JP2016022822A - 車両用空調システム - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の早期暖機と暖房機能の維持との両立を図ることのできる車両用空調システムを提供する。【解決手段】空調システムは、空調通路21、エバポレータ23、ヒータコア24、コンプレッサ27、エアミックスドア33、電子制御ユニット40、エアコンスイッチ48、および目標温度を設定する温度設定スイッチ47を備える。電子制御ユニット40は、エアコンスイッチ48のオフ操作時において、機関冷却水の温度が実行温度未満であるときにはエアミックスドア33を閉状態にし、機関冷却水の温度が前記実行温度以上であるときには上記目標温度に基づくエアミックスドア33の開閉制御を実行する。【選択図】図1
Description
本発明は、機関冷却水が通過するヒータコアを有して、同ヒータコアにより暖められた空気を車室内の空調に利用する車両用空調システムに関するものである。
自動車などの車両に搭載される空調システムは、ヒータ装置とクーラ装置とを備えている。
ヒータ装置は内部を内燃機関の冷却水が通過するヒータコアを備えており、このヒータコアは車室内に空気を導くための空調通路に設けられている。そして、空調通路におけるヒータコアの配設部分を空気が通過することにより、同ヒータコアとの熱交換を通じて空気が暖められる。
ヒータ装置は内部を内燃機関の冷却水が通過するヒータコアを備えており、このヒータコアは車室内に空気を導くための空調通路に設けられている。そして、空調通路におけるヒータコアの配設部分を空気が通過することにより、同ヒータコアとの熱交換を通じて空気が暖められる。
クーラ装置は、冷媒を圧送するコンプレッサと、同コンプレッサの作動を通じて低温になった冷媒が内部を通過するエバポレータとを備えている。エバポレータは空調通路に設けられており、同空調通路におけるエバポレータの配設部分を空気が通過することにより、同エバポレータとの熱交換を通じて空気が冷却されるようになっている。
また空調システムは、空調通路におけるヒータコアの配設部分を通過する空気の量を調節するためのエアミックスドアや、コンプレッサの作動と非作動とを切り替えるエアコンディショナスイッチ、車室内の目標温度を設定する温度設定スイッチなども備えている。そして、温度設定スイッチにより設定された目標温度に応じてエアミックスドアの開閉制御が実行されて、空調通路から車室内に流入する空気の温度が調節される。
従来、エアコンディショナスイッチのオフ操作時に、エアミックスドアを閉状態にして、ヒータコアを通過する空気の量を最小にする空調システムが提案されている(特許文献1参照)。この空調システムでは、内燃機関の冷間運転時にエアコンディショナスイッチがオフ操作されていれば、ヒータコアにおける空気との熱交換が抑えられるため、冷却水温度の上昇の遅れが抑えられて内燃機関の早期暖機が図られる。
上記空調システムでは、エアコンディショナスイッチがオン操作されない限りエアミックスドアが閉状態で保持されるため、エアコンディショナスイッチがオフ操作されたままになると、暖房機能が得られなくなってしまう。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の早期暖機と暖房機能の維持との両立を図ることのできる車両用空調システムを提供することにある。
上記課題を達成するための車両用空調システムは、車室内に空気を導くための空調通路と、前記空調通路に設けられて内部を機関冷却水が通過するヒータコアと、冷媒を圧送するためのコンプレッサと、前記空調通路に設けられて内部を前記冷媒が通過するエバポレータと、前記空調通路における前記ヒータコアの配設部分の空気流れ方向上流側に設けられて、閉状態では前記配設部分を通過する空気の量が最小になり、開度が大きくなるほど前記配設部分を通過する空気の量が多くなるエアミックスドアと、オン操作時には前記コンプレッサが作動し、オフ操作時には前記コンプレッサが作動しないエアコンディショナスイッチと、前記車室内の目標温度を操作する温度操作部と、前記エアコンディショナスイッチのオフ操作時において、前記機関冷却水の温度が予め定められた実行温度未満であるときには前記エアミックスドアを閉状態にし、前記機関冷却水の温度が前記実行温度以上であるときには前記目標温度に基づく前記エアミックスドアの開閉制御を実行する制御部と、を備えている。
上記システムでは、機関冷却水の温度が低いときには、温度操作部により設定された目標温度によることなく、エアミックスドアが閉状態になるため、同エアミックスドアが開状態である場合と比較して機関冷却水の温度が速やかに上昇するようになって内燃機関の早期暖機が図られる。しかも、機関冷却水の温度が高くなると、目標温度に基づくエアミックスドアの開閉制御が実行されるため、目標温度が高く暖房要求が高い場合にはエアミックスドアが開状態になる。そのため、エアコンディショナスイッチのオフ操作時であっても、空調通路に外気が導入される状態であれば、走行風によって空調通路に空気の流れが形成されて、これによる暖房機能が得られるようになる。このように上記システムによれば、内燃機関の早期暖機と暖房機能の維持との両立を図ることができる。
上記システムにおいて、前記実行温度を、内燃機関の暖機が完了したときの前記機関冷却水の温度にすることが好ましい。
上記システムによれば、機関冷却水の温度が実行温度未満であるとき、すなわち内燃機関の暖機完了前には、エアミックスドアを閉状態にして早期暖機を図ることができる。しかも機関冷却水の温度が実行温度以上であるとき、すなわち内燃機関の暖機が完了した後には、エアミックスドアの開閉制御を実行して暖房機能が得られるようになる。
上記システムによれば、機関冷却水の温度が実行温度未満であるとき、すなわち内燃機関の暖機完了前には、エアミックスドアを閉状態にして早期暖機を図ることができる。しかも機関冷却水の温度が実行温度以上であるとき、すなわち内燃機関の暖機が完了した後には、エアミックスドアの開閉制御を実行して暖房機能が得られるようになる。
上記システムにおいて、前記制御部は、前記エアコンディショナスイッチのオン操作時には、前記機関冷却水の温度によることなく、前記目標温度に基づく前記エアミックスドアの開閉制御を実行することが好ましい。
上記システムによれば、エアコンディショナスイッチがオン操作されているのにも関わらず空調システムが作動しないといった違和感が生じることを抑えることができる。
以下、車両用空調システムの一実施形態について説明する。
図1に示すように、車両10には、内燃機関11を冷却するための機関冷却系が設けられている。この機関冷却系は、内燃機関11の内部に形成されたウォータジャケット12と、内部を通過する冷却水を外気との熱交換を通じて冷却するラジエータ13とを備えている。ウォータジャケット12とラジエータ13とは循環通路14,15を介して連通されている。上記循環通路14はウォータジャケット12からラジエータ13に冷却水を供給するための通路である。また、循環通路15はラジエータ13にて冷却された後の冷却水をウォータジャケット12に戻すための通路であり、この循環通路15にはウォータポンプ16が取り付けられている。そして、ウォータポンプ16の作動を通じて、循環通路15内の冷却水がウォータジャケット12へと強制的に戻されるようになり、機関冷却系の内部に冷却水が強制的に循環される。
図1に示すように、車両10には、内燃機関11を冷却するための機関冷却系が設けられている。この機関冷却系は、内燃機関11の内部に形成されたウォータジャケット12と、内部を通過する冷却水を外気との熱交換を通じて冷却するラジエータ13とを備えている。ウォータジャケット12とラジエータ13とは循環通路14,15を介して連通されている。上記循環通路14はウォータジャケット12からラジエータ13に冷却水を供給するための通路である。また、循環通路15はラジエータ13にて冷却された後の冷却水をウォータジャケット12に戻すための通路であり、この循環通路15にはウォータポンプ16が取り付けられている。そして、ウォータポンプ16の作動を通じて、循環通路15内の冷却水がウォータジャケット12へと強制的に戻されるようになり、機関冷却系の内部に冷却水が強制的に循環される。
また車両10には、車室内の温度を調節するための空調システムが設けられている。この空調システムは車室内に空気を導くための空調通路21を備えており、この空調通路21にはその空気流れ方向上流側から順に、送風機22、エバポレータ23、およびヒータコア24が設けられている。
送風機22は空調通路21内の空気を車室内に向けて圧送するものである。この送風機22による圧送によって、空調通路21内に空気が取り込まれるとともに同空気が車室内に送られる。
エバポレータ23は、車室内を冷房するクーラ装置25の一構成である。クーラ装置25は、エバポレータ23の他に、内部を冷媒が循環する冷媒通路26と、冷媒を圧送するためのコンプレッサ27と、外気との熱交換を通じて冷媒を冷却するコンデンサ28と、冷媒を減圧するための膨張弁29とを備えている。そして、コンプレッサ27の圧送により低温になった冷媒がエバポレータ23の内部を通過しており、この冷媒によって冷却されたエバポレータ23の外壁と空調通路21内を流れる空気との間における熱交換を通じて同空気が冷却されるようになっている。なお本実施形態の空調システムでは、空調通路21内を流れる空気のほぼ全てがエバポレータ23の配設部分を通過する。
ヒータコア24は、車室内を暖房するヒータ装置30の一構成である。ヒータ装置30は、ヒータコア24の他に、循環通路14とヒータコア24とを連通する水導入通路31や、ヒータコア24と循環通路15とを連通する水導出通路32を備えている。これら水導入通路31および水導出通路32を介してヒータコア24の内部を冷却水が通過しており、その冷却水によって高温になったヒータコア24の外壁と空調通路21内を流れる空気との間における熱交換を通じて、同空気が暖められるようになっている。なお、この空調システムでは、空調通路21内を流れる空気の一部のみがヒータコア24の配設部分を通過するようになっており、残りの空気はヒータコア24を迂回して流れるようになっている。
空調通路21には、上記ヒータコア24の配設部分の空気流れ方向上流側の部分に、エアミックスドア33が取り付けられている。このエアミックスドア33は、空調通路21の内部における二つの空気の流れ(ヒータコア24を通過する空気の流れ、および同ヒータコア24を迂回する空気の流れ)のうち、ヒータコア24を通過する空気の流れを遮ることが可能なように設けられている。エアミックスドア33にはモータ34が連結されており、このモータ34の駆動制御を通じて、エアミックスドア33の回動位置が変更されて、ヒータコア24を通過する空気の流れを遮る範囲が変更される。これによりヒータコア24を通過する空気(ヒータコア24によって暖められる空気)の量(通過空気量)と同ヒータコア24を迂回して流れる空気(エバポレータ23によって冷却された低温の空気)の量(迂回空気量)との比率が調節されて、車室内に放出される空気の温度が調節される。
なお本実施形態の空調システムでは、エアミックスドア33の回動位置が、上記ヒータコア24を通過する空気の流れを最も広い範囲にわたって遮る位置(図1に実線で示す位置[閉状態])になると、エアミックスドア33の配設部分を通過する空気の量(上記通過空気量)が最小になる。そして、エアミックスドア33の回動位置が、ヒータコア24を通過する空気の流れを遮る範囲が狭くなる回動位置になるほど、通過空気量が多くなって、空調通路21の吹き出し口から車室内に放出される空気の温度が高くなる。
また、空調通路21には、その内部に空気を導入するための導入口として、車室外の空気を導入するための外気導入口35と、車室内の空気を導入するための内気導入口36とが設けられている。それら外気導入口35および内気導入口36の近傍には内外気切り替えドア37が取り付けられている。この内外気切り替えドア37にはモータ38が連結されており、同モータ38の駆動制御を通じて、内外気切り替えドア37の回動位置が変更されて、外気導入口35および内気導入口36のうちの一方が選択的に塞がれるようになっている。そして、内外気切り替えドア37によって外気導入口35が塞がれる内気循環モードでは空調通路21内に車室内の空気が導入されるようになる一方、内外気切り替えドア37によって内気導入口36が塞がれる外気導入モードでは空調通路21内に車室外の空気が導入されるようになる。
さらに、空調通路21には吹き出し口が設けられており、同吹き出し口を介して空調通路21内の空気が車室内に放出されるようになっている。
上記車両10には、空調システムの作動状態を検出するためのセンサ類として以下に記載するものが設けられている。
上記車両10には、空調システムの作動状態を検出するためのセンサ類として以下に記載するものが設けられている。
・冷却水の温度(水温THW)を検出するための水温センサ41。
・エバポレータ23の温度(エバポ温度THE)を検出するための温度センサ42。
・日射の強度を検出するための日射センサ43。
・エバポレータ23の温度(エバポ温度THE)を検出するための温度センサ42。
・日射の強度を検出するための日射センサ43。
・車室内の温度(室内温度THI)を検出するための温度センサ44。
・外気の温度(THO)を検出するための温度センサ45。
・空調通路21内に、外気導入口35を介して空気が導入される状態(外気導入モード)と内気導入口36を介して空気が導入される状態(内気循環モード)とを切り替えるための切り替えスイッチ46。
・外気の温度(THO)を検出するための温度センサ45。
・空調通路21内に、外気導入口35を介して空気が導入される状態(外気導入モード)と内気導入口36を介して空気が導入される状態(内気循環モード)とを切り替えるための切り替えスイッチ46。
・車室内の温度についての目標値(目標温度Ts)を操作する温度操作部としての温度設定スイッチ47。
・コンプレッサ27の作動と非作動とを切り替えるエアコンディショナスイッチ(以下、エアコンスイッチ48)。
・コンプレッサ27の作動と非作動とを切り替えるエアコンディショナスイッチ(以下、エアコンスイッチ48)。
また上記車両10には、各種の演算処理を実行するCPU、その演算処理に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、並びにCPUの演算結果が一時記憶されるRAM等からなる制御部としての電子制御ユニット40が取り付けられている。
電子制御ユニット40には、上記センサ類の出力信号が取り込まれている。そして、電子制御ユニット40は、各種センサ類の検出信号に基づき各種の演算処理を実行するとともに、その演算結果をもとにコンプレッサ27や各モータ34,38の作動制御など、空調システムの作動にかかる各種制御を実行する。
以下、空調システムによって実行される処理、具体的には、空調通路21の吹き出し口から車室内に放出される空気の温度を調節するための処理について説明する。
この処理では先ず、目標温度Ts、室内温度THI、外気温度THO、および日射強度に基づいて、空調通路21から車室内に放出される空気の温度の目標値(目標吹き出し温度TAO)が算出される。その後、この目標吹き出し温度TAO、冷却水温度THW、およびエバポ温度THEに基づいて、以下の関係式(1)から、エアミックスドア33の開度についての制御目標値(目標開度SW)が算出される。
この処理では先ず、目標温度Ts、室内温度THI、外気温度THO、および日射強度に基づいて、空調通路21から車室内に放出される空気の温度の目標値(目標吹き出し温度TAO)が算出される。その後、この目標吹き出し温度TAO、冷却水温度THW、およびエバポ温度THEに基づいて、以下の関係式(1)から、エアミックスドア33の開度についての制御目標値(目標開度SW)が算出される。
SW=(TAO−THE)/(THW−THE) …(1)
そして、エアミックスドア33の実際の開度が目標開度SWになるように、モータ34の作動が制御される。こうしたモータ34の作動制御を通じて、空調通路21から車室内に放出される空気の温度が目標吹き出し温度TAOになるように、エアミックスドア33の開度が調節される。
また、上記目標吹き出し温度TAOに基づいて、エバポ温度THEについての制御目標値(目標エバポ温度TEO)が算出される。詳しくは、エバポレータ23の凍結を回避可能な温度範囲の下限値(例えば摂氏2度)を下限温度とするとともに、車室内を適正に冷房することの可能な温度範囲の上限値(例えば摂氏10度)を上限温度として、目標吹き出し温度TAOが高いときほど高い温度が目標エバポ温度TEOとして算出される。そして、実際のエバポ温度THEと目標エバポ温度TEOとが一致するように、コンプレッサ27の作動量がフィードバック制御される。こうしたコンプレッサ27の作動制御を通じて、目標吹き出し温度TAOに見合うように、コンプレッサ27による冷媒の圧送量が調節され、ひいてはエバポレータ23の温度が調節される。
ここで、本実施形態では、エアコンスイッチ48のオフ操作時に、エアミックスドア33を閉状態にして、ヒータコア24を通過する空気の量が最小になるようにしている。これにより、内燃機関11の冷間運転時にエアコンスイッチ48がオフ操作されていれば、空調通路21内におけるヒータコア24と空気との熱交換が抑えられて、ヒータコア24内部を通過する冷却水の温度低下が抑えられる。その結果、冷却水温度THWの上昇の遅れが抑えられて、内燃機関11の早期暖機が図られるようになる。
ただし、単にエアコンスイッチ48のオフ操作時にエアミックスドア33を閉状態にすると、エアコンスイッチ48がオン操作されない限りエアミックスドア33が閉状態で保持されてしまうため、エアコンスイッチ48がオフ操作されたままになると、ヒータ装置30による暖房機能が得られなくなってしまう。
そこで本実施形態では、図2に示すように、エアコンスイッチ48のオフ操作時において、冷却水温度THWが実行温度JT未満であるときにはエアミックスドア33を閉状態にし、冷却水温度THWが実行温度JT以上であるときには目標温度Tsに基づくエアミックスドア33の開閉制御を実行するようにしている。なお本実施形態では、各種の実験やシミュレーションの結果に基づいて内燃機関11の暖機が完了したときの冷却水温度THWが求められており、同温度(例えば、摂氏85度)が上記実行温度JTに予め定められている。
これにより、内燃機関11の暖機完了前であるために冷却水温度THWが低いときには、温度設定スイッチ47により設定された目標温度Tsによることなく、エアミックスドア33が閉状態になる。そのため、エアミックスドア33が開状態である場合と比較して冷却水温度THWが速やかに上昇するようになり、内燃機関11の早期暖機が図られる。
また、内燃機関11の暖機が完了して冷却水温度THWが高くなると、目標温度Tsに基づくエアミックスドア33の開閉制御が実行されるため、目標温度Tsが高く暖房要求が高い場合にはエアミックスドア33が開状態になる。そのため、エアコンスイッチ48のオフ操作時であっても、送風機22が作動して空調通路21内に空気の流れが形成されていれば、同空気をヒータコア24によって適度に暖めて車室内に放出することができ、これによる暖房機能が得られるようになる。
ここで、ヒータ装置30による暖房機能が要求される冬場には、窓ガラスの曇り防止のために切り替えスイッチ46が外気導入モードに操作されていることが多い。そして、外気導入モードでは、送風機22が作動していなくても、空調通路21に流入する走行風によって同空調通路21内に弱い空気の流れが形成される。
そのため本実施形態では、エアコンスイッチ48のオフ操作時において送風機22が作動していないときであっても、外気導入モードであれば、走行風によって空調通路21内に形成される空気の流れにより暖房機能が得られるようになる。したがって、送風機22を作動させずとも、目標温度Tsに応じてエアミックスドア33を開閉することにより、走行風によって空調通路21を通過する空気を適度に暖めて車室内に放出することができるようになる。
なお本実施形態では、図2に示すように、エアコンスイッチ48のオン操作時には、冷却水温度THWによることなく、目標温度Tsに基づくエアミックスドア33の開閉制御が実行される。これにより、エアコンスイッチ48がオン操作されているのにも関わらず空調システムが作動しないといった違和感が生じることが抑えられる。
以下、エアミックスドア33の目標開度SWを算出する処理(開度算出処理)について詳細に説明する。
図3は、上記開度算出処理の実行手順を示している。なお同図のフロ−チャートに示される一連の処理は、所定周期毎の割り込み処理として、電子制御ユニット40により実行される。
図3は、上記開度算出処理の実行手順を示している。なお同図のフロ−チャートに示される一連の処理は、所定周期毎の割り込み処理として、電子制御ユニット40により実行される。
図3に示すように、この処理では先ず、目標温度Ts、室内温度THI、外気温度THO、および日射強度に基づいて目標吹き出し温度TAOが算出される(ステップS11)。
そして、エアコンスイッチ48がオン操作されている場合には(ステップS12:YES)、目標吹き出し温度TAO、冷却水温度THW、およびエバポ温度THEに基づいて前記関係式(1)から目標開度SWが算出される(ステップS13)。
この場合には、目標開度SWとエアミックスドア33の実際の開度とが一致するようにエアミックスドア33の開閉制御(詳しくは、モータ34の駆動制御)が実行される。また、目標吹き出し温度TAO(詳しくは、目標エバポ温度TEO)に基づいてコンプレッサ27の作動制御が実行される。
一方、エアコンスイッチ48がオフ操作されており(ステップS12:NO)、且つ冷却水温度THWが実行温度JT以上である場合にも(ステップS14:YES)、目標吹き出し温度TAO、冷却水温度THW、およびエバポ温度THEに基づいて関係式(1)から目標開度SWが算出される(ステップS13)。そして、この場合にも、目標開度SWとエアミックスドア33の実際の開度とが一致するようにエアミックスドア33の開閉制御が実行される。なお、この場合には、目標吹き出し温度TAOに基づくコンプレッサ27の作動制御は実行されない。
他方、エアコンスイッチ48がオフ操作されており(ステップS12:NO)、且つ冷却水温度THWが実行温度JT未満である場合には(ステップS14:NO)、目標開度SWとして閉状態に相当する開度(=0)が算出される(ステップS15)。この場合、エアミックスドア33の作動が閉状態になるように制御される。また、この場合にも、目標吹き出し温度TAOに基づくコンプレッサ27の作動制御は実行されない。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)エアコンスイッチ48のオフ操作時において冷却水温THW度が低いときには、目標温度Tsによることなく、エアミックスドア33が閉状態になるため、同エアミックスドア33が開状態である場合と比較して冷却水温度THWが速やかに上昇するようになって内燃機関11の早期暖機が図られる。しかも、冷却水温度THWが高くなると、目標温度Tsに基づくエアミックスドア33の開閉制御が実行されるため、エアコンスイッチ48のオフ操作時であっても、外気導入モードであれば、走行風によって空調通路21に空気の流れが形成されて、これによる暖房機能が得られるようになる。このように上記空調システムによれば、内燃機関11の早期暖機と暖房機能の維持との両立を図ることができる。
(1)エアコンスイッチ48のオフ操作時において冷却水温THW度が低いときには、目標温度Tsによることなく、エアミックスドア33が閉状態になるため、同エアミックスドア33が開状態である場合と比較して冷却水温度THWが速やかに上昇するようになって内燃機関11の早期暖機が図られる。しかも、冷却水温度THWが高くなると、目標温度Tsに基づくエアミックスドア33の開閉制御が実行されるため、エアコンスイッチ48のオフ操作時であっても、外気導入モードであれば、走行風によって空調通路21に空気の流れが形成されて、これによる暖房機能が得られるようになる。このように上記空調システムによれば、内燃機関11の早期暖機と暖房機能の維持との両立を図ることができる。
(2)冷却水温度THWが実行温度JT未満であるとき、すなわち内燃機関11の暖機完了前には、エアミックスドア33を閉状態にして内燃機関11の早期暖機を図ることができる。しかも冷却水温度THWが実行温度JT以上であるとき、すなわち内燃機関11の暖機が完了した後には、エアミックスドア33の開閉制御を実行して暖房機能が得られるようになる。
(3)エアコンスイッチ48のオン操作時には、冷却水温度THWによることなく、目標温度Tsに基づくエアミックスドア33の開閉制御を実行するようにしたため、エアコンスイッチ48がオン操作されているのにも関わらず空調システムが作動しないといった違和感が生じることを抑えることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・車室内の目標温度Tsを操作する温度操作部としては、温度設定スイッチ47を採用することに限らず、タッチパネル式の操作パネルを用いるなど、任意のものを採用することができる。
・車室内の目標温度Tsを操作する温度操作部としては、温度設定スイッチ47を採用することに限らず、タッチパネル式の操作パネルを用いるなど、任意のものを採用することができる。
・エアコンスイッチ48のオフ操作時において冷却水温度THWが実行温度JT以上であるときに、外気導入モードに強制的に切り替えるようにしてもよい。こうした空調システムによれば、送風機22が作動していないときであっても、走行風によって空調通路21内に空気の流れを形成することができるため、暖房機能が好適に得られるようになる。
・電子制御ユニット40により冷却水温度THWが所定温度未満であることが判断されるとともにその判断がなされたときに所定制御が実行されるシステムにおいて、所定制御が実行中であることをもって、冷却水温度THWが実行温度JT未満であると判断してもよい。そうした所定制御としては、例えば排気浄化触媒の早期暖機を図るために内燃機関11の排気温度を上昇させる触媒暖機制御を採用することができる。
図4に、そうしたシステムにおける開度算出処理の一例を示す。図4に示すように、エアコンスイッチ48がオフ操作されているときに(図3のステップS12:NO)、触媒暖機制御の実行中であるか否かが判断される(図4のステップS24)。そして、触媒暖機制御が実行されている場合には(ステップS24:YES)、冷却水温度THWが低いとして、目標開度SWとしてエアミックスドア33の閉状態に相当する開度が設定される(図3のステップS15)。一方、触媒暖機制御の実行が停止されている場合には(図4のステップS24:NO)、冷却水温度THWが高くなっているとして、前記関係式(1)から目標開度SWが算出される(図3のステップS13)。
また冷却水温度THWが実行温度JT以上であることは、内燃機関11の潤滑オイルの温度が所定温度以上であることをもって判断したり、内燃機関11そのものの温度が所定温度以上であることをもって判断したりすることもできる。
・開度算出処理における実行温度としては、内燃機関11の暖機が完了したときの冷却水温度THWよりも低い任意の温度を設定することができる。具体的には、例えば人間の体温よりも若干低い温度(例えば摂氏35度)から若干高い温度(例えば摂氏40度)までの範囲における任意の温度を実行温度として設定することができる。こうした空調システムでは、冷却水温度THWが体温に近い温度になるまで、すなわちヒータコア24によって加熱された空気を乗員が暖かく感じるようになるまではエアミックスドア33を閉状態にして早期暖機を図ることができる。しかも、ヒータコア24によって加熱された空気を乗員が暖かく感じるようになるまで冷却水温度THWが上昇したタイミングで、速やかにエアミックスドアを開状態にして、暖房機能を得ることができるようになる。
・エアコンスイッチ48のオフ操作時における目標開度SWの算出態様を、冷却水温度THWに応じて2つの算出態様のいずれかに切り替えることに限らず、3つ以上の算出態様のいずれかに切り替えるようにしてもよい。例えば以下の3つの算出態様(第1算出態様、第2算出態様、および第3算出態様)のいずれかに切り替えることができる。
[第1算出態様]冷却水温度THWが実行温度(例えば摂氏40度)未満であるときには目標開度SWとして「0」を設定する。
[第2算出態様]冷却水温度THWが実行温度以上であり且つ暖機完了温度(例えば、摂氏85度)未満であるときには、前記関係式(1)から目標開度SWを算出する。ただし、この場合には、冷却水温度THWに基づいて目標開度SWの上限開度が算出されるとともに、この上限開度によって目標開度SWが制限される。なお図5に示すように、上限開度としては、閉状態(=0)を下限とし、全開開度を上限として、冷却水温度THWが高いときほど大きい開度が算出される。
[第2算出態様]冷却水温度THWが実行温度以上であり且つ暖機完了温度(例えば、摂氏85度)未満であるときには、前記関係式(1)から目標開度SWを算出する。ただし、この場合には、冷却水温度THWに基づいて目標開度SWの上限開度が算出されるとともに、この上限開度によって目標開度SWが制限される。なお図5に示すように、上限開度としては、閉状態(=0)を下限とし、全開開度を上限として、冷却水温度THWが高いときほど大きい開度が算出される。
[第3算出態様]冷却水温度THWが暖機完了温度以上であるときには、前記関係式(1)から目標開度SWを算出する。この場合には、目標開度SWの上限開度を算出しない。
ここで、冷却水温度THWが実行温度以上であり且つ暖機完了温度未満であるときには、ヒータ装置30による暖房効果が得られるものの、内燃機関11の暖機が未だ完了していない。そのため、単にエアミックスドア33を開状態にすると、内燃機関11の暖機完了が遅くなってしまう。この点、上記空調システムによれば、冷却水温度THWが実行温度以上であり且つ暖機完了温度未満であるときに、エアミックスドア33が開状態になるとはいえ、目標開度SWの拡大を冷却水温度THWに応じたかたちで制限することができるため、内燃機関11の暖機完了の遅れを抑えつつ、ヒータ装置30による暖房効果を得ることができる。
10…車両、11…内燃機関、12…ウォータジャケット、13…ラジエータ、14,15…循環通路、16…ウォータポンプ、21…空調通路、22…送風機、23…エバポレータ、24…ヒータコア、25…クーラ装置、26…冷媒通路、27…コンプレッサ、28…コンデンサ、29…膨張弁、30…ヒータ装置、31…水導入通路、32…水導出通路、33…エアミックスドア、34,38…モータ、35…外気導入口、36…内気導入口、37…内外気切り替えドア、40…電子制御ユニット、41…水温センサ、42,44,45…温度センサ、43…日射センサ、46…切り替えスイッチ、47…温度設定スイッチ、48…エアコンスイッチ。
Claims (3)
- 車室内に空気を導くための空調通路と、
前記空調通路に設けられて内部を機関冷却水が通過するヒータコアと、
冷媒を圧送するためのコンプレッサと、
前記空調通路に設けられて内部を前記冷媒が通過するエバポレータと、
前記空調通路における前記ヒータコアの配設部分の空気流れ方向上流側に設けられて、閉状態では前記配設部分を通過する空気の量が最小になり、開度が大きくなるほど前記配設部分を通過する空気の量が多くなるエアミックスドアと、
オン操作時には前記コンプレッサが作動し、オフ操作時には前記コンプレッサが作動しないエアコンディショナスイッチと、
前記車室内の目標温度を操作する温度操作部と、
前記エアコンディショナスイッチのオフ操作時において、前記機関冷却水の温度が予め定められた実行温度未満であるときには前記エアミックスドアを閉状態にし、前記機関冷却水の温度が前記実行温度以上であるときには前記目標温度に基づく前記エアミックスドアの開閉制御を実行する制御部と、を備える車両用空調システム。 - 請求項1に記載の車両用空調システムにおいて、
前記実行温度は、内燃機関の暖機が完了したときの前記機関冷却水の温度である
ことを特徴とする車両用空調システム。 - 請求項1または2に記載の車両用空調システムにおいて、
前記制御部は、前記エアコンディショナスイッチのオン操作時には、前記機関冷却水の温度によることなく、前記目標温度に基づく前記エアミックスドアの開閉制御を実行する
ことを特徴とする車両用空調システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2014148080A JP2016022822A (ja) | 2014-07-18 | 2014-07-18 | 車両用空調システム |
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JP2014148080A JP2016022822A (ja) | 2014-07-18 | 2014-07-18 | 車両用空調システム |
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JP (1) | JP2016022822A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113085477A (zh) * | 2021-03-30 | 2021-07-09 | 东风汽车集团股份有限公司 | 空调控制方法、系统及存储介质 |
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2014
- 2014-07-18 JP JP2014148080A patent/JP2016022822A/ja active Pending
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CN113085477A (zh) * | 2021-03-30 | 2021-07-09 | 东风汽车集团股份有限公司 | 空调控制方法、系统及存储介质 |
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