JP2016012768A - イヤホン - Google Patents

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Yasuto Fujii
靖人 藤井
岩下 修三
Shuzo Iwashita
修三 岩下
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Abstract

【課題】 低周波数帯において音圧レベルを向上させるとともに、小型軽量化を実現することが可能なイヤホンを提供することを目的とする。【解決手段】 イヤホン1であって、圧電スピーカーユニットを内蔵するとともに、一部に開口部を有する筐体と、前記筐体上に前記開口部を取り囲んで設けられた、外方に向かって突出し、先端に向かって幅狭となる筒部と、前記筒部の先端部に設けられたイヤーピースとを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、鼓膜および耳珠を振動させる、圧電スピーカーユニットを用いたイヤホンに関する。
従来技術として、電磁スピーカーやフィルムスピーカーを用いたイヤホンが提案されている(下記、特許文献1参照)。市販されている廉価のイヤホンの多くが、電磁スピーカーを用いているが、電磁スピーカーを用いた場合は、20Hz以下の周波数帯において90dB以上の音圧レベルの音を実現することが難しく 、広帯域再生対応のイヤホンであっても10Hz以下の周波数帯においては100dB以上の音圧レベルの音を実現することが困難な状況である。また、同様に20kHz以上の超高音域の音の再生についても従来の電磁スピーカーを用いた場合においても難しい状況であり、超低音域から超高音域までの広い帯域の音を再生することが困難であった。なお、一般的に、コンパクトディスク(Compact Disc Digital Audio)で収録される音質帯域は、20Hz〜20kHzの周波数帯であって、人間の耳で聞き取れない周波数はカットされている。近年、人間の耳に聞こえない可聴域外の周波数帯の音情報を入れたハイレゾリューション音源が注目されている。自然の音には基準となる1次振動の音の倍音となる高次高調波が存在するため、可聴域帯の音であっても高次高調波が重畳した状態で聞くことになる。このため、可聴域外の音情報をカットしたCD音源よりハイレゾリューション音源はより原音に近い音情報となるため臨場感のある高音質な音として注目されている。しかしながら、前述の広帯域再生対応のイヤホンであっても40kHz以上の超高音域の再生においては50dBを超える音圧レベルの音の実現は難しかった。
さらに、電磁スピーカーは、電磁石とコイルが必須の構成要件となっており、特に低音域の音圧レベル特性を向上させようとすると、大型化するという課題を有している。同様に超高周波音を再生させようとすると小型のスピーカーが有利となるため、ますます低音域の再生が困難となることになる。
実公平1−10060号公報
特許文献1の技術は、100Hz以下の低い周波数帯、特に30Hz以下の低域周波数帯において、音圧レベルを向上させようとすると、電磁スピーカーの大型化が必須となっている。そして、イヤホンの大型化にともない、イヤホン自体の重量も大きくなってしまう虞がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、低域周波数帯において音圧レベルを向上させるとともに、小型軽量化を実現することが可能なイヤホンを提供することを目的とする。また、20kHz以上の超高音帯域において高い音圧レベルでの再生が可能なイヤホンを提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係るイヤホンは、圧電スピーカーユニットを内蔵するとともに、一部に開口部を有する筐体と、前記筐体上に前記開口部を取り囲んで設けられた、外方に
向かって突出し、先端に向かって幅狭となる筒部と、前記筒部の先端部に設けられたイヤーピースとを備えている。
本発明によれば、低域周波数帯において音圧レベルを向上させるとともに、小型軽量化を実現することが可能なイヤホンを提供することができる。
本実施形態に係るイヤホンを左の耳に装着した状態を示した概観図である。 本実施形態に係るイヤホンの側面図である。 図2のX−Xに沿った、イヤホンの断面図である。 図2のX−Xに沿った、イヤホンを分解した状態を示す断面図である。 圧電スピーカーユニットの平面図である。 図5のY−Yに沿った、圧電スピーカーユニットの断面図である。 本実施形態に係るイヤホンと、比較例1に係るイヤホンとを比較した実験結果である。 本実施形態に係るイヤホンと、比較例2に係るイヤホンとを比較した実験結果である。 本実施形態に係るイヤホンと、比較例2に係るイヤホンとを比較した実験結果である。 一変形例に係るイヤホンの側面図である。 図10のイヤホンの一部を分解した状態を示す側面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるイヤホンの実施形態を説明する。なお、図1から図4は、左の耳に装着して使用するイヤホンを示している。また、図5および図6は、イヤホンに用いた、圧電スピーカーユニットを示している。なお、図4の矢印は、ダンパー7が開口部Hを介して、筒部3A内に設ける部材であることを視覚的に示すものである。
<イヤホンの構成>
本実施形態に係るイヤホン1は、例えば、スマートフォン、ポータブルオーディオプレーヤーまたはポータブルメディアプレーヤー等の携帯音楽端末や、ラジオ等の無線通信端末に用いるものであって、耳に装着して使用する。イヤホン1は、圧電スピーカーユニット2を内蔵するとともに、一部に開口部Hを有する筐体3と、筐体3上に開口部Hを取り囲んで設けられた、外方に向かって突出し、先端に向かって幅狭となる筒部3Aと、筒部3Aの先端部に設けられたイヤーピース4とを備えている。
圧電スピーカーユニット2は、振動することで音波を発生させることができる。具体的には、圧電スピーカーユニット2は、圧電素子23が振動することで、フィルム21に振動が伝わり、さらにフィルム21が振動して、空気を震わせて音波を発生させえることができる。圧電スピーカーユニット2は、厚みが1mm以下であって、音の指向性広く、磁石を用いない構成である。なお、圧電スピーカーユニット2は、重量が数g以下であって、1g以下も実現することができる。かかる圧電スピーカーユニット2は、図5または図6に示すように、フィルム21と、フィルム21の外縁を固定したフレーム22と、フィルム21上に設けた圧電素子23と、フィルム21上に圧電素子23を被覆した樹脂24とを備えている。
フィルム21は、シート状であって、引っ張られることで弛みがない状態となる。フィルム21は、例えば、ポリイミドやPETなどの絶縁材料からなる。フィルム21は、図
5に示すように一辺の長さが5mm以上20mm以下であって、図6に示すように、上下方向の厚みが0.005mm以上0.1mm以下に設定されている。
フレーム22は、枠状であって、フィルム21の外縁を上下から挟んでフィルム21を張った状態で固定するものである。フレーム22は、例えば、ステンレス、真鍮または銅などの金属材料からなる。フレーム22は、図5に示すように外周における一辺の長さが5mm以上20mm以下であって、内周における一辺の長さが4mm以上19mm以下であって、図6に示すように上下方向の厚みが0.5mm以上3mm以下に設定されている。
圧電素子23は、バイモルフ構造を有する圧電体で構成されている。圧電素子23は、分極された複数の圧電体層と複数の電極層とが交互に積層された構造である。そして、圧電素子23は、一方主面および他方主面が屈曲するように屈曲振動することで、音響振動が発生する。また、圧電素子23を構成する圧電体層は、例えば、ジルコン酸鉛またはチタン酸ジルコン酸鉛などの鉛系圧電材料、あるいはBi層状化合物、ングステンブロンズ構造化合物、ニオブ酸アルカリまたはチタン酸バリウム等のペロブスカイト構造化合物の非鉛系圧電体材料等からなる。圧電素子23を構成する電極層は、例えば、銀またはパラジウムが含まれた合金や、この合金にセラミック成分やガラス成分を含有させたものからなる。圧電素子23は、図5に示すように一辺の長さが3.9mm以上18.5mm以下であって、図6に示すように上下方向の厚みが0.001mm以上0.1mm以下に設定されている。
このような圧電素子23は、例えば次のような方法によって作製することができる。まず、圧電材料の粉末にバインダー、分散剤、可塑剤および溶剤を添加して掻き混ぜて、スラリーを作製し、得られたスラリーをシート状に成形し、グリーンシートを作製する。次に、グリーンシートに導体ペーストを印刷して電極層パターンを形成し、この電極層パターンが形成されたグリーンシートを積層して、積層成形体を作製した後に、脱脂、焼成し、所定寸法にカットすることにより積層体を得る。次に、表面電極23aを形成するための導体ペーストを印刷し、所定の温度で焼付けた後に、電極層を通じて直流電圧を印加して圧電体層の分極を行う。このようにして、圧電素子23を得ることができる。
圧電素子23上に形成された、表面電極23aは、図5に示すように、それぞれ電線23bと接続されている。表面電極23aは、プラスの電極とマイナスの電極に分かれており、それぞれが電気的に絶縁されている。そして、一対の電線23bが、フレーム22外にまで引き延ばされている。そして、一対の電線23bは、圧電素子23を制御する電気回路や圧電素子23に電源を供給する電源と電気的に接続されている。電線23bは、筐体3から外部に向かって引き出されている。なお、電線23bは、圧電素子23の表面電極23aと接続される箇所は、電線が剥き出しになっているが、筐体3から外部に引き出されている部分は、端部を除いてカバーされている。
また、イヤホン1に実装された段階では、図5に示すように、圧電素子23の表面電極23aは、二つだけである。ただし、積層体において圧電体層の分極時には、表面電極23aは三つに分かれている。圧電スピーカーユニット2組立時に、導電ペーストを圧電素子23の表面に塗って、表面電極23aを三つから二つに変更している。
樹脂24は、圧電素子23を封止するものである。樹脂24は、例えば、アクリル系樹脂またはエポキシ系樹脂などの絶縁材料からなる。樹脂24は、図5に示すように一辺の長さが4mm以上19mm以下であって、図6に示すように、上下方向の厚みが0.1mm以上3mm以下に設定されている。樹脂24は、図6に示すように、圧電素子23を被覆するとともに、フレーム22の内側に充填されている。そして、圧電素子23は、フィ
ルム21と樹脂24によって封止されている。
筐体3は、圧電スピーカーユニット2を内蔵するとともに、一部に開口部Hを有している。筐体3は、箱型部31と蓋部32とを有し、箱型部31に開口部Hが設けられている。筐体3は、箱型部31内に圧電スピーカーユニット2を実装し、箱型部31に対して蓋部32を固定することで、筐体3内に圧電スピーカーユニット2を内蔵することができる。筐体3は、例えば、ABS系樹脂、アクリル系樹脂、PEEK、POM、PC、LCP等の樹脂材料からなる。あるいは、筐体3は、一部もしくは全部が金属系材料であっても良い。蓋部32は、板状であって、一辺の長さが5mm以上20mm以下であって、厚みが0.1mm以上3mm以下に設定されている。なお、箱型部31の深さは、1mm以上20mm以下に設定されている。
筒部3Aは、筐体3上に開口部Hを取り囲んで設けられている。筒部3Aは、イヤホン1を耳に取り付けた状態で、圧電スピーカーユニット2からの音波を鼓膜に効果的に伝えるものである。筒部3Aは、外方に向かって突出し、先端に向かって幅狭となっている。筒部3Aは、筐体3と一体物であることが望ましく、筒部3Aの内部の空洞と筐体3の開口部H内の空間とは繋がっている。筒部3Aは、筐体3側から先端側までの長さが5mm以上20mm以下であって、下端の外周の直径が5mm以上20mm以下であって、下端の内周の直径が4mm以上19mm以下に設定されている。また、筒部3Aの先端における外周の直径は、2.5mm以上7mm以下であって、内周の直径が2mm以上6.5mm以下に設定されている。さらに、筒部3Aの外周と内周の間の厚みは、0.2mm以上2mm以下に設定されている。
イヤーピース4は、筒部3Aの先端部に設けられている。イヤーピース4は、耳の外耳道内の一部にイヤホン1を取り付けるものである。イヤーピース4は、外耳道の内面を傷つけないように、外耳道の奥に突っ込む端部の外径が小さく、外耳道の手前に位置する外径が大きくなるように設定されている。このように、イヤーピース4の外径を変化させることで、イヤーピース4の一端を外耳道内に嵌めやすくすることができる。さらに、イヤーピース4の一端とイヤーピース4の他端との間には、外径が最も大きくなっている箇所が形成されている。イヤーピース4の一端とイヤーピース4の他端との間に、外径が最も大きくなっている箇所を設けることで、外耳道の形状は複雑にカーブするように鼓膜につながっているが、外耳道の複雑な形状に対応するように嵌まりやすくすることができる。
イヤーピース4は、変形可能な弾性体であって、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコンまたはウレタンゴム等の樹脂からなる。イヤーピース4は、弾性体から構成されていることで、人の力で簡単に変形させて外耳道内に嵌めることができる。
イヤーピース4には、円柱状の貫通孔T1が設けられている。貫通孔T1は、筒部3Aの先端部に取り付けた状態で、筒部3A内の空間と繋がるように設定されている。そして、筒部3A内の音波は、イヤーピース4の貫通孔T1内を通って鼓膜に効果的に伝わることができる。なお、イヤーピース4は、貫通孔T1の直径が2mm以上7mm以下であって、一端から他端までの長さが0.8mm以上1.5mm以下に設定されている。
圧電スピーカーユニット2は、両主面に吸音材5が両面テープを介して設けられている。吸音材5は、圧電スピーカーユニット2が発する高周波数帯の音圧レベルを抑え、音のバランスを調整するものである。吸音材5は、圧電スピーカーユニット2の両主面の全体を覆うように設けられている。吸音材5は、例えばポリウレタン系、ゴム系またはポリエチレン系等の材料からなる。
また、圧電スピーカーユニット2の一主面は、開口部Hを塞ぐように、テープ6を介し
て筐体3に張り付けられている。テープ6は、防水機能を有しており、筐体3内に水分が浸入するのを抑制するものである。テープ6の筐体3と貼り合わされる側であって、テープ6の外縁には両面テープを枠状に貼って、テープ6を筐体3に貼り付けている。さらに、テープ6の圧電スピーカーユニット2側には、テープ6の外縁に両面テープを枠状に貼って、吸音材5が貼り合わされている。そして、圧電スピーカーユニット2がテープ6を介して筐体3に固定されている。なお、テープ6は、例えばポリオレフィン系樹脂、ゴム系等の材料からなる。テープ6は、一辺の長さが4mm以上19mm以下に設定されている。
ダンパー7は、筒部3A内に開口部Hと重なる位置に設けられている。ダンパー7は、円錐台形状であって、中心部分に貫通孔T2が設けられている。ダンパー7は、圧電スピーカーユニット2から発生する音波の中高域周波数帯の音圧レベルを抑え、音のバランスを調整するものである。ダンパー7は、外周が筒部3Aの内側に嵌るように設けられている。ダンパー7は、例えばポリウレタンフォーム、ポリエステル系などの材料からなり、ポーラス材料である。ダンパー7は、外径が4mm以上20mm以下であって、上下方向の長さが1mm以上20mm以下に設定されている。また、貫通孔T2は、円柱状であって直径が1mm以上18mm以下であって、上下方向の長さがダンパー7の長さと一致している。
スクリーン8は、筒部3Aの先端部の開口内に設けられている。スクリーン8は、筒部3Aの開口を塞ぐように設けられている。スクリーン8は、圧電スピーカーユニット2から発生する音波の高周波数帯の音圧レベルを抑え、音のバランスを調整するものである。スクリーン8は、筒部3Aの先端部の開口内に嵌っている。スクリーン8は、例えばポリウレタンフォーム、ポリエステル系等の材料からなり、ポーラス材料である。スクリーン8は、外径が3mm以上7mm以下であって、上下方向の長さが1mm以上20mm以下に設定されている。また内部に貫通孔があっても良く、その直径は1mm以上6mm以下に設計されている。
図7から図9は、本実施形態に係るイヤホンに関する視聴音源の音圧レベル特性結果である。視聴音源の音圧レベル特性は、音が響きにくい無協箱内に配置したダミーヘッドにイヤホンを装着し、イヤホンから各周波数の音波を発した。そしてダミーヘッド内のコンデンサマイクで検知する音をイヤホン装着者が視聴する視聴音源の音として評価した。
図7は、本実施形態に係るイヤホン1と、比較例1に係るイヤホンとを比較した実験結果である。具体的には、比較例1に係るイヤホンは、筒部3Aと筐体3の間に直径1mmの隙間を設けた構造であって、本実施形態に係るイヤホン1は、筒部3Aと筐体3の間に隙間を設けない構造である。図7に示すように、比較例1に係るイヤホンは、100Hz以下において、80dB以下の音圧レベルであるのに対して、本実施形態に係るイヤホン1は、100Hz以下において、100dB以上の音圧レベルを維持している。つまり、筒部3Aと筐体3との間には、隙間を設けない構造の方が、100Hz以下の低周波数帯において、音圧レベルを向上させることができる。なお、本実施形態に係るイヤホン1の測定結果は実線で示し、比較例2に係るイヤホンの測定結果は破線で示している。
図8は、本実施形態に係るイヤホン1と、比較例2に係るイヤホンとを比較した実験結果である。具体的には、比較例2に係るイヤホンは、市販の量産化された大衆向けの電磁スピーカーイヤホンである。つまり、比較例2に係るイヤホンは、市販の高級品の電磁スピーカーイヤホンでない。図8は、本実施形態に係るイヤホン1と、比較例2に係るイヤホンの音圧レベル特性結果を比較したグラフである。ここで、電磁スピーカーイヤホンは、電磁スピーカーを用いたイヤホンのことである。測定周波数領域は、2.5Hz〜20kHzまでの低域から中域までである。さらに、本実施形態に係るイヤホン1への印可電
圧は3Vであって、比較例2に係るイヤホンへの印可電圧は0.5Vである。なお、本実施形態に係るイヤホン1の測定結果は実線で示し、比較例2に係るイヤホンの測定結果は破線で示している。
図8に示すように、100Hz以下の周波数領域に注目して説明する。特に2.5Hz〜30Hzの周波数領域、いわゆる低域周波数帯においては、本実施形態に係るイヤホン1が比較例2に係るイヤホンよりも音圧レベルが大きい。具体的には、低域周波数帯においては、比較例2に係るイヤホンの音圧レベルが、2.5Hz〜30Hzにかけて、68.13dB〜99.78dBに変化している。一方、本実施形態に係るイヤホン1の音圧レベルは、92.6dB〜104.35dBに変化している。この結果より、本実施形態に係るイヤホン1は、比較例2に係るイヤホンに比べて、低域周波数帯において、音圧レベルが大きいことを示している。一般的に、低域周波数帯の音圧レベルが低いと、重低音の音が聞こえにくいと言われている。本実施形態に係るイヤホン1は、低域周波数帯の音圧レベルを向上させることができる。なお、本実施形態に係るイヤホン1は、5Hzにおいて98.93dBであって、7.5Hzにおいて101.45dBであり、6Hz程度で100dBを実現することができる。高解像度のイヤホンであっても、10Hz以下で100dB以上の音圧レベルとすることは難しいが、本実施形態に係るイヤホン1は高解像度のイヤホン以上に音圧レベルが良好である。
本実施形態に係るイヤホンと、比較例2に係るイヤホンとを比較した実験結果である。図9は、本実施形態に係るイヤホン1と、比較例2に係るイヤホンの音圧レベル特性結果を比較したグラフである。測定周波数領域は、20kHz〜100kHzまでの高域である。さらに、本実施形態に係るイヤホン1への印可電圧は3Vであって、比較例2に係るイヤホンへの印可電圧は0.5Vである。なお、本実施形態に係るイヤホン1の測定結果は実線で示し、比較例2に係るイヤホンの測定結果は破線で示している。図9で用いた集音マイクは、図8で用いた集音マイクと異なり、100kHz対応コンデンサマイクを用いている。
図9に示すように、20kHz以上の周波数領域に注目して説明する。図9においては、70kHz、85kHz、99kHz周辺において、比較例2に係るイヤホンが、本実施形態に係るイヤホン1と同程度の音圧レベルになっている。ただし、65kHz以下の周波数領域においては、本実施形態に係るイヤホン1が、比較例2に係るイヤホンに比べて、音圧レベルが大きい。つまり、本実施形態に係るイヤホン1は、高域周波数帯についても、比較例2に係るイヤホンよりも音圧レベルが大きい。このように、本実施形態に係るイヤホン1は、高域周波数帯において、音圧レベルを向上させることができる。
本実施形態に係るイヤホン1は、圧電スピーカーユニット2を用いたイヤホンであって、圧電スピーカーユニット2を内蔵した筐体3が、外方に向かって突出し、先端に向かって幅狭となる筒部3Aを有し、筒部3Aの先端部にイヤーピース4を設けたことで、電磁石やコイルを用いることがなく、イヤホン全体を小型化することができ、100Hz以下の周波数帯、特に30Hz以下の低域周波数帯において音圧レベルを向上させることができる。これは、圧電スピーカーユニット2からの音波を筐体3内から開口部Hを介して筒部3Aの細長く、幅狭となっている空間で低音領域の音を増幅させているものと考えられる。この結果、本実施形態に係るイヤホン1は、低域周波数帯において音圧レベルを向上させるとともに、小型軽量化を実現することができる。
本実施形態に係るイヤホン1は、筒部3A内には、開口部Hと重なる位置に貫通孔を有するダンパー7が設けられていることで、音響共鳴や音響抵抗等の作用によって主に中高音域の音圧レベルを調整することができる。また、本実施形態に係るイヤホン1は、筒部3Aの先端部の開口内に、開口を塞ぐスクリーン8が設けられていることで、音響共鳴や
音響抵抗等の作用によって主に中高音領域の音圧レベルを調整することができる。さらに、本実施形態に係るイヤホン1は、圧電スピーカーユニット2が、開口部Hを塞ぐように、テープ6を介して筐体3に張り付けられていることで、圧電スピーカーユニットから外耳道側の密閉度を高め、主に低音域の音質を向上させることができる。
なお、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。以下、本発明の実施形態の変形例について説明する。なお、本発明の実施形態の変形例に係るイヤホンのうち、本発明の実施形態に係るイヤホンと同様な部分については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
図10は、一変形例に係るイヤホン1xの側面図であって、図2の側面図に対応している。図11は、図10のイヤホン1xの一部を分解した状態を示す側面図である。一変形例に係るイヤホン1xは、本実施形態に係るイヤホン1と比較して、筒部3xの根元に外界とつながる空気孔pが設けられている点と、空気孔pの周囲に設けられたカバー部3Bが設けられている点が異なる。
空気孔pは、外界と筒部3A内の空間とを繋げるものであって、外界の音が空気孔pを介して筒部3A内に伝わる。そして、筒部3A内の音が鼓膜に伝わり、人は外界の音を聞くことができる。空気孔pはカバー部3Bによって覆われており、カバー部3Bに設けられた空気孔p2と繋がる構造である。カバー部3Bは、筒部3Aの周囲をスライド可能な構造であって、カバー部3Bを筒部3Aの周囲に対してスライドさせることで、筒部3Aの空気孔pとカバー部3Bの空気孔p2とを繋げたり、遮断したりすることができる。筒部3Aの空気孔pは、カバー部3Bの内面に塞がられることで、筒部3A内の空間と外界との繋がりを遮断することができる。このように、筒部3Aの空気孔pと外界の繋がりとの間に開閉機構を設けることで、外界の音を聞いたり、遮断したりすることができる。
一変形例に係るイヤホン1xによれば、筒部3Aに空気孔pを設け、それに対して開閉機構を設けることで、外耳道が外界に開放されている状態を維持して周囲環境の音(外周音)を聞いたりすることができる。
1 イヤホン
2 圧電スピーカーユニット
21 フィルム
22 フレーム
23 圧電素子
23a 表面電極
23b 電線
24 樹脂
3 筐体
31 箱型部
32 蓋部
3A 筒部
4 イヤーピース
5 吸音材
6 テープ
7 ダンパー
8 スクリーン
H 開口部
p 空気孔

Claims (5)

  1. 圧電スピーカーユニットを内蔵するとともに、一部に開口部を有する筐体と、
    前記筐体上に前記開口部を取り囲んで設けられた、外方に向かって突出し、先端に向かって幅狭となる筒部と、
    前記筒部の先端部に設けられたイヤーピースとを備えたことを特徴とするイヤホン。
  2. 請求項1に記載のイヤホンであって、
    前記筒部内には、前記開口部と重なる位置に貫通孔を有するダンパーが設けられていることを特徴とするイヤホン。
  3. 請求項1または請求項2に記載のイヤホンであって、
    前記先端部の開口内には、前記開口を塞ぐスクリーンが設けられていることを特徴とするイヤホン。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のイヤホンであって、
    前記圧電スピーカーユニットは、前記開口部を塞ぐように、テープを介して前記筐体に張り付けられていることを特徴とするイヤホン。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のイヤホンであって、
    前記圧電スピーカーユニットは、フィルムと、前記フィルムの外縁を固定したフレームと、前記フィルム上に設けた圧電素子と、前記フィルム上に前記圧電素子を被覆した樹脂とを備えていることを特徴とするイヤホン。
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