<検出装置の動作の概要>
図1は実施の形態に係る検出装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る検出装置1は、入力される画像に基づいて、当該画像に写る撮像領域、つまり当該画像を撮像する撮像部の撮像領域(視野範囲)に存在する検出対象物を検出する。
検出対象物は例えば動体である。検出装置1は、入力される画像に含まれる動体画像(動体を示す画像)を検出することによって、動体検出、つまり当該画像に写る撮像領域に存在する動体を検出する。
検出装置1の動作段階として、準備段階と実動作段階とが存在する。検出装置1は、準備段階において、時系列で順次に入力される複数枚の入力画像を用いて、背景モデルの生成処理を実行する。背景モデルは、同一のシーン(被写体)を撮影して得られた複数枚の入力画像に含まれる情報が集められて構成されたモデルである。背景モデルは、後述の動体検出処理において、時系列で順次に入力される各入力画像から動体画像を検出する際に利用される。なお、背景モデルの生成処理が実行される準備段階は「学習段階」とも呼ばれる。以後、背景モデルの生成で使用される入力画像を「基準画像」と呼び、動体検出の対象となる入力画像を「検出対象画像」と呼ぶことがある。
検出装置1では、背景モデルの生成が完了すると、動作段階が準備段階から実動作段階へと移行する。検出装置1は、実動作段階において、入力画像に対して動体検出を行う動体検出処理と、撮像領域の明るさの変化を検出する明るさ変化検出処理と、背景モデルを更新する背景モデル更新処理とを行う。ここで、撮像領域の明るさの変化には、撮像領域の明るさの変動も含む。本実施の形態では、検出対象物は例えば人である。検出対象物は人以外であっても良い。
<検出装置の構成>
図1に示されるように、検出装置1は、画像入力部2と、画像処理部3と、検出結果出力部4と、背景モデル記憶部5と、キャッシュモデル記憶部6と、明るさ変化用記憶部7とを備えている。図2は画像処理部3の構成を示すブロック図である。
画像入力部2は、検出装置1の外部から入力される入力画像200を画像処理部3に入力する。入力画像200は撮像部で撮像された撮像画像である。画像入力部2に対しては、時系列で撮像された複数枚の入力画像200が撮像された順で入力される。入力画像200の大きさは、例えば、320画素×240画素(QVGA)となっている。
図3は、入力画像200に写る撮像領域10、つまり入力画像200を撮像する撮像部の撮像領域(視野範囲)10の一例を示す図である。図3に示される撮像領域10には、被写体として会議室100が含まれている。したがって、この場合には、検出装置1に入力される入力画像200は、会議室100を示す画像となる。会議室100では、複数の机101と複数の椅子102が床の中央部を取り囲むように並べられており、複数の机101の外側が通路103となっている。そして、会議室100では、壁の一部にカーテン104が設けられている。本実施の形態に係る検出装置1は、例えば、会議室100を示す入力画像200に対して動体検出を行うことによって、会議室100に存在する人を検出する。
画像処理部3は、画像入力部2から入力される入力画像200に対して様々な画像処理を行う。画像処理部3は、CPU300と記憶部310を備えている。記憶部310は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の、CPU300が読み取り可能な非一時的な記録媒体で構成されている。記憶部310には、検出装置1を制御するための制御プログラム311が記憶されている。CPU300が記憶部310内の制御プログラム311を実行することによって、画像処理部3には様々な機能ブロックが形成される。
なお記憶部310は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えていても良い。記憶部310は、例えば、小型のハードディスクドライブ及びSSD(Solid State Drive)等を備えていても良い。
図2に示されるように、画像処理部3には、背景モデル生成部30、動体検出部31、変化検出部32、登録部33及び背景モデル更新部34等の複数の機能ブロックが形成される。なお、これらの機能ブロックは、CPUがプログラムを実行することによって実現されるのではなく、論理回路を用いたハードウェア回路で実現されても良い。
背景モデル生成部30は、画像入力部2から順次入力される複数枚の入力画像200(複数枚の基準画像200)を用いて背景モデル500を生成する。背景モデル生成部30によって生成された背景モデル500は背景モデル記憶部5に記憶される。背景モデル500には、背景画像に関する画像情報である背景画像情報が含まれている。背景モデル更新部34は、背景モデル記憶部5内の背景モデル500の更新を行う。
変化検出部32は、撮像領域10の明るさの変化を検出する。登録部33は、変化検出部32において撮像領域10の明るさの変化が検出されたときに、変化後の明るさに応じた背景画像情報、つまり、明るさが変化した撮像領域10に含まれる背景の画像に関する画像情報を明るさ変化用記憶部7に登録する。
動体検出部31は、画像入力部2から入力される入力画像200と、背景モデル500と、明るさ変化用記憶部7内の背景画像情報とを用いて、入力画像200中の動体画像を検出する。言い換えれば、動体検出部31は、入力画像200と、背景モデル500と、明るさ変化用記憶部7内の背景画像情報とを用いて、当該入力画像200に写る撮像領域10に存在する動体を検出する。
背景モデル記憶部5は、背景モデル生成部30で生成される背景モデル500を記憶する。キャッシュモデル記憶部6は、後述するキャッシュモデルを記憶する。背景モデル記憶部5、キャッシュモデル記憶部6及び明るさ変化用記憶部7のそれぞれは、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)またはハードディスク(HD)等の書き換え可能な記憶手段で構成される。なお本例では、背景モデル記憶部5、キャッシュモデル記憶部6及び明るさ変化用記憶部7とはハードウェア的に独立しているが、一つの記憶装置が有する記憶領域に含まれる互いに異なる複数の部分を、背景モデル記憶部5、キャッシュモデル記憶部6及び明るさ変化用記憶部7としてそれぞれ使用しても良い。
検出結果出力部4は、動体検出部31での動体検出についての検出結果を外部に出力する。検出結果出力部4は、例えば、撮像領域10に存在する被写体(図4の例では会議室100)の様子をリアルタイムで表示する表示部を備えており、当該表示部において、動体が検出された領域を色等で表示することによって、動体検出の検出結果を外部に出力する。また、検出結果出力部4は、検出結果を音声等の音で外部に出力しても良い。また、検出結果出力部4は、検出結果を示す信号を、外部装置に対して出力することによって、当該検出結果を外部に出力しても良い。この場合には、外部装置は、検出結果に応じた動作を実行する。例えば、外部装置は、警報を発生する。あるいは、撮像領域10が図3の会議室100である場合には、外部装置は、会議室100の照明器具を制御して、人が存在する領域だけ明るくする。また、外部装置は、会議室100の空調機を制御して、人が存在する領域だけ冷却したり、暖めたりする。
<準備段階(背景モデル生成処理)>
次に検出装置1の準備段階で行われる背景モデル生成処理について説明する。図4は背景モデル500を説明するための図である。本実施の形態では、撮像領域10において検出対象物である人が存在しないとき(会議室100が利用されていないとき)に撮像部で撮像された入力画像200が、背景モデル500の生成で使用される基準画像200となっている。つまり、基準画像200は、動体画像を含まない背景画像のみで構成されている。背景モデル生成処理では、A枚(A≧2)の基準画像200に基づいて背景モデル500が生成される。
本実施の形態では、撮像領域10は、複数の矩形の撮像ブロック(部分撮像領域)に分割される。入力画像200に含まれる、ある撮像ブロックの画像を示す領域を「画像ブロック」と呼ぶと、入力画像200は、撮像領域10を構成する複数の撮像ブロックの画像をそれぞれ示す複数の画像ブロックで構成される。本実施の形態では、一つの画像ブロックの大きさは、例えば、3画素×3画素となっている。以後、撮像ブロックと、入力画像200における、当該撮像ブロックの画像を示す画像ブロックとに関して、当該撮像ブロックを、当該画像ブロックに対応する撮像ブロックと呼ぶことがある。
図4に示されるように、背景モデル500には、複数の撮像ブロックBKにそれぞれ対応する複数のコードブック(Codebook)CBが含まれる。各コードブックCBには、画像情報と、当該画像情報に関連する関連情報とを含むコードワード(Codeword)CWが含まれている。コードブックCBに含まれるコードワードCWは、一枚の入力画像200における、当該コードブックCBが対応する撮像ブロックBKの画像を示す画像ブロックに基づいて生成される。各コードブックCBには複数のコードワードCWが含まれている。背景モデル500中のコードワードCWに含まれる画像情報は、背景画像に関する画像情報、つまり背景画像情報である。
図4において砂地のハッチングが示されているコードブックCBには、3枚の基準画像200a〜200cに基づいてそれぞれ生成された3つのコードワードCW1〜CW3が含まれている。コードブックCBに含まれるコードワードCW1は、基準画像200aにおける、当該コードブックCBが対応する撮像ブロックBKの画像を示す画像ブロックに基づいて生成される。コードブックCBに含まれるコードワードCW2は、基準画像200bにおける、当該コードブックCBが対応する撮像ブロックBKの画像を示す画像ブロックに基づいて生成される。そして、コードブックCBに含まれるコードワードCW3は、基準画像200cにおける、当該コードブックCBが対応する撮像ブロックBKの画像を示す画像ブロックに基づいて生成される。
図5はコードワードCWを説明するための図である。コードワードCWには、当該コードワードCWを含むコードブックCBが対応する撮像ブロックの画像を示す画像ブロックの画像情報が背景画像情報として含まれている。本実施の形態では、コードワードCW内の画像ブロックの画像情報(背景画像情報)は、当該画像ブロックを構成する複数の画素の画素値PVである。そして、コードワードCWには、関連情報として、最新一致時刻Teとコードワード生成時刻Tiとが含まれている。後述するように、背景モデル500に含まれるコードワードCW中の画像情報については、検出対象画像200から取得された画像情報と一致する否かが判定される。コードワードCWに含まれる最新一致時刻Teは、当該コードワードCWに含まれる画像情報と、検出対象画像200から取得された画像情報とが一致すると判定された最新の時刻を示している。また、コードワードCWに含まれるコードワード生成時刻Tiは、当該コードワードCWが生成された時刻を示している。
図6は、このような背景モデル500が生成される背景モデル生成処理を示すフローチャートである。図6に示される背景モデル生成処理は、背景モデル記憶部5に背景モデル500が記憶されていないときに実行される。
図6に示されるように、ステップs1において、背景モデル生成部30は、画像入力部2から基準画像200が画像処理部3に入力されると、ステップs2において、撮像領域10のある撮像ブロックを注目撮像ブロックとし、注目撮像ブロックに対応するコードブックCBが背景モデル記憶部5に記憶されているか否かを判定する。
背景モデル生成部30は、注目撮像ブロックに対応するコードブックCBが背景モデル記憶部5に記憶されていないと判定すると、ステップs3において、ステップs1で入力された基準画像200に基づいて、注目撮像ブロックに対応するコードブックCBを生成して背景モデル記憶部5に記憶する。
具体的には、背景モデル生成部30は、ステップs1で入力された基準画像200における、注目撮像ブロックの画像を示す画像ブロックから画像情報を取得する。そして、背景モデル生成部30は、取得した画像情報を背景画像情報として含むコードワードCWを生成し、当該コードワードCWを含むコードブックCBを背景モデル記憶部5に記憶する。このコードワードCWに含まれる最新一致時刻Teは、暫定的に、コードワード生成時刻Tiと同じ時刻に設定される。
一方で、背景モデル生成部30は、注目撮像ブロックに対応するコードブックCBが背景モデル記憶部5に記憶されていると判定すると、ステップs4において、ステップs1で入力された基準画像200における、注目撮像ブロックの画像を示す画像ブロックから画像情報を取得する。そして、背景モデル生成部30は、背景モデル記憶部5が記憶している、注目撮像ブロックに対応するコードブックCBに含まれる各コードワードCW中の背景情報画像と、取得した画像情報とが一致するか否かを判定する。つまり、背景モデル生成部30は、注目撮像ブロックに対応するコードブックCBに含まれるコードワードCWにおいて、取得した画像情報と一致する背景画像情報を含むコードワードCWが存在するか否かを判定する。
ステップs4での判定の結果、ステップs5において、注目撮像ブロックに対応するコードブックCBに含まれる各コードワードCW中の背景情報画像と、取得した画像情報とが一致しない場合には、つまり、注目撮像ブロックに対応するコードブックCBに含まれるコードワードCWにおいて、取得した画像情報と一致する背景画像情報を含むコードワードCWが存在しない場合には、ステップs6において、背景モデル生成部30は、ステップs4で基準画像200から取得した画像情報を背景画像情報として含むコードワードCWを生成する。このコードワードCWに含まれる最新一致時刻Teは、暫定的に、コードワード生成時刻Tiと同じ時刻に設定される。そして、背景モデル生成部30は、生成したコードワードCWを、背景モデル記憶部5が記憶する、注目撮像ブロックに対応するコードブックCBに追加する。これにより、注目撮像ブロックに対応するコードブックCBには新しい背景画像情報が追加される。
一方で、ステップs5において、注目撮像ブロックに対応するコードブックCBに含まれるコードワードCW中の背景情報画像と、取得した画像情報とが一致する場合には、つまり、注目撮像ブロックに対応するコードブックCBに含まれるコードワードCWにおいて、取得した画像情報と一致する背景画像情報を含むコードワードCWが存在する場合には、ステップs6は実行されずに、ステップs7が実行される。ステップs7において、背景モデル生成部30は、撮像領域10における全ての撮像ブロックについて処理が行われた否か、つまり、全ての撮像ブロックを注目撮像ブロックに設定したか否かを判定する。ステップs7での判定の結果、処理が行われていない撮像ブロックが存在する場合には、背景モデル生成部30は、未だ処理が行われていない撮像ブロックを新たな注目撮像ブロックとして、ステップs2以降を実行する。
一方で、ステップs7での判定の結果、撮像領域10における全ての撮像ブロックについて処理が行われている場合には、背景モデル生成部30は、ステップs8において、A枚の基準画像200に対して同様の処理が行われたか否かを判定する。背景モデル生成部30は、ステップs8での判定の結果、処理を行った基準画像200の枚数がA枚よりも少ない場合には、ステップs1において画像処理部3に対して新たに入力される基準画像200に対して、ステップs2以下の処理を実行する。背景モデル生成部30は、ステップs8での判定の結果、処理を行った基準画像200の枚数がA枚である場合には、背景モデル生成処理を終了する。これにより、上述のような背景モデル500が背景モデル記憶部5内に生成される。
<実動作段階>
次に検出装置1の実動作段階での動作について説明する。図7は、検出装置1の実動作段階での概略動作を示すフローチャートである。検出装置1では、背景モデル生成処理が終了すると、図7に示される処理が実行される。
図7に示されるように、ステップs11において画像入力部2から入力画像200が画像処理部3に入力されると、当該入力画像200を処理対象として、ステップs12〜s14までの一連の処理が実行される。
ステップs12において、画像処理部3は、処理対象の入力画像200に対して動体検出を行う動体検出処理を行う。そして、ステップs13において、画像処理部3は、処理対象の入力画像200に基づいて、あるいはステップs12での動体検出処理の結果に基づいて、撮像領域10の明るさの変化を検出する明るさ変化検出処理を行う。その後、画像処理部3は、ステップs14において、背景モデル記憶部5内の背景モデル500を更新する背景モデル更新処理を行う。
その後、ステップs11において、画像入力部2から画像処理部3に新たな入力画像200(新たな検出対象画像200)が入力されると、当該入力画像200を新たな処理対象として、ステップs12〜s14までの一連の処理が実行される。その後、画像処理部3は同様に動作する。
このように、本実施の形態に係る検出装置1では、入力画像200が入力されるたびに、動体検出処理、明るさ変化検出処理及び背景モデル更新処理がこの順番で実行される。
<明るさ変化検出処理>
次にステップs13での明るさ変化検出処理について詳しく説明する。図8は明るさ変化検出処理を示すフローチャートである。図8に示されるように、ステップs131において、変化検出部32は、撮像領域10の明るさが変化したか否かを判定する。本実施の形態では、ステップs131において、撮像領域10の明るさが変化したか否かを判定するための変化判定条件が使用される。変化検出部32は、変化判定条件を満たすときに、撮像領域10の明るさが変化したと判定する。変化判定条件が満たされるか否かは、処理対象の入力画像200に基づいて、あるいは処理対象の入力画像200に対する動体検出の結果に基づいて判断される。変化判定条件については後で詳細に説明する。
ステップs131において判定条件が満たされずに撮像領域10の明るさの変化が検出されなかったときには、明るさ変化検出処理は終了する。一方で、ステップs131において変化判定条件が満たされ、撮像領域10の明るさの変化が検出されたときには、ステップs132において、登録部33は、変化後の明るさに応じた背景画像情報が明るさ変化用記憶部7に既に登録されているか否かを判定する。
ステップs132において、変化後の明るさに応じた背景画像情報が明るさ変化用記憶部7に登録されていないと判定されると、ステップs133において、登録部33は、変化後の明るさに応じた入力画像200に関する画像情報を背景画像情報として明るさ変化用記憶部7に登録する。この背景画像情報は、変化後の明るさに応じた背景画像情報となる。ステップs133が実行されると、明るさ変化検出処理は終了する。またステップs132において、変化後の明るさに応じた背景画像情報が明るさ変化用記憶部7に登録されていると判定されると、明るさ変化検出処理は終了する。
ステップs131では、処理対象の入力画像200に基づいて、撮像領域10の明るさが変化したか否かが判定されることから、ステップs131において撮像領域10の明るさの変化が検出されたときには、処理対象の入力画像200は、明るさが変化した後の撮像領域10の画像であると言える。つまり、処理対象の入力画像200は、変化後の明るさに応じた入力画像200であると言える。登録部33は、ステップs133において、処理対象の入力画像200を変化後の明るさに応じた入力画像200として、処理対象の入力画像200を構成する複数の画像ブロックのそれぞれについての各画素の画素値を背景画像情報として明るさ変化用記憶部7に登録する。明るさ変化用記憶部7内の背景画像情報では、それに対応する入力画像200の画像ブロックごとに画素値が整理されている。
登録部33は、変化後の明るさに応じた入力画像200(処理対象の入力画像200)の画像情報を背景画像情報として明るさ変化用記憶部7に登録する際には、当該入力画像200の輝度ヒストグラムを生成する。そして、登録部33は、生成した輝度ヒストグラムを当該背景画像情報に対応付けて明るさ変化用記憶部7に登録する。入力画像200の輝度ヒストグラムは、当該入力画像200を構成する複数の画素の輝度の分布を示している。
図9は輝度ヒストグラムの一例を示す図である。図9の横軸は輝度を示している。本実施の形態では、輝度は例えば8ビットで表現される。したがって、輝度は十進表記で“0”から“255”までの範囲となる。図9の縦軸は、入力画像200において横軸に示される輝度を有する画素の数、つまり頻度を示している。
登録部33は、ステップs132において、変化後の明るさに応じた背景画像情報が明るさ変化用記憶部7に既に登録されているか否かを判定する際には、輝度ヒストグラムを使用する。ステップs132において、登録部33は、明るさ変化用記憶部7内の各背景画像情報に対応付けられている輝度ヒストグラムの中に、変化後の明るさに応じた入力画像200の輝度ヒストグラムと類似する輝度ヒストグラムが存在するか否かを判定する。変化後の明るさに応じた入力画像200の輝度ヒストグラムと類似する輝度ヒストグラムに対応付けられている明るさ変化用記憶部7内の背景画像情報は、変化後の明るさの撮像領域10の画像から得られた画像情報とほぼ一致すると考えることができることから、明るさ変化用記憶部7内の当該背景画像情報は変化後の明るさに応じた背景画像情報であると言える。したがって、登録部33は、明るさ変化用記憶部7内の各背景画像情報に対応付けられている輝度ヒストグラムの中に、変化後の明るさに応じた入力画像200の輝度ヒストグラムと類似する輝度ヒストグラムが存在する場合には、変化後の明るさに応じた背景画像情報が明るさ変化用記憶部7に既に登録されていると判定する。一方で、登録部33は、明るさ変化用記憶部7内の各背景画像情報に対応付けられている輝度ヒストグラムの中に、変化後の明るさに応じた入力画像200の輝度ヒストグラムと類似する輝度ヒストグラムが存在しない場合には、変化後の明るさに応じた背景画像情報が明るさ変化用記憶部7に登録されていないと判定してステップs133を実行する。
2つの輝度ヒストグラムが類似するか否かについては、当該2つの輝度ヒストグラムの類似度を求めて、当該類似度がしきい値以下であれば、当該2つの輝度ヒストグラムは類似していると判定できる。この類似度は、値が小さいほど、2つの輝度ヒストグラムが類似していることを意味している。ヒストグラム間の類似度としては、ヒストグラム間の距離を表すBhattacharyya距離あるいは相関係数などを使用することができる。
なお、入力画像200についての輝度ヒストグラムは、その入力画像200の特徴を表すのであれば、入力画像200すべての画素の輝度を使用して生成しても良いし、入力画像200の一部の画素の輝度を使用して生成しても良い。
このように、明るさ変化検出処理では、撮像領域10の明るさの変化が検出された場合、変化後の明るさに対応する背景画像情報が明るさ変化用記憶部7内に登録されていないときには、変化後の明るさに応じた入力画像200の画像情報が背景画像情報として明るさ変化用記憶部7に登録される。したがって、明るさ変化用記憶部7内には、撮像領域10の明るさごとに、その明るさに応じた背景画像情報が一つ登録される。よって、撮像領域10の明るさごとに複数の背景画像情報が明るさ変化用記憶部7に登録される場合と比較して、明るさ変化用記憶部7内の情報量を低減することができる。
例えば、図3に示される撮像領域10の場合であって、会議室100の照明がオンとオフの2段階だけ調整可能な場合には、照明がオンのときの会議室100の明るさに応じた背景画像情報と、照明がオフのときの会議室100の明るさに応じた背景画像情報とが明るさ変化用記憶部7に記憶される。また、照明がLED(Light Emitting Diode)等で構成され、照明の輝度が3段階以上調整可能な場合には、照明の輝度の各段階での会議室100の明るさに応じた背景画像情報が明るさ変化用記憶部7内に記憶される。本実施の形態では、明るさ変化記憶部7内の背景画像情報は削除されない。
なお、明るさ変化用記憶部7内の背景画像情報に含まれる、一つの画像ブロックを構成する複数の画素の画素値についても背景画像情報と見ることができることから、前者の「背景画像情報」と後者の「背景画像情報」とを区別するために、前者の「背景画像情報」を「背景ブロック画像情報群」と呼び、後者の「背景画像情報」を「背景ブロック画像情報」と呼ぶことがある。明るさ変化用記憶部7内には、撮像領域10の明るさごとに、その明るさに応じた背景ブロック画像情報群が記憶されている。そして、各背景ブロック画像情報群には、撮像領域10の各撮像ブロックに対応して背景ブロック画像情報が含まれている。
<動体検出処理>
次にステップs12での動体検出処理について説明する。図10は動体検出処理を示すフローチャートである。図10に示されるように、ステップs121において、動体検出部31は、撮像領域10のある撮像ブロック(例えば、撮像領域10における左上の撮像ブロック)を注目撮像ブロックとし、上述のステップs11で入力された処理対象の入力画像200(検出対象画像200)における、注目撮像ブロックの画像を示す画像ブロック(以後、「注目画像ブロック」と呼ぶことがある)に対して動体検出を行う。
ステップs121が実行されると、ステップs122において、動体検出部31は、ステップs121での動体検出の結果を記憶する。そして、動体検出部31は、ステップs123において、撮像領域10における全ての撮像ブロックについて処理が行われた否か、つまり、全ての撮像ブロックを注目撮像ブロックに設定したか否かを判定する。ステップs123での判定の結果、処理が行われていない撮像ブロックが存在する場合には、動体検出部31は、未だ処理が行われていない撮像ブロックを新たな注目撮像ブロックとして、ステップs121以降を実行する。一方で、ステップs123での判定の結果、撮像領域10における全ての撮像ブロックについて処理が行われている場合には、つまり、入力画像200の全領域に対して動体検出が完了している場合には、動体検出部31は動体検出処理を終了する。これにより、動体検出部31には、入力画像200を構成する複数の画像ブロックに対する動体検出の結果が記憶される。この検出結果は、検出結果出力部4に入力される。
<動体検出の詳細>
次にステップs121での動体検出の詳細について説明する。図11はステップs121の処理を詳細に説明するフローチャートである。ステップs121では、注目画像ブロックの画像情報と、背景モデル500における、注目撮像ブロックに対応するコードブックCBに含まれる各コードワードCW中の背景画像情報とが使用された判定処理と、注目画像ブロックの画像情報と、明るさ変化用記憶部7内の各背景ブロック画像情報群に含まれる、注目撮像ブロックの画像から得られた背景ブロック画像情報とが使用された判定処理とが行われる。以後、背景モデル500における、注目撮像ブロックに対応するコードブックCBを「対応コードブックCB」と呼ぶことがある。また、対応コードブックに含まれるコードワードCWを「対応コードワードCW」と呼ぶことがある。また、明るさ変化用記憶部7内の背景ブロック画像情報群に含まれる、注目撮像ブロックの画像から得られた背景ブロック画像情報を「対応背景ブロック画像情報」と呼ぶことがある。
図11に示されるように、ステップs121では、まずステップs201において、動体検出部31は、注目画像ブロックから取得される画像情報と、対応コードブックCBに含まれる各対応コードワードCW中の背景画像情報とが一致するか否かを判定する。注目画像ブロックの画像情報と、対応コードブックCBに含まれる各対応コードワードCW中の背景画像情報とが一致する場合には、ステップs202において、動体検出部31は、注目画像ブロックは動体画像ではないと、つまり背景画像であると判定する。
一方で、ステップs201がNoの場合、つまり、注目画像ブロックの画像情報と一致しない背景画像情報が、対応コードブックCBに含まれる複数の対応コードワードCWにそれぞれ含まれる複数の背景画像情報に含まれる場合には、ステップs203において、動体検出部31は、注目画像ブロックの画像情報と一致する背景ブロック画像情報が、明るさ変化用記憶部7内の複数の背景ブロック画像情報群にそれぞれ含まれる複数の対応背景ブロック画像情報に含まれるか否かを判定する。注目画像ブロックの画像情報と一致する背景ブロック画像情報が、明るさ変化用記憶部7内の複数の背景ブロック画像情報群にそれぞれ含まれる複数の対応背景ブロック画像情報に含まれる場合には、動体検出部31は、ステップs202を実行して、注目画像ブロックは動体画像ではないと判定する。
一方で、ステップs203において、注目画像ブロックの画像情報と一致する背景ブロック画像情報が、明るさ変化用記憶部7内の複数の背景ブロック画像情報群にそれぞれ含まれる複数の対応背景ブロック画像情報に含まれない場合には、動体検出部31は、ステップs204において、注目画像ブロックは動体画像であると判定する。ステップs202,s204が実行されると、ステップs121は終了する。
このように、本実施の形態では、注目画像ブロックの画像情報と、対応コードブックCBに含まれる各対応コードワードCW中の背景画像情報とが一致する場合、あるいは注目画像ブロックの画像情報と一致する背景ブロック画像情報が、明るさ変化用記憶部7内の複数の背景ブロック画像情報群にそれぞれ含まれる複数の対応背景ブロック画像情報に含まれる場合には、注目画像ブロックは背景画像であると判定される。そして、注目画像ブロックの画像情報と一致しない背景画像情報が、対応コードブックCBに含まれる複数の対応コードワードCWにそれぞれ含まれる複数の背景画像情報に含まれ、かつ注目画像ブロックの画像情報と一致する背景ブロック画像情報が、明るさ変化用記憶部7内の複数の背景ブロック画像情報群にそれぞれ含まれる複数の対応背景ブロック画像情報に含まれない場合には、注目画像ブロックは動体画像であると判定される。
なお、ステップs201とステップs203が実行される順序は入れ替えても良い。以後、動体画像であると判定された画像ブロックを「動体画像ブロック」と呼ぶことがある。
次にステップs201,s203での具体的な判定手法を説明する。まずステップs201での具体的な判定手法を図12,13を用いて説明する。
図12は、入力画像200の注目画像ブロック及び背景モデル500の対応コードワードCWのそれぞれからベクトルを抽出する様子を表した図である。図13は、入力画像200の注目画像ブロックから抽出されたベクトルと、背景モデル500の対応コードワードCWから抽出されたベクトルとの関係を示す図である。
本実施の形態では、入力画像200中の注目画像ブロックの画像情報がベクトルとして扱われる。また、背景モデル500中の各対応コードワードCWについて、当該対応コードワードCWに含まれる背景画像情報がベクトルとして扱われる。そして、ステップs201では、注目画像ブロックの画像情報についてのベクトルと、各対応コードワードCWの背景画像情報についてのベクトルとが、同じ方向を向いているか否かに基づいて、注目画像ブロックの画像情報と各対応コードワードCWの背景画像情報とが一致するか否かが判定される。この2種類のベクトルが同じ方向を向いている場合には、注目画像ブロックの画像情報と、各対応コードワードCWの背景ブロック画像情報とは一致すると考えることができる。したがって、この場合には、入力画像200中の注目画像ブロックは、背景を示す画像と変わらず、動体画像ではないと判定される。一方、2種類のベクトルが同じ方向を向いていない場合には、注目画像ブロックの画像情報と、各対応コードワードCWの背景ブロック画像情報とは一致しないと考えることができる。
具体的には、動体検出部31は、入力画像200中の注目画像ブロックに含まれる複数の画素の画素値を成分とした画像ベクトルxfを生成する。図12には、9個の画素を有する注目画像ブロック210の各画素の画素値を成分とした画像ベクトルxfが示されている。図12の例では、各画素は、R(赤)、G(緑)及びB(青)の画素値を有しているため、画像ベクトルxfは、27個の成分で構成されている。
同様に、動体検出部31は、背景モデル500の対応コードブックCBに含まれる対応コードワードCW中の背景画像情報を用いて、背景画像情報に関するベクトルである背景ベクトルを生成する。図12に示される対応コードワードの背景画像情報510には、9個の画素についての画素値が含まれている。したがって、当該9個の画素についての画素値を成分とした背景ベクトルxbが生成される。背景ベクトルxbについては、対応コードブックCBに含まれる複数のコードワードCWのそれぞれから生成される。したがって、一つの画像ベクトルxfに対して複数の背景ベクトルxbが生成される。
上述のように、画像ベクトルxfと各背景ベクトルxbとが同じ方向を向いている場合、入力画像200中の注目画像ブロックは、背景を示す画像と変わらないことになる。しかしながら、画像ベクトルxf及び各背景ベクトルxbには、ある程度のノイズ成分が含まれていると考えられることから、画像ベクトルxfと各背景ベクトルxbとが完全に同じ方向を向いていなくても、入力画像200中の注目画像ブロックは背景を示す画像であると判定することができる。
そこで、本実施の形態では、画像ベクトルxf及び各背景ベクトルxbに、ある程度のノイズ成分が含まれていることを考慮して、画像ベクトルxfと各背景ベクトルxbとが完全に同じ方向を向いていない場合であっても、入力画像200中の注目画像ブロックは背景を示す画像であると判定する。
画像ベクトルxf及び背景ベクトルxbにノイズ成分が含まれていると仮定すると、真のベクトルuに対する画像ベクトルxfと背景ベクトルxbとの関係は、図13のように表すことができる。本実施の形態では、画像ベクトルxfと背景ベクトルxbとが、どの程度同じ方向を向いているかを示す評価値として、以下の(1)で表される評価値D2を考える。
そして、行列Xを画像ベクトルxfと背景ベクトルxbとを用いて、式(2)のように表すと、評価値D2は、2×2行列XXTの非ゼロの最小固有値となる。したがって、評価値D2については解析的に求めることができる。なお、評価値D2が2×2行列XXTの非ゼロの最小固有値となることについては、上記の非特許文献3に記載されている。
上述のように、一つの画像ベクトルxfに対して複数の背景ベクトルxbが生成されることから、画像ベクトルxfと背景ベクトルxbとを用いて表される評価値D2の値も、背景ベクトルxbの数と同じ数だけ得られることになる。
注目画像ブロックの画像情報と、対応コードブックCBに含まれる各対応コードワードCW中の背景画像情報とが一致するか否かの判定は、評価値D2の複数の値のうちの最小値Cと、評価値D2の複数の値についての平均値μ及び標準偏差σとを用いて表される、以下の式(3)で示される判定式が用いられる。この判定式はチェビシェフ(Chebyshev)の不等式と呼ばれる。
ここで、式(3)のkは定数であって、入力画像200を撮像する撮像部の撮像環境(撮像部が設置される環境)等に基づいて定められる値である。定数kは実験等によって決定される。
動体検出部31は、判定式(不等式)を満たす場合、画像ベクトルxfと各背景ベクトルxbとが同じ方向を向いていないと考えて、注目画像ブロックの画像情報と、対応コードブックCBに含まれる各対応コードワードCW中の背景画像情報とが一致しないと判定する。つまり、動体検出部31は、注目画像ブロックの画像情報と一致しない背景画像情報が、対応コードブックCBに含まれる複数の対応コードワードCWにそれぞれ含まれる複数の背景画像情報に含まれると判定する。一方で、動体検出部31は、判定式を満たさない場合、画像ベクトルxfと各背景ベクトルxbとは同じ方向を向いていると考えて、注目画像ブロックの画像情報と、対応コードブックCBに含まれる各対応コードワードCW中の背景画像情報とが一致すると判定する。つまり、動体検出部31は、注目画像ブロックは動体画像ではないと判定する。
このように、本実施の形態では、注目画像ブロックから得られた画像ベクトルの方向と、各対応コードワードCWから得られた背景ベクトルの方向とが、同じか否かに基づいて動体検出が行われているため、本実施の形態に係る動体検出手法は、日照変化あるいは照明変化などの撮像領域10での明るさの変化に対して比較的頑健な動体検出手法である。
次にステップs203での具体的な判定手法を説明する。ステップs203においても、注目画像ブロックの画像情報から画像ベクトルxfが生成される。また、対応コードワードの背景画像情報についての背景ベクトルxbと同様にして、明るさ変化用記憶部7内の各背景ブロック画像情報群について、当該背景ブロック画像情報群に含まれる対応背景ブロック画像情報から背景ベクトルxbが生成される。動体検出部31は、画像ベクトルxfと、明るさ変化用記憶部7内の各背景ブロック画像情報群に含まれる対応背景ブロック画像情報についての背景ベクトルxbとが同じ方向を向いているか否かを判定する。動体検出部31は、画像ベクトルxfと背景ベクトルxbとが同じ方向を向いているか否かを判定する場合には、上記の評価値D2を使用する。動体検出部31は、画像ベクトルxf及び背景ベクトルxbについて求めた評価値D2が所定のしきい値以下の場合には、当該画像ベクトルxf及び当該背景ベクトルxbは同じ方向を向いていると判定し、評価値D2が所定のしきい値未満の場合には、当該画像ベクトルxf及び当該背景ベクトルxbは同じ方向を向いていていないと判定する。そして、動体検出部31は、明るさ変化用記憶部7内の複数の背景ブロック画像情報群にそれぞれ含まれる複数の対応背景ブロック画像情報についての背景ベクトルxbの中に、画像ベクトルxfと同じ方向を向いている背景ベクトルxbが存在する場合には、注目画像ブロックの画像情報と一致する背景ブロック画像情報が、明るさ変化用記憶部7内の複数の背景ブロック画像情報群にそれぞれ含まれる複数の対応背景ブロック画像情報に含まれていると判定する。つまり、動体検出部31は、注目画像ブロックが動体画像ではないと判定する。
一方で、動体検出部31は、明るさ変化用記憶部7内の複数の背景ブロック画像情報群にそれぞれ含まれる複数の対応背景ブロック画像情報についての背景ベクトルxbの中に、画像ベクトルxfと同じ方向を向いている背景ベクトルxbが存在しない場合には、注目画像ブロックの画像情報と一致する背景ブロック画像情報が、明るさ変化用記憶部7内の複数の背景ブロック画像情報群にそれぞれ含まれる複数の対応背景ブロック画像情報に含まれていないと判定する。
このように、本実施の形態に係る動体検出処理は、入力画像200と、背景モデル500と、明るさ変化用記憶部7内での、撮像領域10の各明るさに応じた背景画像情報とが使用されて、当該入力画像200に含まれる動体画像が検出されている。
<背景モデル更新処理>
次にステップs14での背景モデル更新処理について説明する。背景モデル更新処理では、キャッシュモデルを記憶するキャッシュモデル記憶部6が使用される。キャッシュモデルには、背景モデル500に登録される背景画像情報の候補である背景画像情報候補が含められる。
ここで、日照変化あるいは照明変化などによる撮像領域10の明るさの変化や撮像領域10でのレイアウト変更等によって入力画像200の画像情報が大きく変化すると、動体検出部31は、入力画像200に含まれる、背景を示す画像ブロックを誤って動体画像であると判定する可能性がある。したがって、動体検出部31において動体画像あると判定された画像ブロックの画像情報が、実際には背景の画像情報である可能性がある。
そこで、本実施の形態では、背景モデル更新部34は、動体検出部31において動体画像であると判定された画像ブロックの画像情報を背景画像情報候補として、いったんキャッシュモデルに登録する。そして、背景モデル更新部34は、登録判定期間に入力される複数枚の入力画像200に基づいて、キャッシュモデルに登録した背景候補画像情報が、背景の画像情報であるか否かを判定する。背景モデル更新部34は、キャッシュモデルに登録した背景画像情報候補が背景の画像情報であると判定すると、当該背景画像情報候補を背景画像情報として背景モデル500に登録する。つまり、背景モデル更新部34は、登録判定期間に入力される複数枚の入力画像200に基づいて、キャッシュモデル記憶部6に記憶した背景画像情報候補を背景画像情報として背景モデル500に登録するか否かを判定する。
図14は背景モデル更新処理を示すフローチャートである。図14に示されるように、ステップs141において、背景モデル更新部34は、撮像領域10のある撮像ブロックを注目撮像ブロックとし、上述のステップs11で入力された処理対象の入力画像200における、注目撮像ブロックの画像を示す画像ブロック(注目画像ブロック)が動体検出部31において動体画像であると判定されたか否かを判定する。ステップs141において、注目画像ブロックが動体検出部31において動体画像ではないと判定されたと判断されると、背景モデル更新部34はステップs142を実行する。
ここで、ステップs142が実行されるのは、上述のステップs201でYesと判断されて、注目画像ブロックが動体画像ではないと判定された場合ある。したがって、ステップs203でYesと判断されて、注目画像ブロックが動体画像ではないと判定された場合には、ステップs142は実行されない。
ステップs142では、背景モデル更新部34は、注目画像ブロックの画像情報と一致すると判定された背景画像情報を含む、背景モデル500中のコードワードCWの最新一致時刻Teを現在時刻に変更する。このとき、当該コードワードCWの背景画像情報は変更されない。
一方で、ステップs141において、注目画像ブロックが動体検出部31において動体画像であると判定されたと判断されると、背景モデル更新部34はステップs143を実行する。ステップs143では、キャッシュモデルの更新が行われる。具体的には、背景モデル更新部34は、注目画像ブロックの画像情報が、キャッシュモデル記憶部6内のキャッシュモデルに含まれていない場合には、当該画像情報を背景画像情報候補として含むコードワードCWを生成してキャッシュモデルに登録する。このコードワードCWには、画像情報(背景画像情報候補)以外にも、最新一致時刻Te及びコードワード生成時刻Tiが含まれている。ステップs143で生成されたコードワードCWに含まれる最新一致時刻Teは、暫定的に、コードワード生成時刻Tiと同じ時刻に設定される。また背景モデル更新部34は、注目画像ブロックの画像情報が、キャッシュモデル記憶部6内のキャッシュモデルに含まれている場合には、つまり、注目画像ブロックの画像情報と一致する背景画像情報候補がキャッシュモデルに含まれている場合には、キャッシュモデルにおける、当該背景画像情報候補を含むコードワードCW中の最新一致時刻Teを現在時刻に変更する。
このように、ステップs143では、不足している画像情報を含むコードワードCWのキャッシュモデルへの追加、あるいはキャッシュモデル中のコードワードCWの最新一致時刻Teの更新が行われる。
ステップs142あるいはステップs143が実行されると、ステップs144において、背景モデル更新部34は、撮像領域10における全ての撮像ブロックについて処理が行われた否か、つまり、全ての撮像ブロックを注目撮像ブロックに設定したか否かを判定する。ステップs144において、処理が行われていない撮像ブロックが存在すると判定された場合には、背景モデル更新部34は、未だ処理が行われていない撮像ブロックを新たな注目撮像ブロックとして、ステップs141以降を実行する。一方で、ステップs144において、撮像領域10における全ての撮像ブロックについて処理が行われたと判定されると、背景モデル更新部34はステップs145を実行する。
ステップs145では、キャッシュモデルに含まれる、最新一致時刻Teが所定期間更新されていないコードワードCWが削除される。つまり、キャッシュモデル中のコードワードCWに含まれる画像情報が、ある程度の期間、入力画像200から取得された画像情報と一致しない場合には、当該コードワードCWが削除される。コードワードCWに含まれる画像情報が、背景の画像情報である場合には、つまり入力画像200に含まれる、背景を示す画像から取得された画像情報である場合には、当該コードワードCW中の最新一致時刻Teは頻繁に更新されることから、最新一致時刻Teが所定期間更新されていないコードワードCWに含まれる画像情報については、入力画像200に含まれる動体画像から取得された画像情報である可能性が高いと考えることができる。最新一致時刻Teが所定期間更新されていないコードワードCWがキャッシュモデルから削除されることによって、動体画像の画像情報がキャッシュモデルから削除される。以後、この所定期間を「削除判定用期間」と呼ぶことがある。削除判定用期間は、日照変化あるいは照明変化などの撮像領域10での明るさの変化、及びポスターの設置あるいは机の配置変更などの環境の変化等による画像情報の変化と、検出対象とする人等の動体が動くときに生じる画像情報の変化とを区別するために予め設定される期間である。例えば、入力画像200を撮像する撮像部の撮像フレームレートが30fpsであり、撮像領域10が会議室100(図4参照)であるとすると、削除判定用期間は、数フレーム分から数十フレーム分の入力画像200が入力される期間に設定される。
ステップs145において、キャッシュモデルに含まれる、最新一致時刻Teが削除判定用期間更新されていないコードワードCWが削除されると、背景モデル更新部34はステップs146を実行する。ステップs146では、背景モデル更新部34は、キャッシュモデルに登録されているコードワードCWのうち、キャッシュモデルに登録されてから登録判定期間経過しているコードワードCWを、背景モデル記憶部5内の背景モデル500に登録する。背景モデル500に登録されたコードワードCWはキャッシュモデルから削除される。登録判定期間は削除判定用期間よりも大きな値に設定される。登録判定期間は、削除判定用期間よりも例えば数倍程度大きな値に設定される。本実施の形態では、登録判定期間はフレーム数で表されるものとする。登録判定期間が例えば“50”であるとすると、登録判定期間は、50フレーム分の入力画像200が入力される期間となる。
ここで、背景モデル更新部34が、キャッシュモデル内のコードワードCW(背景画像情報候補)を、キャッシュモデルに登録してから登録判定期間経過するまでに削除するということは、背景モデル更新部34が、登録判定期間において入力される複数枚の入力画像200に基づいて、キャッシュメモリに登録したコードワードCW(背景画像情報候補)を背景モデル500に登録しないと判定したことを意味している。一方で、背景モデル更新部34が、キャッシュモデル内のコードワードCW(背景画像情報候補)を、キャッシュモデルに登録してから登録判定期間経過するまで削除しないということは、背景モデル更新部34が、登録判定期間において入力される複数枚の入力画像200に基づいて、キャッシュメモリに登録したコードワードCW(背景画像情報候補)を背景モデル500に登録すると判定したことを意味している。
なお、ステップs143では、コードワードCWが生成されると、当該コードワードCWはすぐにキャッシュメモリに登録されることから、コードワードCWがキャッシュモデル内に登録された時刻として、当該コードワードCWに含まれるコードワード生成時刻Tiを使用することができる。
このように、背景モデル更新部34は、登録判定期間において入力される複数枚の入力画像200に基づいて、キャッシュモデルに登録された背景画像情報候補を背景画像情報として背景モデル500に登録するか否かを判定していることから、動体検出部31において動体画像であると誤って判定された画像ブロックの画像情報を、背景画像情報として背景モデル500に登録することができる。よって、背景モデル500を適切に更新することができ、動体検出部31での動体検出の精度が向上する。
ステップs146が終了すると、ステップs147において、背景モデル更新部34は、背景モデル500に含まれるコードワードCWにおいて、入力画像200の画像情報と所定期間にわたって一致しなかった背景画像情報を含むコードワードCWを削除する。つまり、背景モデル更新部34は、背景モデル500に含まれる、最新一致時刻Teが所定期間更新されていないコードワードCWを削除する。これにより、撮像領域10において、時系列的な撮像環境の変化により既に背景ではなくなった撮像ブロックの画像から取得された画像情報を含むコードワードCWを背景モデル500から削除することができる。よって、背景モデル500の情報量を低減することができる。
このような背景モデルの更新処理を行うことによって、撮像領域10での明るさの変化等の撮像環境の変化が生じた場合であっても、撮像環境の変化に追従した背景モデル500(像環境の変化に応じた背景モデル500)を用いて動体検出を行うことができる。よって、動体検出の精度が向上する。
<明るさ変化検出処理の変化判定条件について>
上述のステップs131で使用される変化判定条件については様々な条件が考えられる。以下では3種類の変化判定条件について説明する。
<第1変化判定条件>
撮像領域10の明るさが変化すると、入力画像200全体で画像情報が変化することがあり、入力画像200での動体領域(入力画像200に含まれるすべての動体画像ブロックから成る領域)の割合が大きくなることがある。
そこで、変化検出部32は、ステップs131において、処理対象の入力画像200での動体領域の割合Rdがしきい値th1よりも大きいか否かを判定する。つまり、変化検出部32は、以下の式(4)で示される第1変化判定条件を満たすか否かを判定する。そして、変化検出部32は、第1変化判定条件を満たす場合には(式(4)を満たす場合には)、撮像領域10の明るさが変化したと判定する。
ここで、式(4)中のPdは、処理対象の入力画像200での動体領域の画素数を示しており、Paは、当該入力画像200の全画素数を示している。入力画像200中の動体領域の画素数Pdは、当該入力画像200に含まれる動体画像ブロックの数に、1つの画像ブロックに含まれる画素数を乗じることによって得ることができる。変化検出部32は、ステップs12での動体検出処理の結果に基づいて、処理対象の入力画像200での動体領域の割合Rdを求める。
<第2変化判定条件>
入力画像200を撮像する撮像部の撮像環境(撮像部が設置される環境)等によっては、撮像領域の明るさが変化した場合、入力画像200において画像情報が変化した領域全体での面積はそれほど大きくはないものの、入力画像200全体に渡って、画像情報が変化した領域が繋がって広がることがある。
そこで、変化検出部32は、処理対象の入力画像200に含まれる動体領域に対して、4連結あるいは8連結等を用いたラベリング処理を行う。これにより、隣接する複数の動体画像ブロックが連結して一つのラベリング領域となる。動体領域は少なくとも一つのラベリング領域で構成される。動体領域に含まれるラベリング領域は、動体領域に含まれる独立領域(島領域)であるとも言える。そして、変化検出部32は、ラベリング処理によって得られたラベリング領域の外接矩形を求める。変化検出部32は、求めたラベリング領域において、その外接矩形の面積がしきい値よりも大きいラベリング領域が存在する場合には、撮像領域10の明るさが変化したと判断する。つまり、変化検出部32は、求めたラベリング領域において、その外接矩形の面積がしきい値よりも大きいラベリング領域が存在するか否かを第2変化判定条件として、当該第2変化判定条件が満たされる場合には、撮像領域10の明るさが変化したと判定する。
なお、変化検出部32は、求めたラベリング領域において、その外接矩形の幅及び高さの少なくとも一方がしきい値よりも大きいラベリング領域が存在する場合には、撮像領域10の明るさが変化したと判断しても良い。つまり、変化検出部32は、求めたラベリング領域において、その外接矩形の幅及び高さの少なくとも一方がしきい値よりも大きいラベリング領域が存在するか否かを第2変化判定条件としても良い。
<第3変化判定条件>
上記の第1及び第2変化判定条件では、撮像領域10において明るさが急激に変化したことは検出できるものの、撮像領域10において明るさが徐々に変化する場合には、撮像領域10での明るさの変化を検出することが難しい。また、第1及び第2変化判定条件では、撮像領域10において明るさが大きくなったり小さくなったりするような変化、つまり撮像領域10での明るさの変動を検出することは難しい。撮像領域10において明るさが徐々に変化する場合や、撮像領域10において明るさが変動する場合には、複数枚の入力画像200の間での画面全体の平均輝度値は不安定となる。
そこで、変化検出部32は、以下の式(5)を用いて、処理対象の入力画像200と、それよりも前の入力画像200とで構成された(N+1)枚の入力画像200の間での画像全体の平均輝度値についての不安定度Vを求める(N≧1)。ここで、Nは、例えば登録判定期間を表すフレーム数よりも大きい値に設定される。
そして、変化検出部32は、求めた不安定度Vがしきい値th2よりも大きい場合には、撮像領域10の明るさが変化したと判定する。つまり、変化検出部32は、以下の式(6)で示される第3変化判定条件を満たすか否かを判定し、第3判定条件を満たす場合には(式(6)を満たす場合には)、撮像領域10の明るさが変化したと判定する。
式(5)中のviは、(N+1)枚の入力画像200に対して古いものから順に0番からN番までの番号をそれぞれ付与した場合のi番目(0≦i≦N)の入力画像200全体での平均輝度値を示している。また式(5)中のMは、(N+1)枚の入力画像200についての平均輝度値の平均値を示しており、以下の式(7)で表される。
変化検出部32は、式(6)で示される第3判定条件の代わりに、以下の式(8)で示される第3判定条件を用いても良い。式(8)中のth20はしきい値を示している。
なお、変化検出部32は、上記の第1乃至第3変化判定条件のうちの複数の変化判定条件を使用し、当該複数の変化判定条件の少なくとも一つの変化判定条件を満たす場合には、撮像領域10の明るさが変化したと判定しても良い。例えば、変化検出部32は、第1及び第2変化判定条件のうちの少なくとも一つの変化判定条件を満たす場合には、撮像領域10の明るさが変化したと判定する。あるいは、変化検出部32は、第1及び第3変化判定条件のうちの少なくとも一つの変化判定条件を満たす場合には、撮像領域10の明るさが変化したと判定する。あるいは、変化検出部32は、第1乃至第3変化判定条件のうちの少なくとも一つの判定条件を満たす場合には、撮像領域10の明るさが変化したと判定する。
以上のように、本実施の形態では、撮像領域10の明るさの変化が検出されたとき、変更後の明るさに応じた入力画像200に関する画像情報が背景画像情報として明るさ変化用記憶部7に登録され、検出対象物の検出には明るさ変化用記憶部7内の背景画像情報も使用される。したがって、撮像領域10の明るさが変化したときに、背景モデル500が変化後の明るさに対応していなかったとしても、検出対象物を適切に検出することができる。よって、検出対象物の検出精度が向上する。
上述のように、背景モデル500は、動体検出部31での動体検出の結果に基づいて更新されることから、背景モデル500には、撮像領域10の現在の明るさに応じた背景画像情報は登録されているものの、撮像領域10の以前の明るさに応じた背景画像情報は登録されていない可能性が高い。具体的には、上述のステップs147において、入力画像200の画像情報と所定期間にわたって一致しなかった背景画像情報を含むコードワードCWが背景モデル500から削除されることから、撮像領域10の以前の明るさに応じた背景画像情報が背景モデル500内に存在しない可能性が高い。したがって、撮像領域10の明るさが変化したときには、変化後の明るさに応じた背景画像情報は背景モデル500に登録されていない可能性が高い。例えば、会議室100の照明が暗くなって撮像領域10が暗くなると、暗くなる前の撮像領域10の明るさに応じた背景画像情報は背景モデル500に登録されているものの、暗くなった後の撮像領域10の明るさに応じた背景画像情報は背景モデル500に登録されていない可能性が高い。よって、本実施の形態とは異なり、入力画像200と背景モデル500だけを使用して動体検出を行うと、撮像領域10の明るさが変化したときに、誤検出が頻繁に発生する可能性がある。一方で、撮像領域10の明るさが変化した後、背景モデル500は動体検出結果に基づいて随時更新されることから、撮像領域10の明るさが変化した後、しばらく経過すると、変化後の明るさに応じた背景画像情報は背景モデル500に登録されるようになり、その結果、変化後の明るさに応じた背景モデル500が生成されるようになる。したがって、入力画像200と背景モデル500だけを使用して動体検出を行うと、撮像領域10の明るさが変化したときに、変化後の明るさに応じた背景モデル500が生成されるまで、誤検出が頻繁に発生する可能性がある。
本実施の形態では、撮像領域10の明るさの変化が検出されたとき、変更後の明るさに応じた入力画像200に関する画像情報が背景画像情報として明るさ変化用記憶部7に登録されることから、明るさ変化用記憶部7には、撮像領域10の現在の明るさに応じた背景画像情報だけではなく、撮像領域10の以前の明るさに応じた背景画像情報が記憶されるようになる。つまり、撮像領域10の明るさが変化したときには、その変化後の明るさに応じた背景画像情報が明るさ変化用記憶部7内に存在し、その背景画像情報を動体検出にすぐに使用することが可能となる。したがって、検出対象物の検出に、背景モデル500だけではなく、明るさ変化用記憶部7内の背景画像情報も使用することによって、撮像領域10の明るさが変化したときに誤検出が発生することを抑制することができる。よって、検出対象物の検出精度が向上する。
また本実施の形態では、登録部33は、明るさ変化用記憶部7内の各背景画像情報に対応付けられている輝度ヒストグラムの中に、変化後の明るさに応じた入力画像200の輝度ヒストグラムと類似する輝度ヒストグラムが存在しない場合には、変化後の明るさに応じた背景画像情報が明るさ変化用記憶部7に登録されていないと判定して、変化後の明るさに応じた入力画像200の画像情報を背景画像情報として明るさ変化用記憶部7に登録している。そして、登録部33は、明るさ変化用記憶部7内の背景画像情報に対応付けられている輝度ヒストグラムと、変化後の明るさに応じた入力画像200の輝度ヒストグラムとが類似するか否かについては、当該2つの輝度ヒストグラムの類似度を求めて、当該類似度がしきい値以下であれば、当該2つの輝度ヒストグラムは類似していると判定している。このしきい値を大きくすれば、明るさ変化用記憶部7内の各背景画像情報に対応付けられている輝度ヒストグラムの中に、変化後の明るさに応じた入力画像200の輝度ヒストグラムと類似する輝度ヒストグラムが存在していると判定され易くなることから、明るさ変化用記憶部7内に登録される背景画像情報の数が少なくなる。よって、当該しきい値を大きくすれば、明るさ変化用記憶部7内の情報量が低減される。
一方で、当該しきい値を小さくすれば、明るさ変化用記憶部7内の各背景画像情報に対応付けられている輝度ヒストグラムの中に、変化後の明るさに応じた入力画像200の輝度ヒストグラムと類似する輝度ヒストグラムが存在していないと判定され易くなる。つまり、撮像領域10の明るさが少し変化した場合であっても、変化後の明るさに応じた入力画像200の画像情報が背景画像情報として明るさ変化用記憶部7に登録されるようになる。したがって、明るさ変化用記憶部7には、撮像領域10の様々な明るさに応じた背景画像情報が登録されるようになる。よって、当該しきい値を小さくすれば、明るさ変化用記憶部7内の情報量は増加するものの、撮像領域10の明るさの小さな変化に対応できるようになり、動体検出の精度が向上する。
このように、明るさ変化用記憶部7内の背景画像情報に対応付けられている輝度ヒストグラムと、変化後の明るさに応じた入力画像200の輝度ヒストグラムとの類似度と比較されるしきい値を調整することによって、明るさ変化用記憶部7内の情報量を低減したり、動体検出の精度を向上したりすることが可能となる。
<各種変形例>
<第1変形例>
上記の例において、撮像領域10の明るさの変化が検出されたときに明るさ変化用記憶部7に登録される画像情報が得られた入力画像200に動体画像が含まれる場合には、当該動体画像の画像情報も明るさ変化用記憶部7に登録される。このような場合に、明るさ変化用記憶部7内の背景画像情報を使用して動体検出を行うと誤検出が生じることがある。
一方で、上述のように、撮像領域10の明るさが変化した後、背景モデル500は動体検出結果に基づいて随時更新されることから、撮像領域10の明るさが変化した後しばらく経過すると、変化後の明るさに応じた背景画像情報が背景モデル500に登録されるようになり、変化後の明るさに応じた背景モデル500が生成されるようになる。変化後の明るさに応じた背景モデル500が生成された後においては、動体検出部31での誤検出は低減する。
そこで、本変形例では、登録部33は、撮像領域10の明るさの変化が検出された後に背景モデル500が更新されることによって変化後の明るさに応じた背景モデル500が生成された否かを判定する。そして、登録部33は、変化後の明るさに応じた入力画像200のうち、変化後の明るさに応じた背景モデル500が生成された後に動体検出部31が検出した動体画像を除く部分に関する画像情報を、背景画像情報として明るさ変化用記憶部7に登録する。これにより、動体画像の画像情報が明るさ変化用記憶部7に登録されることを抑制でき、誤検出が抑制される。
図15は本変形例に係る明るさ変化検出処理を示すフローチャートである。図15に示されるように、ステップs231において、変化検出部32は、撮像領域10の明るさが変化したか否かを判定する。上記の例では、変化判定条件が満たされる場合には、撮像領域10の明るさが変化したと判定しているが、本変形例では、変化判定条件を満たさない状態から満たす状態に変化したときにだけ撮像領域10の明るさが変化したと判定する。なお、上記の第1乃至第3変化判定条件のうちの複数の変化判定条件を使用し、当該複数の変化判定条件の少なくとも一つの変化判定条件を満たす状態から満たさない状態に変化したときに、撮像領域10の明るさが変化したと判定しても良い。
ステップs231において、撮像領域10の明るさの変化が検出されると、ステップs232において、登録部33は、初期登録未完了フラグと全ブロック登録未完了フラグを“1”に設定する。その後、明るさ変化検出処理が終了する。このように、本変形例では、撮像領域10の明るさの変化が検出された場合、そのときの処理対象の入力画像200の画像情報は明るさ変化用記憶部7に登録されない。
一方で、ステップs231において、撮像領域10の明るさの変化が検出されないときには、ステップs233において、登録部33は、初期登録未完了フラグが“1”であるかどうかを判定する。初期登録未完了フラグが“1”の場合には、ステップs234において、登録部33は、変化後の明るさに応じた背景モデル500は生成された否かを判定する。変化後の明るさに応じた背景モデル500が生成されていないと登録部33が判定すると、明るさ変化検出処理が終了する。一方で、登録部33は、変化後の明るさに応じた背景モデル500が生成されたと判定すると、ステップs235において、登録部33は、変化後の明るさに応じた背景画像情報が明るさ変化用記憶部7に既に登録されているか否かを判定する。
ステップs235において、変化後の明るさに応じた背景画像情報が既に登録されていると判定されると、ステップs236において、登録部33は初期登録未完了フラグと全ブロック登録未完了フラグを“0”に設定し、その後、明るさ変化検出処理は終了する。一方でステップs235において、変化後の明るさに応じた背景画像情報が登録されていないと判定されると、ステップs237において、登録部33は、現在の処理対象の入力画像200のうち、動体検出部31で検出された動体領域を除く部分に関する画像情報を背景画像情報として明るさ変化用記憶部7に登録する。この背景画像情報は、後述するように更新されることから「更新対象背景画像情報」と呼ぶ。ステップs237では、処理対象の入力画像200のうち、動体検出部31で動体画像であると判定された各画像ブロックの画像情報が明るさ変化用記憶部7に登録されない。ステップs237が実行されると、ステップs238において、登録部33は初期登録未完了フラグを“0”に設定する。
なお上記と同様に、登録部33は変化後の明るさに応じた入力画像200の画像情報を背景画像情報として明るさ変化用記憶部7に登録する場合には、当該入力画像200の輝度ヒストグラムを当該背景画像情報に対応付けて明るさ変化用記憶部7に登録する。本変形例では、登録部33は、入力画像200のうち、動体検出部31で検出された動体領域を除く部分の輝度ヒストグラムを、当該部分の画像情報(背景画像情報)に対応付けて明るさ変化用記憶部7に登録する。
ステップs237では、処理対象の入力画像200のうち、動体検出部31が検出した動体領域を除く部分に関する画像情報が背景画像情報として明るさ変化用記憶部7されることから、更新対象背景画像情報には、明るさが変化した撮像領域10を構成する複数の撮像ブロックのすべての画像の画像情報は含まれていない。つまり、撮像領域10を構成する複数の撮像ブロックにおいては、その画像の画像情報が更新対象背景画像情報に含まれていない撮像ブロックが存在する。以後、この撮像ブロックに「未登録撮像ブロック」と呼ぶ。
ステップs233において、初期登録未完了フラグが“0”であると判定されると、ステップs239において、登録部33は全ブロック登録未完了フラグが“1”であるか否かを判定する。ステップs239において全ブロック登録未完了フラグが“1”であると判定されると、ステップs240において、登録部33は、未登録撮像ブロックの画像の画像情報を更新対象背景画像情報に追加する。具体的には、登録部33は、現在の処理対象の入力画像200における、動体検出部31で動体画像ではないと判定された画像ブロックにおいて、未登録撮像ブロックに対応する画像ブロックが存在する場合には、その画像ブロックの画像情報(背景の画像であると判定された画像ブロックの画像情報)を明るさ変化用記憶部7内の更新対象背景画像情報に追加する。
次にステップs241において、登録部33は、明るさ変化用記憶部7内の更新対象背景画像情報についての未登録撮像ブロックがいまだ存在するか否かを確認する。登録部33は、明るさ変化用記憶部7内の更新対象背景画像情報についての未登録撮像ブロックが存在しないときには、つまり、明るさ変化用記憶部7内の更新対象背景画像情報に、明るさが変化した撮像領域10を構成する複数の撮像ブロックのすべての画像の画像情報が含まれるようになった場合には、ステップs242において全ブロック登録未完了を“0”に設定し、その後、明るさ変化検出処理が終了する。これにより、更新対象背景画像情報の更新が終了する。一方で、明るさ変化用記憶部7内の更新対象背景画像情報についての未登録撮像ブロックがいまだ存在する場合には、明るさ変化検出処理が終了する。
このように、初期登録未完了フラグは、撮像領域10の明るさの変化が検出されたときに“1”となり、その後、変化後の明るさに応じた背景画像情報が明るさ変化用記憶部7に登録されると“0”に変化する。一方で、全ブロック登録未完了フラグは、撮像領域10の明るさの変化が検出されたときに“1”となり、その後、明るさ変化用記憶部7に登録された、変化後の明るさに応じた背景画像情報において、明るさが変化した撮像領域10を構成する複数の撮像ブロックのすべての画像の画像情報が含まれるようになった場合には“0”に変化する。
本変形例では、ステップs234において、登録部33は変化判定条件を用いて、変更後の明るさに応じた背景モデル500が生成されたか否かを判定する。具体的には、登録部33は、変化判定条件が満たされている状態から満たされない状態に変化したときに、変更後の明るさに応じた背景モデル500が生成されたと判定する。
上述のように、撮像領域10の明るさが変化した後、背景モデル500は動体検出結果に基づいて随時更新されることから、変化後の明るさに応じた背景画像情報が適宜背景モデル500に登録されるようになる。そうすると、撮像領域10の明るさが変化したために大きくなった、入力画像200での動体領域の割合Rdは小さくなる。そして、背景モデル500が適切に更新されると、つまり、変化後の明るさに応じた背景モデル500が生成されると、上述の式(4)が満たされなくなる。
そこで、ステップs234において第1変化判定条件が使用される場合には、登録部33は、第1変化判定条件が満たされている状態から満たされない状態に変化したとき、つまり、入力画像200での動体領域の割合Rdが大きい状態から、入力画像200での動体領域の割合Rdが小さい状態に変化したときに、変化後の明るさに応じた背景モデル500が生成されたと判定する。
また、第2変化判定条件に関して、撮像領域10の明るさが変化したために、入力画像200の動体領域に含まれる独立領域(島領域)が大きくなった場合には、撮像領域10の明るさが変化した後に背景モデル500が適切に更新されると、つまり、変化後の明るさに応じた背景モデル500が生成されると、動体領域に含まれる独立領域は小さくなる。よって、ステップs234において第2変化判定条件が使用される場合には、登録部33は、第2変化判定条件が満たされている状態から満たされない状態に変化したとき、変化後の明るさに応じた背景モデル500が生成されたと判定する。
また、第3変化判定条件に関して、撮像領域10の明るさが変化した後、しばらく経過すると、上記の不安定度Vは小さくなる。上記の例では、不安定度Vを求める際に使用する入力画像200の枚数Nは、背景モデル500の更新の際に使用される登録判定期間を表すフレーム数よりも大きく設定されていることから、不安定度Vが小さくなり第3変化判定条件が満たされなくなったときには、変化後の明るさに応じた背景モデル500が生成されていると考えることができる。よって、ステップs234において第3変化判定条件が使用される場合には、登録部33は、第3変化判定条件が満たされている状態から満たされない状態に変化したとき、変化後の明るさに応じた背景モデル500が生成されたと判定する。
なお、第1乃至第3変化判定条件のうちの複数の変化判定条件を使用して撮像領域10の明るさの変化を検出するときには、当該複数の変化判定条件のうちの少なくとも一つの変化判定条件が満たされた状態から満たされなくなった状態に変化したときに、変化後の明るさに応じた背景モデル500が生成されたと判定して良い。
以上のように、本変形例では、登録部33は、変化後の明るさに応じた入力画像200のうち、変化後の明るさに応じた背景モデル500が生成された後に動体検出部31が検出した動体画像を除く部分に関する画像情報を背景画像情報として明るさ変化用記憶部7に登録することから、検出対象物の画像の画像情報が明るさ変化用記憶部7に背景画像情報として登録されることを抑制することができる。よって、検出対象物の検出精度が向上する。
<第2変形例>
上記の例では、明るさ変化用記憶部7内の背景画像情報は画素値で構成されていたが、明るさ変化用記憶部7内の背景画像情報は画素値以外で構成されても良い。図16は、本変形例に係る明るさ変化用記憶部7内の背景画像情報の一例を示す図である。
図16の例では、明るさ変化用記憶部7には、撮像領域10についての互いに異なる明るさに応じた4つの背景画像情報として、基準背景画像情報及び第1乃至第3背景画像情報が記憶されている。
基準背景画像情報は、ある明るさの撮像領域10を構成する複数の撮像ブロックにそれぞれ対応する複数の画像ブロックのそれぞれについての各画素の画素値で構成されている。一方で、第1〜第3背景画像情報のそれぞれは、基準背景画像情報に対する補正係数で構成されている。具体的には、第1背景画像情報は、基準背景画像情報の画素値に対する補正係数α1で構成され、第2背景画像情報は、基準背景画像情報の画素値に対する補正係数α2で構成され、第3背景画像情報は、基準背景画像情報の画素値に対する補正係数α3で構成されている。
基準背景画像情報は、本実施の形態に係る検出装置1が起動した後、最初に撮像領域10の明るさの変化が検出されたときの、変化後の明るさに応じた入力画像200の各画素の画素値であっても良いし、明るさ変化用記憶部7に予め登録された、撮像領域10のある明るさに応じた入力画像200の各画素の画素値であっても良い。
登録部33は、撮像領域10の明るさが変化したときに、変化後の明るさに応じた入力画像200の画像情報を背景画像情報として登録する際には、例えば、当該入力画像200についての平均輝度値と、明るさ変化用記憶部7内の基準背景画像情報を構成する複数の画素値から求まる、当該複数の画素値がそれぞれ対応する複数の画素についての平均輝度値とを比較する。そして、登録部33は、その比較結果に基づいて、変化後の明るさに応じた入力画像200の画素値を求めるための、基準背景画像情報の画素値に対する補正係数を算出し、当該補正係数を背景画像情報として明るさ変化用記憶部7に登録する。
動体検出部31は、明るさ変化用記憶部7内の基準背景画像情報以外の背景画像情報を使用して動体検出を行う際には、当該背景画像情報を構成する補正係数を用いて、基準背景画像情報に含まれる各画素値を補正し、補正後の画素値を使用して上記の背景ベクトルxbを生成する。
補正係数は、乗算係数であっても良いし、ガンマ係数(ガンマ値)であっても良い。補正係数が乗算係数の場合には、基準背景画像情報に含まれる画素値に乗算係数を乗算することによって補正後の画素値が得られる。補正係数がガンマ係数である場合には、補正係数をγとし、基準背景画像情報に含まれる画素値をAとすると、A(1/γ)によって補正後の画素値が求められる。
このように、本変形例では、明るさ変化用記憶部7に登録される、撮像領域10のある明るさに応じた背景画像情報として、基準背景画像情報の画素値に対する補正係数が採用されているため、明るさ変化用記憶部7内の情報量を低減することができる。
<第3変形例>
上述のように、日照変化あるいは照明変化などによって、撮像領域10での明るさが急に変化すると、入力画像200の画像情報が急に変化する。したがって、入力画像200に含まれる、背景を示す画像が動体画像であると誤って判定されて、当該背景を示す画像の画像情報がキャッシュモデルに登録されることがある。このような場合、背景モデル更新処理で使用される登録判定期間が長いと、キャッシュモデル内の背景の画像情報が長時間背景モデル500に反映されなくなる。その結果、動体検出の精度が劣化する可能性がある。
そこで、本変形例では、ステップs13の明るさ変化検出処理での例えば最後に、背景モデル更新部34が登録判定期間の調整を行う。具体的には、背景モデル更新部34は、登録判定期間を、ステップs11で入力された処理対象の入力画像200中の動体領域の割合Rdが大きいほど小さくする。これにより、入力画像200中の動体領域の割合Rdが大きい場合には、ステップs14での背景モデル更新処理で使用される登録判定期間が短くなる。撮像領域10での明るさが急に変化すると、入力画像200全体で画像情報が急に変化することから、入力画像200での動体領域の割合Rdが大きくなる。よって、撮像領域10での明るさが急に変化すると、背景モデル更新処理で使用される登録判定期間が短くなる。その結果、キャッシュモデル内の背景の画像情報をすぐに背景モデルに反映することが可能となり、動体検出の精度が向上する。割合Rdについては、登録部33が明るさ変化検出処理において求めているのであればそれを使用すれば良いし、求めていないのであれば背景モデル更新部34が求める。
本変形例では、登録判定期間Dtは、入力画像200中の動体領域の割合Rdを用いて、以下の式(9)で表される。
ここで式(9)中のaはしきい値であって、Dmin及びDmaxは定数である。Dmax>Dminとなっている。しきい値aは、上記のしきい値th1と同じであっても良いし、異なっていても良い。
式(9)で表される、登録判定期間Dtと入力画像200中の動体領域の割合Rdとの関係を図示すると図17のようになる。図17にも示されるように、式(9)によれば、入力画像200中の動体領域の割合Rdが大きくなるほど、登録判定期間Dtが小さくなる。特に、入力画像200中の動体領域の割合Rdが固定のしきい値aを超えた場合、登録判定期間Dtが最小値(Dmin)となる。
なお、しきい値aは、入力画像200の何パーセント以上の領域が動体画像であると判定されると異常と考えられるか(撮像領域10での明るさが急に変化した状態と考えられるか)という基準に基づいて予め設定される値であり、撮像領域10での被写体に応じて設定されることになる。
<第4変形例>
上記の例では、登録部33は、変化後の明るさに応じた入力画像200の画像情報をそのまま背景画像情報として明るさ変化用記憶部7に登録していたが、当該入力画像200に対してノイズを除去するフィルタ処理を行った上で、当該入力画像200の画像情報を背景画像情報として明るさ変化用記憶部7に登録しても良い。これにより、動体検出の精度がさらに向上する。
例えば、バイリニア法を用いて入力画像200を縮小し、縮小後の入力画像200をバイリニア法を用いて拡大して元の大きさに戻すと、入力画像200の各画素の画素値は、周辺画素の画素値と平均化され、入力画像200の各画素の画素値に含まれるノイズが除去される。このようなノイズ除去処理を行った上で入力画像200の画像情報を明るさ変化用記憶部7に登録しても良い。
<その他の変形例>
上記の例では、明るさ変化用記憶部7に登録されている各背景画像情報は削除されないが、明るさ変化用記憶部7に登録されている複数の背景画像情報の少なくとも一部が削除されても良い。例えば、撮像領域10での机等のレイアウトが大きく変化したりすることによって、撮像領域10の環境が大きく変化した場合には、明るさ変化用記憶部7に登録されているすべての背景画像情報を削除しても良い。また、明るさ変化用記憶部7に登録されている複数の背景画像情報のうち、明るさ変化用記憶部7に登録されてから長時間(例えば1年)経過した背景画像情報については削除しても良い。
また、上記の例では、画像ブロックの大きさを、3画素×3画素としていたが、これに限定されず、画像ブロックの大きさは、4画素×4画素、または5画素×5画素としてもよい。
また、上記の例では、ある画像ブロックについてのコードワードCWには、当該ある画像ブロック内の全ての画素の画素値が画像情報として含まれている場合を例示したが、これに限定されず、コードワードCWには、画像情報として画像ブロック内の全ての画素の画素値が含まれていなくてもよい。具体的には、画像ブロックの大きさが、3画素×3画素であった場合、コードワードCWには、5画素分の画素値が画像情報として含まれていてもよい。このように、コードワードCW内の情報量を減らすことによって、処理量を低減することができるので、動体検出処理を高速化することができる。
また、上記の例では、入力画像200中の各画素が、R(赤)、G(緑)及びB(青)のそれぞれの画素値を有している場合を想定していたが、これに限定されない。具体的には、入力画像200中の各画素の画素値は、RGB以外の他の色空間を用いて表されていてもよい。例えば、入力画像200がYUV形式の画像データである場合、輝度信号Y並びに2つの色差信号U,Vが、各画素の画素値として用いられることになる。
以上のように、検出装置1は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。