JP2016014618A - 原子炉格納容器の密閉構造および密閉方法 - Google Patents

原子炉格納容器の密閉構造および密閉方法 Download PDF

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Abstract

【課題】原子炉格納容器の開口部の気密性を高めることができる原子炉格納容器の密閉構造および密閉方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明にかかる原子炉格納容器102の密閉構造120の代表的な構成は、原子炉格納容器の開口部112を密閉する密閉構造であって、開口部と対面し、開口部の縁部136と接するフランジ134を有するトップヘッド114と、縁部に沿って形成された溝142a、142bに組み付けられるリング状の固体のガスケット138a、138bと、縁部のうち溝を除いた主表面144a、144bに塗布され、トップヘッドのフランジと主表面との間を封止する硬化型シーリング材140a、140bとを備えたことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、原子炉格納容器の開口部を密閉する原子炉格納容器の密閉構造および密閉方法に関するものである。
原子炉格納容器の開口部は、水素や放射性物質の外部への漏洩を防止するために、気密性が保たれている。特許文献1には、原子炉格納容器の上部に位置する開口部の縁部に配置されたガスケットを、トップヘッドと呼ばれる蓋のトップフランジで挟むことで、開口部の気密性を保つ構造が開示されている。
特許文献2には、原子炉格納容器の上部に位置する開口部の縁部とトップヘッドのフランジとの間に、直径の異なる2つのリング状のガスケットを配置した密閉構造が記載されている。これらのガスケットは、特許文献2では金属などで形成された薄板であり、固体のガスケットである(段落0027)。この密閉構造では、原子炉格納容器の開口部の縁部とトップヘッドのフランジとで、これらの固体のガスケットを挟持することにより、原子炉格納容器の開口部を密閉している。
特開2002−214380号公報 特開2003−227893号公報
原子炉格納容器の内部は、高温蒸気や大量の放射線に暴露される場合があり、特に過酷事故(シビアアクシデント)では200℃近傍の高温となる。このような状況下において、固体のガスケットとして特にゴム製のガスケットを用いた密閉構造では、ガスケットの材質劣化が生じてシール性が損なわれてしまい、水素や放射性物質が外部に漏洩する可能性がある。なお耐熱性の高いゴム材料も開発されているものの、例えばフッ素ゴムは、耐放射線性が劣るため使用することができない。
他の固体のガスケットとしては、特許文献2に記載の金属製ガスケット、あるいは膨張黒鉛ガスケットが挙げられる。これらの固体のガスケットは、耐熱性、耐放射線性に優れている。しかし、金属製ガスケットあるいは膨張黒鉛ガスケットを用いた密閉構造では、これらのガスケットを高い圧力(面圧)で押付けて固定する必要がある。このような密閉構造では、高い面圧を確保するために、原子炉格納容器の開口部の縁部やトップヘッドのフランジを厚くするなどの設計変更が必要になってしまう。
また、トップヘッド(等)のフランジは、直径数m〜10mほどの大きさを有するため、適合するガスケットの製造や設備の改造などは容易ではない。
本発明は、このような課題に鑑み、設備改造や設計変更無しで原子炉格納容器の開口部の気密性を高めることができる原子炉格納容器の密閉構造および密閉方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる原子炉格納容器の密閉構造の代表的な構成は、原子炉格納容器の開口部を密閉する密閉構造であって、開口部と対面し、開口部の縁部と接するフランジを有する蓋と、縁部に沿って形成された少なくとも1つの溝に組み付けられるリング状の固体のガスケットと、縁部のうち溝を除いた主表面に塗布され、蓋のフランジと主表面との間を封止する硬化型シーリング材とを備えたことを特徴とする。
原子炉格納容器の内部は、高温蒸気や大量の放射線に暴露される場合があり、過酷事故の状況下では200℃近傍の高温となる。このため、原子炉格納容器の開口部を密閉し、気密性を保つことは安全上非常に重要となる。そこで上記構成では、開口部の縁部に沿った溝に組み付けられる固体(例えばゴム製)のガスケットと、縁部の主表面に塗布される硬化型シーリング材とを併用して、開口部を密閉した。つまり、原子炉格納容器の開口部は、固体のガスケットに加え、バックアップシールとしての硬化型シーリング材によっても密閉される。したがって、上記構成によれば、原子炉格納容器の開口部の気密性を高めることができる。
硬化型シーリング材の材料としては、非発泡性の耐火シーラントまたはシリコンゴムが好ましい。これらを用いることで、原子炉格納容器が高温蒸気、高温空気や放射線に暴露されても、従来よりも高い温度まで、より長時間気密性を維持し、水素や放射性物質の漏洩を防止できる。
上記の開口部は、原子炉格納容器の上部に位置していて、蓋は、開口部を密閉するトップヘッドであるとよい。原子炉格納容器の上部に位置する開口部は、定期検査など燃料装荷時に開放され、あるいは過酷事故時に気密性が重要とされる箇所である。上記構成では、固体のガスケットと硬化型シーリング材からなるバックアップシールを併用することで、この開口部をトップヘッドにより確実に密閉できる。
本発明にかかる原子炉格納容器の密閉方法の代表的な構成は、原子炉格納容器の開口部を密閉する密閉方法であって、開口部の縁部に沿って形成された少なくとも1つの溝にリング状の固体のガスケットを組付け、縁部のうち溝を除いた主表面に、非発泡性の耐火シーラントまたはシリコンゴムである硬化型シーリング材を塗布し、開口部に対面する蓋を用意し、蓋に形成されたフランジを縁部に接近させることにより、フランジと縁部の主表面との間を硬化型シーリング材で封止することを特徴とする。
上記構成によれば、原子炉格納容器の開口部を密閉する際、固体のガスケットを取付けて、バックアップシールとして機能する硬化型シーリング材を塗布し、蓋を開口部に対面させて接近させればよい。したがって、上記構成によれば、作業性を損なうことなく、また、設備改造や設計変更の要なく、原子炉格納容器の開口部の気密性を高めることができる。
本発明によれば、設備改造や設計変更無しで原子炉格納容器の開口部の気密性を高めることができる原子炉格納容器の密閉構造および密閉方法を提供することができる。
本実施形態における原子炉格納容器の密閉構造および密閉方法が適用される原子炉の概略構成を説明する図である。 本実施形態における原子炉格納容器の外観を概略的に示す図である。 図1および図2の原子炉格納容器の密閉構造を例示する図である。 図3の密閉構造の一部を例示する断面図である。 図3の他の密閉構造の一部を例示する断面図である。 本実施形態における原子炉格納容器の密閉方法の各工程を示すフローチャートである。 硬化型シーリング材に対する各種試験の評価結果を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本実施形態における原子炉格納容器の密閉構造および密閉方法が適用される原子炉の概略構成を説明する図である。以下では、理解を容易にするために沸騰水型原子炉(BWR)を例示して説明するが、改良型沸騰水型原子炉(ABWR)についても本実施形態を適用可能である。図1ではMark−II型の原子炉を例示している。
原子炉建屋100には原子炉格納容器102が設置され、その中に原子炉圧力容器104が設置されている。原子炉圧力容器104は、ペデスタル106によって原子炉格納容器102内に支持されている。原子炉格納容器102の下方にはサプレッションプール108(圧力抑制室ともいう)が設けられていて、過剰な蒸気をサプレッションプール108内の水に注入することによって圧力を下げることができる。なお図1は通常運転時の状態を示していて、原子炉格納容器102は窒素充填され、サプレッションプール108内部には適量の水が保有されている。
原子炉圧力容器104は、ウラン等からなる燃料棒を束ねた燃料集合体110を収容する。原子炉圧力容器104に収容された燃料集合体110は、臨界に達して、容器内部に充填された水(炉水)を加熱し蒸気を発生させる。
原子炉格納容器102および原子炉圧力容器104は、いずれも密閉容器であり、その内部に密閉空間を有している。原子炉圧力容器104は、高さ20m程度、直径6m程度の設備である。
原子炉格納容器102は、高さ40m程度、直径18m程度の大きな設備である。原子炉格納容器102は、その上部に開口部112を有する。原子炉格納容器102の内部は、高温蒸気や大量の放射線に暴露される場合があり、特に、過酷事故の状況下では200℃程度の高温となる。このため、原子炉格納容器102の開口部112を密閉し、気密性を保つことは安全上非常に重要となる。
図2は、本実施形態における原子炉格納容器102の外観を概略的に示す図である。図2ではABWR型の原子炉を例示している。原子炉格納容器102(ハッチングを付した部分)は、図示のように、開口部112だけでなく、機器搬出入用ハッチ(機器ハッチ122)、所員用エアロック124などの他の開口部も有している。本実施形態の密閉構造は、開口部112だけでなく、これらの他の開口部にも適用可能である。以下では、本実施形態として、原子炉格納容器102の開口部112を蓋(トップヘッド114)により密閉する密閉構造120を挙げて説明する。
密閉構造120は、詳細は後述するが、原子炉格納容器102の上部に位置する開口部112をトップヘッド114により密閉している。原子炉格納容器102の開口部112は、定期検査など燃料装荷時に開放され、あるいは過酷事故時に気密性が重要とされる箇所である。
図3は、図1および図2の原子炉格納容器102の密閉構造120を例示する図である。密閉構造120は、フランジ134が形成されたトップヘッド114を備える。フランジ134は、原子炉格納容器102の開口部112と対面し、開口部112の縁部136と接するように、トップヘッド114に形成されている。ここで、図中の仮想線で示すトップヘッド114は、原子炉格納容器102の開口部112に対面していて、矢印Aに示す方向で開口部112に接近する前の状態となっている。
密閉構造120は、仮想線で示す固体のガスケット138a、138bと、硬化型シーリング材140a、140b(図4参照)とをさらに備える。固体のガスケット138a、138bは、直径の異なるリング状の例えばゴム製ガスケットである。
図4は、図3の密閉構造120の一部を例示する断面図である。図4(a)は、原子炉格納容器102の開口部112にトップヘッド114を対面させた状態を例示している。図4(b)は、図3のB−B断面図であり、図4(a)の矢印Aに示すように原子炉格納容器102の開口部112にトップヘッド114を接近させ、開口部112を密閉した状態を例示している。
原子炉格納容器102の開口部112の縁部136には、円環状の2つの溝142a、142bが形成されている。リング状の固体のガスケット138a、138bは、図4(a)に示すように、溝142a、142bにそれぞれ組み付けられている。開口部112の縁部136は、溝142a、142bを除いた主表面144a、144bを含む。
主表面144aは、溝142aよりも外側に位置する面であり、硬化型シーリング材140aが塗布されている。主表面144bは、溝142bよりも内側に位置する面であり、硬化型シーリング材140bが塗布されている。硬化型シーリング材140a、140bは、図4(b)に示すように、トップヘッド114のフランジ134と主表面144a、144bとの間を封止している。硬化型シーリング材140a、140bは、例えば非発泡性の耐火シーラントまたはシリコンゴムである。
トップヘッド114のフランジ134は、凸部146a、146bを有する。凸部146a、146bは、図4(b)に示すように、固体のガスケット138a、138bを押付けた状態で縁部136の溝142a、142bと嵌め合っている。なお硬化型シーリング材140a、140bは、開口部112の縁部136の主表面144a、144bに塗布したが、これに限定されない。一例として、硬化型シーリング材140a、140bは、主表面144a、144bに代えて、主表面144a、144bに対面するトップヘッド114のフランジ134の面148a、148bに塗布してもよい。
図5は、図3の他の密閉構造120Aの一部を例示する断面図である。他の密閉構造120Aは、以下の点で上記密閉構造120と異なる。すなわち、トップヘッド114Aのフランジ134Aは、上記凸部146a、146bが形成されず、平坦な面150を有している。また、他の密閉構造120Aは、上記固体のガスケット138a、138bに代えて、いわゆる甲丸型の固体のガスケット152a、152bを備える。
図5(a)は、原子炉格納容器102の開口部112の縁部136にトップヘッド114Aを対面させた状態を例示している。固体のガスケット152a、152bは、図示のように、縁部136の溝142a、142bにそれぞれ組み付けられた状態で、縁部136の主表面144a、144bよりも上方に突出した突出部154a、154bを有する。突出部154a、154bは、図示のように、トップヘッド114Aの平坦な面150に対面している。
図5(b)は、図4(b)に対応させたB−B断面図であり、図5(a)の矢印Aに示すように原子炉格納容器102の開口部112にトップヘッド114Aを接近させ、開口部112を密閉した状態を例示している。他の密閉構造120Aでは、図示のように、トップヘッド114Aの平坦な面150で固体のガスケット152a、152bの突出部154a、154bが押し潰され、さらに硬化型シーリング材140a、140bによって、フランジ134Aと主表面144a、144bとの間が封止されている。なお硬化型シーリング材140a、140bは、主表面144a、144bに代えて、主表面144a、144bに対面するトップヘッド114Aのフランジ134Aの平坦な面150に塗布してもよい。
図6は、本実施形態における原子炉格納容器102の密閉方法の各工程を示すフローチャートである。図4に例示した密閉構造120による密閉方法では、まず、原子炉格納容器102の開口部112の縁部136に形成された溝142a、142bに固体のガスケット138a、138bを組付ける(ステップS100)。つぎに、開口部112の縁部136の主表面144a、144bに硬化型シーリング材140a、140bを塗布する(ステップS102)。
続いて、原子炉格納容器102の開口部112にトップヘッド114を対面させ、トップヘッド114のフランジ134を縁部136に接近させる(ステップS104)。トップヘッド114を接近させることで、開口部112の縁部136の溝142a、142bに、トップヘッド114のフランジ134の凸部146a、146bを嵌める(ステップS106)。そして、開口部112の縁部136の主表面144a、144bとフランジ134とで硬化型シーリング材140a、140bを挟む(ステップS108)。これにより、主表面144a、144bとフランジ134との間が硬化型シーリング材140a、140bにより封止される。
なおステップS106において、図5に例示した他の密閉構造120Aでは、開口部112の縁部136にトップヘッド114Aのフランジ134Aの平坦な面150を嵌めて、固体のガスケット152a、152bの突出部154a、154bを押し潰せばよい。その後、ステップS108において、縁部136の主表面144a、144bとフランジ134Aの平坦な面150とで硬化型シーリング材140a、140bを挟むことで、フランジ134Aと主表面144a、144bとの間が封止される。
このように本実施形態の密閉方法によれば、原子炉格納容器102の開口部112を密閉する際、固体のガスケット138a、138bまたは固体のガスケット152a、152bを取付けて、バックアップシールとして機能する硬化型シーリング材140a、140bを塗布し、トップヘッド114、114Aを開口部112に対面させて接近させればよい。したがって、本実施形態によれば、設備改造や設計変更無しで作業性を損なうことなく、原子炉格納容器102の開口部112の気密性を高めることができる。
図7は、硬化型シーリング材に対する各種試験の評価結果を示す図である。図7(a)は、硬化型シーリング材としてのシール材A−Dの評価結果を示している。図7(b)は、図7(a)のシール材Bに対して蒸気暴露および放射線照射を行った評価結果を示している。
シール材Aは、商品名「Fire Barrier 3000 WT」の有機系シリコンである。シール材Bは、商品名「Fire Barrier 2000 +」の有機系シリコンである。シール材Cは、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)を含む無機系の材質であり、商品名「Renolit 762」である。シール材Dは、アルミナを含む無機系の材質であり、商品名「Cerambond 569」である。なお図7(a)に示す重量変化は、熱天秤による重量測定に基づいている。気密性は、使用気体をN2とした気密確認試験で評価した。そして、シール材A−Dについて、図7(a)に示す各項目、すなわち耐熱性、重量変化、接着力および気密性を試験した結果、シール材B、Cが好ましいことが明らかとなった。
さらにシール材Bについて、図7(b)に示すように蒸気暴露や放射線照射に対する気密性を評価した。なお気密性は、使用気体をHeとした気密確認試験で評価した。図7(b)に示す「○」は、気密性が保たれていることを示す。「△」はサンプルによっては、気密性が保たれる場合もあれば保たれない場合があることを示している。「×」は気密性が保たれないことを示している。ここで蒸気暴露試験(蒸気暴露あり条件)は、オートクレーブを用いて所定の温度、圧力1MPaの蒸気にて暴露時間73hで暴露を行った。また高温試験(蒸気暴露なし条件)は、熱処理炉を用いて、空気中で所定の温度にて暴露時間73hで暴露を行った。蒸気暴露試験および高温試験を行った後、気密確認試験として、加圧流体にHe(気体)を使用し、0.6MPaにてスヌープ(石けん水)を用いて漏洩の有無、さらには圧力計を用いて圧力の低下の有無を確認し、気密性を評価した。
図7(b)に示すように、シール材Bでは、蒸気暴露をしない場合、200−350℃の高温において放射線照射の有無に関わらず、気密性が保たれていた。また、シール材Bでは、250−275℃の高温において、蒸気暴露かつ放射線照射を行っても、気密性が保たれていた。一方、通常使用される固体ガスケットは、200℃において蒸気暴露の状態で劣化が進行して48h程度で一般的な使用限界となる。
このような試験結果により、硬化型シーリング材140a、140bの材料として非発泡性の耐火シーラントまたはシリコンゴムを選定すれば、気密性を高められることが明らかとなった。
上記説明したように、本実施形態における原子炉格納容器102の密閉構造では、原子炉格納容器102の開口部112を、固体のガスケット138a、138bまたは固体のガスケット152a、152bに加え、バックアップシールとしての硬化型シーリング材140a、140bによっても密閉している。そして、本実施形態では、硬化型シーリング材140a、140bの材料として非発泡性の耐火シーラントまたはシリコンゴムを選定している。
このように、固体のガスケット138a、138bまたは固体のガスケット152a、152bと硬化型シーリング材140a、140bからなるバックアップシールを併用することで、原子炉格納容器102の開口部112をトップヘッド114、114Aにより確実に密閉できる。その結果、原子炉格納容器102の内部が高温蒸気や放射線に暴露されても、従来よりも高い温度まで気密性を維持し、水素や放射性物質の漏洩を防止できる。
また、本実施形態の密閉構造120では、トップヘッド114のフランジ134の凸部146a、146bが、固体のガスケット138a、138bを押付けた状態で開口部112の縁部136の溝142a、142bと嵌め合う。さらに、他の密閉構造120Aによれば、平坦な面150を有するフランジ134Aが、固体のガスケット152a、152bを押付けた状態で開口部112の縁部136と嵌め合う。したがって、本実施形態の密閉構造120、120Aによれば、原子炉格納容器102の開口部112の気密性をより高めることができる。
なお、上記各実施形態では、2つのリング状の固体のガスケット138a、138b、152a、152bを溝142a、142bにそれぞれ組み付け、さらに開口部112の縁部136の主表面144a、144bに硬化型シーリング材140a、140bをそれぞれ塗布するようにしたが、これに限られない。一例として、原子炉格納容器102の気密性を保つことが可能であれば、溝142a、142bはいずれか一方だけ形成し、その溝に1つの固体のガスケットを組付けてよい。また硬化型シーリング材も主表面144a、144bにそれぞれ塗布せずに、少なくとも1つの主表面に塗布してもよい。特に、固体ガスケットの外側の主表面144aに配置した硬化型シーリング材140aが有効である。
また上記実施形態では、原子炉格納容器102の上部に位置する開口部112をトップヘッド114で密閉する構造および方法を示したが、これに限定されない。一例として、図2に例示した原子炉格納容器102の機器ハッチ122、所員用エアロック124に上記密閉構造120、120Aおよび密閉方法を適用し、これらの箇所から外部に水素や放射性物質が漏洩することを防止してもよい。このようにすれば、原子炉格納容器102全体の気密性をより高めることができ、安全性を向上できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、原子炉格納容器の開口部を密閉する原子炉格納容器の密閉構造および密閉方法に利用することができる。
100…原子炉建屋、102…原子炉格納容器、104…原子炉圧力容器、106…ペデスタル、108…サプレッションプール、110…燃料集合体、112…開口部、114、114A…トップヘッド、120、120A…密閉構造、122…機器ハッチ、124…所員用エアロック、134、134A…フランジ、136…縁部、138a、138b、152a、152b…固体のガスケット、140a、140b…硬化型シーリング材、142a、142b…溝、144a、144b…主表面、146a、146b…凸部、148a、148b、150…面、154a、154b…突出部

Claims (4)

  1. 原子炉格納容器の開口部を密閉する密閉構造であって、
    前記開口部と対面し、該開口部の縁部と接するフランジを有する蓋と、
    前記縁部に沿って形成された少なくとも1つの溝に組み付けられるリング状の固体のガスケットと、
    前記縁部のうち前記溝を除いた主表面に塗布され、前記蓋の前記フランジと該主表面との間を封止する硬化型シーリング材とを備えたことを特徴とする原子炉格納容器の密閉構造。
  2. 前記硬化型シーリング材は、非発泡性の耐火シーラントまたはシリコンゴムであることを特徴とする請求項1に記載の原子炉格納容器の密閉構造。
  3. 前記開口部は、前記原子炉格納容器の上部に位置していて、
    前記蓋は、前記開口部を密閉するトップヘッドであることを特徴とする請求項1または2に記載の原子炉格納容器の密閉構造。
  4. 原子炉格納容器の開口部を密閉する密閉方法であって、
    前記開口部の縁部に沿って形成された少なくとも1つの溝にリング状の固体のガスケットを組付け、
    前記縁部のうち前記溝を除いた主表面に、非発泡性の耐火シーラントまたはシリコンゴムである硬化型シーリング材を塗布し、
    前記開口部に対面する蓋を用意し、該蓋に形成されたフランジを前記縁部に接近させることにより、前記フランジと前記縁部の主表面との間を前記硬化型シーリング材で封止することを特徴とする原子炉格納容器の密閉方法。
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