以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1に基づき説明する。
図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図2及び図4に基づき説明する。
図2はパチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
[施錠装置の構成について] 図1及び図4に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について] 図1、図3、図4、及び図5に基づき説明する。
図3は遊技領域37の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機1の後側全体を示す背面図である。
図1及び図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図11参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
図3に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘(参照符号なし)が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車90が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、センター役物91が配設されており、このセンター役物91のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
センター役物91は全体として額縁状の装飾体から構成されており、その上縁部にはキャラクタの頭部をデザインした、キャラクタ体92が一体的に取り付けられている。なお、このキャラクタ体92は、旋回可能な可動役物として機能している。
また、センター役物91の上縁部または左右側縁部には、図示しないワープ入口とともにワープ通路が形成されており、遊技盤面に沿って流下する遊技球がワープ入口に入り込むと、ワープ通路を通じてセンター役物91の内側に取り込まれるようになっている。
センター役物91の内側には、その下縁部に球受け棚94(ステージとも称する)が形成されており、この球受け棚94は前後方向に一定の奥行きを有している。ワープ通路を通って取り込まれた遊技球はセンター役物91の内側へ放出され、球受け棚94に誘導される。球受け棚94はその上面にて遊技球を転動させ、その動きにいろいろな変化を与えて遊技に面白みを付加する。
また、センター役物91の下縁部には、その中央位置に球誘導路95が形成されており、この球誘導路95への入口(図示しない)は球受け棚94の上面に形成されている。球受け棚94から球誘導路95の入口に落下した遊技球は、そのまま球誘導路95を通って下方に案内される。
一方、球誘導路95の出口は正面に向けて開口しており、この出口から放出された遊技球は、ほぼ真下に向かって落下する。遊技領域37には、球誘導路95の直ぐ下方位置に第一始動口64が配置されており、この第一始動口64に遊技球が入球すると第一大当り抽選(後述する)における始動入賞となる。なお、第一始動口64は、開口度合が固定であるポケット型の始動口であり、入賞のし易さを遊技状態に応じて変化させることなく、常時入賞可能となっている。また、第一始動口64の下方には、第二始動口65を有する電動開閉入賞装置69が配置されており、この第二始動口65に遊技球が入賞すると第二大当り抽選(後述する)における始動入賞となる。なお、電動開閉入賞装置69は、左右一対の可動片68を有しており、左右に拡開させることにより、第二始動口65に遊技球を容易に入球させることが可能となる。換言すれば、電動開閉入賞装置69の上方には、第一始動口64が設けられているため、左右一対の可動片68を閉じた状態では、第二始動口65に遊技球が入賞しないようになっている。ここで、第一始動口64が本発明の第一入賞口に相当し、第二始動口65が本発明の第二入賞口に相当する。
また、遊技領域37には、上記の電動開閉入賞装置69のさらに下方位置にアタッカ装置98が配設されており、このアタッカ装置98は開閉部材99を前後方向に開閉動作させることにより大入賞口を開閉させる。また、センタ役物91の左側には通過ゲート62が設けられており、通過ゲート62に遊技球が入球すると、普通抽選(後述する)における始動入賞となる。なお、電動開閉入賞装置69の前方には、二点鎖線で示すように遮蔽部材66が設けられており、電動開閉入賞装置69の外観を見え難くしている。
また、センター役物91の下縁部には、第一特別図柄表示器(詳細は後述する)として機能する四つのLED110aと、第二特別図柄表示器として機能する四つのLED110bと、第一大当り抽選の保留状態を示す四つのLED(保留球ランプ)111aと、第二大当り抽選の保留状態を示す四つのLED111bとが設けられている。さらに、センタ役物91の下縁部には、通過ゲート62への遊技球の通過による抽選結果(すなわち、普通抽選における抽選結果)を表示する普通図柄表示器を表示する普通図柄表示器428も設けられている。ここで、夫々の保留球ランプ111a,111bは、「第一大当り抽選」及び「第二大当り抽選」において、保留球数分(最大4回)だけ点灯するようになっている。
その他、遊技領域37には一般入賞口114等が配設されている。また、センター役物91の内側には演出表示装置115が配設されており、この演出表示装置115では、例えば動画や映像等の画像、或いは可動部材の動作等による演出表示が行われる。なお、演出表示装置115としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、及びCRT等の表示装置を例示することができる。演出表示装置115の表示面はセンター役物91の後側においてその開口窓に臨んで装着されており、センター役物91は、遊技盤5の中央部に貫設された組付孔に嵌込まれ、センター役物91の後部及び演出表示装置115の表示装置制御基板116(図10参照)を有する表示装置制御基板ボックス117は遊技盤5の後側に突出して配設されている。
一方、図5に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。このボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
図8はパチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図4及び図5に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図5及び図6に基づき説明する。
図6はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図11参照)及び主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図11参照)全体及び主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213Cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図2及び図7に基づき説明する。
図7は、図6に示すパチンコ機1の斜視図から後ろカバー210及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インタフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インタフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[特別図柄表示器の構成について] 図3に基づき説明する。
本実施形態では、センター役物91の下縁部のうち、左右に夫々4つのLED110a,110bが配列されており、これらLED110a,110bの配列が第一特別図柄表示器332a(図31参照)及び第二特別図柄表示器332b(図32参照)として機能している。また、夫々の下側にある4つのLED111a,111bの配列が、第一大当り抽選用の保留球ランプ、及び第二大当り抽選用の保留数ランプとなっている。
例えば、第一特別図柄表示器332aの機能はLED110aの点灯・消灯によって実現することができる。具体的には、始動入賞を契機として4つのLED110aをいろいろなパターンで点滅させることにより、第一大当り抽選における特別図柄の変動状態を表示する。そして、一定の変動時間が終了すると、4つのLED110aの点灯・消灯表示パターンによって特別図柄の確定した停止状態を表示する。これにより、抽選が行われると、その結果情報がLED110aの点灯・消灯によって報知される。なおLED110aの点灯・消灯による第一特別図柄の変動表示および停止表示の制御は、主制御基板131により行われる。
さらに詳細に説明すると、個々のLED110aは1色(例えば赤色)の発光タイプであり、各LED110aは「消灯」、及び「点灯」の2通りに表示パターンを切り替えることができる。したがって、4つのLED110aを配列した場合の点灯・消灯表示パターンは、全部で16通り(2<SUP>4</SUP>=16)のものを用意することができる。な
お、ここでは説明の便宜のために1色だけとしているが、LED110aの点灯色は2色以上であってもよい。また、LED110aの配置は1箇所にまとまっている必要はなく、ばらばらに配置されていてもよいし、特に盤面上に配置されている必要もない。あるいは、特別図柄を5つ以上のLEDによって表示してもよいし、7セグメントLEDを用いて表示してもよい。なお、第二特別図柄表示器332bの機能は、第一特別図柄表示器332aと同様、LED110bの点灯・消灯によって実現することができる。
一方、本実施形態のパチンコ機1では、二つの系統の大当り抽選(「第一大当り抽選」及び「第二大当り抽選」)を有しており、それぞれの大当り抽選には、遊技者に利益が付与される態様として2つの大当り態様が用意されており、これらは(1)「通常(非確変)大当り」、(2)「確変大当り」に区別される。
(1)「通常(非確変)大当り」は、例えば最大30秒間にわたってアタッカ装置98を一定パターンで開閉させるラウンド動作を15ラウンドまで繰り返すものであり、このようなラウンド動作の繰り返しは「大当り遊技」と称されている。遊技者は、大当り遊技の間に遊技球を大入賞口に入賞させることで、多くの賞球を獲得することができる。なお、各ラウンド動作は30秒間が経過するか、10個の入賞球がカウントされるかのいずれかの条件を満たすと終了する。また大当り遊技は、ラウンド動作が15回終わると終了となる。
(2)「確変大当り」は、上記(1)と同様の大当り遊技を可能とするものであるが、大当り遊技の終了後、次回大当りの抽選確率を通常時よりも高く設定(例えば、通常の大当り確率が320分の1のところ、5倍の64分の1に変更)する特典が付加される。このため遊技者が確変大当りを引き当てると、次の大当り確率が高くなって大当りを連続的に引き当てる(いわゆる連荘)ことが可能となる。
なお、以上の(1)及び(2)でいう具体的な数値は、本発明の実施において最良のものである。その上で、これら数値については各種の変更が可能であり、最良の数値によって限定されることはない。
また、上記(2)の「確変大当り」によって確率変動状態(高確率状態)になると、毎回の始動入賞を契機として確率変動状態の維持抽選(転落抽選)が行われるものとしてもよい。維持抽選は一定確率で行われ、この維持抽選で落選すると、内部的に高確率状態から低確率状態(通常確率)へ引き戻される処理が行われる。
[主基板及び周辺基板の機能的構成について] 図12に基づき説明する。
図12は制御構成を概略的に示すブロック図である。
パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板310のグループと周辺基板311のグループとで分担されており、このうち主基板310のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板311のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。ここで、周辺基板311が本発明の副基板に相当する。
主基板310は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU314、読み出し専用メモリとしてのROM315、読み書き可能メモリとしてのRAM316を備えている。CPU314は、ROM315に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板311や払出制御基板197に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM316には、主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。主制御基板131には、ゲートセンサ317、二つの始動口センサ318、カウントセンサ319、V入賞センサ330等からの検出信号が入力される。一方、主制御基板131は、ソレノイド331、二つの特別図柄表示器332、普通図柄表示器428等へ駆動信号を出力する。また、払出制御基板197は、中央演算装置としてのCPU333、読み出し専用メモリとしてのROM334、読み書き可能メモリとしてのRAM335を備えている。そして、払出制御基板197は、主制御基板131から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170に駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、例えば主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK信号が返される。
一方、周辺基板311には、サブ統合基板336のほかに例えば複数の電飾制御基板337,338や波形制御基板339等が含まれる。上記の主制御基板131とサブ統合基板336との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131からサブ統合基板336へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。
サブ統合基板336もまた、CPU350をはじめROM351やRAM352等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することができる。サブ統合基板336とその他の電飾制御基板337,338や波形制御基板339との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。1つ目の電飾制御基板337には主に保留球ランプ111(111a,111b)と、サイド装飾装置52等を含む装飾ランプ353とが接続されており、サブ統合基板336から電飾制御基板337に対して保留球ランプ111や装飾ランプ353の点灯信号が送信されると、これを受けて電飾制御基板337が各ランプ111,353を点灯させる処理を行う。2つ目の電飾制御基板338には演出表示装置115とともに演出ランプ354が接続されている。例えばサブ統合基板336から演出表示装置115に対する表示コマンドが電飾制御基板338に送信されると、これを受けて電飾制御基板338は実際に演出表示装置115を作動させる処理を行う。また、図示していないが、これ以外にも、例えばキャラクタ体62等の可動体を駆動させるためのモータまたはソレノイド等の駆動部材が電飾制御基板337,338等に接続されている。
波形制御基板339は、音響出力としての可聴音波のほか、不可聴である超音波等の波形信号を生成・送受信する処理を実行している。例えば、サブ統合基板336から音響出力コマンドが波形制御基板339に送信されると、これを受けて波形制御基板339は上記のスピーカ18,57を駆動する処理を行う。このほかにも、波形制御基板339には超音波送受信装置356が接続されており、この超音波送受信装置356は、複数の台間で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並べて設置されるが、超音波送受信装置356を装備しているパチンコ機1同士の間では、相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、電飾制御基板337,338、及び波形制御基板339にも、それぞれ中央演算装置としてのCPU357,358,359、読み出し専用メモリとしてのROM370,371,372、及び読み書き可能メモリとしてのRAM373,374,375を備えている。
次に、主制御基板131(特にCPU314)で実行される制御処理の例について、図13乃至図24を参照して説明する。図13は、主制御基板131に搭載されるCPU314が実行するメイン処理の一例を示すフローチャートである。図14は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。図15は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。図16は、主制御基板131で更新される乱数を示す一覧表図である。図17は、遊技処理の一例を示すフローチャートである。図18は、変動開始処理を示すフローチャートである。図19は、特別図柄用乱数記憶領域の構成を示す説明図である。図20及び図21は、大当り判定処理の一例を示すフローチャートである。図22は、変動表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図23は、変動中処理の一例を示すフローチャートである。図24は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。図25は、大当り開始コマンドと大当り確率及び大当りの継続率との関係を示す一覧表図である。なお、タイマ割込処理は、主制御基板131に搭載されるCPU314により所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。
図13に示すように、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、CPU314は、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時処理では、RAM315に記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAM315に記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAM315をクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定:割込タイミングの設定等)を行う。なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAM315に現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAM315に記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAM消去スイッチがオンであれば、RAM315をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理にて主制御基板131に搭載されるRAM315にバックアップデータが保存されていない場合には、RAM315をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行したときにサブ統合基板336に主制御基板131が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板131が起動したことをサブ統合基板336に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM315にバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
電源投入時処理が終了すると、CPU314は、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、CPU314は、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判定する(ステップS2)。なお、この実施の形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板(図示しない)によって生成する。すなわち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板131に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS2で主制御基板131に搭載されるCPU314により停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS4)。この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧が(この実施の形態では、24V)復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM315にバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS2で停電予告信号が検知されていない場合、すなわち外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う(ステップS3)。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数については後述する。
図14は、電源断発生時処理(ステップS4)の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理は、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。CPU314は、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、RAM315のチェックサムを算出し、RAM315の所定領域に保存する(ステップS4b)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM315の内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
次いで、CPU314は、RAM315の所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS4c)。以上の処理を終えると、CPU314は、RAM315へのアクセスを禁止し(ステップS4d)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることによって、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例のCPU314には、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。この結果、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、図14の無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスでCPU314が起動することになる。
図15は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、この実施の形態では、メイン処理の実行中に主制御基板131に搭載されるCPU314により4ms毎にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、CPU314は、レジスタの退避処理を実行した後(ステップS10)、ステップS11からステップS19の処理を実行する。ステップS11のスイッチ入力処理では、上述したスイッチ(ゲートスイッチ74a、始動口センサ318、カウントセンサ319、一般入賞スイッチ等の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の払出動作処理では、スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号に基づいて払出制御基板197に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを設定する。ステップS13の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施の形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。
また、ステップS14の遊技処理では、遊技の進行状態に応じてパチンコ機1を制御する処理が実行される。ステップS15の普通図柄遊技では、普通図柄表示器428に関わる制御処理を実行する。ステップS16の普通電動役物遊技では、可動片(図示しない)を開閉制御するための処理を実行する。ステップS17の特別図柄遊技では、遊技処理(ステップS14)の処理の結果に基づいて第一特別図柄表示器332a及び第二特別図柄表示器332bを変動表示する制御を実行する。ステップS18の特別電動役物遊技では、ソレノイドを可動制御して前面扉(図示しない)の開閉制御を実行する。ステップS19のコマンド伝送出力処理では、遊技処理(ステップS14)でセットされた演出コマンドをサブ統合基板336に送信する処理を実行する。また、コマンド伝送出力処理(ステップS19)では、パチンコ機1への電力供給が開始されたときに電源投入時処理(ステップS1)でセットされた電源投入コマンドをサブ統合基板336に送信する処理も行われる。ステップS20のI/Oポート出力処理では、パチンコ機1の外部(例えば、管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理、特図始動記憶ランプ(図示しない)に駆動信号を出力する処理、等を実行する。ステップS11からステップS20の処理を実行すると、レジスタの復帰処理(ステップS21)を実行して、処理を終了する。
ここで、上述した乱数更新処理1(ステップS13)および乱数更新処理2(ステップS3)で主制御基板131に搭載されるCPU314により更新される各種乱数について説明する。この実施の形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定(大当り判定)に用いられる大当り判定用乱数、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定されたときに確変大当りとするか否かの判定(確変判定)に用いられる大当り図柄用乱数、大当り判定にて大当り遊技状態を発生させないと判定されたときにリーチ態様を伴う外れとするか否かの判定(リーチ判定)に用いられるリーチ判定乱数、第一特別図柄表示器332a及び第二特別図柄表示器332bに表示されている特別図柄の変動表示パターンを決定するために用いられる変動表示パターン乱数、電動開閉入賞装置69の可動片68を開放状態に制御するか否かの判定(普通抽選当り判定)に用いられる普通当り判定用乱数、等がある。なお、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動表示パターンを決定するとともに、演出表示装置115にて表示制御される装飾図柄の変動表示パターンを決定するようにしてもよい。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り遊技状態の発生に関わる大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、および電動開閉入賞装置69の可動片68を開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当り判定乱数の更新を行う。すなわち、大当り遊技状態の発生および電動開閉入賞装置69の可動片68を開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は所定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数における所定期間における確率(大当り遊技状態を発生させると判定する確率、電動開閉入賞装置69の可動片68を開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者不利な状態となることを防止できる。一方、乱数更新処理2では、大当り遊技状態の発生および普通図柄の表示結果に関わらないリーチ判定乱数および変動表示パターン乱数の更新を行う。なお、主制御基板131で更新される乱数は、上記したものに限られず、乱数更新処理2では、大当り判定用乱数を更新するカウンタが1周したときに次にカウントを開始させる大当り判定用乱数の初期値を決定するための初期値決定乱数等の更新も行う。
図17は、遊技処理(ステップS14)の一例を示すフローチャートである。遊技制御処理において、CPU314は、まず、第一始動口64に遊技球が入賞したか否かを判別する(ステップS30)。具体的には、始動口センサ318によって構成された第一入賞状態検出手段318aから検出信号が出力されたか否かを判別し、第一入賞状態検出手段318aから検出信号が出力された場合には、第一始動口64に遊技球が入賞したと判別し(ステップS30にてYES)、第一入賞状態検出手段318aからの検出信号が出力されていなければ第一始動口64に遊技球が入賞していない(ステップS30にてNO)と判別する。ステップS30にて第一始動口64に遊技球が入賞したと判別したときには、第一大当り抽選用の各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、等)を取得し、RAM315に設けられている第一保留球数カウンタの値(本発明の第一保留数に相当)が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS31)。そして、ステップS31で第一保留球数カウンタが4未満であれば、第一始動記憶格納処理を行う(ステップS32)。なお、ステップS31で第一保留球数カウンタの値が4である場合には、第一始動記憶格納処理を実行しない。
一方、ステップS30で第一入賞状態検出手段318aからの検出信号が出力されていない場合、第二始動口65に遊技球が入賞したか否かを判別する(ステップS33)。具体的には、始動口センサ318によって構成された第二入賞状態検出手段318bから検出信号が出力されたか否かを判別する。ステップS33にて第二始動口65に遊技球が入賞したと判別したときには(YES)、第二大当り抽選用の各種乱数を取得し、RAM315に設けられている第二保留球数カウンタの値(本発明の第二保留数に相当)が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS34)。そして、ステップS34で第二保留球数カウンタが4未満であれば、第二始動記憶格納処理を行う(ステップS35)。なお、ステップS34で第二保留球数カウンタの値が4である場合には、第二始動記憶格納処理を実行しない。その後、CPU314は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS40〜ステップS44のうちいずれかの処理を行う。
第一始動記憶格納処理では、第一保留球数カウンタに「1」を加算する処理と、第一保留球数カウンタの加算に伴って特図始動記憶ランプ(図示しない)の点灯表示態様(点灯表示させるランプの個数)を変更する処理と、取得した乱数値(この実施の形態では、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数)をRAM315に設けられた始動記憶の保存領域に第一保留球数カウンタのカウント値に対応させて記憶する処理と、を行う。また、ステップS31において第一保留球数カウンタの値が上限値である場合にはステップS30で取得した乱数値を破棄する。なお、ステップS30で第一始動口64に遊技球が入賞したと判別したときには、ステップS30〜ステップS32の間で各種乱数を取得すればよく、例えば、ステップS30で各種乱数を取得せずに、ステップS31で第一保留球数カウンタが上限値未満であることを判別した後に、各種乱数を取得してもよいし、第一始動記憶格納処理(ステップS32)で取得するようにしてもよい。
同様に、第二始動記憶格納処理では、第二保留球数カウンタに「1」を加算する処理と、第二保留球数カウンタの加算に伴って特図始動記憶ランプ(図示しない)の点灯表示態様を変更する処理と、取得した乱数値をRAM315に設けられた始動記憶の保存領域に第二保留球数カウンタのカウント値に対応させて記憶する処理と、を行う。また、ステップS34において第二保留球数カウンタの値が上限値である場合にはステップS33で取得した乱数値を破棄する。なお、ステップS33で第二始動口65に遊技球が入賞したと判別したときには、ステップS33〜ステップS35の間で各種乱数を取得すればよく、例えば、ステップS33で各種乱数を取得せずに、ステップS34で第二保留球数カウンタが上限値未満であることを判別した後に、各種乱数を取得してもよいし、第二始動記憶格納処理(ステップS35)で取得するようにしてもよい。
処理選択フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS40)では、夫々の大当り抽選における始動記憶数を確認し、始動記憶数が0でなければ、それに対応する特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行い、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを夫々判定する。処理選択フラグが「1」のときに実行される変動表示パターン設定処理(ステップS41)では、各特別図柄および各装飾図柄の変動表示に関わる設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、夫々の特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パターンに対応して設定される変動時間(第一特別図柄表示器332a及び第二特別図柄表示器332bにて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットする。処理選択フラグが「2」のときに実行される変動中処理(ステップS42)では、変動表示パターン設定処理(ステップS41)で変動時間が設定されたタイマを監視し、タイマがタイムアウトしたことに基づいて第一特別図柄表示器332a及び第二特別図柄表示器332bにおける特別図柄の変動表示を停止させる処理を行う。このとき、変動開始処理(ステップS40)にて何れか一方の大当り抽選で大当り遊技状態とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、大当り遊技状態とする判定がなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。
また、処理選択フラグが「3」のときに実行される大当り遊技開始処理(ステップS43)では、大当り遊技状態を開始するための設定を行う。具体的には、アタッカ装置98の開放回数等の設定を行う。処理選択フラグが「4」のときに実行される大当り遊技中処理(ステップS44)では、カウントスイッチ319によって検出された遊技球の個数を判別し、所定個数(この実施の形態では、10個)の遊技球が大入賞口に入賞したとき、または、所定期間(この実施の形態では、30秒)が経過したときアタッカ装置98を閉塞状態にするための処理を行う。また、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数(この実施の形態では、15回)に達していなければ、再び、アタッカ装置98を開放状態にするための処理を行い、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達したときには、処理選択フラグを「0」に更新する。
図18は、変動開始処理(ステップS40)の一例を示すフローチャートである。変動開始処理において、CPU314は、内部的な条件装置が作動中か否かを判別する(ステップS401)。ステップS401にて条件装置が作動中であると判別したときは(ステップS401にてYES)、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動を新たに開始させることなく、変動開始処理を終了する。一方、ステップS401にて条件装置が作動中でないと判別したときには(ステップS401にてNO)、第一特別図柄表示器332a及び第二特別図柄表示器332bにおいて第一特別図柄及び第二特別図柄がともに停止中か否かを判別する(ステップS402)。そして、いずれかの特別図柄が変動中の場合には(NO)、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動を新たに開始させることなく、変動開始処理を終了する。一方、いずれの特別図柄も停止中の場合には(ステップS402にてYES)、夫々の特別図柄表示器332a,332bに対応する二つの保留球数カウンタの値(第一保留数,第二保留数)がともに「0」であるか否かを判別する(ステップS403)。上述したように、保留球数カウンタの値は、始動記憶の保存領域に格納される乱数値の個数を示すものであるため、ステップS403においていずれの保留球数カウンタの値がともに「0」であれば(YES)、第一大当り抽選及び第二大当り抽選に関する始動条件が成立していないと判別されて処理を終了する。
一方、ステップS403で何れかの保留球数カウンタの値が「0」でなければ(NO)、始動記憶移行処理を実行する(ステップS404)。図19に示すように、特別図柄用乱数記憶領域には八つの記憶領域(記憶領域1〜記憶領域8)が設けられており、各記憶領域は、大当り判定用乱数が記憶される大当り判定用乱数記憶領域と、大当り図柄用乱数が記憶される大当り図柄用乱数記憶領域と、特別図柄判定フラグが記憶される特別図柄判定フラグ記憶領域とを有している。特別図柄判定フラグとしては、第一特別図柄を示す「0」と、第二特別図柄を示す「1」とが設定されている。そして、始動記憶移行処理では、記憶領域1の特別図柄判定フラグ記憶領域に記憶されている特別図柄判定フラグを基に、次に変動させる図柄が、第一特別図柄または第二特別図柄のいずれであるのかを決定するとともに、決定された特別図柄に対応する保留球数カウンタを1減算する処理と、各記憶領域に記憶される各種乱数をシフトする処理と、を行う。具体的には、始動記憶の各記憶領域nに記憶されている各種乱数をn−1の記憶領域に記憶させる。
次いで、特別図柄判定フラグを基に決定された特別図柄が、第一特別図柄である場合には(ステップS405にてYES)、第一大当り判定用乱数を用いて大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行い、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを判定する、第一大当り判定処理を行う(ステップS406)。その後、第一処理選択フラグを「1」に更新する(ステップS407)。第一処理選択フラグを「1」に更新することにより、次にタイマ割込処理が発生し、遊技処理(ステップS14)が実行されたときに変動表示パターン設定処理(ステップS41)が実行可能となる。
一方、特別図柄判定フラグを基に決定された特別図柄が、第二特別図柄である場合には(ステップS405にてNO)、第二大当り判定用乱数を用いて大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行い、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを判定する、第二大当り判定処理を行う(ステップS408)。その後、第二処理選択フラグを「1」に更新する(ステップS409)。第二処理選択フラグを「1」に更新することにより、次にタイマ割込処理が発生し、遊技処理(ステップS14)が実行されたときに変動表示パターン設定処理(ステップS41)が実行可能となる。
このように、変動開始処理では、第一大当り抽選または第二大当り抽選の何れか一方が大当り状態である場合(すなわち大当り遊技中である場合)、またはいずれかの特別図柄が変動中である場合には、特別図柄の変動を新たに開始させることなく、変動開始処理を終了するようにしている。
図20は、第一大当り判定処理(ステップS405)の一例を示すフローチャートである。第一大当り判定処理において、CPU314は、後述するステップS57でセットされる高確率遊技中フラグがON状態であるか(セットされているか)否かを判別する(ステップS51)。高確率遊技中フラグがON状態であれば、確率変動機能作動時(高確率時)の大当り判定テーブル(図16(a)参照)を選択して、第一大当り抽選における当否の判定を可能にし(ステップS52)、一方、高確率遊技中フラグがON状態でなければ(OFF状態であれば)、確率変動機能未作動時(通常時)の大当り判定テーブル(図16(a)参照)を選択して、第一大当り抽選における当否の判定を可能にする(ステップS53)。なお、図16(a)に一例を示すと、高確率時の大当り判定テーブルでは、0〜976までの977個の大当り判定用乱数のうち、大当り遊技状態を発生させることが決定される大当り判定値が14個設定され、大当りとなる確率である大当り確率が14/977となっている。一方、通常時の大当り判定テーブルでは、0〜976までの977個の大当り判定用乱数のうち大当り判定値が2個設定され、大当り確率が2/977となっている。
そして、ステップS52,S53で選択した高確率の大当り判定テーブル、または、通常時の大当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS404の第一始動記憶移行処理で読み出した大当り判定用乱数の値と、が一致するか否かによって、大当り遊技状態を発生させるか否か判定する(ステップS54)。ステップS52,S53で選択した高確率時の大当り判定テーブル、または通常時の大当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS404の第一始動記憶移行処理で読み出した大当り判定用乱数の値(第一保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される大当り判定用乱数の値)と、が一致することに基づいて大当り遊技状態を発生させると判定したときには、第一大当りフラグをON状態(セット)とし(ステップS55)、その後、所定の判定値が設定された確変判定テーブル(大当り図柄用テーブル)に基づいて確変大当りとするか否かを判定する(ステップS56)。具体的には、ステップS404の第一始動記憶移行処理で読み出した大当り図柄用乱数の値(第一保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される大当り図柄用乱数の値)と、確変判定テーブルに設定されている判定値と、が一致するか否かに基づいて確変大当りとするか否か判定する。なお、本実施形態では、図16(b)に示すように確変突入率(大当りのうち確変大当りとする割合)が7/10となるように、すなわち、0〜9までの10個の大当り図柄用乱数のうち確変大当りとすることに決定される7個の判定値(0〜6)が確変判定テーブルに設定されている。
ステップS56で、確変判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS404の第一始動記憶移行処理で読み出した大当り図柄用乱数の値と、が一致したことに基づいて確変大当りと判定されたときには、高確率遊技中フラグをON状態(セット)とする(ステップS57)。一方、ステップS54で大当りとしない(外れとする)と判定されたとき、または、ステップS56で確変大当りとしない(非確変大当りとする)と判定されたとき、には、高確率遊技中フラグをOFF状態(リセット)とする(ステップS58)。なお、第一大当りフラグおよび高確率遊技中フラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、RAM315に記憶される。また、大当りフラグおよび高確率遊技中フラグのOFF状態(リセット状態)とは「0」の値がセットされることであり、大当りフラグおよび高確率遊技中フラグのON状態(セット状態)とは「1」の値がセットされることである。
なお、高確率遊技中フラグは、大当り遊技状態終了後に確率変動状態への移行制御を示すフラグであり、大当り遊技中処理(ステップS44)にて大当り遊技状態を終了するときに高確率遊技中フラグがセットされていれば、高確率遊技中フラグをリセットし、確変状態を示す確変フラグをセットする処理が実行される。確変フラグがセットされた状態では、上述した確率変動状態に制御され、例えば、上述したステップS52の高確率の大当り判定テーブルが選択されて確率変動状態以外の状態(通常状態、時短状態)よりも大当り遊技状態を発生させると判定される確率が高まる。また、大当り遊技開始処理(ステップS43)にて確変フラグがセットされている場合には、確変フラグをリセットする処理が実行される。
このように、第一大当り判定処理では、高確率遊技中フラグの状態に基づいて、高確率時の大当り判定テーブルまたは通常時の大当り判定テーブルの何れか一方を選択し、その判定テーブルに基づいて、第一大当り抽選における当否を判定している。また、確変判定テーブルに設定されている判定値と大当り図柄用乱数の値とが一致したことに基づいて確変大当りと判定している。
図21は、第二大当り判定処理(ステップS405)の一例を示すフローチャートである。第二大当り判定処理において、CPU314は、後述するステップS67でセットされる高確率遊技中フラグがON状態であるか否かを判別する(ステップS61)。高確率遊技中フラグがON状態であれば、確率変動機能作動時(高確率時)の大当り判定テーブル(図示しない)を選択し、第二大当り抽選における当否の判定を可能にし(ステップS62)、高確率遊技中フラグがON状態でなければ、確率変動機能未作動時(通常時)の大当り判定テーブル(図示しない)を選択し、第二大当り抽選における当否の判定を可能にする(ステップS63)。なお、図16(a)に示すように、第一大当り判定処理と同様、高確率時の大当り判定テーブルでは、0〜976までの977個の大当り判定用乱数のうち、大当り遊技状態を発生させることが決定される大当り判定値が14個設定され、大当りとなる確率である大当り確率が14/977となっている。一方、通常時の大当り判定テーブルでは、0〜976までの977個の大当り判定用乱数のうち大当り判定値が2個設定され、大当り確率が2/977となっている。ただし、第一大当り抽選と第二大当り抽選では、大当り遊技状態を発生させることが決定される大当り判定値が互いに異なって設定されている。
そして、ステップS62,S63で選択した高確率の大当り判定テーブル、または通常時の大当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS409の第二始動記憶移行処理で読み出した大当り判定用乱数の値と、が一致するか否かによって、大当り遊技状態を発生させるか否か判定する(ステップS64)。ステップS62,S63で選択した高確率時の大当り判定テーブル、または、通常時の大当り判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS409の第二始動記憶移行処理で読み出した大当り判定用乱数の値と、が一致することに基づいて大当り遊技状態を発生させると判定したときには、第二大当りフラグをON状態(セット)とし(ステップS65)、その後、所定の判定値が設定された確変判定テーブル(大当り図柄用判定テーブル)に基づいて確変大当りとするか否かを判定する(ステップS66)。具体的には、ステップS409の第二始動記憶移行処理で読み出した大当り図柄用乱数の値(第二保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される大当り図柄用乱数の値)と、確変判定テーブルに設定されている判定値と、が一致するか否かに基づいて確変大当りとするか否か判定する。なお、本実施形態では、図16(b)に示すように確変突入率(大当りのうち確変大当りとする割合)が70/100となるように、すなわち、0〜99までの100個の大当り図柄用乱数のうち確変大当りとすることに決定される70個の判定値(0〜69)が確変判定テーブルに設定されている。
ステップS66で、確変判定テーブルに設定されている判定値と、ステップS409の第二始動記憶移行処理で読み出した大当り図柄用乱数の値と、が一致したことに基づいて確変大当りと判定されたときには、高確率遊技中フラグをON状態(セット)とする(ステップS67)。一方、ステップS64で大当りとしない(外れとする)と判定されたとき、または、ステップS66で確変大当りとしない(非確変大当りとする)と判定されたとき、には、高確率遊技中フラグをOFF状態(リセット)とする(ステップS68)。
このように、第二大当り判定処理では、高確率遊技中フラグの状態に基づいて、高確率時の大当り判定テーブルまたは通常時の大当り判定テーブルの何れか一方を選択し、その判定テーブルに基づいて、第二大当り抽選における当否を判定している。また、確変判定テーブルに設定されている判定値と大当り図柄用乱数の値とが一致したことに基づいて確変大当りと判定している。なお、第二大当り抽選における確変判定テーブルでは、第一大当り抽選における確変判定テーブルよりも、多くの大当り図柄用乱数が用いられているが、確変大当りと判定される確率は、どちらの抽選も同じ値に設定されている。
図22は、変動表示パターン設定処理(ステップS41)の一例を示すフローチャートである。変動表示パターン設定処理において、CPU314は、まず、変動開始処理におけるステップS406において第一処理選択フラグが「1」にセットされているか否かを判別する(ステップS410)。第一処理選択フラグが「1」にセットされている場合、すなわち第一大当り判定処理(ステップS405)が行われた場合には(ステップS410にてYES)、第一特別図柄表示器332aの変動表示の結果、大当りとするか否か、すなわち、大当りフラグがセットされているか否かを判別する(ステップS411)。大当りフラグがセットされていれば(ON状態であれば)、大当り図柄を導出する態様が示された変動表示パターンが設定された大当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS412)。一方、大当りフラグがセットされていなければ(OFF状態であれば)、第一保留球数カウンタの値(第一保留数)が「4」よりも小さいか否かを判別する(ステップS413)。第一保留球数カウンタの値が「4」よりも小さい場合には(YES)、外れ図柄を導出する態様が示された変動表示パターンが設定された第一外れ時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS414)。一方、第一保留数カウンタの値が、上限値である「4」に到達している場合には(NO)、外れ図柄を導出する態様で、且つ時短用として示された変動表示パターンが設定された第一外れ時時短用パターンテーブルを選択する(ステップS415)。ここで、第一外れ時時短用パターンテーブルには、第一外れ時変動表示パターンテーブルに比べて、変動時間を短くした変動表示パターンが設定されており、第一保留数が「4」の場合に、第一外れ時時短用パターンテーブルを選択することにより、第一特別図柄の変動時間を短くするようにしている。そして、これらいずれかのパターンテーブルが選択された後、第一処理選択フラグを「2」に更新する(ステップS416)。
その後、または、ステップS410において第一処理選択フラグが「1」にセットされていない場合には、ステップS417に移行し、変動開始処理におけるステップS411において第二処理選択フラグが「1」にセットされているか否かを判別する(ステップS417)。第二処理選択フラグが「1」にセットされている場合、すなわち第二大当り判定処理(ステップS410)が行われた場合には(ステップS417にてYES)、第二特別図柄表示器332bの変動表示の結果、大当りとするか否か、すなわち、大当りフラグがセットされているか否かを判別する(ステップS418)。大当りフラグがセットされていれば(ON状態であれば)、大当り図柄を導出する態様が示された変動表示パターンが設定された大当り時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS419)。一方、大当りフラグがセットされていなければ(OFF状態であれば)、第二保留球数カウンタの値(第二保留数)が「2」よりも小さいか否かを判別する(ステップS420)。第二保留球数カウンタの値が「2」よりも小さい場合(すなわち「0」または「1」の場合)には(YES)、外れ図柄を導出する態様が示された変動表示パターンが設定された第二外れ時変動表示パターンテーブルを選択する(ステップS4201)。また、第二保留数カウンタの値が、「2」以上の場合には(NO)、外れ図柄を導出する態様で、且つ時短用として示された変動表示パターンが設定された第二外れ時時短用パターンテーブルを選択する(ステップS4202)。ここで、第二外れ時時短用パターンテーブルでは、第二外れ時変動表示パターンテーブルに比べて、変動時間を短くした変動表示パターンが設定されており、第二保留数が「2」,「3」,または「4」いずれかの場合に、第二外れ時時短用パターンテーブルを選択することにより、第二特別図柄の変動時間を短くさせるようにしている。そして、これら何れかのパターンテーブルが選択された後、第二処理選択フラグを「2」に更新する(ステップS4203)。
このように、本例では、第一保留数が第一所定値(例えば「3」)を越えた場合には、第一特別図柄の変動時間を短縮させるように短縮用変動表示パターンが選択され、一方、第二保留数が第二所定値(例えば「1」)を超えた場合には、第二特別図柄の変動時間を短縮させるように短縮用変動表示パターンが選択される。特に、第二所定値(第二特別図柄の変動時間を短縮させるか否かを判別するための基準値)は、第一所定値(第一特別図柄の変動時間を短縮させるか否かを判別するための基準値)よりも低く設定されていることから、第二特別図柄では、保留数が比較的少ない段階から変動時間が短縮されるようになり、保留状態の消化が促進される。
また、ステップS4203の実行後、または、ステップS417で二処理選択フラグが「1」にセットされていない場合には、変動表示パターン乱数を取得し、RAM35の所定の保存領域に記憶するとともに、ステップS412,S414,S415,S419,S4201,S4202で選択された大当り時変動表示パターンテーブル、外れ時変動表示パターンテーブル、または時短用パターンテーブルのいずれか1つの変動表示パターンテーブルに設定されている判定値と、取得した変動表示パターン乱数の値と、が一致する変動表示パターンに決定する(ステップS4204)。
次いで、ステップS4204で決定した変動表示パターンを指定する演出コマンドとして変動表示パターンコマンドをセットし(ステップS4205)、当該変動表示パターンに応じた変動時間を主制御基板131に搭載されるRAM315に設けられたタイマ(この実施の形態では、有効期間タイマ)にセットする(ステップS4206)。ステップS4206では、ステップS4204で決定した変動表示パターンに設定されている変動時間を有効期間タイマにセットする。なお、ステップS4205でセットされた変動表示パターンコマンドは、コマンド伝送出力処理(ステップS19)にてサブ統合基板336に送信される。また、変動表示パターンコマンドをコマンド伝送出力処理でサブ統合基板336に送信するときには、特別図柄遊技にて第一特別図柄表示器332a及び第二特別図柄表示器332bに駆動信号を出力し、特別図柄の変動表示を開始させる。
図23は、変動中処理(ステップS42)の一例を示すフローチャートである。変動中処理において、CPU314は、大当り遊技中か否かを判別する(ステップS421)。大当り遊技中であれば変動中処理を終了し、一方大当り遊技中でなければ(NO)、変動表示パターン設定処理のステップS414において第一処理選択フラグが「2」にセットされているか否かを判別する(ステップS422)。そして、第一処理選択フラグが「2」にセットされている場合には、第一特別図柄表示器332aにおける第一特別図柄の変動時間(第一変動時間)がタイムアップしたか否かを判別し、タイムアップしている場合には(ステップS423にてYES)、第一特別図柄表示器332aの変動表示の結果、大当りとするか否か、すなわち、大当りフラグがセットされているか否かを判別する(ステップS424)。そして、大当りフラグがセットされている場合には、第一処理選択フラグを「3」に更新し(ステップS425)、一方、大当りフラグがセットされていない場合には、第一処理選択フラグを「0」に更新する(ステップS426)。その後、第一特別図柄表示器332aにおける第一特別図柄の変動を当落に応じた図柄に合せて停止し(ステップS427)、サブ統合基板336に送信する確定コマンドをセットし(ステップS428)、ステップS429の処理へ移行する。なお、ステップS428にてセットされた確定コマンドは、変動表示パターンコマンドと同様、コマンド伝送出力処理(ステップS19)にてサブ統合基板336に送信される。これによりサブ統合基板336に搭載される統合CPU350に今回の変動における停止のタイミングを認識させることが可能となる。なお、ステップS422において、第一処理選択フラグに「2」がセットされていない場合(NO)、またはステップS423において、第一特別図柄の変動時間がタイムアップしていない場合(NO)には、ステップS424〜ステップS428の処理を行うことなくステップS429の処理へ移行する。
一方、ステップS429では、変動表示パターン設定処理のステップS419において第二処理選択フラグが「2」にセットされているか否かを判別する。そして、第二処理選択フラグが「2」にセットされている場合には、第二特別図柄表示器332bにおける第二特別図柄の変動時間(第二変動時間)がタイムアップしたか否かを判別し、タイムアップしている場合には(ステップS4290にてYES)、第二特別図柄表示器332bの変動表示の結果、大当りとするか否か、すなわち、大当りフラグがセットされているか否かを判別する(ステップS4291)。そして、大当りフラグがセットされている場合には、第二処理選択フラグを「3」に更新し(ステップS4292)、一方、大当りフラグがセットされていない場合には、第二処理選択フラグを「0」に更新する(ステップS4293)。その後、第二特別図柄表示器332bにおける第二特別図柄の変動を当落に応じた図柄に合せて停止し(ステップS4294)、サブ統合基板336に送信する確定コマンドをセットし(ステップS4295)、変動中処理を終了する。なお、ステップS429において、第二処理選択フラグに「2」がセットされていない場合(NO)、またはステップS4290において、第二特別図柄の変動時間がタイムアップしていない場合(NO)には、ステップS4291〜ステップS4295の処理を行うことなく変動中処理を終了する。
なお、上述した第一特別図柄及び第二特別図柄の変動時間(通常変動時間および短縮変動時間)は、サブ統合基板336に送信される変動表示パターンコマンドによって指定される装飾図柄の変動時間とほぼ一致して設定されており、ステップS420ではこれらの特別図柄の変動時間に応じた装飾図柄の変動時間を有する変動表示パターンに決定される。すなわち、第一特別図柄の変動時間と第一装飾図柄の変動時間、及び第二特別図柄の変動時間と第二装飾図柄の変動時間とは、完全に一致していなくてもよい。また、ステップS422で変動時間がセットされた有効期間タイマは、コマンド伝送出力処理(ステップS19)で変動表示パターンコマンドをサブ統合基板336に送信するときにスタートし、変動中処理(ステップS42)で有効期間タイマがタイムアウトしたときに第一特別図柄表示器332a及び第二特別図柄表示器332bに駆動信号を出力して第一特別図柄及び第二特別図柄の変動表示をCPU314により停止制御させるとともに、サブ統合基板336に装飾図柄の変動表示停止を指示する確定コマンド(変動停止コマンド)を送信する。なお、サブ統合基板336では、変動停止コマンドを受信したことに基づいて装飾図柄の停止を確定表示するための制御を行う。
図24は、大当り遊技処理(大当り遊技開始処理(ステップS43)及び大当り遊技中処理(ステップS44))の一例を示すフローチャートである。大当り遊技処理において、CPU314は、大当り遊技を開始するタイミングであるか否かを判別する(ステップS430)。大当り遊技を開始するタイミングであれば、大当り開始コマンドをセットする(ステップS431)。大当り開始コマンドは、オープニングコマンドとも称されるものであり、演出表示装置115に、「大当りである旨」を表示させることを指示するためのコマンドである。特に、本例では、図25に示すように、大当りが発生する確率(以下、大当り確率という)と大当りの継続率との組み合わせに対して、互いに異なるように、複数の大当り開始コマンド(2001H〜2009H)が割当てられている。例えば、大当り確率が「1/495」で、大当りの継続率が「68%」のパチンコ機においては、大当り開始コマンドとして「2003H」が設定される。なお、「大当りの継続率」とは、「大当り」の場合に、確変状態フラグがセットされる割合、すなわち「確変大当り」となる割合である。
また、大当り開始コマンドは、2バイト構成のデータであり、大当り開始コマンドには、BGMの変更の有無を判定する際に大当りの継続回数と比較される基準回数と、大当りにおける最大ラウンド数とをそれぞれ特定するためのデータが含まれている。具体的には、大当り開始コマンドの1バイト目のデータは、当該演出コマンドが大当り開始コマンドであることを示しており、2バイト目のデータは、基準回数及び最大ラウンド数を特定するためのデータとなっている。
一方、図24において、大当り遊技を開始するタイミングでない場合には、大当り遊技を終了するタイミングであるか否かを判別する(ステップS432)。大当り遊技を終了するタイミングであれば、大当り終了コマンドをセットする(ステップS433)。大当り終了コマンドは、エンディングコマンドとも称されるものであり、演出表示装置115に、「大当りが終了した旨」を表示させることを指示するためのコマンドである。
また、大当り遊技を終了するタイミングでもない場合には、大当り遊技中であるか否かを判別する(ステップS434)。大当り遊技中であれば、大当り遊技中コマンドをセットする(ステップS435)。大当り遊技中コマンドには、各ラウンドの開始時に発信されるラウンド数コマンドと、ラウンド中に遊技球が大入賞口に入賞しカウントスイッチ319によって検出された時に発信されるカウントコマンドとが含まれている。なお、ラウンド数コマンドは、大入賞口を開放状態にしたことを演出表示装置115に表示させるためのコマンドであり、ラウンド数に応じた複数種類(例えば16種類)のコマンドが用いられている。また、カウントコマンドは、各ラウンドにおいて大入賞口に入賞した遊技球の数(カウント値)を演出表示装置115に表示させるためのコマンドであり、カウント値に応じて例えば10種類のコマンドが用いられている。
大当り遊技処理についてさらに詳細に説明する。内部的に条件装置が作動して大当り処理が実行されると、先ず所定のラウンドカウンタが初期化される。このラウンドカウンタは例えばRAM316内に確保されており、この初期化に伴ってラウンドカウンタの値はリセットされる。なお、ラウンドカウンタは大当り遊技中のラウンド数をカウントするためのものであり、その値が設定最大回数に達すると大当り処理が終了となる。
上記のラウンドカウンタが初期化された後、所定の入賞球数カウンタに「0」がセットされ、続いて大入賞口(アタッカ装置98)が開放される。そして、大入賞口の開放期間が設定最大期間(例えば30秒)内であるか否かが判断される。開放期間が設定最大期間内であれば、次に入賞球カウンタの値が10未満であるか否かが判断される。このとき入賞球カウンタの値が10に満たなければ、大入賞口に対応するカウントセンサの検出信号がONになったか否かが判断される。大入賞口への入賞によりカウントセンサがONになると、入賞球数カウンタに「1」が加算される。
「通常大当り」または「確変大当り」の場合、通常は設定最大期間である30秒が経過するか、あるいは入賞球が10カウントに達するかのいずれかの条件が満たされると1ラウンドが終了となる。これら2つの条件のいずれかが満たされると、ラウンド終了のために大入賞口が閉止される。そして、ラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(例えば15ラウンド)に達したか否かが判断される。ラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(15ラウンド)に達していなければ、次にラウンドカウンタの値に「1」が加算されて入賞球数カウンタが「0」にリセットされる。
上記の処理は「通常大当り」または「確変大当り」中における1ラウンド目の処理に相当する内容である。この後、ラウンド動作が繰り返されてラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(15ラウンド)に達したと判断されると、そこで大当り処理は終了となる。
次に、サブ統合基板336に搭載される統合CPU350によって実行される処理について説明する。図26はサブメイン処理の一例を示すフローチャートであり、図27は16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。
図26に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、統合CPU350は、初期設定処理を行う(ステップS71)。この初期設定処理では、サブ統合基板336に搭載される統合RAM352をクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS71)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS72)。
この実施の形態では、統合CPU350は、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットするとともに、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS72で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS73)、16ms定常処理を行う(ステップS74)。
この16ms定常処理では、主制御基板131から受信した演出コマンドに基づいて演出表示装置115、枠ランプ,遊技盤ランプ、スピーカ等を制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、再びステップS72に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS73〜ステップS74を繰り返し行う。一方、ステップS72で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図27は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、サブ統合CPU350は、ステップS91〜ステップS95の処理を実行する。ステップS91のコマンド解析処理では、主制御基板131から受信した演出コマンドを解析する。ステップS92の演出制御処理では、変動表示パターンコマンドに基づいて演出表示装置115に関わる制御処理を実行する。具体的には、予告演出の設定、装飾図柄の停止図柄の決定、等を行う。
また、ステップS93の音制御処理では、演出効果を促進させる効果音(例えばBGM)を発生させるための、スピーカに関わる制御処理を実行する。ステップS94のランプ制御処理では、遊技盤ランプ、枠ランプに関わる制御処理を実行する。ステップS95の情報出力処理では、電飾制御基板337にランプ演出コマンドを送信するとともに、電飾制御基板338に表示コマンドを送信する。ステップS96の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS92)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS91〜ステップS96の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(後述するステップS91のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS72で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS96)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図28は、コマンド解析処理(ステップS91)の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、統合CPU350は、まず、主制御基板131から演出コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS601)。この実施の形態では、主制御基板131から演出コマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中断してコマンド受信割込処理を発生させ、受信したコマンドを、サブ統合基板336に搭載される統合RAM352における受信コマンド格納領域に保存する。なお、受信コマンド格納領域は、演出コマンドの受信順に対応して複数の領域が設けられ、コマンド受信割込処理では、演出コマンドの受信順に対応して各領域に保存する。ステップS601では、受信コマンド格納領域の内容を確認し、演出コマンドが記憶されていれば、受信コマンド格納領域の受信順が先の演出コマンドを読み出す(ステップS602)。
そして、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであるか判別し(ステップS603)、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであれば(ステップS603にてYES)、変動表示パターン受信フラグをセットするとともに、サブ統合基板336に搭載される統合RAM352における変動表示パターン格納領域に格納する(ステップS604)。
一方、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドでなければ(ステップS603にてNO)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであるか判別し(ステップS605)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであれば(ステップS605にてYES)、確変大当りフラグをセットする(ステップS606)。また、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドでなければ(ステップS605にてNO)、受信した演出コマンドに対応したフラグをセットする(ステップS607)。
図29は、演出制御処理(ステップS92)の一例を示すフローチャートである。演出制御処理において、統合CPU350は、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS700〜ステップS702のうちいずれかの処理を行う。
処理選択フラグが「0」のときに実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS700)では、変動表示パターンコマンドを受信していれば装飾図柄の変動表示を開始させるための設定を行う。具体的には、変動表示パターンコマンドおよび確変大当りコマンドに応じて装飾図柄の停止図柄を決定するとともに、予告演出等の設定を行う。
処理選択フラグが「1」のときに実行される装飾図柄変動処理(ステップS701)では、変動停止コマンドを受信したときに電飾制御基板338に表示コマンドを送信して装飾図柄の変動表示を停止させる制御を行う。
処理選択フラグが「2」のときに実行される大当り表示処理(ステップS702)では、主制御基板131から送信される大当り開始コマンドに応じて演出表示装置115に大当り遊技状態の開始を示す表示や大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)をさせる制御を行う。
図30は、装飾図柄変動開始処理(ステップS700)の一例を示すフローチャートである。装飾図柄変動開始処理において、統合CPU350は、まず、変動表示パターン受信フラグがセットされているか判別する(ステップS710)。変動表示パターン受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS91)のステップS604でセットされ、主制御基板131から変動表示パターンコマンドを受信したことを示すフラグである。ステップS710で変動表示パターン受信フラグがセットされていなければ(ステップS710にてNO)、変動表示パターンコマンドを受信していないと判別して処理を終了する。
一方、変動表示パターン受信フラグがセットされていれば(ステップS710にてYES)、変動表示パターン受信フラグをリセットし(ステップS711)、受信した変動表示パターンコマンドにもとづく変動表示パターンが大当りを発生させる変動表示パターンであるか(当りパターンであるか)判別する(ステップS712)。当りパターンであるか否かは、変動表示パターンコマンドの2バイト目のデータを参照することにより確認できる。
変動表示パターンが当りパターンでなければ(ステップS712にてNO)、外れ図柄の停止図柄を決定する(ステップS713)。また、変動表示パターンが当りパターンであれば(ステップS712にてYES)、確変大当りフラグがセットされているか判別し(ステップS714)、確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS714にてYES)、確変大当り図柄の停止図柄を決定し(ステップS715)、確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS714にてNO)、非確変大当り図柄の停止図柄を決定する(ステップS716)。また、確変大当りフラグは、大当り表示処理(ステップS702)にて大当り遊技状態を開始するときにリセットされる。なお、確変大当りフラグがリセットされる時期はこれに限らず、例えば、装飾図柄変動処理(ステップS701)で装飾図柄の変動表示を停止させるとき、具体的には、変動停止コマンドを受信したときにリセットするようにしてもよいし、大当り表示処理(ステップS702)で大当り遊技状態を終了するときにリセットするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第一特別図柄に対応する第一装飾図柄と、第二特別図柄に対応する第二装飾図柄と、第一装飾図柄及び第二装飾図柄の両方に関連付けられた共通の装飾図柄列(以下、「共通装飾図柄列」と称す)とが表示されるようになっている。第一装飾図柄及び第二装飾図柄は、マル、バツ、サンカク等の図形の組合せで構成されており、確変大当り図柄である組合せ図柄と、非確変大当りである組合せ図柄とが予め設定されている。つまり、変動表示パターンが当りパターンであれば、第一装飾図柄の確変大当り図柄として設定された複数の組み合わせ、または非確変大当り図柄として設定された複数の組み合わせ、のうちいずれかの組み合わせ図柄を停止図柄として決定する。
一方、共通装飾図柄列は、数字を有する複数(例えば3列)の図柄列からなり、変動表示パターンが当りパターンであれば、同一の奇数図柄の組み合わせのうちいずれかの組み合わせの図柄を確変大当り図柄として決定し、同一の偶数図柄の組み合わせのうちいずれかの組み合わせの図柄を非確変大当り図柄として決定する。また、ステップS713で外れ図柄の停止図柄を決定するときに、リーチ態様を伴う変動表示パターンであるかを判別し、リーチ態様を伴う変動表示パターンであれば、左・中・右の共通装飾図柄のうち左および右の共通装飾図柄列が同一図柄であり、中の装飾図柄列は左および右の装飾図柄列とは異なる図柄となる停止図柄に決定する。一方、リーチ態様を伴わない変動表示パターンであれば、左・中・右の共通装飾図柄列のそれぞれが異なる図柄となるように停止図柄に決定する。
次いで、統合CPU350は、予告判定乱数に基づいて予告演出を実行するか否かの判定を行う予告選択処理を実行した後(ステップS717)、変動表示パターンと後述する予告種類格納領域に記憶される予告パターンとステップS713,S715,S716で決定した共通装飾図柄列の停止図柄とに応じた表示コマンドをセットする(ステップS718)。そして、処理選択フラグを「1」に更新して処理を終了する(ステップS719)。なお、ステップS718でセットされた表示コマンドは、情報出力処理(ステップS95)にて電飾制御基板338に送信され、電飾制御基板338に搭載される表示CPU358により当該表示コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置115にて装飾図柄の変動表示の実行を開始する。また、ステップS718で予告種類格納領域に記憶される予告パターンを読み出したときには、当該予告パターンを読み出した後、予告種類格納領域の内容をクリアする。これにより、次回の装飾図柄の変動表示にて誤って以前の装飾図柄の変動表示を開始するときに決定した予告パターンにもとづく予告演出が実行されることを防止できる。
続いて、特別図柄、第一装飾図柄、第二装飾図柄、及び共通装飾図柄列を含む演出表示に関する機能的な構成を、図31〜図34のブロック図に基づいて説明する。図31は主制御基板131での第一大当り抽選に関する機能的な構成を示し、図32は主制御基板131での第二大当り抽選に関する機能的な構成を示し、図33は主制御基板131での普通抽選に関する機能的な構成を示し、図34は周辺基板311(主にサブ統合基板36及び電飾制御基板338)での第一演出及び第二演出に関する機能的な構成を示している。
図31に示すように、主制御基板131には、第一大当り抽選に関する構成として、第一大当り判定用テーブル411a、第一大当り図柄用テーブル412a、第一当り時変動時間可変用テーブル413a、第一外れ時変動時間可変用テーブル414a、及び第一外れ時変動時間時短用テーブル415aが予め記憶されており、これらのテーブル411a〜415aを基に、第一大当り抽選における抽選の当否、第一特別図柄表示器332aにおける停止図柄、及び変動時間が決定される。第一大当り判定用テーブル411aは、図16(a)を基に前述したように、大当り判定用乱数値と大当りの当否との関係を示すものであり、通常時と高確率時とで当選となる割合が異なっている。また、第一大当り図柄用テーブル412aは、図16(b)を基に前述したように、大当り図柄用乱数値と第一特別図柄表示器332aにおける停止図柄との関係を示すものであり、大当り図柄用乱数値を複数のグループに区分した夫々の範囲と四つのLED110aの点灯状態との対応付けがなされている。また、第一当り時変動時間可変用テーブル413aは、第一大当り抽選における当否の結果が大当りの場合に用いられ、抽出される第一変動時間用乱数と第一特別図柄表示器332aにおける第一特別図柄の変動時間との関係を示すものであり、第一外れ時変動時間可変用テーブル414a及び第一外れ時変動時間時短用テーブル415aは、第一大当り抽選における当否の結果が外れの場合に用いられ、抽出される第一変動時間用乱数と第一特別図柄表示器332aにおける第一特別図柄の変動時間との関係を示すものである。なお、通常時のテーブル及び高確率時のテーブルのうち、いずれか一方のテーブルを遊技状態に基づいて選択する処理が第一抽選用確率選択手段420aによって行われる。
また、主制御基板131には、第一入賞状態検出手段318aによって第一始動口64への入賞が検出されたとき、ランダムカウンタ(乱数発生手段)から、大当り判定用乱数を抽出する大当り判定用乱数抽出手段416と、大当り図柄用乱数を抽出する第一大当り図柄用乱数抽出手段417aとが設けられている。また、判定用乱数及び大当り図柄用乱数を基に変動時間用乱数を抽出する第一変動時間用乱数抽出手段418aが設けられている。また、大当り判定用乱数抽出手段416によって大当り判定用乱数が抽出されると、第一大当り判定用テーブル411aを用いて大当りの当否を決定する第一当否決定手段430a、及び第一大当り図柄用乱数抽出手段417aによって大当り図柄用乱数が抽出されると、第一大当り図柄用テーブル412aを用いて第一特別図柄表示器332aにおける停止図柄を決定する第一停止図柄決定手段431aが設けられている。さらに、第一変動時間用乱数抽出手段418aによって変動時間用乱数が抽出され、且つ第一当否決定手段430aによって大当りであることが決定されると、第一当り時変動時間可変用テーブル413aを用いて第一特別図柄の変動時間を決定し、一方、変動時間用乱数が抽出され、且つ第一当否決定手段430aによって外れであることが決定されると、第一外れ時変動時間可変用テーブル414aまたは第一外れ時変動時間時短用テーブル415aを用いて第一特別図柄の変動時間を決定する第一変動時間決定手段432aが設けられている。特に、主制御基板131には、第一時短制御手段441が設けられており、第一大当り抽選に係る第一保留数が所定値(例えば「4」)よりも小さい時は、第一外れ時変動時間可変用テーブル414aを用いて第一特別図柄の変動時間を決定し、一方、第一保留数が所定値(例えば「4」)に到達した場合には、第一外れ時変動時間時短用テーブル415aを用いて第一特別図柄の変動時間を決定する。
また、主制御基板131には、第一特別図柄表示器332aにおいて第一特別図柄の変動を開始するとともに、第一変動時間決定手段432aによって決定された変動時間の経過後、第一停止図柄決定手段431aによって決定された停止図柄で変動停止させる第一特別図柄変動制御手段434aと、第一当否決定手段430aによって大当りであることが決定されると、第一特別図柄の変動停止後、遊技者に有利な遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段433と、第一特別図柄の変動開始前に、第一当否決定手段430aによって決定された大当りの有無に関する当否コマンド、及び第一特別図柄の変動態様(時間)に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドを発信するコマンド発信手段435が設けられている。さらに、主制御基板131には、第一特別図柄または第二特別図柄の変動中に、第一入賞状態検出手段318aによって第一始動口64への入賞が検出された場合、一定球数(4回)を上限として保留数をカウントし記憶するとともに、第一特別図柄の変動表示を保留数分だけ繰り返し行わせる第一保留消化手段422aが設けられている。ここで、大当り判定用乱数抽出手段416、第一変動時間用乱数抽出手段418a、第一当否決定手段430a、及び第一停止図柄決定手段431a等を組合せたものが本発明の第一抽選手段に相当する。また、特別図柄変動制御手段434が本発明の表示制御手段に相当し、第一停止図柄決定手段431a及び第一変動時間決定手段432aを組合せたものが本発明の第一表示態様決定手段に相当する。
また、図32に示すように、主制御基板131には、第二大当り抽選に関する構成として、第二大当り判定用テーブル411b、第二大当り図柄用テーブル412b、第二当り時変動時間可変用テーブル413b、第二外れ時変動時間可変用テーブル414b、及び第一外れ時変動時間時短用テーブル415aが予め記憶されており、これらのテーブル411b〜415bを基に、第二大当り抽選における抽選の当否、第二特別図柄表示器332bにおける停止図柄、及び変動時間が決定される。なお、各テーブルの構成は、第一大当り抽選における各テーブルの構成と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、主制御基板131の大当り判定用乱数抽出手段416は、第二入賞状態検出手段318bによって第二始動口65への入賞が検出されたときも、ランダムカウンタ(図示しない)から、大当り判定用乱数を抽出するようになっている。また、主制御基板131には、第二大当り抽選に関する大当り図柄用乱数を抽出する第二大当り図柄用乱数抽出手段417bと、判定用乱数及び大当り図柄用乱数を基に変動時間用乱数を抽出する第二変動時間用乱数抽出手段418bとが設けられている。また、大当り判定用乱数抽出手段416によって大当り判定用乱数が抽出されると、第二大当り判定用テーブル411bを用いて大当りの当否を決定する第二当否決定手段430b、及び第二大当り図柄用乱数抽出手段417bによって大当り図柄用乱数が抽出されると、第二大当り図柄用テーブル412bを用いて第二特別図柄表示器332bにおける停止図柄を決定する第二停止図決定手段431bが設けられている。さらに、第二変動時間用乱数抽出手段418bによって変動時間用乱数が抽出され、且つ第二当否決定手段430bによって大当りであることが決定されると、第二当り時変動時間可変用テーブル413bを用いて第二特別図柄の変動時間を決定し、一方、変動時間用乱数が抽出され、且つ第二当否決定手段430bによって外れであることが決定されると、第二外れ時変動時間可変用テーブル414bまたは第二外れ時変動時間時短用テーブル415bを用いて第二特別図柄の変動時間を決定する第二変動時間決定手段432bが設けられている。主制御基板131には、第二時短制御手段442が設けられており、第二大当り抽選に係る第二保留数が所定値(例えば「2」)よりも小さい時は、第二外れ時変動時間可変用テーブル414bを用いて第二特別図柄の変動時間を決定し、一方、第二保留数が所定値(例えば「2」)以上の場合には、第二外れ時変動時間時短用テーブル415bを用いて第二特別図柄の変動時間を決定する。つまり、保留数が多くなった場合、変動時間を短縮させている。特に、第二時短制御手段442には、消化促進手段443が設けられており、変動時間の短縮処理を、保留数の比較的少ない段階から実行させることにより、第一抽選よりも保留状態の消化を促進させている。
また、主制御基板131には、第二特別図柄変動制御手段434bが設けられており、第二特別図柄表示器332bにおいて第二特別図柄の変動を開始するとともに、二変動時間決定手段432bによって決定された変動時間の経過後、第二停止図柄決定手段431bによって決定された停止図柄で変動停止させる。また、有利遊技状態発生手段433は、第二当否決定手段430bによって大当りであることが決定された後も、第二特別図柄の変動停止後、遊技者に有利な遊技状態を発生させ、コマンド発信手段435は、第二特別図柄の変動開始前に、第二当否決定手段430bによって決定された大当りの有無に関する当否コマンド、及び第二特別図柄の変動態様(時間)に対応する変動表示コマンドを含む制御コマンドを発信する。さらに、第二保留消化手段422が設けられており、第二特別図柄の変動中に、第二入賞状態検出手段318bによって第二始動口65への入賞が検出された場合、一定球数(4回)を上限として保留数をカウントし記憶するとともに、第二特別図柄の変動表示を保留数分だけ繰り返し行わせる。ここで、大当り判定用乱数抽出手段416、第二変動時間用乱数抽出手段418b、第二当否決定手段430b、及び第二停止図柄決定手段431b等を組合せたものが本発明の第二抽選手段に相当する。また、第二停止図柄決定手段431b及び第二変動時間決定手段432bを組合せたものが本発明の第二表示態様決定手段に相当する。
また、図33に示すように、主制御基板131には、普通抽選(第二始動口65への入賞のし易さを高めるための抽選)に関する構成として、普通当り判定用乱数抽出手段424、普通当り判定用テーブル426、及び普通当否決定手段425が設けられている。普通当り判定用乱数抽出手段424は、入球状態検出手段61(ゲートセンサ317)によって通過ゲート62への入球が検出されたとき、ランダムカウンタ(乱数発生手段)から、普通当り判定用乱数を抽出するものである。また、普通当り判定用テーブル426は、図16(c)に示すように、高確率時のテーブルと通常時のテーブルとに分かれており、高確率時の普通当り判定テーブルでは、0〜249までの250個の普通当り判定用乱数のうち、普通当りを発生させることが決定される普通当り判定値が249個設定され、普通当りとなる確率が249/250となっている。一方、通常時の普通当り判定テーブルでは、0〜249までの250個の普通当り判定用乱数のうち普通当り判定値が5個設定され、普通当り確率が5/250となっている。なお、高確率時の普通当り抽選では、普通図柄の変動時間が1秒に設定され、一方、通常時の普通当り抽選では、普通図柄の変動時間が30秒に設定されている。
また、普通当否決定手段425は、普通当り判定用乱数抽出手段424によって普通当り判定用の乱数が抽出されると、抽出された乱数と普通当り判定用テーブル426に記憶された普通当り判定値とを比較して、一致している場合に普通当りであると決定する。なお、この際、遊技状態判定手段423によって、遊技状態が特定の遊技状態、すなわち確率変動大当り後の遊技状態(確率変動状態)または大当り(例えば通常大当り)後の一定期間における遊技状態(時短遊技状態)か否かが判定され、特定の遊技状態である場合には高確率時のテーブルが選択され、特定の遊技状態でない場合には通常時のテーブルが選択される。
また、主制御基板131には、普通当否決定手段425によって普通抽選の当否が決定されると、普通図柄表示器428に普通図柄を変動表示させるとともに、変動時間(4秒または1秒)の経過後、当否の結果を表示させる普通図柄変動制御手段427が設けられている。また、普通当否決定手段425による判定の結果、普通当りが確定した場合、普通図柄の変動停止後、第二始動口65を有する電動開閉入賞装置69を開放させ、遊技球が第二始動口65に入賞しやすくする開放制御手段429が設けられている。
次に、サブ統合基板336を含む周辺基板311における、演出に関する構成について、図34等に基づき説明する。本例の演出表示装置115に表示される演出画像には、周期性をもって変動表示される装飾図柄、装飾図柄の変動中(リーチ状態の前)に複数の画像を予め定めた順序に従って段階的に発展表示させることが可能なステップ演出、及びリーチ成立後に表示させることが可能な発展演出等が含まれている。以下、装飾図柄、及びステップ演出について詳細に説明する。
(装飾図柄について)
本例では、演出表示装置115に表示される装飾図柄として、図36の演出例に示すように、第一装飾図柄501と、第二装飾図柄502と、共通装飾図柄列503とが設けられている。第一装飾図柄501は第一特別図柄表示器332aに対応し、第二装飾図柄502は第二特別図柄表示器332bに対応しており、これらは、表示画面の上隅に互いに分離して表示されている。第一装飾図柄501及び第二装飾図柄502は、丸や三角等の図形の組合せから構成されており、第一特別図柄または第二特別図柄の変動が開始されると、それに対応した装飾図柄が変動し、特別図柄の変動停止と略同時に、抽選結果に基づいた停止図柄(図形の組合せ)で停止する。なお、これらの装飾図柄501,502は、第一大当り抽選または第二大当り抽選のうちいずれの抽選に関する演出が行われているのかを画面上で認識させるために設けられたものであり、表示画面の隅部において比較的小さく表示されても、十分に認識することが可能である。
これに対し、共通装飾図柄列503は、表示画面全体にわたって大きく表示されている。共通装飾図柄列503は、第一装飾図柄501及び第二装飾図柄502の両方に共通する図柄列であり、第一装飾図柄501の変動中は、第一特別図柄の変動(即ち第一大当り抽選)に対応した演出となり、第二装飾図柄502の変動中は、第二特別図柄の変動(即ち第二大当り抽選)に対応した演出となる。また、共通装飾図柄列503は、例えば、左・中・右の3つの装飾図柄列が設定されており、装飾図柄列毎に変動表示されるようになっている。一連の装飾図柄列は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄と、絵図柄からなる副装飾図柄とにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄が表示されると共に各主装飾図柄の間に副装飾図柄が配されて一連の装飾図柄列が構成されている。そして、主装飾図柄と副装飾図柄とが周期性を持って上から下へと変動表示されるようになっており、左装飾図柄列→右装飾図柄列→中装飾図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時に三つの装飾図柄が大当り装飾図柄の組合せ(例えば「7」,「7」,「7」)で揃えば大当りとして特別遊技動画が表示されるようになっている。特に、三つの装飾図柄列のうち最後に停止される最終停止図柄列(中装飾図柄列)が停止する前の段階で、有効ライン上で既に停止している二つの装飾図柄(左装飾図柄及び右装飾図柄)が互いに同じ図柄である場合には、これらの装飾図柄を第一リーチ形成図柄として、リーチ状態が成立する。また、主装飾図柄は、「通常大当り」を示す複数の通常図柄と、「確変大当り」を示す複数の確変図柄とからなり、通常図柄によって大当りの組合せが成立した場合には、「通常大当り」が発生し、確変図柄で大当りの組合せが成立した場合には、「確変大当り」が発生するようになっている。
なお、図36の演出例に示すように、表示画面の下部側には、第一大当り抽選の第一保留数に対応して表示態様を変化させる第一保留数表示部504と、第二大当り抽選の第二保留数に対応して表示態様を変化させる第二保留数表示部505とが表示されている。つまり、第一保留数表示部504は保留球ランプ111aに対応し、第二保留数表示部505は保留球ランプ111bに対応しており、これにより演出表示装置115の画面上において夫々の抽選における保留状態を視認させることを可能にしている。
(ステップ演出)
ステップ演出では、最初のステップから最後のステップまでの間が時系列的に分割されており、各ステップに対して互いに異なる画像(動画)が定められている。そして、段階的に発展表示されるステップの数が互いに異なるように複数の演出パターンが設定されている。つまり、ステップの数が互いに異なる複数の演出パターンがステップ演出として演出パターン記憶手段(図示しない)に記憶されており、例えばステップの数が一つの演出パターンが選択された場合には、第一ステップにおける画像のみが表示され、ステップの数が四つの演出パターンが選択された場合には、第一ステップ〜第四ステップにおける画像を段階的に発展表示させることが可能となる。また、このステップ演出は、大当りの予告表示として、演出表示装置115における共通装飾図柄列503の変動開始から、それらがリーチ状態となるまでの間の所定期間内において導出可能なものであり、段階的に発展表示されるステップの数が多いほど、大当りの信頼度が高くなるように出現率が振り分けられている。なお、大当りの信頼度とは、外れ時の演出として選択される確率が異なっている複数の演出がある場合、その選択率の異なりによって発生するものである。例えば、選択率が低い演出ほど大当りに対する信頼度が高くなり、期待値が高くなる。
図34に示すように、周辺基板311(副制御手段に相当)には、主基板310(主制御手段に相当)から送信された制御情報コマンドがコマンド受信手段451によって受信されると、これを基に演出表示装置115を制御するための各種機能が備えられている。
すなわち、第一大当り抽選に対応する演出用テーブルとして、第一当り時演出態様テーブル452aと、第一外れ時演出態様テーブル453aとが予め記憶されており、これらのテーブル452a,453aを基に、ステップ演出等における演出態様が決定されるようになっている。
まず、演出態様テーブル452a,453aについて詳細に説明する。第一当り時演出態様テーブル452aは、図35(a)に示すように、大当りの場合に用いられ、演出決定用乱数(後述する)と、演出態様(ここではステップ演出における演出パターン)との関係を示すものである。また、第一外れ時演出態様テーブル453aは、外れの場合に用いられるテーブルであり、図35(b)に示すように、演出決定用乱数と演出パターンとの関係を示すものである。
図34に示すように、周辺基板331には、ランダムカウンタ(図示しない)からステップ演出決定用乱数を抽出する第一演出用乱数抽出手段457aと、ステップ演出の演出パターンを決定する第一演出態様決定手段458aとが設けられている。第一演出態様決定手段458aは、コマンド受信手段451を介して制御コマンドを受信すると、第一演出用乱数抽出手段457aによって演出用乱数を抽出するとともに、制御コマンドに含まれる当否コマンドが大当りを示すものである場合には、第一演出用乱数抽出手段457aによって抽出された演出用乱数と、第一当り時演出態様テーブル452aとから演出パターンを決定し、一方、当否コマンドが外れを示すものである場合には、第一演出用乱数抽出手段457aによって抽出された演出用乱数と、第一外れ時演出態様テーブル453aとから演出パターンを決定するものである。具体的に、図35に示すように、当否コマンドが大当りを示すものであり、抽出された演出用乱数が「0」〜「55」の範囲内に含まれている場合には、第一ステップ乃至第四ステップからなる演出パターン1(PT1)が選択され、また、同条件(受信した制御コマンドが同一)の場合において、抽出された演出用乱数が「56」〜「96」の範囲内に含まれている場合には、第一ステップ乃至第三ステップからなる演出パターン2(PT2)が選択され、抽出されたステップ演出用乱数が「97」〜「119」の範囲内に含まれている場合には、第一ステップ及び第二ステップからなる演出パターン3(PT3)が選択され、抽出された演出用乱数が「120」〜「127」の範囲内に含まれている場合には、第一ステップのみからなる演出パターン(PT4)が選択される。一方、当否コマンドが外れを示すものであるときは、抽出されたステップ演出用乱数が「0」〜「7」の範囲内に含まれている場合には、演出パターン1(PT1)が選択され、また、抽出された演出用乱数が「8」〜「39」の範囲内に含まれている場合には、演出パターン2(PT2)が選択され、抽出された演出用乱数が「40」〜「79」の範囲内に含まれている場合には、演出パターン3(PT3)が選択され、抽出された演出用乱数が「80」〜「127」の範囲内に含まれている場合には、演出パターン4(PT4)が選択される。
なお、当り時には、演出パターン1(PT1)の振分率(例えば44%)が最も高く、次に、演出パターン2(PT2)の振分率(例えば32%)が高くなるように設定されている。これに対し、外れ時には、演出パターン4(PT4)の振分率(例えば38%)が最も高く、次に、演出パターン3(PT3)の振分率(例えば31%)が高くなるように設定されている。すなわち、当り時には、外れ時に比べ、第一ステップ乃至第四ステップを演出対象とする演出パターン1が導出されやすくなっている。つまり、後半に出現可能な画像は、大当りの時に表示されやすくなっている。
そして、図34に示すように、第一演出態様決定手段458aによって決定されたステップ演出の演出パターンは、演出パターン記憶手段(図示しない)から抽出されるとともに、第一演出表示制御手段475aに送られる。第一演出表示制御手段475aは、それらの演出の画像を画像記憶手段(図示しない)から読出し演出表示装置115に導出する。ここで、第一演出表示制御手段475aが本発明の表示制御手段に相当する。
一方、第一装飾図柄501の演出に関する機能的な構成として、第一装飾図柄変動制御手段476aが設けられている。第一装飾図柄変動制御手段476aは、コマンド受信手段451によって受信された制御コマンドを基に、停止図柄を第一装飾図柄記憶手段(図示しない)から読み出し変動させるとともに、その制御コマンドに含まれる変動時間及び当否コマンド等(すなわち抽選結果)に基づいて装飾図柄を停止させるものである。ここで、第一装飾図柄変動制御手段476aが本発明の第一表示制御手段に相当する。
なお、上記では、第一大当り抽選に関する演出について説明したが、周辺基板331には、第二大当り抽選に関する演出を行うための機能的構成も備えられている。具体的には、第二大当り抽選に対応する演出用テーブルとして、第二当り時演出態様テーブル452bと、第二外れ時演出態様テーブル453bとが予め記憶されており、これらのテーブル452b,453bを基に、ステップ演出等における演出態様が決定されるようになっている。演出態様テーブル452b,453bは、第一大当り抽選に対応する演出態様テーブル452a,453aと同様の構成であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、周辺基板331には、第二大当り抽選に対応して、第二演出用乱数抽出手段457b、第二演出態様決定手段458b、第二演出表示制御手段475b、及び第二装飾図柄変動制御手段476bが設けられているが、これらの構成も第一大当り抽選に対応する機能的構成と同様の機能を有することから、詳細な説明を省略する。ここで、第二演出表示制御手段475b及び第二装飾図柄変動制御手段476bが本発明の第二表示制御手段に相当する。
また、周辺基板331には、装飾図柄列変動表示手段460及び大当り表示手段464が設けられている。装飾図柄列変動表示手段460は、第一装飾図柄変動制御手段476a及び第二装飾図柄変動制御手段476bの出力を基に、あるいはコマンド受信手段451によって受信された制御コマンドを基に、共通装飾図柄列503を変動させるとともに、その制御コマンドに含まれる変動時間及び当否コマンド等(すなわち抽選結果)に基づいて共通装飾図柄列503を順に停止させるものである。特に、複数の共通装飾図柄列503のうち最後に停止される最終停止図柄列が停止する前の段階で、有効ライン上で既に停止している装飾図柄(停止図柄)の組合せが、特定の装飾図柄の組合せを充足する場合、既に停止している装飾図柄を第一リーチ形成図柄として、リーチ状態を成立させる。
また、大当り表示手段464は、第一大当り抽選または第二大当り抽選の抽選結果が所定の結果の場合、その抽選にかかる共通装飾図柄列503の変動を停止させた後、大当りであることを表示させるものである。
このように、本例のパチンコ機1によれば、遊技領域37に、常時入賞可能な第一始動口64と、開放した場合に遊技球が入賞可能となる第二始動口65とが設けられており、第一始動口64及び第二始動口65のうち何れか一方の始動口に遊技球が入賞した場合には、それらの始動口64,65に対応する第一特別図柄表示器332a及び第二特別図柄表示器332b、さらには演出表示装置115において所定の演出が導出され、両方の始動口64,65に遊技球が入賞した場合には、二種類の演出が順に導出される。また、確率変動大当り終了後の遊技状態等、特定の遊技状態になったことが判定されると、第二始動口65の開閉状態が制御され、遊技球の入賞が極めて困難な状態から極めて容易な状態へと変化する。このため、特定の遊技状態になると、第二始動口65に対して遊技球を入賞させることが容易となり、第一大当り抽選と第二大当り抽選とが並行して順に行われる機会が増大し、ひいては特定の遊技状態における有利性を大きく向上させることが可能になる。また、第一大当り抽選及び第二大当り抽選のいずれに対しても保留消化処理が行われるため、特定の遊技状態になると、抽選を頻繁に行わせることが可能になるとともに、新たな抽選手段による楽しみが付加されるため、興趣を大幅に高めることができる。
特に、保留消化処理では、第二大当り抽選における保留状態の消化時間を、第一大当り抽選における保留状態の消化時間よりも短くさせ効率的に消化させるため、特定の遊技状態における第二始動口65への遊技球の入賞率が、第一始動口64よりもかなり高い場合であっても、第二保留数が上限値に到達することを抑制でき、それによる第二始動口65への入賞意欲の低下、ひいては遊技の中断を低減することができる。換言すれば、第二始動口65が開放した際の入賞のし易さを、第一始動口64よりも高くなるように設定し、第二始動口65の開閉制御により遊技者の有利性を大幅に変化させるようにした場合でも、第二始動口65の消化時間を短縮することにより、第二大当り抽選の保留数が上限値に到達することを抑制でき、しかも二種類の表示態様を偏りなく視認させることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、保留数が少ない段階では、第一特別図柄の変動時間も第二特別図柄の変動時間も短縮されないため、夫々の抽選における演出表示を十分に堪能させることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、第一大当り抽選の演出と第二大当り抽選の演出とを順次導出することが可能となるため、二つの演出によって、演出に対する注目を大幅に高めることができる。また、導出される演出の数が増えることにより、二つの抽選が並行して順に行われていることを容易に認識させ、抽選への期待感を大幅に増加させることが可能になる。特に、二種類の表示態様が順に導出されることから、二つの抽選が並行して同時に行われることを防止し、ひいては、大当り状態が重なって実行されることによる演出内容の煩雑さや、遊技の不自然さを防止することができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、普通当り抽選の当選確率を変化させることにより、第二始動口65を、殆ど開放しない状態から頻繁に開放する状態へと変化させるため、第二始動口65における遊技球の入賞のし易さを簡単に変化させることができる。
また、本例のパチンコ機1によれば、第一装飾図柄501及び第二装飾図柄502に加え、共通装飾図柄列503も表示されるため、第一装飾図柄501または第二装飾図柄502によって、どちらの抽選が行われているのかを容易に把握させることができ、しかも、演出内容や抽選結果を共通装飾図柄列503の変動及び停止によって認識させることができる。換言すれば、第一装飾図柄501及び第二装飾図柄502の大きさを比較的小さくしても変動の有無を認識させる得ることから、その分、共通装飾図柄列503の表示領域を増加させ、画面全体に共有装飾図柄列503を表示させた迫力のある演出が可能となる。また、第一装飾図柄501及び第二装飾図柄502は表示画面の隅部に分離して表示されるため、第一抽選手段による抽選と第二抽選手段による抽選とを明確に識別させることが可能になり、また、これらの装飾図柄501,502が共通装飾図柄列503の表示と重なることを防止できる。
また、本例のパチンコ機1によれば、第二始動口65の外観が遮蔽部材66によって遮蔽されるため、これらの存在が目立たなくなる。このため、通常の遊技状態において第二始動口65を殆ど開放させなくても、違和感を生じさせることがない。なお、第二始動口65が開放された場合、その一部が露出されるようにしてもよく、これによれば、第二始動口65の位置が明確となり、第二始動口65を狙って遊技球を打ち込むことが可能になる。
さらに、本例のパチンコ機1によれば、第一大当り抽選及び第二大当り抽選は、当否判定用のテーブルとして、高確率時のテーブルと通常時のテーブルとを有しており、第一大当り抽選が高確率時のテーブルを選択する場合には、第二大当り抽選も高確率時のテーブルを選択することとなり、高確率時のテーブルの選択と通常時のテーブルの選択とが混在することがない。したがって、通常の遊技状態(いずれも低確率状態)における期待値と、確率変動状態(いずれも高確率状態)での期待値を明確に差別化することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、時短処理を開始するための条件(保留数と比較される所定値)を互いに異ならせることにより、第二大当り抽選における保留状態の消化時間を、第一大当り抽選での消化時間よりも短縮させるものを示したが、第二特別図柄の変動時間(一回当りの変動時間)を、第一特別図柄の変動時間よりも短くすることにより保留状態の消化を促進させるようにしてもよい。これによれば、消化時間の異なる二つの特別図柄が順次または並行して変動するため、二つの抽選が個別に行われていることを強く印象付け、抽選に対する期待感を増加させることができる。
また、上記実施形態では、特定の遊技状態の際、第二始動口65への入賞率を増加させるパチンコ機1において、保留状態の消化を促進させるものを示したが、第一抽選の契機となる第一始動口と、第二抽選の契機となる第二始動口とが設けられ、それらの入賞のし易さが互いに異なる遊技機であれば、本発明を適用することが可能である。
また、上記実施携帯では、第一大当り抽選における各種テーブルと、第二大当り抽選における各種テーブルとを、別々のテーブルとして構築するものを示したが、同一のテーブルを共用するようにしてもよい。但し、上記実施形態のように夫々の抽選に対するテーブルを別個に構築することにより、抽選頻度を単に増加させるだけでなく、異なる内容の抽選が加わることから、演出内容や抽選結果等に対する興趣を大きく向上させることができる。
また、上記実施形態では、第一大当り抽選及び第二大当り抽選においてともに保留がある場合、第一始動口64及び第二始動口65への遊技球の入賞順に従って、第一特別図柄及び第二特別図柄を順に変動表示させるものを示したが、第一大当り抽選及び第二大当り抽選に対して優先順序を予め付与し、優先順序の高い側の大当り抽選に対応する特別図柄をまず変動させ、その抽選の保留がなくなった後に、優先順序の低い側の大当り抽選に対応する特別図柄を変動させるようにしてもよい。また、各始動口64,65への入賞順にかかわらず交互に変動させるようにしてもよい。さらに、第一大当り抽選及び第二大当り抽選の何れか一方を無作為に選択し、選択された側の大当り抽選に係る特別図柄を変動させるようにしてもよい。
また、第一特別図柄と第二特別図柄とを並行して変動させるようにしてもよい。これによれば、二つの抽選が同時に行われていることを容易に認識させ、抽選への期待感を大幅に増加させることが可能になる。
また、上記実施形態では、第一始動口64を、開口度合が固定であるポケット型の入賞口から構成したものを示したが、第二始動口65と同じように、左右一対の可動片を有する電動開閉入賞装置から構成し、遊技状態に基づいて、第一始動口64への入賞のし易さを変化させるようにしてもよい。但し、本例のように、第一始動口64の開口度合を常に一定とさせるようにすれば、互いに異なるタイプの始動口の組合せにより、遊技性を高めることが可能になる。特に、通常時は第一始動口64への入賞を狙い、一方、特定の遊技状態では通過ゲート62への入球及び第二始動口65への入賞を狙うようにすることにより、効率よく抽選を行わせることが可能となるため、所定の場所を狙いながら遊技球を発射させるという、遊技機本来の楽しさを一層高めることが可能になる。
また、上記実施形態では、演出表示装置115に共通装飾図柄列503とともにキャラクタの演出を表示させるものを示したが、共通装飾図柄列503の変動のみを表示させるようにしてもよい。但し、上記実施形態のようにキャラクタ等の演出を表示させるようにすれば、演出の興趣を高めることができる。特に、キャラクタ等による演出を抽選結果に基づいて導出させるようにすれば、抽選への期待感にメリハリをつけることができ、演出への興味をさらに高めることができる。
また、上記実施形態では、特定の遊技状態になると、普通抽選における当選確率、すなわち電動開閉入賞装置69が開放する割合を高めるとともに、普通図柄表示器428の変動時間を短縮することにより、第二始動口65への入賞のし易さを高めるものを示したが、変動時間を変化させることなく、普通抽選における当選確率のみを高めるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、主にパチンコ機1における内部的な制御について具体的に説明したが、第一大当り抽選及び第二大当り抽選の確定信号を、例えばホール側コンピュータに出力するようにしてもよい。この際、第一特別図柄または第二特別図柄の変動停止時に主制御基板131から外部へ確定信号を出力させることとなるが、二つの確定信号を出力するタイミングが重なる場合には、何れか一方の確定信号を遅延させ、互いに異なるタイミングで出力させることが好ましい。
また、上記実施形態では、装飾図柄列の変動、及びステップ演出等の演出を周辺基板311で実行させるもの、すなわち主制御基板131から発信されるコマンドを基に演出表示を制御するものを示したが、主制御基板131において全ての演出処理を行うようにしてもよい。但し、上記実施形態のように演出処理を分担するようにすれば、主制御基板131における処理の負担を軽減するとともに、これらの処理を一層多様化することができる。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。