JP2016019505A - 害虫発生推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】害虫の発生を予測できる害虫発生推定装置を提供する。
【解決手段】害虫等を誘引する集積部11を備えた集積手段10と、集積部11の害虫等の数を推定する計数手段30と、計数手段30が推定した害虫の数の時間変動に基づいて害虫の数の変化を推定する害虫発生推定手段40と、を備えている。集積部11に害虫等を誘引して集積し集積されている害虫等の数を把握し、その時間変動に基づいて害虫発生推定手段40が害虫等の数が変化を推定するので、客観的に害虫等の数の変化を予測することができる。すると、予測する害虫等の数の変化に応じて、害虫等に対する対策を適切に立てることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、害虫発生推定装置に関する。
近年の養鶏産業は、日本、ヨーロッパ、東南アジア、アメリカ、北米、南米を含む世界各国において盛んに行われている。各国において、鳥インフルエンザ等の伝染性病気は法定伝染病として、国がウィルスの伝播を管理している。一方、家畜の飼育環境の管理は、ウィルスの鶏舎内への進入を制限する為に、閉鎖型鶏舎(例えば、ウインドレス鶏舎)などを導入することにより、ほぼ完全に隔離された環境を作り出すことができる。しかし、かかる環境形成は、事業主の企業努力により委ねられているのが現況である。
更に近年では、動物愛護管理法の改正に伴い、飼育環境や技術の改善、保全に努める事が義務付けられ、企業努力の負担が増えつつある。一方、飼育環境の悪化に伴い増加する害虫のうち、とくにワクモは家禽生産に直接的な被害をもたらし、その影響は全世界的に顕在化しつつある。例えば、ワクモは鶏に寄生して鶏の血を吸引するが、ワクモによって吸血された鶏は、採卵率が低下したり採卵した卵の品質が低下したりするという問題が生じている。したがって、家禽生産においては、ワクモの発生を抑制することが求められており、かかるワクモの大量発生を防止しその駆除を効果的に行うためには、ワクモの発生状況を予測することは重要である。
特開2006−67810号公報 特開2003−169584号公報 特開2003−304788号公報 特開2005−21074号公報
しかるに、特許文献1〜4に示すように、鶏舎におけるダニや農場などにおける害虫を捕捉し、現在の害虫の発生状態を監視する技術は種々開発されているものの、ワクモ等の害虫の発生状況、つまり、今後どのように害虫数が変動するかを推定する技術は開発されていない。
ワクモ等の害虫の発生状況を予測できれば、大量発生を防ぐための措置をとることも可能となり、ワクモ等の駆除を容易にできるとともに、駆除のための作業を軽減できるので、かかる装置が求められている。
本発明は上記事情に鑑み、害虫の発生を予測できる害虫発生推定装置を提供することを目的とする。
第1発明の害虫発生推定装置は、害虫等を誘引する集積部を備えた集積手段と、該集積部の害虫等の数を推定する計数手段と、該計数手段が推定した害虫の数の時間変動に基づいて害虫の数の変化を推定する害虫発生推定手段と、を備えていることを特徴とする。
第2発明の害虫発生推定装置は、第1発明において、前記害虫発生推定手段は、過去の害虫数の時間変動に関する害虫数情報を記憶している記憶部と、該記憶部に記憶されている害虫数情報と、前記計数手段が推定した害虫等の数と、を比較する比較部と、該比較部の情報に基づいて、害虫の数の変化を推定する害虫数推定部と、を備えていることを特徴とする。
第3発明の害虫発生推定装置は、第2発明において、周囲の環境に関する情報を測定する環境情報測定手段を備えており、前記記憶部は、前記害虫数情報と、該害虫数情報が生じたときの環境情報とを、両者を関連づけた状態で記憶しており、前記比較部は、前記環境情報と、前記環境情報測定手段が測定した環境情報とを比較する環境比較機能を備えており、前記害虫数推定部は、前記比較部の環境比較機能によって得られた結果に基づいて、害虫の数の変化を補正する環境補正機能を有していることを特徴とする。
第4発明の害虫発生推定装置は、第1、第2または第3発明において、家禽を飼育する鶏舎に設置される場合において、前記害虫がワクモであり、前記環境情報が、鶏舎の照明の点灯状況に関する情報を含んでいることを特徴とする。
第5発明の害虫発生推定装置は、第4発明において、前記集積部が、表面から内部まで連続する多数の孔を有する多孔質構造に形成されており、害虫等が出入り可能な構造に形成されていることを特徴とする。
第1発明によれば、集積部に害虫等を誘引して集積し集積されている害虫等の数を把握し、その時間変動に基づいて害虫発生推定手段が害虫等の数の変化を推定するので、客観的に害虫等の数の変化を予測することができる。すると、予測する害虫等の数の変化に応じて、害虫等に対する対策を適切に立てることができる。
第2発明によれば、過去の害虫数の変化に基づいて害虫等の数の変化を推定するので、より適切に害虫等の発生状況を推定することができる。
第3発明によれば、過去の環境情報と現在の環境情報とを対比して害虫等の数の変化を補正するので、より適切に害虫等の発生状況を推定することができる。
第4発明によれば、ワクモは光の状態によって活動状況が変化するので、ワクモの活動状況を含めて、害虫等の数の変化の推定を調整できる。
第5発明によれば、集積部は表面から内部まで連続する多数の孔を有しているので、その孔が害虫等が侵入し得る大きさに形成されていれば、孔は害虫等の隠れ場所となる。したがって、隙間などに隠れている害虫等を集積部に集積させることも可能となるので、隙間などに隠れている害虫等も含めて害虫等の数を把握できる。したがって、より適切に害虫等の発生状況を推定することができる。
本実施形態の害虫発生推定装置1の概略ブロック図である。 本実施形態の害虫発生推定装置1による害虫数の推定状況を示した図であり、(A)は害虫数の増加状況に基づく推定を示した図であり、(B)は温度に基づく推定の補正を示した図である。 本実施形態の害虫発生推定装置1における集積手段10と計数手段30の概略説明図であり、(A)は平面図であり、(B)は要部拡大図である。 (A)はワクモの概略説明図であり、(B)は集積部11の部分拡大図である。 本実施形態の害虫発生推定装置1の使用状況の概略説明図であり、(A)はウインドレス鶏舎CHの断面図であり、(B)はウインドレス鶏舎CH内に本実施形態の害虫発生推定装置1の集積手段10を設置した状態の概略説明図である。 計数手段30が害虫を判断する方法の概略説明図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の害虫発生推定装置は、ワクモやトリサシダニ等のダニ類やノミ類などの害虫等の発生数を推定する装置であり、害虫等を集積させた状態における害虫等の数に基づいて害虫等の発生数を推定するようにしたことに特徴を有している。
(本実施形態の害虫発生推定装置1)
本実施形態の害虫発生推定装置1について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態の害虫発生推定装置1は、集積手段10と、計数手段30と、害虫発生推定手段40と、を備えている。
集積手段10は、集積部11と検出部20とを備えている。
まず、集積部11は、計数するワクモを集積させるものである。この集積部11は、害虫を誘引して集積させる機能を有するものである。つまり、害虫が自発的に移動して集積するような機能を有するものである。この集積部11には、前記機能を有するものであれば、どのようなものでも採用することができる。例えば、害虫がワクモの場合であれば、一対の板材を隙間を空けて配置したものや網目状の空間を有するものなど、ワクモの好む空間を有する部材などを採用できる。なお、他の害虫であれば、各害虫に適した構造(害虫を誘引する(害虫が好む)構造)を有するものを採用すればよい。
検出部20は、集積部11に誘引された害虫を検出する機能を有するものである。検出部20は、集積部11に誘引される害虫を検出できるものであればよく、害虫を検出する方法はとくに限定されない。例えば、集積部11の入り口などに検出部20として光学的センサーを設けて、入り口を通過した害虫を検出するようにしてもよい。また、検出部20として、集積部11の表面を撮影してその画像に基づいて害虫を検出するようにしてもよい。
なお、検出部20は、検出した害虫に関する情報を計数手段30に送信する機能も有している。例えば、上述したような光学的センサーの場合には、害虫を検出すると、検出したことを示す信号を計数手段30に送信するようにしておけばよい。また、検出部20が集積部11の表面を撮影するものの場合には、撮影した画像を計数手段30に送信するようにしておけばよい。
また、検出した害虫に関する情報(以下害虫データという)は、無線や有線によってリアルタイムで計数手段30に送信するようにしてもよいし、一定期間(例えば数日〜1週間程度)の情報を記憶しておき、まとめて計数手段30に送信するようにしてもよい。害虫データをまとめて提供する場合には、USBメモリーなどの着脱可能な記憶手段に害虫データを記憶させておき、一定期間ごとに記憶手段を取り外して計数手段30に害虫データを提供するようにしてもよい。この場合には、計数手段30を検出部20から完全に切り離して設置できるので、害虫発生推定装置1の構成の自由度を高めることができる。一定期間の情報をまとめて送信する場合には、害虫を検出した時間も合わせて送信するようにすることが望ましい。
さらに、通信回線を通して検出部20から計数手段30に害虫データを提供する場合であれば、クラウドコンピューティング(例えば、クラウドストレージ)を使用して害虫データを共有できるようにすれば、複数人や複数の機関が自由に害虫データを使用することが可能となる。すると、計数手段30による計数処理以外の処理も同時並行して行うことが可能となるので、害虫データをより有効に利用することができる。
(計数手段30)
計数手段30は、検出部20から送信される情報に基づいて害虫の数をカウントする機能を有するものである。例えば、検出部20が上述したような光学的センサーの場合には、送信された情報に基づいて一定期間(例えば数十秒間)に検出される害虫の数をカウントする。また、検出部20が集積部11の表面を撮影するものの場合には、撮影した画像を処理して、害虫の数をカウントする。
そして、この計数手段30は、カウントした害虫の数に関する情報を害虫発生推定手段40に送信する機能を有している。このとき、害虫の数に関する情報とともに、カウントした期間の情報を害虫発生推定手段40に送信するようにしていることが望ましい。
(害虫発生推定手段40)
害虫発生推定手段40は、害虫数推定部41と、比較部42と、記憶部43と、を備えている。
まず、記憶部43は、過去の害虫の数の変動に関する情報が記憶されている。例えば、季節ごとや月ごとに、害虫数の時間変動に関する害虫数情報が記憶されている。具体的には、各季節や月において、一定数の害虫が発生した害虫発生日と、その日からの一定の測定期間(例えば、1週間や1カ月)における、一定の測定スパンごと(例えば一日毎や一日おき等)害虫数の変動が害虫数情報として記憶されている。例えば、4月1日にワクモが集積部11に100匹観測された場合に、その日を害虫発生日として記録し、その日から1か月の測定期間、毎日、集積部11で観測される害虫数が害虫数情報として記録されている。
なお、害虫発生日とする害虫の数や、測定期間、測定スパンは、上記の期間に限定されない。測定対象となる害虫や、集積部11を設置する場所、季節などに応じて適切に設定すればよい。
比較部42は、計数手段30から送信された害虫の数に関する情報と、記憶部43に記憶されている害虫数情報と、を比較して、その比較情報を害虫数推定部41に供給する機能を有している。具体的には、比較部42は、現在計測を行っている害虫と時期と同じ害虫や時期、または、近似する害虫や近似する時期の害虫数情報を記憶部43から読み出す機能を有している。そして、読み出した害虫数情報と、計数手段30から供給される害虫数の情報とを比較して、その相違を数値化するなどして、害虫数推定部41に供給する機能を有している。
例えば、図2(A)に示すように、計数手段30から送信された害虫の数に関する情報の時間変動の状況(現在の時間変動の状況、矢印b、矢印c)と、過去の時間変動状況(矢印a)と、を比較する。そして、各変動の傾向(例えば矢印の傾き)を算出して、傾きの相違を数値化するなどして、その情報を害虫数推定部41に供給する機能を有している。
害虫数推定部41は、計数手段30から送信された害虫の数に関する情報と、比較部42からの情報に基づいて、今後発生する害虫の数を推定する機能を有するものである。
例えば、図2(A)に示すような時間変動の状況が得られた場合には、その変動状況(例えば傾き)が一致するか否かで、今後の変動が過去の時間変動と同等の変動を示すと判断することができる。
比較部42から現在の時間変動の状況(矢印b、矢印c)と、過去の時間変動状況(矢印a)との比較結果が、傾きの角度差として提供されたとする。すると、図2(A)に示すように、矢印bの場合には、矢印aと傾きがほぼ一致する(角度差が小さい)ので、過去の情報と同様に今後大幅な増加を示すと推測することができる。一方、矢印cの場合には、矢印aの場合よりも害虫数が多いが、傾きが矢印aよりも緩やかである(角度差が大きい)ので、大幅な増加が生じないと推測することができる。
以上のように、本実施形態の害虫発生推定装置1によれば、集積部11に害虫等を誘引して検知部12で検出して、検出した害虫等の数を計数手段30で把握することができる。そして、検出された害虫等の数からその時間変動を把握し、過去の発生状況を利用して害虫発生推定手段30が害虫等の数の変化を推定する。このため、客観的に害虫等の数の変化を予測することができる。すると、予測する害虫等の数の変化に応じて、害虫等に対する対策を適切に立てることができる。例えば、図5に示すように、本実施形態の害虫発生推定装置1の集積手段10を鶏舎CHなどに設置して、ワクモ等の害虫の数を検出すれば、鶏舎CH内におけるワクモ等の発生状況が今後どのように変化するかを推定することができる。
(環境情報測定手段35)
また、過去の発生状況には、環境要因が影響している可能性がある。上述したような鶏舎CHでは、害虫の発生は、その内部の温度や湿度などの影響を受ける。そこで、周囲の環境に関する情報を測定する環境情報測定手段35を設けることが望ましい。
例えば、集積手段10に温度センサーや湿度センサーなどの環境センサー36を設けておき、その情報(環境情報)を害虫発生推定手段40に送信するようにしておく。そして、記憶部43には、過去の害虫の数の変動に関する情報とともに、その変動が生じた際の環境情報も、両者を関連させた状態で記憶させておくようにする。そして、比較部42にも、害虫数の変動だけでなく、過去の環境状態と現在の環境状態とを比較する機能を設けておく。すると、害虫数推定部41が、害虫の数の変化を推定する際に、環境情報によって害虫数を補正する環境補正機能を有していれば、より精度よく害虫数を推定することができる。
例えば、図2(B)に示すように、気温が急に上がってから一定期間その高温が続いた場合、害虫が大量発生していたとする。このような場合でも、過去の変動(矢印a)と計測値の変動(矢印b)が異なる場合には、害虫数の変動だけから推定するとまだ害虫の増加は生じないと推定される可能性がある。しかし、温度変化をみると、過去に大量発生したときと同様の温度変化をしているので、大量発生が生じる可能性があると推定することができる。
なお、ワクモ等の害虫は、同じ気温でも湿度が高いと増えやすいという傾向がある。このように、湿度の影響で発生状態が変化する害虫の場合には、湿度による補正を加えることで、より正確に害虫の発生を予測することができる。例えば、気温が急に上がったような状況であっても、湿度が低い状態であれば害虫の大量発生は生じないないと判断できる可能性がある。一方、湿度が高い状態が続いていれば、温度の上昇率が少なくても害虫が大量に発生すると判断できる可能性がある。したがって、湿度の影響を受けやすい害虫の数を推定する場合には、環境補正機能が湿度の影響を考慮して害虫の数の変化を推定する機能を有していることが望ましい。
また、本発明の害虫発生推定装置を使用する場所はとくに限定されず、害虫等の発生を推定したい空間(室内や屋外)に設置して使用することができる。したがって、集積手段10に温度センサーや湿度センサーなどの環境センサー36を設けておくことが望ましい。しかし、図5に示すような鶏舎CHでは、内部の温度や湿度等を調整する機能を有する温湿度調整装置や照明の点灯を制御できる照明調整機能などが設けられている。したがって、温湿度調整装置からの情報を環境情報として使用することができる。
一方、上述したような鶏舎CHなどにおいて、ワクモの発生を推定する場合には、鶏舎CHの照明の点灯消灯に関する情報も環境情報として利用することが好ましい。ワクモは光の状態によって活動状況が変化するので、ワクモの活動状況を含めて、害虫等の数の変化の推定を調整できるという利点が得られる。例えば、夜間のおけるワクモの活動を把握する上では、鶏舎CHの照明が消灯している時間におけるワクモの集積状況を把握することが必要である。後述するような撮影部21を備えた検出部20を使用する場合には、撮影をする瞬間だけ照明22によって集積部11を明るくすれば、照明が消灯している時間でも集積部11を撮影することができ、夜間のワクモの状態を把握することができる。
(検出部20の一例)
上述したように検出部20は、害虫数をカウントできるのであれば、どのようなセンサーでも採用することができる。
以下では、検出部20の一例として、集積部11の表面を撮影してその画像に基づいてワクモの数を計測する場合について、図3に基づいて詳細に説明する。
検出部20は、集積手段10の集積部11の表面を撮影する撮影部21と、集積部11の表面を照明する照明部22と、を備えている。
撮影部21は、集積手段10の集積部11の表面を撮影して画像のデータ(以下、画像データいう)を得ることができるものである。例えば、検出部20としては、イメージセンサを搭載したカメラ等を挙げることができる。
また、照明部22は、集積手段10の集積部11の表面を撮影部21の撮影に適した明るさにすることができるものであればよく、とくに限定されない。例えば、一般的な蛍光灯やLED照明などを使用することができる。
なお、図3に示すように、検出部20の撮影部21および照明部22は、ケージKGと接触しないように設置されたフレーム10bに取り付けられていることが望ましい。例えば、ケージKGを跨ぐようにフレーム10bを設置すれば、フレーム10bがケージKGに接触しないように配設することができる。検出部20の撮影部21や照明部22は、ケージKGなどに設置してもよいが、上記のごときフレーム10bを配置することによって、撮影部21や照明部22にワクモが入ったり付着したりすることを抑制することができる。
また、図3では、検出部20は、4台の撮影部21によって4方向から集積部11を撮影する構成を採用している。この場合、集積部11の表面のほぼ全体を撮影できるので、集積部11に集積されているワクモの数を精度よく計数することができる。しかし、撮影部21の数はとくに限定されず、4台より多くてもよいし、2台や3台でもよいし、1台でもよい。また、撮影部21を配置する位置、つまり、集積部11との相対的な位置はとくに限定されず、ケース2を設置する場所や集積させる害虫等に応じて、適宜設定すればよい。
(計数手段30の他の例)
検出部20として、集積部11の表面を撮影してその画像に基づいてワクモの数を計測する場合には、計数手段30は、以下のような構成とすることが必要である。
計数手段30は、画像データを解析して、集積部11に集積されているワクモの数を計測する機能を有している。具体的には、計数手段30は、検出部20の撮影部21から送信させる画像を記憶する記憶機能と、この記憶部に記憶されている画像データを画像処理する画像処理機能と、画像処理部が処理した画像データを利用してワクモの数をカウントする計数機能と、を備えている。この計数手段30は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)に、画像データを解析するソフトをインストールしたものを使用することができる。
(解析方法)
上記計数手段30が画像データを解析して、ワクモの数を計数する方法はとくに限定されないが、以下のような方法によってワクモを計数することができる。
まず、背景に対して、ワクモと認識できる領域の面積によって、ワクモの数を把握する。例えば、撮影された画像の1画素の長さがワクモの体長(例えば、成長したワクモ(成虫)の体長)とほぼ同じ大きさになるように、撮影部20を設定する。この場合、画像中においてワクモを撮影したと考えられる部分の面積を求めれば、ワクモの数を把握することができる。具体的には、ワクモは茶色から黒色をしており吸血したワクモの場合には赤色になっている。このため、集積部11が白色であれば、撮影された画像を適切な閾値を境にして二値化すれば、ワクモが撮影されている部分が黒色になり、それ以外の部分は白色になる。すると黒色になっている部分の面積、つまり、黒色になっている部分の画素数を求めれば、その画素数がワクモの数になる。したがって、集積部11を撮影することによって、ワクモの数を求めることができる。
なお、集積部11は照明部22からの光によって照らされているが、周辺の状況によって集積部11に照射される光の状態は変化する。照射される光が変化すれば、撮影された画像中における背景とワクモの色の差が変化するので、二値化した際に、ワクモを誤認する可能性がある。例えば、通常よりも集積部11が明るくなりすぎた場合には、色が薄いワクモを背景と誤認する可能性があるし、通常よりも集積部11が暗くなった場合には、背景の一部(汚れやほこり等)をワクモと誤認する可能性がある。したがって、基準となる明るさにおいて集積部11を撮影したときの画像と同じ状態となるように、撮影した画像について濃淡補正を行ってから、二値化する前にことが望ましい。
(コロニー中のワクモの計数)
また、捕捉する害虫等が、ワクモ等のようにコロニーWCを形成するものである場合には、集積部11にワクモ等がコロニーWCを形成すれば、コロニーWCの形成状況を含めてワクモの数を推定できるので、好ましい。
コロニーWC中のワクモの数は以下のようにして求めることができる。
まず、図6A)に示すように、画像において、ワクモよりも一定以上大きい領域(背景ではないと判断される領域、図6では黒色の部分)を検出し、その領域をワクモのコロニーWC1,2と判断する。そして、コロニーWC1,2の部分の面積を算出し、ワクモの数を推定する。例えば、コロニーWC1の面積がA1であり、ワクモの大きさがaであるとすれば、コロニーWC1中のワクモの数はA1/aであると推定される。また、図6(A)から一定期間経過後の画像(図6(B))において、図6(A)でコロニーWC1,2と判断された部分と重なる領域を検出する。そして、その領域がワクモよりも一定以上大きい場合には、図6(A)のコロニーWC1,2と同じコロニーであると判断する。そして、図6(B)においてコロニーWC1の面積がA2であり、ワクモの大きさがaであるとすれば、図6(B)の状態におけるコロニーWC1中のワクモの数はA2/aであると推定される。そして、図6(A)の状態におけるコロニーWC1中のワクモの数と図6(B)の状態におけるコロニーWC1中のワクモの数の差を、コロニーWC1を構成するワクモ数の増加または減少として判断することができる。つまり、コロニーWCの大きさが変化する場合には、その大きさの変化に基づいて、コロニーWCに存在するワクモの数の変化も把握することができる。
そして、集積部11の面積(または体積)と鶏舎の面積(または容積)を比較すれば、集積部に形成されたコロニーWCから、鶏舎全体に形成されているコロニーWCの数を推定することも可能となる。すると、鶏舎全体に形成されているコロニーWCの数と、集積部11のコロニーWCに存在するワクモ等の数から、鶏舎全体のコロニーWCに集積しているワクモ等の数を推定することができる。つまり、本実施形態の害虫測定装置1の場合には、コロニーWCに存在しているワクモ等の数を利用して、鶏舎全体のワクモ等の数を推定することができるという利点が得られる。
なお、ワクモは、通常、昼間はコロニーWCでじっとしており、夜間に鶏等の吸血を行うためにコロニーWCから離れて活動する性質を有している。このため、昼間に撮影されたコロニーWCから得られるワクモの数と、夜間に撮影されたコロニーWCから得られるワクモの数とを比較すれば、鶏等の吸血を行っているワクモの数を推定することも可能となる。
また、ワクモは、平面的にコロニーWCを形成する場合もあれば、互いに積み重なって3次元的にコロニーWCを形成する場合もある。コロニーWCがそれほど大きくない場合や、後述するように集積部11と保温部15の隙間にコロニーWCを形成するような場合には、略2次元的にコロニーが形成される。この場合には、上述したように、面積でコロニー中のワクモ数を把握することができる。
一方、コロニーWCが大きくなった場合や、開放した空間(集積部11の露出した表面等)でコロニーWCを形成したような場合には、コロニーWCが3次元的に形成される。このような3次元的に形成されたコロニーWCの場合、3Dカメラを利用することによって、コロニーWC中のワクモの数を把握することが可能となる。つまり、3Dカメラの撮影データで得られるコロニーWCの体積を、ワクモの体積(例えば、成長したワクモ(成虫)の平均的な体長)によって除することで、3次元的に形成されたコロニーWCに存在するワクモの数を把握することができる。
(集積部11)
上述したように、集積部11は、目的とする害虫等を誘引することができるものであればよく、とくにその構造などは限定されない。目的とする害虫等に合わせて適切なものを採用すればよい。例えば、コロニーを形成したり集積したりする性質を有する害虫等であれば、コロニー等を形成しやすい環境を提供できる構造を有するものを使用すればよい。
例えば、ワクモを集積する場合であれば、以下に示すような構造を有する集積部11を使用することが望ましい。なお、集積とは、個々のワクモ等の害虫が多数集まっている状態やワクモ等の害虫の各個体が積み重なった状態、また、ワクモ等のようにコロニー(巣)を形成する害虫の場合にはこのコロニー(巣)が形成された状態の全てを含む概念として使用している。
集積部11は、内部に網目状の空隙を有するように形成された部材であることが望ましい。言い換えれば、集積部11は、内部に多数の連続した孔11hを有する部材であることが望ましい。かかる構造の場合、孔11h(空隙)は、集積部11の表面に形成されている多数の開口と連通されており、この孔11hを通して、ワクモはある程度自由に集積部11内に出入りできるようになっている。
なお、ある程度自由に出入りできるとは、完全にワクモが自由に出入りできる状態と、一部のワクモが孔11h内で移動できなくなる可能性がある状態の両方を含んでいる。
集積部11が以上のような構造であれば、集積部11は、その内部の孔11hにワクモがある程度自由に出入りすることができるので、集積部11は、ワクモにとって絶好の隠れ場所となる。つまり、集積部11は、ワクモの好む空間や環境を有しているので、ワクモを集積させることができ、ワクモにコロニーを形成させることができる。言い換えれば、鶏のケージKGなどにワクモが集積したりコロニーを形成したりしている状況を集積部11に再現させることができる。
なお、集積部11の素材はとくに限定されないが、集積部11は、多孔質かつ柔軟性および/または伸縮性を有するもの(例えばウレタンなど)が好ましい。柔軟性があれば、集積部11の内部を周囲よりも安定した温度に保ちやすくなるので、ワクモを集積しやすくなる。さらに、集積部11の素材が保湿性を有するものであると、集積部11の内部の環境をワクモ等が好む環境にしやすくなるので、より一層ワクモを集積しやすくなる。
また、上述したように、カメラなどの撮影手段によって集積部11の表面を撮影してワクモの数を計数する場合には、集積部11は、半透明の白色やワクモ等と補色関係にある色等にしておくことが好ましい。かかる色にしておけば、背景(つまり集積部11)とワクモとを識別しやすくなるので、集積部11を撮影した画像を処理してワクモを数えるときに、その精度を高めることができる。
(保温部15)
また、図3に示すように、集積部11は、保温部15を備えていてもよい。保温部15は、集積部11の表面に設けられており、保温性を有する素材、言い換えれば、熱伝導性が低い素材によって形成されている。かかる保温部15を設けた場合には、上述したように集積部11が多孔質であるので、集積部11と保温部15の境界には、ワクモが潜り込むことができる程度の隙間を形成することができる。すると、この隙間にワクモを集積させることも可能となる。
とくに、保温部15は、透明な素材、つまり、保温部15を通して撮影手段20による集積部11表面の撮影が可能な素材によって形成すれば、保温部15に集積しているワクモを撮影するとこも可能となる。例えば、図3(B)であれば、集積手段10の上面から集積部11表面も撮影することが可能となる。かかる保温部15の素材はとくに限定されないが、例えば、透明のアクリル板などを使用すれば、上記機能を満たす保温部15を形成することができる。
なお、図3(B)では、集積部11は、保温部15がケージKGの表面と接するように配置されているが、保温部15が、ケージKGの上面に立設するように配置してもよい。つまり、保温部15が撮影部21と対面した状態をなるように、集積部11をケージKGに配置してもよい。この場合には、図3に示すように撮影部21を配置しても、集積部11と保温部15の隙間に形成されるコロニーWCを撮影しやすくなるという利点が得られる。
本発明の害虫発生推定装置は、ワクモやトリサシダニ、ワクモやトリサシダニと同様の性質を有するダニ類やノミ類、ハエなどの節足動物などの害虫の発生状態を推定する装置に適している。
1 害虫発生推定装置
10 集積手段
10b フレーム
11 集積部
11h 孔
15 撮影手段
20 検出部
30 計数手段
35 環境情報測定手段
40 害虫発生推定手段
41 害虫推定部
42 比較部s
43 記憶部
CH 鶏舎
KG ケージ
WC ワクモのコロニー

Claims (5)

  1. 害虫等を誘引する集積部を備えた集積手段と、
    該集積部の害虫等の数を推定する計数手段と、
    該計数手段が推定した害虫の数の時間変動に基づいて害虫の数の変化を推定する害虫発生推定手段と、を備えている
    ことを特徴とする害虫発生推定装置。
  2. 前記害虫発生推定手段は、
    過去の害虫数の時間変動に関する害虫数情報を記憶している記憶部と、
    該記憶部に記憶されている害虫数情報と、前記計数手段が推定した害虫等の数と、を比較する比較部と、
    該比較部の情報に基づいて、害虫の数の変化を推定する害虫数推定部と、を備えている
    ことを特徴とする請求項1記載の害虫発生推定装置。
  3. 周囲の環境に関する情報を測定する環境情報測定手段を備えており、
    前記記憶部は、
    前記害虫数情報と、該害虫数情報が生じたときの環境情報とを、両者を関連づけた状態で記憶しており、
    前記比較部は、
    前記環境情報と、前記環境情報測定手段が測定した環境情報とを比較する環境比較機能を備えており、
    前記害虫数推定部は、
    前記比較部の環境比較機能によって得られた結果に基づいて、害虫の数の変化を補正する環境補正機能を有している
    ことを特徴とする請求項2記載の害虫発生推定装置。
  4. 家禽を飼育する鶏舎に設置される場合において、
    前記害虫がワクモであり、
    前記環境情報が、
    鶏舎の照明の点灯状況に関する情報を含んでいる
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の害虫発生推定装置。
  5. 前記集積部が、
    表面から内部まで連続する多数の孔を有する多孔質構造に形成されており、害虫等が出入り可能な構造に形成されている
    ことを特徴とする請求項4記載の害虫発生推定装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020255677A1 (ja) * 2019-06-17 2020-12-24 ボッシュ株式会社 情報処理装置及び方法
WO2021145081A1 (ja) * 2020-01-16 2021-07-22 横河電機株式会社 支援システム、及び支援方法
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