JP2016010399A - カルバペネマーゼ産生耐性菌検出用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】カルバペネム系抗生物質に対して耐性であるカルバペネマーゼ産生耐性菌のみを検出する手段の提供。
【解決手段】ファロペネム又はその塩とクロキサシリン又はその塩とを含有するカルバペネマーゼ産生耐性菌検出用組成物で、特にカルバペネマーゼ産生耐性腸内細菌の検出に有用である。前記2種の抗菌剤以外に、発色剤、栄養成分、pH調整剤、カチオンなどを含有させカルバペネマーゼ産生耐性菌選択分離用培地とすることもできる。
【選択図】なし
【解決手段】ファロペネム又はその塩とクロキサシリン又はその塩とを含有するカルバペネマーゼ産生耐性菌検出用組成物で、特にカルバペネマーゼ産生耐性腸内細菌の検出に有用である。前記2種の抗菌剤以外に、発色剤、栄養成分、pH調整剤、カチオンなどを含有させカルバペネマーゼ産生耐性菌選択分離用培地とすることもできる。
【選択図】なし
Description
本発明は、カルバペネマーゼ産生耐性菌検出用組成物及びそれを用いる耐性菌の検出方法に関する。
β−ラクタマーゼはβ−ラクタム系抗生物質のβ−ラクタム環を加水分解する酵素で、これらを産生するグラム陰性菌、グラム陽性菌は、β−ラクタム系抗生物質に対する耐性を有することから、治療上問題となってくる。β−ラクタマーゼは、セリン−β−ラクタマーゼであるクラスA−β−ラクタマーゼ、クラスC−β−ラクタマーゼ、クラスD−β−ラクタマーゼ、及びメタロ−β−ラクタマーゼであるクラスB−β−ラクタマーゼの4種に分類されている。これらのβ−ラクタマーゼ産生菌に対する治療あるいは耐性菌検出法としての各種β−ラクタマーゼ阻害剤が知られており、クラスA−β−ラクタマーゼに分類されるESBLsに対する阻害剤としては、クラブラン酸やスルバクタムが、クラスC−β−ラクタマーゼに対する阻害剤としてはボロン酸化合物やクロキサシリン(特許文献1)が、クラスB−β−ラクタマーゼに対する阻害剤としてはメルカプト化合物やキレート化合物(EDTAなど)が知られている。
β−ラクタマーゼ産生耐性菌に対する切り札としてカルバペネム系抗生物質が上市された。しかし、当該カルバペネムを加水分解する酵素であるカルバペネマーゼを産生する耐性菌が出現し、問題となっている。カルバペネマーゼは、クラスA−β−ラクタマーゼ、クラスB−β−ラクタマーゼ、クラスD−β−ラクタマーゼに分類されるカルバペネムを加水分解する酵素の総称で、遺伝子的にクラスA−β−ラクタマーゼではKPC遺伝子、クラスB−β−ラクタマーゼではIMP遺伝子、NDM−1遺伝子など、クラスD−β−ラクタマーゼではOXA48遺伝子などが含まれている。
これらのカルバペネマーゼ産生耐性菌の検出手段としては、ファロペネムを含有するディスクを用いる方法、ファロペネムを含有する寒天平板希釈法によりカルバペネマーゼ産生菌の検出ができることが報告されている(非特許文献1)。
J. Clin. Microbiol. 2013, 51(6): 1881-1886
しかしながら、従来のカルバペネマーゼ産生菌の検出手段では、カルバペネマーゼ産生耐性菌以外の菌も検出してしまったり、一方、カルバペネマーゼ産生耐性菌の生育も抑制してしまうことにより当該耐性菌が検出できない場合がある。
従って、本発明の課題は、正確にカルバペネマーゼ産生耐性菌のみを検出できる手段を提供することにある。
従って、本発明の課題は、正確にカルバペネマーゼ産生耐性菌のみを検出できる手段を提供することにある。
そこで本発明者は、カルバペネマーゼ産生耐性菌を選択的に発育させ、β−ラクタマーゼ生産菌であるが、カルバペネマーゼを産生しない耐性菌を生育させない成分について種々検討した結果、ファロペネムとクロキサシリンとを組み合わせて用い、特に一定濃度で使用することにより、カルバペネマーゼ産生耐性菌のみが選択的に発育できる組成物が得られ、これを用いればカルバペネマーゼ産生耐性菌が簡便かつ正確に検出できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔10〕を提供するものである。
〔1〕ファロペネム又はその塩とクロキサシリン又はその塩とを含有するカルバペネマーゼ産生耐性菌検出用組成物。
〔2〕ファロペネム又はその塩の検出時の濃度が0.5〜8μg力価/mLである〔1〕に記載の組成物。
〔3〕クロキサシリン又はその塩の検出時の濃度が16〜128μg力価/mLである〔1〕又は〔2〕に記載の組成物。
〔4〕液体微量希釈法によるカルバペネマーゼ産生耐性菌検出に用いるものである〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の組成物。
〔5〕さらに発色剤を含有する〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の組成物。
〔6〕ファロペネム又はその塩とクロキサシリン又はその塩とを含有する培地で被験試料を培養することを特徴とするカルバペネマーゼ産生耐性菌の検出方法。
〔7〕ファロペネム又はその塩の検出時の濃度が0.5〜8μg力価/mLである〔6〕に記載の検出方法。
〔8〕クロキサシリン又はその塩の検出時の濃度が16〜128μg力価/mLである〔6〕又は〔7〕に記載の検出方法。
〔9〕液体微量希釈法による検出方法である〔6〕〜〔8〕のいずれかに記載の検出方法。
〔10〕培地が、さらに発色剤を含有する〔6〕〜〔9〕のいずれかに記載の検出方法。
〔1〕ファロペネム又はその塩とクロキサシリン又はその塩とを含有するカルバペネマーゼ産生耐性菌検出用組成物。
〔2〕ファロペネム又はその塩の検出時の濃度が0.5〜8μg力価/mLである〔1〕に記載の組成物。
〔3〕クロキサシリン又はその塩の検出時の濃度が16〜128μg力価/mLである〔1〕又は〔2〕に記載の組成物。
〔4〕液体微量希釈法によるカルバペネマーゼ産生耐性菌検出に用いるものである〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の組成物。
〔5〕さらに発色剤を含有する〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の組成物。
〔6〕ファロペネム又はその塩とクロキサシリン又はその塩とを含有する培地で被験試料を培養することを特徴とするカルバペネマーゼ産生耐性菌の検出方法。
〔7〕ファロペネム又はその塩の検出時の濃度が0.5〜8μg力価/mLである〔6〕に記載の検出方法。
〔8〕クロキサシリン又はその塩の検出時の濃度が16〜128μg力価/mLである〔6〕又は〔7〕に記載の検出方法。
〔9〕液体微量希釈法による検出方法である〔6〕〜〔8〕のいずれかに記載の検出方法。
〔10〕培地が、さらに発色剤を含有する〔6〕〜〔9〕のいずれかに記載の検出方法。
本発明の検出方法によれば、カルバペネム系抗生物質に対して耐性であるカルバペネマーゼ産生耐性菌のみを、正確かつ簡便に検出することができる。
本発明のカルバペネマーゼ産生耐性菌検出用組成物は、ファロペネム又はその塩とクロキサシリン又はその塩とを含有する。
ファロペネムは、(5R,6S)−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−7−オキソ−3−〔(2R)−テトラヒドロフラン−2−イル〕−4−チア−1−アザビシクロ〔3.2.0〕ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸であり、通常ナトリウム塩2.5水和物として供給されているペネム系抗菌剤である。ファロペネムの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられるが、ナトリウム塩が好ましい。ファロペネムは水和物を使用してもよい。
ファロペネム又はその塩は、検出時の濃度として0.5〜8μg力価/mLであるのが好ましく、1〜8μg力価/mLであるのがより好ましい。ここで検出時の濃度とは、被験試料添加後の培養時の濃度である。
クロサシリンは、(2S,5R,6R)−6−[〔3−(2−クロロフェニル)−5−メチルイソキザゾール−4−カルボニル〕アミノ]−3,3−ジメチル−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ〔3.2.0〕ヘプタン−2−カルボン酸であり、通常ナトリウム塩1水和物として供給されているペニシリン系抗菌剤である。クロキサシリンの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられるが、ナトリウム塩が好ましい。クロキサシリンは水和物を使用してもよい。
クロキサシリン又はその塩は、検出時の濃度として16〜128μg力価/mLであるのが好ましく、32〜128μg力価/mLであるのがより好ましい。
さらに、本発明においては、ファロペネム又はその塩の検出時の濃度が0.5〜8μg力価/mLであり、より好ましくは1〜8μg力価/mLであり、クロキサシリン又はその塩の検出時濃度が16〜128μg力価/mLであり、より好ましくは32〜128μg力価/mLであるのが、カルバペネマーゼ産生耐性菌のみを選択的に生育させ、検出する点から、より好ましい。
本発明の組成物は、カルバペネマーゼ産生性でありカルバペネム系抗菌剤耐性菌を検出するための組成物として用いることができるが、特にカルバペネマーゼ産生耐性腸内細菌の検出に有用である。
本発明の組成物には、前記2種の抗菌剤以外に、必要に応じて、発色剤、栄養成分、pH調整剤、カチオン(ナトリウム、カルシウム、マグネシウムなど)などを含有させることができる。ここで発色剤としては、コロニーを着色する色素、酵素基質、pH指示薬、酸化還元指示薬等が挙げられる。また、本発明の組成物は、前記2種の抗菌剤を含有するカルバペネマーゼ産生耐性菌選択分離用培地とすることもできる。
本発明の組成物を用いてカルバペネマーゼ産生耐性菌を検出するには、ファロペネム又はその塩及びクロキサシリン又はその塩を含有する培地(組成物)で、被験試料を培養すればよい。ここで、ファロペネム又はその塩及びクロキサシリン又はその塩の検出時の濃度は、前記と同様であるのが好ましい。
被験試料としては、細菌感染が疑われる患者の尿、血液、喀痰、便などの臨床材料、あるいは臨床材料から分離されたグラム陰性菌を供試する。
本発明の組成物、好ましくは培地に被験試料を添加し、培養後、生育する菌の有無を観察すれば、カルバペネマーゼ産生耐性菌が検出できる。培養は、33〜37℃で、16〜20時間が好ましい。生育する菌の観察は、菌の発育による濁度の有無により行ってもよいが、吸光度測定などにより検出しても良い。
さらに、本発明においては、あらかじめファロペネム及びクロキサシリンを分注、乾燥、固定したマイクロプレートを作製し、被検菌をミュラーヒントンブイヨンに懸濁調製し、マイクロプレートに一定量ずつ分注後培養を行い、自動測定装置により菌の発育を観察する液体微量希釈法により検出するのが特に好ましい。自動測定装置としては、ライサスエニー(日水製薬)等が挙げられる。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。
実施例1
ミュラーヒントンブイヨンを用いた液体微量希釈法によりファロペネム(FRPM)に対する各種β−ラクタマーゼ、カルバペネーゼ産生耐性菌の最少発育阻止濃度(MIC)を測定した。
なお、クロキサシリン(MCIPC)の添加効果を評価した。
結果を表1に示す。
ミュラーヒントンブイヨンを用いた液体微量希釈法によりファロペネム(FRPM)に対する各種β−ラクタマーゼ、カルバペネーゼ産生耐性菌の最少発育阻止濃度(MIC)を測定した。
なお、クロキサシリン(MCIPC)の添加効果を評価した。
結果を表1に示す。
表1より、カルバペネマーゼ産生性陽性該当菌株ではクロキサシリン(MCIPC)の添加0〜128μg/mLの間でファロペネム(FRPM)のMICは≧16(>8)であった。
クラスCβラクタマーゼ産生株ではファロペネムの添加量に伴いMICは低下した。
クラスCβラクタマーゼ産生株ではファロペネムの添加量に伴いMICは低下した。
実施例2
実施例1に引き続き、クロキサシリンの添加濃度を1024μg/mLまで増やして濃度の影響を確認した。
実施例1に引き続き、クロキサシリンの添加濃度を1024μg/mLまで増やして濃度の影響を確認した。
表2より、クロキサシリン濃度を128μg/mLより更に256〜1024μg/mLまで増量すると、クラスCβラクタマーゼ産生株でファロペネムの添加量に伴いMICは更に低下したが、カルバペネマーゼ産生性陽性該当菌株でもファロペネムのMICの低下が見られ、クロキサシリンの添加は128μg/mL以下が至適であった。
実施例3
ファロペネム及びクロキサシリンの濃度を変化させて、各種菌のMICを測定した。表3はMICであり、表4はMICから発育性の評価に変換した表である。
ファロペネム及びクロキサシリンの濃度を変化させて、各種菌のMICを測定した。表3はMICであり、表4はMICから発育性の評価に変換した表である。
表3及び表4より、ファロペネム濃度4〜8μg力価/mL及びクロキサシリン濃度16〜128μg力価/mLがカルバペネマーゼ産生耐性菌の検出に良好であることが判明した。
実施例4
ファロペネム単独と、ファロペネム及びクロキサシリンの併用との効果を対比した。
ファロペネム単独と、ファロペネム及びクロキサシリンの併用との効果を対比した。
表5よりファロペネム(FRPM)8μg力価/mL単独ウェルで発育した株の中にはカルバペネマーゼ産生陽性株以外に、カルバペネマーゼ産生陰性のクラスC β−ラクタマーゼ産生株も含まれている。
一方、クロキサシリン(MCIPC)64μg力価/mLとファロペネム(FRPM)8μg力価/mLを含むウェルで発育した株は総てカルバペネマーゼ産生陽性株であった。
一方、クロキサシリン(MCIPC)64μg力価/mLとファロペネム(FRPM)8μg力価/mLを含むウェルで発育した株は総てカルバペネマーゼ産生陽性株であった。
実施例5
大腸菌群検出用として大腸菌群が産生するβ−ガラクトシダーゼで特異的に分解されるX−GAL(発色酵素基質)を含有するX−GAL寒天培地「ニッスイ」を基礎培地とし、ファロペネムとクロキサシリンを終濃度でそれぞれ2〜8μg力価/mL、32〜128μg力価/mLを含有させた培地を作製した。各種β−ラクタマーゼ、カルバペネーゼ産生耐性菌の新鮮培養物から菌濃度105cfu/mLの接種用菌液を調製し、その5μLをミクロプランターにて被検用培地に接種した。35℃で20時間培養後にその発育性を評価した。
結果を表6に示す。
大腸菌群検出用として大腸菌群が産生するβ−ガラクトシダーゼで特異的に分解されるX−GAL(発色酵素基質)を含有するX−GAL寒天培地「ニッスイ」を基礎培地とし、ファロペネムとクロキサシリンを終濃度でそれぞれ2〜8μg力価/mL、32〜128μg力価/mLを含有させた培地を作製した。各種β−ラクタマーゼ、カルバペネーゼ産生耐性菌の新鮮培養物から菌濃度105cfu/mLの接種用菌液を調製し、その5μLをミクロプランターにて被検用培地に接種した。35℃で20時間培養後にその発育性を評価した。
結果を表6に示す。
表6より、カルバペネマーゼ産生性陽性該当菌株ではクロキサシリン(MCIPC)添加濃度32μg/mLでファロペネム(FRPM)添加濃度4〜8μg/mL、クロキサシリン(MCIPC)添加濃度64〜128μg/mLでファロペネム(FRPM)添加濃度2〜8μg/mLで発育対照と同等に発育し、他のβ−ラクタマーゼ産生耐性菌は発育が抑制された。
実施例6
次にX−GAL寒天培地「ニッスイ」よりもやや選択性が強いマッコンキー寒天培地を基礎培地とし、ファロペネムとクロキサシリンを終濃度でそれぞれ1〜4μg力価/mL、32〜128μg力価/mLを含有させた培地を作製した。各種β−ラクタマーゼ、カルバペネーゼ産生耐性菌の新鮮培養物から菌濃度105cfu/mLの接種用菌液を調製し、その5μLをミクロプランターにて被検用培地に接種した。35℃で20時間培養後にその発育性を評価した。
結果を表7に示す。
次にX−GAL寒天培地「ニッスイ」よりもやや選択性が強いマッコンキー寒天培地を基礎培地とし、ファロペネムとクロキサシリンを終濃度でそれぞれ1〜4μg力価/mL、32〜128μg力価/mLを含有させた培地を作製した。各種β−ラクタマーゼ、カルバペネーゼ産生耐性菌の新鮮培養物から菌濃度105cfu/mLの接種用菌液を調製し、その5μLをミクロプランターにて被検用培地に接種した。35℃で20時間培養後にその発育性を評価した。
結果を表7に示す。
表7より、カルバペネマーゼ産生性陽性該当菌株ではクロキサシリン(MCIPC)添加濃度32〜64μg/mLでファロペネム(FRPM)添加濃度2〜4μg/mL、クロキサシリン(MCIPC)添加濃度128μg/mLでファロペネム(FRPM)添加濃度1〜4μg/mLで発育対照と同等に発育し、他のβ−ラクタマーゼ産生耐性菌は発育が抑制された。
X−GAL寒天培地には選択剤としてSDS(ラウリル硫酸ナトリウム)が0.15g/L、マッコンキー寒天培地には選択剤として胆汁酸塩が1g/L含まれている。いずれもグラム陽性菌の発育抑制を目的に添加されているが、グラム陰性菌においても少なからず発育性には影響があり、添加量や複数の選択剤の添加により選択性は強化される一方グラム陰性菌への抑制性も強まっていく。
X−GAL寒天培地とマッコンキー寒天培地とを基礎培地とした場合の、クロキサシリン(MCIPC)、ファロペネム(FRPM)の添加濃度、競合効果については、明らかにマッコンキー寒天培地で添加濃度を低下させる必要性が認められた。
X−GAL寒天培地とマッコンキー寒天培地とを基礎培地とした場合の、クロキサシリン(MCIPC)、ファロペネム(FRPM)の添加濃度、競合効果については、明らかにマッコンキー寒天培地で添加濃度を低下させる必要性が認められた。
実施例7
キサンタンガム、栄養成分及び発色基質などを乾燥させて作製した、ドライタイプの培地であるコンパクトドライCFを基礎培地に、ファロペネム及びクロキサシリンを添加しドライタイプの培地を作製した。同時に発育対照として薬剤不含、及びカルバペネム系薬剤としてメロペネムを添加したドライタイプの培地も作製した。なおメロペネムの添加濃度はCLSIにおける判定区分で非感性であるMIC 2以上の菌株を検出できるように終濃度1μg/mLとした。
各種β−ラクタマーゼ、カルバペネーゼ産生耐性菌の新鮮培養物から菌濃度102cfu/mL相当の接種用菌液を調製し、ドライタイプのシャーレにその1mLを接種した。35℃で20時間培養後にその発育性を評価した。
結果を表8に示す。
キサンタンガム、栄養成分及び発色基質などを乾燥させて作製した、ドライタイプの培地であるコンパクトドライCFを基礎培地に、ファロペネム及びクロキサシリンを添加しドライタイプの培地を作製した。同時に発育対照として薬剤不含、及びカルバペネム系薬剤としてメロペネムを添加したドライタイプの培地も作製した。なおメロペネムの添加濃度はCLSIにおける判定区分で非感性であるMIC 2以上の菌株を検出できるように終濃度1μg/mLとした。
各種β−ラクタマーゼ、カルバペネーゼ産生耐性菌の新鮮培養物から菌濃度102cfu/mL相当の接種用菌液を調製し、ドライタイプのシャーレにその1mLを接種した。35℃で20時間培養後にその発育性を評価した。
結果を表8に示す。
メロペネムに感受性のカルバペネマーゼ産生耐性菌がクロキサシリン64μg/mL、ファロペネム8μg/mLを含有する本発明組成物には発育し、その有用性が確認できた。
Claims (10)
- ファロペネム又はその塩とクロキサシリン又はその塩とを含有するカルバペネマーゼ産生耐性菌検出用組成物。
- ファロペネム又はその塩の検出時の濃度が0.5〜8μg力価/mLである請求項1に記載の組成物。
- クロキサシリン又はその塩の検出時の濃度が16〜128μg力価/mLである請求項1又は2に記載の組成物。
- 液体微量希釈法によるカルバペネマーゼ産生耐性菌検出に用いるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
- さらに発色剤を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
- ファロペネム又はその塩とクロキサシリン又はその塩とを含有する培地で被験試料を培養することを特徴とするカルバペネマーゼ産生耐性菌の検出方法。
- ファロペネム又はその塩の検出時の濃度が0.5〜8μg力価/mLである請求項6に記載の検出方法。
- クロキサシリン又はその塩の検出時の濃度が16〜128μg力価/mLである請求項6又は7に記載の検出方法。
- 液体微量希釈法による検出方法である請求項6〜8のいずれか1項に記載の検出方法。
- 培地が、さらに発色剤を含有する請求項6〜9のいずれか1項に記載の検出方法。
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"新しい観点から見たβ-ラクタマーゼ その動向と対策 6.検査室で実施可能なβ-ラクタマーゼの判別法", 化学療法の領域, vol. 28(10), JPN6018028347, 2012, pages 2061 - 2069, ISSN: 0003844260 * |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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