図1は、MU−MIMO伝送が適用されるHetnetの一例を示す図である。図1に示すシステムは、無線基地局(例えば、eNB:eNodeB)のカバレッジエリア内に局所的なカバレッジエリアを有する小型基地局(例えば、RRH:Remote Radio Headなど)が設けられ、階層的に構成されている。このようなシステムにおける下りリンクのMU−MIMO伝送では、無線基地局の複数のアンテナから複数のユーザ端末UE(User Equipment)#1及び#2に対するデータが同時に送信される。また、複数の小型基地局の複数のアンテナから複数のユーザ端末UE#3、#4に対するデータも同時に送信される。
図2は、下りリンクのMU−MIMO伝送が適用される無線フレーム(例えば、1サブフレーム)の一例を示す図である。図2に示すように、MU−MIMO伝送が適用されるシステムでは、各サブフレームにおいて先頭から所定のOFDMシンボル(最大3OFDMシンボル)まで、下り制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)用の無線リソース領域(PDCCH領域)として確保される。また、サブフレームの先頭から所定のシンボルより後の無線リソースに、下り共有データチャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)用の無線リソース領域(PDSCH領域)が確保される。
PDCCH領域には、ユーザ端末UE(ここでは、UE#1〜#4)に対する下り制御情報(DCI:Downlink Control Information、以下、DCIという)が割当てられる。DCIには、PDSCH領域におけるユーザ端末UEに対するデータの割り当て情報等が含まれる。例えば、図2において、ユーザ端末UE#2は、PDCCH領域に割り当てられたユーザ端末UE#2に対するDCIに基づいて、PDSCH領域に割り当てられたユーザ端末UE#2に対するデータを受信する。
また、MU−MIMO伝送においては、同一時間及び同一周波数で複数のユーザ端末UEに対するデータ送信が可能となる。このため、図2のPDSCH領域において、ユーザ端末UE#1に対するデータとユーザ端末UE#5に対するデータを同一の周波数領域に多重することが考えられる。同様に、ユーザ端末UE#4に対するデータとユーザ端末UE#6に対するデータを同一の周波数領域に多重することも考えられる。
しかしながら、図2に示すように、PDSCH領域においてユーザ端末UE#1〜#6に対するデータを割り当てようとしても、PDCCH領域において全てのユーザ端末UE#1〜#6に対するDCIの割り当て領域を確保できない場合がある。例えば、図2のPDCCH領域では、ユーザ端末UE#5及び#6に対するDCIを割り当てることができない。この場合、DCIを割り当てるPDCCH領域の不足によりPDSCH領域に多重されるユーザ端末UEの数が制限されるため、MU−MIMO伝送による無線リソースの利用効率の向上効果を十分に得られない恐れがある。
このようなPDCCH領域の不足を解決する方法として、サブフレームの先頭から最大3OFDMシンボルの制御領域以外にPDCCHの割当て領域を拡張する(4OFDMシンボル以降の既存のPDSCH領域にPDCCH領域を拡張する)ことが考えられる。PDCCH領域の拡張方法としては、図3Aに示すように、既存のPDSCH領域においてPDSCHとPDCCHとを時分割多重する方法(TDMアプローチ)、図3Bに示すように、既存のPDSCH領域においてPDSCHとPDCCHとを周波数分割多重する方法(FDMアプローチ)が考えられる。
図3Aに示すTDMアプローチでは、サブフレームの4OFDMシンボル以降の一部OFDMシンボルにおいてシステム帯域全体に渡りPDCCHが配置される。一方、図3Bに示すFDMアプローチでは、サブフレームの4OFDMシンボル以降の全OFDMシンボルにおいてシステム帯域の一部にPDCCHが配置される。このFDMアプローチによりPDSCHと周波数分割多重されるPDCCHは、ユーザ固有の参照信号である復調用参照信号(DM−RS:DeModulation-Reference Signal)を用いて復調される。このため、かかるPDCCHで伝送されるDCIは、PDSCHで伝送される下りデータと同様に、ビームフォーミングゲインを得ることができ、PDCCHのキャパシティの増大に有効である。今後は、このFDMアプローチが重要となると考えられる。
以下、FDMアプローチにおいてPDSCHと周波数分割多重されるPDCCHを拡張PDCCH(enhanced PDCCH)と称する。この拡張PDCCHは、拡張下り制御チャネル(enhanced physical downlink control channel)、ePDCCH、E−PDCCH、FDM型PDCCH、UE−PDCCH等と呼ばれてもよい。
以上のようなFDMアプローチの拡張PDCCHにおいて、DCIのマッピング方法として、局所マッピング(Localized mapping)と分散マッピング(Distributed Mapping)とが検討されている。図4は、拡張PDCCHにおけるDCIのマッピング方法を説明するための図である。図4Aは、局所マッピングを示し、図4Bは、分散マッピングを示す。
図4A及び4Bに示すように、拡張PDCCH用リソースは、システム帯域に分散された所定数のリソースブロックペア(PRB(Physical Resource Block)ペア、以下、PRBペアという)から構成される。PRBペアは、時間方向に連続する2つのPRBから構成され、周波数方向に付与されるPRBインデックスにより識別される。拡張PDCCH用リソースを構成する複数のPRBペアは、上位レイヤによって定められる。当該複数のPRBペアの各々を識別するPRBインデックスは、上位レイヤシグナリングによりユーザ端末UEに通知される。
図4Aに示すように、局所マッピングでは、1DCIが、拡張PDCCH用リソースを構成する特定のPRBペアに局所的にマッピングされる。具体的には、1DCIが、ユーザ端末UEからフィードバックされたCQIに基づいて、1PRBペア(例えば、チャネル品質が最も良いPRBペア)内にマッピングされる。局所マッピングでは、CQIを用いることにより、周波数スケジューリングゲインを得ることができる。なお、図4Aにおいて、拡張PDCCH用リソースを構成する複数のPRBペアのうち、DCIがマッピングされないPRBペアには、PDSCHがマッピングされてもよい。
図4Bに示すように、分散マッピングでは、1DCIが、拡張PDCCH用リソースを構成する複数のPRBペアに分散してマッピングされる。具体的には、1DCIが複数の分割ユニットに分割され、各分割ユニットが上記複数のPRBペア(全てのPRBペアでもよい)に分散してマッピングされる。分散マッピングでは、1DCIをシステム帯域に分散させることにより、周波数ダイバーシチゲインを得ることができる。
このように、分散マッピングでは、局所マッピングとは異なり、各DCIが複数の分割ユニットに分割され、各分割ユニットが拡張PDCCH用リソースを構成する複数のPRBペアに分散してマッピングされる。このため、図5Aに示すように、拡張PDCCH用リソースが多くのPRBペア(図5Aでは、8つのPRBペア)から構成される場合、1DCIのみをマッピングしようとすると、無線リソースの利用効率が低下する。1DCIの分割ユニットが多くのPRBペアに分散してマッピングされるので、PDSCHをマッピング可能なPRBペア数が減少するためである。
そこで、分散マッピングでは、図5Bに示すように、1DCIの分割ユニットが分散してマッピングされるPRBペア数を制限することが検討されている。図5Bでは、1DCIの分割ユニットが分散してマッピングされるPRBペア数が4に制限される。図5Bでは、1DCIの8つの分割ユニットは、2個ずつ、4つのPRBペアに分散してマッピングされる。図5Bでは、図5Aに示す場合と比較して、PDSCHをマッピング可能なPRBペア数を増加させることができる。
図6は、拡張PDCCHセットを設ける場合の分散マッピングの一例を示す図である。図6Aでは、拡張PDCCHセット#1、#2は、拡張PDCCH用に配置される4PRBペアをそれぞれ含んで構成される。拡張PDCCH#1、#2に含まれる4PRBペアはそれぞれ異なる。図6Aでは、ユーザ端末UE#1−#5の各々に対して拡張PDCCH#1が割り当てられる。一方、ユーザ端末UE#6−#10の各々に対して拡張PDCCH#2が割り当てられる。すなわち、図6Aでは、各ユーザ端末UEに対して割り当てられる拡張PDCCHセットは1つである。
かかる場合、各ユーザ端末UEは、自端末に割り当てられた1つの拡張PDCCHセットをブラインド復号する。例えば、図6Bに示すように、ユーザ端末UE#1は、拡張PDCCHのリソース割り当て単位の統合レベル(アグリゲーションレベル)毎に、拡張PDCCHセット#1をブラインド復号する。ここで、拡張PDCCHのリソース割り当て単位は、PRBペアを周波数分割、時間分割、符号分割の少なくとも1つを用いて分割して構成される。このリソース割り当て単位は、CCE(Control Channel Element),eCCE(enhanced Control Channel Element)やeREG(Resource Element Group)等とも呼ばれる。以下では、このリソース割り当て単位をeCCEと呼ぶこととする。
各拡張PDCCHセットでは、図6Bに示すように、eCCEの統合レベルに応じたサーチスペース候補数が定められる。図6Bでは、統合レベル1及び2(1eCCE単位及び2eCCE単位でDCIが割り当てられる)では、6個のサーチスペース候補が定められ、統合レベル4及び8(4eCCE単位及び8eCCE単位でDCIが割り当てられる)では、2個のサーチスペース候補が定められる。ユーザ端末UE#1は、拡張PDCCHセット#1について、図6Bの合計16個のサーチスペース候補を想定されるDCIフォーマット毎にブラインド復号する。なお、図6Bの統合レベル及びサーチスペース候補数は例示にすぎず、これに限られるものではない。
図6Aにおいて、各ユーザ端末UEに対するDCIは、自端末に割り当てられた拡張PDCCHセットを構成する複数のPRBペアに分散してマッピングされる。例えば、図6Aでは、ユーザ端末UE#1―#5に対するDCIは、拡張PDCCHセット#1を構成する4PRBペアに分散してマッピングされる。一方、ユーザ端末UE#6−#10に対するDCIは、拡張PDCCHセット#2を構成する4PRBペアに分散してマッピングされる。
ところで、図6Aでは、あるサブフレーム(例えば、1msなどの任意の時間リソース単位)において、異なる拡張PDCCHセットが割り当てられる2つのユーザ端末UE#1及びUE#6に対するDCIだけを伝送する場合が想定される。この場合、拡張PDCCHセット#1を構成する各PRBペアには、ユーザ端末UE#1に対するDCIだけがマッピングされる。同様に、拡張PDCCHセット#2を構成する各PRBペアには、ユーザ端末UE#6に対するDCIだけがマッピングされる。このため、拡張PDCCHセット#1及び#2を構成する各PRBペアではリソースに余裕があるにも関わらず、PDSCHをマッピング可能なPRBペア数が減少し、無線リソースの利用効率が低下する。
このように、各ユーザ端末UEに対して1拡張PDCCHセットが割り当てられる場合、あるサブフレームにおいて伝送されるDCIが少ないと、無線リソースの利用効率が低下する場合があるという問題点があった。そこで、本発明者らは、あるサブフレームにおいて伝送されるDCIが少ない場合であっても、無線リソースの利用効率の低下を防止可能なDCIのマッピング方法を検討し、本願発明に至った。
以下、本実施の形態に係るDCIのマッピング例について説明する。
(第1態様)
図7は、本実施の形態の第1態様に係るDCIのマッピング例を示す図である。図7Aでは、拡張PDCCHセット(周波数リソースセット)#1、#2は、拡張PDCCH用に配置される所定数のPRBペア(周波数リソース単位)をそれぞれ含んで構成される。拡張PDCCH#1、#2に含まれる各PRBペアはそれぞれ異なる。図7Aでは、ユーザ端末UE#1−#10に対して、複数の拡張PDCCHセット#1、#2が重複して割り当てられる。すなわち、図7Aでは、各ユーザ端末UEに対して、複数の拡張PDCCHセット#1及び#2が、他のユーザ端末UEと少なくとも1つの拡張PDCCHセット(ここでは、拡張PDCCHセット#1及び#2の双方)が重複するように割り当てられる。
図7Aに示すように、各ユーザ端末UEに対して複数の拡張PDCCHセットが他のユーザ端末UEと重複して割当てられる場合、あるサブフレーム(例えば、1msなどの任意の時間リソース単位)においてDCIの伝送に用いられる拡張PDCCHセット数が最小となるように拡張PDCCHセットが選択され、選択された拡張PDCCHセットを構成するPRBペアにDCIがマッピングされる。
例えば、あるサブフレームにおいて8ユーザ端末UE#1−#8に対するDCIを伝送しようとする場合、1拡張PDCCHセットだけではリソースが不足するため、拡張PDCCHセット#1及び#2の双方が選択される。かかる場合、一部のユーザ端末UE(例えば、ユーザ端末UE#1−#4)に対するDCIが拡張PDCCHセット#1を構成するPRBペアにマッピングされ、残りのユーザ端末UE(例えば、ユーザ端末UE#5−#8)に対するDCIが拡張PDCCHセット#2を構成するPRBペアにマッピングされる。このように、多くのユーザ端末UEに対するDCIを伝送する場合は、拡張PDCCHセット#1及び#2の双方を用いることで、一方の拡張PDCCHセットにおけるブロッキングの発生を防止する。
一方、あるサブフレームにおいて2ユーザ端末UE#1及び#6に対するDCIを伝送しようとする場合、1拡張PDCCHセットだけでもリソースが不足しない。このため、DCIの伝送に用いられる拡張PDCCHセット数が最小となるように、拡張PDCCHセット#1及び#2の一方のみが選択される。かかる場合、選択された拡張PDCCH(例えば、拡張PDCCHセット#1)を構成するPRBペアには、ユーザ端末#1及び#6の双方に対するDCIがマッピングされ、他方の拡張PDCCHセット(例えば、拡張PDCCHセット#2)を構成するPRBペアには、PDSCHがマッピングされる。この結果、図6Aに示す場合と比較して、PDSCHをマッピング可能なPRBペア数が増加し、当該サブフレームにおける無線リソースの利用効率が向上する。
このように、各ユーザ端末UEに対して複数の拡張PDCCHセットが他のユーザ端末UEと少なくとも1つの拡張PDCCHセットが重複するように割り当てられる場合、あるサブフレームにおいてDCIの伝送に用いられる拡張PDCCHセット数が最小となるように拡張PDCCHセットが選択される。このため、あるサブフレームにおいて伝送されるDCIが少ない場合に、PDSCHをマッピング可能なPRBペアが減少して無線リソースの利用効率が低下するのを防止できる。
なお、図7Aにおいて、DCIのマッピング方法(図4参照)が拡張PDCCHセット毎に変更されてもよい。例えば、拡張PDCCHセット#1では、1ユーザ端末UEに対するDCIが複数のPRBペアに分散してマッピングされる一方、拡張PDCCHセット#2では、1ユーザ端末UEに対するDCIが1PRBペアに局所的にマッピングされてもよい。
また、図7Aにおいて、復調用参照信号(DM−RS)の種類は拡張PDCCHセット毎に変更されてもよい。ここで、復調用参照信号(DM−RS)は、UE固有の復調用参照信号(以下、UE固有(UE-specific)DM−RSという)と、複数のユーザ端末UE間で共有の復調用参照信号(以下、共有(shared)DM−RSという)とを含む。UE固有DM−RSには、特定のユーザ端末UEに向けたビームを形成するビームフォーミングウェイトが乗算される。このため、UE固有DM−RSは、1PRBペアに特定のユーザ端末UEに対するDCIがマッピングされる局所マッピングに適する。一方、共有DM−RSには、複数のユーザ端末UEが共有できるようにビームフォーミングウェイトが乗算されない。このため、共有DM−RSは、1PRBペアに複数のユーザ端末UEに対するDCIがマッピングされる分散マッピングに適する。
このように、DCIのマッピング方法に応じてDM−RSの種類は異なるため、各拡張PDCCHセットに適用されるDM−RSが定められてもよい。例えば、拡張PDCCHセット#1に分散マッピング(図4B参照)が適用される場合、DCIがマッピングされる各PRBペアには共有DM−RSがマッピングされる。また、拡張PDCCHセット#2に局所マッピング(図4A参照)が適用される場合、DCIがマッピングされる各PRBペアにはUE固有DM−RSがマッピングされる。
ところで、図7Aに示すように、各ユーザ端末UEに対して複数の拡張PDCCHセットが割り当てられる場合、各ユーザ端末UEは、複数の拡張PDCCHセットをブラインド復号することになる。かかる場合、図7Bに示すように、複数の拡張PDCCHセット全体でのサーチスペース候補数が増加しないように、1拡張PDCCHセットあたりのサーチスペース候補数を設定してもよい。これにより、各ユーザ端末UEが複数の拡張PDCCHセットをブラインド復号する場合に、1拡張PDCCHセットだけをブラインド復号する場合と比較して、ブラインド復号回数が増加するのを防止できる。
例えば、図7Bでは、eCCEの統合レベル1及び2における1拡張PDCCHセットあたりのサーチスペース候補数は、図6Bの「6」の半分の「3」に削減される。同様に、統合レベル4及び8における1拡張PDCCHセットあたりのサーチスペース候補数は、図6Bの「2」の半分の「1」に削減される。この場合、各ユーザ端末UEは、拡張PDCCHセット#1及び#2について、図7Bの合計16個のサーチスペース候補をDCIフォーマット毎にブラインド復号する。すなわち、各ユーザ端末UEにおけるブラインド復号回数の合計は、図6Bと同じとなる。この結果、各ユーザ端末UEがブラインド復号する必要のある拡張PDCCHセットの数が増加しても、各ユーザ端末UEにおけるブラインド復号回数が増加するのを防止できる。なお、図7Bの統合レベル及びサーチスペース候補数は例示にすぎず、これに限られるものではない。
なお、図7Aに示す各拡張PDCCHセットは、例示にすぎず、これに限られるものではない。例えば、各拡張PDCCHセットを構成するPRBペア数は、4に限られるものではなく、3以下、或いは、5以上であってもよい。また、各拡張PDCCHセットを構成するPRBペアは、システム帯域全体に分散して配置されるが、一部のPRBが連続する周波数領域に配置されてもよい。また、図7Aでは、拡張PDCCHセット#1、#2を構成するPRBペアが周波数方向に交互に配置されるが、これに限られない。例えば、一方の拡張PDCCHセットを構成するPRBペアが低周波数側に配置され、他方の拡張PDCCHセットを構成するPRBペアが高周波数側に配置されてもよい。
(第2態様)
図8は、本実施の形態の第2態様に係るDCIのマッピング例を示す図である。図8Aでは、拡張PDCCHセット#1−#3(Set#1−#3)は、図7Aと同様に、拡張PDCCH用に配置される所定数のPRBペアをそれぞれ含んで構成される。図示しないが、拡張PDCCHセット#1−#3に含まれるPRBペアはそれぞれ異なる。図8Aでは、各ユーザ端末UEに対して、2つの拡張PDCCHセット#x及び#y(x≠y)が、他のユーザ端末UEと少なくとも1つの拡張PDCCHセットが重複するように割り当てられる。
例えば、ユーザ端末UE#1に対しては2つの拡張PDCCHセット#1及び#2が割り当てられる。この場合、ユーザ端末UE#1に割り当てられる拡張PDCCHセット#1及び#2は、他のユーザ端末UE#2−#5に割り当てられる拡張PDCCHセット#1及び#2と双方が重複する。また、ユーザ端末UE#1に割り当てられる拡張PDCCHセット#1及び#2は、他のユーザ端末UE#6−#10に割り当てられる拡張PDCCHセット#1及び#3と1つの拡張PDCCHセット#1が重複する。同様に、ユーザ端末UE#1に割り当てられる拡張PDCCHセット#1及び#2は、他のユーザ端末UE#11−#15に割り当てられる拡張PDCCHセット#2及び#3と1つの拡張PDCCHセット#2が重複する。
図8Aに示すように、各ユーザ端末UEに対して、他のユーザ端末UEと少なくとも1つの拡張PDCCHセットが重複するように拡張PDCCHセット#x及び#yが割り当てられる場合、あるサブフレームにおいてDCIの伝送に用いられる拡張PDCCHセット数が最小となるように拡張PDCCHセットが選択され、選択された拡張PDCCHセットを構成するPRBペアに各ユーザ端末UEに対するDCIがマッピングされる。
例えば、あるサブフレームにおいて、拡張PDCCHセット#1が重複して割り当てられるユーザ端末UE#1−#5及びUE#6−#10に対するDCIを伝送する場合を考える。かかる場合、拡張PDCCHセット#1だけにユーザ端末UE#1−#10の全てに対するDCIをマッピングしようとリソースが不足する。このため、例えば、ユーザ端末UE#1−#5に対するDCIが拡張PDCCHセット#1にマッピングされる場合は、ユーザ端末UE#6−#10に対するDCIは、拡張PDCCHセット#3にマッピングされる。このように、多くのユーザ端末UEに対するDCIを伝送する場合は、DCIの伝送に用いる拡張PDCCHセット数を増加させることで、特定の拡張PDCCHセットにおけるブロッキングの発生を防止する。
一方、あるサブフレームにおいて、拡張PDCCHセット#1が重複して割り当てられるユーザ端末UE#1及びUE#6に対するDCIだけを伝送する場合を考える。かかる場合、ユーザ端末UE#1及びUE#6に重複して割り当てられていない拡張PDCCHセット#2及び#3に、それぞれ、ユーザ端末UE#1及びUE#6に対するDCIがマッピングされると、このサブフレームにおける無線リソースの利用効率が低下する。このため、ユーザ端末UE#1及びUE#6に対するDCIは、ユーザ端末UE#1及びUE#6に重複して割り当てられる拡張PDCCHセット#1にマッピングされる。この結果、2つの拡張PDCCHセット#2及び#3をPDSCHに割り当てることが可能となり、このサブフレームにおける無線リソースの利用効率が向上する。
このように、各ユーザ端末UEに対して、他のユーザ端末UEと少なくとも1つの拡張PDCCHセットが重複するように拡張PDCCHセット#x及び#yが割り当てられる場合、ユーザ端末UEの数が増加しても、あるサブフレームにおいてDCIの伝送に用いられる拡張PDCCHセット数をなるべく少なくすることができる。このため、ユーザ端末UEの数が相対的に増加した場合に、PDSCHをマッピング可能なPRBペアが減少して無線リソースの利用効率が低下するのを防止できる。
なお、図8Aに示す場合においても、図8Bに示すように、拡張PDCCHセット#x及び#yのそれぞれのサーチペース候補数を削減してもよい。これにより、各ユーザ端末UEが2つの拡張PDCCHセット#x及び#yをブラインド復号する場合でも、1拡張PDCCHセットだけをブラインド復号する場合と比較して、全体のブラインド復号回数が増加するのを防止できる。なお、図8Bの統合レベル及びサーチスペース候補数は例示にすぎず、これに限られるものではない。
また、図8Aに示す拡張PDCCHセット#x及び#yの組み合わせは、例示にすぎず、これに限られるものではない。例えば、図8Aにおいて、4つ以上の拡張PDCCHセットが設けられてもよい。この場合、4つ以上の拡張PDCCHセットから2つの拡張PDCCHセットの組み合わせが決定される。
(第3態様)
図9は、本実施の形態の第3態様に係るDCIのマッピング例を示す図である。図9Aでは、拡張PDCCHセット#1−#3(Set#1−#3)は、図7Aと同様に、拡張PDCCH用に配置される所定数のPRBペアをそれぞれ含んで構成される。図示しないが、拡張PDCCHセット#1−#3に含まれるPRBペアはそれぞれ異なる。図9Aでは、ユーザ端末UE#1−#15に対して拡張PDCCHセット#1−#3が重複して割り当てられる。すなわち、図9Aでは、各ユーザ端末UEに対して、最大3つの拡張PDCCHセット#1−#3が、他のユーザ端末UEと全ての拡張PDCCHセット#1−#3が重複するように割り当てられる。
図9Aに示すように、各ユーザ端末UEに対して最大3つの拡張PDCCHセットが重複して割り当てられる場合も、あるサブフレームにおいてDCIの伝送に用いられる拡張PDCCHセット数が最小となるように拡張PDCCHセットが選択され、選択された拡張PDCCHセットを構成するPRBペアに各ユーザ端末UEに対するDCIがマッピングされる。
図9Aに示す場合、各ユーザ端末UEに対して拡張PDCCHセット#1−#3の全てが割り当てられるので、あるサブフレームにおいてより多くのユーザ端末UEに対するDCIを伝送できる。また、各ユーザ端末UEに対して重複する拡張PDCCHセット#1−#3が割り当てられるので、所定数(例えば、5つ)までのユーザ端末UEに対するDCIは、1つの拡張PDCCHセットを用いるだけでよい。このため、あるサブフレームにおいて伝送されるDCIが少ない場合に、PDSCHをマッピング可能なPRBペアが減少して無線リソースの利用効率が低下するのを防止できる。
また、図9Aに示すように、各ユーザ端末UEに対して3つの拡張PDCCHセットが割り当てられる場合、各ユーザ端末UEは、3つの拡張PDCCHセットをブラインド復号することになる。かかる場合、図9Bに示すように、3つの拡張PDCCHセット全体でのブラインド復号回数が増加しないように、1拡張PDCCHセットあたりのサーチスペース候補数を設定してもよい。これにより、各ユーザ端末UEが複数の拡張PDCCHセットをブラインド復号する場合に、ブラインド復号回数が増加するのを防止できる。
例えば、図9Bでは、eCCEの統合レベル1及び2における1拡張PDCCHセットあたりのサーチスペース候補数は、図6Bの「6」の1/3の「2」である。また、統合レベル4及び8における1拡張PDCCHセットあたりのサーチスペース候補数は、「1」又は「0」である。この場合、各ユーザ端末UEは、拡張PDCCHセット#1−#3について、図9Bの合計16個のサーチスペース候補をDCIフォーマット毎にブラインド復号する。すなわち、図9Bでは、各ユーザ端末UEにおけるブラインド復号回数の合計は、図6Bと同じとなる。この結果、各ユーザ端末UEがブラインド復号することが必要な拡張PDCCHセットの数が増加しても、各ユーザ端末UEにおけるブラインド復号回数が増加するのを防止できる。なお、図9Bの統合レベル及びサーチスペース候補数は例示にすぎず、これに限られるものではない。
なお、図9Aに示す拡張PDCCHセットは、例示にすぎず、これに限られるものではない。例えば、図9Aにおいて、ユーザ端末数が16以上となった場合、新たに、拡張PDCCHセット#4−#6などが設けられてもよい。
(第4態様)
図10は、本実施の形態の第4態様に係るDCIのマッピング例を示す図である。図10Aでは、拡張PDCCHセット#1−#3(Set#1−#3)は、図7Aと同様に、拡張PDCCH用に配置される所定数のPRBペアをそれぞれ含んで構成される。図示しないが、拡張PDCCHセット#1−#3に含まれるPRBペアはそれぞれ異なる。図10Aでは、ユーザ端末UE#1−#8の各々に対して拡張PDCCHセット#1及び#2が割り当てられる。一方、ユーザ端末UE#9−#15の各々に対して拡張PDCCHセット#1及び#3が割り当てられる。
ここで、拡張PDCCHセット#1は、全ユーザ端末UE#1−#15に対して共通に割り当てられるプライマリセット(第1周波数リソースセット)である。また、拡張PDCCHセット#2及び#3は、それぞれ、各ユーザ端末UEに対して個別に割り当てられるセカンダリセット(第2周波数リソースセット)である。すなわち、図10Aでは、各ユーザ端末UEに対して、全ユーザ端末UEで共通のプライマリセットと、ユーザ端末UEに個別のセカンダリセットとが割り当てられる。
図10Aに示すように、各ユーザ端末UEに対してプライマリセットとセカンダリセットとが割り当てられる場合、プライマリセットを構成するPRBペアにDCIが優先的にマッピングされる。プライマリセットのリソースが不足する場合、セカンダリセットを構成するPRBペアにDCIがマッピングされる。このように、プライマリセットを構成するPRBペアに優先的にDCIをマッピングすることにより、あるサブフレームにおいて伝送されるDCIが少ない場合に、PDSCHをマッピング可能なPRBペアが減少して無線リソースの利用効率が低下するのを防止できる。
また、図10Aに示す場合、各ユーザ端末UEは、自端末に割り当てられたプライマリセットとセカンダリセットとをブラインド復号する。ここで、プライマリセットは、全てのユーザ端末UEに共通に割り当てられるので、全てのユーザ端末UEによってブラインド復号される。このため、図10Bに示すように、プライマリセットのサーチスペース候補数が、セカンダリセットのサーチスペース候補数よりも多く設定されてもよい。これにより、プライマリセットにおけるブロッキングの発生確率を減少させることができる。
例えば、図10Bでは、統合レベル1及び2におけるプライマリセットのサーチスペース候補数が「4」であるのに対して、セカンダリセットのサーチスペース候補数は「2」に設定される。なお、図10Bでは、統合レベル4及び8におけるプライマリセット及びセカンダリセットのサーチスペース候補数はともに「1」に設定される。しかしながら、統合レベル4及び8においても、プライマリセットを「2」、セカンダリセットを「0」のように、プライマリセットのサーチスペース候補数が、セカンダリセットのサーチスペース候補数より多く設定されてもよい。なお、図10Bの統合レベル及びサーチスペース候補数は例示にすぎず、これに限られるものではない。
また、ユーザ数が多い場合などにユーザ数を、例えば2つのユーザグループにグループ化した場合、ユーザグループ毎にプライマリセットを割当ててもよい。例えば、ユーザ端末UE#1−#10のユーザグループ#1及びユーザ端末UE#11−#20のユーザグループ#2とした場合、それぞれのユーザグループに対して、プライマリセット#1及び#2を割当ててもよい。
また、図10Aにおいて、プライマリセットは、全てのユーザ端末UEによってブラインド復号されるので、共通制御情報(例えば、DCIフォーマット1A、1Cなど)の伝送に適する。このため、プライマリセットは、共通サーチスペースとして用いられてもよい。この共通サーチスペースを構成するeCCEのインデックスは、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)によりユーザ端末UEに通知されてもよいし、予めユーザ端末UEで記憶されていてもよい。
なお、プライマリセットを共通サーチスペースとして用いる場合、共通制御情報(例えば、DCIフォーマット1A、1Cなど)が、プライマリセットを構成する各PRBペアに分散してマッピングされてもよい(図4B参照)。各ユーザ端末UEが共通制御情報について周波数ダイバーシチゲインを得られるためである。
また、図10Bにおいて、セカンダリセットは、個別のユーザ端末UEによってブラインド復号されるので、ユーザ端末UEに固有の制御情報(例えば、DCIフォーマット2、4、0、3など)の伝送に適する。このため、セカンダリセットは、ユーザ端末UEに固有のUE固有(UE-Specific)サーチスペースとして用いられてもよい。このUE固有サーチスペースを構成するeCCEのインデックスは、上位レイヤシグナリングによりユーザ端末UEに通知されてもよい。
なお、セカンダリセットをUE固有サーチスペースとして用いる場合、特定のユーザ端末UEに固有の制御情報(例えば、DCIフォーマット1B、1Dなど)が、セカンダリセットを構成する1PRBペアに局所的にマッピングされてもよい(図4A参照)。特定のユーザ端末UEが、固有の制御情報について周波数スケジュールゲインを得られるためである。
以上のように、本実施の形態では、各ユーザ端末UEに対して複数の拡張PDCCHセットが他のユーザ端末UEと少なくとも1つの拡張PDCCHセットが重複するように割り当てられる。また、あるサブフレームにおいてDCIの伝送に使用される拡張PDCCHセットが最小となるように拡張PDCCHセットを選択し、選択された拡張PDCHセットを構成するPRBペアにDCIがマッピングされる。このため、あるサブフレームにおいてDCIが伝送されるユーザ端末UEの数が少ない場合に、PDSCHをマッピング可能なPRBペアが減少して、無線リソースの利用効率が低下するのを防止できる。
また、本実施の形態では、各ユーザ端末UEに対して、複数の拡張PDCCHセットを別のタイミングで割当てても構わない。例えば、ユーザ端末UE数が少ない場合、各ユーザ端末に、他のユーザ端末UEと拡張PDCCHセットが重複するよう1セットのみを割り当ててもよい。一方、ユーザ端末数が多くなった場合には、上位制御情報により、2つ目のセットを各ユーザ端末UEに割当ててもよい。
また、本実施の形態では、各ユーザ端末UEに対して割当てられる拡張PDCCHセットの最大数を仕様で決めてもよいし、ユーザ端末UEのUE Capabilityとして、ユーザ端末UEが無線基地局に通知してもよい。
なお、本実施の形態では、拡張PDCCHセットを構成する各周波数リソース単位がPRBペアであるものとして説明したが、これに限られるものではない。各周波数リソース単位は、PRBであってもよく、周波数方向に連続するPRBからなるRBG(Resource Block Group)などであってもよい。また、所定の時間リソース単位は、サブフレームに限られるものではない。
また、本実施の形態では、拡張PDCCHのリソース割り当て単位として、PRBペアを分割して構成されるeCCEを例示したが、これに限られない。例えば、eCCEを更に分割して構成されるeREG(enhanced Resource Element Group)が用いられてもよい。また、この拡張PDCCHのリソース割り当て単位は、時間分割多重、周波数分割多重、符号分割多重、空間分割多重のいずれを用いて、或いは、これらの組み合わせにより、PRBペアに多重されてもよい。
以下、本実施の形態に係る無線通信システムについて詳細に説明する。
(無線通信システムの構成)
図11は、本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成図である。なお、図11に示す無線通信システムは、例えば、LTEシステム或いは、SUPER 3Gが包含されるシステムである。この無線通信システムでは、LTEシステムのシステム帯域を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーションが適用される。また、この無線通信システムは、IMT−Advancedと呼ばれても良いし、4G、FRA(Future Radio Access)と呼ばれても良い。
図11に示すように、無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12a及び12bとを備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方と無線通信可能に構成されている。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が広いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信が行なわれる。一方、ユーザ端末20と無線基地局10との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHzなど)で帯域幅狭いキャリア(Extension Carrier、Additional Carrier、Capacity Carrierなどと呼ばれる)を用いて通信される。また、無線基地局11及び各無線基地局12は、有線接続又は無線接続されている。
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)等が含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置に接続されてもよい。
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、eNodeB、無線基地局装置、送信ポイントなどと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、ピコ基地局、フェムト基地局、Home eNodeB、RRH(Remote Radio Head)、マイクロ基地局、送信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでよい。
無線通信システムにおいては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
ここで、図11に示す無線通信システムで用いられる通信チャネルについて説明する。下りリンクの通信チャネルは、各ユーザ端末20で共有されるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)と、下りL1/L2制御チャネル(PDCCH、PCFICH、PHICH)とを有する。PDSCHにより、ユーザデータ及び上位制御情報が伝送される。PDCCH(Physical Downlink Control Channel)により、PDSCHおよびPUSCHのスケジューリング情報等が伝送される。PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)により、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)により、PUSCHに対するHARQのACK/NACKが伝送される。また、拡張PDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel、ePDCCH、E-PDCCH、FDM型PDCCH等とも呼ばれる)により、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報等が伝送されてもよい。この拡張PDCCH(拡張下り制御チャネル)は、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHの容量不足を補うために使用される。
上りリンクの通信チャネルは、各ユーザ端末20で共有される上りデータチャネルとしてのPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)と、上りリンクの制御チャネルであるPUCCH(Physical Uplink Control Channel)とを有する。このPUSCHにより、ユーザデータや上位制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、ACK/NACK等が伝送される。
図12を参照し、図11に示す無線通信システムで用いられる拡張PDCCHについて詳述する。図12Aに無線基地局11のサブフレームの一例、図12B及び12Cに無線基地局12のサブフレームの一例を示す。図12Aに示すように、無線基地局11では、サブフレームの先頭から最大3OFDMシンボルにシステム帯域全体に渡り配置されるPDCCHと、サブフレームの4OFDMシンボル以降でPDSCHと周波数分割多重される拡張PDCCHとが用いられる。
一方、図12B及び12Cに示すように、無線基地局12a及び12bでは、サブフレームの先頭のOFDMシンボルからPDSCHと周波数分割多重される拡張PDCCHが用いられ、PDCCHは用いられない。なお、図12B及び12Cに示すように、無線基地局12間の干渉を防ぐために、一方の無線基地局12で拡張PDCCH(プライマリ)が配置される周波数リソースには、他方の無線基地局12でミューティングリソース(図12C参照)が配置される。
図13は、本実施の形態に係る無線基地局10(無線基地局11及び12を含む)の全体構成図である。無線基地局10は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106とを備えている。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、PDCPレイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、例えば、HARQの送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理が行われて各送受信部203に転送される。また、下りリンクの制御チャネルの信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換等の送信処理が行われて、各送受信部103に転送される。
また、ベースバンド信号処理部104は、報知チャネルにより、ユーザ端末20に対して、当該セルにおける通信のための制御情報を通知する。当該セルにおける通信のための情報には、例えば、上りリンク又は下りリンクにおけるシステム帯域幅などが含まれる。
各送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。アンプ部102は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ101により送信する。
一方、上りリンクによりユーザ端末20から無線基地局10に送信されるデータについては、各送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部102で増幅され、各送受信部103で周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、入力されたベースバンド信号に含まれるユーザデータに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
図14は、本実施の形態に係るユーザ端末20の全体構成図である。ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部(受信部)203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205とを備えている。
下りリンクのデータについては、複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部202で増幅され、送受信部203で周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部204でFFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理等がなされる。この下りリンクのデータの内、下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理等を行う。また、下りリンクのデータの内、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御(H−ARQ(Hybrid ARQ))の送信処理や、チャネル符号化、プリコーディング、DFT処理、IFFT処理等が行われて各送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。その後、アンプ部202は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ201により送信する。
図15は、本実施の形態に係る無線基地局10が有するベースバンド信号処理部104及び一部の上位レイヤの機能構成図である。なお、図15においては、下り(送信)用の機能構成を主に示しているが、無線基地局10は、上り(受信)用の機能構成を備えてもよい。
図15に示すように、無線基地局10は、上位レイヤ制御情報生成部300、データ生成部301、チャネル符号化部302、変調部303、マッピング部304、下り制御情報生成部305、共通制御情報生成部306、チャネル符号化部307、変調部308、制御チャネル多重部309、インタリーブ部310、測定用参照信号生成部311、IFFT部312、マッピング部313、復調用参照信号生成部314、ウェイト乗算部315、CP挿入部316、スケジューリング部317を具備する。なお、無線基地局10が、スモールセルC2を形成する無線基地局12である場合、制御チャネル多重部309、インタリーブ部310は省略されてもよい。
上位レイヤ制御情報生成部300は、ユーザ端末20毎に上位レイヤ制御情報を生成する。また、上位レイヤ制御情報は、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)される制御情報であり、例えば、拡張PDCCHセットの割り当て情報(後述)などを含む。データ生成部301は、ユーザ端末20毎に下りユーザデータを生成する。
データ生成部301で生成された下りユーザデータと上位レイヤ制御情報生成部300で生成された上位レイヤ制御情報とは、PDSCHで伝送される下りデータとして、チャネル符号化部302に入力される。チャネル符号化部302は、各ユーザ端末20に対する下りデータを、各ユーザ端末20からのフィードバック情報に基づいて決定された符号化率に従ってチャネル符号化する。変調部303は、チャネル符号化された下りデータを各ユーザ端末20からのフィードバック情報に基づいて決定された変調方式に従って変調する。マッピング部304は、スケジューリング部317からの指示に従って、変調された下りデータをマッピングする。
下り制御情報生成部305は、ユーザ端末20毎に、UE固有(UE-specific)の下り制御情報を生成する。UE固有の下り制御情報には、PDSCHの割り当て情報(DLグラント、DCIフォーマット1A、1Cなど)、PUSCHの割り当て情報(ULグラント、DCIフォーマット0、4など)などが含まれる。共通制御情報生成部306は、セル共通(Cell-specific)の共通制御情報を生成する。セル共通制御情報には、例えば、DCIフォーマット1A、1の制御情報などが含まれる。
下り制御情報生成部305で生成された下り制御情報、共通制御情報生成部306で生成された共通制御情報は、PDCCH又は拡張PDCCHで伝送される下り制御情報として、チャネル符号化部307に入力される。チャネル符号化部307は、入力された下り制御情報を、後述するスケジューリング部317から指示された符号化率に従ってチャネル符号化する。変調部308は、チャネル符号化された下り制御情報をスケジューリング部317から指示された変調方式に従って変調する。
ここで、PDCCHで伝送される下り制御情報は、変調部308から制御チャネル多重部309に入力されて多重される。制御チャネル多重部309で多重された下り制御情報は、インタリーブ部310においてインタリーブさる。インタリーブされた下り制御情報は、測定用参照信号生成部311で生成された測定用参照信号(CSI−RS:Channel State Information-Reference Signal、CRS:Cell specific Reference Signalなど)とともに、IFFT部312に入力される。
一方、拡張PDCCHで伝送される下り制御情報は、変調部308からマッピング部313に入力される。マッピング部313は、後述するスケジューリング部317からの指示に従って、下り制御情報を所定の割り当て単位(例えば、eCCE単位やeREG単位)でマッピングする。マッピング部313は、スケジューリング部317の指示に従って、分散マッピング(Distributed Mapping)を用いて下り制御情報をマッピングしてもよいし、局所マッピング(Localized Mapping)を用いて下り制御情報をマッピングしてもよい。
マッピングされた下り制御情報は、PDSCHで伝送される下りデータ(すなわち、マッピング部304でマッピングされた下りデータ)と、復調用参照信号生成部314で生成された復調用参照信号(DM−RS)とともに、ウェイト乗算部315に入力される。ウェイト乗算部315は、PDCSHで伝送される下りデータ、拡張PDCCHで伝送される下り制御情報、復調用参照信号に対して、ユーザ端末20固有のプリコーディングウェイトを乗算し、プリコーディングを行う。また、共有DM−RSを用いる場合は、ユーザ端末共通のプリコーディング重みが用いられる。プリコーディングされた送信データは、IFFT部312に入力され、逆高速フーリエ変換により周波数領域の信号から時系列の信号に変換される。IFFT部312からの出力信号には、CP挿入部316によりガードインターバルとして機能するサイクリックプリフィクス(CP)が挿入され、送受信部103に出力される。
スケジューリング部317は、PDSCHで伝送される下りデータ、拡張PDCCHで伝送される下り制御情報、PDCCHで伝送される下り制御情報のスケジューリングを行う。具体的には、スケジューリング部317は、上位局装置30からの指示情報や各ユーザ端末20からのフィードバック情報(例えば、CQI(Channel Quality Indicator)、RI(Rank Indicator)などを含むCSI(Channel State Information)など)に基づいて、無線リソースの割り当てを行う。
本実施の形態において、スケジューリング部317は、各ユーザ端末20に対して、複数の拡張PDCCHセット(周波数リソースセット)を他のユーザ端末UEと少なくとも一部の拡張PDCCHセットが重複するように割り当てる。図7Aを参照して説明したように、各拡張PDCCHセットは、拡張PDCCH用に配置される複数のPRBペア(周波数リソース単位)を含んで構成され、各拡張PDCCHセットを構成するPRBペアはそれぞれ異なる。なお、各拡張PDCCHセットを構成する周波数リソース単位は、PRBペアに限られず、PRBやRBGであってもよい。本発明の割り当て部、通知部は、このスケジューリング部317により構成される。
具体的には、スケジューリング部317は、図8Aに示すように、各ユーザ端末20に対して、他のユーザ端末20と少なくとも1つの拡張PDCCHセットが重複するように割り当てられる2つの拡張PDCCHセット#x及び#yを割り当ててもよい。また、スケジューリング部317は、図9Aに示すように、各ユーザ端末20に対して、他のユーザ端末20と全ての拡張PDCCHセットが重複するように割り当てられる最大3つの拡張PDCCHセットを割り当ててもよい。また、スケジューリング部317は、図10Aに示すように、各ユーザ端末20に対して、全てのユーザ端末20に共通して割り当てられるプライマリセット(第1周波数リソースセット)と、ユーザ端末20に個別に割り当てられるセカンダリセット(第2周波数リソースセット)と、を割り当てもよい。
なお、複数の拡張PDCCHセットの割り当て情報は、RRCシグナリングなどの上位レイヤシグナリング又は報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)の少なくとも1つを用いて、ユーザ端末20に通知される。この拡張PDCCHの割り当て情報は、ユーザ端末20に割り当てられた拡張PDCCHセットの識別情報(例えば、#1、#2など)であってもよいし、割り当てられた拡張PDCCHセットを構成するPRBペアの識別情報(例えば、PRBインデックス番号)などであってもよい。
また、本実施の形態において、スケジューリング部317は、あるサブフレーム(例えば、1msなどの任意の時間リソース単位)において下り制御情報(DCI)の伝送に用いられる拡張PDCCHセット数が最小となるように、各ユーザ端末20に割り当てられた拡張PDCCHセットから拡張PDCCHセットを選択する。スケジューリング部317は、選択された拡張PDCCHセットを構成するPRBペアに下り制御情報(DCI)をマッピングするように、マッピング部313に指示する。本発明のマッピング部は、スケジューリング部317及びマッピング部313により構成される。
なお、スケジューリング部317は、分散マッピング(Distributed Mapping)を用いて下り制御情報をマッピングするようにマッピング部304に指示してもよく、局所マッピング(Localized Mapping)を用いて下り制御情報をマッピングするようにマッピング部304に指示してもよい。また、分散マッピング又は局所マッピングのいずれを用いるかは、拡張PDCCHセット毎に変更されてもよい。
また、スケジューリング部317は、下り制御情報生成部305で生成されるUE固有の制御情報については局所マッピングを適用し、共通制御情報生成部306で生成される共通制御情報については分散マッピングを適用してもよい。UE固有の下り制御情報は、周波数スケジューリングゲインが得られる局所マッピングが適するのに対して、共通制御情報は、周波数ダイバーシチゲインが得られる分散マッピングが適するためである。なお、スケジューリング部317は、局所マッピングを行う場合、各ユーザ端末20からのフィードバック情報に基づいて、拡張PDCCHセットを構成するPRBペアのうち最もチャネル品質がよいPRBペアを選択し、マッピング部304、313に指示してもよい。
また、スケジューリング部317は、ユーザ端末20からのフィードバック情報に基づいて、PDCCHで伝送される下り制御情報のリソース割り当て単位(CCE)や、拡張PDCCHで伝送される下り制御情報のリソース割り当て単位(eCCEなど)の統合レベル(アグリゲーションレベル)を決定してもよい。また、下り制御情報をマッピング可能なサーチスペースは、下り制御情報の割り当て単位(CCE、eCCEなど)の統合数に予め候補数が定められる。このため、スケジューリング部317は、予め定められた候補数の中からサーチスペースを決定して、マッピング部304、313に指示してもよい。
例えば、共通サーチスペース(共通制御情報)用のリソース割り当て単位(CCE、eCCE)の統合数としては、「4」、「8」がサポートされ、UE固有サーチスペース(UE固有の下り制御情報)用のリソース割り当て単位(CCE、eCCE)の統合数としては、「1」、「2」、「4」、「8」がサポートされる。
なお、複数の拡張PDCCHセットを設ける場合、図7B、8B、9B、10Bに示すように、統合レベル(統合数)毎のサーチスペース候補数は、複数の拡張PDCCHセット全体でのサーチスペース候補数が増加しないように設定されてもよい。また、図10Bに示すように、プライマリセットとセカンダリセットとが設けられる場合、プライマリセットのサーチスペース候補数は、セカンダリセットのサーチスペース候補数よりも多く設定されてもよい。
また、以上のようなサーチスペース候補の割り当て情報は、RRCシグナリングなどの上位レイヤシグナリングを用いてユーザ端末20に通知されてもよいし、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)を介してユーザ端末20に報知されてもよい。ここで、サーチスペース候補の割り当て情報には、例えば、サーチスペース候補の位置を示すPRBインデックス番号などが含まれる。
図16は、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部104の機能構成図である。なお、図16においては、下り(受信)用の機能構成を主に示しているが、ユーザ端末20は、上り(送信)用の機能構成を備えてもよい。ユーザ端末20は、下り用の機能構成として、CP除去部401、FFT部402、デマッピング部403、デインタリーブ部404、PDCCH復調部405、PDSCH復調部406、拡張PDCCH復調部407、チャネル推定部408を具備する。
無線基地局10から受信データとして受信された下り信号は、CP除去部401でサイクリックプリフィクス(CP)が除去される。CPが除去された下り信号は、FFT部402へ入力される。FFT部402は、下り信号を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)して時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し、デマッピング部403へ入力する。デマッピング部403は、下り信号をデマッピングする。なお、デマッピング部403によるデマッピング処理は、アプリケーション部205から入力される上位レイヤ制御情報に基づいて行われる。デマッピング部403から出力された下り制御情報は、デインタリーブ部404でデインタリーブされる。
PDCCH復調部405は、後述するチャネル推定部408によるチャネル推定結果に基づいて、デインタリーブ部404から出力された下り制御情報(DCI)のブラインド復号、復調、チャネル復号などを行う。具体的には、PDCCH復調部405は、無線基地局10から予め通知されたサーチスペース候補、または予め決められたサーチスペース候補をブラインド復号して、下り制御情報を取得する。例えば、PDCCH復調部405は、報知チャネルで通知された共通サーチスペース候補をブラインド復号して、共通制御情報を取得する。また、PDCCH復調部405は、上位レイヤ制御情報として通知されたUE固有サーチスペース候補をブラインド復号して、UE固有の下り制御情報を取得する。
PDSCH復調部406は、後述するチャネル推定部408によるチャネル推定結果に基づいて、デマッピング部403から出力された下りデータの復調、チャネル復号などを行う。具体的には、PDSCH復調部406は、PDCCH復調部405又は拡張PDCCH復調部407で復調された下り制御情報(例えば、DLグラントなどの下りスケジューリング情報)に基づいて自端末に割り当てられたPDSCHを復調し、自端末宛ての下りデータ(下りユーザデータ及び上位レイヤ制御情報)を取得する。
拡張PDCCH復調部407は、後述するチャネル推定部408によるチャネル推定結果に基づいて、デマッピング部403から出力された拡張PDCCH復調部407のブラインド復号、復調、チャネル復号などを行う。具体的には、拡張PDCCH復調部407は、無線基地局10から予め通知されたサーチスペース候補をブラインド復号して、下り制御情報を取得する。例えば、拡張PDCCH復調部407は、報知チャネルで通知された共通サーチスペース候補をブラインド復号して、共通制御情報を取得する。また、拡張PDCCH復調部407は、上位レイヤ制御情報として通知されたUE固有サーチスペース候補をブラインド復号して、UE固有の下り制御情報を取得する。
本実施の形態において、拡張PDCCH復調部407は、無線基地局10から通知された割り当て情報に基づいて複数の拡張PDCCHセットのサーチスペース候補をブラインド復号し、自端末に対するDCIを取得する。上述のように、当該DCIがマッピングされる拡張PDCCHセットは、あるサブフレームにおいてDCIの伝送に使用される拡張PDCCHセットが最小となるように無線基地局10によって選択される。
なお、このように複数の拡張PDCCHセットが無線基地局10から通知される場合、図7B、8B、9B、10Bに示すように、統合レベル(統合数)毎のサーチスペース候補数は、複数の拡張PDCCHセット全体でのサーチスペース候補数が増加しないように設定されてもよい。また、図10Bに示すように、プライマリセットとセカンダリセットとが設けられる場合、プライマリセットのサーチスペース候補数は、セカンダリセットのサーチスペース候補数よりも多く設定されてもよい。
チャネル推定部408は、復調用参照信号(DM−RS)、測定用参照信号(CRS、CSI−RS)などを用いてチャネル推定を行う。チャネル推定部408は、測定用参照信号(CRS、CSI−RS)によるチャネル推定結果をPDCCH復調部405に出力する。一方、チャネル推定部408は、復調用参照信号(DM−RS)によるチャネル推定結果をPDSCH復調部406及び拡張PDCCH復調部407に出力する。ユーザ端末20に固有の復調用参照信号(DM−RS)を用いた復調により、PDSCH及び拡張PDCCHについては、ビームフォーミングゲインを得ることができる。
以上のように、本実施の形態に係る無線通信システム1によれば、無線基地局10は、各ユーザ端末20に対して複数の拡張PDCCHセットが他のユーザ端末20と少なくとも1つの拡張PDCCHセットが重複するように割り当てる。また、無線基地局10は、あるサブフレームにおいてDCIの伝送に使用される拡張PDCCHセットが最小となるように拡張PDCCHセットを選択し、選択された拡張PDCHセットを構成するPRBペアにDCIがマッピングする。このため、あるサブフレームにおいてDCIが伝送されるユーザ端末UEの数が少ない場合に、PDSCHをマッピング可能なPRBペアが減少して、無線リソースの利用効率が低下するのを防止できる。
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。