JP2016020426A - 塗料組成物、及び塗料組成物を基材に塗布してなる塗装物 - Google Patents

塗料組成物、及び塗料組成物を基材に塗布してなる塗装物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は抗カビ性成分が塗料よりブリードアウトすることによる環境汚染の心配がなく、かつ耐久性に優れた抗カビ性及び防藻性塗料組成物、及び塗料組成物を基材に塗布してなる塗装物を提供するものである。
【解決手段】本発明は、少なくとも樹脂成分からなる塗料組成物に有機微粒子の分子内に0.5〜12mmol/gのH型カルボキシル基を含有する抗カビ性有機微粒子を含有させてなる塗料用組成物、及び塗料用組成物を基材に塗布してなる塗装物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗カビ性塗料組成物及び基材に塗布した塗装物に関する。さらに詳しくは、特定の抗カビ性微粒子を配合することで抗カビ性の良好な塗料組成物を得られ、カビが発生し易い環境で使用する部材を塗装する場合に有用である。又、さらには防藻性にも効果のある塗料組成物が得られる。
住宅などの建築物は、外装材の表面を塗装して保護しているが、藻やカビによる汚れが大きな問題になってきている。又、屋内では日が当たりの悪く、温湿度が高く、じめじめした浴室、窓の周辺などに繁殖する場合が多い。
近年、塗料に防汚染性を付与した防汚塗料が開発され、油性の汚染物質が付着しにくくなるように塗料の親水性化が進んでいる。しかし、塗膜の親水性アップは塗膜表面にカビ、藻等の生物繁殖の問題を引き起こしていた。
従来より用いられてきた抗カビ性塗料は、窒素原子や硫黄原子を含む有機化合物を抗カビ剤として含有するものが多く用いられている。しかし、これらの有機系抗カビ剤は一般に毒性が高いという問題がある。又、特許文献1にはカチオン系抗菌剤を配合した抗菌防藻塗料が開示されているが、有機系抗カビ剤は低分子化合物であるために塗膜中からブリードアウトすることに起因する耐久性能の低下や塗膜近辺土壌への汚染が問題となっていた。一方、光触媒系無機微粒子を配合したと膜も上市されているが、塗膜の劣化が大きく耐久性に問題があった。
特開昭63−264502号公報
本発明の目的は、従来の有機系抗カビ剤を含有する塗料の問題点を解決し、環境汚染の心配がなく、かつ耐久性に優れた抗カビ性及び防藻性塗料組成物を提供することにある。さらには、塗料組成物を基材に塗布してなる塗装物を提供するものである。
本発明者は、上記の課題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、塗料組成物に分子内に特定量のH型カルボキシル基を含有する抗カビ性有機微粒子を含有させることで塗膜中からブリードアウトすることなしに藻やカビの繁殖を低減する効果を大幅に持続しうることを見出して、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(6)の構成を有するものである。
(1)少なくとも樹脂成分からなる塗料組成物に有機微粒子の分子内に0.5〜12mmol/gのH型カルボキシル基を含有する抗カビ性有機微粒子を含有させてなる塗料用組成物、(2)該有機微粒子が架橋型アクリレート微粒子であり、平均粒子径が50nm〜200μmの範囲にあることを特徴とする(1)に記載の塗料組成物、(3)該有機微粒子の固形分割合で1〜20重量%含まれる(1)又は(2)に記載の塗料組成物、(4)さらに、顔料、顔料分散剤、増粘剤、溶剤、凍結防止剤、消泡剤、造膜助剤、皮張防止剤、難燃剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤からなる群から選ばれた1種以上の添加剤を含有させてなる(1)〜(3)に記載の塗料組成物、(5)プライマー、トップコート中間層及びトップコート最上層からなる塗装物のトップコート層の最上層に用いた(1)〜(4)のいずれかに記載の塗料用組成物、(6)建築物の外壁材の表面又は屋根面を覆う屋根材の表面に塗膜を形成するために用いる請求項(1)〜(5)のいずれかに記載の建築物外装用塗料組成物、(7)請求項(1)〜(6)のいずれかに記載の塗料用組成物を基材に塗布してなる塗装物である。
本発明の塗料組成物及びは塗料組成物を基材に塗布してなる塗装物は、特定の有機高分子系抗カビ性微粒子を配合することで抗カビ性の良好な塗料組成物を得られ、カビが発生し易い環境で使用する部材を塗装する場合に有用である。又、さらには防藻性にも効果のある塗料組成物が得られる。
以下に、本発明の抗カビ性塗料組成物(以下、単に塗料組成物あるいは塗料組成物ともいう場合もある)及び塗料組成物を基材に塗布してなる塗装物を詳細に説明する。
本発明の抗カビ性塗料組成物は、合成樹脂に抗カビ性を有する有機微粒子を一定量配合し、均一に分散させたものである。
本発明に使用される樹脂成分としては、特に限定されないが、重縮合系樹脂、重付加重合系樹脂や付加重合系樹脂などを挙げることができる。又、本発明に使用される樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が使用することができ、その用途に応じて選択すれば良い。一方、水性塗料用として用いる場合には樹脂エマルジョンを用いれば良い。
縮合反応系樹脂の具体的な例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、尿素メラミン樹脂、アミノ樹脂、アルキド樹脂、フタル酸樹脂、脂肪酸変性フタル酸樹脂、フェノール変性フタル酸樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルデヒド樹脂又はケトン樹脂などが挙げられる。又、重付加重合系樹脂の具体的な例としては、ポリウレタンなどが挙げられる。
また、付加重合系樹脂としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂や炭化水素系樹脂、これらの共重合体などが挙げられる。アクリル系樹脂としてはポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル系樹脂、及びその共重合体である。酸ビニル系樹脂としてはアクリル−スチレン共重合体、アクリル−酢酸ビニル共重合体、アクリル−塩化ビニル共重合体、アクリル−エチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−塩ビ共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−スチレン共重合体等の酢酸ビニル系樹脂である。塩化ビニル系樹脂としてはポリ塩化ビニル、塩ビ−アクリル共重合体、塩ビ−エチレン共重合体、塩ビ−スチレン共重合体等の塩化ビニル系樹脂である。炭化水素系樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等である。
又、本発明に使用する樹脂成分は、熱可塑性樹脂だけでなく、熱硬化性樹脂を使用しても良い。具体的には、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等である。
また、これらの他に無機成分で変性した合成樹脂も使用でき、セラミック変性フッ素樹脂、セラミック変性ウレタン樹脂、セラミック変性アクリル樹脂などが挙げられる。又、2種以上の異種ポリマーを粒子内に含む複合樹脂も使用可能であり、ウレタン/アクリル、エポキシ/アクリル、シリコーン/アクリル、ポリエステル/アクリル、フッ素樹脂/アクリル、コロイダルシリカ/アクリル、ニトロセルロース/アクリル、メラミン樹脂/アクリル等が挙げられる。
本発明に用いる抗カビ有機微粒子としては有機微粒子の分子内に0.5〜12mmol/gのH型カルボキシル基を含有する有機微粒子を用いる。具体的には、ビニル系重合体から得られる架橋型アクリレート微粒子であるが、該架橋型アクリレート微粒子はH型カルボキシル基および架橋構造を有していることが必要である。本発明において、H型カルボキシル基は菌類の繁殖を低減する機能を発現させる要因となっていると考えられる。カルボキシル基の型としては、H型であることが重要であるが、金属塩型カルボキシル基が共存していてもよい。
ビニル系重合体へのH型カルボキシル基の導入の方法としては、特に限定は無く、例えばH型カルボキシル基を有する単量体を単独重合又は共重合可能な他の単量体と共重合することによって重合体を得る方法、化学変性によりH型カルボキシル基を導入する方法、あるいはグラフト重合によりH型カルボキシル基を導入する方法等が挙げられる。
H型カルボキシル基を有する単量体を重合してH型カルボキシル基を導入する方法としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルプロピオン酸等のカルボキシル基を含有するビニル系単量体の単独重合、あるいは2種以上の該単量体からなる共重合、あるいは、これらの単量体と共重合可能な他の単量体との共重合により、共重合体を得る方法が挙げられる。
化学変性によりH型カルボキシル基を導入する方法としては、例えば化学変性処理すればカルボキシル基を得られるような官能基を有する単量体よりなる重合体を得た後に、加水分解によって塩型またはH型カルボキシル基に変性し、塩型カルボキシル基の場合にはイオン交換樹脂等でH型カルボキシル基に変換する方法が挙げられる。このような方法をとることのできる単量体としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基を有する単量体;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルプロピオン酸等の誘導体などが挙げられ、具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ノルマルプロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ノルマルブチル、(メタ)アクリル酸ノルマルオクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート等のエステル化合物、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の無水物、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、モノエチル(メタ)アクリルアミド、ノルマル−t−ブチル(メタ)アクリルアミド等のアミド化合物等が挙げられる。
また、本発明に採用する架橋構造は特に限定はなく、共有結合による架橋、イオン架橋、ポリマー分子間相互作用または結晶構造による架橋等いずれの構造のものでもよい。架橋構造を導入する量としては、上述したH型カルボキシル基量および最終的に得られる抗菌・防藻用微粒子に必要なその他の特性を勘案して決定すればよい。すなわち、高い抗菌・防藻用性能が必要であれば、架橋構造を少なくし、できるだけ多くのH型カルボキシル基を導入することが望ましいし、形態安定性が求められるならば、架橋構造を多くすることが望ましい。
また、本発明の抗カビ性有機微粒子の形態は、乾燥粉末状、水分散エマルジョン状、有機溶媒分散状など用途に応じて任意に選定でき、50nm〜200μmの粒子径の範囲のものが使用できる。粒子径は5μm以下の場合、取り扱いおよび安定性の点から、水に分散したエマルジョン状のものが好ましい。抗カビ性有機微粒子の粒子径としては、平均粒子径が10nm〜500μmの範囲にあることが好ましいが、さらに好ましくは50nm〜200μmの範囲である。平均粒子径が10nm未満ではブリードアウトが起こり。平均粒子径が500μm以上では塗料等の液体物に混合する場合に沈降速度が速く、ハンドリング性が低下あるいは均一分散できないといった問題が発生する。
本発明の抗カビ性塗料組成物は、抗カビ性有機微粒子、合成樹脂及び溶剤を含む組成物である。溶剤としては、合成樹脂を溶解又は分散できるものであり、水や、酢酸エチル、トルエンなどの有機溶剤、それらの混合溶剤を使用することができる。
本発明の抗カビ性塗料組成物に添加する抗カビ性有機微粒子の添加量としては、上記樹脂の固形分に対して1〜20重量%、好ましくは3〜15重量%である。1重量%未満だと抗カビ・防藻効果が期待できず、20重量%を超えると塗膜物性低下するので好ましくない。
本発明の塗料組成物では、抗カビ性微粒子が高分子化合物であるために、塗料組成物成分からブリードアウトして脱落することが起こりにくく、その効果が長続きするものと考えられる。
さらに、塗料の用途に応じて、顔料、顔料分散剤、増粘剤、溶剤、凍結防止剤、消泡剤、造膜助剤、皮張防止剤、難燃剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤を含有させても良い。これら添加剤は単独で含有してもよいし、2種以上を組み合わせて含有してもよい。
上記塗料組成物には、成膜助剤、可塑剤、変性剤、表面調整剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤、防腐剤、凍結防止剤、防錆剤、紫外線吸収剤、光安定剤、架橋剤、増粘剤あるいは艶消し剤等の添加剤を配合しても構わない。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等が挙げられ、光安定剤としては、ヒンダードアミン系などを配合できる。これらは併用すれば、更に大きな効果を得ることができる。
増粘剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリピニルピロリドン、スチレン−マレイン酸共重合体、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボン酸系共重合体等が挙げられ、単独で用いても2種以上を配合しても構わない。
艶消し剤としては、合成樹脂ビーズや、炭酸カルシウム、クレー、タルク、マイカ粉、バライト、徴粉シリカ、珪藻土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ガラスビーズ等の無機酸化物系ビーズが挙げられる。
本発明が適用される建築物として、戸建住宅、中高層ビル、倉庫、工場、橋梁、橋脚、プラント、タンク等が挙げられる。抗カビや防藻効果が要求される建築物であれば特に限定されない。本発明の塗料組成物は外壁や屋根材に優れた効果が得られるが、屋内の温湿度が高い水周りや浴槽などの部材にも効果が得られる。
本発明の塗料用組成物及びそれから得られる塗装材は、カビ類・藻類が発生していない塗装材にその効果を発現するだけでなく、カビ類・藻類が繁殖して生物汚染が進んでいる建築物の外装・内装などの部材に塗布しても効果が得られる。生物汚染が進んでいる建築物の場合はカビや藻を実質的に除去した後に、本発明の塗料を塗布すれば良い。
塗料の塗布方法としては、刷毛塗り方法、タンボ塗り方法、吹付け方法、ローラー方法、静電気的特性を利用した方法等が挙げられる。具体的な吹付け方法としては、エアスプレー、コールドスプレー、ホットスプレー、エアレススプレー、エアゾルスプレー等である。電気的特性を利用した方法としては静電塗装等が挙げられる。塗布方法は作業環境や目的に応じて適宜選択される。
また、本発明の塗料用組成物は、塗布した塗膜の厚が0.5〜30μm、好ましくは1〜25μmの膜厚である。上記厚み範囲の下限外れた場合には抗カビ性及び防藻性の効果が小さくなるので好ましくない。又、上記厚み範囲の上限外れた場合には塗布厚みを一定とすることが難しくなるので好ましくない。
本発明の塗料用組成物は、建築物外装用塗料組成物として有用であり、建築物の外壁材の表面又は屋根面を覆う屋根材の表面に塗膜を形成するため使用することができる。又、建材用外装部材の最上塗膜層に塗装することでその効果を発揮できる。
本発明の塗料組成物は、多層構造の塗装材に用いることもできる。具体的には、プライマー、トップコート中間層及びトップコート最上層からなる塗装物のトップコート最上層に用いることができる。トップコート最上層としては、木材、床材、化粧合板、モルタル、セメント、漆喰、アルミ材、水回り用品、飼料容器、皮製品、合皮製品、家具、壁紙、空調装置の空調風路を構成する空調風路部材、鉄鋼製品、ハウスラップ、断熱材、台所用品、トイレ用品、用水路、人工池、又は自動車内装材に塗布した塗装材などが挙げられる。
本発明の塗料組成物は、貝類などの水棲生物が船底に付着することを抑えられるので、船底塗料用として使用することができる。船底への付着を抑えることで、船底の表面をなめらかに保つことや付着した水棲生物を取りのぞく作業を減少させることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例中、部及び百分率は特に断りのない限り重量基準で示す。実施例中の評価及び測定は以下の方法で行った。
〔抗カビ性有機微粒子の製造〕
アクリロニトリル57%、アクリル酸メチル9%、ジビニルベンゼン31%、及びp−スチレンスルホン酸ナトリウム3%からなるモノマー混合物30部を、モノマー比で1.2%の過硫酸アンモニウムを含む水溶液70部に添加し、攪拌機つきの重合槽に仕込んだ後に135℃、25分間重合した。得られた重合体エマルジョン90部に40%水酸化ナトリウム水溶液10部を加え、95℃で加水分解を行った。この時の反応時間を調整することで有機微粒子のカルボキシル基量を調整した。得られたエマルジョンを陽イオン交換樹脂によりpH2.5に調整することでカルボキシル基をH型とし、粒子径が720nmのエマルジョン状の有機微粒子Aを得た。このエマルジョンを卓上スプレードライ設備で120℃の乾燥条件で乾燥造粒させて粒子径が24μmの粉体状の有機微粒子Bを得た。得られた有機微粒子は分子内に6.2mmol/gのH型カルボキシル基を含有する抗カビ性有機微粒子であった。
<H型カルボキシル基量の測定>
純水100mlに固形分(A[%])のエマルジョン状の抗ウイルス用粒子(B[g])を加え、スターラーで攪拌しながら0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液で常法に従って滴定曲線を求めた。該滴定曲線からH型カルボキシル基に消費された水酸化ナトリウム水溶液消費量(C[ml])を求め、次式によってカルボキシル基量を算出した。
H型カルボキシル基量[mmol/g]=0.1×C/(B×A×0.01)
<抗黒カビ性評価法>
試験片を滅菌済バイアル内に置いて、試験菌液を滴下し、ふたをした。抗黒カビ性評価は生菌数で行い、評価スタート段階と温度35℃・相対湿度90%以上の環境で18 時間培養した後で、試験菌を洗い出し、洗い出し液中の生菌数を測定した。生菌数の評価はアデノシン三リン酸と酵素と組み合わせて発光量で評価するATP法で黒カビ量を測定し、バイアル内での保存時間をスタート(試験菌)及び18 時間培養後で生菌数の増加の有無を評価した。
(実施例1)
抗カビ材を含まない市販のアクリル系白色水性エマルジョン塗料を用いて、固形分換算で塗料80重量部に対し、有機微粒子Aを固形分換算で20重量部を添加して混合し、塗料用組成物を作成した。得られた塗料をエアスプレー法で膜厚3μmとなるようにテフロン(登録商標)製シートに均一に塗装して乾燥した。乾燥後に、テフロン(登録商標)製シートより塗膜を剥離し、評価用試験片を得た。
次に、抗黒カビ性評価を行った。塗装して得られた試験片を用いて、評価方法にしたがって、スタート及び18時間後の生菌数を測定した。その結果は、スタート(試験菌液)は、生菌数量が8.0×10−15mol/バイアルに対して、18時間後の生菌数は1.4×10−15mol/バイアルであり、抗カビ効果が得られていた。
(比較例1)
実施例1において、有機微粒子Aを含まない塗料用組成物を作成し、実施例1と同様にして評価用試験片を得た。次に、抗黒カビ性評価を行った。塗装して得られた試験片を用いて、評価方法にしたがって、スタート及び18時間後の生菌数を測定した。その結果は、スタート(試験菌液)は、生菌数量が8.0×10−15mol/バイアルに対して、18時間後の生菌数は6.0×10−12mol/バイアルであり、生菌数は増加していた。
本発明はカビが発生し易い環境で使用する部材を塗装する場合に有用な抗カビ性の良好な塗料組成物を得られる。本発明の塗料組成物を塗布した塗装物は、抗カビ性及び防藻性にも効果があり、優れた建築物外装を得られる。

Claims (7)

  1. 少なくとも樹脂成分からなる塗料組成物に有機微粒子の分子内に0.5〜12mmol/gのH型カルボキシル基を含有する抗カビ性有機微粒子を含有させてなる塗料用組成物。
  2. 該有機微粒子が架橋型アクリレート微粒子であり、平均粒子径が50nm〜200μmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の塗料組成物。
  3. 該有機微粒子が塗料固形分割合で1〜20重量%含有含する請求項1又は請求項2に記載の塗料用組成物。
  4. さらに、顔料、顔料分散剤、増粘剤、溶剤、凍結防止剤、消泡剤、造膜助剤、皮張防止剤、難燃剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤からなる群から選ばれた1種以上の添加剤を含有させてなる請求項1〜3のいずれかに記載の塗料用組成物。
  5. プライマー、トップコート中間層及びトップコート最上層からなる塗装物のトップコート層の最上層に用いた請求項1〜4のいずれかに記載の塗料用組成物。
  6. 建築物の外壁材の表面又は屋根面を覆う屋根材の表面に塗膜を形成するために用いる請求項1〜5のいずれかに記載の建築物外装用塗料組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の塗料用組成物を基材に塗布してなる塗装物。
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