以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図5を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図5を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図5を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図5を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図5を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取り付け位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取り付け位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取り付け位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(可変表示部)として第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。なお、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口13と、第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15とが設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開放状態とされる。可変入賞球装置15が開放状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり、遊技者にとって有利な状態になる。なお、この実施の形態では、可変入賞球装置15が開放状態である場合にのみ入賞可能となるように構成する場合を示しているが、可変入賞球装置15が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成してもよい。例えば、第1始動入賞口13を図1に示す位置よりも上方に設け、可変入賞球装置15が閉鎖状態であっても、第2始動入賞口14に入賞可能となるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aと、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bとが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1始動入賞口13に対する有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やし、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2始動入賞口14に対する有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やし、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、後述する可変入賞球装置(役物)24内に設けられた特定領域(V入賞領域)に遊技球が入賞したときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
なお、この実施の形態では、以下、特別図柄表示器に大当り図柄が導出表示されたことにもとづいて発生する大当り遊技状態を第1大当り遊技状態(または第1大当り遊技)といい、可変入賞球装置(役物)内に設けられた特定領域に遊技球がV入賞したことにもとづいて発生する大当り遊技状態を第2大当り遊技状態(または第2大当り遊技)といって区別する場合がある。
また、遊技領域7の右下方には、可変入賞球装置(役物)24が設けられている。可変入賞球装置(役物)24は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに開放表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに、ソレノイド25によって開閉板が開放状態に制御されることによって、可変入賞球装置(役物)24が開放状態になる。可変入賞球装置(役物)24内に進入した全ての遊技球は役物入賞スイッチ28で検出される。なお、役物入賞スイッチ28は、例えば、光センサにより実現可能である。可変入賞球装置(役物)24内には特定領域(V入賞領域)が設けられており、可変入賞球装置(役物)24内に進入した遊技球のうち特定領域に入賞した遊技球はV入賞スイッチ29で検出される。また、特定領域以外の領域に入賞した遊技球は役物排出スイッチ30で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
演出表示装置9の右方には、遊技球が通過可能なゲート32が設けられている。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、この実施の形態では、通常状態と比べて図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)において、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる(高ベース状態となる)。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28bが設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置550(図2参照)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レール551(図2参照)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に対応する。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、時短大当りとなった場合には、遊技状態を時短状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、第2特別図柄表示器8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開放状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開放状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開放状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開放状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄であったりする場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉鎖状態から開放状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開放状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、この実施の形態では、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(以下、普通図柄時短状態と区別する場合に特別図柄時短状態ともいう)に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
この実施の形態では、遊技状態が通常状態(低ベース状態)に制御されているときには、遊技者は遊技領域の左方を狙って発射操作を行い、遊技状態が時短状態(高ベース状態)に制御されているときには、遊技者は遊技領域の右方を狙って発射操作を行う。
具体的には、遊技状態が通常状態に制御されているときに遊技者が遊技領域の左方を狙って発射操作を行い、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづいて変動表示が実行されて大当りとなった場合には、その大当り種別が時短大当りである場合には(本例では、50%の割合で時短大当りとなる)、その大当り遊技の終了後に時短状態に移行される。また、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづいて変動表示が実行されて小当りとなり、開放状態に制御された可変入賞球装置(役物)24内の特定領域(V入賞領域)に遊技球がV入賞した場合には、その小当り種別が時短小当り(詳細については後述する)である場合には(本例では、50%の割合で時短小当りとなる)、V入賞したことにもとづいて発生する大当り遊技の終了後に時短状態に移行される。そして時短状態に移行されると、遊技者は遊技領域の右方を狙って発射操作する遊技に切り替える。また、遊技状態が時短状態に制御されているときには遊技者は遊技領域の右方を狙って発射操作を行い、所定回数(本例では、100回)の特別図柄の可変表示をおこなうことを契機に通常状態に戻り、再び遊技者は遊技領域の左方を狙って発射操作する遊技に戻る。
図2は、打球発射機構を説明するための説明図である。図2に示すように、打球発射装置550から発射された遊技球は、打球発射レール552を通って打球発射口553から打球レール551に投入された後、打球レール551を通って遊技領域7に投入される。また、この実施の形態では、図2に示すように、打球発射口553の付近に打球発射装置550から発射された遊技球を検出するための発射確認スイッチ37bが設けられている。
なお、駆動モータの回転力が十分でなく打球発射装置550から発射された遊技球の打力が弱い場合には、発射された遊技球が遊技領域7まで到達することができず、打球レール551を逆戻りしてファール球となる場合がある。そのため、図2に示すように、打球発射機構にはファール球回収口510が設けられており、打球レール551を逆戻りするファール球を回収するようになっている。また、この実施の形態では、図2に示すように、ファール球回収口510内にファール球を検出するためのファール球検出スイッチ510aが設けられている。
なお、この実施の形態では、図1に示すようにアウト口26にアウト球検出スイッチ26aを設けるとともに、図2に示すようにファール球回収口510にもファール球検出スイッチ510aを設ける場合を示しているが、アウト球検出スイッチ26aおよびファール球検出スイッチ510aを設けないように構成してもよいし、アウト球検出スイッチ26aまたはファール球検出スイッチ510aのいずれか一方のみを設けるように構成してもよい。
図3は、この実施の形態の遊技機の遊技の進み方の一例を示す説明図である。図3に示すように、始動入賞が生ずると、遊技の進行を制御する遊技制御手段によって抽選が実行される。抽選の結果は、「大当り」「小当り」または「はずれ」となる。そして、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)および演出図柄の変動(可変表示)が開始される。特別図柄および演出図柄の変動が終了すると、大当りに決定されている場合(大当り図柄が導出表示された場合)には、遊技状態が大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行される。第1大当り遊技状態では、抽選の結果(大当り種別)に応じて、大入賞口が4回または16回(1ラウンドの開放許容時間は29秒)開閉制御される。
小当りに決定されている場合(小当り図柄が導出表示された場合)には、遊技制御手段は、可変入賞球装置(役物)24を所定期間(例えば5秒)開放状態に制御して小当り遊技を開始させる。開放状態になる回数(開放回数)は、1回である。小当り遊技状態において、遊技球が可変入賞球装置(役物)24に入賞し、さらに、遊技球が特定領域(V入賞領域)に遊技球がV入賞した場合にはV入賞が発生する。V入賞が発生すると、遊技状態が大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行される。第2大当り遊技状態では、抽選の結果(小当り種別)に応じて、大入賞口が4回または16回(1ラウンドの開放許容時間は29秒)開閉制御される。なお、小当り遊技状態において、V入賞が発生しなかった場合には、第2大当り遊技状態に移行しない。
図4は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、時短フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、役物入賞スイッチ28、V入賞スイッチ29、役物排出スイッチ30からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および可変入賞球装置(役物)24を開閉するソレノイド25を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
払出制御基板37は、払出中継基板37aを介して発射確認スイッチ37bと接続されている。そのため、打球発射装置550から発射された遊技球が発射確認スイッチ37bで検出されると、その検出信号が払出中継基板37aおよび払出制御基板37を介して主基板31に入力される。また、払出中継基板37aは、ハンドル中継基板37cを介してタッチセンサ37dおよび単発発射スイッチ37eと接続されている。そのため、遊技者が打球操作ハンドル5を操作したことをタッチセンサ37dが検出し、その検出信号がハンドル中継基板37c、払出中継基板37aおよび払出制御基板37を介して主基板31に入力される。また、遊技者が単発発射スイッチ37eを操作した場合も、その操作信号がハンドル中継基板37c、払出中継基板37aおよび払出制御基板37を介して主基板31に入力される。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28bおよび打球レール551の先端に設けられているレール先端LED28aの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
なお、演出制御手段には、後述するように、スティックコントローラ122が備えるトリガセンサ125や傾倒方向センサユニット123、バイブレータ用モータ126、およびプッシュボタン120が備えるプッシュセンサ124にも接続されているのであるが(図5参照)、図4では図示を省略している。
図5は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図5には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図4に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28bなどの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図6は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(非時短大当り、時短大当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図7に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理(電源断処理)を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、役物入賞スイッチ28、V入賞スイッチ29および役物排出スイッチ30の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、打球発射装置550から発射された遊技球を発射確認スイッチ37bで検出し、その検出信号が払出中継基板37aおよび払出制御基板37を介して主基板31に入力されたことを演出制御基板80に送信する処理を行う発射球検出処理を実行する(ステップS21a)。これにより、演出制御基板80は、打球発射装置550から遊技球が発射されたこと(発射操作があったこと)および遊技球の発射タイミングを検出できる。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23およびV入賞スイッチ29の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、またはV入賞スイッチ29のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
図8は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図8に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図8に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図8に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4の変動パターンが用意されている。図8に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。
また、図8に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。
なお、この実施の形態では、図8に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。
図9は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1−1)ランダム1−1(MR1−1):大当りの種類(後述する4R大当り、4R時短大当り、16R時短大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(1−2)ランダム1−2(MR1−2):小当りの種類(後述するV入賞時4R大当り、V入賞時4R時短大当り、V入賞時16R時短大当り)を決定する(小当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図7に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図10(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、第1大当りとするか否かを決定するためのテーブルであり、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。すなわち、図10(A)に記載されている数値が大当り判定値となる。
また、図10(B)は、第1小当り判定テーブルを示す説明図である。第1小当り判定テーブルとは、第1特別図柄用の可変表示結果を小当りとするか否かを決定するためのテーブルであり、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。すなわち、図10(B)に記載されている数値が小当り判定値となる。
また、図10(C)は、第2小当り判定テーブルを示す説明図である。第2小当り判定テーブルとは、第2特別図柄用の可変表示結果を小当りとするか否かを決定するためのテーブルであり、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。すなわち、図10(C)に記載されている数値が小当り判定値となる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図10(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する4R大当り、4R時短大当り、16R時短大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図10(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図9(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示し、図10(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態(本例では、可変入賞球装置(役物)24が開放状態に制御され、特定領域(V入賞領域)に遊技球がV入賞可能な状態)に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、図10(C)に示す例では、第2始動入賞口14に入賞したことにもとづいて行われる第2特別図柄の可変表示結果は、1/2の確率で小当りとなるように構成されているが、例えば、99/100の確率のように、ほぼ小当りとなるように構成してもよい。このように構成することで、第2特別図柄の可変表示が行われること、すなわち可変入賞球装置15が開放状態に制御されることで第2始動入賞口14に入賞可能となる状態(時短状態)を、通常状態に比べてより有利な遊技状態とすることができる。
また、この実施の形態では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示結果が小当りとなると、可変入賞球装置(役物)24が開放状態に制御され、開放状態に制御された可変入賞球装置(役物)24の特定領域(V入賞領域)にV入賞したことにもとづいて、大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に制御されるように構成されているが、このような構成には限られない。例えば、第2特別図柄の場合にのみ可変表示結果が小当りとなるようにしてもよい。すなわち、第2始動入賞口14への入賞である場合にのみ、小当りとなる可能性が生ずるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれでも可変表示結果が小当りとならないようにしてもよい。すなわち、第2大当りがなく、第1大当りが発生するか否かを楽しむ構成であってもよい。
図10(D)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。大当り種別判定テーブルは、特別図柄の可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに(すなわち、第1大当りと決定されたときに)、大当り種別判定用の乱数(ランダム1−1)にもとづいて、第1大当りの種別を「4R大当り」、「4R時短大当り」、「16R時短大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。この実施の形態では、大当り種別として、「4R大当り」、「4R時短大当り」および「16R時短大当り」があり、「4R大当り」を「非時短大当り」、「4R時短大当り」および「16R時短大当り」を「時短大当り」とも称する。図10(D)に示すように、特別図柄の可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときには、40%の割合で「非時短大当り」(すなわち4R大当り)に、60%の割合で「時短大当り」(すなわち4R時短大当りまたは16R時短大当り)に決定するようになっている。
「4R大当り」とは、4ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に遊技状態を時短状態に移行させずに通常状態とする大当りである。
「4R時短大当り」および「16R時短大当り」とは、4ラウンドまたは16ランウドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に遊技状態を時短状態に移行させる大当りである(ステップS167参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると時短状態が終了する(ステップS168,S137〜S140参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短状態を終了する(ステップS132参照)。
大当り種別判定テーブルには、ランダム1−1の値と比較される数値であって、4R大当り」、「4R時短大当り」および「16R時短大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1−1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図10(E)は、ROM54に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。小当り種別判定テーブルは、特別図柄の可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに(すなわち、可変入賞球装置(役物)24を開放状態に制御すると決定され、開放状態に制御された可変入賞球装置(役物)24の特別領域(V入賞領域)にV入賞すると、第2大当りとなると決定されたとき)、大当り種別判定用の乱数(ランダム1−2)にもとづいて、小当りの種別を「V入賞時4R大当り」、「V入賞時4R時短大当り」、「V入賞時16R時短大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。この実施の形態では、小当り種別として、「V入賞時4R大当り」、「V入賞時4R時短大当り」および「V入賞時16R時短大当り」があり、「V入賞時4R大当り」を「非時短小当り」、「V入賞時4R時短大当り」および「V入賞時16R時短大当り」を「時短小当り」とも称する。図10(E)に示すように、特別図柄の可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときには、40%の割合で「非時短小当り」(すなわちV入賞時4R大当り)に、60%の割合で「時短小当り」(すなわちV入賞時4R時短大当りまたはV入賞時16R時短大当り)に決定するようになっている。
「V入賞時4R大当り」とは、小当りによって、可変入賞球装置(役物)24を開放状態に制御され、開放状態に制御された可変入賞球装置(役物)24の特別領域(V入賞領域)にV入賞すると、第2大当り遊技として、4ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に遊技状態を時短状態に移行させずに通常状態とする小当りである。
「V入賞時4R時短大当り」および「V入賞時16R時短大当り」とは、小当りによって、可変入賞球装置(役物)24が開放状態に制御され、開放状態に制御された可変入賞球装置(役物)24の特別領域(V入賞領域)にV入賞すると、第2大当り遊技として、4ラウンドまたは16ランウドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に遊技状態を時短状態に移行させる小当りである(ステップS167参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると時短状態が終了する(ステップS168,S137〜S140参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短状態を終了する(ステップS132参照)。
小当り種別判定テーブルには、ランダム1−2の値と比較される数値であって、「V入賞時4R大当り」、「V入賞時4R時短大当り」および「V入賞時16R時短大当り」のそれぞれに対応した判定値(小当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1−2の値が小当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、小当りの種別を、一致した小当り種別判定値に対応する種別に決定する。
この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が小当り図柄であることによって、可変入賞球装置(役物)24が所定期間、開放状態に制御されるが、開放状態に制御されている期間中に可変入賞球装置(役物)24の特別領域(V入賞領域)に遊技球がV入賞しない場合には、第2大当りは発生しない。したがって、特別図柄の可変表示結果が小当り図柄であって、小当り種別として「V入賞時16R時短大当り」と決定されても、可変入賞球装置(役物)24の特別領域(V入賞領域)に遊技球がV入賞しない場合には、大当り遊技状態に制御されず、時短状態にも制御されない。
なお、この実施の形態では、図10(B),(C)に示す小当り判定テーブルを用いて、特別図柄の可変表示結果が小当りと判定されたとき(後述するステップS66)に、小当り種別を決定する(後述するステップS68)ように構成されているが、これに限らず、例えば、特別図柄の可変表示結果が小当りと判定されたこと(後述するステップS66)にもとづいて、可変入賞球装置(役物)24を開放状態に制御し、可変入賞球装置(役物)24の特別領域(V入賞領域)に遊技球がV入賞したときに、第2大当りの大当り種別を抽選等により決定するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれの可変表示であるかに関わらず、同じ大当り種別判定テーブルおよび小当り種別判定テーブルを用いるように構成されているが、例えば、第1特別図柄の可変表示である場合と第2特別図柄の可変表示である場合とで、異なる大当り種別判定テーブルおよび小当り種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。例えば、第2特別図柄の可変表示である場合に用いられる大当り種別判定テーブルおよび小当り種別判定テーブルについては、第1特別図柄の可変表示である場合に用いられるものに比べて、有利な大当りまたは小当りとなる割合が高くなる(例えば、「16R時短大当り」や「V入賞時16R時短大当り」となる割合が高い)ようにしてもよい。
図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図11に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図8に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C07(H)は、大当りまたは小当りとするか否か、および大当り種別または小当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C07(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C07(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8F00(H)は、可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA000(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA300(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1特別図柄に対する第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2特別図柄に対する第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第1特別図柄に対する第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC101(H)は、第2特別図柄に対する第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、保留記憶情報として、保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド、第1保留記憶数減算指定コマンド、第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信する場合を示しているが、保留記憶情報の形態は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、保留記憶数の値そのものを指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンドD000(H)は、V入賞スイッチ29が遊技球の入賞を検出したことを指定する演出制御コマンド(V入賞スイッチ検出指定コマンド)である。
コマンドD100(H)は、可変入賞球装置(役物)24を開放状態に制御したこと(すなわち、役物開放を開始したこと)を指定する演出制御コマンド(役物開放開始指定コマンド)である。コマンドD200(H)は、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御したこと(すなわち、役物開放を終了したこと)を指定する演出制御コマンド(役物開放終了指定コマンド)である。
コマンドE100(H)は、打球発射装置550から発射された遊技球が発射確認スイッチ37bで検出されたこと(すなわち、遊技球の発射を検出したこと)を指定する演出制御コマンド(発射球検出指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、各種の演出制御を実行する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図11に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドを利用することによって、開放中の可変入賞球装置(役物)24へ遊技球を入賞させることが可能な入賞可能期間を特定する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、特定した入賞可能期間に遊技球の発射が検出されたときには、効果音を発生させる演出を実行する。演出制御用マイクロコンピュータ100による具体的な制御例は後述する。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図12は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する発射球検出処理(ステップS21a)の一例を示すフローチャートである。上述したように、発射球検出処理では、打球発射装置550から発射された遊技球を発射確認スイッチ37bで検出し、その検出信号が払出中継基板37aおよび払出制御基板37を介して主基板31に入力されたことを演出制御基板80に送信する処理を行う。具体的に、CPU56は、発射確認スイッチ37bがオン状態であることを示す検出信号が主基板31に入力されたか否かを確認する(ステップS501)。発射確認スイッチ37bがオン状態であることを示す検出信号が主基板31に入力された場合(ステップS501:Y)、CPU56は、演出制御基板80に発射球検出指定コマンドを送信する(ステップS502)。一方、発射確認スイッチ37bがオン状態であることを示す検出信号が主基板31に入力されない場合(ステップS501:N)、CPU56は、ステップS502の処理をスキップする。
なお、演出制御基板80は、打球発射装置550が遊技球を発射したことを、CPU56から送信される発射球検出指定コマンドに基づいて認識しているが、発射確認スイッチ37bの検出信号が直接入力され、当該検出信号に基づいて認識してもよい。また、遊技球が発射されたか否かについて、演出制御基板80で主体的に認識する場合について説明したが、これに限定されず、打球発射装置550の制御部が設けられる発射制御基板、払出制御基板37や主基板31などで主体的に認識してもよい。また、演出制御基板80は、発射操作があったことを、CPU56から送信される発射操作指定コマンドに基づいて認識してもよい。
図13は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)の一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。
ステップS312の始動口スイッチ通過処理を実行すると、CPU56は、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄の可変表示の表示結果を大当りまたは小当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットし、小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされ、小当りフラグは、小当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図28参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
役物開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。役物開放前処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド25を駆動して可変入賞球装置(役物)24を開放状態に制御する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に応じた値(この例では9)に更新する。
役物開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。役物開放中処理では、可変入賞球装置(役物)24内の特定領域(V入賞領域)に遊技球がV入賞すれば、ソレノイド25の駆動を停止して可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値(この例では5)に更新する。一方、特定領域(V入賞領域)に遊技球がV入賞することなく開放時間を経過した場合にも、ソレノイド25の駆動を停止して可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に応じた値(この例では10)に更新する。
役物開放後処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。役物開放後処理では、可変入賞球装置(役物)24内の特定領域(V入賞領域)に遊技球がV入賞すれば、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値(この例では5)に更新する。一方、特定領域(V入賞領域)に遊技球がV入賞することなく、可変入賞球装置(役物)24に入賞した全ての遊技球が排出された場合(役物入賞スイッチ28に検出された全ての遊技球が役物排出スイッチ30に検出された場合)、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
図14は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS217に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS217に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図15参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1−1)、小当り種別判定用乱数(ランダム1−2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出したり、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図15は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図15に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1−1)、小当り種別判定用乱数(ランダム1−2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS216)。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS217)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS218)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS219)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS220)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図15参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS221)。なお、ステップS221の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1−1)、小当り種別判定用乱数(ランダム1−2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS222)。
図16および図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、時短フラグがセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、変動ごとに背景指定コマンドを毎回送信する場合を示しているが、例えば、変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化したか否かを判定するようにし、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成すれば、背景指定コマンドの送信回数を低減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出図柄コマンド制御処理(ステップS30)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図10参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、具体的には、CPU56は、大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図10(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS62に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値が大当り判定値に一致しなければ(ステップS61のN)、ステップS66に移行する。
ステップS62では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。次いで、CPU56は、図10(D)に示す大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1−1)の値と一致する値に対応した種別(「4R大当り」、「4R時短大当り」または「16R時短大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS64)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS65)。例えば、大当り種別が「4R大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「4R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「16R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
ステップS66では、小当り判定の処理を行う。具体的には、CPU56は、小当り判定テーブルを使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、小当り判定用乱数(ランダムR)の値が図10(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。小当りとすることに決定した場合には(ステップS66)、ステップS67に移行する。なお、小当りとするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を小当り図柄とするか否か決定するということでもある。また、この場合に、図10(B),(C)に示すように、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、小当りとすると決定される割合が高い。
小当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの小当り判定値にも一致しなければ(ステップS66のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS70に移行する。
ステップS67では、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットする。次いで、CPU56は、図10(E)に示す小当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された小当り種別判定用の乱数(ランダム1−2)の値と一致する値に対応した種別(「V入賞時4R大当り」、「V入賞時4R時短大当り」または「V入賞時16R時短大当り」)を小当りの種別に決定する(ステップS68)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した小当り種別判定用乱数を読み出し、小当り種別の決定を行う。
また、CPU56は、決定した小当りの種別を示すデータをRAM55における小当り種別バッファに設定し(ステップS69)、ステップS70に移行する。例えば、小当り種別が「V入賞時4R大当り」の場合には小当り種別を示すデータとして「01」が設定され、小当り種別が「V入賞時4R時短大当り」の場合には小当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「V入賞時16R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
ステップS70では、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS70)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、「4R大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「4R時短大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定し、「16R時短大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り種別の決定結果に応じて、小当り図柄となる「2」、「4」、「6」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、「V入賞時4R大当り」に決定した場合には「2」を特別図柄の停止図柄に決定し、「V入賞時4R時短大当り」に決定した場合には「4」を特別図柄の停止図柄に決定し、「V入賞時16R時短大当り」に決定した場合には「6」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別(小当り種別)を決定し、決定した大当り種別(小当り種別)に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別(小当り種別)および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別(小当り種別)とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数(小当り種別決定用乱数)にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別(小当り種別)も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS71)。
図18は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS98に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS92a)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS92b)。そして、ステップS98に移行する。
小当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するときにセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「時短大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において時短フラグがセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では100回)の変動表示を終了したときにリセットされる。なお、所定回数の変動表示を終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短フラグがリセットされる。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS93のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS94)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS94のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS95)。そして、ステップS98に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS94のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS96)。そして、ステップS98に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS93のY)には、すなわち、遊技状態が時短状態であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS97)。そして、ステップS98に移行する。
この実施の形態では、ステップS93〜S97の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が時短状態である場合には、時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS98の処理で短縮変動用の変動パターン種別が決定される場合があり、短縮変動用の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS100の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図8参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS93でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、時短状態(高ベース状態)が長く継続した方が、第2大当りが発生しやすく有利であるといえることから、短縮変動を行わないように構成してもよい。例えば、時短状態とすることなく普図当り確率を高めたり、可変入賞球装置15の開放時間や開放回数を高めたりするだけで高ベース状態に制御するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S92b、S95、S96またはS97の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS98)。
次いで、CPU56は、ステップS98の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS99)。また、乱数バッファ領域(保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS99の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS101)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS102)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS103)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS93〜S98の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、保留記憶に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図19および図20は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果7指定のいずれかの演出制御コマンド(図11参照)を送信する制御を行う。
具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「4R大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「4R大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS64で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。
そして、「4R大当り」でないとき(すなわち、「4R時短大当り」または「16R時短大当り」であるとき)には、大当りの種別が「16R時短大当り」であるか否かを確認し、「16R時短大当り」であるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S115)。また、「16R時短大当り」ではないとき(すなわち「4R時短大当り」であるとき)には、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。
大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていない場合、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
小当りフラグがセットされている場合(ステップS116のY)、小当りの種別が「V入賞時4R大当り」であるときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS121,S122)。なお、「V入賞時4R大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS69で小当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。
そして、「V入賞時4R大当り」でないとき(すなわち、「V入賞時4R時短大当り」または「V入賞時16R時短大当り」であるとき)には、小当り種別が「V入賞時16R時短大当り」であるか否かを確認し、「V入賞時16R時短大当り」であるときには、表示結果7指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS123,S125)。また、「V入賞時16R時短大当り」ではないとき(すなわち「V入賞時4R時短大当り」であるとき)には、表示結果6指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS123,S124)。
そして、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS119)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS115)。
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1123)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1124)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1125)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1126)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、ステップS1125およびステップS1126の処理をスキップする。
次いで、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1303)。セットされていれば、ステップS1305に移行する。
時短フラグもセットされていなければ、CPU56は、表示時間テーブルにもとづいて、確定表示を行う期間を示す確定表示タイマに通常表示時間をセットする(ステップS1304)。一方、時短フラグがセットされている場合には、CPU56は、表示時間テーブルにもとづいて、確定表示タイマに短縮表示時間をセットする(ステップS1305)。その後、CPU56は、処理を終了する。
図21(A)には、表示時間テーブルの一例が示されている。この実施の形態では、図21(A)に示すように、特別図柄の停止図柄を確定表示する期間として、通常表示時間(600ms)と、短縮表示時間(100ms)とが設けられている。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、確定表示タイマを1減算し(ステップS1307)、減算した結果、確定表示タイマがタイムアウトしているか否かを確認する(ステップS1308)。確定表示タイマがタイムアウトしていない場合には、処理が終了する。
この実施の形態では、後述する特別図柄表示制御処理において、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示制御データが設定または更新される。その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行されると、特別図柄表示器における特別図柄の変動表示が実行される。
また、特別図柄表示制御処理において、特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが設定される。その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行されると、特別図柄表示器において特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。
つまり、この実施の形態では、少なくとも確定表示タイマがセットされてから、確定表示タイマがタイムアウトするまでの期間は、特別図柄プロセスフラグの値が4のままであるため、特別図柄表示器において特別図柄の停止図柄が確定表示として表示され続ける。
また、上述のように、大当りフラグまたは小当りフラグがセットされておらず、かつ時短フラグもセットされていなければ、確定表示タイマに通常表示時間(600ms)がセットされ、大当りフラグもしくは小当りフラグがセットされている場合、または時短フラグがセットされている場合には、確定表示タイマに短縮表示時間(100ms)がセットされる。
したがって、特別図柄の停止図柄が大当り図柄または小当り図柄であれば、特別図柄の停止図柄を短縮表示時間(100ms)確定表示する。また、時短状態であるときにも、特別図柄の停止図柄を短縮表示時間(100ms)確定表示する。一方、特別図柄の停止図柄がはずれ図柄であり、かつ時短状態でもない場合には、特別図柄の停止図柄を通常表示時間(600ms)確定表示する。
このように、この実施の形態では、特別図柄の停止図柄が大当り図柄または小当り図柄である場合には、はずれ図柄である場合に比べて、確定表示する期間が短くなるように構成されている。そのため、大当り遊技状態または小当り遊技状態に早期に制御することができる。
なお、特別図柄の停止図柄が導出表示された後に、早期に大当り遊技状態または小当り遊技状態に移行されたとしても、上述のように、表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになるため、遊技者は大当り遊技または小当り遊技中に停止図柄の内容を確認することができる。
また、遊技状態が時短状態である場合には、時短状態ではない場合(通常状態である場合)に比べて、確定表示する期間が短くなるように構成されている。そのため、時短状態に制御されているときには、次の特別図柄の可変表示を早期に開始することができる。
確定表示タイマがタイムアウトしている場合(すなわち確定表示時間が経過した場合)には、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、時短状態であることを示す時短フラグ、および時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。
また、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大当り遊技における大入賞口の開放回数(本例では、ラウンド数)をカウントするための開放回数カウンタに開放回数(例えば、大当り種別が「16R時短大当り」であれば16回)をセットする(ステップS135)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。
そして、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認し(ステップS141)、小当りフラグがセットされていれば、特別図柄プロセスフラグの値を役物開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新し(ステップS142)、小当りフラグがセットされていなければ、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS143)。
大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放前タイマの値を−1する。大入賞口開放前タイマがタイムアウト(大入賞口開放前タイマの値が0)したら、CPU56は、大当り種別および開始するラウンドに応じた大入賞口開放中指定コマンドを選択し、その大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータに現在の開放回数カウンタの値をセットして、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、入賞個数カウンタを初期化する。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
次いで、CPU56は、大当り種別および開始するラウンドに応じた開放時間(本例では、29秒)を、大入賞口の開放時間を計測するための開放時間タイマにセットする。
次いで、CPU56は、大入賞口を開放状態に制御する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置20を開放状態にする。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理に対応した値に更新する。
大入賞口開放中処理において、CPU56は、まず、カウントスイッチ23からの検出信号を入力したか否かを確認する。カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち大入賞口に入賞した遊技球を検出したら、入賞個数カウンタの値を+1する。
次いで、CPU56は、入賞個数カウンタの値が10となっているか否かを確認する。入賞個数カウンタの値が10となっていれば、大入賞口を閉鎖状態に制御する処理に移行する。
入賞個数カウンタの値が10未満であれば、CPU56は、開放時間タイマを1減算し、開放時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する。開放時間タイマがタイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。開放時間タイマがタイムアウトしていれば、CPU56は、大入賞口を閉鎖状態に制御する。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して特別可変入賞球装置20の開閉板を閉状態にする。
次いで、CPU56は、現在の開放回数カウンタの値をEXTデータにセットして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放後指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を1減算するとともに、減算後の開放回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する。開放回数カウンタの値が0となっている場合(すなわち、大当り遊技における全てのラウンドが終了している場合)には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理に対応した値に更新する。
開放回数カウンタの値が0となっていなければ(すなわち、まだ残りのラウンドがあれば)、CPU56は、大入賞口開放前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間(インターバル演出を行い期間に相当))に相当する値(本例では、1秒)を設定する。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理に対応した値に更新する。
大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、大当り終了表示タイマの値を1減算する処理に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し、処理を終了する。
CPU56は、大当り終了表示タイマの値を1減算する場合、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば、CPU56は、今回終了する大当りが時短大当りであるか否かを確認する。なお、「時短大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS64で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」または「03」であるか否か、もしくは特別図柄通常処理のステップS69で小当り種別バッファに設定されたデータが「02」または「03」であるか否かを確認することによって判定できる。時短大当りであれば、CPU56は、時短フラグをセットして時短状態に移行させる。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする。
時短大当りでなければ(すなわち、非時短大当り(または非時短小当りからのV入賞による大当り)であれば)、CPU56は、時短フラグのセット,時短回数カウンタのセットの処理を実行することなく、大当り遊技後の遊技状態を通常状態とする。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新する。
図23は、特別図柄プロセス処理における役物開放前処理(ステップS308)を示すフローチャートである。役物開放前処理において、CPU56は、可変入賞球装置(役物)24の開放時間(例えば、5秒)を、可変入賞球装置(役物)24の開放時間を計測するための役物開放時間タイマにセットする(ステップS1512)。
次いで、CPU56は、可変入賞球装置(役物)24を開放状態に制御する(ステップS1513A)。具体的には、ソレノイド25を駆動して可変入賞球装置(役物)24の開閉板を開放状態にする。そして、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタに0をセットする(ステップS1513B)。役物内遊技球個数カウンタは、可変入賞球装置(役物)24内に進入してから未だ排出されていない遊技球の個数を示すカウンタである。例えば、役物内遊技球個数カウンタは、可変入賞球装置(役物)24に遊技球が入賞したとき(すなわち、役物入賞スイッチ28がオンであるとき)に1加算され、可変入賞球装置(役物)24から遊技球が排出されたとき(役物排出スイッチ30がオンであるとき)に1減算される。したがって、役物内遊技球個数カウンタの値が0である場合は、可変入賞球装置(役物)24内に進入した全ての遊技球が排出された場合である。
次いで、CPU56は、役物開放開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS1514)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、役物開放中処理(ステップS309)に対応した値に更新する(ステップS1515)。
図24は、特別図柄プロセス処理における役物開放中処理(ステップS309)を示すフローチャートである。役物開放中処理において、CPU56は、まず、役物入賞スイッチ28からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1520A)。役物入賞スイッチ28がオンしたら、すなわち、可変入賞球装置(役物)24内に遊技球が進入したことを検出したら、役物内遊技球個数カウンタの値を1加算する(ステップS1520B)。
次に、CPU56は、役物排出スイッチ30からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1521)。役物排出スイッチ30がオンしたら、すなわち可変入賞球装置(役物)24内に進入した遊技球のうち特定領域(V入賞領域)以外の領域に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1521のY)、役物内遊技球個数カウンタの値を1減算する(ステップS1522A)。
次いで、CPU56は、役物開放時間タイマを1減算し(ステップS1523)、役物開放時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS1524)。役物開放時間タイマがタイムアウトしていなければ、ステップS1528に移行する。役物開放時間がタイムアウトしていれば、CPU56は、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御する(ステップS1525)。具体的には、ソレノイド25の駆動を停止して可変入賞球装置(役物)24の開閉板を閉鎖状態にする。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、役物開放後処理(ステップS310)に対応した値に更新する(ステップS1526)。
なお、この実施の形態では、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御するための条件として、役物開放時間タイマのタイムアウト(すなわち、所定時間の経過)としたが、これに限るものではない。例えば、可変入賞球装置(役物)24に対する遊技球の入賞(または排出)を所定回数検出した場合に可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御することとしてもよい。例えば、可変入賞球装置(役物)24に対する遊技球の入賞を検出したとき(例えば、ステップS1520Bの前後)に所定のカウンタを1加算し、該所定のカウンタの値が10となった場合にステップS1525へ移行することとすれば、可変入賞球装置(役物)24に対する遊技球の入賞を10回検出した場合に可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御することとなる。また、例えば、可変入賞球装置(役物)24からの遊技球の排出を検出したとき(例えば、ステップS1521のY〜S1523の間)に所定のカウンタを1加算し、該所定のカウンタの値が10となった場合にステップS1525へ移行することとすれば、可変入賞球装置(役物)24からの遊技球の排出を10回検出した場合に可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御することとなる。また、さらに、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御するための条件として、所定時間の経過と、可変入賞球装置(役物)24に対する遊技球の入賞(または排出)を所定回数検出することとを併用することとしてもよい。例えば、所定時間が経過していない場合であっても可変入賞球装置(役物)24に対する遊技球の入賞を所定回数検出した場合に、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御することとしてもよい。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1524のN)、CPU56は、V入賞スイッチ29からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1528)。V入賞スイッチ29がオンしたら、すなわち可変入賞球装置(役物)24内に進入した遊技球のうち特定領域(V入賞領域)に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1528のY)、CPU56は、V入賞スイッチ検出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS1529)。
次いで、CPU56は、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御する(ステップS1530)。具体的には、ソレノイド25の駆動を停止して可変入賞球装置(役物)24の開閉板を閉鎖状態にする。また、CPU56は、役物開放終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS1531)。
次いで、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1532)。時短フラグがセットされていなければ(すなわち、通常状態であれば)、ステップS1535に移行する。時短フラグがセットされていれば(すなわち、時短状態であれば)、CPU56は、時短フラグをリセットする(ステップS1533)。すなわち、可変入賞球装置(役物)24内の特定領域(V入賞領域)へのV入賞が発生し大当り遊技(第2大当り遊技)が発生する場合であるので、時短フラグをリセットして時短状態を終了する。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態であるか時短状態であるかにかかわらず、可変入賞球装置(役物)24内の特定領域(V入賞領域)へのV入賞が発生すれば大当り遊技(第2大当り遊技)を発生させる場合を示しているが、時短状態中に可変入賞球装置(役物)24内の特定領域(V入賞領域)へのV入賞が発生した場合にのみ大当り遊技(第2大当り遊技)を発生させるようにしてもよい。
次いで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1535)。
また、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS1536)。また、大当り遊技における大入賞口の開放回数(本例では、ラウンド数)をカウントするための開放回数カウンタに開放回数(例えば、15回)をセットする(ステップS1537)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS1502)に対応した値に更新して(ステップS1538)、役物開放中処理を終了する。なお、ステップS1528においてV入賞スイッチがオンである場合、役物内遊技球個数カウンタの値をリセットすることとしてもよい。また、役物内遊技球個数カウンタの値が0となるまで、待機するようにしてもよい。
図25は、特別図柄プロセス処理における役物開放後処理(ステップS2501B)を示すフローチャートである。役物開放後処理において、CPU56は、まず、役物入賞スイッチ28からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS2520A)。役物入賞スイッチ28がオンしたら、すなわち、可変入賞球装置(役物)24内に遊技球が進入したことを検出したら、役物内遊技球個数カウンタの値を1加算する(ステップS2520B)。
次に、CPU56は、役物排出スイッチ30からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS2521)。役物排出スイッチ30がオンしたら、すなわち可変入賞球装置(役物)24内に進入した遊技球のうち特定領域(V入賞領域)以外の領域に入賞した遊技球を検出したら(ステップS2521のY)、役物内遊技球個数カウンタの値を1減算する(ステップS2522)。
次いで、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタの値が0であるか否かを判定し(ステップS2524)、0でなければステップS2528へ移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0であれば、CPU56は、役物開放終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS2525)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS2526)。
役物内遊技球個数カウンタの値が0でなければ(ステップS2524のN)、CPU56は、V入賞スイッチ29からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS2528)。V入賞スイッチ29がオンしたら、すなわち可変入賞球装置(役物)24内に進入した遊技球のうち特定領域(V入賞領域)に入賞した遊技球を検出したら(ステップS2528のY)、CPU56は、V入賞スイッチ検出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS2529)。
次いで、CPU56は、役物開放終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS2531)。次いで、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2532)。時短フラグがセットされていなければ(すなわち、通常状態であれば)、ステップS2535に移行する。時短フラグがセットされていれば(すなわち、時短状態であれば)、CPU56は、時短フラグをリセットする(ステップS2533)。すなわち、可変入賞球装置(役物)24内の特定領域(V入賞領域)へのV入賞が発生し大当り遊技(第2大当り遊技)が発生する場合であるので、時短フラグをリセットして時短状態を終了する。
次いで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2535)。
また、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS2536)。また、大当り遊技における大入賞口の開放回数(本例では、ラウンド数)をカウントするための開放回数カウンタに開放回数(例えば、15回)をセットする(ステップS2537)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS2502)に対応した値に更新して(ステップS2538)、役物開放後処理を終了する。なお、ステップS2528においてV入賞スイッチがオンである場合、役物内遊技球個数カウンタの値をリセットすることとしてもよい。
このように、本実施の形態では、可変入賞球装置(役物)24の閉鎖直前に進入した遊技球が少し遅れて特定領域(V入賞領域)などに入賞する場合もあり得るので、多少のマージンをもって役物開放前処理に移行するようにすることとしている。なお、本実施の形態のように、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御した後、進入した遊技球の数と排出された遊技球の数とが一致するまで、特定領域(V入賞領域)などへの入賞を監視するようにしてもよいし、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御してから所定期間が経過するまでステップS1521〜S1522A,S1528〜S1529と同様の処理を行って特定領域(V入賞領域)などへの入賞を監視するようにし、可変入賞球装置(役物)24の閉鎖後であっても、所定期間以内に入賞すれば有効な入賞として扱うようにしてもよい。
また、ステップS2520Aにおいて、役物入賞スイッチ28からの検出信号を入力した場合とは、可変入賞球装置(役物)24が閉鎖された時点で可変入賞球装置(役物)24内には進入していたものの役物入賞スイッチ28に検出される位置まで到達していなかった遊技球(以下、「遅れ球」という)が、役物入賞スイッチ28に検出される位置に到達した場合である。すなわち、ステップS2520A,S2520Bの処理をおこなうことにより、遅れ球を考慮して、可変入賞球装置(役物)24内に入賞した全ての遊技球が排出されるまで待機させることができる。ここで、仮に、遅れ球が役物入賞スイッチ28に検出される位置に到達するよりも前の時点で、ステップS2524において役物内遊技球個数カウンタの値が0であると判定された場合、V入賞スイッチに対する監視をおこなっていない状態(例えば、役物開放前処理の実行中)に制御した後に、該遅れ球が特定領域に入賞してしまう可能性がある。その場合、せっかくV入賞が発生したにもかかわらず大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に制御されないこととなってしまい、遊技者に不利な状況となってしまう虞がある。そこで、遅れ球が可変入賞球装置(役物)24に入賞してから役物入賞スイッチ28に検出される位置に到達するまでの所要時間よりも長いタイマを、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御した際にセットし、該タイマの計測中は役物内遊技球個数カウンタの値が0であってもV入賞スイッチに対する監視を継続するものとすれば、V入賞スイッチに対する監視をおこなっていない状態で遅れ球が特定領域に入賞してしまうことを防止し、遊技者に不利な状況となってしまうことを防止することができる。その場合、該タイマがタイムアウトした後に役物内遊技球個数カウンタの値が0であると判定された場合にV入賞スイッチに対する監視をおこなわない状態に制御することとなる。
図26は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS33)の一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否か(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否か(すなわち、特別図柄停止処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS33)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図27は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、特別図柄の変動表示および大当り遊技を行っているときの制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図28は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図11参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図29および図30は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA000(H))であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(コマンドA300(H))であれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが役物開放開始指定コマンド(コマンドD100(H))であれば(ステップS629)、演出制御用CPU101は、役物開放開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS630)。
受信した演出制御コマンドが役物開放終了指定コマンド(コマンドD200(H))であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、役物開放終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS632)。
受信した演出制御コマンドが発射球検出指定コマンド(コマンドE100(H))であれば(ステップS633)、演出制御用CPU101は、発射球検出指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS649)。そして、ステップS611に移行する。
図31は、図27に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800aおよびステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
発射報知処理(ステップS800a):遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した発射球検出指定コマンドが可変入賞球装置(役物)24への進入可能性のある期間(報知対象期間)内であれば、演出制御用CPU101は発射音を報知する。具体的に、図32は、発射報知処理を示すフローチャート(図32(a))および発射音態様テーブル(図32(b))である。まず、演出制御用CPU101は、役物開放設定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8001)。役物開放設定フラグがセットされていない場合(ステップS8001:N)、演出制御用CPU101は、ステップS618で表示結果指定コマンド格納領域に格納した表示結果指定コマンドが表示結果5指定コマンド〜表示結果7指定コマンドであるか否かを確認する(ステップS8002)。つまり、可変入賞球装置(役物)24が開放される小当り遊技状態に制御されるか否かを確認する。
表示結果指定コマンドが表示結果5指定コマンド〜表示結果7指定コマンドである場合(ステップS8002:Y)、演出制御用CPU101は、図32(b)に示す発射音態様テーブルに基づいて打球発射装置550から遊技球を発射する発射音をセットする(ステップS8003)。図32(b)に示す発射音態様テーブルは、小当たり種別によりセットされる発射音の抽選割合が異なっている。演出制御用CPU101は、この発射音態様テーブルに基づき、小当たり種別がV入賞時4R大当り(4R大当り)の場合、抽選により90%の割合で「Go」の発射音をセットし、10%の割合で「チャンス」の発射音をセットする。また、演出制御用CPU101は、この発射音態様テーブルに基づき、小当たり種別がV入賞時4R時短大当り(4R時短)の場合、抽選により50%の割合で「Go」の発射音をセットし、50%の割合で「チャンス」の発射音をセットする。さらに、演出制御用CPU101は、この発射音態様テーブルに基づき、小当たり種別がV入賞時16R大当り(16R大当り)の場合、抽選により20%の割合で「Go」の発射音をセットし、30%の割合で「チャンス」の発射音をセットし、50%の割合で「熱い」の発射音をセットする。
次に、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドから、ステップS8003でセットした発射音を報知する期間(報知対象期間)を算出する(ステップS8004)。つまり、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドから演出図柄が停止した後に可変入賞球装置(役物)24が開放するタイミングを求め、当該タイミングに遊技球を可変入賞球装置(役物)24に入賞(進入)可能性のある遊技球の発射期間を報知対象期間として算出する。例えば、打球発射装置550から発射した遊技球が可変入賞球装置(役物)24に到達するまでの平均時間が約3秒であれば、演出制御用CPU101は、可変入賞球装置(役物)24が開放するタイミングの約3秒前から2秒程度の期間を報知対象期間として算出する。ここで、変動パターンコマンドには、演出図柄が停止した後に可変入賞球装置(役物)24が開放するまでの待ち時間が予め設定されているものとする。もちろん、変動パターンコマンドには、演出図柄が停止するまでの時間が設定されているだけで、演出制御用CPU101が当該設定時間から可変入賞球装置(役物)24が開放するタイミングを求める構成でもよい。なお、この実施の形態では、変動パターンコマンドから報知対象期間を算出する構成について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、可変入賞球装置(役物)24を開放するタイミングを事前に通知する小当り開始指定コマンドなどの専用コマンドを新たに追加して報知対象期間を算出してもよい。また、図柄の変動が終了して可変入賞球装置(役物)24が開放されるまでの期間が一定であれば図柄確定指定コマンド(コマンド8F00(H))で報知対象期間を算出してもよい。その他、報知対象期間を算出することが可能なタイミングで送信されるのであれば、役物開放開始指定コマンドなどのコマンドでもよい。
次に、演出制御用CPU101は、ステップS8003で発射音をセットし、ステップS8004で報知対象期間が算出できている場合、役物開放設定フラグをセット(ステップS8005)する。なお、表示結果指定コマンドが表示結果5指定コマンド〜表示結果7指定コマンドでない場合(ステップS8002:N)、演出制御用CPU101は、ステップS8003〜ステップS8005の処理をスキップする。
次に、役物開放設定フラグがセットされている場合(ステップS8001:Y)、演出制御用CPU101は、発射球検出指定コマンドを受信できたか否かを確認する(ステップS8006)。つまり、演出制御用CPU101は、ステップS634で発射球検出指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認することで、打球発射装置550から遊技球が発射されたこと(発射操作があったこと)を確認できる。発射球検出指定コマンドを受信できた場合(ステップS8006:Y)、演出制御用CPU101は、発射球検出指定コマンドを受信したタイミングがステップS8004で算出した報知対象期間内であるか否かを確認する(ステップS8007)。
発射球検出指定コマンドを受信したタイミングがステップS8004で算出した報知対象期間内である場合(ステップS8007:Y)、演出制御用CPU101は、ステップS8003でセットした発射音をスピーカ27から出力する。例えば、演出制御用CPU101は、小当り種別が16R大当りであれば発射音として「熱い」がセットされており、報知対象期間内に遊技球が発射されると、スピーカ27から「熱い」の発射音を出力させる。なお、発射球検出指定コマンドを受信できない場合(ステップS8006:N)や、発射球検出指定コマンドを受信したタイミングがステップS8004で算出した報知対象期間内でない場合(ステップS8007:N)、演出制御用CPU101は、処理をステップS8009に進める。
演出制御用CPU101は、役物開放終了指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS8009)。役物開放終了指定コマンドを受信した場合(ステップS8009:Y)、演出制御用CPU101は、小当り遊技状態が終了し、可変入賞球装置(役物)24が閉鎖されたと判断して役物開放設定フラグをリセットする(ステップS8010)。なお、役物開放終了指定コマンドを受信していない場合(ステップS8009:N)、演出制御用CPU101は、ステップS8010の処理をスキップする。
次に、可変入賞球装置(役物)24が開放されるタイミング(役物開放)、報知対象期間、発射球検出指定コマンドが受信されるタイミング(発射検出)および発射音のタイミングについて図を用いて説明する。図33は、発射報知処理における、役物開放、報知対象期間、発射検出、および発射音のそれぞれのタイミングを示すタイミングチャートである。
まず、図33に示す役物開放の信号では、信号レベルがHレベルとなる1.5秒間に可変入賞球装置(役物)24が開放されることを示している。この可変入賞球装置(役物)24の開放が開始されるタイミング(役物開放の信号レベルがLレベルからHレベルに立ち上がるタイミング)から、約3.0秒前に報知対象期間が開始する。図33では、信号レベルがHレベルとなる期間が報知対象期間で、信号レベルがLベルとなる期間は非報知対象期間である。ここで、可変入賞球装置(役物)24の開放が開始されるタイミングの約3.0秒前に報知対象期間が開始すると算出したのは、打球発射装置550から発射した遊技球が可変入賞球装置(役物)24に到達するまでの平均時間が約3秒であることに基づいており、平均時間が約2秒であれば約2.0秒前に報知対象期間が開始すると算出される。また、図33に示す報知対象期間は、可変入賞球装置(役物)24が開放される期間が1.5秒であるため、当該期間より少し長めの約2.0秒間に設定してある。なお、報知対象期間は、可変入賞球装置(役物)24が開放される期間と同じ1.5秒間であっても、可変入賞球装置(役物)24に入賞可能性のある期間に遊技球を発射したことを報知できれば、当該期間より長い期間でも短い期間でもよい。
図33に示す発射検出の信号は、0.6秒ごとにパルス信号として図示されており、連続して打球発射装置550から遊技球が発射されている様子が示されている。この発射検出のパルス信号は、0.6秒の1つのパルス信号で打球発射装置550から遊技球が1球発射されていることを示している。
図33に示す発射音Aの信号では、発射検出のタイミングと報知対象期間とが重なるタイミングに発射音が出力されることをパルス信号として図示している。つまり、発射音Aの信号では、打球発射装置550から発射された遊技球のうち、報知対象期間の3球について、ステップS8003でセットした発射音がスピーカ27から出力されることを示している。これにより、遊技者は、発射音が出力された3球の遊技球については可変入賞球装置(役物)24に入賞可能性のある期間にて遊技球が発射されたと認識することができ、可変入賞球装置(役物)24に入賞するか否か、および遊技球の動きについて遊技者に一層注目させることができる。
ここで変形例として、報知対象期間は、可変入賞球装置(役物)24の開放が開始されるタイミングの約3.0秒前からの約2.0秒間に設定するのではなく、可変入賞球装置(役物)24の開放が開始されるタイミングの約3.0秒前から可変入賞球装置(役物)24が閉鎖されるまでの期間(破線で示す期間)としてもよい。当該期間に報知対象期間を設定した場合、図33に示す発射音Bの信号でパルス信号として図示されているタイミングに、ステップS8003でセットした発射音がスピーカ27から出力される。これにより、発射音Bは、発射音Aの場合に比べて長い期間、発射音を出力できるので、可変入賞球装置(役物)24に入賞するか否か、および遊技球の動きについて遊技者にさらに注目させることができる。
図31に戻って、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切り替えタイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)、役物開放報知処理(ステップS808)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御(例えば、ファンファーレ演出)を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御(例えば、ラウンド中演出)を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値を第1ラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値を第1ラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
役物開放報知処理(ステップS808):演出表示装置9において、可変入賞球装置(役物)24が開放状態に制御されていることを表示する制御を行う。そして、V入賞スイッチ検出指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
図34は、役物開放報知処理を示すフローチャートである。まず、演出制御用CPU101は、役物開放開始指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS8801)。役物開放開始指定コマンドを受信した場合(ステップS8801:Y)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、可変入賞球装置(役物)24が開放状態に制御されていることを表示する報知を行う(ステップS8802)。具体的に、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に「V入賞を狙え!」、「右打ちをして役物を狙え!」などの表示を行い可変入賞球装置(役物)24が開放中であることを遊技者に報知する。なお、役物開放開始指定コマンドを受信しない場合(ステップS8801:N)、演出制御用CPU101は、ステップS8802の処理をスキップする。
次に、演出制御用CPU101は、V入賞スイッチ検出指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS8803)。V入賞スイッチ検出指定コマンドを受信した場合(ステップS8803:Y)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、V入賞領域に遊技球が通過したことを報知する(ステップS8804)。具体的に、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に「V入賞獲得!」などの表示を行い、V入賞したことと大当りに移行することを遊技者に報知する。次に、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する(ステップS8805)。つまり、演出制御用CPU101は、小当り種別に応じてV入賞後に移行する大当り種別(4R大当り、4R時短大当り、16R大当り)に対応する大当り演出を演出表示装置9で実行するため、演出制御プロセスフラグの値を更新する。なお、V入賞スイッチ検出指定コマンドを受信しない場合(ステップS8803:N)、演出制御用CPU101は、ステップS8804およびステップS8805の処理をスキップする。
次に、演出制御用CPU101は、役物開放終了指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS8806)。役物開放終了指定コマンドを受信した場合(ステップS8806:Y)、演出制御用CPU101は、可変入賞球装置(役物)24が閉鎖状態に制御されていることを表示する報知を行う(ステップS8807)。具体的に、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に「V入賞を狙え!」、「右打ちをして役物を狙え!」などの表示を消して、可変入賞球装置(役物)24が閉鎖中であることを遊技者に報知する。なお、役物開放終了指定コマンドを受信しない場合(ステップS8806:N)、演出制御用CPU101は、ステップS8807およびステップS8808の処理をスキップする。
次に、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS8808)。例えば、演出制御用CPU101は、小当り種別に応じて可変入賞球装置(役物)24の開放中の演出を異ならせ、V入賞後4R大当りに比べてV入賞後16R大当りの方がより期待感を煽る演出を行う。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技球を発射する打球発射装置550と、遊技球が入賞可能な開放状態に変化可能な可変入賞球装置(役物)24と、可変入賞球装置(役物)24への入賞可能性のある報知対象期間にて遊技球が発射されたことを特定可能に発射音をスピーカ27から出力して報知する演出制御用CPU101を備えている。そのような構成により、可変入賞球装置(役物)24への入賞可能性のある期間にて遊技球が発射されたことを遊技者が認識でき、可変進入手段に進入するか否かおよび遊技媒体の動きについて遊技者に一層注目させることができる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技の進行を制御し、可変入賞球装置(役物)24に設けられたV入賞領域に遊技球が通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御可能である。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、第1特別図柄や第2特別図柄、演出図柄の可変表示が終了した後、識別情報の可変表示の表示結果を確定表示させる。そのような構成により、特定遊技状態に早期に移行することができる。
また、CPU56は、ステップS1513Aにおいて可変入賞球装置(役物)24を開放状態に制御すると説明したが、可変入賞球装置(役物)24の開放パターン(開放態様)は必ずしも1種類(例えば、開閉回数が1回で開放時間を1.5秒とする開放パターンなど)に限定する必要はなく、複数の開放パターンを選択できるようにしてもよい。具体的に、CPU56は、小当り種別に応じて可変入賞球装置(役物)24の開放パターンを変更してもよい。さらに、演出制御用CPU101は、可変入賞球装置(役物)24の開放パターンに応じた異なる態様の報知を行ってもよい。例えば、可変入賞球装置(役物)24の開放パターンに応じて出力する発射音の種類を変える、レール先端LED28aの点滅パターンを変えるなど異なる態様の報知を行う。そのような構成により、可変入賞球装置(役物)24の入賞可能状態の態様によって異なる報知となり興趣を向上できる。
次いで、CPU56は、可変入賞球装置(役物)24に設けられたV入賞領域を通過する前に、遊技球がV入賞領域を通過した後の有利度(例えば、4R大当り、4R時短大当りや16R時短大当りなどの遊技状態)を決定し、決定された有利度に応じて異なる態様の報知を行う(例えば、図32(b)に示す発射音態様テーブルのように、小当たり種別(V入賞後の大当り種別)によりセットされる発射音(「Go」、「チャンス」、「熱い」)の抽選割合が異ならせる。)。そのような構成により、発射された遊技球が可変入賞球装置(役物)24に入賞するか否か、V入賞領域を通過するか否かについて、より一層注目させることができる。
また、演出制御用CPU101は、打球発射装置550に対する発射操作の中止により、例えば、発射確認スイッチ37bで遊技球を検出できず、演出制御用CPU101が発射球検出指定コマンドを受信しない場合、報知を停止する。そのような構成により、演出制御用CPU101による報知の不整合を回避することができる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示手段(本例では特別図柄表示器)において導出表示された識別情報(本例では特別図柄)の可変表示の表示結果(本例では停止図柄)を、少なくとも識別情報の可変表示が終了した後の制御(例えば、次の識別情報の可変表示を開始するための制御や、大当り遊技状態または小当り遊技状態を開始するための制御)を開始するまでの期間としての所定期間、確定表示させる確定表示手段を備えている。そして、確定表示手段は、識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果(本例では大当り図柄または小当り図柄)であるときには、特定表示結果ではないとき(例えば、はずれ図柄であるとき)に比べて、所定期間を短くするように構成されている。そのように構成されることによって、識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果(本例では大当り図柄または小当り図柄)であるときには、早期に特定遊技状態(本例では大当り遊技状態または小当り遊技状態)に制御することができる。
また、この実施の形態では、打球発射装置550から遊技球が発射され、発射確認スイッチ37bがオン状態となったことが確認できれば、発射球検出指定コマンドが演出制御用CPU101に送信され、演出制御用CPU101は、当該発射球検出指定コマンドを報知対象期間に受信した場合、可変入賞球装置(役物)24への入賞可能性のある期間にて遊技球が発射されたとして発射音を出力する構成を説明した。しかし、これに限定されず、打球操作ハンドル5のポテンションメータ(ポジションセンサ)からのハンドル回転位置の検出信号に基づいて遊技球の発射強度を算出し、ファール球となりうる発射強度や可変入賞球装置(役物)24に届かない発射強度などの場合には、演出制御用CPU101は、当該発射球検出指定コマンドを報知対象期間に受信しても、発射音を出力しない構成としてもよい。ファール球検出スイッチ510aがオン状態となった場合も、演出制御用CPU101は、当該発射球検出指定コマンドを報知対象期間に受信しても、発射音を出力しない構成としてもよい。
遊技球が発射されたことの検出は、発射確認スイッチ37bでの検出に限定されず、例えば、発射レールの先端部に設けた通過センサ(図示せず)で検出してもよい。打球発射装置550から発射された遊技球が通過センサを通過したことを確認できれば、発射球検出指定コマンドが演出制御用CPU101に送信され、演出制御用CPU101は、当該発射球検出指定コマンドを報知対象期間に受信した場合、可変入賞球装置(役物)24への入賞可能性のある期間にて遊技球が発射されたとして発射音を出力する。
さらに、この実施の形態では、可変入賞球装置(役物)24への入賞可能性のある期間にて遊技球が発射された場合、演出制御用CPU101が発射音を出力して報知する構成について説明した。しかし、これに限定されず、演出制御用CPU101は、発射音などの効果音の他に、演出表示装置9でキャラクタを登場させたり、コメントを表示したり、パチンコ遊技機1に設けたLEDを点灯させたりして報知を行ってもよい。また、演出制御用CPU101は、発射音などの効果音、演出表示装置9での表示、LEDの点灯などを適宜組合せて報知を行ってもよい。特に、LEDを点灯して報知を行う構成として、例えば、発射レールの先端部にレール先端LED28aを設け、可変入賞球装置(役物)24への入賞可能性のある期間にて発射された遊技球が発射レールの先端部を通過するタイミングに合わせてレール先端LED28aを点灯させる構成であってもよい。
本実施の形態では、可変入賞球装置(役物)24に入賞する可能性のある入賞可能期間で遊技球が発射された際に、特有の発射音を発生させた(図33参照)。この場合、遊技球の発射の有無を発射確認スイッチ37bの検出出力を利用した。しかしながら、発射確認スイッチ37bに代えて、単発発射確認スイッチ376の検出出力を利用してもよい。たとえば、遊技者が単発発射スイッチ37eを操作し、その操作信号が主基板31に入力されると、主基板31がその旨を示すコマンドを演出制御基板80に送信するようにしてもよい。
また、入賞可能期間で遊技球が発射されたことを報知することに代えて、入賞可能期間であることを報知するものとしてもよい。たとえば、図33に示す報知対象期間に突入すると、特有の効果音を出力させる制御を開始し、報知対象期間が終了すると、その効果音の出力を停止させる。このようにすると、入賞可能期間に遊技球が発射されたか否かに関わらず、効果音を発生させることになる。すると、入賞可能期間に遊技球を発射するように遊技者を仕向けることができる。
ただし、所定条件が成立している場合に、入賞可能期間であることを報知するようにしてもよい。たとえば、発射操作が検出されている場合には入賞可能期間であることを報知する一方で、発射操作が検出されていない場合には入賞期間であってもそのような報知をしないようにすることが考えられる。なお、発射操作の有無は、例えば、遊技者が打球操作ハンドル5を操作しているか否かで判定することが考えられる。打球操作ハンドル5を操作しているか否かは、このタッチセンサ37dの検出出力を利用して判定すればよい。なお、タッチセンサ37dの検出出力を利用して判定する場合、打球発射装置550から遊技球が発射されたことを検出したことを指定する発射球検出コマンドではなく、タッチセンサ37dが検出したことを指定するなどの発射操作に関するコマンド(例えば、発射操作指定コマンド)を別に設けてもよい。
さらに、この実施の形態では、第1種タイプの遊技機の機能と、第2種タイプの遊技機の機能とを1台の遊技機で合せて用いる遊技機として、遊技機内部での抽選処理により大当り図柄を導出表示するか否かを決定し、変動表示装置で当り図柄が表示されたときに大当り遊技状態または小当り遊技状態となり、当該小当り遊技状態の場合に開放される可変入賞球装置(役物)24の特定領域(V入賞領域)を遊技球が通過したときに、再度、特別可変入賞球装置20が開放される構成を説明したが、これに限定されるものではない。本発明に係る構成は、変動表示装置における識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となったときに、大入賞口を開放する遊技者に有利な特定遊技状態に制御する第1種タイプのパチンコ遊技機に対して適用することができる。なお、第1種タイプのパチンコ遊技機に適用する場合、普通電動役物である普通可変入賞球装置を備えるパチンコ遊技機であって、遊技状態が通常状態(低ベース状態)に制御されているときに普通可変入賞球装置が開放状態に制御される際に、当該普通可変入賞球装置への入賞可能性のある期間にて遊技球が発射されたことを報知する構成に適用するのが好適である。
また、本発明に係る構成は、例えば、遊技領域に設けられた始動領域(始動チャッカー)に遊技球が進入したことを条件として、所定の始動態様で可変入賞球装置を閉状態から開状態に制御し、可変入賞球装置に進入した遊技球が特定進入領域に進入(V入賞)したことに基づいて、始動態様よりも遊技者に有利な特定態様で可変入賞球装置を開状態に制御する第2種タイプの遊技機に対して適用することができる。なお、第2種タイプのパチンコ遊技機に適用する場合、可変入賞球装置内の特定進入領域(V入賞領域)の通過後の大当りの有利度(例えば、4R大当りか16R大当りかなど)、または大当り終了後の有利度(例えば、時短が付与されるか否かなど)に応じて、可変入賞球装置への入賞可能性のある期間にて遊技球が発射されたことを報知する態様を異ならせてもよい。例えば、大当りの有利度が4R大当りの場合は発射音が「Go」の割合が高く、16R大当りの場合は発射音が遊技者に注意を引きやすい「熱い」の割合が高い。もちろん、16R大当りの場合は発射音が100%の割合で「熱い」としてもよい。
さらに、第2種タイプのパチンコ遊技機に適用する場合、発射音の報知を行った後、可変入賞球装置に入賞した際(V入賞前)に、V入賞後の大当りの有利度(例えば、4R大当りか16R大当りかなど)、または大当り終了後の有利度(例えば、時短が付与されるか否かなど)に応じて、可変入賞球装置への入賞可能性のある期間にて遊技球が発射されたことを報知する態様を異ならせてもよい。例えば、V入賞後の大当りの有利度が4R大当りの場合は発射音が「Go」の割合が高く、V入賞後の16R大当りの場合は発射音が遊技者に注意を引きやすい「熱い」の割合が高い。もちろん、V入賞後の16R大当りの場合は発射音が100%の割合で「熱い」としてもよい。
また、第2種タイプのパチンコ遊技機に適用する場合、可変入賞球装置の開放態様(例えば、1.5秒間の短開放1回、3.0秒間の長開放1回や1.5秒間の短開放2回など)に応じて、可変入賞球装置への入賞可能性のある期間にて遊技球が発射されたことを報知する態様を異ならせてもよい。例えば、開放態様が1.5秒間の短開放1回の場合は発射音が「Go」で、開放態様が3.0秒間の長開放1回の場合は発射音が「チャンス」とする。可変入賞球装置の開放態様が複数回(例えば、1.5秒間の短開放2回)の場合、初回の可変入賞球装置の開放タイミングから最終回の可変入賞球装置の閉鎖タイミングまでの期間、可変入賞球装置への入賞可能性のある期間にて遊技球が発射されたことを報知してもよい。また、初回の可変入賞球装置の閉鎖タイミングから次回の可変入賞球装置の開放タイミングまでの期間(可変入賞球装置が閉鎖している期間)、可変入賞球装置への入賞可能性のある期間にて遊技球が発射されても報知しないようにしてもよい。
さらに、遊技領域に複数の始動領域(始動チャッカー)が設けられている第2種タイプのパチンコ遊技機に適用する場合、遊技球が入賞した始動領域に応じて、可変入賞球装置への入賞可能性のある期間にて遊技球が発射されたことを報知する態様を異ならせてもよい。例えば、例えば、第1始動領域に入賞した場合は発射音が「チャンス」で最大3回、第2始動領域に入賞した場合は発射音が「熱い」で最大6回とする。
さらに、この実施の形態では、演出制御用CPU101が発射球検出指定コマンドを受信する場合に遊技球が発射されていると検出し、演出制御用CPU101が発射球検出指定コマンドを受信していない場合に遊技球の発射が停止されていると検出している。そして、演出制御用CPU101は、可変入賞球装置(役物)24への入賞可能性のある報知対象期間に発射球検出指定コマンドを受信すると発射音を出力し、遊技球の発射を停止して発射球検出指定コマンドが受信できなくなると発射音の出力を停止する。しかし、演出制御用CPU101は、遊技球の発射を停止して発射球検出指定コマンドが受信できなくなっても報知対象期間は発射音の出力を継続してもよい。なお、遊技球の発射を検出する構成と遊技球の発射が停止されたことを検出する構成とは必ずしも同じ(例えば、発射確認スイッチ37b)である必要はなく、例えば、遊技球を発射したことの検出は、発射確認スイッチ37bで行い、遊技球の発射が停止されたことの検出はタッチセンサ37dで検出してもよい。具体的には、タッチセンサ37dの検出信号がハンドル中継基板37c、払出中継基板37aおよび払出制御基板37を介して主基板31に入力されたことが、演出制御基板80に対してコマンドとして送信される。演出制御基板80は、当該コマンドに基づく検出信号の立ち上がり(LレベルからHレベルへの立ち上がり)開始時点から遊技球の発射が開始されたものと判定し、0.6秒間隔(図33参照)で検出信号が継続してHレベルになっているか否かによって、遊技球の発射が行われているか否かを認識している。もちろん、タッチセンサ37dの検出信号によって遊技球の発射が行われているか否かを認識する場合、演出制御基板80が主体的に認識する構成に限定されるものではなく、打球発射装置550の制御部が設けられる発射制御基板、払出制御基板37や主基板31などで主体的に認識してもよい。
また、この実施の形態では、可変入賞球装置(役物)24への入賞可能性のある期間にて遊技球が発射された場合に演出制御用CPU101が発射音を出力して報知する構成を説明したが、遊技者が発射音の報知を行うか否かの設定や、出力する発射音の種類を選択して設定するなどを可能とする構成にしてもよい。なお、演出制御用CPU101は、右打ちの場合に発射音を出力して報知すること、左打ちの場合に発射音を出力して報知することなどを遊技者が選択して設定できるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、識別情報の可変表示の表示結果として特定表示結果(本例では大当り図柄または小当り図柄)が導出表示された後に、所定演出(例えば、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御(ファンファーレ演出)や、可変入賞球装置(役物)24が開放状態に制御されていることを表示する制御、ラウンド中の表示制御(ラウンド中演出)など)を実行する所定演出実行手段を備えている。そして、可変表示手段(本例では特別図柄表示器)は、所定演出実行手段によって所定演出が実行されているときに、特定表示結果を表示するように構成されている。そのように構成されることによって、遊技者は大当り遊技または小当り遊技中に停止図柄の内容を確認することができる。
なお、この実施の形態では、可変表示手段(本例では特別図柄表示器)は、所定演出(例えば、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御(ファンファーレ演出)や、可変入賞球装置(役物)24が開放状態に制御されていることを表示する制御、ラウンド中の表示制御(ラウンド中演出)など)が実行されているときに、特定表示結果を表示するように構成されているが、表示されないように構成してもよい。このように構成することで、例えば、特定表示結果(停止図柄)の種別によって特定される大当り種別や小当り種別を隠すことができ、大当り遊技終了後に時短状態に制御されるか否かをわからなくすることができる。
また、この実施の形態では、始動領域(本例では第2始動入賞口14)を遊技媒体が通過しやすい通過可能状態(開放状態)に変化可能な可変入賞装置(本例では可変入賞球装置15)と、可変入賞装置が通過可能状態となる頻度が高い有利状態(本例では時短状態(高ベース状態))に制御可能な有利状態制御手段とを備えている。そして、確定表示手段は、有利状態制御手段によって有利状態に制御されているときには、有利状態に制御されていないときに比べて、所定期間を短くするように構成されている。そのように構成されることによって、遊技状態が有利状態であるときには、次の識別図柄の可変表示を早期に開始することができる。
なお、この実施の形態では、確定表示手段は、有利状態(本例では時短状態(高ベース状態))に制御されているときには、表示結果に関わらず、有利状態に制御されていないときに比べて、所定期間を短くするように構成されているが、例えば、有利状態であって、かつ表示結果(停止図柄)が特定表示結果(本例では大当り図柄または小当り図柄)である場合に、所定期間を短くするように構成されていてもよい。
また、この実施の形態では、所定表示結果(本例では小当り図柄)が導出表示されたことにもとづいて遊技媒体が進入可能な進入可能状態(開放状態)に変化可能な特定可変入賞装置(可変入賞球装置(役物)24)を備え、特定可変入賞装置に設けられた特定領域に遊技媒体が進入したこと(V入賞が生じたこと)にもとづいて特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御するように構成されている。そして、確定表示手段は、識別情報の可変表示の表示結果が所定表示結果であるときには、所定表示結果ではないとき(例えば、はずれ図柄であるとき)に比べて、所定期間を短くするように構成されている。そのように構成されることによって、識別情報の可変表示の表示結果が所定表示結果(本例では小当り図柄)であるときには、早期に特定可変入賞装置(可変入賞球装置(役物)24)が進入可能状態(開放状態)に変化する状態(小当り遊技状態)に制御することができる。
なお、V入賞時の有利度(例えば、大当り遊技中のラウンド数や大当り遊技後に制御される遊技状態など)が異なる複数種類の小当り種別が設けられている場合には、小当り種別に応じて、特別図柄表示器における特別図柄の停止図柄が異なる。本例では、小当り種別が「V入賞時4R大当り」の場合には「2」が特別図柄の停止図柄となり、「V入賞時4R時短大当り」の場合には「4」が特別図柄の停止図柄となり、「V入賞時16R時短大当り」の場合には「6」が特別図柄の停止図柄となる。
また、停止図柄として小当り図柄が導出表示されると、所定期間確定表示された後に、可変入賞球装置(役物)24が開放状態に制御され、小当り遊技状態が開始される。そして、役物開放時間が経過すると可変入賞球装置(役物)24が閉鎖状態に制御され、小当り遊技状態が終了する。
ここで、導出表示された停止図柄(小当り図柄)を確定表示する期間が長いと、遊技者は、停止図柄(小当り図柄)から小当り種別を確認し、有利度が高い小当り種別である場合にのみ、可変入賞球装置(役物)24に向けて遊技球を発射する(いわゆる狙い撃ちをする)ということが可能になる。
そこで、この実施の形態では、導出表示された停止図柄(小当り図柄)を確定表示する期間を短くすることで、早期に可変入賞球装置(役物)24を開放状態に制御し、いわゆる狙い撃ちによる攻略を防止している。すなわち、小当り種別を確認してから可変入賞球装置(役物)24に向けて遊技球を発射しても、遊技球が可変入賞球装置(役物)に届くまでに、早期に開放状態に制御された可変入賞球装置(役物)24が閉鎖状態に制御され、入賞させることができないように構成される。このようにすることで、いわゆる狙い撃ちによる攻略を防止することができる。
なお、いわゆる狙い撃ちによる攻略を防止する場合には、図21(A)に示す表示時間テーブルに示すものに限らず、例えば、大当りフラグがセットされているときと、小当りフラグがセットされているときとで、短縮表示時間が異なる(例えば、小当りフラグがセットされているときの方が短い)ようにしてもよいし、小当りフラグがセットされている場合にのみ、確定表示タイマに短縮表示時間をセットするようにしてもよい。また、ステップS134で大入賞口開放前タイマにセットされる大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する、小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)を設ける場合には、大当り表示時間と小当り表示時間とを異ならせる(例えば、小当り表示時間の方が短い)ようにしてもよい。
また、確定表示の期間については、例えば、導出表示された停止図柄が、はずれ図柄、小当り図柄、大当り図柄である場合に、それぞれ異なる期間を設定するようにしてもよいし、同じはずれ図柄、小当り図柄、大当り図柄であっても、遊技状態(例えば、高ベース状態と低ベース状態)に応じて、それぞれ異なる期間を設定するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)と、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)とを組み合わせた遊技機について説明したが、第一種の遊技機や第二種の遊技機において、停止図柄が大当り図柄または小当り図柄である場合には、はずれ図柄である場合に比べて、確定表示する期間が短くなるようにしたり、遊技状態が時短状態である場合には、時短状態ではない場合(通常状態である場合)に比べて、確定表示する期間が短くなるように構成したりしてもよい。
なお、上記の実施の形態で示した構成は、いわゆる携帯連動型システムと呼ばれる遊技用システムにも適用できる。携帯連動型システムと呼ばれる遊技用システムは、一般に、所定条件の成立にもとづいて所定情報を出力する遊技機と、遊技機によって出力された所定情報にもとづいて、遊技者に対して所定の特典を付与する処理を行う特典付与装置とを備える。
具体的には、上記のような遊技用システムでは、遊技機は、変動回数や、大当り回数、いわゆる連荘数(確変状態継続中の大当り回数)、ミッション達成回数などの所定条件の成立を遊技履歴として蓄積し、遊技終了時などに所定情報として2次元コードなどを表示する。また、遊技者は、カメラ機能付き携帯電話機などの携帯端末を用いて、遊技機に表示された2次元コードを撮影し、インターネット上のWebサーバ(特典付与装置)に送信する。そして、Webサーバは、受信した情報にもとづいて遊技者の遊技履歴を管理し、その遊技履歴に応じて所定の特典を付与する処理を行う。例えば、Webサーバは、所定の特典として、画像コンテンツや音楽コンテンツなどのデジタルコンテンツを遊技者の携帯端末に対して送信したり、所定のパスワードを遊技者の携帯端末に送信して遊技者が次回遊技を行うときに遊技機の表示画面を遊技者の嗜好にあわせてカスタマイズできるようにする処理を行う。
上記の実施の形態で示した構成を、上記のような遊技用システムに適用する場合、例えば、小当り遊技においてV入賞が生じたことを所定条件の成立とし、その回数をWebサーバで遊技履歴として管理するようにすればよい。そして、所定条件が成立した回数に応じて、所定の特典としてデジタルコンテンツを送信したり、遊技機の表示画面をカスタマイズできるようにしたりすればよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図5に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。