<第1実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3は振分ユニット640内部の正面図であり、図4はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63や、右側右側第2入球口64b2や第1入球口64a第2入球口64bを有する振分ユニット640等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64aへの入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に、例えば「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして、例えば「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」、又は「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64a、振分ユニット640、右側第2入球口64b2、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64a、振分ユニット640内部の第2入球口64b、64b2、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64aへ入球した場合に、第1特別図柄(第1図柄の一つ)の抽選が行われ、球が第2入球口64b,64b2へ入球した場合に、第2特別図柄(第1図柄の一つ)の抽選が行われる。特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64aまたは第2入球口64bへの入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が所定回数繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。詳細には、後述するが、特別図柄の大当たりは、第1特別図柄の大当たりであった場合と、第2特別図柄の大当たりであった場合とでそれぞれ専用の抽選により決定される。第1特別図柄の大当たりであった場合には、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類からいずれかの大当たり種別が決定される。第2特別図柄の大当たりであった場合には、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」の3種類からいずれかの大当たり種別が決定される(図10(a)〜(b)参照)。大当たり種別に応じた回数だけ特定入賞口65aが開放される。また、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
一方、普通入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ右側第2入球口64b2に付随する電動役物が開放され、右側第2入球口64b2へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が右側第2入球口64b2へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」の3種類が設けられている。
「大当たりA」、「大当たりB」、および「大当たりC」になると、各大当たり種別に応じたラウンド数の特別遊技状態となる。図10(a)〜(b)に示すように、具体的には、「大当たりA」は、特定入賞口(大開放口)65aが15回開放される大当たり(15R大当たり)であり、大当たり遊技後に時短遊技状態(特別図柄が低確率で、普通図柄の確率が高確率に設定され、電動役物の開放時間が長くなり、開放回数が多く設定される期間)が特別図柄が100回変動開始するまでの期間として100回設定される。「大当たりB」は、特定入賞口(大開放口)65aが15回開放される大当たり(15R大当たり)であり、大当たり遊技後には、特別図柄の抽選確率が高確率に設定される確変遊技状態(高確率遊技状態)が100回(特別図柄の変動回数)が付与される。また、「大当たりC」は、特定入賞口(大開放口)65aが2回開放される大当たり(2R大当たり)であり、大当たり遊技後に100回の確変遊技が付与される。なお、「大当たりA」、「大当たりB」は、確変遊技の間、普通図柄の時短遊技状態も付与される。また、「大当たりA」、「大当たりB」は、1ラウンドの特定入賞口65aの開放時間が30秒間経過するまでか、特定入賞口65aに10球の遊技球が入球するまでとなっており、「大当たりC」は、1ラウンドの特定入賞口65aの開放時間が1秒または特定入賞口65aに10球の遊技球が入球するまでに設定されている。
なお、本実施形態では、外れの場合に、大当たりとは異なる小当たりが所定の確率で設定されている。小当たりに当選すると、特定入賞口65aが2回開放される。この特定入賞口65aの1ラウンドの特定入賞口65aの開放時間は、「大当たりC」と同様に1秒または10球の遊技球が入球するまでに設定されている。このように、遊技者は、「大当たりC」と「小当たり」について、特定入賞口65aの開放動作からは識別困難となっている。また、「大当たりC」と「小当たり」は、第3図柄表示装置81に「341」の主図柄が停止表示された状態(チャンス目)で報知されるので、遊技者は特別図柄(第3図柄)からは識別困難となっている。また、第1図柄表示装置37に表示される特別図柄(第1図柄)は、LEDや7セグ表示で遊技者には識別が困難な表示となっており、大当たり種別が判別し難く構成されている。
また、「大当たりC」と「小当たり」との後には、時短遊技が設定されないので、その後の遊技においても「大当たりC」であったか、「小当たり」であったかの識別が困難となっている。これにより、遊技者は「小当たり」であっても、「大当たりC」が実行されて、遊技状態が確変遊技状態に設定されているのではないかと、期待して遊技を行わせることができる。これにより、遊技者が「大当たりA〜C」が実行されるまでの間の期間で遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
ここで、「特別図柄の確変遊技状態(高確率状態)」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の通常遊技状態(低確率状態)」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第2入球口64bに付随して設けられて理宇電動役物が遊技球を第2入球口64bへと誘導する状態(逆ハの字(図2参照))に可変され易くなり、第2入球口64bへ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に関わらず普通図柄の時短期間と、特別図柄の確変期間とを共通とし、その大当たりの種別に応じて大当たり時のラウンド数を変えている。これに対して、大当たりの種別によらず、ラウンド数を固定としても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えてもよい。例えば、大当たり種別が「大当たりA」になると、その「大当たりA」終了後から特別図柄の抽選が3回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりB」になると、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が6回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりC」になると、その「大当たりC」終了後から特別図柄の抽選が8回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。
更に、普通図柄の当たり確率をアップさせる代わりに、第2入球口64bに付随する電動役物(図示せず)を開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たり終了後に、「特別図柄の高確率状態」および「普通図柄の時短状態」となるが、「特別図柄の高確率状態」が終了した後に、「普通図柄の時短状態」となるように構成しても良い。特別図柄の抽選回数に代えて、所定時間(例えば、2分から5分など)が経過するまで、普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。
ここで、図3〜図4を参照して、振り分けユニット640の構成について説明する。図3(a)〜(b)は、振り分けユニット640の内部の構造を示した図である。実際には、この前面側にカバー体が配置されており、そのカバー体は、内部が透視可能な部材で構成されており、渦巻き状の柄が表面に内部が透視不可能または困難な着色されており、内部が視認し難くなるように構成されている。
振り分けユニット640の上部には、遊技球が入球可能な通過口が設けられており、その通過口を遊技球が通過したことを検知可能にする透過型の入球センサー640aが配置されている。通過口を通過した遊技球は、振り分け部材900によって、その下方に配置された第1入球口64aと第2入球口64bとに交互に振り分けられる。
振り分け部材900は、入球した遊技球を振り分け部材900の収容部900aまたは900cで受ける。収容部640aで遊技球を受けた場合には、遊技球の重さにより、振り分け部材900は、正面視(図34(a)参照)左回りに回転して、遊技球を第1入球口64aへと誘導する。ここで、振り分け部材900は、それぞれ左右周りに約90度回動可能に構成されており、収容部900aと収容部900bとの境界壁には磁石900bが設けられている。
振り分けユニット640の背面側に設けられるベース体には、振り分け部材900の磁石901bが通過口の中央線上の位置にベース側磁石901が配置されている。振り分け部材900の磁石900bとベース側磁石901とは互いに反発する極性になるように構成されている。詳細には、ベース側磁石901は、ベース体に固定された棒状の磁石で構成されており、先端部に磁極(S極またはN極)が発生するように構成されている。ベース側磁石901は、先端部を振り分け部材900側に向くように配置されて固定されている。
磁石900bもベース側磁石901と同様に棒状で構成された磁石で構成され、先端部がベース側磁石901側に向くように、振り分け部材900に固定されている。振り分け部材900が回動し、収容部900aと収容部900bの境界壁が真上(通過口の遊技球が約1球分入球可能な間隔の中心線上)に来る位置で、ベース側磁石901と振り分け部材900の磁石900bとが最も接近する(先端部同士が向かい合う)位置となる。ここで、互いの磁石は、極性が同じ(例えば、N極とN極)となるように配置されているので反発仕合、振り分け部材900の境界壁が真上を向く位置で停止することが無く、左右どちらかに回動した位置に維持されることとなる。
これにより、振り分け部材900は、磁石900bが通過口の中心線上となる位置(上方となる位置)となると、磁石900bとベース側磁石901とが反発することにより、振り分け部材900が左右どちらかに回転し、収容部900aと収容部900bとのどちらかが、振り分けユニット640に入球してくる遊技球を受ける側(遊技機上方側)を向くようになる。よって、入球した遊技球が収容部900aと収容部900bとの境界壁と当接して、球詰まりが発生するのを防止することができる。
また、磁石900bとベース側磁石901とが反発することで、例えば、収容部900aが遊技球を受けて左に約90度回転して、遊技球を第1入球口64aへ誘導した後に、振り分け部材900が右回転する(収容部900aが上方を向く)のを防止することができる。これにより、遊技球を第1入球口64aへ誘導した後には、収容部900bが上方を向いた状態となり、次に振り分けユニット640に入球した遊技球は、収容部900bが受けて、遊技球の重さにより振り分け部材900が右に約180度回転して、遊技球を第2入球口64bへ誘導する。このように、振り分け部材900は、振り分けユニット640に入球する遊技球を第1入球口64aと第2入球口64bとに交互に誘導することができる。よって、均等に第1入球口64aと第2入球口64bとに遊技球を振り分けて入賞させることができ、後述する、第1入球口64aへの入賞に起因する抽選遊技(以下、第1抽選遊技)と第2入球口64bへの入賞に起因する抽選遊技(以下、第2抽選遊技)とを効率良く実行することができる。
右側第2入球口64b2は、第2入球口64bと同様に遊技球が入球すると第2特別図柄の抽選が開始されることとなる入球口である。なお、第2特別図柄は、第2入球口64bと右側第2入球口64b2とを合わせて保留球は4個となっている。
また、振り分けユニット640の通過口(遊技球が1球通過可能な大きさ)には、可変表示ユニット80の右側を通過した遊技球も、左側を通過した遊技球も入球可能となっており、右側第2入球口64b2には、右側を通過した遊技球のみが入球可能に構成されている。
ここで、図3(a)は、振り分け部材900が収容部900aを上方に向く位置に回動した状態で停止している場合を示した図である。この場合に通過口を遊技球が通過すると、収容部900aに遊技球が収容され、遊技球の自重により振り分け部材900を左回りに回動させて誘導部z1に誘導されながら第1入球口64aに遊技球が誘導指される。
遊技球が振り分け部材900により第1入球口へと振り分けられた後には、図3(b)に示すように、収容部900cが上方に向く位置で振り分け部材900が停止される。その後、通過口を遊技球が通過すると収容部900cに収容され、第2入球口64bへと遊技球が振り分けられる。よって、交互に第1入球口64aと第2入球口64bとに振り分けることができる。
本パチンコ機10では、電源の投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。その後、特別図柄の大当たりになると、「特別図柄の高確率状態」へ移行すると共に、「普通図柄の時短状態」へ移行する。「特別図柄の高確率状態」へ移行すると、その状態は、どの種別の大当たりになっても、その特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで継続される。そして、大当たりが終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまでに、新たに特別図柄の大当たりにならかった場合は「特別図柄の低確率状態」に戻る。
なお、「特別図柄の高確率状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになると、「特別図柄の高確率状態」はさらに、その新たな特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで継続される。例えば、特別図柄の大当たりになって「特別図柄の高確率状態」に移行した後、2回目の特別図柄の抽選で新たな大当たりになると、「特別図柄の高確率状態」はさらに、その新たな大当たりの終了後から特別図柄の抽選が12回行われるまで継続される。よって、この場合は、新たな大当たりの前に行われた2回の特別図柄の抽選と、新たな大当たりの後に行われる100回の特別図柄の抽選との少なくとも102回の抽選が終了するまで、「特別図柄の高確率状態」が継続されることになる。
また、特別図柄の大当たりになって、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行すると、その状態は、その特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が8回終了するまで継続される。一方、特別図柄の大当たりになった後、所定回数分の特別図柄の抽選が終了するまでに、新たな特別図柄の大当たりにならないと、「普通図柄の通常状態」に戻る。
そして、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その新たな特別図柄の大当たり終了後から、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続される。例えば、特別図柄の大当たりになって「普通図柄の時短状態」に移行した後、5回目の特別図柄の抽選で新たな大当たりになると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その新たな大当たりの終了後から特別図柄の抽選が8回行われるまで継続される。即ち、本実施形態では、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになると、その度に、その新たな特別図柄の大当たり種別に応じて時短期間(「普通図柄の時短状態」の継続期間)が更新される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64または第2入球口64b,64b2への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64または第2入球口64b,64b2に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64aへ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示され、第2入球口64b,64b2へ入球した場合にも、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第なお、本実施形態においては、第1入球口64a、第2入球口64b,64b2への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下(例えば、2回)、または、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64aへ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図5参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
なお、本実施形態では、特別図柄の抽選が大当たりであった場合に、大当たり種別によらずに、「0」から「9」までの全ての数字が揃う可能性がある。本実施形態のパチンコ機10では、大当たり中のラウンド間に行われるインターバル演出と同様の演出(疑似インターバル演出)を、大当たり終了後の所定の期間(特殊変動期間)で実行するように構成されている。この疑似インターバル演出を効果的に行うために、大当たりとなる場合に表示される主図柄の種別によって大当たり種別を予測することが困難となるように構成している。
なお、本実施形態では、特別図柄の抽選が大当たりAまたは大当たりBであった場合に、大当たり種別によらずに、「0」から「9」までの全ての数字が揃う可能性がある。本実施形態のパチンコ機10では、大当たり中のラウンド間に行われるインターバル演出と同様の演出(疑似インターバル演出)を、大当たり終了後の所定の期間(特殊変動期間)で実行するように構成されている。この疑似インターバル演出を効果的に行うために、大当たりとなる場合に表示される主図柄の種別によって大当たり種別を予測することが困難となるように構成している。また、大当たりCであった場合には、「341」のばらけ目で構成されたチャンス目が表示される。なお、本実施形態では、チャンス目は「341」の1種類としたがそれに限らず、その他のばらけ目で構成してもよいし、リーチ外れ目の一つをチャンス目として設定してもよい。
第1特別図柄と第2特別図柄との抽選遊技の抽選結果を示す特別図柄の変動表示は同時には行われず、どちらか一方のみが行われる。第1特別図柄と第2特別図柄とに対応する保留球がそれぞれ記憶されている場合には、その遊技状態に設定されている優先度に基づいて、入賞した順で特別図柄の変動が設定される。
本実施形態では、図10(a)〜(b)に示したように、第1特別図柄(特図1)では15ラウンドの大当たりのみが選択されるように設定されており、第2特別図柄では、2ラウンドの大当たりが40%の確率で選択されるように設定されている。高確率遊技状態に移行する大当たりの割合としては、第1特別図柄と第2特別図柄とでそれぞれ80%となっており同一の割合で構成されている。
よって、第1特別図柄の方が第2特別図柄よりも遊技者に有利な大当たりが選択され易く設定されている。ここで、振分ユニット640により第1入球口64aと第2入球口64bとに交互に入賞するようになっているため、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選が交互に実行される。
このように構成することで、一方の入賞口に偏って入賞することを防止し、遊技者の損害が過大になってしまうことを抑制でき、遊技店側の損害が過大になりすぎたり、射幸性が著しく高くなってしまう不具合を抑制できるように構成している。また、一方の入賞口に偏って入賞することによる保留球数の上限を超えて入賞する、所謂オーバー入賞の発生頻度を減らすことができるので、入球口に球が入球したにも関わらず入賞とならないことによる遊技者の不満を低減できると共に、遊技者が保留球数の上限となる度に球の射出を止めてしまい遊技の回転率が悪くなることで遊技店側の売上が上がらなくなることを防止できる。
図4に戻って説明を続ける。図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側が保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に2つの小領域Ds1〜Ds2に等区分されている。このうち、小領域Ds1、小領域Ds2は、第1入球口64aまたは第2入球口64bに入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域である。具体的には、小領域Ds1には、特別図柄1の保留球数を示す保留図柄と振分ユニット640への入球に基づく演出図柄が表示され、小領域Ds2には、特別図柄2の保留球数を示す保留図柄と振分ユニット640への入球に基づく演出図柄が表示される。
詳細については後述するが、振分ユニット640へ球が入球すると、入球センサ640aにより入球が検知され、振分ユニット640内の振り分け部材900の傾きに応じてDs1またはDs2に演出図柄が表示される。その後、第1入球口64aまたは第2入球口64bに入賞すると、保留球数を示す保留図柄が表示される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とをそれぞれ識別できるように第1特別図柄の保留球は「白丸図柄(図5(a)参照)」で表示され、第2特別図柄の保留球は、「白三角図柄(図5(a)参照)」で表示され、演出図柄は「白四角図柄(図5(a)参照)」で表示され、演出図柄と保留図柄とが一体的な図柄として表示される。
本実施形態では、演出図柄と保留図柄とが一体的な図柄として保留球数の表示領域に表示されるようになっており、振分ユニット640への入球に基づき、その一体的な図柄の一部である演出図柄が表示されるため、遊技者に対し、振分ユニット640へ入球したことに基づいて、保留図柄が表示されているかのような印象を与えることができる。
実際の表示画面では、図5(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示され、時として、キャラクタが現出する等して予告演出が行われる。また、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆されることもある。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64aへ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。また、第2入球口64bの保留球についても、第1入球口64aと同様に設定される。
なお、本実施形態においては、第1入球口64aまたは第2入球口64b,64b2への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下(例えば、2回)、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、図7、および図8を参照し、主制御装置110に設けられているRAM203について説明する。主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図16参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図26参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203のカウンタ用バッファ203iに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64aまたは第2入球口64b,64b2への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図16参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図26参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64aに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納され、球が第2入球口64b,64b2に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられる。即ち、第1当たり乱数テーブル202aは、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1(図示せず)と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2(図示せず)とで構成され、それぞれのテーブルに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なっている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1(図示せず)と、特別図柄の高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2(図示せず)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64aに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納され、球が第2入球口64b,64b2に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄1保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄1保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は3個あり、その乱数値である「0〜2」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図8(b)参照)に格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が3なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/400」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は30個あり、その値である「0〜29」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図8(b)参照)に格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が30なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「3/40」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されており、この第1当たり種別カウンタC2の値と、ROM202内に設けられている第1当たり種別選択テーブル202b(図9(a)〜(b)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。図9(a)に示すように、第1特別図柄(特図1)の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜19」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「20〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。一方、図9(b)に示すように、、第1特別図柄(特図1)の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜19」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「20〜59」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。また、値が「60〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」となる。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64aに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納され、球が第2入球口64b,64b2に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。また、低確率状態では、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。ここで、変動時間とは、特別図柄の変動が開始されてから、図柄が停止表示され、図柄が確定するまでの時間のことを指す。例えば、9.6秒の図柄変動が実行された後で、図柄が0.4秒間だけ停止表示されて図柄が確定する場合には、変動時間が10秒(9.6秒+0.4秒)であると表記する。この変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図26参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図11(a)〜(d)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている(図9(a)参照)。
変動パターン選択テーブル202d(図11(a)〜(d)参照)には、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たり用の変動パターンとして、「当たりノーマルリーチ」各種、「当たりスーパーリーチ」各種、「当たりスペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターン選択テーブル202dに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。なお、この変動パターン選択テーブル202dに規定されている、5秒〜30秒の変動パターン演出の変動時間としては、例えば、5秒〜30秒の変動時間が規定されている。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通図柄当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通図柄当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図16参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図26参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図6に戻り、説明を続ける。RAM203は、図7に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図26参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図25参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図24参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図8に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203aと、特別図柄2保留球格納エリア203bと、普通図柄保留球格納エリア203cと、特別図柄1保留球数カウンタ203dと、特別図柄2保留球数カウンタ203eと、普通図柄保留球数カウンタ203fと、確変中カウンタ203gと、時短中カウンタ203hと、カウンタ用バッファ203iと、変動実行フラグ203jと、変動順格納エリア203kと、その他メモリエリア203zを有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、第1入球口64a(第1特別図柄)専用の記憶エリアであり、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64aへ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄1の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64aへ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、それらの値を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、各カウンタC1〜C3の各値を抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の入賞情報格納エリア223aに格納する。
特別図柄2保留球格納エリア203bは、第2入球口64b(第2特別図柄)専用の記憶エリアであり、上述した特別図柄1保留球格納エリア203aに対して、第1入球口64a(第1特別図柄)が第2入球口64b(第2特別図柄)に変更される点で相違するのみであるので、その詳細な説明は省略する。
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの普通入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入球口64aへの入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64aへ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値8まで1加算される(図26のS604参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄1の変動表示が実行される毎に、1減算される(図22のS205参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)または、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図17のS208,S213、図21のS605,S612参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1または小領域Ds2に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球が普通入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図23のS804参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図23のS805参照)。
球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図22のS706)。一方、球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図23のS803:No)。
確変中カウンタ203gは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すカウンタであり、確変中カウンタ203gの値が1以上であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変中カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変中カウンタ203gは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において、大当たりの最終ラウンドにおいて特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖するタイミング(即ち、大当たりの終了タイミング)に大当たり種別に応じた値が設定される。具体的には、「大当たり種別A」の場合は0が設定され、「大当たり種別B」および「大当たり種別C」の場合は100が設定される。その後、確変中カウンタ203gの値が1以上の間は、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図22のS216)。
MPU201によって特別図柄1変動開始処理(図18参照)または特別図柄2変動開始処理(図19参照)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄1変動開始処理または特別図柄2変動開始処理では、確変中カウンタ203gの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2に基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変中カウンタ203eの値が0であれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
時短中カウンタ203hは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203hの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203hの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203hは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において、大当たりの最終ラウンドにおいて特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖するタイミング(即ち、大当たりの終了タイミング)に大当たり種別に応じた値が設定される。具体的には、「大当たり種別A」および「大当たり種別B」の場合は100が設定され、「大当たり種別C」の場合は0が設定される。その後、時短中カウンタ203hの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図22のS218)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203hの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203hの値が0であれば、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図22のS710,S711参照)。
カウンタ用バッファ203iは、上述したように、各カウンタ値がカウントされる為に用いられるバッファエリアである。
変動実行フラグ203jは、第1特別図が優先に変動されるか、第2特別図柄が優先に変動されるかを示すフラグである。なお、このフラグは、電断時にもバックアップされる領域であり、RAMクリア等された初期状態では、第1特別図柄が優先に設定されている。
変動順序格納エリア203kは、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203bとに記憶されている各保留データについて入賞順序を記憶するエリアである。この変動順序格納エリア203kには、8個の記憶エリアが設定されており入賞した順に先の記憶エリアに順序が記憶される。なお、特別図柄の変動開始に基づいて、記憶エリアもシフトされる。
図6に戻って説明を続ける。上述の通り、主制御装置110のMPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202が設けられている。このROM202について、図9〜図11を参照して説明する。
図9(a)は、主制御装置110に設けられているROM202の内容を模式的に示した図である。図9(a)に示した通り、ROM202には、第1当たり乱数テーブル202aと、第1当たり種別選択テーブル202bと、第2当たり乱数テーブル202cと、変動パターン選択テーブル202dとが少なくとも設けられている。
第1当たり乱数テーブル202aは、上述した通り、特別図柄の大当たりとなる乱数の値が規定されたテーブルである。この第1当たり乱数テーブル202aに規定されている乱数値と、第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の低確率時に特別図柄の大当たりか否かを判別するためのテーブル(低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a)と、特別図柄の高確率時に特別図柄の大当たりか否かを判別するためのテーブル(高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a)とが設けられており、それぞれのテーブルに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なっている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aには、小当たりの判定値が「30〜39」で設定されている。一方、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aには、小当たり判定値は設定されていない。
これにより、第1特別図柄が優先に変動される通常遊技状態では、小当たりが成立しないようにすることができ、当選した2ラウンドの当たりが小当たりであることが識別され易くなってしまうことを抑制できる。また、第2特別図柄が優先に変動される確変遊技状態の時短中では、大当たりCに当選し易くなるので、小当たりに当選するように設定しておくことで、大当たりCであるか、小当たりであるかを識別し難くすることができ、遊技者をより長く遊技させることができる。
第1当たり種別選択テーブル202bは、(図9(c)参照)は、大当たり種別を決定するための第1当たり種別カウンタC2の判定値が、大当たり種別毎にそれぞれ設定されているデータテーブルである。図9(c)に示した通り、第1当たり種別選択テーブル202bは、第1特別図柄専用の特図1用選択テーブル202b1(図10(a)参照)と第2特別図柄専用の特図2用選択テーブル202b2(図10(b)参照)とで構成されている。
図10(a)に示すように、特図1用選択テーブル202b1は、大当たりAと大当たりBとがそれぞれ選択可能に設定されており、大当たりAの判定値として第1当たり種別カウンタC2の値「0〜19」が、大当たりBの判定値として「20〜99」が設定されている。また、図10(b)に示すように、特図2用選択テーブル202b2は、大当たりA、大当たりB、大当たりCがそれぞれ選択可能に設定されており、大当たりAの判定値として、第1当たり種別カウンタC2の値「0〜19」が、大当たりBの判定値として「20〜59」が、大当たりCの判定値として「60〜99」がそれぞれ設定されている。
第2当たり乱数テーブル202c(図9(a)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。図9(a)に示した通り、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態中)は、第2当たり乱数カウンタバッファに格納された第2当たり乱数カウンタC3の値が5〜28の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。なお、上述の通り、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64に付随する電動役物が「0.2秒間×1回」だけ開放される。
一方、普通図柄の高確率時(普通図柄の時短状態中)は、第2当たり乱数カウンタC3の値が5〜204の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。なお、上述の通り、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64に付随する電動役物が「1秒間×2回」開放される。
変動パターン選択テーブル202d(図9(d)参照)は、変動パターンの表示態様を決定するために用いられるデータテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値毎に表示態様が規定されている。この変動パターン選択テーブル202dには、特別図柄の抽選結果に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には、図9(d)に示すように、変動パターン選択テーブル202dは、当否判定結果が大当たりである場合専用の大当たり用変動パターンテーブル202d1(図11(b)参照)と、当否判定結果が外れであり、通常遊技状態である場合専用の外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図11(c)参照)と、当否判定結果が外れであり、確変遊技状態である場合専用の外れ用(確変)変動パターン選択テーブル202d3(図11(d)参照)によりそれぞれ少なくとも構成されている。この他、図示は省略したが、時短遊技状態の変動パターン選択テーブル等が設定されている。
図6に戻って説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図24参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
なお、払出制御が実行された場合は、払出モータ216により賞球が1個ずつ連続的に払い出される。より具体的には、払出モータ216の回転量が所定量(例えば、1回転)となる毎に、賞球が1個払い出される。また、払出モータ216によって所定個数(10個)の賞球は所定時間(10秒)で払い出されるように払出モータ216の回転速度が設定されている。また、所定個数(10個)の賞球が払い出される度に、所定期間(1秒)だけ賞球の払い出しを休止するように構成されている。これにより、例えば、大当たり中等、多量の賞球を連続的に払い出す必要がある場合に、払出モータ216が休みなく賞球を払い出し続けてしまい、払出モータ216が発熱してしまうことを抑制することができる。よって、払出モータ216の発熱により、パチンコ機10の樹脂部分や弾性体部分が溶けてしまう等により、パチンコ機10が故障してしまうことを抑制することができる。また、払出モータ216において発生した熱がパチンコ機10の可触部(例えば、下皿ユニット15やハンドル51等の遊技者が触れる部分)に伝播し、遊技者に火傷等の怪我をさせてしまうことを抑制することができる。なお、払出モータ216により賞球の払い出しを休止するまでの払い出し個数や払い出しの休止期間は、これに限られるものではなく、払出モータ216の発熱を抑制することができる範囲で任意に定めることができる。例えば、払出モータ216によって5個や25個の賞球が払い出される度に払い出しを休止するように構成してもよい。また、例えば、休止期間を0.5秒や3秒としてもよい。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動パターン演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
ここで、図12を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222、およびRAM223について説明を行う。音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターンテーブルが少なくとも格納されている。変動パターンテーブルについては、既に公知のものであるため簡単に説明するが、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定する。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。
また、図12に示した通り、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄1保留球数カウンタ223bと、特別図柄2保留球数カウンタ223cと、変動開始フラグ223dと、停止種別選択フラグ223eと、先行特図1保留球数カウンタ223fと、先行特図2保留球数カウンタ223gと、特図1先行入賞フラグ223hと、特図2先行入賞フラグ223iとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報である各カウンタC1〜C3の各値がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64aへの入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する(図31のS1610参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
なお、特別図柄2保留球数カウンタ223cは、第2入球口64b,64b2(第2特別図柄)専用の保留球数カウンタであり、上述した特別図柄1保留球数カウンタ223bに対して、第1入球口64a(第1特別図柄)が第2入球口64b,64b2(第2特別図柄)に変更される点で相違するのみであるので、その詳細な説明は省略する。
変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図37のS1701参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図39のS1902参照)。変動開始フラグ223dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)のコマンド出力処理(S1502)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図36のS1604参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図39のS1907参照)。停止種別選択フラグ223eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)が設定される。また、設定された停止種別は、表示用停止種別コマンドによって、表示制御装置114に通知される。表示制御装置114では、音声ランプ制御装置113より受信した表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
先行特図1保留球数カウンタ223fは、振り分け部材900が第1入球口64aへ遊技球を振り分ける方向に向いている場合に、通過口を遊技球が通過すると1加算されるカウンタである。
先行特図2保留球数カウンタ223gは、先行特図2保留球数カウンタ223fに対して、振り分け部材900が第2入球口へ遊技球を振り分ける方向に向いている場合に、通過口を通過すると1加算される点で相違する。
特図1先行入賞フラグ223hは、第1入球口64aに振り分けられる向きに振り分け部材900が向いている場合に、通過口を遊技球が通過したことを示すフラグである。このフラグにより、通過口を遊技球が通過した後に、第1入球口64aに遊技球が入球したかを判別できる。本実施形態では、特図1先行入賞フラグ223hがオンされてから3秒間経過しても第1入球口64aに入球しない場合には、第1入球口64aに入球せずに、振り分けユニット640外へ排出されたと判別することができる。
特図2先行入賞フラグ223iは、第2入球口64bに振り分けられる向きに振り分け部材900が向いている場合に、通過口を遊技球が通過したことを示すフラグである。このフラグにより、通過口を遊技球が通過した後に、第2入球口64bに遊技球が入球したかを判別できる。本実施形態では、特図2先行入賞フラグ223iがオンされてから3秒間経過しても第2入球口64bに入球しない場合には、第2入球口64bに入球せずに、振り分けユニット640外へ排出されたと判別することができる。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図36参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
図6に戻って説明を続ける。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、公知のものであるので、詳細な説明については省略する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図24参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図13〜図15を参照して、本実施形態における保留図柄の表示態様について説明する。図13は、振り分けユニット640の通過口(入球センサー640a)を通過して、第1入球口64aに入球するまでに第3図柄表示装置81に表示される表示態様の表示タイミングについて示したタイミングチャートである。
図13(a)は、通過口を遊技球が通過して、その後に入球判断期間(3秒間)が経過するまでに、第1入球口64aに入球した場合のタイミングチャートである。小領域Ds1に通過口に遊技球が通過したことを示す演出図柄「白四角図柄」が2個表示されており、第1特別図柄の保留図柄である「白丸図柄」が2個表示されている(図14参照)。ここで、本実施形態では、通過口に遊技球が通過すると、振り分け部材900が収容部900aが上方を向いている状態で、第1入球口64aに振り分けることが可能な状態である場合には、小領域Ds1の空き領域のうち、最も入賞順序の若い位置に、「白四角図柄」が表示される(図14(b)参照)。その後、第1入球口64aに遊技球が3秒以内に入球すると、「白四角図柄」の内部に第1特別図柄の保留図柄である「白丸図柄」が表示される(図15(a)参照)。白丸図柄が表示される場合には、演出図柄は、保留図柄が非表示になるまで継続して表示される。
これにより、遊技者は、四角図柄の内部に白丸図柄が表示された状態の融合された図柄が第1特別図柄の保留図柄であると認識する。よって、演出図柄が表示されて、白丸図柄が表示されるまでを、保留図柄が表示される演出として認識できる。従って、遊技者は、演出図柄が表示されたタイミングで第1特別図柄の保留が表示されたように認識でき、第1入球口64aに実際入球するまでの時間差により違和感を軽減できる。
図13(b)は、通過口に入球して第1入球口64aに入球判断期間を経過しても入球しない場合の表示態様の表示タイミングについて示した図である。通過口に入球したタイミングで、振り分け部材900が第1入球口に振り分ける向きを向いている場合には、図14(b)に示すように、小領域Ds1に演出図柄を追加して表示する。その後、入球判断期間(本実施形態では、3秒間)を経過しても第1入球口64aに入球しない場合には、図15(b)に示すように、演出図柄を非表示に設定する。
このように、演出図柄を入球判断期間が経過したタイミングで非表示にすることで、遊技者に第1入球口64aに入球しなかったことを報知することができる。よって、遊技者は、正確な保留球の数を認識しながら遊技を行うことができる。
なお、振り分け部材900が第2入球口640bに遊技球を振り分ける位置に向いている状態で通過口を遊技球が通過した場合には、小領域Ds2に演出図柄「白四角図柄」が表示される。第2特別図柄は、演出図柄の白四角図柄の内部に白三角図柄が表示される。
なお、振り分け部材900の位置は、回転センサ990によって識別可能に構成されている。本実施形態では、回転センサ990によって、振り分け部材900の位置を判別する構成としたが、それに限らず、入球した入球口により振り分け部材900の位置を毎回判別するように構成してもよい。具体的には、第1入球口64aに入球したことに基づいて、振り分け部材900は収容部900cが上方を向いている状態として判別するように構成する。このように構成することで、専用のセンサ等を設けなくても、振り分け部材900の位置を判別できる。また、振り分け部材900が振動等で回動してしまったとしても、毎回入球口に入球する毎に、位置を更新して判別することで、正しく振り分け部材900の位置を判別できる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図16から図27のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図16は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行しS104)、その後、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理S104)、及び、始動入賞処理(S105)の詳細は、図17〜図21を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理(S106)、及び、スルーゲート通過処理(S107)の詳細は、図22および図23を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図17を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図17は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、特別図柄1の保留球または特別図柄2の保留球のどちらで変動を実行するかを判定し、変動実行フラグ203jの設定を行う、変動実行判定処理を実行する(S204)。なお、変動実行判定処理については、図17を参照して後述する。
変動実行判定処理によって設定された、変動実行フラグ203jが、特図1で変動実行(1)であるかを判定し(S205)、特図1で変動実行(1)でなければ(S205:No)、変動実行フラグ203jが特図2で変動実行(2)であるかを判定し(S210)、特図2で変動実行(2)でなければ(S210:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、変動実行フラグ203jが特図1で変動実行(1)であれば(S205:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S206)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S207)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図26参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
S207の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S208)。S208の処理では、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄1変動開始処理を実行する(S209)。なお、特別図柄1変動開始処理については、図20を参照して後述する。
S205の処理において、変動実行フラグ203jが特図1で変動実行(1)でなければ(S205:No)、変動実行フラグ203jが特図2で変動実行(2)であるかを判別し、(S210)、変動実行フラグ203jが特図2で変動実行(2)であれば(S210:Yes)、特別図柄2の保留球について、上述した特別図柄1の保留球についての処理と同様の処理を行う。
具体的には、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S211)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S212)。ここで設定された保留球数コマンドにより、RAM223の特別図柄2保留球数カウンタ223cが更新される。S212の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトし(S213)、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄2変動開始処理を実行する(S214)。なお、特別図柄2変動開始処理については、図19を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S215)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S215:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S216)、本処理を終了する。
一方、S215の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S215:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S217)。停止図柄の設定は、図19を参照して後述する特別図柄1変動開始処理(S209)または、図20を参照して後述する特別図柄2変動開始処理(S214)によって予め行われる。この特別図柄1変動開始処理または特別図柄2変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄1または特別図柄2の停止図柄が設定される。より具体的には、特別図柄1の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるか、大当たりCとなるかが決定され、特別図柄2の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
なお、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S217の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の表示(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S218)。そして、今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S218:Yes)、大当たりの開始を設定し(S219)、S224の処理へ移行する。
一方、S218の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S218:No)、確変中カウンタ203gの値が0より大きいか否かを判別し(S220)、確変中カウンタ203gの値が0より大きいと判別した場合は(S220:Yes)、確変中カウンタ203gの値を1減算して(S221)、S222へと処理を移行する。一方、確変中カウンタ203gの値が0であると判別した場合は(S220:No)、S221の処理をスキップして、S222の処理へ移行する。
S222の処理では、時短中カウンタ203hの値が0より大きいか否かを判別し(S222)、時短中カウンタ203hの値が0より大きいと判別した場合は(S222:Yes)、時短中カウンタ203hの値を1減算して(S223)、S224へと処理を移行する。一方、時短中カウンタ203hの値が0であると判別した場合は(S222:No)、S223の処理をスキップして、S224の処理へ移行する。
S219、S222、またはS223の処理後に実行されるS224の処理では、S217の処理で設定された停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様であるLEDの点灯と第3図柄表示装置81の変動停止を同調させるために停止コマンドが設定される(S224)。
次に、図18を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動実行判定処理(S204)について説明する。図18は、変動実行判定処理(S204)を示したフローチャートである。この変動実行判定処理(S204)は、タイマ割込処理(図15参照)の特別図柄変動処理(図17参照)の中で実行される処理であり、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの、どちらの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて実行するかを判定するための処理である。
変動実行判定処理では、まず、変動実行フラグ203jに0を設定することで、初期化を行い(S301)、変動順格納エリア203kのデータを取得する(S302)。その後、変動順格納エリア203kのデータをシフトする(S303)。S303の処理では、変動順格納エリア203kの第1エリア〜第8エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→保留第3エリア、第5エリア→第4エリア、第6エリア→第5エリア、第7エリア→保留第6エリア、第8エリア→保留第7エリア、といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、実行エリアのデータが特図1(1)であるか否かを判定する(S304)。
S304の処理にて、実行エリアのデータが特図1(1)であると判定された場合(S304:Yes)、変動実行フラグ203jを特図1で変動実行(1)に設定し(S305)、本処理を終了し、特別図柄変動処理へ戻る。
一方、実行エリアのデータが特図1(1)でないと判定された場合(S304:No)、実行エリアのデータが特図2(2)であるか否かを判定する(S306)。S306の処理にて、実行エリアのデータが特図2(2)であると判定された場合(S306:Yes)、変動実行フラグ203jを特図2で変動実行に設定し(S307)、本処理を終了し、特別図柄変動処理へ戻る。
S306の処理にて、実行エリアのデータが特図2(2)でないと判定された場合(S306:No)、変動実行する保留球が無いため、変動実行フラグ203jが初期状態のまま、本処理を終了し、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄1変動開始処理(S209)について説明する。図19は、特別図柄1変動開始処理(S209)を示したフローチャートである。この特別図柄1変動開始処理(S209)は、タイマ割込処理(図16参照)の特別図柄変動処理(図17参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄1変動開始処理では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている特別図柄1の第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得し(S401)、確変中であるか否かを判定する(S402)。具体的には、確変中カウンタ203gが0より大きい場合は確変中であると判定し、確変中カウンタ203gが0の場合は確変中でないと判定する。S402の処理にて、確変中であると判定された場合(S402:Yes)、第1当たり乱数テーブル202aの高確率時の大当たり判定値および小当たり判定値に基づいて抽選結果を取得し(S403)、S405の処理に移る。ここで、特別図柄の抽選結果は、S106の処理で更新された第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202aの高確率時の大当たり判定値(図9(b))に格納されている値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定する(S403)。第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜29」の範囲にあれば、大当たりであると判定し、「30〜399」の範囲にあれば外れであると判定する(図9(b)参照)。
一方、確変中カウンタ203gが0で、確変中でないと判定された場合(S402:No)、第1当たり乱数テーブル202aの低確率時の大当たり判定値および小当たり判定値に基づいて抽選結果を取得し(S404)、S405の処理に移る。ここで、特別図柄の抽選結果は、S106の処理で更新された第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202aの高確率時の大当たり判定値(図9(b))に格納されている値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定する(S404)。第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜29」の範囲にあれば、大当たりであると判定し、「30〜39」の範囲にあれば小当たりであると判定し、「40〜399」の範囲にあれば外れであると判定する(図9(b)参照)。
次に、抽選結果を含む入賞情報コマンドを設定し(S405)、S406の処理に移る。S406の処理では、S403又はS404の処理にて取得した抽選結果が大当たりであるか否かを判定する。S403又はS404の処理にて取得した抽選結果が大当たりであると判定された場合(S405:Yes)、S401の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づき、特図1用選択テーブル202b1より表示態様を設定し(S407)、変動種別カウンタCS1の値に基づいて大当たり変動パターンを決定する(S408)。
より具体的には、S401の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bの特図1用選択テーブル202b1に格納されている乱数値とを比較し、3種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB、大当たりC)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲にあれば、大当たりA(15R普通大当たり)であると判定し、「20〜59」の範囲にあれば、大当たりB(15R確変大当たり)であると判定し、「60〜99」の範囲にあれば、大当たりC(2R確変大当たり)であると、判定する(図10(a)参照)。
このS407の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC)が停止種別として設定される。
次に、大当たりの変動パターンを変動パターン選択テーブル202dの特図1用選択テーブル202d1に基づき決定する(S408)。S408の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファ203iに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と図柄変動の種別との関係は、変動パターン選択テーブル202d(図11(a)〜(d)参照)に規定されている。具体的には、大当たり時であれば、変動種別カウンタCS1の値が「0〜50」の範囲にあればノーマルリーチ(30秒)、「51〜179」の範囲にあればスーパーリーチ(60秒)、「180〜198」の範囲にあればスペシャルリーチ(90秒)の変動パターンとなる(図11(b)参照)。
S406の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S406:No)、外れの表示態様を設定する(S409)。S409の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別を決定する。例えば、停止種別としては、「前後外れリーチ」、「前後外れ以外リーチ」、「完全外れ」などが規定されている。
次に、外れの変動パターンを変動パターン選択テーブル202dの特図1用選択テーブル202d1に基づき決定する(S410)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S407の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファ203iに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と図柄変動の種別との関係は、変動パターン選択テーブル202d(図11(a)〜(d)参照)に規定されている。具体的には、確変中でない外れ時に完全外れであれば、変動種別カウンタCS1の値が「0〜98」の範囲にあれば短外れ(7秒)、「99〜198」の範囲にあれば長外れ(10秒)となり、リーチであれば、変動種別カウンタCS1の値が「0〜149」の範囲にあればノーマルリーチ(30秒)、「150〜197」の範囲にあればスーパーリーチ(60秒)となり、「198」であれば、スペシャルリーチ(90秒)となる。
S407の処理またはS410の処理が終わると、次に、S407の処理またはS410の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S411)。次いで、S407の処理またはS410の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S412)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図26)のS1101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S412の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図20を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄2変動開始処理(S214)について説明する。図20は、特別図柄2変動開始処理(S214)を示したフローチャートである。この特別図柄2変動開始処理(S214)は、タイマ割込処理(図16参照)の特別図柄変動処理(図17参照)の中で実行される処理であり、特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
この特別図柄2変動開始処理では、特別図柄1変動開始処理(S209)と同様に、S501の処理によって取得した特別図柄2の第1当たり乱数カウンタC1と、第1当たり乱数テーブル202aの第1当たり乱数テーブル202aの判定値に基づき抽選結果を取得する。S502の処理にて、確変中であると判定された場合は(S502:Yes)、第1当たり乱数テーブル202aの高確率時の大当たり判定値および小当たり判定値に基づいて抽選結果を取得し(S503)、確変中でないと判定された場合は(S502:No)、第1当たり乱数テーブル202aの低確率時の大当たり判定値および小当たり判定値に基づいて抽選結果を取得する(S504)。その後、抽選結果を含む入賞情報コマンドを設定し(S505)、取得した抽選結果が大当たりであるか否かを判定する(S506)。
S506の処理にて、取得した抽選結果が大当たりであると判定された場合(S506:Yes)、S501の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たりの表示態様を設定する(S507)。
具体的な内容は、特別図柄1変動開始処理(S209)の大当たり時の表示態様の設定(S407)と同様に、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)を設定し、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。なお、本実施形態では、S507の処理を、特別図柄1の大当たりの表示態様の設定(S407)で用いる特図1用選択テーブル202b1とは異なる、特図2用選択テーブル202b2を用いて設定を行っているが、同一のテーブルを用いて設定するようにしても良い。
次に、大当たり時の変動パターンを変動パターン選択テーブル202dの特図2用選択テーブル202d2に基づき決定し(S508)、S511の処理へ移行する。
一方、S506の処理において、特別図柄2の外れであると判定された場合には(S506:No)、外れの表示態様を設定する(S509)。具体的な内容は、特別図柄1変動開始処理(S209)の外れの表示態様の設定(S409)と同様である。
次に、外れの変動パターンを変動パターン選択テーブル202dに基づき決定し(S510)、S511の処理へ移行する。
S508の処理またはS510の処理が終わると、次に、S508の処理またはS510の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S511)。次いで、S507の処理またはS509の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S512)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図26)のS1101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S512の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図21を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図21は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S601)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S602)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S603:No)、S608の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S601:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S603:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S604)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S605)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図26参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
S605の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1の値を取得し(S606)、変動順格納エリア203kの最初のエリアへ特図1(1)を設定し(S607)、S608の処理へ移行する。なお、S607の処理では、特別図柄1保留球カウンタ203dまたは特別図柄2保留球カウンタ203eの値を参照し、その合計値が1であれば、第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が2であれば第2エリアを、その値が3であれば第3エリアを、その値が4であれば第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。この変動順格納エリア203kに設定された値を上述した変動実行判定処理(S204)にて判別することにより、本実施形態のように始動口が特別図柄1を変動させるものと、特別図柄2を変動させるものとの2種類の変動がある場合でも、始動口に入賞した順序で変動を開始させることができる。
S608の処理では、球が第2入球口64bに入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S608)。球が第2入球口64bに入賞したと判別されると(S608:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eについて、第1入球口64に入賞した場合と同様の処理を行う。
より具体的には、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得し(S609)、値が上限値(本実施形態では4)未満であれば(S610:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1加算すし(S611)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S612)。そして、第1当たり乱数カウンタC1の値を取得し(S613)、変動順格納エリア203kの最初のエリアへ特図2(2)を設定し(S614)、本処理を終了する。なお、S614での最初のエリアの判定はS609の処理と同様にして行う。
第2入球口64bへの入賞がないか(S608:No)、或いは、第2入球口64bへの入賞があっても特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が4未満でなければ(S610:No)、そのまま本処理をする。
次に、図22を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図22は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S701)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S701:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S701:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S702)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S702:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S703)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S704)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S704:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S704:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S705)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S706)。S706の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S707)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203hの値が0より大きいか否かを判定する(S708)。尚、時短中カウンタ203hは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203hの値が0より大きければ(S708:Yes)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203hの値が0であれば(S708:No)、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203hの値が0でない(即ち、1以上である)場合は(S708:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S709)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S709:Yes)、S711の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物が開放されて、特別入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S709の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S709:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S707の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S710)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図9(a)参照)。
S708の処理において、時短中カウンタ203hの値が0である場合は(S708:No)、S711の処理へ移行する。S711の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S707の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S711)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図9(a)参照)。
次に、S710またはS711の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S712)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S712:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S713)。このS713の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203hの値が0より大きいか否かを判定し(S714)、時短中カウンタ203hの値が0より大きいと判定した場合は(S714:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S715)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S715:Yes)、S717の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S715の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S715:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S716)、S719の処理へ移行する。
S714の処理において、時短中カウンタ203hの値が0である場合は(S714:No)、S717の処理へ移行する。S717の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S717)、S719の処理へ移行する。
S712の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S712:No)、外れ時の表示態様を設定する(S718)。このS718の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S719の処理へ移行する。
S719の処理では、時短中カウンタ203hの値が0より大きいか否かを判定し(S719)、時短中カウンタ203hの値が0より大きければ(S719:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S720)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203hの値が0であれば(S719:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S721)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S702の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S702:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S722)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S720の処理またはS721の処理によって予め設定された時間である。
S722の処理において、変動時間が経過していなければ(S722:No)、本処理を終了する。一方、S722の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S722:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S723)。S723の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S713の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S718の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S723の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図26参照)の第2図柄表示更新処理(S1107参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S713の処理またはS718の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S724)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S724:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S725)、本処理を終了する。S725の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図26参照)の電動役物開閉処理(S1105参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S716の処理またはS717の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S724の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S724:No)、S725の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図23のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図23は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行され、普通入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通入球口67を通過したか否かを判定する(S801)。ここでは、普通入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口67を通過したと判定されると(S801:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S802)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S803)。
球が普通入球口67を通過していないか(S801:No)、或いは、球が普通入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S803:No)、本処理を終了する。一方、球が普通入球口67を通過し(S801:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S803:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S804)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S805)、本処理を終了する。尚、S805の処理では、普通図柄保留球カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図24は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S901)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図25を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図25は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1002)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1003)。
その後、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1004)、オンされていれば(S1004:Yes)、処理をS1012へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1004:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1005)、記憶されていなければ(S1005:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1012へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1005:Yes)、RAM判定値を算出し(S1006)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1007:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1012へ移行する。なお、図26のS1114の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1012の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1012)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1013,S1014)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1013,S1014)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1013,S1014)を実行する。RAMの初期化処理(S1013,S1014)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1013)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1014)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1010の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1004:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1005:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1007:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1008)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1009)、S1010の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1010の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S1011)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図26を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図26は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1101〜S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1110,S1111のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図16参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1101)。具体的には、タイマ割込処理(図16参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図17参照)や始動入賞処理(図21参照)で設定された保留球数コマンドや、特別図柄1変動処理(図19参照)や特別図柄2変動処理(図20参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図27参照)で設定されたラウンド数コマンドや、を音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1102)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1103)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1104)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。最終ラウンドにおいて特定入賞口65aを閉鎖した後は、大当たりの終了を設定する。この大当たりの終了の設定には、特殊変動期間の開始の設定が含まれる。一方、最終ラウンド以外のラウンドにおいて特定入賞口65aを閉鎖する場合は、ラウンド間演出開始コマンドを設定する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理(S1104)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1105)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図22参照)のS725の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS716の処理またはS717の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1106)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄1変動開始処理(図19参照)または特別図柄2変動開始処理(図20参照)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄1変動開始処理(図19参照)または特別図柄2変動開始処理(図20参照)によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1107)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図22参照)のS720の処理またはS721の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図22参照)のS723の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図22参照)のS713の処理またはS718の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1108)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1108:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1109)、既に所定時間が経過していれば(S1109:Yes)、処理をS1101へ移行し、上述したS1101以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1109:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1110,S1111)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1110)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1102の処理と同一の方法によって実行する(S1111)。
ここで、S1101〜S1107の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1108の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1108:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図24のNMI割込処理が実行されたということなので、S1112以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1112)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1113)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1114)、RAM203のアクセスを禁止して(S1115)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1108の処理は、S1101〜S1107で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1110とS1111の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1101の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1101の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1001)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1101の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図27のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1104)を説明する。図27は、この大当たり制御処理(S1104)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1104)は、メイン割込処理(図26参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1201)。具体的には、特別図柄変動処理(図17参照)のS219の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始される。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1201の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1201:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1201の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1201:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1202)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1202:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1203)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1204)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図26参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1202の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1202:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1205)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1205の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していないと判定した場合は(S1205:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1205の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したと判定した場合は(S1205:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1206)、今回の特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖が最終ラウンドのものであるか否か(即ち、大当たりの全てのラウンドが終了したか否か)を判定する(S1207)。
特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖が最終ラウンドのものであると判定された場合には(S1207:Yes)、大当たりの終了を設定し(S1208)、各種カウンタに大当たり後に対応した値を設定する(S1209)。即ち、時短中カウンタ203hに100を設定することにより、大当たりの終了から特別図柄の抽選が100回実行されるまで普通図柄の高確率状態(時短状態)となるように設定する。各種カウンタ値の設定後は、本処理を終了する。
また、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖したラウンドが最終ラウンドでないと判定した場合は(S1207:No)、S1208およびS1209をスキップし、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図28から図34を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図28を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図28は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1301)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1418の電源断処理(図29参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1302)。図29を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図29のS1415参照)、S1418の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1418の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1302:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1418の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1303)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1306の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1303:Yes)、S1304へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1303:No)、S1308へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1303:Yes)、S1304へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1418の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1303:No)、S1308へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1302:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1418の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1304へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1304の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1304)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1305:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1306)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1305:No)、RAM223の異常を報知して(S1307)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1308の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1308)。電源断フラグはS1418の電源断処理の実行時にオンされる(図29のS1417参照)。つまり、電源断フラグは、S1418の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1308の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1418の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1308:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1309)、RAM223の初期値を設定した後(S1310)、割込み許可を設定して(S1311)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1308の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1304からS1306の処理を経由してS1308の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1308:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1309をスキップして、処理をS1310へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1310)、割込み許可を設定して(S1311)、メイン処理へ移行する。
なお、S1309のクリア処理をスキップするのは、S1304からS1306の処理を経由してS1308の処理へ至った場合には、S1304の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図29を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図29は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS1401の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1401)、1m秒以上経過していなければ(S1401:No)、S1402〜S1411の処理を行わずにS1412の処理へ移行する。S1401の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1402〜S1411が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1412のコマンド判定処理や、S1413の疑似連続変動処理や、S1414の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1412の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1413の処理が短い周期で実行されることにより、入球センサ640aによる入球検出に基づく先行入賞演出に関する設定を遅延なく行うことができ、S1414の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1401の処理で1m秒以上経過していれば(S1401:Yes)、まず、S1403〜S1414の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1402)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1408の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1403)、その後電源投入報知処理を実行する(S1404)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1405の処理へ移行する。
S1405の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1406)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223bおよび特別図柄2保留球数カウンタ223cの値に応じて保留ランプ(Ds1、Ds2)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1407)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1407の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1408)、その後音編集・出力処理を実行する(S1409)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1409の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1410)、S1412の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1408のランプ編集処理が実行される。なお、S1409の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1412の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1412)。このコマンド判定処理の詳細については、図31を参照して後述する。
その後、先行入賞検出処理(S1411)にて入球センサ640aによる入球検出に基づいた演出を行うための、先行入賞演出処理を実行する(S1413)。この先行入賞演出処理の詳細については、図33を参照して後述する。
そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1414)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図34を参照して後述する。
S1414の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1415)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1415の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1415:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1417)、電源断処理を実行する(S1418)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1419)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1415の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1415:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1416)、RAM223が破壊されていなければ(S1416:No)、S1401の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1416:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される先行入賞検出処理(S1411)について説明する。図30は、この先行入賞検出処理(S1411)を示したフローチャートである。この先行入賞検出処理(S1411)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図28参照)の中で実行され、上述したように、入球センサ640aによる入球検出があった場合に、予測される入賞先である第1入球口64aまたは第2入球口64bに応じた入賞演出を実行する。
先行入賞検出処理(S1411)では、まず、球が入球口へ入球したか否かを入球センサ640aによって判別する(S1501)。球が入球口へ入球していないと判別された場合は(S1502)、そのまま本処理を終了する。一方、球が入球口へ入球したと判別された場合は、遊技球が第1入球口64aまたは第2入球口64bのどちらに入球するかを予測する。入賞先の予測の方法としては、振り分け部材900の軸に搭載されている傾きを検知するセンサ(図示せず)により、振り分け部材900の向きを傾きから算出することで予測する。なお、入賞先の予測のための振り分け部材900の向きの検出は、傾きを検知するセンサによるものでなくても良く、例えば、磁石とホールセンサを用いるものであっても良い。また、入賞先の予測は、上述したように振り分け部材900の向きは左右交互となっているので、入賞回数に基づいて入賞先を予測するようにしても良く、その場合センサを不要とすることができる。
次に、S1502の処理により球が第1入球口へ入賞すると予測されたか否かを判定し(S1503)、球が第1入球口へ入賞しないと予測された場合は(S1503:No)、S1509の処理へ移行する。一方、球が第1入球口へ入賞すると予測された場合は(S1503:Yes)、先行特図1保留数カウンタの値(SN1)を取得する(S1504)。その取得した先行特図1保留数カウンタの値(SN1)が所定回数未満(本実施形態では4未満)であるかを判定し(S1505)、所定回数未満でなければ(S1505:No)、S1506〜S1508の処理をスキップし、S1509の処理へ移行する。一方、先行特図1保留数カウンタの値(SN1)が所定回数未満であれば(S1505:Yes)、先行特図1保留数カウンタの値(SN1)を1加算する(S1506)。その後、特図1先行入賞フラグ223hをオンにし(S1507)、表示用特図1先行入賞演出コマンドを設定し(S1508)、S1509の処理へ移行する。
S1507の処理でオンにされた特図1先行入賞フラグ223hに基づいて、音声ランプ制御装置におけるメイン処理(図29)の音編集・出力処理(S1409)にて、入賞音が出力される。これにより、遊技者が視認可能な640へ球が入球するタイミングで入賞音を出力することができるので、遊技者が入賞を視認できない第1入球口64aまたは第2入球口64bのいずれかに入賞するタイミングで入賞音が出力されていた従来に比べ、遊技者の違和感を低減することができる。また、S1508の処理によって設定された表示用特図1先行入賞演出コマンドによって、保留図柄が点灯したかのような演出(図14(b)参照)を遊技者が視認可能な640へ球が入球するタイミングで実行することができるので、遊技者が入賞を視認できない第1入球口64aまたは第2入球口64bのいずれかに入賞するタイミングで保留図柄が点灯されていた従来に比べ、遊技者の違和感を低減することができる。
なお、ここで出力される音声は、第1入球口64aに入球するまで、継続して出力される。第1入球口64aに入球しなかった場合には、入球判断期間の3秒間が経過すると、フラグがオフにされるのに基づいて、停止される。
S1503,S1505またはS1508の処理が終わると、S1502の処理により球が第2入球口へ入賞すると予測されたか否かを判定し(S1509)、球が第2入球口へ入賞しないと予測された場合は(S1509:No)、S1509の処理へ移行する。一方、球が第2入球口へ入賞すると予測された場合は(S1509:Yes)、第1入球口へ入賞すると予測された場合(S1503〜S1508)と同様の処理を実行する。具体的には、先行特図2保留数カウンタの値(SN2)を取得し(S1510)、その取得した先行特図2保留数カウンタの値(SN2)が所定回数未満(本実施形態では4未満)であるかを判定し(S1511)、所定回数未満でなければ(S1511:No)、S1512〜S1514の処理をスキップし、本処理を終了する。一方、先行特図2保留数カウンタの値(SN2)が所定回数未満であれば(S1511:Yes)、先行特図2保留数カウンタの値(SN2)を1加算し(S1512)、特図2先行入賞フラグ223iをオンにし(S1513)、表示用特図2先行入賞演出コマンドを設定し(S1514)、本処理を終了する。
次に、図31を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1412)について説明する。図31は、このコマンド判定処理(S1412)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1412)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図29参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S1412)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1601)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1601:Yes)、変動開始フラグ223dをオンにし(S1602)、変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出し(S1603)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図34参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
図31に戻り、説明を続ける。変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1601:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1604)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1604:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S1605)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1606)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図34参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1604:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1607)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1607:Yes)、保留球数コマンド受信処理を実行し(S1608)、メイン処理へ戻る。
ここで、図32を参照して保留球数コマンド受信処理(S1608)について説明する。図32は、この保留球数コマンド受信処理(S1608)を示したフローチャートである。この保留球数コマンド受信処理(S1608)では、まず、受信した保留球数コマンドが特別図柄1の保留球数コマンドであるか否かを判別する(S1701)。受信した保留球数コマンドが特別図柄1であると判別された場合(S1701:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する(S1702)。その後、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する(S1703)。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1702の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値に合わせることができる。また、S1703の処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
次に、先行特図1保留球数カウンタの値(SN1)を取得し(S1704)、特別図柄1における変動表示の保留回数N1が、取得した先行特図1保留球数カウンタの値(SN1)よりも多いか否かを判定する(S1705)。特別図柄1における変動表示の保留回数N1が、取得した先行特図1保留球数カウンタの値(SN1)よりも多いと判定された場合(S1705:Yes)、先行特図1保留球数カウンタの値(SN1)を特別図柄1における変動表示の保留回数N1に変更し(S1706)、S1707の処理へ移行する。一方、特別図柄1における変動表示の保留回数N1が、取得した先行特図1保留球数カウンタの値(SN1)よりも多くないと判定された場合は、S1706の処理をスキップしてS1707の処理へ移行する。
S1707の処理では、特図1先行入賞フラグ223hがオン(1)となってから所定期間以内(本実施形態では3秒以内)であり、かつ、特別図柄1における変動表示の保留回数N1と取得した先行特図1保留球数カウンタの値(SN1)とが、同じ値であるか否かを判定する(S1707)。S1707の判定が真であれば、特図1先行入賞フラグをオフ(0)に設定し(S1708)、本処理を終了する。一方、S1707の判定が偽であれば、S1708の処理をスキップし、本処理を終了する。ここで、音声ランプ制御装置のメイン処理(図29)の先行入賞検出処理(S1411)での入球センサ640aによる入球検知に基づいて、特図1先行入賞フラグ223hがオン(1)に設定され、先行特図1保留球数カウンタが1加算される。その入球検知後の第1入球口への入賞により主制御装置にて特別図柄1における変動表示の保留回数N1が1加算され、保留球数コマンドとして送信されるので、特別図柄1における変動表示の保留回数N1と取得した先行特図1保留球数カウンタの値(SN1)とが一致する。そこで、特図1先行入賞フラグがオン(1)となってから所定期間の間に、保留球数コマンドを受信することで、特別図柄1における変動表示の保留回数N1と取得した先行特図1保留球数カウンタの値(SN1)が一致する場合に、入球センサ640aでの入球検知後に第1入球口64への入賞があったとして特図1先行入賞フラグをオフ(0)に設定する。この特図1先行入賞フラグが入球検知後から所定期間以内にオフ(0)に設定されない場合、入球センサ640aでの入球検知後に第1入球口64へ入賞しなかったと判別することができる。
一方、受信した保留球数コマンドが特別図柄1でないと判別された場合(S1701:No)、S1702〜S1708の処理と同様の処理を特別図柄2に対して実行する(S1709〜S1715)。処理の詳細は上述したS1702〜S1708の説明と同様であるため省略する。
図31に戻り、説明を続ける。S1607の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1607:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S1609)。そして、入賞情報コマンドを受信した場合には(S1609:Yes)、受信したコマンドから特別図柄における大当たり判定結果を入賞情報として抽出し入賞情報格納エリア223aの最初のエリアに格納し(S1610)、メイン処理に戻る。尚、S1610の処理では、特別図柄1保留球カウンタ223bの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S1609の処理において、入賞情報コマンドを受信していない場合には(S1609:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S1611)。そして、ラウンド数コマンドを受信した場合には(S1611:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S1612)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(S1613)、本処理を終了する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図28参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
一方、S1611の処理において、ラウンド数コマンドを受信していない場合には(S1611:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1614)、メイン処理に戻る。その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。その他のコマンドの具体例としては、例えば、上述したオープニング開始コマンドが挙げられる。
次に、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される先行入賞演出処理(S1413)について説明する。図33は、この先行入賞演出処理(S1413)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1413)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図29参照)の中で実行され、入球センサ640aにより入球検知したにも関わらず、第1入球口または第2入球口へ入賞しなかった場合に、疑似保留図柄の表示を変更するために、表示用特図1先行入賞演出コマンドまたは表示用特図2先行入賞演出コマンドを生成し設定する。
先行入賞演出処理では、まず、特図1先行入賞フラグ223hがオン(1)となってから所定期間が経過しているか否かを判定する(S1801)。特図1先行入賞フラグ223hがオン(1)となってから所定期間が経過していると判定された場合(S1801:Yes)、先行特図1保留球数カウンタ223fを1減算し(S1802)、特図1先行入賞フラグ223hをオフ(0)する。その後、表示用特図1先行入賞演出コマンドを設定し(S1804)、メイン処理へ戻る。
一方、特図1先行入賞フラグ223hがオン(1)となってから所定期間が経過していないと判定された場合(S1801:No)、特図2先行入賞フラグ223iがオン(1)となってから所定期間が経過しているか否かを判定する(S1805)。特図2先行入賞フラグ223iがオン(1)となってから所定期間が経過していると判定された場合(S1805:Yes)、先行特図2保留球数カウンタ223gを1減算し(S1806)、特図2先行入賞フラグ223iをオフ(0)する。その後、表示用特図2先行入賞演出コマンドを設定し(S1808)、メイン処理へ戻る。一方、特図2先行入賞フラグ223iがオン(1)となってから所定期間が経過していないと判定された場合(S1805:No)、そのまま処理を終了し、メイン処理へ戻る。
次に、図34を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1414)について説明する。図34は、この変動表示設定処理(S1414)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1414)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図28参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンか否かを判別する(S1901)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1901:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1907の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dがオンであると判別された場合(S1901:Yes)、変動開始フラグ223dをオフし(S1902)、次いで、コマンド判定処理(図28参照)のS1603の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1903)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1904)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1905)。S1905の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、先行特図1保留球数カウンタ223fまたは先行特図2保留球数カウンタ223gの値を1減算し(S1906)、S1907の処理へ移行する。
S1907の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する(S1907)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1907:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別された場合(S1907:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフし(S1908)、次いで、コマンド判定処理(図30参照)のS1606の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1909)。
次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S1910)、S1911の処理へ移行する。
S1910の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(S1911)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
このように、本第1実施形態の構成では、通過口を遊技球が通過すると、通過した遊技球が振り分けられることが識別できる音声(第1入球口64aでは、「ピュイー」という効果音、第2入球口64bでは、「ブーン」という効果音)が出力される。これにより、通過口に遊技球が通過したタイミングで第1入球口64aと第2入球口64bとのどちらに入球するかを判別することができる。
さらに、本実施形態のように、通過口に遊技球が通過したタイミングで、演出図柄を表示しない構成であっても、通過口に遊技球が通過したタイミングと、入球口に入球するタイミングとの時間差の違和感を軽減することができる。
また、本実施形態では、通過口に遊技球が通過したタイミングで、その遊技球がどの入球口に振り分けられるかを判別して、対応する位置に演出図柄を表示し、その後、その演出図柄に保留図柄を表示させて可変させるので、通過口を通過したタイミングで保留球が増加しているように遊技者に感じさせることができる。よって、遊技者の違和感を軽減できる。
なお、本実施形態では、演出図柄は、第1特別図柄、第2特別図柄の保留に対しても同一の図柄としたが、異なる図柄で表示するように構成してもよい。
また、本実施形態では、演出図柄と保留図柄を融合させて表示したが、それに限らず、連続したアニメーションで演出図柄と保留図柄を表示するように構成してもよい。具体的には、通過口を通過したタイミングで滴が落ちる演出図柄に対応するアニメーションをして、その後、その滴が飛び散る画像を入球判断期間の間表示して、第1入球口64aまたは第2入球口64bに入球したタイミングで、水の妖精を模したキャラクタを保留図柄として、滴の中より表示して、滴を非表示にしてもよい。なお、入球口に入球しなかった場合には、キャラクタは表示されぬまま、滴の表示態様が非表示となる。これにより、滴のアニメーションが表示されると、妖精が表示されるかを遊技者は期待して遊技を行うことができる。
<第2実施形態>
次いで、図35〜図41を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、入球センサ640aによる振分ユニット640への入球検知に基づいて、演出図柄が表示される。その演出図柄は、第1入球口64aまたは第2入球口64bへの入球に基づき表示される保留図柄とで一体的な図柄となるよう構成されている。これにより、振分ユニット640への入球に基づいて保留図柄が表示されているかのような印象を遊技者へ与えることができる。入球検知後の所定期間内に第1入球口64aまたは第2入球口64bへの入球がない場合(振分ユニットへは入球したが、入賞しなかった場合)には、一度表示した演出図柄を非表示にするようにしている。
これに対して第2実施形態では、入球センサ640aによる振分ユニット640への入球検知に基づいて、疑似的に保留球数を示唆するための図柄である疑似保留図柄を対応する小領域Ds1,Ds2に表示する。第1入球口64aまたは第2入球口64bへの入球に基づいて表示される保留図柄は、主表示領域Dmの左下の領域である小領域Ds3に表示され、遊技者が保留個数を認識困難な識別情報を表示する(図37(a)〜(c)参照)。(本実施形態では、保留球数が1個の場合に「A」、2個の場合に「B」、3個の場合に「C」、4個の場合に「D」と表示することとする。)
そして、入球検知後の所定期間内に第1入球口64aまたは第2入球口64bへの入球がない場合には、一度表示した疑似保留図柄を非表示にする際に疑似的な変動表示を実行することで、疑似保留図柄を非表示にする際に、遊技者へ与える違和感を低減することができる。
なぜなら、振分ユニット640への入球に基づいて表示される疑似保留図柄に対して、保留図柄であるかのような印象を持っている遊技者にとって、疑似保留図柄が非表示となる(即ち、保留球が1つ消化されたように見える)場合に変動表示が実行されないと不自然だからである。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図38参照)に含まれる一部処理が、第1実施形態におけるパチンコ機10と異なっている点である。その他の構成や、主制御装置110によって実行される処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態のパチンコ機10と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第2実施形態における電気的構成について>
まず、図35〜図37を参照して、第2実施形態における保留図柄と疑似保留図柄の表示および変動表示について説明する。第2実施形態では、変動期間中に疑似的に変動表示を停止し再開させることが可能な期間(差替可能期間)が予め各変動パターンに定められている。
図35は、変動期間中の差替可能期間において、入球検知後の所定期間内に第1入球口64aまたは第2入球口64bへの入球がないと判断した場合を示した図である。具体的には、特別図柄1に対する疑似保留図柄および保留図柄が2個の場合において、振分ユニット640aへ入球があり、入球センサ640aにより入球が検知されると、小領域Ds1に表示される疑似保留図柄が3個に変化する(図37(a)参照)。その後、差替可能期間において、入球判断期間aの期間内に第1入球口64aまたは第2入球口64bの入賞がないと判断すると、疑似的な停止表示が表示されると共にその次に実行される変動表示と連続的な演出が行われることを示唆する疑似的な連続変動予告(疑似連続予告)を表示する(図37(b)参照)。その後、疑似保留図柄の表示が2個の状態へと変更されると共に、疑似的な変動表示が開始される(図37(c))。その疑似的な変動表示が停止すると、疑似保留図柄および保留図柄の表示が1個の状態へと変更されると共に、特別図柄1の保留球の入賞情報を基にした変動表示が開始される。
次に図36について説明する。図36は、変動期間中における上述した差替可能期間ではない期間(差替不可能期間)において、入球検知後の所定期間内に第1入球口64aまたは第2入球口64bへの入球がないと判断される場合を示した図である。この場合は、次に実行される変動表示の前に、疑似的な変動表示が実行されることで、疑似保留図柄に基づく変動表示が疑似的に表示される。
具体的には、特別図柄1に対する疑似保留図柄および保留図柄が2個の場合において、振分ユニット640aへ入球があり、入球センサ640aにより入球が検知されると、小領域Ds1に表示される疑似保留図柄が3個に変化する(図37(a)参照)。その後、変動期間の差替不可能期間において、入球判断期間aの期間内に第1入球口64aまたは第2入球口64bの入賞がないと判断すると、そのまま実行中の変動表示が継続される。その変動表示の停止後、疑似保留図柄の表示が2個の状態へと変更されると共に、疑似的な変動表示が開始される。その疑似的な変動表示が停止すると、疑似保留図柄および保留図柄が1個減算されて1個の状態へと表示が変更されると共に、特別図柄1の保留の入賞情報を基にした変動表示が開始される。ここで、疑似的な変動表示が停止した際に、その次に実行される変動表示と連続的な演出が行われることを示唆する疑似的な連続変動予告(疑似連続予告)を表示するようにしてもよい。
このように、本実施形態では、通過口に入球した疑似保留図柄と保留図柄との両方を第3図柄表示装置81に表示するように構成した。疑似保留図柄を遊技者に分かり易い図柄で表示して、保留図柄を遊技者に識別し難い図柄で表示することで、遊技者は、疑似保留図柄を保留図柄であるかのように認識できる。よって、通過口に通過したタイミングで疑似保留図柄は加算されて表示されるので、入球口に入球するまでの時間差による違和感を軽減できる。
また、本実施形態の構成では、通過口を通過した遊技球が第1入球口64aまたは第2入球口64bに入球しなかった場合、通過口を通過せずに第1入球口64aまたは第2入球口64bに入球した場合に、保留図柄との差異が生じてしまう。
しかしながら、通過口を通過した遊技球が第1入球口64aまたは第2入球口64bに入球しなかった場合には、疑似保留図柄の数が実際の保留図柄よりも多くなるが、疑似変動が特別図柄で実行されることにより、疑似保留図柄が保留図柄よりも一つ多く消化される。これにより、差異を解消できる。また、通過口を通過せずに第1入球口64aまたは第2入球口64bに入球した場合には、疑似保留図柄を保留図柄に合わせて点灯させることで、差異を解消できる。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次いで、図38〜図41を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理について説明する。まず、図38を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるメイン処理について説明する。図38は、このメイン処理を示すフローチャートである。
このメイン処理のうち、S1401〜S1412およびS1414〜S1419の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン割込処理(図29参照)におけるS1401〜S1412およびS1414〜S1419の各処理と同一の処理が実行される。そして、第2実施形態におけるメイン処理では、第1実施形態における先行入賞演出処理(S1413)に代えて、疑似連続変動処理(S1420)が実行される。
次いで、図39を参照して、上記した疑似連続変動処理(S1420)について説明する。図39は、この疑似連続変動処理(S1420)を示すフローチャートである。疑似連続変動処理(S1420)は、入球センサ640aによる入球検知があったにも関わらず、第1入球口64aまたは第2入球口65bに入球しなかった場合に、入球センサ640aによる入球検知に基づき第3図柄表示装置81に表示される疑似保留図柄を消費して変動演出を行う疑似連続変動演出を実行するための処理である。
疑似連続変動処理では、まず、特図1先行入賞フラグまたは特図2先行入賞フラグがオン(1)となってから所定期間が経過しているか否かを判定する(S2301)。特図1先行入賞フラグまたは特図2先行入賞フラグがオン(1)となってから所定期間が経過していると判定された場合は(S2301:Yes)、入球センサ640aによる入球検知があったにも関わらず、第1入球口64aまたは第2入球口65bに入球しなかった場合であるので、疑似連続変動開始処理を実行し(S2302)、本処理を終了する。
ここで、図40を参照し、疑似連続変動開始処理(S2302)について説明する。図40は、この、疑似連続変動開始処理(S2302)を示したフローチャートである。この、疑似連続変動開始処理(S2302)は、入球センサ640aによる入球検知があったにも関わらず、第1入球口64aまたは第2入球口65bに入球しなかった場合に、入球センサ640aによる入球検知に基づき第3図柄表示装置81に表示される疑似保留図柄を消費して変動演出を行う疑似連続変動演出を開始するための処理である。
疑似連続変動開始処理では、まず、特図1先行入賞フラグ223hがオン(1)であるか否かを判定する(S2401)。特図1先行入賞フラグ223hがオン(1)でないと判定された場合(S2401:No)、そのままS2409の処理へ移行する。一方、特図1先行入賞フラグ223hがオン(1)であると判定された場合(S2401:Yes)、特図1先行入賞フラグ223hをオフ(0)に設定する(S2402)。その後、特別図柄1保留球数カウンタの値(N1)と、先行特図1保留球数カウンタ223fの値(SN1)とを取得し(S2404)、特別図柄1保留球数カウンタの値(N1)よりも先行特図1保留球数カウンタ223fの値(SN1)が大きいか否かを判定する(S2404)。特別図柄1保留球数カウンタの値(N1)よりも先行特図1保留球数カウンタ223fの値(SN1)が大きくないと判定された場合(S2404:No)、S2409の処理へ移行する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタの値(N1)よりも先行特図1保留球数カウンタ223fの値(SN1)が大きいと判定された場合は(S2404:Yes)、先行特図1保留球数カウンタ223fの値(SN1)を特別図柄1保留球数カウンタの値(N1)になるよう変更し(S2405)、停止図柄の差し替え可能期間であるか否かを判定する(S2406)。
停止図柄の差し替え可能期間であると判定された場合(S2406:Yes)、表示用疑似停止種別コマンド、表示用疑似変動パターンコマンド、および、表示用特図1先行入賞演出コマンドを順に設定する(S2407)。ここで設定された表示用疑似停止種別コマンドによって変動表示を疑似的に停止表示させ(図37(b)参照)、表示用疑似変動パターンコマンドによって疑似的な連続変動演出が開始され(図37(c)参照)、表示用特図1先行入賞演出コマンドによって疑似保留図柄の表示が更新される(図37(c)参照)。これにより、入球センサ640aによる入球検知があったにも関わらず、第1入球口64aまたは第2入球口65bに入球しなかったなどにより、特別図柄1保留球数カウンタの値(N1)と先行特図1保留球数カウンタ223fの値とが一致しなくなった場合に、疑似的な連続変動演出を行い、先行特図1保留球数カウンタ223fの値を更新できる。遊技者からしてみれば、先行特図1保留球数カウンタ223fの値に基づく疑似保留図柄が消費されて疑似的な連続変動演出が行われるように見せることができ、特別図柄1保留球数カウンタの値(N1)と先行特図1保留球数カウンタ223fの値の不一致を修正する際に、遊技者が感じる違和感を低減することができる。
一方、停止図柄の差し替え可能期間でないと判定された場合(S2406:No)、表示用疑似連続変動パターンコマンド、および、表示用特図1先行入賞演出コマンドを順に設定する(S2408)。ここで設定された表示用疑似連続変動パターンコマンドによって次の変動演出として疑似保留図柄を消費して実行される疑似連続変動演出が設定され、表示用特図1先行入賞演出コマンドによって疑似保留図柄の表示が更新される。これにより、停止図柄を差し替えできない場合でも、次の変動演出として疑似保留図柄を消費して実行する疑似連続変動演出が設定されるので、次の変動演出において遊技者が感じる違和感を抑えながら、特別図柄1保留球数カウンタの値(N1)と先行特図1保留球数カウンタ223fの値の不一致を修正することができる。
S2401,S2404,S2407またはS2408の処理の後に実行されるS2409の処理では、特図2先行入賞フラグ223iがオン(1)であるか否かが判定される(S2409)。特図2先行入賞フラグ223iがオン(1)であると判定されると(S2409:Yes)、特図2について上述した特図1と同様の処理を行い(S2410〜S2416)、特図2先行入賞フラグ223iがオン(1)でないと判定されると(S2409:No)、S2410〜S2416の処理をスキップして本処理を終了する。
図39に戻り、説明を続ける。特図1先行入賞フラグまたは特図2先行入賞フラグがオン(1)となってから所定期間が経過していないと判定された場合は(S2301:No)、疑似連続変動開始してから所定期間が経過しているか否かを判定する(S2303)。疑似連続変動開始してから所定期間が経過していないと判定された場合(S2303:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、疑似連続変動開始してから所定期間が経過していると判定された場合(S2303:Yes)、疑似連続変動の停止態様を決定するための、疑似連続変動停止処理を実行する(S2304)。
ここで、図41を参照して、疑似連続変動停止処理(S2304)について説明する。図41は、この疑似連続変動停止処理(S2304)を示すフローチャートである。疑似連続変動停止処理(S2304)は、疑似連続変動演出の停止態様を決定するための処理である。
疑似連続変動停止処理では、まず、連続変動の保留があるか否かを判定する(S2501)。S2502の処理にて、連続変動の保留があると判定された場合は(S2501:Yes)、疑似連続変動表示の停止図柄で表示用停止種別コマンドを設定する(S2502)。これにより、変動演出が開始されている疑似連続変動演出と次の保留で実行される変動演出とで連続的な変動演出を実行することができる。
一方、連続変動の保留がないと判定された場合は(S2501:No)、通常変動表示の停止図柄で表示用停止種別コマンドを設定する(S2503)。これにより、連続変動表示の停止図柄が表示されたにも関わらず、連続的な変動表示が開始されなくなる不具合を防止できる。
なお、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
このように、本第1実施形態の構成では、通過口を遊技球が通過すると、通過した遊技球が振り分けられることが識別できる音声(第1入球口64aでは、「ピュイー」という効果音、第2入球口64bでは、「ブーン」という効果音)が出力される。これにより、通過口に遊技球が通過したタイミングで第1入球口64aと第2入球口64bとのどちらに入球するかを判別することができる。
さらに、本実施形態のように、通過口に遊技球が通過したタイミングで、演出図柄を表示しない構成であっても、通過口に遊技球が通過したタイミングと、入球口に入球するタイミングとの時間差の違和感を軽減することができる。
また、本実施形態では、通過口に遊技球が通過したタイミングで、その遊技球がどの入球口に振り分けられるかを判別して、対応する位置に演出図柄を表示し、その後、その演出図柄に保留図柄を表示させて可変させるので、通過口を通過したタイミングで保留球が増加しているように遊技者に感じさせることができる。よって、遊技者の違和感を軽減できる。
なお、本実施形態では、演出図柄は、第1特別図柄、第2特別図柄の保留に対しても同一の図柄としたが、異なる図柄で表示するように構成してもよい。
また、本実施形態では、演出図柄と保留図柄を融合させて表示したが、それに限らず、連続したアニメーションで演出図柄と保留図柄を表示するように構成してもよい。具体的には、通過口を通過したタイミングで滴が落ちる演出図柄に対応するアニメーションをして、その後、その滴が飛び散る画像を入球判断期間の間表示して、第1入球口64aまたは第2入球口64bに入球したタイミングで、水の妖精を模したキャラクタを保留図柄として、滴の中より表示して、滴を非表示にしてもよい。なお、入球口に入球しなかった場合には、キャラクタは表示されぬまま、滴の表示態様が非表示となる。これにより、滴のアニメーションが表示されると、妖精が表示されるかを遊技者は期待して遊技を行うことができる。
また、本実施形態では、疑似保留図柄が保留図柄の数よりも多いと判別された場合には、変動中の変動パターン内で、疑似変動が可能であるか判別される。この判別は、予め変動パターンに定められている切替可能期間内であるかを判別する。よって、差異が判明した場合には、疑似変動が可能である場合には速やかにその解消をすることができる。また、切替可能期間外である場合には、次以降の変動で疑似変動が実行されるのでの、差異が長時間続いてしまう不具合を抑制できる。
また、本実施形態の構成に加え、疑似変動の変動態様で行う連続予告を当たりの変動パターンで設定しておくことで、遊技者は、疑似変動が実行されると、大当たりへの期待を高めることができる。
また、本実施形態では、保留図柄の個数を判別し難くアルファベットで表示したが、それ以外の表示態様で表示してもよい。例えば、直線の棒状の表示をして、その長さの違いにより保留球数を示しても良い。また、保留図柄の表示は、第3図柄表示装置81では一切行わないようにしてもよい。このように構成することで、より疑似保留図柄を遊技者に本当の保留個数であるかのように思わせることができる。なお、この場合には、枠ランプ等(例えば、桜の花びらの役物を配置して、その花びらの点灯個数)により保留図柄を報知することで、遊技者により分かり難くしながらも、本当の保留個数を報知できる。
なお、上記した各実施形態の一部またはすべてをそれぞれ組み合わせたパチンコ機としてもよい。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(8チャンス入賞時に入賞音を鳴らす)
遊技球が入球可能な第1入球口とその第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第1入球口に遊技球が入球したことに基づいて第1情報を取得し、前記第2入球口に入球したことに基づいて第2情報を取得する取得手段と、抽選条件の成立を契機に、前記取得手段により取得された前記第1情報と前記第2情報とのそれぞれに基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報を表示手段に所定時間、動的表示する動的表示手段と、前記抽選条件が成立するまで、前記第1情報と前記第2情報とをそれぞれ記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に前記第1情報または前記第2情報が記憶されることに基づいて、それぞれの記憶数を示す識別図柄を前記表示手段に表示させる識別図柄表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果であることを示す前記識別情報が表示されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、を有した遊技機において、遊技球が入球可能な開口部を有する通過口と、その通過口を通過し遊技球を前記第1入球口と前記第2入球口とに交互に振り分けることが可能な振り分け手段と、前記通過口に遊技球が通過したことを示す報知態様を報知する報知手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技球が入球可能な第1入球口とその第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第1入球口に遊技球が入球したことに基づいて第1情報を取得し、前記第2入球口に入球したことに基づいて第2情報を取得する取得手段と、抽選条件の成立を契機に、前記取得手段により取得された前記第1情報と前記第2情報とのそれぞれに基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報を表示手段に所定時間、動的表示する動的表示手段と、前記抽選条件が成立するまで、前記第1情報と前記第2情報とをそれぞれ記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に前記第1情報または前記第2情報が記憶されることに基づいて、それぞれの記憶数を示す識別図柄を前記表示手段に表示させる識別図柄表示手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果であることを示す前記識別情報が表示されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、を有し、遊技球が入球可能な開口部を有する通過口と、その通過口を通過し遊技球を前記第1入球口と前記第2入球口とに交互に振り分けることが可能な振り分け手段と、前記通過口に遊技球が通過したことを示す報知態様を報知する報知手段と、を有するものである。これにより、通過口を通過したことにより報知態様が報知されるので、通過口を通過してから、第1入球口と第2入球口に入球するまでの時間差による違和感を報知態様によって軽減できる。よって、遊技者の違和感を軽減することができるという効果がある。
遊技機A1において、前記通過口に遊技球が通過した場合に、その通過した遊技球が前記振り分け手段により前記第1入球口と前記第2入球口とのどちらに振り分けられるかを判別する判別手段を有し、前記報知手段は、前記判別手段による判別結果を判別可能な報知態様を報知するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記通過口に遊技球が通過した場合に、その通過した遊技球が前記振り分け手段により前記第1入球口と前記第2入球口とのどちらに振り分けられるかを判別する判別手段を有し、前記報知手段は、前記判別手段による判別結果を判別可能な報知態様を報知するものである。これにより、遊技者は、第1入球口と第2入球口とのどちらに遊技球を振り分けられるかを事前に知ることが出来る。よって、遊技者が今後の遊技の展開を予測し易い遊技機を提供することができるという効果がある。
遊技機A2において、前記報知手段は、前記通過口に遊技球が通過したことに基づいて、特定の音声を出力するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、前記報知手段は、前記通過口に遊技球が通過したことに基づいて、特定の音声を出力するものであるので、遊技者は容易に通過口を通過したことを判別できるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記第1入球口または前記第2入球口に遊技球が入球した場合に、所定の報知態様を報知し、前記通過口に遊技球が通過した場合に報知される報知態様は、前記通過口を遊技球が通過してから前記第1入球口または前記第2入球口に遊技球が入球するのに要する時間以上の長さで報知されるものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、前記報知手段は、前記第1入球口または前記第2入球口に遊技球が入球した場合に、所定の報知態様を報知し、前記通過口に遊技球が通過した場合に報知される報知態様は、前記通過口を遊技球が通過してから前記第1入球口または前記第2入球口に遊技球が入球するのに要する時間以上の長さで報知されるものであるので、通過口に通過したタイミングで第1入球口または第2入球口に遊技球が入球しているように遊技者に思わせることができる。よって、より遊技者が違和感を感じることを抑制できるという効果がある。
<特徴B群>(仮保留図柄を入賞タイミングで表示)
遊技球が入球可能な第1入球口とその第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第1入球口に遊技球が入球したことに基づいて第1情報を取得し、前記第2入球口に入球したことに基づいて第2情報を取得する取得手段と、抽選条件の成立を契機に、前記取得手段により取得された前記第1情報と前記第2情報とのそれぞれに基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報を表示手段に所定時間、動的表示する動的表示手段と、前記抽選条件が成立するまで、前記第1情報と前記第2情報とをそれぞれ記憶することが可能な記憶手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果であることを示す前記識別情報が表示されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、を有した遊技機において、遊技球が入球可能な開口部を有する通過口と、その通過口を通過し遊技球を前記第1入球口と前記第2入球口とに交互に振り分けることが可能な振り分け手段と、前記通過口を遊技球が通過したことに基づいて、その通過口を通過した遊技球が、前記振り分け手段により前記第1入球口と前記第2入球口とのどちらに振り分けられるかを判別する判別手段と、その判別手段による判別結果に基づく第1報知態様を報知する第1報知手段と、前記第1入球口または前記第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、前記第1報知態様を可変させる第2報知手段とを有するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技球が入球可能な第1入球口とその第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第1入球口に遊技球が入球したことに基づいて第1情報を取得し、前記第2入球口に入球したことに基づいて第2情報を取得する取得手段と、抽選条件の成立を契機に、前記取得手段により取得された前記第1情報と前記第2情報とのそれぞれに基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報を表示手段に所定時間、動的表示する動的表示手段と、前記抽選条件が成立するまで、前記第1情報と前記第2情報とをそれぞれ記憶することが可能な記憶手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果であることを示す前記識別情報が表示されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、を有し、遊技球が入球可能な開口部を有する通過口と、その通過口を通過し遊技球を前記第1入球口と前記第2入球口とに交互に振り分けることが可能な振り分け手段と、前記通過口を遊技球が通過したことに基づいて、その通過口を通過した遊技球が、前記振り分け手段により前記第1入球口と前記第2入球口とのどちらに振り分けられるかを判別する判別手段と、その判別手段による判別結果に基づく第1報知態様を報知する第1報知手段と、前記第1入球口または前記第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、前記第1報知態様を可変させる第2報知手段とを有するものである。これにより、通過口に通過して報知される第1報知態様とその可変された第2報知態様とで、通過口に入球したことで、第1入球口または第2入球口に遊技球に入球したかのように遊技者に思わせることができる。よって、遊技者に通過口に入球したタイミングと第1入球口または第2入球口に入球したタイミングの時間差による違和感を軽減できる。従って、遊技者の違和感を軽減できるという効果がある。
遊技機B1において、前記第1報知手段は、前記第1報知態様を報知した場合に、その第1報知態様が所定時間以上経過しても前記第2報知手段により前記第2報知態様に可変されない場合には、第1報知態様を非報知態様に設定するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、前記第1報知手段は、前記第1報知態様を報知した場合に、その第1報知態様が所定時間以上経過しても前記第2報知手段により前記第2報知態様に可変されない場合には、第1報知態様を非報知態様に設定するものであるので、通過口を通過した遊技球が第1または第2入球口に入球しなかったことを遊技者に認識させることができるという効果がある。
<特徴C群>(疑似保留図柄と本保留図柄とをそれぞれ表示)
遊技球が入球可能な第1入球口とその第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第1入球口に遊技球が入球したことに基づいて第1情報を取得し、前記第2入球口に入球したことに基づいて第2情報を取得する取得手段と、抽選条件の成立を契機に、前記取得手段により取得された前記第1情報と前記第2情報とのそれぞれに基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報を表示手段に所定時間、動的表示する動的表示手段と、前記抽選条件が成立するまで、前記第1情報と前記第2情報とをそれぞれ記憶することが可能な記憶手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果であることを示す前記識別情報が表示されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、を有した遊技機において、遊技球が入球可能な開口部を有する通過口と、その通過口を通過し遊技球を前記第1入球口と前記第2入球口とに交互に振り分けることが可能な振り分け手段と、前記通過口を遊技球が通過したことに基づいて、その通過口を通過した遊技球が、前記振り分け手段により前記第1入球口と前記第2入球口とのどちらに振り分けられる順序であるかを判別する判別手段と、その判別手段による判別結果に対応した装飾図柄を前記表示手段に表示する装飾図柄表示手段と、を有し、前記装飾図柄表示手段は、開始条件の成立に基づいて、前記表示手段に表示されている前記装飾図柄のうち、最も先に表示されている前記装飾図柄を非表示にするものであり、前記動的表示手段は、前記開始条件の成立に基づいて、前記識別情報の動的表示を開始するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技球が入球可能な第1入球口とその第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第1入球口に遊技球が入球したことに基づいて第1情報を取得し、前記第2入球口に入球したことに基づいて第2情報を取得する取得手段と、抽選条件の成立を契機に、前記取得手段により取得された前記第1情報と前記第2情報とのそれぞれに基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報を表示手段に所定時間、動的表示する動的表示手段と、前記抽選条件が成立するまで、前記第1情報と前記第2情報とをそれぞれ記憶することが可能な記憶手段と、前記抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果であることを示す前記識別情報が表示されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、を有し、遊技球が入球可能な開口部を有する通過口と、その通過口を通過し遊技球を前記第1入球口と前記第2入球口とに交互に振り分けることが可能な振り分け手段と、前記通過口を遊技球が通過したことに基づいて、その通過口を通過した遊技球が、前記振り分け手段により前記第1入球口と前記第2入球口とのどちらに振り分けられる順序であるかを判別する判別手段と、その判別手段による判別結果に対応した装飾図柄を前記表示手段に表示する装飾図柄表示手段と、を有し、前記装飾図柄表示手段は、開始条件の成立に基づいて、前記表示手段に表示されている前記装飾図柄のうち、最も先に表示されている前記装飾図柄を非表示にするものであり、前記動的表示手段は、前記開始条件の成立に基づいて、前記識別情報の動的表示を開始するものである。
これにより、装飾図柄により第1入球口または第2入球口に入球したことを報知することができる。よって、通過口を通過したタイミングと第1または第2入球口に入球したタイミングとの違いによる違和感を軽減できる。従って、遊技者の違和感を軽減できるという効果がある。
遊技機C1において、前記開始条件は、少なくとも前記抽選条件の成立により成立するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、前記開始条件は、少なくとも前記抽選条件の成立により成立するものであるので、遊技者に開始条件の成立を分かり易く識別させることができるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、前記表示手段に表示されている前記第1入球口に対応する前記装飾図柄または前記第2入球口に対応する前記装飾図柄の数と前記記憶手段に記憶されている前記第1情報または前記第2情報の数との差を判別する差異判別手段を有するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、前記表示手段に表示されている前記第1入球口に対応する前記装飾図柄または前記第2入球口に対応する前記装飾図柄の数と前記記憶手段に記憶されている前記第1情報または前記第2情報の数との差を判別する差異判別手段を有するものであるので、第1情報または第2情報の数と装飾図柄との数に差異があるかを判別することができるという効果がある。
遊技機C3において、前記差異判別手段は、前記通過口を遊技球が通過してから、その遊技球が前記第1入球口または前記第2入球口に入球するまでに要する時間以上の基準時間が経過したことに基づいて、前記差異を判別するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、前記差異判別手段は、前記通過口を遊技球が通過してから、その遊技球が前記第1入球口または前記第2入球口に入球するまでに要する時間以上の基準時間が経過したことに基づいて、前記差異を判別するものであるので、通過口を通過した遊技球が第1入球口または第2入球口に入球したかを正確に判別できるという効果ある。
遊技機C3またはC4において、前記差異判別手段は、前記第1入球口または前記第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、前記差異を判別するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C3またはC4の奏する効果に加え、前記差異判別手段は、前記第1入球口または前記第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、前記差異を判別するものであるので、通過口を経由せずに第1または第2入球口に入球したかを判別できるという効果ある。
遊技機C3からC5のいずれかにおいて、表示されている前記装飾図柄の数が前記記憶手段に記憶されている前記第1情報または前記第2情報の数よりも大きいと前記差異判別手段により判別された場合には、動的表示している前記識別情報の動的表示時間内に前記開始条件を設定する条件設定手段を有し、前記動的表示手段は、前記識別情報を動的表示している場合に前記条件設定手段により前記開始条件が設定されると、前記識別図柄を特定の識別情報で停止表示した後に、再度、動的表示を開始するものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C3からC5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示されている前記装飾図柄の数が前記記憶手段に記憶されている前記第1情報または前記第2情報の数よりも大きいと前記差異判別手段により判別された場合には、動的表示している前記識別情報の動的表示時間内に前記開始条件を設定する条件設定手段を有し、前記動的表示手段は、前記識別情報を動的表示している場合に前記条件設定手段により前記開始条件が設定されると、前記識別図柄を特定の識別情報で停止表示した後に、再度、動的表示を開始するものである。よって、装飾図柄の数と第1情報と第2情報との数を合わせることができるという効果がある。
遊技機C3からC5のいずれかにおいて、前記装飾図柄表示手段は、前記差異判別手段により表示されている前記装飾図柄の数が前記記憶手段に記憶されている前記第1情報または前記第2情報の数よりも少ないと判別された場合には、その少ない前記第1情報または前記第2情報に対応する前記装飾図柄を差の数で追加して表示するものであることを特徴とする遊技機C7。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。