JP2016023565A - 車輌用排気管および車輌用排気管の製造方法 - Google Patents

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Ichiro Kida
一郎 来田
聡直 平岡
Satonao Hiraoka
聡直 平岡
馬渕 知樹
Tomoki Mabuchi
知樹 馬渕
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Abstract

【課題】高温の排気ガスが排気用配管の内部を流通して外部に放出された場合であっても、外部への排気音、放射音および熱放射を高度に抑制し得る車輌用排気管を提供する。
【解決手段】排気用配管2と、当該排気用配管の外周に当該排気用配管と同軸状に設けられた筒状の遮熱板3と、前記排気用配管と筒状の遮熱板との間に介装された無機繊維質断熱材4とを有し、前記無機繊維質断熱材が、無機繊維質集合体に対し、融点が50〜500℃である有機系バインダーを含浸させつつ加圧成形してなるものであることを特徴とする車輌用排気管である。
【選択図】図1

Description

本発明は、車輌用排気管および車輌用排気管の製造方法に関する。
自動車エンジンから排出される燃焼ガス(排気ガス)は、エンジンに対して順次接続された、エキゾーストマニフォールド、エキマニ直下型触媒コンバータ、フロントチューブ、床下触媒コンバータ、センターマフラー、メインマフラー等を経て、最終的にテールパイプの端部(テールエンド)から外部に放出される(例えば、特許文献1(特開平11−81976号公報)参照)。
上記自動車エンジンにおいては、高負荷高回転領域で燃料が増量されるが、この場合、高温で多量の排気ガスがメインマフラー等を流れることにより、外部に排気音を放出し易くなり、また、メインマフラー等に対向する車輌本体側に多量の排熱が放出され、車輌本体を構成するバンパー等の樹脂製部材やゴム製部材、または車輌本体を構成する部材に塗布されるグリース等の熱劣化を促進してしまう。
このため、センターマフラー、メインマフラー、テールパイプ等の、自動車等の車輌から放出される排気ガスを排出する配管(車輌用排気管)としては、自動車エンジンの高速運転時においても、外部への排気音および排熱の放出を高度に抑制し得るものが求められるようになっている。
特開平11−81976号公報
上記技術課題を解決すべく、本発明者等が鋭意検討したところ、排気ガスを流通させる排気用配管の外周に排気用配管と同軸状に筒状の遮熱板を設けた車輌用排気管によって、排気用配管から発生する排気音や排熱の放出を抑制することを着想した。
一方、本発明者等が検討したところ、上記車輌用排気管では、外部に放出される騒音を必ずしも十分に低減できないことが判明した。この点に関し、本発明者等がさらに検討を加えたところ、上記車輌用排気管は、排気用配管の外周に筒状の遮熱板を設けたものであることにより、排気ガスの流通時にこの筒状の遮熱板の振動に伴って放射音(振動音)を発生するためであることが判明した。
そこで、本発明者等は、上記排気用配管と筒状の遮熱板との間にさらに無機繊維質断熱材を押し込み充填することにより、排気用配管から発生する排気音や排熱の放出を高度に抑制しつつ、無機繊維質断熱材に生じる反発力により、上記筒状の遮熱板の振動を抑制することを着想した。
しかしながら、排気用配管と筒状の遮熱板との間の狭小な空間に無機繊維質断熱材を均一に押し込んで充填することが容易でなく、また、充填が不十分な場合には上記放射音を必ずしも十分に低減することができないことが判明した。
従って、本発明は、高温の排気ガスが排気用配管の内部を流通して外部に放出された場合であっても、外部への排気音、放射音および熱放射を高度に抑制し得る車輌用排気管を提供することを目的とするとともに、当該車輌用排気管を簡便に製造する方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明者等が鋭意検討を行った結果、排気用配管の外周に当該排気用配管と同軸状に筒状の遮熱板を設けるとともに、前記排気用配管と筒状の遮熱板との間に、無機繊維質断熱材として、無機繊維集合体に対し、融点が50〜500℃である有機系バインダーを含浸させつつ加圧成形してなるものを介装して車輌用排気管を製造することにより、上記目的を達成し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)排気用配管と、当該排気用配管の外周に当該排気用配管と同軸状に設けられた筒状の遮熱板と、前記排気用配管と筒状の遮熱板との間に介装された無機繊維質断熱材とを有し、
前記無機繊維質断熱材が、無機繊維質集合体に対し、融点が50〜500℃である有機系バインダーを含浸させつつ加圧成形してなるものである
ことを特徴とする車輌用排気管、
(2)前記有機系バインダーが、多糖類、ゴム類、水溶性有機高分子化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および天然繊維から選ばれる一種以上である上記(1)に記載の車輌用排気管、
(3)車輌用排気管がマフラーカッターである上記(1)または(2)に記載の車輌用排気管、
(4)排気用配管の外周に当該排気用配管と同軸状に筒状の遮熱板を設けるとともに、前記排気用配管と筒状の遮熱板との間に、無機繊維質断熱材として、無機繊維集合体に対し、融点が50〜500℃である有機系バインダーを含浸させつつ加圧成形してなるものを介装する
ことを特徴とする車輌用排気管の製造方法、
(5)前記有機系バインダーを介装した後、さらに前記有機系バインダーの融点以上の温度で加熱処理する上記(4)に記載の車輌用排気管の製造方法、
(6)前記有機系バインダーが、多糖類、ゴム類、水溶性有機高分子化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および天然繊維から選ばれる一種以上である上記(4)または(5)に記載の車輌用排気管の製造方法、
(7)得られる車輌用排気管がマフラーカッターである上記(4)〜(6)のいずれかに記載の車輌用排気管の製造方法
を提供するものである。
本発明によれば、排気用配管の外周に遮熱板を設け、当該排気用配管と遮熱板との間に無機繊維質断熱材を介装することにより、上記無機繊維質断熱材として、無機繊維集合体に対し、融点が50〜500℃である有機系バインダーを含浸させつつ加圧成形してなるものを採用することにより、使用時に排気用配管内を流通する高温の排気ガスにより加熱され、または無機繊維質断熱材の介装後に別途予め加熱処理することにより、上記有機系バインダーが融解または消失(揮発)して無機繊維質断熱材が加圧前の状態に復元し、排気用配管と遮熱板との間に均一に充填されつつ十分な弾性(反発力)を発揮して、排気用配管から発生する排気音や排熱の放出を抑制するとともに、筒状の遮熱板の振動を抑制することができる。
このため、本発明によれば、高温の排気ガスが排気用配管の内部を流通して外部に放出された場合であっても、外部への排気音、放射音および排熱の放出を高度に抑制した車輌用排気管を提供することができるとともに、当該車輌用排気管を簡便に製造する方法を提供することができる。
本発明に係る車輌用排気管の形態例を説明する断面図であり、図1(a)は車輌用排気管1の長手方向に対して直角方向の垂直断面図であり、図1(b)は車輌用排気管1の長手方向に沿った垂直断面図である。 本発明に係る車輌用排気管の製造例を説明する図である。 本発明に係る車輌用排気管または本発明の製造方法で得られた車輌用排気管の使用状態における形態例を説明する断面図であり、図3(a)は車輛用排気管1の使用状態における長手方向に対して直角方向の垂直断面図であり、図3(b)は使用状態における車輌用排気管1の長手方向に沿った垂直断面図である。 本発明において、放射率の測定に使用される高温反射率・透過率測定装置の概略図である。 本発明において、放射率の測定に使用される高温反射率・透過率測定装置の加熱部の断面図である。 本発明の実施例および比較例における吸音性評価結果を示す図である。
先ず、本発明の車輌用排気管について説明する。
本発明の車輌用排気管は、排気用配管と、当該排気用配管の外周に当該排気用配管と同軸状に設けられた筒状の遮熱板と、前記排気用配管と筒状の遮熱板との間に介装された無機繊維質断熱材とを有し、前記無機繊維質断熱材が、無機繊維質集合体に対し、融点が50〜500℃である有機系バインダーを含浸させつつ加圧成形してなるものであることを特徴とするものである。
本発明の車輌用排気管を装着する車輌として、具体的には、自動車、二輪車等を挙げることができる。
本発明の車輌用排気管は、車輌の排気ガスを排出する配管であればとくに制限されず、例えば、センターマフラー、メインマフラー、テールパイプ、マフラーカッター等から選ばれる一種以上を挙げることができ、テールパイプまたはマフラーカッターが好適であり、マフラーカッターであることがより好適である。
マフラーカッターは、通常、車輌の美観や高級感を向上させることを目的として、テールパイプの端部に装着されるものである。
本発明の車輌用排気管が自動車用排気管である場合、その全体が車輌底部に配設されるセンターマフラーやメインマフラーと比較して、上記テールパイプやマフラーカッターは、その端部がバンパー等に近接しつつ車輌側面に露出するものであることから、一般に外部に対して排気音や排熱を放出し易い。
このため、本発明の車輌用排気管が自動車用排気管である場合、テールパイプやマフラーカッターであることが好ましい。
以下、本発明の車輌用排気管について、マフラーカッターを例にとって、適宜図面を参照しつつ説明するものとする。
図1は、本発明に係る車輌用排気管(マフラーカッター)1の実施態様例を示す断面図であり、図1(a)は車輌用排気管1の長手方向に対して直角方向の垂直断面図であり、図1(b)は車輌用排気管1の長手方向に沿った垂直断面図である。
図1に示すように、車輌用排気管1は、排気用配管2を有している。
本出願書類において、排気用配管とは、内部を排気ガス(燃焼ガス)が流通する管状物を意味し、排気用配管としては、内部を流通する排気ガスの温度等に対応した材質からなり、目的とする温度特性や吸音特性を発揮し得るものから適宜選択することが好ましい。
上記排気用配管としては耐熱性を有するものが好適であり、具体的には、金属管や耐熱性樹脂からなる樹脂管を挙げることができ、金属管であることが好ましい。
金属管としては、耐熱性や耐食性の観点からステンレス鋼製のもの(SUS管)が主に使用されるが、アルミニウム製のもの(アルミ管)であってもよい。
排気用配管の平均厚みは、0.5〜2.0mmであることが適当であり、0.7〜1.8mmであることがより適当であり、0.9〜1.6mmであることがさらに適当である。
なお、本出願書類において、排気用配管の平均厚みは、ノギスにより3箇所の厚みを測定したときの算術平均値を意味する。
また、排気用配管の外径は、20〜90mmであることが適当であり、30 〜80mmであることがより適当であり、40〜70mmであることがさらに適当である。
なお、本出願書類において、排気用配管の外径は、ノギスにより測定した値を意味する。
配管の平均厚みや内径が上記範囲内にあることにより、排気用配管の内部および外部の温度を好適な範囲に制御し易くなる。
排気用配管の断面形状としても特に制限されず、図1(a)に断面図で示すように円形であってもよいし、楕円形等であってもよい。
また、排気用配管は、その長手方向の側壁に複数の孔が設けられてなるものであってもよく、例えばパンチングメタルによって形成されてなるものであってもよい。
排気用配管が、側壁に複数の孔が設けられてなるものであることにより、後述するように、有機系バインダーが融解し、さらに分解して消失(揮発)する際に、容易に揮散させることができる。
図1に示すように、本発明に係る車輌用排気管1は、排気用配管2の外周に当該排気用配管2と同軸状に設けられた筒状の遮熱板3を有している。
本出願書類において、遮熱板とは、排気用配管の内部を流通する排気ガスから放射される熱が車輌本体側に放射されることを抑制し得るものを意味し、車輌本体側に放射される熱に対応した耐熱性を有し、劣化等を生じない材質からなるものから適宜選択することが好ましい。
上記筒状の遮熱板としては耐熱性を有するものが好適であり、マフラーカッター等の外部に露出しつつ使用されるものである場合には、美観を有するものがより好適であり、このような筒状の遮熱板として、具体的には、金属製のものを挙げることができる。
筒状の遮熱板を構成する金属としては、耐熱性、耐食性、美観性等の観点からステンレス鋼(SUS)が主に使用され、また、アルミニウムであってもよいが、放射率が低く美観性も高いことからステンレス鋼が好ましい。
本発明の車輌用排気管において、筒状の遮熱板は、波長2〜15μmにおける放射率が0.1〜50%であるものが好ましく、0.1〜40%であるものがより好ましく、0.1〜30%であるものがさらに好ましい。
本発明の車輌用排気管において、筒状の遮熱板の放射率が上記範囲内にあることにより、車輌本体側への熱の放出をより効果的に抑制することができる。
本出願書類において、放射率(%)は、25℃の温度条件下、測定試料(遮熱板)に対して波長2〜15μmの電磁波を照射したときに測定される反射率(%)および透過率(%)から、下記式により算出した値を意味する。
放射率(%)=100−反射率−透過率
反射率(%)=(反射光強度/入射光強度)×100
透過率(%)=(透過光強度/入射光強度)×100
ここで、反射率および透過率は、高温反射率・透過率測定装置により測定した値を意味する。
高温反射率・透過率測定装置としては、図4に概略図で示すものが挙げられる。
図4に示す高温反射率・透過率測定装置Xにおいて、フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光(株)製FT−IR6100型)6から照射された波長2〜15μmの入射光71は、反射鏡8により反射されて試料室内に導かれ、回転台9の中心部に取り付けた試料10に照射される。上記試料10は回転台9の中心部に設けたホルダーhに取り付けられた状態で、ハロゲンヒータ(ウシオ電機(株)製UL−SH−V500)11によって加熱される構造になっており、試料10の取り付け部を回転軸とする回転台9の腕部に別途設けられ試料10の周囲を周回する検出器12によって、試料10からの反射光または透過光72の強度が検出される。
上記高温反射率・透過率測定装置Xの加熱部の構造例を図5に断面図で示す。
図5に示すように、試料10の前面部と背面部には、ハロゲンヒータ11が設置され、試料10からの反射光または透過光を検出器12が捉える際に、ハロゲンヒータ11が光路を遮らないように試料10の上部に角度をつけて設置される。反射光または透過光の測定時においては、ハロゲンヒータ11も試料10と共に回転させることで、常に試料10の表面温度を一定に保つことができる構造となっている。試料10が設置される回転台9の底部及びハロゲンヒータ11には、外部から冷却水13が導入され、循環、冷却される。
筒状の遮熱板の平均厚みは、0.5〜2.0mmであることが適当であり、0.7〜1.8mmであることがより適当であり、0.9〜1.6mmであることがさらに適当である。
なお、本出願書類において、筒状の遮熱板の平均厚みは、ノギスにより3箇所の厚みを測定したときの算術平均値を意味する。
また、筒状の遮熱板の外径は、24〜114mmであることが適当であり、34〜104mmであることがより適当であり、44〜94mmであることがさらに適当である。
なお、本出願書類において、筒状の遮熱板の外径は、ノギスにより測定した値を意味する。
筒状の遮熱板の平均厚みや内径が上記範囲内にあることにより、遮熱板の内部および外部の温度を好適な範囲に制御し易くなる。
遮熱板の断面形状としても特に制限されず、図1(a)に示すように概略円形であってもよいし、楕円形等であってもよい。
図1に示すように、本発明の車輌用排気管において、筒状の遮熱板3は、筒状物を半割状にした上部遮熱板3aと、同じく筒状物を半割状にした下部遮熱板3bとからなるものであることが好ましい。
遮熱板3が半割状の上部遮熱板3aと半割状の下部遮熱板3bとからなるものであることにより、後述するように、本発明の車輌用排気管を容易に作製することができる。
図1に示すように、本発明の車輌用排気管1は、排気用配管2と、該排気用配管2と同軸状に設けられた筒状の遮熱板3との間に介装された無機繊維質断熱材4を有するものであり、係る無機繊維質断熱材4は、無機繊維質集合体に対し、融点が50〜500℃である有機系バインダーを含浸させつつ加圧成形してなるものである。
本発明の車輌用排気管において、無機繊維集合体としては、ガラス繊維、シリカ繊維、バサルト繊維、アルミナシリカ繊維、ムライト繊維、アルミナ繊維等からなる一種以上を含む集合体を挙げることができる。
本発明の車輌用排気管において、無機繊維質断熱材は、加熱されることにより有機系バインダーが融解または消失して加圧前の状態に復元された状態で使用されるものであるため、無機繊維質集合体の形状も、無機繊維質断熱材の復元時の形状に対応する形状であることが好ましい。
断熱性や遮音性を向上させる上では、無機繊維質集合体の厚み(mm)は、上記排気用配管と筒状の遮熱板との距離(mm)以上であることが望ましい。
上記排気用配管と筒状の遮熱板との距離(上記排気用配管と筒状の遮熱板との間に規定される隙間の幅)に対する上記無機繊維質集合体の厚みの割合((無機繊維質集合体の厚み(mm)/排気用配管と筒状の遮熱板との距離(mm))×100)は、100〜400%であることが好ましく、100〜300%であることがより好ましく、100〜200%であることがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、無機繊維質集合体の厚みや、排気用配管と筒状の遮熱板との距離は、ピーコック社製ダイヤルシックネスゲージにより測定した値を意味する。
本発明の車輌用排気管において、無機繊維質集合体の厚みが排気用配管と筒状の遮熱板との距離と同等以上であることにより、有機系バインダーが融解または消失したときに、無機繊維質集合体(無機繊維質断熱材)が排気用配管と筒状の遮熱板との間で押圧された状態で保持されるため、十分な弾性(反発力)を発揮して、筒状の遮熱板の振動を好適に抑制することができる。
本発明の車輌用排気管において、無機繊維質集合体の嵩密度は、0.05〜0.40g/cmであることが好ましく、0.08〜0.35g/cmであることがより好ましく、0.10〜0.30g/cmであることがさらに好ましい。
本発明の車輌用排気管において、無機繊維質集合体の厚みや嵩密度が上記範囲内にあることにより、車輌用排気管に対向する車輌本体側の部材の熱劣化を抑制し易くなるとともに、排気用配管内部の温度を一定範囲に制御し易くなる。
本発明の車輌用排気管において、室温(25℃)の温度条件下における無機繊維質集合体の熱伝導率は、0.01〜0.1W/(m・K)であることが好ましく、0.001〜0.08W/(m・K)であることがより好ましく、0.001〜0.06W/(m・K)であることがさらに好ましい。
本発明の車輌用排気管において、熱伝導率は熱流計法により測定した値を意味する。
本発明の車輌用排気管において、無機繊維質断熱材は、無機繊維質集合体に対し、融点が50〜500℃である有機系バインダーを含浸させつつ加圧成形してなるものであり、上記有機系バインダーは、100〜450℃であるものがより好ましく、200〜400℃であるものがさらに好ましい。
このような有機系バインダーとして、具体的には、多糖類、ゴム類、水溶性有機高分子化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および天然繊維から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記多糖類としては、バレイショ澱粉、タピオカ澱粉、トウモロコシ澱粉、コーンスターチといった天然由来の澱粉等やその加水分解物、カチオン澱粉やその加水分解物、アニオン澱粉やその加水分解物、両性澱粉やその加水分解物から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記ゴム類としては、ラテックス系、カゼイン系、オレフィン系、二トリルゴム系、クロロプレンゴム系、エーテル系、スチレンブタジエンゴム系、n−ブチルアクリレートとアクリロニトリルの共重合体、エチルアクリレートとアクリロニトリルの共重合体、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体、ブタジエンゴム等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記水溶性有機高分子化合物としては、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリスチレン系、エチレン-酢酸ビニル系、塩化ビニル系、イソシアネート系、ニトロセルロース系、ポリカーボネート系、ポリスチレン系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等のモノマーの単独重合体または共重合体や、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記熱硬化性樹脂としては、ポリエステル系、ポリアミド系、メラミン系、ユリア系、レゾルシノール系、ポリウレタン系、エーテル系、シアノアクリレート系、シリコーン系、フェノール系、フェノール系、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明の車輌用排気管において、有機系バインダーの融点は、熱分析装置((株)リガク製 重量・示差熱分析装置)を用いて、空気雰囲気下、昇温速度10℃/分間という条件下で熱重量分析 (TG(Thermogravimetry))を行ったときに測定される温度を意味する。
自動車用排気管等の車輌用排気管内を流通する排気ガスは、最も温度が低下するテールパイプまたはマフラーカッター部においても400〜500℃に達する。
このため、無機繊維質断熱材として、無機繊維質集合体に対し、融点が50〜500℃である有機系バインダーを含浸させつつ加圧成形してなるものを採用することにより、使用時に排気用配管内を流通する高温の排気ガスにより加熱され、または無機繊維質断熱材の介装後に別途予め加熱処理することにより、上記有機系バインダーが融解し、またはさらに分解、消失(揮発)して、無機繊維質断熱材が加圧前の状態に復元し、排気用配管と遮熱板との間に均一に充填されつつ十分な弾性(反発力)を発揮して、排気用配管から発生する排気音や排熱の放出を抑制するとともに、筒状の遮熱板の振動を抑制することができる。
上記無機繊維質断熱材は、上記無機繊維質集合体に上記有機系バインダーを塗布したり、上記無機繊維質集合体を上記有機系バインダー中に浸漬することにより、無機繊維質集合体に上記有機系バインダーを含浸させて作製することができる。
本発明の車輌用排気管において、無機繊維質断熱材は、20℃の温度条件下、有機系バインダーを0.1〜30質量%含むものであることが好ましく、0.5〜15質量%含むものであることがより好ましく、1〜5質量%含むものであることがさらに好ましい。
本発明の車輌用排気管において、無機繊維質断熱材に含有される有機系バインダーの割合が上記範囲内にあることにより、配設前において無機繊維を好適に結着して無機繊維質断熱材の加圧形状(圧縮形状)を保持し得るとともに、配設後において、有機系バインダーを容易に融解または消失させて加圧形状(圧縮形状)から復元することができる。
上記無機繊維質断熱材は、上記有機系バインダーを含浸させた無機繊維質集合体を加圧成形することにより、容易に作製することができる。
上記加圧成形により得られる成形物は、加圧前の厚みに対する加圧後の厚みの割合((加圧後の厚み(mm)/加圧前の厚み(mm))×100)が5〜99%であるものが好ましく、同割合が5〜80%であるものがより好ましく、同割合が5〜70%であるものがさらに好ましい。
上記加圧後の厚みや加圧前の厚みは、ノギスを用いて測定することができる。
本発明の車輌用排気管において、上記加圧成形により得られる成形物の加圧成形前後における厚みの割合が上記範囲内にあることにより、無機繊維質断熱材を容易に配設し得るとともに、上記有機系バインダーが融解または消失する際に加圧前の状態に容易に復元することができる。
本発明の車輌用排気管において、無機繊維質断熱材としては、上記有機系バインダーを含浸し加圧成形してなる各種成形物を挙げることができ、具体的には、上記有機系バインダーを含浸し加圧成形してなる、ガラスマット、シリカ繊維マット、バサルト繊維マット、アルミナシリカ質繊維マット、ムライト繊維マット、アルミナ繊維マット等から選ばれる一種以上の断熱材を挙げることができる。
本発明の車輌用排気管において、上記排気用配管と筒状の遮熱板との距離に対する(加熱処理前の状態における)無機繊維質断熱材の厚みの割合(無機繊維質断熱材の厚み(mm)/排気用配管と筒状の遮熱板との距離(mm))×100)は、5〜100%であることが好ましく、5〜80%であることがより好ましく、5〜70%であることがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、無機繊維質断熱材の厚みや、排気用配管と筒状の遮熱板との距離は、ピーコック社製ダイヤルシックネスゲージにより測定した値を意味する。
このように、無機繊維質断熱材の厚みが、排気用配管と筒状の遮熱板との距離(上記排気用配管と筒状の遮熱板との間に規定される隙間の幅)以下であることにより、排気用配管と筒状の遮熱板との間に容易に施工することができる。
また、無機繊維質断熱材の厚みが上記範囲内にあることにより、有機系バインダーが融解または消失したときに、排気用配管と筒状の遮熱板との間で十分に復元し、容易に弾性(反発力)を発揮して、筒状の遮熱板の振動を好適に抑制することができるとともに、車輌用排気管と車輌本体側の部材とが近接して配置された場合であっても、車輌用排気管から車輌本体側への放熱を容易に抑制して、上記部材の熱劣化を抑制し易くなる。
本発明の車輌用排気管において、無機繊維質断熱材は、配設時に排気用配管の全外表面積の1〜100%に敷設することが好ましく、50〜100%に敷設することがより好ましく、全外表面積の100%に敷設することがさらに好ましい。
本発明の車輌用排気管において、無機繊維質断熱材の形成位置および形成面積は、対向する車輌本体側の部材の形状や、無機繊維質断熱材に付与しようとする遮音性や放熱抑制特性等に応じて適宜決定すればよい。
本発明の車輌用排気管は、後述する本発明の車輌用排気管の製造方法により、好適に製造することができる。
本発明の車輌用排気管は、排気用配管の外周に遮熱板を設け、当該排気用配管と遮熱板との間に無機繊維質断熱材を介装し、上記無機繊維質断熱材として、無機繊維集合体に対し、融点が50〜500℃である有機系バインダーを含浸させつつ加圧成形してなるものを採用することにより、使用時に排気用配管内を流通する高温の排気ガスにより、または無機繊維質断熱材の配設後に別途予め加熱処理することにより、上記有機系バインダーが融解または消失して無機繊維質断熱材が加圧前の状態に復元し、排気用配管と遮熱板との間に均一に充填されつつ十分な弾性(反発力)を発揮して、排気用配管から発生する排気音や排熱の放出を抑制するとともに、筒状の遮熱板の振動を抑制することができる。
このため、本発明の車輌用排気管によれば、高温の排気ガスが排気用配管の内部を流通して外部に放出された場合であっても、外部への排気音、放射音および排熱の放出を高度に抑制することができる。
次に、本発明の車輌用排気管の製造方法について説明する。
本発明の車輌用排気管の製造方法は、排気用配管の外周に当該排気用配管と同軸状に筒状の遮熱板を設けるとともに、前記排気用配管と筒状の遮熱板との間に、無機繊維質断熱材として、無機繊維集合体に対し、融点が50〜500℃である有機系バインダーを含浸させつつ加圧成形してなるものを介装することを特徴とするものである。
本発明の車輌用排気管の製造方法において、排気用配管や、筒状の遮熱板や、無機繊維質断熱材や、排気用配管と筒状の遮熱板との距離に対する無機繊維質断熱材の厚みの割合や、排気用配管の外表面に敷設する無機繊維質断熱材の面積割合や、得られる車輌用排気管等の詳細については、上述したとおりである。
本発明の車輌用排気管の製造方法において、車輌用排気管を作製する具体的な方法としては、例えば、図2に示すように、無機繊維製断熱材4を、排気用配管2の表面に接着剤を用いて接着した後、筒状物を半割状にした上部遮熱板3aおよび下部遮熱板3bを、排気用配管2を包み込むように配置し、上部遮熱板3aおよび下部遮熱板3bの端部3cを重ね合わせ、端部3cを相互に突合せ溶接等により溶接して接合するか、あるいは端部3cに別途フランジ等を設けた上でボルト等の連結部材(図示せず)により連結することにより作製する方法を挙げることができる。
本発明の車輌用排気管の製造方法においては、無機繊維製断熱材として、無機繊維集合体に対し、融点が50〜500℃である有機系バインダーを含浸させつつ加圧成形してなるものを採用することにより、その配設時に排気用配管と筒状の遮熱板との間に押し込むことなく、容易に介装することができる。
また、本発明の車輌用排気管の製造方法において、上記無機繊維質断熱材は、使用時に排気用配管内を流通する高温の排気ガスにより加熱され、または(後述するように)無機繊維質断熱材の介装後に別途予め加熱処理することにより、上記有機系バインダーが融解または消失して無機繊維質断熱材が加圧前の状態に復元するものであることから、排気用配管と遮熱板との間に均一に充填しつつ十分な弾性(反発力)を発揮させることができる。
本発明の製造方法で得られる車輌用排気管がマフラーカッターである場合、マフラーカッターのテールパイプへの装着は、適宜溶接等により行うことができ、該装着は、工場における車輌の組み立て時に行ってもよいし、工場から車輌を出荷した後の任意の時期に行ってもよい。
本発明の製造方法で得られる車輌用排気管がマフラーカッターである場合、車輌本体側の部材(被熱部材)との距離が、1〜50mmになるようにテールパイプの端部に配設することが好ましく、1〜40mmになるように配設することがより好ましく、1〜30mmになるように配設することがさらに好ましい。
上記車輌本体側の部材として、具体的には、バンパー等を挙げることができる。
本発明の製造方法において、得られる車輌用排気管を装着する車輌として、具体的には、自動車、二輪車等を挙げることができる。
本発明の車輌用排気管の製造方法においては、上記排気用配管と筒状の遮熱板との間に、上記有機系バインダーを介装した後、さらに上記有機系バインダーの融点以上の温度で予め加熱処理することが好ましい。
上記加熱処理時の温度は、有機系バインダーの融点以上の温度であれば、特に制限されないが、有機系バインダーとして熱硬化性樹脂を使用する場合は、さらに当該熱硬化樹脂の熱硬化温度未満の温度から加熱温度を選択すればよい。
上記加熱処理を行う時間は、1〜150分間が好ましく、10〜120分間がより好ましく、20〜90分間がさらに好ましい。
上記加熱処理は、排気用配管と筒状の遮熱板との間に有機系バインダーを介装した直後に行ってもよいし、車輌用排気管の作製後、車輌に配設する迄の間の任意の時期に行ってもよい。
本発明の製造方法で得られる車輌用排気管は、配設後に排気用配管内を流通する高温の排気ガスにより、無機繊維質断熱材が有機系バインダーを融解または消失させて加圧前の状態に復元するが、上述したように別途予め加熱処理を施して上記有機バインダーを融解または消失させた上で配設することにより、車輌用排気管の配設初期から所望性能を発揮させることができる。
本発明の車輌用排気管の製造方法によれば、排気用配管の外周に遮熱板を設け、当該排気用配管と遮熱板との間に無機繊維質断熱材を介装し、上記無機繊維質断熱材として、無機繊維集合体に対し、融点が50〜500℃である有機系バインダーを含浸させつつ加圧成形してなるものを使用することにより、使用時に排気用配管内を流通する高温の排気ガスにより加熱され、または無機繊維質断熱材の介装後に別途予め加熱処理することによって、上記有機系バインダーが融解または消失して無機繊維質断熱材が加圧前の状態に復元し、排気用配管と遮熱板との間に均一に充填させつつ十分な弾性(反発力)を発揮させることができる。
このため、本発明の車輌用排気管の製造方法によれば、排気用配管と遮熱板との間に断熱材を均一かつ簡便に充填し得るとともに、高温の排気ガスが排気用配管の内部を流通して外部に放出された場合であっても、外部への排気音、放射音および排熱の放出を高度に抑制し得る車輌用排気管を簡便に製造することができる。
次に、本発明の車輌用排気管または本発明の製造方法で得られる車輌用排気管の使用形態について説明する。
図3は、本発明に係る車輌用排気管または本発明の製造方法で得られた車輌用排気管の使用状態における形態例を説明する断面図であり、図3(a)は車輛用排気管1の使用状態における長手方向に対して直角方向の垂直断面図であり、図1(b)は使用状態における車輌用排気管1の長手方向に沿った垂直断面図である。
図3に示す車輌用排気管1'は、図1に示す車輌用排気管1に対応するものであって、排気用配管2の外周に当該排気用配管2と同軸状に筒状の遮熱板3を設けるとともに、排気用配管2と筒状の遮熱板3との間に断熱材4’が充填されてなるものであるが、上記断熱材4’は、(図1に示す)無機繊維質断熱材4が、排気用配管内を流通する高温の排気ガスにより加熱され、または(図1に示す)無機繊維質断熱材4の介装後に別途予め加熱処理することによって、上記有機系バインダーを融解または消失させ、加圧成形する前の状態に復元されたものであり、この復元によって十分な弾性(反発力)を発揮して、排気用配管2から発生する排気音や排熱の放出を抑制するとともに、筒状の遮熱板3の振動を抑制して放射音の放出を抑制することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図2に示すように、排気用配管2として、長手方向の側壁全体に複数の開口部が設けられたパンチングメタル状になっているSUS管(内径52mm、外径54mm)を用意するとともに、筒上の遮熱板3として、筒状物を半割状にした上部遮熱板3aおよび下部遮熱板3bからなるSUS管(内径66mm、外径68mm、熱伝導率27W/(m・K)(400℃)、2〜15μmの波長における放射率0.3)を用意した。
上記排気用配管2と筒状の遮熱板3とを同軸状に配置したとき、両者間には幅6mmの隙間が形成される。
また、図2に示すように、無機繊維質断熱材4として、ガラスマット(厚さ16mm、密度80kg/m、熱伝導率0.9W/(m・K)(400℃))に対し、有機系バインダーであるコーンスターチ(融点300℃)を15質量%となるように含浸させた後、厚さ6mmに加圧成形してなるものを使用して、上記排気用配管の全外周面に接着剤で接着した。
その後、図2に示すように、上部遮熱板3aおよび下部遮熱板3bを、排気用配管2を包み込むように配置しつつ、上部遮熱板3aおよび下部遮熱板3bの端部3c、3cを重ね合わせ、相互に突合せ溶接して接合することにより、図1に示すような自動車用排気管(マフラーカッター)1を作製した。
(排気模擬評価)
得られた自動車用排気管1を、樹脂製バンパー(2〜15μmの波長における放射率0.9)と対向するように配設した。このとき、自動車用排気管1と樹脂製バンパーとの隙間(筒状の遮熱板3と樹脂製バンパーとの距離)は25mmであった。
気温25℃の条件下、排気用配管内に熱量0.23kW/mの出力となるロッドヒーターを設置して、400℃で30分間加熱したときの自動車用排気管の外表面の温度および樹脂製バンパー表面の最高温度を測定した。結果を表1に示す。
(吸音性評価)
上記ロッドヒーターにより排気用配管を加熱した後、排気用配管内に、周波数100〜10000Hzの音を発生させたときの、マフラーカッター外表面における音圧レベル(1/3オクターブバンド周波数(Hz))を測定した。結果を図6に示す。
(比較例1)
無機繊維質断熱材4を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、自動車用排気管(マフラーカッター)を作製した。
得られたマフラーカッターの排気模擬評価および吸音性評価を実施例1と同様に行った。結果を表1および図6に示す。
Figure 2016023565
(実施例2)
密度80kg/mのガラスマットに代えて密度160kg/mのガラスマットを用いた以外は、実施例1と同様にして、自動車用排気管(マフラーカッター)を作製した。
得られたマフラーカッターの吸音性評価を実施例1と同様に行った。結果を図6に示す。
表1より、実施例1で得られた自動車用排気管(マフラーカッター)は、排気用配管2の外周に当該排気用配管2と同軸状に筒状の遮熱板3を設けるとともに、排気用配管2と筒状の遮熱板3との間に無機繊維質断熱材4を介装してなるものであるために、外部への排熱の放出を高度に抑制できるものであることが分かる。
また、図6より、実施例1で得られた自動車用排気管は、上記無機繊維質断熱材4として、無機繊維集合体に対し、融点が50〜500℃である有機系バインダーを含浸させつつ加圧成形してなるものであることから、係る無機繊維質断熱材4が、ロッドヒーターによる加熱処理によって上記有機系バインダーを融解または消失させて加圧前の状態に復元し、十分な弾性(反発力)を発揮して筒状の遮熱板の振動を抑制し得るために、排気音とともに放射音(振動音)を効果的に抑制できるものであることが分かる。
さらに、図6より、実施例2で得られた自動車用排気管は、実施例1で使用したガラスマットよりも高密度のガラスマットを用いていることから、実施例1で得られた自動車用排気管に比較して、測定した周波数の全域において吸音効果が同等であるかまたは向上しており、排気音とともに放射音(振動音)をより効果的に抑制できるものであることが分かる。
これに対して、表1より、比較例1で得られた自動車用排気管(マフラーカッター)は、内部に無機繊維質断熱材4が配設されていないものであるために、自動車用排気管からの放熱を十分に低減することができず、バンパーにおける熱劣化の進行を抑制し得ないものであることが分かる。
また、図6より、比較例1で得られた自動車用排気管は、内部に無機繊維質断熱材4が配設されていないものであるために、自動車用排気管からの排気音や放射音を十分に抑制し得ないものであることが分かる。
本発明によれば、排気用配管の外周に遮熱板を設け、当該排気用配管と遮熱板との間に無機繊維質断熱材を介装することにより、排気用配管から発生する排気音や排熱の放出を抑制するとともに、上記無機繊維質断熱材として、無機繊維集合体に対し、融点が50〜500℃である有機系バインダーを含浸させつつ加圧成形してなるものを採用することにより、使用時に排気用配管内を流通する高温の排気ガスにより加熱され、または無機繊維質断熱材の介装後に別途予め加熱処理することにより、上記有機系バインダーが融解または消失して無機繊維質断熱材が加圧前の状態に復元し、排気用配管と遮熱板との間に均一に充填されつつ十分な弾性(反発力)を発揮して、筒状の遮熱板の振動を抑制することができる。
このため、本発明によれば、高温の排気ガスが排気用配管の内部を流通して外部に放出された場合であっても、外部への排気音、放射音および排熱の放出を高度に抑制した車輌用排気管を提供することができるとともに、当該車輌用排気管を簡便に製造する方法を提供することができる。
1 車輌用排気管
2 排気用配管
3 筒状の遮熱板
3a 上部遮熱板
3b 下部遮熱板
3c 端部
4 無機繊維質断熱材
6 フーリエ変換赤外分光光度計
71 入射光
72 反射光または透過光
8 反射鏡
9 回転台
10 試料
11 ハロゲンヒータ
12 検出器
13 冷却水
X 高温反射率・透過率測定装置
h ホルダー

Claims (7)

  1. 排気用配管と、当該排気用配管の外周に当該排気用配管と同軸状に設けられた筒状の遮熱板と、前記排気用配管と筒状の遮熱板との間に介装された無機繊維質断熱材とを有し、
    前記無機繊維質断熱材が、無機繊維質集合体に対し、融点が50〜500℃である有機系バインダーを含浸させつつ加圧成形してなるものである
    ことを特徴とする車輌用排気管。
  2. 前記有機系バインダーが、多糖類、ゴム類、水溶性有機高分子化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および天然繊維から選ばれる一種以上である請求項1に記載の車輌用排気管。
  3. 車輌用排気管がマフラーカッターである請求項1または請求項2に記載の車輌用排気管。
  4. 排気用配管の外周に当該排気用配管と同軸状に筒状の遮熱板を設けるとともに、前記排気用配管と筒状の遮熱板との間に、無機繊維質断熱材として、無機繊維集合体に対し、融点が50〜500℃である有機系バインダーを含浸させつつ加圧成形してなるものを介装する
    ことを特徴とする車輌用排気管の製造方法。
  5. 前記有機系バインダーを介装した後、さらに前記有機系バインダーの融点以上の温度で加熱処理する請求項4に記載の車輌用排気管の製造方法。
  6. 前記有機系バインダーが、多糖類、ゴム類、水溶性有機高分子化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および天然繊維から選ばれる一種以上である請求項4または請求項5に記載の車輌用排気管の製造方法。
  7. 得られる車輌用排気管がマフラーカッターである請求項4〜請求項6のいずれかに記載の車輌用排気管の製造方法。



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