JP2016017883A - 光プローブ及び測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より高い精度で測定が可能な光プローブ及びこの光プローブを含む測定装置を提供する。
【解決手段】測定装置1の光プローブ20では、測定部25からの光をガラスロッド22で導波する構成とされている。測定部25からの光が、直線状に延びるガラスロッド22を伝送される構成とすることで、例えば曲げ領域における漏洩等の発生を防止することができるため、より高い精度で測定が可能となる。また、測定部25からの光がガラスロッド22を伝送される構成とすることで、観察領域の光強度ムラ等が均質化・平均化されるため、測定精度が向上する。
【選択図】図2

Description

本発明は、光プローブ及びこの光プローブを含む測定装置に関する。
液体試料に対して近赤外光を照射して、測定対象物における凝集物(懸濁物質)の近赤外光の反射率及び透過率を測定するための光プローブを備えた測定装置が知られている。例えば、特許文献1の光プローブでは、透過率を測定するために集光した光を光検出器に対して伝達するために、光ファイバが用いられている。
特開2000−009638号公報
測定対象物からの光を光検出器に対して伝達する伝送路として光ファイバを用いた場合、局所曲げ等による光の漏洩が生じることが考えられる。光の漏洩が増大すると、測定精度に影響を与える可能性がある。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、より高い精度で測定が可能な光プローブ及びこの光プローブを含む測定装置の提供を目的とする。
本願発明は、
(1)測定対象物が導入される測定部と、
前記測定部中の前記測定対象物から出射される近赤外領域の透過光又は散乱光を入射して導波する、ガラスロッドにより構成された入射部と、
前記入射部における前記測定部側の端部を収容する筺体部と、
を備える光プローブ、
である。
また、本願発明は、
(2) 測定対象物から出射される透過光又は散乱光を入射させる光プローブと、
前記光プローブに入射させた前記透過光又は前記散乱光を分析する分析器と、
を備える測定装置であって、
前記光プローブは、
前記測定対象物が導入される測定部と、
前記測定部中の前記測定対象物から出射される近赤外領域の透過光又は散乱光を入射して前記分析器へ導波する、ガラスロッドにより構成された入射部と、
前記入射部における前記測定部側の端部を収容する筺体部と、
を備える測定装置、
である。
本発明によれば、より高い精度で測定が可能な光プローブ及びこの光プローブを含む測定装置が提供される。
第1実施形態に係る光学測定装置の概要を説明する図である。 第1実施形態に係る光学測定装置の概略構成図である。 第1実施形態に係る光プローブの主要部の概略斜視図である。 第2実施形態に係る光学測定装置の概略構成図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。
本願発明の光プローブは、(1)測定対象物が導入される測定部と、前記測定部中の前記測定対象物から出射される近赤外領域の透過光又は散乱光を入射して導波する、ガラスロッドにより構成された入射部と、前記入射部における前記測定部側の端部を収容する筺体部と、を備えることを特徴とする。
上記の光プローブによれば、測定対象物から出射される透過光又は散乱光が、ガラスロッド内を導波して分析器に伝送される。ガラスロッドを導波させる構成とすることで、例えば光ファイバを導波させた場合に生じる曲げ領域における漏洩等の発生を防止することができるため、分析器において、より高い精度で測定が可能となる。また、透過光又は散乱光がガラスロッドを伝送される構成とすることで、観察領域の光強度ムラ等が均質化・平均化されるため、ムラ等に由来する特異なピークを誤検出する可能性を低減することができ、高い精度での測定が可能となる。
(2)前記ガラスロッドは石英ガラスロッドである態様とすることができる。
上記のように石英ガラスロッドにより構成されている場合、損失を低減させることができる。
(3)前記ガラスロッドは無水石英ガラスロッドである態様とすることができる。
通常の石英ガラスは大量のOH基が存在しているため、1.4μm付近、1.9μm付近、及び2.2μm付近に吸収帯が存在し、これらの波長帯のスペクトル情報に係る精度が著しく劣化する。これに対して、無水石英ガラスを用いることで、この波長帯域における吸収を十分に低くすることが出来る為、近赤外全域で透明な伝送体として機能させることが可能となる。
(4)前記近赤外領域の透過光又は反射光は、波長1700nm以上の帯域の光を含む態様とすることができる。
有機物系の測定対象物の特徴を示す吸収ピークが波長1700nm以上に多く存在することから、1700nm以上の長波長帯域の近赤外光が好適に用いられる。
(5)前記測定部の前記測定対象物に対して、前記近赤外光を導波して出射する照射部を更に備え、前記照射部の前記測定部側の端部が前記筺体部に収容されている態様とすることができる。
上記のように、光源からの近赤外光を導波して出射する照射部を光プローブが備える場合、光源からの光を測定対象物に対して好適に照射することができると共に、取り扱い性が向上する。
(6)前記ガラスロッドは、コアと、当該コアを取り囲み屈折率が当該コアより低いクラッドとを含んで構成される態様とすることができる。
この場合、周囲のクラッドに覆われたコアを光が導波しやすい構成となり、損失を抑制できることから、測定精度が向上する。
本願発明の測定装置は、(7)前記測定対象物から出射される透過光又は散乱光を入射させる光プローブと、前記光プローブに入射させた前記透過光又は前記散乱光を分析する分析器と、を備える測定装置であって、前記光プローブは、前記測定対象物が導入される測定部と、前記測定部中の前記測定対象物から出射される近赤外領域の透過光又は散乱光を入射して分析器へ導波する、ガラスロッドにより構成された入射部と、前記入射部における前記測定部側の端部を収容する筺体部と、を備えることを特徴とする。
上記の測定装置によれば、光源からの近赤外光の照射によって測定対象物から出射される透過光又は散乱光が、ガラスロッド内を導波して分析器に伝送される。ガラスロッドを導波させる構成とすることで、例えば光ファイバを導波させた場合に生じる曲げ領域における漏洩等の発生を防止することができるため、分析器において、より高い精度で測定が可能となる。また、透過光又は散乱光がガラスロッドを伝送される構成とすることで、観察領域の光強度ムラ等が均質化・平均化されるため、ムラ等に由来する特異なピークを誤検出する可能性を低減することができ、高い精度での測定が可能となる。
(8)前記分析器は、前記透過光又は前記散乱光を受光するための2次元配列された複数の受光センサから構成されたセンサ部を備え、前記受光センサは、それぞれ、InGaAs、MCT、InSb、InGaAs/GaAsSbの量子井戸型のいずれかである態様とすることができる。
2次元配列された複数の受光センサから構成されたセンサ部を備える場合、複数の受光センサのそれぞれで取得された光の情報に基づいて分析を行うことができるため、より高い精度で測定を行うことができる。また、近赤外光に対して十分な感度を有する上記のセンサは、受光センサとして好適に用いられる。
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明に係る光プローブ及び測定装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る測定装置の概略構成と主な使用方法を説明する図である。図1に示すように、測定装置1は、光源10と、光プローブ20と、分析器30と、を含んで構成される。測定装置1は、測定対象物Oが液体である場合に好適に用いられる。
光源10は、液体の測定対象物に対して照射する近赤外光を出射する。本実施形態に係る測定装置1で用いられる近赤外光とは、700nm〜2500nmの波長帯域の光を指す。このうち、長波長帯域において、測定対象物Oの特徴を示す吸収ピークが多く含まれる。加えて、長波長域は、赤外の基本振動による吸収に近く、近赤外にありながら相対的に強い吸収特性を有しており、感度が高い利点を有している。よって、1700nm以上の長波長帯域の近赤外光が好適に用いられる。光源10は近赤外光を出射可能であれば特に限定されず、例えば、パルス光を出射するような構成であってもよい。
光プローブ20は、コネクタ等により光源10に対して接続され、光源10からの近赤外光を導波して測定対象物の液体に対して近赤外光を出射すると共に、近赤外光を照射した測定対象物からの透過光又は散乱光を入射して分析器30に導波する機能を有する。光プローブ20は、図1に示すように、測定対象物O内にその先端を導入することで、測定が行われる。光プローブ20内では、光ファイバによって光が導波されるが、その具体的な構成については後述する。
分析器30は、光プローブ20からの光を受光して測定を行う機能を有する。分析器30は、光プローブ20内の導波路を導波した透過光又は散乱光を波長に応じて分光する分光部と、2次元配列された複数の受光センサから構成され、分光部により分光された光を受光するセンサ部と、を含んで構成される。
次に、測定装置1のうち、特に光プローブ20及び分析器30について、図2を参照しながら説明する。図2は、測定装置1の各部の構成を示す概略構成図である。
図2に示すように、光プローブ20は、光源10に対してその一方の端部21aが接続する光ファイバ21(照射部)と、分析器30に対してその一方の端部22aがレンズを介して接続するガラスロッド22(入射部)と、光ファイバ21の光源10側とは逆側の端部21b及びガラスロッド22が収容されている筺体部23を含んで構成される。光ファイバ21のうち筺体部23に収容されている部分と、ガラスロッド22とは、略同一の方向に延びる。筺体部23は、光ファイバ21及びガラスロッド22の光軸方向に沿って延びる略円筒形状をなしている。
光ファイバ21は、石英ガラス光ファイバを含んだ構成とすることができる。この場合、光源10から出射される近赤外光を導波させることによる損失を低減することができる。また、ガラスロッド22は、石英ガラスにより構成される。ガラスロッド22は、直径が3mm〜20mm程度とされ、光軸方向の長さが10cm〜1m程度とされる。また、ガラスロッドは無水タイプ(OHフリータイプ)の石英ガラスにより構成されることが望ましい。通常の石英ガラスロッドでは、ガラス中に大量のOH基が存在しているため、1.4μm付近、1.9μm付近、及び2.2μm付近付近に吸収帯が存在する。このため、これらの波長帯のスペクトル情報に係る精度が著しく劣化する。一方、OHフリータイプの石英ガラスを用いた場合には、この波長帯域における吸収を十分に低くすることが出来る為、近赤外全域で透明な伝送体として機能させることが可能となる。
また、ガラスロッド22は、中心付近に設けられた屈折率が高いコアと、コアの外側にあってコア部より屈折率の低いクラッドと、を有する構造となっていることが好ましい。この場合、周囲のクラッドに覆われたコア部を光が導波しやすい構成となり、損失を抑制できる。さらに、ガラスロッド22は、外側を例えば樹脂などで充填する態様とすることで、内部を伝送する光がガラスロッドの外部に漏洩するなどの問題発生を回避可能な構成とすることもできる。なお、本実施形態におけるガラスロッド22とは、直線状に延びる可撓性を有しない棒状のものをいう。このようなガラスロッド22は、許容曲げ半径が1000mm以上となる。また、本実施形態におけるガラスロッド22は直径300mmで1ターン巻回した場合に破断率が80%以上である。
また、光ファイバ21の端部21bは、測定部25と対向している。また、ガラスロッド22の端部22bは、レンズ26を介して測定部25と対向している。ガラスロッド22の逆側の端部22a側にも、レンズ27が設けられている。なお、レンズ26は、ガラスロッド22へ好適に光を入射させるために設けられるものであり必須ではない。また、レンズ27についても、ガラスロッド22から出射された光を好適に分析器30へ導入するためのものであり必須ではない。
筺体部23は、光ファイバ21の一部、ガラスロッド22及びレンズ26,27を収容する容器である。筺体部23の外装は、鉄、銅、アルミニウムなどの金属材であることが望ましい。外装が金属材である場合、アースを取りやすく、帯電を防止することができる。また、測定対象物Oが腐食液体等である場合には、筺体部23の外装を構成する部材は耐食性に優れたステンレス等が好適に用いられる。また、計測対象が高温である場合には、チタンなど熱に強い材料が適用可能である。このように、筺体部23の材料は適宜変更することができる。
筺体部23の端部には、測定部25が設けられる。測定部25は、測定対象物Oが導入される領域である。測定部25は、例えば、フィルタ等によって外部と区画されていてもよい。また、測定部25は、外部との間で測定対象物Oが移動可能であることが好ましい。光プローブ20を測定対象物O中に投入した際に、測定対象物Oが測定部25内に容易に導入される構成とすることで、容易に測定を行うことができる。測定部25には、光ファイバ21の端部21bが露出して、光源10からの光を出射可能な構成とされている。また、測定部25内の測定対象物Oからの光をガラスロッド22に対して導入できるように、レンズ26が測定部25内に露出した構成とすることができる。
分析器30は、ガラスロッド22の端部22aから出射し、レンズ27でコリメートされた光を波長毎に分光する波長可変フィルタ31と、波長可変フィルタ31で分光された光を受光する複数の受光センサが2次元に配列されたセンサ部32とを含んで構成される。
その他、調整用のレンズ等が設けられていてもよい。
波長可変フィルタ31は、所定の波長分解能で電気的に透過波長を可変制御できる。選択波長を高速に変化させることにより、観察領域の波長スペクトル情報が生成される。
センサ部32は、波長可変フィルタ31により選択的に透過された波長の光を検出する機能を有するセンサが2次元状に複数配列されたものである。2次元センサとしてはInGaAs、MCT、InSbなどが適用可能である。また、InGaAs/GaAsSbの量子井戸構造によるtype−II型の2次元センサは、1〜2.3μmに感度を有し、近赤外光の波長帯域のほぼ全域をカバーできる性能を有しながら安価であることから、本実施形態に係る分析器30のセンサ部32に適用するには好適である。
本実施形態に係る分析器30では、波長可変フィルタ31を通過した光は2次元に配列された受光センサのいずれかに到達する。すなわち、同じ波長の光が2次元に配列された複数の受光センサのそれぞれで同時に検出される。
このような測定装置1では、光源10からの近赤外光は、光プローブ20の光ファイバ21内に端部21aから導入され、光ファイバ21内を伝搬した後、端部21bから測定部25内に出射される。測定部25内には測定対象物Oが導入されているため、光源10からの近赤外光は、測定部25内の測定対象物Oに対して照射される。
近赤外光の照射によって、測定部25内の測定対象物Oから出射される散乱光は、レンズ26を介して、ガラスロッド22の端部22bに入射する。散乱光は、ガラスロッド22内を伝搬して、ガラスロッド22の端部から分析器30に入射する。その後、波長可変フィルタ31を通過した光が、センサ部32を構成する互いに異なる受光センサによって受光される。波長可変フィルタ31は高速で選択波長を変更していくことで、センサ部32を構成する各画素において、時間軸に沿って波長が変化するスペクトルを取得することができる。
ここで、本実施形態に係る光プローブ20では、測定部25からの光をガラスロッド22で導波する構成とされている。測定部25からの光が、直線状に延びるガラスロッド22を伝送される構成とすることで、例えば曲げ領域における漏洩等の発生を防止することができるため、より高い精度で測定が可能となる。
また、測定部25からの光がガラスロッド22を伝送される構成とすることで、観察領域の光強度ムラ等が均質化・平均化される。これは、光ファイバ中を導波する場合と比較して、より幅広に且つ直線状に構成された導波路を進むためである。
さらに、センサ部32においては、2次元に配列されたセンサのそれぞれで、ガラスロッド22を導波した光を検出する構成とした場合、各画素で検出したスペクトル情報を画素の数に応じて平均化することができるため、スペクトル情報を平均化するための時間平均を行わないかもしくはより短時間分のデータの平均化により十分平均的なデータを取得することができる。したがって、同じレベルの精度の測定をより短時間で実現することができる。
なお、ガラスロッド22を用いる光プローブ20に対して、単画素のセンサ部32を備える分析器30を組み合わせることも可能である。この場合でも、ガラスロッド22中で光強度のムラが平均化されることから、強度ムラに由来する特異なピーク等を減らすことができ、より高い精度での計測が可能になる。
図3に、光プローブ20の測定部25の変形例を示す。図2に示す光プローブ20では、測定部25内の測定対象物Oから出射される散乱光をガラスロッド22に入射させる構成としていた。一方、図3では、測定部25内の測定対象物Oからの透過光をガラスロッド22に入射させる構成としたものである。
具体的には、測定部25が、筺体部23から延びる反射路部25aと、反射路部25aの一部を切り欠いたような溝25bとにより設けられていて、溝25bに対して測定対象物Oが導入可能な構成とされる。そして、光ファイバ21が設けられた側の溝25bの端面と、対向する端面側に反射用のミラー29を2つ配置することで、光源10からの光のうち、溝25b内の測定対象物Oを透過した透過光Lが反射路部25aへ入射する。そして、透過光Lの進路を変更させて、反射路部25a内に透過光Lを導波させた後に、レンズ26に入射させる構成としている。また、溝25b内での散乱光が、直接レンズ26へ入射することもできるため、ガラスロッド22では、透過光及び散乱光の双方を検出することができる。
上記のように、反射路部25aは、導波光学系として機能するから、環境変化や振動等の外部要因などに起因する光軸ずれに対して強い特徴を有していることが好ましく、外装(測定対象物Oと接触する部分)は、例えばステンレスやアルミであることが好ましいが、内部については、前記特徴を有する石英ガラス、樹脂等により構成されることが好ましい。
このように、本実施形態に係る測定装置1では、光プローブ20の形状を変更して、ガラスロッド22に入射する光の進路を変更することによって、透過光及び散乱光を検出することができる。当然ながら、透過光と散乱光との一方のみを検出する構成であってもよい。なお、光ファイバ21の代わりに、ガラスロッドを使用してもよい。ガラスロッドとすることにより、導波される光の揺らぎを抑えることが可能になる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る測定装置2について説明する。第2実施形態に係る測定装置2では、図4に示すように、測定装置2は、光源10と、光プローブ20Aと、分析器30Aと、を含んで構成される。
光プローブ20Aは、レンズ27と分析器30との間に、接続用の光ファイバ35が設けられる点が、第1実施形態に係る光プローブ20と相違する。
また、分析器30Aは、センサ部32の前段に波長可変フィルタ31に代えてレンズ33及び分光部34が設けられている点が、第1実施形態に係る分析器30と相違する。
第2実施形態に係る測定装置2のように、光プローブ20Aが、ガラスロッド22と分析器30Aとの間に光ファイバ35を備えている場合、分析器30Aに対して光プローブ20Aの位置を容易に変更することができるため、取り扱い性が向上する。一方、光ファイバ35により透過光又は散乱光を導波する領域が生じるため、多少の損失は生じる可能性が考えられる。しかしながら、透過光又は散乱光の導波路の少なくとも一部にガラスロッド22が設けられていることで、当該領域も光ファイバにより構成される場合と比較して、曲げ領域における漏洩等の発生を防止することができるため、より高い精度で測定が可能となる。なお、光プローブ20Aのガラスロッド22と分析器30との間を、光ファイバ35に代えてイメージファイバを接続する構成とすることもできる。
以上、本発明の実施形態に係る光プローブ及び測定装置について説明したが、本発明に係る光プローブ及び測定装置は上記実施形態に限定されず、種々の変更を行うことができる。
すなわち、本発明の実施形態に係る光プローブ及び測定装置では、測定対象物Oからの透過光又は散乱光の光プローブ内の導波路をガラスロッド22により形成することを特徴とするものであり、この特徴を変更しない範囲で、その形状は適宜変更することができる。
例えば、第1実施形態において、分析器30のセンサ部32をラインセンサとして、波長可変フィルタ31に代えて分光器を配置する構成としてもよい。この場合には、分光器により分光された光のそれぞれを1次元に配列された複数のセンサのそれぞれで検出する構成となる。この場合、同時に複数の波長の強度を測定可能であり、一度にスペクトルデータを得ることができる。また、第2実施形態において分光部34に替えて波長可変フィルタを用いる構成としてもよい。このときも、ガラスロッド22を導波させる構成とすることで、ガラスロッド22による均質化効果が測定精度向上に貢献する。
また、上記実施形態では、光プローブ20が、光源10からの近赤外光を導波する光ファイバ21を備える構成について説明したが、測定対象物Oに対する近赤外光の照射は、光プローブ20とは異なる装置によって行う構成であってもよい。すなわち、本実施形態に係る光プローブは、少なくとも透過光又は散乱光の光プローブ内の導波路としてガラスロッド22を備えていればよく、光源10からの光を測定対象物Oに対して照射する光ファイバ21を備えていなくてもよい。ただし、光源からの近赤外光を導波して出射する照射部として光ファイバ21を光プローブ20が備える構成のほうが、光源10からの光を測定対象物Oに対して好適に照射することができるため、測定精度が向上すると考えられる。また、光プローブ20としての取り扱い性も向上する。
1,2…測定装置、10…光源、20,20A…光プローブ、30,30A…分析器、21…光ファイバ、22…ガラスロッド、23…筺体部、25…測定部、26,27…レンズ、32…センサ部。

Claims (8)

  1. 測定対象物が導入される測定部と、
    前記測定部中の前記測定対象物から出射される近赤外領域の透過光又は散乱光を入射して導波する、ガラスロッドにより構成された入射部と、
    前記入射部における前記測定部側の端部を収容する筺体部と、
    を備える光プローブ。
  2. 前記ガラスロッドは石英ガラスロッドである請求項1記載の光プローブ。
  3. 前記ガラスロッドは無水石英ガラスロッドである請求項2記載の光プローブ。
  4. 前記近赤外領域の透過光又は散乱光は、波長1700nm以上の帯域の光を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の光プローブ。
  5. 前記測定部の前記測定対象物に対して、近赤外光を導波して出射する照射部を更に備え、
    前記照射部の前記測定部側の端部が前記筺体部に収容されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の光プローブ。
  6. 前記ガラスロッドは、コアと、当該コアを取り囲み屈折率が当該コアより低いクラッドとを含んで構成される請求項1〜5のいずれか一項に記載の光プローブ。
  7. 測定対象物から出射される透過光又は散乱光を入射させる光プローブと、
    前記光プローブに入射させた前記透過光又は前記散乱光を分析する分析器と、
    を備える測定装置であって、
    前記光プローブは、
    前記測定対象物が導入される測定部と、
    前記測定部中の前記測定対象物から出射される近赤外領域の透過光又は散乱光を入射して前記分析器へ導波する、ガラスロッドにより構成された入射部と、
    前記入射部における前記測定部側の端部を収容する筺体部と、
    を備える測定装置。
  8. 前記分析器は、前記透過光又は前記散乱光を受光するための2次元配列された複数の受光センサから構成されたセンサ部を備え、
    前記受光センサは、それぞれ、InGaAs、MCT、InSb、InGaAs/GaAsSbの量子井戸型のいずれかである請求項7記載の測定装置。
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