JP2016014176A - アンモニア電解合成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンモニア電解合成装置を簡略化する方法、および、複数の単セルを積層配置した電解槽構造に代表される、大量生産に向けた装置構造を備えたアンモニア電解合成装置を提供する。【解決手段】アンモニア電解合成装置1は、溶融塩浴槽110と、陰極130と、水蒸気供給陽極部120とを備える。溶融塩浴槽110は、溶融塩111を収容するものである。陰極130は、溶融塩浴槽110内に配置されて窒素を還元するものである。水蒸気供給陽極部120は、陰極130の対極となる陽極121と、陽極121に水蒸気を供給する水蒸気供給部122とが一体化されたものである。【選択図】図1

Description

本発明は、アンモニア電解合成装置に関する。
従来、アンモニアはハーバーボッシュ法により大規模に製造されている。ハーバーボッシュ法は、水素ガスと窒素ガスからアンモニアを合成する方法であり、Fe、FeO、Fe等にAl及びKOを含む鉄系の三元系触媒の存在下、水素ガスと窒素ガスとを反応させることによってアンモニアを製造する方法である。
しかしながら、当該ハーバーボッシュ法は高温・高圧でアンモニアを合成する方法であるため、エネルギー消費量が莫大で設備規模も巨大である。しかも炭化水素の水蒸気改質によって水素ガスを得る際に多量のCOを排出するという問題がある。
上記問題を改善する方法として、炭化水素を用いない方法の開発が挙げられる。例えば、伊藤靖彦、「常圧アンモニア電解合成−アンモニアエコノミーの基盤技術−」、溶融塩および高温化学、2003年、Vol.46、No.2、p.97−118(非特許文献1、以下「非特許文献1」とする)には、常圧下で水と窒素とからアンモニアを電解合成する方法が記載されている。この方法は、電解浴としてアルカリ金属ハライドなどの溶融塩を用いており、陰極では窒素ガスの還元により窒化物イオン(N3−)を生成させ、これを溶融塩中で水(水蒸気)と反応させることによりアンモニアを生成する。陽極では、このアンモニア生成反応に際して副生する酸化物イオン(O2−)が酸化されて酸素ガスが発生する。なお、各反応は次の(1)〜(4)ように例示される。
(1)陰極反応:N+6e → 2N3−
(2)溶融塩中:3HO+2N3− → 2NH+3O2−
(3)陽極反応:3O2− → (3/2)O+6e
(4)全反応 :N+3HO → 2NH+(3/2)O
このような反応を利用した電解槽は、例えば、非特許文献1のFig.12に記載されている。以下、この電解槽を「基本形電解槽」とし、陰極と陽極と、陰極と陽極間に保持される溶融塩とからなる電解槽の最小構成単位を基本型電解槽の「単セル」と表記する。
また、非特許文献1には、上述の基本形電解槽の発展形として、例えばFig.10に水素透過金属膜を用いた装置構成が記載されている。以下、この電解槽を「発展形電解槽」とする。発展形電解槽は、水素透過金属膜によってアルカリ金属ハライドなどの溶融塩が保持された陰極室(右セル)と溶融水酸化物などが保持された陽極室(左セル)の2つの電解室に分けられている。水素透過金属膜はバイポーラ電極であって、陰極室側では陽極として、陽極室側では陰極として働く。陽極室に供給された水蒸気は、水素透過金属膜の表面で還元されて、水素透過金属膜内に吸蔵水素原子(H)を、電解浴中に水酸化物イオン(OH)を生成する。
(5)陽極室水素透過金属膜表面:6HO+6e → 6H+6OH
(5)式で生成された水酸化物イオンは陽極室内に設置された酸素発生陽極で酸化されて、酸素ガスが生成される。
(6)陽極反応:6OH → (3/2)O+3HO+6e
一方、陰極室に設置された窒素ガス陰極では、供給された窒素ガスが還元されて、(1)式のように窒化物イオンが生成される。ここで生成した窒化物イオンは、水素透過金属膜中を拡散して陰極室(右セル)側表面に到達した水素原子と反応してアンモニアを生成する。
(7)陰極室水素透過金属膜表面:6H+2N3− → 2NH+6e
発展形電解槽内の全反応は(4)式と同じである。この電解槽構造では、(2)式のアンモニア生成反応を、水素透過金属膜によって(5)式と(7)式との2つの電気化学反応に分離したことになる。これによりアンモニア生成反応における(2)式に起因するエネルギー損失を回避し、アンモニア製造の消費エネルギーを大幅に低減できる可能性がある。以下、陰極と陽極と水素透過金属膜と、陰極と水素透過金属膜間に保持される溶融塩と、陽極と水素透過金属膜間に保持される電解質からなる電解槽の最小構成単位を発展型電解槽の「単セル」と表記する。
以上のような、非特許文献1に記載されたアンモニア電解合成法によれば、ハーバーボッシュ法と比べて温和な条件で水と窒素からアンモニアを電解合成でき、消費エネルギーも小さい。また、炭化水素を用いて水素ガスを製造する必要がないため、多量のCOを排出する問題がない。
伊藤靖彦、「常圧アンモニア電解合成−アンモニアエコノミーの基盤技術−」、溶融塩および高温化学、2003年、Vol.46、No.2、p.97−118
しかしながら、非特許文献1に具体的に開示されているような従来の電解合成法では、装置構成に制限が多く、使用する溶融塩の量も多くなる。このような問題点は、アンモニアの大量生産に向けた大規模電解槽の構築の障害となっている。
そこで、この発明の目的は、アンモニア電解合成装置を簡略化する方法、および、複数の単セルを積層配置した電解槽構造に代表される、大量生産に向けた装置構造を備えたアンモニア電解合成装置を提供することである。
本発明者らは鋭意検討の結果、従来の電解合成法において、装置構成に制限が多く、使用する溶融塩の量も多くなるのは、構成上、水蒸気供給部が陽極と独立して溶融塩浴中に配置されているためであると考えた。本発明者らはさらなる検討の結果、水と窒素とからアンモニアを電解合成する場合において、水蒸気供給部と陽極の構造を工夫して両者を一体化し、陽極自体に水蒸気供給の機能を付加した「水蒸気供給陽極部」を用いることにより、アンモニア電解合成装置を簡略化することができると共に、複数の単セルを積層配置した電解槽構造に代表される大量生産に向けた装置構造の構築も容易に実現することができることを見出した。
本発明者のこのような知見に基づいて、本発明に従ったアンモニア電解合成装置は、次のように構成される。
この発明に従ったアンモニア電解合成装置は、溶融塩浴槽と、陰極と、水蒸気供給陽極部とを備える。溶融塩浴槽は、溶融塩を収容するものである。陰極は、溶融塩浴槽内に配置されて窒素を還元するものである。水蒸気供給陽極部は、陰極の対極となる陽極と、陽極に水蒸気を供給する水蒸気供給部とが一体化されたものである。
水蒸気供給陽極部内の陽極を、例えば多孔質に成形することによって、別途独立した水蒸気供給部を設けることなく、溶融塩浴槽の外部から溶融塩に直接、水蒸気を供給することができる。なお、水蒸気供給陽極内の陽極は多孔質に成形されていなくてもよく、例えば、鉛直方向に延びる平板を水平方向に間隔をあけて複数並べて構成されるものや、鉛直方向に延びる円筒を水平方向に密に束ねて構成されるようなものであってもよい。
このようにして、水蒸気供給陽極部を用いることにより、アンモニア電解合成装置を簡略化することができ、かつ、複数の単セルを積層配置した電解槽構造に代表される装置構造のアンモニア電解合成装置を提供することができる。
この発明に従ったアンモニア電解合成装置において、「基本形電解槽」の原理を用いる場合、水蒸気供給陽極部は、少なくとも一部が溶融塩浴槽に収容される溶融塩に接しており、供給される水蒸気が、陽極と接する溶融塩にまで到達させることが可能であるように構成されていることが好ましい。
水蒸気供給陽極部は少なくともその一部が溶融塩浴に接触していることによって、例えば水蒸気供給陽極部内の陽極が多孔質である場合には、溶融塩は多孔質陽極内を濡れ上がり、陽極内部の一部または全部に溶融塩が存在することになる。このようにして供給される水蒸気を少なくとも陽極内に存在する溶融塩まで到達させることによって、例えば、陽極内に存在する溶融塩に到達した水蒸気が、陽極内に形成された固気液三相界面で電気化学的に酸化されてプロトン(H)と酸素とを生成する。生成したHは、浴中に存在するN3−と反応し、アンモニアを生成する。
(8)溶融塩中:3H+N3− → NH
このように、陽極と接する溶融塩に水蒸気が供給されることで上記に例示されるような反応が効率良く進行するのであれば、陽極は多孔質である必要はなく、例えば、鉛直方向に延びる平板を水平方向に間隔をあけて複数並べて構成されるものや、鉛直方向に延びる円筒を水平方向に密に束ねて構成されるようなものであってもよい。
水蒸気供給陽極部をこのように構成することによって、溶融塩浴槽側に別途独立した水蒸気供給部を設けることなく、溶融塩浴槽の外部から陽極と接する溶融塩に直接、水蒸気を供給することができる。
このようにすることにより、陽極と水蒸気供給部とを一体化することができる。この際、水蒸気供給部が金属などの導電性材料の場合、同部分で意図しない電気化学反応が進行することの無いよう、水蒸気供給部と陽極は電子的に絶縁されているのが好ましい。
このようにして、陽極と水蒸気供給部とを一体化することにより、アンモニア電解合成装置を簡略化することができるので、例えば、大面積の単セル型電解槽の構造を単純化できるのみならず、複数の単セルを積層配置することも容易となるなど、アンモニアの大量生産に向け、装置構成の自由度を飛躍的に高めることができる。
この発明に従ったアンモニア電解合成装置において、「発展形電解槽」の原理を用いる場合、水蒸気供給陽極部は、水素透過金属膜と、陽極と水素透過金属膜との間に保持される電解質とを含むことが好ましい。水素透過金属膜は、溶融塩浴槽内に配置されていることが好ましい。
陽極と水素透過金属膜との間に保持される電解質は、溶融水酸化物を含むことが好ましい。
水素透過金属膜はバイポーラ電極として働く。水蒸気供給陽極部内の陽極は多孔質などの上記の形態であるのが好ましく、また陽極は少なくともその一部が、陽極と水素透過金属膜との間に保持される電解浴に接触している。陽極が多孔質である場合、溶融水酸化物などの電解質は多孔質内を濡れ上がり、陽極内部の一部または全部に溶融水酸化物などの電解質が存在することになる。
この発明に従ったアンモニア電解合成装置においては、供給される水蒸気を、陽極と接する溶融水酸化物などの電解質まで到達させることが可能であるように構成されていることが好ましい。
水素透過金属膜表面まで到達した水蒸気は、例えば、バイポーラ電極である水素透過膜表面で(5)式に基づいて電気化学的に還元され、OHとともに水素透過金属膜内に吸蔵水素を生成する。さらにOHは陽極で酸化されて酸素を生成する。水素透過金属膜内を溶融塩浴槽側表面へ拡散した吸蔵水素は、バイポーラ電極である水素透過金属膜の溶融塩浴槽側の表面でのN3−との電気化学的な酸化反応によりアンモニアを生成する。
このように水蒸気供給陽極部内の溶融水酸化物などの電解質を通じて水素透過膜表面に水蒸気が供給されることで上記のような反応が進行するのであれば、陽極は多孔質である必要はない。
水蒸気供給陽極部をこのように構成することによって、溶融塩浴槽側に別途独立した水蒸気供給部を設けることなく、水蒸気供給陽極部に含まれる水素透過金属膜表面に、溶融塩浴槽の外部から直接水蒸気を供給することができる。水蒸気供給陽極部は、溶融塩浴槽内の溶融塩から水素透過金属膜によって隔離されるので、水蒸気供給陽極部に供給される水蒸気が溶融塩浴槽内の溶融塩に混入することがない。また、水蒸気供給陽極部内に溶融塩浴槽と異なる電解質を保持することができる。
このようにすることにより、陽極と水蒸気供給部とを一体化することができる。この際、水蒸気供給部が金属などの導電性材料の場合、同部分で意図しない電気化学反応が進行することの無いよう、水蒸気供給部と陽極、水蒸気供給部と水素透過金属膜は電子的に絶縁されているのが好ましい。
このようにして、陽極と水蒸気供給部とを一体化することにより、アンモニア電解合成装置を簡略化することができるので、例えば、大面積の単セル型電解槽の構造を単純化できるのみならず、複数の単セルを積層配置することも容易となるなど、アンモニアの大量生産に向け、装置構成の自由度を飛躍的に高めることができる。
この発明に従ったアンモニア電解合成装置は、陰極に窒素を供給する窒素供給部を備えることが好ましい。窒素供給部は、陰極において溶融塩と接触する面の裏面に窒素が接触して陰極に窒素が供給されるように構成されていることが好ましい。そして、それぞれ1つの陰極と、水蒸気供給陽極部と、陰極と水蒸気供給陽極部との間の溶融塩とが、単セルを形成していることが好ましい。
また、この発明に従って複数の単セルを積層配置した電解槽を構築する場合は、水蒸気供給陽極部と陰極は、溶融塩を介して互いに対向するように配置されることが好ましく、水素透過金属膜は、水蒸気供給陽極部において溶融塩浴槽内の溶融塩と接触する面に接続されることが好ましい。さらに、水蒸気供給陽極部は、水素透過金属膜の溶融塩浴槽内の溶融塩と接触する面の裏面にまで水蒸気を到達させられるように構成されることが好ましい。窒素供給部は、陰極において溶融塩と接触する面の裏面に窒素が接触して陰極に窒素が供給されるように構成されていることが好ましい。そして、それぞれ1つの陰極と水蒸気供給陽極部と、陰極と水蒸気供給陽極部との間の溶融塩とが単セルを形成していることが好ましい。
この発明に従って複数の単セルを積層配置した電解槽を構築する場合には、複数の単セルの全部もしくは一部は、電子的に直列に接続されていてもよいし、並列に接続されていてもよい。
複数の単セルを電子的に直列に接続することにより、装置に通電される電流値が小さくなるので、電気抵抗ロスを低減することができる。また、電子的に並列に接続した箇所を設けることにより、一部の単セルに不具合が生じた場合であっても、アンモニア電解合成装置全体が停止することなく、運転を継続することができる。
また、上記の単セルは積層配置せずに平面上に並べて配置しても良い。この場合、使用する溶融塩浴を複数の単セルで共有しても良い。平面上に配置した各単セルは電子的に直列に接続されていても良いし、並列に接続されていてもよい。各単セルが電子的に並列に接続されている場合は、入力する電力に応じて使用する単セルの個数を増減させ得るので、入力電力に時間的な変動がある場合に好ましい。
この発明に従ったアンモニア電解合成装置においては、陰極は多孔質に成形されていることが好ましい。さらに、陰極が多孔質体である場合、陰極内部には、溶融塩の流路が形成されていることが好ましい。この流路内部は連続する空隙であっても良いし、流路の周囲よりも孔径の大きな多孔質体により構成されていても良い。
これにより、陰極内部の固気液三相界面で生成されるN3−が流路を通じて陰極外方へと移動し易くなるので、陰極内部にN3−が留まって陰極反応の進行を阻害することを抑制し、アンモニア生成部へと速やかに供給することができる。
同様の目的で、供給される窒素ガスは、陰極の内部を通じて、溶融塩浴側へと排出されてもよい。
この窒素ガスの流動により、陰極内部に存在する溶融塩の撹拌や陰極外方への流動が生じるため、陰極内部で生成するN3−の逸散を促進するだけでなく、陰極反応場である固気液三相界面の面積が拡張するので、陰極反応の進行を促進させることができる。
以上のように、この発明によれば、アンモニア電解合成装置を簡略化することができるので、例えば、大面積の単セル型電解槽の構造を単純化できるのみならず、複数の単セルを積層配置することも容易となるなど、アンモニアの大量生産に向け、装置構成の自由度を飛躍的に高めることができる。
本発明の第1実施形態のアンモニア電解合成装置の全体の断面を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態のアンモニア電解合成装置の全体の断面を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態のアンモニア電解合成装置のセパレータの一つの態様(A)と別の態様(B)を模式的に示す斜視図である。 本発明の第3実施形態のアンモニア電解合成装置の全体の断面を模式的に示す図である。 本発明の第4実施形態のアンモニア電解合成装置の全体の断面を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態のアンモニア電解合成装置1は、溶融塩浴槽110と、水蒸気供給陽極部120と、陰極130と、窒素供給部150と、電源部160とを備える。水蒸気供給陽極部120は、陽極121と水蒸気供給部122とが一体化されたものである。
溶融塩浴槽110は、溶融塩111を収容するものである。溶融塩111としては、例えば、LiCl−KClやLiCl−KCl−CsClなどが用いられる。
陽極121は酸素発生陽極であり、例えば多孔質に成形されガス拡散性を有している。陽極121は、例えば、多孔質ニッケルフェライトを用いることができる。陽極121は、下部が溶融塩111に接触し、上部が気相に接するように配置される。これにより、多孔質陽極の内部に溶融塩が濡れ上がり、固気液三相界面が形成される。
水蒸気供給陽極部120の陽極121は、上述のように多孔質に成形されていてもよいし、例えば、鉛直方向に延びる平板を水平方向に間隔をあけて複数並べて構成されるものや、鉛直方向に延びる円筒を水平方向に密に束ねて構成されるようなものであってもよい。このように、陽極121は、水蒸気供給部122を経て供給される水蒸気を溶融塩111にまで到達させられる形態であれば、多孔質に成形されていなくてもよい。
水蒸気供給部122は、陽極121が接する気相部から、陽極121の内部に濡れ上がった溶融塩111に水蒸気を供給するためのものである。水蒸気供給部122は、例えば、水蒸気を発生させる水蒸気発生部と、水蒸気発生部において発生させられた水蒸気を陽極121と接する溶融塩にまで到達させる流路とによって構成されている。図1には、水蒸気供給部122において水蒸気の流路を構成する部分を示す。
陰極130は、溶融塩浴槽110内に配置されて窒素を還元するものである。アンモニア電解合成装置1においては、陰極130も陽極121と同様、多孔質に成形されている。陰極130は、例えば、多孔質Niを用いることができる。陰極130は、下部が溶融塩111に接触し、上部が気相に接するように配置される。多孔質である陰極130と、陰極130内に供給された窒素と、陰極130内に濡れ上がった溶融塩111とによって、固気液の三相界面が形成される。なお、陰極130は、電極材料と窒素ガスと溶融塩との固気液三相界面が効率よく形成される形態であれば、多孔質に成形されていなくてもよく、例えば、鉛直方向に延びる平板を水平方向に間隔をあけて複数並べて構成されるものや、鉛直方向に延びる円筒を水平方向に密に束ねて構成されるようなものであってもよい。
さらに、陰極が多孔質体である場合、陰極内部には、溶融塩の流路が形成されていることが好ましい。この流路内部は連続する空隙であっても良いし、流路の周囲よりも孔径の大きな多孔質体により構成されていても良い。
これにより、陰極内部の固気液三相界面で生成されるN3−が流路を通じて陰極外方へと移動し易くなるので、陰極内部にN3−が留まって陰極反応の進行を阻害することを抑制し、アンモニア生成部へと速やかに供給することができる。
同様の目的で、供給される窒素ガスは、陰極の内部を通じて、溶融塩浴側へと排出されてもよい。
この窒素ガスの流動により、陰極内部に存在する溶融塩の撹拌や陰極外方への流動が生じるため、陰極内部で生成するN3−の逸散を促進するだけでなく、陰極反応場である固気液三相界面の面積が拡張するので、陰極反応の進行を促進させることができる。
窒素供給部150は、陰極130が接する気相部から、陰極130に窒素を供給するためのものである。窒素供給部150は、例えば、大気中の窒素を分離精製する機能を有する装置と、この窒素を陰極130まで流通させる流路とによって構成されている。
電源部160は、陽極121と陰極130との間に所定の電圧を印加するためのものである。
リード線170は、陽極121と電源部160とを電子的に接続するものである。図1に示すアンモニア電解合成装置1においては、陽極121に電流を流すための導電材のリード線170の一部は、一例として水蒸気供給部122内に接続されている。なお、必ずしもリード線170の一部が水蒸気供給部122内に接続される必要はないが、陽極121の一部が水蒸気供給部122の内部に配置されていない場合や、陽極121と水蒸気供給部122の壁面とが接触していない場合であっても、リード線170を、水蒸気供給路122内において陽極121と接続することによって、陽極121と水蒸気供給路122とを一体化することができる。
次に、アンモニア電解合成装置1におけるアンモニアの合成について説明する。
まず、水蒸気供給部122から陽極121に水蒸気が供給される。陽極121に供給された水蒸気は、水蒸気供給陽極部120内部で陽極121にまで到達する。このように構成された水蒸気供給陽極部120は、陽極121と水蒸気供給部122とを一体化したものである。
また、窒素供給部150から陰極130に窒素が供給される。その後、陽極121と陰極130との間に所定の電圧が印加される。
次に、陽極121に供給された水蒸気は、例えば、陽極121で酸化されてプロトンと酸素とを生成させる。
(9) 3HO → 6H+(3/2)O+6e
一方、陰極130には窒素ガスが供給される。陰極130に供給された窒素は陰極130で還元されて、窒化物イオンが生成される。
(10) N+6e → 2N3−
陽極121で生成したプロトンは、陰極130で生成した窒化物イオンと溶融塩111中で反応し、アンモニアを生成する。
(11) 6H+2N3− → 2NH
陽極全反応は次の通りである。
(12) 2N3−+3HO → 2NH+(3/2)O+6e
以上のように、アンモニア電解合成装置1は、溶融塩浴槽110と、陰極130と、陽極121と水蒸気供給部122とが一体化された水蒸気供給陽極部120とを備える。溶融塩浴槽110は、溶融塩111を収容するものである。陰極130は、溶融塩浴槽110内に配置されて窒素を還元するものである。
水蒸気供給部122と陽極121とを一体化することにより、アンモニア電解合成装置を簡略化することができるので、例えば、大面積の単セル型電解槽の構造を単純化できるのみならず、複数の単セルを積層配置することも容易となるなど、アンモニアの大量生産に向け、装置構成の自由度を飛躍的に高めることが可能なアンモニア電解合成装置1を提供することができる。
また、アンモニア電解合成装置1においては、陽極121は、少なくとも一部が溶融塩浴槽110に収容される溶融塩111に接触し、水蒸気供給部122を経て供給される水蒸気を、水蒸気供給陽極部120内部で陽極121に接する溶融塩にまで到達させることが可能であるように形成されている。
水蒸気供給陽極部120をこのように構成することによって、溶融塩浴槽110側に別途独立した水蒸気供給部を設けることなく、溶融塩浴槽110の外部から陽極121に接する溶融塩に直接水蒸気を供給することができる。
このようにすることにより、陽極121と水蒸気供給部122とを一体化することができる。この際、水蒸気供給部122が金属などの導電性材料の場合、同部分で意図しない電気化学反応が進行することの無いよう、水蒸気供給部122と陽極121は電子的に絶縁されているのが好ましい。
このようにして、陽極121と水蒸気供給部122とを一体化することにより、アンモニア電解合成装置を簡略化することができるので、例えば、大面積の単セル型電解槽の構造を単純化できるのみならず、複数の単セルを積層配置することも容易となるなど、アンモニアの大量生産に向け、装置構成の自由度を飛躍的に高めることが可能なアンモニア電解合成装置1を提供することができる。
(第2実施形態)
アンモニア大量生産に向けた電解槽構造の一例として、複数の第1実施形態の単セルを積層配置した電解槽構造のアンモニア電解合成装置2を、第2実施形態として図2に示す。この積層化アンモニア電解合成装置2は、溶融塩浴槽210と、水蒸気供給陽極部220と、陰極230と、酸素排出部241と、窒素供給部250と、電源部260と、セパレータ270とを備える。水蒸気供給陽極部220は、陽極221と水蒸気供給部222とを一体化したものである。
ここで図3(A)に示すように、セパレータ270の上表面(第1面)には、多数の溝271が形成され、セパレータ270の下表面(第2面)には、多数の溝272が形成されている。溝271と溝272は、それぞれ、気体を流通させるための流路の一例である。この実施形態においては、セパレータ270の第1面は陰極230(図2)に接触し、第2面は陽極221(図2)に接触するように、アンモニア電解装置2(図2)に配置される。窒素供給部250中の窒素ガスは、セパレータ270の第1面の溝271を通って陰極230に供給される。一方、水蒸気供給部222中の水蒸気は、セパレータ270の第2面の溝272を通って陽極221に供給される
このように、セパレータ270は、水蒸気と窒素ガスとを別々にそれぞれ陽極221、陰極230に供給するためのものである。セパレータ270が導電性であれば、別途電子的な接続部材を用いることなく単セル同士を電子的に接続できるので好ましい。セパレータ270の少なくとも一部は水蒸気供給部222内に配置されている。セパレータ270をこのように配置することにより、陽極221と水蒸気供給部222とが一体化されている。
このセパレータは、別の形態であってもよい。例えば、図3(B)に示すセパレータ270bは、図3(A)に示すセパレータ270と異なる点として、溝271が形成された第1面を含む第1部271aと、溝272が形成された第2面を含む第2部272aとから構成されている。第1部271aと第2部272aとは別個に形成されたものが接続されてセパレータ270bを構成している。このような構造にすることで、一部の単セルに不具合が生じた場合などに、第1部271aと第2部272aとを分離して、不具合の生じた単セルのみを取り外して修理・交換することが容易になる。また、個別の単セルを電子的に並列に接続することが可能になる。以下、この実施形態においては、セパレータは一例として図3(A)に示すセパレータ270を用いて説明する。
アンモニア電解合成装置2においては、図中に両側矢印Cで示す範囲のように、セパレータ270とセパレータ270との間に配置された陰極230と水蒸気供給陽極部220と窒素供給部250と、水蒸気供給陽極部220と陰極230との間の溶融塩211とが単セル200を形成している。すなわち、第2実施形態の積層化アンモニア電解合成装置2においては、第1実施形態のアンモニア電解合成装置1(図1)における水蒸気供給陽極部120と陰極130と窒素供給部150との組み合わせが単セル200を形成している。なお、この実施形態の単セル200内では、水蒸気供給陽極部220と陰極230が水平方向に並べて配置されている。これは、溶融塩中で気泡に働く浮力を利用して、水蒸気供給陽極部220と陰極部230の間で発生するアンモニアを、水蒸気供給陽極部220内で発生する酸素と効率的に分離するためである。また、図中では省略しているが、水蒸気供給陽極部220内には、生成するアンモニアと酸素を可能な限り分離回収できるよう、アンモニアの生成場と酸素の発生箇所を空間的に離すための機構(陽極多孔質構造の傾斜化や電極内整流板の設置)が設けてある。アンモニアと酸素とを分離することが可能であれば、水蒸気供給陽極部220と陰極230は、上下方向に並べて配置されていてもよい。
溶融塩浴槽210は、溶融塩211を収容するものであり、溶融塩211は図中に矢印Pで示す方向に、溶融塩浴槽210内で循環されている。基本的には、陽極近傍でのアンモニア気泡の発生に伴うガスリフトが、溶融塩211を循環させる駆動力を生じさせるが、さらに、例えば、溶融塩浴槽210の左下部にアルゴンガスや窒素ガス等を供給することによるガスリフトを用いたり、回転するプロペラ等を使用したりして、溶融塩211を循環させる駆動力を高めてもよい。
陽極221は、第1実施形態と同様、ガス拡散性を有する酸素発生陽極221であり、例えば多孔質に成形されている。陽極221は、例えば、多孔質ニッケルフェライトを用いることができる。陽極221は、下部が溶融塩211に接触し、上部が気相に接するように配置される。なお、陽極221は、水蒸気を陽極221内もしくは陽極221近傍の溶融塩211に供給できる形態であれば、多孔質に成形されていなくてもよく、例えば、水平方向に延びる平板を鉛直方向に間隔をあけて複数並べて構成されるものや、水平方向に延びる円筒を鉛直方向に密に束ねて構成されるようなものであってもよい。
陰極230は、溶融塩浴槽210内に配置されて窒素を還元するものである。陰極230も陽極221と同様、例えば多孔質に成形されている。陰極230は、例えば、多孔質Niを用いることができる。陰極230は、上部が溶融塩211中に接触し、下部が気相に接するように配置される。多孔質である陰極230と、陰極230内に供給された窒素と、陰極230内に濡れ上がった溶融塩211とによって、固気液の三相界面が形成される。なお、陰極230は、電極材料と窒素ガスと溶融塩との固気液三相界面が効率よく形成される形態であれば、多孔質に成形されていなくてもよく、例えば、水平方向に延びる平板を鉛直方向に間隔をあけて複数並べて構成されるものや、水平方向に延びる円筒を鉛直方向に密に束ねて構成されるようなものであってもよい。
陽極221と陰極230とは、溶融塩211を介して対向するように配置されている。
水蒸気供給部222は、図中に破線の矢印で示すように、水蒸気を、陽極221において陰極230と対向する面の裏面に接触させるように供給する。陽極221に供給された水蒸気は、陽極221を介して、陽極221に接する溶融塩に供給される。このように構成された水蒸気供給陽極部220は、陽極221と水蒸気供給部222とを一体化したものである。水蒸気供給部222が金属などの導電性材料の場合、同部分で意図しない電気化学反応が進行することの無いよう、水蒸気供給部222と陽極221は電子的に絶縁されているのが好ましい。
水蒸気供給部222は、酸素排出部241と連結されている。図2には、水蒸気供給部222において水蒸気の流路を構成する部分を示す。
酸素排出部241は、陽極で生成される酸素を陽極の周辺から取り除くためのものである。酸素排出部241は、例えば、酸素を流通させる流路と、排気ファンとによって構成されていてもよい。酸素は、図中に点線の矢印で示す方向に流れる。
窒素供給部250は、図中に一点鎖線の矢印で示すように、窒素を、陰極230において陽極221と対向する面の裏面に接触させるように供給する。未反応の窒素ガスは上部の流路を通って回収され、再利用される。なお、陰極230での反応によって生成する窒化物イオンの溶融塩中への逸散を促進させる目的で、陰極内部に溶融塩の流路を備える形態であったり、供給される窒素ガスが多孔質の陰極内部を通じて溶融塩中に排出される形態としてもよい。
電源部260は、最上段の陽極221と最下段の陰極230との間に所定の電圧を印加するためのものである。
アンモニア電解合成装置2は、複数の単セル200を備える。各単セル200同士は、セパレータ270を介して電子的に接続されている。このようにすることにより、コンパクトな単セル200を積層配置した電解槽構造を実現することができる。
セパレータを、図3(B)に示すような水蒸気供給側と窒素ガス供給側に分割できる構造のセパレータ270bにすることで、単セルに不具合が生じた場合などに、該当する単セルのみを取り外して修理・交換することが容易になる。また、個別の単セルを電子的に並列に接続することが可能になる。
アンモニア電解合成装置2におけるアンモニア合成の工程は、第1実施形態のアンモニア電解合成装置1と同様である。
上述の式(9)に示すように生成された酸素は、酸素排出部241を経て排出される。生成されたアンモニアは、循環する溶融塩211によって、各単セル200から速やかに排出され、溶融塩浴槽210から配管を通って、アンモニア電解合成装置2の上部において回収される。なお、アンモニアの回収は、アンモニア電解合成装置2の上部以外の位置から行われてもよい。
以上のように、アンモニア電解合成装置2は、溶融塩浴槽210と、陰極230と、水蒸気供給陽極部220とを備える。溶融塩浴槽210は、溶融塩211を収容するものである。陰極230は、溶融塩浴槽210内に配置されて窒素を還元するものである。水蒸気供給陽極部220は、陽極221と水蒸気供給部222とが一体化されたものである。
このようにすることにより、アンモニアの大量生産に向けた積層化電解槽を備えたアンモニア電解合成装置2を提供することができる。
また、アンモニア電解合成装置2は、陰極230に窒素を供給する窒素供給部250を備える。水蒸気供給陽極部220と陰極230との間には、溶融塩211が位置している。水蒸気供給陽極部220は、陽極221内部の溶融塩に水蒸気が供給されるように構成される。窒素供給部250は、陰極230に窒素が供給されるように構成されている。そして、それぞれ1つの陰極230と水蒸気供給陽極部220と、陰極230と水蒸気供給陽極部220との間の溶融塩211とが単セル200を形成している。
第2実施形態のアンモニア電解合成装置2のその他の構成と効果は、第1実施形態のアンモニア電解合成装置1と同様である。
(第3実施形態)
図4に示すように、第3実施形態のアンモニア電解合成装置3は、溶融塩浴槽310と、水蒸気供給陽極部320と、陰極330と、窒素供給部350と、電源部360とを備える。陽極部320は、陽極321と、水蒸気供給部322と、電解質部323と、水素透過金属膜324との集合体として構成される。
溶融塩浴槽310は、溶融塩311を収容するものである。溶融塩311としては、例えば、LiCl−KClやLiCl−KCl−CsClなどが用いられる。
陽極321は、酸素発生陽極であり、例えば多孔質に形成されガス拡散性を有している。陽極321は、例えば、多孔質ニッケルなどを用いることができる。
水蒸気供給部322は、陽極321が接する気相部から電解質部323に、さらにはこれと接する水素透過金属膜324表面に水蒸気を供給するためのものである。水蒸気供給部322は、例えば、水蒸気を流通させる流路によって構成されている。水蒸気供給部322は水蒸気を発生させる水蒸気発生部と、水蒸気発生部において発生させられた水蒸気を陽極321内部まで到達させる供給路とによって構成されていてもよい。図4には、水蒸気供給部322において水蒸気の供給路を構成する部分を示す。
電解質部323では、電解質の一例として溶融水酸化物(NaOHやKOH、あるいはこれらを成分とする溶融水酸化物など)が保持されており、アルミナ製等の多孔質セラミクス膜によって保持されていてもよい。
水素透過金属膜324はバイポーラ電極として働く。水素透過金属膜はPdやTa、Nb等、あるいはこれらをベースにした合金などが好ましい。
水蒸気供給陽極部320においては、上方から順に、上述の陽極321と、溶融水酸化物が保持された電解質部323と、水素透過金属膜324とが一体化されている。水蒸気供給陽極部320は、下部の水素透過金属膜324が溶融塩311に接触するように配置される。
陰極330は、溶融塩浴槽310内に配置されて窒素を還元するものである。アンモニア電解合成装置3においては、陰極330も陽極321と同様、多孔質に成形されている。陰極330は、例えば、多孔質Niを用いることができる。多孔質に成形されている陰極330と、陰極330内に供給された窒素と、陰極330内に濡れ上がった溶融塩311とによって、固気液の三相界面が形成される。なお、陰極330は、電極材料と窒素ガスと溶融塩との固気液三相界面が効率よく形成される形態であれば、多孔質に成形されていなくてもよく、例えば、鉛直方向に延びる平板を水平方向に間隔をあけて複数並べて構成されるものや、鉛直方向に延びる円筒を水平方向に密に束ねて構成されるようなものであってもよい。
窒素供給部350は、陰極330に窒素を供給するものである。窒素供給部350は、陰極330が接する気相部から、陰極330に窒素を供給するためのものである。窒素供給部350は、例えば、窒素を収容するボンベと、ボンベ内の窒素を陰極330まで流通させる流路とによって構成されている。
また、第1、第2実施形態と同様に陰極230での反応によって生成する窒化物イオンの溶融塩中への逸散を促進させる目的で、陰極内部に溶融塩の流路を備える形態であったり、供給される窒素ガスが多孔質の陰極内部を通じて溶融塩中に排出される形態としてもよい。
電源部360は、陽極321と陰極330との間に所定の電圧を印加するためのものである。
リード線370は、陽極321と電源部360とを電子的に接続するものである。図4に示すアンモニア電解合成装置3においては、陽極321に電流を流すための導電材のリード線370の一部は、一例として水蒸気供給部322内に接続されている。なお、必ずしもリード線370の一部が水蒸気供給部322内に接続される必要はない。
次に、アンモニア電解合成装置3におけるアンモニアの合成について説明する。
まず、水蒸気供給部322から陽極321に水蒸気が供給される。陽極321に供給された水蒸気は、陽極321を介して、少なくとも陽極321近傍の溶融水酸化物まで到達する。このように、陽極321を介して陽極321の近傍の溶融水酸化物まで水蒸気を到達させるように構成された水蒸気供給陽極部320は、陽極321と水蒸気供給部322とを一体化したものである。
また、窒素供給部350から陰極330に窒素が供給される。その後、陽極321と陰極330との間に所定の電圧が印加される。
水蒸気供給陽極部320に供給された水蒸気は、直接、もしくは電解質部323内に保持されている溶融水酸化物中への溶解を経て、バイポーラ電極の陰極として働く水素透過金属膜324の上面に到達し、還元される。このとき、電解質部323内に保持されている溶融水酸化物中に水酸化物イオンが生成されると同時に水素透過金属膜324内に水素が吸蔵される。
(13) 6HO+6e → 6H+6OH
生成した水酸化物イオンは陽極321で酸化され、酸素と水とが発生する。水は上式(13)で供給される水の一部として利用され、酸素は水蒸気供給部322へと排出される。
(14) 6OH → (3/2)O+3HO+6e
一方、陰極330には窒素ガスが供給される。陰極330に供給された窒素は陰極330で還元されて、窒化物イオンが生成される。
(15) N+6e → 2N3−
陽極部320の水素透過金属膜324の上面で生成し吸蔵された水素原子は膜内を拡散し、膜下面で、陰極330で生成された窒化物イオンとの反応によりアンモニアを生成する。
(16) 6H+2N3− → 2NH+6e
陽極部320での全反応は次の通りであり、生成したアンモニアと酸素は、水素透過金属膜324により完全に分離されている。
(17) 2N3−+3HO → 2NH+(3/2)O+6e
次に、水蒸気供給陽極部320の形態について説明する。水蒸気供給陽極部320の陽極321は、上述のように多孔質に成形されていてもよいし、例えば、鉛直方向に延びる平板を水平方向に間隔をあけて複数並べて構成されるものや、鉛直方向に延びる円筒を水平方向に密に束ねて構成されるようなものであってもよい。このように、陽極321は、水蒸気供給部322を経て供給される水蒸気を溶融水酸化物323にまで到達させられる形態であれば、多孔質に成形されていなくてもよい。
以上のように、アンモニア電解合成装置3は、溶融塩浴槽310と、陰極330と、水蒸気供給陽極部320とを備える。溶融塩浴槽310は、溶融塩311を収容するものである。陰極330は、溶融塩浴槽310内に配置されて窒素を還元するものである。陽極部320は、陽極321と水蒸気供給部322とが一体化されたものである。
このようにして、陽極321と水蒸気供給部322とを一体化することにより、アンモニア電解合成装置を簡略化することができるので、例えば、大面積の単セル型電解槽の構造を単純化できるのみならず、複数の単セルを積層配置することも容易となるなど、アンモニアの大量生産に向け、装置構成の自由度を飛躍的に高めることが可能なアンモニア電解合成装置3を提供することができる。
また、アンモニア電解合成装置3においては、水蒸気供給陽極部320は、水蒸気供給部322、陽極321、水素透過金属膜324と、溶融水酸化物を含む電解質323とからなる。水素透過金属膜324は、溶融塩浴槽310内に配置され、水蒸気供給部322を経て供給された水蒸気を還元するように構成されている。
陽極321と水素透過金属膜324との間は電子的に絶縁されており、電解質323はその双方に接触するように配置される。
水素透過金属膜324はバイポーラ電極として働く。陽極321は多孔質などの上記の形態であるのが好ましく、その場合、溶融水酸化物などの電解質は多孔質内を濡れ上がり、陽極321内部の一部または全部に溶融水酸化物などの電解質が存在することになる。
また、アンモニア電解合成装置3においては、陽極321は、水蒸気供給部322を経て供給される水蒸気を、少なくとも溶融水酸化物まで到達させることが可能であるように構成されている。
水素透過金属膜324表面まで直接、もしくは電解質部323内に保持されている溶融水酸化物中への溶解を経て到達した水蒸気は、バイポーラ電極である水素透過膜表面で電気化学的に還元されて、OHとともに水素透過金属膜324内に吸蔵水素を生成する。さらにOHは陽極321で酸化されて酸素を生成する。水素透過金属膜324内を溶融塩浴槽310側表面へ拡散した吸蔵水素は、バイポーラ電極の陽極として働く水素透過金属膜324の溶融塩浴槽310側の表面でのN3−との電気化学的な酸化反応によりアンモニアを生成する。
このように陽極321内部を経て直接、もしくは陽極321近傍の溶融水酸化物を通じて、水素透過膜表面に水が供給されることで上記のような反応が進行するのであれば、陽極321は多孔質である必要はない。
水蒸気供給陽極部320をこのように構成することによって、溶融塩浴槽310側に別途独立した水蒸気供給部322を設けることなく、水蒸気供給陽極部320に含まれる水素透過金属膜324表面に、溶融塩浴槽310の外部から水蒸気を供給することができる。水蒸気供給陽極部320は、溶融塩浴槽310内の溶融塩311から水素透過金属膜324によって隔離されるので、水蒸気供給陽極部320に供給される水蒸気が溶融塩浴槽310内の溶融塩311に混入することがない。また水蒸気供給陽極部320内に溶融塩浴槽310と異なる電解質を保持することができる。
このようにすることにより、陽極321と水蒸気供給部322とを一体化することができる。この際、水蒸気供給部322が金属などの導電性材料の場合、同部分で意図しない電気化学反応が進行することの無いよう、水蒸気供給部322と陽極321、水蒸気供給部322と水素透過金属膜324は電子的に絶縁されているのが好ましい。
このようにして、陽極321と水蒸気供給部322とを一体化することにより、アンモニア電解合成装置3を簡略化することができるので、例えば、大面積の単セル型電解槽の構造を単純化できるのみならず、複数の単セルを積層配置することも容易となるなど、アンモニアの大量生産に向け、装置構成の自由度を飛躍的に高めることが可能なアンモニア電解合成装置3を提供することができる。
第3実施形態のアンモニア電解合成装置3のその他の構成と効果は、第1実施形態のアンモニア電解合成装置1と同様である。
(第4実施形態)
アンモニア大量生産に向けた電解槽構造の一例として、複数の第3実施形態の単セルを積層配置した電解槽構造のアンモニア電解合成装置4を、第4実施形態として図5に示す。この積層化アンモニア電解合成装置4は、溶融塩浴槽410と、水蒸気供給陽極部420と、陰極430と、酸素排出部441と、窒素供給部450と、電源部460と、セパレータ470とを備える。水蒸気供給陽極部420は、陽極421と水蒸気供給部422とが一体化されたものであり、電解質部423と水素透過金属膜424とを含む。
アンモニア電解合成装置4においては、図中に両側矢印Cで示す範囲のように、セパレータ470とセパレータ470との間に配置された陰極430と水蒸気供給陽極部420と窒素供給部450と、陽極部420と陰極430との間の溶融塩411とが単セル400を形成している。すなわち、第4実施形態の積層化アンモニア電解合成装置4においては、第3実施形態のアンモニア電解合成装置3(図4)における陽極部320と陰極330と窒素供給部350との組み合わせが単セル400を形成している。図5に示す単セル400内では水蒸気供給陽極部420が陰極430の上方に配置されているが、水蒸気供給陽極部420が陰極430の下方に配置されていてもよい。
溶融塩浴槽410は、溶融塩411を収容するものであり、溶融塩411は図中に矢印Pで示す方向に、溶融塩浴槽410内で循環されている。基本的には、電極を傾斜させて設置することにより、陽極近傍でのアンモニア気泡の発生に伴うガスリフトが、溶融塩411を循環させる駆動力を生じさせるが、さらに、例えば、溶融塩浴槽410の左下部にアルゴンガスや窒素ガス等を供給することによるガスリフトを用いたり、回転するプロペラ等を使用したりして、溶融塩411を循環させる駆動力を高めてもよい。
水蒸気供給陽極部420は、陽極421と、水蒸気供給部422と、電解質部423と、水素透過金属膜424により構成される。水蒸気供給陽極部420は、上方から順に、上述の陽極421と、溶融水酸化物が保持された電解質部423と、水素透過金属膜424とが一体化されていることが好ましい。
陽極421は、酸素発生陽極であり、例えば多孔質であることでガス拡散性を有する。陽極421は、例えば、多孔質ニッケルなどを用いることができる。
水蒸気供給部422は、図中に破線の矢印で示すように、水蒸気供給陽極部420に水蒸気を供給する。水蒸気供給部422は、酸素排出部441と連結されている。図5には、水蒸気供給部422において水蒸気の流路を構成する部分を示す。
水蒸気供給部422は、水蒸気を、陽極421を介して、少なくとも陽極421内もしくは陽極421近傍の溶融水酸化物に供給する。このように、陽極421を介して、少なくとも陽極421内または陽極421近傍の溶融水酸化物まで水蒸気を到達させるように構成された水蒸気供給陽極部420は、陽極421と水蒸気供給部422とを一体化したものである。水蒸気供給部422が金属などの導電性材料の場合、同部分で意図しない電気化学反応が進行することの無いよう、水蒸気供給部422と陽極421は電子的に絶縁されているのが好ましい。
電解質部423では、アルミナ製等の多孔質膜によって、溶融水酸化物が保持される。
水素透過金属膜424はバイポーラ電極として働く。水素透過金属膜はPdやTa、Nb等、あるいはこれらをベースにした合金などが好ましい。
陽極部420においては、上方から順に、上述の陽極421と溶融水酸化物が保持された電解質部423と水素透過金属膜424とが一体化されている。陽極部420は、下部の水素透過金属膜424が溶融塩411に接触するように配置される。
陰極430は、溶融塩浴槽410内に配置されて窒素を還元するものである。多孔質に成形されている陰極430と、陰極430内に供給された窒素と、陰極430内に濡れ上がった溶融塩411とによって、固気液の三相界面が形成される。
水蒸気供給陽極部420と陰極430とは、溶融塩411を介して対向するように配置されている。水蒸気供給陽極部420の水素透過金属膜424は、陽極421において陰極430と対向する面に接続されている。
酸素排出部441は、陽極部420で生成される酸素を陽極の周辺から回収するためのものである。酸素排出部441は、例えば、酸素を流通させる流路と、排気ファンとによって構成されていてもよい。酸素は、図中に点線の矢印で示す方向に流れる。
窒素供給部450は、図中に一点鎖線の矢印で示すように、窒素を、陰極430において陽極421と対向する面の裏面に接触させるように供給する。未反応の窒素ガスは上部の流路を通って回収され、再利用される。なお、陰極430での反応によって生成する窒化物イオンの溶融塩中への逸散を促進させる目的で、陰極内部に溶融塩の流路を備える形態であったり、供給される窒素ガスが多孔質の陰極内部を通じて溶融塩中に排出される形態としてもよい。
電源部460は、最上段の陽極421と最下段の陰極430との間に所定の電圧を印加するためのものである。
セパレータ470は、水蒸気と窒素ガスとを別々にそれぞれ陽極421、陰極430に供給するためのものである。セパレータ470が導電性であれば、別途電子的な接続部材を用いることなく単セル同士を電子的に接続できるので好ましい。セパレータ470は、図3に示す第2実施形態のセパレータ270,270bと同様に構成されている。セパレータ470の少なくとも一部は水蒸気供給部422内に配置されている。
アンモニア電解合成装置4は、複数の単セル400を備える。各単セル400同士は、セパレータ470を挟んで電子的に接続されている。このようにすることにより、コンパクトな単セル400を積層配置した電解槽構造を実現することができる。
セパレータ470を、図3(B)に示すような水蒸気供給側と窒素ガス供給側に分割できる構造を有するセパレータ270bにすることで、単セルに不具合が生じた場合などに、該当する単セルのみを取り外して修理・交換することが容易になる。また、個別の単セルを電子的に並列に接続することが可能になる。
アンモニア電解合成装置4におけるアンモニアの合成の工程は、第3実施形態のアンモニア電解合成装置3と同様である。
上述の式(14)に示すように生成された酸素は、酸素排出部441を経て排出される。生成されたアンモニアは、循環する溶融塩411を経て、各単セル400から速やかに排出され、溶融塩浴槽410から配管を通って、アンモニア電解合成装置4の上部(上部タンク)において回収される。なお、アンモニアの回収は、アンモニア電解合成装置4の上部以外の位置から行われてもよい。
この実施形態においては、第2実施形態とは異なり、単セル400内で水蒸気供給陽極部420と陰極430とが鉛直方向に一体化されている。これは、第4実施形態においては、水素透過金属膜424によってアンモニアと酸素とが容易に分離されるためである。なお、第4実施形態においても、第2実施形態と同様、水蒸気供給陽極部420と陰極430とが水平方向に沿って並べて配置されていてもよい。
以上のように、アンモニア電解合成装置4は、溶融塩浴槽410と、陰極430と、水蒸気供給陽極部420とを備える。溶融塩浴槽410は、溶融塩411を収容するものである。陰極430は、溶融塩浴槽410内に配置されて窒素を還元するものである。水蒸気供給陽極部420は、陽極421と水蒸気供給部422とが一体化されたものであり、電解質部423と水素透過金属膜424とを含む。
また、アンモニア電解合成装置4は、陰極430に窒素を供給する窒素供給部450を備える。水蒸気供給陽極部420と陰極430との間には、溶融塩411が保持される。水素透過金属膜424は、水蒸気供給陽極部420において溶融塩411と接する面に配置される。水蒸気供給陽極部420は、少なくとも水蒸気供給陽極部420に含まれる電解質部423に水蒸気を供給し、水素透過金属膜424の表面に水蒸気を到達させるように構成される。窒素供給部422は、陰極430に窒素が供給されるように構成されている。そして、それぞれ1つの陰極430と陽極部420と、陰極430と水蒸気供給陽極部420との間の溶融塩411とが単セルを形成している。
第4実施形態のアンモニア電解合成装置4のその他の構成と効果は、第2実施形態のアンモニア電解合成装置2と同様である。
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。
1,2,3,4:アンモニア電解合成装置、200,400:単セル、110,210,310,410:溶融塩浴槽、111,211,311,411:溶融塩、120,220,320,420:水蒸気供給陽極部、121,221,321,421:陽極、122,222,322,422:水蒸気供給部、323,423:電解質部、324,424:水素透過金属膜、130,230,330,430:陰極、150,250,350,450:窒素供給部。

Claims (9)

  1. 溶融塩を収容する溶融塩浴槽と、
    前記溶融塩浴槽内に配置されて窒素を還元する陰極と、
    前記陰極の対極となる陽極と前記陽極に水蒸気を供給する水蒸気供給部とが一体化された水蒸気供給陽極部とを備える、アンモニア電解合成装置。
  2. 前記水蒸気供給陽極部は、少なくとも一部が前記溶融塩浴槽に収容される溶融塩に接触し、前記水蒸気供給部を経て供給される水蒸気を前記陽極内部または前記陽極近傍の溶融塩まで到達させることが可能であるように構成されている、請求項1に記載のアンモニア電解合成装置。
  3. 前記水蒸気供給陽極部は、水素透過金属膜と、前記陽極と前記水素透過金属膜との間に保持される電解質とを含み、
    前記水素透過金属膜は、前記溶融塩浴槽内に配置されて前記水蒸気供給部を経て供給された水蒸気を還元するように構成されている、請求項1に記載のアンモニア電解合成装置。
  4. 前記電解質は溶融水酸化物を含む、請求項3に記載のアンモニア電解合成装置。
  5. 前記水蒸気供給陽極部は、前記水蒸気供給部を経て供給される水蒸気を、少なくとも前記溶融水酸化物まで到達させることが可能であるように構成されている、請求項4に記載のアンモニア電解合成装置。
  6. 前記陰極に窒素を供給する窒素供給部を備え、
    前記水蒸気供給陽極部と前記陰極との間には、前記溶融塩が保持され、
    前記水蒸気供給陽極部は、前記陽極内に水蒸気が供給されるように構成され、
    前記窒素供給部は、前記陰極に窒素が供給されるように構成されており、
    それぞれ1つの前記陰極と前記陽極部と、前記陰極と前記水蒸気供給陽極部との間の溶融塩とが単セルを形成している、請求項2に記載のアンモニア電解合成装置。
  7. 前記陰極に窒素を供給する窒素供給部を備え、
    前記水蒸気供給陽極部と陰極との間には、前記溶融塩が保持され
    前記水素透過金属膜は、前記溶融塩に接する面に配置され、
    前記水蒸気供給陽極部は、前記水蒸気供給陽極部に含まれる前記水素透過金属膜の表面にまで水蒸気を到達させるように構成され、
    前記窒素供給部は、前記陰極に窒素が供給されるように構成されており、
    それぞれ1つの前記陰極と前記水蒸気供給陽極部と、前記陰極と前記水蒸気供給陽極部との間の溶融塩とが単セルを形成している、請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載のアンモニア電解合成装置。
  8. 複数の前記単セルを備える、請求項6または請求項7に記載のアンモニア電解合成装置。
  9. 前記陰極は多孔質である、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のアンモニア電解合成装置。
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