JP2016016615A - ライナー材、ライナー材の製造方法および施工方法、並びにその施工方法に用いる加熱冷却治具 - Google Patents

ライナー材、ライナー材の製造方法および施工方法、並びにその施工方法に用いる加熱冷却治具 Download PDF

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【課題】 作業性よく短時間で施工でき、残留応力を低減させたライナー材とし、施工時の管軸方向の伸縮を抑え、既設管の内面をシワなく平滑にライニングする。【解決手段】 ライナー材1は、既設管8に引き込まれ、ガラス転移温度Tgに対して、Tg〜(Tg+20℃)の温度に加熱されて断面円形状に形状回復する。また、加熱ピグ101と冷却ピグ102とを一列に備える加熱冷却治具10を、形状回復したライナー材1の内側に一方向に移動させ、加熱ピグ101によりライナー材1を(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の温度に加熱し、拡径させて既設管8に密着させるとともに、後続する冷却ピグ102によりライナー材1をTg未満の温度まで冷却する。これにより、ライナー材1を管軸方向に順に既設管8に密着させて冷却する。【選択図】 図6

Description

本発明は、所定の温度にて形状復元するライナー材、そのライナー材の製造方法および施工方法、並びにライナー材の施工方法に用いる加熱冷却治具に関する。
下水管等の既設管を更生する方法の一つに、熱可塑性樹脂材等からなる更生管を既設管内に挿入し、これを加熱して内部から加圧して膨径し、既設管の内面に密着させる更生方法がある。更生管としては、例えば、熱可塑性合成樹脂からなる管を、管軸に沿って凹入変形させて、その断面形状を原管の円形状よりも縮小させ、形状回復温度で原管の円形状に復元する管(以下、ライナー材という。)を用いる。
例えば、特許文献1には、ライナー材として、形状回復温度にて円筒体に形状回復する性能が付与され、断面形状が小さくなるよう変形された構成が開示されている。また、このライナー材を既設管内へ挿入し、所定の形状回復温度に加熱して元の円筒体に形状回復させ、その後、該円筒体を余熱状態にて内部より空気加圧し、膨張させて既設管の内面に密着させ、空気冷却して固定する施工方法が開示されている。
この種のライナー材の製造方法として、特許文献2には、断面円形状に押し出した原管を冷却した後、ガラス転移温度Tgから(Tg+40℃)までの間の所定温度のもとで、断面形状を凹形状に変形させて引き取る方法が開示されている。図8に示すように、従来のライナー材の製造過程には、樹脂投入ホッパ911を備えた押出機91、金型92、サイジングチューブ93、冷却装置94、第1の引取機95、温度調整装置96、変形装置97、および第2の引取機98が順に配置されている。
ライナー材は、変形装置97を経て断面形状が変形されていることにより、既設管内へ容易に引き込まれ、所定温度に加熱されることによって、比較的容易にその形状を原管の形状に復元させて既設管を更生するものとなる。
特開平11−270745号公報 特許第4404732号公報
前記従来のライナー材により、既設管の内面を良好にライニングすることが可能とされている。しかしながら、前記従来のライナー材にあっても次のような課題点があり、未だ改善の余地を有していた。
すなわち、従来のライナー材は、断面形状を凹形状に変形加工する際に、変形装置により凹状に押圧しつつ引取機により引き取って移動させる。ライナー材は、変形装置によって軸方向と直交する方向に押圧され、軸方向に延伸した状態に成形される。このときの延伸度合いによっては、ライナー材に成形歪みが残存し、施工時にライナー材を加熱すると、軸方向に収縮を生じる可能性があった。
また、従来のライナー材では、所定温度にて原管の円筒形状に復元させた後、その温度を維持し或いは更に加熱し、ライナー材の内部に加圧空気や蒸気等を供給して、内側から加圧する必要性があった。これによって、ライナー材を膨張および拡径させ、既設管の内面にライナー材を密着させていた。そのため、既設管を更生する場合には、ライナー材を加熱するための熱源装置に加えて、加圧空気等の発生装置を必要とし、装置の大型化や高コスト化を免れ得ないものであった。また、ライナー材の加熱や加圧の状況によっては、ライナー材の拡径が不十分となったり、拡径後のライナー材にシワを生じるおそれがあり、十分に注意を払って作業を進めなければならなかった。
その上、既設管の更生対象区間の全体に、ライナー材を密着させた後、次工程として、密着したライナー材を冷却する作業を行うことから、ライナー材の全体が管軸方向に収縮しようとし、既設管との摩擦抵抗を生じながら冷却されて、管軸方向の残留応力が発生する可能性もあった。
本発明は、上記のような問題点にかんがみてなされたものであり、縮小断面形状に変形されたライナー材を用いて既設管を更生するにあたり、大がかりな装置を必要とすることなく、作業工程を簡略化して、作業性よく短時間で施工することを可能にし、ライナー材の残留応力を低減して、施工時の管軸方向の収縮を抑え、既設管の内面をシワなく平滑にライニングすることのできるライナー材、およびその製造方法と施工方法、並びにライナー材の施工方法に好適な加熱冷却治具を提供することを目的としている。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段として、既設管の内面を更生するライナー材であっては、熱可塑性樹脂材料からなり、既設管の内径以上の外径を有する断面円形状の原管が、前記既設管の内径に対して90〜95%の外径に縮径されるとともに、管軸方向に沿って側面に凹入部を有する縮小断面形状に変形加工されており、前記熱可塑性樹脂材料のガラス転移温度Tgに対して、Tg〜(Tg+20℃)の温度に加熱されて断面円形状に形状回復し、さらに(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の温度に加熱されて既設管の内径以上の外径まで拡径して復元しうることを特徴としている。
これにより、ライナー材を既設管内に容易に引き込むことができ、所定の温度に加熱されることで形状回復し、さらに加熱されることで良好に既設管に密着するものとなる。そのため、ライナー材を加熱した後、拡径させるために加圧空気を導入するという従来の工程が不要となる。したがって、作業性が格段に高められ、施工時間の短縮化を図ることができ、施工のための装置の大型化や高コスト化を回避することができる。
前記解決手段に係るライナー材の施工方法も本発明の技術的思想の範疇である。すなわち、熱可塑性樹脂材料からなり既設管の内径以上の外径を有する断面円形状の原管が、前記既設管の内径に対して縮径した外径に形成されるとともに、管軸方向に沿って凹入部を有する縮小断面形状に変形されたライナー材の施工方法であって、既設管に引き込んだライナー材の内側に加熱媒体を供給し、前記熱可塑性樹脂材料のガラス転移温度Tgに対して、Tg〜(Tg+20℃)の温度に加熱してライナー材を断面円形状に形状回復させた後、加熱手段と冷却手段とを一列に備える加熱冷却治具を、形状回復したライナー材の内側に一方向に移動させる。そして、この加熱冷却治具の加熱手段によりライナー材を(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の温度に加熱し、拡径させて既設管に密着させるとともに、前記加熱手段に後続する冷却手段によりライナー材をTg未満の温度まで冷却し、既設管に密着させた状態で硬化させ、前記加熱手段による加熱と、前記冷却手段による冷却とを、ライナー材に対して管軸方向に順に行っていくことを特徴としている。
これにより、加熱冷却治具を移動させることで、ライナー材を拡径させ、かつ硬化させて、既設管に一体化させることができ、ライナー材の施工工程が従来よりも簡略化される。加えて、ライナー材を管軸方向に沿って順に加熱し、その後冷却する、という工程を繰り返して既設管に密着させ一体化させるので、拡径したライナー材と既設管との間に摩擦抵抗が生じにくく、残留応力の発生を低減することができる。
また、前記ライナー材の施工方法に用いる加熱冷却治具にあっては、牽引手段により牽引され加熱媒体を外方へ噴出する加熱ピグと、冷却媒体を外方へ噴出する冷却ピグとが仕切部材を介在させて連結され、前記仕切部材は既設管の内径よりも大きい外径を有する外形状を有し、少なくとも外周部に気密性材料を備え、ライナー材の内側を移動する加熱ピグと冷却ピグとの間を気密状に仕切りながらライナー材の内面に沿って摺動しうることを特徴としている。
これにより、形状回復したライナー材に対して、加熱と冷却とを管軸方向に沿って順に行うことが容易となり、作業性よく円滑にライナー材を施工することができる。また、加熱ピグと冷却ピグとの間には仕切部材が介在するので、両者間が遮蔽され、加熱ピグの加熱効率および冷却ピグの冷却効率を高めることができる。
前記加熱冷却治具のより具体的な構成として、前記加熱ピグは、既設管の内径よりも小さい外径を有して形成され、加熱媒体が供給される加熱媒体供給管が牽引方向の前方から接続されて、前記熱可塑性樹脂材料のガラス転移温度Tgに対して、(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の温度にライナー材を加熱し、前記冷却ピグは、既設管の内径よりも小さい外径を有して形成され、冷却媒体が供給される冷却媒体供給管が牽引方向の後方から接続されて、前記ライナー材をTg未満の温度まで冷却する構成であることが好ましい。
これにより、形状回復したライナー材の内側に、加熱冷却治具を容易に挿通させて牽引することができ、効率のよい短時間での作業が可能となる。また、加熱媒体または冷却媒体の供給管がそれぞれのピグに連通しているので、加熱媒体または冷却媒体の温度管理を容易に行うことができ、ライナー材を所定の形状回復温度に加熱して確実に密着させ、その後十分に冷却させて一体化させることができる。
前記解決手段に係るライナー材の製造方法も本発明の技術的思想の範疇である。すなわち、熱可塑性樹脂材料からなり、管軸方向に沿って凹入部を有する縮小断面形状に変形され、前記熱可塑性樹脂材料のガラス転移温度Tgに対して、Tg〜(Tg+20℃)の温度に加熱されて断面円形状に形状回復し、さらに(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の温度に加熱されて既設管の内径以上の外径まで拡径するライナー材の製造方法であって、既設管の内径以上の大きさの外径を有する原管を成形する原管成形工程と、原管をTg未満の温度に冷却しつつ引き取る冷却工程と、前記冷却工程後の管体の表面温度を(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の温度に加熱するとともに、前記冷却工程での引取速度よりも速い速度で管体を引き取って原管より縮径された縮径管を形成する縮径工程と、前記縮径管の表面温度を(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の温度に保ちつつ、前記縮径工程での引取速度よりも遅い引取速度で縮径管を引き取って前工程までに生じた縮径管の軸方向の伸びを解消させるとともに、凹入部を有する縮小断面形状に変形する変形加工工程とを含むことを特徴としている。
これにより、ライナー材は、縮径管の状態を経て凹入部を有する縮小断面形状に変形され、縮径工程での引取速度よりも遅い引取速度で縮径管が引き取られるので、前工程までに生じた縮径管の軸方向の伸びが解消される。したがって、ライナー材として残留応力が低減されて、施工する際の軸方向の収縮を抑えることができる。また、ライナー材は既設管の内径に対して、同等以上の外径寸法まで形状回復することができるので、前記所定温度に加熱することで、既設管の内面に密着させることができ、内側からの加圧の必要性がなくなり、施工作業性も高めることができる。
前記ライナー材の製造方法において、前記縮径工程には、冷却工程を経た管体を加熱する加熱部と、その管体を引き取る引取機とを設け、前記加熱部に管体の外径規制手段を設けて、管体の外径を、原管の外径に対して90〜95%小さい外径に縮径させつつ引き取ることが好ましい。また、前記縮径工程での引取速度を、前記冷却工程での引取速度よりも5〜10%速い引取速度とすることが好ましい。
このような縮径工程を経ることにより、ライナー材は既設管の内面にシワなく密着し得るものとなり、より一層、施工作業性が高められ、短時間での信頼性の高い更生作業が可能となる。
本発明により、既設管の更生に大がかりな装置を必要とすることなく、作業工程を簡略化して、作業性よく短時間でライナー材を施工することを可能にし、ライナー材の残留応力を低減させて、管軸方向の収縮を抑えることができ、既設管の内面をシワなく平滑にライニングすることが可能となる。
本発明の実施の形態に係るライナー材を示し、図1(a)は既設管に配置された状態を示す断面図であり、図1(b)は既設管に密着した状態を示す断面図である。 実施の形態に係るライナー材の断面形状の断面形状の変化を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係るライナー材の製造方法を示す説明図である。 図3に示される第1加熱部の概要を示す説明図である。 前記第1加熱部に設ける外径規制手段の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係るライナー材の施工方法を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る加熱冷却治具を示す側面図である。 従来のライナー材の製造方法を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態に係るライナー材、ライナー材の製造方法および施工方法、並びにその施工方法に用いる加熱冷却治具について、図面を参照しつつ説明する。
(ライナー材)
図1および図2は本発明の実施形態に係るライナー材を示しており、図1は既設管に挿入されたライナー材を示す断面図、図2はライナー材の断面形状の変化を示す説明図である。
ライナー材1は、老朽化した既設管8の内面をライニングする長尺の更生材料とされる。このライナー材1は、熱可塑性樹脂材料からなり、図1(a)に示すように、管軸方向に沿って管壁を凹ませた凹入部11を有し、既設管8の内径よりも小さい外形の縮小断面形状に形成されている。
図2(a)に示すように、ライナー材1の原管12は、断面円形状に成形されている。原管12は、既設管8の内径と略同等の外径または既設管8の内径に対して105%までの割合の大きさの外径を有する。また、原管12は、ライナー材1を構成する熱可塑性樹脂材料のガラス転移温度(二次転移温度)Tgにおいて、当該外径の断面円形状を形状記憶している。
さらに、原管12は縮径管14とされ、図2(b)に示すように、既設管8の内径の90〜95%の外径に縮径されている。この縮径は、(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の温度下においてなされている。この縮径管14は、Tg〜(Tg+20℃)の温度下で、図2(c)に示すように、管軸方向に沿って側面に凹入部11を有する縮小断面形状に変形加工されて、既設管8に挿入可能なライナー材1とされている。
これにより、ライナー材1は、ガラス転移温度Tgに対して、Tg〜(Tg+20℃)の温度に加熱されることで、既設管8内で、図1(a)に示す、凹入部11を有する縮小断面形状の状態から、断面円形状に形状回復する。さらに、ライナー材1は、(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の温度に加熱されることで、既設管8内で拡径して復元し、図1(b)に示すように既設管8の内面に密着する。ライナー材1は、原管12が既設管8の内径以上の外径を有しているので、既設管8内で(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の所定温度に加熱されるだけで、ライナー材1の内側から加圧されずとも、既設管8の内面に密着するまで拡径しうる。
熱可塑性樹脂材料をそのガラス転移点または軟化点以上において外力を加えて変形させると、分子鎖が力の作用方向に配向され、同時に分子鎖の絡み合いが伸ばされる。また、これを冷却すれば、その状態が凍結されてストレスが残留する。この凍結状態を再加熱により解除して残留ストレスを開放すれば、変形前の形状に復元される。本実施形態に示すライナー材1においても、縮小断面変形時にストレスが残留されるために前記の形状復元性を具備している。
例えば、ライナー材1を構成する塩化ビニル系樹脂材料のガラス転移温度Tgに対して、Tg〜(Tg+40℃)の範囲内の所定の温度領域において、このライナー材1の管壁を管軸方向に沿って管壁を凹入変形させて冷却する。この場合、変形管内に高温の水蒸気等を導入し、ライナー材1の温度を凹入変形時の温度まで上昇させれば、導入圧力以上に圧力を上げずとも、凹入変形した形状が断面円形状に回復する。
また、同じ温度領域で縮径して冷却すれば、そのライナー材1の温度を縮径変形時の温度まで上昇させることで、縮径変形した形状が元の直径まで拡径して形状回復する。以下では、このようなライナー材1の温度領域を、形状記憶温度または形状回復温度というものとする。
例示のライナー材1にあっては、ガラス転移温度Tg(a)を有する塩化ビニル系樹脂Aがあり、凹入変形をTg(a)〜(Tg(a)+20℃)の温度範囲内の所定の温度T(a)で行って冷却する。この場合、その管を温度T(a)に加熱すれば、変形された凹入形状が回復して元の管形状に復元する。
また、ガラス転移温度が、先の樹脂AのTg(a)より約20℃程度高い、Tg(b)であるエチレン系樹脂Bがあり、縮径変形をTg(b)〜(Tg(b)+20℃)の温度範囲内の所定の温度T(b)で行って冷却したとする。この場合、その管を温度T(b)まで加熱すると、縮径した形状が回復し、すなわち膨径して元の管径に復元する。これは、管自体が記憶している配向の開放によるものであり、内側から圧力を加えずとも膨径させることができる。
樹脂Aと樹脂Bとを混合して樹脂Cとしたとき、この樹脂Cのtanδのピークは、見かけ上、温度Tg(a)とそれより20℃高温側のTg(b)の2個所にあることになる。または、樹脂Aと樹脂Bとが相溶すれば、Tg(a)とTg(b)との間の温度に1ピークのみあることになる。そこで、まずTg(b)〜(Tg(b)+40℃)の温度範囲内の所定の温度T(b)において縮径変形して冷却し、冷却後これを再び加熱して、Tg(a)〜(Tg(a)+20℃)の温度範囲内の所定の温度T(a)において凹入変形して冷却すれば、別々の温度で縮径変形と凹入変形の両方の変形を受けた管が得られる。
ライナー材1において、T(a)とT(b)の温度差は、少なくとも10℃以上必要とされる。10℃以下であれば凹入変形の復元と膨径とが同時におこるおそれがある。通常、T(a)とT(b)の温度差は20℃以上であることが好ましく、40℃以上であればより好ましい。
なお、縮径温度は、Tg(b)〜(Tg(b)+40℃)程度であれば縮径変形配向が残留した管となるが、(Tg(b)+25℃)〜(Tg(b)+35℃)の温度範囲が最も好ましい。
ライナー材1は、前記樹脂Aとして、塩化ビニル樹脂を用いることが好ましく、前記樹脂Bとしては、エチレン−メチルアクリレート共重合体を用いることが好ましい。これにより、ライナー材1を構成する熱可塑性樹脂材料のガラス転移温度Tgは、50〜65℃とされている。
以上より、ライナー材1は、既設管8の内面をライニングするに際し、既設管8内で(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の形状回復温度に加熱されることで十分に拡径して、加圧作業の手間を要することなく既設管8の内面に密着する。これにより、既設管8の内面は、ライナー材1によりシワなく被覆されて、平滑な内周面が形成される。
また、ライナー材1は、その製造方法によって残留応力が低減されており、既設管8の内面に密着する際の管軸方向の収縮が抑えられている。このため、ライナー材1によれば、更生対象区間の両端部で、ライナー材1の長さが不足したり、不要なシワが形成されたりするおそれがなく、作業性よく良好に既設管8を更生することが可能となる。
(ライナー材の製造方法)
次に、ライナー材の製造方法について、図面を参照しつつ説明する。
図3は、ライナー材の製造方法の一例を示す説明図である。図4は、製造工程に設ける第1加熱部の概要を示す説明図であり、図5は、第1加熱部に設ける外径規制手段の一例を示す説明図である。
前記のとおり、ライナー材1は熱可塑性樹脂材料からなり、管軸方向に沿って凹入部11を有する縮小断面形状に変形されている。またライナー材1は、ガラス転移温度Tgに対して、Tg〜(Tg+20℃)の温度に加熱されて断面円形状に形状回復し、さらに(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の温度に加熱されて既設管8の内径以上の外径まで拡径しうる。
図3に示すように、ライナー材1の製造工程には、押出機21、成形金型22、冷却部31、第1引取機32、第1加熱部41、第2引取機42、第2加熱部51、変形機52、第3引取機53、再加熱部61、および巻取機62を設けている。
押出機21は、熱可塑性樹脂材料を供給する樹脂投入用のホッパ211を備え、成形金型22を通して熱可塑性樹脂材料を断面円形の管状体に押出成形する。そして、押し出した管状体をサイジングチューブ311に通し、既設管8の内径に対して100%〜105%の外径となるようにその外径寸法を規制する。これにより、断面円形状であり、既設管8の内径に対して100〜105%の外径寸法を有する原管12を形成する(原管形成工程)。
次に、原管12を第1引取機32で引き取りつつ冷却部31に通す。冷却部31は、例えば噴霧式水槽であることが好ましく、この冷却部31の入口側にサイジングチューブ311が設けられている。冷却部31の噴霧水は、原管12を構成する熱可塑性樹脂材料のガラス転移温度Tg未満の所定温度に設定している。これにより、原管12の表面温度を、Tg未満の温度に冷却する(冷却工程)。サイジングチューブ311を経た原管12は急冷されて、既設管8の内径に対して100〜105%の外径を有した断面円形状の状態が凍結され、この凍結によるストレスが残留保持される。
次に、第1引取機32を経た原管12を、第2引取機42で引き取りつつ第1加熱部41にて加熱する。第1加熱部41は、図4に示すように、円筒状の通路411の外周部に、遠赤外線や近赤外線等の熱線方式の加熱手段412を備えている。第1加熱部41では、加熱手段412により、管体13の表面温度を(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の形状記憶温度に加熱する。この加熱手段412は、熱線方式であるほか、熱風、噴霧温水等の加熱流体を供給する方式であってもよい。
第1加熱部41の出口側には、加熱した管体13の外径規制手段としてサイジングチューブ413が設けられている。加熱した管体13を、このサイジングチューブ413に通すことにより、その外径を規制する。また、管体13を引き取る第2引取機42の引き取り速度を、第1引取機32よりも5〜10%速い速度となるように制御する。これによって、第1加熱部41から管体13を引き取りつつ、縮径させる(縮径工程)。管体13は、サイジングチューブ413を通して、原管12の外径に対して90〜95%小さく縮径された縮径管14となる。
サイジングチューブ413は、原管12の外径に対して90〜95%小さい内径を有する円筒部413aを備えている。円筒部413aには、回転機能および摺動機能を備えるベアリング等の滑動体が内周面に設けられ、管体13を次工程へ送り出す。
外径規制手段として、前記サイジングチューブ413を設けるほか、例えば、図5に示すように、通路411の出口側に複数の変形ローラ414を設けてもよい。変形ローラ414は、通路411の上下および左右内面に管体13の外周面を取り囲むように回転自在に設けられ、軸方向の中央部ほど縮径された外形状を有する。4つの変形ローラ414の内側には、原管12の外径に対して90〜95%の内径となる円形通路411が形成されている。変形ローラ414は、円形通路411の内側に管体13を挿通させて縮径させ、縮径管14として次工程へ送り出す。
次に、縮径管14を、第2加熱部51にて温度調整しつつ、凹入部11を有する形状に変形させ、第3引取機53により引き取る(変形加工工程)。第2加熱部51では、縮径工程を経て低下した縮径管14の表面温度を補い、その表面温度を(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の形状記憶温度に保持させる。また、この温度範囲に保持した縮径管14を、第3引取機53によって、第2引取機42の引取速度よりも遅い引取速度で引き取りながら、変形機52にて変形加工する。
第3引取機53の引取速度は、第2引取機42の引取速度に対して5〜10%遅い速度とされる。これにより、前工程までに生じた縮径管14の管軸方向の伸びを解消させつつ、縮径管14に軸方向の凹入部11を形成する。変形機52は、従来のライナー材の製造工程に用いられているものと同様であり、図示しないローラを押し当てて縮径管14の断面形状を屈曲させて縮小変形させる。これにより、管軸方向に沿って凹入部11を有する縮小断面形状に変形された長尺のライナー材1が得られる。
さらに、ライナー材1を再加熱部61にて加熱して軟化させた後、ライナー材1を巻取機62により略円筒状に巻き重ねて保管または搬送する。
ライナー材1は、管軸方向の伸びを解消した状態で縮小断面形状に変形されているので、残留応力が低減されており、施工時の管軸方向の収縮を抑えることができる。
なお、変形機52は、第3引取機53の前に設けるに限らず、第3引取機53の後に設けてもよい。すなわち、変形加工工程においては、第2加熱部51と第3引取機53とを順に設け、これらに続いて変形機52を設けて変形加工を行うようにしてもよい。
・実施例
前記ライナー材の製造方法の実施例として、内径が250mmである既設管8に施工するためのライナー材1を次のように製造した例について説明する。
まず、原管形成工程において、塩化ビニル系樹脂材料、または塩化ビニル系樹脂とエチレン系樹脂との混合材料により、外径が257〜258mmの円形断面の原管12を形成した。この場合、ガラス転移温度Tgは、53〜58℃とされる。
次に、冷却工程として、原管12を冷却部31に通し、表面温度を45〜47℃(Tg未満)となるよう冷却した。原管12を冷却する間の第1引取機32による引取速度は、毎分410mmとした。
次に、縮径工程として、第1引取機32を経た管体13を、第2引取機42で引き取りつつ第1加熱部41にて加熱した。このときの引取速度は、毎分450mmとし、第1引取機32の引取速度より9.7%速い速度とした。また、第1加熱部41により、管体13の表面温度が82〜85℃となるよう加熱した。さらに、サイジングチューブ413を通して、外径が231〜232mmであり、原管12の外径に対して90%縮径された縮径管14を得た。
次に、変形加工工程として、この縮径管14の表面温度を第2加熱部51により82〜85℃の温度に保ち、変形機52にて凹入部11を有する外形状に変形加工した。変形加工する間の第3引取機53の引取速度は、毎分408mmとし、第2引取機42の引き取り速度より約10%遅い速度とした。これにより、縮径管14に生じた軸方向の伸びを解消させ、凹入部11を有する縮小断面形状のライナー材1を得た。
また、縮径工程として、第1加熱部41に複数の変形ローラ414を備えさせ、これらの変形ローラ414によって縮径させ、変形加工工程を経た場合にも、同様に縮小断面形状のライナー材1を得た。
得られたライナー材1の形状復元性を確認するため、複数のライナー材1を10〜30cmの長さに切断し、70℃の熱水槽に浸漬して断面円形状に復元させ、冷却した後、外径を測定した。その後、さらに95℃の熱水槽に浸漬して拡径させ、拡径後の外径を測定した。
形状復元性の評価は、断面円形状に復元したライナー材1の円形復元率(平均外径に対する最小外径の割合)が95%以上である場合に良好と評価した。また、拡径させたライナー材1の形状復元性の評価は、外径膨張率(95℃の熱水槽に浸漬前の平均外径に対する浸漬後の平均外径の割合)が110〜115%である場合に良好と評価した。
測定の結果、断面円形状に復元したライナー材1は、97〜98%の円形復元率を有しており、極めて良好に形状復元することが確認された。また、断面円形状に復元後のライナー材1の外径は、231〜232mmであり、既設管8の内径250mmに対して90〜95%の範囲内のものが得られた。さらに、95℃の熱水槽に浸漬したライナー材1の外径膨張率は、111〜112%であったことから、極めて良好に膨張および拡径することが確認された。
このライナー材1の比較例として、同じ材料で成形した原管を前記縮径工程を経ずに縮小断面形状に変形加工したライナー材を用いて、同様の評価を行った。比較例では、円形復元率は実施例と同様であったものの、断面円形状に復元後のライナー材1の外径が238〜239mmとなり、外径膨張率は107〜108%にとどまり、十分な形状復元性を有しないことが確認された。
以上より、本製造方法により得るライナー材1は、極めて良好な形状復元性を有するうえ、残留応力が低減されており、既設管8の内面に良好に密着して、内面を更生するものとなり得ることが確認された。
(ライナー材の施工方法および加熱冷却治具)
次に、ライナー材の施工方法およびこの施工方法にて用いる加熱冷却治具について、図面を参照しつつ説明する。
図6はライナー材1の施工方法を示す説明図であり、図7は加熱冷却治具の一例を示す側面図である。
前記ライナー材1を、更生対象の既設管8の配管延長に相当する長さに切断して用意し、既設管8内に引き込んで配置する(図1(a)参照)。
次に、引き込んだライナー材1の両端部を閉塞し、内側に水蒸気等の加熱媒体を供給し、ライナー材1のガラス転移温度Tgに対して、Tg〜(Tg+20℃)の形状回復温度にライナー材1を加熱する。これにより、図2(c)に示した縮小断面形状のライナー材1は、図2(b)に示した断面円形状となる。すなわち、ライナー材1は、加熱されて、前述の縮径管14の外径と同等の大きさの外径まで形状回復する。この段階で、ライナー材1は、既設管8の内径よりも小さい外径を有する状態で、既設管8内に配置されている。
次に、図6に示すように、形状回復したライナー材1の内側に加熱冷却治具10を一端側から他端側の方向へ挿通させる。加熱冷却治具10は、加熱手段と冷却手段とを一列に備えており、ライナー材1に対して、加熱手段による加熱と冷却手段による冷却とを、1つの治具の移動で管軸方向に沿って順に行っていくことができる。
具体的には、図7に示すように、加熱冷却治具10は、加熱媒体を外方へ噴出する加熱ピグ101と、冷却媒体を外方へ噴出する冷却ピグ102と、これらの間を仕切る仕切部材103とを備える。加熱ピグ101と冷却ピグ102とは、間に仕切部材103を介在させて、連結材109により連結されている。加熱ピグ101と冷却ピグ102は、ともに、既設管8の内径よりも小さい外径の略円柱形状または球形状に形成されている。また、加熱ピグ101および冷却ピグ102は、外面に多数の噴出孔107、108が均等に穿設されている。
加熱ピグ101には、加熱媒体供給管105が牽引方向の前方から接続され、加熱ピグ101の内部を通して噴出孔107に連通されている。供給された加熱媒体は、各噴出孔107から噴出される。この加熱ピグ101は、牽引ロープ104が連結されて地上の牽引手段により牽引される。また、冷却ピグ102には、冷却媒体供給管106が牽引方向の後方から接続され、冷却ピグ102を通して噴出孔108に連通されている。供給された冷却媒体は、各噴出孔108から噴出される。
仕切部材103は、既設管8の内径よりも大きい外径を有する円盤状またはテーパー管状に形成されて断熱性を有し、少なくとも外周部にシリコンゴム等の気密性材料を備える。仕切部材103は、ライナー材1の内側を移動する加熱ピグ101と冷却ピグ102との間に介在されて、両ピグ101、102間を気密状に仕切り、遮蔽しながら、ライナー材1の内面に沿って摺動する。
この加熱冷却治具10の加熱ピグ101により、ライナー材1を(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の形状回復温度に加熱し、拡径させて既設管8に密着させる。また同時に、加熱ピグ101に後続する冷却ピグ102によりライナー材1をTg未満の温度まで冷却し、既設管8に密着させた状態でライナー材1を硬化させる。
加熱冷却治具10に対して、加熱媒体供給管105を介して加熱媒体を加熱ピグ101に連続的に供給するとともに、冷却媒体供給管106を介して冷却媒体を冷却ピグ102に連続的に供給する。また、同時に、図6において矢印で示すように、加熱冷却治具10を管軸方向に牽引し、ライナー材1の一端側から他端側へと移動させていく。
先行する加熱ピグ101へ供給された加熱媒体は、ライナー材1の内面に向けて噴出孔107から噴出し、ライナー材1を加熱する。加熱媒体には、例えば、蒸気等が好ましく、その温度は、(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の形状回復温度される。加熱媒体は、拡散されて加熱温度の分布が均一となり、ライナー材1を(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の温度に加熱する。
加熱冷却治具10の移動に伴って、ライナー材1の加熱部位は一端側から他端側へと順次管軸方向に移動する。加熱された部分のライナー材1は、膨張および拡径し、既設管8の内面に密着するものとなる。このとき、ライナー材1は、その原管12が既設管8内径の100〜105%の外径寸法を有していたことから、(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の形状回復温度に加熱されることで、原管12の形状、すなわち既設管8内径の内径以上の外径まで形状回復しうる。その形状回復の過程で、ライナー材1は拡径しながら既設管8の内面に接触し、内部から加圧せずとも既設管8に密着していく。
冷却ピグ102は、加熱ピグ101が牽引されることで、加熱ピグ101に後続して管軸方向に移動する。加熱ピグ101と冷却ピグ102との間は仕切部材103が介在され、相互に熱的影響を受けない。冷却ピグ102は、供給された冷却媒体を噴出孔108から噴出し、拡散させる。冷却媒体としては、水(冷水)等が好ましい。冷却媒体の温度は、既設管8に密着したライナー材1の形状を凍結しうるTg未満の温度に設定される。冷却ピグ102が通過した部分のライナー材1は、既設管8の内面に密着一体化し、既設管8を更生するものとなる。
加熱ピグ101によるライナー材1の加熱温度を、このライナー材1が膨張するのに過不足のない温度である(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の形状回復温度に設定することにより、ライナー材1は一端側から順次拡径して既設管8の内面に密着する。ライナー材1の加熱温度を、(Tg+21℃)に満たない温度とすると、ライナー材1は原管12の形状まで復元し得ず、また、(Tg+40℃)を超える温度とすると、冷却に時間を要し施工時間が長くなってしまう。ライナー材1が(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の形状回復温度に加熱されて既設管8の内面に密着するまでに要する時間は、概ね5分とされる。
また、これを冷却し硬化させて既設管8に一体化させるのに要する時間は、概ね40分とされる。したがって、加熱冷却治具10を、一端部から他端部まで、管軸方向に移動と停止を繰り返しながら牽引することで、ライナー材1を極めて容易に効率よく施工することができる。
既設管8の内面とライナー材1の外面との間に存在する空気は、一端側から他端側へと順次追いやられて外部に排出される。加熱冷却治具10が通過することにより、ライナー材1は、既設管8に対して全面的に密着し、一体化する。仕切部材103の介在によって、加熱ピグ101の加熱効率および冷却ピグ102の冷却効率を向上させることができる。
既設管8に施工されるライナー材1は、このように一端部から順に加熱され、拡径した後、直ちに冷却される。ライナー材1は、全体として、一方の端部から順に、加熱と冷却とが繰り返され、既設管8に一体化されていく。そのため、施工過程でライナー材1の全体に及ぶ管軸方向の収縮を生じることがなく、残留応力の発生が低減され、既設管8に対して良好に密着し、シワのない平滑な内周面を形成することができる。これにより、既設管8は更生される。
加熱冷却治具10をライナー材1の内側の一端側から他端側へと移動させるに際しては、既設管8の下流側から上流側に向かって一方向に移動させることが好ましい。これにより、既設管8内におけるライナー材1の下流側端部から順に、加熱ピグ101と冷却ピグ102とが通過する。冷却ピグ102から噴出される冷却媒体としての水は、ライナー材1の内側に拡散されてライナー材1を冷却し、既に冷却された下流側のライナー材1の内側を流れて、効率よく排出される。
なお、本発明に係るライナー材1、その製造方法および施工方法は、前記の実施形態以外にも他の様々な形で実施することができる。また、加熱冷却治具10は、前述した構成のものに限定されず、例えば、加熱手段と冷却手段とが断熱性を有する仕切部材を介して一体に設けられた構造を有していてもよい。そのため、前記実施形態は例示であり、限定的なものではない。
本発明は、既設管の内面をライニングによって更生する場合に好適に利用可能である。
1 ライナー材
11 凹入部
12 原管
13 管体
14 縮径管
21 押出機
22 成形金型
31 冷却部
311 サイジングチューブ
32 第1引取機
41 第1加熱部
411 通路
412 加熱手段
413 サイジングチューブ
414 変形ローラ
42 第2引取機
51 第2加熱部
52 変形機
53 第3引取機
61 再加熱部
62 巻取機
8 既設管
10 加熱冷却治具
101 加熱ピグ
102 冷却ピグ
103 仕切部材
104 牽引ロープ
105 加熱媒体供給管
106 冷却媒体供給管

Claims (7)

  1. 既設管の内面を更生するライナー材であって、
    熱可塑性樹脂材料からなり、既設管の内径以上の外径を有する断面円形状の原管が、前記既設管の内径に対して90〜95%の外径に縮径されるとともに、管軸方向に沿って側面に凹入部を有する縮小断面形状に変形加工されており、
    前記熱可塑性樹脂材料のガラス転移温度Tgに対して、Tg〜(Tg+20℃)の温度に加熱されて断面円形状に形状回復し、さらに(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の温度に加熱されて既設管の内径以上の外径まで拡径して復元しうることを特徴とするライナー材。
  2. 熱可塑性樹脂材料からなり既設管の内径以上の外径を有する断面円形状の原管が、前記既設管の内径に対して縮径した外径に形成されるとともに、管軸方向に沿って凹入部を有する縮小断面形状に変形されたライナー材の施工方法であって、
    既設管に引き込んだライナー材の内側に加熱媒体を供給し、前記熱可塑性樹脂材料のガラス転移温度Tgに対して、Tg〜(Tg+20℃)の温度に加熱してライナー材を断面円形状に形状回復させ、
    加熱手段と冷却手段とを一列に備える加熱冷却治具を、形状回復したライナー材の内側に一方向に移動させ、
    この加熱冷却治具の加熱手段によりライナー材を(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の温度に加熱し、拡径させて既設管に密着させるとともに、前記加熱手段に後続する冷却手段によりライナー材をTg未満の温度まで冷却し、既設管に密着させた状態で硬化させ、
    前記加熱手段による加熱と、前記冷却手段による冷却とを、ライナー材に対して管軸方向に順に行っていくことを特徴とするライナー材の施工方法。
  3. 熱可塑性樹脂材料からなり既設管の内径以上の外径を有する断面円形状の原管が、前記既設管の内径に対して縮径した外径に形成されるとともに、管軸方向に沿って凹入部を有する縮小断面形状に変形されたライナー材を既設管に施工する加熱冷却治具であって、
    牽引手段により牽引され加熱媒体を外方へ噴出する加熱ピグと、冷却媒体を外方へ噴出する冷却ピグとが仕切部材を介在させて連結され、
    前記仕切部材は既設管の内径よりも大きい外径を有する外形状を有し、少なくとも外周部に気密性材料を備え、ライナー材の内側を移動する加熱ピグと冷却ピグとの間を気密状に仕切りながらライナー材の内面に沿って摺動しうることを特徴とする加熱冷却治具。
  4. 請求項3に記載の加熱冷却治具において、
    前記加熱ピグは、既設管の内径よりも小さい外径を有して形成され、加熱媒体が供給される加熱媒体供給管が牽引方向の前方から接続されて、前記熱可塑性樹脂材料のガラス転移温度Tgに対して、(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の温度にライナー材を加熱し、
    前記冷却ピグは、既設管の内径よりも小さい外径を有して形成され、冷却媒体が供給される冷却媒体供給管が牽引方向の後方から接続されて、前記ライナー材をTg未満の温度まで冷却することを特徴とする加熱冷却治具。
  5. 熱可塑性樹脂材料からなり、管軸方向に沿って凹入部を有する縮小断面形状に変形され、前記熱可塑性樹脂材料のガラス転移温度Tgに対して、Tg〜(Tg+20℃)の温度に加熱されて断面円形状に形状回復し、さらに(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の温度に加熱されて既設管の内径以上の外径まで拡径するライナー材の製造方法であって、
    既設管の内径以上の大きさの外径を有する原管を成形する原管成形工程と、
    原管をTg未満の温度に冷却しつつ引き取る冷却工程と、
    前記冷却工程後の管体の表面温度を(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の温度に加熱するとともに、前記冷却工程での引取速度よりも速い速度で管体を引き取って原管より縮径された縮径管を形成する縮径工程と、
    前記縮径管の表面温度を(Tg+21℃)〜(Tg+40℃)の温度に保ちつつ、前記縮径工程での引取速度よりも遅い引取速度で縮径管を引き取って前工程までに生じた縮径管の軸方向の伸びを解消させるとともに、凹入部を有する縮小断面形状に変形する変形加工工程とを含むことを特徴とするライナー材の製造方法。
  6. 請求項5に記載のライナー材の製造方法において、
    前記縮径工程には、冷却工程を経た管体を加熱する加熱部と、その管体を引き取る引取機とを設け、
    前記加熱部に管体の外径規制手段を設けて、管体の外径を、原管の外径に対して90〜95%小さい外径に縮径させつつ引き取ることを特徴とするライナー材の製造方法。
  7. 請求項5または6に記載のライナー材の製造方法において、
    前記縮径工程での引取速度を、前記冷却工程での引取速度よりも5〜10%速い引取速度とすることを特徴とするライナー材の製造方法。
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