JP2016017714A - 耐熱ケース及びその使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炉内部品の酸化を抑制することができる耐熱ケース及びその使用方法を提供する。【解決手段】装置を収納するように構成されている内部容器1と、内部容器1を収納し、ガス抜き孔を有する外部容器2と、内部容器1と外部容器2との間に配置されており、多孔質材からなる、内側部材3と、内側部材3と外部容器2との間に配置されており、断熱材からなる、外側部材4と、を備えており、内側部材3は、常温で液体である有機化合物を含有していることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、耐熱ケース及びその使用方法に関するものである。
従来、炉内の状態又は炉内に配置された被測定物の状態を計測する測定装置は、耐熱ケースに収納されて炉内に投入されるようになっていた。そして、測定装置が収納される耐熱ケースの温度上昇を抑制するために、例えば、特許文献1に示されるように、耐熱ケースは、水を含んだ耐火物を備えており、その水の蒸発熱を利用するようになっていた。
特開2000−130961号公報
ここで、真空加熱炉や真空浸炭熱処理炉において特許文献1に示される耐熱ケースを使用する場合、耐熱ケースの耐火物から発生する水蒸気が炉内に放散されることによって、炉内部品が酸化雰囲気にさらされるという課題がある。特に、炉内部品がグラファイト(黒鉛)等で形成されている場合、グラファイトが、酸化雰囲気中で酸化し、減量する(ガス化する)、という課題がある。
そこで、本発明は、炉内部品の酸化を抑制することができる、耐熱ケース及びその使用方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様は、
装置を収納するように構成されている内部容器と、
前記内部容器を収納し、ガス抜き孔を有する外部容器と、
前記内部容器と前記外部容器との間に配置されており、多孔質材からなる、内側部材と、
前記内側部材と前記外部容器との間に配置されており、断熱材からなる、外側部材と、を備えており、
前記内側部材は、常温で液体である有機化合物を含有していることを特徴とする。
前記構成によれば、内側部材が有機化合物を含有しているので、内側部材が水を含有している場合と比べて、蒸発時において発生する酸素量を低減することができ、その結果、炉内部品の酸化を抑制することができる。
前記第1態様は、更に、次のような構成を備えるのが好ましい。
(1)前記有機化合物はアルコール類である。
(2)前記構成(1)において、前記有機化合物はメタノールである。
前記構成(1)は、有機化合物の具体的な例であり、入手が容易なアルコール類を用いることによって、内側部材に含有させる際の取り扱いを容易とすることができる。
前記構成(2)によれば、メタノールは蒸発潜熱が他の有機化合物と比べて大きいので、内側部材が他の有機化合物を含有する場合と比べて、蒸発によって吸収できる熱量が大きい。その結果、内側部材がメタノールを含有していると、耐熱ケースの使用可能時間を長くすることができる。
本発明の第2態様は、第1態様の耐熱ケースの使用方法において、
前記耐熱ケースを炉内に配置し、
前記炉内における雰囲気ガスを測定することによって、前記内側部材に含有される有機化合物の減少を検知することを特徴とする。
前記構成によれば、内側部材に含有される有機化合物の減少を検知することによって、耐熱ケースの使用可能時間を把握することができる。
前記第2態様は、更に、次のような構成を備えるのが好ましい。
(3)測定される雰囲気ガスは、前記耐熱ケース内又は前記炉内における前記耐熱ケース近傍から抽出される。
前記構成によれば、耐熱ケース内又は耐熱ケース近傍の雰囲気ガスを測定するので、場所を特定せずに炉内雰囲気ガスを測定する場合と比べて、内側部材に含有される有機化合物の減少をより精度良く検知できる。その結果、耐熱ケースの使用可能時間をより精度良く把握できる。
本発明の第3態様は、前記構成(1)又は(2)の耐熱ケースの使用方法において、
前記耐熱ケースを炉内に配置し、
前記炉内に炭化水素系ガスを導入することを特徴とする。
前記構成によれば、アルコール類やメタノールの蒸発によって発生する水蒸気を炉内の炭化水素系ガスによって一酸化炭素や水素等に変換することができるので、炉内部品の酸化をより抑制することができる。
要するに、本発明によると、炉内部品の酸化を抑制することができる、耐熱ケース及びその使用方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る耐熱ケースの使用状態を示す概略断面図である。 グラファイトのガス化反応についての温度と平衡定数との関係を示すグラフである。 ワークおよび耐熱ケースが炉から取り外されて油槽内で冷却されている様子を示す概略断面図である。 耐熱ケースの使用方法の別の実施形態を示す概略断面図である。 耐熱ケースの使用方法に収納された測定装置を用いた測定方法の別の実施形態を示す概略断面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る耐熱ケース10の使用状態を示す概略断面図である。耐熱ケース10は、装置(測定装置)11を収納する内部容器1と、内部容器1を収納する外部容器2と、内部容器1と外部容器2との間に配置されており、多孔質材からなる、内側部材3と、内側部材3と外部容器2との間に配置されており、断熱材からなる外側部材4と、を備えている。
内部容器1は、内部容器1内に測定装置11を入れた後、密封できるようになっている。内部容器1が外部から真空あるいは炭化水素系ガスで加圧された場合でも、内部容器1の内部と外部との差圧によって変形しない構造を、内部容器1は有している。また、内部容器1を耐熱ケース10内に収納するため、内側部材3と外側部材4は、互いに分離できるようになっている。具体的には、内側部材3は、本体3aおよび蓋3bを備えており、外側部材4も、本体4aおよび蓋4bを備えている。
外部容器2は、それぞれフランジを有する本体2aおよび蓋2bを備えている。蓋2bは、外部容器2内に蓄積するガスを外部容器2外に放出するためのガス抜き孔6を有している。本体2aおよび蓋2bのフランジを合わせることによってフランジ部8が形成されると、ガス化した有機化合物がガス抜き孔6以外から放出されないように外部容器2がシールされる。外部容器2は、例えば、円筒形状を有しており、測定装置11の種類にもよるが、例えば測定装置11が温度測定装置の場合、直径16cm程度及び高さ20cm程度の大きさを有している。
測定装置11を収納した耐熱ケース10は、炉12の内部に投入され、その状態で、測定装置11は、炉12内の状態又は炉12内に配置された被計測物7の状態を計測する。炉12は、例えば、真空加熱炉又は真空浸炭熱処理炉であり、炉内温度は900〜1000℃程度である。炉12の加熱部等には、耐熱性の高いグラファイト等の炉内部品が使用されている。
測定装置11は、例えば温度測定装置であり、測定装置11には熱電対9が接続されている。熱電対9は、コンプレッションフィッティング5を介して炉12内に配置された被計測物7に接続されており、測定装置11は、被計測物7の温度を測定するようになっている。
炉12は、炉内の雰囲気ガスを排出および抽出するための排気管13を有しており、排気管13の一端部は、開口して炉内に位置しており、他端部は、真空ポンプ14に接続されている。真空ポンプ14の排出側には、抽出された炉内雰囲気ガスを分析するための分析装置15が設けられている。また、排気管13上には、排気管13を開閉するバルブ16が設けられている。
内側部材3の多孔質材は、例えば、石こう材であり、常温で液体である有機化合物を含有している。そして、耐熱ケース10は、高温雰囲気にさらされた際、多孔質材内に含有されている有機化合物の蒸発によって内部容器1の温度上昇を抑制することができるようになっている。
また、外側部材4の断熱材は、例えばボード状であり、マイクロサーム(登録商標)のような断熱性の高い材料が好ましい。外側部材4は、内側部材3を炉12内の熱から守ることによって、有機化合物が過度に蒸発しないようにしている。また、外側部材4は通気性を有するので、内側部材3から蒸発した有機化合物が外側部材4を通過し、外部容器2に設けられたガス抜き孔6から排出される。
また、ガス抜き孔6は、例えば直径0.6mm程度の小さな孔であり、外部容器2内で気化した有機化合物の排出量を適度に制限することによって、有機化合物の蒸発量を抑制して、測定装置11を長時間使用できるようにしている。また、ガス抜き孔6は、外部容器2内で気化した有機化合物を適度に排出することによって、外部容器2の内圧が高まることによって外部容器2が変形することを防止している。
内側部材3に含有される有機化合物は、沸点が50℃〜120℃の炭化水素、例えばトルエンやアルコール類等が好ましく、特に、メタノールが好ましい。蒸発したメタノールは、耐熱ケース10内で、又は、耐熱ケース10外且つ炉12内で、主に、以下の反応によって熱分解が進むようになっている。
CHOH→CO+2H (1)
2CHOH→CO+CH+2H (2)
2CHOH→CO+HO+CH+H (3)
内側部材3に含有される有機化合物として、メタノール以外の有機化合物、アルコール類を利用できる。メタノール以外の有機化合物、アルコール類の場合、外部容器2内に発生する雰囲気は、大部分がCO、CO、HO、Hおよび炭化水素で構成された雰囲気となる。ただし、この雰囲気における成分の分圧はメタノールとは異なっている。
メタノールは、沸点が水と比べて低く(60℃程度)蒸発しやすいものの、蒸発潜熱は水の約半分と他の有機化合物に比べて大きい。さらに、メタノールは、酸化性物質を生成しない式(1)の反応が大きな吸熱反応(約98kJ/kg)を示す。したがって、メタノールは、内側部材3に含有される有機化合物として好ましい。
なお、式(2)、式(3)の反応が進んだ場合には、水蒸気や二酸化炭素が炉12内に発生し、炉内部品が酸化されやすくなる。しかし、その場合でも、内側部材3が水を含有する場合と比べれば、発生する水蒸気等の量が非常に少ないので、炉内部品の酸化を抑制することができる。
炉12の炉内部品はグラファイトを有しており、グラファイトは、酸化雰囲気中にさらされるとガス化する。グラファイトのガス化については、式(4)〜式(7)に示される反応によって決定される。すなわち、O、CO、HOの多い雰囲気では、グラファイトのガス化は促進され、COの多い雰囲気では、グラファイトのガス化は抑制される。
C+O⇔CO (4)
C+2H⇔CH (5)
C+HO⇔CO+H (6)
C+CO⇔2CO (7)
図2は、式(4)〜式(7)の反応についての温度と平衡定数との関係を示すグラフである。図2は、1996年9月20日発行の「新・炭素材料入門」に記載されたグラフを転記したものである。
図2から以下のことがわかる。
・Oによるグラファイトのガス化反応はどの温度領域においても熱力学的に生じやすいが、Hによるグラファイトのガス化反応は、高温になるにしたがい生じにくくなっている。
・HOやCOによるグラファイトのガス化反応は、Oによるグラファイトのガス化反応に比べ、生じにくいものではあるが、高温になると生じ得るものとなっている。
上述したように、内側部材3がメタノールを含有する場合、メタノールの蒸発によって、式(4)の右方向への反応が促進されることはない。しかし、メタノールの蒸発によって、式(6)及び式(7)の右方向への反応が進むことが考えられる。
上記を考慮して、炉12内に炭化水素系ガス(例えば、プロパン等のエンリッチガス)を導入する。プロパンガスは、式(8)の反応によってHOと反応するようになっている。
+3HO→3CO+7H (8)
プロパンガス(C)以外の炭化水素ガス(C:n、mは整数)でもプロパンガスと同様に、HOと反応し、COガスおよびHガスを生成する。
したがって、プロパンガスを炉内に導入することによって、メタノールの蒸発によって生じたHOをCO及びHに転化することができ、炉内雰囲気の酸化をより抑制することができる。また、過剰に炉12内に導入された炭化水素系ガスの一部は、上述したようにCOやHOと反応するが、導入された炭化水素系ガスの大部分は、部分的に熱分解されたCHをはじめとする炭化水素系ガスのまま残存する。このため、式(5)の右側への反応が抑制され、炉内部品のガス化が抑制される。
前記構成の耐熱ケース10によれば、次のような効果を発揮できる。
(1)内側部材3が有機化合物を含有しているので、内側部材3が水を含有する場合と比べて、蒸発時に発生する酸素量を低減することができる。その結果、炉12の炉内部品の酸化を抑制することができる。
(2)内側部材3がアルコール類を含有しているので、内側部材3が水を含有する場合と比べて、蒸発時に発生する酸素量を低減することができる。その結果、炉12の炉内部品の酸化を抑制することができる。また、アルコール類を用いることによって、内側部材3に含有させる際の取り扱いを容易とすることができる。
(3)内側部材3はメタノールを含有しており、メタノールの蒸発潜熱は他の有機化合物の蒸発潜熱と比べて大きいので、内側部材3が他の有機化合物を含有する場合と比べて、蒸発によって吸収できる熱量が大きい。その結果、内側部材3がメタノールを含有していると、耐熱ケースの使用可能時間を長くすることができる。
(4)耐熱ケース10は、適正な孔径のガス抜き孔6を有しているので、ガス抜き孔6からガスを放出することによって、外部容器2の内部の圧力上昇による外部容器2の破損を防止し、かつ耐熱ケース10からの有機化合物の蒸発放散量を適正に保つことができる。
次に、耐熱ケース10の使用方法について説明する。測定装置11は、温度測定装置とし、炉12で真空加熱処理されるワーク(被計測物)7の温度を測定することとする。
まず、一端部が測定装置11に接続された熱電対9の他端部を、温度を測定するワーク7に接続する。
次に、ワーク7と耐熱ケース10とを、炉12内に投入する。そして、真空ポンプ14によって炉12内の真空状態とした後、炉12内に一定量の炭化水素系ガスであるプロパンガスを導入する。その後、炉12内の温度を上昇させて、炉12内にてワーク7の真空加熱処理を行う。
同時に、真空ポンプ14によって炉12内の雰囲気ガスを抽出し、分析装置15おいて、当該ガスのガス分析を行う。ガス分析では、雰囲気ガス中に含まれるCO及びCHの濃度を測定する。CO及びCHの濃度の低下は、内側部材3に含有されるメタノールの減少を意味する。内側部材3に含有されるメタノールが減少していくと、メタノールの蒸発による内部容器1の温度上昇を抑制することが困難となるので、CO及びCHの濃度の測定によって、耐熱ケース10の使用可能時間が把握される。例えば、耐熱ケース10の使用可能時間を、CO及びCHの濃度の低下を検知後所定時間(例えば10分間)と設定することができる。
図3は、ワーク7および耐熱ケース10が炉12から取り外されて油槽20内で冷却されている様子を示す概略断面図である。真空加熱処理が終了すると、ワーク7および耐熱ケース10を、炉12から取り出して、油槽20の冷却油内に浸漬させて冷却する。上述したように、耐熱ケース10にはガス抜き孔6が設けられているため、ガス抜き孔6からは、耐熱ケース10が冷えるまで、耐熱ケース10内で蒸発し続ける有機化合物ガスが放出される。なお、冷却が開始されると直ちに外部容器2が冷やされるが、断熱材(外側部材4)の効果によって外部容器2内の温度は直ぐには低下しない。また、上述したように、ガス抜き孔6の径は小さいので、直ぐに外部容器2内のガスがなくなってしまうこともない。したがって、ガス抜き孔6から冷却油が耐熱ケース10内に浸入することはない。
耐熱ケース10の前記使用方法によれば、次のような効果を発揮できる。
(1)真空ポンプ14によって炉内雰囲気ガスを吸入し、分析装置15によってガス分析を行い、内側部材3に含有される有機化合物の減少を検知することによって、耐熱ケース10の使用可能時間を把握することができる。
(2)炉内に炭化水素系ガス、例えばプロパンガスを導入することによって、メタノール等の蒸発によって発生する水蒸気を一酸化炭素や水素等に変換することができ、炉内部品の酸化をより抑制することができる。
上記実施形態では、炉内の内壁近傍から炉内雰囲気ガスの抽出を行っているが、耐熱ケース10近傍又は耐熱ケース10内の雰囲気ガスを真空ポンプ14によって抽出し、分析装置15で当該ガスのガス分析を行っても良い。図4は、耐熱ケース10近傍、特にガス抜き孔6近傍の雰囲気ガスを抽出し、分析することを示す概略断面図であり、図5は、耐熱ケース10内の雰囲気ガスを抽出し、分析することを示す概略断面図である。図5では、炉12は、排気管13、真空ポンプ14、およびバルブ16の他に、サンプリング管17、サンプリングポンプ18、およびバルブ19を備えており、分析装置15は真空ポンプ14の代わりにサンプリングポンプ18に接続されている。サンプリング管17はガス抜き孔6の中途部に接続されており、ガス抜き孔6から排出される耐熱ケース10内の雰囲気ガスは、炉12内に放出されると共に、サンプリング管17を介してサンプリングポンプ18に直接吸引される。つまり、図5の炉12では、真空ポンプ14は炉12からの炉内雰囲気ガスの排出を担当し、サンプリングポンプ18は耐熱ケース10内の雰囲気ガスの抽出を担当している。図4及び図5に示される構成によれば、耐熱ケース10から放散される、又は、耐熱ケース10内の、蒸発したメタノールの熱分解による生成物の検出を、より精度良く行うことができる。そして、内側部材3に含有されるメタノールの減少をより正確に検知することができる。その結果、炉内の内壁近傍から雰囲気ガスを抽出する場合(図1に示される場合)と比べてより精度良く、耐熱ケースの使用可能時間を把握できる。特に、図5に示される構成によれば、耐熱ケース10から放散される蒸発したメタノールによる生成物が炉内のガスと混合する前に抽出、分析するので、当該生成物の検出の精度を向上させることができ、内側部材3に含有されるメタノールの減少の検知もより正確となる。なお、図5に示される構成の場合、ワーク7を図3に示されるように油冷するには、炉12内の高温環境下でガス抜き孔6をサンプリング管17から分離する必要がある。一方、炉12の内部に冷却ガスを導入することによってワーク7を冷却する手法(ガス冷却)では、ガス抜き孔6をサンプリング管17から分離する必要がない。このため、図5に示される構成には、ガス冷却が適している。
上記実施形態では、炉12は、真空加熱炉又は真空浸炭熱処理炉を例として説明したが、本発明は、それらに限定されず、一般の加熱炉、熱処理炉にも適用できる。本発明は、無酸化熱処理炉など、炉内部品や被測定物が酸化されることによりダメージを受ける熱処理炉に、特に有効である。
上記実施形態では、装置11は、温度測定装置を例として説明したが、それに限定されず、本発明は、様々な測定装置に適用でき、また、測定装置に限定されず、制御装置等、一般の装置にも適用できる。
特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、上記実施形態に対して各種変形及び変更を行うことも可能である。
本発明では、炉内部品の酸化を抑制することができる耐熱ケース及び前記耐熱ケースの使用方法を提供できるので、産業上の利用価値が大である。
1 内部容器
2 外部容器
3 内側部材
4 外側部材
5 コンプレッションフィッティング
6 ガス抜き孔
7 被計測物(ワーク)
8 フランジ部
9 熱電対
10 耐熱ケース
11 装置(測定装置)
12 炉
13 排気管
14 真空ポンプ
15 分析装置
16 バルブ
17 サンプリング管
18 サンプリングポンプ
19 バルブ
20 油槽

Claims (6)

  1. 装置を収納するように構成されている内部容器と、
    前記内部容器を収納し、ガス抜き孔を有する外部容器と、
    前記内部容器と前記外部容器との間に配置されており、多孔質材からなる、内側部材と、
    前記内側部材と前記外部容器との間に配置されており、断熱材からなる、外側部材と、を備えており、
    前記内側部材は、常温で液体である有機化合物を含有していることを特徴とする、耐熱ケース。
  2. 前記有機化合物はアルコール類である、請求項1記載の耐熱ケース。
  3. 前記有機化合物はメタノールである、請求項2記載の耐熱ケース。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の耐熱ケースの使用方法において、
    前記耐熱ケースを炉内に配置し、
    前記炉内における雰囲気ガスを測定することによって、前記内側部材に含有される有機化合物の減少を検知することを特徴とする、使用方法。
  5. 測定される雰囲気ガスは、前記耐熱ケース内又は前記炉内における前記耐熱ケース近傍から抽出される、請求項4記載の使用方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の耐熱ケースの使用方法において、
    前記耐熱ケースを炉内に配置し、
    前記炉内に炭化水素系ガスを導入することを特徴とする、使用方法。
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