(実施形態)
以下、表示装置の実施形態として、光源から射出された光を画像情報に基づいて変調して画像光を形成し、この画像光を外部のスクリーン等に投写するプロジェクター、および、このようなプロジェクターを複数台使用して、マルチ表示を行うマルチプロジェクションシステムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るプロジェクターの斜視図である。
図1に示すように、プロジェクター100は、装置本体を収容する筐体5を備えて構成されており、筐体5の上面5Tには、ユーザーにより入力操作が行われる操作パネル21が備えられている。さらに、上面5Tには上アンテナATが配置されている。プロジェクター100の投写方向に向かって左側の面(左面5L)には左アンテナAL、右側の面(右面5R)には右アンテナAR、底面(下面5B)には下アンテナABが配置されている。筐体5の上面5T、下面5B、左面5L、および右面5Rが、第1の面、第2の面、第3の面、および第4の面に相当する。
上アンテナAT、左アンテナAL、右アンテナAR、および下アンテナABは、他の表示装置である他のプロジェクター(図1では図示せず)と無線通信するためのアンテナである。本実施形態では、プロジェクター100と他のプロジェクターとの無線通信は、Bluetooth(登録商標)によって行うものとする。上アンテナAT、下アンテナAB、左アンテナAL、および右アンテナARが、第1の通信部、第2の通信部、第3の通信部、および第4の通信部に相当する。
筐体5の前面5Fには、投写レンズ13が露出されており、この投写レンズ13から、画像情報に基づく画像が前方の投写面(図1では図示せず)に投写される。筐体5の前面5Fが、表示部が表示出力を行う面に相当する。
図2は、プロジェクター100の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、プロジェクター100は、表示部としての画像投写部10、制御部20、操作パネル21、表示属性記憶部22、画像信号入力部30、画像処理部31、無線通信部40、上アンテナAT、左アンテナAL、右アンテナAR、下アンテナAB等を備えており、これらは、筐体5の内部または上面5T、左面5L、右面5R、下面5Bに収容または配置されている。
画像投写部10は、光源としての光源装置11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動部14等で構成されている。画像投写部10は、表示部に相当するものであり、光源装置11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bで画像光に変調し、この画像光を投写レンズ13から投写してスクリーン等の投写面SCに画像を表示する。
光源装置11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R,12G,12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。光源装置11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R,12G,12Bに入射する。
液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、複数の画素(図示せず)がマトリックス状に配列された矩形状の画素領域を備えており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。液晶駆動部14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源装置11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの画素領域を透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によって拡大投写される。
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM、不揮発性のROM等を備えており、ROMに記憶されている制御プログラムに従ってCPUが動作することによりプロジェクター100の動作を統括制御する。
操作パネル21は、ユーザーがプロジェクター100に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。本実施形態の操作パネル21が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを切り替えるための電源キー、入力された画像信号を切り替えるための入力切替キー、各種設定用のメニュー画像を表示させるメニューキー、メニュー画像における項目の選択等に用いられる方向キー、選択した項目を確定させるための決定キー、プロジェクター100をマルチプロジェクションシステムとして使用する際に、他のプロジェクターを検索して、配置情報を生成するためのマルチプロジェクションキー等がある。
ユーザーが操作パネル21の各種操作キーを操作すると、操作パネル21は、この操作を受け付けて、操作された操作キーに対応する制御信号を制御部20に出力する。そして、制御部20は、操作パネル21から制御信号が入力されると、入力された制御信号に基づく処理を行って、プロジェクター100の動作を制御する。なお、操作パネル21の代わりに、あるいは操作パネル21とともに、遠隔操作が可能なリモートコントローラー(リモコン)(図示せず)を操作受付部として用いた構成としてもよい。この場合、リモコンは、ユーザーの操作内容に応じた赤外線等の操作信号を発信し、図示しないリモコン信号受信部がこれを受信して制御部20に伝達する。
表示属性記憶部22は、不揮発性メモリーを有して構成され、EDID(Extended Display Identification Data:拡張ディスプレイ識別データ)に相当する表示属性情報を記憶する。具体的には、プロジェクター100が、マルチプロジェクションシステムに組み込まれている場合には、マルチプロジェクションシステムとして表示可能な総画素数を表す総表示画素数情報、各プロジェクターの相対的な配置関係を表す配置情報、およびプロジェクター100の表示画素数を表す表示画素数情報等を記憶する。このときの表示属性記憶部22が、総画素数記憶部および画素数記憶部に相当する。また、プロジェクター100が単独で使用される場合には、プロジェクター100の表示画素数情報等を記憶する。
表示属性記憶部22への書き込みは、制御部20が行う。また、プロジェクター100に画像信号を供給するために、プロジェクター100と画像ケーブル(図示せず)によって接続された外部の画像供給装置(図示せず)は、当該画像ケーブルを介して、表示属性記憶部22から情報を読み出す(取得する)ことが可能である。具体的には、画像ケーブルが未接続の状態から、プロジェクター100に接続された状態になると、画像供給装置は、画像ケーブルを介して、プロジェクター100の表示属性記憶部22から表示属性情報を取得する仕組みとなっている。画像供給装置とプロジェクター100とは、このような仕組みになっているため、プロジェクター100側で、画像ケーブルを未接続にした状態と同等の状態にして、その後、接続した状態に戻すことで、画像供給装置に表示属性情報を再取得させることが可能である。
画像信号入力部30は、複数の入力端子を備えており、これらの入力端子には、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、外部の画像供給装置から各種形式の画像信号が入力される。画像信号入力部30は、入力された画像信号に基づく画像情報を画像処理部31に出力する。また、画像信号入力部30は、入力された画像信号を画像信号出力端子MOから出力する。プロジェクター100が、マルチプロジェクションシステムに組み込まれて使用される場合には、プロジェクター100の画像信号出力端子MOから出力される画像信号は、他のプロジェクターに入力される。
画像処理部31は、画像信号入力部30から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの各画素の階調を表す画像情報、即ち各画素に印加する駆動電圧を規定するための画像情報に変換する。さらに、画像処理部31は、制御部20の指示に基づいて、画像処理を行う。ここで、画像処理とは、画像情報に対して、画像のスケーリングや台形歪の補正を行ったり、画像の表示状態(例えば、輝度、コントラスト、同期、トラッキング、色の濃さ、色合い等)の調整を行ったりすることを示す。また、画像処理部31は、メニュー画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を、入力画像に重畳することもできる。画像処理部31によって画像処理がなされた画像情報は、液晶駆動部14に出力される。
液晶駆動部14は、画像処理部31から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを駆動する。これにより、光源装置11から射出された光は、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bによって画像情報に応じて変調され、投写レンズ13から投写される。
無線通信部40は、制御部20の指示に基づいて、他のプロジェクターと無線通信を行う。無線通信部40と他のプロジェクターとの無線通信規格は、Bluetoothを用いる。無線通信部40は、上アンテナAT、左アンテナAL、右アンテナAR、および下アンテナABを介して、他のプロジェクターと送受信を行う。無線通信部40は、他のプロジェクターとの間で、制御信号(各種コマンド等)の送受信を行う。無線通信部40は、受信した制御信号の信号強度を検出することができる。無線通信部40および制御部20が、通信制御部に相当する。
図3は、無線通信部40の詳細なブロック図である。
図3に示すように、無線通信部40は、ベースバンド処理部401、RF変復調部402、RFスイッチ403、AD変換部404等を備えて構成されている。
RFスイッチ403は、ベースバンド処理部401から送られるRFスイッチ制御信号に基づき、4つのアンテナを切り替える。RF変復調部402およびベースバンド処理部401は、一般的な構成とし、双方向の無線通信を可能とする。RF変復調部402は、受信したRF信号強度をRSSI(Received Signal Strength Indication)信号としてAD変換部404に出力する。AD変換部404は、入力されたRSSI信号をデジタル化し、ベースバンド処理部401に出力する。制御部20は、ベースバンド処理部401からRSSIレベル(以降、「電界強度」と呼ぶ)を読み出すことができる。
次に、プロジェクター100を用いて、マルチプロジェクションシステムを実現する際の処理について、実施例を用いて説明する。
(実施例1)
まず、2つのプロジェクターを縦(上下)に積み重ねて配置したマルチプロジェクションシステムについて説明する。
図4は、実施例1に係るマルチプロジェクションシステムの態様を表す正面図である。
図4に示すように、マルチプロジェクションシステム1は、プロジェクター100およびプロジェクター101が積み重ねて配置されている。本実施形態では、プロジェクター101の構成は、プロジェクター100と同様の構成とする。ここで、アンテナの符号は、プロジェクター100においては、上アンテナ100AT、左アンテナ100AL、右アンテナ100AR、および下アンテナ100ABとし、プロジェクター101においては、上アンテナ101AT、左アンテナ101AL、右アンテナ101AR、および下アンテナ101ABとする。
このように配置されたマルチプロジェクションシステム1では、画像を縦に並べて投写することが可能になる。例えば、プロジェクター100およびプロジェクター101の表示画素数が、それぞれ1920×1080ピクセルであれば、マルチプロジェクションシステム1では、1920×2160ピクセル相当の総表示画素数の画像を投写することが可能になる。具体的には、プロジェクター100が投写画像の上側の1920×1080ピクセルの投写を担当し、プロジェクター101が投写画像の下側の1920×1080ピクセルの投写を担当することができる。
外部の画像供給装置(図示せず)から出力される画像信号は、プロジェクター100の画像信号入力部30に入力される。プロジェクター100の画像出力端子MOと、プロジェクター101の画像信号入力部30の画像入力端子とは、画像ケーブル(図示せず)を介して接続されている。これにより、プロジェクター100から出力される画像信号が、プロジェクター101の画像信号入力部30に入力される。
マルチプロジェクションシステム1において、プロジェクター100の操作パネル21に備わるマルチプロジェクションキーが押下されると、プロジェクター100は、マスタープロジェクターとして、プロジェクター100とともにマルチプロジェクションシステム1を構成する他のプロジェクターの検索を開始する。そして、マルチプロジェクションシステム1を実現するために、プロジェクター100は、他のプロジェクターとの相対的な配置関係を表す配置情報データベースを生成する。
図5は、実施例1に係る配置情報データベースの説明図であり、(a)は、初期化された状態を表す説明図であり、(b)は、完成状態を表す説明図である。
配置情報データベースDB(DB0,DB1)は、制御部20に備わる書き込み可能な不揮発性メモリー、または揮発性メモリーに記憶されるデータベースである。このメモリーが、記憶部に相当する。後述する「マルチプロジェクションシステムにおける配置情報生成処理」が実行されると、配置情報データベースは、初期化されて初期化状態となり、さらに相対位置等の情報が設定されて、完成状態となる。図5(a)には、初期化状態の配置情報データベースDB0が表されており、図5(b)には、完成状態になった配置情報データベースDB1が表されている。
本実施例の配置情報データベースDB(DB0,DB1)には、プロジェクターが2台登録されており、プロジェクターID0およびプロジェクターID1によって、マルチプロジェクションシステム1が構築されていることが表わされている。このとき、先頭のプロジェクターID0をマスタープロジェクターとし、2行目以降のプロジェクターID1をスレーブプロジェクターとする。他にもスレーブプロジェクターがある場合には、プロジェクターID2,ID3,・・・というように、配置情報データベースDBの行数が追加される。配置情報データベースDBには、プロジェクターID毎に、表示画素数および相対位置の情報が格納される。
表示画素数は、それぞれのプロジェクターが表示可能な画素数を表す。配置情報データベースDBは、初期化された時点で、表示画素数の情報が格納され、配置情報データベースDB0のようになる。相対位置は、マスタープロジェクターID0の配置座標を(x,y)=(0,0)とし、その場合の、スレーブプロジェクターID1(ID2,ID3,・・・)の配置座標を表す。配置座標のx方向は、左右方向を表し、プラス(+)の場合には、投写面SCに向かって右側を表し、マイナス(−)の場合には、投写面SCに向かって左側を表す。配置座標のy方向は、上下方向を表し、プラス(+)の場合には、上側を表し、マイナス(−)の場合には、下側を表す。なお、「左側」および「右側」とは、プロジェクター100の後方から目視した際における左側および右側を表す。
本実施例では、スレーブプロジェクターID1の配置座標は、(x,y)=(0,−1)となっており、マスタープロジェクターID0の下方にスレーブプロジェクターID1が配置されていることを表している。即ち、マスタープロジェクターID0が、スレーブプロジェクターID1の上に載置されている状態を表している。
このように、配置情報データベースDBは、マスタープロジェクターID0と複数のスレーブプロジェクターとの配置状態を表すことができる。ここで、プロジェクターIDに格納されている「ID0」や「ID1」は、個々のプロジェクターを識別するために割り当てられている識別情報であり、例えば、制御部20のROM等に保持されている。識別情報としては、MACアドレス等、各プロジェクターに固有の情報を用いることができる。
次に、プロジェクター100が、マルチプロジェクションシステムを構成する他のプロジェクターを検索し、配置情報データベースDBを生成する処理(配置情報生成処理)について説明する。
図6は、本実施形態のマルチプロジェクションシステムにおける配置情報生成処理を表すフローチャートである。
プロジェクター100の制御部20は、操作パネル21に備わるマルチプロジェクションキーが押下されたか否かを判断する(ステップS101)。マルチプロジェクションキーが押下されていれば(ステップS101:YES)、制御部20は、プロジェクター100自身がマスタープロジェクターであると認識し、マスタープロジェクター処理(サブルーチン)を実行する(ステップS102)。そして、マスタープロジェクター処理が終了すると、ステップS101に戻る。
マルチプロジェクションキーが押下されていなければ(ステップS101:NO)、制御部20は、無線通信部40が、スレーブプロジェクターを検索するためのSEARCHコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS103)。SEARCHコマンドを受信していれば(ステップS103:YES)、制御部20は、プロジェクター100自身がスレーブプロジェクターであると認識し、スレーブプロジェクター処理(サブルーチン)を実行する(ステップS104)。そして、スレーブプロジェクター処理が終了すると、ステップS101に戻る。
SEARCHコマンドを受信していなければ(ステップS103:NO)、ステップS101に戻る。
次に、マスタープロジェクター処理(サブルーチン)について説明する。
図7は、マスタープロジェクター処理のフローチャートである。
制御部20は、無線通信部40に指示を出して、マスタープロジェクターID0自身が使用するアンテナを上アンテナATに切り替えさせる(ステップS201)。制御部20は、無線通信部40に指示を出して、他のプロジェクターに対して、SEARCHコマンドを送信させる(ステップS202)。SEARCHコマンドは、スレーブプロジェクターの有無を検索するためのコマンドである。本実施例1では、SEARCHコマンドは、プロジェクター101に送信される。
そして、制御部20は、無線通信部40がRESP(RESPONSEの略)コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS203)。RESPコマンドは、SEARCHコマンドを受信したプロジェクターから応答として送られるコマンドである。SEARCHコマンドに応答してRESPコマンドを送信したプロジェクターが、スレーブプロジェクターIDxとなる。
RESPコマンドを受信しなかった場合(ステップS203:NO)、プロジェクター100の制御部20は、スレーブプロジェクターが接続されていないと判断し、マスタープロジェクター処理を終了(リターン)する。
RESPコマンドを受信した場合(ステップS203:YES)、制御部20は、無線通信部40に指示を出して、各スレーブプロジェクターIDxと無線リンクを生成する(ステップS204)。無線通信部40は、スレーブプロジェクターIDxから、それぞれの属性情報である識別情報(ID)や、表示画素数の情報等を受信し、制御部20に通知する(ステップS205)。表示画素数の情報を受信する無線通信部40および制御部20が、画素数情報受信部に相当する。
制御部20は、各スレーブプロジェクターから受信した属性情報に基づき、配置情報データベースDBを初期化する(ステップS206)。具体的には、マスタープロジェクターID0、および、RESPコマンドを受信した全てのスレーブプロジェクターIDxについて、識別情報(ID)および表示画素数の情報を配置情報データベースDB0に格納する。本実施例1では、プロジェクター101をスレーブプロジェクターID1として認識する。
制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDx(本実施形態ではID1)へ、上アンテナ切替コマンドを送信させる(ステップS207)。ここで、上アンテナ切替コマンドとは、スレーブプロジェクターIDxの無線通信部40が使用するアンテナを、上アンテナATに切り替えさせるためのコマンドである。同様に、後述する左アンテナ切替コマンドとは、スレーブプロジェクターIDxの無線通信部40が使用するアンテナを、左アンテナALに切り替えさせるためのコマンドである。右アンテナ切替コマンドとは、スレーブプロジェクターIDxの無線通信部40が使用するアンテナを、右アンテナARに切り替えさせるためのコマンドである。下アンテナ切替コマンドとは、スレーブプロジェクターIDxの無線通信部40が使用するアンテナを、下アンテナABに切り替えさせるためのコマンドである。
スレーブプロジェクターIDxへ、上アンテナ切替コマンドを送信した後、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxの上アンテナATとの無線通信における電界強度を測定させる(ステップS208)。このとき、上述したようにマスタープロジェクターID0では、上アンテナATが選択されている。無線通信部40によって測定された電界強度の値は、制御部20に通知される。
次に、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxへ、左アンテナ切替コマンドを送信させる(ステップS209)。そして、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxの左アンテナALとの無線通信における電界強度を測定させる(ステップS210)。測定された電界強度の値は、制御部20に通知される。
次に、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxへ、右アンテナ切替コマンドを送信させる(ステップS211)。そして、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxの右アンテナARとの無線通信における電界強度を測定させる(ステップS212)。測定された電界強度の値は、制御部20に通知される。
次に、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxへ、下アンテナ切替コマンドを送信させる(ステップS213)。そして、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxの下アンテナABとの無線通信における電界強度を測定させる(ステップS214)。測定された電界強度の値は、制御部20に通知される。
制御部20は、無線通信部40に指示を出して、マスタープロジェクターID0自身が使用するアンテナを上アンテナATから左アンテナALに切り替えさせる(ステップS215)。
制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxへ、上アンテナ切替コマンドを送信させる(ステップS216)。そして、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxの上アンテナATとの無線通信における電界強度を測定させる(ステップS217)。測定された電界強度の値は、制御部20に通知される。
次に、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxへ、左アンテナ切替コマンドを送信させる(ステップS218)。そして、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxの左アンテナALとの無線通信における電界強度を測定させる(ステップS219)。測定された電界強度の値は、制御部20に通知される。
次に、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxへ、右アンテナ切替コマンドを送信させる(ステップS220)。そして、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxの右アンテナARとの無線通信における電界強度を測定させる(ステップS221)。測定された電界強度の値は、制御部20に通知される。
次に、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxへ、下アンテナ切替コマンドを送信させる(ステップS222)。そして、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxの下アンテナABとの無線通信における電界強度を測定させる(ステップS223)。測定された電界強度の値は、制御部20に通知される。
制御部20は、無線通信部40に指示を出して、マスタープロジェクターID0自身が使用するアンテナを左アンテナALから右アンテナARに切り替えさせる(ステップS224)。
制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxへ、上アンテナ切替コマンドを送信させる(ステップS225)。そして、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxの上アンテナATとの無線通信における電界強度を測定させる(ステップS226)。測定された電界強度の値は、制御部20に通知される。
次に、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxへ、左アンテナ切替コマンドを送信させる(ステップS227)。そして、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxの左アンテナALとの無線通信における電界強度を測定させる(ステップS228)。測定された電界強度の値は、制御部20に通知される。
次に、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxへ、右アンテナ切替コマンドを送信させる(ステップS229)。そして、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxの右アンテナARとの無線通信における電界強度を測定させる(ステップS230)。測定された電界強度の値は、制御部20に通知される。
次に、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxへ、下アンテナ切替コマンドを送信させる(ステップS231)。そして、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxの下アンテナABとの無線通信における電界強度を測定させる(ステップS232)。測定された電界強度の値は、制御部20に通知される。
制御部20は、無線通信部40に指示を出して、マスタープロジェクターID0自身が使用するアンテナを右アンテナARから下アンテナABに切り替えさせる(ステップS233)。
制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxへ、上アンテナ切替コマンドを送信させる(ステップS234)。そして、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxの上アンテナATとの無線通信における電界強度を測定させる(ステップS235)。測定された電界強度の値は、制御部20に通知される。
次に、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxへ、左アンテナ切替コマンドを送信させる(ステップS236)。そして、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxの左アンテナALとの無線通信における電界強度を測定させる(ステップS237)。測定された電界強度の値は、制御部20に通知される。
次に、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxへ、右アンテナ切替コマンドを送信させる(ステップS238)。そして、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxの右アンテナARとの無線通信における電界強度を測定させる(ステップS239)。測定された電界強度の値は、制御部20に通知される。
次に、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxへ、下アンテナ切替コマンドを送信させる(ステップS240)。そして、制御部20は無線通信部40に指示を出して、スレーブプロジェクターIDxの下アンテナABとの無線通信における電界強度を測定させる(ステップS241)。測定された電界強度の値は、制御部20に通知される。
制御部20は、無線通信部40に指示を出して、マスタープロジェクターID0自身が使用するアンテナを下アンテナABから上アンテナATに切り替えさせる(ステップS242)。
制御部20は、配置情報データベースDBに記憶されている全てのスレーブプロジェクターIDxについて、電界強度の測定が終了したか否かを判断する(ステップS243)。全てのスレーブプロジェクターIDxについて、電界強度の測定が終了していなければ(ステップS243:NO)、ステップS207に移行して、次のスレーブプロジェクターIDxについて、アンテナを切り替えながら電界強度の測定を行う。
全てのスレーブプロジェクターIDxについて、電界強度の測定が終了していれば(ステップS243:YES)、制御部20は、マスタープロジェクターID0に対するスレーブプロジェクターIDxの相対位置を検出する(ステップS244)。スレーブプロジェクターIDxの相対位置検出については、後述する。
全てのスレーブプロジェクターIDxの相対位置を検出すると、制御部20は、配置情報データベースDBを更新する(ステップS245)。即ち、各スレーブプロジェクターIDxの相対位置に応じて、配置情報データベースDB(DB1)を完成させる(図5(b)参照)。このように、配置情報データベースDBを更新して完成させる制御部20が、配置情報生成部に相当する。
制御部20は無線通信部40に指示を出して、各スレーブプロジェクターIDxに対して、完成した配置情報データベースDB(DB1)を送信させる(ステップS246)。このときの制御部20および無線通信部40が、配置情報送信部に相当する。
制御部20は、配置情報データベースDB(DB1)、および表示属性記憶部22に記憶されているプロジェクター100の表示画素数情報に基づいて、マスタープロジェクターID0、および全てのスレーブプロジェクターIDxによって構成される総表示画素数情報を算出する(ステップS247)。具体的には、マスタープロジェクターID0、および全てのスレーブプロジェクターIDxの投写画像を配置情報に従って並べることによって形成される画像全体の表示画素数(総表示画素数情報)を算出する。このときの制御部20が、総表示画素数算出部に相当する。そして、制御部20は、表示属性記憶部22に、総表示画素数情報を記憶させる(ステップS248)。そして、マスタープロジェクター処理(サブルーチン)を終了(リターン)する。
ここで、マスタープロジェクターID0が行うスレーブプロジェクターIDxの相対位置検出について説明する。
図8は、実施例1に係るマルチプロジェクションシステム1の相対位置検出の説明図であり、(a)は、マルチプロジェクションシステム1の正面図であり、(b)は、電界強度の測定結果の表である。
図8(b)の電界強度測定結果表H1には、左側にマスタープロジェクターID0が使用する各アンテナを示す項目が表されており、右側には、スレーブプロジェクターID1のアンテナ毎に測定された電界強度が表されている。この電界強度測定結果表H1は、マスタープロジェクターID0の制御部20に記憶されている。
マスタープロジェクターID0の上アンテナが電界強度を測定する場合、スレーブプロジェクターID1の上アンテナの電界強度を「ETT」とし、スレーブプロジェクターID1の左アンテナの電界強度を「ETL」とし、スレーブプロジェクターID1の右アンテナの電界強度を「ETR」とし、スレーブプロジェクターID1の下アンテナの電界強度を「ETB」として表している。
また、マスタープロジェクターID0の左アンテナが電界強度を測定する場合、スレーブプロジェクターID1の上アンテナの電界強度を「ELT」とし、スレーブプロジェクターID1の左アンテナの電界強度を「ELL」とし、スレーブプロジェクターID1の右アンテナの電界強度を「ELR」とし、スレーブプロジェクターID1の下アンテナの電界強度を「ELB」として表している。
さらに、マスタープロジェクターID0の右アンテナが電界強度を測定する場合、スレーブプロジェクターID1の上アンテナの電界強度を「ERT」とし、スレーブプロジェクターID1の左アンテナの電界強度を「ERL」とし、スレーブプロジェクターID1の右アンテナの電界強度を「ERR」とし、スレーブプロジェクターID1の下アンテナの電界強度を「ERB」として表している。
マスタープロジェクターID0の下アンテナが電界強度を測定する場合、スレーブプロジェクターID1の上アンテナの電界強度を「EBT」とし、スレーブプロジェクターID1の左アンテナの電界強度を「EBL」とし、スレーブプロジェクターID1の右アンテナの電界強度を「EBR」とし、スレーブプロジェクターID1の下アンテナの電界強度を「EBB」として表している。なお、電界強度測定結果表H1における数値は、サンプル値とする。
そして、マスタープロジェクターID0は、電界強度の測定結果を用い、図9に示すような判断テーブルによって、相対位置を判断する。
図9は、相対位置を判断するためのテーブルを表す説明図であり、(a)は、縦方向か斜め方向かを判断するテーブルであり、(b)は、縦方向の場合の上方向か下方向かを判断するテーブルであり、(c)は、斜め方向の場合に上方向か下方向かを判断するテーブルであり、(d)は、横方向か否かを判断するテーブルであり、(e)は、横方向の場合の右方向か左方向かを判断するテーブルである。これらの判断テーブルは、制御部20に記憶されている。
図9(a)の判断テーブルT1に示すように、「ETL≒ETR」かつ「EBL≒EBR」の場合は、スレーブプロジェクターIDx(ID1)はマスタープロジェクターID0に対して、縦方向に配置されていると判断する。「ETL>ETR」かつ「EBL>EBR」の場合は、スレーブプロジェクターIDx(ID1)はマスタープロジェクターID0に対して、右斜め方向に配置されていると判断する。「ETL<ETR」かつ「EBL<EBR」の場合は、スレーブプロジェクターIDx(ID1)はマスタープロジェクターID0に対して、左斜め方向に配置されていると判断する。
図9(a)の判断テーブルT1で縦方向と判断された場合には、図9(b)の判断テーブルT2を用い、「ETL>EBL」であれば、縦上方向であり、「ETL<EBL」であれば、縦下方向であると判断する。
図9(a)の判断テーブルT1で右斜め方向または左斜め方向と判断された場合には、図9(c)の判断テーブルT3を用い、「ETT>ETB」であれば、斜め下方向であり、「ETT<ETB」であれば、斜め上方向であると判断する。
図9(d)の判断テーブルT4に示すように、「ELT≒ELB」かつ「ERT≒ERB」の場合は、スレーブプロジェクターIDx(ID1)はマスタープロジェクターID0に対して、横方向に配置されていると判断する。
図9(d)の判断テーブルT4で横方向と判断された場合には、図9(e)の判断テーブルT5を用い、「ERT>ELT」であれば、右横方向であり、「ERT<ELT」であれば、左横方向であると判断する。なお、図9における「右」は、図8(および後述する図12、図14)におけるR方向(紙面左方向)に対応する。また、図9における「左」は、図8(および後述する図12、図14)におけるL方向(紙面右方向)に対応する。
ここで、図9で示した相対位置の判断について、相対位置検出処理としてフローチャートを用いて説明する。
図10は、相対位置検出処理のフローチャートである。
図10に示すように、マスタープロジェクターID0は、スレーブプロジェクターIDx(ID1)との電界強度の測定結果を用いて、スレーブプロジェクターIDx(ID1)の相対位置を検出する。
マスタープロジェクターID0の制御部20は、電界強度の測定結果に基づき、判断テーブルT1を用いて、スレーブプロジェクターIDxが縦方向に配置されているか否かを判断する(ステップS301)。縦方向に配置されている場合(ステップS301:YES)、制御部20は、判断テーブルT2を用いて、縦下方向に配置されているか否かを判断する(ステップS302)。縦下方向に配置されていていれば(ステップS302:YES)、制御部20は、スレーブプロジェクターIDxの相対位置は縦下方向と判断する(ステップS303)。そして、スレーブプロジェクターIDxの相対位置検出処理を終了する。
縦下方向に配置されていていなければ(ステップS302:NO)、制御部20は、スレーブプロジェクターIDxの相対位置は縦上方向と判断する(ステップS304)。そして、スレーブプロジェクターIDxの相対位置検出処理を終了する。
縦方向に配置されていない場合(ステップS301:NO)、制御部20は、右斜め方向に配置されているか否かを判断する(ステップS305)。右斜め方向に配置されている場合(ステップS305:YES)、判断テーブルT3を用いて、斜め下方向に配置されているか否かを判断する(ステップS306)。斜め下方向に配置されていていれば(ステップS306:YES)、制御部20は、スレーブプロジェクターIDxの相対位置は右斜め下方向と判断する(ステップS307)。そして、スレーブプロジェクターIDxの相対位置検出処理を終了する。
斜め下方向に配置されていていなければ(ステップS306:NO)、制御部20は、スレーブプロジェクターIDxの相対位置は右斜め上方向と判断する(ステップS308)。そして、スレーブプロジェクターIDxの相対位置検出処理を終了する。
右斜め方向に配置されていない場合(ステップS305:NO)、制御部20は、左斜め方向に配置されているか否かを判断する(ステップS309)。左斜め方向に配置されている場合(ステップS309:YES)、判断テーブルT3を用いて、斜め下方向に配置されているか否かを判断する(ステップS310)。斜め下方向に配置されていていれば(ステップS310:YES)、制御部20は、スレーブプロジェクターIDxの相対位置は左斜め下方向と判断する(ステップS311)。そして、スレーブプロジェクターIDxの相対位置検出処理を終了する。
斜め下方向に配置されていていなければ(ステップS310:NO)、制御部20は、スレーブプロジェクターIDxの相対位置は左斜め上方向と判断する(ステップS312)。そして、スレーブプロジェクターIDxの相対位置検出処理を終了する。
左斜め方向に配置されていない場合(ステップS309:NO)、制御部20は、判断テーブルT4を用いて、横方向に配置されているか否かを判断する(ステップS313)。横方向に配置されている場合(ステップS313:YES)、判断テーブルT5を用いて、右横方向に配置されているか否かを判断する(ステップS314)。右横方向に配置されていていれば(ステップS314:YES)、制御部20は、スレーブプロジェクターIDxの相対位置は右横方向と判断する(ステップS315)。そして、スレーブプロジェクターIDxの相対位置検出処理を終了する。
右横方向に配置されていていなければ(ステップS314:NO)、制御部20は、スレーブプロジェクターIDxの相対位置は左横方向と判断する(ステップS316)。そして、スレーブプロジェクターIDxの相対位置検出処理を終了する。横方向に配置されていない場合(ステップS313:NO)、スレーブプロジェクターIDxの相対位置検出を不可として終了する。
次に、スレーブプロジェクター処理(サブルーチン)について説明する。本実施例1でスレーブプロジェクターIDxとなるプロジェクター101の構成は、前述したように、マスタープロジェクターID0であるプロジェクター100と同様な構成とする。よって、同様の構成部には、同様の符号を使用する。また、図示は省略する。
図11は、スレーブプロジェクター処理のフローチャートである。
スレーブプロジェクターIDxの制御部20は、無線通信部40を介して、SEARCHコマンドを送信したマスタープロジェクターID0へ、RESPコマンドを送信する(ステップS401)。制御部20は、無線通信部40に指示を出して、マスタープロジェクターID0との無線リンクを生成する(ステップS402)。制御部20は、無線通信部40を介して、当該スレーブプロジェクターIDx(ID1)の属性情報(識別情報(ID)、表示画素数の情報等)をマスタープロジェクターID0に送信する(ステップS403)。
次に、制御部20は、無線通信部40を介して、アンテナ切替コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS404)。アンテナ切替コマンドを受信した場合(ステップS404:YES)、制御部20は、無線通信部40に指示を出して、指定されたアンテナに切り替えさせる(ステップS405)。そして、ステップS404に戻る。
アンテナ切替コマンドを受信していない場合(ステップS404:NO)、制御部20は、無線通信部40を介して配置情報データベースDB(DB1)を情報コマンドとして受信したか否かを判断する(ステップS406)。配置情報データベースDB(DB1)を受信していない場合(ステップS406:NO)、ステップS404に戻る。
配置情報データベースDB(DB1)を情報コマンドとして受信した場合(ステップS406:YES)、制御部20は、配置情報データベースDB(DB1)を記憶する(ステップS407)。そして、スレーブプロジェクター処理(サブルーチン)を終了(リターン)する。
上述したような処理を行うことで、実施例1のマルチプロジェクションシステム1では、判断テーブルT1および判断テーブルT2によって(換言すれば、電界強度「ETL」および「ETR」、「EBL」および「EBR」の値によって)、スレーブプロジェクターID1の相対位置は、縦下方向であることを判断できる。よって、図5(b)に示すように、スレーブプロジェクターID1の相対位置は、(x,y)=(0,−1)となる。そして、マスタープロジェクターID0は、配置情報データベースDB1を情報コマンドとしてスレーブプロジェクターID1に送信する。
このように、マルチプロジェクションシステム1において、配置情報生成処理が行われると、マスタープロジェクターID0およびスレーブプロジェクターID1の配置情報(即ち、配置情報データベースDB1)を、それぞれのプロジェクターが認識することができる。
(実施例2)
次に、プロジェクターを横に並べて配置したマルチプロジェクションシステムについて説明する。
図12は、実施例2に係るマルチプロジェクションシステムの説明図であり、(a)はマルチプロジェクションシステムの態様を表す正面図であり、(b)は、電界強度の測定結果の表である。
図12(a)に示すように、マルチプロジェクションシステム2は、プロジェクター100およびプロジェクター102が横(左右)に並べて配置されている。図12(b)に示す電界強度の測定結果(電界強度測定結果表H2)は、プロジェクター102、即ちスレーブプロジェクターID2との無線通信における電界強度である。なお、電界強度測定結果表H2における数値は、サンプル値とする。
このように配置されたマルチプロジェクションシステム2では、画像を横に並べて投写することが可能となる。例えば、プロジェクター100およびプロジェクター102の表示画素数が、それぞれ1920×1080ピクセルであれば、マルチプロジェクションシステム2では、3840×1080ピクセル相当の総表示画素数の画像を投写することが可能になる。具体的には、プロジェクター100が投写画像の右側の1920×1080ピクセルの投写を担当し、プロジェクター102が投写画像の左側の1920×1080ピクセルの投写を担当することができる。
本実施例のマルチプロジェクションシステム2においては、外部の画像供給装置から出力される画像信号は、プロジェクター100の画像信号入力部30に入力される。また、プロジェクター100の画像出力端子MOと、プロジェクター102の画像信号入力部30の画像入力端子とが画像ケーブル(図示せず)を介して接続されている。これにより、プロジェクター100から出力される画像信号が、プロジェクター102の画像信号入力部30に入力される。
マルチプロジェクションシステム2において、プロジェクター100の操作パネル21に備わるマルチプロジェクションキーが押下されると、プロジェクター100は、マスタープロジェクターID0として、プロジェクター100とともにマルチプロジェクションシステム2を構成する他のプロジェクターの検索を開始し、配置情報の生成を行う。
ここで、マルチプロジェクションシステム2における配置情報生成処理は、実施例1で示した処理と同様である。また、相対位置検出処理も実施例1で示した処理と同様である。よって、電界強度測定結果表H2と、判断テーブルT4および判断テーブルT5とによって(換言すれば、電界強度「ELT」および「ELB」、「ERT」および「ERB」の値によって)、スレーブプロジェクターID2は、マスタープロジェクターID0の左横方向に配置されていると判断される。
マスタープロジェクターID0は、配置情報データベースDBを更新する。ここで、本実施例における配置情報データベースDBについて説明する。
図13は、実施例2に係る配置情報データベースDB2の説明図である。
図13に示すように、スレーブプロジェクターID2の相対位置は、(x,y)=(−1,0)となる。そして、マスタープロジェクターID0は、配置情報データベースDB2を情報コマンドとしてスレーブプロジェクターID2に送信する。
このように、マルチプロジェクションシステム2において、配置情報生成処理が行われると、マスタープロジェクターID0およびスレーブプロジェクターID2の配置情報(即ち、配置情報データベースDB2)を、それぞれのプロジェクターが認識することができる。
(実施例3)
次に、プロジェクターを縦2列、横2列に並べて配置したマルチプロジェクションシステムについて説明する。
図14は、実施例3に係るマルチプロジェクションシステムの説明図であり、(a)はマルチプロジェクションシステムの態様を表す正面図であり、(b)は、電界強度の測定結果の表である。
図14(a)に示すように、マルチプロジェクションシステム3は、プロジェクター100、プロジェクター101、プロジェクター102、およびプロジェクター103が縦2列且つ横2列に並べて配置されている。図14(b)に示す電界強度の測定結果(電界強度測定結果表H3)は、プロジェクター103、即ちスレーブプロジェクターID3との無線通信における電界強度である。プロジェクター101、即ちスレーブプロジェクターID1との無線通信における電界強度は、電界強度測定結果表H1と同様とし、プロジェクター102、即ちスレーブプロジェクターID2との無線通信における電界強度は、電界強度測定結果表H2と同様とする。なお、電界強度測定結果表H3における数値は、サンプル値とする。
プロジェクター101,102,103の構成は、プロジェクター100と同様な構成とする。よって、同様の構成部には、同様の符号を使用する。また、図示は省略する。
このように配置されたマルチプロジェクションシステム3では、画像を4面並べて投写することが可能となる。例えば、プロジェクター100、プロジェクター101、プロジェクター102、およびプロジェクター103の表示画素数が、それぞれ1920×1080ピクセルであれば、マルチプロジェクションシステム3では、3840×2160ピクセル相当の総表示画素数の画像を投写することが可能になる。具体的には、プロジェクター100が投写画像の右上側の1920×1080ピクセルの投写を担当し、プロジェクター101が投写画像の右下側の1920×1080ピクセルの投写を担当し、プロジェクター102が投写画像の左上側の1920×1080ピクセルの投写を担当し、プロジェクター103が投写画像の左下側の1920×1080ピクセルの投写を担当することができる。
本実施例3のマルチプロジェクションシステム3においては、外部の画像供給装置(図示せず)から出力される画像信号は、プロジェクター100の画像信号入力部30に入力される。また、プロジェクター100の画像出力端子MOと、プロジェクター101の画像信号入力部30の画像入力端子とが画像ケーブル(図示せず)を介して接続されている。さらに、プロジェクター101の画像出力端子MOと、プロジェクター102の画像信号入力部30の画像入力端子とが画像ケーブル(図示せず)を介して接続されている。さらに、プロジェクター102の画像出力端子MOと、プロジェクター103の画像信号入力部30の画像入力端子とが画像ケーブル(図示せず)を介して接続されている。これにより、プロジェクター100に入力される画像信号を、プロジェクター101、プロジェクター102、およびプロジェクター103に入力することができる。
マルチプロジェクションシステム3において、プロジェクター100の操作パネル21に備わるマルチプロジェクションキーが押下されると、プロジェクター100は、マスタープロジェクターID0として、プロジェクター100とともにマルチプロジェクションシステムを構成する他のプロジェクターの検索を開始し、配置情報の生成を行う。
ここで、マルチプロジェクションシステム3における配置情報生成処理は、実施例1で示した処理と同様である。また、相対位置検出処理も実施例1で示した処理と同様である。スレーブプロジェクターID1、およびスレーブプロジェクターID2については、実施例1および実施例2で記載した処理によって、相対位置が判断される。スレーブプロジェクターID3については、電界強度測定結果表H3と、判断テーブルT1および判断テーブルT3とによって(換言すれば、電界強度「ETL」および「ETR」、「EBL」および「EBR」、「ETT」および「ETB」の値によって、)、マスタープロジェクターID0の左斜め下方向に配置されていると判断される。
マスタープロジェクターID0は、配置情報データベースDBを更新する。ここで、本実施例における配置情報データベースDBについて説明する。
図15は、実施例3に係る配置情報データベースDB3の説明図である。
図15に示すように、スレーブプロジェクターID1の相対位置は、(x,y)=(0,−1)となる。スレーブプロジェクターID2の相対位置は、(x,y)=(−1,0)となる。スレーブプロジェクターID3の相対位置は、(x,y)=(−1,−1)となる。そして、マスタープロジェクターID0は、配置情報データベースDB3を情報コマンドとしてスレーブプロジェクターID1,ID2,ID3に送信する。
このように、マルチプロジェクションシステム3において、配置情報生成処理が行われると、マスタープロジェクターID0およびスレーブプロジェクターID1,ID2,ID3の配置情報(即ち、配置情報データベースDB3)を、それぞれのプロジェクターが取得して認識することができる。
ここで、本実施形態(実施例1,2,3)で記載した相対位置検出のために使用するアンテナの組み合わせについて説明する。
図16は、相対位置検出のために使用するアンテナについての説明図である。
マルチプロジェクションシステム1,2,3における、縦方向位置検出、横方向位置検出、および斜め方向位置検出において、測定した電界強度の大小関係を比較するアンテナの組み合わせは、図16の大小関係比較表AH1のように表すことができる。上述したように各マルチプロジェクションシステム1,2,3において、縦方向の位置検出の場合には、マスタープロジェクターID0の上下のアンテナと、スレーブプロジェクターIDxの左右のアンテナとの電界強度を用いる。また、横方向の位置検出の場合には、マスタープロジェクターID0の左右のアンテナと、スレーブプロジェクターIDxの上下のアンテナとの電界強度を用いる。さらに、斜め方向の位置検出の場合には、マスタープロジェクターID0の上下のアンテナと、スレーブプロジェクターIDxの左右のアンテナとの電界強度を用いる。さらに、大小関係比較表AH1には図示しないが、斜め上下方向を検出するためにはマスタープロジェクターID0の上下のいずれかのアンテナと、スレーブプロジェクターIDxの上下のアンテナとの電界強度を用いる。
上述した実施形態(実施例1、実施例2、実施例3)によれば、以下の効果が得られる。
(1)プロジェクター100は、操作パネル21に備わるマルチプロジェクションキーが押下されると、マスタープロジェクターID0として、マスタープロジェクター処理を実行する。マスタープロジェクター処理では、他のプロジェクターにSEARCHコマンドを送信し、応答(RESPコマンド)によって、スレーブプロジェクターの有無を検出する。そして、無線リンクを生成する。プロジェクター101,102,103は、SEARCHコマンドを受信すると、スレーブプロジェクターID1,ID2,ID3としてスレーブプロジェクター処理を実行する。スレーブプロジェクター処理では、マスタープロジェクターID0に対して、プロジェクターの属性情報(識別情報(ID)や、表示画素数の情報)の送信を行う。これにより、マスタープロジェクターID0およびスレーブプロジェクターIDxのIDや表示画素数、相対位置を記憶するための配置情報データベースDBを初期化することができる。そして、マルチプロジェクションシステムにおける配置情報生成処理を行うことで、それぞれのプロジェクターの相対位置を検出することができる。
(2)マスタープロジェクターID0は、上面5Tに上アンテナ100AT、左面5Lに左アンテナ100AL、右面5Rに右アンテナ100AR、および下面5Bに下アンテナ100ABを備える。スレーブプロジェクターIDxは、それぞれ、上面5Tに上アンテナ10xAT、左面5Lに左アンテナ10xAL、右面5Rに右アンテナ10xAR、および下面5Bに下アンテナ10xABを備える。制御部20と無線通信部40は、マスタープロジェクターID0の各アンテナとスレーブプロジェクターID1の各アンテナとを切り替えて、各組み合わせの無線通信を行う。無線通信部40は、マスタープロジェクターID0の各アンテナと各スレーブプロジェクターIDxの各アンテナとの間で行われる無線通信の電界強度を測定し、制御部20は、電界強度測定結果表H1,H2,H3を生成する。そして、マスタープロジェクターID0は相対位置検出処理を行い、電界強度の大小関係に基づいて各スレーブプロジェクターIDxの相対位置を特定することができる。これにより、マスタープロジェクターID0に対して各スレーブプロジェクターIDxが、縦下方向、縦上方向、右斜め下方向、右斜め上方向、左斜め下方向、左斜め上方向、右横方向、左横方向のいずれであるかを判断することができるため、有益である。
(3)マスタープロジェクターID0は、検出した各スレーブプロジェクターIDxの相対位置に基づいて、配置情報データベースDBを完成させると、マルチプロジェクションシステム1,2,3を構成する全てのプロジェクターの相対的な配置関係を認識することができる。そして、マスタープロジェクターID0は、自身の投写領域を把握することが可能になる。つまり、入力される画像(画像信号)において、自身が投写を担当する範囲(投写領域)を把握し、投写することができるため、有益である。
(4)マスタープロジェクターID0は、配置情報データベースDB1,DB2,DB3を情報コマンドとして各スレーブプロジェクターIDxに送信する。これにより、全てのスレーブプロジェクターIDxが、各プロジェクターの配置関係を認識することが可能となり、さらに、スレーブプロジェクターIDxは、自分自身の配置を認識することができる。よって、マルチプロジェクションシステム1,2,3を構成する全てのプロジェクターは、自身の配置を認識することができ、入力される画像(画像信号)において、自身が投写を担当する範囲(投写領域)を把握することができる。つまり、入力される全体の画像信号から、自身の投射領域に対応する画像信号を抽出して投写することができるため、有益である。
(5)プロジェクター100(ID0)は、配置情報データベースDBにおける各プロジェクター100,101,102,103の表示画素数情報と配置情報とに基づいて、全てのプロジェクターによって構成される総表示画素数情報を算出する。そして、表示属性記憶部22に総表示画素数情報を記憶する。マスタープロジェクターID0の表示属性記憶部22に記憶された総表示画素数情報は、外部の画像供給装置から参照することが可能である。これにより、画像供給装置は、マルチプロジェクションシステム1,2,3の総画素数情報を参照して、当該総画素数情報に応じた画像を生成し、マルチプロジェクションシステム1,2,3のマスタープロジェクターID0に供給することが可能となるため、有益である。
(6)プロジェクター100は、マルチプロジェクションキーが押下されれば、マスタープロジェクターID0として動作し、SEARCHコマンドを受信すれば、スレーブプロジェクターIDxとして動作する。このように、マスタープロジェクターID0またはスレーブプロジェクターIDxのいずれとしても動作することが可能であるため、マルチプロジェクションシステムを構築する際の利便性が向上する。また、プロジェクター101,102,103についても、プロジェクター100と同様な構成であれば、マスタープロジェクターID0として動作したり、スレーブプロジェクターIDxとして動作したりすることが可能になり、マルチプロジェクションシステムを構築する際の利便性が向上する。
なお、上述した実施形態に限定されず、種々の変更や改良等を加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)上記実施形態では、画像供給装置(図示せず)は、マスタープロジェクターID0の表示属性記憶部22に記憶された総表示画素数情報に基づいて、全体画像(全体の画像信号)を生成して、マスタープロジェクターID0に供給するものとした。そして、マスタープロジェクターID0の画像出力端子MOと、スレーブプロジェクターID1の画像信号入力部30とを接続するものとした。同様に、各スレーブプロジェクターID2,ID3は、上流側のプロジェクターから直列的に接続して画像信号を入力するものとした。しかし、画像供給装置は、マスタープロジェクターID0とスレーブプロジェクターID1,ID2,ID3とに、それぞれ、画像信号を供給してもよい。つまり、画像供給装置と各プロジェクターとを並列的に接続してもよい。この場合、画像供給装置は、各プロジェクターの表示画素数情報と、各プロジェクターが配置情報データベースに基づいて認識した自身の配置を表す情報とを、各プロジェクターまたはマスタープロジェクターから取得して、各プロジェクターに、それぞれが投写を担当する範囲(投写領域)の画像の画像信号を供給してもよい。
(変形例2)上記実施形態では、プロジェクター100,101の2台によって構成されたマルチプロジェクションシステム1、および、プロジェクター100,102の2台によって構成されたマルチプロジェクションシステム2、および、プロジェクター100,101,102,103の4台によって構成されたマルチプロジェクションシステム3についての実施例を示したが、マルチプロジェクションシステムを構成するプロジェクターの数および配置は、これらに限定するものではない。マルチプロジェクションシステムを構成するプロジェクターの数は複数であればよく、配置は様々な態様とすることができる。なお、上記実施形態では、アンテナ毎の電界強度の大小関係によって、マスタープロジェクターID0に対するスレーブプロジェクターID1の相対位置、換言すれば相対方向を特定している。このため、マルチプロジェクションシステムを構成するプロジェクターの数が増えた場合、相対方向だけでは正確な配置情報が得られなくなる。このような場合は、電界強度の絶対的な値の大きさを用いることで、所定の方向における遠近を判断することが可能である。また、マスタープロジェクターID0に加えて、他のプロジェクターにサブマスタープロジェクターの権限を持たせて、マスタープロジェクターとサブマスタープロジェクターによって、それぞれ位置検出を行って、その結果を照合してマルチプロジェクションシステム全体の配置情報を生成してもよい。
(変形例3)上記実施形態では、マルチプロジェクションシステム1,2,3において、縦方向の位置検出の場合には、マスタープロジェクターID0の上下のアンテナと、スレーブプロジェクターIDxの左右のアンテナとの電界強度を用いた。また、横方向の位置検出の場合には、マスタープロジェクターID0の左右のアンテナと、スレーブプロジェクターIDxの上下のアンテナとの電界強度を用いた。斜め方向の位置検出の場合には、マスタープロジェクターID0の上下のアンテナと、スレーブプロジェクターIDxの左右のアンテナとの電界強度を用いた。しかしながら、縦方向、横方向、および斜め方向の位置検出に用いるアンテナの組み合わせは上述したものだけに限定するものではない。上述以外のアンテナの組み合わせを用いてもよい。
(変形例4)上記実施形態では、アンテナを切り替える順序は、上アンテナAT、左アンテナAL、右アンテナAR、下アンテナABの順序としたが、これに限定するものではない。他の順序でもよい。
(変形例5)上記実施形態では、プロジェクター100,101,102,103は、それぞれ4つのアンテナを備えるものとしたが、4つに限定するものではない。複数のアンテナを備えており、マスタープロジェクターID0がスレーブプロジェクターIDxの複数のアンテナを切り替えたときの電界強度の大小関係を検出して、相対位置を検出可能であればよい。
(変形例6)上記実施形態では、マスタープロジェクターID0とスレーブプロジェクターID1との無線通信は、Bluetoothによって行うものとしたが、Bluetoothに限定するものではない。他の無線通信を用いてもよい。
(変形例7)上記実施形態では、マスタープロジェクターID0に入力された画像信号は、画像信号出力端子MOに画像ケーブルを介して接続されたスレーブプロジェクターID1に入力されるものとした。同様にスレーブプロジェクターID1の画像信号出力端子MOからスレーブプロジェクターID2へ、スレーブプロジェクターID2の画像信号出力端子MOからスレーブプロジェクターID3へと、画像信号は入力されるものとした。しかしながら、画像ケーブルを使用せず、マスタープロジェクターID0が各スレーブプロジェクターIDxに対して、無線通信部40による無線通信によって、画像信号(画像情報)を送信してもよい。
(変形例8)上記実施形態における上アンテナAT、左アンテナAL、右アンテナAR、および下アンテナABの少なくとも1つは、他のプロジェクターとの無線通信に加えて、他の用途と兼用してもよい。例えば、プロジェクター100が3Dフォーマット映像を投写可能なプロジェクターであれば、プロジェクター100と3Dメガネとの同期を取るための無線通信と兼用してもよい。また、リモコン等との通信と兼用してもよい。
(変形例9)上記実施形態では、光源装置11は、放電型の光源ランプ11aを有して構成されているが、LED(Light Emitting Diode)光源やレーザー等の固体光源や、その他の光源を用いることもできる。
(変形例10)上記実施形態では、プロジェクター100,101,102,103は、光変調装置として、透過型の液晶ライトバルブ12R,12G,12B、即ち液晶パネルを用いているが、反射型の液晶ライトバルブ等、反射型の光変調装置を用いることも可能である。また、入射した光の射出方向を、画素としてのマイクロミラー毎に制御することにより、光源から射出した光を変調する微小ミラーアレイデバイス等を用いることもできる。
(変形例11)上記実施形態では、プロジェクター100を例にして説明しているが、表示装置は、プロジェクターに限定するものではない。例えば、透過型のスクリーンを一体的に備えたリアプロジェクター、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、CRT(陰極線管)ディスプレイ等のディスプレイ装置、またはテレビ受像機等の自発光型の表示装置等に適用することも可能である。