JP2016020263A - 糸条巻取体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】モノフィラメントに代表される糸条の巻取体の製造方法であって、糸条巻取体から糸条を引き出す際に輪抜けや綾角の隙間に糸が食い込むことによる解舒不良を防止できるとともに、輸送中の振動などで発生する巻崩れを防止できる機構を備えた巻取体の製造方法を提供する。【解決手段】トラバース装置8を介して走行する糸条1を巻取ローラー6に自動的に巻取るに際し、巻取ローラー6の巻取軸7に対し平行に配置され、かつアーム4で支持された押圧ローラー3により、前記巻取ローラー6に巻取られた糸条巻取面最外周部の巻幅面を、巻取られる糸条の曲げ硬さの0.5〜3.0倍の圧力で押圧することを特徴とする糸条巻取体の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、モノフィラメントに代表される糸条を自動的に巻取って糸条巻取体を製造する方法に関するものであり、さらに詳しくは、糸条を自動的に巻取って糸条巻取体を製造するに際し、巻取張力を高く設定しなくても巻密度の高い糸条巻取体を得ることができ、糸条巻取体から糸条を引き出す際の輪抜けや綾角の隙間に糸が食い込むことによる解舒不良を防止でき、さらに、糸条巻取体を輸送する際の振動などで発生する巻崩れを防止可能な糸条巻取体を製造する方法に関するものである。
シートや糸条などの巻取装置や巻取方法については、従来から多くの検討がなされており、その代表例としては、例えば、原反ロールから繰り出された一続きの原反シートを、垂直面内で回転自在な左右一対の巻取ドラム上で再び巻取った巻取ロールの上部に、垂直面内で回転自在に、かつ昇降自在にライダーロールが設けられたツードラムワインダーを制御する装置であって、原反シートの坪量と巻取ロールの検出された巻取長および巻取径とから巻取ロールの巻取密度を常時算出し、この巻取ロールの巻取密度が常時一定になるように巻取ロールのニップ圧を調整する方法(例えば、特許文献1参照)が挙げられ、この方法によれば、巻硬さを下層から上層まで正確に均一化でき、しかも所望の巻硬さを高精度に実現でき、手間をかけずに高精度なテーパー巻ができ、輸送時や巻取時において巻取ロールの形崩れやテレスコープを防止できるとされている。
しかしながら、前述した公知技術の装置および方法は、紙などの原反シートを巻取るのには適するが、合成樹脂からなるモノフィラメントに代表される糸条を巻取るに際しては、構造が複雑である上に高価な装置であるため応用することが困難であった。何故なら、従来からモノフィラメントに代表される糸条を巻取る作業は張力調整が簡単で、且つ安価なトルクモーターを駆動源として、さらにトラバース装置の機構を備えていることから、トラバース装置によって糸条の往復運動が可能であり、巻取ローラーとしてはボビンや大綛などに巻取る装置を用いるといった、簡易的な構造かつ安価な部品を使用することで行われていたのに対し、装置がかなり複雑で高価なものになるからである。
ところで、一般的なモノフィラメントの中でも直径が太い糸条を巻取るに際しては、糸の直径が太いゆえに糸の剛性が強すぎることによって、張力調整やトラバース装置の調整だけでは巻密度を高くすることが難しく、糸条巻取体から糸条を引き出す際の輪抜けや、巻密度を高くするために巻取張力を高くすることによって綾角の隙間に糸が食い込み、解舒不良を引き起こすことが問題となっていた。さらには、巻密度が高くならない場合は、糸条巻取体を輸送する際に振動などで巻崩れが発生する恐れもあるため、改善が必要とされていた。
特開平10−194534号公報(要約など)
本発明は、上述した従来の問題点を解決すべく検討した結果、達成されたものである。
したがって、本発明の目的は、モノフィラメントに代表される糸条を自動的に巻取るに際し、巻取張力を高く設定しなくても巻密度を高くすることができ、糸条巻取体から糸条を引き出す際の輪抜けや、綾角の隙間に糸が食い込むことによる解舒不良を防止することができ、さらに、糸条巻取体を輸送する際の振動などで発生する巻崩れを防止することが可能な糸条巻取方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、トラバース装置を介して走行する糸条を巻取ローラーに自動的に巻取るに際し、巻取ローラーの巻取軸に対し平行に配置され、かつアームで支持された押圧ローラーにより、前記巻取ローラーに巻取られた糸条巻取面を巻幅の全幅に渡って、巻取られる糸条の曲げ硬さの0.5〜3.0倍の圧力で押圧する糸条巻取方法が提供される。
なお、本発明の糸条巻取方法においては、
走行する糸条の綾角を0.5°〜5.0°の範囲として巻取ること、および
糸条が直径1.00〜5.00mmのモノフィラメントであること
が、いずれも好ましい条件であり、これらの条件を適用した場合には、さらに優れた効果を得ることができる。
本発明によれば、以下に説明するとおり、巻取張力を高く設定せずに巻密度を高くすることができることに加え、糸条巻取体から糸条を引き出す際の輪抜けや綾角の隙間に糸条が食い込むことによる解舒不良を防止することができる。さらに、巻取密度が高いことから、輸送中の振動による巻乱れが防止でき、さらに、糸条巻取体が嵩張ることなくコンパクトな形態にすることができ、輸送コストをも抑えることができる。
本発明で使用する装置の第1の実施態様を示す正面図である。 図1の平面図である。 本発明で使用する装置の第2の実施態様を示す正面図である。
以下に、本発明について図面に基づき詳細に説明する。
まず図1は本発明で使用する糸条巻取装置2の第1の実施態様を示す正面図である。さらに図2は図1の平面図である。
図1および図2に示したように、走行する糸条1は、トラバース装置8に取り付けられたトラバースガイド16を介して、巻取ローラー6に巻取られる。このとき、トラバース装置8の往復運動によって、糸条1は巻取ローラー6の両鍔間を行き来し、巻取ローラー6の巻幅いっぱいに巻取られる。
糸条巻取装置2は、図1または図2に示すように、巻取軸7に平行な押さえ軸を持つ押圧ローラー3と、この押圧ローラー3を支持し、巻取時に巻取面9に対して平行に押圧ローラー3が移動できるように支持するアーム4を備えており、押圧ローラー3の押圧力を任意に調整できる機構を備えている。
したがって、巻取軸7および巻取面9に対して平行な押さえ軸を持つ押圧ローラー3によって、糸条1を巻取ローラー6に巻付け始めた際の最内周部から巻上げが完了する時まで、確実に巻取面9を押さえ続けることができる。巻取面9を押さえ続けることによって、巻取張力を高く設定せずとも巻密度を高くすることができ、輸送中の振動による巻乱れが防止できるうえに、糸条巻取体が嵩張ることなくコンパクトな形態にすることが可能となる。なお、巻密度の指標としては、実施例に記載の巻硬度の測定によって求められる巻硬度の測定値を用いることができる。つまり、巻硬度の測定値が大きいほど巻密度が高く、巻硬度の測定値が小さいほど巻密度が低いと言える。
ここで、巻取体の直径(各時点での巻取面がなす円柱の直径)は、巻付け開始から巻上げ完了まで巻取量が増えるにしたがって刻々と増大していく。このため、押圧ローラー3で巻取面9を経時的に均一な圧力で押さえ続けるためには、押圧ローラー3が巻取面9に対して平行を保ちながら移動できることが必要となる。押圧ローラー3の押さえ面が巻取軸7および巻取面9に対して平行でない場合には、巻取面9を押さえることが困難となり、幅方向の位置によって押圧ローラー3で押さえられている部分と押さえられない部分とが存在することとなり、糸条巻取体の巻密度の斑や巻硬度の斑が発生する原因となる。
押圧ローラー3を支持しているアーム4については、巻取軸7および巻取面9に対して、平行に前記押圧ローラー3が移動できるように支持する必要がある。上述したとおり、糸条を巻取るに際し巻付け開始から巻上げ完了まで巻取面9の直径は刻々と増大していくため、常に押圧ローラー3で巻取面9を押さえるためである。糸条巻取時に巻取面9に対して押圧ローラー3が平行に移動できない様に支持した場合は、糸条の巻取最中に巻取ローラーの両鍔にアーム4が干渉し巻取を阻害したり、アーム4の破損につながることがある。図示した例によれば、アーム4を押圧ローラー3の軸となる部分で支持することで、押圧ローラー3の動作を阻害することなく、巻取面9を押さえることが可能となる。
この第1の実施態様の装置によれば、押圧ローラー3を支持しているアーム4に、支点軸17が設けられており、この支点軸17は根元部分で支点把持具18によって把持されており、この支点軸17を中心としてガイド軸13と押圧ローラー3を移動できるものとなっていて、押圧ローラー3が巻取軸7および巻取面9に対して平行に移動することができる。
また、第1の実施態様の装置においては、ガイド軸13の根元部分を可動スペースブロック15内に配置した。可動スペースブロック15は、ガイド軸13の可動範囲を規制するものであり、この可動スペースブロック15を設置することが、押圧ローラー3を支持するアーム4の可動域を安定させる上で好ましい。つまり、前記ガイド軸13は、糸条1の巻始めから巻終わりまでに最大15Aから15Bの範囲の間で任意に移動可能である。従って、可動スペースブロック15の15Aから15Bの長さ範囲については、糸条を巻取る際に使用する巻取ローラー6や所望の巻量などを考慮し、糸条1を巻付け始めた際の最内周部から巻上げが完了する際まで押圧ローラー3が巻取面9を押さえ、且つ確実に移動できる長さ範囲が最低限必要である。
第1の実施態様の装置においては、巻取ローラー21よりも外側に押圧ローラー3が位置した状態で、押圧ローラー3を支持するアーム4を把持しているガイド軸13を固定できるガイド軸固定治具15Cが設けられている。前記ガイド軸固定治具15Cは、長さ範囲15Bの延長線上つまり可動スペースブロック15の巻取軸7側に設けられており、これにより押圧ローラー3を支持するアーム4を備えたガイド軸13を固定することができ、巻取ローラーの交換、糸条の巻付けが容易に出来るようになるのである。
そして、本発明においては、押圧ローラー3が巻取面9を押さえる力(以下、単に押圧力と記す場合もある)を、巻取られる糸条1の曲げ硬さの0.5〜3.0倍の範囲の押圧力とすることが重要である。さらに、曲げ硬さの1.2〜2.0倍の範囲の押圧力であることが好ましい。なお、押圧力は、上記範囲内であれば、巻始めから巻終わりまでの間に変化してもよい。
押圧力が上記範囲を下回る場合には、巻密度が高くならず、糸条巻取体から糸条1を引き出す際の輪抜けが起こりやすくなる。また、押圧力が上記範囲を上回る場合には、巻取る糸条1が潰れて、糸条の品質に悪影響を及ぼすことに加え、綾角の隙間に糸条1が食い込むことにより、糸条1を引き出す際の解舒不良の原因となり、巻締まりによって巻取ローラー6が破損する原因となる。
ここで、本発明において押圧力の決定に使用する糸条1の曲げ硬さの測定方法を説明する。まず50mm長に切った糸条1を、直径2mmのステンレス棒を軸中心の間隔を10mm隔てて水平方向に設置した上にセットし、その中央部に直径2mmのステンレス製フックを掛け、株式会社ミネベア製「TCM−200型万能引張・圧縮試験機」を用いて、引取速度50mm/分で引き抜いたときの最大曲げ硬さ応力を測定し、これを糸条1の曲げ硬さとする。前記曲げ硬さの単位はN(ニュートン)である。
押圧ローラー3の押圧力を任意に調整する機構として、第1の実施態様の装置では、補強板14に荷重板5を取り付ける方法を採用した。図1および図2に示したように、補強板14はアーム4に取り付けることにより、押圧ローラー3の質量や経年によるアーム4の歪みや変形を防ぐとともに荷重板5を取り付けるための架台としての機能も併せ持つ。本装置において、押圧ローラー3の押圧力を調整する機構として、補強板14に荷重板5を取り付ける方法を使用する利点としては、巻取られる糸条の曲げ硬さに応じて押圧力を調整すべく、荷重の追加や削減が容易にできることが主に挙げられる。補強板14へ荷重板5を掛ける方法については特に指定はないが、糸条巻取時に荷重板5が外れたり落下したりしないように取り付ける必要がある。荷重板5についても特に指定はなく、巻取る糸条の曲げ硬さによって適宜荷重を選択すればよい。例えば、糸条1の曲げ硬さの測定数値が20Nの場合、押圧力を糸条1の曲げ硬さの1.5倍に設定するとした際、1N=0.102kgfであることから糸条1の曲げ硬さ測定値20N=2.04kgfとなり、1.5倍として3.06kgfの荷重板5を使用することで押圧力を選定できる。
押圧ローラー3の押圧力を任意に調整する機構の別の例としては、図3で図示した第2の実施態様の装置のように、エアシリンダー19を使用する機構が挙げられる。つまり、ブロック20に固定されたエアシリンダー19にアーム4を取り付け、押圧ローラー3の両端を把持している機構である。この機構では、前記エアシリンダー19の圧空圧力を調整することによって、押圧ローラー3の押圧力を任意に調整することが可能となる。
上述した押圧ローラー3の押圧力を調整する機構については、本発明においての一例であり、これらの方法を使用することによって、本発明の効果を十分に発揮することができる。また、実際の押圧力は、押圧ローラー3で巻取面9を押さえた状態で、押圧ローラー3にかかる力を押引ばねばかり等で測定することができる。さらに詳しくは、糸条1の曲げ硬さの測定数値が20Nの場合、押圧力を糸条1の曲げ硬さの1.5倍に設定するとした際、1N=0.102kgfであることから糸条1の曲げ硬さ測定値20N=2.04kgf、1.5倍で3.06kgfになるようにエアシリンダー19の圧空圧力を調整すればよい。
さらに、本発明において使用する押圧ローラー3の種類については、特に特別なものを選択する必要はなく、市販のものを主に使用することができるが、例えば、株式会社加貫ローラ製作所製「商品名:タッチローラー」が主に挙げられる。また、押圧ローラー3の素材については特に指定はないが、主にゴム製、金属製、樹脂製、スポンジ製などが挙げられる。中でもゴム製のローラーを使用した場合は、防錆、耐腐食性の面に優れているとともに、ローラーの表面の平滑性が良く、さらにはローラー自体の表面の硬度も巻取る糸条に応じて、柔らかいものから硬いものまで様々な種類から選択することができるため、糸条を巻取るに際し、巻取られる糸条の表面にキズを付けることがなく、好適に使用が可能である。
押圧ローラー3の幅としては、巻取面9を確実に押さえられる幅であれば特に制限はないが、略糸条巻取ローラーの巻幅と同等であることが好ましい。押圧ローラーの幅が狭すぎる場合は、糸条を押さえながら巻取っていても糸に掛かる応力が横方向に逃げてしまい、押圧ローラー3の効果が発現し難くなり、巻幅方向に巻硬度斑が発生するために、巻乱れが発生する場合がある。逆に、押圧ローラー3の幅が広すぎる場合は、使用する巻取ローラーの両鍔に押圧ローラーが干渉し、巻取面に対して平行を保って移動することが困難となり、押圧ローラーを支持しているアームの移動を阻害することとなる。
さらに、本発明によれば巻取る糸条1の綾角が0.5°〜5.0°の範囲として巻取ることが好ましい条件として挙げられる。巻取る糸条1の綾角が0.5°を下回る場合は、平行巻に極めて近い形となり巻密度を高くすることができるが、糸条巻取体から糸条を引き出す際の輪抜けが起こる場合がある。さらに、巻取る糸条1の綾角が5.0°を上回る場合は、綾角が付きすぎることで、巻取面9を密にすることが困難となり、綾角の隙間に糸が食い込んでしまい糸条巻取体から糸条1を引き出す際に解舒不良を起こし、作業効率が悪くなるといった問題が発生する場合がある。なお、綾角は、巻取られる糸条1の直径と巻取速度、およびトラバースガイド16の移動速度によって調整することができる。
さらに、本発明において糸条を巻取るに際しての巻取張力については、巻取に使用する巻取ローラーの胴部分の外径や、巻取る糸条の直径などで異なるが、巻取中に糸条が弛まない程度に設定することが可能となる。
なお、本発明において糸条1の素材としては、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系樹脂などに代表される熱可塑性樹脂からなる糸条が対象となるが、特に直径が1.00〜5.00mmのモノフィラメントの巻取りにおいて顕著な効果が発揮できる。
また、糸条1の機能性向上を目的に、素材の中に添加剤、例えばワックス類、シリコーンオイル、界面活性剤、繊維強化剤、着色剤、耐候剤、耐光剤などを付与したものも含まれる。
以下、本発明の糸条巻取方法の実施例について詳細に説明する。本発明においての評価方法は下記のとおり実施した。
[輸送テスト]
実施例および比較例で得られた糸条巻取体について、振動試験機を用いて振動試験 JIS Z 0232(2004) A−1に準じて輸送中の振動を想定した評価を実施した。試験条件は振動数50Hz、ピーク加速度±0.75G、振動時間をタテ、ヨコ、上下それぞれ20分処理した後の糸条巻取体について、巻取体の表層部での巻崩れの有無と巻硬度の評価を実施した。
[巻硬度の測定]
巻硬度測定はASKER製巻硬度計、CS型を使用し、巻上げ直後、輸送テスト後の巻取体の硬度を測定した。巻上げ直後の巻硬度は測定値70以上を合格とし、輸送テスト後の巻取体の硬度は測定値60以上を合格とした。巻硬度の測定値が大きいほど巻密度が高いことを示唆し、巻硬度の測定値が小さいほど巻密度が低いことを表す。また、巻上げ直後の巻硬度と輸送テスト後の巻硬度の差を巻硬度変化量とした。巻硬度変化量が大きいほど巻乱れが発生しやすくなることを表す。
[巻乱れの判定]
輸送テスト後の巻取体の表面の巻乱れの有無を目視にて確認した。評価結果の段階は次のとおりとした。
○:巻取体の表面の巻乱れはなかった、
×:巻取体の表面の巻乱れが見られた。
[糸条巻取体の糸の解舒性]
実施例および比較例で得られた糸条巻取体について、糸条を引き出す際の輪抜けや綾角の隙間に糸が食い込むことによる解舒不良の有無について評価を実施した。評価結果の段階については次のとおりとした。
○:糸条巻取体から糸条を引き出す際に輪抜けや綾角の隙間に糸が食い込むことによる
解舒不良は皆無であった、
×:糸条巻取体から糸条を引き出す際に輪抜けや綾角の隙間に糸が食い込むことによる
解舒不良が見られた。
[巻取ローラーの破損の有無]
実施例および比較例で得られた糸条巻取体の製造工程において、巻取ローラーの破損の有無の確認を目視で実施。評価結果の段階は次のとおりとした。
○:巻取ローラーの破損は見られなかった、
×:巻取ローラーの破損が見られ、商品として使用することが困難であり、異常品扱い
とした。
[実施例1]
ポリエステル系樹脂からなる直径2.00mmのモノフィラメントを糸条に用いて、巻取ローラーに巻付け開始と同時に、図1および2に示した装置により、押圧力を曲げ硬さ(20N)の1.5倍とした押圧ローラーで巻取面を押圧した。さらに、巻上げ完了まで押圧ローラーで巻取面を押さえ続け、巻上げ製品を得た。巻取る糸条の綾角は2.0°とした。得られた糸条巻取体について、本発明の効果を確認評価した。評価結果は表1に示す。なお本実施例の場合、巻取張力については45Nに設定して巻取を実施した。
[実施例2]
実施例1において、巻取る糸条の綾角を5.0°とした以外は、実施例1と同様の方法で糸条巻取体を得た。評価結果は表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、巻取る糸条の綾角を0.5°とした以外は、実施例1と同様の方法で糸条巻取体を得た。評価結果は表1に示す。
[実施例4]
実施例1において、押圧ローラーの押圧力を巻取られる糸条の曲げ硬さの3.0倍とした以外は、実施例1と同様の方法で糸条巻取体を得た。評価結果は表1に示す。
[実施例5]
実施例1において、押圧ローラーの押圧力を巻取られる糸条の曲げ硬さの0.5倍とした以外は、実施例1と同様の方法で糸条巻取体を得た。評価結果は表1に示す。
[実施例6]
実施例1において、ポリアミド系樹脂からなる直径2.00mmのモノフィラメント(曲げ硬さ;25N)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で糸条巻取体を得た。評価結果は表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、巻取られる糸条の巻取面最外周部を押圧ローラーで押圧せずに巻取った以外は実施例1に準じて、糸条巻取体を得た。評価結果は表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、押圧ローラーの押圧力を巻取られる糸条の曲げ硬さの0.1倍とした以外は、実施例1に準じて、糸条巻取体を得た。評価結果は表1に示す。
[比較例3]
実施例1において、押圧ローラーの押圧力を巻取られる糸条の曲げ硬さの6.0倍とした以外は、実施例1と同様の方法で糸条巻取体を得た。評価結果は表1に示す。
Figure 2016020263
表1の結果から明らかなように、本発明の糸条巻取体の製造方法により得られた糸条巻取体(実施例1〜6)は、いずれも巻密度が高く、輸送テスト後の巻面表層部の巻乱れが皆無であり、巻硬度変化量も測定値10以下と少なく、糸条を引き出す際の輪抜けや綾角の隙間に糸が食い込むことによる解舒不良を防止できるとともに、巻取ローラーの破損がないことが確認できた。
一方、本発明の条件を満たさない方法で製造された糸条巻取体(比較例1〜3)について、まず比較例1については、押圧ローラーを使用せずに巻取を実施したため、巻密度を高くすることができず、輸送テスト後の巻取体の表層部の巻乱れが起こることに加え、巻上げ直後から輸送テスト後の巻硬度変化量が多く、糸条巻取体より糸条を引き出す際の輪抜けが頻発し、さらには綾角の隙間に糸が食い込んで解舒不良が発生する状態であった。比較例2については、押圧ローラーで巻取面を押さえているものの、押圧力が弱いため巻密度を高くすることができず、輸送テスト後の巻取体の表層部の巻乱れが見られ、巻上げ直後から輸送テスト後の巻硬度変化量も多く、糸条巻取体より糸条を引き出す際の輪抜けが頻発した。比較例3については、押圧ローラーで巻取面を押圧力が強いため、巻密度を高くすることはある程度可能であったが、過度に押圧力が強かったために綾角の隙間に糸が食い込んで解舒不良となり、糸条巻取体から解舒した糸条を見ると部分的に潰れている部分も存在し、品位の面で問題があった。さらには、巻取ローラーの破損が発生し、商品として扱うことが困難であり異常品と判断する結果となった。
以上に説明したとおり、本発明の糸条巻取方法によれば、糸条を巻取るに際し巻取中に巻取面に押圧ローラーを押し付けることにより、巻密度が高くなり、張力を掛けずに押圧ローラーで適度な力を付与することで、糸条巻取体から糸条を引き出す際の輪抜けや綾角の隙間に糸が食い込むことによる解舒不良を防止でき、さらには、巻密度を高くできることから、コンパクトな巻上げ形態となり、輸送コストを抑えることができるメリットもあるため、糸条の巻取にとって極めて好適であり、産業上に貢献するところが大きい。
1 ・・・糸条
2 ・・・糸条巻取装置
3 ・・・押圧ローラー
4 ・・・アーム
5 ・・・荷重板
6 ・・・巻取ローラー
7 ・・・巻取軸
8 ・・・トラバース装置
9 ・・・巻取面
10 ・・・トルクモーター
11 ・・・ベルト
12 ・・・ギヤ
13 ・・・ガイド軸
14 ・・・補強板
15 ・・・可動スペースブロック
15A ・・・可動範囲A
15B ・・・可動範囲B
15C ・・・ガイド軸固定治具
16 ・・・トラバースガイド
17 ・・・支点軸
18 ・・・支点把持具
19 ・・・エアシリンダー
20 ・・・ブロック
21 ・・・巻取ローラー最外周部
22 ・・・綾角

Claims (3)

  1. トラバース装置を介して走行する糸条を巻取ローラーに自動的に巻取るに際し、巻取ローラーの巻取軸に対し平行に配置され、かつアームで支持された押圧ローラーにより、前記巻取ローラーに巻取られた糸条巻取面を巻幅の全幅に渡って、巻取られる糸条の曲げ硬さの0.5〜3.0倍の圧力で押圧する糸条巻取体の製造方法。
  2. 走行する糸条の綾角を0.5°〜5.0°の範囲として巻取る請求項1に記載の糸条巻取体の製造方法。
  3. 糸条が直径1.00〜5.00mmのモノフィラメントである請求項1または2に記載の糸条巻取体の製造方法。
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