JP2016024335A - 立体撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】立体映像においてインデックス画面を一覧表示する場合でも違和感なく立体視できる立体撮像装置を提供すること。【解決手段】左右の撮像光学系と、前記左右の撮像光学系の間隔または輻輳角を変更する制御手段と、前記左右の撮像光学系により取得した映像から両眼視差を検出する手段と、撮影した映像から代表画像を生成する手段と、前記両眼視差の目標値を有し、前記代表画像に用いる映像の両眼視差が、前記目標値になるように、前記撮像光学系の間隔または輻輳角を調整することを特徴とする。【選択図】図2
Description
本発明は、立体撮像装置において、インデックス画面等の複数シーンを一覧表示する画面における立体感調整に関するものである。
近年、映画等が立体(以降、3Dと表記)映像で提供されることが増えてきており、それらの立体映像に対応した家庭用のテレビの普及が始まっている。立体映像表示はステレオ視の原理を利用しており、左眼及び右眼用の映像を準備し、各々の映像を水平方向に相対的にシフトし、相対位置の異なる左眼用の映像及び右眼用の映像を表示する。画面からの飛び出し量(立体感)は、前記相対位置の差によって制御する。この相対位置の差を両眼視差とする。
ユーザーは左眼用の映像と右眼用の映像の視差を知覚し、視差量に応じた立体感のある映像を見ることができる。
これに対して、立体映像の鑑賞時に自然な立体感を実現するための立体撮像装置として、輻輳制御を自動化して撮影者の負担を軽減し、自然な立体映像を撮影する装置が提案されている(特許文献1)。
上記従来技術では、鑑賞時の画面サイズ、視認距離を入力すると、撮像装置の撮像パラメータから複数の撮像光学系に最適な輻輳距離を算出して、制御するものである。撮影者が鑑賞時の条件を設定することにより、装置は自然な立体感が得られるように自動で輻輳を制御するので、自然な立体映像を簡便に撮影することができるようになる。
しかしながら上記従来技術では、動画の立体映像を一覧表示するインデックス画面において、各映像の立体感のばらつきによる視認性の低下については対応出来ていない。図6に立体映像のインデックス画面を模式的に示す。インデックス画面601において各シーンの映像は、両眼視差に基づいた、異なる飛び出し量で観察者に知覚される。従って、観察者は飛び出し量がばらばらの立体インデックス画面から、所望のシーンを選択するような場合、操作の妨げになることがある。
本発明は、上記の問題点に鑑み、立体映像においてインデックス画面を一覧表示する場合でも違和感なく立体視できる立体撮像装置を提供することを目的とする。
本発明に係る立体撮像装置は、左右の撮像光学系と、前記左右の撮像光学系の間隔または輻輳角を変更する制御手段と、
前記左右の撮像光学系により取得した映像から両眼視差を検出する手段と、撮影した映像から代表画像を生成する手段と、前記両眼視差の目標値を有し、前記代表画像に用いる映像の両眼視差が、前記目標値になるように、前記撮像光学系の間隔または輻輳角を調整することを特徴とする。
前記左右の撮像光学系により取得した映像から両眼視差を検出する手段と、撮影した映像から代表画像を生成する手段と、前記両眼視差の目標値を有し、前記代表画像に用いる映像の両眼視差が、前記目標値になるように、前記撮像光学系の間隔または輻輳角を調整することを特徴とする。
本発明によれば、立体映像のインデックス画面において、各シーンの映像の立体感が大きく変動することによる違和感を低減し、立体映像の各シーンを一覧表示する際の視認性が向上し、それにより操作性も向上する。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。
(実施例1)
図1に本発明の撮像装置の一例としての3Dデジタルカメラの外観図を示す。表示部28は画像や各種情報を表示する表示部である。シャッターボタン61は撮影指示を行うための操作部である。
図1に本発明の撮像装置の一例としての3Dデジタルカメラの外観図を示す。表示部28は画像や各種情報を表示する表示部である。シャッターボタン61は撮影指示を行うための操作部である。
モードダイアル60は各種モードを切り替えるための操作部である。コネクタ112は接続ケーブルとデジタルカメラ100とのコネクタである。操作部70はユーザーからの各種操作を受け付ける各種スイッチ、ボタン、タッチパネル等の操作部材より成る操作部である。
コントローラーホイール73は操作部70に含まれる回転操作可能な操作部材である。72は電源スイッチであり、電源オン、電源オフを切り替える。記録媒体は200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体スロット201は記録媒体200を格納するためのスロットである。記録媒体スロット201に格納された記録媒体200は、デジタルカメラ100との通信が可能となる。蓋202は記録媒体スロット201の蓋である。
図2は、本実施形態による3Dデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。図2において、120Rは右側の撮像光学系であり、120Lは左側の撮像光学系である。120Rにおいて103Rはズーム及びフォーカスレンズを含む撮影レンズ、101Rは絞り機能を備えるシャッター、22Rは光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像部である。
23RはA/D変換器であり、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器23Rは、撮像部22Rから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。102Rはバリアであり、3Dデジタルカメラ100の、撮影レンズ103Rを含む撮像部を覆うことにより、撮影レンズ103R、シャッター101R、撮像部22Rを含む撮像系の汚れや破損を防止する。120Lは、120Rと同様の構成及び機能であるので説明を省略する。
24は画像処理部であり、A/D変換器23R及び23Lからのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。
これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
A/D変換器23R及び23Lからの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、メモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像部22R及び22Lによって得られ、A/D変換器23R及び23Lによりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。13はD/A変換器であり、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器13を介して表示部28により表示される。表示部28は、LCD等の表示器上に、D/A変換器13からのアナログ信号に応じた表示を行う。
A/D変換器23R及び23Lによって一度A/D変換しデジタル化された信号は、画像処理部24で所定の信号処理を施した後にメモリ32に蓄積される。前記メモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換部13においてアナログ変換し、表示部28に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダ(スルー画像表示)として機能する。尚、表示部28として立体表示に対応した表示手段を用いることも可能である。この際には画像処理部24において立体表示に対応した表示用データを生成してメモリ32に書き込み、D/A変換器13を介して表示部28に表示する。
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
50はシステム制御部であり、デジタルカメラ100全体を制御する。前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。52はシステムメモリであり、RAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部はメモリ32、D/A変換器13、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
システムタイマー53は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
モード切替スイッチ60、第1シャッタースイッチ61、第2シャッタースイッチ62、操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画記録モード、動画記録モード、再生モード等のいずれかに切り替える。
第1シャッタースイッチ62は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作を開始する。
第2シャッタースイッチ62は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
操作部70の各操作部材は、表示部28に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。利用者は、表示部28に表示されたメニュー画面と、4方向ボタンやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
コントローラホイール73は、操作部70に含まれる回転操作可能な操作部材であり、方向ボタンと共に選択項目を指示する際などに使用される。コントローラホイール73を回転操作すると、操作量に応じて電気的なパルス信号が発生し、このパルス信号に基づいてシステム制御部50は3Dデジタルカメラ100の各部を制御する。このパルス信号によって、コントローラホイール73が回転操作された角度や、何回転したかなどを判定することができる。
なお、コントローラホイール73は回転操作が検出できる操作部材であればどのようなものでもよい。例えば、ユーザの回転操作に応じてコントローラホイール73自体が回転してパルス信号を発生するダイヤル操作部材であってもよい。また、タッチセンサよりなる操作部材で、コントローラホイール73自体は回転せず、コントローラホイール73上でのユーザの指の回転動作などを検出するものであってもよい(いわゆる、タッチホイール)。
80は電源制御部であり、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。
30は電源部であり、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。18はメモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、メモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
上述した3Dデジタルカメラ100では中央1点AFや顔AFを用いた撮影が可能である。中央1点AFとは撮影画面内の中央位置1点に対してAFを行うことである。顔AFとは顔検出機能によって検出された撮影画面内の顔に対してAFを行うことである。
顔検出機能について説明する。システム制御部50は顔検出対象の画像データを画像処理部24に送る。システム制御部50の制御下で画像処理部24は、当該画像データに水平方向バンドパスフィルタを作用させる。また、システム制御部50の制御下で画像処理部24は処理された画像データに垂直方向バンドパスフィルタを作用させる。これら水平及び垂直方向のバンドパスフィルタにより、画像データよりエッジ成分が検出される。
その後、システム制御部50は、検出されたエッジ成分に関してパターンマッチングを行い、目及び鼻、口、耳の候補群を抽出する。そして、システム制御部50は、抽出された目の候補群の中から、予め設定された条件(例えば2つの目の距離、傾き等)を満たすものを、目の対と判断し、目の対があるもののみ目の候補群として絞り込む。
そして、システム制御部50は、絞り込まれた目の候補群とそれに対応する顔を形成する他のパーツ(鼻、口、耳)を対応付け、また、予め設定した非顔条件フィルタを通すことで、顔を検出する。システム制御部50は、顔の検出結果に応じて上記顔情報を出力し、処理を終了する。このとき、顔の数などの特徴量をメモリ52に記憶する。
以上のように撮像光学系を介して得られた画像データあるいは再生表示される画像データを画像解析して、画像データの特徴量を抽出して被写体情報を検出することが可能である。本実施例では被写体情報として顔情報を例に挙げたが、被写体情報には他にも赤目判定や目の検出、目つむり検出、笑顔検出等の様々な情報がある。
なお、顔AFと同時に顔AE,顔FE、顔WBを行うことができる。顔AEとは検出された顔の明るさに合わせて、画面全体の露出を最適化することである。顔FEとは検出された顔を中心にフラッシュの調光をすることである。顔WBとは、検出された顔の色に合わせて画面全体のWBを最適化することである。
次に、3Dデジタルカメラ100による立体感の調整方法について説明する。図4a、図4b、図4cは3Dデジタルカメラによる立体撮影と視差を説明する模式図である。図4aの図4(A)は被写体450をレンズ間隔Lで撮影したときの配置を示す図である。本実施例の3Dデジタルカメラ100においては、レンズ間隔Lを制御することにより視差を調整する。従って光軸454R及び454Lは傾けないで撮影を行う。
被写体450はレンズ103R及び103Lを介して撮像面453R及び453Lに結像し、図4aの図4(B)に示すように左右の撮影画像455R及び455Lが生成される。被写体450の被写体像456R及び456Lが左右の画像に含まれている。この左右の画像455R及び455Lを左右の眼で独立に観察することにより、被写体像456R及び456Lは画面に対して前後に飛び出したように立体的に知覚される。
ここで知覚される立体感は、左右の被写体像456R及び456Lの視差に起因する。視差は各画像の左上隅を基準にした被写体像456R及び456Lの中心までの水平距離XL1及びXR1の差異d1=XL1−XR1とする。立体視の際には、視差が大きい程、画面に対して前後に飛び出す量が大きく知覚される。
図4bの図4(C)は、レンズ間隔Lが図4(A)と同じで、被写体450までの距離が近くなった場合の配置である。図4bの図4(D)は、取得した撮影画像及び被写体像である。図4(C)のように被写体距離が近くなると、視差d2(=XL2−XR2)は前記の視差d1に対して大きくなる。従って立体視した際の飛び出し量は、図4(A)に比べて大きくなる。
本発明の装置では、被写体距離に応じてレンズ間隔を調整する。これにより被写体までの距離が変動しても、被写体の立体感をほぼ同等に保つことができる。
図4cの図4(E)は、図4(A)と同等の視差になるように調整したときの配置である。被写体450までの距離は、図4(C)と同様である。本発明の装置では、直前のシーン、例えば図4(A)の視差d1を保持し、次のシーンを撮影する際に図4cの図4(F)の視差d3(=XL3−XR3)がd1と同じ値になるように、被写体距離に応じてレンズ間隔L1を制御する。図4(E)ではレンズ間隔L1を、図4(A)のレンズ間隔Lより狭くすることにより視差d3が視差d1と同等になっている。
ここで、視差の算出について図10を用いて説明する。図10(A)は、前述の顔検出機能により検出された顔枠950L及び950Rを図示したものである。本発明の装置では、右画像の顔枠950Rの画像を基準に、システム制御部50において左画像との間で相関演算を行い、最も相関値の高い領域を顔枠950Rに対応する顔領域として、顔枠950Lを表示する。そして、画像の左上隅を基準に顔枠950Rと顔枠950Lとの水平方向の位置の差異を視差量として算出する。
また図10(B)に示すように左右の画像の対応する合焦領域951R及び951Lの間の水平方向の位置の差異から視差量を算出することもできる。左右の合焦領域の対応関係は、前記顔枠の場合と同様に相関演算またはパターンマッチング等の公知の技術を用いれば良い。
次に、本実施例の装置における立体撮影映像のシーン一覧画面の概略を図13に示す。図13は立体インデックス画面を表示する際の概略を示しており、図13(A)は左眼用の画面であり、図13(B)は右眼用の画面である。図13では、各シーンを表す代表画像として、各シーンに最初に人物が登場したフレームの映像を左右の撮影映像から抽出して表示している。尚、人物の検出方式は公知の技術を用いるものとして、ここでは説明を省略する。
前述の図4で説明したように、左右の映像にはレンズ間隔、被写体距離、焦点距離等の撮影パラメータに応じて視差が生じている。従って図13の左右の画面(A)及び(B)の各シーンの代表画にも両眼視差によるズレが起こっている。この視差が各シーンの代表画毎に異なった値であると、飛び出し量がばらばらで視認性が低下する。
本実施例の装置では上記図13の代表画の視差を調整することで視認性を向上する。図5のフローチャート及び図7により本実施例に係る3Dデジタルカメラ100の動作について説明する。
図5のS501で電源スイッチ72により電源オンされると、S502ではモード切替スイッチ60を監視して、システム制御部50が記録モードに移行したかを判断する。S502で記録モードに移行されたらS503でレンズ間隔Lを初期状態にするためにシステム制御部50がレンズ間隔調整部25を制御する。
S504では、代表画像に用いる最初に顔領域が検出された映像に対する顔領域の目標視差を設定する。目標視差として、予め保持している所定値を与えても良いし、ユーザーが操作部を介して設定しても良い。ユーザーが設定する場合には、視差量を画素値として設定する方法や表示部28が立体表示対応の場合であればマーカーを立体視しながら視差量を調整しても良い。S504で目標視差を設定したら、次にS505に移行する。
S505では、顔領域が撮影映像に存在するか否かの検出を開始する。S505以降では記録モードから他のモードに以降するか、あるいは操作部を介して顔検出をOFFにしない限り、顔検出動作を継続するものとする。S506ではシステム制御部50において測距を開始する。測距は、前述の中央1点AFや顔AFに応じて測距領域を設定し、領域内の被写体までの距離を算出し視差検出を行う。ここで、視差検出は、図10で示したように顔領域及び合焦領域の画像を用いてシステム制御部50が算出する。
S507ではシャッターボタン61を操作することにより記録開始が指示されたかをシステム制御部50が監視する。S507において記録が開始されるとS508に移行してシステム制御部50は、撮影映像中に顔領域が存在するか否かを検出する。S508で顔領域が検出されるとS509に移行する。
S509では、S508で検出した顔領域の映像の視差情報に基づいてレンズ間隔を制御する。図4を例に説明する。S504で設定された目標視差を図4(B)のd1とし、S509で検出された視差が図4(D)のd2と仮定する。ここで、システム制御部50はΔd=d2−d1を算出して、Δdをレンズ間隔の水平移動量に変換して、図2のレンズ間隔調整部25を制御してレンズ間隔を図4(E)のL1に変更する。
レンズ間隔の変更は所定の速度で実行するものとする。但し、急にレンズ間隔を変更すると鑑賞時に立体感が急激に変化して違和感が生じることが想定されるので、前記視差の差分Δdあるいは変更するレンズ間隔の量に応じて時定数を設定してレンズ間隔を変更するようにしても良い。
また、インデックス画面表示のときの代表画が、レンズ間隔を変更中の映像から抽出されないように最初に顔領域が検出されたフレームから所定フレーム経過後の映像から代表画を生成するように制御する。あるいは、レンズ間隔の変更が完了した時点が明確になるように管理情報を撮影映像と共に記録することも可能である。インデックス画面表示の際には、上記管理情報を参照して代表画を生成する。
S510では、レンズ間隔を変更後、所定時間が経過したかを判断する。所定時間経過したらS511に移行する。S511では、予め設定されている初期のレンズ間隔Lになるように移動を開始する。システム制御部50は、レンズ間隔調整部25に制御信号を出力して、所定の時定数でレンズ間隔がLになるまで制御を行う。尚、時定数はS510で移動を開始する時点のレンズ間隔と所定のレンズ間隔Lの差に応じて適応的に設定することができる。
S512ではシャッターボタン61を操作することにより記録停止が指示されたかをシステム制御部50が監視する。S512で記録停止が指示されると、システム制御部50は記録を停止するし、S513で記録動作を終了する。
図7を用いて本実施例の3Dデジタルカメラ100のレンズ間隔制御と視差の関係を示す。図7(A)は撮影時のレンズ間隔を模式的に示した図である。縦軸は図4のレンズ間隔を表し、横軸は時間を表す。シーン1撮影時間は撮影後半部を示しており、レンズ間隔は定常値Lに設定されている。
時刻T1でシーン2撮影が開始され、時刻T2で顔領域が検出されると、図5に示すようにS510で顔領域の映像の両眼視差が目標視差d1になるようにレンズ間隔を制御する。そして、目標視差を維持しながら所定時間が経過すると、時刻T3より所定の時定数で初期状態のレンズ間隔Lに移動する。
図7(B)は、図7(A)と同じ時間軸における視差の状態を表すものである。時刻T2から時刻T3では、顔領域が移動しても視差は目標視差d1近傍に保持された状態になる。
図11にインデックス画面モードの際の動作フローを示す。S550で動作を開始し、S551でインデックス画面モードに移行する。S552では記録媒体に記録されている各シーンの管理情報を取得する。管理情報は、各シーンの映像データファイルの中に保持されていても良いし、個別のファイルとして保持されていても良い。システム制御部50は、S553で取得した管理情報から各シーンで顔領域が検出されている映像フレームを取得する。次にS554で、最初に顔領域が検出された左及び右の映像フレームを検出し、不図示の符号化処理部において復号化を行う。復号化された左右の映像は、シーンの代表画像としてメモリ32に保持される。S555ではメモリ32に保持されている復号化された左右の映像を、画像処理部24においてリサイズ処理等を行い、メモリ32内の画面表示用のメモリ領域に描画する。そして、メモリ制御部15及びD/A変換器13を介して表示部28に表示される。S556で、インデックス画面に表示する代表画像の枚数分の処理が完了したかを判断する。未完了の場合には、S553に移行して、一連の動作を繰り返す。完了した場合には、S557に移行してインデックス画面表示動作を終了する。
尚、ここでは表示部28は立体表示に対応した表示部である。立体表示の方式については、公知の技術を用いるものとして説明は省略する。
尚、ここでは表示部28は立体表示に対応した表示部である。立体表示の方式については、公知の技術を用いるものとして説明は省略する。
以上本実施に係る立体撮像装置では、インデックス画面表示の際の代表画を生成する映像フレームの顔領域の視差をもとにレンズ間隔を制御することで、インデックス画面に代表画を一覧表示したときに、各代表画の立体感が大きく変動するのを抑制することができる。
(実施例2)
本実施例に係る第2の立体撮像装置について以下で説明する。図12は、本発明に係る第2の実施例の3Dデジタルカメラ180のブロック図である。本実施例の特長は、撮像光学系120R及び120Lの輻輳角を変更する輻輳角調整部26である。その他の図2と同じ番号及び記号を付するブロックは実施例1と同様であるので説明を省略する。輻輳角と視差の関係について図3a、図3b、図3cを用いて説明する。さらに、本実施例の装置では、視差を調整する手順に特長がある。調整手順の説明は図8及び図9に示す。
本実施例に係る第2の立体撮像装置について以下で説明する。図12は、本発明に係る第2の実施例の3Dデジタルカメラ180のブロック図である。本実施例の特長は、撮像光学系120R及び120Lの輻輳角を変更する輻輳角調整部26である。その他の図2と同じ番号及び記号を付するブロックは実施例1と同様であるので説明を省略する。輻輳角と視差の関係について図3a、図3b、図3cを用いて説明する。さらに、本実施例の装置では、視差を調整する手順に特長がある。調整手順の説明は図8及び図9に示す。
図3a、図3b、図3cは、本実施例に係る装置の輻輳角と視差についての概略図である。図3aの図3(A)において、各々の撮像光学系は視点OL及び視点ORを中心に回転するものとする。輻輳角θは、図3(A)に示すように図面の水平方向をX軸、垂直方向をZ軸としたときに、Z軸と各撮像光学系の光軸の成す角度として定義する。
本実施例の装置では、左右の撮像光学系の輻輳角は対称に制御され、図3(A)では各光軸354R及び354LとZ軸の成す角は−θと+θとなる。この状態で、被写体350を撮影して、各々の撮像面353R及び353Lを介して得られた画像を図3aの図3(B)に示す。図3(B)で被写体像356Rは、撮像面353Rを介して得られた被写体350の被写体像で、356Lは、撮像面353Lを介して得られた被写体350の被写体像である。図3(B)の視差をd5とすると、図4で説明したようにd5(=XL1−XR1)により算出される。
図3bの図3(C)は、被写体350の被写体距離が近くなったときの配置で、輻輳角は図3(A)と同様にθである。図3bの図3(D)は、撮影画像の概略で、被写体350の視差をd6とするとd6(=XL2−XR2)により算出される。同様に図3cの図3(E)は、被写体350の位置は図3(C)と同じで、輻輳角をθ1に変更したものである。図3cの図3(F)は、撮影画像の概略で、被写体350の視差をd7とすると、d7(=XL3−XR3)により算出される。
図3(E)では、輻輳角調整部26をシステム制御部50により制御することで輻輳角をθからθ1に変更している。その結果、被写体350の位置が近くなっても視差d7=d5となり、図3(A)と同じ立体感で知覚される。図3(A)を前回撮影停止時の配置、図3(E)を今回の撮影開始時の配置と仮定すると、輻輳角を制御することにより、シーン切り替わり時の立体感を同等に調整可能であることがわかる。
次に図8のフローチャートにより、視差の調整手順を説明する。本実施例の装置では、記録停止時及び記録開始時に所定の視差になるように輻輳角を制御する。S801で動作を開始し、S802で記録モードであるか、再生モード等の記録モード以外であるかをシステム制御部50で判断する。記録モードの場合、S803に移行して目標視差を設定する。目標視差は、任意に設定可能であるし、予め保持している値でも良い。
S804で測距を開始する。測距領域等は実施例1と同様であるので省略する。S805で図10に示すように所定領域の映像を基に視差検出を開始する。S806では、検出した視差を用いて輻輳角調整部26をシステム制御部50が制御する。目標視差に対して検出された視差が大きい場合には、図3に示すように図3(C)の輻輳角θから図3(E)の輻輳角θ1に輻輳角を大きくする方向に制御する。逆に目標視差に対して検出された視差が小さい場合には、輻輳角が小さくなる方向に制御する。S806では逐次輻輳角を制御することにより、視差が目標視差の近傍に維持される。
S807では操作部から記録開始が指示されたかを監視する。記録開始が指示されると、S808で時間取得し、S809で記録開始からの経過時間を算出する。所定時間経過した場合にはS810に移行し、所定時間経過していない場合にはS808で時間取得を行い、S809での経過時間の監視を継続する。
S810では、輻輳角を定常値に移動する。移動は予め定められた時定数に従って実行する。S811では、輻輳角の移動が完了したかを判断する。輻輳角を不図示のステッピングモータ等で変更するような場合には、移動前の輻輳角から定常値までに必要なパルス数を算出し、パルス数のカウンタが所定値に到達した場合に移動完了と判断する。また、輻輳角を検出する手段を装着して、直接輻輳角を読み取って移動完了を判断しても良い。
S812では、定常状態の輻輳角で撮影を行う。S813では、操作部を介して記録停止が指示されたかを判断し、停止が指示されると記録を停止する。そして、S814で処理を終了する。
図9に本実施例の装置における輻輳角制御の概略を示す。図9において、縦軸は輻輳角、横軸は撮影時間を表す。各シーン撮影時に定常状態では、輻輳角θに制御されている。シーン1の撮影停止後は、次の撮影開始時に目標視差になるように輻輳角が制御された状態になる。従って、記録停止中も記録モードであれば目標視差を維持するように輻輳角が制御されている。そしてシーン2の撮影が開始されて所定時間経過後に、定常撮影の輻輳角θに向けて制御が開始され、所定の時定数で輻輳角θに到達する。
以上のように、各シーンにおいて撮影開始時の映像の視差が所定の値となるように撮像装置の輻輳角を制御するので、各シーンの撮影開始時の立体感を同程度に調整することができる。また、撮影開始時近傍の映像からインデックス画面の代表画を生成するような装置では、インデックス画面の代表画の立体間が同程度に知覚されるので、視認性が向上する。
13 D/A変換部、15 メモリ制御部、24 画像処理部、25 レンズ間隔調整部、26 輻輳角調整部、28 表示部、30 電源部、32 メモリ、50 システム制御部、61 シャッターボタン、60 モードダイヤル、70 操作部、72 電源スイッチ、73 コントローラーホイール、100 3Dデジタルカメラ、112 コネクタ、120R,120L 撮像光学系、200 記録媒体、201 記録媒体スロット、202 蓋
Claims (10)
- 左右の撮像光学系と、
前記左右の撮像光学系の間隔または輻輳角を変更する制御手段と、
前記左右の撮像光学系により取得した映像から両眼視差を検出する手段と、
を有する立体撮像装置であって、
前記両眼視差の目標値を有し、
前記代表画像に用いる映像の両眼視差が、前記目標値になるように、前記撮像光学系の間隔または輻輳角を調整することを特徴とする立体撮像装置。 - 前記両眼視差を顔検出領域または合焦領域の映像を用いて検出することを特徴とする請求項1に記載の立体撮像装置。
- 前記代表画像を、各撮影シーン映像の先頭近傍の映像から生成することを特徴とする請求項1に記載の立体撮像装置。
- 前記代表画像を、各撮影シーン映像の顔領域が検出された映像から生成することを特徴とする請求項1に記載の立体撮像装置。
- 初期状態の前記撮像光学系の間隔または輻輳角を設定する手段と、を有し、定常撮影状態においては、前記初期状態の間隔または輻輳角になるように制御することを特徴とする請求項1に記載の立体撮像装置。
- 左右の撮像光学系と、
前記左右の撮像光学系の間隔または輻輳角を変更する制御手段と、
前記左右の撮像光学系により取得した映像から両眼視差を検出する手段と、
前記両眼視差の目標値を有し、撮影開始時近傍の映像の前記両眼視差が前記目標値となるように、前記撮像光学系の間隔または輻輳角を調整することを特徴とする立体撮像装置。 - 前記両眼視差を顔検出領域または合焦領域の映像を用いて検出することを特徴とする請求項6に記載の立体撮像装置。
- 前記代表画像を、各撮影シーン映像の先頭近傍の映像から生成することを特徴とする請求項6に記載の立体撮像装置。
- 前記代表画像を、各撮影シーン映像の顔領域が検出された映像から生成することを特徴とする請求項6に記載の立体撮像装置。
- 初期状態の前記撮像光学系の間隔または輻輳角を設定する手段と、を有し、定常撮影状態においては、前記初期状態の間隔または輻輳角になるように制御することを特徴とする請求項6に記載の立体撮像装置。
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