JP2016015792A - 車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の車体側からドア側に電界共鳴方式によりワイヤレスで給電を行うことが可能な車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置を提供する。
【解決手段】車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100は、車体1側に設置された送電カップラ110と、ドア2側に設置された受電カップラ120とを備えている。送電カップラ110及び受電カップラ120は、それぞれ車体1及びドア2のヒンジ3に近接した位置に配置されており、これによりドア2の開閉に伴って伝送効率が低下するおそれがなく、電界共鳴方式により高い伝送効率で車体1側からドア2側にワイヤレスで給電を行うことが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100は、車体1側に設置された送電カップラ110と、ドア2側に設置された受電カップラ120とを備えている。送電カップラ110及び受電カップラ120は、それぞれ車体1及びドア2のヒンジ3に近接した位置に配置されており、これによりドア2の開閉に伴って伝送効率が低下するおそれがなく、電界共鳴方式により高い伝送効率で車体1側からドア2側にワイヤレスで給電を行うことが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両の車体側からドア側にワイヤレスで給電する車両ドア用ワイヤレス給電装置に関し、特に電界共鳴方式によりワイヤレス給電を行う車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置に関するものである。
車両のドアに設置されたパワーウィンドウ装置等の電装品に電力を供給するために、従来は車体とドアとの間にワイヤハーネスを配索していた。しかしながら、車体とドアとの間にワイヤハーネスを配索するのに手間がかかる等の問題があった。そこで、車体とドアとの間にワイヤハーネスを配索することなく車体側からドア側に電力伝送することが可能な技術の開発が進められている。
特許文献1には、図15に示すような構造の車両ドアへの給電装置が記載されている。特許文献1では、車体11側に一次コイル23が設けられ、ドア12側に二次コイル33が一次コイル23に磁気的に結合するように設けられている。また、互いに両端が対向する形状の車体側鉄心21、60及びドア側鉄心31が車体11側及びドア12側にそれぞれ設けられており、一次コイル23及び二次コイル33は車体側鉄心21及びドア側鉄心31にそれぞれ巻装されている。ドア12の開放に伴って車体側鉄心60が移動可能に構成されており、車体側鉄心60とドア側鉄心31の両端が対向するように、車体側鉄心60が相手方に突出するように付勢部材(ばね)にて付勢されている。
しかしながら、特許文献1に開示された車両ドアへの給電装置では、ドアが開放された状態でも車体側鉄心とドア側鉄心の両端が接触して電磁誘導により給電できるようにするために、車体側鉄心及びドア側鉄心の一方または双方が相手方に突出するように付勢部材で付勢させる必要がある。このように、車体側鉄心とドア側鉄心の少なくとも一方を付勢部材を用いて機械的に移動させるように構成していることから、固着して移動しなくなる等の不具合が発生しやすく、信頼性が低下するといった問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、車両の車体側からドア側に電界共鳴方式によりワイヤレスで給電を行うことが可能な車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置を提供することを目的とする。
本発明の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置の第1の態様は、車体とドアとの間が所定の導電体で連結され、前記車体側から前記ドア側に非接触で電力伝送する車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置であって、2つの電極と前記2つの電極に直列に接続されたインダクタとをそれぞれ有する送電カップラ及び受電カップラを備え、前記送電カップラ及び前記受電カップラが、前記導電体に近接させてそれぞれ前記車体側及び前記ドア側に配置されていることを特徴とする。
本発明の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置の他の態様は、前記2つの電極は、略矩形状に形成されて同一平面上に平行に配置され、前記送電カップラ及び前記受電カップラは、それぞれの前記2つの電極の対向する辺とは反対側の辺の一方または両方に前記導電体が近接するように配置されていることを特徴とする。
本発明の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置の他の態様は、前記2つの電極の対向する辺とは反対側の辺の一方または両方に所定の大きさの切欠き部が形成され、前記導電体が前記切欠き部を非接触に貫通するように前記送電カップラ及び前記受電カップラが配置されていることを特徴とする。
本発明の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置の他の態様は、前記2つの電極は、中心に貫通孔が形成された略円環状の中心電極と該中心電極の外周に離隔して配置された外周電極とからなり、前記導電体が前記貫通孔を非接触に貫通するように前記送電カップラ及び前記受電カップラが配置されていることを特徴とする。
本発明の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置の他の態様は、前記導電体は、前記ドアを前記車体に懸架して回転により開閉可能にするヒンジであることを特徴とする。
本発明の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置の他の態様は、前記ドアは、ブラケットで前記車体に略平行に移動可能となるように懸架されたスライドドアであり、前記導電体は前記ブラケットであって、前記送電カプラの前記2つの電極は、前記ブラケットの一端が移動する範囲に略等しい長さの略矩形状に形成されて前記ブラケットの一端に近接して配置され、前記受電カプラの前記2つの電極は、略矩形状に形成されて前記ブラケットの他端に近接して配置されることを特徴とする。
本発明によれば、車両の車体側からドア側に電界共鳴方式によりワイヤレスで給電を行うことが可能な車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置を提供することができる。
本発明の好ましい実施の形態における車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置を、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100の構成を模式的に示しており、ドア2を車体1に懸架しているヒンジ3を通る水平面で見たときの車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100の構成図である。ヒンジ3は、ドア2を回転により開閉可能に車体1に懸架するものである。同図(a)は、ドア2が閉状態のときの車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100の構成を示しており、同図(b)は、ドア2が開状態のときの車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100の構成を示している。
本発明の第1実施形態に係る車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置を、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100の構成を模式的に示しており、ドア2を車体1に懸架しているヒンジ3を通る水平面で見たときの車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100の構成図である。ヒンジ3は、ドア2を回転により開閉可能に車体1に懸架するものである。同図(a)は、ドア2が閉状態のときの車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100の構成を示しており、同図(b)は、ドア2が開状態のときの車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100の構成を示している。
本実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100は、車体1側に設置された送電カップラ110と、ドア2側に設置された受電カップラ120とを備えている。送電カップラ110及び受電カップラ120は、それぞれ車体1及びドア2のヒンジ3に近接した位置に配置されている。ヒンジ3は、通常板状の金属(金属板)または円柱状の金属(金属柱)で形成されるが、これに限定されず導電性の金属であればよい。なお、送電カプラ及び受電カプラに近接する金属(導電体)を以下ではヒンジ3としたときの実施形態について説明するが、これに限定されず、車体とドアとの間を連結している金属であればよい。
送電カップラ110及び受電カップラ120は、それぞれ矩形形状の金属板を同一平面上に2つ平行に配列して形成された矩形電極111、112及び矩形電極121、122を備えている。矩形電極111、112及び矩形電極121、122は、それぞれ容量結合電極を形成している。送電カップラ110の矩形電極111、112にはそれぞれインダクタ113、114の一端が接続され、受電カップラ120の矩形電極121、122にはそれぞれインダクタ123、124の一端が接続されている。
送電カップラ110のインダクタ113、114の他端には交流電源4が接続され、受電カップラ120のインダクタ123、124の他端には負荷5が接続される。交流電源4として、例えば車体1に搭載されたバッテリ(図示せず)に接続されて直流電流を交流に変換するインバータ回路を用いることができる。また負荷5は、ドア2に装備されているパワーウィンドウ等の電装品である。
矩形電極111、112で形成される容量結合電極とインダクタ113、114とが直列に接続されて送電カプラ110が形成され、さらに送電カプラ110に交流電源4が直列に接続されることで直列共振回路が形成される。同様に、矩形電極121、122で形成される容量結合電極とインダクタ123、124とが直列に接続されて受電カプラ120が形成され、さらに受電カプラ120に負荷5が直列に接続されることで直列共振回路が形成される。
上記のように構成された送電カプラ110と受電カプラ120とを所定の間隔を空けて対向させて配置し、送電カプラ110のインダクタ113、114に交流電源4から交流電流を供給すると、送電カップラ110と受電カップラ120との間で電界結合(容量結合)が行われる。そして、交流電源4から供給された電力が送電カップラ110から受電カップラ120にワイヤレスで伝送される。ワイヤレスで受電カップラ120に伝送された電力は、受電カップラ120に接続された負荷5に供給される。
本実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100では、送電カップラ110及び受電カップラ120を金属製のヒンジ3に近接する位置に配置している。このように、送電カップラ110と受電カップラ120の近傍に一体の金属が配置されるようにすると、送電カップラ110及び受電カップラ120のそれぞれと近接する金属との間で電界結合が生じる。その結果、電力伝送の効率を低下させることなく、送電カップラ110から受電カップラ120にワイヤレスで電力伝送可能なカップラ間距離を延伸させることが可能となる。送電カップラ110及び受電カップラ120の近傍に金属を配置したときの伝送特性を、図2〜5を用いて以下に詳細に説明する。
図2は、本実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100の送電カップラ110及び受電カップラ120の構成を示す斜視図である。また、図3は、送電カップラ110及び受電カップラ120に近接させて金属板130を配置した構成を示す斜視図であり、同図(a)では一方の矩形電極111、121のみに金属板130を近接配置し、同図(b)では矩形電極111と121及び112と122の両方に金属板130を近接配置している。
さらに、図4、5は横軸を周波数としたときの伝送効率η21の変化を示しており、それぞれ図2に示す金属板130を配置しないときの車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100の伝送効率η21、及び図3に示す金属板130を配置したときの車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100の伝送効率η21を示している。伝送効率η21は、送電カップラ110から受電カップラ120に電力伝送される効率を示すものであり、SパラメータのS21を用いてη21=|S21|2で与えられる。図4、5では、伝送効率η21に加えて|S11|及び|S21|を示している。
図2、3に示す車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100では、送電カップラ110及び受電カップラ120の寸法を250mm×250mmとしており、矩形電極111と112との間、及び矩形電極121と122との間に、それぞれ34mmの間隙を設けている。
図2に示す金属板130を配置しないときの車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100において、送電カップラ110と受電カップラ120との間の伝送距離を200mmとしたときの伝送効率η21は、図4に示すように共振周波数約27MHzで約95%となっている。このように、電界共鳴型のワイヤレス給電では、送電カップラ110と受電カップラ120との電界結合により高い効率で電力伝送することが可能となっている。
また、一方の矩形電極111、121のみに金属板130を近接配置した図3(a)に示す構成では、送電カップラ110と受電カップラ120との間の伝送距離を300mmに延伸し、矩形電極111と121及び112と122の両方に金属板130を近接配置した図3(b)に示す構成では、送電カップラ110と受電カップラ120との間の伝送距離をさらに延伸して700mmとしている。それぞれの構成における伝送効率η21は、図5(a)、(b)に示すように共振周波数約27MHzで約95%となっている。このように、送電カップラ110及び受電カップラ120の近傍に金属を配置した場合には、送電カップラ110と受電カップラ120との間の伝送距離を延伸しても高い効率で電力伝送することが可能となっている。
そこで、本実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100では、送電カップラ110の矩形電極111、112のいずれか一方(図1では矩形電極111)、及び受電カップラ120の矩形電極121、122のいずれか一方(図1では矩形電極121)をヒンジ3に近接する位置に配置させる。これにより、金属製のヒンジ3が送電カップラ110及び受電カップラ120に対して図3に示す金属板130と同様の効果をもたらすことができる。その結果、ドア2の開閉に伴って送電カップラ110と受電カップラ120との間の伝送距離が変化しても、ヒンジ3を介した電界結合により、高い伝送効率でワイヤレス電力伝送を実現することができる。
本実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100によれば、送電カップラ110及び受電カップラ120をヒンジ3に近接する位置に配置することで、電界共鳴方式により高い伝送効率で車体1側からドア2側にワイヤレスで給電を行うことが可能となる。車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100では、ドア2の開閉に伴って伝送効率が低下するおそれがなく、電力伝送距離の延長や許容されるドア回転角度の増大を図ることができる。
上記の図1に示す車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100では、送電カップラ110の一方の矩形電極111及び受電カップラ120の一方の矩形電極121のみをヒンジ3に近接する位置に配置していたが、ヒンジの構成によっては、矩形電極111と121及び112と122の両方をヒンジに近接する位置に配置させるようにすることができる。矩形電極111と121及び112と122の両方をヒンジに近接する位置に配置した本実施形態の別の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100’の一例を図6に示す。
図6は、車体1及びドア2に内蔵された本実施形態の別の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100’を、車両の側方から透過してみたときの車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100’の構成図である。ここでは、車高方向に2つのヒンジ3a,3bが比較的近傍に配置されているものとしている。車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100’は、2つのヒンジ3a、3bの間に配置されており、矩形電極111と121がヒンジ3aに近接して配置され、矩形電極112と122がヒンジ3bに近接して配置されている。図3(b)及び図5(b)を用いて説明したように、矩形電極111と121及び112と122の両方を金属に近接する位置に配置することで、電力伝送距離をさらに延伸させることが可能となる。
なお、ヒンジ3aと3bとの間隔が狭いときには、図7に例示するように、矩形電極111と121にヒンジ3aを囲むように切欠き部111a、121aを形成し、矩形電極112と122にヒンジ3bを囲むように切欠き部112a、122aを形成するのがよい。これにより、矩形電極111、121とヒンジ3aとが近接する面積、及び矩形電極112、122とヒンジ3bとが近接する面積がそれぞれ増大することから、矩形電極111、121とヒンジ3aとの容量結合、及び矩形電極112、122とヒンジ3bとの容量結合をさらに高めることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置を、図8を用いて説明する。図8は、本実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置200の構成を模式的に示しており、ヒンジ3を通る水平面で見たしたときの車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置200の構成図である。
本発明の第2実施形態に係る車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置を、図8を用いて説明する。図8は、本実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置200の構成を模式的に示しており、ヒンジ3を通る水平面で見たしたときの車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置200の構成図である。
本実施形態の送電カップラ210及び受電カップラ220はそれぞれ、円環状の中心電極211と円環状の外周電極212、及び円環状の中心電極221と円環状の外周電極222を備えている。外周電極212は中心電極211を取り囲むように配置され、それぞれの中心が一致する同心円状に形成されている。同様に、外周電極222は中心電極221を取り囲むように配置され、それぞれの中心が一致する同心円状に形成されている。中心電極211の外周と外周電極212の内周との間で容量結合が形成され、中心電極221の外周と外周電極222の内周との間で容量結合が形成される構成となっている。
送電カップラ210の中心電極211及び外周電極212にそれぞれインダクタ213、214の一端が接続され、インダクタ213、214の他端が交流電源4に接続されている。中心電極211と外周電極212とで形成される容量結合電極とインダクタ213,214とが直列に接続されて送電カプラ210が形成され、さらに交流電源4が直列に接続されることで直列共振回路が形成される。同様に受電カップラ220の中心電極221及び外周電極222にそれぞれインダクタ223、224の一端が接続され、インダクタ223、224の他端が負荷5に接続されている。中心電極221と外周電極222とで形成される容量結合電極とインダクタ223,224とが直列に接続されて受電カプラ220が形成され、さらに負荷5が直列に接続されることで直列共振回路が形成される。
本実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置200でも、送電カップラ210と受電カップラ220とを所定の間隔を空けて対向させて配置することで、送電カップラ210と受電カップラ220との間を電界結合(容量結合)させることができる。これにより、送電カップラ210及び受電カップラ220を介して交流電源4から負荷5にワイヤレスで電力を伝送することができる.
また、送電カップラ210及び受電カップラ220を金属製のヒンジ3に近接する位置に配置するが、本実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置200では、中心電極211及び221の中心にそれぞれ貫通孔211a、221aを形成し、ヒンジ3が貫通孔211a、221aの中心を非接触に貫通するように送電カップラ210及び受電カップラ220を配置している。これにより、中心電極211及び221とヒンジ3との間で電界結合が生じる。その結果、電力伝送の効率を低下させることなく、送電カップラ210から受電カップラ220にワイヤレスで電力伝送可能なカップラ間距離を延伸させることが可能となる。
送電カップラ210及び受電カップラ220の中心に金属を配置したときの伝送特性を、図9〜12を用いて以下に詳細に説明する。図9は、本実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置200の送電カップラ210及び受電カップラ220の構成を示す斜視図である。また、図10は、中心電極211、221のそれぞれの貫通孔211a、221aに金属支柱230を貫通させた構成を示す斜視図である。さらに、図11、12は、図9に示す金属支柱230を貫通させないときの車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置200の伝送効率η21、及び図10に示す金属支柱230を貫通させたときの車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置200の伝送効率η21を示している。図11、12では、さらに反射損η11=|S11|2も併せて示している。
図9、10に示す車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置200では、中心電極211、221の半径を70mmとし、外周電極212、222の内周の半径を225mm、外周の半径を240mmとしている。これより、外周電極212、222の幅が15mmとなり、中心電極211の外周と外周電極212の内周との間、及び中心電極221の外周と外周電極222の内周との間の距離が、ともに155mmとなっている。さらに、貫通孔211a、221aの半径を20mmとし、金属支柱230の半径を10mmとしている。
図9に示す金属支柱230を配置しないときの車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置200において、送電カップラ210と受電カップラ220との間の伝送距離を200mmとしたときの伝送効率η21は、図11に示すように共振周波数約27MHzで約96%となっている。このように、電界共鳴型のワイヤレス給電では、送電カップラ210と受電カップラ220との電界結合により高い効率で電力伝送することが可能となっている。
次に、金属支柱230を貫通孔211a、221aの中心に貫通させた図10に示す構成では、送電カップラ210と受電カップラ220との間の伝送距離を450mmに延伸している。このときの伝送効率η21も、図10に示すように共振周波数約27MHzで約96%となっている。このように、中心電極211、221のそれぞれの貫通孔211a、221aに金属支柱230を貫通させた場合には、送電カップラ210と受電カップラ220との間の伝送距離を延伸しても高い効率で電力伝送することが可能となる。
そこで、本実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置200では、中心電極211、221のそれぞれの貫通孔211a、221aに、金属支柱230に代えてヒンジ3を貫通させる。これにより、金属製のヒンジ3が中心電極211、221に対して図10に示す金属支柱230と同様の効果をもたらすことができる。その結果、ドア2の開閉に伴って送電カップラ210と受電カップラ220との間の伝送距離が変化しても、ヒンジ3を介した電界結合により、高い伝送効率でワイヤレス電力伝送を実現することが可能となる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置を、図13、14を用いて説明する。図13は、スライドドアを有する車両に設置された本実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置300を説明するための概略構成図である。また図14は、本実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置300を車両の側方から見たときの概略構成図である。
本発明の第3実施形態に係る車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置を、図13、14を用いて説明する。図13は、スライドドアを有する車両に設置された本実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置300を説明するための概略構成図である。また図14は、本実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置300を車両の側方から見たときの概略構成図である。
スライドドア6は、一端がスライドドア6に固定されたブラケット7で移動可能に車体1に懸架されており、スライドドア6の開閉に従ってブラケット7の他端が車体1に設置されたレール(図示せず)を移動するように構成されている。図13では、ブラケット7が移動する図示しないレールに近接して配置された送電カプラ310と、スライドドア6に固定されたブラケット7の一端に近接して配置された受電カプラ320とを、車高方向の上方から見たときの構成を示しており、同図(a)はスライドドア6が閉状態のときの構成、同図(b)はスライドドア6が開状態のときの構成を示している。
送電カプラ310は、第1実施形態の送電カプラ110と同様に矩形電極311、312を有しているが、ブラケット7が移動するレールに沿ってスライドドア6の移動方向に長く形成されている。また、受電カプラ320は、第1実施形態の受電カプラ120と同様の矩形電極321、322を有しており、それぞれが送電カプラ310の矩形電極311、312と略対向するようにスライドドア6に配置されている。矩形電極321、322はまた、スライドドア6に固定されたブラケット7の一端に近接して配置されている。ブラケット7は、金属板または金属柱で形成されている。
本実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置300では、送電カプラ310の矩形電極311、312がスライドドア6の移動方向に長く形成されていることから、スライドドア6の開閉状態によらず送電カプラ310と受電カプラ320とが略対向した状態にあり、送電カプラ310から受電カプラ320へのワイヤレス電力伝送が常に可能となっている。
また、スライドドア6が閉状態のときは、送電カプラ310と受電カプラ320とが比較的短い距離で対向しているが、スライドドア6を開放していくと送電カプラ310と受電カプラ320との距離が大きくなる。しかしながら、受電カプラ320は金属製のブラケット7の一端の近傍に配置され、送電カプラ310はブラケット7の他端の近傍(レールの近傍)に配置されることから、第1実施形態の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置100と同様に、送電カプラ310及び受電カプラ320とブラケット7との間で容量結合が実現される。その結果、スライドドア6の開閉に伴って送電カップラ310と受電カップラ320との間の伝送距離が変化しても、高い伝送効率でワイヤレス電力伝送を実現することができる。
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係る車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態における車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置の細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 車体
2 ドア
3 ヒンジ
4 交流電源
5 負荷
6 スライドドア
7 ブラケット
100、200、300 車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置
110、210、310 送電カップラ
111、112、121、122、311、312、321、322 矩形電極
113、114、123、124、213、214、223、224 インダクタ
120、220、320 受電カップラ
130 金属板
211、221 中心電極
212、222 外周電極
211a、221a 貫通孔
230 金属支柱
2 ドア
3 ヒンジ
4 交流電源
5 負荷
6 スライドドア
7 ブラケット
100、200、300 車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置
110、210、310 送電カップラ
111、112、121、122、311、312、321、322 矩形電極
113、114、123、124、213、214、223、224 インダクタ
120、220、320 受電カップラ
130 金属板
211、221 中心電極
212、222 外周電極
211a、221a 貫通孔
230 金属支柱
Claims (6)
- 車体とドアとの間が所定の導電体で連結され、前記車体側から前記ドア側に非接触で電力伝送する車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置であって、
2つの電極と前記2つの電極に直列に接続されたインダクタとをそれぞれ有する送電カップラ及び受電カップラを備え、
前記送電カップラ及び前記受電カップラが、前記導電体に近接させてそれぞれ前記車体側及び前記ドア側に配置されている
ことを特徴とする車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置。 - 前記2つの電極は、略矩形状に形成されて同一平面上に平行に配置され、
前記送電カップラ及び前記受電カップラは、それぞれの前記2つの電極の対向する辺とは反対側の辺の一方または両方に前記導電体が近接するように配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置。 - 前記2つの電極の対向する辺とは反対側の辺の一方または両方に所定の大きさの切欠き部が形成され、
前記導電体が前記切欠き部を非接触に貫通するように前記送電カップラ及び前記受電カップラが配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置。 - 前記2つの電極は、中心に貫通孔が形成された略円環状の中心電極と該中心電極の外周に離隔して配置された外周電極とからなり、
前記導電体が前記貫通孔を非接触に貫通するように前記送電カップラ及び前記受電カップラが配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電界共鳴型ワイヤレス電力伝送装置。 - 前記導電体は、前記ドアを前記車体に懸架して回転により開閉可能にするヒンジである
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電界共鳴型ワイヤレス電力伝送装置。 - 前記ドアは、ブラケットで前記車体に略平行に移動可能となるように懸架されたスライドドアであり、
前記導電体は前記ブラケットであって、
前記送電カプラの前記2つの電極は、前記ブラケットの一端が移動する範囲に略等しい長さの略矩形状に形成されて前記ブラケットの一端に近接して配置され、
前記受電カプラの前記2つの電極は、略矩形状に形成されて前記ブラケットの他端に近接して配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の電界共鳴型ワイヤレス電力伝送装置。
Priority Applications (1)
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JP2014135242A JP2016015792A (ja) | 2014-06-30 | 2014-06-30 | 車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置 |
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JP2014135242A JP2016015792A (ja) | 2014-06-30 | 2014-06-30 | 車両ドア用電界共鳴型ワイヤレス給電装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2014
- 2014-06-30 JP JP2014135242A patent/JP2016015792A/ja active Pending
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