上チャンバ内と下チャンバ内とにそれぞれ大気圧を導入できるように、上ケースと下ケースとにはそれぞれ吸排気口が設けられる。
太陽電池セルを封止する手順では、まず上記部材が積層された被ラミネート体を、カバーガラスを下側にして上記ヒータ盤上に保持する。そして、上ケースと下ケースとを密着させて上チャンバ内と下チャンバ内とを真空引きするとともに封止樹脂が溶融する温度まで被ラミネート体を加熱する。その後、上チャンバ内に大気圧を導入してダイヤフラムを下ケース側に膨張させることにより被ラミネート体を狭圧してプレスし、太陽電池モジュールとして成形する。
このような構成のラミネート装置では、被ラミネート体への加熱がカバーガラス側の片面のみより行われるため、被ラミネート体では該被ラミネート体の厚み方向に温度分布が発生し、被ラミネート体が熱膨張により反りが発生する。すなわち、被ラミネート体では、厚み方向の温度分布の発生によりカバーガラス側の熱膨張の度合いがバックシート側よりも大きくなるため、反りが発生する。被ラミネート体に反りが発生すると、被ラミネート体においてヒータ盤から離れる部分が発生し、離れた部分はヒータ盤からの放射のみの加熱となり、直接ヒータ盤に接触している部分よりも入熱が小さく、被ラミネート体の面内温度分布が悪化する。被ラミネート体の面内温度分布が悪化すると、バックシートにしわが発生し、また太陽電池セルに破損が発生する。
被ラミネート体の面内温度分布を向上させるために、たとえば、特許文献1に示すラミネート装置では、下ケースの内部のヒータ盤が昇降機構により昇降自在とされ、ヒータ盤を下方に稼動させると下ケースの底面に突設された保持棒がヒータ盤に設けられた貫通孔よりヒータ盤の上面よりも上方に突出するように構成されている。チャンバ内の真空引き前の段階では上記保持棒により被ラミネート体を直接ヒータ盤に接触させないように持ち上げておく。そして、チャンバ内の真空引き後にヒータ盤を上昇させて被ラミネート体をヒータ盤の上面に直接接触させ、ヒータ盤からの放射熱によってモジュールを昇温させる。
しかしながら、特許文献1のラミネート装置の場合、生産効率の向上のためにチャンバ内の真空引きを行いながらヒータ盤による被ラミネート体の加熱を行う場合には、保持棒で持ち上げられている被ラミネート体への入熱はヒータ盤からの放射と被ラミネート体と接触している保持棒からの熱伝導とにより行われる。
この場合、被ラミネート体において保持棒と接触している部分は、保持棒からの熱伝導による入熱により他の部分よりも入熱が大きくなる。このため、被ラミネート体の面内温度分布が悪化し、バックシートにしわが発生し、また太陽電池セルに破損が発生するおそれがあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ラミネート加工時の加熱の不均一性に起因した被ラミネート体における不具合の発生を抑制できるラミネート装置およびラミネート方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるラミネート装置は、被ラミネート体をラミネート処理するための処理空間を構成する真空チャンバ内に、前記被ラミネート体を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の上方に設けられて前記加熱手段により加熱された前記被ラミネート体を真空下で加圧する加圧手段とを備え、前記加熱手段は、平板状の加熱ヒータ盤と、前記加熱ヒータ盤の直上に設けられて上面に前記被ラミネート体を保持し、内部に流体を充填および排出可能とされるとともに前記流体が内部に充填された状態で前記被ラミネート体を保持する前記上面が前記被ラミネート体の表面形状に沿って変形可能な保持部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、ラミネート加工時の加熱の不均一性に起因した被ラミネート体における不具合の発生を抑制できる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかるラミネート装置およびラミネート方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。また、平面図であっても、図面を見易くするためにハッチングを付す場合がある。
本実施の形態にかかるラミネート装置1は、被加工物である被ラミネート体30のラミネート加工を行う際に被ラミネート体30を加熱するが、該加熱の際における被ラミネート体30の面内温度分布を均一化するための機能を有する。図1は、本実施の形態にかかるラミネート装置1の構成を模式的に示す断面図である。
本実施の形態にかかるラミネート装置1は、密閉及び分離開放可能とされた上下一対のチャンバケースである上ケース10と下ケース20とを備える。上ケース10と下ケース20とは、上ケース10が下ケース20上に載置されて上ケース10と下ケース20とが密閉状態とされることにより、被ラミネート体30のラミネート処理を行うための処理空間である減圧チャンバ、すなわち真空チャンバを内部に構成する。
上ケース10は、下側、すなわち下ケース20と対向する側の一面である下面10aに溝部10bを有する箱状に構成されている。上ケース10は、下面10aおよび該下面10aに対向する上面の面積が側面の面積に対して大面積とされた箱状とされている。溝部10bは、下面10aにおいて外周縁部を除いた領域に設けられている。上ケース10は、下ケース20の上部に配置され、図示しない昇降機構により昇降可能とされている。上ケース10は、被ラミネート体30のラミネート装置1への搬入時および搬出時には上方へ移動する。また、上ケース10は、被ラミネート体30のラミネート加工時には下降して下ケース20上に載置され、上ケース10と下ケース20とが密閉状態とされる。
下ケース20は、上側、すなわち上ケース10と対向する側の一面である上面20aに溝部20bを有する箱状に構成されている。下ケース20は、上面20aおよび該上面20aに対向する下面の面積が側面の面積に対して大面積とされた箱状とされている。溝部20bは、下ケース20の上面20aにおいて外周縁部を除いた領域に設けられている。下ケース20は、上ケース10の下部に配置され、被ラミネート体30のラミネートプロセス時には、上ケース10が載置されて上ケース10と下ケース20とが密閉状態とされる。
上ケース10の下面10aには、被ラミネート体30を加圧する加圧手段であるダイヤフラム11が取り付けられている。被ラミネート体30のラミネートプロセス時に上ケース10と下ケース20とが密閉状態とされたときには、ラミネート装置1の内部の空間がダイヤフラム11で仕切られることにより上チャンバと下チャンバとが構成される。
また、上ケース10には、上チャンバ内を吸排気するための上ケース吸排気口12が上ケース10の上面から溝部10bの底面まで貫通して設けられている。上ケース吸排気口12は、図示しない吸排気装置に接続されている。したがって、上チャンバ内は、上ケース吸排気口12および吸排気装置を用いて、真空引きおよび大気開放可能とされている。
下ケース20の側面には、下チャンバ内を吸排気するための下ケース吸排気口21が、下ケース20の内部で屈曲して下ケース20の上面20aまで貫通して設けられている。下ケース吸排気口21は、図示しない吸排気装置に接続されている。したがって、下チャンバ内は、下ケース吸排気口21および吸排気装置を用いて、真空引きおよび大気開放可能とされている。
また、下ケース20の上面20aに設けられた溝部20bには、被ラミネート体30を加熱するための平板状の加熱ヒータ盤22が嵌め込まれている。すなわち、加熱ヒータ盤22は、下ケース20の上面20aにおいて外周縁部領域を除いた内部領域に設けられている。下ケース20の上面20aと加熱ヒータ盤22の上面とは、同一平面上に位置する。加熱ヒータ盤22は、被ラミネート体30を加熱する際に、被ラミネート体30の面方向において被ラミネート体30を包含できる面積を有する。
そして、下ケース20の上面20aには、加熱ヒータ盤22上、および下ケース20の上面20aにおける該加熱ヒータ盤22の外縁より外側に張り出した外側領域上を覆うシート状部材23が設けられている。すなわち、シート状部材23は、加熱ヒータ盤22の直上を覆って設けられている。シート状部材23は、たとえば接着剤等の取り付け部材により、下ケース20の上面における上記外側領域上に隙間なく貼着されている。これにより、加熱ヒータ盤22の上面および下ケース20の上面20aと、シート状部材23との間に、流体を充填可能に空間が構成されている。以下、加熱ヒータ盤22の上面および下ケース20の上面20aと、シート状部材23とにより構成される空間を、流体充填用空間23aと呼ぶ場合がある。
下ケース20の上面20aであってシート状部材23により覆われた領域には、下ケース20の内部で屈曲して下ケース20の側面まで貫通するヒータ盤吸排気口24が設けられている。ヒータ盤吸排気口24は、流体充填用空間23aを吸排気するために設けられ、図示しない吸排気装置に接続されている。したがって、流体充填用空間23aは、ヒータ盤吸排気口24および流体充填用空間23aを用いて吸排気可能とされている。これにより、流体充填用空間23aは、流体を充填して密閉可能とされ、内部の流体を排出可能とされている。なお、シート状部材23が下ケース20の上面20aにおいて加熱ヒータ盤22の外縁より外側に張り出した外側領域上までを覆うのは、ヒータ盤吸排気口24を流体充填用空間23aに連通させるためである。
シート状部材23と、流体充填用空間23aと、加熱ヒータ盤22の上面および下ケース20の上面20aにおけるシート状部材23で覆われた面である下ケース20の上面20aにおける外側領域とにより、保持部が構成される。保持部は、シート状部材23の上面に被ラミネート体30を載置して保持する。シート状部材23は、面方向における大きさが被ラミネート体30よりも大きく、被ラミネート体30を保持する際に、被ラミネート体30の面方向において被ラミネート体30を包含できる面積を有する。すなわち、シート状部材23は、被ラミネート体30を保持した際に、被ラミネート体30の外縁より外側に張り出した状態とされる。また、保持部は、後述するように、流体充填用空間23a内の流体を介しての熱伝達によって被ラミネート体30を加熱する機能を有する。
シート状部材23は、被ラミネート体30のラミネートプロセス時における被ラミネート体30の加熱温度における耐熱性を有し、被ラミネート体30の加熱温度において容易に伸縮可能な材料により略均一な厚みで構成される。被ラミネート体30の加熱温度は、被ラミネート体30が太陽電池モジュールの場合はたとえば100℃〜200℃程度とされるが、150℃程度が一般的である。ここで、容易に伸縮可能な材料とは、流体充填用空間23aに流体が充填されて密閉された状態において、保持した被ラミネート体30におけるシート状部材23との接触面の表面形状に沿って変形可能であり、フレキシブルに面形状を変えることができる材料である。このようなシート状部材23には、たとえば耐熱性を有するシリコーンゴムシートを用いることができる。
流体充填用空間23aに充填される流体は、熱交換性の高い流体、すなわち熱伝導率の高い流体が好ましい。なお、ここでは、流体充填用空間23aに充填される流体として気体を想定して説明しているが、流体充填用空間23aに充填される流体は液体であってもよい。流体充填用空間23aに充填される流体としての気体は、たとえば窒素や乾燥空気が挙げられる。流体充填用空間23aに充填される流体としての液体は、たとえばエーテル油、エステル油、アルキルベンゼン油が挙げられる。
つぎに、ラミネート装置1で取り扱う被ラミネート体30について説明する。ラミネート装置1で取り扱う被ラミネート体30は、たとえばラミネート前の太陽電池モジュールである。図2は、ラミネート装置1でラミネート加工が施される前の被ラミネート体30の一例であるラミネート前の太陽電池モジュールの構成を示す断面図である。
ラミネート加工が施される前の被ラミネート体30としての太陽電池モジュール(ラミネート前)は、ガラス基板111、樹脂封止材112、太陽電池アレイ115、樹脂封止材116、バックシートであるバック保護シート材117が順に積層されている。ガラス基板111は、太陽電池モジュールのおもて面を保護するカバーガラスである。樹脂封止材112は、シート状とされ、たとえばエチレンビニルアセテート(EVA)などのラミネート加工可能な材料で形成されている。太陽電池アレイ115では、複数の太陽電池セル113が複数のリード線114を介して直列に接続された太陽電池ストリングが、たとえば図2における奥行き方向に配列されている。樹脂封止材116は、シート状とされ、たとえばエチレンビニルアセテート(EVA)などのラミネート加工可能な材料で形成されている。バック保護シート材117は、耐湿性を備えて太陽電池モジュールの裏面側を保護する裏面保護材であり、たとえばポリエチレン樹脂などで形成されている。このようなラミネート前の太陽電池モジュールでは、たとえばガラス基板111が最下層とされ、バック保護シート材117が最上層とされてラミネート装置1に搬入され、ラミネート加工が行われる。
つぎに、ラミネート装置1におけるラミネートプロセスの動作について説明する。図3〜図5は、ラミネート装置1におけるラミネートプロセスを示す模式図である。被ラミネート体30は、たとえば上述したラミネート前の太陽電池モジュールである。まず、ラミネート装置1に被ラミネート体30を搬入する際には、図3に示すように上ケース10を上昇させて、開放状態とする。そして、下ケース20のシート状部材23上に、たとえば図示しない搬入部である搬送ベルトにより被ラミネート体30を搬入する。被ラミネート体30を搬入する時点では、まだ流体充填用空間23aには流体が充填されていない。
つぎに、上ケース10を下降させて、上ケース10と下ケース20とを重ね、図4に示すようにラミネート装置1を密閉状態にする。これにより、ラミネート装置1の内部の空間がダイヤフラム11で仕切られ、ラミネート装置1の内部に上チャンバ41と下チャンバ42が構成される。上チャンバ41は、上ケース10とダイヤフラム11とに囲まれた空間である。下チャンバ42は、下ケース20とダイヤフラム11とに囲まれた空間であり、より詳細には、下ケース20の上面20aとシート状部材23とダイヤフラム11とに囲まれた空間である。
そして、ヒータ盤吸排気口24を介して、流体充填用空間23aに熱交換性の高い流体を導入する。導入する流体は、気体であっても液体であってもよい。また、導入する流体は、事前に加熱しておいた流体であっても構わない。また、ここでは、流体充填用空間23aへの流体の導入を被ラミネート体30の搬入後に行う場合について示しているが、被ラミネート体30の搬入前に流体充填用空間23aへ流体を導入しておいても構わない。
つぎに、上ケース吸排気口12および下ケース吸排気口21を介して上チャンバ41および下チャンバ42の内部を減圧しながら、加熱ヒータ盤22の温度を上昇させて被ラミネート体30を加熱する。ここで、被ラミネート体30が保持されているシート状部材23は、被ラミネート体30の加熱温度における耐熱性を有し、容易に伸縮可能な材料により構成されている。このため、シート状部材23における被ラミネート体30との接触面は、被ラミネート体30のシート状部材23との接触面の表面形状に沿って変形し、フレキシブルに面形状を変えることができる。
これにより、加熱中に厚み方向における温度分布に起因した反り等の変形が被ラミネート体30に発生しても、シート状部材23における被ラミネート体30との接触面は、被ラミネート体30の変形した表面形状に沿うように変形して面形状を変化させて、被ラミネート体30との密着状態を維持する。これにより、ラミネート装置1では、加熱中に被ラミネート体30に反り等の変形が発生しても、加熱面である被ラミネート体30の下面の全面を略均一に加熱することができ、被ラミネート体30の加熱面、すなわち被ラミネート体30の下面における面内温度分布を向上させることができる。
被ラミネート体30への加熱は、ガラス基板111側からの片面のみになる。このため、被ラミネート体30の厚み方向に温度分布が発生し、熱膨張により被ラミネート体30に上向きの反りが発生する。被ラミネート体30が加熱ヒータ盤22上に直接保持されている場合には、被ラミネート体30に上向きの反りが発生すると、被ラミネート体30の加熱面では被ラミネート体30の外周部において加熱ヒータ盤22から離れる部分が発生して部分的な加熱となる。このため、被ラミネート体30の面内温度分布が悪化する。そして、被ラミネート体30の面内温度分布が悪化すると、バック保護シート材117のしわや被ラミネート体30内部の太陽電池セル113の破損が発生する。
しかしながら、ラミネート装置1では、上述したように被ラミネート体30の加熱面および全体における面内温度分布を向上させることにより、被ラミネート体30の加熱面および全体の面内温度分布の不均一に起因したバック保護シート材117におけるしわの発生や太陽電池セル113における破損の発生を抑制、防止することができる。これにより、加熱中の被ラミネート体30の状態を例えば一定に保つことができる。また、ラミネート装置1では、加熱ヒータ盤22から被ラミネート体30への入熱すなわち加熱は、加熱ヒータ盤22からの放射のみではなく、流体充填用空間23a内の流体を介しての熱伝達によっても行われるため、ラミネート処理時間を短縮することができる。すなわち、被ラミネート体30への入熱は、シート状部材23および流体充填用空間23a内の流体が赤外線を透過する特性を有することで、加熱ヒータ盤22からの放射で行われる。加熱ヒータ盤22は、流体充填用空間23a内の流体を介した熱伝達と放射とによってシート状部材23を温める。シート状部材23から被ラミネータ体30への加熱は、シート状部材23が被ラミネータ体30と接触する箇所では熱伝導で行われ、非接触箇所ではシート状部材23を透過した加熱ヒータ盤22からの赤外線の放射で行われる。なお、上チャンバ41および下チャンバ42の内部の減圧が終了して、加熱ヒータ盤22の温度を上昇させて被ラミネート体30を加熱してもよい。
つぎに、被ラミネート体30の加熱温度が樹脂封止材112および樹脂封止材116が溶融する温度近辺に達すると、上ケース吸排気口12を開放して上チャンバ41内に大気を導入する。これにより、上チャンバ41内の圧力が下チャンバ42内の圧力よりも大きくなり、上チャンバ41内と下チャンバ42内との圧力差によって図5に示すように上ケース10に備えられたダイヤフラム11が膨張し、被ラミネート体30であるラミネート前の太陽電池モジュールはシート状部材23上でダイヤフラム11との間で挟圧される。これにより、被ラミネート体30がプレス成形される。このとき、流体充填用空間23a内の流体をヒータ盤吸排気口24より排気し、シート状部材23を加熱ヒータ盤22の上面に密着させる。
シート状部材23を介して加熱ヒータ盤22上で樹脂封止材112および樹脂封止材116を溶融させながら下チャンバ42内が減圧され、最終的に真空状態とされることで、被ラミネート体30内部の気泡を抜きながら樹脂封止材112および樹脂封止材116により太陽電池アレイ115が密閉封止され、ラミネート加工が完了する。なお、真空状態は大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態である。ラミネート加工における下チャンバ42内の真空度は高い方が好ましいが、本実施の形態ではラミネート加工における下チャンバ42内の真空度は特に限定されない。
上述した保持部を用いた加熱プロセスが適用されていると、被ラミネート体30の加熱面および全体における面内温度分布が良好な状態とされているため、被ラミネート体30のガラス基板111の端部における部分的な加熱温度不足によるガラス基板111と樹脂封止材112、バック保護シート材117との間の未接着等の不具合を防ぐことができる。これにより、ラミネート加工後のラミネート体の状態を例えば一定に保つことができるため、ラミネート加工後のラミネート体の品質を安定化させることができる。
そして、プレス成形終了後、下ケース吸排気口21を開放して下チャンバ42内に大気を導入することにより上ケース10を持ち上げ、図示しない搬出部である搬送ベルトにより被ラミネート体30を搬出する。
上述したように、本実施の形態においては、被ラミネート体30がシート状部材23上に保持され、流体充填用空間23a内に流体が充填密閉された状態で加熱ヒータ盤22により加熱が行われる。これにより、被ラミネート体30の加熱面および全体における面内温度分布を向上させることができ、被ラミネート体30の面内温度分布の不均一に起因したバック保護シート材117のしわの発生や太陽電池セル113における破損の発生を抑制、防止することができる。
また、本実施の形態においては、加熱ヒータ盤22から被ラミネート体30への入熱すなわち加熱は、加熱ヒータ盤22からの放射のみではなく、流体充填用空間23a内の流体を介して温められたシート状部材23からの熱伝達によっても行われるため、ラミネート処理時間を短縮することができる。すなわち、被ラミネート体30への入熱は、シート状部材23および流体充填用空間23a内の流体が赤外線を透過する特性を有することで、加熱ヒータ盤22からの放射で行われる。加熱ヒータ盤22は、流体充填用空間23a内の流体を介した熱伝達と放射とによってシート状部材23を温める。シート状部材23から被ラミネータ体30への加熱は、シート状部材23が被ラミネータ体30と接触する箇所では熱伝導で行われ、非接触箇所ではシート状部材23を透過した加熱ヒータ盤22からの赤外線の放射で行われる。
したがって、本実施の形態によれば、ラミネート加工時の加熱の不均一性に起因した被ラミネート体における不具合の発生を抑制できる、という効果を奏する。
以上のように、本発明にかかるラミネート装置は、ラミネート加工時の加熱の不均一性に起因した被ラミネート体における不具合の発生の抑制に有用である。
1 ラミネート装置、10 上ケース、10a 下面、10b 溝部、11 ダイヤフラム、12 上ケース吸排気口、20 下ケース、20a 上面、20b 溝部、21 下ケース吸排気口、22 加熱ヒータ盤、23 シート状部材、23a 流体充填用空間、24 ヒータ盤吸排気口、30 被ラミネート体、41 上チャンバ、42 下チャンバ、111 ガラス基板、112 樹脂封止材、113 太陽電池セル、114 リード線、115 太陽電池アレイ、116 樹脂封止材、117 バック保護シート材。
Claims (5)
- 被ラミネート体をラミネート処理するための処理空間を構成する真空チャンバ内に、前記被ラミネート体を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の上方に設けられて前記加熱手段により加熱された前記被ラミネート体を真空下で加圧する加圧手段とを備え、
前記加熱手段は、
平板状の加熱ヒータ盤と、
前記加熱ヒータ盤の直上に設けられて上面に前記被ラミネート体を保持し、内部に流体を充填および排出可能とされるとともに前記流体が内部に充填された状態で前記被ラミネート体を保持する前記上面が前記被ラミネート体の表面形状に沿って変形可能な保持部と、
を有することを特徴とするラミネート装置。 - 前記保持部は、前記加熱ヒータ盤の面方向において前記被ラミネート体を包含可能な面積を有すること、
を特徴とする請求項1に記載のラミネート装置。 - 前記保持部は、前記被ラミネート体の加熱温度における耐熱性を有して伸縮可能なシート状部材が前記加熱ヒータ盤上を覆って構成されること、
を特徴とする請求項1または2に記載のラミネート装置。 - 前記伸縮可能なシート状部材が、ゴムシートであること、
を特徴とする請求項3に記載のラミネート装置。 - 真空チャンバ内の保持部に被ラミネート体を配置する第1工程と、
前記被ラミネート体が配置された前記真空チャンバ内を真空引きする第2工程と、
前記真空チャンバ内に設けられた平板状の加熱ヒータ盤により前記被ラミネート体を加熱する第3工程と、
前記真空チャンバ内において前記加熱ヒータ盤の上方に設けられた加圧手段を用いて、前記加熱ヒータ盤により加熱された前記被ラミネート体を真空下で加圧する第4工程と、
を含み、
前記第1工程では、前記加熱ヒータ盤の直上に設けられて内部に流体を充填および排出可能とされるとともに前記流体が内部に充填された状態で前記被ラミネート体を保持する上面が前記被ラミネート体の表面形状に沿って変形可能な前記保持部に被ラミネート体を載置し、
前記第3工程では、前記保持部の内部に前記流体を充填した状態で前記被ラミネート体を加熱し、
前記第4工程では、前記保持部の内部から前記流体を排出した状態で前記被ラミネート体を加圧すること、
を特徴とするラミネート方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017177519A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 株式会社トプコン | 部材の接合方法およびその方法により作製される光学素子 |
JP2020179629A (ja) * | 2019-04-26 | 2020-11-05 | 新光エンジニアリング株式会社 | ワーク装着装置及びワーク貼合システム |
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2014
- 2014-07-29 JP JP2014154145A patent/JP2016030396A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017177519A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 株式会社トプコン | 部材の接合方法およびその方法により作製される光学素子 |
JP2020179629A (ja) * | 2019-04-26 | 2020-11-05 | 新光エンジニアリング株式会社 | ワーク装着装置及びワーク貼合システム |
JP7272640B2 (ja) | 2019-04-26 | 2023-05-12 | 新光エンジニアリング株式会社 | ワーク装着装置及びワーク貼合システム |
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