JP2016016733A - In-wheel motor drive unit - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、インホイールモータ駆動装置、詳しくは、インホイールモータ駆動装置の潤滑構造に関する。 The present invention relates to an in-wheel motor drive device, and more particularly to a lubrication structure for an in-wheel motor drive device.
インホイールモータ駆動装置121は、図11に示すように、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速機Bと、減速機Bからの出力を駆動輪に伝える車輪ハブCとを備える。
As shown in FIG. 11, the in-wheel
上記モータ部Aおよび減速機Bは、ケーシング122内に収容されている。ケーシング122は、モータ部A側のケーシング122aと、減速機B側のケーシング122bとに、仕切壁122cによって仕切られている。
The motor part A and the speed reducer B are accommodated in the
モータ部Aは、ケーシング122aの内周面にステータ123を設け、このステータ123の内周に間隔をおいてロータ124を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。
The motor part A uses a radial gap type of which a
ロータ124は、モータ軸124aを中心部に有し、そのモータ軸124aは減速機Bの入力軸130と接続して減速機Bのケーシング122b内に挿入され、軸受125a、125bによってケーシング122aに対して回転自在に支持されている。
The
減速機Bのケーシング122bには、下部に潤滑油のオイルタンク141が設けられ、オイルタンク141内の潤滑油をオイルポンプ142によって吸い込み、モータ部Aと減速機Bに潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている(特許文献1〜3)。
The
潤滑油をモータ部A及び減速機Bの内部に供給する給油通路143は、モータ部Aの回転を減速する減速機Bの出力回転を利用して駆動されるオイルポンプ142の吐出口からケーシング122aの外径部の内側に沿って後方へと延びる外径部流路143aと、リアカバー122dに設けられたリアカバー流路143bと、モータ軸124aの内部通路144と、減速機Bの入力軸130の内部通路145を経て、減速機Bのケーシング122b内に至る通路、およびオイルタンク141からオイルポンプ142の吸入口に至る吸込通路146とにより構成される。給油通路143の断面形状は、図12に示すように、円形断面に形成されている。
The
そして、オイルポンプ142から供給された潤滑油は、モータ軸124aの内部通路144に設けられた半径方向の油孔144aからモータ部A側のケーシング122a内に導かれ、モータ部Aの潤滑と冷却を行った後、モータ部A側のケーシング122aの下方からオイルタンク141に排出される。
The lubricating oil supplied from the
また、減速機Bの入力軸130の内部通路145にも半径方向に油孔145a、145bが設けられ、この油孔145a、145bから遠心力によって潤滑油が飛散し、減速機B内を潤滑及び冷却している。即ち、いわゆる軸心給油方式が採用されている。
In addition,
潤滑油の帰還通路は、減速機Bのケーシング122bの底部に設けられた排出口147、およびオイルタンク141により構成される。
The return path for the lubricating oil is constituted by a
潤滑油による冷却は、インホイールモータ駆動装置121の性能に大きな影響を与える。
Cooling with the lubricating oil greatly affects the performance of the in-wheel
例えば、モータ部Aの温度が上昇すると、磁石の減磁による出力低下や、絶縁物の早期劣化、ロータ支持軸受を含めた各部の損傷の恐れがある。特に、電気自動車の場合には、バッテリ容量側の制限もあるが、航続距離を伸ばし、また定格出力(規定時間回し続けられる出力)向上のためには、モータ部Aの油温の温度上昇を抑えることが重要である。また、減速機Bも、温度が上昇すると転動部の焼付けや各部の損傷の恐れがあり、潤滑油自体も劣化し潤滑性能が低下する。 For example, when the temperature of the motor part A rises, there is a risk of output reduction due to demagnetization of the magnet, early deterioration of the insulator, and damage to each part including the rotor support bearing. In particular, in the case of an electric vehicle, there is a limit on the battery capacity side, but in order to increase the cruising distance and improve the rated output (output that can continue to rotate for a specified time), increase the oil temperature of the motor part A. It is important to suppress. Also, if the temperature of the reduction gear B rises, there is a risk of seizure of the rolling parts and damage of each part, and the lubricating oil itself deteriorates and the lubricating performance is lowered.
ところで、潤滑油による冷却効果を高めるためには、給油通路143を通過する潤滑油自体を冷却する必要がある。
By the way, in order to enhance the cooling effect by the lubricating oil, it is necessary to cool the lubricating oil itself that passes through the
モータ部A側のケーシング122aの外周面、減速機Bのケーシング122bの外周面及びリアカバー122dの外径面には、複数のフィン150が設けられており、フィン150が走行風等で冷却されることよって、ケーシング122の温度が下がり、ケーシング122に設けられた給油通路143を通過する潤滑油が冷却される。
A plurality of
潤滑油は、上記のように、給油通路143を通過する際に、ケーシング122への熱伝導によって冷却される。潤滑油からケーシング122への熱伝導量Qは、潤滑油の流速と流路表面積が増加するほど大きくなる。そして、潤滑油の流速は、流路断面積に依存する。
As described above, the lubricating oil is cooled by heat conduction to the
したがって、潤滑油の冷却効果を高めるためには、潤滑油の給油通路を延長して、流路表面積Sが増加させることが効果的である。 Therefore, in order to enhance the cooling effect of the lubricating oil, it is effective to increase the flow passage surface area S by extending the lubricating oil supply passage.
しかしながら、ケーシング122に設けられる潤滑油の給油通路を延長することは、給油通路の形状が複雑化したり、加工工数の増加によるコスト増が懸念されると共に、給油通路の延長による潤滑油量の増加や圧力損失等の懸念もある。
However, extending the lubrication oil supply passage provided in the
そこで、この発明は、給油通路の長さをほとんど変更することなく、しかも潤滑油の流速及び給油通路の流路断面積をほぼ一定にした条件で、給油通路の流路表面積を増加させることにより、給油通路からの潤滑油の冷却効果を高めようとするものである。 Therefore, the present invention increases the flow passage surface area of the oil supply passage with almost no change in the length of the oil supply passage, and under the condition that the flow velocity of the lubricating oil and the flow passage cross-sectional area of the oil supply passage are substantially constant. The cooling effect of the lubricating oil from the oil supply passage is to be enhanced.
上記の課題を解決するため、この発明においては、駆動力を発生させるモータ部と、モータ部の回転を減速して出力する減速機と、減速機からの出力を駆動輪に伝える車輪ハブとを備え、前記モータ部および減速機がケーシング内に収容され、このケーシングに、オイルポンプによって潤滑油が循環する給油通路を設け、この給油通路を循環する潤滑油をモータ部と減速機に導いて、モータ部と減速機の潤滑と冷却を行うインホイールモータ駆動装置において、前記給油通路内に、溝又は突起を設けて給油通路の流路内表面積を増加させたことを特徴とする。 In order to solve the above problems, in the present invention, a motor unit that generates a driving force, a speed reducer that decelerates and outputs the rotation of the motor unit, and a wheel hub that transmits the output from the speed reducer to the drive wheels. The motor part and the speed reducer are accommodated in a casing, and an oil supply passage through which lubricating oil circulates by an oil pump is provided in the casing, and the lubricating oil circulated through the oil supply path is guided to the motor part and the speed reducer, In the in-wheel motor drive device that performs lubrication and cooling of the motor unit and the speed reducer, a groove or a protrusion is provided in the oil supply passage to increase the surface area in the flow passage of the oil supply passage.
前記溝又は突起が、給油通路の流路と平行に設けることが好ましい。 It is preferable that the groove or the protrusion is provided in parallel with the flow path of the oil supply passage.
前記溝又は突起は、給油通路の流路に複数設けるようにしてもよい。 A plurality of the grooves or protrusions may be provided in the flow path of the oil supply passage.
この発明に係るインホイールモータ駆動装置においては、上記のように、給油通路内に、溝又は突起を設けて給油通路の流路内表面積を増加させたので、給油通路の長さをほとんど変更することなく、しかも潤滑油の流速v及び給油通路の流路断面積Aをほぼ一定にした条件でも、給油通路からの潤滑油の冷却効果を高めることができる。 In the in-wheel motor drive device according to the present invention, as described above, since the groove or protrusion is provided in the oil supply passage to increase the surface area in the flow passage of the oil supply passage, the length of the oil supply passage is almost changed. In addition, the cooling effect of the lubricating oil from the oil supply passage can be enhanced even under conditions where the flow velocity v of the lubricating oil and the flow passage cross-sectional area A of the oil supply passage are substantially constant.
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明の一実施形態に係るインホイールモータ駆動装置を備えた電気自動車11は、図9に示すように、シャーシ12と、操舵輪としての前輪13と、駆動輪(後輪)14と、左右の駆動輪14それぞれに駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置21とを備える。駆動輪14は、図10に示すように、シャーシ12のホイールハウジング12aの内部に収容され、懸架装置(サスペンション)12bを介してシャーシ12の下部に固定されている。インホイールモータ駆動装置21の搭載形態としては、図9、10で示した後輪駆動方式の他に、前輪駆動方式でも四輪駆動方式のいずれでも構わない。
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the accompanying drawings.
As shown in FIG. 9, an
懸架装置12bは、左右に伸びるサスペンションアームによって駆動輪14を支持すると共に、コイルスプリングとショックアブソーバとを含むストラットによって、駆動輪14が地面から受ける振動を吸収してシャーシ12の振動を抑制する。さらに、左右のサスペンションアームの連結部分には、旋回時等に車体の傾きを抑制するスタビライザが設けられる。なお、懸架装置12bは、路面の凹凸に対する追従性を向上し、駆動輪の駆動力を効率良く路面に伝達するために、左右の車輪を独立して上下させることができる独立懸架式とするのが望ましい。
The
この電気自動車11は、ホイールハウジング12a内部に、左右の駆動輪14をそれぞれ駆動するインホイールモータ駆動装置21を設けることによって、シャーシ12上にモータ、ドライブシャフト、およびデファレンシャルギヤ機構等を設ける必要がなくなるので、客室スペースを広く確保でき、かつ、左右の駆動輪の回転をそれぞれ制御することができるという利点を備えている。
The
インホイールモータ駆動装置21は、図1に示すように、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速機Bと、減速機Bからの出力を駆動輪14に伝える車輪ハブCとを備え、モータ部Aと減速機Bとはケーシング22に収納されて、図11に示すように電気自動車11のホイールハウジング12a内に取り付けられる。
As shown in FIG. 1, the in-wheel
上記モータ部Aおよび減速機Bは、ケーシング22内に収容されている。ケーシング22は、モータ部A側のケーシング22aと、減速機B側のケーシング22bとに、仕切壁22cによって仕切られ、仕切壁22cの中心にはモータ部Aのモータ軸24aを挿通する貫通部が形成されている。
The motor part A and the speed reducer B are accommodated in the
モータ部Aは、ケーシング22aの内周面にステータ23を設け、このステータ23の内周に間隔をおいてロータ24を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。
The motor part A uses a radial gap type in which a
ロータ24は、モータ軸24aを中心部に有し、そのモータ軸24aは減速機Bの入力軸30と接続して減速機Bのケーシング22b内に挿入され、軸受25a、25bによってケーシング22に対して回転自在に支持されている。
The
減速機Bのケーシング22bには、下部に潤滑油のオイルタンク41が設けられ、オイルタンク41内の潤滑油をオイルポンプ42によって吸い込み、モータ部Aと減速機Bに潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている。
The
潤滑油をモータ部Aと減速機Bの内部に供給する給油通路43は、モータ部Aの回転を減速する減速機Bの出力回転を利用して駆動されるオイルポンプ42の吐出口からケーシング22aの内側に沿って後方へと延びる外径部流路43aと、ケーシング22aの後面のリアカバー22dに設けられたリアカバー流路43bと、モータ軸24aの内部通路44と、減速機Bの入力軸30の内部通路45を経て、減速機Bのケーシング22b内に至る通路、およびオイルタンク41からオイルポンプ42の吸入口に至る吸込通路46とにより構成される。
The
そして、オイルポンプ42から供給された潤滑油は、モータ軸24aの内部通路44に設けられた半径方向の油孔44aからモータ部A側のケーシング22a内に導かれ、モータ部Aの潤滑と冷却を行った後、モータ部A側のケーシング22aの下方からオイルタンク41に排出される。
The lubricating oil supplied from the
また、減速機Bの入力軸30の内部通路45にも半径方向に油孔45a、45bが設けられ、この油孔45a、45bから遠心力によって潤滑油が飛散し、減速機B内を潤滑及び冷却している。即ち、いわゆる軸心給油方式が採用されている。
Further,
潤滑油の帰還通路は、減速機Bのケーシング22bの底部に設けられた排出口47、およびオイルタンク41により構成される。
The return path for the lubricating oil is configured by a
オイルポンプ42は、図4に示すように、減速機Bの回転を利用して回転するインナーロータ72と、インナーロータ72の回転に伴って従動回転するアウターロータ73と、ポンプ室74と、吸込通路46に連通する吸入口75と、給油通路43に連通する吐出口76とを備えるサイクロイドポンプである。
As shown in FIG. 4, the
インナーロータ72は、外径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分72aの形状がエピサイクロイド曲線、歯溝部分72bの形状がハイポサイクロイド曲線となっている。このインナーロータ72は、減速機Bの出力軸33と一体回転する。
アウターロータ73は、内径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分73aの形状がハイポサイクロイド曲線、歯溝部分73bの形状がエピサイクロイド曲線となっている。このアウターロータ73は、ポンプケース77に回転自在に支持されている。
The
インナーロータ72は、回転中心c1を中心として回転する。一方、アウターロータ73は、インナーロータの回転中心c1と異なる回転中心c2を中心として回転する。また、インナーロータ72の歯数をnとすると、アウターロータ73の歯数は(n+1)となる。なお、この実施形態においては、n=5としている。
The
インナーロータ72とアウターロータ73との間の空間には、複数のポンプ室74が設けられている。そして、インナーロータ72が減速機Bの出力軸33の回転を利用して回転すると、アウターロータ73は従動回転する。このとき、インナーロータ72およびアウターロータ73はそれぞれ異なる回転中心c1、c2を中心として回転するので、ポンプ室74の容積は連続的に変化する。これにより、吸入口75から流入した潤滑油が吐出口76から給油通路43に圧送される。
A plurality of
減速機Bのケーシング22bには、図1に示すように、下部に潤滑油のオイルタンク41が設けられ、オイルタンク41内の潤滑油を吸込通路46を通じてオイルポンプ42によって吸い込み、モータ部Aと減速機Bに潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている。
As shown in FIG. 1, the
サイクロイド式の減速機Bは、図1〜図3に示すように、入力軸30に設けられた偏心軸部30a、30bによって2枚の曲線板31を回転自在に支持し、それらの曲線板31の外周に形成された波形歯形31aを減速機Bのケーシング22bの内側に配設された外ピン32に噛合し、上記入力軸30の回転により曲線板31を偏心揺動運動させ、その曲線板31の自転を入力軸30と同軸上に配置された出力軸33から出力し、車輪ハブCを回転させている。
As shown in FIGS. 1 to 3, the cycloid type speed reducer B rotatably supports two
減速機Bのケーシング22bの内側に配設された外ピン32の数は、曲線板31の外周の波形歯形31aより多い。
The number of
外ピン32は、図2に示すように、減速機Bのケーシング22bの内径面に隙間を介して位置する外ピンハウジング50に支持されている。外ピンハウジング50は、減速機Bのケーシング22bに対してアウター側とインナー側に、フローティングボルト59によってフローティング支持されている。
As shown in FIG. 2, the
入力軸30は、図1に示すように、その一端部がスプライン嵌合によりロータ24のモータ軸24aに接続されてモータ部Aにより回転駆動されるようになっており、その他端部に偏心軸部30a、30bが設けられている。
As shown in FIG. 1, one end of the
偏心軸部30a、30bは、図2に示すように、入力軸30の軸方向に一対設けられている。その一対の偏心軸部30a、30bは、円筒状外径面の中心が周方向に180°位相がずれるようにして設けられ、その一対の偏心軸部30a、30bのそれぞれの外径面に転がり軸受34が嵌合されている。
As shown in FIG. 2, a pair of
偏心軸部30a、30bには、油孔45a、45bが設けられ、この油孔45a、45bから入力軸30の内部通路45を通る潤滑油が飛散し、各部の転動面、摺動面を潤滑する。
The
一対の偏心軸部30a、30bを設けた入力軸30には、一対の偏心軸部30a、30bを挟むように一対のカウンタウェイト35を、周方向に180°位相をずらして設けている。
The
曲線板31は、転がり軸受34によって入力軸30に回転自在に支持され、その外周に形成された波形歯形31aはトロコイド曲線歯形とされている。図3に示すように、曲線板31には、回転軸心を中心とする一つの円上に複数のピン孔36が等間隔に形成され、軸方向に並ぶ一対のピン孔36のそれぞれに内ピン37が余裕をもって挿入され、その内ピン37に回転自在に支持されたころ軸受37aの外周一部がピン孔36の内周一部に接触している。
The
減速機Bは、図2に示すように、偏心軸部30a、30bに回転自在に保持される公転部材としての2枚の曲線板31と、曲線板31の外周部の波形歯形31aに係合する複数の外ピン32と、曲線板31の自転運動を出力する出力軸33と、2枚の曲線板31の隙間に取り付けられてこれら曲線板31の端面に当接して曲線板31の傾きを防止するセンターカラー38とを備える。
As shown in FIG. 2, the speed reducer B is engaged with two
図1に示すように、出力軸33は、フランジ部33aと軸部33bとを有する。フランジ部33aには、出力軸33の回転軸線を中心とする円周上に、内ピン37が等間隔に固定されている。軸部33bの外径面には、図1に示すように、セレーション(またはスプライン)によりトルク伝達可能な状態で車輪ハブCが設けられている。図2に示すように、複数の内ピン37を介しフランジ部33aとスタビライザ33dが連結され、出力軸33とスタビライザ33dは一体に回転する。スタビライザ33dのモータ部A側の端部には、オイルポンプ42のインナーロータ72に接続するポンプ駆動軸33cが設けられている。
As shown in FIG. 1, the
外ピン32は、入力軸30の回転軸線の円周軌道上に等間隔に設けられる。そして、曲線板31が公転運動すると、外周の波形歯形31aと外ピン32とが係合して、曲線板31に自転運動を生じさせる。
The outer pins 32 are provided at equal intervals on the circumferential track of the rotation axis of the
図2に示すように、外ピンハウジング50のフランジ部51の内周には、出力軸33およびスタビライザ33dが転がり軸受90を介してそれぞれ回転自在に支持されている。また、出力軸33のフランジ部33aおよびスタビライザ33dの内径面と入力軸30の外径面とは、転がり軸受91を介して相対的に回転可能に支持されている。
As shown in FIG. 2, an
曲線板31は、出力軸33の対向するフランジ部33aおよびスタビライザ33dの間に組み込まれている。また、出力軸33の対向するフランジ部33aおよびスタビライザ33dには、組み込まれた曲線板31のピン孔36を貫通する内ピン37の両端が支持されている。
The
出力軸33の対向するフランジ部33aおよびスタビライザ33dに支持された複数の内ピン37は、入力軸30の回転軸線を中心とする円周軌道上に等間隔に設けられ、曲線板31との摩擦抵抗を低減するために、2枚の曲線板31の各ピン孔36の内壁面に当接する位置に針状ころ軸受37aがそれぞれ設けられている。ピン孔36の内径寸法は、内ピン37の外径寸法(「針状ころ軸受37aを含む最大外径」を指す。以下同じ。)より所定分大きく設定されている。
The plurality of
車輪ハブCは、図1に示すように、出力軸33の軸部33bの外径面にセレーション(またはスプライン)によりトルク伝達可能な状態で嵌合連結された内輪部材81と、内輪部材81をケーシング22bに対して回転自在に保持する外輪部材82とを備える。内輪部材81と外輪部材82とは複列アンギュラ玉軸受を構成し、内輪部材81と外輪部材82の間に複列の転動体83を設置している。内輪部材81には、車輪取付けフランジ部84が一体に設けられている。
As shown in FIG. 1, the wheel hub C includes an
外ピン32は、ケーシング22bに直接保持されているわけではなく、図1及び図2に示すように、ケーシング22bの内径面にフローティング状態に支持された外ピンハウジング50に保持されている。
The
インホイールモータ駆動装置21においては、軽量化の観点からケーシング22は、アルミ合金やマグネシウム合金等の軽金属で形成し、高い強度が求められる外ピンハウジング50は、鋼で形成するのが望ましい。
In the in-wheel
また、サイクロイド式の減速機Bの潤滑は、オイルポンプ42から供給された潤滑油が、入力軸30の内部通路45を通り、偏心軸部30a、30bに設けた油孔45a、45bから飛散し飛沫となって、また、外ピンハウジング50の内部に溜まった潤滑油が、曲線板31の回転で掻き上げられ飛沫となって、各部の転動面、摺動面を潤滑する。潤滑油は、減速機B内の潤滑と冷却を行った後、減速機Bのケーシング22bの下方の排出口47からオイルタンク41に排出される。
Further, in the lubrication of the cycloid reduction gear B, the lubricating oil supplied from the
潤滑油は、給油通路43を通過する際に、ケーシング22への熱伝導によって冷却される。
The lubricating oil is cooled by heat conduction to the
そして、モータ部A側のケーシング22aの外周面、減速機Bのケーシング122bの外周面及びリアカバー22dの外径面には、複数のフィン62が設けられており、フィン62が走行風等で冷却されることよって、ケーシング22の温度が下がり、ケーシング22に設けられた給油通路43を通過する潤滑油が冷却される。
潤滑油からケーシング22への熱伝導量Qは、潤滑油の流速と流路表面積が増加するほど大きくなる。そして、潤滑油の流速は、流路断面積に依存する。
A plurality of
The amount Q of heat conduction from the lubricating oil to the
この発明では、給油通路43の長さを変更することなく、しかも潤滑油の流速及び給油通路43の流路断面積をほぼ一定にした条件において、給油通路43からの潤滑油の冷却効果を高めるために、給油通路43の流路表面積を増加させるようにしている。
In the present invention, the cooling effect of the lubricating oil from the
この発明において、給油通路43の流路表面積を増加させる手段として採用したのは、図5の(a)〜(f)に示すように、給油通路43を形成する流路内に、溝60又は突起61を形成するという手段である。
In the present invention, as a means for increasing the flow passage surface area of the
即ち、図5(a)、(b)、(d)、(e)は、給油通路43に溝60を形成する例であり、図5(c)、(f)は、突起61を形成する例であり、溝60又は突起61は、図5(b)、(e)に示すように、複数形成するようにしてもよい。
5 (a), (b), (d), and (e) are examples of forming the
給油通路43の流路の断面形状は、図5(a)、(b)、(c)に示すように、円形でも、図5(d)、(e)、(f)に示すように、矩形のいずれでもよい。
The cross-sectional shape of the flow path of the
給油通路43の流路に形成する溝60又は突起61は、流路内を通過する潤滑油に、圧力損失が生じないように、流路と平行に設けることが望ましい。
The
給油通路43の流路に溝60又は突起61を形成する手段としては、次のような方法を採用することができる。
As a means for forming the
モータ部A側のケーシング22aが、ケーシング本体と、このケーシング本体の後面に装着されるリアカバー22dとによって形成されている場合には、リアカバー22dを、ケーシング本体に取り付けられるリアカバー本体22eと、リアカバー本体22eに装着される蓋カバー22fとの2分割体とし、リアカバー本体22eと蓋カバー22fの一方の部材に、鋳造や機械加工等によって溝加工を施し、この溝加工によって形成した溝60を、リアカバー本体22eと蓋カバー22fの他方の部材によって蓋をして、リアカバー22dの給油通路43を形成することができる。図6は、リアカバー本体22eに、溝加工によって溝60を形成した例である。
When the
図7及び図8は、モータ部A側のケーシング22aの外径部の給油通路43に、溝加工を施して溝60を形成する例である。
FIGS. 7 and 8 are examples in which a
図7は、モータ部A側のケーシング22aの外径部に、蓋部材22gが嵌る凹所22hを形成し、この凹所22hに鋳造や機械加工等によって溝加工を施し、溝加工によって形成した溝60を、蓋部材22gによって蓋をするようにした例である。
In FIG. 7, a
図8は、モータ部A側のケーシング22aの外径部に、鋳造や機械加工等によって溝加工を施し、溝加工によって形成した溝60を、モータ部A側のケーシング22aの外径部の周囲に環状のカバー体22iを嵌合させて、溝60に蓋をするようにした例である。
FIG. 8 shows that the outer diameter portion of the
上記構成のインホイールモータ駆動装置21のモータ部Aは、図1に示すように、例えば、ステータ23のコイルに交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石または磁性体によって構成されるロータ24が回転する。
As shown in FIG. 1, the motor unit A of the in-wheel
これにより、ロータ24に接続されたモータ軸24aが回転すると、曲線板31はモータ軸24aの回転軸線を中心として公転運動する。このとき、外ピン32が、曲線板31の曲線形状の波形歯形と転がり接触するよう係合して、曲線板31をモータ軸24aの回転とは逆向きに自転運動させる。
Thereby, when the
曲線板31のピン孔36に挿通する内ピン37は、ピン孔36の内径よりも十分に細く、曲線板31の自転運動に伴ってピン孔36の内壁面と当接する。これにより、曲線板31の公転運動が内ピン37に伝わらず、曲線板31の自転運動のみが出力軸33を介して車輪ハブCに伝達される。
The
このとき、回転軸線と同軸に配置された出力軸33は、減速機Bの出力軸として曲線板31の自転を取り出し、モータ軸24aの回転が減速機Bによって減速されて出力軸33に伝達されるので、低トルク、高回転型のモータ部Aを採用した場合でも、駆動輪に必要なトルクを伝達することが可能となる。
At this time, the
このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速機Bを採用することにより、コンパクトで高減速比のインホイールモータ駆動装置21を得ることができる。また、外ピン32を外ピンハウジング50に対して回転自在とし、内ピン37の曲線板31に当接する位置に針状ころ軸受37aを設けたことにより、摩擦抵抗が低減されるので、減速機Bの伝達効率が向上する。
Thus, by adopting the reduction gear B that can obtain a large reduction ratio without using a multi-stage configuration, a compact and high reduction ratio in-wheel
前記の実施形態においては、減速機Bの曲線板31を180°位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相を変えて設けるとよい。
In the embodiment described above, two
また、前記の実施形態において、曲線板31を支持する転がり軸受34として円筒ころ軸受の例を示したが、これに限ることなく、例えば、すべり軸受、深溝玉軸受、円錐ころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受、アンギュラ玉軸受、4点接触玉軸受等、すべり軸受であるか転がり軸受であるかを問わず、転動体がころであるか玉であるかを問わず、さらには複列か単列かを問わず、あらゆる軸受を適用することができる。また、その他の場所に配置される軸受についても、同様に任意の形態の軸受を採用することができる。
In the above-described embodiment, an example of a cylindrical roller bearing has been shown as the rolling
また、前記の実施形態においては、モータ部Aに、ケーシング22aに固定されるステータ23と、ステータ23の内側に径方向の隙間を空けて対面する位置に配置されるロータ24とを備えるラジアルギャップモータを採用した例を示したが、これに限ることなく、任意の構成のモータを適用可能である。例えばステータとロータとが軸方向に開いた隙間を介して対向配置されるアキシアルギャップモータであってもよい。
Moreover, in the said embodiment, the radial gap provided with the
また、前記の実施形態においては、オイルポンプ42は、減速機Bの回転を利用してインナーロータ72が回転する例を示したが、これに限ることなく、モータ部Aのロータ24の回転を利用してインナーロータが回転するオイルポンプ、あるいは別途設けた電動モータによりインナーロータが回転するオイルポンプであってもよい。
In the above-described embodiment, the
さらに、この発明に係る電気自動車用駆動装置を搭載した電気自動車は、後輪を駆動輪としてもよく、また、前輪を駆動輪としてもよく、4輪駆動車であってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、ハイブリッドカー等をも含むものとして理解すべきである。 Furthermore, the electric vehicle equipped with the electric vehicle drive device according to the present invention may have the rear wheels as drive wheels, the front wheels as drive wheels, or a four-wheel drive vehicle. In the present specification, “electric vehicle” is a concept including all vehicles that obtain driving force from electric power, and should be understood as including, for example, a hybrid vehicle.
11 :電気自動車
12 :シャーシ
12a :ホイールハウジング
12b :懸架装置
13 :前輪
14 :駆動輪
21 :インホイールモータ駆動装置
22 :ケーシング
22a :ケーシング
22b :ケーシング
22c :仕切壁
22d :リアカバー
22e :リアカバー本体
22f :蓋カバー
22g :蓋部材
22h :凹所
22i :カバー体
23 :ステータ
24 :ロータ
24a :モータ軸
25a :軸受
25b :軸受
30 :入力軸
30a :偏心軸部
30b :偏心軸部
31 :曲線板
31a :波形歯形
32 :外ピン
33 :出力軸
33a :フランジ部
33b :軸部
33c :ポンプ駆動軸
33d :スタビライザ
34 :転がり軸受
35 :カウンタウェイト
36 :ピン孔
37 :内ピン
37a :軸受
38 :センターカラー
41 :オイルタンク
42 :オイルポンプ
43 :給油通路
43a :外径部流路
43b :リアカバー流路
44 :内部通路
44a :油孔
45 :内部通路
45a :油孔
45b :油孔
46 :吸込通路
47 :排出口
50 :外ピンハウジング
51 :フランジ部
59 :フローティングボルト
60 :溝
61 :突起
62 :フィン
72 :インナーロータ
72a :歯先部分
72b :歯溝部分
73 :アウターロータ
73a :歯先部分
73b :歯溝部分
74 :ポンプ室
75 :吸入口
76 :吐出口
77 :ポンプケース
81 :内輪部材
82 :外輪部材
83 :転動体
84 :車輪取付けフランジ部
90 :転がり軸受
91 :転がり軸受
A :モータ部
B :減速機
C :車輪ハブ
11: Electric vehicle 12: Chassis 12a: Wheel housing 12b: Suspension device 13: Front wheel 14: Drive wheel 21: In-wheel motor drive device 22: Casing 22a: Casing 22b: Casing 22c: Partition wall 22d: Rear cover 22e: Rear cover body 22f : Lid cover 22g: Lid member 22h: Recess 22i: Cover body 23: Stator 24: Rotor 24a: Motor shaft 25a: Bearing 25b: Bearing 30: Input shaft 30a: Eccentric shaft portion 30b: Eccentric shaft portion 31: Curved plate 31a : Wave profile 32: Outer pin 33: Output shaft 33a: Flange portion 33b: Shaft portion 33c: Pump drive shaft 33d: Stabilizer 34: Rolling bearing 35: Counter weight 36: Pin hole 37: Inner pin 37a: Bearing 38: Center collar 41: Oil tank 42 Oil pump 43: Oil supply passage 43a: Outer diameter portion passage 43b: Rear cover passage 44: Internal passage 44a: Oil hole 45: Internal passage 45a: Oil hole 45b: Oil hole 46: Suction passage 47: Discharge port 50: Outer pin Housing 51: Flange portion 59: Floating bolt 60: Groove 61: Protrusion 62: Fin 72: Inner rotor 72a: Tooth portion 72b: Tooth portion 73: Outer rotor 73a: Tooth portion 73b: Tooth portion 74: Pump chamber 75: Suction port 76: Discharge port 77: Pump case 81: Inner ring member 82: Outer ring member 83: Rolling element 84: Wheel mounting flange part 90: Rolling bearing 91: Rolling bearing A: Motor part B: Reduction gear C: Wheel hub
Claims (6)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014140403A JP2016016733A (en) | 2014-07-08 | 2014-07-08 | In-wheel motor drive unit |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2016016733A true JP2016016733A (en) | 2016-02-01 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102023003456B3 (en) | 2023-08-23 | 2024-08-22 | Mercedes-Benz Group AG | Wheel hub drive for a motor vehicle with a cooling circuit system |
-
2014
- 2014-07-08 JP JP2014140403A patent/JP2016016733A/en active Pending
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DE102023003456B3 (en) | 2023-08-23 | 2024-08-22 | Mercedes-Benz Group AG | Wheel hub drive for a motor vehicle with a cooling circuit system |
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