JP2016017044A - ワクチンアジュバント及び免疫増強剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明はタバコ煙濃縮物由来の有用物質を特定し、その利用・応用を図ることを課題とする。
【解決手段】タバコ煙濃縮物、当該タバコ煙濃縮物のアジュバント活性を示す画分、5−ヒドロキシ−2−メチルピリジン若しくはその類縁化合物、又はm−ヒドロキシアセトフェノン若しくはその類縁化合物を有効成分として含む、免疫アジュバントが提供される。
【選択図】なし
【解決手段】タバコ煙濃縮物、当該タバコ煙濃縮物のアジュバント活性を示す画分、5−ヒドロキシ−2−メチルピリジン若しくはその類縁化合物、又はm−ヒドロキシアセトフェノン若しくはその類縁化合物を有効成分として含む、免疫アジュバントが提供される。
【選択図】なし
Description
本発明は免疫アジュバント及びその利用に関する。
喫煙習慣は関節リウマチ(rheumatoid arthritis ;RA)発症における主な環境要因である。喫煙によりRA発症リスクは1.5〜2.5倍程度に上昇し、HLA-DRB1の共有エピトープ(SE)を持つ人は15.7倍にまで発症リスクが増大するとされている。このリスク上昇は主にリウマトイド因子 (rheumatoid factor;RF) 陽性RAにおいて認められることが報告されている(非特許文献1)。また、RFは免疫複合体を形成してIII型アレルギーを引き起こし、補体を活性化して炎症を形成する。RFの他、抗環状シトルリン化ペプチド抗体(anti-cyclic citrullinated peptide antibody;抗CCP抗体)もRAの主要なマーカーであり、RFと同様に抗CCP抗体が陽性のRAにおいて喫煙によるRA発症リスクの上昇が見られる(非特許文献2)。また、早期のリウマチ患者において喫煙習慣を持つ患者は、メトトレキサートなどのRA治療薬の効果が減弱するという報告もある(非特許文献3)。
タバコの煙は、ニコチンやアルデヒドや多環芳香族炭化水素類など、4000種類を超える化学物質を含む。いくつかの化合物については、疾患(炎症性疾患や免疫疾患)との関係が指摘されている(例えば非特許文献4〜7)。一方、本発明者らの研究グループは、タバコ煙濃縮物(Cigarette Smoke Condensate: CSC)がヒト滑膜細胞株MH7Aからの炎症性サイトカイン(IL-1、TNF-α等)の産生を増強させることを報告している(非特許文献8)。また、CSCは、コラーゲンを投与することで誘発される関節炎(Collagen Induced Arthritis: CIA)を増悪させる活性をもつこと(非特許文献9)、及びCSCをマウスに経鼻投与することによりCIAが増悪すること(非特許文献10)も報告した。
Arthritis Rheum. 50(10):3085-92. (2004)
Arthritis Rheum. 54(1):38-46. (2006)
Arthritis Rheum. 63(1):26-36 (2011)
Int J Pediatr Otorhinolaryngol. 77(10):1659-64. (2013)
Toxicol Lett. 10;219(1):26-34. (2013)
Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. 296(5):L839-48. (2009)
Nature Med. 13(10):1176-84, (2007)
J Interferon Cytokine Res. 2008;28(8):509-21
Int Immunopharmacol. 2010;10(10):1194-9.
Biochem Biophys Res Commun. 2011 Jan 28;404(4):1088-92
本発明はタバコ煙濃縮物(CSC)由来の有用物質を特定し、その利用・応用を図ることを課題とする。
本発明者らのこれまでの研究によって、タバコ煙中の成分がRAの病態に影響していることが示されたが、タバコ煙中のRA病態増悪活性物質は依然として不明である。このような状況下、CSC単独投与では関節炎は発症しないこと、CIAモデルはコラーゲンに対する抗体が関与する病態であり、抗コラーゲン抗体を投与しても発症することが知られていること、及び抗体価の上昇と関節炎の増悪は相関していること、に注目し、CSC中には免疫応答を増強するアジュバント様作用を有する物質(アジュバント物質)が含まれるとの期待の下、検討を進めた。一連の研究の成果から、CSCがアジュバントとして機能することが示された。また、CSCに含まれるアジュバント物質の探索及び同定を目指して検討を重ねた結果、二つの候補化合物、即ち、5−ヒドロキシ−2−メチルピリジンとm−ヒドロキシアセトフェノンが見出された。CIAモデルを用いた評価により、これらの化合物がアジュバント活性を持つことが示唆された。また、5−ヒドロキシ−2−メチルピリジンの異性体2−ヒドロキシ−3−メチルピリジンについても同様の活性を示すことが判明した。5−ヒドロキシ−2−メチルピリジンについては、CIAモデルにおいて血清抗体価を上昇させることも確認された。
以下の発明は、主として上記の成果に基づく。
[1]タバコ煙濃縮物、該タバコ煙濃縮物のアジュバント活性を示す画分、5−ヒドロキシ−2−メチルピリジン若しくはその類縁化合物、又はm−ヒドロキシアセトフェノン若しくはその類縁化合物を有効成分として含む、免疫アジュバント。
[2]有効成分が5−ヒドロキシ−2−メチルピリジン又は2−ヒドロキシ−3−メチルピリジンである、[1]に記載の免疫アジュバント。
[3]有効成分がm−ヒドロキシアセトフェノンである、[1]に記載の免疫アジュバント。
[4][1]〜[3]のいずれか一項に記載の免疫アジュバントと抗原を含むワクチン。
[5]他の免疫アジュバントを更に含む、[4]に記載のワクチン。
以下の発明は、主として上記の成果に基づく。
[1]タバコ煙濃縮物、該タバコ煙濃縮物のアジュバント活性を示す画分、5−ヒドロキシ−2−メチルピリジン若しくはその類縁化合物、又はm−ヒドロキシアセトフェノン若しくはその類縁化合物を有効成分として含む、免疫アジュバント。
[2]有効成分が5−ヒドロキシ−2−メチルピリジン又は2−ヒドロキシ−3−メチルピリジンである、[1]に記載の免疫アジュバント。
[3]有効成分がm−ヒドロキシアセトフェノンである、[1]に記載の免疫アジュバント。
[4][1]〜[3]のいずれか一項に記載の免疫アジュバントと抗原を含むワクチン。
[5]他の免疫アジュバントを更に含む、[4]に記載のワクチン。
本発明の免疫アジュバントは、タバコ煙濃縮物(CSC)又はそれに由来する成分を有効成分とする。「免疫アジュバント」とは、抗原に対する免疫反応を惹起及び/又は増強できる物質又は組成物(物質の混合物)のことである。本発明の免疫アジュバントを免疫増強剤として使用することができる。本発明の免疫アジュバントは、典型的には、抗原とともに生体に投与され、当該生体の免疫系を刺激する。本発明においてタバコ煙濃縮物(CSC)は、タバコの主流煙をフィルターに通し、フィルターに捕集された成分を有機溶媒で抽出することにより得ることができる(図1を参照)。CSCは、タバコ主流煙の含有成分である粒子状成分を含む。
本発明の一態様では、CSCにアジュバント活性が認められた事実に基づき、CSC自体を有効成分として用いる。但し、好ましくは、CSCを分画し、アジュバント活性を高めた上で免疫アジュバントへの利用に供する。アジュバント活性を高めるための分画は、後述の実施例を参考にして行うことができる。例えば、pHの調整による系統的分画法、HPLCを用いたカラム精製、TLC(薄層クロマトグラフィー)等の手法を適宜組み合わせて分画する。アジュバント活性を高めた画分として、例えば以下の画分、即ち、CSCを溶解したpH 13の水溶液とエーテルを等量混合し、分離して得られる水層(画分1:実施例の13-水層に対応する)、画分1のpHを9に調整後、等量のエーテルを混合し、分離して得られる有機層(画分2:実施例の9-エーテル層に対応する)、画分2を実施例に示した条件でクロマトグラフィー分画(充填剤:シリカゲル、展開溶媒:クロロホルム:メタノール=20:1)して得られる画分(画分3:実施例のFr,1に対応する画分。画分4:実施例のFr,2に対応する画分。画分5:実施例のFr,3に対応する画分。画分6:実施例のFr,4に対応する画分)、画分3を実施例に示した条件(展開溶媒:クロロホルム-メタノール=20:1)の下、TLCプレートで展開して得られる画分(画分7:実施例のFr,1-1に対応する画分。画分8:実施例のFr,1-2に対応する画分。画分9:実施例のFr,1-3に対応する画分。画分10:実施例のFr,1-4に対応する画分)、又は画分9を実施例に示した条件(ODSカラム、移動相:メタノール/水=40/60v/v))のHPLCで分画して得られる画分(画分11:実施例の6.5min画分に対応する画分。画分12:実施例の11.6min画分に対応する画分。画分13:実施例の12.3min画分に対応する画分)を用いることができる。これらの画分の濃縮物を用いることにしてもよい。好ましくは、上記の画分9、画分11又は画分12、更に好ましくは画分11又は画分12が用いられる。
好ましい一態様では、CSCのアジュバント活性をもたらす主要成分であると同定された物質、即ち、5−ヒドロキシ−2−メチルピリジン又はm−ヒドロキシアセトフェノンを本発明の有効成分として用いる。アジュバント活性を示す限り、これらの化合物の類縁化合物を本発明の有効成分として用いることにしてもよい。「類縁化合物」の例は、異性体、一部の原子又は原子団が他の原子又は原子団(例えば水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基)で置換された化合物である。5−ヒドロキシ−2−メチルピリジンの異性体の具体例は、2−ヒドロキシ−3−メチルピリジンである。また、m−ヒドロキシアセトフェノンの異性体の具体例はp-ヒドロキシアセトフェノン、o-ヒドロキシアセトフェノンである。後述の実施例に示すように、2−ヒドロキシ−3−メチルピリジンには、5−ヒドロキシ−2−メチルピリジンと同様の高いアジュバント活性が認められた。従って、当該化合物は、本発明の有効成分を構成し得る類縁化合物として特に好ましい。
本発明のアジュバントは、液状、粉末状(凍結乾燥粉末、乾燥粉末)、カプセル状、錠剤等の剤型で提供され得る。
本発明の免疫アジュバントは、典型的には、ワクチンの免疫補助剤として用いられる。換言すれば、抗原との組合せによって、ワクチンを構成することができる。「ワクチン」とは、疾患の予防及び/又は治療を目的として生体に接種ないし投与される医薬組成物である。ワクチンの種類としては弱毒化生ワクチン、不活化ワクチン、遺伝子組換えサブユニットワクチン、トキソイドワクチン、多糖体・タンパク質結合型ワクチン等がある。ワクチンの成分となる「抗原」とは、生体である宿主の免疫系を刺激し、抗原特異的免疫応答及び/又は体液性免疫を行わせる分子をいう。
様々な抗原を用いることができる。抗原の例として、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫、或いはこれらの一部(成分)、腫瘍組織、腫瘍細胞、腫瘍細胞成分、腫瘍抗原タンパク、腫瘍抗原ペプチド、アレルゲンを例示することができる。抗原は、天然材料からの単離ないし抽出、化学合成、遺伝子組換え技術による調製などによって用意することができる。
上記ウイルスの例としては、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、アブラウイルス、イサウイルス、イヌジステンパーウイルス、ウマ動脈炎ウイルス、エボラウイルス、エンテロウイルス、カリチウイルス、ノーウォークウイルス、コロナウイルス、サル免疫不全ウイルス、ソゴトウイルス、デングウイルス、ネコ白血病ウイルス、パピローマウイルス、パポーバウイルス、ヒト肺炎後ウイルス、ヒト免疫不全症ウイルス、ブタ呼吸傷害・繁殖症候群ウイルス、フラビウイルス、ヘニパウイルス、ヘパドナウイルス、ヘルペスウイルス、ヘンドラウイルス、ポリオウイルス、マラリア抗原、マレック病ウイルス、メタニューモウイルス 、モルビリウイルス、ライノウイルス、ルブラウイルス、レスピロウイルス、レトロウイルス、ロタウイルス、ワクシニア、黄熱ウイルス、感染性鼻気管炎ウイルス、牛疫ウイルス、狂犬病ウイルス、水痘ウイルス、脳炎ウイルス、風疹ウイルス、麻疹ウイルスを挙げることができる。また、上記細菌の例としては、アクチノバチラス・プルロニューモニエ、アロイオコックス・オティディティス、インフルエンザ菌、エルシニア菌、オウム病クラミジア、キャンピロバクター、クラミジア肺炎病原体、クロストリジア種、コレラ菌、サルモネラ・コレレシウス、ジアルジア、ジフテリア菌、シュードモナス種、ストレプトコッカス・ゴルドニ、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ストレプトコッカス・ボビス、ストレプトコックス・アガラクチエ、トラコーマクラミジア、トリ結核菌群、ネズミチフス菌、パスツレラ ヘモリチカ、パスツレラ マルトシダ、ヒト結核菌、ブタ連鎖球菌、プロテウス・ブルガリス、プロテウス・ ミラビリス、ヘリコバクター・ピロリ、マイコプラスマ・ガリセプチクム、モラクセラ・カタラリス、レプトスピラ・インテロガンス、黄色ブドウ球菌、化膿連鎖球菌、髄膜炎菌、赤痢菌、腺疫菌、大腸菌、炭疽菌、腸チフス菌、破傷風菌、肺炎連鎖球菌、百日咳菌、表皮ブドウ球菌、糞便連鎖球菌、緑色連鎖球菌、淋菌を挙げることができる。
上記寄生虫の例としては、赤痢アメーバ、プラスモジウム属、回虫属、鞭虫属、ジアルジア属、住吸血虫属、クリプトスポリジウム属、トリコモナス属を挙げることができる。
ワクチンの目的、即ち、予防又は治療の対象となる疾患も特に限定されない。ここでの疾患の例を挙げると、天然痘、狂犬病、腸チフス細、コレラ、ペスト、ジフテリア、破傷風、百日咳、結核、黄熱、インフルエンザ、ポリオ、肺炎球菌感染、麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、水痘、帯状疱疹、ロタウイルスウイルス感染症、日本脳炎、ダニ媒介脳炎、A型肝炎、髄膜炎菌性疾患、インフルエンザ菌b型感染症、B型肝炎、炭疽、ヒトパピローマウイルス感染症である。
他のアジュバントの補助剤として、本発明の免疫アジュバントを利用することもできる。「他のアジュバント」としては、既存の又は新たに開発される各種アジュバントを採用することができる。「他のアジュバント」を例示すれば、水酸化アルミニウム、水酸化ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、ミョウバン、カルボキシビニルポリマー、パラフィン、ラノリン、鉱物油、コレラトキシン、フロイントの完全アジュバント、フロイントの不完全アジュバント、サポニン、ジメチルジオクタデシルアンモニウム臭化物、ヘキサデシルアミン、アブリジン、イスコム、細胞壁骨格構成物、リポポリサッカライド、エンドトキシン、リポソーム、キチン、キトサンである。
本発明の免疫アジュバントを利用したワクチンの接種(投与)は常法に従えばよい。従って、例えば、経皮、筋肉内、静脈内、経口、経鼻、舌下、点眼、経腸、腹腔内、口から肺への吸入等の接種法を採用することができる。
接種対象は特に限定されず、例として、ヒト、ヒト以外の霊長類(サル、チンパンジーなど)、家畜ないし家禽(ブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジニワトリ、ウズラ、アヒル、ダチョウ等)、愛玩動物(イヌ、ネコ、ウサギ、ハムスター、鳥等)、実験動物(マウス、ラット、モルモット、ウサギ等)を挙げることができる。
通常は、接種の前に、本発明の免疫アジュバントと抗原を予め混合しておく。この場合には免疫アジュバントと抗原が同時に接種されることになる。一方、本発明の免疫アジュバントと抗原を別の剤として用意し、各々を接種することにしてもよい。この態様の場合、所定の時間的間隔を置いて両者が投与されることになるが、免疫アジュバントの効果が発揮されやすくするために、可能な限り時間差が少なくなるように両者を接種するとよい。例えば、片方の接種後15分以内、好ましくは10分以内、更に好ましくは5分以内に他方を接種する。
<タバコ煙濃縮物(CSC)中のアジュバント活性物質の探索・同定>
1.方法
(1)CSCの調製
フィリップ・モリス社製タバコLARK MILD 100’s (タール9 mg、ニコチン0.8 mg) を吸引ポンプ(柴田科学)を用いて17.5 mL/secの流量で主流煙を吸引して得た煙をガラスファイバーフィルター(東京ダイレック)に捕集した。次にフィルターを5mm角に刻み、エタノール/ベンゼン=3/1の溶媒で抽出した。その後エバポレーターで減圧乾固したサンプルをエタノールに溶解させてCSC全画分を調製した。CSC 1mg中に存在する可能性のあるエンドトキシン(LPS)の量は検出限界である0.001 EU以下であった。検出限界以下のLPSの影響を除くため、Polymyxin B(SIGMA)をCSCと同時に処理した。細胞を処理する際には10μg/mL、マウスを抗原感作するエマルジョン中には0.4 mg/mLとなるように混和して使用した。
1.方法
(1)CSCの調製
フィリップ・モリス社製タバコLARK MILD 100’s (タール9 mg、ニコチン0.8 mg) を吸引ポンプ(柴田科学)を用いて17.5 mL/secの流量で主流煙を吸引して得た煙をガラスファイバーフィルター(東京ダイレック)に捕集した。次にフィルターを5mm角に刻み、エタノール/ベンゼン=3/1の溶媒で抽出した。その後エバポレーターで減圧乾固したサンプルをエタノールに溶解させてCSC全画分を調製した。CSC 1mg中に存在する可能性のあるエンドトキシン(LPS)の量は検出限界である0.001 EU以下であった。検出限界以下のLPSの影響を除くため、Polymyxin B(SIGMA)をCSCと同時に処理した。細胞を処理する際には10μg/mL、マウスを抗原感作するエマルジョン中には0.4 mg/mLとなるように混和して使用した。
(2)CSC全画分のpHによる分画(図2)
まず、CSC全画分にNaOHを加え、pHを13に調整した。CSCと等量のエーテルと混合し、分液漏斗により13-エーテル層と13-水層に分画した。次に13-水層に塩酸を加えpH9に調整後、同様の操作により9-エーテル層、9-水層を調製した。さらに9-水層をpH6にし、同様にして6-エーテル層、6-水層を調製した。また、4-エーテル層、4-水層を調製した。
まず、CSC全画分にNaOHを加え、pHを13に調整した。CSCと等量のエーテルと混合し、分液漏斗により13-エーテル層と13-水層に分画した。次に13-水層に塩酸を加えpH9に調整後、同様の操作により9-エーテル層、9-水層を調製した。さらに9-水層をpH6にし、同様にして6-エーテル層、6-水層を調製した。また、4-エーテル層、4-水層を調製した。
(3)9-エーテル層のカラムクロマトグラフィーによる分画(図2)
ガラスウール少量をカラムの底面に詰めた後、クロロホルム:メタノール=20:1で混合して調製した展開溶媒を流した。そこに展開溶媒に懸濁したシリカゲルを充填した。1mLのCSC 9-エーテル層をカラム上部にアプライし、展開溶媒を流してカラム下端から流出してきたCSCを3mLずつ試験官に回収した。流出せずにシリカゲルに吸着していたCSCはメタノール単独で流して回収した。合計20本のフラクションに分け、1〜5本目をFr,1、6〜10本目をFr,2、11〜15本目をFr,3、16〜20本目をFr,4として、計4つの画分に分画した。
ガラスウール少量をカラムの底面に詰めた後、クロロホルム:メタノール=20:1で混合して調製した展開溶媒を流した。そこに展開溶媒に懸濁したシリカゲルを充填した。1mLのCSC 9-エーテル層をカラム上部にアプライし、展開溶媒を流してカラム下端から流出してきたCSCを3mLずつ試験官に回収した。流出せずにシリカゲルに吸着していたCSCはメタノール単独で流して回収した。合計20本のフラクションに分け、1〜5本目をFr,1、6〜10本目をFr,2、11〜15本目をFr,3、16〜20本目をFr,4として、計4つの画分に分画した。
(4)TLCを用いた分画(図2)
層厚1mmのTLCプレート(1mm厚、20×20 cm、Merck)にFr,1画分をチャージし、クロロホルム:メタノール=20:1で混合した展開溶媒を用いて展開した。展開後TLCプレートをヨウ素蒸気で染色し、分離したバンドの位置を確認した。多くのバンドが見られたが、Rf値約0.72〜0.417をFr,1-1、Rf値0.417〜0.31をFr,1-2、Rf値0.31〜0.17をFr,1-3、Rf値0.17〜0をFr,1-4として、いくつかのバンドをまとめ、合計4つの画分に分画した。各画分をスパーテルでかき取った後、メタノールで抽出し、エバポレーターを用いて乾固した。
層厚1mmのTLCプレート(1mm厚、20×20 cm、Merck)にFr,1画分をチャージし、クロロホルム:メタノール=20:1で混合した展開溶媒を用いて展開した。展開後TLCプレートをヨウ素蒸気で染色し、分離したバンドの位置を確認した。多くのバンドが見られたが、Rf値約0.72〜0.417をFr,1-1、Rf値0.417〜0.31をFr,1-2、Rf値0.31〜0.17をFr,1-3、Rf値0.17〜0をFr,1-4として、いくつかのバンドをまとめ、合計4つの画分に分画した。各画分をスパーテルでかき取った後、メタノールで抽出し、エバポレーターを用いて乾固した。
(5)HPLCを用いたCSC成分の分取
移動相にはメタノール/水=40/60(v/v)を用い、移動相の流速は1.0mL/minで行った。Fr,1-3画分を移動相に溶解し、インジェクターに注入した。254nmの検出波長で測定し、検出された主なピーク部分の化合物を分取した。尚、以下の機器及びソフトウエアを使用した。
ポンプ:LC-20AT(島津製作所)
カラム:inertsil ODS-3 7.6×250mm 5μm (ジーエルサイエンス)
UV検出器:SPD-10A(島津製作所)
分析ソフトウエア:Labsolutions (島津製作所)
移動相にはメタノール/水=40/60(v/v)を用い、移動相の流速は1.0mL/minで行った。Fr,1-3画分を移動相に溶解し、インジェクターに注入した。254nmの検出波長で測定し、検出された主なピーク部分の化合物を分取した。尚、以下の機器及びソフトウエアを使用した。
ポンプ:LC-20AT(島津製作所)
カラム:inertsil ODS-3 7.6×250mm 5μm (ジーエルサイエンス)
UV検出器:SPD-10A(島津製作所)
分析ソフトウエア:Labsolutions (島津製作所)
(6)GC/MSを用いた化合物の同定
使用した機器及び測定条件は以下の通りである。
GC/MS装置 :GCT Premier (Waters)、7890A (Agilent)
カラム :UACW-30M-0.25F (FRONTIER LABORATORIES)
(測定条件)
初期温度50℃→70℃(2℃/min)→170℃(5℃/min)→220℃(2℃/min)→40min保持
使用した機器及び測定条件は以下の通りである。
GC/MS装置 :GCT Premier (Waters)、7890A (Agilent)
カラム :UACW-30M-0.25F (FRONTIER LABORATORIES)
(測定条件)
初期温度50℃→70℃(2℃/min)→170℃(5℃/min)→220℃(2℃/min)→40min保持
(7)コラーゲン誘導関節炎モデルマウスを用いた検討
雄性DBA/1Jマウス(日本SLC)を6週齢で購入し、予備飼育の後に使用した。不完全フロイントアジュバント 50μL、マイコバクテリア 0.2mg、Polymyxin B (10mg/mL) 4μL、及びウシII型コラーゲン 50μLを三方活栓及びガラスシリンジを用いてよく混和し、エマルジョンを作製した。エマルジョンをマウス1匹あたり25μLずつ四肢の付け根に皮内投与し、合計100μL投与した(一次免疫)。一次免疫から3週間後、酢酸(0.01M) 75μL、ウシII型コラーゲン 25μL、Polymyxin B (10mg/mL) 5μLを混合し、マウスに腹腔内投与した(2次免疫)。尚、1匹あたりの投与量は100μLとした。
CSCの投与は一次免疫の前日に行った。具体的には、CSC (20mg/mL in EtOH) 5μL、Polymyxin B (10mg/mL) 4μL及びPBS 91μLを混合し、一次免疫の前日、マウスに腹腔内投与した。CSCの投与量はマウス1匹あたり100μgとなる。
雄性DBA/1Jマウス(日本SLC)を6週齢で購入し、予備飼育の後に使用した。不完全フロイントアジュバント 50μL、マイコバクテリア 0.2mg、Polymyxin B (10mg/mL) 4μL、及びウシII型コラーゲン 50μLを三方活栓及びガラスシリンジを用いてよく混和し、エマルジョンを作製した。エマルジョンをマウス1匹あたり25μLずつ四肢の付け根に皮内投与し、合計100μL投与した(一次免疫)。一次免疫から3週間後、酢酸(0.01M) 75μL、ウシII型コラーゲン 25μL、Polymyxin B (10mg/mL) 5μLを混合し、マウスに腹腔内投与した(2次免疫)。尚、1匹あたりの投与量は100μLとした。
CSCの投与は一次免疫の前日に行った。具体的には、CSC (20mg/mL in EtOH) 5μL、Polymyxin B (10mg/mL) 4μL及びPBS 91μLを混合し、一次免疫の前日、マウスに腹腔内投与した。CSCの投与量はマウス1匹あたり100μgとなる。
二次免疫後からマウスを処理するまで四肢を観察し、下記の基準に従って関節炎の重症度の評価を行った。重症度の採点法はそれぞれの足について下記の基準に基づいて0〜4点とし、四肢の合計をマウス1匹あたりの重症度として各群の平均をとり、比較を行った(スコア法による関節炎の重症度の評価)。
0点:症状なし
1点:四肢の指関節の1本のみの腫脹および発赤
2点:2本以上の指、あるいは手首や足首など大きな関節の腫脹および発赤
3点:1本の手や足全体の4 mm未満の腫脹および発赤
4点:1本の手や足全体の最大限(4 mm以上)の腫脹および発赤、関節固着
0点:症状なし
1点:四肢の指関節の1本のみの腫脹および発赤
2点:2本以上の指、あるいは手首や足首など大きな関節の腫脹および発赤
3点:1本の手や足全体の4 mm未満の腫脹および発赤
4点:1本の手や足全体の最大限(4 mm以上)の腫脹および発赤、関節固着
(8)ELISA法による血清中抗II型コラーゲン抗体の測定
サンプルとなる血清は初回感作2日前と2、5週間後にマウスから毛細管 (テルモ, ヘパリン未処理) を用いて眼窩採血を行った。血液を3,000 rpmで5分間遠心した後、回収した上清を-20℃で保存したものを実験に使用した。この測定により、免疫後のマウス血中抗II型コラーゲン抗体の産生上昇を確認した。
サンプルとなる血清は初回感作2日前と2、5週間後にマウスから毛細管 (テルモ, ヘパリン未処理) を用いて眼窩採血を行った。血液を3,000 rpmで5分間遠心した後、回収した上清を-20℃で保存したものを実験に使用した。この測定により、免疫後のマウス血中抗II型コラーゲン抗体の産生上昇を確認した。
ウシII型コラーゲン酢酸溶液を0.1 %ウシ血清アルブミン(BSA)入りPBSで5μg/mLとなるように調製した。ELISA用プレートに100μLずつまき、4℃で24時間インキュベートした。抗原を除去し、0.05 % Tween20入りPBSで1回洗浄した後、0.1 % BSA入りPBSを200μLずつまき、ブロッキングした。0.1 % BSA入りPBSを除去した後、0.05 % Tween20入りPBSで3回洗浄した。血清サンプルを0.1 % BSA入りPBSで10000倍に希釈し、100μLずつまいて室温で1時間インキュベートした。0.05 % Tween20入りPBSで5回洗浄した後、0.1 % BSA入りPBSで4,000倍に希釈した二次抗体(ペルオキシダーゼ標識-ウサギ抗マウスIgG(H+L))を100μLずつまいた。室温で1時間インキュベートした後、抗体液を除去し、0.05 % Tween20入りPBSで7回洗浄した。各ウェルに基質溶液を100μL添加した後、遮光して30分インキュベートした。反応停止液として6 N硫酸を26μLずつ加えた後、マイクロプレートリーダー (Bio-Rad Model 3550) で吸光度 (O.D.450 nm, reference O.D.595 nm)を測定した。
2.結果
(1)CSCの分画、活性画分の解析(図2)
シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて調製したFr,1〜Fr,4、9-エーテル層、CSC非投与群としてエタノールを加えた計6群で、CSCのコラーゲン誘導関節炎マウスに及ぼす影響を検討した。マウスの病態観察の結果、Fr,1投与群に重度の関節炎増悪活性が見られた。
(1)CSCの分画、活性画分の解析(図2)
シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて調製したFr,1〜Fr,4、9-エーテル層、CSC非投与群としてエタノールを加えた計6群で、CSCのコラーゲン誘導関節炎マウスに及ぼす影響を検討した。マウスの病態観察の結果、Fr,1投与群に重度の関節炎増悪活性が見られた。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって得られたFr,1画分に活性が見られることから、次に、Fr,1画分を更に分画した。分画法として、薄層クロマトグラフィー(thin-layer chromatography ; TLC)を用いた。分画の結果、Fr,1-1〜Fr,1-4の4つの画分が得られ、これに9−エーテル層、CSC非投与群としてエタノールを加えた計6群において、CSCのコラーゲン誘導関節炎マウスに及ぼす影響を検討した。マウスの病態観察の結果、Fr,1-3投与群に重度の関節炎増悪活性が見られた。
次にFr,1-3画分をHPLCで更に分画することにした。得られた画分(6.5min画分、11.6 min画分、12.3 min画分)をGC/MS分析した。解析結果から化合物ライブラリーを参照し、HPLCによって分取された成分の推定構造を求めた(図3、4)。5−ヒドロキシ−2−メチルピリジンについては、NMR解析により同定された。2.24ppm(3H,S), 7.15ppm(1H,d,J=8.4Hz),7.18ppm(1H,dd, J=2.8, 8.4), 7.98ppm(1H,d,J=2.6Hz, 7.98ppm(1H,d,J=2.7Hz), 溶媒MeODで測定
(3)コラーゲン誘導関節炎モデルにおける関節炎のスコアと関節炎発症率
GC-MS解析から推定された化合物(図5)の標品を購入し、コラーゲン誘導関節炎モデルに投与し、関節炎のスコアと関節炎発症率を測定した(図7)。5−ヒドロキシ−2−メチルピリジン、m−ヒドロキシアセトフェノンに溶媒コントロールのエタノールと比べて高い関節炎スコアと発症率が認められた。一方、3’,5’−ジメトキシ−4’−ヒドロキシアセトフェノンはエタノールと同等であり増強作用が認められなかった。続いて5−ヒドロキシ−2−メチルピリジンの異性体の標品を購入し、同様の実験を行った(図8)。5−ヒドロキシ−2−メチルピリジン、2−ヒドロキシ−3−メチルピリジンに高い活性が認められたが、3−ヒドロキシ−2−メチルピリジンはエタノールと同等であった。5−ヒドロキシ−2−メチルピリジンの用量依存性を検討した結果、マウス一匹あたり1マイクログラム投与で関節炎のスコア、発症率ともエタノール投与群より高い価を示した(図9)。また、マウス一匹あたり100マイクログラムでは最高値の関節炎スコアが認められた。
GC-MS解析から推定された化合物(図5)の標品を購入し、コラーゲン誘導関節炎モデルに投与し、関節炎のスコアと関節炎発症率を測定した(図7)。5−ヒドロキシ−2−メチルピリジン、m−ヒドロキシアセトフェノンに溶媒コントロールのエタノールと比べて高い関節炎スコアと発症率が認められた。一方、3’,5’−ジメトキシ−4’−ヒドロキシアセトフェノンはエタノールと同等であり増強作用が認められなかった。続いて5−ヒドロキシ−2−メチルピリジンの異性体の標品を購入し、同様の実験を行った(図8)。5−ヒドロキシ−2−メチルピリジン、2−ヒドロキシ−3−メチルピリジンに高い活性が認められたが、3−ヒドロキシ−2−メチルピリジンはエタノールと同等であった。5−ヒドロキシ−2−メチルピリジンの用量依存性を検討した結果、マウス一匹あたり1マイクログラム投与で関節炎のスコア、発症率ともエタノール投与群より高い価を示した(図9)。また、マウス一匹あたり100マイクログラムでは最高値の関節炎スコアが認められた。
3.コラーゲン誘導関節炎モデルにおける血清抗体価の上昇作用(アジュバント作用)
CSCから活性分画を特定する過程でCIAモデルを用いて活性画分の特定を行った(図6)。CIAモデルは、測定中のマウスにおいて採血を行い、コラーゲンに対する血液中の抗体価を測定した。Fr,1-3にコラーゲンに対する抗体価の上昇が認められた(図10)。また、CIAモデルで増強作用が認められた5−ヒドロキシ−2−メチルピリジン及び、その異性体(2−ヒドロキシ−3−メチルピリジン、3−ヒドロキシ−2−メチルピリジン)についてCIAモデルにて活性の測定を行ったところ、2−ヒドロキシ−3−メチルピリジン、5−ヒドロキシ−2−メチルピリジンに高い活性が見られ(図7)、血清中の抗体価の上昇も同様に2−ヒドロキシ−3−メチルピリジンと5−ヒドロキシ−2−メチルピリジンが溶媒コントロールのエタノールに比べて高い価を示した(図11)。次に、5−ヒドロキシ−2−メチルピリジンの容量依存性実験を行ったところ、1μg/マウスにおいても抗体価を上昇させる活性を示した(図12)。
CSCから活性分画を特定する過程でCIAモデルを用いて活性画分の特定を行った(図6)。CIAモデルは、測定中のマウスにおいて採血を行い、コラーゲンに対する血液中の抗体価を測定した。Fr,1-3にコラーゲンに対する抗体価の上昇が認められた(図10)。また、CIAモデルで増強作用が認められた5−ヒドロキシ−2−メチルピリジン及び、その異性体(2−ヒドロキシ−3−メチルピリジン、3−ヒドロキシ−2−メチルピリジン)についてCIAモデルにて活性の測定を行ったところ、2−ヒドロキシ−3−メチルピリジン、5−ヒドロキシ−2−メチルピリジンに高い活性が見られ(図7)、血清中の抗体価の上昇も同様に2−ヒドロキシ−3−メチルピリジンと5−ヒドロキシ−2−メチルピリジンが溶媒コントロールのエタノールに比べて高い価を示した(図11)。次に、5−ヒドロキシ−2−メチルピリジンの容量依存性実験を行ったところ、1μg/マウスにおいても抗体価を上昇させる活性を示した(図12)。
3.まとめ
5−ヒドロキシ−2−メチルピリジン及び異性体は、CIAモデルマウスにおいて抗原であるコラーゲン投与による血中抗体価の上昇を上げる活性を持つ。即ち、アジュバント活性を有し、ワクチンのアジュバントとしての利用が期待できる。また、m−ヒドロキシアセトフェノンもCIAモデルで5−ヒドロキシ−2−メチルピリジンと同様に関節炎を増悪させることから、アジュバント活性を持つことが示唆される。
5−ヒドロキシ−2−メチルピリジン及び異性体は、CIAモデルマウスにおいて抗原であるコラーゲン投与による血中抗体価の上昇を上げる活性を持つ。即ち、アジュバント活性を有し、ワクチンのアジュバントとしての利用が期待できる。また、m−ヒドロキシアセトフェノンもCIAモデルで5−ヒドロキシ−2−メチルピリジンと同様に関節炎を増悪させることから、アジュバント活性を持つことが示唆される。
本発明の免疫アジュバントは、様々なワクチンの補助剤として利用可能である。本発明の免疫アジュバントの作用は強く、1回の投与でも血中抗体価を上昇させることを期待できる。従って、抗原量やワクチン接種回数の低減という効果をもたらし得る。
現在開発中のアジュバントでは、自然免疫受容体のTLRsを介するものが注目されている。本発明のアジュバントは別の経路で免疫応答を活性化すると予想される。従って、併用による相加的ないし相乗効果をもたらすアジュバントとしても有用であり、既存のアジュバントの補助剤としての利用も想定される。
本発明の免疫アジュバンドの有効成分は、副作用が少ないことも期待できる。5−ヒドロキシ−2−メチルピリジについては、コーヒー豆のロースト工程でも発生し、四塩化炭素による肝障害に保護作用があることが報告されており(Food Science and Thchnology Research, 17(1), 39-44, 2011)、安全性が高いといえる。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
Claims (5)
- タバコ煙濃縮物、該タバコ煙濃縮物のアジュバント活性を示す画分、5−ヒドロキシ−2−メチルピリジン若しくはその類縁化合物、又はm−ヒドロキシアセトフェノン若しくはその類縁化合物を有効成分として含む、免疫アジュバント。
- 有効成分が5−ヒドロキシ−2−メチルピリジン又は2−ヒドロキシ−3−メチルピリジンである、請求項1に記載の免疫アジュバント。
- 有効成分がm−ヒドロキシアセトフェノンである、請求項1に記載の免疫アジュバント。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の免疫アジュバントと抗原を含むワクチン。
- 他の免疫アジュバントを更に含む、請求項4に記載のワクチン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014140033A JP2016017044A (ja) | 2014-07-07 | 2014-07-07 | ワクチンアジュバント及び免疫増強剤 |
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