以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[一実施形態]
図1は、この発明の一実施形態に係る機能制御システムの全体構成を示す図であり、1はセンシングユニット、2は機能実行装置をそれぞれ示している。
機能実行装置2はテレビジョン受信機からなり、「TVを点ける(ON)」、「TVを消す(OFF)」、「音量を上げる」、「音量を下げる」等の複数の動作モードを備えている。
センシングユニット1は上記機能実行装置2を制御するために1対1の関係で使用される。センシングユニット1は正六面体からなる筐体10を有し、その6つの面S1〜S6には上記機能実行装置2の動作モードを制御するための命令が表記されている。例えば、「TVを点ける(ON)」、「TVを消す(OFF)」、「音量を上げる」、「音量を下げる」、「チャネルを切り替える(アップ)」、「チャネルを切り替える(ダウン)」が表記されている。
なお、機能実行装置2はテレビジョン受信機に限らず、ビデオレコーダ、照明器具、空調機器、音響機器、電動窓や扉、風呂等の住宅設備機器、またはパーソナルコンピュータの操作やブラウザの操作等であってもよい。
図2は、上記センシングユニット1の内部構造を示す斜視図である。同図に示すように、センシングユニット1の筐体10内には、3組の機電変換ユニット3a,3b,3cが収容されている。これらの機電変換ユニット3a,3b,3cは、いずれも両端が閉塞された円筒状をなす樹脂製の管体31内に機電変換機能を収容したもので、当該管体31の両端が上記センシングユニット1内の相対向する3組の面にそれぞれ接する状態に設置される。ここで、管体は機電変換機能に電磁気的な影響を与えなければどのような素材であっても構わない。
機電変換ユニット3a,3b,3cの機電変換機能は、管体31内に収容された移動体が重力により移動するときの運動エネルギを、電磁誘導方式又は力学エネルギ方式を利用して電気エネルギに変換することにより起電力を発生するもので、センシングユニット1がテーブル等に載置されたとき、その上面と底面との間に位置するユニットが起電力を発生し、後述する回路モジュール13へ出力する。なお、上記機電変換ユニット3a,3b,3cの詳細については後述する。
図3は、上記センシングユニット1及び機能実行装置2の機能構成を示すブロック図である。先ずセンシングユニット1の回路モジュール13は、機能ID格納部131と、判定部132と、センシング通信部133を備える。このうち判定部132及びセンシング通信部133は、図示しないプログラムメモリに格納されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)に実行させることにより実現される。回路モジュール13は、上記機電変換ユニット3a〜3cから出力された起電力をトリガとして起動し、かつ当該起電力を電源としても利用する。
機能ID格納部131には、面判定テーブルと、実行内容変換テーブルが格納されている。実行内容変換テーブルには、上記面判定テーブルで定義されたセンシングユニット1の面S1〜S6の識別情報、つまり面S1〜S6に表記された機能実行命令の識別情報(命令ID)ID1〜ID6に対応付けて、機能実行装置2の実行内容を表す識別情報(動作モードID)が記憶されている。図4はこの実行内容変換テーブルに記憶された情報の一例を示すものである。
面判定テーブルには、判定対象となるセンシングユニット1の面S1〜S6の識別情報と、上記各機電変換ユニット3a,3b,3cが発生する起電力の基準パターンとが、相互に関連付けられて記憶されている。なお、面S1〜S6の識別情報は当該各面S1〜S6に表記された命令の識別情報(命令ID)ID1〜ID6を兼ねる。
判定部132は、以下の処理機能を有する。
(1) 上記機電変換ユニット3a,3b,3cから出力された起電力の発生パターンを、上記面判定テーブルに格納された基準パターンと比較して、一致するパターンに対応する面識別情報を読み出す処理。
(2) 上記読み出された面の識別情報、つまり命令IDをもとに実行内容変換テーブルをアクセスし、当該実行内容変換テーブルから上記命令IDに対応する動作モードIDを読み出して、センシング通信部133へ出力する処理。
センシング通信部133は、上記判定部132から出力された動作モードIDと、制御対象となる機能実行装置2の識別情報とを含む制御信号を生成し、この生成された制御信号を送信する処理を行う。なお、通信媒体としては、指向性の制限が少ないWiFi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の微弱又は小電力を使用する無線通信方式が好適であるが、赤外線通信方式を用いてもよい。
一方、機能実行装置2は、機能格納部21と、命令実行部22と、クライアント通信部23を備えている。機能格納部21には、機能実行装置2が有する複数の機能、つまりテレビジョン受信機の「TVを点ける(ON)」、「TVを消す(OFF)」、「音量を上げる」、「音量を下げる」、「チャネルを切り替える(アップ)」、「チャネルを切り替える(ダウン)」を実行させるための動作モードIDに対応付けて、当該機能を実行するための制御情報が記憶されている。
命令実行部22は、上記クライアント通信部23により受信された制御信号に含まれる動作モードIDに対応する制御情報を上記機能格納部21から読み出し、この読み出された制御情報に従い機能を実行する処理を行う。
なお、この命令実行部22は、図示しないプログラムメモリに格納されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)に実行させることにより実現される。
ところで、上記機電変換ユニット3a,3b,3cの構成には次の4つの実施例が考えられる。なお、機電変換ユニット3a,3b,3cの構成は同一であるため、以後機電変換ユニット3aを例にとって説明を行う。
(第1の実施例)
図5は、機電変換ユニット3aの第1の実施例を示す縦断面図である。機電変換ユニット3aは、管体31内の両端側にそれぞれコイル32a,33aを固定配置すると共に、管体31内に上記コイル32a,33a内を移動可能な状態に永久磁石34を収容している。永久磁石34は棒磁石からなり、その長手方向の両端部にそれぞれN極及びS極を形成している。なお、図中35は緩衝部材であり、永久磁石34が管体31の両端部に衝突するときの衝撃を吸収する。
図6は、上記機電変換ユニット3a〜3cの回路構成図である。機電変換ユニット3a〜3cの各検出コイル32a,33a、32b,33b、32c,33cはそれぞれ検出回路36a1,36a2、36b1,36b2、36c1,36c2に接続されている。これらの検出回路36a1,36a2、36b1,36b2、36c1,36c2は、それぞれ上記コイル32a,33a、32b,33b、32c,33c内を永久磁石34が移動することにより発生した誘導電流を波形整形し、この波形整形後の電流を検出信号La1,La2、Lb1,Lb2、Lc1,Lc2として出力する。
このとき上記波形整形処理は、例えば一定レベル以上の誘導電流のみを検出する機能を有している。したがって、検出回路36a1,36a2、36b1,36b2、36c1,36c2からは、コイル32a,33a、32b,33b、32c,33c内に永久磁石34が突入したときにのみ検出信号が出力される。これは、コイル32a,33a、32b,33b、32c,33c内から永久磁石34が離脱するときは、永久磁石34の移動速度がまだ遅くコイルから発生する誘導電流のレベルは上記一定レベルに満たないため検出されず、一方コイル32a,33a、32b,33b、32c,33cに永久磁石34が突入するときには永久磁石34の速度が速くなっているためコイルから発生する誘導電流が上記一定レベル以上となるからである。
ここで、検出信号La1,La2、Lb1,Lb2、Lc1,Lc2として、上記検出回路36a1,36a2、36b1,36b2、36c1,36c2において検出される誘導電流が、予め定められた各検出回路における閾値V(La1)、V(La2)、V(Lb1)、V(Lb2)、V(Lc1)、V(Lc2)以上である場合に“1”が返され、各閾値以下である場合に“0”が返される。
また、上記コイル32a,33a、32b,33b、32c,33cは起電力生成回路37にも接続されている。起電力生成回路37は、各コイル32a,33a、32b,33b、32c,33cにより発生された誘導電流の立ち上がりを検出してこれをトリガとして回路モジュール13に与える機能と、上記誘導電流を整流してコンデンサ等の蓄電デバイスに蓄積し、この蓄積された電力を回路モジュール13に対し起電力として供給する機能を有している。
図7は、第1の実施例における回路モジュール13において、機能ID格納部131に設けられる面判定テーブルの記憶データの一例を示すものである。同図に示すように面判定テーブルには、判定対象となる面S1〜S6に対応付けて、当該面S1〜S6が上面となるようにセンシングユニット1が配置された場合に上記検出回路36a1,36a2、36b1,36b2、36c1,36c2から出力される検出信号La1,La2、Lb1,Lb2、Lc1,Lc2の基本検出パターンが記憶されている。
次に、第1の実施例に係るセンシングユニット1及び機能実行装置2の動作を説明する。
センシングユニット1を、所望の命令情報が表記された面が上面となるようにテーブル上に配置したとする。そうすると、機電変換ユニット3a〜3cの上記上面に対応するユニットが縦向きになり、この縦向きになった機電変換ユニットの起電力機能により起電力が発生する。
例えば、図2に示したようにセンシングユニット1をその面S1が上面となるように配置すると、機電変換ユニット3aが縦向きになる。この結果、機電変換ユニット3aにおいて、図5に示すように永久磁石34が重力によりP方向に移動してコイル32a内から離脱する際、及びコイル33a内に突入した際に、それぞれコイル32a,33aに誘導電流が流れる。このうち、コイル32aに流れる誘導電流は永久磁石34の離脱速度が遅いため電流値が小さく、一方コイル33aに流れる誘導電流は永久磁石34の突入速度が早いため電流値が大きい。このため、検出回路36a1,36a2のうち検出回路36a2のみから検出信号La2=“1”が出力される。また、他の機電変換ユニット3b,3cは横向きとなるため、永久磁石34は移動せず、コイル32b,33b,32c,33cには誘導電流が発生しない。このため、検出回路36b1,36b2,36c1,36c2から出力される検出信号Lb1,Lb2,Lc1,Lc2は何れも“0”となる。
また、上記機電変換ユニット3aのコイル32a,33aにより発生された誘導電流は起電力生成回路37にも入力される。起電力生成回路37では、先ず上記入力されたコイル32aの誘導電流の立ち上がりが波形整形により検出され、この検出された立ち上がりがトリガパルスとして回路モジュール13に供給される。またそれと共に、上記各誘導電流が整流されてコンデンサ等の蓄電デバイスに電力として蓄積され、この蓄積された電力が回路モジュール13に対し起電力として供給される。
上記トリガパルスにより回路モジュール13はスリープ状態(電力をごくわずかしか消費しない待機状態)から動作状態に遷移し、さらに上記起電力の供給を受けて動作状態を維持する。そして、この動作状態において以下の処理を行う。図16はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。なお、スリープ状態から動作状態に遷移する際には上記起電力を用い、動作状態に遷移した後は、外部電池から電力供給を受けて動作状態を維持するものとしても構わない。
すなわち、判定部132は、先ずステップS11により、上記機電変換ユニット3a,3b,3cから出力された検出信号La1,La2、Lb1,Lb2、Lc1,Lc2を取り込む。そして、この取り込んだ検出信号La1,La2、Lb1,Lb2、Lc1,Lc2のパターンを、機能ID格納部131の面判定テーブルに記憶されたに基本検出パターンとステップS12で比較し、その比較結果をもとにステップS13により、一致する基本検出パターンに対応する面識別情報を読み出す。
続いて判定部132は、上記読み出された面の識別情報、つまり命令IDをもとに、ステップS14により機能ID格納部131の実行内容変換テーブルをアクセスし、当該実行内容変換テーブルから上記命令IDに対応する動作モードIDを読み出す。センシング通信部133は、ステップS15において、上記判定部132から出力された動作モードIDと、制御対象となる機能実行装置2の識別情報とを含む制御信号を生成し、この生成された制御信号を送信する。
例えば、図2に示したようにセンシングユニット1が面S1を上面にして配置されたとする。この場合には、機電変換ユニット3a,3b,3cの検出回路36a1,36a2、36b1,36b2、36c1,36c2から検出信号La1,La2、Lb1,Lb2、Lc1,Lc2として(0,1,0,0,0,0)が出力される。このため、面判定テーブルからは上記検出信号La1,La2、Lb1,Lb2、Lc1,Lc2の検出パターン(0,1,0,0,0,0)に対応する面識別情報S1(ID1)が読み出される。そして、実行内容変換テーブルから、上記面識別情報S1(ID1)に対応する動作モードIDとして、図4に示すように「TVを点ける(a1)」が読み出される。この読み出された動作モードIDは、制御対象となる機能実行装置2の識別情報と共に制御信号に挿入され、送信される。
これに対し機能実行装置2は、上記センシングユニット1から送信された制御信号をステップS21によりクライアント通信部23により受信する。そして、この受信された制御信号に含まれる機能実行装置の識別情報をもとに制御対象が自装置2であることを確認すると、ステップS22により命令実行部22を起動し、この命令実行部22の制御の下で、上記受信された制御信号に含まれる動作モードIDに対応する制御情報を上記機能格納部21から読み出し、この読み出された制御情報に従いテレビジョン受信機の電源を「ON」する制御を実行する。
一方、センシングユニット1を面S2が上面となるように配置したとする。この場合には、機電変換ユニット3bが縦向きとなり、当該機電変換ユニット3bのコイル32b,33bに誘導電流が流れる。このうち、コイル32bに流れる誘導電流は永久磁石34の離脱速度が遅いため電流値が小さく、一方コイル33bに流れる誘導電流は永久磁石34の突入速度が早いため電流値が大きい。このため、検出回路36b1,36b2のうち検出回路36b2のみから検出信号Lb2=“1”が出力される。また、他の機電変換ユニット3a,3cは横向きとなるため、永久磁石34は移動せず、コイル32a,33a,32c,33cには誘導電流が発生しない。このため、検出回路36a1,36a2,36c1,36c2から出力される検出信号La1,La2,Lc1,Lc2は何れも“0”となる。
したがって、面判定テーブルからは、上記検出信号La1,La2、Lb1,Lb2、Lc1,Lc2の検出パターン(0,0,0,1,0,0)に対応する面識別情報S2(ID2)が読み出される。そして、実行内容変換テーブルから、上記面識別情報S2(ID2)に対応する動作モードIDとして、図4に示すように「音量を上げる(a2)」が読み出される。この読み出された動作モードIDは、制御対象となる機能実行装置2の識別情報と共に制御信号に挿入され、送信される。
これに対し機能実行装置2では、上記センシングユニット1から送信された制御信号がクライアント通信部23により受信され、識別情報から制御対象が機能実行装置2であることが判別されると、命令実行部22の制御の下で、上記受信された制御信号に含まれる動作モードID(a2)に対応する制御情報が上記機能格納部21から読み出される。そして、この読み出された制御情報に従い、テレビジョン受信機の音量を予め設定された単位量だけ増加させる制御が実行される。
以上詳述したように第1の実施例では、センシングユニット1の筐体10内の相対向する3対の面S1とS6、S2とS5、S3とS4の間にそれぞれ機電変換ユニット3a,3b,3cを配置し、これらの機電変換ユニット3a,3b,3cの両端に2個のコイル32a,33a、32b,33b、32c,33cを配置すると共に、これらのコイル内を重力により移動可能に永久磁石34を設けている。そして、センシングユニット1の任意の面を上面にして配置したときの上記永久磁石34の移動によりコイル32a,33a、32b,33b、32c,33cに発生する誘導電流を検出し、その検出信号La1,La2、La1,La2、Lc1,Lc2をもとにセンシングユニット1の上面となっている面を判定して、当該面に対応する動作モードIDを制御信号に含めて機能実行装置2へ送信するようにしている。
したがって、機能実行装置2を制御しようとする際に、ユーザはセンシングユニット1をその6つの面S1〜S6のうち実行させたい機能名称「TVを点ける」、「TVを消す」等が表記された面が上面側になるように配置するだけで、機能実行装置2に所望の機能、つまりテレビジョン受信機の「ON」、「OFF」等を実行させることが可能となる。このため、遠隔制御に際しスイッチ操作が不要となり、これにより制御対象機能とスイッチとの対応関係を記憶したり、またその都度確認する必要がなくなる。よって、お年寄り等のように機器の操作に不慣れなユーザであっても、簡単かつ確実に遠隔制御することが可能となる。
また、実行対象となる機能名称がセンシングユニット1の面S1〜S6に表記されているため、実行対象の機能名称をディスプレイに電子表示する必要がなくなる。しかも、機電変換ユニット3a〜3cにより発生される起電力により回路モジュール13が起動されるようになっているので、待機状態において回路モジュール13を常時動作状態にせずにスリープ状態にすることができ、これによりセンシングユニット1の消費電力を低減して、バッテリ寿命を延長することが可能となる。
(第2の実施例)
図8は、センシングユニット1に設けられる機電変換ユニット3aの第2の実施例を示す縦断面図である。なお、同図において図5と同一部分には同一符号を付して説明を行う。
第2の実施例の機電変換ユニット3aは、管体31内の長手方向中央部にコイル41aを固定配置すると共に、管体31内に上記コイル41a内を移動可能に永久磁石34を収容している。永久磁石34は、第1の実施例と同様に棒磁石からなり、その長手方向にN極とS極を形成する。なお、機電変換ユニット3b,3cも上記機電変換ユニット3aと同一に構成される。
図9は、第2の実施例における機電変換ユニット3a〜3cの回路構成図である。機電変換ユニット3a〜3cの各検出コイル41a〜41cはそれぞれ検出回路42a〜42cに接続されている。これらの検出回路42a〜42cは、それぞれ上記コイル41a〜41c内を永久磁石34が移動することにより発生した誘導電流の極性を検出し、その検出結果を検出信号La+,La−,Lb+,Lb−,Lc+,Lc−として出力する。これにより、検出回路42a〜42cからは、コイル41a〜41c内における永久磁石34の移動方向を表す検出信号La+,La−,Lb+,Lb−,Lc+,Lc−が出力される。
また、上記コイル41a〜41cは起電力生成回路43にも接続されている。起電力生成回路43は、各コイル41a〜41cにより発生された誘導電流の立ち上がりを検出してこれをトリガとして回路モジュール13に与える機能と、上記各コイル41a〜41cにより発生された電流を整流してコンデンサ等の蓄電デバイスに蓄積し、この蓄積された電力を回路モジュール13に対し起電力として供給する機能を有する。
図10は、第2の実施例における回路モジュール13において、機能ID格納部131に設けられた面判定テーブルの記憶データを示すものである。同図に示すように面判定テーブルには、判定対象となる面S1〜S6に対応付けて、当該面S1〜S6が上面となるようにセンシングユニット1が配置された場合に上記検出回路42a〜42cから出力される検出信号La+,La−,Lb+,Lb−,Lc+,Lc−の基本検出パターンが記憶されている。
次に、第2の実施例に係るセンシングユニット1及び機能実行装置2の動作を説明する。
センシングユニット1を、所望の命令情報が表記された面が上面となるようにテーブル上に配置したとする。そうすると、機電変換ユニット3a〜3cの上記上面に対応するユニットが縦向きになり、この縦向きになった機電変換ユニットの起電力機能により起電力が発生する。
例えば、図2に示したようにセンシングユニット1をその面S1が上面となるように配置すると、機電変換ユニット3aが縦向きになる。この結果、機電変換ユニット3aにおいて、図8に示すように永久磁石34が重力によりP方向に移動し、コイル41a内を通過する際にコイル41aに誘導電流が流れる。このとき、コイル41aに対する永久磁石34の移動方向によりコイル41aに流れる誘導電流の極性が異なる。
検出回路42aでは上記誘導電流の大きさと極性が検出され、絶対値が閾値以上の大きさの場合にその極性に応じてLa+又はLa−が出力される。ここで、検出信号La+,La−,Lb+,Lb−,Lc+,Lc−として、上記検出回路42a〜42cにおいて検出される誘導電流が、予め定められた各検出回路における閾値V(La+)、V(La−)、V(Lb+)、V(Lb−)、V(Lc+)、V(Lc−)以上である場合に“1”が返され、各閾値以下である場合に“0”が返されるとする。例えば、上記したように面S1が上面となるように配置された場合には、検出信号La+=“1”が出力される。なお、他の機電変換ユニット3b,3cは横向きとなるため、永久磁石34は移動せず、コイル41b,41cには誘導電流が発生しない。このため、検出回路42b,42cから出力される検出信号Lb,Lcは何れも“0”となる。
また、上記機電変換ユニット3aのコイル41aにより発生された誘導電流は起電力生成回路43にも入力される。起電力生成回路43では、先ず上記入力されたコイル41aの誘導電流の立ち上がりが波形整形により検出され、この検出された立ち上がりがトリガパルスとして回路モジュール13に供給される。またそれと共に、上記各誘導電流が整流されてコンデンサ等の蓄電デバイスに電力として蓄積され、この蓄積された電力が回路モジュール13に対し起電力として供給される。
上記トリガパルスにより回路モジュール13はスリープ状態から動作状態に遷移し、さらに上記起電力の供給を受けて動作状態を維持する。そして、この動作状態において以下の処理を行う。なお、スリープ状態から動作状態に遷移する際には上記起電力を用い、動作状態に遷移した後は、外部電池から電力供給を受けて動作状態を維持するものとしても構わない。
すなわち、判定部132は、先ず上記機電変換ユニット3a,3b,3cから出力された検出信号La+又はLa−、Lb+又はLb−、Lc+又はLc−を取り込む。そして、この取り込んだ検出信号La+又はLa−、Lb+又はLb−、Lc+又はLc−のパターンを、機能ID格納部131の面判定テーブルに記憶されたに基本検出パターンと比較し、一致する基本検出パターンに対応する面識別情報を読み出す。
続いて判定部132は、上記読み出された面の識別情報、つまり命令IDをもとに機能ID格納部131の実行内容変換テーブルをアクセスし、当該実行内容変換テーブルから上記命令IDに対応する動作モードIDを読み出して、センシング通信部133へ出力する。センシング通信部133は、上記判定部132から出力された動作モードIDと、制御対象となる機能実行装置2の識別情報とを含む制御信号を生成し、この生成された制御信号を送信する。
例えば、図2に示したようにセンシングユニット1が面S1を上面にして配置されたとする。この場合には、機電変換ユニット3a,3b,3cの検出回路42a,42b,42cから検出信号La+,La−、Lb+,Lb−、Lc+,Lc−として(1,0,0,0,0,0)が出力される。このため、面判定テーブルからは上記検出信号La+,La−、Lb+,Lb−、Lc+,Lc−の検出パターン(1,0,0,0,0,0)に対応する面識別情報S1(ID1)が読み出される。そして、実行内容変換テーブルから、上記面識別情報S1(ID1)に対応する動作モードIDとして、図4に示すように「TVを点ける(a1)」が読み出される。この読み出された動作モードIDは、制御対象となる機能実行装置2の識別情報と共に制御信号に挿入され、送信される。
これに対し機能実行装置2では、第1の実施例の場合と同様に、上記センシングユニット1から送信された制御信号がクライアント通信部23により受信され、識別情報から制御対象が機能実行装置2であることが判別されると、命令実行部22の制御の下で、上記受信された制御信号に含まれる動作モードIDに対応する制御情報が上記機能格納部21から読み出され、この読み出された制御情報に従いテレビジョン受信機の電源を「ON」する制御が実行される。
次に、センシングユニット1を面S2が上面となるように配置したとする。この場合には、機電変換ユニット3bが縦向きとなり、当該機電変換ユニット3bのコイル41bに永久磁石34の移動方向に対応した極性の誘導電流が流れる。このため、検出回路41bのみから検出信号Lb+=“1”が出力される。なお、他の機電変換ユニット3a,3cは横向きとなるため、永久磁石34は移動せず、コイル41a,41cには誘導電流が発生しない。このため、検出回路42a,42cからは検出信号La+,La−,Lc+,Lc−の何れも発生しない。
したがって、面判定テーブルからは、図10に示すように上記検出信号La+,La−、Lb+,Lb−、Lc+,Lc−の検出パターン(0,0,1,0,0,0)に対応する面識別情報S2(ID2)が読み出される。そして、実行内容変換テーブルから、上記面識別情報S2(ID2)に対応する動作モードIDとして、図4に示すように「音量を上げる(a2)」が読み出される。この読み出された動作モードIDは、制御対象となる機能実行装置2の識別情報と共に制御信号に挿入され、送信される。
これに対し機能実行装置2では、上記センシングユニット1から送信された制御信号がクライアント通信部23により受信され、識別情報から制御対象が機能実行装置2であることが判別されると、命令実行部22の制御の下で、上記受信された制御信号に含まれる動作モードIDに対応する制御情報が上記機能格納部21から読み出される。そして、この読み出された制御情報に従い、テレビジョン受信機の音量を予め設定された単位量だけ増加させる制御が実行される。
以上詳述したように第2の実施例では、センシングユニット1の筐体31内の相対向する3対の面S1とS6、S2とS5、S3とS4の間にそれぞれ機電変換ユニット3a〜3cを配置し、これらの機電変換ユニット3a〜3cの長手方向中央部に1個のコイル41a,41b,41cを配置すると共に、これらのコイル41a,41b,41c内を移動可能に永久磁石34を収容している。そして、センシングユニット1の任意の面を上面にして配置したときの上記永久磁石34の移動によりコイル41a,41b,41cに発生する誘導電流の大きさと極性を検出し、その検出信号La+,La−,Lb+,Lb−,Lc+,Lc−のパターンをもとにセンシングユニット1の上面となっている面を判定して、当該面に対応する動作モードIDを制御信号に含めて機能実行装置2へ送信するようにしている。
したがって、第1の実施例と同様に、機能実行装置2を制御しようとする際に、ユーザはセンシングユニット1をその6つの面S1〜S6のうち実行させたい機能名称「TVを点ける」、「TVを消す」等が表記された面が上面側になるように配置するだけで、機能実行装置2に所望の機能、つまりテレビジョン受信機の「ON」、「OFF」等を実行させることが可能となる。このため、遠隔制御に際しスイッチ操作が不要となり、これにより制御対象機能とスイッチとの対応関係を記憶したり、またその都度確認する必要がなくなる。よって、お年寄り等のように機器の操作に不慣れなユーザであっても、簡単かつ確実に遠隔制御することが可能となる。
また、実行対象となる機能名称がセンシングユニット1の面S1〜S6に表記されているため、実行対象の機能名称をディスプレイに電子表示する必要がなくなる。しかも、機電変換ユニット3a〜3cにより発生される起電力により回路モジュール13が起動され、かつ動作状態が維持される。このため、待機状態において回路モジュール13を常時動作状態にせずにスリープ状態に遷移させることができ、これによりセンシングユニット1の消費電力を低減して、バッテリ寿命を延長することが可能となる。
(第3の実施例)
図11は、センシングユニット1に設けられる機電変換ユニット3aの第3の実施例を示す縦断面図である。なお、同図において前記図5と同一部分には同一符号を付して説明を行う。
機電変換ユニット3aは、管体31の内周面にその長手方向に沿ってラック51を配置すると共に、管体31内にその長手方向に移動可能に発電ユニット70aを収容している。発電ユニット70aは、図12に示すようにケース73内に電磁コイルからなるロータ71と帯磁磁石からなる一対のステータ72を収容したもので、ロータ71の回転軸には歯車74が取着されている。発電ユニット70aは、重力により管体31内を移動する際に、上記歯車74が上記ラック51と歯合して回転し、これにより発電を行う。なお、機電変換ユニット3b,3cも上記機電変換ユニット3aと同一に構成される。
図13は、第3の実施例における機電変換ユニット3a〜3cの回路構成図である。機電変換ユニット3a〜3cの各発電ユニット70a,70b,70cはそれぞれ検出回路53a,53b,53cに接続されている。これらの検出回路53a,53b,53cは、それぞれ上記発電ユニット70a,70b,70cが重力により管体31内を移動したときに発電した電圧の大きさと極性を検出し、その検出結果を検出信号La+又はLa−,Lb+又はLb−,Lc+又はLc−として出力する。
また、上記発電ユニット70a,70b,70cは起電力生成回路54にも接続されている。起電力生成回路54は、各発電ユニット70a,70b,70cにより発電された電力波形の立ち上がりを検出してこれをトリガとして回路モジュール13に与える機能と、上記各発電ユニット70a,70b,70cにより発電された電圧をコンデンサ等の蓄電デバイスに蓄積し、この蓄積された電圧を回路モジュール13に対し動作電圧として供給する機能を有する。
図14は、第3の実施例における回路モジュール13において、機能ID格納部131に設けられた面判定テーブルの記憶データを示すものである。同図に示すように面判定テーブルには、判定対象となる面S1〜S6に対応付けて、当該面S1〜S6が上面となるようにセンシングユニット1が配置された場合に上記検出回路53a〜53cから出力される検出信号La+,La−,Lb+,Lb−,Lc+,Lc−の基本検出パターンが記憶されている。
次に、第3の実施例に係るセンシングユニット1及び機能実行装置2の動作を説明する。
センシングユニット1を、所望の命令情報が表記された面が上面となるようにテーブル上に配置したとする。そうすると、機電変換ユニット3a〜3cの上記上面に対応するユニットが縦向きになり、この縦向きになった機電変換ユニットの起電力機能により起電力が発生する。
例えば、図2に示したようにセンシングユニット1をその面S1が上面となるように配置すると、機電変換ユニット3aが縦向きになる。この結果、機電変換ユニット3aにおいて、図11に示すように発電ユニット70aが重力によりP方向に移動し、この移動に伴い歯車74が回転して発電が行われる。このとき、発電ユニット70aにより発電される電圧は、発電ユニット70aの移動方向により極性が異なる。検出回路53aでは上記発電ユニット70aにより発電された電圧の大きさと極性が検出され、絶対値が閾値以上の大きさの場合にその極性に応じてLa+又はLa−が出力される。例えば、上記したように面S1が上面となるように配置された場合には、検出信号La+=“1”が出力される。なお、他の機電変換ユニット3b,3cは横向きとなるため、発電ユニット70b,70cは移動せず、検出回路53b,53cからは検出信号Lb,Lcが発生しない。
また、上記機電変換ユニット3aの発電ユニット70aにより発電された電圧は起電力生成回路54にも入力される。起電力生成回路54では、先ず上記発電ユニット70aにより発電された電圧の立ち上がりが波形整形により検出され、この検出された立ち上がりがトリガパルスとして回路モジュール13に供給される。またそれと共に、上記発電された電圧が整流されてコンデンサ等の蓄電デバイスに電力として蓄積され、この蓄積された電力が回路モジュール13に対し動作電源として供給される。
上記トリガパルスにより回路モジュール13はスリープ状態から動作状態に遷移し、さらに上記動作電源の供給を受けて動作状態を維持する。そして、この動作状態において以下の処理を行う。なお、スリープ状態から動作状態に遷移する際には上記動作電源を用い、動作状態に遷移した後は、外部電池から電力供給を受けて動作状態を維持するものとしても構わない。
すなわち、判定部132は、先ず上記機電変換ユニット3a,3b,3cから出力された検出信号La+又はLa−、Lb+又はLb−、Lc+又はLc−を取り込む。そして、この取り込んだ検出信号La+又はLa−、Lb+又はLb−、Lc+又はLc−のパターンを、機能ID格納部131の面判定テーブルに記憶されたに基本検出パターンと比較し、一致する基本検出パターンに対応する面識別情報を読み出す。
続いて判定部132は、上記読み出された面の識別情報、つまり命令IDをもとに機能ID格納部131の実行内容変換テーブルをアクセスし、当該実行内容変換テーブルから上記命令IDに対応する動作モードIDを読み出して、センシング通信部133へ出力する。センシング通信部133は、上記判定部132から出力された動作モードIDと、制御対象となる機能実行装置2の識別情報とを含む制御信号を生成し、この生成された制御信号を送信する。
例えば、図2に示したようにセンシングユニット1が面S1を上面にして配置されたとする。この場合には、機電変換ユニット3a,3b,3cの検出回路53a,53b,53cから検出信号La+,La−、Lb+,Lb−、Lc+,Lc−として(1,0,0,0,0,0)が出力される。このため、面判定テーブルからは、図14に示すように上記検出信号La+,La−、Lb+,Lb−、Lc+,Lc−の検出パターン(1,0,0,0,0,0)に対応する面識別情報S1(ID1)が読み出される。そして、実行内容変換テーブルから、上記面識別情報S1(ID1)に対応する動作モードIDとして、図4に示すように「TVを点ける(a1)」が読み出される。この読み出された動作モードIDは、制御対象となる機能実行装置2の識別情報と共に制御信号に挿入され、送信される。
これに対し機能実行装置2では、第1及び第2の実施例と同様に、上記センシングユニット1から送信された制御信号がクライアント通信部23により受信され、識別情報から制御対象が機能実行装置2であることが判別されると、命令実行部22の制御の下で、上記受信された制御信号に含まれる動作モードIDに対応する制御情報が上記機能格納部21から読み出され、この読み出された制御情報に従いテレビジョン受信機の電源を「ON」する制御が実行される。
次に、センシングユニット1を面S2が上面となるように配置したとする。この場合には、機電変換ユニット3bが縦向きとなり、当該機電変換ユニット3bの発電ユニット70bによりその移動方向に対応した極性の発電電圧が出力される。このため、検出回路53bのみから検出信号Lb+=“1”が出力される。なお、他の機電変換ユニット3a,3cは横向きとなるため、発電ユニット70a,70cは移動せず、発電が行われない。このため、検出回路53a,53cからは検出信号La+,La−,Lc+,Lc−の何れも出力されない。
したがって、面判定テーブルからは、図14に示すように上記検出信号La+,La−、Lb+,Lb−、Lc+,Lc−の検出パターン(0,0,1,0,0,0)に対応する面識別情報S2(ID2)が読み出される。そして、実行内容変換テーブルから、上記面識別情報S2(ID2)に対応する動作モードIDとして、図4に示すように「音量を上げる(a2)」が読み出される。この読み出された動作モードIDは、制御対象となる機能実行装置2の識別情報と共に制御信号に挿入され、送信される。
これに対し機能実行装置2では、上記センシングユニット1から送信された制御信号がクライアント通信部23により受信され、識別情報から制御対象が機能実行装置2であることが判別されると、命令実行部22の制御の下で、上記受信された制御信号に含まれる動作モードIDに対応する制御情報が上記機能格納部21から読み出される。そして、この読み出された制御情報に従い、テレビジョン受信機の音量を予め設定された単位量だけ増加させる制御が実行される。
以上詳述したように第3の実施例では、センシングユニット1の筐体31内の相対向する3対の面S1とS6、S2とS5、S3とS4の間にそれぞれ機電変換ユニット3a〜3cを配置し、これらの機電変換ユニット3a〜3cの管体31内にラックアンドピニオン機構と当該機構により発電を行う発電ユニット70a,70b,70cを設けている。そして、センシングユニット1の任意の面を上面にして配置したときに、発電ユニット70a,70b,70cにより発電される電圧の大きさと極性を検出し、その検出信号La+,La−,Lb+,Lb−,Lc+,Lc−のパターンをもとにセンシングユニット1の上面となっている面を判定して、当該面に対応する動作モードIDを制御信号に含めて機能実行装置2へ送信するようにしている。
したがって、第1及び第2の実施例と同様に、機能実行装置2を制御しようとする際に、ユーザはセンシングユニット1をその6つの面S1〜S6のうち実行させたい機能名称「TVを点ける」、「TVを消す」等が表記された面が上面側になるように配置するだけで、機能実行装置2に所望の機能、つまりテレビジョン受信機の「ON」、「OFF」等を実行させることが可能となる。このため、遠隔制御に際しスイッチ操作が不要となり、これにより制御対象機能とスイッチとの対応関係を記憶したり、またその都度確認する必要がなくなる。よって、お年寄り等のように機器の操作に不慣れなユーザであっても、簡単かつ確実に遠隔制御することが可能となる。
また、実行対象となる機能名称がセンシングユニット1の面S1〜S6に表記されているため、実行対象の機能名称をディスプレイに電子表示する必要がなくなる。しかも、機電変換ユニット3a〜3cの発電ユニット70a,70b,70cにより発電される電力により回路モジュール13が起動され、かつ動作状態が維持される。このため、待機状態において回路モジュール13を常時動作状態にせずにスリープ状態に遷移させることができ、これによりセンシングユニット1の消費電力を低減して、バッテリ寿命を延長することが可能となる。
(第4の実施例)
図15は、センシングユニット1に設けられる機電変換ユニット3aの第4の実施例を示す縦断面図である。なお、同図において前記図5と同一部分には同一符号を付して説明を行う。
機電変換ユニット3aは、管体31内に流体移動機構60を収容している。流体移動機構60は、2個の漏斗状容器61,62の絞り端を連結部63を介して連結したもので、この漏斗状容器61,62内には液体又は粉体等の流体64が収容されている。なお、65は流体容器61,62を閉塞するための栓である。
また、上記連結部63内には発電ユニット80aが収容されている。発電ユニット80aは、ロータ71の回転軸に羽根車82を軸着したもので、流体64が重力により一方の漏斗状容器61から他方の漏斗状容器62へ流動する際に羽根車82が回転し、この羽根車82の回転により発電を行う。
なお、機電変換ユニット3a〜3cの回路構成、及び回路モジュール13の面判定テーブルのデータ構成は、それぞれ図13及び図14と同一なので、ここでの説明は省略する。
次に、第4の実施例に係るセンシングユニット1及び機能実行装置2の動作を説明する。
センシングユニット1を、所望の命令情報が表記された面が上面となるようにテーブル上に配置したとする。そうすると、機電変換ユニット3a〜3cの上記上面に対応するユニットが縦向きになり、この縦向きになった機電変換ユニットの起電力機能により起電力が発生する。
例えば、図2に示したようにセンシングユニット1をその面S1が上面となるように配置すると、機電変換ユニット3aが縦向きになる。この結果、機電変換ユニット3aにおいて、図15に示すように流体64が一方の漏斗状容器61から他方の漏斗状容器62へ流動する。その際、連結部63内で羽根車82が回転し、この羽根車82の回転により発電ユニット80aにおいて発電が行われる。このとき、発電ユニット80aにより発電される電圧は、流体64の移動方向により極性が異なる。
検出回路53aでは、上記発電ユニット80aにより発電された電圧の大きさと極性が検出され、絶対値が閾値以上の大きさの場合にその極性に応じてLa+又はLa−が出力される。例えば、上記したように面S1が上面となるように配置された場合には、検出信号La+=“1”が出力される。なお、他の機電変換ユニット3b,3cは横向きとなるため、流体64は流動せず、発電ユニット80b,80cは動作しない。このため、検出回路53b,53cから検出信号Lb,Lcは出力されない。
また、上記機電変換ユニット3aの発電ユニット80aにより発電された電圧は起電力生成回路54にも入力される。起電力生成回路54では、第3の実施形態と同様に、先ず上記発電ユニット80aにより発電された電圧の立ち上がりが波形整形により検出され、この検出された立ち上がりがトリガパルスとして回路モジュール13に供給される。またそれと共に、上記発電された電圧が整流されてコンデンサ等の蓄電デバイスに電力として蓄積され、この蓄積された電力が回路モジュール13に対し動作電源として供給される。なお、スリープ状態から動作状態に遷移する際には上記動作電源を用い、動作状態に遷移した後は、外部電池から電力供給を受けて動作状態を維持するものとしても構わない。
上記トリガパルスにより回路モジュール13はスリープ状態から動作状態に遷移し、さらに上記動作電源の供給を受けて動作状態を維持する。そして、この動作状態において以下の処理を行う。
すなわち、判定部132は、先ず上記機電変換ユニット3a,3b,3cから出力された検出信号La+又はLa−、Lb+又はLb−、Lc+又はLc−を取り込む。そして、この取り込んだ検出信号La+又はLa−、Lb+又はLb−、Lc+又はLc−のパターンを、機能ID格納部131の面判定テーブルに記憶されたに基本検出パターンと比較し、一致する基本検出パターンに対応する面識別情報を読み出す。
続いて判定部132は、上記読み出された面の識別情報、つまり命令IDをもとに機能ID格納部131の実行内容変換テーブルをアクセスし、当該実行内容変換テーブルから上記命令IDに対応する動作モードIDを読み出して、センシング通信部133へ出力する。センシング通信部133は、上記判定部132から出力された動作モードIDと、制御対象となる機能実行装置2の識別情報とを含む制御信号を生成し、この生成された制御信号を送信する。
例えば、図2に示したようにセンシングユニット1が面S1を上面にして配置されたとする。この場合には、機電変換ユニット3a,3b,3cの検出回路53a,53b,53cから検出信号La+,La−、Lb+,Lb−、Lc+,Lc−として(1,0,0,0,0,0)が出力される。このため、面判定テーブルからは、図14に示すように上記検出信号La+,La−、Lb+,Lb−、Lc+,Lc−の検出パターン(1,0,0,0,0,0)に対応する面識別情報S1(ID1)が読み出される。そして、実行内容変換テーブルから、上記面識別情報S1(ID1)に対応する動作モードIDとして、図4に示すように「TVを点ける(a1)」が読み出される。この読み出された動作モードIDは、制御対象となる機能実行装置2の識別情報と共に制御信号に挿入され、送信される。
これに対し機能実行装置2では、第1及び第2の実施例と同様に、上記センシングユニット1から送信された制御信号がクライアント通信部23により受信され、識別情報から制御対象が機能実行装置2であることが判別されると、命令実行部22の制御の下で、上記受信された制御信号に含まれる動作モードIDに対応する制御情報が上記機能格納部21から読み出され、この読み出された制御情報に従いテレビジョン受信機の電源を「ON」する制御が実行される。
次に、センシングユニット1を面S2が上面となるように配置したとする。この場合には、機電変換ユニット3bが縦向きとなり、当該機電変換ユニット3bにおいて重力により流体64が一方の漏斗状容器61から他方の漏斗状容器62へ流動し、この流体64の流動により発電ユニット80bによりその流動方向に対応した極性の発電電圧が出力される。このため、検出回路53bのみから検出信号Lb+=“1”が出力される。なお、他の機電変換ユニット3a,3cは横向きとなるため、発電ユニット80a,80cは移動せず、発電が行われない。このため、検出回路53a,53cからは検出信号La+,La−,Lc+,Lc−の何れも出力されない。
したがって、面判定テーブルからは、図14に示すように上記検出信号La+,La−、Lb+,Lb−、Lc+,Lc−の検出パターン(0,0,1,0,0,0)に対応する面識別情報S2(ID2)が読み出される。そして、実行内容変換テーブルから、上記面識別情報S2(ID2)に対応する動作モードIDとして、図4に示すように「音量を上げる(a2)」が読み出される。この読み出された動作モードIDは、制御対象となる機能実行装置2の識別情報と共に制御信号に挿入され、送信される。
これに対し機能実行装置2では、上記センシングユニット1から送信された制御信号がクライアント通信部23により受信され、識別情報から制御対象が機能実行装置2であることが判別されると、命令実行部22の制御の下で、上記受信された制御信号に含まれる動作モードIDに対応する制御情報が上記機能格納部21から読み出される。そして、この読み出された制御情報に従い、テレビジョン受信機の音量を予め設定された単位量だけ増加させる制御が実行される。
以上詳述したように第4の実施例では、センシングユニット1の筐体31内の相対向する3対の面S1とS6、S2とS5、S3とS4の間にそれぞれ機電変換ユニット3a〜3cを配置し、これらの機電変換ユニット3a〜3cの管体31内に流体を用いた発電ユニット80a,80b,80cを設けている。そして、センシングユニット1の任意の面を上面にして配置したときに、発電ユニット80a,80b,80cにより発電される電圧の大きさと極性を検出し、その検出信号La+,La−,Lb+,Lb−,Lc+,Lc−のパターンをもとにセンシングユニット1の上面となっている面を判定して、当該面に対応する動作モードIDを制御信号に含めて機能実行装置2へ送信するようにしている。
したがって、第1乃至第3の実施例と同様に、機能実行装置2を制御しようとする際にユーザは、センシングユニット1をその6つの面S1〜S6のうち実行させたい機能名称「TVを点ける」、「TVを消す」等が表記された面が上面側になるように配置するだけで、機能実行装置2に所望の機能、つまりテレビジョン受信機の「ON」、「OFF」等を実行させることが可能となる。このため、遠隔制御に際しスイッチ操作が不要となり、これにより制御対象機能とスイッチとの対応関係を記憶したり、またその都度確認する必要がなくなる。よって、お年寄り等のように機器の操作に不慣れなユーザであっても、簡単かつ確実に遠隔制御することが可能となる。
また、実行対象となる機能名称がセンシングユニット1の面S1〜S6に表記されているため、実行対象の機能名称をディスプレイに電子表示する必要がなくなる。しかも、機電変換ユニット3a〜3cの発電ユニット80a,80b,80cにより発電される電力により回路モジュール13が起動され、かつ動作状態が維持される。このため、待機状態において回路モジュール13を常時動作状態にせずにスリープ状態に遷移させることができ、これによりセンシングユニット1の消費電力を低減して、バッテリ寿命を延長することが可能となる。
[他の実施形態]
前記実施形態では、センシングユニット1の判定部132により、機電変換ユニット3a〜3cから出力される検出信号La,Lb,Lcの検出パターンに対応する面S1〜S6の識別情報を読み出し、さらに当該読み出された面S1〜S6の識別情報、つまり命令IDをもとに実行内容変換テーブルから実行内容を表す動作モードIDを読み出して、これを制御信号に含めて機能実行装置2へ送信するようにした。しかし、これに限らず、機電変換ユニット3a〜3cから出力される検出信号La,Lb,Lcの検出パターンに対応する面S1〜S6の識別情報を制御信号に含めて機能実行装置2へ送信するようにしてもよい。この場合には、機能実行装置2に、受信した制御信号に含まれる面の識別情報を命令情報に変換する機能を持たせることで、同様に実現できる。
また、前記実施形態では、面S1〜S6の識別情報は当該各面S1〜S6に表記された命令の識別情報(命令ID)ID1〜ID6を兼ねるとしたが、必ずしも面S1〜S6と命令ID1〜ID6は対応していなくても良い。例えば、面S1と面S2に対して共通する命令ID1が紐付けられていても良い。
その他、センシングユニットの面の数や機電変換ユニットの数、機電変換ユニットの構成、機能実行装置が備える機能の種類等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
要するにこの発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。