JP2016017825A - 振動素子、電子機器及び移動体 - Google Patents

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Fumio Ichikawa
史生 市川
敦司 松尾
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Abstract

【課題】ジャイロ素子を支持する支持部と振動部が音響結合し、支持部が駆動振動に励振されることにより、角速度が加えられていない場合でもノイズが出力されてしまう。【解決手段】支持部の振動の固有振動数が、駆動振動の周波数の整数倍から離れるようにする。支持部と駆動腕との音響結合を弱めることで支持部の振動を小さくし、ノイズを低減することができる。これにより検出のダイナミックレンジを広くし、実質的な感度を高くできる。【選択図】図1

Description

本発明は、振動素子、及び当該振動素子を用いた電子機器、並びに移動体に関する。
従来、例えば、特許文献1に記載されているようなジャイロセンサーが知られていた。特許文献1に記載のジャイロ素子は、基部から延びている駆動用振動腕と検出用振動腕を備えており、駆動用振動腕と検出用振動腕に平行な軸周りの回転によって発生するコリオリ力を検出する。ジャイロ素子は、3本または4本の支持梁によって支持されている。支持梁は基部から延出して同一の方向に延び、固定部に夫々連結されている。
特開2013−205236号公報
上述したジャイロセンサーでは、ジャイロ素子の駆動用振動腕と検出用振動腕だけでなく、ジャイロ素子を支持する支持梁自体にも振動モードが存在する。本願発明者は、支持梁の共振周波数と、駆動用振動腕の駆動振動の共振周波数とが一致すると、支持梁と駆動用振動腕とが音響結合して支持梁が励振されてしまうことに気づいた。この結果、ジャイロ素子に回転が加わっていない場合においても、この支持梁の振動がノイズ源となってしまう。また、ジャイロ素子が固定されたときの駆動振動及び検出振動の周波数の設計値からのシフト(実装シフト)がばらつくため、個々のジャイロ素子の温度特性にもばらつきが生じてしまう。このため、検出可能な物理量信号、例えばこの場合は角速度信号のレンジが狭くなり、実質的な感度が低下してしまうという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る振動素子は、駆動信号に応じて駆動振動をする振動部と、 前記振動部と音響結合しており、物理量に応じて検出信号を出力する検出部と、前記振動部と連結されている支持部と、を備え、前記駆動振動の周波数frと、前記支持部の共振振動の周波数fとが、f≠n×fr(但し、nは自然数)の関係を満たすことを特徴とする。
本適用例によれば、振動部と支持部との音響結合を弱めることができる。これにより、支持部の振動を小さくし、検出信号に重畳されるノイズを低減することができる。従って、広いレンジの角速度信号を検出でき、実質的な感度が高い振動素子を提供することができる。
[適用例2]上記適用例に記載の振動素子は、前記支持部の共振振動の周波数f及び前記駆動振動の周波数frが、f<0.9×fr及び1.2×fr<f<1.8×frのうちの一方の関係をさらに満たすことが好ましい。
本適用例の振動素子によれば、支持部の共振振動の周波数fを、振動部の駆動振動の周波数frから余裕をもって離すことができる。これにより、製造ばらつきによって支持部の共振振動の周波数fが想定した値からずれた場合や、支持部の共振の線幅が大きくなった場合においても、ノイズを低減することができる。従って、必要な感度をより確実に確保できるという効果を得ることができる。なお、ここでいう線幅とは、周波数に応じた振幅の変化のグラフの半値幅のことをいう。製造誤差により振動にノイズ成分が多く含まれる場合、線幅は大きくなる。また、f<0.9×frである場合には、駆動振動の影響をいっそう小さくすることができる。一方、1.2×fr<f<1.8×frである場合には、駆動振動の影響を弱めつつ支持部を短くすることができ、振動素子の小型化が可能となる。
[適用例3]上記適用例に記載の振動素子は、前記共振振動が、前記駆動振動の方向に沿った方向の振動であることが好ましい。
本適用例の振動素子によれば、駆動振動の方向に沿った方向の支持部の振動を小さくでき、ノイズを低減することができる。
[適用例4]上記適用例に記載の振動素子は、前記共振振動が、前記駆動振動の方向と交差する方向の振動であることが好ましい。
本適用例の振動素子によれば、駆動振動の方向と交差する方向の支持部の振動を小さくでき、ノイズを低減することができる。
[適用例5]上記適用例に記載の振動素子は、前記振動部が、基部と、前記基部から第1方向に延びている2本の駆動腕と、を含み、前記検出部が、前記基部から前記第1方向と反対方向の第2方向に延びている2本の検出腕を含み、前記基部が、前記駆動腕より前記第2方向側であり、且つ前記検出腕より前記第1方向側に位置する第1連結部及び第2連結部を含み、前記支持部が、前記第1連結部に連結された第1支持梁と、前記第2連結部に連結された第2支持梁と、を含み、前記駆動腕と前記検出腕のうちの少なくとも一方の腕が、前記第1支持梁と前記第2支持梁との間にあることが好ましい。
本適用例の振動素子によれば、ノイズや温度特性のばらつきを低減し、実質的な感度を向上させることができる。
[適用例6]上記適用例に記載の振動素子は、前記第1支持梁の前記第1方向に沿った長さLy1と、前記第2支持梁の前記第1方向に沿った長さLy2と、前記駆動腕の前記第1方向に沿った長さLrとが、1.09<Ly1/Lr<1.39且つ1.09<Ly2/Lr<1.39の関係を満たすことが好ましい。
本適用例の振動素子によれば、第1支持梁及び第2支持梁の第1方向と交差する方向の振動を小さくすることができ、ノイズを低減することができる。
[適用例7]上記適用例に記載の振動素子は、前記基部が、前記第1連結部より前記第1方向側に位置する第3連結部と、前記第2連結部より前記第1方向側に位置する第4連結部と、をさらに含み、前記支持部が、前記第3連結部と連結する第3支持梁と、前記第4連結部と連結する第4支持梁と、をさらに含み、前記第3支持梁は前記第1支持梁と前記少なくとも一方の腕との間にあり、前記第4支持梁は前記第2支持梁と前記少なくとも一方の腕との間にあることが好ましい。
本適用例の振動素子によれば、支持部が第3支持梁及び第4支持梁をさらに含むことにより、ノイズや温度特性のばらつきを低減することができる。また、振動素子の耐衝撃性を向上させることができ、外部から衝撃が加わった際に重畳するノイズを低減することができる。従って、感度を向上させることができる。
[適用例8]上記適用例に記載の振動素子は、前記第3支持梁の前記第1方向と交差する方向に延びている部分の長さLx3と、前記第4支持梁の前記第1方向と交差する方向に延びている部分の長さLx4と、前記駆動腕の前記第1方向に沿った長さLrとが、0.295<Lx3/Lr且つ0.295<Lx4/Lrの関係を満たすことが好ましい。
本適用例の振動素子によれば、支持部の第1方向に沿った方向の振動を小さくすることができ、ノイズを低減することができる。
[適用例9]上記適用例に記載の振動素子は、前記第1支持梁と前記第3支持梁との間の最短距離、及び前記第2支持梁と前記第4支持梁との間の最短距離が、いずれも30μm以上であることが好ましい。
本適用例の振動素子によれば、支持梁間の距離を30μm以上離すことにより、ノイズや温度特性のばらつきを低減することができる。
[適用例10]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の振動素子を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に記載の振動素子を、電子機器に組み込んで用いることができる。これにより、広いレンジの角速度信号を検出でき、実質的な感度が高い電子機器を提供することができる。例えば感度の高い振動デバイスを用いることで、高い精度で手ぶれ補正を行い、より鮮明な画像を撮影できるデジタルカメラを提供することができる。また、例えば無人機や船舶、自動車等の移動体に高精度な自動運転制御を行わせる電子機器を提供することもできる。
[適用例11]本適用例に係る移動体は、上記適用例に記載の振動素子を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に記載の振動素子を、移動体に組み込んで用いることができる。これにより、広いレンジの角速度信号を検出でき、実質的な感度が高い移動体を提供することができる。例えば感度の高い振動デバイスを用いることで、無人機や船舶、自動車等の移動体の動作や姿勢をより高精度に検出でき、より確実な安全制御を行うことができる。また、高精度な自動運転を行うことも可能となる。また、GPS機能が使えない場所でのカーナビゲーションをより高精度に行うことができる。
実施形態1に係る振動素子の概略平面図。 実施形態1に係る振動素子の表面の電極及び配線の概略平面図。 実施形態1に係る振動素子の表面側から裏面の電極及び配線を透視した概略平面図。 実施形態1に係る振動素子の駆動及び検出動作を表す概略平面図。 実施形態1に係る振動素子の周波数fに対する支持部の振動の振幅を表した図。 実施形態1に係る振動素子の支持部の第1方向に沿った長さを表す概略平面図。 実施形態1に係る振動素子の支持部の第1方向に沿った長さに対する支持部の共振周波数を表す図。 実施形態1に係る振動素子の支持部の第1方向と交差する方向に沿った長さを表す概略平面図。 実施形態1に係る振動素子の支持部の第1方向と交差する方向に沿った長さに対する支持部の共振周波数を表す図。 実施形態1に係る振動素子を収容した振動デバイスの概略平面図。 実施形態2に係る振動素子の概略平面図。 実施形態2に係る振動素子の支持部の第1方向と交差する方向に沿った長さを表す概略平面図。 変形例1に係る振動素子の概略平面図。 変形例2に係る振動素子の概略平面図。 変形例3に係る振動素子の概略平面図。 変形例4に係る振動素子の概略平面図。 電子機器の一例としてのスマートフォンの概略図。 電子機器の他の例としてのデジタルカメラの概略斜視図。 移動体の一例としての自動車の概略斜視図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部を認識可能な程度の大きさにするため、各部の尺度を実際とは異ならせしめている。
本実施形態の図面においては、第1方向01を+X軸方向とした場合、−X軸方向の第2方向02と、X軸方向と直交し、平面視で第1方向01より時計回りに90°回転した−Y軸方向の第3方向03と、+Y軸方向の第4方向04により方向を示す。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る振動素子10の概略平面図である。
まず、実施形態1に係る振動素子10の概略構成について説明する。
図1に示すように、振動素子10は、振動部11、検出部12(検出腕121、122)、支持部13(第1支持梁131〜第4支持梁134)、固定部14などを備えている。振動素子10を構成する材料としては、例えば水晶、圧電セラミックス、圧電体の膜を備えるシリコン等、圧電効果を得られる材料を用いることができる。振動素子10は、上記材料に、例えばフォトリソグラフィーによってパターニングを施し、ウェットエッチあるいはドライエッチによってエッチングすることで形成することができる。
振動部11は、基部110、2本の駆動腕111、112から構成されている。本実施形態では、基部110は、中央部1100(本形態では図中ハッチングで示す)と、中央部1100から突出している二つの突出部(第1突出部1101、第2突出部1102)とを有している。具体的には、基部110は、第1方向01および第3方向03により成された平面に沿って延在している中央部1100と、第3方向03に向かって中央部1100から突出している第1突出部1101と、第3方向03と反対方向の第4方向04に向かって中央部1100から突出している第2突出部1102とを有している。
駆動腕111及び駆動腕112は、中央部1100の一辺から第1方向01に向かって、互いに平行に延出して設けられている。駆動腕111、112は先端部に錘部を備えており、この錘部は、駆動腕111、112の第2方向02側の部分より幅が広くなっている。錘部を備えることにより先端部に質量を確保できるため、小型化にともなって高周波にならないように周波数を保ち、大きな振幅を確保することができる。
検出部12は、2本の検出腕121、検出腕122から構成されている。検出腕121、122は、中央部1100の一辺から第1方向01と反対方向の第2方向02に向かって、互いに平行に延出して設けられている。また、検出腕121、122も先端部に錘部を備えており、この錘部は、検出腕121、122の第1方向01側の部分より幅が広くなっている。錘部を備えることにより、検出腕121、122においても大きな振幅を保ち、検出感度が低くならないよう保つことができる。このように、振動素子10は駆動腕111、112と検出腕121、122とが別になっているため、高感度の検出を実現することができる。
支持部13は、第1支持梁131、第2支持梁132、第3支持梁133、及び第4支持梁134によって構成されており、振動部11と検出部12を保持している。
第1支持梁131は、第1突出部1101の第1連結部11011に一端が連結されており、第1連結部11011から第3方向03に向かって延出している第1−1支持梁片1311と、第1−1支持梁片1311から第1方向01に向かって延出している第1−2支持梁片1312と、第1−2支持梁片1312から第4方向04に向かって延出している第1−3支持梁片1313と、第1−3支持梁片1313から第1方向01に向かって延出している第1−4支持梁片1314と、第1−4支持梁片1314から第3方向03に向かって延出しており、固定部14に連結されている第1−5支持梁片1315と、を有している。
そして、第1支持梁131の共振周波数fと、駆動腕111、112の駆動振動の周波数frとは、f≠n×fr(但し、nは自然数)という関係を満たしている。
上述した、夫々の支持梁片(第1−1支持梁片1311〜第1−5支持梁片1315)同士は、屈曲部を介して接続されていてもよく、湾曲部を介して接続されていてもよい。また、第1支持梁131は、例えば第1連結部11011から第2方向02に向かって延出しているような形状であっても構わない。
第2支持梁132は、第2突出部1102の第2連結部11022に一端が連結されており、第2連結部11022から第4方向04に向かって延出している第2−1支持梁片1321と、第2−1支持梁片1321から第1方向01に向かって延出している第2−2支持梁片1322と、第2−2支持梁片1322から第3方向03に向かって延出している第2−3支持梁片1323と、第2−3支持梁片1323から第1方向01に向かって延出している第2−4支持梁片1324と、第2−4支持梁片1324から第4方向04に向かって延出しており、固定部14に連結されている第2−5支持梁片1325と、を有している。
そして、第2支持梁132の共振周波数fと、駆動腕111、112の駆動振動の周波数frとは、f≠n×fr(但し、nは自然数)という関係を満たしている。
上述した、夫々の支持梁片(第2−1支持梁片1321〜第2−5支持梁片1325)同士は、屈曲部を介して接続されていてもよく、湾曲部を介して接続されていてもよい。また、第2支持梁132は、例えば第2連結部11022から第2方向02に向かって延出しているような形状であっても構わない。また、第1支持梁131と第2支持梁132の間には、駆動腕111及び駆動腕112が配置されている。
第3支持梁133は、第1突出部1101の第3連結部11013に一端が連結されており、第3連結部11013から第1方向01に向かって延出している第3−1支持梁片1331と、第3−1支持梁片1331から第4方向04に向かって延出しており、結合部16と連結している第3−2支持梁片1332と、を有している。
そして、第3支持梁133の共振周波数fと、駆動腕111、112の駆動振動の周波数frとは、f≠n×fr(但し、nは自然数)という関係を満たしている。
第3−1支持梁片1331と第3−2支持梁片1332とは、屈曲部を介して連結されていてもよく、湾曲部を介して連結されていてもよい。
第4支持梁134は、第2突出部1102の第4連結部11024に一端が連結されており、第4連結部11024から第1方向01に向かって延出している第4−1支持梁片1341と、第4−1支持梁片1341から第3方向03に向かって延出しており、結合部16と連結している第4−2支持梁片1342と、を有している。
そして、第4支持梁134の共振周波数fと、駆動腕111、112の駆動振動の周波数frとは、f≠n×fr(但し、nは自然数)という関係を満たしている。
第4−1支持梁片1341と第4−2支持梁片1342とは、屈曲部を介して連結されていてもよく、湾曲部を介して連結されていてもよい。
結合部16は、第3支持梁133及び第4支持梁134の他端と連結されており、且つ固定部14にも連結されている。また、第3支持梁133は第1支持梁131と駆動腕111との間に配置されており、第4支持梁134は第2支持梁132と駆動腕112との間に配置されている。
本実施形態において、第1支持梁131と第3支持梁133との間の最短距離、及び第2支持梁132と第4支持梁134との間の最短距離はいずれも30μm以上に規定されている。
これにより、ウェットエッチによるエッチングの際に結晶角度に依存したエッチング残りが発生してしまった場合や、ドライエッチによるエッチングの際にエッチングの状態にばらつきが生じた場合においても、エッチング領域を貫通させることができる。このため、f≠n×frとなる振動素子10を形成し易くなり、歩留りを低下させずに製造することができる。また、落下等によって外部から振動素子10に衝撃が与えられた場合においても、第1支持梁131〜第4支持梁134が互いに接触して損傷したり折れたりする虞を小さくすることができる。
固定部14は、固定部片141、142、及び143を有する。
固定部片143は第1方向01と交差する方向に延びており、言い換えると、第3方向03に沿った方向に延びている。
固定部片141は、固定部片143の第3方向03の端部から、固定部片142は、固定部片143の第4方向04の端部から、夫々に第3方向03と交差する方向に向かって延出しており、具体的には、固定部片143から第2方向02に沿って延出している。
第1支持梁131の他端は固定部片141と連結されており、第2支持梁132の他端は固定部片142と連結されている。また、結合部16は、固定部片143に連結されている。なお、上述した夫々の固定部片(固定部片141〜固定部片143)同士は、屈曲部を介して接続されていてもよく、湾曲部を介して接続されていてもよい。また、固定部片141、142は、固定部片143の端部以外の部分から延出していてもよい。
また、振動素子10は、2本の調整腕151、152を備えている。調整腕151は基部110の第1突出部1101から第2方向02に向かって延出して設けられ、調整腕152は基部110の第2突出部1102から第2方向02に向かって延出して設けられている。調整腕151、152も先端部に錘部を備えており、この錘部は、調整腕151、152の第1方向01側の部分より幅が広いことが望ましい。
図2は、振動素子10の表面(第1主面)の電極及び配線の概略図である。図3は、振動素子10の表面側から裏面(第1主面と表裏の関係にある第2主面)の電極及び配線を透視した概略図である。
次に、実施形態1に係る振動素子10の電極及び配線の配置について図2、および図3を参照し説明する。
振動素子10は、表面(第1主面)、及び裏面(第1主面と表裏の関係にある第2主面)と、表面と裏面との間に位置する側面に、電極及び配線が設けられている。
電極は、駆動電極D11、D12、D21、及びD22と、検出電極S11、S12、S21、及びS22と、調整電極S13、S23と、グランド電極G1、G2、及びG3と、を備え、配線は、駆動配線D1、D2と、検出配線S1、S2と、グランド配線GDと、を備えている。
駆動電極D11は駆動腕111の表面及び裏面に設けられており、駆動電極D12は駆動腕112の側面に設けられている。駆動電極D11、D12には同じ電位が与えられる。
駆動配線D1は、駆動電極D11、D12と電気的に接続されており、基部110の側面を介して第4支持梁134の裏面に引き回され、第4支持梁134の裏面を介して固定部片143の裏面に接続されている。
駆動電極D21は駆動腕111の側面に設けられており、駆動電極D22は駆動腕112の表面及び裏面に設けられている。駆動電極D21、D22には同じ電位が与えられる。
駆動配線D2は、駆動電極D21、D22と電気的に接続されており、基部110の側面を介して第3支持梁133の裏面に引き回され、第3支持梁133の裏面を介して固定部片143の裏面に配置されている。
検出電極S11は検出腕121の表面に設けられ、検出電極S12は検出腕122の表面に設けられ、検出電極S13は調整腕151の表面及び裏面に設けられている。
検出配線S1は、検出電極S11、S12、及びS13と電気的に接続され、基部110を介して第1支持梁131の表面に引き回され、固定部片141の表面及び側面を介して固定部片141の裏面と接続されている。
検出電極S21は検出腕121の裏面に設けられ、検出電極S22は検出腕122の裏面に設けられ、検出電極S23は調整腕152の表面及び裏面に設けられている。
検出配線S2は、検出電極S21、S22、及びS23と電気的に接続され、基部110を介して第2支持梁132の表面に引き回され、固定部片142の表面及び側面を介して固定部片142の裏面に配置されている。
グランド電極G1は、検出腕121の表面及び裏面に設けられており、検出電極S11、S12よりも検出腕122から遠い側に配置されている。グランド電極G2は、検出腕122の表面及び裏面に設けられており、検出電極S21、S22よりも検出腕121から遠い側に配置されている。グランド電極G3は、調整腕151、152の側面に設けられている。
グランド配線GDは、グランド電極G1、G2、及びG3と電気的に接続されており、基部110の表面及び裏面に引き回され、基部110の側面を介して第3支持梁133及び第4支持梁134の表面に引き回され、固定部14の表面及び側面を介して固定部14の裏面と接続されている。
このように、本実施形態では駆動電極D11〜D22は駆動腕111、112に設けられており、検出電極S11〜S22は検出腕121、122に設けられている。また、駆動配線D1、D2は第3支持梁133及び第4支持梁134に設けられており、検出配線S1、S2は第1支持梁131及び第2支持梁132に設けられている。従って、駆動電極及び駆動配線と、検出電極及び検出配線とが分離されている。このため、駆動電極及び駆動配線と、検出電極及び検出配線との間の静電結合によって生じるノイズや温度特性のばらつきを低減することができる。
次に、振動素子10の駆動動作及び検出動作を説明する。
図4は、実施形態1に係る振動素子10の駆動及び検出動作を表す概略平面図であり、(a)は駆動信号が印加された場合の駆動振動を表し、(b)は軸周りの角速度が加えられた場合の検出動作を表す。
図4(a)に示すように、駆動配線D1、D2(不図示)に夫々逆位相の駆動信号が印加されると、逆圧電効果により、駆動腕111の駆動腕112に近い側の側面、及び駆動腕112の駆動腕111に近い側の側面と、駆動腕111の駆動腕112から遠い側の側面、及び駆動腕112の駆動腕111から遠い側の側面とが、互いに逆の位相で圧縮と伸長を繰り返す。すなわち、駆動腕111、112が、図4(a)の矢印で示す第3方向03及び第4方向04の方向に振動し、互いに近づいたり離れたりを繰り返す屈曲振動を行う。
ここで図4(b)に示すように、第1方向01に沿った軸周りの角速度が加えられると、駆動腕111、112は紙面に垂直な(第1方向01及び第3方向03と直交する)方向の、いわゆる面外振動あるいはウォークモード振動と呼ばれる振動を始める。この振動が駆動腕111、112と音響結合している検出腕121、122に伝播することにより、検出腕121、122も面外振動をする。すなわち、検出腕121、122の表面と裏面とが逆の位相で圧縮と伸長を繰り返す。
圧電効果により、検出電極S11とグランド電極G1との間、及び検出電極S12とグランド電極G2との間で検出信号が発生する。また、検出電極S21とグランド電極G1との間、及び検出電極S22とグランド電極G2との間で、これとは逆位相の検出信号が発生する。これらの互いに逆位相な検出信号を差動増幅し、駆動信号の位相とπ/4ずれた位相成分を抽出することにより、加えられた角速度の向きの正負、及び絶対値を計測することができる。
図1に示す振動素子10の動作において支持部13が振動すると、支持部13と連結している基部110も振動する。この振動が検出腕121、122に伝播するとノイズが発生するが、本実施形態においては、支持部13の共振振動の周波数fと、振動部11の駆動振動の周波数frとの間に、f≠n×fr(但しnは自然数)という関係が満たされているため、ノイズを低減することができる。
図5に、支持部13の共振振動の周波数fを変化させたときの支持部13の共振振動の振幅Aの変化を示す。図5の横軸は支持部13の共振振動の周波数fであり、縦軸は支持部13の共振振動の振幅Aである。なお、支持部13の共振振動の周波数fは、第1支持梁131、第2支持梁132、第3支持梁133、及び第4支持梁134が夫々単独に振動する場合の周波数であってもよく、支持部13全体が振動する場合の周波数であってもよい。
図5に示すように、支持部13の共振振動の周波数(共振周波数)fと、振動部11の駆動振動の周波数(駆動周波数)frとが一致する場合、支持部13と、駆動腕111、112と、が共振し、支持部13が大きく振動するため、共振振動の振幅Aは極大値となる。また、共振周波数fと駆動周波数frとが一致する場合だけでなく、共振周波数fが駆動周波数frの整数倍となる場合においても、支持部13と駆動腕111、112とが強く音響結合して振幅Aが極大値をとる。従って、f≠n×fr(但し、nは自然数)とする、すなわち共振周波数fを駆動周波数frの整数倍からずらすことにより、f=n×frとなる場合に比べて支持部13の振動を小さくすることができる。
特に、f<0.9×fr、及び1.2×fr<f<1.8×frのいずれかを満たせば、余裕をもって共振周波数fを駆動周波数frの整数倍から離すことができるので、支持部13の振動をさらに低減することができる。
特に、f<0.9×frである場合には、支持部13と駆動腕111、112との音響結合をいっそう弱めることができる。一方、1.2×fr<f<1.8×frである場合には、音響結合を弱めつつ支持部13を短くすることができるので、ノイズの低減と振動素子10の小型化を両立させることができる。
なお、支持部13と駆動腕111、112との間の音響結合は、共振周波数fが駆動周波数frの偶数倍であるときより、共振周波数fが駆動周波数frの奇数倍であるときの方が強く、また、共振周波数fが駆動周波数frの高次の整数倍になるにつれて弱くなる。また、例えば支持部13を構成する材料が水晶である場合、振動のQ値が高く、共振のピークが鋭いため、支持部13の振動を小さくすることができる。
このような支持部13の共振振動のモードは複数種類存在する。本実施形態の振動素子10においては、例えば支持部13には駆動振動の方向に沿った方向、すなわち第3方向03に沿った方向に振動するモード(Xモード)と、駆動振動の方向と交差する方向、すなわち第1方向01に沿った方向に振動するモード(Yモード)とが少なくとも存在する。
ここで、Xモード振動について説明する。Xモードの共振周波数fには、支持部13の第1方向01に沿った長さが寄与する。図6は、振動素子10の支持部13の第1方向に沿った長さを表す概略平面図である。
図6に、第1支持梁131の第1方向01に沿った長さLy1、第2支持梁132の第1方向01に沿った長さLy2、及び駆動腕111、112の第1方向01に沿った長さLrの基準を示す。
長さLy1は、第1−1支持梁片1311の第3方向03に沿った第1主面における中心軸から第1−5支持梁片1315の第3方向03に沿った第1主面における中心軸までの、第1方向01に沿った距離である。また、長さLy2は、第2−1支持梁片1321の第3方向03に沿った第1主面における中心軸から第2−5支持梁片1325の第3方向03に沿った第1主面における中心軸までの、第1方向01に沿った距離である。また、長さLrは、駆動腕111、112が第1主面において中央部1100と連結している一辺から駆動腕111、112の先端までの距離である。
また、図7に長さLy1及び長さLy2と長さLrの比(Ly/Lr)が変化したときの、支持部13の共振周波数fと駆動周波数frの比(f/fr)の変化を示す。図7では長さLy1と長さLy2が等しいと仮定し長さLyと表記している。
図7によると、1.09<Ly/Lr<1.39であれば、f/frが1.2から1.8の範囲の値を取ることが読み取れる。従ってこの範囲であれば、駆動腕111、112との音響結合によって起きる支持部13のXモード振動を小さくすることが可能となる。なお、図7ではLy1とLy2が等しい場合を仮定したが、長さLy1と長さLy2が異なる場合でも、1.09<Ly1/Lr<1.39且つ1.09<Ly2/Lr<1.39が満たされていればXモード振動を小さくすることが可能となる。
次に、Yモード振動について説明する。Yモードの共振周波数fには、支持部13の第3方向03に沿った長さが寄与する。図8は、振動素子10の支持部13の第1方向と交差する第3方向に沿った長さを表す概略平面図である。
図8に第3支持梁133の第3方向03に沿った長さLx3、第4支持梁134の第3方向03に沿った長さLx4、及び駆動腕111、112の第1方向01に沿った長さLrの基準を示す。
長さLx3は、第3−1支持梁片1331の第1方向01に沿った第1主面における中心軸から、第1主面において第3−2支持梁片1332と結合部16とが連結している部分までの、第3方向03に沿った距離である。また、長さLx4は、第4−1支持梁134の第1方向01に沿った第1主面における中心軸から、第1主面において第4−2支持梁片1342と結合部16とが連結している部分までの、第3方向03に沿った距離である。
また、図9に長さLx3及び長さLx4と長さLrの比(Ly/Lr)が変化したときの、支持部13の共振周波数fと駆動周波数frの比(f/fr)の変化を示す。図9では長さLx3と長さLx4が等しいと仮定し長さLxと表記している。
図9によると、0.295<Lx/Lrであれば、f/frが0.9未満の値を取ることが読み取れる。従ってこの範囲であれば、駆動腕111、112との音響結合によって起きる支持部13のYモード振動を小さくすることが可能となる。また、0.117<Lx/Lr<0.242であれば、f/frが1.2から1.8の範囲の値を取ることが示される。従ってこの範囲においても、支持部13のYモードの振動を小さくすることができる。なお、図9では長さLx3と長さLx4が等しい場合を仮定したが、長さLx3と長さLx4が異なる場合でも、0.295<Lx3/Lr且つ0.295<Lx4/Lr、あるいは0.117<Lx3/Lr<0.242且つ0.117<Lx4/Lr<0.242が満たされていればYモード振動を小さくすることが可能となる。
図10に、振動素子10が組み込まれた振動デバイスの一例を示す。振動デバイス100は、パッケージ101の中に振動素子10及び集積回路素子102が収容されている。集積回路素子102は、例えば振動素子10を駆動するための発振回路や、検出信号を増幅する増幅回路、検出信号から特定の位相成分を抽出する同期検波回路などを備える。振動素子10は集積回路素子102の一面上に一部が重なるように配置されている。例えばはんだバンプや導電性接着剤等の接合材103によって、振動素子10の固定部14が集積回路素子102の一面上に固定されており、且つ振動素子10の駆動配線D1、D2、検出配線S1、S2、及びグランド配線GDが集積回路素子102の端子と電気的に接続されている。
一般的に、振動素子がパッケージに実装され、実装された振動素子の一部が固定されている場合、振動素子が固定されていない場合に比べて、駆動振動や検出振動の周波数のシフト(実装シフト)が生じる可能性があるが、本実施形態の振動素子10では、図1に示す第1連結部11011及び第2連結部11022が駆動腕111、112より第2方向02側であり、且つ検出腕121、122より第1方向01側にあるため、第1連結部11011と第2連結部11022とを駆動腕111、112及び検出腕121、122から離すことができ、この実装シフトを低減することができる。
このため、実装状態にばらつきがある場合でも、実装シフトのばらつきを小さくでき、温度特性のばらつきを小さくすることができる。
これにより、広い検出レンジを確保できる。
また、基部110が中央部1100、第1突出部1101及び第2突出部1102を備える構成にし、第1連結部11011及び第3連結部11013を第1突出部1101に設け、第2連結部11022及び第4連結部11024を第2突出部1102に設けることで、基部が突出部を有さない矩形形状である場合に比べて、駆動腕111、112、検出腕121、122の振動が基部110を介して支持部13に伝播することを低減できる。これにより、実装シフトをさらに低減することができる。
なお、振動素子においては、製造の誤差や、ウェットエッチによるエッチングの際に現れる結晶角度に依存したエッチング残り等により、駆動腕の断面が正確な矩形にならず、駆動振動に面外振動成分が含まれる場合がある。このため、振動素子に角速度が加えられていない場合においても、検出腕が面外振動してしまう(以下、この事象を振動漏れと表記する)。
このような振動漏れによるノイズを小さくするため、振動素子10は調整腕151、152(図2,3参照)を備えている。調整腕151、152は駆動振動に応じて面内振動し、圧電効果により発生した電荷が調整腕151に設けられた調整電極S13、及び調整腕152に設けられた調整電極S23から出力され、検出配線S1、S2を介して検出信号に重畳される。振動素子10の製造後に調整電極S13、S23を適宜除去することにより、この電荷が振動漏れによるノイズを低減できるよう調整することができる。
以上述べたように、本実施形態に係る振動素子10によれば、以下の効果を得ることができる。すなわち、支持部13の共振振動の周波数fを駆動振動の周波数frの整数倍から離すことにより、支持部13の振動を小さくすることができる。これにより、ノイズを小さくすることで検出のダイナミックレンジを広くとることができ、実質的な感度を向上させることができる。
(実施形態2)
図11は、実施形態2に係る振動素子10aの概略平面図であり、図12は、実施形態2に係る振動素子10aの支持部13aの第1方向01と交差する方向に沿った長さを表す概略平面図である。本実施形態に係る振動素子10aについて、図11、図12を参照して説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
図11に示すように、本実施形態に係る振動素子10aは、実施形態1に係る振動素子10と同様に、振動部11、検出部12(検出腕121、122)、支持部13a(第1支持梁131、第2支持梁132、第3支持梁133a、第4支持梁134a)、固定部14などを備えている。
本実施形態に係る振動素子10aは、第3支持梁133a及び第4支持梁134aの形態において、実施形態1に係る振動素子10と異なる。振動素子10aを構成する材料としては、実施形態1と同様に、圧電効果を得られる材料を用いることができる。
第3支持梁133aは、第1突出部1101の第3連結部11013aに一端が連結されており、第3連結部11013aから第3方向03に向かって延出している第3−1支持梁片1331aと、第3−1支持梁片1331aから第1方向01に向かって延出している第3−2支持梁片1332aと、第3−2支持梁片1332aから第4方向04に向かって延出している第3−3支持梁片1333aと、第3−3支持梁片1333aから第1方向01に向かって延出している第3−4支持梁片1334aと、第3−4支持梁片1334aから第4方向04に向かって延出しており、結合部16と連結している第3−5支持梁片1335aと、を有している。
第4支持梁134aは、第2突出部1102の第4連結部11024aに一端が連結されており、第4連結部11024aから第4方向04に向かって延出している第4−1支持梁片1341aと、第4−1支持梁片1341aから第1方向01に向かって延出している第4−2支持梁片1342aと、第4−2支持梁片1342aから第3方向03に向かって延出している第4−3支持梁片1343aと、第4−3支持梁片1343aから第1方向01に向かって延出している第4−4支持梁片1344aと、第4−4支持梁片1344aから第3方向03に向かって延出しており、結合部16と連結している第4−5支持梁片1345aと、を有している。
本実施形態においても、支持部13aの共振振動の周波数fと、振動部11の駆動振動の周波数frとがf≠n×fr(但し、nは自然数)の関係を満たしているため、支持部13aの振動が低減されている。また、f<0.9×fr及び1.2×fr<f<1.8×frのいずれかを満たしていれば、支持部13aの振動をさらに低減することが可能である。
また、1.09<Ly1/Lr<1.39且つ1.09<Ly2/Lr<1.39が満たされていることが望ましく、0.295<Lx3/Lr且つ0.295<Lx4/Lr、あるいは0.117<Lx3/Lr<0.242且つ0.117<Lx4/Lr<0.242が満たされていることが望ましい。
図12に示すように、本実施形態における長さLx3は、第3−1支持梁片1331aが第1主面において基部110と連結している一辺から第3−2支持梁片1332aの第1方向01に沿った第1主面における中心軸までの第3方向03に沿った距離、又は、第3−2支持梁片1332aの第1方向01に沿った第1主面における中心軸から第3−4支持梁片1334aの第1方向に沿った第1主面における中心軸までの第3方向03に沿った距離、又は第3−4支持梁片1334aの第1方向01に沿った第1主面における中心軸から第1主面において第3−5支持梁片1335aが結合部16と連結している部分までの第3方向03に沿った距離を意味し、この中のいずれか1つが0.295<Lx3/Lrあるいは0.117<Lx3/Lr<0.242を満たしていればよい。
また、本実施形態における長さLx4は、第4−1支持梁1341aが第1主面において基部110と連結している一辺から第4−2支持梁片1342aの第1方向01に沿った第1主面における中心軸までの第3方向03に沿った距離、又は第4−2支持梁片1342aの第1方向01に沿った第1主面における中心軸から第4−4支持梁片1344aの第1方向01に沿った第1主面における中心軸までの第3方向03に沿った距離、又は第4−4支持梁片1344aの第1方向01に沿った第1主面における中心軸から第1主面において第4−5支持梁片1345aが結合部16と連結している部分までの第3方向03に沿った距離を意味し、この中のいずれか1つが0.295<Lx4/Lrあるいは0.117<Lx4/Lr<0.242を満たしていればよい。
以上述べたように、本実施形態に係る振動素子10aによれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
振動素子10aによると、第3支持梁133a及び第4支持梁134aの第3方向03における長さを長くできるので、支持部13aの共振周波数fを低くして支持部13aと駆動腕111、112との音響結合を、実施形態1より一層弱くすることができる。また、第3支持梁133a及び第4支持梁134aの全長が長いため、外部から加えられた衝撃をより吸収しやすくなる。これにより、外乱ノイズの影響をより小さくすることもできる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
図13(a)〜(d)は、変形例1に係る振動素子10b〜10eの概略平面図である。上記実施形態1、2では、基部110が4本の支持梁からなる支持部13によって支持されており、基部110は複数の方向に突出する突出部(1102,1102)を有する構成であるものとして説明したが、本発明はこの構成に限定されない。
振動素子10b〜10eを構成する材料としては、実施形態1と同様に、圧電効果を得られる材料を用いることができる。以下、変形例1に係る振動素子10b〜10eについて説明する。なお、実施形態1、2と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
図13(a)に示される振動素子10bは、振動部11b、検出部12、支持部13b、固定部14bなどを備えている。振動部11bは、基部110b、2本の駆動腕111、112から構成されている。駆動腕111、112は、基部110bから第1方向01に向かって、互いに平行に延出して設けられている。基部110bは突出部を有さない矩形形状である。
支持部13bは、基部110bの第1連結部1101bに一端が連結され、第1方向01に向かって延出しており、他端が固定部14bと連結されている。
支持部13bの共振振動の周波数fと、振動部11bの駆動振動の周波数frとは、f≠n×frの関係を満たしているため、f=n×frとなる場合に比べて支持部13bの振動は小さくなっている。また、f<0.9×fr及び1.2×fr<f<1.8×frのいずれかを満たしていれば、支持部13bの振動をさらに低減することが可能である。
固定部14bは、第1方向01と交差する方向、例えば第3方向03に沿って延在している。また、振動素子10bにおいて、駆動腕111、112の第1方向01に沿った長さLrは、第1主面において駆動腕111、112が基部110bと連結している部分から駆動腕111、112の先端までの第1方向01に沿った長さであり、支持部13bの第1方向01に沿った長さLyは、第1主面において支持部13bが基部110bと連結している部分から支持部13bが固定部14bと連結している部分までの第1方向01に沿った長さである。本変形例においても、長さLr及び長さLyは、1.09<Ly/Lr<1.39を満たしていることが望ましい。
図13(b)に示される振動素子10cは、振動部11c、検出部12、支持部13c(131、132)、固定部14などを備えている。振動部11cは、基部110c、2本の駆動腕111、112から構成されている。駆動腕111、112は、基部110cから第1方向01に向かって、互いに平行に延出して設けられている。基部110cは突出部を有さない矩形形状である。
支持部13cは、基部110cの第1連結部1101cから延出している第1支持梁131と、基部110cの第2連結部1102cから延出している第2支持梁132と、によって構成されている。
支持部13cの共振振動の周波数fと、振動部11cの駆動振動の周波数frとは、前述の振動素子10b(図13(a))の場合と同様に、f≠n×frを満たしており、特にf<0.9×fr及び1.2×fr<f<1.8×frのいずれかを満たしていることが望ましい。また、長さLrは前述の振動素子10bの長さLrと同様に定義され、第1支持梁131の第1方向01に沿った長さLy1、及び第2支持梁132の第1方向01に沿った長さLy2は実施形態1(図6)と同様に定義される。長さLr、Ly1及びLy2は実施形態1(図7)と同様の関係を満たしていることが望ましい。
図13(c)に示される振動素子10dは、振動部11d、検出部12、支持部13d(131、132、133d)、固定部14などを備えている。振動部11dは、基部110d、2本の駆動腕111、112から構成されている。駆動腕111、112は、基部110dから第1方向01に向かって、互いに平行に延出して設けられている。基部110cは突出部を有さない矩形形状である。
支持部13dは、第1支持梁131、第2支持梁132、及び第3支持梁133dによって構成されている。第1支持梁131は、基部110dの第1連結部1101dから延出しており、第2支持梁132は基部110dの第2連結部1102dから延出している。第3支持梁133dは、基部110dの第3連結部1103dから第1方向01に向かって延出しており、駆動腕111と駆動腕112との間を延びて、固定部14と連結している。
支持部13dの共振振動の周波数fと、振動部11dの駆動振動の周波数frとは、前述の振動素子10b(図13(a))の場合と同様に、f≠n×frを満たしており、特にf<0.9×fr及び1.2×fr<f<1.8×frのいずれかを満たしていることが望ましい。また、長さLr、Ly1、及びLy2は前述の振動素子10c(図13(b))と同様に定義される。長さLr、Ly1、及びLy2は、実施形態1(図7)と同様の関係を満たしていることが望ましい。
図13(d)に示される振動素子10eは、振動部11e、検出部12、支持部13e(131、132、133e、134e)、固定部14などを備えている。振動部11dは、基部110d、2本の駆動腕111、112から構成されている。駆動腕111、112は、基部110dから第1方向01に向かって、互いに平行に延出して設けられている。基部110dは突出部を有さない矩形形状である。
支持部13eは、第1支持梁131、第2支持梁132、第3支持梁133e、及び第4支持梁134eによって構成されている。第1支持梁131は、基部110eの第1連結部1101eから延出しており、第2支持梁132は基部110eの第2連結部1102eから延出している。第3支持梁133eは、基部110eの第3連結部1103eから第1方向01に向かって延出しており、固定部14と連結している。第4支持梁134eは、基部110eの第4連結部1104eから第1方向01に向かって延出しており、固定部14と連結している。
本変形例では、第3支持梁133e及び第4支持梁134eは、第3支持梁133eと第4支持梁134eとの間に駆動腕111、112が並行して延びているように配置されている。しかし、駆動腕111と駆動腕112との間に第3支持梁133e及び第4支持梁134eが並行して延びているように配置されていてもよい。
支持部13eの共振振動の周波数fと、振動部11eの駆動振動の周波数frとは、前述の振動素子10b(図13(a))の場合と同様に、f≠n×frを満たしており、特にf<0.9×fr及び1.2×fr<f<1.8×frのいずれかを満たしていることが望ましい。また、長さLr、Ly1、及びLy2は前述の振動素子10c(図13(b))と同様に定義される。長さLr、Ly1、及びLy2は、実施形態1(図7)と同様の関係を満たしていることが望ましい。
なお、振動素子10b〜10eにおいて、駆動腕111、112は基部110から第1方向01に向かって延出しており、検出腕121、122は基部110から第2方向02に向かって延出している構成であるものとして説明したが、駆動腕111、112が基部110から第2方向02に向かって延出しており、検出部12の検出腕121及び122が基部110から第1方向01に向かって延出している構成であってもよい。
(変形例2)
図14(a)〜(d)は、変形例2に係る振動素子10f〜10iの概略平面図である。上記実施形態1、2、及び変形例1では、振動素子が2本の駆動腕と、2本の検出腕と、を備える構成であるものとして説明したが、本発明はこの構成に限定されない。
以下、変形例2に係る振動素子10f〜10iについて説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。振動素子10f〜10iは、例えばシリコンを基体として形成されている。
図14(a)に示される振動素子10fは、振動部11f、検出部12f、支持部13f、固定部14fなどを備えている。
振動部11fは、基部110fと、基部110fから第2方向02に向かって延出している駆動腕111f、112fと、駆動腕111f及び駆動腕112fの表面(第1主面)の少なくとも一部に設けられている駆動電極(不図示)と、駆動用圧電膜(不図示)とを備えている。
駆動腕111f、112fは、例えばシリコンによって形成されている。検出部12fは、駆動腕111f、112fの表面の少なくとも一部に設けられており、検出電極(不図示)と、検出用圧電膜(不図示)とによって構成されている。駆動腕111f、112fは駆動信号に応じて屈曲振動し、物理量、例えば角速度が印加されると面外振動を始める。検出部12fは、この面外振動に基づいて検出信号を出力する。
支持部13fは、基部110fの第1連結部1101fから第1方向01に向かって延出しており、固定部14fと連結されている。
支持部13fの共振振動の周波数fと、振動部11fの駆動振動の周波数frとは、f≠n×frの関係を満たしているため、f=n×frとなる場合に比べて支持部13fの振動は小さくなっている。また、共振周波数f及び駆動周波数frはさらにf<0.9×fr及び1.2×fr<f<1.8×frのいずれかを満たしていることが望ましく、この場合、支持部13fの振動はさらに低減されている。
また、振動素子10fにおいて、駆動腕111f、112fの第1方向01に沿った長さLrは、第1主面において駆動腕111f、112fが基部110fと連結している部分から駆動腕111f、112fの先端までの第1方向01に沿った長さであり、支持部13fの第1方向01に沿った長さLyは、第1主面において支持部13fが基部110fと連結している部分から支持部13fが固定部14fと連結している部分までの第1方向01に沿った長さである。本変形例においても、長さLr、Lyは、1.09<Ly/Lr<1.39を満たしていることが望ましい。
図14(b)に示される振動素子10gは、振動部11g、検出部12g、支持部13g、固定部14gなどを備えている。振動部11g及び検出部12gの構成は、振動部11f及び検出部12fと同様である。支持部13gは、基部110gの第1連結部1101gから第1方向01に向かって延出しており、駆動腕111gと駆動腕112との間を延びて、固定部14gと連結している。
支持部13gの共振振動の周波数fと、振動部11gの駆動振動の周波数frとは、前述の振動素子10f(図14(a))の場合と同様に、f≠n×frを満たしており、特にf<0.9×fr及び1.2×fr<f<1.8×frのいずれかを満たしていることが望ましい。振動素子10gの各部の動作も、前述の振動素子10fと同様である。また、振動素子10gにおいて、駆動腕111g、112gの第1方向01に沿った長さLr及び支持部13gの第1方向01に沿った長さLyは、前述の振動素子10fと同様に定義される。本変形例においても、長さLr、Lyは、1.09<Ly/Lr<1.39を満たしていることが望ましい。
図14(c)に示される振動素子10hは、振動部11h、検出部12h、支持部13h(131、132)、固定部14などを備えている。振動部11h及び検出部12hの構成は、振動部11f及び検出部12fと同様である。支持部13hは、基部110hの第1連結部1101hに連結している第1支持梁131と、基部110hの第2連結部1102hに連結している第2支持梁132と、によって構成されている。
支持部13hの共振振動の周波数fと、振動部11hの駆動振動の周波数frとは、前述の振動素子10f(図14(a))の場合と同様に、f≠n×frを満たしており、特にf<0.9×fr及び1.2×fr<f<1.8×frのいずれかを満たしていることが望ましい。振動素子10hの各部の動作も、前述の振動素子10fと同様である。また、振動素子10hにおいて、駆動腕111h、112hの第1方向01に沿った長さLrは前述の振動素子10fと同様に定義され、第1支持梁131の第1方向01に沿った長さLy1及び第2支持梁132の第1方向01に沿った長さLy2は実施形態1(図6)と同様に定義される。また、Lr、Ly1及びLy2は実施形態1(図7)と同様の関係を満たしていることが望ましい。
図14(d)に示される振動素子10iは、振動部11i、検出部12i、支持部13i(131、132)、固定部14などを備えている。振動部11i及び検出部12iの構成は、振動部11f及び検出部12fと同様である。支持部13iは、基部110iの第1連結部1101iに連結している第1支持梁131と、基部110iの第2連結部1102iに連結している第2支持梁132と、によって構成されている。
支持部13iの共振周波数fと、振動部11iの駆動振動の周波数frとは、前述の振動素子10f(図14(a))の場合と同様、f≠n×frを満たしており、特にf<0.9×fr及び1.2×fr<f<1.8×frのいずれかを満たしていることが望ましい。振動素子10iの各部の動作も、前述の振動素子10fと同様である。また、振動素子10iにおいて、駆動腕111i、112iの第1方向01に沿った長さLrは前述の振動素子10fと同様に定義され、第1支持梁131の第1方向01に沿った長さLy1及び第2支持梁132の第1方向01に沿った長さLy2は実施形態1(図6)と同様に定義される。また、Lr、Ly1及びLy2は実施形態1(図7)と同様の関係を満たしていることが望ましい。
なお、上記の説明ではシリコンを基体として振動素子10f〜10iを形成するものとしたが、本変形例に係る振動素子10f〜10iはこれに限定されるものではなく、水晶や圧電セラミックスなどの圧電体によって形成されていてもよい。また、駆動腕111f〜111i及び駆動腕112f〜112iの表面の少なくとも一部に、検出部12f〜12iが設けられている構成として説明したが、駆動腕111f〜111i及び駆動腕112f〜112iのうち一方のみを駆動信号が印加される駆動腕とし、他方を検出信号を出力する検出腕とする構成であってもよい。また、上記の説明では振動素子10f〜10iは1本又は2本の支持梁からなる支持部13を備えるものとしたが、3本あるいは4本の支持梁からなる支持部を備える構成であってもよい。
(変形例3)
図15は、変形例3に係る振動素子10jの概略平面図である。以下、変形例3に係る振動素子10jについて説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
振動素子10jは、振動部11j、検出部12j(第1検出腕121j、第2検出腕122j)、支持部13j(第1支持梁131j〜第4支持梁134j)、固定部14j(第1固定部片141j、第2固定部片142j)などを備えている。
振動素子10jを構成する材料としては、例えば水晶、圧電セラミックス、圧電体の膜を備えるシリコン等、圧電効果を得られる材料を用いることができる。
振動部11jは、基部110jと、基部110jから第3方向03に延出している第1振動梁115jと、基部110jから第4方向04に延出している第2振動梁116jと、第1振動梁115jから第2方向02に延出している第1駆動腕111jと、第2振動梁116jから第2方向02に延出している第2駆動腕112jと、第1振動梁115jから第1方向01に延出している第3駆動腕113jと、第2振動梁116jから第1方向01に延出している第4駆動腕114jと、によって構成されている。
検出部12jは、基部110jから第2方向02に延出している第1検出腕121jと、基部110jから第1方向01に延出している第2検出腕122jと、によって構成されている。
固定部14jは、基部110jより第1方向01側に位置している第1固定部片141jと、基部110jより第2方向02側に位置している第2固定部片142jと、からなる。
支持部13jは、基部110jから第3方向03に延出したあと複数の湾曲部により曲折し、第2方向02に延出して第1駆動腕111jと第1検出腕121jとの間を延びて、第2固定部片142jと連結している第1支持梁131jと、基部110jから第4方向04に延出したあと複数の湾曲部により曲折し、第2方向02に延出して第2駆動腕112jと第1検出腕121jとの間を延びて第2固定部片142jと連結している第2支持梁132jと、基部110jから第3方向03に延出したあと複数の湾曲部により曲折し、第1方向01に延出して第3駆動腕113jと第2検出腕122jとの間を延びて第1固定部片141jと連結している第3支持梁133jと、基部110jから第4方向04に延出したあと複数の湾曲部により曲折し、第1方向01に延出して第4駆動腕114jと第2検出腕122jとの間を延びて第1固定部片141jと連結している第4支持梁134jと、によって構成されている。
振動素子10jの動作について説明する。振動素子10jに駆動信号が与えられた状態において振動部11jは、第1駆動腕111jと第2駆動腕112jとが、互いに近づいたり離れたりを繰り返す屈曲振動を行い、第3駆動腕113jと第4駆動腕114jとが、第1駆動腕111jと第2駆動腕112jの屈曲振動と同相の屈曲振動を行う。
このとき、紙面に垂直な(第1方向01及び第3方向03と直交する)方向の軸周りの回転が振動素子10jに与えられると、第1方向01に沿った方向にコリオリ力が発生し、第1駆動腕111j及び第3駆動腕113jが第1方向01及び第2方向02のいずれか一方の方向に振れ、第2駆動腕112j及び第4駆動腕114jが第1方向01及び第2方向02の他方の方向に振れる。
この結果、第1振動梁115j及び第2振動梁116jが振動し、この振動が第1検出腕121j及び第2検出腕122jに伝播することで、第1検出腕121j及び第2検出腕122jが振動し、第1検出腕121j及び第2検出腕122jに設けられた検出電極から検出信号が出力される。
支持部13jの共振振動の周波数fと、振動部11jの駆動振動の周波数frとは、f≠n×frの関係を満たしているため、駆動振動によって励振される支持部13jの振動は、f=n×frとなる場合に比べて小さくなっている。また、さらにf<0.9×fr及び1.2×fr<f<1.8×frのいずれかを満たしていることが望ましく、この場合、支持部13jの振動をさらに低減することが可能である。
なお、上記の説明においては固定部14jが第1固定部片141jと第2固定部片142jとを有し、第1支持梁131j及び第2支持梁132jが第2固定部片142jと連結し、第3支持梁133j及び第4支持梁134jが第1固定部片141jと連結しているものとしたが、本変形例はこれに限定されず、例えば固定部14jが第1固定部片141jのみからなり、第1支持梁131j、第2支持梁132j、第3支持梁133j、及び第4支持梁134jが夫々第1固定部片141jに連結している構成であってもよい。
また、図15では第1支持梁131j、第2支持梁132j、第3支持梁133j、及び第4支持梁134jは湾曲部を有している形状を表しているが、これに限定されるものではなく、例えば第1支持梁131j、第2支持梁132j、第3支持梁133j、及び第4支持梁134jが屈曲部を有している構成であってもよい。
(変形例4)
図16は、変形例4に係る振動素子10kの概略平面図である。上記実施形態1、2、変形例1、2、及び3では、振動素子10、10a〜10jが振動腕を備える構成であるものとして説明したが、この構成に限定するものではない。
以下、変形例4に係る振動素子10kについて説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。振動素子10kを構成する材料としては、例えばシリコンを用いることができる。
振動素子10kは、振動部11k(111k、112k)、検出部12k(121k、122k)、支持部13k(131k〜138k)、固定部14k(141k、142k)、ばね部17k(171k、172k)、櫛歯電極部18kなどを備えている。
振動部11kは、第1振動部111k及び第2振動部112kによって構成されている。
検出部12kは、第1検出部121k及び第2検出部122kによって構成されている。第1検出部121kは第1振動検出電極1211k及び第1固定検出電極1212kによって構成されており、第2検出部122kは第2振動検出電極1221k及び第2固定検出電極1222kによって構成されている。
支持部13kは、第1支持梁131k、第2支持梁132k、第3支持梁133k、第4支持梁134k、第5支持梁135k、第6支持梁136k、第7支持梁137k、及び第8支持梁138kによって構成されている。
固定部14kは第1固定部141k及び第2固定部142kによって構成されている。ばね部17kは第1ばね部171k及び第2ばね部172kによって構成されている。櫛歯電極部18kは、第1振動櫛歯電極部181k、第2振動櫛歯電極部182k及び固定櫛歯電極部183kによって構成されている。
第1振動部111kは、第1検出部121kを囲うように配置されている。第1支持梁131k、第2支持梁132k、第3支持梁133k、及び第4支持梁134kは、夫々に第1振動部111kから延出しており、夫々に第1検出部121kと連結している。
第2振動部112kは、第2検出部122kを囲うように配置されている。第5支持梁135k、第6支持梁136k、第7支持梁137k、及び第8支持梁138kは、夫々に第2振動部112kから延出しており、夫々に第2検出部122kと連結している。
第1ばね部171kは、第1振動部111kから第3方向03に向かって延出し、第1固定部141kと連結しており、第2ばね部172kは、第2振動部112kから第4方向04に向かって延出し、第2固定部142kと連結している。
第1振動櫛歯電極部181kは、第1振動部111kから第4方向04に向かって突出しており、第2振動櫛歯電極部182kは、第2振動部112kから第3方向03に向かって突出している。固定櫛歯電極部183kは第1振動部111kと第2振動部112kの間に配置されている。
振動素子10kの動作について説明する。駆動信号が櫛歯電極部18kに与えられると、振動部11kは、第1振動櫛歯電極部181k及び第2振動櫛歯電極部182kと固定櫛歯電極部183kとの間に静電力が発生し、第1振動部111kと第2振動部112kとが互いに近づいたり離れたりを繰り返す。このとき、紙面に垂直な(第1方向01及び第3方向03と直交する)方向の軸周りの回転が振動素子10kに与えられると、第1方向01に沿った方向にコリオリ力が発生し、第1検出部121kが第1方向01及び第2方向02のいずれか一方の方向に振れ、第2検出部122kが第1方向01及び第2方向02の他方の方向に振れる。これにより、第1検出部121kと第2検出部122kは互いに逆相の検出振動を始め、第1振動検出電極1211kと第1固定検出電極1212kとの間の静電容量、及び第2振動検出電極1221kと第2固定検出電極1222kとの間の静電容量が周期的に変化する。これを例えば電圧値の変化として検出することができる。
支持部13kの共振振動の周波数fと、振動部11kの駆動振動の周波数frとは、f≠n×frの関係を満たしているため、駆動振動によって励振される支持部13kの振動は、f=n×frとなる場合に比べて小さくなっている。また、共振振動の周波数f及び駆動振動の周波数frはさらにf<0.9×fr及び1.2×fr<f<1.8×frのいずれかを満たしていることが望ましく、この場合支持部13kの振動をさらに低減することが可能である。
なお、本変形例は上記の構成だけでなく、同様の原理に基づく種々の振動素子を含む。例えば、櫛歯電極部18kは第1振動部111kと第2振動部112kの間に位置するものに限定されず、第1振動櫛歯電極部181kが第1振動部111kから第1方向01に突出した櫛歯電極部と、第2方向02に突出した櫛歯電極部と、を含み、第2振動櫛歯電極部182kが第2振動部112kから第1方向01に突出した櫛歯電極部と、第2方向02に突出した櫛歯電極部と、を含み、固定櫛歯電極部183kが、第1振動櫛歯電極部181k及び第2振動櫛歯電極部182kに夫々対応して設けられている構成であってもよい。
また、検出部12kが第1方向01及び第2方向02のいずれかに振動する構成に限らず、例えば検出振動が紙面に垂直な(第1方向01及び第3方向03と直交する)方向の振動であるような構成であってもよい。また、振動部11kが第1振動部111k及び第2振動部112kの両方を備える構成に限定されず、例えば振動素子10kが、第1振動部111k、第1検出部121k、第1支持梁131k〜第4支持梁134k、第1固定部141k、第1ばね部171k、第1振動櫛歯電極部181k及び固定櫛歯電極部183kによって構成されていてもよい。また、第1振動部111kの外形は矩形に限定されず、例えば円形であってもよい。
また、本発明に係る振動素子は角速度を検出するものに限定されず、例えば加速度等の物理量を検出するものであってもよい。
(電子機器)
図17に、電子機器の一例としてのスマートフォン1001の概形を示す。
スマートフォン1001には、上記実施形態及びこの変形例の振動素子のうちのいずれかが備えられている。本例では、振動素子10を備えたスマートフォン1001を例に説明する。図17に示すように、スマートフォン1001の振動素子10による検出信号(検出された物理量)は、例えばマイクロコンピューターチップ3100(以下、MPU3100という)に供給され、MPU3100はモーションセンシングに応じてさまざまな処理を実行することができる。これにより、例えばカーナビゲーションなどの様々なアプリケーションを高精度に行うことが可能となる。
図18に、電子機器の他の例としてのデジタルカメラ1002の概形を示す。
デジタルカメラ1002には、上記実施形態及びこの変形例の振動素子のうちのいずれかが備えられている。本例では、振動素子10を備えたデジタルカメラ1002を例に説明する。図18に示すように、組み込まれた振動素子10の検出信号は手ぶれ補正装置4100に供給される。手ぶれ補正装置4100は、振動素子10の検出信号(検出された物理量)に応じて、例えばレンズセット4200内の特定のレンズを移動させ、手ぶれによる画像不良を抑制することができる。
なお、本発明に係る電子機器はスマートフォン1001やデジタルカメラ1002に限定されず、例えば慣性計測ユニット、携帯電話機、ゲーム機器、カーナビゲーションシステム、移動体の自動運転制御機器、ポインティングデバイス、ヘッドマウントディスプレイ、タブレット型パーソナルコンピューター等に、上記実施形態及びこの変形例の振動素子を組み込むことが可能である。
(移動体)
図19に、移動体の一例としての自動車1003の概形を示す。
自動車1003には、上記実施形態及びこの変形例の振動素子のうちのいずれかが備えられている。本例では、振動素子10を備えた自動車1003を例に説明する。図19に示すように、振動素子10の検出信号(検出された物理量)は、車体姿勢制御装置5200に供給される。車体姿勢制御装置5200は供給された信号に基づき車体5100の姿勢状態を演算し、例えば車体5100の姿勢に応じた緩衝装置(いわゆるサスペンション)の硬軟を制御したり、個々の車輪5300の制動力を制御したりすることができる。
なお、振動素子10が検出した物理量に基づいてカーナビゲーションを高精度に行うこともできる。また、本発明に係る移動体は自動車1003に限定されず、例えば航空機や船舶に、上記実施形態及びこの変形例の振動素子を組み込むことが可能である。
01…第1方向、02…第2方向、03…第3方向、04…第4方向、10…振動素子、11…振動部、12…検出部、13…支持部、14…固定部、151…調整腕、152…調整腕、16…結合部、17k…ばね部、18k…櫛歯電極部、100…振動デバイス、101…パッケージ、102…集積回路素子、103…接合材、110…基部、111…駆動腕、112…駆動腕、121…検出腕、122…検出腕、131…第1支持梁、132…第2支持梁、133…第3支持梁、134…第4支持梁、1100…中央部、1101…第1突出部、1102…第2突出部、D11、D12、D21、D22…駆動電極、S11、S12、S21、S22…検出電極、G1、G2、G3…グランド電極、D1、D2…駆動配線、S1、S2…検出配線、GD…グランド配線、1001…電子機器(スマートフォン)、1002…電子機器(デジタルカメラ)、1003…移動体(自動車)。

Claims (11)

  1. 駆動信号に応じて駆動振動をする振動部と、
    前記振動部と音響結合しており、物理量に応じて検出信号を出力する検出部と、
    前記振動部と連結されている支持部と、を備え、
    前記駆動振動の周波数frと、前記支持部の共振振動の周波数fとが、
    f≠n×fr(但し、nは自然数)
    の関係を満たすことを特徴とする振動素子。
  2. 前記支持部の共振振動の周波数f及び前記駆動振動の周波数frが、
    f<0.9×fr及び1.2×fr<f<1.8×fr
    のうちの一方の関係をさらに満たすことを特徴とする請求項1に記載の振動素子。
  3. 前記共振振動が、前記駆動振動の方向に沿った方向の振動であることを特徴とする請求項1又は2に記載の振動素子。
  4. 前記共振振動が、前記駆動振動の方向と交差する方向の振動であることを特徴とする請求項1又は2に記載の振動素子。
  5. 前記振動部が、基部と、前記基部から第1方向に延びている2本の駆動腕と、を含み、
    前記検出部が、前記基部から前記第1方向と反対方向の第2方向に延びている2本の検出腕を含み、
    前記基部が、前記駆動腕より前記第2方向側であり、且つ前記検出腕より前記第1方向側に位置する第1連結部及び第2連結部を含み、
    前記支持部が、前記第1連結部に連結された第1支持梁と、前記第2連結部に連結された第2支持梁と、を含み、
    前記駆動腕と前記検出腕のうちの少なくとも一方の腕が、前記第1支持梁と前記第2支持梁との間にあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の振動素子。
  6. 前記第1支持梁の前記第1方向に沿った長さLy1と、前記第2支持梁の前記第1方向に沿った長さLy2と、前記駆動腕の前記第1方向に沿った長さLrとが、
    1.09<Ly1/Lr<1.39且つ1.09<Ly2/Lr<1.39
    の関係を満たすことを特徴とする請求項5に記載の振動素子。
  7. 前記基部が、前記第1連結部より前記第1方向側に位置する第3連結部と、前記第2連結部より前記第1方向側に位置する第4連結部と、をさらに含み、
    前記支持部が、前記第3連結部と連結する第3支持梁と、前記第4連結部と連結する第4支持梁と、をさらに含み、
    前記第3支持梁は前記第1支持梁と前記少なくとも一方の腕との間にあり、前記第4支持梁は前記第2支持梁と前記少なくとも一方の腕との間にあることを特徴とする請求項5又は6に記載の振動素子。
  8. 前記第3支持梁の前記第1方向と交差する方向に延びている部分の長さLx3と、前記第4支持梁の前記第1方向と交差する方向に延びている部分の長さLx4と、前記駆動腕の前記第1方向に沿った長さLrとが、
    0.295<Lx3/Lr且つ0.295<Lx4/Lr
    の関係を満たすことを特徴とする請求項7に記載の振動素子。
  9. 前記第1支持梁と前記第3支持梁との間の最短距離、及び前記第2支持梁と前記第4支持梁との間の最短距離が、いずれも30μm以上であることを特徴とする請求項7又は8に記載の振動素子。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の振動素子を備えることを特徴とする電子機器。
  11. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の振動素子を備えることを特徴とする移動体。
JP2014140251A 2014-07-08 2014-07-08 振動素子、電子機器及び移動体 Pending JP2016017825A (ja)

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