JP2016017150A - 研磨剤及び基体の研磨方法 - Google Patents

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友洋 岩野
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奈央 山村
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Toshiaki Akutsu
利明 阿久津
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Tetsuro Yamashita
哲朗 山下
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雅子 小泉
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Abstract

【課題】4価金属元素の水酸化物の粒子及びアルカリを同時に含有しても粒子が凝集しない研磨剤及び基体の研磨方法を提供する。【解決手段】水と、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒と、特定の式で表される構造を有する化合物又はイノシトールと、アルカリとを含有する、研磨剤。特定の式で表される構造を有する化合物又はイノシトールの含有量が、前記4価金属元素の水酸化物を含む砥粒の含有量の0.1倍以上である、前記の研磨剤。前記4価金属元素が4価セリウムである、前記の研磨剤。【選択図】なし

Description

本発明は、研磨剤及び基体の研磨方法に関する。特に、本発明は、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)用の研磨剤及び基体の研磨方法に関する。
近年、半導体素子の製造工程では、更なる配線の微細化を達成することが求められており、研磨時に発生する研磨傷が問題となっている。例えば、従来の酸化セリウム系研磨剤を用いて研磨を行った際に微小な研磨傷が発生しても、この研磨傷の大きさが従来の配線幅より小さいものであれば問題にならなかったが、更なる配線の微細化を達成しようとする場合には、研磨傷が微小であっても問題となってしまう。
この問題に対し、4価金属元素の水酸化物の粒子を用いた研磨剤が検討されている(例えば、下記特許文献1〜3参照)。また、4価金属元素の水酸化物の粒子の製造方法についても検討されている(例えば、下記特許文献4、5参照)。これらの技術は、4価金属元素の水酸化物の粒子が有する化学的作用を活かしつつ機械的作用を極力小さくすることによって、粒子による研磨傷を低減しようとするものである。
ところで、研磨液の供給形態として、砥粒、添加剤及び水を少なくとも含む一液式研磨剤や、スラリ(第一の液)と添加液(第二の液)とを混合して研磨剤となるように研磨剤の構成成分をスラリと添加液とに分けた二液、または三液式の研磨剤セットが用いられる。一液式研磨剤を使用すれば、研磨剤の管理を容易にしたり、研磨液を希釈/供給するタンクの数を減らしたりすることが可能である。
国際公開第2002/067309号 国際公開第2012/070541号 国際公開第2012/070542号 特開2006−249129号公報 国際公開第2012/070544号
4価金属元素の水酸化物の粒子を用いて絶縁材料やポリシリコンを高速で研磨する場合、アンモニア等のアルカリで研磨剤のpHを上昇させる必要がある。4価金属元素の水酸化物とアルカリの両者を含有して保管する一液式研磨剤にしても粒子の凝集を抑制出来ることが求められているが、4価金属元素の水酸化物の粒子はアンモニア等のアルカリと混合すると粒子の凝集が生じる傾向にあり、粒子を含有するスラリ(第一の液)とアルカリを含有する添加液(第二の液)とを混合して研磨剤となるように研磨剤の構成成分をスラリと添加液とに分けた二液式の研磨剤セットで保存する必要があった。
本発明は、上記課題を解決しようとするものであり、4価金属元素の水酸化物の粒子及びアルカリを同時に含有しても粒子が凝集しない研磨剤及び基体の研磨方法を提供することを目的とする。
本発明者は、下記式(1)に示す構造を有する化合物またはイノシトールを使用することにより4価金属元素の水酸化物を含む砥粒とアルカリを同時に含有しても粒子の凝集を防げることを見出した。
Figure 2016017150
(式(1)中、Rは水素原子またはC=1〜6の炭化水素基からなる群より選ばれる1種を示し、少なくとも1つ以上は水素原子である。nは3〜7の整数である。)
すなわち、本発明は、水と、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒と、前記式(1)に示す化合物又はイノシトールと、アルカリとを含有する、研磨剤を提供する。本発明に係る研磨剤によれば、砥粒の凝集を防ぐことが出来る。
前記式(1)に示す化合物又はイノシトールの含有量は、前記4価金属元素の水酸化物を含む砥粒の含有量に対して0.1倍以上であることが好ましい。これにより、砥粒の凝集を防ぐことが出来る。
前記4価金属元素は、4価セリウムであることが好ましい。これにより、被研磨面における研磨傷の発生を抑制できる。
本発明の一態様は、酸化珪素、窒化珪素又はポリシリコンを含む被研磨面の研磨への前記研磨剤の使用に関する。すなわち、本発明に係る研磨剤は、酸化珪素、窒化珪素またはポリシリコンを含む被研磨面を研磨するために使用されることが好ましい。
本発明は、前記研磨剤を用いて基体の被研磨面を研磨する工程を備え、前記被研磨面が酸化珪素、窒化珪素またはポリシリコンを含む、基体の研磨方法を提供する。このような基体の研磨方法によれば、本発明に係る研磨剤と同様の上記効果を得ることができる。
本発明によれば、4価金属元素の水酸化物の粒子及びアルカリを同時に含有しても粒子が凝集しない研磨剤及び基体の研磨方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る研磨剤、及び、前記研磨剤を用いた基体の研磨方法について詳細に説明する。
<定義>
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において、「研磨速度(Polishing Rate)」とは、単位時間当たりに材料が除去される速度(除去速度=Removal Rate)を意味する。
<研磨剤>
本実施形態に係る研磨剤は、研磨時に被研磨面に触れる組成物であり、例えばCMP用研磨剤である。具体的には、本実施形態に係る研磨剤は、水と、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒と、下記式(1)に示す化合物又はイノシトールと、アルカリとを少なくとも含有する。本実施形態に係る研磨剤によれば、砥粒の凝集を防ぐことが出来る。以下、必須成分、及び、任意に添加できる成分について説明する。
Figure 2016017150
(式(1)中、Rは水素原子又はC=1〜6の炭化水素基からなる群より選ばれる1種を示し、少なくとも1つ以上は水素原子である。nは3〜7の整数である。)
(砥粒)
本実施形態に係る研磨剤は、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒を含有する。前記4価金属元素の水酸化物を含む砥粒は、シリカ又はセリアからなる従来の砥粒と比較して、絶縁材料(例えば酸化珪素)との反応性が高く、絶縁材料を高研磨速度で研磨できる。本実施形態に係る研磨剤において、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒と併用することのできる他の砥粒としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、セリア粒子等が挙げられる。また、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒として、4価金属元素の水酸化物粒子とシリカ粒子との複合粒子等を用いることもできる。
前記砥粒における前記4価金属元素の水酸化物の含有量の下限は、砥粒の全質量を基準として80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましく、98質量%以上が特に好ましく、99質量%以上が極めて好ましい。前記砥粒は、研磨剤の調製が容易であると共に研磨特性に更に優れる観点から、前記4価金属元素の水酸化物からなる(実質的に砥粒の100質量%が前記4価金属元素の水酸化物である)ことが好ましい。
4価金属元素の水酸化物は、絶縁材料を更に高速に研磨すると共に被研磨面における研磨傷の発生を抑制する観点から、希土類元素の水酸化物及びジルコニウムの水酸化物からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。4価金属元素は、窒化珪素を更に高速に研磨すると共に被研磨面における研磨傷の発生を更に抑制する観点から、希土類元素が好ましい。4価を取り得る希土類元素としては、セリウム、プラセオジム、テルビウム等のランタノイドなどが挙げられ、入手が容易であると共に酸化珪素や窒化珪素の研磨速度に更に優れる観点から、セリウム(4価セリウム)がより好ましい。希土類元素の水酸化物とジルコニウムの水酸化物とを併用してもよく、希土類元素から二種以上を選択して使用することもできる。
4価金属元素の水酸化物を含む砥粒を作製する方法としては、4価金属元素を含む塩と、アルカリ(以下、アルカリ液とも表す)とを混合する手法が使用できる。この方法は、例えば、「希土類の科学」[足立吟也編、株式会社化学同人、1999年]304〜305頁に説明されている。また、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒を作製する方法としては、前記特許文献5に記載の砥粒を用いてもよい。
4価金属元素を含む塩としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、M(SO、M(NH(NO、M(NH(SO(Mは希土類元素を示す。)、Zr(SO・4HO等が挙げられる。Mとしては、化学的に活性なセリウム(Ce)が好ましい。
アルカリ液としては、従来公知のものを特に制限なく使用できる。アルカリ液中の塩基性化合物としては、イミダゾール、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、グアニジン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、ピロリジン、キトサン等の有機塩基;アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等の無機塩基などが挙げられる。これらのうち、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、アンモニア及びイミダゾールからなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、イミダゾールがより好ましい。
前記方法で合成された4価金属元素の水酸化物を含む砥粒は、洗浄して金属不純物を除去できる。砥粒の洗浄方法としては、遠心分離等で固液分離を数回繰り返す方法などが使用できる。また、遠心分離、透析、限外濾過、イオン交換樹脂等によるイオンの除去などの工程で砥粒を洗浄することもできる。
前記で得られた砥粒が凝集している場合、適切な方法で砥粒を水中に分散させることが好ましい。主な分散媒である水に砥粒を分散させる方法としては、通常の撹拌機による分散処理の他に、ホモジナイザ、超音波分散機、湿式ボールミル等を用いた機械的な分散処理などが挙げられる。分散方法及び粒径制御方法については、例えば、「分散技術大全集」[株式会社情報機構、2005年7月]第三章「各種分散機の最新開発動向と選定基準」に記述されている方法を用いることができる。また、前記洗浄処理を行って、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒を含有する分散液の電気伝導度を下げる(例えば500mS/m以下)ことによっても、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒の分散性を高めることができる。そのため、前記洗浄処理を分散処理として適用してもよく、前記洗浄処理と分散処理とを併用してもよい。
砥粒の平均粒径の下限は、絶縁材料に対する更に好適な研磨速度を得る観点から、1nm以上が好ましく、2nm以上がより好ましく、3nm以上が更に好ましい。砥粒の平均粒径の上限は、被研磨面に傷がつくことを更に抑制する観点から、300nm以下が好ましく、250nm以下がより好ましく、200nm以下が更に好ましい。上記観点から、砥粒の平均粒径は、1nm以上300nm以下であることがより好ましい。
砥粒の「平均粒径」とは、砥粒の平均二次粒径を意味する。砥粒の平均粒径は、例えば、研磨剤、又は、後述する研磨剤セットにおけるスラリについて、光子相関法で測定できる。具体的には例えば、砥粒の平均粒径は、マルバーン社製の装置名:ゼータサイザー3000HS、ベックマンコールター社製の装置名:N5等で測定できる。N5を用いた測定方法は、下記のとおりである。具体的には例えば、砥粒の含有量を0.2質量%に調整した水分散液を調製し、この水分散液を1cm角のセルに約4mL(Lは「リットル」を示す。以下同じ)入れ、装置内にセルを設置する。分散媒の屈折率を1.33、粘度を0.887mPa・sに調整し、25℃において測定を行い、表示される平均粒径値を砥粒の平均粒径として採用できる。
砥粒の含有量の下限は、絶縁材料に対する更に好適な研磨速度を得る観点から、研磨剤の全質量を基準として0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましい。砥粒の含有量の上限は、研磨剤の保存安定性が高くなる観点から、研磨剤の全質量を基準として20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。上記観点から、砥粒の含有量は、研磨剤の全質量を基準として0.01質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
(添加剤)
本実施形態に係る研磨剤は、添加剤を含有する。ここで、「添加剤」とは、研磨速度、研磨選択性等の研磨特性;砥粒の分散性、保存安定性等の研磨剤特性などを調整するために、水及び砥粒以外に研磨剤が含有する物質を指す。添加剤は、一種類を単独で又は二種類以上を組み合わせて使用できる。
[第一の添加剤]
本実施形態に係る研磨剤は、第一の添加剤として、下記式(1)に示す化合物又はイノシトールを含有する。第一の添加剤は、4価水酸化物粒子の凝集を抑制する効果がある。この効果が得られる理由としては、第一の添加剤が水酸基と4価原子を介して粒子を保護することで、粒子同士の衝突による凝集を防ぐためと推測される。
Figure 2016017150
(式(1)中、Rは水素原子又はC=1〜6の炭化水素基からなる群より選ばれる1種を示し、少なくとも1つ以上は水素原子である。nは3〜7の整数である。)
式(1)中の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、トリル基、イソプロピルフェニル基が挙げられる。
式(1)に示す化合物としては、n=3:グリセリン、n=4:エリトリトール、トレイトール、n=5:リビトール、アラビニトール、キシリトール、n=6:アリトール、イジトール、タリトール、ガラクチトール(別名:ダルシトール)、グルシトール(別名:ソルビトール)、n=7:マンニトール、ボレミトール、ペルセイトール等が挙げられる。
第一の添加剤は、一種類を単独で又は二種類以上を組み合わせて使用できる。
第一の添加剤の含有量の下限は、砥粒の凝集を抑制する観点から、砥粒量に対して0.1倍以上が好ましく、0.2倍以上がより好ましく、0.5倍以上が更に好ましく、1.0倍以上が特に好ましい。第一の添加剤の含有量の上限は、特に制限はないが、溶解度の観点から、研磨剤の全質量を基準として20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。上記観点から、第一の添加剤の含有量は、研磨剤の砥粒量に対して0.1倍以上、全質量を基準として20質量%以下であることがより好ましい。
[第二の添加剤]
本実施形態に係る研磨剤は、第二の添加剤として、アルカリを含有する。第二の添加剤は、研磨剤のpHを高めることで絶縁材料の研磨速度を高める効果がある。
第二の添加剤の含有量の下限は、絶縁材料の研磨速度を高める観点から、砥粒量を基準として0.00001質量%以上が好ましく、0.00005質量%以上がより好ましく、0.0001質量%以上が更に好ましい。第一の添加剤の含有量の上限は、粒子の凝集を防ぐ観点から、研磨剤の全質量を基準として1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましい。上記観点から、第一の添加剤の含有量は、研磨剤の全質量を基準として0.00001質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。
アルカリとしては、スラリのpHを高めることが出来る化合物であれば何でも良いが、スラリのpHを容易に高める観点からpKbが9以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましく、7.5以下であることが更に好ましい。
アルカリとしては、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物や炭酸塩、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物や炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等のアミン類、グアニジン、グアニジン誘導体、イミダゾール等のアゾール類、リシン,アルギニン,ヒスチジン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。
[第三、第四の添加剤]
本実施形態に係る研磨剤は、研磨速度等の研磨特性;砥粒の分散性、保存安定性等の研磨剤特性などを調整する目的で、前記第一、第二の添加剤の他に、第三の添加剤、第四の添加剤を更に含有していてもよい。
第三の添加剤としては、カルボン酸、前記塩基性アミノ酸以外のアミノ酸等が挙げられる。これらは、一種類を単独で又は二種類以上を組み合わせて使用できる。これらの化合物を用いることにより、砥粒の分散性及び研磨特性のバランスが向上する。
カルボン酸は、pHを安定化させると共に絶縁材料の研磨速度を更に向上させる効果がある。カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸等が挙げられる。
アミノ酸は、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒の分散性を向上させ、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる効果がある。アミノ酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、プロリン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、グリシン、α−アラニン、β−アラニン、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、イソロイシン等が挙げられる。
第三の添加剤を使用する場合、第三の添加剤の含有量の下限は、砥粒の沈降を抑制しつつ第三の添加剤の添加効果を得る観点から、研磨剤の全質量を基準として0.001質量%以上が好ましく、0.002質量%以上がより好ましく、0.003質量%以上が更に好ましい。第三の添加剤の含有量の上限は、砥粒の沈降を抑制しつつ第三の添加剤の添加効果を得る観点から、研磨剤の全質量を基準として10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましい。上記観点から、第三の添加剤の含有量は、研磨剤の全質量を基準として0.001質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
第四の添加剤としては、陽イオン性ポリマが挙げられる。陽イオン性ポリマは、一種類を単独で又は二種類以上を組み合わせて使用できる。
陽イオン性ポリマは、窒化珪素に対する酸化珪素の研磨選択性(酸化珪素の研磨速度/窒化珪素の研磨速度)、ポリシリコンに対する酸化珪素の研磨選択性(酸化珪素の研磨速度/ポリシリコンの研磨速度)を向上させる効果がある。「陽イオン性ポリマ」とは、カチオン基、又はカチオン基にイオン化され得る基を、主鎖又は側鎖に有するポリマとして定義される。カチオン基としては、例えばアミノ基、イミノ基、シアノ基等が挙げられる。
陽イオン性ポリマとしては、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド等のアクリル系ポリマ;ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン類等のアミンポリマ;キトサン、キトサン誘導体等の多糖類;これらの化合物を構成する単量体を単量体成分として含む組成物を重合させて得られる単独重合体及び共重合体などが挙げられる。前記共重合体としては、アクリルアミドを単量体成分として含む組成物を重合させて得られる共重合体が好ましい。前記陽イオン性ポリマの中でも、ストッパ膜に対する絶縁膜の研磨選択性を更に向上させる観点、及び、絶縁膜の研磨速度を更に向上させる観点から、アミンポリマが好ましい。陽イオン性ポリマは、研磨選択性及び平坦性等の研磨特性を調整する目的で、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
第四の添加剤を使用する場合、第四の添加剤の含有量の下限は、砥粒の沈降を抑制しつつ第四の添加剤の添加効果を得る観点から、研磨剤の全質量を基準として0.0001質量%以上が好ましく、0.0002質量%以上がより好ましく、0.0005質量%以上が更に好ましい。第四の添加剤の含有量の上限は、砥粒の沈降を抑制しつつ第四の添加剤の添加効果を得る観点から、研磨剤の全質量を基準として5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、0.5質量%以下が特に好ましく、0.1質量%以下が極めて好ましく、0.05質量%以下が非常に好ましく、0.01質量%以下が特に好ましい。上記観点から、第四の添加剤の含有量は、研磨剤の全質量を基準として0.0001質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
[水溶性高分子]
本実施形態に係る研磨剤は、平坦性、面内均一性、窒化珪素に対する酸化珪素の研磨選択性(酸化珪素の研磨速度/窒化珪素の研磨速度)、ポリシリコンに対する酸化珪素の研磨選択性(酸化珪素の研磨速度/ポリシリコンの研磨速度)等の研磨特性を調整する目的で、水溶性高分子を含有していてもよい。ここで、「水溶性高分子」とは、25℃において水100gに対して0.1g以上溶解する高分子として定義する。
水溶性高分子としては、特に制限はなく、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン、グアーガム等の多糖類;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクロレイン等のビニル系ポリマ;ポリグリセリン、ポリグリセリン誘導体等のグリセリン系ポリマ、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテル系ポリマなどが挙げられる。水溶性高分子は、一種類を単独で又は二種類以上を組み合わせて使用できる。
水溶性高分子を使用する場合、水溶性高分子の含有量の下限は、砥粒の沈降を抑制しつつ水溶性高分子の添加効果を得る観点から、研磨剤の全質量を基準として0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましい。水溶性高分子の含有量の上限は、砥粒の沈降を抑制しつつ水溶性高分子の添加効果を得る観点から、研磨剤の全質量を基準として5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。上記の観点から、水溶性高分子の含有量は、研磨剤の全質量を基準として0.0001質量%以上5質量%以下がより好ましい。
(研磨剤の特性)
本実施形態に係る研磨剤のpHの下限は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、3.0以上が好ましく、3.5以上がより好ましく、4.0以上が更に好ましく、4.5以上が特に好ましい。研磨剤のpHの上限は、砥粒の分散性を保つ観点から、9.0以下が好ましく、8.5以下がより好ましく、8.0以下が更に好ましい。上記の観点から、研磨剤のpHは、3.0以上9.0以下がより好ましい。pHは液温25℃におけるpHと定義する。
研磨剤のpHは、第二の添加剤以外に無機酸、有機酸等の酸成分を添加することによって調整できる。また、pHを安定化させるため、緩衝液を添加してもよい。このような緩衝液としては、酢酸塩緩衝液、フタル酸塩緩衝液等が挙げられる。
本実施形態に係る研磨剤のpHは、pHメータ(例えば、電気化学計器株式会社製の型番PHL−40)で測定できる。具体的には例えば、フタル酸塩pH緩衝液(pH4.01)と中性リン酸塩pH緩衝液(pH6.86)とを標準緩衝液として用いてpHメータを2点校正した後、pHメータの電極を研磨剤に入れて、2min以上経過して安定した後の値を測定する。このとき、標準緩衝液及び研磨剤の液温は共に25℃とする。
本実施形態に係る研磨剤は、砥粒、第一の添加剤及び水を少なくとも含む一液式研磨剤として保存する。一液式研磨剤は、水の含有量を減じた研磨剤用貯蔵液として保存されると共に、研磨時に水で希釈して用いられてもよい。
一液式研磨剤を用いて研磨する場合、研磨定盤上への研磨剤の供給方法としては、研磨剤を直接送液して供給する方法;研磨剤用貯蔵液及び水を別々の配管で送液し、これらを合流、混合させて供給する方法;あらかじめ研磨剤用貯蔵液及び水を混合しておき供給する方法等を用いることができる。
<基体の研磨方法>
本実施形態に係る基体の研磨方法は、前記一液式研磨剤を用いて基体の被研磨面を研磨する研磨工程を備えていてもよく、前記研磨剤セットにおけるスラリと添加液とを混合して得られる研磨剤を用いて基体の被研磨面を研磨する研磨工程を備えていてもよい。本実施形態に係る基体の研磨方法において、被研磨面は、例えば窒化珪素を含む。研磨工程は、前記一液式研磨剤を用いて、酸化珪素、窒化珪素またはポリシリコンのいずれか1つ以上を含む被研磨面を研磨する研磨工程であってもよい。
研磨工程では、例えば、被研磨材料を有する基体の当該被研磨材料を研磨定盤の研磨パッド(研磨布)に押圧した状態で、前記研磨剤を被研磨材料と研磨パッドとの間に供給し、基体と研磨定盤とを相対的に動かして被研磨材料を研磨する。研磨工程では、例えば、被研磨材料の少なくとも一部を研磨により除去する。被研磨材料は、例えば膜状(被研磨膜)であってもよい。
研磨対象である基体としては、基板等が挙げられる。基体としては、半導体素子製造に係る基板(例えば、STIパターン、ゲートパターン、配線パターン等が形成された半導体基板)上に被研磨材料が形成された基体などが挙げられる。
以下、本実施形態に係る基体(半導体基板等)の研磨方法を更に説明する。本実施形態に係る研磨方法において、研磨装置としては、被研磨面を有する基体(半導体基板等)を保持可能なホルダーと、研磨パッドを貼り付け可能な研磨定盤とを有する一般的な研磨装置を使用できる。ホルダー及び研磨定盤のそれぞれには、例えば、回転数が変更可能なモータ等が取り付けてある。研磨装置としては、APPLIED MATERIALS社製の研磨装置(商品名:Mirra−3400、Reflexion LK)、株式会社荏原製作所製の研磨装置(商品名:F REX−300)等が挙げられる。
研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡体、非発泡体等が使用できる。研磨パッドの材質としては、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル、アクリル−エステル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン、セルロース、セルロースエステル、ポリアミド(例えば、ナイロン(商標名)及びアラミド)、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリシロキサン共重合体、オキシラン化合物、フェノール樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂等の樹脂が使用できる。研磨パッドの材質としては、特に、研磨速度及び平坦性に優れる観点から、発泡ポリウレタン及び非発泡ポリウレタンが好ましい。研磨パッドには、研磨剤がたまるような溝加工が施されていてもよい。
研磨条件に制限はないが、研磨定盤の回転速度は、基体が飛び出さないように200min−1(rpm)以下が好ましく、基体にかける研磨圧力(加工荷重)は、研磨傷が発生することを充分に抑制する観点から、100kPa以下が好ましい。研磨している間、ポンプ等で連続的に研磨剤を研磨パッドに供給することが好ましい。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨剤で覆われていることが好ましい。
研磨終了後の基体は、流水中でよく洗浄して、基体に付着した粒子を除去することが好ましい。洗浄には、純水以外に希フッ酸又はアンモニア水を用いてもよく、洗浄効率を高めるためにブラシを用いてもよい。また、洗浄後は、基体に付着した水滴を、スピンドライヤ等を用いて払い落としてから基体を乾燥させることが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<4価金属元素の水酸化物の合成>
7.603Lの水を容器に入れた後、濃度50質量%の硝酸セリウムアンモニウム水溶液(化学式:Ce(NH(NO、式量:548.2g/mol、日本化学産業株式会社製、製品名50%CAN液)を0.715L加えて混合した。その後、液温を40℃に調整して金属塩水溶液(金属塩濃度:0.114mol/L)を得た。
次に、イミダゾールを水に溶解させて濃度0.7mol/Lの水溶液を4.566L用意した後、液温を40℃に調整してアルカリ液を得た。
前記金属塩水溶液の入った容器を、水を張った水槽に入れた。外部循環装置クールニクスサーキュレータ(東京理化器械株式会社(EYELA)製、製品名クーリングサーモポンプ CTP101)を用いて、水槽の水温を40℃に調整した。水温を40℃に保持しつつ、撹拌速度400min−1で金属塩水溶液を撹拌しながら、前記アルカリ液を混合速度8.5×10−6/minで容器内に加え、4価セリウムの水酸化物を含む砥粒を含有するスラリ前駆体1を得た。スラリ前駆体1のpHは2.2であった。なお、羽根部全長5cmの3枚羽根ピッチパドルを用いて金属塩水溶液を撹拌した。
分画分子量50000の中空糸フィルタを用いて、得られたスラリ前駆体1を循環させながら限外ろ過して、導電率が50mS/m以下になるまでイオン分を除去することにより、スラリ前駆体2を得た。前記限外ろ過は、液面センサを用いて、スラリ前駆体1の入ったタンクの水位を一定にするように水を添加しながら行った。得られたスラリ前駆体2を適量とり、乾燥前後の質量を量ることにより、スラリ前駆体2の不揮発分含量(4価セリウムの水酸化物を含む砥粒の含量)を算出した。なお、この段階で不揮発分含量が1.0質量%未満であった場合には、限外ろ過を更に行うことにより、1.1質量%を超える程度に濃縮した。最後に、適量の水を追加し、セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液(粒子の含有量:1.0質量%)を調製した。
セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液を適量採取し、砥粒の含有量が0.2質量%となるように水で希釈して測定サンプル(水分散液)を得た。測定サンプルを1cm角のセルに約4mL入れ、ベックマンコールター社製の装置名:N5内にセルを設置した。分散媒の屈折率を1.33、粘度を0.887mPa・sに調整し、25℃において測定を行い、表示された平均粒径値を平均二次粒径とした。結果は21nmであった。
<一液研磨剤貯蔵液の調製>
[実施例1]
キシリトール2.4質量%、アンモニア0.06質量%を含有する添加液用貯蔵液500gと、セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液300gと、水200gとを混合し、酢酸でpHを4.8に調整することにより、表1に記載される組成の一液研磨剤貯蔵液(1000g)を調製した。当該CMP用研磨剤は、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.3質量%、第一の添加剤としてキシリトールを1.2質量%、第二の添加剤としてアンモニアを0.03質量%含有する。
[実施例2]
キシリトール2.4質量%、水酸化カリウム0.02質量%を含有する添加液用貯蔵液500gと、セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液300gと、水200gとを混合し、酢酸でpHを5.5に調整することにより、表1に記載される組成の一液研磨剤貯蔵液(1000g)を調製した。当該CMP用研磨剤は、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.3質量%、第一の添加剤としてキシリトールを1.2質量%、第二の添加剤として水酸化カリウムを0.01質量%含有する。
[実施例3]
キシリトール2.4質量%、イミダゾール0.1質量%を含有する添加液用貯蔵液500gと、セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液300gと、水200gとを混合し、酢酸でpHを6.1に調整することにより、表1に記載される組成の一液研磨剤貯蔵液(1000g)を調製した。当該CMP用研磨剤は、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.3質量%、第一の添加剤としてキシリトールを0.3質量%、第二の添加剤としてイミダゾールを0.05質量%含有する。
[実施例4]
キシリトール20質量%、イミダゾール0.16質量%を含有する添加液用貯蔵液500gと、セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液500gとを混合し、酢酸でpHを6.1に調整することにより、表1に記載される組成の一液研磨剤貯蔵液(1000g)を調製した。当該CMP用研磨剤は、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.5質量%、第一の添加剤としてキシリトールを10質量%、第二の添加剤としてイミダゾールを0.08質量%含有する。
[比較例1]
アンモニア0.06質量%を含有する添加液用貯蔵液500gと、セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液300gと、水200gとを混合し、酢酸でpHを5.5に調整することにより、表1に記載される組成の一液研磨剤貯蔵液(1000g)を調製した。当該CMP用研磨剤は、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.3質量%、アンモニアを0.03質量%含有する。
[比較例2]
水酸化カリウム0.02質量%を含有する添加液用貯蔵液500gと、セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液300gと、水200gとを混合し、酢酸でpHを6.0に調整することにより、表1に記載される組成の一液研磨剤貯蔵液(1000g)を調製した。当該CMP用研磨剤は、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.3質量%、水酸化カリウムを0.01質量%含有する。
[比較例3]
イミダゾール0.12質量%を含有する添加液用貯蔵液500gと、セリウム水酸化物スラリ用貯蔵液300gと、水200gとを混合し、酢酸でpHを5.5に調整することにより、表1に記載される組成の一液研磨剤貯蔵液(1000g)を調製した。当該CMP用研磨剤は、セリウム水酸化物を含む砥粒を0.3質量%、イミダゾールを0.06質量%含有する。
<液状特性評価>
前記で得られた一液研磨剤貯蔵液のpHを下記の条件で評価した。
(pH測定条件)
測定温度:25±5℃
測定装置:電気化学計器株式会社製、型番PHL−40
測定方法:標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液、pH:4.01(25℃);中性リン酸塩pH緩衝液、pH6.86(25℃))を用いて2点校正した後、電極をCMP用研磨剤に入れて、2min以上経過して安定した後のpHを前記測定装置により測定した。
<保存安定性評価>
前記で得られた一液研磨剤貯蔵液を60℃で1日(24時間)加温し、その後、平均二次粒径を下記の条件で測定した。
(平均二次粒径測定方法)
測定サンプルを1cm角のセルに約4mL入れ、ベックマンコールター社製の装置名:N5内にセルを設置した。分散媒の屈折率を1.33、粘度を0.887mPa・sに調整し、25℃において測定を行い、表示された平均粒径値を平均二次粒径とした。
平均二次粒径が50nm以上の場合を砥粒の「凝集の有り」とし、50nm未満の場合を砥粒の「凝集の無し」とした。
<CMP評価:ブランケットウエハ評価>
60℃で1日加温した前記一液研磨剤貯蔵液を、セリウム水酸化物を含む砥粒が0.05質量%になるように水で希釈し、それぞれを用いて下記CMP条件で被研磨基板を研磨した。
(CMP条件)
・研磨装置:Mirra−3400(APPLIED MATERIALS社製)
・CMP用研磨剤流量:200mL/min
・被研磨基板:パターンが形成されていないブランケットウエハとして、厚さ1μm(1000nm)の酸化珪素膜をシリコン基板上にプラズマCVD法で形成した基板と、厚さ0.2μm(200nm)の窒化珪素膜をシリコン基板上にCVD法で形成した基板と、厚さ0.2μm(200nm)のポリシリコン膜をシリコン基板上にCVD法で形成した基板とを用いた。
・研磨パッド:独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製、型番IC1010)、ショアD硬度=60
・研磨圧力:20kPa(3.0psi)
・基板及び研磨定盤の回転数:基板/研磨定盤=93/87min−1
・研磨時間:1min
・ウエハの洗浄及び乾燥:CMP処理後、PVCブラシによる洗浄を行い、続いて、スピンドライヤで乾燥させた。
(ブランケットウエハ研磨速度の測定)
前記条件で研磨及び洗浄した各被研磨膜(酸化珪素膜、窒化珪素膜、ポリシリコン膜)の研磨速度(酸化珪素膜の研磨速度:SiORR、窒化珪素膜の研磨速度:SiNRR、ポリシリコン膜の研磨速度:p−SiRR)を下記式より求めた。また、研磨選択比SiNRR/p−SiRR/SiORRを求めた。なお、研磨前後での各被研磨膜の膜厚差は、光干渉式膜厚装置(フィルメトリクス社製、商品名:F80)を用いて求めた。
(研磨速度:RR)=(研磨前後での各被研磨膜の膜厚差(nm))/(研磨時間(min))
実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた一液研磨剤貯蔵液の各測定結果を表1に示す。
Figure 2016017150
(研磨傷の評価)
前記条件で研磨及び洗浄したシリコンウエハを0.5質量%のフッ化水素の水溶液に15秒間浸漬した後に60秒間水洗した。続いて、ポリビニルアルコールブラシで絶縁膜の表面を、水を供給しながら1分間洗浄した後に乾燥させた。Applied Materials社製Complus(光学式ウェーハ検査装置、製品名)を用いて、絶縁膜の表面における0.2μm以上の欠陥を検出した。さらに、Complusで得られた欠陥検出座標とApplied Materials社製SEM Vision(電子顕微鏡・観察装置)を用いて、絶縁膜の表面を観測し、絶縁膜の表面における0.2μm以上の研磨傷の個数を計測した。その結果、実施例1〜4のいずれにおいても、0〜1個/ウエハであり、研磨傷の発生が充分に抑制されていた。
これらの結果から、実施例1〜4では、砥粒の凝集も無く、保存安定性に優れ、研磨傷の少ない一液式研磨剤を得られることがわかった。

Claims (5)

  1. 水と、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒と、下記式(1)で表される構造を有する化合物又はイノシトールと、アルカリとを含有する、研磨剤。
    Figure 2016017150
    (式(1)中、Rは水素原子又はC=1〜6の炭化水素基からなる群より選ばれる1種を示し、少なくとも1つ以上は水素原子である。nは3〜7の整数である。)
  2. 前記式(1)で表される構造を有する化合物又はイノシトールの含有量が、前記4価金属元素の水酸化物を含む砥粒の含有量の0.1倍以上である、請求項1に記載の研磨剤。
  3. 前記4価金属元素が4価セリウムである、請求項1又は2に記載の研磨剤。
  4. 窒化珪素を含む被研磨面を研磨するために使用される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨剤を用いて基体の被研磨面を研磨する工程を備え、前記被研磨面が酸化珪素、窒化珪素又はポリシリコンを含む、基体の研磨方法。
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