JP2016017726A - 圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置 - Google Patents

圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置 Download PDF

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Abstract

【課題】制御構成を簡略にし、また、負荷媒体に対する冷却機能性を向上する。【解決手段】圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換え実施が可能な圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置を構成するのに、ポンプサイクル運転において冷媒ポンプ8が吸入する冷媒Rを冷却用熱媒CWと熱交換させて冷却する冷媒冷却器7を、冷媒循環路1における外気熱交換器5と冷媒ポンプ8との間に介装する。また、制御器15は、圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換えにおいて、圧縮機4の起動・停止と冷媒ポンプ8の起動・停止と冷媒循環路1における冷媒経路の切り換えとを同一のタイミングで行う構成にする。【選択図】図2

Description

本発明は圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置に関し、
詳しくは、運転停止した冷媒ポンプを迂回させる状態で圧縮機と外気熱交換器と膨張弁と負荷側熱交換器との順に冷媒を前記圧縮機により循環させる圧縮機サイクル運転と、
運転停止した前記圧縮機を迂回させる状態で前記冷媒ポンプと前記負荷側熱交換器と前記外気熱交換器との順に冷媒を前記冷媒ポンプにより循環させるポンプサイクル運転との切り換え実施が可能な冷媒循環路を設け、
前記圧縮機サイクル運転では、前記外気熱交換器において冷媒を凝縮させることで外気に放熱し、これに併行して、前記負荷側熱交換器において冷媒を蒸発させることで負荷媒体を冷却し、
前記ポンプサイクル運転では、前記外気熱交換器において冷媒を低温外気と熱交換させることで、冷媒を冷却して凝縮させるとともに外気に放熱し、これに併行して、前記負荷側熱交換器において冷媒を負荷媒体と熱交換させることで、冷媒を加熱して蒸発させるとともに負荷媒体を冷却する圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置に関する。
従来、この種の冷却装置では、特許文献1に見られるように、ポンプサイクル運転において外気熱交換器から送出される冷媒をそのまま冷媒ポンプに吸入させていた。
なお、一般的には、外気熱交換器から送出される冷媒を受液器を通じてそのまま冷媒ポンプに吸入させる。
また、同特許文献1に見られる装置では、圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換えを行う際に、圧縮機及び冷媒ポンプをともに停止するとともに、圧縮機に対するバイパス弁及び冷媒ポンプに対するバイパス弁をともに開弁して冷媒を自然流動させる状態を所定時間にわたって継続し、その上で切り換え先の圧縮機サイクル運転又はポンプサイクル運転を開始するようにしている。
即ち、このように冷媒を自然流動させる状態を所定時間にわたって継続することで、圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換えにおいて冷媒循環路の各部(特に冷媒凝縮器として機能する外気熱交換器)において大きな圧力変化が生じることを抑止するようにしている。
特開2000−274774号公報
しかし、ポンプサイクル運転において外気熱交換器から送出される冷媒をそのまま冷媒ポンプに吸入させる従来装置では、外気熱交換器での外気との熱交換による冷媒凝縮が外気条件の変化などで不十分になり、そのことで気相混じりの冷媒が冷媒ポンプに吸入されて冷媒ポンプでキャビテーションが発生することを防止する必要がある。
この為、従来装置では、ポンプサイクル運転において外気熱交換器の冷媒出口における冷媒の過冷却度を計測し、その計測結果に基づいて外気熱交換器における冷媒流量を調整するなどして外気熱交換器の冷媒出口における冷媒の過冷却度を調整する過冷却度制御がポンプサイクル運転において常時必要になり、そのことで装置の制御構成が複雑化する問題があった。
また、圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換えの際に所定時間にわたって冷媒を自然流動させる場合、その所定時間の期間中は負荷媒体の冷却が中断されてしまう問題が生じる。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、合理的な改良により上記問題を解消する点にある。
本発明の第1特徴構成は圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置に係り、その特徴は、
運転停止した冷媒ポンプを迂回させる状態で圧縮機と外気熱交換器と膨張弁と負荷側熱交換器との順に冷媒を前記圧縮機により循環させる圧縮機サイクル運転と、
運転停止した前記圧縮機を迂回させる状態で前記冷媒ポンプと前記負荷側熱交換器と前記外気熱交換器との順に冷媒を前記冷媒ポンプにより循環させるポンプサイクル運転との切り換え実施が可能な冷媒循環路を設け、
前記圧縮機サイクル運転では、前記外気熱交換器において冷媒を凝縮させることで外気に放熱し、これに併行して、前記負荷側熱交換器において冷媒を蒸発させることで負荷媒体を冷却し、
前記ポンプサイクル運転では、前記外気熱交換器において冷媒を低温外気と熱交換させることで、冷媒を冷却して凝縮させるとともに外気に放熱し、これに併行して、前記負荷側熱交換器において冷媒を負荷媒体と熱交換させることで、冷媒を加熱して蒸発させるとともに負荷媒体を冷却する圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置であって、
前記ポンプサイクル運転において前記冷媒ポンプが吸入する冷媒を冷却用熱媒と熱交換させて冷却する冷媒冷却器を、前記冷媒循環路における前記外気熱交換器と前記冷媒ポンプとの間に介装してある点にある。
この構成によれば、ポンプサイクル運転において気相混じりの冷媒が冷媒ポンプに吸入される状況になったとしても、その気相混じりの冷媒を冷媒ポンプへの吸入に先立ち冷媒冷却器での冷却用熱媒との熱交換で冷却して確実に凝縮させるとともに十分な過冷却度を取得させることができ、これにより、気相混じりの冷媒が冷媒ポンプに吸入されることを確実に防止して、冷媒ポンプでのキャビテーションの発生を防止することができる。
したがって、外気熱交換器の冷媒出口における冷媒の過冷却度を計測して、その計測結果に基づいて外気熱交換器の冷媒出口における冷媒の過冷却度を調整する過冷却度制御をポンプサイクル運転において常時実施することを不要にすることができ、これにより、装置の制御構成を簡略化することができ、また、そのことで装置コストも安価にすることができる。
なお、冷媒冷却器において冷媒と熱交換させる冷却用熱媒は、空気などの気体熱媒あるいは水などの液体熱媒のいずれであってもよい。
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な構成であり、その特徴は、
前記圧縮機サイクル運転と前記ポンプサイクル運転との切り換えを実行する制御器を設け、
この制御器は、前記圧縮機サイクル運転と前記ポンプサイクル運転との切り換えにおいて、前記圧縮機の起動・停止と前記冷媒ポンプの起動・停止と前記冷媒循環路における冷媒経路の切り換えとを同一のタイミング又はほぼ同一のタイミングで行う構成にしてある点にある。
この構成によれば、前述の如く圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換えを行う際に、圧縮機及び冷媒ポンプをともに停止するとともに、圧縮機に対するバイパス弁及び冷媒ポンプに対するバイパス弁をともに開弁して冷媒を自然流動させる状態を所定時間にわたって継続し、その上で切り換え先の圧縮機サイクル運転又はポンプサイクル運転を開始するのに比べ、圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換え時においても負荷媒体を継続的に冷却することができ、この点で、負荷媒体に対する冷却機能性が一層高い装置にすることができる。
また、このように圧縮機の起動・停止と、冷媒ポンプの起動・停止と、冷媒循環路における冷媒経路の切り換えとを同一のタイミングで行うことで、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えにおいて、それまで圧縮機の吐出作用を受けていた外気熱交換器が急に冷媒ポンプの吸入作用を受ける状態になって外気熱交換器の圧力が急降下し、そのことで、それまで外気熱交換器から送出されていた凝縮冷媒や外気熱交換器から送出されて受液器に溜まっていた凝縮冷媒が一部気化して気相混じりの冷媒が冷媒ポンプに吸入される状態になったとしても、その気相混じりの冷媒は前述の如く冷媒冷却器での冷却により完全に凝縮させるとともに十分な過冷却度を取得させた状態で冷媒ポンプに吸入させることができ、切り換え後のポンプサイクル運転に支障を来すことはない。
なお、ここで言う圧縮機の停止とは、圧縮機停止指令の付与に続いて圧縮機の残留運転が実施される場合は、その残留運転が完了した時点を言う。
本発明の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成の実施に好適な構成であり、その特徴は、
前記圧縮機サイクル運転と前記ポンプサイクル運転との切り換えを実行する制御器を設け、
この制御器は、前記ポンプサイクル運転から前記圧縮機サイクル運転に切り換えるとき、前記冷媒ポンプの出力を低下させることで前記負荷側熱交換器の冷媒出口における冷媒の過熱度を高める過熱度確保モードで前記ポンプサイクル運転を実施し、
この過熱度確保モードでの前記ポンプサイクル運転において、前記負荷側熱交換器の冷媒出口における冷媒の過熱度が設定許容値に上昇したときに、又は、設定時間が経過したときに、前記ポンプサイクル運転から前記圧縮機サイクル運転への切り換えを行う構成にしてある点にある。
この構成によれば、過熱度確保モードでのポンプサイクル運転において負荷側熱交換器の冷媒出口における冷媒の過熱度を十分に上昇させた状態で圧縮機サイクル運転への切り換えを行うから、その過熱度確保モードでのポンプサイクル運転を実施するまでのポンプサイクル運転において負荷側熱交換器から液相混じりの冷媒が送出されていたとしても、切り換え後の圧縮機サイクル運転において液相混じりの冷媒が圧縮機に吸入される所謂液バックを確実に防止することができる。
また、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換え時にのみ過熱度確保モードでのポンプサイクル運転を実施して負荷側熱交換器の冷媒出口での冷媒の過熱度を上昇させるから、負荷側熱交換器の冷媒出口での冷媒の過熱度を計測し、その計測結果に基づいて負荷側熱交換器の冷媒出口での冷媒の過熱度を調整する過熱度制御をポンプサイクル運転において常時実施するのに比べ、装置の制御構成を簡略化することができ、また、ポンプサイクル運転での負荷媒体に対する冷却機能が常時の過熱度制御により制限されることも回避することができる。
なお、過熱度確保モードでのポンプサイクル運転において設定時間が経過したときにポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えを行う場合は、圧縮機の冷媒吸入側にアキュムレータ(気液分離器)を装備して、液バックの防止を一層確実にするのが望ましい。
本発明の第4特徴構成は、第3特徴構成の実施に好適な構成であり、その特徴は、
前記制御器は、前記ポンプサイクル運転から前記圧縮機サイクル運転に切り換えた後、設定過渡時間が経過するまでは、前記圧縮機の出力を制限するとともに前記膨張弁の開度を設定制限開度に保持する安定化モードで前記圧縮機サイクル運転を実施し、
前記設定過渡時間が経過したとき前記圧縮機サイクル運転における前記安定化モードを解除する構成にしてある点にある。
この構成によれば、前述した過熱度確保モードでのポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転に切り換えた直後における圧縮機サイクル運転の過渡的な不安定化を、上記安定化モードでの圧縮機サイクル運転により防止することができ、これにより、負荷媒体に対する冷却機能をポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換え直後においても良好に保つことができる。
圧縮機サイクル運転状態の冷媒回路図 ポンプサイクル運転状態の冷媒回路図 圧縮機サイクル運転及びポンプサイクル運転を示すモリエル線図 ポンプサイクル運転への切り換え形態を示すタイミングチャート 圧縮機サイクル運転への切り換え形態を示すタイミングチャート 冷媒冷却器の運転がない場合の障害を説明するモリエル線図 冷媒冷却器を運転する場合の運転切り換えを説明するモリエル線図 ポンプサイクル運転への切り換え時における各値の変化を示すグラフ 過熱度確保モードの実行がない場合の障害を説明するモリエル線図 過熱度確保モードを実行する場合の運転切り換えを説明するモリエル線図 圧縮機サイクル運転への切り換え時における各値の変化を示すグラフ 圧縮機サイクル運転への切り換え判定のフローチャート ポンプサイクル運転領域を示す相関図 ポンプサイクル運転への切り換え判定のフローチャート 外気温度と冷媒凝縮圧力と伝熱面状態との相関を示すグラフ 圧縮機サイクル運転への切り換え時における凝縮圧力の変化を示すグラフ 外気通風量と冷却能力と伝熱面状態との相関を示すグラフ ポンプサイクル運転への切り換え時における外気通風量の変化を示すグラフ 蒸発圧力及び凝縮圧力と冷却能力との相関を示すグラフ 圧縮機サイクル運転への切り換え判定のフローチャート
図1は外気を放熱源とする圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置Cを示し、この冷却装置Cにおける冷媒Rの循環路1には、冷媒蒸発器として機能させる負荷側熱交換器2と、蒸発圧力調整弁3と、圧縮機4と、冷媒凝縮器として機能させる外気熱交換器5と、受液器6と、冷媒冷却器7と、冷媒ポンプ8と、減圧弁9と、膨張弁10とを、その順に並べて介装してある。
また、冷媒循環路1には、圧縮機4を迂回する圧縮機バイパス路11、及び、この圧縮機バイパス路11を開閉する圧縮機バイパス弁11aを設けるとともに、冷媒冷却器7と冷媒ポンプ8と減圧弁9との直列配置を迂回するポンプバイパス路12、及び、このポンプバイパス路12を開閉するポンプバイパス弁12aを設けてある。
また、圧縮機バイパス路11の接続箇所よりも圧縮機4の側で、圧縮機4の冷媒吸込側及び冷媒吐出側には開閉弁11b,11cを設け、さらに、ポンプバイパス路12の接続箇所よりも冷媒ポンプ8の側で、冷媒ポンプ8の冷媒吐出側には開閉弁12bを設けてある。
外気熱交換器5には放熱源である外気OAを外気ファン13により通風し、この外気OAと冷媒Rとを外気熱交換器5において熱交換させる。
負荷側熱交換器2には負荷媒体である負荷側空気IAを負荷側送風機14により通風し、この負荷側空気IAと冷媒Rとを負荷側熱交換器2において熱交換させる。
この冷却装置Cにおける冷媒循環路1では、図1に示す圧縮機サイクル運転と図2に示すポンプサイクル運転とを択一的に実施し、圧縮機サイクル運転では、図1に示す如く、圧縮機バイパス弁11a及び開閉弁12bを閉じるとともにポンプバイパス弁12a及び開閉弁11b,11cを開いて圧縮機4を運転することで、冷媒循環路1において冷媒冷却器7と停止状態の冷媒ポンプ8と減圧弁9とを迂回させる状態でポンプバイパス路12を通じて冷媒Rを循環させる。
即ち、圧縮機サイクル運転では基本的に、一般の圧縮式冷凍回路と同様、圧縮機4により圧縮した気相の高圧冷媒Rを冷媒凝縮器としての外気熱交換器5において凝縮させ、その際の冷媒凝縮熱を、外気ファン13により通風する外気OAに放熱する。
外気熱交換器5において凝縮した液相の高圧冷媒Rは、受液器6及びポンプバイパス路12を通じ膨張弁10に通過させて低圧領域に開放することで、その液相冷媒Rを冷媒蒸発器としての負荷側熱交換器2において蒸発させ、その際の冷媒蒸発熱を、負荷側送風機14により通風する負荷側空気IAから奪取させることで負荷側空気IAを冷却する。
負荷側熱交換器5において蒸発した気相の低圧冷媒Rは、蒸発圧力調整弁3を通じ圧縮機4に吸入させて再び圧縮する。
一方、ポンプサイクル運転では、図2に示す如く、ポンプバイパス弁12a及び開閉弁11b,11cを閉じるとともに圧縮機バイパス弁11a及び開閉弁12bを開いて冷媒ポンプ8を運転することで、冷媒循環路1において停止状態の圧縮機4を迂回させる状態で圧縮機バイパス路11を通じて冷媒Rを循環させる。
即ち、ポンプサイクル運転では基本的に、冷媒ポンプ8より液相冷媒Rを減圧弁9及び膨張弁10を通じて冷媒蒸発器としての負荷側熱交換器2に送ることで、その液相冷媒Rを負荷側熱交換器2において負荷側送風機14により通風する負荷側空気IAと熱交換させ、これにより、液相冷媒Rを加熱して蒸発させるとともに負荷側空気IAを冷却する。
負荷側熱交換器2において蒸発した気相冷媒R(場合によっては液相混じりの気相冷媒)は蒸発圧力調整弁3及び圧縮機バイパス路11を通じて冷媒凝縮器として外気熱交換器5に送ることで、その気相冷媒Rを外気熱交換器5において外気ファン13により通風する外気OAと熱交換させ、これにより、気相冷媒Cを冷却して凝縮させるとともに、冷媒Rが先の負荷側熱交換器2において負荷側空気IAから取得した熱を通風外気OAに放熱する。
外気熱交換器5において凝縮した液相冷媒Rは、受液器6及び冷媒冷却器7を通じ冷媒ポンプ8に吸入させ、再び負荷側熱交換器2に送る。
図3において実線は圧縮機サイクル運転におけるモリエル線図を示し、破線はポンプサイクル運転におけるモリエル線図を示し、図中の各符号は次の通りである。
圧縮機サイクル運転(実線)
pe:負荷側熱交換器2(冷媒蒸発器)における冷媒Rの蒸発圧力
pc:外気熱交換器5(冷媒凝縮器)における冷媒Rの凝縮圧力
SH:負荷側熱交換器2(冷媒蒸発器)の冷媒出口における冷媒Rの過熱度
SC:外気熱交換器5(冷媒凝縮器)の冷媒出口における冷媒Rの過冷却度
ポンプサイクル運転(破線)
pe′:負荷側熱交換器2(冷媒蒸発器)における冷媒Rの蒸発圧力
pc′:外気熱交換器5(冷媒凝縮器)における冷媒Rの凝縮圧力
SC′:冷媒冷却器7の冷媒出口における冷媒Rの過冷却度
この冷却装置Cにおける制御器15は圧縮機サイクル運転において次のa〜dの各制御を実行する。
a.過熱度制御:負荷側熱交換器2の冷媒出口における冷媒Rの過熱度SHを計測し、その計測結果に基づいて膨張弁10の開度を調整することで、過熱度SHを設定過熱度SHsに調整する。
b.圧縮機吸込圧力制御:圧縮機4の入口における冷媒Rの圧力である吸込圧力psを計測し、その計測結果に基づいて圧縮機4の駆動周波数を調整(インバータ制御)することで、圧縮機4の吸込圧力psを設定吸込圧力pssに調整する。
c.冷却能力制御:負荷側空気IAの負荷熱量qと冷却装置Cの冷却能力Qとのバランス状態を計測し、その計測結果に基づいて蒸発圧力調整弁3の開度を調整することで、冷却装置Cの冷却能力Q(具体的には負荷側熱交換器2での負荷側空気IAの冷却量)を負荷側空気IAの負荷熱量qに見合う値(Q=q)に調整する。
d.外気風量制御:外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pcを計測し、その計測凝縮圧力pcが設定下限値pcminより大きい状況では外気ファン13を100%出力で運転し、これに対し、計測凝縮圧力pcが設定下限値pcmin未満となる状況では、外気ファン13の出力(換言すれば、外気熱交換器5に対する外気OAの通風量fo)を調整することで、外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pcを設定下限値pcminに調整する。
一方、制御器15はポンプサイクル運転において次のe,fの制御を実行する。
e.冷却能力制御:負荷側空気IAの負荷熱量qと冷却装置Cの冷却能力Qとのバランス状態を計測し、その計測結果に基づいて冷媒ポンプ8の駆動周波数を調整(インバータ制御)することで、冷却装置Cの冷却能力Q(具体的には負荷側熱交換器2での負荷側空気IAの冷却量)を負荷側空気IAの負荷熱量qに見合う値(Q=q)に調整する。
f.冷却器運転:冷却用空気や冷却用水などの冷却用熱媒CWを冷媒冷却器7に送給して、冷媒冷却器7における通過冷媒Rを冷却用熱媒CWと熱交換させることで冷却する。
なお、ポンプサイクル運転において、膨張弁10の開度及び蒸発圧力調整弁3の開度は設定開度(一般的には全開)に固定され、また、外気ファン13は100%出力で運転される。
ポンプサイクル運転は低温外気OAを利用するものであり圧縮機4の運転に代え冷媒ポンプ8の運転で済ませることから圧縮機サイクル運転に比べ省エネルギ面で有利であるが、外気OAの温度が上昇する温暖期には、負荷側空気IAの負荷熱量qに見合う冷却能力Qを得るのに圧縮機サイクル運転が必要になる。
このことから、制御器15は、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えが適切か否か、及び、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えが適切か否かを自動的に判定し、その判定結果に従って圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換えを自動的に実行する。
具体的には、制御器15は、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えが適切であると判定すると、図4に示すように、圧縮機4の停止と、圧縮機バイパス弁11a及び開閉弁12bの開弁並びにポンプバイパス弁12a及び開閉弁11b,11cの閉弁による冷媒経路の切り換えと、冷媒ポンプ8及び冷媒冷却器7の起動とを同一のタイミング(ないしは、ほぼ同一のタイミング)で実行して、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えを行う。
また制御器15は、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えが適切であると判定すると、図5に示すように、先ず現行のポンプサイクル運転を通常モードから過熱度確保モードにする。
この過熱度確保モードでのポンプサイクル運転では、制御器15は冷媒ポンプ8の駆動周波数を設定された制限周波数に低下させて冷媒Rの流量を低下させることで、負荷側熱交換器2の冷媒出口における冷媒Rの過熱度SH′を上昇させる。
そして、この過熱度確保モードでのポンプサイクル運転において計測過熱度SH′が設定許容値SHmまで上昇する(又は設定時間が経過する)と、同図5に示すように、冷媒ポンプ8及び冷媒冷却器7の停止と、ポンプバイパス弁12a及び開閉弁11b,11cの開弁並びに圧縮機バイパス弁11a及び開閉弁12bの閉弁による冷媒経路の切り換えと、圧縮機4の起動とをやはり同一のタイミング(ないしはほぼ同一のタイミング)で実行して、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えを行う。
このように圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換えにおいて、圧縮機4の起動・停止と、冷媒ポンプ8の起動・停止と、各弁11a,11b,11c,12a,12bの開閉による冷媒経路の切り換えとの三者を同一のタイミング(ないしは、ほぼ同一のタイミング)で行うことにより、圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換え時においても負荷側熱交換器2において負荷側空気IAを継続的に冷却することができる。
ここで、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えにおいて、冷媒冷却器7の運転がない状態で単に圧縮機4の停止と冷媒ポンプ8の起動と冷媒経路の切り換えとを同一のタイミングで行うと、図6において矢印x-x′で模式的に示すように、圧縮機サイクル運転において外気熱交換器5から送出された高温の冷媒Rや受液器6に溜まった高温の冷媒Rが、ポンプサイクル運転への切り換えに伴う圧力低下のために冷媒ポンプ8への吸入過程で液相領域から気相・液相混合領域に入って一部が気相化し、これが原因で冷媒ポンプ8が気相混じりの冷媒を吸入してしまう状態になって冷媒ポンプ8においてキャビテーションが発生する。
これに対し、ポンプサイクル運転への切り換えの際に上記の如く冷媒冷却器7に対する冷却用熱媒CWの送給を開始して冷媒冷却器7の運転を開始すると、図7において矢印x−x′で模式的に示すように、圧縮機サイクル運転において外気熱交換器5から送出された高温の冷媒Rや受液器6に溜まった高温の冷媒Rでも冷媒冷却器7での冷却により適切な過冷却度SC′を確保して液相領域に保った状態で冷媒ポンプ8に吸入させることができ、これにより、冷媒ポンプ8でのキャビテーションの発生を防止することができる。
また、ポンプサイクル運転では冷媒冷却器7を継続運転して適切な過冷却度SC′を保つから、その過冷却度SC′の計測やその計測結果に基づく過冷却度制御も不要にすることができ、冷凍回路Cの制御構成を単純化することもできる。
なお、冷却用熱媒CWが冷媒冷却器7に十分に流れ込み始めるのに要する時間を考慮して、冷媒冷却器7の運転開始は図4において破線で示すようにポンプサイクル運転への切り換えに先立って行うようにしてもよい。
図8は、圧縮機4の停止と冷媒ポンプ8及び冷媒冷却器7の起動と冷媒経路の切り換えとを同一のタイミングで行うようにして圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転へ切り換えた場合の実験結果を示す。
この図8から判るように、この冷却装置Cでは、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転に切り換えたとき、負荷側熱交換器2の出口空気温度(即ち、負荷側熱交換器2から送出される冷却後の負荷側空気IAの温度)が多少上昇するものの数分程度で速やかに元の温度に復帰しており、負荷側熱交換器2での負荷側空気IAの冷却について概ね良好な継続性が確保されている。
また、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転へ切り換えたとき、それに伴い外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pcが急激に低下(pc→pc′)することに対しても、冷媒冷却器7での通過冷媒Rの冷却により、冷媒ポンプ8における有効吸込ヘッド(NPSH)は必要値(必要NPSH)以上に保たれており、これにより、冷媒ポンプ8でのキャビテーションの発生が防止される。
一方、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えにおいて、上記過熱度確保モードの実施がない状態で単に冷媒ポンプ8の停止と圧縮機4の起動と冷媒経路の切り換えとを同一のタイミングで行うと、図9において矢印y-y′で模式的に示すように、ポンプサイクル運転において冷媒蒸発器としての負荷側熱交換器2から液相混じりの冷媒Rが送出される状況であった場合、その液相混じりの冷媒Rが圧縮機サイクル運転への切り換えに伴い圧縮機4に吸入される状態になって所謂液バックが生じ、これが原因で圧縮機4の損傷を招く。
特にポンプサイクル運転において過熱度制御を行わず負荷側熱交換器2を湿式の冷媒蒸発器として機能させる場合、この問題は避けられない。
これに対し、圧縮機サイクル運転への切り換えに先立ち上記の如くポンプサイクル運転を通常モードから過熱度確保モードにすると、図10において矢印y−y′で模式的に示すように、冷媒蒸発器としての負荷側熱交換器2から送出される冷媒Rの過熱度SH′を圧縮機サイクル運転への切り換えに先立ち確保する(即ち、気相冷媒Rのみが送出される状態にする)ことができ、これにより、所謂液バックを防止して圧縮機4の損傷を防止することができる。
図11は、冷媒ポンプ8の停止と圧縮機4の起動と冷媒経路の切り換えとを同一のタイミングで行うようにしてポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転へ切り換えた場合の実験結果を示す。
この図11からも判るように、この冷却装置Cでは、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転に切り換えたとき(図8参照)と同様、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転に切り換えたときも、負荷側熱交換器2の出口空気温度(即ち、負荷側熱交換器2から送出される冷却後の負荷側空気IAの温度)が多少上昇するものの数分程度で速やかに元の温度に復帰しており、負荷側熱交換器2での負荷側空気IAの冷却について概ね良好な継続性が確保されている。
また、冷媒蒸発器としての負荷側熱交換器2の冷媒出口における冷媒Rの過熱度SHも確保(SH≧SHm)されており、これにより圧縮機4への液バックが防止される。
なお、図5に示すように、制御器15は、過熱度確保モードの実行下でポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転に切り換えると、その後、数分程度の設定過渡時間Tcが経過するまでは、圧縮機4の駆動周波数を設定制限周波数に保持するともに、膨張弁10の開度及び蒸発圧力調整弁3の開度を設定制限開度に保持する安定化モードを実行する。
つまり、過熱度確保モードの実施で冷媒Rの流量を低下させて負荷側熱交換器2の冷媒出口における過熱度SH′を上昇させた状態から圧縮機サイクル運転へ切り換えたときに、圧縮機サイクル運転における前述のa.過熱度制御、b.圧縮機吸込圧力制御、c.冷却能力制御を直ちに開始すると、過熱度SHが設定過熱度SHsに向って急変するとともに、圧縮機4の吸込圧力psも設定吸込圧力pssに向って急変し、これらの急変が原因で過熱度SH及び吸込圧力psが変動するとともに冷却能力Qが変動して、圧縮機サイクル運転が一時的にせよ不安定になる。
これに対し、圧縮機サイクル運転への切り換え直後は上記安定化モードを実施することで、上記の如き圧縮機サイクル運転の不安定化を防止することができ、切り換え直後における圧縮機サイクル運転を安定化することができる。
前述の如く制御器15は、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えが適切か否か、及び、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えが適切か否かを判定して、圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換えを実行するが、この制御器15は、ポンプサイクル運転では、基本的に外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pc′の計測値に基づいて圧縮機サイクル運転への切り換え(即ち、過熱度確保モードでのポンプサイクル運転を経た圧縮機サイクル運転への切り換え)を決定する。
また、制御器15は、圧縮機サイクル運転では外気OAの温度が低下して前述のd.外気風量制御により凝縮圧力pcが設定下限値pcminに保持されている状況において、基本的に外気ファン13の出力(換言すれば、外気熱交換器5に対する外気OAの通風量fo)に基づいてポンプサイクル運転への切り換えを決定する。
具体的には、ポンプサイクル運転では、図12に示すように、外気熱交換器5における冷媒Rの計測凝縮圧力pc′が設定上限値pcmax′より高くなった(pc′>pcmax′)とき、あるいは、現行の冷却能力Qが予め設定されたポンプサイクル運転での最大冷却能力Qmaxより大きくなった(Q>Qmax)ときに、制御器15は、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えが適切と判定して、過熱度確保モードでのポンプサイクル運転を経た圧縮機サイクル運転への切り換えを実行する。
一方、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えについては、図13に示すように、外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pcが外気風量制御により設定下限値pcminに保たれている状況での外気ファン13の出力(ここでは外気通風量fo)と冷却能力Qと外気温度toとの三者の相関において、境界線L1により画定されるポンプサイクル運転領域D1(境界線L1より下側の領域)を実験や試運転に基づいて予め設定しておく。
そして、圧縮機サイクル運転では、図14に示すように、各時点における計測冷却能力Qと計測外気通風量foとを座標値とする状態点(Q,fo)が上記ポンプサイクル運転領域D1に入った(Q,fo∈D1)ときに、制御器15は、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えが適切と判定して、ポンプサイクル運転への切り換えを実行する。
なお、図13において、□ライン、△ライン、○ラインは外気温度toが各々15℃,10℃,5℃であるときの外気通風量foと冷却能力Qとの相関線である。
また、図13において境界線L2により画定される領域D2(境界線L2より下側の領域)は、ポンプサイクル運転が可能な領域であり、境界線L1と境界線L2との間の領域はポンプサイクル運転と圧縮機サイクル運転とのハンチング的な切り換えを防止する不感帯領域にしてある。
つまり、外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pc′を成り行きとするポンプサイクル運転では、図15に示すように、ある時点の外気温度toに対して、外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pc′は、外気熱交換器5における伝熱面が通常であるか、塵埃等で汚れているか、あるいは、降雨等で濡れているかによって異なるものになる。
この為、従前のように外気温度toのみを基準として圧縮サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換え判定を行うのでは、外気熱交換器5における伝熱面が汚れている場合、通常よりも凝縮圧力pc′が上昇していて冷却能力Qが既に不足となっている状況で、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えが行われてしまう虞がある。
また、外気熱交換器5における伝熱面が濡れている場合では逆に、通常よりも凝縮圧力pc′が上昇しておらず冷却能力Qに未だ余裕がある状況で、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えが行われてしまう虞がある。
これに対し、上記の如く外気熱交換器5における冷媒Rの計測凝縮圧力pc′が設定上限値pcmax′より大きくなった(pc′>pcmax′)とき、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えが適切と判定するようにすることで、外気温度toのみを切り換え基準とする従前の方式に比べ、外気熱交換器5における伝熱面の汚れや濡れにかかわらず、常に適切なタイミングでポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転へ切り換えることができる。
図16は、上記のように外気熱交換器5における冷媒Rの計測凝縮圧力pc′に基づいてポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えを行うようにした場合の実験結果を示すが、同図16からも判るように、ポンプサイクル運転では外気熱交換器5における冷媒Rの計測凝縮圧力pc′は外気温度toの上昇に伴って上昇している。そして、その上昇で計測凝縮圧力pc′が設定上限値pcmax′を超えたときに、過熱度確保モードでのポンプサイクル運転を経た圧縮機サイクル運転への切り換えが行われている。
なお、この冷却装置Cでは、前述の図12に示すように、外気熱交換器5における冷媒Rの計測凝縮圧力pc′が設定上限値pcmax′以下(pc′≦pcmax′)の状況でも、現行の冷却能力Q(即ち、負荷側熱交換器2での負荷側空気IAの現行冷却量q)が予め設定されたポンプサイクル運転での最大冷却能力Qmaxより大きくなった(q>Qmax)ときには、過熱度確保モードでのポンプサイクル運転を経た圧縮機サイクル運転への切り換えを行うようにしたが、ポンプサイクル運転時において負荷側空気IAの負荷熱量qが比較的安定していて大きく増大することがない場合など、冷却装置Cの使用条件によっては、外気熱交換器5における冷媒Rの計測凝縮圧力pc′のみに基づいて過熱度確保モードでのポンプサイクル運転を経た圧縮機サイクル運転への切り換えを行うようにしてもよい。
一方、図17は、外気温度toが10℃で、圧縮機サイクル運転において前述のd.外気風量制御により外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pcが設定下限値pcminに保持されている状況での外気ファン13による外気通風量foと冷却能力Qと外気熱交換器5における伝熱面状態との相関を示す。
同図17から判るように、圧縮機サイクル運転において外気通風量foの調整により外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pcが設定下限値pcminに保持されている状況では、外気温度toが一定でも、ある時点の外気通風量foに対する冷却能力Qは、外気熱交換器5における伝熱面が通常であるか、塵埃等で汚れているか、あるいは、降雨等で濡れているかによって異なるものになる。
この為、従前のように外気温度toのみを基準として圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換えを行うのでは、外気熱交換器5における伝熱面が汚れている場合、未だポンプサイクル運転では負荷側空気IAの負荷熱量qを未だ処理できない状況で、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えが行われてしまう虞がある。
また、外気熱交換器5における伝熱面が濡れている場合では逆に、既にポンプサイクル運転でも負荷側空気IAの負荷熱量qを十分に処理できる状況にあるのに、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えが行われない虞がある。
これに対し、上記の如く計測冷却能力Qと計測外気通風量foとを座標値とする状態点(Q,fo)が予め設定したポンプサイクル運転領域D1に入った(Q,fo∈D1)とき、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転へ切り換えるようにすることで、外気温度toのみを切り換え基準とする従前の方式に比べ、外気熱交換器5における伝熱面の汚れや濡れにかかわらず、常に適切なタイミングで圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転へ切り換えることができる。
図18は、上記のように計測冷却能力Qと計測外気通風量foとを座標値とする状態点(Q,fo)の位置に基づいて圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えを行うようにした場合の実験結果を示すが、同図18からも判るように、圧縮機サイクル運転において外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pcを設定下限値pcminに保つように外気ファン13による外気通風量foを調整している状況では、その外気通風foは外気温度toの低下にともなって低下している。そして、その外気通風量foの低下で計測冷却能力Qと計測外気通風量foとを座標値とする状態点(Q,fo)が予め設定したポンプサイクル運転領域D1に入った(Q,fo∈D1)ときに、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えが行われている。
上述の例では、制御器15は外気熱交換器5における冷媒Rの計測凝縮圧力pc′が設定上限値pcmax′より大きくなった(pc′>pcmax′)ときに、過熱度確保モードでのポンプサイクル運転を経た圧縮機サイクル運転への切り換えが適切と判定して、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えを実行するように構成したが、これに代えて、制御器15はポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換え判定を次のように行うものにしてもよい。
図19に示すように、ポンプサイクル運転では外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pc′、及び、負荷側熱交換器2における冷媒Rの蒸発圧力pe′の夫々と、冷却装置Cの冷却能力Q(即ち、負荷側熱交換器2での負荷側空気IAの冷却量)との間に、特定の関係式(例えば、図中の式1や式2など)により表すことができる相関がある。
このことから、外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pc′又は負荷側熱交換器2における冷媒Rの蒸発圧力pe′を計測して、その計測値に対応する冷却能力Q(即ち、その時点におけるポンプサイクル運転での冷却能力)を制御器15に演算させるようにする。
そして、図20に示すように、その演算した冷却能力Qを判定用冷却能力Qsとして逐次設定させ、これに対して、現行の冷却能力Qがその時の判定用冷却能力Qsより大きくなったときに、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えが適切と判定して、過熱度確保モードでのポンプサイクル運転を経た圧縮機サイクル運転への切り換えを実行するように制御器15を構成してもよい。
即ち、このように制御器15を構成しても、外気温度toのみを切り換え基準とする従前の方式に比べ、外気熱交換器5における伝熱面の汚れや濡れにかかわらず、常に適切なタイミングでポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えを行うことができる。
なお、上記の例では、負荷媒体として負荷側空気IAを負荷側熱交換器2で冷却する冷却装置Cを示したが、本発明は、各種気体を負荷側熱交換器2で冷却する負荷媒体とする場合に限らず、水などの各種液体を負荷側熱交換器2で冷却する負荷媒体とする場合や、物品や原材料などの各種固体を負荷側熱交換器2で冷却する負荷媒体とする場合などにも適用することができる。
本発明による圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置は、各種分野において種々の負荷媒体を冷却するのに利用することができる。
8 冷媒ポンプ
4 圧縮機
5 外気熱交換器
10 膨張弁
2 負荷側熱交換器
R 冷媒
1 冷媒循環路
CW 冷却用熱媒
7 冷媒冷却器
15 制御器
SH 過熱度
SHm 設定許容値
Tc 設定過渡時間
本発明は圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置に関し、
詳しくは、運転停止した冷媒ポンプを迂回させる状態で圧縮機と外気熱交換器と膨張弁と負荷側熱交換器との順に冷媒を前記圧縮機により循環させる圧縮機サイクル運転と、
運転停止した前記圧縮機を迂回させる状態で前記冷媒ポンプと前記負荷側熱交換器と前記外気熱交換器との順に冷媒を前記冷媒ポンプにより循環させるポンプサイクル運転との切り換え実施が可能な冷媒循環路を設け、
前記圧縮機サイクル運転では、前記外気熱交換器において冷媒を凝縮させることで外気に放熱し、これに併行して、前記負荷側熱交換器において冷媒を蒸発させることで負荷媒体を冷却し、
前記ポンプサイクル運転では、前記外気熱交換器において冷媒を低温外気と熱交換させることで、冷媒を冷却して凝縮させるとともに外気に放熱し、これに併行して、前記負荷側熱交換器において冷媒を負荷媒体と熱交換させることで、冷媒を加熱して蒸発させるとともに負荷媒体を冷却する圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置に関する。
従来、この種の冷却装置では、特許文献1に見られるように、ポンプサイクル運転において外気熱交換器から送出される冷媒をそのまま冷媒ポンプに吸入させていた。
なお、一般的には、外気熱交換器から送出される冷媒を受液器を通じてそのまま冷媒ポンプに吸入させる。
また、同特許文献1に見られる装置では、圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換えを行う際に、圧縮機及び冷媒ポンプをともに停止するとともに、圧縮機に対するバイパス弁及び冷媒ポンプに対するバイパス弁をともに開弁して冷媒を自然流動させる状態を所定時間にわたって継続し、その上で切り換え先の圧縮機サイクル運転又はポンプサイクル運転を開始するようにしている。
即ち、このように冷媒を自然流動させる状態を所定時間にわたって継続することで、圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換えにおいて冷媒循環路の各部(特に冷媒凝縮器として機能する外気熱交換器)において大きな圧力変化が生じることを抑止するようにしている。
特開2000−274774号公報
しかし、ポンプサイクル運転において外気熱交換器から送出される冷媒をそのまま冷媒ポンプに吸入させる従来装置では、外気熱交換器での外気との熱交換による冷媒凝縮が外気条件の変化などで不十分になり、そのことで気相混じりの冷媒が冷媒ポンプに吸入されて冷媒ポンプでキャビテーションが発生することを防止する必要がある。
この為、従来装置では、ポンプサイクル運転において外気熱交換器の冷媒出口における冷媒の過冷却度を計測し、その計測結果に基づいて外気熱交換器における冷媒流量を調整するなどして外気熱交換器の冷媒出口における冷媒の過冷却度を調整する過冷却度制御がポンプサイクル運転において常時必要になり、そのことで装置の制御構成が複雑化する問題があった。
また、圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換えの際に所定時間にわたって冷媒を自然流動させる場合、その所定時間の期間中は負荷媒体の冷却が中断されてしまう問題が生じる。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、合理的な改良により上記問題を解消する点にある。
本発明の第1特徴構成は圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置に係り、その特徴は、
運転停止した冷媒ポンプを迂回させる状態で圧縮機と外気熱交換器と膨張弁と負荷側熱交換器との順に冷媒を前記圧縮機により循環させる圧縮機サイクル運転と、
運転停止した前記圧縮機を迂回させる状態で前記冷媒ポンプと前記負荷側熱交換器と前記外気熱交換器との順に冷媒を前記冷媒ポンプにより循環させるポンプサイクル運転との切り換え実施が可能な冷媒循環路を設け、
前記圧縮機サイクル運転では、前記外気熱交換器において冷媒を凝縮させることで外気に放熱し、これに併行して、前記負荷側熱交換器において冷媒を蒸発させることで負荷媒体を冷却し、
前記ポンプサイクル運転では、前記外気熱交換器において冷媒を低温外気と熱交換させることで、冷媒を冷却して凝縮させるとともに外気に放熱し、これに併行して、前記負荷側熱交換器において冷媒を負荷媒体と熱交換させることで、冷媒を加熱して蒸発させるとともに負荷媒体を冷却する圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置であって、
前記ポンプサイクル運転において前記冷媒ポンプが吸入する冷媒を冷却用熱媒と熱交換させて冷却する冷媒冷却器を、冷媒の流れ方向において前記冷媒循環路における前記外気熱交換器から前記冷媒ポンプまでの部分の途中箇所に介装してある点にある。
この構成によれば、ポンプサイクル運転において気相混じりの冷媒が冷媒ポンプに吸入される状況になったとしても、その気相混じりの冷媒を冷媒ポンプへの吸入に先立ち冷媒冷却器での冷却用熱媒との熱交換で冷却して確実に凝縮させるとともに十分な過冷却度を取得させることができ、これにより、気相混じりの冷媒が冷媒ポンプに吸入されることを確実に防止して、冷媒ポンプでのキャビテーションの発生を防止することができる。
したがって、外気熱交換器の冷媒出口における冷媒の過冷却度を計測して、その計測結果に基づいて外気熱交換器の冷媒出口における冷媒の過冷却度を調整する過冷却度制御をポンプサイクル運転において常時実施することを不要にすることができ、これにより、装置の制御構成を簡略化することができ、また、そのことで装置コストも安価にすることができる。
なお、冷媒冷却器において冷媒と熱交換させる冷却用熱媒は、空気などの気体熱媒あるいは水などの液体熱媒のいずれであってもよい。
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な構成であり、その特徴は、
前記圧縮機サイクル運転と前記ポンプサイクル運転との切り換えを実行する制御器を設け、
この制御器は、前記圧縮機サイクル運転と前記ポンプサイクル運転との切り換えにおいて、前記圧縮機の起動・停止と前記冷媒ポンプの起動・停止と前記冷媒循環路における冷媒経路の切り換えとを同一のタイミング又はほぼ同一のタイミングで行う構成にしてある点にある。
この構成によれば、前述の如く圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換えを行う際に、圧縮機及び冷媒ポンプをともに停止するとともに、圧縮機に対するバイパス弁及び冷媒ポンプに対するバイパス弁をともに開弁して冷媒を自然流動させる状態を所定時間にわたって継続し、その上で切り換え先の圧縮機サイクル運転又はポンプサイクル運転を開始するのに比べ、圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換え時においても負荷媒体を継続的に冷却することができ、この点で、負荷媒体に対する冷却機能性が一層高い装置にすることができる。
また、このように圧縮機の起動・停止と、冷媒ポンプの起動・停止と、冷媒循環路における冷媒経路の切り換えとを同一のタイミングで行うことで、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えにおいて、それまで圧縮機の吐出作用を受けていた外気熱交換器が急に冷媒ポンプの吸入作用を受ける状態になって外気熱交換器の圧力が急降下し、そのことで、それまで外気熱交換器から送出されていた凝縮冷媒や外気熱交換器から送出されて受液器に溜まっていた凝縮冷媒が一部気化して気相混じりの冷媒が冷媒ポンプに吸入される状態になったとしても、その気相混じりの冷媒は前述の如く冷媒冷却器での冷却により完全に凝縮させるとともに十分な過冷却度を取得させた状態で冷媒ポンプに吸入させることができ、切り換え後のポンプサイクル運転に支障を来すことはない。
なお、ここで言う圧縮機の停止とは、圧縮機停止指令の付与に続いて圧縮機の残留運転が実施される場合は、その残留運転が完了した時点を言う。
本発明の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成の実施に好適な構成であり、その特徴は、
前記圧縮機サイクル運転と前記ポンプサイクル運転との切り換えを実行する制御器を設け、
この制御器は、前記ポンプサイクル運転から前記圧縮機サイクル運転に切り換えるとき、前記冷媒ポンプの出力を低下させることで前記負荷側熱交換器の冷媒出口における冷媒の過熱度を高める過熱度確保モードで前記ポンプサイクル運転を実施し、
この過熱度確保モードでの前記ポンプサイクル運転において、前記負荷側熱交換器の冷媒出口における冷媒の過熱度が設定許容値に上昇したときに、又は、設定時間が経過したときに、前記ポンプサイクル運転から前記圧縮機サイクル運転への切り換えを行う構成にしてある点にある。
この構成によれば、過熱度確保モードでのポンプサイクル運転において負荷側熱交換器の冷媒出口における冷媒の過熱度を十分に上昇させた状態で圧縮機サイクル運転への切り換えを行うから、その過熱度確保モードでのポンプサイクル運転を実施するまでのポンプサイクル運転において負荷側熱交換器から液相混じりの冷媒が送出されていたとしても、切り換え後の圧縮機サイクル運転において液相混じりの冷媒が圧縮機に吸入される所謂液バックを確実に防止することができる。
また、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換え時にのみ過熱度確保モードでのポンプサイクル運転を実施して負荷側熱交換器の冷媒出口での冷媒の過熱度を上昇させるから、負荷側熱交換器の冷媒出口での冷媒の過熱度を計測し、その計測結果に基づいて負荷側熱交換器の冷媒出口での冷媒の過熱度を調整する過熱度制御をポンプサイクル運転において常時実施するのに比べ、装置の制御構成を簡略化することができ、また、ポンプサイクル運転での負荷媒体に対する冷却機能が常時の過熱度制御により制限されることも回避することができる。
なお、過熱度確保モードでのポンプサイクル運転において設定時間が経過したときにポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えを行う場合は、圧縮機の冷媒吸入側にアキュムレータ(気液分離器)を装備して、液バックの防止を一層確実にするのが望ましい。
本発明の第4特徴構成は、第3特徴構成の実施に好適な構成であり、その特徴は、
前記制御器は、前記ポンプサイクル運転から前記圧縮機サイクル運転に切り換えた後、設定過渡時間が経過するまでは、前記圧縮機の出力を制限するとともに前記膨張弁の開度を設定制限開度に保持する安定化モードで前記圧縮機サイクル運転を実施し、
前記設定過渡時間が経過したとき前記圧縮機サイクル運転における前記安定化モードを解除する構成にしてある点にある。
この構成によれば、前述した過熱度確保モードでのポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転に切り換えた直後における圧縮機サイクル運転の過渡的な不安定化を、上記安定化モードでの圧縮機サイクル運転により防止することができ、これにより、負荷媒体に対する冷却機能をポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換え直後においても良好に保つことができる。
圧縮機サイクル運転状態の冷媒回路図 ポンプサイクル運転状態の冷媒回路図 圧縮機サイクル運転及びポンプサイクル運転を示すモリエル線図 ポンプサイクル運転への切り換え形態を示すタイミングチャート 圧縮機サイクル運転への切り換え形態を示すタイミングチャート 冷媒冷却器の運転がない場合の障害を説明するモリエル線図 冷媒冷却器を運転する場合の運転切り換えを説明するモリエル線図 ポンプサイクル運転への切り換え時における各値の変化を示すグラフ 過熱度確保モードの実行がない場合の障害を説明するモリエル線図 過熱度確保モードを実行する場合の運転切り換えを説明するモリエル線図 圧縮機サイクル運転への切り換え時における各値の変化を示すグラフ 圧縮機サイクル運転への切り換え判定のフローチャート ポンプサイクル運転領域を示す相関図 ポンプサイクル運転への切り換え判定のフローチャート 外気温度と冷媒凝縮圧力と伝熱面状態との相関を示すグラフ 圧縮機サイクル運転への切り換え時における凝縮圧力の変化を示すグラフ 外気通風量と冷却能力と伝熱面状態との相関を示すグラフ ポンプサイクル運転への切り換え時における外気通風量の変化を示すグラフ 蒸発圧力及び凝縮圧力と冷却能力との相関を示すグラフ 圧縮機サイクル運転への切り換え判定のフローチャート
図1は外気を放熱源とする圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置Cを示し、この冷却装置Cにおける冷媒Rの循環路1には、冷媒蒸発器として機能させる負荷側熱交換器2と、蒸発圧力調整弁3と、圧縮機4と、冷媒凝縮器として機能させる外気熱交換器5と、受液器6と、冷媒冷却器7と、冷媒ポンプ8と、減圧弁9と、膨張弁10とを、その順に並べて介装してある。
また、冷媒循環路1には、圧縮機4を迂回する圧縮機バイパス路11、及び、この圧縮機バイパス路11を開閉する圧縮機バイパス弁11aを設けるとともに、冷媒冷却器7と冷媒ポンプ8と減圧弁9との直列配置を迂回するポンプバイパス路12、及び、このポンプバイパス路12を開閉するポンプバイパス弁12aを設けてある。
また、圧縮機バイパス路11の接続箇所よりも圧縮機4の側で、圧縮機4の冷媒吸込側及び冷媒吐出側には開閉弁11b,11cを設け、さらに、ポンプバイパス路12の接続箇所よりも冷媒ポンプ8の側で、冷媒ポンプ8の冷媒吐出側には開閉弁12bを設けてある。
外気熱交換器5には放熱源である外気OAを外気ファン13により通風し、この外気OAと冷媒Rとを外気熱交換器5において熱交換させる。
負荷側熱交換器2には負荷媒体である負荷側空気IAを負荷側送風機14により通風し、この負荷側空気IAと冷媒Rとを負荷側熱交換器2において熱交換させる。
この冷却装置Cにおける冷媒循環路1では、図1に示す圧縮機サイクル運転と図2に示すポンプサイクル運転とを択一的に実施し、圧縮機サイクル運転では、図1に示す如く、圧縮機バイパス弁11a及び開閉弁12bを閉じるとともにポンプバイパス弁12a及び開閉弁11b,11cを開いて圧縮機4を運転することで、冷媒循環路1において冷媒冷却器7と停止状態の冷媒ポンプ8と減圧弁9とを迂回させる状態でポンプバイパス路12を通じて冷媒Rを循環させる。
即ち、圧縮機サイクル運転では基本的に、一般の圧縮式冷凍回路と同様、圧縮機4により圧縮した気相の高圧冷媒Rを冷媒凝縮器としての外気熱交換器5において凝縮させ、その際の冷媒凝縮熱を、外気ファン13により通風する外気OAに放熱する。
外気熱交換器5において凝縮した液相の高圧冷媒Rは、受液器6及びポンプバイパス路12を通じ膨張弁10に通過させて低圧領域に開放することで、その液相冷媒Rを冷媒蒸発器としての負荷側熱交換器2において蒸発させ、その際の冷媒蒸発熱を、負荷側送風機14により通風する負荷側空気IAから奪取させることで負荷側空気IAを冷却する。
負荷側熱交換器5において蒸発した気相の低圧冷媒Rは、蒸発圧力調整弁3を通じ圧縮機4に吸入させて再び圧縮する。
一方、ポンプサイクル運転では、図2に示す如く、ポンプバイパス弁12a及び開閉弁11b,11cを閉じるとともに圧縮機バイパス弁11a及び開閉弁12bを開いて冷媒ポンプ8を運転することで、冷媒循環路1において停止状態の圧縮機4を迂回させる状態で圧縮機バイパス路11を通じて冷媒Rを循環させる。
即ち、ポンプサイクル運転では基本的に、冷媒ポンプ8より液相冷媒Rを減圧弁9及び膨張弁10を通じて冷媒蒸発器としての負荷側熱交換器2に送ることで、その液相冷媒Rを負荷側熱交換器2において負荷側送風機14により通風する負荷側空気IAと熱交換させ、これにより、液相冷媒Rを加熱して蒸発させるとともに負荷側空気IAを冷却する。
負荷側熱交換器2において蒸発した気相冷媒R(場合によっては液相混じりの気相冷媒)は蒸発圧力調整弁3及び圧縮機バイパス路11を通じて冷媒凝縮器として外気熱交換器5に送ることで、その気相冷媒Rを外気熱交換器5において外気ファン13により通風する外気OAと熱交換させ、これにより、気相冷媒Cを冷却して凝縮させるとともに、冷媒Rが先の負荷側熱交換器2において負荷側空気IAから取得した熱を通風外気OAに放熱する。
外気熱交換器5において凝縮した液相冷媒Rは、受液器6及び冷媒冷却器7を通じ冷媒ポンプ8に吸入させ、再び負荷側熱交換器2に送る。
図3において実線は圧縮機サイクル運転におけるモリエル線図を示し、破線はポンプサイクル運転におけるモリエル線図を示し、図中の各符号は次の通りである。
圧縮機サイクル運転(実線)
pe:負荷側熱交換器2(冷媒蒸発器)における冷媒Rの蒸発圧力
pc:外気熱交換器5(冷媒凝縮器)における冷媒Rの凝縮圧力
SH:負荷側熱交換器2(冷媒蒸発器)の冷媒出口における冷媒Rの過熱度
SC:外気熱交換器5(冷媒凝縮器)の冷媒出口における冷媒Rの過冷却度
ポンプサイクル運転(破線)
pe′:負荷側熱交換器2(冷媒蒸発器)における冷媒Rの蒸発圧力
pc′:外気熱交換器5(冷媒凝縮器)における冷媒Rの凝縮圧力
SC′:冷媒冷却器7の冷媒出口における冷媒Rの過冷却度
この冷却装置Cにおける制御器15は圧縮機サイクル運転において次のa〜dの各制御を実行する。
a.過熱度制御:負荷側熱交換器2の冷媒出口における冷媒Rの過熱度SHを計測し、その計測結果に基づいて膨張弁10の開度を調整することで、過熱度SHを設定過熱度SHsに調整する。
b.圧縮機吸込圧力制御:圧縮機4の入口における冷媒Rの圧力である吸込圧力psを計測し、その計測結果に基づいて圧縮機4の駆動周波数を調整(インバータ制御)することで、圧縮機4の吸込圧力psを設定吸込圧力pssに調整する。
c.冷却能力制御:負荷側空気IAの負荷熱量qと冷却装置Cの冷却能力Qとのバランス状態を計測し、その計測結果に基づいて蒸発圧力調整弁3の開度を調整することで、冷却装置Cの冷却能力Q(具体的には負荷側熱交換器2での負荷側空気IAの冷却量)を負荷側空気IAの負荷熱量q(即ち、必要冷却量)に見合う値(Q=q)に調整する。
d.外気風量制御:外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pcを計測し、その計測凝縮圧力pcが設定下限値pcminより大きい状況では外気ファン13を100%出力で運転し、これに対し、計測凝縮圧力pcが設定下限値pcmin未満となる状況では、外気ファン13の出力(換言すれば、外気熱交換器5に対する外気OAの通風量fo)を調整することで、外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pcを設定下限値pcminに調整する。
一方、制御器15はポンプサイクル運転において次のe,fの制御を実行する。
e.冷却能力制御:負荷側空気IAの負荷熱量qと冷却装置Cの冷却能力Qとのバランス状態を計測し、その計測結果に基づいて冷媒ポンプ8の駆動周波数を調整(インバータ制御)することで、冷却装置Cの冷却能力Q(具体的には負荷側熱交換器2での負荷側空気IAの冷却量)を負荷側空気IAの負荷熱量q(即ち、必要冷却量)に見合う値(Q=q)に調整する。
f.冷却器運転:冷却用空気や冷却用水などの冷却用熱媒CWを冷媒冷却器7に送給して、冷媒冷却器7における通過冷媒Rを冷却用熱媒CWと熱交換させることで冷却する。
なお、ポンプサイクル運転において、膨張弁10の開度及び蒸発圧力調整弁3の開度は設定開度(一般的には全開)に固定され、また、外気ファン13は100%出力で運転される。
ポンプサイクル運転は低温外気OAを利用するものであり圧縮機4の運転に代え冷媒ポンプ8の運転で済ませることから圧縮機サイクル運転に比べ省エネルギ面で有利であるが、外気OAの温度が上昇する温暖期には、負荷側空気IAの負荷熱量q(必要冷却量)に見合う冷却能力Qを得るのに圧縮機サイクル運転が必要になる。
このことから、制御器15は、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えが適切か否か、及び、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えが適切か否かを自動的に判定し、その判定結果に従って圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換えを自動的に実行する。
具体的には、制御器15は、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えが適切であると判定すると、図4に示すように、圧縮機4の停止と、圧縮機バイパス弁11a及び開閉弁12bの開弁並びにポンプバイパス弁12a及び開閉弁11b,11cの閉弁による冷媒経路の切り換えと、冷媒ポンプ8及び冷媒冷却器7の起動とを同一のタイミング(ないしは、ほぼ同一のタイミング)で実行して、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えを行う。
また制御器15は、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えが適切であると判定すると、図5に示すように、先ず現行のポンプサイクル運転を通常モードから過熱度確保モードにする。
この過熱度確保モードでのポンプサイクル運転では、制御器15は冷媒ポンプ8の駆動周波数を設定された制限周波数に低下させて冷媒Rの流量を低下させることで、負荷側熱交換器2の冷媒出口における冷媒Rの過熱度SH′を上昇させる。
そして、この過熱度確保モードでのポンプサイクル運転において計測過熱度SH′が設定許容値SHmまで上昇する(又は設定時間が経過する)と、同図5に示すように、冷媒ポンプ8及び冷媒冷却器7の停止と、ポンプバイパス弁12a及び開閉弁11b,11cの開弁並びに圧縮機バイパス弁11a及び開閉弁12bの閉弁による冷媒経路の切り換えと、圧縮機4の起動とをやはり同一のタイミング(ないしはほぼ同一のタイミング)で実行して、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えを行う。
このように圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換えにおいて、圧縮機4の起動・停止と、冷媒ポンプ8の起動・停止と、各弁11a,11b,11c,12a,12bの開閉による冷媒経路の切り換えとの三者を同一のタイミング(ないしは、ほぼ同一のタイミング)で行うことにより、圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換え時においても負荷側熱交換器2において負荷側空気IAを継続的に冷却することができる。
ここで、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えにおいて、冷媒冷却器7の運転がない状態で単に圧縮機4の停止と冷媒ポンプ8の起動と冷媒経路の切り換えとを同一のタイミングで行うと、図6において矢印x-x′で模式的に示すように、圧縮機サイクル運転において外気熱交換器5から送出された高温の冷媒Rや受液器6に溜まった高温の冷媒Rが、ポンプサイクル運転への切り換えに伴う圧力低下のために冷媒ポンプ8への吸入過程で液相領域から気相・液相混合領域に入って一部が気相化し、これが原因で冷媒ポンプ8が気相混じりの冷媒を吸入してしまう状態になって冷媒ポンプ8においてキャビテーションが発生する。
これに対し、ポンプサイクル運転への切り換えの際に上記の如く冷媒冷却器7に対する冷却用熱媒CWの送給を開始して冷媒冷却器7の運転を開始すると、図7において矢印x−x′で模式的に示すように、圧縮機サイクル運転において外気熱交換器5から送出された高温の冷媒Rや受液器6に溜まった高温の冷媒Rでも冷媒冷却器7での冷却により適切な過冷却度SC′を確保して液相領域に保った状態で冷媒ポンプ8に吸入させることができ、これにより、冷媒ポンプ8でのキャビテーションの発生を防止することができる。
また、ポンプサイクル運転では冷媒冷却器7を継続運転して適切な過冷却度SC′を保つから、その過冷却度SC′の計測やその計測結果に基づく過冷却度制御も不要にすることができ、冷凍回路Cの制御構成を単純化することもできる。
なお、冷却用熱媒CWが冷媒冷却器7に十分に流れ込み始めるのに要する時間を考慮して、冷媒冷却器7の運転開始は図4において破線で示すようにポンプサイクル運転への切り換えに先立って行うようにしてもよい。
図8は、圧縮機4の停止と冷媒ポンプ8及び冷媒冷却器7の起動と冷媒経路の切り換えとを同一のタイミングで行うようにして圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転へ切り換えた場合の実験結果を示す。
この図8から判るように、この冷却装置Cでは、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転に切り換えたとき、負荷側熱交換器2の出口空気温度(即ち、負荷側熱交換器2から送出される冷却後の負荷側空気IAの温度)が多少上昇するものの数分程度で速やかに元の温度に復帰しており、負荷側熱交換器2での負荷側空気IAの冷却について概ね良好な継続性が確保されている。
また、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転へ切り換えたとき、それに伴い外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pcが急激に低下(pc→pc′)することに対しても、冷媒冷却器7での通過冷媒Rの冷却により、冷媒ポンプ8における有効吸込ヘッド(NPSH)は必要値(必要NPSH)以上に保たれており、これにより、冷媒ポンプ8でのキャビテーションの発生が防止される。
一方、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えにおいて、上記過熱度確保モードの実施がない状態で単に冷媒ポンプ8の停止と圧縮機4の起動と冷媒経路の切り換えとを同一のタイミングで行うと、図9において矢印y-y′で模式的に示すように、ポンプサイクル運転において冷媒蒸発器としての負荷側熱交換器2から液相混じりの冷媒Rが送出される状況であった場合、その液相混じりの冷媒Rが圧縮機サイクル運転への切り換えに伴い圧縮機4に吸入される状態になって所謂液バックが生じ、これが原因で圧縮機4の損傷を招く。
特にポンプサイクル運転において過熱度制御を行わず負荷側熱交換器2を湿式の冷媒蒸発器として機能させる場合、この問題は避けられない。
これに対し、圧縮機サイクル運転への切り換えに先立ち上記の如くポンプサイクル運転を通常モードから過熱度確保モードにすると、図10において矢印y−y′で模式的に示すように、冷媒蒸発器としての負荷側熱交換器2から送出される冷媒Rの過熱度SH′を圧縮機サイクル運転への切り換えに先立ち確保する(即ち、気相冷媒Rのみが送出される状態にする)ことができ、これにより、所謂液バックを防止して圧縮機4の損傷を防止することができる。
図11は、冷媒ポンプ8の停止と圧縮機4の起動と冷媒経路の切り換えとを同一のタイミングで行うようにしてポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転へ切り換えた場合の実験結果を示す。
この図11からも判るように、この冷却装置Cでは、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転に切り換えたとき(図8参照)と同様、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転に切り換えたときも、負荷側熱交換器2の出口空気温度(即ち、負荷側熱交換器2から送出される冷却後の負荷側空気IAの温度)が多少上昇するものの数分程度で速やかに元の温度に復帰しており、負荷側熱交換器2での負荷側空気IAの冷却について概ね良好な継続性が確保されている。
また、冷媒蒸発器としての負荷側熱交換器2の冷媒出口における冷媒Rの過熱度SHも確保(SH≧SHm)されており、これにより圧縮機4への液バックが防止される。
なお、図5に示すように、制御器15は、過熱度確保モードの実行下でポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転に切り換えると、その後、数分程度の設定過渡時間Tcが経過するまでは、圧縮機4の駆動周波数を設定制限周波数に保持するともに、膨張弁10の開度及び蒸発圧力調整弁3の開度を設定制限開度に保持する安定化モードを実行する。
つまり、過熱度確保モードの実施で冷媒Rの流量を低下させて負荷側熱交換器2の冷媒出口における過熱度SH′を上昇させた状態から圧縮機サイクル運転へ切り換えたときに、圧縮機サイクル運転における前述のa.過熱度制御、b.圧縮機吸込圧力制御、c.冷却能力制御を直ちに開始すると、過熱度SHが設定過熱度SHsに向って急変するとともに、圧縮機4の吸込圧力psも設定吸込圧力pssに向って急変し、これらの急変が原因で過熱度SH及び吸込圧力psが変動するとともに冷却能力Qが変動して、圧縮機サイクル運転が一時的にせよ不安定になる。
これに対し、圧縮機サイクル運転への切り換え直後は上記安定化モードを実施することで、上記の如き圧縮機サイクル運転の不安定化を防止することができ、切り換え直後における圧縮機サイクル運転を安定化することができる。
前述の如く制御器15は、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えが適切か否か、及び、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えが適切か否かを判定して、圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換えを実行するが、この制御器15は、ポンプサイクル運転では、基本的に外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pc′の計測値に基づいて圧縮機サイクル運転への切り換え(即ち、過熱度確保モードでのポンプサイクル運転を経た圧縮機サイクル運転への切り換え)を決定する。
また、制御器15は、圧縮機サイクル運転では外気OAの温度が低下して前述のd.外気風量制御により凝縮圧力pcが設定下限値pcminに保持されている状況において、基本的に外気ファン13の出力(換言すれば、外気熱交換器5に対する外気OAの通風量fo)に基づいてポンプサイクル運転への切り換えを決定する。
具体的には、ポンプサイクル運転では、図12に示すように、外気熱交換器5における冷媒Rの計測凝縮圧力pc′が設定上限値pcmax′より高くなった(pc′>pcmax′)とき、あるいは、負荷側空気IAの負荷熱量q(必要冷却量)が予め設定されたポンプサイクル運転での最大冷却能力Qmaxより大きくなった(>Qmax)ときに、制御器15は、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えが適切と判定して、過熱度確保モードでのポンプサイクル運転を経た圧縮機サイクル運転への切り換えを実行する。
一方、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えについては、図13に示すように、外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pcが外気風量制御により設定下限値pcminに保たれている状況での外気ファン13の出力(ここでは外気通風量fo)と冷却能力Qと外気温度toとの三者の相関において、境界線L1により画定されるポンプサイクル運転領域D1(境界線L1より下側の領域)を実験や試運転に基づいて予め設定しておく。
そして、圧縮機サイクル運転では、図14に示すように、各時点における計測負荷熱量qと計測外気通風量foとを座標値とする状態点(,fo)が上記ポンプサイクル運転領域D1に入った(,fo∈D1)ときに、制御器15は、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えが適切と判定して、ポンプサイクル運転への切り換えを実行する。
なお、図13において、□ライン、△ライン、○ラインは外気温度toが各々15℃,10℃,5℃であるときの外気通風量foと冷却能力Qとの相関線である。
また、図13において境界線L2により画定される領域D2(境界線L2より下側の領域)は、ポンプサイクル運転が可能な領域であり、境界線L1と境界線L2との間の領域はポンプサイクル運転と圧縮機サイクル運転とのハンチング的な切り換えを防止する不感帯領域にしてある。
つまり、外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pc′を成り行きとするポンプサイクル運転では、図15に示すように、ある時点の外気温度toに対して、外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pc′は、外気熱交換器5における伝熱面が通常であるか、塵埃等で汚れているか、あるいは、降雨等で濡れているかによって異なるものになる。
この為、従前のように外気温度toのみを基準として圧縮サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換え判定を行うのでは、外気熱交換器5における伝熱面が汚れている場合、通常よりも凝縮圧力pc′が上昇していて冷却能力Qが既に不足となっている状況で、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えが行われてしまう虞がある。
また、外気熱交換器5における伝熱面が濡れている場合では逆に、通常よりも凝縮圧力pc′が上昇しておらず冷却能力Qに未だ余裕がある状況で、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えが行われてしまう虞がある。
これに対し、上記の如く外気熱交換器5における冷媒Rの計測凝縮圧力pc′が設定上限値pcmax′より大きくなった(pc′>pcmax′)とき、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えが適切と判定するようにすることで、外気温度toのみを切り換え基準とする従前の方式に比べ、外気熱交換器5における伝熱面の汚れや濡れにかかわらず、常に適切なタイミングでポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転へ切り換えることができる。
図16は、上記のように外気熱交換器5における冷媒Rの計測凝縮圧力pc′に基づいてポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えを行うようにした場合の実験結果を示すが、同図16からも判るように、ポンプサイクル運転では外気熱交換器5における冷媒Rの計測凝縮圧力pc′は外気温度toの上昇に伴って上昇している。そして、その上昇で計測凝縮圧力pc′が設定上限値pcmax′を超えたときに、過熱度確保モードでのポンプサイクル運転を経た圧縮機サイクル運転への切り換えが行われている。
なお、この冷却装置Cでは、前述の図12に示すように、外気熱交換器5における冷媒Rの計測凝縮圧力pc′が設定上限値pcmax′以下(pc′≦pcmax′)の状況でも、負荷熱量q(必要冷却量)が予め設定されたポンプサイクル運転での最大冷却能力Qmaxより大きくなった(q>Qmax)ときには、過熱度確保モードでのポンプサイクル運転を経た圧縮機サイクル運転への切り換えを行うようにしたが、ポンプサイクル運転時において負荷側空気IAの負荷熱量qが比較的安定していて大きく増大することがない場合など、冷却装置Cの使用条件によっては、外気熱交換器5における冷媒Rの計測凝縮圧力pc′のみに基づいて過熱度確保モードでのポンプサイクル運転を経た圧縮機サイクル運転への切り換えを行うようにしてもよい。
一方、図17は、外気温度toが10℃で、圧縮機サイクル運転において前述のd.外気風量制御により外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pcが設定下限値pcminに保持されている状況での外気ファン13による外気通風量foと冷却能力Qと外気熱交換器5における伝熱面状態との相関を示す。
同図17から判るように、圧縮機サイクル運転において外気通風量foの調整により外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pcが設定下限値pcminに保持されている状況では、外気温度toが一定でも、ある時点の外気通風量foに対する冷却能力Qは、外気熱交換器5における伝熱面が通常であるか、塵埃等で汚れているか、あるいは、降雨等で濡れているかによって異なるものになる。
この為、従前のように外気温度toのみを基準として圧縮機サイクル運転とポンプサイクル運転との切り換えを行うのでは、外気熱交換器5における伝熱面が汚れている場合、未だポンプサイクル運転では負荷側空気IAの負荷熱量qを未だ処理できない状況で、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えが行われてしまう虞がある。
また、外気熱交換器5における伝熱面が濡れている場合では逆に、既にポンプサイクル運転でも負荷側空気IAの負荷熱量qを十分に処理できる状況にあるのに、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えが行われない虞がある。
これに対し、上記の如く計測負荷熱量qと計測外気通風量foとを座標値とする状態点(,fo)が予め設定したポンプサイクル運転領域D1に入った(,fo∈D1)とき、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転へ切り換えるようにすることで、外気温度toのみを切り換え基準とする従前の方式に比べ、外気熱交換器5における伝熱面の汚れや濡れにかかわらず、常に適切なタイミングで圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転へ切り換えることができる。
図18は、上記のように計測負荷熱量qと計測外気通風量foとを座標値とする状態点(,fo)の位置に基づいて圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えを行うようにした場合の実験結果を示すが、同図18からも判るように、圧縮機サイクル運転において外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pcを設定下限値pcminに保つように外気ファン13による外気通風量foを調整している状況では、その外気通風foは外気温度toの低下にともなって低下している。そして、その外気通風量foの低下で計測負荷熱量qと計測外気通風量foとを座標値とする状態点(,fo)が予め設定したポンプサイクル運転領域D1に入った(,fo∈D1)ときに、圧縮機サイクル運転からポンプサイクル運転への切り換えが行われている。
上述の例では、制御器15は外気熱交換器5における冷媒Rの計測凝縮圧力pc′が設定上限値pcmax′より大きくなった(pc′>pcmax′)ときに、過熱度確保モードでのポンプサイクル運転を経た圧縮機サイクル運転への切り換えが適切と判定して、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えを実行するように構成したが、これに代えて、制御器15はポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換え判定を次のように行うものにしてもよい。
図19に示すように、ポンプサイクル運転では外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pc′、及び、負荷側熱交換器2における冷媒Rの蒸発圧力pe′の夫々と、冷却装置Cの冷却能力Q(即ち、負荷側熱交換器2での負荷側空気IAの冷却量)との間に、特定の関係式(例えば、図中の式1や式2など)により表すことができる相関がある。
このことから、外気熱交換器5における冷媒Rの凝縮圧力pc′又は負荷側熱交換器2における冷媒Rの蒸発圧力pe′を計測して、その計測値に対応する冷却能力Q(即ち、その時点におけるポンプサイクル運転での冷却能力)を制御器15に演算させるようにする。
そして、図20に示すように、その演算した冷却能力Qを判定用冷却能力Qsとして逐次設定させ、これに対して、負荷熱量q(即ち、必要冷却量)がその時の判定用冷却能力Qsより大きくなったときに、ポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えが適切と判定して、過熱度確保モードでのポンプサイクル運転を経た圧縮機サイクル運転への切り換えを実行するように、また、その切り換え後、設定過渡時間Tcの間は安定化モードで圧縮機サイクル運転を実施するように、制御器15を構成してもよい。
即ち、このように制御器15を構成しても、外気温度toのみを切り換え基準とする従前の方式に比べ、外気熱交換器5における伝熱面の汚れや濡れにかかわらず、常に適切なタイミングでポンプサイクル運転から圧縮機サイクル運転への切り換えを行うことができる。
なお、上記の例では、負荷媒体として負荷側空気IAを負荷側熱交換器2で冷却する冷却装置Cを示したが、本発明は、各種気体を負荷側熱交換器2で冷却する負荷媒体とする場合に限らず、水などの各種液体を負荷側熱交換器2で冷却する負荷媒体とする場合や、物品や原材料などの各種固体を負荷側熱交換器2で冷却する負荷媒体とする場合などにも適用することができる。
本発明による圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置は、各種分野において種々の負荷媒体を冷却するのに利用することができる。
8 冷媒ポンプ
4 圧縮機
5 外気熱交換器
10 膨張弁
2 負荷側熱交換器
R 冷媒
1 冷媒循環路
CW 冷却用熱媒
7 冷媒冷却器
15 制御器
SH 過熱度
SHm 設定許容値
Tc 設定過渡時間

Claims (4)

  1. 運転停止した冷媒ポンプを迂回させる状態で圧縮機と外気熱交換器と膨張弁と負荷側熱交換器との順に冷媒を前記圧縮機により循環させる圧縮機サイクル運転と、
    運転停止した前記圧縮機を迂回させる状態で前記冷媒ポンプと前記負荷側熱交換器と前記外気熱交換器との順に冷媒を前記冷媒ポンプにより循環させるポンプサイクル運転との切り換え実施が可能な冷媒循環路を設け、
    前記圧縮機サイクル運転では、前記外気熱交換器において冷媒を凝縮させることで外気に放熱し、これに併行して、前記負荷側熱交換器において冷媒を蒸発させることで負荷媒体を冷却し、
    前記ポンプサイクル運転では、前記外気熱交換器において冷媒を低温外気と熱交換させることで、冷媒を冷却して凝縮させるとともに外気に放熱し、これに併行して、前記負荷側熱交換器において冷媒を負荷媒体と熱交換させることで、冷媒を加熱して蒸発させるとともに負荷媒体を冷却する圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置であって、
    前記ポンプサイクル運転において前記冷媒ポンプが吸入する冷媒を冷却用熱媒と熱交換させて冷却する冷媒冷却器を、前記冷媒循環路における前記外気熱交換器と前記冷媒ポンプとの間に介装してある圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置。
  2. 前記圧縮機サイクル運転と前記ポンプサイクル運転との切り換えを実行する制御器を設け、
    この制御器は、前記圧縮機サイクル運転と前記ポンプサイクル運転との切り換えにおいて、前記圧縮機の起動・停止と前記冷媒ポンプの起動・停止と前記冷媒循環路における冷媒経路の切り換えとを同一のタイミング又はほぼ同一のタイミングで行う構成にしてある請求項1記載の圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置。
  3. 前記圧縮機サイクル運転と前記ポンプサイクル運転との切り換えを実行する制御器を設け、
    この制御器は、前記ポンプサイクル運転から前記圧縮機サイクル運転に切り換えるとき、前記冷媒ポンプの出力を低下させることで前記負荷側熱交換器の冷媒出口における冷媒の過熱度を高める過熱度確保モードで前記ポンプサイクル運転を実施し、
    この過熱度確保モードでの前記ポンプサイクル運転において、前記負荷側熱交換器の冷媒出口における冷媒の過熱度が設定許容値に上昇したときに、又は、設定時間が経過したときに、前記ポンプサイクル運転から前記圧縮機サイクル運転への切り換えを行う構成にしてある請求項1又は2記載の圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置。
  4. 前記制御器は、前記ポンプサイクル運転から前記圧縮機サイクル運転に切り換えた後、設定過渡時間が経過するまでは、前記圧縮機の出力を制限するとともに前記膨張弁の開度を設定制限開度に保持する安定化モードで前記圧縮機サイクル運転を実施し、
    前記設定過渡時間が経過したとき前記圧縮機サイクル運転における前記安定化モードを解除する構成にしてある請求項3記載の圧縮機/ポンプ切換式の冷却装置。
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