JP2016018155A - 成膜方法および成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】反射率の低い反射防止膜を提供する。
【解決手段】処理容器1内に載置されたガラス基板Gに対して複数種類のガスを含む混合ガスのプラズマにより反射防止膜101を成膜する成膜方法であって、混合ガスを処理容器1内に供給する工程と、処理容器1内において混合ガスのプラズマを生成する工程と、プラズマにより活性化された混合ガスにより、ガラス基板G上に反射防止膜101を成膜する成膜工程と、反射防止膜101上に透明電極102を形成する工程とを含み、成膜工程において、混合ガスに含まれる少なくとも2種類のガスの流量比を、時間の経過に従って変更する。
【選択図】図5
【解決手段】処理容器1内に載置されたガラス基板Gに対して複数種類のガスを含む混合ガスのプラズマにより反射防止膜101を成膜する成膜方法であって、混合ガスを処理容器1内に供給する工程と、処理容器1内において混合ガスのプラズマを生成する工程と、プラズマにより活性化された混合ガスにより、ガラス基板G上に反射防止膜101を成膜する成膜工程と、反射防止膜101上に透明電極102を形成する工程とを含み、成膜工程において、混合ガスに含まれる少なくとも2種類のガスの流量比を、時間の経過に従って変更する。
【選択図】図5
Description
本発明の種々の側面及び実施形態は、成膜方法および成膜装置に関する。
発光素子において発光効率を高めるためには、より多くの光を素子の内部から外部へ透過させる必要がある。また、太陽光パネルのように外部から取り込んだ光に応じた電力を生成する受光素子において電力の変換効率を高めるためには、より多くの光を素子の外部から内部へ透過させる必要がある。発光素子や受光素子等の光学素子では、ガラス基板上に透明電極が設けられ、その上に、発光層または受光層として機能する半導体層が設けられる構造が一般的である。
ところで、ガラス基板の屈折率と透明電極の屈折率とは異なる。そのため、ガラス基板と透明電極との間で光の反射が起り、発光効率や電力変換効率が低下する。そこで、ガラス基板と透明電極との間で起こる光の反射を抑制するために、ガラス基板と透明電極との間に反射防止膜が設けられる。
反射防止膜は、単層でも反射率の低減効果が得られるが、より高い反射率の低減効果を得るために、多層構造とされる場合がある。多層構造の反射防止膜では、屈折率の高い膜と、屈折率の低い膜とが交互に積層された構造が知られている。
ところで、多層構造の反射防止膜では、屈折率の高い膜と屈折率の低い膜とは、一般的に異なる材料により形成される。そのため、多層構造の反射防止膜を成膜する場合、積層させる膜毎に成膜プロセスを切り替える必要がある。そのため、反射防止膜の成膜プロセスが複雑になり、反射防止膜全体の成膜に要する時間も長くなる。また、複数の膜を積層させる必要があることから、ある程度の厚みが必要となり、発光素子や受光素子の小型化が難しくなる。
また、所定の屈折率を有する単一の膜を反射防止膜として用いる場合、成膜プロセスが複雑になったり、処理時間が長くなるという問題はないものの、ガラス基板および透明電極の屈折率と、反射防止膜の屈折率とは異なるため、ガラス基板との境界および透明電極との境界で光の反射が起ってしまう。そのため、発光効率や電力変換効率の低下が避けられない。
本発明の一側面は、処理容器内に載置されたガラス基板に対して複数種類のガスを含む混合ガスのプラズマにより反射防止膜を成膜する成膜方法であって、前記混合ガスを前記処理容器内に供給する工程と、前記処理容器内において前記混合ガスのプラズマを生成する工程と、プラズマにより活性化された前記混合ガスにより、前記ガラス基板上に反射防止膜を成膜する成膜工程と、前記反射防止膜上に電極層を形成する工程とを含み、前記成膜工程において、前記混合ガスに含まれる少なくとも2種類のガスの流量比を、時間の経過に従って変更する。
本発明の種々の側面および実施形態によれば、反射率の低い反射防止膜を提供することができる成膜方法および成膜装置が実現される。
開示する成膜方法は、1つの実施形態において、処理容器内に載置されたガラス基板に対して複数種類のガスを含む混合ガスのプラズマにより反射防止膜を成膜する成膜方法であって、混合ガスを処理容器内に供給する工程と、処理容器内において混合ガスのプラズマを生成する工程と、プラズマにより活性化された混合ガスにより、ガラス基板上に反射防止膜を成膜する成膜工程と、反射防止膜上に電極層を形成する工程とを含み、成膜工程において、混合ガスに含まれる少なくとも2種類のガスの流量比を、時間の経過に従って変更する。
また、開示する成膜方法の1つの実施形態では、成膜工程において、混合ガスに含まれる2種類のガスの流量比を、第1の値から、第1の値とは異なる第2の値まで、時間の経過に従って連続的に増加または減少させてもよい。
また、開示する成膜方法の1つの実施形態において、電極層の屈折率は、ガラス基板の屈折率よりも高く、第1の値の流量比の混合ガスによって成膜される反射防止膜の屈折率は、ガラス基板の屈折率以上であってもよく、第2の値の流量比の混合ガスによって成膜される反射防止膜の屈折率は、第1の値の流量比の混合ガスによって成膜される反射防止膜の屈折率よりも高く、かつ、電極層の屈折率以下であってもよい。
また、開示する成膜方法の1つの実施形態において、混合ガスには、少なくとも窒素を含有する第1のガスと、少なくともシランを含有する第2のガスとが含まれ、成膜工程において、第1のガスと第2のガスとの流量比を、時間の経過に従って変更してもよい。
また、開示する成膜方法の1つの実施形態において、混合ガスには、少なくとも酸素、フッ素、または塩素を含有する第3のガスが含まれ、成膜工程において、第1のガスと、第2のガスと、第3のガスとの流量比を、ガラス基板の屈折率と等しい屈折率の反射防止膜が成膜される流量比から、電極層の屈折率と等しい屈折率の反射防止膜が成膜される流量比まで、時間の経過に従って連続的に変更してもよい。
また、開示する成膜方法の1つの実施形態における成膜工程では、成膜工程の開始から所定時間が経過するまでは、第1のガスおよび第2のガスの流量を一定にし、第3のガスの流量を、時間の経過に従って連続的に変更することにより、第1のガスと、第2のガスと、第3のガスとの流量比を、ガラス基板の屈折率と等しい屈折率の反射防止膜が成膜される流量比から変更してもよく、上記所定時間が経過した後は、第2のガスおよび第3のガスの流量を一定にし、第1のガスの流量を、時間の経過に従って連続的に変更することにより、第1のガスと、第2のガスと、第3のガスとの流量比を、電極層の屈折率と等しい屈折率の反射防止膜が成膜される流量比まで変更してもよい。
また、開示する成膜装置は、1つの実施形態において、処理容器と、処理容器内に混合ガスを供給するガス供給部と、処理容器内において混合ガスのプラズマを生成するプラズマ生成部と、上記した成膜方法を実行する制御部とを備える。
以下に、開示する成膜方法および成膜装置の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により開示される発明が限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[成膜装置10の構成]
図1は、実施形態に係る成膜装置10の一例を示す縦断面図である。本実施形態における成膜装置10は、誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)を用いたプラズマ処理装置として構成される。成膜装置10は、例えば、内壁面が陽極酸化処理されたアルミニウムからなる角筒形状の気密な処理容器1を有する。この処理容器1は分解可能に組み立てられており、接地線1aにより接地されている。処理容器1は、誘電体壁2により上下にアンテナ室3および処理室4に区画されている。誘電体壁2は処理室4の天井壁を構成している。誘電体壁2は、例えばAl2O3等のセラミックスまたは石英等で構成されている。
図1は、実施形態に係る成膜装置10の一例を示す縦断面図である。本実施形態における成膜装置10は、誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)を用いたプラズマ処理装置として構成される。成膜装置10は、例えば、内壁面が陽極酸化処理されたアルミニウムからなる角筒形状の気密な処理容器1を有する。この処理容器1は分解可能に組み立てられており、接地線1aにより接地されている。処理容器1は、誘電体壁2により上下にアンテナ室3および処理室4に区画されている。誘電体壁2は処理室4の天井壁を構成している。誘電体壁2は、例えばAl2O3等のセラミックスまたは石英等で構成されている。
誘電体壁2の下側部分には、処理ガス供給用のシャワー筐体11が嵌め込まれている。シャワー筐体11は例えば十字状に設けられており、誘電体壁2を下から支持する。なお、上記誘電体壁2を支持するシャワー筐体11は、複数本のサスペンダ(図示せず)により処理容器1の天井に吊された状態となっている。
シャワー筐体11は、導電性材料、望ましくは金属、例えば汚染物が発生しないようにその内面が陽極酸化処理されたアルミニウム等で構成されている。シャワー筐体11には、水平に伸びるガス流路12が形成されている。ガス流路12には、下方に向かって延びる複数のガス吐出孔12aが連通している。一方、誘電体壁2の上面中央には、ガス流路12に連通するようにガス供給管20aが設けられている。ガス供給管20aは、処理容器1の天井から処理容器1の外側へ貫通し、ガス供給系20に接続されている。
ガス供給系20は、ガス供給源(200、203、および206)、マスフローコントローラ等の流量制御器(201、204、および207)、および弁(202、205、および208)を有する。ガス供給源200は、例えば窒素を含有する第1のガスの供給源である。また、ガス供給源203は、例えばシランを含有する第2のガスの供給源である。ガス供給源200は、マスフローコントローラ等の流量制御器201および弁202を介して、ガス供給管20aに接続されている。ガス供給源203は、マスフローコントローラ等の流量制御器204および弁205を介して、ガス供給管20aに接続されている。ガス供給系20から供給された処理ガスは、ガス供給管20aを介してシャワー筐体11内に供給され、その下側のガス吐出孔12aから処理室4内へ吐出される。
処理容器1におけるアンテナ室3の側壁3aと処理室4の側壁4aとの間には内側に突出する支持棚5が設けられている。誘電体壁2は、支持棚5の上に載置されている。
アンテナ室3内には、誘電体壁2の上に誘電体壁2に面するように高周波(RF)アンテナ13が配設されている。高周波アンテナ13は、絶縁部材で形成されたスペーサ13aにより誘電体壁2から所定距離(例えば50mm以下の距離)で離間している。アンテナ室3の中央部付近には、鉛直に延びる4つの給電部材16が設けられており、給電部材16には整合器14を介して高周波電源15が接続されている。給電部材16は、前述のガス供給管20aの周囲に設けられている。
高周波電源15は、所定の周波数(例えば13.56MHz)の高周波電力を高周波アンテナ13に供給する。そして、高周波電力が供給された高周波アンテナ13により、処理室4内に誘導電界が形成される。そして、処理室4内に形成された誘導電界により、シャワー筐体11から吐出された処理ガスのプラズマが生成される。この際の高周波電源15の出力は、プラズマを発生させるのに十分な値になるように適宜設定される。高周波アンテナ13およびシャワー筐体11は、プラズマ生成部の一例である。
処理室4内の下方には、誘電体壁2を挟んで高周波アンテナ13と対向するように、ガラス基板Gが載置されるサセプタ22が設けられている。サセプタ22は、導電性材料、例えば表面が陽極酸化処理されたアルミニウム等で構成されている。サセプタ22に載置されたガラス基板Gは、静電チャック(図示せず)によりサセプタ22に吸着保持される。
サセプタ22は、導体枠24内に収納され、さらに、中空の支柱25に支持される。支柱25は、気密状態を維持しつつ、処理容器1の底部を貫通している。また、支柱25は、処理容器1外に配設された昇降機構(図示せず)に支持され、ガラス基板Gの搬入および搬出時に昇降機構によりサセプタ22が上下方向に駆動される。
なお、サセプタ22を収納する導体枠24と処理容器1の底部との間には、支柱25を気密に包囲するベローズ26が配設されている。これにより、サセプタ22の上下動によっても処理室4内の気密性が保たれる。また、処理室4の側壁4aには、ガラス基板Gを搬入および搬出するための開口部27aおよびそれを開閉するゲートバルブ27が設けられている。
サセプタ22には、中空の支柱25内に設けられた給電棒25aにより、整合器28を介して高周波電源29が接続されている。高周波電源29は、所定の周波数(例えば6MHz)のバイアス用の高周波電力をサセプタ22に印加する。バイアス用の高周波電力により、処理室4内に生成されたプラズマ中のイオンが効果的にガラス基板Gに引き込まれる。
また、サセプタ22内には、ガラス基板Gの温度を制御するためのセラミックヒータ等の加熱手段や冷媒流路等からなる温度制御機構と、温度センサとが設けられている(いずれも図示せず)。これらの機構や部材に接続される配管や配線は、いずれも中空の支柱25を通して処理容器1の外部へ導出される。処理室4の底部には、排気管31を介して真空ポンプ等を含む排気装置30が接続される。排気装置30は、処理室4内を排気し、処理室4内が所定の真空雰囲気となるように制御する。
成膜装置10には、マイクロプロセッサ(コンピュータ)を含む制御部50が接続されている。成膜装置10内の各構成部、例えば電源系やガス供給系、駆動系、更には、高周波電源15および高周波電源29等は、制御部50によって制御される。制御部50には、オペレータが成膜装置10を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、成膜装置10の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等を含むユーザーインターフェース51が接続されている。
更に、制御部50には、各種処理を制御部50に実行させるための制御プログラムや、処理条件に応じて成膜装置10の各構成部に処理を実行させるための処理レシピ等が格納された記憶部52が接続されている。制御プログラムや処理レシピ等は記憶部52の中の記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は、ハードディスクや半導体メモリであってもよく、CDROM、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性のものであってもよい。また、制御プログラムや処理レシピ等は、他の装置から、例えば通信回線を介して伝送されて記憶部52内に適宜格納させるようにしてもよい。
制御部50は、ユーザーインターフェース51を介したユーザからの指示に応じて、任意の制御プログラムや処理レシピ等を記憶部52から読み出して実行することで、成膜装置10において所望の処理を実現する。
[高周波アンテナ13の構成]
図2は、高周波アンテナ13の構成の一例を示す平面図である。図2に示すように、高周波アンテナ13は、例えば、外形が略正方形状の8重アンテナである。高周波アンテナ13は、高周波アンテナ13の中心から、高周波アンテナ13の周囲へ渦巻き状に延びる8本のアンテナ線130〜137を有する。8本のアンテナ線130〜137は、2本ずつが1組となって、それぞれの組が、4つの給電部41〜44のいずれかに接続されている。4つの給電部41〜44のそれぞれは、4本の給電部材16のいずれかに接続されている。
図2は、高周波アンテナ13の構成の一例を示す平面図である。図2に示すように、高周波アンテナ13は、例えば、外形が略正方形状の8重アンテナである。高周波アンテナ13は、高周波アンテナ13の中心から、高周波アンテナ13の周囲へ渦巻き状に延びる8本のアンテナ線130〜137を有する。8本のアンテナ線130〜137は、2本ずつが1組となって、それぞれの組が、4つの給電部41〜44のいずれかに接続されている。4つの給電部41〜44のそれぞれは、4本の給電部材16のいずれかに接続されている。
8本のアンテナ線130〜137は、コンデンサ18を介してそれぞれ接地されている。8本のアンテナ線130〜137は、ほぼ同じ長さを有しており、それぞれの端部に接続されているコンデンサ18の容量もほぼ同一となっている。これにより、8本のアンテナ線130〜137のそれぞれに流れる電流は、ほぼ同じ値となる。
次に、以上のように構成される成膜装置10を用いてガラス基板Gに対して所定の膜を形成する際の概略動作について説明する。
まず、ゲートバルブ27が開けられ、開口部27aを介して搬送機構(図示せず)によりガラス基板Gが処理室4内に搬入され、サセプタ22の載置面上に載置される。そして、制御部50は、静電チャック(図示せず)を制御してガラス基板Gをサセプタ22上に吸着保持させる。
次に、制御部50は、ガス供給系20内の流量制御器201、弁202、流量制御器204、および弁205を制御して、シャワー筐体11のガス吐出孔12aから処理室4内に処理ガス(混合ガス)を吐出させると共に、排気装置30を制御して、排気管31を介して処理室4内を真空排気させることにより、処理室4内を所定の圧力雰囲気に制御する。
次に、制御部50は、高周波電源29を制御して、例えば6MHzの高周波をサセプタ22に印加する。また、制御部50は、高周波電源15を制御して、例えば13.56MHzの高周波を高周波アンテナ13に印加する。これにより、処理室4内に均一な誘導電界が形成される。
このようにして形成された誘導電界により、高密度の誘導結合プラズマが生成され、生成されたプラズマによって処理室4内に供給された処理ガスが解離する。そして、生成された成膜種がガラス基板G上に堆積し、所定の材質の膜がガラス基板G上に形成される。
[太陽電池100の製造手順]
図3は、実施形態に係る太陽電池100の製造手順の一例を示すフローチャートである。図4は、実施形態に係る太陽電池100の構造の一例を示す断面図である。
図3は、実施形態に係る太陽電池100の製造手順の一例を示すフローチャートである。図4は、実施形態に係る太陽電池100の構造の一例を示す断面図である。
まず、ガラス基板G上に反射防止膜101を形成する反射防止膜形成工程が実行される(S10)。次に、ステップS10において形成された反射防止膜101上に、ITO(Indium Tin Oxide)やZnO(Zinc Oxide)等の透明電極102を形成する透明電極形成工程が実行される(S11)。
次に、ステップS11において形成された透明電極102上に、例えばアモルファスシリコン等の半導体層103を形成する半導体層形成工程が実行される(S12)。半導体層103は、例えば、Cdse(Cadmium Selenide)やCIGS(Copper Indium Gallium diSelenide)等であってもよい。
次に、ステップS12において形成された半導体層103上に、例えばアルミニウム等により金属電極104を形成する金属電極形成工程が実行される(S13)。ステップS10からS13の工程により、例えば図4に示すような構造の太陽電池100が形成される。
[反射防止膜形成工程の詳細]
図5は、反射防止膜形成工程の一例を示すフローチャートである。図6は、第1のガスと第2のガスとの流量比の変更過程の一例を示す図である。反射防止膜形成工程は、例えば図1に示した成膜装置10を用いて行われる。
図5は、反射防止膜形成工程の一例を示すフローチャートである。図6は、第1のガスと第2のガスとの流量比の変更過程の一例を示す図である。反射防止膜形成工程は、例えば図1に示した成膜装置10を用いて行われる。
まず、成膜装置10において、ゲートバルブ27が開けられ、開口部27aを介してガラス基板Gが処理室4内に搬入される(S100)。そして、制御部50は、静電チャックを制御して、ガラス基板Gをサセプタ22上に吸着保持させる。
次に、制御部50は、ガス供給系20内の流量制御器201および弁202を制御して、シャワー筐体11のガス吐出孔12aを介して、第1のガスを処理室4内に吐出させることにより、処理室4内に第1のガスを供給する(S101、図6の時点t1)。制御部50は、第1のガスの流量が例えば45sccmとなるように、流量制御器201を制御する。第1のガスは、少なくとも窒素を含有する。本実施形態において、第1のガスは、例えばN2ガスである。
次に、制御部50は、排気装置30を制御して、排気管31を介して処理室4内を真空排気させることにより、処理室4内を所定の圧力雰囲気に調整する(S102)。制御部50は、処理室4内を真空排気することにより、例えば0.5Paの圧力に調整するように排気装置30を制御する。
次に、制御部50は、高周波電源29を制御して、例えば6MHzの高周波電力をサセプタ22に印加する。また、制御部50は、高周波電源15を制御して、例えば13.56MHzの高周波電力を高周波アンテナ13に印加する(図6の時点t2)。これにより、高周波アンテナ13によって処理室4内に誘導電界が形成される。高周波アンテナ13に印加される高周波電力は、例えば2000Wである。処理室4内に形成された誘導電界により、処理室4内において第1のガスのプラズマが生成される(S103)。
次に、制御部50は、ガス供給系20内の流量制御器204および弁205を制御して、シャワー筐体11のガス吐出孔12aを介して、第2のガスを処理室4内に吐出させることにより、処理室4内に第2のガスを供給する(S104、図6の時点t3)。制御部50は、流量制御器204を制御して、第2のガスの流量に対する第1のガスの流量の比が第1の値(例えば45/36=1.25)となるように、第2のガスの流量を、例えば36sccmに制御する。第2のガスは、少なくともシランを含有する。本実施形態において、第2のガスは、例えばSiH4ガスである。
これにより、処理室4内において第1のガスおよび第2のガスのプラズマが生成される。そして、プラズマによって第1のガスおよび第2のガスが解離し、生成された成膜種がガラス基板G上に堆積し始める。本実施形態では、第1のガスおよび第2のガスのプラズマにより、ガラス基板G上に例えばSiNを含有する反射防止膜101が形成される。
次に、制御部50は、成膜種の堆積により反射防止膜が形成されている間(即ち、図6の時点t3〜t4の間)、流量制御器201および流量制御器204を制御して、第2のガスの流量に対する第1のガスの流量の比を、時間の経過に従って変更する(S105、図6の時点t3〜t4)。
本実施形態において、制御部50は、時点t3〜t4の間、第1のガス(例えばN2ガス)の流量を、例えば45sccmから27sccmまで、時間の経過に従って連続的に減少させる。また、本実施形態において、制御部50は、時点t3〜t4の間、第2のガス(例えばSiH4ガス)の流量を、例えば36sccmに保つ。これにより、時点t3〜t4の間、第2のガスの流量に対する第1のガスの流量の比が、時間の経過に従って、第1の値である45/36=1.25から、第2の値である27/36=0.75まで減少する。
次に、所定の膜厚の反射防止膜101が形成された時点t4において、制御部50は、高周波電源15および高周波電源29を制御して高周波電力の印加を停止し、弁202および弁205を制御して、第1のガスおよび第2のガスの供給を停止する(S106、図6の時点t4)。そして、制御部50は、排気装置30を制御して、排気管31を介して処理室4内を真空排気する。そして、ゲートバルブ27が開けられ、開口部27aを介してガラス基板Gが処理室4から搬出される。
図5に示した反射防止膜形成工程において、本実施形態のプロセス条件をまとめると、以下のようになる。
N2/SiH4=45〜27/36sccm
高周波電力(13.56MHz):2000W(1.5〜2W/cm2)
処理室4内圧力:0.5Pa
デポジションレート:2nm/sec
Gap:150mm
ガラス基板Gの温度:200℃
ここで、Gapとは、誘電体壁2とガラス基板Gとの間の距離を示す。なお、本実施形態においてGapは150mmであるが、80〜200mmの範囲であればよい。また、本実施形態において処理室4内圧力は0.5Paであるが、0.5〜2Paの範囲であればよい。また、本実施形態においてガラス基板Gの温度は200℃であるが、室温〜300℃の範囲であればよい。
N2/SiH4=45〜27/36sccm
高周波電力(13.56MHz):2000W(1.5〜2W/cm2)
処理室4内圧力:0.5Pa
デポジションレート:2nm/sec
Gap:150mm
ガラス基板Gの温度:200℃
ここで、Gapとは、誘電体壁2とガラス基板Gとの間の距離を示す。なお、本実施形態においてGapは150mmであるが、80〜200mmの範囲であればよい。また、本実施形態において処理室4内圧力は0.5Paであるが、0.5〜2Paの範囲であればよい。また、本実施形態においてガラス基板Gの温度は200℃であるが、室温〜300℃の範囲であればよい。
また、ステップS105において、成膜種の堆積により反射防止膜が形成される時間(即ち、図6の時点t3〜t4の時間)は、例えば40秒程度であり、約80nmの膜厚の反射防止膜101がガラス基板G上に形成される。また、本実施形態において、制御部50は、時点t3〜t4の40秒の間、N2ガスの流量を、45sccmから27sccmまで、例えば0.45sccm/秒の割合で連続的に減少させる。
なお、N2ガスの流量は、成膜種の堆積により反射防止膜が形成される間(即ち、図6の時点t3〜t4の間)、45sccmから27sccmまで連続的に減少していればよく、N2ガスの流量が必ずしも直線的に減少する必要はない。例えば、N2ガスの流量は、0.3〜0.6sccm/秒の傾きの範囲で、曲線状に、45sccmから27sccmまで連続的に減少するように制御されてもよい。また、屈折率が不連続に変化すると、その部分で光の反射が起こりやすい。そのため、N2ガスの流量は、少なくとも屈折率の不連続な変化が生じない程度の変化率で連続的に変化していればよい。
また、本実施形態では、SiH4ガスの流量を一定値に保ち、N2ガスの流量を減少させることにより、SiH4ガスとN2ガスとの流量比を変更するが、本発明はこれに限られない。例えば、N2ガスの流量を一定値に保ち、SiH4ガスの流量を増加させたり、N2ガスおよびSiH4ガスの流量をそれぞれ変更することにより、SiH4ガスとN2ガスの流量比を変更するように制御してもよい。
ここで、N2ガスとSiH4ガスとに関し、異なる流量比でSiN膜を形成した場合のSiN膜の屈折率は、例えば図7に示すようになる。図7は、流量比毎の屈折率の測定結果の一例を示す図である。
図7に示すように、SiH4ガスの流量を36sccmに固定し、N2ガスの流量を45sccmに固定して形成されたSiN膜では、400nmの波長の光に対する屈折率は1.71であり、600nmの波長の光に対する屈折率は1.69であり、800nmの波長の光に対する屈折率は1.68であった。SiH4ガスとN2ガスとの流量比が45/36=1.25の場合の屈折率の平均は、約1.69であった。
また、SiH4ガスおよびN2ガスの流量を共に36sccmに固定して形成されたSiN膜では、400nmの波長の光に対する屈折率は1.78であり、600nmの波長の光に対する屈折率は1.75であり、800nmの波長の光に対する屈折率は1.74であった。SiH4ガスとN2ガスとの流量比が36/36=1.0の場合の屈折率の平均は、約1.76であった。
また、SiH4ガスの流量を36sccmに固定し、N2ガスの流量を27sccmに固定して形成されたSiN膜では、400nmの波長の光に対する屈折率は2.07であり、600nmの波長の光に対する屈折率は1.99であり、800nmの波長の光に対する屈折率は1.97であった。SiH4ガスとN2ガスとの流量比が27/36=0.75の場合の屈折率の平均は、約2.01であった。
図7の測定結果から明らかなように、SiH4ガスの流量に対して、N2ガスの流量を増加させると、形成されるSiN膜の屈折率が減少し、SiH4ガスの流量に対して、N2ガスの流量を減少させると、形成されるSiN膜の屈折率が増加することがわかる。また、さらなる実験の結果から、SiH4ガスの流量に対して、N2ガスの流量を増加させると、SiN膜の屈折率を1.69程度まで減少させることができ、SiH4ガスの流量に対して、N2ガスの流量を減少させると、SiN膜の屈折率を2.2程度まで増加させることができることが分かった。
従って、SiN膜を積層させる工程において、SiH4ガスの流量に対するN2ガスの流量の比が小さい状態からガラス基板G上へのSiN膜の積層を開始する。そして、時間の経過に従って、SiH4ガスの流量に対して、N2ガスの流量を連続的に増加させることにより、積層されるSiN膜の膜厚が増加するに従って、屈折率が連続的に減少するSiN膜をガラス基板G上に形成することができる。
ここで、ガラス基板G(厚さが例えば0.7mm)の屈折率は約1.51であり、ZnOを用いた場合の透明電極102(厚さが例えば100nm)の屈折率は約2.00である。反射防止膜101を用いなかった場合、ガラス基板Gから入射した光の多くは、屈折率が大きく異なるガラス基板Gと透明電極102との境界面で反射し、透明電極102内に届く光は減少する。屈折率の差が大きいほど、ガラス基板Gから入射した光のうち、ガラス基板Gと透明電極102との境界面で反射する光の割合が増加する。
ガラス基板Gと透明電極102との境界面での反射率を低減するため、ガラス基板Gの屈折率と透明電極102の屈折率の中間の屈折率(例えば1.75)を有する膜が反射防止膜としてガラス基板Gと透明電極102との間に設けられる場合がある。しかし、その場合でも、ガラス基板Gと反射防止膜との境界、および、反射防止膜と透明電極102との境界においてある程度の光の反射が起る。
そこで、ガラス基板Gとの境界付近では、ガラス基板Gの屈折率に近い屈折率を有し、透明電極102との境界付近では、透明電極102の屈折率に近い屈折率を有する反射防止膜を、ガラス基板Gと透明電極102との間に設けることができれば、ガラス基板Gと反射防止膜との境界、および、反射防止膜と透明電極102との境界における光の反射をさらに抑えることができる。
ここで、図7の測定結果によれば、SiH4ガスの流量に対するN2ガスの流量の比が27/36=0.75の場合には、SiN膜の屈折率は、ZnOで形成された透明電極102の屈折率とほぼ等しい約2.01であった。また、SiH4ガスの流量に対するN2ガスの流量の比が45/36=1.25の場合には、SiN膜の屈折率は、ガラス基板Gの屈折率に近い約1.69であった。
そこで、本実施形態における成膜装置10では、SiN膜を積層させる工程において、SiH4ガスとN2ガスとの流量比を、ガラス基板Gの屈折率に近い屈折率のSiN膜が形成される第1の値である1.25に制御してSiN膜の積層を開始する。そして、SiN膜を積層させる工程の終了時点において、SiH4ガスとN2ガスとの流量比が、透明電極102の屈折率に近い屈折率のSiN膜が形成される第2の値である0.75となるように、時間の経過に従って、N2ガスの流量を連続的に減少させる。
これにより、成膜装置10は、ガラス基板Gとの境界付近ではガラス基板Gの屈折率に近い屈折率を有し、透明電極102との境界付近では透明電極102の屈折率に近い屈折率を有し、厚み方向に屈折率が連続的に変化する透明電極102を、ガラス基板Gと透明電極102との間に形成することができる。これにより、ガラス基板Gと反射防止膜との境界、および、反射防止膜と透明電極102との境界における光の反射をさらに抑えることができる。これにより、電力変換効率の高い太陽電池100を形成することができる。
[比較例]
図8は、波長毎の透過率の一例を示す図である。図8における破線は、屈折率が1.75であり、厚み方向における屈折率の分布が一様である反射防止膜(以下、単一膜と呼ぶ。)を、ガラス基板Gと透明電極102との間に設けた場合の光の透過率の測定値を、ガラス基板Gと透明電極102との間に反射防止膜を設けなかった場合の光の透過率の測定値で規格化したものである。また、図8における実線は、屈折率を厚み方向に1.69から1.99までの範囲で連続的に変更した反射防止膜(以下、調整膜と呼ぶ。)を、ガラス基板Gと透明電極102との間に設けた場合の光の透過率の測定値を、ガラス基板Gと透明電極102との間に反射防止膜を設けなかった場合の光の透過率の測定値で規格化したものである。
図8は、波長毎の透過率の一例を示す図である。図8における破線は、屈折率が1.75であり、厚み方向における屈折率の分布が一様である反射防止膜(以下、単一膜と呼ぶ。)を、ガラス基板Gと透明電極102との間に設けた場合の光の透過率の測定値を、ガラス基板Gと透明電極102との間に反射防止膜を設けなかった場合の光の透過率の測定値で規格化したものである。また、図8における実線は、屈折率を厚み方向に1.69から1.99までの範囲で連続的に変更した反射防止膜(以下、調整膜と呼ぶ。)を、ガラス基板Gと透明電極102との間に設けた場合の光の透過率の測定値を、ガラス基板Gと透明電極102との間に反射防止膜を設けなかった場合の光の透過率の測定値で規格化したものである。
図8に示した測定結果から、600nmの波長の光に対する透過率は、単一膜では106.1%であり、調整膜では108.7%であった。即ち、調整膜の方が、単一膜よりも光の透過率が2%程度高いことがわかる。また、図8に示した実験結果から、400〜800nmの波長帯の光に対する透過率の平均値は、単一膜では104.1%であり、調整膜では105.0%であった。即ち、調整膜の方が、大半の波長帯で単一膜よりも光の透過率が高いことがわかる。そのため、調整膜を用いることにより電力変換効率の高い太陽電池100を形成することが可能となる。
以上、一実施形態について説明した。本実施形態の成膜装置10によれば、反射率の低い反射防止膜を提供することができる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
例えば、上記した実施形態において、制御部50は、流量制御器201を制御して、SiH4ガスの流量に対して、N2ガスの流量を、時間の経過に従って連続的に減少させたが、本発明はこれに限られない。例えば、図9に示すように、制御部50は、流量制御器201を制御して、N2ガスの流量を、時間の経過に従って、ステップ状に減少させるようにしてもよい。ただし、この場合であっても、それぞれのステップにおいて屈折率の不連続な変化が生じないように、それぞれのステップにおけるN2ガスの流量の変化量を決めることが望ましい。
ただし、この場合も、N2ガスの流量は、成膜種の堆積により反射防止膜が形成される間(即ち、図9の時点t3〜t4の間)、45sccmから27sccmまで流量が減少するように制御される。なお、N2ガスの流量を減少させる各ステップの時間幅Δtは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、上記した実施形態において、成膜装置10は、N2ガス等の第1のガスおよびSiH4ガス等の第2のガスの2種類のガスの流量比を、時間の経過に従って変更することにより、屈折率が厚み方向に連続的に変化する反射防止膜101をガラス基板G上に形成するが、本発明はこれに限られない。他の形態として、成膜装置10は、反射防止膜101を積層させる工程において、例えば図10に示すように、3種類以上のガスの流量比を、時間の経過に従って変更するようにしてもよい。
図10は、第1のガスと第2のガスと第3のガスとの流量比の変更過程の一例を示す図である。図10の例では、反射防止膜101を積層させる工程において、例えばN2ガスである第1のガスと、例えばSiH4ガスである第2のガスと、例えばSiF4等の第3のガスとの流量比が、時間の経過に従って変更される。なお、SiF4等の第3のガスは、例えば図1に示したガス供給源206から、マスフローコントローラ等の流量制御器207および弁208を介してガス供給管20aに供給され、シャワー筐体11の下側のガス吐出孔12aから処理室4内へ吐出される。
図7において説明したように、N2ガスとSiH4ガスとの混合ガスのプラズマによりSiN膜を形成した場合、SiH4ガスの流量に対してN2ガスの流量を増加させても、SiN膜の屈折率は、約1.69程度までしか下げることができない。しかし、SiN膜にフッ素、酸素、または塩素等を添加すると、SiN膜の屈折率をさらに下げることができ、ガラス基板Gの屈折率である1.51により近い屈折率のSiN膜を形成することができる。
そこで、図10に示すように、SiN膜を積層させる工程の開始時点において、SiH4ガスおよびN2ガスに加えて、SiF4ガスを供給し、ガラス基板Gとの境界面に積層されるSiN膜の屈折率が、ガラス基板Gに近い屈折率となるように、SiH4ガス、N2ガス、およびSiF4ガスの流量比を制御する。
そして、時間の経過に従って、SiF4ガスの流量を例えば3sccmから連続的に減少させ、SiF4ガスの流量が0sccmとなった時点t31からN2ガスの流量の減少を開始する。そして、SiN膜を積層させる工程の終了時点(時点t4)において、SiH4ガスの流量に対するN2ガスの流量の比が、透明電極102の屈折率に近い屈折率のSiN膜が形成される0.75となるように、時間の経過に従ってN2ガスの流量を連続的に減少させる。
これにより、ガラス基板Gとの境界付近では、ガラス基板Gの屈折率とほぼ同じ屈折率を有し、透明電極102との境界付近では、透明電極102の屈折率とほぼ同じ屈折率を有する反射防止膜101を、ガラス基板Gと透明電極102との間に形成することができる。これにより、ガラス基板Gと反射防止膜との境界における光の反射をさらに抑えることができる。
なお、図10に示した時点t31からt4までは、例えば34sccmの流量のSiH4ガスに対して、N2ガスの流量が例えば45sccmから時間の経過とともに例えば27sccmまで減少し、例えば0sccmの流量のSiF4ガスに対して、N2ガスの流量が例えば45sccmから時間の経過とともに例えば27sccmまで連続的に減少している。図10に示した実施例では、0sccmも含めた流量の関係を流量比として定義する。そのため、図10に示した時点t31からt4においても、N2ガス、SiH4ガス、およびSiF4ガスの3種類のガスの流量比が時間の経過とともに連続的に変更されている。
また、第2のガスの流量は、SiN膜を積層させる工程の開始時点t30から減少させ始めてもよい。また、第3のガスの流量は、時点t31において0sccmとなるように減少させる制御以外に、SiN膜を積層させる工程の終了時点t4において0sccmとなるように減少させる制御が行われてもよい。また、第3のガスは、SiF4ガスの他、SiH3Fガス、SiH2F2ガス、O2ガス、N2Oガス、SiH2Cl2ガス等であってもよい。
また、上記した実施形態では、太陽電池に用いられる反射防止膜101の製造方法について説明したが、TFT液晶ディスプレイの薄膜トランジスタに用いられる反射防止膜についても、上記した反射防止膜の形成工程を適用することができる。
また、上記した実施形態では、プラズマ源として誘導結合プラズマを利用したCVD法により成膜を行う成膜装置10を例に説明したが、プラズマを用いたCVD法により成膜を行う成膜装置10であれば、プラズマ源は誘導結合プラズマに限られず、容量結合プラズマ、マイクロ波プラズマ、マグネトロンプラズマなど、任意のプラズマ源が用いられてもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者には明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
G ガラス基板
1 処理容器
101 反射防止膜
102 透明電極
103 半導体層
104 電極層
1 処理容器
101 反射防止膜
102 透明電極
103 半導体層
104 電極層
Claims (7)
- 処理容器内に載置されたガラス基板に対して複数種類のガスを含む混合ガスのプラズマにより反射防止膜を成膜する成膜方法であって、
前記混合ガスを前記処理容器内に供給する工程と、
前記処理容器内において前記混合ガスのプラズマを生成する工程と、
プラズマにより活性化された前記混合ガスにより、前記ガラス基板上に反射防止膜を成膜する成膜工程と、
前記反射防止膜上に電極層を形成する工程と
を含み、
前記成膜工程において、前記混合ガスに含まれる少なくとも2種類のガスの流量比を、時間の経過に従って変更することを特徴とする成膜方法。 - 前記成膜工程において、前記混合ガスに含まれる2種類のガスの流量比を、第1の値から、前記第1の値とは異なる第2の値まで、時間の経過に従って連続的に増加または減少させることを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
- 前記電極層の屈折率は、前記ガラス基板の屈折率よりも高く、
前記第1の値の流量比の混合ガスによって成膜される反射防止膜の屈折率は、前記ガラス基板の屈折率以上であり、
前記第2の値の流量比の混合ガスによって成膜される反射防止膜の屈折率は、前記第1の値の流量比の混合ガスによって成膜される反射防止膜の屈折率よりも高く、かつ、前記電極層の屈折率以下であることを特徴とする請求項2に記載の成膜方法。 - 前記混合ガスには、少なくとも窒素を含有する第1のガスと、少なくともシランを含有する第2のガスとが含まれ、
前記成膜工程において、前記第2のガスの流量に対する前記第1のガスの流量の比を、前記第1の値から、前記第1の値よりも低い前記第2の値まで、時間の経過に従って連続的に減少させることを特徴とする請求項3に記載の成膜方法。 - 前記混合ガスには、少なくとも酸素、フッ素、または塩素を含有する第3のガスが含まれ、
前記成膜工程において、前記第1のガスと、前記第2のガスと、前記第3のガスとの流量比を、前記ガラス基板の屈折率と等しい屈折率の反射防止膜が成膜される流量比から、前記電極層の屈折率と等しい屈折率の反射防止膜が成膜される流量比まで、時間の経過に従って連続的に変更することを特徴とする請求項4に記載の成膜方法。 - 前記成膜工程において、前記成膜工程の開始から所定時間が経過するまでは、前記第1のガスおよび前記第2のガスの流量を一定にし、前記第3のガスの流量を、時間の経過に従って連続的に変更することにより、前記第1のガスと、前記第2のガスと、前記第3のガスとの流量比を、前記ガラス基板の屈折率と等しい屈折率の反射防止膜が成膜される流量比から変更し、
前記所定時間が経過した後は、前記第2のガスおよび前記第3のガスの流量を一定にし、前記第1のガスの流量を、時間の経過に従って連続的に変更することにより、前記第1のガスと、前記第2のガスと、前記第3のガスとの流量比を、前記電極層の屈折率と等しい屈折率の反射防止膜が成膜される流量比まで変更することを特徴とする請求項5に記載の成膜方法。 - 処理容器と、
前記処理容器内に前記混合ガスを供給するガス供給部と、
前記処理容器内において前記混合ガスのプラズマを生成するプラズマ生成部と、
請求項1から6のいずれか一項に記載の成膜方法を実行する制御部と
を備えることを特徴とする成膜装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014142487A JP2016018155A (ja) | 2014-07-10 | 2014-07-10 | 成膜方法および成膜装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017147278A (ja) * | 2016-02-15 | 2017-08-24 | 東京エレクトロン株式会社 | 基板載置台および基板処理装置 |
-
2014
- 2014-07-10 JP JP2014142487A patent/JP2016018155A/ja active Pending
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