JP2016022506A - 材料端垂れ止め装置 - Google Patents
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Description
そのため、図8に示すように、従来の送り抜き型の下型103には、材料端102Bを下方から支持する支持ガイド203を備え、材料送り方向と直交する方向へ移動できるカムユニット210からなる材料端垂れ止め装置200を装着していた。
図9(a)に示すように、材料端垂れ止め装置200は、板状鋼板102を材料送り方向へ移動させるときには、カムスライド2011が圧縮ばね2013に押されて型内方(矢印V1の方向)へ移動して、支持ガイド203が材料端102Bを下方から支持する。また、図9(b)に示すように、板状鋼板102の材料端102Bを切断するときには、カムドライバ202がカムスライド2011を圧縮ばね203に抗して押圧して型外方(矢印V2の方向)へ移動させ、材料端102Bから支持ガイド203を離間させる。支持ガイド203が材料端102Bから離間することによって、切断された材料端102Bをスクラップ106、107(図7を参照)として型外へ排出させることができる。
このようなカムユニット210は、特許文献1に記載されているように、カムスライド2011の移動及びこれに基づく穴明け、せん断、曲げ加工で、カムスライド2011に種々の方向の力が加わっても、ガタの発生を少なくし得、長期に亘って所望の動作を行い得、保守工数の減少を図りうるカム装置として提供されている。
特に、一般に市販されている標準タイプのカムユニットを、送り抜き装置の材料端垂れ止め装置として用いると、材料端垂れ止め装置の強度や耐久性を必要以上に高めることとなり、送り抜き装置における下型の平面サイズを必要以上に拡大させることになって、型費が増大し、保管スペースが増大する問題があった。また、送り抜き装置における下型の平面サイズが拡大すると、プレス機械に装着できなくなる問題も生じ得る。
(1)板状鋼板の材料幅外方における材料端を所定の外形形状に切断する送り抜き装置に装着され、前記板状鋼板を材料送り方向へ移動させるときに前記材料端を支持する支持部材と、前記板状鋼板を切断するときに前記支持部材を前記材料端から離間する非支持位置へ移動させる移動部材とを備えた材料端垂れ止め装置であって、
前記移動部材には、前記送り抜き装置の上型に固定された操作部材と、前記支持部材を保持し前記操作部材と連動して前記送り抜き装置の下型に固定された支軸を中心に材料幅方向へ揺動する揺動部材とを備えたことを特徴とする。
また、揺動部材は、下型に固定された支軸を中心に材料幅方向へ揺動するだけであるので、耐久性に優れている。そのため、揺動部材を、従来のカムユニットのように高強度化や大型化させる必要もない。
よって、本発明によれば、装置のコンパクト化を可能としつつ、低コストで簡易な構造でも耐久性を確保し得る材料端垂れ止め装置を提供することができる。
前記操作部材には、前記揺動部材と接触する接触位置における接線と水平線とがなす傾斜角が前記操作部材の下降に従って徐々に減少するガイド面を形成したことを特徴とする。
その結果、材料端垂れ止め装置は、よりコンパクトで簡易な構造に形成させることができる。
前記揺動部材には、前記操作部材のガイド面と接触する回転体を回動自在に形成したことを特徴とする。
前記揺動部材は、前記支持部材を固定するテーブル台と、当該テーブル台に一端が軸支され、かつ、前記下型に固定された支軸に他端が軸支された一対の平行リンク片とを備えた平行リンク機構であることを特徴とする。
前記揺動部材には、前記支持部材が前記材料端を支持する支持位置へ復帰させる弾性体を備えたことを特徴とする。
図1、図2、図3に示すように、第1実施形態に係る材料端垂れ止め装置30は、板状鋼板Wの材料幅外方における材料端W1を所定の外形形状に切断する送り抜き装置40に装着され、板状鋼板Wを材料送り方向(矢印Fの方向)へ移動させるときに、材料端W1を支持する支持部材3と、板状鋼板Wを切断するときに支持部材3を材料端W1から離間する非支持位置(3B)へ移動させる移動部材10とを備えている。
上切断刃41、42と下切断刃51、52とが噛合うことによって、板状鋼板Wの材料幅外方における材料端W1を異形に切断する。材料送り方向(矢印Fの方向)の前側に位置する上切断刃41と下切断刃51とで切断された材料端W1が、その下切断刃51を通過してから下方へ垂れ下がり、材料送り方向の後側に位置する下切断刃52に干渉するのを防止するため、材料端W1を下方から支持部材3が支持している。
操作部材1は、略矩形体をなし、型外方の側壁15に湾曲状に形成したガイド面11が形成されている。ガイド面11は、型内方に移動した支持部材3を、型外方へ移動させる湾曲状の案内面である。ガイド面11は、揺動部材2と接触する接触位置Jにおける接線Kと水平線Vとがなす傾斜角θが操作部材1の下降に従って徐々に減少するように形成されている。なお、型内方の側壁14は、垂直面に形成され、上型4への締結部12とガイド面11下端と交差する先端部13は、水平面に形成されている。ガイド面11下端と先端部13との交差部は、R取り又は面取りされている。
図4、図5、図6に示すように、第2実施形態に係る材料端垂れ止め装置30Bは、板状鋼板Wの材料幅外方における材料端W1を所定の外形形状に切断する送り抜き装置40に装着され、板状鋼板Wを材料送り方向(矢印Fの方向)へ移動させるときに、材料端W1を支持する支持部材3と、板状鋼板Wを切断するときに支持部材3を材料端W1から離間する非支持位置(3B)へ移動させる移動部材10Bとを備えている。
第2実施形態に係る材料端垂れ止め装置30Bでは、移動部材10Bの揺動部材2Bの構造が、第1実施形態と相違するのみで、支持部材3及び操作部材1は共通する。そのため、共通する支持部材3及び操作部材1は、第1実施形態と同一の符号を使用し、原則としてその説明を割愛する。
連結板23と支軸241との間には、操作部材1が上方へ離間したとき、支持部材3が材料端W1を支持する支持位置(3A)へ復帰させる弾性体26が装着されている。弾性体26は、例えば、引張りばねである。連結板23には、支持位置(3A)へ復帰したときリンク台24と当接する止め部27が形成されている。平行リンク片22は、支持部材3の移動量を確保すると同時に、弾性体26の撓み量を低減すべく、軸受部211から支軸241までの距離が連結板23から支軸241までの距離より大きく形成されている。
第2実施形態では、操作部材1のガイド面11と接触する回転体213の代りに摺接面215が形成されているので、より簡易な構造とすることができる。
次に、第1実施形態及び第2実施形態に係る材料端垂れ止め装置30、30Bの動作方法について、簡単に説明する。
図1〜図6に示すように、上型4が上昇しているときは、操作部材1が揺動部材2、2Bから上下方向(矢印Pの方向)で離間している。そのため、揺動部材2、2Bの平行リンク片22が、弾性体25、26の付勢力によって型内方へ傾斜回動し、テーブル台21、21Bが型内方へ平行移動する。テーブル台21、21Bに固定された支持部材3が、材料端W1を支持する支持位置(3A)に移動する。支持部材3が、材料端W1を支持した状態で、図示しない材料送り装置を介して板状鋼板Wを材料送り方向へ所定量だけ移動させる。板状鋼板Wの移動中、支持部材3が、材料端W1の垂れ下りを防止して、材料送り方向の後側に位置する下切断刃52と材料端W1との干渉を回避させる。
以上のように、材料端垂れ止め装置30、30Bは、上型4の上下方向への移動に同期して、支持部材3が材料端W1の支持位置(3A)と非支持位置(3B)との間を移動し、切断前の材料端W1の垂れ止めと、切断後の材料端W1のスクラップ処理とが円滑に行われるように動作する。
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る材料端垂れ止め装置30、30Bによれば、移動部材10、10Bには、送り抜き装置40の上型4に固定された操作部材1と、支持部材3を保持し操作部材1と連動して送り抜き装置40の下型5に固定された支軸241を中心に材料幅方向(矢印Rの方向)へ揺動する揺動部材2、2Bとを備えたので、上型4の上昇下降に応じて操作部材1が揺動部材2、2Bを材料幅方向へ揺動させ、板状鋼板Wを材料送り方向(矢印Fの方向)へ移動させるときに支持部材3に材料端W1を支持させ、板状鋼板Wを切断するときに支持部材3を材料端W1から離間させることができる。そのため、操作部材1の直線運動を支持部材3が保持された揺動部材2、2Bの回転運動に変換する簡易な構造の材料端垂れ止め装置30、30Bによって、板状鋼板Wの切断前には、支持部材3が材料端W1を支持して材料送り方向へ移動する材料端W1の垂れ下りを防止し、板状鋼板Wの切断時には、支持部材3が材料端W1から離間して切断した材料端W1の型外への排出を円滑に行うことができる。
また、揺動部材2、2Bは、下型5に固定された支軸241を中心に材料幅方向へ揺動するだけであるので、耐久性に優れている。そのため、揺動部材2、2Bを、従来のカムユニットのように高強度化や大型化させる必要もない。
よって、装置のコンパクト化を可能としつつ、低コストで簡易な構造でも耐久性を確保し得る材料端垂れ止め装置30、30Bを提供することができる。
その結果、材料端垂れ止め装置30、30Bは、よりコンパクトで簡易な構造に形成させることができる。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、揺動部材2、2Bは、一対の平行リンク片22を用いて揺動させる構造としたが、必ずしも平行リンク片に限らなくてもよい。例えば、平行リンク片を板ばねに変更して、板バネの一端をテーブル台に固定し、他端を下型に固定する構造でも良い。板バネは、操作部材に連動して弾性的に揺動するので、支持部材3が材料端W1を支持する支持位置(3A)へ復帰させる弾性体25、26を省略することも可能である。
2、2B 揺動部材
3 支持部材
3A 支持位置
3B 非支持位置
4 上型
5 下型
6 パッド
10、10B 移動部材
11 ガイド面
21、21B テーブル台
22 平行リンク片
23 連結板
23B 連結棒
24 リンク台
25、26 弾性体
30、30B 材料端垂れ止め装置
40 送り抜き装置
41、42 上切断刃
51、52 下切断刃
213 回転体
221 一端
222 他端
241 支軸
F 材料送り方向
J 接触位置
K 接線
V 水平線
W 板状鋼板
W1 材料端
θ 傾斜角
Claims (5)
- 板状鋼板の材料幅外方における材料端を所定の外形形状に切断する送り抜き装置に装着され、前記板状鋼板を材料送り方向へ移動させるときに前記材料端を支持する支持部材と、前記板状鋼板を切断するときに前記支持部材を前記材料端から離間する非支持位置へ移動させる移動部材とを備えた材料端垂れ止め装置であって、
前記移動部材には、前記送り抜き装置の上型に固定された操作部材と、前記支持部材を保持し前記操作部材と連動して前記送り抜き装置の下型に固定された支軸を中心に材料幅方向へ揺動する揺動部材とを備えたことを特徴とする材料端垂れ止め装置。 - 請求項1に記載された材料端垂れ止め装置において、
前記操作部材には、前記揺動部材と接触する接触位置における接線と水平線とがなす傾斜角が前記操作部材の下降に従って徐々に減少するガイド面を形成したことを特徴とする材料端垂れ止め装置。 - 請求項2に記載された材料端垂れ止め装置において、
前記揺動部材には、前記操作部材のガイド面と接触する回転体を回動自在に形成したことを特徴とする材料端垂れ止め装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載された材料端垂れ止め装置において、
前記揺動部材は、前記支持部材を固定するテーブル台と、当該テーブル台に一端が軸支され、かつ、前記下型に固定された支軸に他端が軸支された一対の平行リンク片とを備えた平行リンク機構であることを特徴とする材料端垂れ止め装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載された材料端垂れ止め装置において、
前記揺動部材には、前記支持部材が前記材料端を支持する支持位置へ復帰させる弾性体を備えたことを特徴とする材料端垂れ止め装置。
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