JP2011070572A - 画像処理装置及び画像処理装置用プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 照度変化に対応して背景画像を作成し直す際に、移動体により遮られたために背景が作成できない領域の画像(図1(C)のP2)の輝度値を、照度変化前の背景画像(図1(A))、変化後の照度における撮影画像(図1(B))双方における同一画素位置の輝度値の関係から近似式として求めた変換式(照度変化前の輝度値を変化後の値に変換)によって照度変化後に使用する背景画像の尤もらしい値として推測し、得られた推測値で補完する。
【選択図】 図1
Description
この従来技術において、カメラの撮影画像から移動体を抽出する処理には、いわゆる背景差分法、即ち、予め監視対象の移動体が存在しない状態で撮影しておいた背景画像と、その後、移動体が入った状態で撮影した画像との差分をとって、監視対象の移動体のみを抽出する方法が多く利用される。
この課題を解決し、日照(照度)変化に対し抽出精度を保つための方法として、次に示す方法が提案されている。1つは、予め日照環境の様々なシーンを撮影して、背景を作成しておき、日照変化に応じて背景を切り替える方法であるが、この方法は監視場所に適合する様々なシーンを用意する必要があり、用意のないシーンではエラーになるので利用が制限される。また、エッジ画像を背景にする方法があるが、この方法は小さな日照変化に適した方法で、大きな変化ではエッジが消失してしまい、精度がでない。
照度が変化したときにこれまでの背景と変化後の撮影画像との関係をもとに背景を生成し直す方法の1つとして下記特許文献1を例示することができる。特許文献1は、照度変化前後の撮影画像における注目画素を含む複数参照画素の輝度値の関係にもとづいて背景か物体かを全ての画素点について判別する方法であり、背景であると判別された画素位置の背景データの更新を行っている。
本発明は、いわゆる背景差分法により撮影画像から移動体を抽出する処理を行う際に、照度変化が生じても移動体の抽出精度を保つことができる背景画像を小さい処理負担で作成できるようにすることにある。
本発明は、動画を撮るカメラの撮影画像をもとに背景画像を作成し、作成した背景画像と前記カメラの現撮影画像との差分を得ることにより移動物を抽出する処理を行う画像処理装置であって、撮影対象の照度を検出する照度検出手段と、前記照度検出手段によって所定の照度変化が検出されたときに、照度変化前に使用していた背景画像を保存する手段、照度変化後の撮影画像をもとに移動体の画像領域を得る手段、保存された照度変化前の背景画像において同一輝度を有する画素を特定し、特定した画素同士の距離を求める手段、照度変化後の撮影画像から得た移動体の画像領域以外の画素位置の照度変化後に使用する背景画像を照度変化後の撮影画像とする手段、照度変化後の撮影画像から得た移動体の画像領域の画素位置の照度変化後に使用する背景画像を、前記同一輝度を有する画素のうち照度変化後の撮影画像から得た移動体の画像領域以外で最も距離が近い画素の輝度値とする手段の各手段を備えた背景画像作成手段を有したことを特徴とする。
背景差分法の背景画像として使用していた画像が適用できないような日照変化等の急激な照度変化が起きたときに、変化後に撮影した画像によって背景画像を変え、照度変化に対処することは、基本的な方法として、本発明においてもこの方法を用いることが前提である。
本発明では、上記の方法を採用し、照度変化に対応して背景画像を作成し直す際に、移動体により遮られたために背景が作成できない領域の画像を、変化前に用いていた背景画像及び変化後の撮影画像から尤もらしい輝度値を推測し、得られた推測値で補うようにする。
手法1: 照度変化前の背景画像、変化後の照度における撮影画像双方における同一画素位置の輝度値の関係から照度変化前後の輝度値の分布を求め、この輝度値分布をもとに照度変化前後の間で輝度値を変換する変換式を近似式として得、この変換式によって照度変化前に使用していた背景画像から変換する輝度値を照度変化後に使用する背景画像の尤もらしい輝度値として推測する。
手法2: 照度変化前の背景画像において同一輝度を有する画素を特定し、特定した画素同士の距離を求め、移動体の画像領域の画素位置の照度変化後に使用する背景画像を、前記同一輝度を有する画素のうち照度変化後の撮影画像から得た移動体の画像領域以外で最も距離が近い画素の輝度値を得、得た輝度値を照度変化後に使用する背景画像の尤もらしい輝度値として推測する。
「実施形態1」
“背景画像の作成原理(手法1)”
先ず、手法1による背景画像の作成原理について説明する。
本発明では、背景画像を変化後の照度に応じた画像に作成し直すときに、背景を遮る移動体がある場合、変更する背景画像における移動体により遮られた領域の背景画像に推測値を用いて背景画像を補完する。
手法1は、上記で説明したように、照度変化前後の間で輝度値を変換する変換式を求め、照度変化前に使用していた背景画像の輝度値からこの変換式に従って得られる輝度値によって移動体領域の背景画像を推測し、補完する。
図1(A)は、日照変化が生じる前に撮影された背景画像である。同図中のP1,P2,P3として示す位置は、同一の輝度値(ここでは、輝度値:100)を持つ画素が存在する位置の1例を示している。
図1(A)の背景画像を撮影したと同じ画角で日照変化が生じた後に撮影する画像は、図1(B)に示すように、全体的に輝度が低下する。このとき、図1(A)において同一の輝度値を持つ画素位置P1,P2,P3には、同じ輝度低下が生じ、日照変化後における図1(B)の画素位置P1,P2,P3は、それぞれ同一の輝度値(ここでは、輝度値:50)を持つという推測を前提に置く。
そこで、実際に日照変化後の撮影画像の輝度値に生じるばらつきの中心値を尤もらしい輝度推測値として求め、この値を適用することで安定化を図る。このための手法として、照度変化前の背景画像、変化後の照度における撮影画像双方における同一画素位置の輝度値の分布をとり、輝度値の分布をもとに照度変化前後の輝度値の関係を表す近似式を求める。この近似式は、所定の照度変化が生じたときに、照度変化前に使用していた背景画像の輝度値を照度変化後の背景画像の輝度値に変換する変換式である。この変換式に従い変換された輝度値は、ばらつきの影響を受けることがなく、安定した移動体抽出を可能とする背景画像を作成できる。
図2のグラフ中に示す点は、同一画素位置の照度変化前の輝度値に対する照度変化後の輝度値をプロットしたものである。上記の関係は、背景画像の全画素について求める。
結果として、照度変化前の背景画像の同一輝度値に対する照度変化後の撮影画像の輝度値はばらつくが、多くのサンプル画素が分布する中心値が存在し、この中心値を結ぶ曲線を推定することにより図2中に近似曲線として示す変換式を求めることができる。
ただ、移動体が画像全体に比べ大きな割合を占めるようになると、背景画像における上記関係性(照度変化前の輝度値に対する照度変化後の輝度値における一定の関係)を失い、精度が低下する。
従って、より精度を高めるためには、照度変化前の輝度値に対する照度変化後の輝度値の分布を得るときに、照度変化後の撮影画像に含まれる移動体領域の画像を除外する、即ち、移動体領域の画素は輝度値分布をとるときのサンプル画素としないようにすることによって、精度を保つことができる。
照度変化後の撮影画像に含まれる移動体領域を抽出する手法として、本実施形態では、フレーム間差分法を用いる。フレーム間差分法は、現撮影画像におけるフレーム同士の差分を検出することによって、移動体を抽出する方法である。ここでは、照度変化後の撮影画像に適用することで、撮影画像に含まれる移動体画像を抽出し、移動体画像の占める領域を特定する。
図3は、本実施形態に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、画像処理装置10は、制御部11と、制御部11の制御下で動作する画像入力部17、画像処理部12、画像出力部15の各部と、画像処理部12が処理データを保存するメモリ14を有する。
制御部11は、画像処理装置全体を制御し、カメラ1で撮影された画像を取り込んで移動体抽出、背景画像作成等の画像を処理するためのデータ処理等を行う手段として、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、CPUの処理に必要なプログラムやデータ等を一時的に記憶しておくためのRAM(Random Access Memory)及びCPUを駆動して演算や処理等を実行させるためのプログラム等を格納したROM(Read Only Memory)等の記憶部を備えたコンピュータを備える。
画像処理部12は、撮影画像から移動体抽出、背景画像作成等の画像の処理を行う手段であり、後記で図4の処理フローを参照して詳述する背景画像作成処理を実行する手段として、移動体抽出部121、日照変化判定部123及び背景画像作成部(同一輝度点抽出部126、推測値算出部127等を内蔵)を備える(各部の機能の詳細は、後述の“背景画像作成処理(手法1)”にて説明)。
なお、画像処理部12は、背景画像作成等の処理を行う専用の画像処理回路で構成してもよい(図3はこの例を示す)が、背景画像作成処理を実行するプログラムを制御部11のコンピュータで駆動することにより当該処理の機能実現手段を構成してもよい。
画像出力部15は、画像処理部12によって処理された画像のモニタ表示等を行う表示手段である。この表示手段は、画像処理装置が移動体の監視装置を構成する場合には、移動体の抽出結果を表示し、また、ユーザーの操作入力により指示される処理条件を受け付ける操作部(図示せず)とともにユーザーインターフェースとして機能する場合には、撮影画像或いは画像処理部12によって作成された背景画像等を表示することや、操作時の設定データや検知結果等をキャラクタで表示する際に使用される。
上記した画像処理装置10が日照変化時に行う背景画像作成処理の詳細を以下に説明する。この背景画像作成処理は、カメラ1の撮影画像から上記“背景画像の作成原理(手法1)”で説明した作成原理に従って、制御部11の制御の下で画像処理部12が行う処理である。
日照変化時に行うこの背景画像作成処理は、次の(1)〜(6)に概要を示す流れに従って行う。
(1) 日照変化を検知した際に、そのとき保持していた背景画像を保存する。
(2) 日照変化後に使用する背景画像に用いるために撮影した日照変化後の画像にフレーム間差分を適用して、移動体領域とそれ以外の領域に画像の領域を分ける。
(3) 上記(2)で分けた移動体領域以外の領域部分について、日照変化後の撮影画像を使用して当該領域部分の背景画像を作成する。
(5) 上記(4)で求めた輝度値の分布をもとに照度変化前後の輝度値の関係を表す近似式(変換式)を求める。
(6) 上記(2)で分けた移動体領域について、上記(5)で求めた変換式に従って、照度変化前に使用していた背景画像の輝度値を照度変化後の背景画像の輝度値に変換し、得られる輝度値(推測値)を使用して当該領域部分の背景画像を作成する。
なお、上記(1)〜(6)の処理では、(3)で日照変化後の撮影画像を使用して当該領域部分の背景画像を作成しているが、全部の領域を(6)の変換式による処理により行うことができる。
上記(1)〜(6)の流れで概要を示した背景画像作成処理の1実施例を図4に示す処理フローにもとづいて説明する。なお、図4の処理フローは、背景差分法による移動体の抽出処理の一環として、背景画像を作成し直すことが必要になる照度変化の発生時に行う処理例を示すものである。
画像処理部12は、制御部11から移動体の抽出処理の指示とともにカメラ1の撮影画像を処理対象画像として受け取り、移動体の抽出処理フローを起動する。
処理を開始すると、先ず、カメラ1から画像入力部17を介して取り込んだ撮影画像を取得し(ステップS101)、移動体が存在しない状態(例えば、移動体抽出部121でフレーム間差分をとることにより移動体がない状態を確認する)の画像を求め、求めた撮影画像をもとに背景画像を作成し(ステップS102)、作成した背景画像を移動体抽出部121の処理に用いることができるように画像処理部12内の記憶部もしくはメモリ14に保持する。また、この背景画像の作成時に、例えば、撮影画像全体から求めた平均輝度レベルによって日照条件を把握し、作成した背景画像に関連付けて記憶しておく。
この移動体抽出処理では、日照に変化がない間、ステップS102で作成した背景画像を使い続ける。このため、移動体を抽出する処理の後、日照変化判定部123で予め定めた許容範囲を超える日照変化が生じたか否かを判定し、判定結果に従い処理を分岐する(ステップS105)。日照変化の許容範囲は、使用中の背景画像と現撮影画像の背景とにずれが生じ、低下する抽出精度が許容限界になる変化量によって定める。ここでは、ステップS102で背景画像を作成したときの同じ方法(例えば、撮影画像全体から求めた平均輝度レベル)で日照条件を把握し、作成時からの変化量(例えば、平均輝度レベルの変化量)を求め、この変化量が許容範囲を超えるか否かを判断することで、この日照変化の有無を確認する。
予め定めた許容範囲を超える日照変化が生じない場合(ステップS105-NO)、ステップS102で作成した背景画像を使い、現撮影画像を処理対象の画像として移動体の抽出を続ける(ステップS103,S104)。
次いで、背景画像作成部125は、日照変化後に用いる背景画像の作成手順の始めに、日照変化後に取得した撮影画像にフレーム間差分を適用して、移動体領域とそれ以外の領域に画像の領域を分ける(ステップS107)。
次に、ステップS107で分けた領域のうち、移動体領域以外の領域部分に対し、日照変化後に取得した撮影画像を用いて、当該領域部分の背景画像を作成する(ステップS108)。つまり、移動体領域以外の領域部分の日照変化前の背景画像を日照変化後の撮影画像によって更新し、この領域の背景画像を作成し直す。
よって、上記の処理の実行条件が満たされるか否かを確認し(ステップS110)、確認できるまで移動体領域以外の領域部分に対応する日照変化後の撮影画像の取得を繰り返す(ステップS109,S110)。この日照変化後の撮影画像を取得するループを繰り返しても、閾値以上の画素数が取得できずにタイムアウトした場合には(ステップS114-YES)、この処理フローを終了する。
次に、ステップS111で求めた輝度値の分布をもとに日照変化前後の輝度値の関係を表す近似式(変換式)を求める(ステップS112)。求めた近似式(変換式)は、推測値算出部127で推測輝度値を算出するために使用する。
この後、推測値算出部127は、ステップS107で分けた領域のうち、移動体領域部分について、ステップS112で求めた変換式に従って、日照変化前に使用していた背景画像の輝度値を日照変化後の背景画像の輝度値に変換し、変換した輝度値(推測値)をメモリ14の推測値保存部143に保存する。
背景画像作成部125は、変換された輝度値(推測値)を使用して当該移動体領域部分の背景画像を作成する(ステップS113)。つまり、移動体領域部分の日照変化前の背景画像を、ステップS112で求めた変換式に従って変換された輝度値によって更新し、この領域の背景画像を作成し直す。
ステップS108及びステップS113で日照変化後の背景画像全体が作成され、この背景画像を用いて移動体抽出が継続できるので、ステップS103に戻し、抽出処理を実行する。
“背景画像の作成原理(手法2)”
先ず、手法2による背景画像の作成原理について説明する。
本発明では、背景画像を変化後の照度に応じた画像に作成し直すときに、背景を遮る移動体がある場合、変更する背景画像における移動体により遮られた領域の背景画像に推測値を用いて背景画像を補完する。
手法2は、上記で説明したように、照度変化前の背景画像において同一輝度を有する画素を特定し、特定した画素同士の距離を求め、移動体の画像領域の画素位置の照度変化後に使用する背景画像を、前記同一輝度を有する画素のうち照度変化後の撮影画像から得た移動体の画像領域以外で最も距離が近い画素の輝度値を得、得た輝度値を照度変化後に使用する背景画像の尤もらしい輝度値として推測し、補完する。
図5(A)は、日照変化が生じる前に撮影された背景画像である。同図中のP4,P5,P6として示す位置は、同一の輝度値(ここでは、輝度値:100)を持つ画素が存在する位置の1例を示している。
図5(A)の背景画像を撮影したと同じ画角で日照変化が生じた後に撮影する画像は、図5(B)に示すように、全体的に輝度が低下する。このとき、図5(A)において同一の輝度値を持つ画素位置P4,P5,P6には、輝度低下が同様に生じる(同図に示す例では、画素位置P4,P6の輝度値は、それぞれ48,53という近い値を持つ)、という推測を前提に置く。
図6は、本実施形態に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図6に示すように、画像処理装置10は、制御部11と、制御部11の制御下で動作する画像入力部17、画像処理部12、画像出力部15の各部と、画像処理部12が処理データを保存するメモリ14を有する。
制御部11は、画像処理装置全体を制御し、カメラ1で撮影された画像を取り込んで移動体抽出、背景画像作成等の画像を処理するためのデータ処理等を行う手段として、図示しないが、CPU、CPUの処理に必要なプログラムやデータ等を一時的に記憶しておくためのRAM及びCPUを駆動して演算や処理等を実行させるためのプログラム等を格納したROM等の記憶部を備えたコンピュータを備える。
画像処理部12は、撮影画像から移動体抽出、背景画像作成等の画像の処理を行う手段であり、後記で図7の処理フローを参照して詳述する背景画像作成処理を実行する手段として、移動体抽出部121、日照変化判定部123及び背景画像作成部(同一輝度点抽出部126、距離算出部128、参照点決定部129等を内蔵)を備える(各部の機能の詳細は、後述の“背景画像作成処理(手法2)”にて説明)。
なお、画像処理部12は、背景画像作成等の処理を行う専用の画像処理回路で構成してもよい(図6はこの例を示す)が、背景画像作成処理を実行するプログラムを制御部11のコンピュータで駆動することにより当該処理の機能実現手段を構成してもよい。
画像出力部15は、画像処理部12によって処理された画像のモニタ表示等を行う表示手段である。この表示手段は、画像処理装置が移動体の監視装置を構成する場合には、移動体の抽出結果を表示し、また、ユーザーの操作入力により指示される処理条件を受け付ける操作部(図示せず)とともにユーザーインターフェースとして機能する場合には、撮影画像或いは画像処理部12によって作成された背景画像等を表示することや、操作時の設定データや検知結果等をキャラクタで表示する際に使用される。
上記した画像処理装置10が日照変化時に行う背景画像作成処理の詳細を以下に説明する。この背景画像作成処理は、カメラ1の撮影画像から上記“背景画像の作成原理(手法2)”で説明した作成原理に従って、制御部11の制御の下で画像処理部12が行う処理である。
日照変化時に行うこの背景画像作成処理は、次の(1)〜(6)に概要を示す流れに従って行う。
(1) 日照変化を検知した際に、そのとき保持していた背景画像を保存する。
(2) 日照変化前に使用していた背景画像の全画素において、同一画素値を持つ画素点を参照点候補群として求め、参照点候補の画素同士の距離を算出し、参照点候補のデータを作成する。
(3) 照変化後に使用する背景画像に用いるために撮影した日照変化後の画像にフレーム間差分を適用して、移動体領域とそれ以外の領域に画像の領域を分ける。
(4) 上記(3)で分けた移動体領域以外の領域部分について、日照変化後の撮影画像を使用して当該領域部分の背景画像を作成する。
(5) 上記(3)で分けた移動体領域部分について、上記(2)で作成した参照点候補のデータをもとに、参照点候補を求め、かつ候補中の最も距離の近い参照点候補を参照点として決定する。
(6) 上記(5)で決定した参照点の画素位置に対応する照度変化後の撮影画像の輝度値を使用して当該領域部分の背景画像を作成する。
上記(1)〜(6)の流れで概要を示した背景画像作成処理の1実施例を図7に示す処理フローにもとづいて説明する。なお、図7の処理フローは、背景差分法による移動体の抽出処理の一環として、背景画像を作成し直すことが必要になる照度変化の発生時に行う処理例を示すものである。
画像処理部12は、制御部11から移動体の抽出処理の指示とともにカメラ1の撮影画像を処理対象画像として受け取り、移動体の抽出処理フローを起動する。
処理を開始すると、先ず、カメラ1から画像入力部17を介して取り込んだ撮影画像を取得し(ステップS201)、移動体が存在しない状態(例えば、移動体抽出部121でフレーム間差分をとることにより移動体がない状態を確認する)の画像を求め、求めた撮影画像をもとに背景画像を作成し(ステップS202)、作成した背景画像を移動体抽出部121の処理に用いることができるように画像処理部12内の記憶部もしくはメモリ14に保持する。また、この背景画像の作成時に、例えば、撮影画像全体から求めた平均輝度レベルによって日照条件を把握し、作成した背景画像に関連付けて記憶しておく。
この移動体抽出処理では、日照に変化がない間、ステップS202で作成した背景画像を使い続ける。このため、移動体を抽出する処理の後、日照変化判定部123で予め定めた許容範囲を超える日照変化が生じたか否かを判定し、判定結果に従い処理を分岐する(ステップS205)。日照変化の許容範囲は、使用中の背景画像と現撮影画像の背景とにずれが生じ、低下する抽出精度が許容限界になる変化量によって定める。ここでは、ステップS202で背景画像を作成したときの同じ方法(例えば、撮影画像全体から求めた平均輝度レベル)で日照条件を把握し、作成時からの変化量(例えば、平均輝度レベルの変化量)を求め、この変化量が許容範囲を超えるか否かを判断することで、この日照変化の有無を確認する。
予め定めた許容範囲を超える日照変化が生じない場合(ステップS205-NO)、ステップS202で作成した背景画像を使い、現撮影画像を処理対象の画像として移動体の抽出を続ける(ステップS203,S204)。
次に、背景画像作成部125は、日照変化後に用いる背景画像の作成手順の始めに、前段で保存した日照変化前の背景画像から参照点候補のデータを作成する(ステップS207)。参照点候補のデータは、同一輝度点抽出部126が日照変化前に使用していた背景画像の全画素において、同一画素値を持つ画素点を求め、得られた参照点候補群及び距離算出部128が参照点候補群の画素同士の画素位置間の距離を算出することにより得た距離データよりなる。作成された参照点候補のデータは、メモリ14の距離保存部145に記憶、管理される。
また、背景画像作成部125は、日照変化後に取得した撮影画像にフレーム間差分を適用して、移動体領域とそれ以外の領域に画像の領域を分ける(ステップS208)。
画素位置(x、y)が移動体領域以外である場合(ステップS209-NO)、この領域の画素に対し、日照変化後に取得した撮影画像の同一画素位置の輝度値を用いて、背景画像を作成する(ステップS212)。つまり、移動体領域以外の領域部分の日照変化前の背景画像を日照変化後の撮影画像によって更新し、この領域の背景画像を作成し直す。
次いで、ステップS210で決定した参照点の輝度値を取得された日照変化後の撮影画像から求め、求めた輝度値を当該画素位置の日照変化後の背景画像の輝度値(推測値)として得(ステップS211)、この輝度値(推測値)をメモリ14の推測値保存部143に保存する。
他方、タイムアウトすることなく全ての画素位置(x、y)の処理を終了することができた場合(ステップS213-YES)、日照変化後の背景画像全体が作成され、この背景画像を用いて行う移動体抽出処理を継続できるので、ステップS203に戻し、抽出処理を実行する。
Claims (5)
- 動画を撮るカメラの撮影画像をもとに背景画像を作成し、作成した背景画像と前記カメラの現撮影画像との差分を得ることにより移動体を抽出する処理を行う画像処理装置であって、
撮影対象の照度を検出する照度検出手段と、
前記照度検出手段によって所定の照度変化が検出されたときに、照度変化前に使用していた背景画像を保存する手段、
保存された照度変化前の背景画像、変化後の照度における撮影画像双方における同一画素位置の輝度値の関係から照度変化前後の輝度値の分布を求め、求めた輝度値分布をもとに照度変化前後の間で輝度値を変換する近似式を得る手段、
照度変化前に使用していた背景画像から前記輝度値の変換式を用いて照度変化後に使用する背景画像を算出する手段の各手段を備えた背景画像作成手段、
を有したことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1に記載された画像処理装置において、
前記背景画像作成手段は、輝度値を変換する近似式を得る手段に用いる変化後の照度における撮影画像として、撮影画像のフレーム間差分をとることにより得られる移動体領域の画像を除外することを特徴とする画像処理装置。 - 動画を撮るカメラの撮影画像をもとに背景画像を作成し、作成した背景画像と前記カメラの現撮影画像との差分を得ることにより移動物を抽出する処理を行う画像処理装置であって、
撮影対象の照度を検出する照度検出手段と、
前記照度検出手段によって所定の照度変化が検出されたときに、照度変化前に使用していた背景画像を保存する手段、
照度変化後の撮影画像をもとに移動体の画像領域を得る手段、
保存された照度変化前の背景画像において同一輝度を有する画素を特定し、特定した画素同士の距離を求める手段、
照度変化後の撮影画像から得た移動体の画像領域以外の画素位置の照度変化後に使用する背景画像を照度変化後の撮影画像とする手段、
照度変化後の撮影画像から得た移動体の画像領域の画素位置の照度変化後に使用する背景画像を、前記同一輝度を有する画素のうち照度変化後の撮影画像から得た移動体の画像領域以外で最も距離が近い画素の輝度値とする手段の各手段を備えた背景画像作成手段、
を有したことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項3に記載された画像処理装置において、
前記背景画像作成手段は、移動体の画像領域を撮影画像のフレーム間差分をとることにより得ることを特徴とする画像処理装置。 - 画像処理装置のコンピュータを請求項1乃至4のいずれかに記載された画像処理装置の背景画像作成手段として機能させるためのプログラム。
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