まず、図2Aを参照して、本実施の形態が適用される無線通信システムの一例について説明する。図2Aに示す無線通信システムは、複数の送受信ポイント(ここでは、無線基地局#1、#2)と、各無線基地局#1、#2と通信するユーザ端末#1、#2とを含んで構成されている。
また、無線通信システムにおいて、無線基地局#1とユーザ端末#1との間(無線基地局#2とユーザ端末#2との間)では時間分割複信(TDD)により無線通信を行う。つまり、無線基地局#1、#2においては、DLとULの送信に同じ周波数領域が適用され、各無線基地局からDLとULが時間領域で分割されて送信される。
この場合、上述したように、隣接する無線基地局#1、#2間で異なるDL/UL構成を適用すると、所定のサブフレームにおいて、無線基地局#1、#2間の干渉やユーザ端末#1、#2間の干渉により通信品質の特性が劣化するおそれがある。
例えば、図2Bに示すように、ある期間(ここでは、1フレーム)において、無線基地局#1がDL/UL configuration1、無線基地局#2がDL/UL configuration2を適用する場合、サブフレーム#3、#8において、無線基地局#1ではUL伝送が適用され、無線基地局#2ではDL伝送が適用される。すなわち、同一時間領域、同一周波数領域において、無線基地局#2からユーザ端末#2に対して下り信号が送信され、ユーザ端末#1から無線基地局#1に対して上り信号が送信される。
この場合、無線基地局#2からユーザ端末#2に対して送信される下り信号は、ユーザ端末#1から無線基地局#1に対して送信される上り信号への干渉(無線基地局#1、#2間の干渉)となる。また、ユーザ端末#1から無線基地局#1に対して送信される上り信号は、無線基地局#2からユーザ端末#2に対して送信される下り信号への干渉(ユーザ端末#1、#2間の干渉)となる。その結果、サブフレーム#3、#8において、無線基地局#1の受信品質、ユーザ端末#2の受信品質が低下するおそれがある。
そこで、本発明者等は、各送受信ポイント(無線基地局)間やユーザ端末間の干渉量を考慮して、各無線基地局が、DL/UL構成、無線基地局の送信電力、ユーザ端末の送信電力等を適宜制御することにより、隣接する送受信ポイント間で異なるDL/UL構成を適用する場合であっても、干渉の影響を抑制できることを見出した。
以下に、本実施の形態の詳細について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本明細書においては、2つ又は3つの送受信ポイント(無線基地局)を例に挙げて説明するが、本発明が適用できる送受信ポイント数はこれらに限られない。また、本明細書において、各送受信ポイントが適用するDL/UL構成(DL/UL configuration)として、LTEシステムで規定されている構成(図1参照)を例に挙げているが、各送受信ポイントが適用できるDL/UL構成はこれに限られない。本実施の形態の無線通信システムでは、通信環境に応じて各送受信ポイントが適宜DL/UL構成を設定することも可能である。
(第1の態様)
図3Aに第1の態様における無線通信システムの一例を示す。図3Aの無線通信システムは、複数の送受信ポイント(ここでは、無線基地局#1〜#3)と、各無線基地局#1〜#3にそれぞれ接続するユーザ端末#1〜#3とを含んで構成されている。なお、無線基地局#1〜#3同士は、X2シグナリングやファイバ等の有線接続、又は無線接続により情報の伝達を行うことができる。
無線基地局#1とユーザ端末#1との間、無線基地局#2とユーザ端末#2との間、無線基地局#3とユーザ端末#3との間の無線通信としては、時間分割複信(TDD)が適用される。また、図3Aに示す無線通信システムでは、無線基地局#1〜#3がそれぞれ個別に(独立して)DLとULの送信比率(DL/UL構成)を時間領域で変動して制御している。この場合、各無線基地局#1〜#3は、あらかじめ規定されたDL/UL構成(図1参照)の中から任意のDL/UL構成を選択してもよいし、通信環境等に応じてDL/UL構成を任意に定めることも可能である。
隣接する無線基地局#1〜#3間で異なるDL/UL構成が適用される場合、隣接する無線基地局間(又は、セル間)において、下り信号と上り信号が同じ周波数領域・同じ時間領域で送信される。例えば、図3Aに示すように、他の無線基地局#2、#3からユーザ端末#2、#3に対してそれぞれ送信される下り信号は、ユーザ端末#1からの上り信号を受信する無線基地局#1にとって干渉信号となる。
そこで、第1の態様では、各無線基地局が、異なる他の無線基地局から受ける干渉量に基づいて、他の無線基地局に対してDL/UL構成の変更、及び/又は送信電力の変更を要求することにより干渉の影響を低減する。
以下に、図3Bを参照して、無線基地局#1が、他の無線基地局#2、#3からの干渉量に基づいて、他の無線基地局#2、#3に対してDL/UL構成の変更、及び/又は送信電力の変更要求(以下、単に「変更要求」とも記す)を通知する場合について説明する。なお、以下の説明においては、無線基地局#1(図3Aにおける被干渉局)が他の無線基地局#2、#3(図3Aにおける与干渉局)に対して変更要求信号を送信する場合を示すが、他の無線基地局#2、#3も無線基地局#1と同様の処理を行うことができる。
まず、無線基地局#1は、他の無線基地局#2、#3からの干渉量を測定する(ステップS101)。なお、本実施の形態における干渉量とは、パスロス、ペネトレーションロス、アンテナゲイン等を指している。例えば、上りチャネル(無線基地局#1とユーザ端末#1間)のパスロスを測定することができる。この場合、得られる干渉量は他の無線基地局#2、#3からの干渉量の合計値となる。
また、無線基地局#1は、ステップS101において、測定した干渉量(例えば、無線基地局#2、#3からの干渉量の合計値)が干渉量に関する所定基準値(閾値#1)より大きいか否か判断する。閾値#1は、他の無線基地局#2、#3から無線基地局#1に対する干渉の影響を判断するための基準値であり、無線基地局#1は、閾値#1に基づいて変更要求の有無を判断する。
なお、所定基準値(閾値#1)は、各無線基地局で共通としてもよいし異なっていてもよい。また、所定基準値(閾値#1)は、報知信号、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)等により無線基地局#1に通知する構成とすることができる。また、下り制御チャネル(PDCCH、ePDCCH)等を介して送信される下り制御信号(DCI)により無線基地局#1に通知する構成とすることもできる。また、X2シグナリングやファイバを介して無線基地局#1に通知されていてもよい。他にも、あらかじめ無線基地局#1の記憶部に閾値#1を記憶しておき、当該無線基地局#1が記憶された閾値#1を適用することも可能である。
なお、PDCCH(下り制御チャネル)は、サブフレームの先頭から所定のOFDMシンボル(1〜3OFDMシンボル)に配置する下り制御チャネルであり、PDSCH(下り共有データチャネル)と時間分割多重する制御チャネルである。また、ePDCCH(拡張下り制御チャネル、E−PDCCH、Enhanced PDCCH、FDM型PDCCH、UE−PDCCH等とも呼ぶ)は、PDSCHと周波数分割多重するように配置する制御チャネルである。
他の無線基地局#2、#3からの干渉量の合計値が所定基準値(閾値#1)より大きい場合、他の無線基地局#2及び/又は#3から送信される下り信号が、ユーザ端末#1から送信される上り信号を受信する無線基地局#1に対して影響を及ぼすこととなる。この場合、無線基地局#1は、他の無線基地局#2、#3に対して、DL/UL構成の変更、及び/又は送信電力の変更を要求する(ステップS102a、S102b)。
例えば、無線基地局#1は、他の無線基地局#2、#3からの干渉量が大きい場合、他の無線基地局#2、#3に対してDLサブフレームの数、及び/又は送信電力を減らすように要求する変更要求信号を送信する。又は、無線基地局#1は、他の無線基地局#2、#3に対して、無線基地局#1と同じDL/UL構成を適用するように、DL/UL構成の変更を要求する変更要求信号を送信する。
無線基地局#1から、変更要求信号を受信した他の無線基地局#2、#3は、変更要求に従うか否か判断する(ステップS103a、S103b)。第1の態様では、変更要求信号を受信した無線基地局#2、#3は、変更要求に従ってDL/UL構成、及び/又は送信電力の変更を行う。例えば、無線基地局#1からDLサブフレーム数を減らすように要求された場合、無線基地局#2、#3はサブフレームの中で所定のDLサブフレーム(無線基地局#1のULサブフレームと同じ時間領域に送信されるDLサブフレーム)を減らす(下り信号の送信を行わない)。
その後、各無線基地局#1〜#3は、他の無線基地局から通知された変更要求を反映したDL/UL構成、及び/又は送信電力を適用して、配下のユーザ端末#1〜#3とそれぞれ無線通信を行う(ステップS104a〜S104c)。このように、隣接する送受信ポイント(無線基地局)間で異なるDL/UL構成を適用する場合であっても、他の無線基地局からの干渉量に基づいて、変更要求を通知して送信パラメータを制御することにより、隣接する送受信ポイント間の干渉を抑制することができる。
なお、上記図3では、異なる送受信ポイント間で変更要求の通知を行うことにより、無線基地局間における干渉の制御方法を説明したが、本実施の形態は、ユーザ端末間における干渉の抑制にも適用することができる。以下に、図4を参照して、各ユーザ端末が、他のユーザ端末からの干渉量に基づいて、当該他のユーザ端末が接続する無線基地局に他のユーザ端末の送信電力の変更要求を通知する場合について説明する。
なお、図4の説明においては、ユーザ端末#2(図4Aにおける被干渉局)が他のユーザ端末1(図4Aにおける与干渉局)に対して、無線基地局#2を介して無線基地局#1にユーザ端末1の送信電力の変更要求を通知する場合を示すが、ユーザ端末#1もユーザ端末#2と同様の処理を行うことができる。
まず、ユーザ端末#2は、異なる無線基地局#1に接続する他のユーザ端末#1からの干渉量を測定する(ステップS111)。干渉量としては、上述したように、パスロス、ペネトレーションロス、アンテナゲイン等を指している。例えば、下りチャネル(無線基地局#2とユーザ端末#2間)のパスロスを測定することができる。
ユーザ端末#2は、干渉量に関する情報を生成して、無線基地局#2に送信する(ステップS112)。無線基地局#2は、ユーザ端末#2から送信された干渉量に関する情報に基づいて、干渉量が所定基準値(閾値#1’)より大きいか否か判断する(ステップS113)。なお、閾値#1’は、他のユーザ端末#1からユーザ端末#2に対する干渉の影響を判断するための基準値であり、閾値#1’に基づいて変更要求の有無を判断することができる。
なお、ユーザ端末#2が、接続する(在圏セルの)無線基地局#2に送信する干渉量に関する情報とは、ユーザ端末#2が測定した干渉量そのものであってもよいし、ユーザ端末#2において干渉量が閾値#1’より大きいか否か判断した結果でもよい。後者の場合、ユーザ端末#2は、ユーザ端末#1からの干渉量が閾値#1’より大きい場合に、他のユーザ端末#1の送信電力の変更を要求する変更要求信号を無線基地局#2に送信する。
所定基準値(閾値#1’)は、報知信号、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)等によりユーザ端末#2に通知する構成とすることができる。また、下り制御チャネル(PDCCH、ePDCCH)等を介して送信される下り制御信号(DCI)によりユーザ端末#2に通知する構成とすることもできる。他にも、あらかじめ無線基地局#2、ユーザ端末#2の記憶部に閾値#1’を記憶しておき、記憶された閾値#1’を適用することも可能である。
測定した干渉量が閾値#1’より大きい場合、ユーザ端末#1から無線基地局#1に対して送信される上り信号が、無線基地局#2からユーザ端末#2に送信される下り信号に対して影響を及ぼすこととなる。この場合、無線基地局#2は、無線基地局#1に対してユーザ端末#1の上り信号の送信電力を低減するように要求する(ステップS114)。
無線基地局#2から、変更要求信号を受信した無線基地局#1は、変更要求に従うか否か判断する(ステップS115)。第1の態様では、変更要求の通知を受けた無線基地局#1は、変更要求に従ってユーザ端末#1の送信電力を低減する。その後、各無線基地局#1、#2は、他の無線基地局から通知された変更要求に基づいて配下のユーザ端末の送信電力を設定し、配下のユーザ端末#1、#2とそれぞれ無線通信を行う(ステップS116a、S116b)。図4Bでは、ユーザ端末#1の送信電力が低く設定されるため、ユーザ端末#2に対する干渉の影響を低減することができる。
なお、第1の態様において、図3で示した無線基地局に対するDL/UL構成や送信電力の変更に関する制御方法と、図4で示したユーザ端末に対する送信電力等の変更に関する制御方法は適宜組み合わせて行うことができる。このように、隣接する無線基地局で異なるDL/UL構成を適用する場合であっても、無線基地局間やユーザ端末間における干渉量に基づいて、DL/UL構成、及び/又は送信電力の変更を制御することにより、干渉による通信品質の低下を効果的に抑制することができる。
(第2の態様)
図5Aに第2の態様における無線通信システムの一例を示す。図5Aの無線通信システムは、上記第1の態様と同様に、複数の送受信ポイント(ここでは、無線基地局#1〜#3)と、各無線基地局#1〜#3にそれぞれ在圏するユーザ端末#1〜#3とを含んで構成されている。
第2の態様では、他の無線基地局からDL/UL構成、及び/又は送信電力の変更要求を通知された無線基地局が、要求指示対象の無線基地局との受信レベルに応じて変更要求に従うか否か判断する。
例えば、無線基地局#1は、測定した干渉量(例えば、無線基地局#2、#3からの干渉量の合計値)が所定基準値(閾値#1)より大きい場合に、他の無線基地局#2、#3に対して変更要求を通知する。他の無線基地局#2、#3は、要求指示対象である無線基地局#1との受信レベルを測定し、当該受信レベルと変更要求を適用するか否かの判断基準となる基準値(閾値#2)とを比較し、無線基地局#1からの変更要求に従うか否か判断する。
変更要求が通知された無線基地局が、要求指示対象との受信レベルに応じて変更要求の適用を判断することにより、要求指示対象に対して干渉の影響が大きい無線基地局のDL/UL構成や送信電力の変更を選択的に行うことができる。
以下に、図5Bを参照して、無線基地局#2、#3が無線基地局#1との受信レベルに基づいて、当該無線基地局#1から通知された変更要求の適用/非適用を判断する場合について説明する。なお、上記第1の態様と同様の部分については、説明を省略する。
まず、無線基地局#1は、他の無線基地局#2、#3からの干渉量を測定する(ステップS201)。また、無線基地局#1は、ステップS201において、測定した干渉量が所定基準値(閾値#1)より大きいか否か判断する。
干渉量が所定基準値(閾値#1)より大きい場合、無線基地局#1は、他の無線基地局#2、#3に対して、変更要求信号を送信する(ステップS202a、S202b)。例えば、無線基地局#1は、他の無線基地局#2、#3からの干渉量の合計値が閾値#1より大きい場合、他の無線基地局#2、#3に対してDLサブフレームの数、及び/又は送信電力を減らすように要求する変更要求信号を送信する。又は、無線基地局#1は、他の無線基地局#2、#3に対して、無線基地局#1と同じDL/UL構成を適用するように、DL/UL構成の変更を要求する。
さらに、第2の態様では、ステップ202a、202bにおいて、無線基地局#1から他の無線基地局#2、#3に対して、変更要求信号を送信すると共に、変更要求を適用するか否かの判断基準となる基準値(閾値#2)に関する情報を通知することができる。
無線基地局#1から変更要求の通知を受けた無線基地局#2、#3は、要求指示対象である無線基地局#1からの受信レベルと、基準値(閾値#2)とを比較し、変更要求に従うか否かそれぞれ判断する(ステップS203a、S203b)。具体的には、無線基地局#2、#3の各々は、無線基地局#1との受信レベルが閾値#2より大きい場合に、無線基地局#1からの変更要求に従う。一方で、無線基地局#1との受信レベルが閾値#2以下である場合には、無線基地局#1に対する干渉の影響が小さいため、変更要求に従わない。
なお、図5Bにおいて、基準値(閾値#2)は要求指示対象である無線基地局#1から変更要求信号と共に通知する場合を示したが、閾値#2の通知方法はこれに限られない。例えば、基地局装置#1は、閾値#2を、報知信号、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)により他の基地局装置#2、#3に通知する構成とすることができる。他にも、下り制御チャネル(PDCCH、ePDCCH)等を介して送信される下り制御信号(DCI)により他の基地局装置#2、#3に通知する構成とすることもできる。また、X2シグナリングやファイバを介して無線基地局#1に通知されていてもよい。また、あらかじめ他の無線基地局#2、#3の記憶部に閾値#2を記憶しておき、無線基地局#1から通知された変更要求に従うか否かの判断基準として適用することも可能である。
その後、各無線基地局#1〜#3は、他の無線基地局から通知された変更要求信号によりそれぞれ設定したDL/UL構成や送信電力を適用して、配下のユーザ端末#1〜#3とそれぞれ無線通信を行う(ステップS204a〜S204c)。
このように、要求指示対象である無線基地局との受信レベルに基づいて、変更要求の適用の可否を判断することにより、干渉の影響が大きい無線基地局のDL/UL構成の変更や送信電力の変更を選択的に行うことができる。
(第3の態様)
図6Aに第3の態様における無線通信システムの一例を示す。図6Aの無線通信システムは、上記第1の態様、第2の態様と同様に、複数の送受信ポイント(ここでは、無線基地局#1〜#3)と、各無線基地局#1〜#3にそれぞれ在圏するユーザ端末#1〜#3とを含んで構成されている。
第3の態様では、各無線基地局が干渉測定用の参照信号を用いて異なる無線基地局毎の干渉量(干渉電力)をそれぞれ測定し、干渉量が所定基準値(閾値#1)より大きい無線基地局に対して、個別に変更要求の通知を行う。
例えば、無線基地局#1は、無線基地局#2、#3からそれぞれ送信されるセル固有(又は、送受信ポイント固有、無線基地局固有)の参照信号系列を用いて、無線基地局#2、#3毎の干渉量(干渉電力)をそれぞれ測定する。そして、無線基地局#2、#3からの干渉量のうち、干渉量が所定基準値(閾値#1)より大きい無線基地局(例えば、無線基地局#2)に対して、個別にDL/UL構成の変更、及び/又は送信電力の変更を要求する。これにより、各無線基地局は、隣接する複数の無線基地局の中で干渉の影響が大きい無線基地局に対してのみ変更要求を選択的に通知することができる。
以下に、図6Bを参照して、無線基地局#1が、干渉測定用の参照信号に基づいて各無線基地局#2、#3からの干渉量をそれぞれ測定し、変更要求を個別に行う場合について説明する。なお、上記第1、第2の態様と同様の部分については、説明を省略する。
まず、無線基地局#1は、他の無線基地局#2、#3から送信される干渉測定用の参照信号を受信する(ステップS301a、S301b)。続いて、無線基地局#1は、参照信号に基づいて無線基地局#2、#3毎の干渉量(干渉電力)をそれぞれ測定する(ステップS302)。また、無線基地局#1は、ステップS302において、各無線基地局#2、#3からの干渉量が所定基準値(閾値#1)より大きいか否かそれぞれ判断する。
無線基地局#1に対する干渉量が閾値#1より大きい無線基地局は、ユーザ端末#1から送信される上り信号を受信する無線基地局#1に対して影響を及ぼすおそれがある。そのため、無線基地局#1は、干渉量が閾値#1より大きい無線基地局に対して個別に干渉を低減するように動作する。
例えば、無線基地局#2からの干渉量が閾値#1より高く、無線基地局#3からの干渉量が閾値#1より小さい場合、無線基地局#1は、変更要求信号を無線基地局#2に対して選択的に送信する(ステップS303)。一方で、無線基地局#1は、無線基地局#3に対しては、変更要求信号の送信を行わない。
無線基地局#1から送信された変更要求信号を受信した無線基地局#2は、変更要求に従ってDL/UL構成の変更、及び/又は送信電力の低減等の変更を行う(ステップS304)。その後、各無線基地局#1〜#3は、他の無線基地局から送信された変更要求信号に従ってそれぞれ設定したDL/UL構成や送信電力を適用して、配下のユーザ端末#1〜#3とそれぞれ無線通信を行う(ステップS305a〜S305c)。
このように、各無線基地局が、参照信号に基づいて無線基地局毎の干渉量を測定し、干渉量が大きい無線基地局に対して選択的に変更要求信号を送信することにより、干渉の影響が小さい無線基地局に対する変更要求信号の送信を省略することができる。
なお、上記図6では、無線基地局間における干渉の制御方法を説明したが、ユーザ端末間における干渉にも適用することができる。
例えば、上記図4BのステップS113において、ユーザ端末#2から無線基地局#2に通知された干渉量に関する情報(例えば、干渉量)が閾値#1’以下である場合、無線基地局#2は、無線基地局#1に対して変更要求信号の送信を行わない。又は、ユーザ端末#2で測定した干渉量が所定基準値以下である場合には、ユーザ端末#2は無線基地局#2に対して干渉量に関する情報を通知しない。このように、他のユーザ端末からの干渉量が大きい場合に限って、干渉量に関する情報を送信することにより、無線リソースを効率的に利用することができる。
(第4の態様)
上記第1の態様〜第3の態様においては、各無線基地局が他の無線基地局に対してDL/UL構成、及び/又は送信電力の変更要求を直接通知する場合を示したが、本実施の形態はこれに限られない。例えば、各無線基地局が測定した干渉量(又は、変更要求)を集約し、集約した情報に基づいて各無線基地局のDL/UL構成や送信電力を制御する集中制御基地局を設けた構成としてもよい。以下に、集中制御基地局を有する無線通信システムについて説明する。
図7に第4の態様における無線通信システムの一例を示す。図7の無線通信システムは、複数の送受信ポイント(ここでは、無線基地局#1〜#3)と、各無線基地局#1〜#3にそれぞれ在圏するユーザ端末#1〜#3と、各無線基地局#1〜#3のDL/UL構成、及び/又は送信電力を制御する集中制御基地局と、を含んで構成されている。各無線基地局#1〜#3と集中制御基地局とは、X2シグナリングやファイバ等の有線接続、又は無線接続により情報の伝達を行うことができる。
第4の態様では、各無線基地局#1〜#3は、他の無線基地局からの干渉量を測定し、干渉量に関する情報を集中制御基地局に通知する(図7A参照)。集中制御基地局は、各無線基地局#1〜#3から通知された干渉量に関する情報に基づいて、各無線基地局#1〜#3に対して変更要求信号を適宜送信する(図7B参照)。
例えば、他の無線基地局#2、#3からの干渉量の合計値が所定基準値(閾値1)より大きい無線基地局#1がある場合には、他の無線基地局#2、#3に対して変更要求信号を送信する。具体的には、他の無線基地局#2、#3に対して、無線基地局#1と同一のDL/UL構成を適用すること、又は送信電力を低減すること等を要求することができる。
なお、各無線基地局#1〜#3から集中制御基地局に対して通知される干渉量に関する情報は、各無線基地局#1〜#3が測定した干渉量そのものであってもよいし、各無線基地局#1〜#3において干渉量が所定基準値(閾値#1)より大きいか否か判断した結果でもよい。
例えば、他の無線基地局#2、#3からの干渉量の合計値が閾値#1より大きい無線基地局#1は、無線基地局#2、#3に対するDL/UL構成や送信電力の変更を要求する変更要求信号を集中制御基地局に送信する。一方で、干渉量の合計値が閾値#1より小さい無線基地局#2、#3は、変更要求信号の送信を行わない。
なお、集中制御基地局から変更要求信号を受信した無線基地局#2、#3は、変更要求に従ってDL/UL構成や送信電力等を変更する。この場合、上記第2の態様で示したように、無線基地局#2、#3が要求指示対象の無線基地局#1との受信レベルに応じて要求に従うか否か判断してもよい。又は、各無線基地局が、他の無線基地局との受信レベルについても集中制御基地局に通知し、集中制御基地局が各無線基地局間の受信レベルを考慮して変更要求信号を送信する無線基地局を選択することも可能である。
以下に、図8を参照して、集中制御基地局が、各無線基地局#1〜#3から通知された干渉量に関する情報に基づいて、各無線基地局に対する変更要求信号の送信を制御する場合について説明する。
まず、各無線基地局#1〜#3は、他の無線基地局からの干渉量の合計値を測定する(ステップS401a〜S401c)。続いて、各無線基地局#1〜#3は、干渉量に関する情報(例えば、測定した干渉量)を集中制御基地局に通知する(ステップS402a〜S402c)。集中制御基地局は、各無線基地局#1〜#3から通知された干渉量が閾値#1より大きいか否か判断し、変更要求信号を送信する無線基地局を選択する(ステップS403)。
なお、各無線基地局は、干渉量を測定した後に、当該干渉量が閾値#1より大きいか否か判断し、他の無線基地局に対する変更要求を集中制御基地局に通知してもよい。
干渉量が所定の干渉量値(閾値#1)より大きい無線基地局がある場合、集中制御基地局は、他の無線基地局に対して、DL/UL構成の変更、及び/又は送信電力の変更を要求する(ステップS404a〜S404c)。例えば、無線基地局#1対する他の無線基地局からの干渉量のみが閾値#1より大きい場合には、他の無線基地局#2、#3に対して変更要求信号の送信を行う。また、複数(例えば、無線基地局#1、#2)の干渉量が閾値#1より大きい場合には、当該複数の無線基地局間で干渉が生じていると判断し、これらの無線基地局に対して同一のDL/UL構成を適用する変更要求を通知することができる。
集中制御基地局から、変更要求の通知を受けた無線基地局は、変更要求に従ってDL/UL構成、及び/又は送信電力の変更を行う(ステップS405a〜S405c)。その後、各無線基地局#1〜#3は、変更要求を反映したDL/UL構成、送信電力を適用して、配下のユーザ端末#1〜#3とそれぞれ無線通信を行う(ステップS406a〜S406c)。
このように、隣接する送受信ポイント(無線基地局)で異なるDL/UL構成を適用する場合であっても、他の無線基地局からの干渉量に関する情報を集中制御基地局に集約して、各無線基地局のDL/UL構成、及び/又は送信電力を制御することにより、干渉による通信品質の低下を効果的に抑制することができる。
なお、上記図8では、無線基地局間における干渉の制御方法を説明したが、ユーザ端末間における干渉にも適用することができる。
例えば、各ユーザ端末から異なる無線基地局に接続する他のユーザ端末からの干渉量に関する情報を、直接又は接続する無線基地局を介して集中制御基地局に通知する。そして、集中制御基地局が各ユーザ端末に対する干渉量に関する情報と所定基準値(閾値#1’)に基づいて、各ユーザ端末の送信電力を制御することができる。この場合、集中制御基地局は、送信電力の変更を行うユーザ端末が接続する無線基地局に対して、当該ユーザ端末の送信電力を変更する変更要求信号を送信する。
(第5の態様)
第5の態様では、各無線基地局が干渉測定用の参照信号を用いて異なる無線基地局毎の干渉量(干渉電力)をそれぞれ測定し、干渉量が所定基準値(閾値#1)より大きい無線基地局の情報を選択的に集中制御基地局へ通知する場合について示す。
例えば、上記図7に示す無線通信システムにおいて、各無線基地局#1〜#3は、それぞれセル固有(又は、送受信ポイント固有、無線基地局固有)の参照信号系列を用いて、他の無線基地局毎の干渉量(干渉電力)をそれぞれ測定する。つまり、無線基地局#1は、無線基地局#2、#3の干渉量を個別に測定し、無線基地局#2は、無線基地局#1、#3の干渉量を個別に測定し、無線基地局#3は、無線基地局#1、#2の干渉量を個別に測定する。
そして、他の無線基地局からの干渉量のうち、干渉量が所定値(閾値#1)より大きい干渉量に関する情報のみを集中制御基地局に選択的に通知する。例えば、図7に示す場合には、無線基地局#1は、無線基地局#2からの干渉量のみを選択的に集中制御基地局に通知する。一方で、無線基地局#2、#3は、干渉量の通知を行わない(図8のステップS402a〜S402cのうちステップS402aのみ行う)。これにより、各無線基地局は、隣接する複数の無線基地局の中で干渉の影響が大きい無線基地局に対する干渉量に関する情報のみを集中制御基地局に送信すればよくなる。
集中制御基地局は、無線基地局から送信された干渉量に関する情報に基づいて、各無線基地局に対して変更要求信号を送信する。例えば、図7に示す場合には、集中制御基地局は、無線基地局#2に対してのみ変更要求信号を送信する(図8のステップS404a〜S404cのうちステップS404bのみ行う)。集中制御基地局は、例えば、無線基地局#2に対して、無線基地局#1と同一のDL/UL構成を適用すること、無線基地局#1のULサブフレームと同一時間領域のDLサブフレームを減らすこと、及び/又は送信電力を低減することを通知する。
集中制御基地局から送信された変更要求信号を受信した無線基地局#2は、変更要求にしたがって、DL/UL構成や送信電力を変更する(図8におけるステップS405b)。これにより、集中制御基地局が送信する変更要求信号を低減することができる。
その後、各無線基地局#1〜#3は、変更要求を反映したDL/UL構成、送信電力を適用して、配下のユーザ端末#1〜#3とそれぞれ無線通信を行う(図8におけるステップS406a〜S406c)。このように、隣接する無線基地局で異なるDL/UL構成を適用する場合であっても、他の無線基地局からの干渉量に基づいて、干渉量に関する情報を個別に集中制御基地局に通知することにより、不要な信号の送信を抑制することが可能となる。
なお、上記説明では、無線基地局間における干渉の制御方法を説明したが、ユーザ端末間における干渉にも適用することができる。
例えば、各ユーザ端末から異なる無線基地局に接続する他のユーザ端末からの干渉量に関する情報を、直接又は接続する無線基地局を介して集中制御基地局に通知する場合に、他のユーザ端末からの干渉量が所定基準値以上の場合にのみ集中制御基地局に通知する。これにより、無線リソースの有効活用を図ることができる。
以下に、図9を参照しながら、本実施の形態に係る無線基地局の全体構成について説明する。なお、以下の説明において、無線基地局、集中制御基地局は、同様な構成とすることができるため、無線基地局20として説明する。
なお、無線基地局と集中制御基地局は、X2シグナリングやファイバ等の有線リンクを介して情報の伝送を行うことができる。また、無線基地局は、無線リンクを介して集中制御基地局に接続されてもよい。また、無線基地局、集中制御基地局は、それぞれ、コアネットワーク上の上位局装置(不図示)に接続される。上位局装置には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、モビリティマネジメントエンティティ(MME)等が含まれるが、これに限定されるものではない。
また、無線基地局は、eNodeB、送受信ポイントなどと呼ばれる基地局であってもよいし、ピコ基地局、フェムト基地局、Home eNodeB、RRH(Remote Radio Head)、マイクロ基地局、送受信ポイントなどと呼ばれる局所的なカバーエリアを有する基地局であってもよい。また、集中制御基地局は、無線基地局を制御する制御局であり、無線基地局の制御機能を有すれば、eNodeB、送受信ポイントなどと呼ばれる基地局であってもよいし、他の装置(例えば、コアネットワーク上に設けられる装置や、RNC(Radio Network Controller)など)であってもよい。
無線基地局20は、送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部(送信部/受信部)203と、ベースバンド信号処理部204と、呼処理部205と、伝送路インターフェース206とを備えている。下りリンクにより無線基地局20からユーザ端末に送信される送信データは、上位局装置30から伝送路インターフェース206を介してベースバンド信号処理部204に入力される。
ベースバンド信号処理部204において、下りデータチャネルの信号は、PDCPレイヤの処理、送信データの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、例えば、HARQの送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT)処理、プリコーディング処理が行われる。また、下りリンク制御チャネルである物理下りリンク制御チャネルの信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換等の送信処理が行われる。
また、ベースバンド信号処理部204は、報知チャネルにより、同一セルに接続するユーザ端末に対して、各ユーザ端末が無線基地局20との無線通信するための制御情報を通知する。当該セルにおける通信のための情報には、例えば、上りリンク又は下りリンクにおけるシステム帯域幅や、PRACH(Physical Random Access Channel)におけるランダムアクセスプリアンブルの信号を生成するためのルート系列の識別情報(Root Sequence Index)などが含まれる。
送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。アンプ部202は周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ201へ出力する。
一方、上りリンクによりユーザ端末から無線基地局20に送信される信号については、送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号がアンプ部202で増幅され、送受信部203で周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部204に入力される。
ベースバンド信号処理部204は、上りリンクで受信したベースバンド信号に含まれる送信データに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理を行う。復号された信号は伝送路インターフェース206を介して上位局装置に転送される。
呼処理部205は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、無線基地局20の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
図10は、図9に示す無線基地局におけるベースバンド信号処理部の構成を示すブロック図である。ベースバンド信号処理部204は、レイヤ1処理部2041と、MAC処理部2042と、RLC処理部2043と、干渉量測定部2044と、変更要求信号生成部2045と、変更要求設定部2046と、から主に構成されている。
レイヤ1処理部2041は、主に物理レイヤに関する処理を行う。レイヤ1処理部2041は、例えば、上りリンクで受信した信号に対して、チャネル復号化、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)、周波数デマッピング、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)、データ復調などの処理を行う。また、レイヤ1処理部2041は、下りリンクで送信する信号に対して、チャネル符号化、データ変調、周波数マッピング、逆高速フーリエ変換(IFFT)などの処理を行う。
MAC処理部2042は、上りリンクで受信した信号に対するMACレイヤでの再送制御、上りリンク/下りリンクに対するスケジューリング、PUSCH/PDSCHの伝送フォーマットの選択、PUSCH/PDSCHのリソースブロックの選択などの処理を行う。
RLC処理部2043は、上りリンクで受信したパケット/下りリンクで送信するパケットに対して、パケットの分割、パケットの結合、RLCレイヤでの再送制御などを行う。
干渉量測定部2044は、他の無線基地局からの干渉量を測定する。例えば、上記第1の態様(図3参照)の場合、無線基地局#1における干渉量測定部2044は、他の無線基地局#2、#3からの干渉量の合計値を測定する。干渉量の測定には、パスロス、ペネトレーションロス、アンテナゲイン等を用いることができ、例えば、上りチャネル(無線基地局#1とユーザ端末#1間)のパスロスを測定することができる。
また、上記第3の態様(図6参照)の場合、無線基地局#1における干渉量測定部2044は、無線基地局#2、#3からそれぞれ送信されるセル固有(又は、送受信ポイント固有、無線基地局固有)の参照信号系列を用いて、無線基地局#2、#3毎の干渉量(干渉電力)をそれぞれ測定する。
変更要求信号生成部2045は、干渉量測定部2044で測定した干渉量に基づいて、他の基地局に対してDL/UL構成の変更、及び/又は送信電力の変更を要求する変更要求信号を生成する。例えば、上記第1の態様(図3参照)の場合、無線基地局#1における変更要求信号生成部2045は、他の無線基地局#2、#3からの干渉量の合計値が所定基準値(閾値#1)より大きいか否か判断し、大きい場合には変更要求信号を生成する。
この場合、無線基地局#1における変更要求信号生成部2045は、他の無線基地局#2、#3に対してDLサブフレームの数、及び/又は送信電力を減らすように要求する変更要求信号を生成する。又は、変更要求信号生成部2045は、他の無線基地局#2、#3に対して、無線基地局#1と同じDL/UL構成を適用するように、DL/UL構成の変更を要求する変更要求信号を生成する。変更要求信号生成部2045で生成された変更要求信号は、有線又は無線により他の無線基地局#2、#3に送信される。
また、上記第3の態様(図6参照)の場合、無線基地局#1における変更要求信号生成部2045は、無線基地局#2、#3毎の干渉量が所定基準値(閾値#1)より大きいか否かそれぞれ判断する。そして、干渉量が閾値#1より大きい無線基地局#2に対する変更要求信号を生成し、無線基地局#3に対する変更要求信号の生成は行わない。
変更要求設定部2046は、他の無線基地局から送信された変更要求信号に基づいて、変更要求に従うか否か判断する。変更要求に従う場合、変更要求設定部2046は、DL/UL構成、及び/又は送信電力の変更を行う。例えば、上記第2の態様(図5参照)の場合、無線基地局#2、#3における変更要求設定部2046は、要求指示対象である無線基地局#1との受信レベルと変更要求を適用するか否かの判断基準となる基準値(閾値#2)とを比較し、受信レベルが閾値#2より大きい場合に変更要求に従う。
次に、図11を参照しながら、本実施の形態に係るユーザ端末の全体構成について説明する。ユーザ端末10は、送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部(送信部/受信部)103と、ベースバンド信号処理部104と、アプリケーション部105とを備えている。
下りリンクのデータについては、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅され、送受信部103で周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部104でFFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理等がなされる。この下りリンクのデータの内、下りリンクの送信データは、アプリケーション部105に転送される。アプリケーション部105は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理等を行う。また、下りリンクのデータの内、報知情報も、アプリケーション部105に転送される。
一方、上りリンクの送信データは、アプリケーション部105からベースバンド信号処理部104に入力される。ベースバンド信号処理部104においては、マッピング処理、再送制御(HARQ)の送信処理や、チャネル符号化、DFT処理、IFFT処理を行う。送受信部103は、ベースバンド信号処理部104から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。その後、アンプ部102は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ101より送信する。
図12は、図11に示すユーザ端末におけるベースバンド信号処理部の構成を示すブロック図である。ベースバンド信号処理部104は、レイヤ1処理部1041と、MAC処理部1042と、RLC処理部1043と、干渉量測定部1044と、干渉量情報生成部1045と、送信電力設定部1046と、から主に構成されている。
レイヤ1処理部1041は、主に物理レイヤに関する処理を行う。レイヤ1処理部1041は、例えば、下りリンクで受信した信号に対して、チャネル復号化、離散フーリエ変換(DFT)、周波数デマッピング、逆高速フーリエ変換(IFFT)、データ復調などの処理を行う。また、レイヤ1処理部1041は、上りリンクで送信する信号に対して、チャネル符号化、データ変調、周波数マッピング、逆高速フーリエ変換(IFFT)などの処理を行う。
MAC処理部1042は、下りリンクで受信した信号に対するMACレイヤでの再送制御(HARQ)、下りスケジューリング情報の解析(PDSCHの伝送フォーマットの特定、PDSCHのリソースブロックの特定)などを行う。また、MAC処理部1042は、上りリンクで送信する信号に対するMAC再送制御、上りスケジューリング情報の解析(PUSCHの伝送フォーマットの特定、PUSCHのリソースブロックの特定)などの処理を行う。
RLC処理部1043は、下りリンクで受信したパケット/上りリンクで送信するパケットに対して、パケットの分割、パケットの結合、RLCレイヤでの再送制御などを行う。
干渉量測定部1044は、異なる無線基地局に接続する他のユーザ端末からの干渉量を測定する。例えば、上記第1の態様(図4参照)の場合、ユーザ端末#2における干渉量測定部1044は、他のユーザ端末#1からの干渉量を測定する。干渉量の測定には、パスロス、ペネトレーションロス、アンテナゲイン等を用いることができ、下りチャネル(無線基地局#2とユーザ端末#2間)のパスロスを測定することができる。
干渉量情報生成部1045は、干渉量測定部1044で測定した干渉量に基づいて、干渉量に関する情報を生成する。干渉量に関する情報は、ユーザ端末が測定した干渉量そのものであってもよいし、ユーザ端末において干渉量が所定基準値(閾値#1’)より大きいか否か判断した結果(変更要求信号)でもよい。干渉量情報生成部1045で生成された干渉量に関する情報は、送受信部103を介して無線基地局へ送信される。
送信電力設定部1046は、無線基地局からの指示にしたがって上り信号の送信電力を制御する。例えば、上記第1の態様(図4参照)の場合、無線基地局#1に対してユーザ端末#1の送信電力を低減する変更要求が通知されるため、ユーザ端末#1における送信電力設定部1046は、無線基地局#1からの指示に基づいて上り信号の送信電力を低く設定する。
以上のように、隣接する無線基地局間で異なるDL/UL構成を適用する場合であっても、他の無線基地局からの干渉量に基づいて、DL/UL構成、及び/又は送信電力の変更要求を通知して送信パラメータを制御することにより、隣接する無線基地局間の干渉を抑制することができる。
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。