JP2016019032A - アンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】ローパスフィルタを使用する必要のない、装置の小型化に適したアンテナを提供する。
【解決手段】一端同士が互いに接続された第1導体部1a及び第2導体部1bから成るアンテナ素子1と、第1導体部1aの両端間に並列接続されたキャパシタ3と、を備え、 アンテナ素子1の長さF0が、送信又は受信する高周波信号RFの基本波の波長の1/4の長さであり、第2導体部1bの他端が接地されていて、第1導体部1aの他端が高周波信号の入力又は出力される給電点7に接続されている。
【選択図】図2
【解決手段】一端同士が互いに接続された第1導体部1a及び第2導体部1bから成るアンテナ素子1と、第1導体部1aの両端間に並列接続されたキャパシタ3と、を備え、 アンテナ素子1の長さF0が、送信又は受信する高周波信号RFの基本波の波長の1/4の長さであり、第2導体部1bの他端が接地されていて、第1導体部1aの他端が高周波信号の入力又は出力される給電点7に接続されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、高周波回路に接続されるアンテナに係わり、特に該アンテナが搭載された装置の小型化が可能なアンテナに係わる。
近年、車両のキーレスエントリーシステムの普及に伴い、該キーレスエントリーシステムに使用されるリモコン装置の小型化が要求されるようになってきている。リモコン装置内には車両との間で送受信を行うためのアンテナが設けられており、そのアンテナとして、例えば、絶縁基板上にアンテナ用導体を形成し、そのアンテナ用導体の長さを、送受信する高周波信号の基本波の波長の1/4の長さ(λ/4)に設定したループアンテナ等が用いられる。しかし、このようなアンテナの場合、そのアンテナ共振特性には、図12に示すように、基本波の共振点の他に複数の高調波周波数において共振点が現れる。特に基本波の奇数次(3次、5次、―――)の周波数において共振点が現れるような特性となる。
このように、アンテナ共振特性に複数の共振点が存在すると、これらの共振による不要な信号が他の通信システム、例えば携帯電話の通信帯域内や無線LAN等の通信帯域内に入り込む可能性がある。その結果、携帯電話の通信や無線LAN等の通信に影響を与えることになるか、又は携帯電話の通信や無線LAN等の通信からの影響を受けることになる。従って、リモコン装置内のアンテナに、これら複数の共振点におけるインピーダンスを減衰させるための回路が必要となってくる。
そこで、基本波の高調波、特に基本波の奇数次の高調波の周波数帯域を減衰させるための回路をアンテナに接続するようにした回路構成が提案されている。例えば、特許文献1に、複数の共振点のインピーダンスを減衰させるための回路構成を適用した無線通信システム900が開示されている。特許文献1に開示された無線通信システム900を図13に示す。
無線通信システム900では、図13に示すように、高周波回路(送信信号をアップコンバートする周波数変換回路)230とアンテナANTとの間に、少なくとも基本波の3次高調波を減衰させるためのノッチフィルタNTF1を設けるようにした。また、さらに5次高調波を減衰するためのノッチフィルタNTF2を設けるようにした。さらに望ましくは、その他の高調波成分を減衰させるために、ローパスフィルタLPFを設けるようにした。このような構成のフィルタ回路236を用いることにより、図14に示すフィルタ特性を得ることができる。図14において、fcが3次高調波の周波数を示し、BがノッチフィルタNTF1による減衰特性を示し、AがローパスフィルタLPFによる減衰特性を示している。尚、ノッチフィルタNTF2による減衰特性については省略している。図14に示すように、フィルタ回路236を使用することにより、奇数次(3次、5次)の共振点における周波数だけでなく、それ以上の高い周波数に亘って減衰を有するフィルタ特性Dが得られる。
上述した手段によれば、無線通信システム900から高周波信号内の高調波成分が出力されることを防止することができる。また、ノッチフィルタNTF1及びノッチフィルタNTF2で除去することができないその他の不要波はローパスフィルタLPFで除去することができる。即ち、ローパスフィルタLPFを用いることによって、複数の不要な共振を減衰させることができる。
しかしながら特許文献1に開示された無線通信システム900には、以下のような課題があった。
フィルタ回路236では、全ての不要波を除去するためノッチフィルタ以外にローパスフィルタLPFが必要となる。しかしながら、ローパスフィルタLPFを追加した場合、ローパスフィルタLPFが複数の回路素子を有するため、アンテナを搭載した装置の回路規模が大きくなり、装置の小型化に適さないアンテナの構成になってしまう。また、キーレスエントリーシステムに使用されるリモコン装置にローパスフィルタLPFを追加した場合、使用する周波数が比較的低い(434MHz)ため、使用するインダクタは空芯コイルや厚さの厚いチップインダクタとする必要がある。その結果、リモコン装置の厚さが厚くなることで、装置の薄型化に適さないアンテナの構造になってしまう、という問題も生じる。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、ローパスフィルタを使用する必要のない、装置の小型化に適したアンテナを提供することにある。
この課題を解決するために、本発明のアンテナは、一端同士が互いに接続された第1導体部及び第2導体部から成るアンテナ素子と、前記第1導体部の両端間に並列接続されたキャパシタと、を備え、前記アンテナ素子の長さが、送信又は受信する高周波信号の基本波の波長の1/4の長さであり、前記第2導体部の他端が接地されていて、前記第1導体部の他端が前記高周波信号の入力又は出力される給電点に接続されている、という特徴を有する。
このように構成されたアンテナは、第1導体部及び第2導体部の一端同士を互いに接続し、第2導体部の他端を接地すると共に、キャパシタが並列接続された第1導体部の他端を給電点に接続する構成としたので、不要な共振が複数発生することがない。その結果、ローパスフィルタを必要としないため、装置の小型化に適したアンテナとすることができる。
また、上記の構成において、前記第1導体部の長さは、前記アンテナ素子の長さの1/4である、という特徴を有する。
このように構成されたアンテナでは、第1導体部の長さをアンテナ素子の長さの1/4としたので、第1導体部のインダクタ成分とキャパシタの容量成分とによる並列共振以外の不要な共振が発生しない。
また、上記の構成において、前記給電点と接地点との間に、ノッチフィルタ用キャパシタとノッチフィルタ用インダクタとの直列接続回路から成るノッチフィルタ回路が接続されていて、前記ノッチフィルタ回路の共振周波数が、前記第1導体部と前記キャパシタとによって構成される並列回路の共振周波数と同一の周波数に設定されている、という特徴を有する。
このように構成されたアンテナでは、ノッチフィルタ回路によって第1導体部のインダクタ成分とキャパシタの容量成分とによる並列共振のインピーダンスを減衰させることができる。その結果、不要な共振の存在しないアンテナ共振特性を得ることができる。また、ノッチフィルタ用インダクタは、空芯コイルではなく、印刷による金属導体で形成させることができるので、装置の薄型化に貢献できる。
また、上記の構成において、前記第1導体部と前記キャパシタとによって構成される並列回路の共振周波数を、前記高周波信号の基本波の周波数に設定した、という特徴を有する。
このように構成されたアンテナでは、第1導体部のインダクタ成分とキャパシタの容量成分とによって構成される並列回路の共振周波数を、高周波信号の基本波の周波数に設定したので、並列回路による共振とアンテナ素子による共振とを重ね合わせることができる。その結果、不要な共振がほとんど存在しないアンテナ共振特性を得ることができる。
また、上記の構成において、前記アンテナ素子が、絶縁基板上に金属導体で形成されていると共に、1ターンのループアンテナを構成している、という特徴を有する。
このように構成されたアンテナでは、絶縁基板上に1ターンのループアンテナを形成しているので、絶縁基板の外形に沿ってアンテナ素子を配置させることができる。その結果、装置の小型化に貢献できる。
本発明のアンテナは、第1導体部及び第2導体部の一端同士を互いに接続し、第2導体部の他端を接地すると共に、キャパシタが並列接続された第1導体部の他端を給電点に接続する構成としたので、不要な共振が複数発生することがない。その結果、ローパスフィルタを必要としないため、装置の小型化に適したアンテナとすることができる。
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
第1実施形態に係るアンテナ100の構成及びその共振特性について図1乃至図6を用いて説明する。
図1は、アンテナ100の外観を示す斜視図であり、図2は、アンテナ100の回路構成を示す回路図である。また、図3(a),(b),(c)は、並列回路5の接続位置を変更した場合のそれぞれのアンテナの回路図であり、図4(a),(b),(c)は、並列回路5の接続位置を変更した場合それぞれに対応するアンテナ共振特性グラフである。また、図5は、第1導体部1aの長さA1の最適な長さを決定するために、並列回路5の共振周波数を一定とし、第1導体部1aの長さA1とキャパシタ3の容量成分C1とをそれぞれ変更した場合の組み合わせ表である。そして、図6(a),(b),(c)は、上記組み合わせそれぞれに対応したアンテナ共振特性グラフである。
最初にアンテナ100の構造について説明する。図1に示すように、アンテナ100は、絶縁基板17上に形成されている。絶縁基板17上には、アンテナ素子1が印刷による金属導体によって形成されている。また、絶縁基板17上には、アンテナ素子1以外に、電子部品(図示せず)や絶縁基板17上の接続導体(図示せず)等によって形成された高周波回路11が、搭載されている。また、アンテナ素子1は、絶縁基板17上に金属導体で形成されていると共に、1ターンのループアンテナ21を構成している。また、アンテナ素子1は、絶縁基板17の外形に沿って配置されている。
1ターンのループアンテナ21を構成しているアンテナ素子1は、一方の端部が給電点7を介して高周波回路11と接続され、他方の端部が接地点9に接続されている。また、ループアンテナ21の一部には並列回路5が形成されている。並列回路5については後述する。
次にアンテナ100の回路構成について説明する。アンテナ100は、図2に示すように、一端同士が互いに接続された第1導体部1a及び第2導体部1bから成るアンテナ素子1と、第1導体部1aの両端間に並列接続されたキャパシタ3と、を備えている。アンテナ100が送信又は受信する高周波信号RFの基本波の周波数は所定の周波数F0に設定されている。アンテナ100が送信アンテナとして動作する時、高周波回路11で信号処理された高周波信号RFは、給電点7及びアンテナ100を介して、対応する通信機器へ送信される。また、アンテナ100が受信アンテナとして動作する時、対応する通信機器から送信され、受信された高周波信号RFは、アンテナ100及び給電点7を介して高周波回路11に入力され、信号処理される。尚、アンテナ100の共振周波数F0は、キーレスエントリーシステムに使用されるリモコン装置用の高周波信号周波数である434MHzに設定される。
アンテナ素子1を構成している第1導体部1a及び第2導体部1bは、第2導体部1bの他端が接地点9に接地されていて、第1導体部1aの他端が給電点7に接続されている。アンテナ素子1は、その長さA0が高周波信号RFの基本波の波長の1/4の長さに設定されている。また、第1導体部1aの長さA1はアンテナ素子1の長さA0の1/4に設定されている。その結果、第1導体部1aの長さA1は高周波信号RFの基本波の波長の1/16の長さになる。また、第2導体部1bの長さA2はアンテナ素子1の長さA0の3/4に設定される。従って、第2導体部1bの長さA2は高周波信号RFの基本波の波長の3/16の長さになる。
図2に示すように、第1導体部1aは長さA1を有し、長さA1の導体によってインダクタ成分L1を有する。また、第1導体部1aの両端間には容量成分C1を有するキャパシタ3が並列接続されていて、第1導体部1aとキャパシタ3とで並列回路5を構成している。第1導体部1aのインダクタ成分L1とキャパシタ3の容量成分C1とによって構成される並列回路5の共振周波数は、所定の共振周波数F1に設定されている。共振周波数F1は、高周波信号RFの基本波の3倍程度の周波数に設定される。尚、キャパシタ3の容量成分C1は、1pFに設定されている。
並列回路5の一端は第2導体部1bの一端に接続されており、並列回路5の他端は給電点7に接続されている。並列回路5と第2導体部1bとは直列接続されているが、並列回路5は、給電点7と第2導体部1bの一端との間に接続されていなければならない。並列回路5の接続位置が給電点7と第2導体部1bの一端との間でなければならない理由について、以下に説明する。
図3は、並列回路5の最適な接続位置を決定するために、並列回路5の接続位置を変更した場合のアンテナの回路図であり、図3(a)が、並列回路5を第2導体部1bと接地点9との間に接続した場合の回路図であり、図3(b)が、2分割した2つの第2導体部1b間に並列回路5を接続した場合の回路図である。そして、図3(c)が、並列回路5を給電点7と第2導体部1bの一端との間に接続した場合の回路図、即ち本発明の第1実施形態であるアンテナ100の回路図である。
また、図4(a)は、図3(a)に示した回路図でシミュレーション測定した場合のアンテナ共振特性であり、図4(b)は、図3(b)に示した回路図でシミュレーション測定した場合のアンテナ共振特性である。そして、図3(c)が、図3(c)に示した回路図でシミュレーション測定した場合の、即ちアンテナ100のアンテナ共振特性である。尚、前述したように、第1導体部1aの長さA1はアンテナ素子1の長さA0の1/4に設定されているが、第1導体部1aの長さA1をアンテナ素子1の長さA0の1/4に設定している理由については後述する。
図3(a)で示した、並列回路5を第2導体部1bと接地点9との間に接続した場合には、図4(a)に示すように、そのアンテナ共振特性には、不要な共振点が複数の周波数ポイントで現れる。従ってこの場合、従来例で示したと同様に、ローパスフィルタが必要となり、アンテナの回路規模を大きくしてしまうことになる。
次に、図3(b)に示した、並列回路5を2分割した2つの第2導体部1b間に接続した場合にも、図4(b)に示すように、そのアンテナ共振特性には、不要な共振点が複数の周波数ポイントで現れる。従ってこの場合も、従来例で示したと同様に、ローパスフィルタが必要となり、アンテナの回路規模を大きくしてしまうことになる。
次に、図3(c)に示した、アンテナ100の回路図、即ち並列回路5を第2導体部1bと給電点7との間に接続した場合には、図4(c)に示すように、そのアンテナ共振特性には、並列回路5による共振点(F1)以外、不要な共振点は現れていない。従ってこの場合は、従来例で示したローパスフィルタは必要とせず、後述する1つのノッチフィルタ回路を設けるだけで並列回路5による共振点を減衰させることができる。また、この共振点が他の通信システムに関わる周波数以外の周波数になるように、並列回路5の共振周波数F1を設定すれば、ノッチフィルタ回路も必要としない。尚、本発明の第1実施形態のアンテナ100では、ノッチフィルタ回路を使用しない回路構成としている。
このように、アンテナ100にローパスフィルタを必要としないようにするためには、並列回路5が第2導体部1bと給電点7との間に接続される必要がある。
次に、アンテナ100の、第1導体部1aの長さA1をアンテナ素子1の長さA0の1/4に設定する理由について説明する。
図5は、第1導体部1aの長さA1の最適な長さを決定するために、第1導体部1aの長さA1とキャパシタ3の容量成分C1とをそれぞれ変更した場合の組み合わせ表である。この組み合わせ表の中の、(a)は、A1=1/8λ、C1=0.5pFの組み合わせであり、(b)は、A1=1/16λ、C1=1pFの組み合わせであり、(c)は、A1=1/32λ、C1=2pFの組み合わせであり、(d)は、A1=1/64λ、C1=4pFの組み合わせである。尚、ここでλは、アンテナ100で送信又は受信する高周波信号RFの基本波の波長である。また、組み合わせ表で示した図5の(a),(b),(c),及び(d)は、それぞれ、A1*C1の値が一定であるため、並列回路5の共振周波数も一定となる。そして、図6(a),(b),(c),及び(d)は、上記組み合わせ図5の(a),(b),(c),及び(d)に対応したアンテナ共振特性グラフである。
図5の(a)の組み合わせ、即ちA1=1/8λの場合には、図6(a)に示すように、並列回路5による共振点(F1)以外に不要な共振点が複数の周波数ポイントに現れる。従ってこの場合、従来例で示したと同様に、ローパスフィルタが必要となる。
次に、図5の(b)の組み合わせ、即ちA1=1/16λの場合について説明する。この場合、図6(b)に示すように、そのアンテナ共振特性には、並列回路5による共振点(F1)が現れているが、その他の不要な共振点は現れていない。従ってこの場合は、従来例で示したローパスフィルタは必要としない。尚、図5に示す(b)の組み合わせは、本発明の第1実施形態のアンテナ100の場合の組み合わせである。
図5の(c)の組み合わせ、即ちA1=1/32λの場合には、図6(c)に示すように、そのアンテナ共振特性には、並列回路5による共振点(F1)以外に、不要な共振点が複数の周波数ポイントで現れているが、そのレベルは、実用上、問題のないレベルであると考えられる。
図5の(d)の組み合わせ、即ちA1=1/64λの場合にも、図6(d)に示すように、そのアンテナ共振特性には、並列回路5による共振点(F1)以外に、不要な共振点が複数の周波数ポイントで現れる。従ってこの場合、従来例で示したと同様に、ローパスフィルタが必要となる。
上述した通り、図5の(b)の組み合わせ、即ちA1=1/16λとした場合、言い換えれば第1導体部1aの長さA1をアンテナ素子1の長さA0の1/4とすれば、第1導体部1aのインダクタ成分L1とキャパシタ3の容量成分C1とによる並列共振以外の不要な共振が発生しない。従って第1導体部1aの長さA1を、アンテナ素子1の長さA0の1/4とした場合が最も好ましい。
このように、アンテナ100では、第1導体部1a及び第2導体部1bの一端同士を互いに接続し、キャパシタ3が並列接続された第1導体部1aの他端を給電点7に接続すると共に、第2導体部1bの他端を接地する構成としたので、不要な共振が複数発生することがない。その結果、ローパスフィルタを必要としないため、装置の小型化に適したアンテナ100とすることができる。
また、第1導体部1aの長さA1を、アンテナ素子1の長さA0の1/4としたので、第1導体部1aのインダクタ成分L1とキャパシタ3の容量成分C1とによる並列共振以外の不要な共振が発生しない。
また、アンテナ素子1が絶縁基板17上に1ターンのループアンテナ21を形成しているので、絶縁基板17の外形に沿ってアンテナ素子1を配置させることができる。その結果、装置の小型化に貢献できる。
次に、第2実施形態のアンテナ200の構成及びその共振特性について図7乃至図9を用いて説明する。
図7は、第2実施形態のアンテナ200の構成を示す回路図であり、図8は、アンテナ200で使用するノッチフィルタ回路15の構成を示す回路図である。図9(a)は、ノッチフィルタ回路15が無い場合(アンテナ100の場合)のアンテナ共振特性グラフであり、図9(b)は、ノッチフィルタ回路15が有る場合のアンテナ共振特性グラフである。尚、アンテナ200とアンテナ100との相違点は、ノッチフィルタ回路15が有るか無いかだけである。従って、アンテナ200の構成の説明において、ノッチフィルタ回路15以外の説明を省略することがある。
最初にアンテナ200の構成について説明する。アンテナ200では、図7に示すように、ノッチフィルタ回路15が給電点7と接地点9との間に接続されていている。また、図8に示すように、ノッチフィルタ回路15は、ノッチフィルタ用キャパシタ15aとノッチフィルタ用インダクタ15bとの直列接続回路から成る。
アンテナ200の共振周波数F0は、アンテナ100の共振周波数F0と同様、キーレスエントリーシステムに使用されるリモコン装置用のため、434MHzに設定される。また、ノッチフィルタ用キャパシタ15aの容量成分C2とノッチフィルタ用インダクタ15bのインダクタ成分L2とによる共振周波数F2は、第1導体部1aのインダクタ成分L1とキャパシタ3の容量成分C1とによる共振周波数F1と同一の周波数に設定される。
図9(a)に示すように、ノッチフィルタ回路15が無い場合(アンテナ100の場合)には、並列回路5による共振点(F1)が1点存在するが、図9(b)に示すように、ノッチフィルタ回路15を追加することによって、この共振点における共振インピーダンスを大幅に減衰させることができる。その結果、携帯電話の通信や無線LAN等の他の通信システム影響を受けることがなく、又携帯電話の通信や無線LAN等の他の通信システムに影響を与えることがない。
図8に示すノッチフィルタ用インダクタ15bは、前述したように、共振周波数F2即ち共振周波数F1が、アンテナ200の共振周波数F0(434MHz)の3倍の周波数(1.302GHz)程度に設定されているため、比較的小さなインダクタンス値に設定することができる。従って、ノッチフィルタ用インダクタ15bは、空芯コイルではなく、図1で示した絶縁基板17上に、アンテナ素子1と同様に、印刷による金属導体で形成させることができる。従って、装置の薄型化に貢献できる。
このように、アンテナ200では、給電点7と接地点9との間に、ノッチフィルタ用キャパシタ15aとノッチフィルタ用インダクタ15bとの直列接続回路から成るノッチフィルタ回路15が接続されている。そして、ノッチフィルタ回路15の共振周波数F2が、第1導体部1aのインダクタ成分L1とキャパシタ3の容量成分C1とによって構成される並列回路5の共振周波数F1と同一の周波数に設定されているので、ノッチフィルタ回路15によって並列回路5の共振周波数F1における並列共振のインピーダンスを減衰させることができる。その結果、不要な共振の存在しないアンテナ共振特性を得ることができる。また、ノッチフィルタ用インダクタ15bは、空芯コイルではなく、印刷による金属導体で形成させることができるので、装置の薄型化に貢献できる。
次に、第3実施形態のアンテナ300の構成及びその共振特性について図2、図10及び図11を用いて説明する。
アンテナ300では、図2におけるキャパシタ3の容量成分C1を、所定の容量値(C1=8pF)としている。アンテナ300とアンテナ100との相違点は、キャパシタ3の容量成分C1の値が異なることだけである。従って、アンテナ300の構成については、図2を参照することとし、その詳しい説明は省略する。また、アンテナ200で適用されたノッチフィルタ回路15は、アンテナ300では適用されていない。
キャパシタ3の容量成分C1を所定の容量値(C1=8pF)に設定することにより、第1導体部1aのインダクタ成分L1とキャパシタ3の容量成分C1とによって構成される並列回路5の共振周波数F1を、受信又は送信する高周波信号RFの基本波の周波数F0と同一の周波数に設定することができる。並列回路5の共振周波数F1を、高周波信号RFの基本波の周波数F0と同一の周波数に設定する理由を以下に説明する。
図10は、第1導体部1aの長さA1を第1実施形態のアンテナ100で求めた最適な長さ、即ちA1=1/16λで一定とした状態で、並列回路5の共振周波数F1を可変した場合の組み合わせ表である。この組み合わせ表の中の、(a)は、A1=1/16λ、C1=1pFの組み合わせであり、(b)は、A1=1/16λ、C1=2pFの組み合わせであり、(c)は、A1=1/16λ、C1=4pFの組み合わせであり、(d)は、A1=1/16λ、C1=8pFの組み合わせである。尚、組み合わせ表で示した(a),(b),(c),及び(d)は、それぞれ、A1の値が一定であるため、並列回路5の共振周波数F1は、(a),(b),(c),(d)の順で小さくなっていく。図11(a),(b),(c),及び(d)は、上記の図10における組み合わせ(a),(b),(c),及び(d)に対応したアンテナ共振特性グラフである。
図10の(a)の組み合わせ、即ちA1=1/16λ、C1=1pFの場合、について説明する。この場合、図11(a)に示すように、そのアンテナ共振特性には、不要な共振点は、複数の周波数ポイントでは現れていないが、並列回路5による共振点(F1)が現れている。尚、図10の(a)の組み合わせは、前述した本発明の第1実施形態のアンテナ100の場合の組み合わせである。
次に、図10の(b)及び図10の(c)の組み合わせ、即ちA1=1/16λで、C1=2pF、及びA1=1/16λで、C1=4pFの場合、図11の(b)及び図11の(c)に示すように、それぞれ並列回路5による1つの共振点(F1)が現れており、その共振周波数は、C1の値の増加に伴って低くなっている。
次に、図10の(d)の組み合わせ、即ちA1=1/16λ、C1=8pFとした場合、図11の(d)に示すように、並列回路5による共振周波数F1は、アンテナ100の共振周波数F0と同一になっている。その結果、並列回路5による共振点(F1)が消えると共に、この周波数におけるインピーダンスが大きくなっている。言い換えれば、第1導体部1aのインダクタ成分L1とキャパシタ3の容量成分C1とによって構成される並列回路5の共振周波数F1を、送信又は受信する高周波信号RFの基本波の周波数F0に設定することによって、アンテナ共振特性を改善することができる。尚、基本波の3次及び5次に相当する周波数に、わずかな共振が残っているが、実用上問題のないレベルであると考えられる。
このように、アンテナ300では、第1導体部1aのインダクタ成分L1とキャパシタ3の容量成分C1とによって構成される並列回路5の共振周波数F1を、受信又は送信される高周波信号RFの基本波の周波数F0に設定したので、並列回路5による共振とアンテナ素子1による共振とを重ね合わせることができる。その結果、不要な共振がほとんど存在しないアンテナ共振特性を得ることができる。
以上説明したように、本発明のアンテナは、第1導体部及び第2導体部の一端同士を互いに接続し、第2導体部の他端を接地すると共に、キャパシタが並列接続された第1導体部の他端を給電点に接続する構成としたので、不要な共振が複数発生することがない。その結果、ローパスフィルタを必要としないため、装置の小型化に適したアンテナとすることができる。
以上のように、本発明の実施形態に係るアンテナ100乃至アンテナ300について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。
1 アンテナ素子
1a 第1導体部
1b 第2導体部
3 キャパシタ
5 並列回路
7 給電点
9 接地点
11 高周波回路
15 ノッチフィルタ回路
15a ノッチフィルタ用キャパシタ
15b ノッチフィルタ用インダクタ
17 絶縁基板
21 ループアンテナ
100 アンテナ
200 アンテナ
300 アンテナ
1a 第1導体部
1b 第2導体部
3 キャパシタ
5 並列回路
7 給電点
9 接地点
11 高周波回路
15 ノッチフィルタ回路
15a ノッチフィルタ用キャパシタ
15b ノッチフィルタ用インダクタ
17 絶縁基板
21 ループアンテナ
100 アンテナ
200 アンテナ
300 アンテナ
Claims (5)
- 一端同士が互いに接続された第1導体部及び第2導体部から成るアンテナ素子と、前記第1導体部の両端間に並列接続されたキャパシタと、を備え、
前記アンテナ素子の長さが、送信又は受信する高周波信号の基本波の波長の1/4の長さであり、
前記第2導体部の他端が接地されていて、前記第1導体部の他端が前記高周波信号の入力又は出力される給電点に接続されている、ことを特徴とするアンテナ。 - 前記第1導体部の長さは、前記アンテナ素子の長さの1/4である、ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
- 前記給電点と接地点との間に、ノッチフィルタ用キャパシタとノッチフィルタ用インダクタとの直列接続回路から成るノッチフィルタ回路が接続されていて、
前記ノッチフィルタ回路の共振周波数が、前記第1導体部と前記キャパシタとによって構成される並列回路の共振周波数と同一の周波数に設定されている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンテナ。 - 前記第1導体部と前記キャパシタとによって構成される並列回路の共振周波数を、前記高周波信号の基本波の周波数に設定した、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンテナ。
- 前記アンテナ素子が、絶縁基板上に金属導体で形成されていると共に、1ターンのループアンテナを構成している、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のアンテナ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014138730A JP2016019032A (ja) | 2014-07-04 | 2014-07-04 | アンテナ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014138730A JP2016019032A (ja) | 2014-07-04 | 2014-07-04 | アンテナ |
Publications (1)
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JP2014138730A Pending JP2016019032A (ja) | 2014-07-04 | 2014-07-04 | アンテナ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111342795A (zh) * | 2018-12-19 | 2020-06-26 | 系统电子工业股份有限公司 | 胎压监测传感器的射频匹配装置 |
-
2014
- 2014-07-04 JP JP2014138730A patent/JP2016019032A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111342795A (zh) * | 2018-12-19 | 2020-06-26 | 系统电子工业股份有限公司 | 胎压监测传感器的射频匹配装置 |
JP2020101544A (ja) * | 2018-12-19 | 2020-07-02 | 系統電子工業股▲ふん▼有限公司 | タイヤ空気圧センサーのrfマッチング装置 |
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