JP2016028764A - 回収可能心臓用装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】心臓疾患のひとつである、うっ血性心不全の治療において、心臓に配置される弾性支持部材の使用をする場合があるが、そのような装置を取り外し・再配置する取り外し可能(若しくは再配置可能)システムとして設計された治療装置、および治療装置を取り外し・再配置する方法を提供する。
【解決手段】取り外し可能な心臓用インプラント、インプラントの挿入・再配置・取り外しを行うアプリケータ、およびこれらを取り外す方法である。特に、着脱自在で再配置自在の心室仕切り装置である。また、インプラントとインプラントの挿入・取り外しを行うアプリケータとを備えるシステムである。
【選択図】図18E
【解決手段】取り外し可能な心臓用インプラント、インプラントの挿入・再配置・取り外しを行うアプリケータ、およびこれらを取り外す方法である。特に、着脱自在で再配置自在の心室仕切り装置である。また、インプラントとインプラントの挿入・取り外しを行うアプリケータとを備えるシステムである。
【選択図】図18E
Description
本出願は、2003年5月12日に米国で出願された特許文献1(発明の名称は「心臓機能向上システム」)に関連する。特許文献1は、2000年8月9日に米国で出願された特許文献2を基礎とする一部継続出願であり、特許文献2は、1999年8月9日に米国で仮出願された特許文献3を基礎として優先権を主張するものである。本出願も2005年6月10日に米国で出願された特許文献4(発明の名称は「心室仕切り装置用周辺シール」)の一部継続出願である。これらの特許出願はそれぞれ参照することにより本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載されているのは、心臓機能を改善するシステム、方法、および装置である。これらは一般的に心臓疾患の治療に関し、特に、うっ血性心不全の治療、さらに詳細には、患者の心腔を仕切るシステム、方法、および装置に関する。
毎年、世界的に数百万人のうっ血性心不全の患者が病院へ訪れる。うっ血性心不全は、結果として心臓が体の必要とする血流を流すことができなくなるような無数の症状をもたらすと言われている。特定の病状の場合、心臓の血管が血液を送り出すのに効果的でなくなることにより、血管の後ろ側の血管系システムにおいて圧力が増大していく。
心臓機能の悪化は、大抵、心臓肥大の原因となる。心筋虚血によって、例えば、心臓の心筋の一部が収縮能力を喪失する可能性がある。長期の虚血は、心筋の一部の梗塞を引き起こすおそれがあり、梗塞した心筋は死んで瘢痕組織となる。一旦このような組織が死ぬと、もはや筋肉として機能しなくなり、心臓のポンプ作用に貢献できなくなる。心臓組織がポンプ作用に効果的でなくなったとき、そのような心筋部分は、運動不全になると言われている。すなわち、正常な心筋組織よりも収縮しなくなるという意味である。このような状況が悪化すると、実際、心臓が収縮する際に正常でない心筋部分が膨れる可能性があり、さらには血液を送り出す心臓機能が悪化する。一部がこのような壁運動を行うことにより、運動障害若しくは運動不能症になると言われている。運動障害の発生した心筋部分は伸張し、最終的に動脈瘤の膨張を引き起こす可能性がある。このような状況が長期間にわたって継続すると、特定の病気によっては、広範囲に及ぶ拡張型筋疾患、すなわち広範囲に及ぶ心臓肥大を引き起こす可能性がある。
心臓が悪くなり始めると蒸留圧力が増加する。蒸留圧力の増加により、心室腔は収縮する前に伸張して心臓内の圧力が大幅に増加する。これに反応して、心臓の組織が慢性的に増加した充満圧に順応するように再形成され、また、現在構成されている心筋が行わなければならない仕事量が増加する。
うっ血性心不全の患者は、共通して4つのクラスI、II、III、IVにグループ分けされる。初期段階のクラスI、IIの場合、最も一般的な処置方法は、現在のところ投薬治療である。一般的に投薬治療は、病気の症状を和らげるとともに病気の進行を遅らせるが、病気を治癒することはできない。現在のところ、うっ血性心臓疾患に対する唯一の永久的な治療方法は心臓移植であるが、心臓移植の手術はリスクが非常に高いだけでなく極度に侵襲的かつ費用が高く、さらには少数の患者にしか実施されない。多くの患者は、心臓移植の数多くの基準を満たすことができないことにより心臓移植を受ける資格を有さず、さらには、その基準を満たす場合であっても、患者に適する移植用の心臓は十分にない。
うっ血性心臓疾患の代替的治療方法を発見する努力もされている。例えば、心臓の大きさを低減するために、心室壁のうち弱った部分を解剖して取り除く外科手術が開発されている。この手術は侵襲度、リスク、費用がいずれも高く、他の手術(例えば、弁置換術や冠動脈大動脈バイパス移植術)との組み合わせによってのみ実施されることが一般的である。さらに、外科的治療法は、大抵、クラスIII、IVの患者にのみ実施されるため、効果的でない投薬治療を受けているほとんどの患者にとっての選択肢とならない。現在のところ、最終的に手術が失敗したときは緊急の心臓移植しか可能な選択肢がない。
うっ血性心臓疾患の治療のための中間の手術として、機械的補助装置が開発されている。このような装置は、左心室補助装置と、全体人工心臓とを備える。左心室補助装置は、左心室から大動脈への血流を増加させる機械ポンプを備える。Jarvik Heartなどの全体人工心臓装置は、大抵、移植用のドナー心臓を待つ患者のための一時的な手段としてのみ用いられる。
うっ血性心不全を治療するためのその他の試みの中には、人工弾性ソックスのような、心臓の周囲に配置され有害なリモデリングを防止する弾性支持部材の使用が含まれる。機械手段による熱に対処するには、一般的に、治療装置を正確かつ効果的に配置する必要がある。一旦、治療装置が移植されると、多くの場合、治療装置の位置を正しく修正したり調整することは困難である。さらに、治療装置の取り外しには、侵襲的な手術がさらに必要となる可能性がある。したがって、これらの問題を解決するような心臓治療装置の取り外しにかかる装置、システム、および方法を提供することは有益である。
本明細書には、そのような装置を取り外し・再配置する取り外し可能(若しくは再配置可能)システムとして設計された治療装置、および治療装置を取り外し・再配置する方法が記載されている。
本出願は、他の特許出願を基礎として優先権を主張するものではない。
本明細書に記載されているのは、取り外し可能なインプラント、インプラントの挿入・再配置・取り外しを行うアプリケータ、およびこれらを取り外す方法である。本明細書に記載のインプラントは、患者の心室、特に左心室に挿入され得る心臓用インプラントである。インプラントは、心臓壁を支持する。いくつかの変形例では、インプラントは、心室を有効領域および非有効領域に仕切るための心室仕切り装置である。
通常、インプラントは、比較的弾性かつ生体適合性を有する材料で形成された複数の支柱を有するフレームを備える。フレームは、例えば金属若しくは金属合金で形成される。フレームは、ニチノールのような形状記憶合金で形成される場合もある。インプラントも、フレームに連結される薄膜を備える。フレームの支柱は、ハブに連結される第1の端部と、受動アンカを有する第2の端部とを有する。受動アンカは、支柱を心臓壁に固定する。受動アンカは、例えば部分的に心臓壁を貫通する尖端である。さらに、インプラントは、その先端部に脚部若しくはアンカ(能動アンカ含む)を備える。
通常、インプラントは、アプリケータを用いて心室に挿入される。通常、アプリケータは、ハンドルと、アプリケータを操作するための1つ以上の制御部材とを有する基端部を有する。アプリケータは、先端方向に延びる伸張体も備える。アプリケータの先端部は、インプラントに解放可能に連結される。例えば、アプリケータは、インプラントを連結および解放することができるインプラント安定化軸を備える。アプリケータは、インプラントを圧潰する1つ以上の圧潰部材を備える。例えば、アプリケータは、インプラントの支柱を圧潰する投げ輪若しくは圧潰ワイヤを備える。いくつかの変形例では、アプリケータは、インプラントを圧潰するための圧潰スリーブ若しくは傘/コーンを備える。いくつかの変形例では、アプリケータは、圧潰部材をインプラントに嵌合させるための1つ以上の嵌合部材を備える。例えば、アプリケータは、捕獲ワイヤ、フック、又は、紐若しくはその他の圧潰部材(例えば圧潰スリーブ)をインプラントに嵌合させる同様のものを備え、これらは、インプラントの支柱の圧潰を補助することができる。
インプラントは、心臓壁との嵌合から解除され得る。例えば、インプラントが短縮可能若しくは移動可能であることにより、支柱に設けられた受動アンカ若しくは先端部に設けられた能動アンカのようなインプラントに設けられたいかなるアンカも、インプラントを取り外す前に嵌合を解除することが可能である。いくつかの変形例では、インプラントは、ステムや脚部に設けられる短縮可能領域を有する。ステムや脚部の領域の長さを短くすることにより、心臓壁から支柱が分離するように該短縮可能領域の長さを短くすることができる。通常、インプラントは心臓壁に対して凹状であるため、このようにインプラントの長さを短縮することで、支柱の端部にある受動アンカが心臓壁から引き抜かれる。いくつかの変形例では、支柱自体が短縮可能である。例えば、受動アンカを引き抜くことによって、インプラントを取り外すことができる。
本明細書に記載されるように、インプラントは、通常、移植後に取り外し・再配置が可能である。例えば、インプラントは心室内部といった心腔内における第1の位置に配置され、インプラントを形成する支柱が拡張することにより、インプラントは所定の位置に固定される。いくつかの変形例では、インプラントは(例えば薄膜が支柱の領域まで及んだときに)心腔を仕切る。いくつかの変形例では、インプラントは、再配置若しくは取り外される前にアプリケータとの嵌合が解除され、他の変形例では、再配置若しくは取り外される前にアプリケータとの嵌合が解除されない。インプラントを心臓内の第1の位置から取り外すためには、インプラント(例えばインプラントの支柱)を少なくとも部分的に圧潰する。いくつかの変形例では、インプラントはまず初めに心臓壁との嵌合を解除される。インプラント、アプリケータ、若しくはその両方に設けられた圧潰部材を作動することにより、インプラントは圧潰する。例えば、支柱に連結された紐に張力をかける(例えば引っ張る)ことにより支柱を圧潰する。その後、インプラントはアプリケータから引き抜かれる。いくつかの変形例では、インプラントは再配置可能である。いくつかの変形例では、インプラントは、例えばカニューレやスリーブのようなアプリケータ内の保護部材の中から引き抜かれる。再配置後、インプラントを再度展開する。あるいは、患者からインプラントおよびアクチュエータを引き抜くことにより、患者からインプラントを取り出しても良い。
本明細書に記載されているのは、例えば、心室仕切り装置を展開する方法であって、薄膜を有する心室仕切り装置を収縮した形状で患者の左室腔に進出させ、左心室の第1の位置で仕切り装置を展開形状に拡張させ、仕切り装置を少なくとも部分的に収縮した形状に圧潰し、仕切り装置を左心室の第1の位置から引き抜く、方法である。本方法は、さらに、左心室内に仕切り装置を再配置し、左心室の第2の位置で仕切り装置を展開形状に拡張する工程を含む。このことにより、仕切り装置は患者の左心室を、機能する主要部と機能しない非主要部に仕切る。いくつかの変形例では、本方法は、さらに、仕切り装置を患者から取り出す工程を含む。
仕切り装置を拡張する工程には、薄膜に連結されたフレームを拡張することが含まれる。薄膜は、強化薄膜である。
仕切り装置を拡張する工程には、強化薄膜に連結されたフレーム自体が拡張可能であることが含まれる。また、上述のように、仕切り装置をを引き抜く工程は、装置を取り出しカテーテルから引っ張ることを含む。
本明細書に記載のいかなる変形例においても、インプラントは左心室の第1の位置に固定され、再配置後に第2の位置に固定される。
本方法は、心室仕切り装置を左心室の第1の位置における嵌合から解除する工程を含む。例えば、インプラントに設けられたいかなるアンカも、圧潰、引き抜き、若しくは取り外される。その後若しくは同時に、少なくとも部分的に仕切り装置を収縮した位置へ圧潰する工程には、仕切り装置に連結された少なくとも1つの紐を引き抜くことが含まれる。いくつかの変形例では、少なくとも部分的に仕切り装置を収縮した位置へ圧潰する工程には、圧潰筒で少なくとも部分的に仕切り装置を覆うことが含まれる。
本明細書に記載されているのは、心室仕切り装置を展開する方法であって、薄膜を有する心室仕切り装置を収縮した形状で患者の左室腔に進出させ、左心室の第1の位置で仕切り装置を展開形状に拡張させ、仕切り装置に接続する紐を引き抜くことにより、拡張後に仕切り装置を少なくとも部分的に収縮した形状に圧潰し、仕切り装置を取り出しカテーテル内に取り込み、仕切り装置を左心室の第1の位置から引き抜く、方法である。
仕切り装置に接続する紐を引き抜く工程には、強化薄膜の周囲から延びる拡張紐を引くことが含まれる。仕切り装置に接続する紐を引き抜く工程には、少なくとも部分的に拡張強化薄膜を取り囲む取り出しワイヤを引き抜くことが含まれる。
本明細書に記載されているのは、患者の心臓の心室を、機能する主要部と機能しない非主要部に仕切る装置である。これらの装置(インプラント)は、心室を機能する主要部と機能しない非主要部に仕切るために、送り出しカテーテルを通じて送り出されるための圧潰形状および心室内にて展開するための拡張形状を有する薄膜と、ハブに固定される先端部を有する複数の支柱で形成される拡張自在なフレームとを備える。また、薄膜は、拡張自在フレームと、先端側に延びるステムと、仕切り部材を拡張形状から折りたたみ形状にする圧潰部材とに固定される。
圧潰部材とは、圧潰筒、仕切り部材から仕切り部材の周囲へと延びる紐、若しくはこれらと同様のものである。
本明細書に記載されているのは、患者の心室を機能する主要部と機能しない非主要部に仕切るための装置であって、拡張形状と圧潰形状とを有し、拡張形状のときに凹部を形成する薄膜と、ハブに取り付けられた先端部を有する複数の支柱で形成されるとともに薄膜が取り付けられた拡張自在のフレームと、心室壁と係合する非外傷性先端と、拡張自在のフレームの基端部若しくはその近傍において薄膜の周囲に少なくとも部分的に延びるとともに、張力がかけられると装置を拡張形状から圧潰形状へと圧潰する紐とを備える、装置である。
本明細書に記載されているのは、患者の心室を機能する主要部と機能しない非主要部に仕切るためのシステムであって、本システムは、心室内部にて展開されるインプラントと、インプラントを挿入し取り出す細長いアプリケータとを備える。例えば、インプラントは、圧潰した送り出し形状および拡張した展開形状を有する複数の支柱と、支柱間に延びて、張力がかけられることにより支柱を圧潰する紐とを備える。インプラントを挿入し取り出す細長いアプリケータは、アプリケータの基端部において、アプリケータからのインプラントの解放を制御するための制御部材を備え、さらに基端部から先端部に延び、基端部はインプラントを解放自在に取り付けるように形成された伸長体を備える。アプリケータの基端部から操作できるように、紐は、インプラントから基端部に向かってアプリケータの伸長体に沿って延びる。
アプリケータは、さらに、基端部において、紐が通ることができるポートを備える。いくつかの変形例では、アプリケータは、先端部において、インプラント捕獲部材を備える。インプラント捕獲部材は、インプラント捕獲スリーブおよびインプラント捕獲傘からなるグループから選択される。
本明細書に記載されているのは、インプラントを展開、再配置、取り外す方法であって、形状記憶材料で形成された複数の支柱を有するインプラントを収縮した形状で患者の左室腔に進出させ、左心室の第1の位置でインプラントを展開形状に拡張させ、インプラントの温度を変更してインプラントを少なくとも部分的に収縮した形状に圧潰し、インプラントを取り出しカテーテル内に取り込み、インプラントを左心室の第1の位置から引き抜く、方法である。いくつかの変形例では、インプラントの温度を変更する工程には、インプラントを冷却した食塩水に露出させることが含まれる。
本明細書に記載されているのは、患者の心室を仕切るためのシステムであって、複数の支柱を有するとともに圧潰した送り出し形状と拡張した展開形状を有し、患者の心室内で展開するように形成されたインプラントと、インプラントを挿入し取り出すためのアプリケータと、を備えるシステムである。アプリケータは、アプリケータの基端部に設けられ、アプリケータからのインプラントの解放を制御するための制御部材と、基端部から先端部に延び、基端部はインプラントを解放自在に取り付けるように形成された伸長体と、アプリケータの先端部から延び、インプラントをアプリケータの先端部に向かって引っ張るように形成された捕獲ワイヤと、を備える。また、アプリケータは、捕獲ワイヤを操作するために基端部に設けられた制御部材を備える。
いくつかの変形例では、捕獲ワイヤは投げ輪として形成される。いくつかの変形例では、インプラントは、張力がかけられることによりインプラントを拡張形状から圧潰する紐を備え、インプラントの捕獲ワイヤは、紐と嵌合するフックとして形成される。捕獲ワイヤは、インプラントに連結される。
いくつかの変形例では、アプリケータは、アプリケータの先端部より延びインプラントを圧潰するように形成された膨張自在のスリーブをさらに備える。上述のように、アプリケータは、アプリケータの先端部より延びインプラントを圧潰するように形成された捕獲傘を備える。
インプラントは、支柱を圧潰するように形成された圧潰スリーブをさらに備える。このように、アプリケータは、圧潰スリーブをインプラントに嵌合させるように形成された圧潰スリーブ引っ張りワイヤをさらに備える。
本明細書に記載されているのは、患者の心室を仕切るためのシステムであって、患者の心室内に展開するように形成されたインプラントと、該インプラントを挿入し取り出すように形成された細長いアプリケータと、を備えるシステムである。インプラントは、圧潰した送り出し形状と拡張した展開形状を有し、複数の支柱と、支柱間に延び張力をかけて支柱を圧潰する紐と、を備える。インプラントを挿入し取り出すためのアプリケータは、アプリケータの基端部に設けられアプリケータからのインプラントの解放を制御するための制御部材と、基端部から先端部に延びインプラントを解法自在に取り付けるように形成されたインプラント安定化軸と、基端部から先端部に延び紐をインプラントと嵌合させインプラントの支柱を圧潰するように形成された紐捕獲部材と、を備える。
本明細書に記載されているのは、患者の心室を機能する主要部と機能しない非主要部に仕切るための装置であって、展開形状と圧潰形状とを有する薄膜と、ハブに取り付けられた先端部を有する複数の支柱で形成され、薄膜が取り付けられた拡張自在のフレームと、ハブから先端側に延びるステムと、ステムから軸方向に摺動し拡張自在のフレームと薄膜とを圧潰形状に圧潰するように形成された圧潰スリーブと、を備える装置である。これらの装置は、拡張自在のフレームの各支柱の端部に設けられた受動アンカをさらに備える。
いくつかの変形例では、装置は、装置の先端部に設けられた非外傷性脚部をさらに備える。また、装置は、圧潰スリーブ引っ張りワイヤ用の付属機構をさらに備える。
患者の心室を機能する主要部と機能しない非主要部に仕切るための着脱自在で再配置自在のインプラントであって、薄膜と、第1の端部がハブに取り付けられた複数の支柱とを備え、薄膜は複数の支柱に取り付けられ、複数の支柱と薄膜は、心室内での展開のため圧潰した送り出し形状と拡張した展開形状を有し、展開形状では薄膜に凹部が形成され、各支柱の端部には、患者の心臓壁に取り付けられるように形成された受動アンカが設けられるとともに、ハブから先端側に延びるステムをさらに備え、該ステムは、長さが短くなる短縮可能領域を有し、受動アンカが患者の心臓壁から離脱できるようにした、インプラントである。
いくつかの変形例では、インプラントは、ステムの短縮可能領域を短縮するように形成されたトリガ部材をさらに備える。トリガ部材は、ステム部を通って先端側に延びるワイヤあるいは線を有する。
短縮可能領域は、圧潰領域若しくは伸縮自在領域である。いくつかの変形例では、装置は、短縮可能領域をロックするためのロックをさらに備える。
本明細書に記載されているのは、心室の第1の位置に展開したインプラントを取り外す方法であって、インプラントは、第1の端部に受動アンカを有し第2の端部でハブに連結された複数の支柱と、ハブから延びるステムとを備える、方法である。本方法には、ステムの短縮可能領域を短縮して受動アンカを心臓壁から外し、複数の支柱を少なくとも部分的に圧潰し、左心室の第1の位置からインプラントを取り出す、ことが含まれる。
いくつかの変形例では、短縮領域を短縮する工程には、ワイヤあるいは紐を引っ張ることが含まれる。本方法には、インプラントのロックを解除して短縮可能領域を短縮することが含まれる。インプラントを少なくとも部分的に圧潰する工程には、インプラントの少なくとも部分的な圧潰を紐あるいは圧潰線を引っ張って支柱を折り畳むことが含まれる。
本方法には、左心室内にインプラントを再配置し、左心室の第2の位置で支柱を展開形状に拡張することが含まれる。さらに、本方法には、患者からインプラントを取り外すことが含まれる。
本明細書に記載されている全ての刊行物および特許出願は、それぞれが個々に参照される旨明確に示されていたとしても、これらを参照することによりその全部が本明細書に組み込まれる。
ここに記載するのは、自在に配置でき取り出し可能な心臓治療装置あるいはインプラントと、取り出し可能な装置を有するシステムと、これらを使用する方法である。例えば、ここに記載するインプラントはどれも患者の心臓(特に、患者の左心室等の心室)に配置され、装置を拡張することにより心臓内に展開し、その後直ぐにあるいはある時間が経過した後、心臓から外され、少なくとも部分的に圧潰あるいは折り畳まれ、再配置したり取り除かれる。インプラントは心臓治療装置とも呼ばれ、心臓を(例えば、有効領域と非有効領域に)仕切ったり心臓の壁面を支持するように形成されている。そのようなインプラントの例がここに記載されている。インプラントのいずれかを配置し回収するアプリケータは、アプリケータとインプラントを有するシステムと同様に教示されている。これらのインプラントを使用する方法も記載されている。
図1、図6A、図7A、図8はインプラント(例えば、図1の装置34)の様々な実施形態を示している。ここに記載したインプラントのいずれも心臓治療装置あるいは治療装置とも呼ばれる。あるいは、これらの装置は、心室仕切り装置あるいは仕切り装置と呼ばれる。このような仕切り装置は、心室を機能(有効)領域と非機能(非有効)領域に仕切るように形成される。図2A、図2B、図3はこのインプラント(心臓装置34)をさらに詳しく図示している。心臓装置34は、フレーム184とステムあるいは可撓体186を有し、縦軸188を持つ。心室仕切り装置を含む仕切り装置は、ここに記載した一種のインプラントのみを指すものであり、ここに記載した装置取り出しあるいは再配置システムや方法とともに使用されることもある。他のそのような装置は、薄膜を持たなかったり、心腔を仕切らない支持装置であるが、心臓組織を主に支持している。
図1を参照すると、フレーム184は、フレームハブ190と、複数の主セグメント192と、薄膜194を備えている。図示したハブ190はリング状の胴体であり、約5mmの直径の外面と、約4mmの直径の内面と、約3mmの厚みと、中心からずれて内面を横切り小さい隙間と大きい隙間を生じるピンを有する。ピンは約3.5mmの長さと約1mmの直径を持ち、一つの平面内に位置している。フレーム184の直径209は約75mmであるが、他の実施形態では、10mmから120mmの直径を持つ。図示したハブ190は全体がニッケルチタン製である。
この例では、主セグメント192は、第1部分あるいは中央セグメント210と、第2部分あるいは外側セグメント212と、受動アンカ214を備えている。第1部分210は、ハブ190の外面の中央部でハブ190に連結され、ハブ190から径方向にピン面から離れる角度で約8mmの長さまで延びている。セグメント192の第2部分212は第1部分210の端部に連結され、ハブ190から径方向にピン面に向かう角度で延びている。第2部分212の各々は5mmから50mmまでの長さである。受動アンカ214は各第2部分212の端部に形成されている。受動アンカ214は、ハブ190から径方向に僅かに延びる尖端を持つ。セグメント192はニッケルチタン製であり、この材料は所定の熱処理を受けると、セグメント192が図1に示される形状を保持できるようになる。フレーム184の全体あるいは一部は、ステンレススチール、ポリマ、生分解性材料でできている。
図1において、薄膜194はセグメント192の第1部分210及び第2部分212に渡って張設され、フレーム184にディスク状の形状を付与している。薄膜194は発泡ポリ四フッ化エチレン(ePTFE)でできており、約0.08mmの厚さを持つ。他にもメッシュ状薄膜や、他の適当な浸透性、半浸透性あるいは不浸透性薄膜が使用される。多孔質のePTFE材料が好ましいが、ナイロンやPET(テレフタル酸ポリエチレン)やHytrelのようなポリエステルを含む適当な生体適合性ポリマ材料で薄膜は形成される。薄膜には本質的に小孔があり、患者の心臓内に配置後、組織の内部成長が容易になる。(送り出しカテーテルやガイドカテーテルを含む)アプリケータは、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリカーボネート、PET、ナイロン等の高力ポリマ材料で形成される。組物複合材料軸も採用される。
ステム186はポリ四フッ化エチレン(PTFE)でできており、したがって拡張自在で可撓性がある。図1を再度参照すると、ステム186は、その長さの30%圧縮あるいは拡張でき、装置34の縦軸188からどの方向にも90度曲げることができる。第1ハブ232、第2ハブ234、能動アンカ236はニッケルチタン製である。他の実施形態では、ハブはステンレススチール製である。
図2Aは、アプリケータ30とインプラント34を有するシステムの1実施形態を示している。図示されたインプラントは図1に示される上述したものである。図2に示されるアプリケータは、ハンドル44と、部分的にカテーテル領域(カテーテルチューブ38)内にある展開部材46を備えている。展開部材46の基端はハンドル44に固定されている。ハンドル44は、インプラントを配置し取り外すための一つあるいはそれ以上の制御部材を有する。例えば、ハンドル44は成型プラスチックで形成され、アプリケータを操作して装置を配置したり取り出すためのノブやボタンや他の制御部材を備えている。アプリケータの一部(例えば、展開部材46)の先端はインプラントを解放可能に把持するように構成されている。
使用時、展開部材46は、展開部材46の先端54がチューブ38の先端より出るようにカテーテルチューブ38を介して挿入される。展開部材46は心臓インプラント装置34に連結され、キー(見えない)がハブ190内の大きい隙間を通過してインプラントのフレーム184のハブ190と嵌合する。このようにしてインプラントは展開部材46に連結され、ハンドル上の制御部材を操作することにより−例えば、キーを回転させてインプラントと展開部材46との嵌合を解除することにより−配置する。
図2A及び図2Bに示されるように、展開部材46の先端54は、カテーテルチューブ38の先端に引っ張り込むことができる。インプラントのフレーム184の基端部がカテーテルチューブ38に入ると、アプリケータのカテーテル開口の直径が小さいことから潰れることになる。例えば、図2に示される実施形態では、セグメント192の第1部分210は、インプラントがカテーテルチューブ38内に引き込まれると、ステム186に向かって潰れ始める。セグメント192は、その材料であるニッケルチタンの弾性により発生するばね力に抗して潰れるかあるいは折り畳まれる。同時に、第2部分212はハブ190から径方向に離れるように扇形に展開する。
図3A及び図3Bは、チューブ38に入り始めるフレーム184の先端部とセグメント192の第2部分212を示しており、第2部分は、第1部分210と同様にステム186に向かって潰れるように折り曲げられる。図4A及び図4Bは、心臓インプラント装置34がカテーテルチューブ38内に完全に収容された状態のシステム30を示している。
図5A乃至図5Jはインプラント34が展開されている状態の人の心臓242を示している。心臓242には、乳頭筋248と頂部252のある無動部(例えば、損傷部)250を含む右心室244と左心室246がある。カテーテル38の先端は大動脈弁を介して心室仕切り装置34を展開する左心室246の所定位置に挿入されている。カテーテルチューブ38は部分的に心臓装置34から引き離されてステム186を露出させる。
次に能動アンカ236を展開する。図1乃至図5Jに示されるインプラントでは、能動アンカ236はインプラントの先端に設けられている。このアンカは図5Cに示されるように組織に挿入される。他の形態(後述する)では、インプラントの先端には、組織を貫通しない一つあるいはそれ以上の無傷(組織を傷つけない)脚が形成されている。図5Cにおいて、能動アンカの先端は、装置のハンドルにある制御部材(例えば、アンカノブ)を操作することにより(例えば、回転することにより)組織内に配置する。能動アンカ236は心臓242の心筋を貫通し、左心室246の無動部250の頂部252の所定位置に心臓装置34を固定する。
その後、カテーテル38は展開部材46の先端54から完全に除去され、心臓装置34が露出する。セグメント192に弾力性があり、フレーム184の形状が予め設定されていることで心臓装置34が拡張し、セグメント192上の受動アンカ214は心筋を第1の方向に貫通する。薄膜194は心室246の一部をシールし、心室246を二つに分離する。
心臓装置34が適切な位置に配置されていなかったり、心臓に対するサイズや形状が適切でなければ、図5E乃至図5Hに示されるように、装置34を再配置したり完全に取り外すこともある。
例えば、先端に能動アンカが使用されている場合には、能動アンカをまず解除してインプラントを取り外す。インプラントが完全に展開し、例えば、アプリケータが(組織に挿入された)インプラントから分離している場合には、インプラントはアプリケータに再度連結される。例えば、展開部材46,54のようなアプリケータの一部の先端がインプラントに連結される。図5Eでは、アプリケータがその展開部材46に再度連結されている。ハンドル上の制御部材(例えば、ノブ等)を操作してアプリケータをインプラントと嵌合させる。この実施形態では、ハブ等のインプラントの中央部はアプリケータと解放自在に嵌合あるいは再嵌合するように形成されている。幾つかの実施形態では、別のつなぎ部材あるいは他の部材を使用して展開したインプラントをつかみ位置決めすることで、インプラントをアプリケータと嵌合できるようにしている。このような別の部材の例の詳細については後述する。
さらに、装置はアプリケータとの嵌合が解除される前に再配置される。
アプリケータがインプラントと嵌合した後(あるいはインプラントから解放される前)、アプリケータにある制御部材を操作すると(例えば、アプリケータのハンドルにあるアンカノブを回転すると)、能動アンカ236は左心室246から外れる。展開部材46の先端54はカテーテル38内に引き込まれ、心臓装置34を図4Bに示される位置まで再度折り畳む。この位置から心臓装置34は再配置される。受動アンカ214は、上述した第1の方向から180度ずれた第2の方向に心筋から抜かれ、心筋の損傷を極力低減する。これは図5F乃至図5Hに図示されている。
インプラント34は図5Iに示されるように適切に再配置され、アプリケータを使用して新しい位置に配置される。一旦配置されると、上述したようにアプリケータを操作して展開部材46を解放する。所望の状態に展開後、アプリケータの先端は心臓装置34から分離され、図5Jに示されるように、展開部材46とアプリケータは心臓242から取り外される。図5Kは、心臓装置34が取り付けられた心臓242と心臓242から取り外された展開機構36を示している。
この形態では、展開部材46が装置34に連結されている限り、フレーム184の形状に起因して装置34を取り出すことができる。装置34が取り出されると、受動アンカ214は、第1の方向から約180度ずれた反対方向に心筋から引き抜かれ、心筋の損傷を最小限にとどめる。装置34は無動領域250を支持し、無動領域250の膨れを極力低減し、心筋の可動部にかかるストレスを減少する。一般に、インプラントとともに使用されるePTFE薄膜は生体適合性があり、血栓を形成しない面を有し、治療を促進し、内皮形成を増進する。これらの薄膜は、上述したように、心臓を仕切るために使用される。
図6Aは心臓装置254の別の形態を示している。この心臓装置254は、ハブ256と、フレーム258と、薄膜260を備えている。ハブ256はフレーム258の中央部に位置し、能動アンカ262がハブ256から下方に延びるようにハブ256に連結されている。フレーム258は、ハブ256から径方向上方に延びる複数のセグメント264を有する。各セグメント264の端部には鋭利な受動アンカ266が設けられている。薄膜260はセグメント264の間に張設され、円錐台状の本体を形成している。
図6Bは、図6Aの心臓装置254が人の心臓の無動部に取り付けられた状態の人の心臓の断面図を示している。
図7A及び図7Bは、心臓装置268の別の実施形態を示している。心臓装置268は、ハブ270と、フレーム272と、薄膜274を備えている。ハブ270はフレーム272の中央部に位置し、能動アンカ276がハブ270から下方に延びている。フレーム272は、ハブ270から径方向上方に延びる複数のセグメント278を有する。これら複数のセグメント278は長さが異なり、心臓装置268の外縁280は同一平面上にはない。装置268は、装置268の外縁280を横切る直径284と90度以外の角度で交差する縦軸282を有する。各セグメント278の端部には鋭利な受動アンカ286が設けられている。薄膜274はセグメント278の間に張設され、円錐台状の本体を形成している。図7Bを特に参照すると、装置268の縦軸282に直交する断面は円形である。
図7Cは、図7Aの心臓装置268が人の心臓の無動部に取り付けられた状態の人の心臓の断面図を示している。心臓装置268の外縁280は左心室の内面の非平面断面を形成する。インプラント268は、左心室の無動部の様々なサイズや形状を含むさらに様々な心臓領域で使用されるために寸法及び形状設定されている。
幾つかの形態では、インプラントは、インプラントが拡張(展開)形状から折り畳み(部分的に折り畳まれた)位置に折り畳まれるのを助けるように形状設定された一つあるいはそれ以上の圧潰部材を有する。例えば、インプラントのフレームを圧潰あるいは折り畳むのにスリーブやカバーを使用してもよい。他の形態では、インプラントは装置を圧潰するための紐、ワイヤ、糸、ケーブル、チェ−ン等(これらを総称して「紐」という。)を有する。例えば、紐はリブや支柱(例えば、中央のハブ領域から所定の距離離隔している)の周囲に設けられる。紐はループ(例えば、両端が連結されたもの)でもよく、一端あるいは両端が自由端であってもよい。紐を引っ張って支柱を収縮させこれらをまとめて圧潰形状まで引っ張ることができる。
図8乃至図11は、装置を圧潰するのに使用される紐を有する心臓インプラント装置の実施形態を示している。この実施形態では、インプラント(仕切り装置)510は、図8に示されるように、仕切り薄膜511と、仕切り装置の中央部に位置するのが好ましいハブ512と、フレーム513の基端側あるいは圧力側に取り付けられた径方向に拡張自在の強化フレームを備えている。支柱514は、ハブ512に取り付けられた先端部515と、中心軸から離れる方向に曲がるようにあるいは拡開するように形成された自由基端516を有する。自由基端516を径方向に拡張すると、フレーム513に取り付けられた薄膜511が開き、薄膜は患者の仕切られた心腔の有効部を部分的に形成する圧力受承面517を提供する。薄膜511の周縁部518は図示されているようにのこぎり歯状であってもよい。
図8乃至図11に示される形態は、圧力側の薄膜511の周辺に延びる膨張性のある連続紐を有する。この紐を操作すると、紐が薄膜の可撓性材料の圧力側に圧力を加えて、薄膜の周囲を心室腔の壁面に効果的にシールする。膨張性紐519の端部520,521は、図8及び図9では、仕切り装置から離れるように図示されている。上述したように、端部520,521はどこにも取り付けなくてもよく、例えば適当な接着剤や結び目等により互いに連結してもよく、薄膜511に取り付けてもよい。詳細には図示されていないが、この薄膜511は、2004年8月5日出願の米国特許出願第10/913,608号に開示されているように、支柱514の近位面に取り付けられた近位層と、支柱514の遠位面に取り付けられた遠位層を有する。この米国特許出願は、これを参照することでここに盛り込まれているものとする。
図10及び図11に示されるハブ512は非外傷性支持部材522に連結されている。図10及び図11に示される支持部材522は、ステム523と、中心軸から径方向に離れるように延びる複数の脚部524を備え、脚部524の端部は、脚部524間に延在する支持片525に連結されている。面材料(図示せず)を脚部524間に蜘蛛の巣状に設けると、支持片525に加えてあるいは支持片525に代わって支持の役目をする。ステム523の内面には、図15乃至図17に示されるように仕切り装置510を送り出しカテーテルに取り付けるためのねじ切りが施されている。
図12に示されるように、支柱514の先端515はハブ512に固定されており、図13に示されるように、横方向に配置された連結バー526が、ハブ512を非外傷性支持部材522に固定するように形成されたハブ内に取り付けられている。
図12及び図13において、ステム523の内部にねじがあることで、仕切り装置510を非外傷性支持部材522に取り付けることができ、患者の心腔内で送り出しシステムから解放することもできる。強化支柱514の先端515は、適当な方法でハブ512に取り付けられたり、内腔を定める面に取り付けられたり、ハブ512の壁に形成された溝あるいは孔の内部に配置される。支柱514の先端は、支柱514が(図8及び図9に示されるように)それに固定された薄膜511以外のものに拘束されていなければ、自由基端516が中心軸から約20度から約90度、好ましくは約30度から約60度の所望の角度位置まで拡張できるように予め成形されている。仕切り装置510の拘束されない直径は、仕切り装置の展開位置で心腔の直径より大きく、心臓収縮及び拡張時、心腔の壁面には部分的に拡張した支柱514により外向きの力が加えられ、弾力性のあるフレーム513は心臓の壁の動作を増大する。
図14は支柱514の曲がった自由基端516を示しており、心腔の壁と嵌合して−好ましくは壁を貫通して−仕切り装置510を患者の心腔内の展開位置に保持するように形成された鋭利な先端部材527が設けられており、心室腔を有効部と非有効部に仕切っている。
図15乃至図17はアプリケータ(送り出しシステム)530の実施形態を示しており、このアプリケータ530は、図8及び図9に示される仕切り装置510を患者の心腔に送り出し、図18A乃至図18Eに示されるように仕切り装置510を展開して心腔を仕切るために使用される。この取付システム530はガイドカテーテル531と送り出しカテーテル532を備えている。
ガイドカテーテル531は基端534と先端535との間に延びる内腔533を有する。ガイドカテーテル531の基端534に止血弁(図示せず)を設けて、送り出しカテーテル532の外軸537の回りをシールしてもよい。ガイドカテーテル531の基端534にある注入ポート536は内腔533に流体接続されている。
この実施形態の送り出しカテーテル532は外軸537を有し、外軸537の基端には、外軸537の内部に流体接続された注入ポート539を有するアダプタ538が設けられている。図16にさらに詳しく図示されているように、外軸537はその内部に配置されウェブ543で外軸537の内面に固定された内軸541を有し、ウェブ543は内軸541の長さのかなりの部分に沿って延在している。注入ポート539は、外軸537と内軸541との間で部分的にウェブ543で区画された流路542に流体接続されている。好ましくはハイポチューブ(例えば、ステンレススチールや超弾性ニチノール(NiTi)で形成される)で形成されるトルク軸544は、内軸541の内腔545内に配置され、その基端546はアダプタ538内に取り付けられている。バルーン膨張ポート547はトルク軸544の内腔548と流体接続している。トルク軸544は内軸541の内腔545内に回転自在に配置され、回転ノブ549に固定されている。らせんコイルねじ550がトルク軸544の先端551に取り付けられており、トルク軸544の基端546にあるトルクノブ549を回転すると、ねじ550が回転して仕切り装置510の展開を容易に行うことができる。膨張自在のバルーン553の基端552は、トルク軸544の先端551近傍の周囲に接着剤554に密封状に固定されている。バルーン553の内部555はトルク軸544の内腔548と流体接続されている。膨張流体は、トルク軸544の内腔548と流体接続されたポート547を介してバルーン内部555に供給される。バルーン553の先端556はらせんねじ550に接着剤557に密封状に固定されている。バルーン553の基端552及び先端556は接着剤554,557で封止されており、バルーン553の内部555に供給された膨張流体の流失を防止している。トルク軸544の先端551に流体排出ポート558を介して膨張流体が供給されると、バルーン553が膨張し、仕切り部材(あるいは装置)510の基端側の面に圧力を加え、後述する図18A乃至図18Eに示されるように、心腔560の壁559に仕切り部材510が容易に固定される。
図18Aに示されるように、仕切り部材510は、ガイドカテーテル531と送り出しカテーテル532を有する送り出しシステム530を介して送り出される。仕切り部材510は第1の送り出し形状では圧潰しており、この形状は、仕切り部材510がガイドカテーテル531の内腔533を通って摺動しながら前進できるようにその横方向のサイズは十分に小さい。ガイドカテーテル531は、前もって従来の方法で大腿動脈のような患者の血管系を介して所望の心腔560まで経皮的に導入され前進している。仕切り部材510が取り付けられた送り出しカテーテル532は、仕切り部材510がガイドカテーテル531の先端から仕切られる患者の心腔560内への展開の準備ができる状態まで、ガイドカテーテル531の内腔533を通って前進する。
図18B及び図18Cに示されるように、ねじ550に取り付けられた仕切り部材510は、支持部材522が心臓の壁559と嵌合するまで、ガイドカテーテル532の内腔533から押し出される。支柱514の基端516がガイドカテーテル531の先端535を出るまで、送り出しカテーテル532が所定の位置に保持された状態で、ガイドカテーテル531は引き抜かれる。図18Cに示されるように、支柱514の自由基端516は外側に拡張し、支柱514の鋭利な基端側尖端527を心臓の壁559に沿って並ぶ組織に対し、好ましくはその内部に押圧する。
仕切り部材510が心腔560内に展開し、好ましくはそこに部分的に固定されると、膨張流体がトルク軸544の先端551の膨張ポート558を介して導入され、バルーン内部555に入ってバルーン553を膨張させる。膨張したバルーン553は仕切り部材510の薄膜511の圧力受承面517を押圧し、図18Dに示されるように、鋭利な基端側尖端527が心臓の壁559にある組織内に十分に圧入される。
仕切り装置510が心腔560内に適切に位置決めされた状態で、トルク軸544上のノブ549(図15参照)を反時計方向に回転させると、送り出しカテーテル532のらせんコイルねじ550はハブ512内に取り付けられたステム523から離脱する。トルク軸544が反時計方向に回転することで、ハブ512内に取り付けられたステム523のねじと螺合するらせんコイルねじ550が回転する。らせんコイルねじ550とステム523内のねじとの螺合が一旦解除されると、ガイドカテーテル531と送り出しカテーテル532を含む送り出しシステム530は患者から取り除かれる。
ガイドカテーテル531の基端534には、治療中に内腔533を介して治療流体、診断流体あるいは他の流体等の流体を注入する注入ポート536が設けられている。同様に、アダプタ538の基端側注入ポート539は、基本的に同じ目的を持つ送り出しカテーテル532の流路542と連通している。
図18Eに示されるように、患者の心腔560内に仕切り部材510を展開すると、心腔560は、有効な作動主要部561と基本的に有効でない非主要部562に分離される。作動部561は元の心腔より小さく、駆出率を改善し血流を改善する。時間が経つと、非有効部562にはまず血栓がたまり、次に細胞増殖因子がたまる。ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、共重合体、混合物等の生体内吸収性充填剤を非有効部562にまず充填してもよい。充填剤は、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の適当な溶媒に供給してもよい。組織の成長や血栓を助長する他の材料を非反応性充填剤とともに非有効部562に供給してもよい。
図19は、図18Eに示される展開された仕切り装置の平面図であり、周囲が心室の壁にシールされた薄膜511を概略的に示している。
図18E及び図19に示されるように装置が一旦展開しても、装置を取り外したり再配置することができる。例えば、図8及び図9に示されるインプラントの実施形態において、紐519を引っ張ると、支柱514の端部にあるアンカあるいは尖端素子527を心臓壁から除去することができる。例えば、アプリケータ530をインプラント(例えば、ハブ領域)に再嵌合することもできる。アプリケータのある部材を紐に連結し、それを引っ張ってインプラントを圧潰することができる。幾つかの形態では、挿入工程で紐の一つあるいは二つの端部はアプリケータに連結されており、紐が当初アプリケータから外れていても、位置が確認されるまでに紐はアプリケータに連結される。
紐を掴み操作する部材を含むアプリケータの例を次に詳細に説明する。
図20A乃至図20Cは、薄膜511の周囲に延びる膨張紐519の端部520,521を引っ張ることによりインプラント(仕切り装置510)を圧潰し取り出す場合を示している。仕切り装置510は通常は送り出しカテーテル532に取り付けられているが、図面を簡略化するため、送り出しカテーテル532はこの例では図示していない。図20Aでは、仕切り装置510は部分的に圧潰して形状に図示されている。図20Bでは、部分的に圧潰した仕切り装置510は、取り出しカテーテル564の拡開した先端563に引き込まれている状態が図示されている。図20Cは、仕切り装置510が取り出しカテーテル564にさらに引き込まれて完全に圧潰した状態を図示している。仕切り装置510は、取り出しカテーテル564の内腔565を介して引っ張ることにより引き抜かれる。あるいは、仕切り装置510とアプリケータ(例えば、取り出しカテーテル)を共に患者から引き抜くようにしてもよい。
この形態では、アプリケータはカテーテルの先端にフランジを備えていることから、インプラントはアプリケータの先端に容易に挿入される。このフランジのある先端は任意で、必ずしも設ける必要はない。
ここに記載したインプラントの着床、取り外しあるいは再配置は、直接あるいは間接的に可視化された状態で行われるのが一般的である。例えば、ここに記載した手順あるいは方法のいずれも透視しながら行われる。患者の心腔に装置を進出させ配置するときに装置を適切配置するために、支柱514とハブ512の一方あるいは両方の一部、例えば遠位部には、目や超音波やX線や他の画像化あるいは可視化手段により可視化を向上させるマーカが所望の位置に設けられている。放射線不透過性マーカは、例えばステンレススチール、プラチナ、金、イリジウム、タンタル、タングステン、銀、ロジウム、ニッケル、ビスマス、他の放射線不透過性材料、あるいはこれらの金属の合金や酸化物により作製される。
図21は、心臓インプラントを取り付けたり、取り出したり、再配置するように形成されたアプリケータの別の実施形態を示している。幾つかの形態では、図21に図示されているようなアプリケータは、インプラントを含むシステムの一部として設けられている。図21において、アプリケータは、注入ポート703やバルーン膨張ポート705とともに、インプラントの着脱を制御する複数の制御部材を有する制御ハンドル701を備えている。この形態のアプリケータは、内軸709と外軸711を有する伸長軸707も備えている。アプリケータの先端には、膨張ポート705を介して流体(例えば、空気、液体等)が供給されることで膨張するバルーンや膨張自在のスリーブが設けられている。バルーンを膨張させると、図22A乃至図22Fに図示されているように拡張する。図21に示される特徴に加えて、インプラント安定化軸や紐把持用フック(図21には図示されていない)等の他の部材も内軸内に設けられ、例えばハンドルを使用して手元で制御される。例えば、アプリケータは上述したように展開部材を備える。インプラント安定化軸は展開部材として形成してもよい。
図22A乃至図22Fは、図21に示されるようなアプリケータを操作してインプラント(仕切りインプラント720)を取り外す操作を示している。図22Aは患者の心臓内で展開した心臓インプラント720を示している。インプラント720は、インプラントの周囲に延在する紐あるいは縫合部724を有し、縫合部724の両端722,722’は結び目が設けられるか、装置を囲む薄膜を通って引っ張られないようにしている。紐724はインプラントの内周回りに縫いつけられている。
図22Bにおいて、図21に示されるアプリケータは心臓に挿入され、その先端は展開したインプラントの真向かいに位置している。膨張自在の先端部713を含む伸長カテーテルがインプラントの真向かいに位置することで、インプラント安定化軸726はアプリケータの先端から延びてインプラントと嵌合する。上述したように、インプラント安定化軸(例えば、展開部材)726はハブあるいは他の適当な領域(例えば、脚部等)でインプラントと嵌合する。紐状フック728もまた、図22Bに示されるようにアプリケータの先端から延び、少なくとも紐の一部に係止される。幾つかの形態では、紐状フックは把持部材、顎状部材、あるいは他の紐捕獲部材となっている。図22Cに示されるように、装置を所定の位置に保持したまま、アプリケータ内に紐状フック728を引っ張り込むことにより紐を引っ張ることができる。装置を先端部に配置したまま紐を引っ張ることで、紐が締め付けられインプラントの支柱が圧潰する。幾つかの形態では、インプラント圧潰方法には、インプラントを先端側に(アプリケータから離れるように)押して支柱の端部を心臓壁から取り外すステップがある。次に詳述するように、インプラント(例えば、脚部領域)は圧潰したり短くなるように形成され、心臓壁からの支柱の取り外しを容易にしている。
図22Cに示されるようなインプラントの圧潰後、アプリケータはインプラントの近傍に拡張される。図22D及び図22Eに示される形態では、膨張自在のバルーンあるいはカフス713は膨張して、インプラント上を前進する。幾つかの形態では、アプリケータ先端のカフスは膨張できるものではないが、先端から拡張して装置を覆う。例えば、先端には、圧潰したインプラント上を「転動」可能なトロイダル領域があり、インプラントはトロイダル領域の中央腔内に固定される。インプラントがアプリケータ内に一旦固定されると、インプラントはアプリケータとともに患者から取り外したり、再配置したり、再展開することができる。
図23Aは、インプラントを取り付け、取り外し、再配置するのに使用されるアプリケータのある実施形態を示している。図23Aにおいて、アプリケータは一つあるいはそれ以上の制御部材を有するハンドル領域801を備えている。図23Aに示される形態では、ハンドルは、捕獲した傘(後述)を拡張するノブ803として図示された制御部材と、縫合フックを操作する制御部材(縫合フックノブ805)を備える。アプリケータはまた、伸長カテーテル領域807と、インプラント捕獲傘810と、縫合部捕獲フック822を備える。
図23Bは、図23Aの線B−B’に沿ったアプリケータのカテーテル領域の断面図である。図23Bに示されるように、アプリケータはインプラント捕獲傘内腔830と、縫合部捕獲フック内腔831を有する。幾つかの形態では、内腔は一つのみ使用され、縫合部捕獲フックとインプラント捕獲傘の両方を収容している。幾つかの形態には、図21及び図22A乃至図22Fに示されるものと同様のインプラント安定化軸も設けられている。例えば、インプラント安定化軸(図23A乃至図24Fには図示せず)は、インプラント捕獲傘に連結された軸の内部に同心状に配置されている。インプラント安定化軸はインプラント捕獲傘とは独立して操作される。
図24A乃至図24Fは、患者の心臓に展開されたインプラントを取り外すための図23Aに示されるアプリケータの操作を示している。図24Aは、図22Aに示される上述したインプラントと同様のインプラントを示しており、患者の心臓の左心室に取り付けられた状態を示している。インプラント720は縫合部あるいは紐724を有し、その両端は互いに接合されるか結び目が形成されている。インプラントは図24B乃至図24に示されるように、心臓内の展開位置から取り外すことができる。紐状の捕獲フック822はアプリケータから先端側に延び、インプラント上の紐724を捕獲したり嵌合する。幾つかの形態では、インプラント安定化軸726もアプリケータの先端から延び、図22Bに示されるようにインプラントと嵌合する。紐を捕獲した後、捕獲フック822は、アプリケータを使用して基端側に引っ張られる。アプリケータのハンドルを操作して、例えば紐状フックノブ805を操作して、紐を基端側に引っ張ると、図24Cに示されるようにインプラントは圧潰する。その後、アプリケータのインプラント捕獲傘810はアプリケータのカテーテルから先端側に拡張される。図24Dに示されるように、インプラント捕獲傘がアプリケータから拡張されると、インプラントカテーテル領域を離脱して膨張する。例えば、インプラント捕獲傘は外側に付勢されニチノールあるいは他の材料でできた支柱で形成される。薄膜あるいはネットは支柱間に設けられる。幾つかの形態では、傘には薄膜はなく、支柱のみで構成されている。支柱は、組織やインプラントの損傷を防止するためコーティング(例えば、ポリマ材料)が施されている。
インプラント捕獲傘は、図24Dに示されるように、圧潰した装置720の上に拡張される。インプラント720は、図24Eに示されるように、アプリケータのカテーテル領域に捕獲傘810を(インプラント安定化軸が設けられていれば、これとともに)引き込むことによりアプリケータ内に引き込まれる。幾つかの形態では、インプラントは部分的にアプリケータ内に引き込まれる。図24Fはアプリケータとインプラントを患者から取り外している状態を示している。
ここに記載したアプリケータの多くはインプラントの挿入及び取り外しの両方が可能なように構成されているが、アプリケータはインプラント取り外し装置としてのみ構成することもできる。例えば、インプラント取り外し装置は、上述した(図23Aを含む)アプリケータに類似しているが、捕獲され取り外された後、患者の心臓内で解放するように構成しなくてもよい。幾つかの形態では、インプラント取り外し装置は図23Aのアプリケータに類似しており、インプラントを解放するように形成されたインプラント安定化軸を備えていない。
幾つかの形態では、アプリケータは、圧潰あるいは膨張紐の一端あるいは両端がアプリケータ内の基端側に延び、最終的に配置された後、インプラントあるいはアプリケータから取り外される(引き抜かれる)ように形成されている。例えば、図25Aはアプリケータ901とインプラント903を含むシステムのある実施形態を示しており、インプラント903は、インプラントの周囲に延びテンションが加わるとインプラントの支柱を圧潰させる圧潰紐905を備えている。圧潰紐905の端部はアプリケータ内を基端側に延び、ポート(例えば、アプリケータの基端のハンドルにあるポート)906,906’からさらに延びている。図示されたアプリケータの実施形態は、図23Aに示されるアプリケータと同様、一旦位置決めされるとインプラント膨張の手助けをするバルーン907を有するインプラント安定化軸(カテーテル)909と、アプリケータの外カニューレあるいはガイドカテーテル915内に設けられたインプラント捕獲傘920を備えている。この例では、アプリケータの先端領域には、可視化のための放射線不透過性マーカ913が設けられている。バルーン膨張ポート927も装置の基端部に設けられている。図25Bは、インプラント903がアプリケータ901から離脱した図25Aのシステムを示している。図25Bにおいて、圧潰紐905は装置から取り外されている。装置が許容できる位置に位置決めされると、さらに調節する必要はない。紐が除去されるまで、上述したインプラント捕獲傘920を使用して圧潰紐905を引っ張ることによりインプラントは連続的に圧潰され、再配置される。
例えば、図26A乃至図26Dは、図25Aのシステムの操作方法を示している。図26Aは、アプリケータ901の先端に取り付けられたインプラント903を有する図25Aのシステムの斜視図である。インプラントの最先端には脚部930の柔らかい端部がある。インプラントは、上述したように、被験者の心臓(例えば、左心室)に挿入され、一旦所定の位置に配置されると、図26Aに示されるように展開される。インプラントの位置あるいは方向は、蛍光透視等で可視化して確認あるいはチェックされる。図26B乃至図26Dは、インプラントを展開した後、取り外している状態を示しているが、圧潰紐905を取り外す前の状態である。
図25A乃至図26Dに示されるインプラント903は、図26Bに示されるように、圧潰ワイヤ905の自由端を引っ張ってインプラントを圧潰することにより取り出される。この例では、受動アンカ935はこのようにして心臓壁との嵌合が解除される。インプラントを少なくとも部分的に圧潰した後、図26Cに示されるように、ガイドカテーテル915は引き抜かれ、インプラント捕獲傘を露出させ拡張させる。幾つかの形態では、図24Cを参照して説明したように、インプラント捕獲ワイヤは先端側に送り出される。図26Dに示されるように、インプラントを基端側に引っ張り、ガイドカテーテルを先端側に押すと、インプラント捕獲傘が圧潰したインプラントの周囲を覆うようにインプラントはインプラント捕獲傘に捕獲される。
簡単に上述したように、幾つかの形態では、インプラント装置は、上述した圧潰紐等の圧潰部材あるいは圧潰スリーブを備えている。図27A乃至図27Eは、圧潰スリーブを有するインプラントと、圧潰スリーブを操作するためのアプリケータを含むシステムの操作方法を示している。
図27Aにおいて、インプラント1001は展開した状態で示されている。簡略化のため、支柱は図示されていない。インプラントは、図27Aに示されるように、その支柱と薄膜が展開するとき、先端側に(例えば、インプラントのステムの上に)位置する圧潰スリーブ1005を備えている。この例では、インプラントはアプリケータ1000に連結され、アプリケータ1000は、圧潰ノブ1013と、能動アンカノブ1015と、取り外しノブ1010を有するハンドル領域を備えている。アプリケータはまた、進退自在の圧潰スリーブ引っ張りワイヤ1006とインプラント安定化軸1009を収容したガイドカテーテル1007を備えている。図27B乃至図27Eは、インプラント1005を圧潰するためのアプリケータの使用方法を示している。例えば、図27Bでは、ハンドルの圧潰ノブ(あるいは他の適当な制御部材)を操作して圧潰スリーブを基端側に引っ張っている。例えば、圧潰ノブを回転すると、図27Cに示されるように、引っ張りワイヤが圧潰スリーブ1005をインプラントの薄膜及び支柱上に引っ張って圧潰する。インプラントが圧潰すると、インプラントはガイドカテーテルの内部に引き込まれ、患者から取り外されたり、(例えば、インプラントをガイドカテーテルから押しだし、圧潰スリーブガイドワイヤを押して薄膜及び支柱を拡張させることにより)再配置されたり、再展開される。圧潰スリーブ引っ張りワイヤは、ワイヤ、ロッド、チューブ等であり、圧潰スリーブを引っ張ったり押したりするのに使用される。
図28A及び図28Bに示される形状を使用して、圧潰スリーブは圧潰スリーブ引っ張りワイヤ(あるいはアプリケータ上の他の圧潰スリーブ制御部材)に連結されている。図28Aは、圧潰スリーブ用のための中央に位置する付属機構1101を有する拡張したインプラントの正面図を示している。この付属機構は、中央開口部を横切りスリーブ内面の一点あるいはそれ以上の点に連結されたクロスバーあるいはワイヤであってもよい。この例では、インプラントのハブ領域及び折り畳み式支柱/薄膜領域の両方には、クロスバーあるいはワイヤが移動して圧潰スリーブを先端側あるいは基端側に移動させるトラックあるいは溝が設けられている。例えば、図28Aに示される反対側の二つの支柱1107には、トラックあるいは溝1105が形成されており、圧潰スリーブに連結されたクロスバーあるいはワイヤはトラックあるいは溝1105に沿って移動する。アプリケータは、この付属機構と嵌合し基端側に引っ張ったり先端側に押す軸あるいはワイヤを備えている。図28Bは、圧潰スリーブ1110を有する図28Aに示されるインプラントの側面図を示している。
インプラント送り出しシステムの別の実施形態が図29A乃至図29Eに示されている。図29Aは、装置のガイドカテーテル1207を通過するインプラント安定化軸の再度ポートから延びる圧潰線あるいは投げ輪1201を有するアプリケータを示している。インプラント安定化軸の先端には、インプラントを装置から分離するために操作される分離ねじ1205が設けられている。この例では、圧潰線は、ハンドルにある圧潰線制御ノブ1209等の制御部材を操作することにより基端側に(例えば、アプリケータ1211のハンドルに向かって)引っ張られる。ハンドルにはまた、インプラント1213等を分離するための一つあるいはそれ以上の制御部材が設けられている。幾つかの形態では、圧潰線は、インプラントの展開前にインプラントに連結され、インプラントが最終的に位置決めされるとインプラントから解放される。他の形態では、圧潰線はインプラントに不可欠ではないが、解放された後、インプラントの回りに連結されている。
図29B乃至図29Eはアプリケータとインプラントを有するインプラント送り出しシステムの操作方法を示している。例えば、図29Bにおいて、展開したインプラントはまだアプリケータに取り付けられているが、インプラントを圧潰し再配置(あるいは除去)するのが望ましい。この形態では、インプラントは、拡張したインプラント傘領域1222から延びる無傷脚1220として形成されたインプラントステムを備えている。図29Cでは、圧潰線あるいは投げ輪1201が収縮して、図29Dに示されるようにインプラントが十分に圧潰してガイドカテーテルに押し込まれるまでインプラントを圧潰している。インプラントが一旦十分に圧潰すると、図29Eに示されるように、ガイドカテーテルは先端側に移動してインプラントを包み込む。図30A及び図30Bは、図29A乃至図29Eに示されるアプリケータとともに使用されるインプラントの側面図と正面図をそれぞれ示している。インプラントは、薄膜1240上の二つあるいはそれ以上の孔1250を通過する圧潰線(あるいは紐)1201に連結されているように図示されている。圧潰線1201は押し結び目1252を有し、インプラントは複数の支柱1245を有する。
図35A乃至図35Eは、仕切り装置(インプラント)を着脱するための圧潰線を有するアプリケータを備えたシステムの別の実施形態を示している。例えば、図35Aは、送り出しカニューレを有するアプリケータ1700と、端部に受動アンカのある折り畳み自在の支柱を有するインプラント1701を備えたシステムを示している。図35Aに示されるシステムは展開されていない状態にあり、無傷脚領域を含むインプラントの先端は先端側に延びている。インプラントを送り出しカテーテル領域から押して展開すると、図35Bに示されるように、支柱は拡張する。この例では、紐あるいは投げ輪1705は装置の回りに予め位置決めされており、送り出しカテーテル内にある投げ輪ガイドチューブ1707内に挿入されている。装置が展開するにつれて、装置の回りに投げ輪が拡張し、投げ輪ガイドチューブ1707は連結された状態に維持される。位置が正しければ、投げ輪(紐)のその一端が引っ張られて装置(図示せず)の回りから取り除かれ、アプリケータ1700とともに投げ輪と投げ輪ガイドチューブの両方とも引き抜かれる。図35C乃至図35Eは、インプラントが図35Dに示されるように再配置されるか、図35Eに示されるように送り出しカテーテル内に引き込まれ取り外されるまで、投げ輪の一端あるいは両端を引っ張ってインプラントを圧潰することによりインプラントを再配置あるいは取り外す方法を示している。
幾つかの形態では、インプラントは反転した後アプリケータ内に取り込まれ、インプラントがアプリケータのカテーテル領域に引き込まれるにつれて薄膜及び支柱は折り畳まれる。この方法とこの方法を含むシステムの一つの形態が図31A乃至図31Dに示されている。例えば、図31Aでは、アプリケータは、一つあるいはそれ以上の制御部材1403,1405を有するハンドル領域1401と、ガイドカテーテルとインプラント安定化軸を有する伸長カテーテル領域1408と、インプラントの先端(例えば、脚部領域1422)に連結された取り出し線1410を備えている。図31B乃至図31Dは、このアプリケータを使用して展開したインプラントを取り外す方法を示している。展開後取り出し線1410を引っ張ると、図31Cに示されるようにインプラント1420は左心室の壁面から外れ、インプラントがアプリケータ内のガイドカテーテルに引き込まれるにつれてインプラントは左心室(lv)内で反転する。この例では、取り出し線1410は柔軟性のある脚部領域1422に取り付けられている。反転したインプラントをアプリケータ内に引き込むと、図31Dに示されるようにインプラントは圧潰する。
図32A及び図32Bは、インプラントを反転することによりインプラントを取り外すように形成されたアプリケータ1500の別の実施形態を示しており、図33A乃至図33Hは、アプリケータ1500の操作方法を示している。図32Aにおいて、システムは、バルーン膨張ポート1503と、インプラント解放ポート1505と、インプラント捕獲ポート1507を有するハンドル領域(制御領域)1501を備えている。基端側の制御あるいはハンドル領域は細長い挿入カニューレに連結されている。インプラントとインプラント捕獲ワイヤ1511に解放自在に取り付けられたインプラント安定化軸1509はカニューレを貫通し、その中で軸方向に移動自在である。したがって、カニューレには、これらの構造体が移動する一つあるいはそれ以上の軸方向の内腔が設けられている。インプラント安定化軸は、バルーン1515あるいは他の展開用部材、及び/または、インプラントを取り外したり取り付けるのに使用されるねじ1513を備えている。図32Bは、図32Aの装置を一部断面図で示したものであり、インプラント安定化軸1509とインプラント捕獲ワイヤ1511を見えるようにしている。インプラント安定化軸1509の基端は引き出されたように図示されており、インプラント安定化軸は全体がカニューレ内にある。
図33A乃至図33Hはこのシステムの操作方法を示している。図33Aにおいて、図32A及び図32Bのアプリケータ1500は、インプラント1520が先端に予め装着された状態で一部を断面図として図示されている。この形態のインプラント捕獲ワイヤ1511はインプラントを介して予め装着されており、インプラント解放ポートから延びて、インプラントを貫通し、インプラント捕獲ポートから出ている。インプラントは、支柱や支柱間に延びる薄膜が圧潰し少なくとも部分的に送り出しカテーテル内に後退している送り出し形状に縮小するが、便宜上、図33Aは拡張した(展開した)形状のインプラントを図示している。
図33Bはインプラントの先端領域を通る断面図であり、インプラント捕獲ワイヤが通過する通路を示している。この通路は、インプラント捕獲ワイヤの端部に設けられた保持部材1530がインプラントを通過することができず、後で図示するように、ワイヤを引っ張ることにより取り出すことができる寸法に設定されている。インプラントが所望の位置に配置され展開すると、インプラント捕獲ワイヤはインプラントを介して完全に引き抜かれる。例えば、インプラントの端部にある保持部材1530は取り除かれるかその嵌合が解除される。
装置を心臓、例えば心臓の左心室に展開した後、装置は取り外される。例えば、インプラントを心臓から取り外すために、インプラント捕獲ワイヤ1511の一端は、図33Cに示されるように取り出される。この例では、インプラント捕獲ワイヤは、インプラント捕獲ポート1507から延びるインプラント捕獲ワイヤの端部を引っ張ることにより基端側に引っ張られている。インプラント捕獲ワイヤの他端は保持部材1530に取り付けられている。図33Dに示されるように、保持部材はインプラントハブ1533を通過できないように寸法(形状)設定されている。
図33Eは、インプラント安定化軸がインプラント1520から離脱した状態を示している。インプラント安定化軸が取り付けられた状態では、インプラントは心臓の壁から部分的に引き出され、(例えば、心室内に)移動できるスペースができ、図33Fに示されるように迅速に動く十分な空間ができることになる。例えば、インプラント捕獲ポート1507から延びるインプラント捕獲ワイヤ1511を引っ張ると、インプラントの脚部(先端)がアプリケータ(カニューレの先端)に向かって引き寄せされる。図33Fに示される例では、カテーテルの先端には放射線不透過性マーカ1550が付けられており、アプリケータの位置を監視できる。図33G及び図33Hは、インプラントをガイドカテーテル、筒、圧潰カテーテル1539を移動するインプラントに対し摺動させながらインプラントをアプリケータの先端に固定する操作を続けることにより(例えば、インプラント捕獲ワイヤ1511を引っ張ることにより)インプラントを圧潰している工程を示している。ガイドカテーテル(あるいは筒、圧潰カテーテル)1539は送り出しカテーテル1561上を軸方向に移動して、送り出しカテーテル1561の端部を越えて先端側に延び、両カテーテルの先端には放射線不透過性マーカ1550が付けられている。インプラントが一旦圧潰すると、インプラント及びアプリケータは患者から取り外される。
ここに記載したどの形態でも、インプラントは、患者の心臓壁に少なくとも部分的に取り付けられたりしっかりと固定された後、取り外してもよい。例えば、インプラントは、リブ(支柱)の端部に鋭利であるいはするどく尖って心臓壁に部分的に突き刺さるように形成された受動アンカを備えている。したがって、インプラントの取り外しや再配置は、インプラントを心臓壁から離脱させることで容易に行うことができる。幾つかの形態では、インプラントの一部は短縮可能(例えば、圧潰可能、圧縮可能等)で、インプラントが展開した後、インプラントの一部を短縮することで取り外すことができる。例えば、図34A乃至図34Dに示される例では、インプラントのハブ及び/または脚部領域は潰すことができる。幾つかの別の形態では、短縮可能領域は伸縮自在である。また別の形態では、短縮可能領域は、圧縮あるいは作動するまでその領域を拡張位置(短縮していない位置)に保持するばねあるいは他の付勢部材を備えている。したがって、短縮可能領域は、これに力を加えて短縮することにより作動する。さらにまた別の形態では、短縮可能領域はロックすることができ、ロックが解除されるまで短縮できない。ロックはピン、捕獲部材等を含み、機械的、電気的あるいは電磁的に作動する。
図34Aは圧潰領域1603を有する細長いハブ領域1601を備えたインプラントを示している。図34Aのハブ領域1601は図34Bに詳細に図示されている。この形態の圧潰領域にはヒンジ付きアームが設けられている。この例のハブ領域は、圧潰領域1603の先端に取り付けられた紐1605を基端側に引っ張ることにより短縮する。これは図34Cに図示されており、図34Dにさらに詳しく図示されている。この例では、紐はインプラントの基端から延び(アプリケータを通過し)、インプラントの孔の周囲でループとなって、基端側に戻っている。装置の位置が最終的に決定されると、紐1605は、図34E及び図34Fに示されるように、一端を引っ張って他端をインプラントを介して引っ張り出すことにより取り出される。
他の形態では、インプラントの短縮には紐を必要とせず、装置に単に圧力あるいは力を加えることで達成される。
上述したインプラントを圧潰する装置及び方法に加えて、他の方法を上述した方法とは別に使用することもでき、組み合わせて使用することもできる。例えば、インプラントはその温度を変えて潰すこともできる。この方法は、インプラントがニチノール等の形状記憶材料で(少なくとも部分的に)できている場合に特に有効である。図36Aはインプラント3600のある実施形態の断面図を示しており、このインプラント3600には、図36B及び図36Cに示されるように、フレーム(例えば、支柱3601を有する)と、アプリケータにより把持される中央(かつ基端側)の先端3603を有する装置が設けられている。フレーム(例えば、支柱3601)は、冷たくなると展開(オーステナイト)形状から圧潰(マルテンサイト)形状に変化する形状記憶材料で部分的に作製されている。
図36B及び図36Cはこのような変化を示している。図36Bでは、装置3600は左心室3612に挿入されている。一対の把持用顎部3615(インプラントをアプリケータに取り付けるための連結手段であれば、上述したものに加えどのようなものでもよい)を有するアプリケータ3609はインプラントに近づけられ、顎部3615がインプラントの先端3603に取り付けられる。アプリケータにはまた、冷却流体を供給する流路が設けられており、例えば、冷却した生理食塩水(例えば、0℃〜10℃)が流路から供給されて、インプラントのニチノールをオーステナイト相(展開形状)からマルテンサイト相(圧潰形状)に変化させる。これは図36Cに図示されている。インプラント3600は圧潰形状で図示され、壁との嵌合が解除されている。インプラントはまた、アプリケータ(インプラントが引き込まれるカテーテルを有する)に引き込まれた状態で図示されている。この例では、把持用顎部3615を有するアプリケータの中央領域は、アプリケータの外カニューレに引き込むことができる。
ここに記載してはいないが、インプラント、アプリケータ、及びこれらを含む送り出しシステムは、この分野の当業者に公知の従来の方法を使用して従来の材料で製作することができる。
本発明の特定の形態をここに記載し図示したが、様々な変形例や改良例も可能であるのは明らかである。さらに、本発明の実施形態の個々の特徴は一部の図面に図示し、他の図面には図示していないが、1実施形態の個々の特徴を他の実施形態のいずれかの特徴あるいはすべての特徴と組み合わせることもできる。したがって、本発明は図示された実施形態に限定されるものではなく、従来技術が許容する広い範囲で添付の特許請求の範囲によって規定される。
Claims (6)
- 患者の心室を機能する主要部と機能しない非主要部に仕切るための装置であって、
展開形状と圧潰形状とを有する薄膜と、
ハブに取り付けられた先端部を有する複数の支柱で形成され、薄膜が取り付けられた拡張自在のフレームと、
ハブから先端側に延びるステムと、ステムから軸方向に摺動し拡張自在のフレームと薄膜とを圧潰形状に圧潰するように形成された圧潰スリーブと、
圧潰スリーブ引っ張りワイヤ用の付属機構と、を備え、
付属機構は、圧潰スリーブの中央開口部を横切るクロスバーあるいはワイヤである、装置。 - 拡張自在のフレームの各支柱の端部に設けられた受動アンカをさらに備える、請求項1に記載の装置。
- 装置の先端部に設けられた非外傷性脚部をさらに備える、請求項1に記載の装置。
- トラックあるいは溝をさらに備え、
付属機構は、トラックあるいは溝に沿って移動する、請求項1から3のいずれか1つに記載の装置。 - トラックあるいは溝は、支柱のうちの1つに沿って設けられている、請求項4に記載の装置。
- 患者の心室を機能する主要部と機能しない非主要部に仕切るための装置であって、
展開形状と圧潰形状とを有する薄膜と、
ハブに取り付けられた先端部を有する複数の支柱で形成され、薄膜が取り付けられた拡張自在のフレームと、
ハブから先端側に延びるステムと、ステムから軸方向に摺動し拡張自在のフレームと薄膜とを圧潰形状に圧潰するように形成された圧潰スリーブと、
圧潰スリーブ引っ張りワイヤ用の付属機構と、
支柱のうちの1つに沿って設けられたトラックあるいは溝と、を備え、
付属機構は、トラックあるいは溝に沿って移動する、装置。
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