JP2016010123A - 中継装置および中継装置の調整方法 - Google Patents

中継装置および中継装置の調整方法 Download PDF

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忠則 横沢
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Abstract

【課題】複数の中継装置を用いたシステムでの通信状況を簡単に改善する。
【解決手段】基地局の送信信号を複数の中継装置が中継するシステム中の中継装置は、第1のアンテナ、第2のアンテナ、通信部、解析部を備える。第1のアンテナは、送信信号の受信に使用される。第2のアンテナは、送信信号の中継先の中継装置である対象中継装置との通信に使用される。通信部は、対象中継装置を含む他の中継装置への第1および第2のアンテナの設定情報の通知と、他の中継装置の設定情報の取得のための通信を行う。解析部は、送信信号の中継状況が基準よりも悪い場合、中継状況が基準より悪い原因を解析する。通信部は、対象中継装置の設定が原因である場合、対象中継装置が備えるアンテナの偏波面の調整を要求する要求信号を対象中継装置に送信する。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線信号を中継する中継装置に関する。
無線通信の通信品質の向上や、サービスエリアの拡大を行うために、リピータなどと呼ばれる中継装置が設置されることがある。中継装置は、基地局側から送信された信号を受信し、増幅して端末側に中継することにより、基地局からの電波が届きにくいエリアでも端末が通信できるようにする。また、中継装置は端末の送信信号についても、増幅して、基地局側に送信する。なお、基地局と端末の通信経路に含まれる中継装置の数は任意である。
関連する技術として、基地局と信号を送受信するドナーアンテナと、移動局と信号を送受信するサービスアンテナとの間のアイソレーションに応じて、少なくとも一方のアンテナの1つの偏波方向を可変的に選択する中継器が知られている(例えば、特許文献1)。直線偏波用平面アンテナと、平面アンテナのアンテナビームを衛星仰角の方向に反射させるビーム反射板とを、受信信号レベルに応じて回転駆動させる衛星自動追尾アンテナも知られている(例えば、特許文献2)。第1のアンテナ群と第2のアンテナ群を備える中継装置で、第2のアンテナ群を第1のアンテナ群の方向への利得を低くするように調整することで、送信アンテナから受信アンテナへの信号の回り込みを抑える方法も提案されている(例えば、特許文献3)。中継装置において、回り込み波を打ち消すキャンセル波を入力波と回り込み波に合成し、入力波と回り込み波のレベル差に基づいて発振が起きない範囲で利得を上げる制御方法も提案されている(例えば、特許文献4)。また、分波器を内蔵した変換器において、垂直ビーコン信号と水平ビーコン信号のレベルに基づいて、分波器の偏波角を調整することも知られている(例えば、特許文献5)。
特表2009−521889号公報 特開平8−307136号公報 特開2006−20211号公報 特開2000−286772号公報 特開平11−274962号公報
基地局と端末の間の通信を複数の中継装置で中継する場合、ある中継装置が送信した電波が中継先の中継装置以外の受信アンテナに回り込むことがある。送信波が受信アンテナに回り込んだ中継装置では、干渉を軽減するために送信利得を低減させるので、中継装置を用いてカバーできるエリアが狭くなってしまう。また、関連する技術として述べたいずれの技術を用いても、複数の中継装置間での電波の回り込みを軽減することはできない。
本発明は、複数の中継装置を用いたシステムで通信状況を簡単に改善することを目的とする。
1つの態様では、基地局の送信信号を複数の中継装置が中継するシステム中の中継装置は、第1のアンテナ、第2のアンテナ、通信部、解析部を備える。第1のアンテナは、前記送信信号の受信に使用される。第2のアンテナは、前記送信信号の中継先の中継装置である対象中継装置との通信に使用される。通信部は、前記対象中継装置を含む他の中継装置への前記第1および第2のアンテナの設定情報の通知と、前記他の中継装置の設定情報の取得のための通信を行う。解析部は、前記送信信号の中継状況が基準よりも悪い場合、前記中継状況が前記基準より悪い原因を解析する。前記通信部は、前記対象中継装置の設定が前記原因である場合、前記対象中継装置が備えるアンテナの偏波面の調整を要求する要求信号を前記対象中継装置に送信する。
複数の中継装置を用いたシステムでの通信状況を簡単に改善できる。
実施形態にかかる調整方法の例を説明する図である。 中継装置の構成の例を説明する図である。 中継装置のハードウェア構成の例を説明する図である。 中継装置の起動時の処理の例を説明するフローチャートである。 アンテナの調整のタイミングを決定する中継装置の決定方法の例を説明するシーケンス図である。 通信に使用される信号に含まれる情報要素の例を説明する図である。 中継装置の設定を最適化する方法の例を説明するフローチャートである。 中継装置の設定を最適化する方法の例を説明するフローチャートである。 スレーブ側中継装置で使用する偏波の変更を伴う調整の例を説明するフローチャートである。 マスタ側中継装置で使用する偏波の変更を伴う調整の例を説明するフローチャートである。 スレーブ側中継装置での偏波面の調整の例を説明するフローチャートである。 BSアンテナの調整方法の例を説明するフローチャートである。 BSアンテナの調整方法の例を説明するフローチャートである。 MSアンテナの調整方法の例を説明するフローチャートである。 運用中の環境の変化に応じて中継装置の設定を最適化する方法の例を説明するフローチャートである。 スレーブ側中継装置での偏波面の調整の例を説明するフローチャートである。 マスタ側中継装置とスレーブ側中継装置の間のパスロスを軽減する処理の例を説明するフローチャートである。 マスタ側中継装置でのBSアンテナの調整の例を説明するフローチャートである。 マスタ側中継装置でのMSアンテナとスレーブ側の中継装置の調整の例を説明するフローチャートである。
図1は、実施形態にかかる調整方法の例を説明する図である。実施形態にかかる調整方法が適用されるシステムの例を図1のケースC1に示す。ケースC1の例では、基地局10と端末20が中継装置30aと中継装置30bを介して通信している。個々の中継装置は、基地局側の装置との通信に使用するアンテナ、端末側の装置の通信に使用するアンテナ、リピータ40、無停電電源装置33を備える。以下、基地局側の装置との通信に使用するアンテナをBSアンテナ31、端末側の装置の通信に使用するアンテナをMSアンテナ32と記載することがある。ケースC1では、中継装置30aは、BSアンテナ31aを介して、基地局10の送信信号を受信し、受信信号を適宜増幅して、MSアンテナ32aから送信する。中継装置30bは、BSアンテナ31bを介して、中継装置30aの送信信号を受信し、受信信号を適宜増幅して、MSアンテナ32bから送信する。このため、端末20は、基地局10から送信された信号を、中継装置30aと中継装置30bを介して受信する。同様に、端末20の送信信号も、中継装置30aと中継装置30bを介して基地局10に送信される。
以下、ケースC1に示すシステム中の各中継装置30がアンテナを調整する方法の例を説明する。ここで、各中継装置30は、BSアンテナ31とMSアンテナ32以外にも通信に使用可能なアンテナを保持しており、そのアンテナを介して制御情報の送受信などの通信ができるものとする。図1のシーケンス図に示すように、中継装置30aは、中継装置30aのアンテナの設定情報などを、中継装置30bに通知する(ステップS1)。中継装置30bも同様に、中継装置30bのアンテナの設定情報などを、中継装置30aに通知する(ステップS2)。図1の例では、設定情報等として、送信元の中継装置30でのアンテナの設定、希望波受信電力(Received Signal Code Power、RSCP)、アンテナ間のアイソレーションなどが通知されている。
中継装置30aは、通知された設定情報を用いて、端末20での通信状況を予測し、予測される通信状況が基準以上であるかを判定する(ステップS3)。予測される通信状況が基準以上である場合、中継装置30aは、ステップS1に戻る。一方、予測される通信状況が基準未満の場合、中継装置30aは、通信状況の予測値が基準に満たない原因を解析する(ステップS3でNo、ステップS4)。この解析では、例えば、中継装置30bの送信波の回り込みの状況、中継装置30aのRSCPが低下しているか、中継装置30bのBSアンテナ31bとMSアンテナ32bの間のアイソレーションが悪化しているかなどが判定される。中継装置30aのRSCPが所定の値以下の場合、中継装置30aは、端末20での通信状況が基準より悪いと判定する。また、中継装置30bの送信波の回り込みが所定レベルを超えた場合や、中継装置30bでのアイソレーションが所定値よりも悪い場合も、中継装置30aは、端末20での通信状況が基準より悪いと判定する。
中継装置30aは、中継装置30aでの設定が通信状況を悪化させている場合、中継装置30aのアンテナなどの設定を変更する(ステップS5でYes、ステップS6)。その後、中継装置30aは、中継装置30bに対して、アンテナの偏波面の変更を要求する(ステップS7)。一方、中継装置30bでの設定が通信状況を悪化させている場合も、中継装置30aは、中継装置30bに対して、アンテナの偏波面の変更を要求する(ステップS5でNo、ステップS7)。中継装置30bは、中継装置30aからの通知に応じて、適宜、中継装置30bが保持しているBSアンテナ31bやMSアンテナ32bの調整を行う。なお、図1を参照しながら説明した例は一例であり、基地局10と端末20の間の通信が3台以上の中継装置30により中継されても良い。
このように、実施形態にかかる方法では、複数の中継装置30のうちの一方が、他方の中継装置30から取得した設定情報などを用いて、端末20での通信状況が基準を下回るかを判定することができる。さらに、判定を行った中継装置30は、端末20の通信状況を改善するために、設定情報の通知元の中継装置30でのアンテナの調整が有効であると判定すると、設定情報の通知元の中継装置30に対して、アンテナの偏波面の変更を要求する。換言すると、ある中継装置30が、端末20の通信状況の予測結果に応じて、他の中継装置30に対して、アンテナの調整を要求できる。アンテナの調整を要求された中継装置30は、アンテナの偏波面を最適化するため、複数の中継装置を含むシステムでの通信状況が簡便に改善される。なお、図1を参照しながら述べた例では、端末20での通信状況の予測に従ってアンテナの調整処理が行われると説明したが、端末20での通信状況は、中継先の中継装置30を介した信号の中継状況と言い換えることができる。
また、ある中継装置30からの要求により、他の中継装置30でのアンテナの調整が行われるので、伝搬路の状況の変化などに応じて、リアルタイムに、システム内において、自律的なアンテナの調整処理が行われる。従って、実施形態にかかる方法を適用できるシステムでは、伝搬路の状況の変化にも容易に対応できる。
<装置構成>
図2は、中継装置30の構成の例を示す。中継装置30は、BSアンテナ31、MSアンテナ32、無停電電源装置33(図1参照)、駆動装置34、駆動装置35、リピータ40、アンテナ61を備える。
駆動装置34は、BSアンテナ31の設置方向を変更することにより、BSアンテナ31の偏波面を変更する。駆動装置35は、MSアンテナ32の設置方向を変更することにより、MSアンテナ32の偏波面を変更する。駆動装置34や駆動装置35は、例えば、アンテナの回転台など、アンテナの向きの変更に使用することができる任意の駆動装置である。
リピータ40は、デュプレクサ(41、45)、A/Dコンバータ(42、46)、D/Aコンバータ(43、47)、アンプ(44、48)、主信号処理部50、制御部70、計測部76、通信部60を備える。デュプレクサ41は、BSアンテナ31に出力する信号を切り替え、デュプレクサ45は、MSアンテナ32に出力する信号を切り替える。
主信号処理部50は、利得調整部51、キャンセラ部52、キャンセラ部53、利得調整部54、計算部55を備える。利得調整部51はBSアンテナ31の利得を調整し、利得調整部54はMSアンテナ32の利得を調整する。キャンセラ部52とキャンセラ部53は、それぞれ、キャンセル波の合成処理を行う。計算部55は、BSアンテナ31とMSアンテナ32の間のアイソレーションを計算する。
通信部60は、中継装置30間での設定情報の送受信やアンテナの調整に関する制御情報の送受信を行う。通信部60はアンテナ61を介して通信を行う。なお、通信部60とアンテナ61を介した通信は、BSアンテナ31やMSアンテナ32を用いた通信に影響を与えない周波数を用いて行われるものとする。
制御部70は、解析部71、生成部72、記憶部73、調整部74、測定処理部75を備える。解析部71は、計算部55で計算されたアイソレーションや他の中継装置30から通知された設定情報などの情報を用いて、端末20での通信の状況が基準以下になっているかを予測する。さらに、解析部71は、端末20での通信の状況が基準以下になっている可能性があると判定すると、通信状況を悪化させている原因を解析する。解析部71は、自装置の設定が通信状況を悪化させている可能性があると判定すると、調整部74にBSアンテナ31やMSアンテナ32の調整を要求する。また、解析部71は、自装置の設定を変更した場合や、他の中継装置30の設定が通信状況を悪化させていると判定した場合は、生成部72に解析結果を通知する。生成部72は、解析部71からの通知内容に応じて、設定情報を通知してきた中継装置30に対して、アンテナの偏波面の変更を要求するための要求信号を生成する。要求信号は、通信部60とアンテナ61を介して、送信される。記憶部73は、制御部70で使用される情報を適宜、記憶する。測定処理部75は、所定の周期で計測部76や計算部55にRSCPやアイソレーションの計算を要求する。また、測定処理部75は、出力電力の変更や出力電力の変更のタイミングの調整なども行う。計測部76は、基地局側の装置からのRSCPを計測する。なお、端末20での通信の状況は、信号の中継先の中継装置30での中継状況と同義であるものとする。
図3は、中継装置30のハードウェア構成の例を示す。中継装置30は、プロセッサ81、メモリ82、通信装置83、モデム84を備える。中継装置30は、さらに、BSアンテナ31、MSアンテナ32、駆動装置(34、35)、デュプレクサ(41、45)、A/Dコンバータ(42、46)、D/Aコンバータ(43、47)、アンプ(44、48)を備える。プロセッサ81は、主信号処理部50、解析部71、生成部72、調整部74、測定処理部75として動作する。メモリ82は記憶部73として動作する。モデム84は、計測部76として動作する。通信装置83は、例えば、Wireless Fidelity(Wifi)通信装置などの通信装置であり、通信部60として動作する。なお、図3では中継装置30がモデム84を備える場合を例として説明したが、計測部76は、RSCPの測定が可能な任意の測定装置で実現され得る。
<第1の実施形態>
第1の実施形態では、通信システム中の各中継装置30を起動または設置するときに行われる調整方法の例を説明する。以下、通信システム中で設置位置が基地局10に近い中継装置30から順に調整が行われる場合を例とする。すなわち、図1のケースC1に示すシステムにおいて、中継装置30aのBSアンテナ31a、中継装置30aのMSアンテナ32a、中継装置30bのBSアンテナ31b、中継装置30bのMSアンテナ32bの順に、調整が行われるものとする。また、以下の例では、各中継装置30に備えられたアンテナが、H偏波に優先的に設定される場合を例として説明する。
図4は、中継装置30の起動時の処理の例を説明するフローチャートである。図4の例では、基地局10からの送信波がV偏波である場合の処理を説明する。なお、基地局10からの送信波はH偏波であっても良く、基地局10からの送信波がH偏波の場合、ステップS15では、BSアンテナがV偏波であるかが判定される。
ステップS11において、調整部74は、RSCPが最大になるようにBSアンテナ31の偏波面を調整する。このとき、中継装置30aでは、基地局10からの受信電力が最大になるように調整が行われ、中継装置30bでは、中継装置30aからの受信電力が最大になるように調整が行われる。
ステップS12において、調整部74は、MSアンテナ32を、予め設定された設計方位、チルト角に指向させ、送信波をH偏波に設定する。このとき、設計方位やチルト角の情報は予め記憶部73に格納されており、調整部74は、設定方位やチルト角の情報を、適宜、記憶部73から読み出すものとする。
ステップS13において、計算部55は、自装置中のBSアンテナ31とMSアンテナ32の間のアイソレーション(ISO)を測定する。計算部55での計算結果は調整部74に出力される。調整部74は、アイソレーションが期待ISO未満であるかを判定する(ステップS14)。ここで、「期待ISO」は、最大利得よりも大きい値となるように予め設定された定数であるものとする。例えば、期待ISOは、最大利得と、キャンセラ部52、53の処理によってキャンセルできる回り込み波の最大値の和に設定できる。調整部74は、期待ISOを予め記憶しているものとする。得られたアイソレーションが期待ISO以上であれば、調整部74は、BSアンテナ31とMSアンテナ32の調整を終了する(ステップS14でNo)。
一方、得られたアイソレーションが期待ISO未満の場合、調整部74は、BSアンテナ31がH偏波に設定されているかを判定する(ステップS15)。BSアンテナ31がH偏波に設定されている場合、調整部74は、MSアンテナ32の偏波面をBSアンテナ31と直交させ、計算部55にアイソレーションを測定させる(ステップS15でYes、ステップS16)。得られたアイソレーションが期待ISO以上の場合、調整部74は、BSアンテナ31とMSアンテナ32の調整を終了する(ステップS17でYes)。ステップS15において、BSアンテナ31がH偏波ではないと判定された場合、調整部74は、置局設定の変更を要求する(ステップS18)。なお、置局設定の変更要求は、表示装置(図示せず)に、置局設定の変更を求める表示を行うなど、オペレータに対して、置局の設定変更が要求されたことを通知可能な任意の処理から実装に応じて選択される。さらに、ステップS17において、アイソレーションが期待ISO未満であると判定した場合も、調整部74は、置局設定の変更を要求する(ステップS18)。
通信システム中の個々の中継装置30は、図4を用いて説明した処理により、起動時のアンテナの調整をする。このため、各中継装置30は、その中継装置30のBSアンテナ31の設定に合わせて、自装置内でのアイソレーションが期待ISO以上になるように、MSアンテナ32の偏波面を設定できる。個々の中継装置30が起動すると、異なる中継装置30に設置されたBSアンテナ31とMSアンテナ32の間でのアイソレーションを確保するための処理が開始される。
図5は、アンテナの調整のタイミングを決定する中継装置30の決定方法の例を説明するシーケンス図である。以下の記載では、「マスタ側中継装置」は、隣接して設置されている中継装置30同士のうち、アンテナの調整のタイミングや調整対象を決定する中継装置30のことを指すものとする。一方、「スレーブ側中継装置」は、マスタ側中継装置からの要求に応じて、指定されたアンテナの調整を行う中継装置である。以下、マスタ側中継装置は、基地局10側から受信した受信信号をスレーブ側中継装置に中継する装置であるものとする。なお、以下の記載では、複数の中継装置30が互いに信号を送受信できる距離に位置することを「隣接する」と記載している。従って、図1のC1に示すケースでは、中継装置30bは、中継装置30aにとっての信号の中継先であるので、中継装置30aに隣接しているといえる。一方、中継装置30aは、中継装置30bにとって信号の中継元であるので、中継装置30bに隣接しているといえる。さらに、以下の説明では、処理を行っている装置を区別し易くするために、符号の後に動作を行っている中継装置30に割り当てられたアルファベットを記載することがある。例えば、解析部71aは、中継装置30aに含まれている解析部71のことを示す。
ステップS21において、中継装置30aと中継装置30bとの間で、通信部60やアンテナ61を介した通信が確立したものとする。通信部60やアンテナ61を介した通信は、BSアンテナ31やMSアンテナ32を介した通信の中継に影響を与えない任意の通信であり、例えば、WiFiアドホックモードが使用され得る。中継装置30aと中継装置30bは、通信部60を介した通信により、互いに設定情報を通知し合う(ステップS22)。通信部60は、通信先の中継装置30から通知された情報を、受信時刻と共に、記憶部73に格納する。このとき、各中継装置30中の通信部60は、同じ送信元から前回受信した信号の内容も残しておくものとする。
図6は、通信に使用される信号に含まれる情報要素の例を示す。中継装置30は、F1に示す情報要素に、情報要素の通知先の情報を含めた信号(フレーム)を、隣接する中継装置30に送信する。中継装置30間の通信に使用される信号には、送信元の中継装置30の状況を示す情報と、マスタ側中継装置からスレーブ側中継装置に通知される情報、スレーブ側中継装置からマスタ側中継装置への応答が含まれる。生成部72は、設定情報を通知するための信号を生成するが、信号を生成している中継装置30で求めることができない項目については、無効値を含めるものとする。
信号の送信元の中継装置30の状況を示す情報には、設置情報、BSアンテナ31の偏波情報、MSアンテナ32の偏波情報、アンテナ間アイソレーション、設定利得、downlink(DL)出力電力、RSCP測定値、uplink(UL)入力電力が含まれる。設置情報は、送信元の中継装置30が、信号の宛先の中継装置30に対して、マスタ側とスレーブ側のいずれであるかを示す。図6のテーブルT1に示すように、以下の説明では、設置情報=1の場合は、送信元の中継装置が宛先の中継装置30に対してマスタ側中継装置として動作することを示す。一方、設置情報=2の場合は、送信元の中継装置が宛先の中継装置30に対してスレーブ側中継装置として動作することを示す。さらに、送信元の中継装置が宛先の中継装置に対してマスタ側とスレーブ側のいずれかが決定されていない場合、設置情報=0に設定される。BSアンテナ31やMSアンテナ32の偏波情報は、所定の方向を基準位置としたときの基準位置からの回転角度で表わされる。以下の説明では、例えば、垂直方向を0度とし、時計回り方向をプラスの値として各アンテナの回転角度が表わされるものとする。設定利得は、送信元の中継装置30で設定されている利得の値である。
DL出力電力は、送信元の中継装置30が端末20の位置する方向に送信を行うときの出力電力である。RSCP測定値は、送信元の中継装置30が基地局10側の装置から受信する所定の制御信号の強度である。例えば、各中継装置30は、パイロット信号の受信強度をRSCP測定値とすることができる。なお、RSCP測定に使用される特定の制御信号として、パイロット信号以外の信号が使用されてもよい。UL入力電力は、送信元の中継装置30が基地局10の位置する方向から受信する電力である。UL入力電力には、RSCP測定値とユーザの通信に起因する信号が含まれる。
マスタ側中継装置からスレーブ側中継装置に通知される情報として、F1の例では、中継装置30間のアイソレーションと制御内容が通知される。図6のテーブルT1に示すように、以下の説明では、制御=1の場合、Radio Frequency(RF)回路への信号入力の停止を示すものとする。ここで、RF回路は、BSアンテナ31とMSアンテナ32を用いた通信に使用される回路である。制御=2は、RF回路への信号入力の開始を示し、制御=3は指定された設定値への設定要求、制御=4は待機要求を表わすものとする。制御=5は、MSアンテナ32の偏波を変更しない程度でのMSアンテナ32の偏波面の調整、制御=6は、MSアンテナ32の偏波の変更を伴うMSアンテナ32の偏波面の調整を示す。また、制御=7は、BSアンテナ31に対して偏波の変更を伴う偏波面の調整を行うと共に、MSアンテナ32の偏波面をBSアンテナ31の調整結果に合わせて調整することを表わすものとする。
F1中の応答情報は、スレーブ側中継装置からマスタ側中継装置への応答内容を表わす情報が格納される。応答情報=1は、スレーブ側中継装置がマスタ側中継装置から要求された制御の内容の特定に成功したことを示す。一方、応答情報=2は、スレーブ側中継装置においてマスタ側中継装置から要求された制御が完了したことを示し、応答情報=3は、スレーブ側中継装置においてマスタ側中継装置から要求された制御ができないことを示すものとする。
図5のステップS22において図6を参照しながら説明したように、マスタ側中継装置とスレーブ側中継装置は、出力電力など設定情報を通知し合うので、中継装置30bは、中継装置30aの出力電力を記憶する。その後、中継装置30aの測定処理部75aは、出力電力を所定量低下させたとする(ステップS23)。
ステップS24において、中継装置30aの生成部72aは、中継装置30bに向けて、中継装置30aの設定情報を通知するために、設置情報=0と、出力電力の変更後の値を含む通知信号を生成する。ここで生成部72aが生成する通知信号では、中継装置30間のアイソレーションも0に設定される。生成部72aは、通信部60aとアンテナ61aを介して、生成した通知信号を中継装置30bに送信する。
中継装置30bの通信部60bは、中継装置30aから受信した情報を用いて、記憶部73bの情報を更新するとともに、情報の更新を解析部71bに通知する。解析部71bは、設置情報=0とともに、出力電力の変更が通知されると、計測部76bにBSアンテナ31でのRSCPの測定を要求する(ステップS25)。解析部71bは、計測部76bで得られた測定値を、中継装置30aの出力電力が変更される前に測定されたRSCPの値と比較する。ここで、中継装置30bが中継装置30aよりも基地局10側に位置している場合、中継装置30bにおいて、中継装置30aでの出力電力の変更に起因したRSCPの変動は起こらない。一方、中継装置30bが中継装置30aよりも端末20側に位置している場合、中継装置30bのRSCPの測定値は、中継装置30aでの出力電力の変更に連動して変動する。ここでは、中継装置30aでの出力電力の低下に伴って、中継装置30bのBSアンテナ31bにおけるRSCPが低下したものとする。すると、解析部71bは、中継装置30bが中継装置30aにとって基地局10からの送信信号の中継先であり、スレーブ側中継装置に当たると判定する。解析部71bは、判定結果を生成部72bに通知する。生成部72bは、中継装置30bがスレーブ側中継装置であることを示す情報(設置情報=2)を含む結果通知信号を生成し、通信部60bとアンテナ61bを介して中継装置30aに送信する(ステップS26)。
中継装置30aの通信部60aは、中継装置30bから受信した結果通知信号を用いて、記憶部73aの情報を更新するとともに、情報を更新したことを解析部71aに通知する。解析部71aは、中継装置30bから受信した結果通知信号に中継装置30bがスレーブ側中継装置30であることを示す情報(設置情報=2)が含まれているので、中継装置30aが中継装置30bに対してのマスタ側中継装置であると判定する。解析部71aは、測定処理部75aに出力電力を設定値に戻すことを要求する。測定処理部75aは、解析部71aの要求に応じて、出力電力を所定量増加させる(ステップS27)。
ステップS28において、解析部71aは、計算部55aからBSアンテナ31aとMSアンテナ32aの間のアイソレーション(ISO_obs)の計算結果を取得する。ここで、ISO_obsは、中継装置30bにおいてBSアンテナ31bやMSアンテナ32bが稼動しているときに得られたアイソレーションである。このため、ISO_obsには、中継装置30bのMSアンテナ32bから送信された送信波による中継装置30aのBSアンテナ31aへの回り込みの影響が含まれている。そこで、解析部71aは、MSアンテナ32bからBSアンテナ31aへの回り込み波の影響が無い場合のアイソレーション(ISO_a)を求めるために、生成部72aに対して、中継装置30bでのRF回路の停止を要求することを求める。生成部72aは、解析部71aの要求に応じて、RF回路の停止を要求する要求信号(制御=1)を生成し、通信部60aなどを介して、中継装置30bに送信する(ステップS29)。
ステップS30において、中継装置30bの解析部71bは、通信部60bなどを介して、要求信号の内容を取得するので、中継装置30aからRF回路への信号入力の停止が要求されたと判定する。そこで、解析部71bは、RF回路への信号入力を中断させる。解析部71bは、生成部72bに対して、マスタ側中継装置から要求された処理に成功したことを通知する。すると、生成部72bは、マスタ側中継装置が要求された処理に成功したことを表わす応答信号(応答情報=2)を生成し、通信部60bなどを介して中継装置30aに送信する(ステップS31)。
ステップS32において、中継装置30aの解析部71aは、通信部60aなどを介して、応答信号を取得するので、中継装置30bがRF OFF状態と判定する。そこで、解析部71aは、計算部55aからBSアンテナ31aとMSアンテナ32aの間のアイソレーションの計算結果(ISO_a)を取得する。ISO_aは、中継装置30bがRF OFF状態時の中継装置30aのアイソレーションである。このため、ISO_aは、中継装置30bのMSアンテナ32bから送信された送信波が中継装置30aのBSアンテナ31aに回り込んだことによる影響が含まれていない。解析部71aは、ISO_obsとISO_aを用いて、MSアンテナ32bから送信された送信波のBSアンテナ31aへの回り込みの大きさを評価できる。すなわち、解析部71aは、ISO_obsとISO_aの間の差分が小さい程、MSアンテナ32bからBSアンテナ31aへの回り込み波の影響が小さいと判定できる。解析部71aは、ISO_aの値を、中継装置30間の回り込み波の影響の評価に使用するために記憶する。
ISO_aの取得に成功すると、解析部71aは、中継装置30bの運用を再開させるために、生成部72aに対して、中継装置30bでのRF回路への信号入力の再開を要求することを求める。すると、生成部72aは、解析部71aの要求に応じて、RF回路の運用の再開を要求する要求信号(制御=2)を生成し、通信部60aなどを介して、中継装置30bに送信する(ステップS33)。
ステップS34において、中継装置30bの解析部71bは、通信部60bなどを介して、要求信号を取得するので、中継装置30aからRF回路への信号入力の再開が要求されたと判定する。そこで、解析部71bは、RF回路への信号入力を再開させる。解析部71bは、生成部72bに対して、マスタ側中継装置から要求された処理に成功したことを通知する。すると、生成部72bは、マスタ側中継装置から要求された処理に成功したことを表わす応答信号(応答情報=2)を生成し、通信部60bなどを介して中継装置30aに送信する(ステップS35)。
図7Aと図7Bは、中継装置30の設定を最適化する方法の例を説明するフローチャートである。図5を参照しながら説明した処理が終了すると、図7A、図7Bに示す処理が行われる。なお、以下の説明でも、マスタ側中継装置は中継装置30a、スレーブ側中継装置は中継装置30bであるものとする。
まず、マスタ側中継装置の解析部71aは、スレーブ側中継装置の設定情報を取得する(ステップS41)。この時点で、解析部71aは、マスタ側中継装置とスレーブ側中継装置の設定情報を初期値として記憶する。次に、マスタ側中継装置中の計算部55は、BSアンテナ31とMSアンテナ32との間のアイソレーションを測定する(ステップS42)。ステップS42では、図5のステップS28と同様に、マスタ側の中継装置とスレーブ側の中継装置の両方が運用されているときに、マスタ側中継装置のBSアンテナ31aとMSアンテナ32aの間のアイソレーションが測定されている。このため、ステップS42で測定されているアイソレーションには、スレーブ側中継装置30bのMSアンテナ32bからマスタ側中継装置30aのBSアンテナ31aに回り込んだ回りこみ波の影響が含まれている。
マスタ側中継装置の解析部71は、図5のステップS29〜S32を参照しながら説明した手順により、予め、マスタ側中継装置を単独で運用したときのBSアンテナ31aとMSアンテナ32aの間のアイソレーション(ISO_a)を記憶している。そこで、マスタ側中継装置の解析部71aは、ステップS42で得られた測定値と、ISO_aを比較することにより、スレーブ側中継装置からの回り込み波の影響を評価する(ステップS43)。ステップS42で得られた測定値と、マスタ側中継装置を単独で運用したときのアイソレーション(ISO_a)の間の差分の絶対値が閾値Th以下の場合、マスタ側中継装置は、中継装置間の調整を行わなくてもよいと判定し、処理を終了する(ステップS43でNo)。換言すると、マスタ側とスレーブ側の両方の中継装置30が動作しているときのマスタ側中継装置でのアイソレーションの測定値と、ISO_aの差の絶対値が閾値Th以下の場合、スレーブ側中継装置からの回り込み波の影響は無視できる程度である。すなわち、マスタ側中継装置は、スレーブ側中継装置を介して通信する端末20の通信に与える回り込み波の影響は無視できると判定し、調整処理を行わない。
一方、スレーブ側中継装置からの回り込み波の影響が無視できない場合、回り込み波の影響により、スレーブ側中継装置と端末20の間の通信状況が悪化する可能性や、スレーブ側中継装置が提供できる通信エリアが狭まる恐れがあると判定する。そこで、調整対象を決定するために、マスタ側中継装置の解析部71aは、マスタ側中継装置とスレーブ側中継装置の全てのアンテナが同偏波であるかを判定する(ステップS44)。マスタ側中継装置とスレーブ側中継装置の全アンテナが同偏波である場合、マスタ側中継装置のBSアンテナ31aの偏波面とスレーブ側中継装置のMSアンテナ32bの偏波面を直交させることにより、アンテナ間のアイソレーションを改善できる。例えば、マスタ側とスレーブ側の中継装置の全アンテナがH偏波である場合、スレーブ側中継装置のMSアンテナ32bをV偏波に設定すれば、マスタ側中継装置のBSアンテナ31aの偏波面とスレーブ側中継装置のMSアンテナ32bの偏波面が直交する。このため、スレーブ側中継装置のMSアンテナ32bからマスタ側中継装置のBSアンテナ31aへの回りこみを軽減できると考えられる。そこで、マスタ側中継装置とスレーブ側中継装置の全てのアンテナが同偏波である場合、スレーブ側中継装置での偏波の変更を伴う調整が行われる(ステップS44でYes、ステップS45)。なお、ステップS45の処理(調整A)により、スレーブ側中継装置のBSアンテナ31bとMSアンテナ32bの偏波面も直交するように調整される。スレーブ側中継装置30がBSアンテナ31bとMSアンテナ32bの偏波面を直交させた後で、マスタ側中継装置の解析部71aは、計算部55aからアイソレーションの測定値(測定ISO)を取得する(ステップS46)。ステップS45で得られた測定ISOが期待ISO以上であると、マスタ側中継装置の解析部71aは、アンテナの調整に成功したと判定して処理を終了する(ステップS46でNo)。
測定ISOが期待ISO未満の場合(ステップS46でYes)と、マスタ側中継装置とスレーブ側中継装置の全アンテナが同じ偏波ではない場合(ステップS44でNo)、解析部71は、マスタ側中継装置のアンテナが同偏波かを判定する(ステップS47)。マスタ側中継装置のBSアンテナ31aとMSアンテナ32aが同偏波である場合、マスタ側中継装置のBSアンテナ31aとMSアンテナ32aを直交させることにより、アイソレーションの改善が期待できる。そこで、マスタ側中継装置のBSアンテナ31aとMSアンテナ32aが同偏波である場合、マスタ側中継装置のMSアンテナ32aの偏波の変更と、スレーブ側中継装置の調整が行われる(ステップS47でYes、ステップS48)。なお、ステップS48でのスレーブ側中継装置のアンテナの調整は、マスタ側中継装置での設定変更の結果に合わせて行われる。一方、マスタ側中継装置のBSアンテナ31aとMSアンテナ32aが同偏波ではない場合、スレーブ側中継装置での偏波面の調整が行われる(ステップS49)。以下、ステップS48の処理を調整B、ステップS49の処理を調整Cと記載することがある。ステップS48またはS49の処理後に、マスタ側中継装置の解析部71aは、アイソレーションの測定値と期待ISOを比較する(ステップS50)。測定ISOが期待ISO以上であると、マスタ側中継装置の解析部71aは、アンテナの調整に成功したと判定して処理を終了する(ステップS50でNo)。
ステップS50において測定ISOが期待ISO未満である場合、マスタ側中継装置の解析部71aは、調整前と、調整A〜調整Cで得られた結果のうちで、スレーブ側中継装置のRSCPとDL利得の和が最大の条件を最適値に決定する(ステップS51)。なお、後述するように、調整A〜調整Cのいずれにおいても、調整後のマスタ側中継装置とスレーブ側中継装置の設定情報は、調整の種類に対応付けて、記憶部73aに記録されているものとする。最適値に決定した設定(OPT設定)と現状の設定が同じ場合、解析部71は、これ以上通信状況を改善できないと判定して、処理を終了する(ステップS52でNo)。一方、OPT設定と現状の設定が異なる場合、解析部71は、マスタ側中継装置をOPT設定に従って設定すると共に、スレーブ側中継装置へのOPT設定の通知を生成部72aに要求する。生成部72aは、OPT設定の設定値と、設定値の通知であることを示す情報(制御=3)を含めた要求信号を生成し、スレーブ側中継装置に送信する。スレーブ側中継装置の解析部71aは、マスタ側中継装置からの通知に従って、アンテナの調整を行う。この結果、マスタ側中継装置とスレーブ側中継装置のいずれも、OPT設定に設定される(ステップS53)。
図8は、スレーブ側中継装置で使用する偏波の変更を伴う調整の例を説明するフローチャートである。図8は、図7AのステップS45(調整A)で行われる処理の詳細を表わしている。
ステップS61において、マスタ側中継装置(中継装置30a)がスレーブ側中継装置(中継装置30b)にMSアンテナ32bの偏波の変更を要求する。なお、ステップS61の処理では、マスタ側中継装置の生成部72aは、スレーブ側中継装置のMSアンテナ32bで使用する偏波を変更するために、制御=6(図6のテーブルT1参照)の情報を示す要求信号を生成している。マスタ側中継装置の生成部72aから通信部60などを介してスレーブ側中継装置に要求信号が届くと、スレーブ側中継装置の解析部71bは、MSアンテナ32bの偏波の変更を伴うMSアンテナ32bの調整が要求されたと判定する。そこで、解析部71bは、調整部74bに、マスタ側中継装置から通知された処理の内容を通知する。
ステップS62において、調整部74bは、駆動装置35bを用いて、MSアンテナ32bの偏波を変更する。例えば、MSアンテナ32bがH偏波に設定されている場合、調整部74bは、MSアンテナ32bを、V偏波を用いる角度に変更させることにより、MSアンテナ32bの偏波面を調整する。ここで、図7Aに示すように、調整Aの処理は、マスタ側中継装置とスレーブ側中継装置の全アンテナが同偏波のときに行われるので、ステップS62の処理が行われるケースでは、MSアンテナ32bの調整前は、BSアンテナ31bとMSアンテナ32bが同偏波になっている。このため、ステップS62の処理により、BSアンテナ31bとMSアンテナ32bが異なる偏波を用いるように調整されることになる。また、MSアンテナ32bの偏波を変更したことにより、マスタ側中継装置のBSアンテナ31aの受信信号の偏波と、MSアンテナ32bの送信信号の偏波が異なる偏波になっている。このため、ステップS62の処理は、スレーブ側中継装置のMSアンテナ32bからマスタ側中継装置のBSアンテナ31aへの電波の回りこみを軽減するための処理となっている。
調整部74bは、調整処理が終わると生成部72bに調整の終了を通知する。すると、生成部72bは、マスタ側中継装置に対して、調整後のアンテナの状況を通知するための通知信号を生成する。ここで生成される通知信号も図6のF1に示す情報要素を含む。すなわち、生成部72bが生成する通知信号には、送信元である中継装置30bがスレーブ局であることや、BSアンテナ31bとMSアンテナ32bの偏波情報等の情報が含まれる。通信部60bは、生成部72bが生成した通知信号を、アンテナ61bを介して送信するので、スレーブ側中継装置がBSアンテナ31bとMSアンテナ32bの設定等の情報を、マスタ側中継装置に通知できる(ステップS63)。
その後、マスタ側中継装置の計算部55aは、BSアンテナ31aとMSアンテナ32aとの間のアイソレーションを測定する(ステップS64)。通信部60aは、スレーブ側中継装置から通知された情報を記憶部73aに格納し、解析部71aはマスタ側中継装置の情報を記憶部73aに格納する。このため、マスタ側中継装置とスレーブ側中継装置の両方の情報が記憶部73aに格納される(ステップS65)。
図9は、マスタ側中継装置で使用する偏波の変更を伴う調整の例を説明するフローチャートである。図9は、図7AのステップS48(調整B)で行われる処理の詳細を表わしている。
ステップS71において、マスタ側中継装置の解析部71aは、マスタ側中継装置のMSアンテナ32aの送信波の偏波を変更することを決定し、調整部74aにMSアンテナ32aの偏波の変更を要求する。調整部74aは、MSアンテナ32aの偏波面がBSアンテナ31aの偏波面と直交するように、MSアンテナ32aを調整する。このため、マスタ側中継装置では、BSアンテナ31aの偏波とMSアンテナ32aの偏波が異なるようになる。調整部74aは、処理が終わると、解析部71aに対して、MSアンテナ32aの調整の終了を通知する。
ステップS72において、解析部71aは、MSアンテナ32aの調整に応じたアンテナの調整をスレーブ側中継装置に要求することを、生成部72aに通知する。ここで、マスタ側中継装置のMSアンテナ32aの偏波が変更されると、スレーブ側中継装置では、BSアンテナ31bとMSアンテナ32bの両方を調整することになる。そこで、生成部72aは、BSアンテナ31bとMSアンテナ32bの調整の要求を含む要求信号(制御=7、図6)を生成し、スレーブ側中継装置に送信する。なお、この要求信号は、マスタ側の設定変更後に生成され、マスタ側中継装置の設定情報の通知にも使用されるものとする。
ステップS73において、スレーブ側中継装置に要求信号が届くと、スレーブ側中継装置の解析部71bは、マスタ側中継装置のMSアンテナ32aの調整に伴って、BSアンテナ31bとMSアンテナ32bの調整が要求されたと判定する。調整部74bは、BSアンテナ31bとMSアンテナ32bの偏波面を最適化する。なお、このとき、スレーブ側中継装置では、適宜、各アンテナの偏波の変更を行うこともあり得る。ステップS74〜S76の処理は、図8を参照しながら説明したステップS63〜S65と同様である。
図10は、スレーブ側中継装置での偏波面の調整の例を説明するフローチャートである。図10は、図7AのステップS49(調整C)で行われる処理の詳細を表わしている。ステップS49の処理が行われる状況では、マスタ側中継装置のアンテナを調整しても通信状況を改善できる可能性が小さいため、スレーブ側中継装置のBSアンテナ31とMSアンテナ32アンテナの偏波面の調整が行われる。
ステップS81において、マスタ側中継装置の解析部71aは、スレーブ側中継装置にBSアンテナ31bとMSアンテナ32bの調整を要求することを、生成部72aに通知する。生成部72aは、BSアンテナ31bとMSアンテナ32bの調整の要求を含む要求信号(制御=7、図6)を生成し、スレーブ側中継装置に送信する。ステップS82の処理は、図9を参照しながら説明したステップS73と同様であり、さらに、ステップS83〜S85の処理は、図8を参照しながら説明したステップS63〜S65と同様である。
図11Aと図11Bは、BSアンテナ31の調整方法の例を説明するフローチャートである。図11Aおよび図11Bは、各中継装置30が起動されたときのBSアンテナ31の調整や、マスタ中継装置からの要求に対応してスレーブ側中継装置がBSアンテナ31の調整を行う場合に行われる処理の例を詳しく示している。なお、図11Aおよび図11Bは一例であり、例えば、RSCPの平均値をアンテナの偏波面の変更量の関数としてプロットした近似カーブを生成するときに使用する測定点の数や、各測定点でRSCPを求める順序は、実装に応じて任意に変更され得る。
BSアンテナ31を調整する装置の計測部76は、RSCP電力を所定の期間測定し、平均RSCP電力(P0)を求める(ステップS91)。計測部76は、得られた平均RSCP電力の値P0を記憶部73に記録するとともに、調整部74にBSアンテナ31を反時計回りに所定の角度だけ回転させることを求める。調整部74は、計測部76の要求に応じて、BSアンテナ31を回転したときの平均RSCP電力(P−1)を求める(ステップS92)。計測部76は、平均RSCP電力の値(P−1)を、ステップS91の時点からのBSアンテナ31の角度の変更分と対応付けて記憶部73に記録する。さらに、調整部74は、BSアンテナ31を反時計回りに所定の角度回転し、計測部76はそのときの平均RSCP電力(P−2)を求める(ステップS93)。平均RSCP電力の値(P−2)の値も、ステップS91の時点からのBSアンテナ31の角度の変更分に対応付けて記憶部73に記録される。
次に、調整部74は、P0の(P−1)に対する割合が閾値Th1より小さいかを判定する(ステップS94)。ここで、閾値Th1は、RSCPの平均値をアンテナの偏波面の変更量の関数としてプロットした近似カーブにおいて、P0の測定ポイントよりも反時計回りの位置に極大値が無いかを判定できる程度の大きさの値であるものとする。例えば、閾値Th1が3dBである場合、調整部74は、(P−1)に対するP0の値が3dB未満であれば、近似カーブにおいて、BSアンテナ31を初期値から反時計回りに変更した位置にRSCP電力の極大がある可能性があると判定する。そこで、調整部74は、再度、BSアンテナ31を反時計回りに所定の量だけ回転させ、計測部76はそのときの平均RSCP電力(P−3)を求める(ステップS94でYes、ステップS95)。計測部76は、得られた値を記憶部73に記録し、調整部74に、反時計回り方向の計測の終了を通知する。調整部74は、BSアンテナ31を初期値に戻す(ステップS96)。P0の(P−1)に対する比が閾値以上のとき、調整部74は、BSアンテナ31の変更量を反時計回りに増大させてもRSCP電力の極大値が見つかる可能性は無いと判定する(ステップS94でNo)。そこで、ステップS96の処理が行われる。
同様に、BSアンテナ31の偏波面の角度を時計回りに変更する場合も同様の処理が行われる。すなわち、調整部74は、BSアンテナ31を時計回りに所定の角度回転し、計測部76はそのときの平均RSCP電力(P1)を求める(ステップS97)。次に、BSアンテナ31の偏波面がさらに、所定の角度分、時計回りに回転されると、計測部76は、平均RSCP電力(P2)を求める(ステップS98)。なお、P1、P2のいずれの値も、BSアンテナ31の調整を開始したときのBSアンテナ31の設定からの角度の変更分に対応付けて記憶部73に記録されるものとする。さらに、調整部74は、P0のP1に対する比が閾値Th1より小さいかを判定する(ステップS99)。調整部74は、P1に対するP0の比が閾値Th1未満であれば、近似カーブにおいて、BSアンテナ31を初期値から時計回りに変更するとRSCP電力の極大値を発見できる可能性があると判定する。そこで、調整部74は、再度、BSアンテナ31を時計回りに所定の量だけ回転させ、計測部76はそのときの平均RSCP電力(P3)を求める(ステップS99でYes、ステップS100)。調整部74は、記憶部73に記録されているRSCPの値をBSアンテナ31の変更角度の関数としてプロットした近似カーブを用いて、最大受信レベルとなる偏波面の角度を求める(ステップS101)。なお、ステップS101において、調整部74は、近似カーブの極大値を最大受信レベルとみなすものとする。ステップS99において、P0のP1に対する比が閾値Th1以上であると判定された場合も(ステップS99でNo)、ステップS101の処理が行われる。調整部74は、駆動装置34を用いて、BSアンテナ31をステップS101の処理で得られた偏波面角度に設定する(ステップS102)。
図12は、MSアンテナ32の調整方法の例を説明するフローチャートである。図12は、各中継装置30でBSアンテナ31の調整の後にMSアンテナ32の調整を行う場合や、マスタ中継装置からの要求に対応してスレーブ側中継装置がMSアンテナ32の調整を行う場合に行われる処理の例を詳しく示している。なお、図12は、MSアンテナ32に対してH偏波を優先的に設定する場合の処理の例である。MSアンテナ32に対してV偏波が優先的に設定される場合には、例えば、ステップS114〜S116の処理がステップS112の前に行われるなどの変更が行われ得る。
調整部74は、MSアンテナ32の調整を開始するときに、BSアンテナ31がH偏波であるかを判定する(ステップS111)。BSアンテナ31がH偏波である場合、調整部74は、MSアンテナ32をBSアンテナ31と同じ偏波角度に設置する。計算部55は、BSアンテナ31とMSアンテナ32の間のアイソレーションを求める(ステップS112)。測定ISOが期待ISO以上である場合、調整部74は、現在の偏波面をMSアンテナ32の設定値として処理を終了する(ステップS113でNo、ステップS117)。
測定ISOが期待ISO未満である場合、調整部74は、MSアンテナ32の偏波をV偏波に設定することにより、BSアンテナ31とMSアンテナ32の偏波面を直交させる(ステップS113でYes、ステップS114)。計算部55は、BSアンテナ31とMSアンテナ32の間のアイソレーションを求める(ステップS115)。測定ISOが期待ISO以上である場合、調整部74は、現在の偏波面をMSアンテナ32の設定値として処理を終了する(ステップS116でYes、ステップS117)。一方、測定ISOが期待ISO未満の場合、調整部74は、オペレータが認識し得る方法で、置局設計変更の要求を通知する(ステップS116でNo、ステップS118)。
一方、BSアンテナ31がV偏波を用いて信号を受信する場合、調整部74は、BSアンテナ31とMSアンテナ32の偏波面を直交させるために、MSアンテナ32の偏波がH偏波になるように設定する(ステップS111でNo、ステップS119)。その後、ステップS120〜S123の処理が行われる。なお、ステップS120〜S123の処理は、ステップS115〜S118の処理と同様である。
このように、第1の実施形態では、マスタ側中継装置は、通信状況が悪化すると、通信状況を悪化させている原因を自律的に特定し、スレーブ側中継装置の設定に原因がある場合は、アンテナの再設定を要求する。スレーブ側中継装置は、マスタ側中継装置からの要求に応じて、設定処理が要求されたアンテナを再設定する。このため、複数の中継装置を含むシステムにおいて、中継装置間での電波の回りこみによる通信状況の悪化が、自律的に解消される。さらに、中継装置間での電波の回りこみの影響が軽減されるため、利得を小さくしなくても干渉の影響が小さくなり、結果として、各中継装置のカバレッジが広くなる。
なお、説明を簡単にするために、システム中の2台の中継装置が、マスタ側中継装置か、スレーブ側中継装置の一方として動作する場合について説明したが、基地局10と端末20の間が3台以上の中継装置30で中継されていても良い。この場合、ある中継装置30dは、中継装置30cに対してはスレーブ側中継装置として動作し、中継装置30eに対してはマスタ側中継装置として動作することができるものとする。
<第2の実施形態>
第1の実施形態に示す方法で設置されたシステムでも、運用中に発生した環境の変化により、通信の状況が悪化することがあり得る。例えば、システムが設置されているエリアで降雨や降雪がある場合、雨や雪の影響でパスロスの悪化や偏波面の変化が発生する恐れがある。また、ある中継装置30と他の中継装置30との間のエリアに生えている樹木が茂った場合などにも、伝搬路の環境が変化する恐れがある。第2の実施形態では、通信システムの運用を開始した後の環境の変化により、通信の状況が悪化した場合に行われる処理の例を説明する。
なお、第2の実施形態においても、マスタ側中継装置とスレーブ側中継装置の決定方法や、中継装置30間での通信方法は第1の実施形態と同様である。第2の実施形態では、運用が開始された後も、マスタ側中継装置とスレーブ側中継装置の間では、設定情報や通信の状況が変化すると、設定状況等を通知し合うものとする。中継装置30間での通信に使用される信号に含まれている情報要素も図6に示す通りであるものとする。さらに、マスタ側中継装置の記憶部73は、スレーブ側中継装置で観測されたRSCPとアイソレーションについての情報を、最新の報告以外にも任意の数分、受信時刻に対応付けて保持することができるものとする。
システムの運用中、マスタ側中継装置の解析部71は、マスタ側中継装置のRSCP、スレーブ側中継装置のRSCP、スレーブ側中継装置に備えられたアンテナ間のアイソレーションなどから、スレーブ側中継装置を介した通信の状況を予測する。例えば、スレーブ側中継装置でRSCPが低下すると、マスタ側中継装置の解析部71は、スレーブ側中継装置と端末20の間の通信状況が悪化する可能性や、スレーブ側中継装置が提供できる通信エリアが狭まる恐れがあると判定する。また、スレーブ側中継装置でのアイソレーションが期待ISOよりも低くなると、干渉を防ぐために利得を低くすることになるので、スレーブ側中継装置からの送信電波が届くエリアが狭まってしまう恐れがある。そこで、マスタ中継装置の解析部71は、スレーブ側中継装置にアンテナの調整を要求することを決め、調整するアンテナを特定する。
図13は、運用中の環境の変化に応じて中継装置30の設定を最適化する方法の例を説明するフローチャートである。以下の説明でも、マスタ側中継装置とスレーブ側中継装置の動作を見分けやすくするために、マスタ側中継装置は中継装置30a、スレーブ側中継装置は中継装置30bであるものとする。
まず、マスタ側中継装置がスレーブ側中継装置から通信情報などを含む通知信号を受信したとする。マスタ側中継装置の解析部71aは、スレーブ側中継装置でのアイソレーション(ISO)の値を、記憶部73aに記憶している過去のデータと比較することにより、スレーブ側中継装置でのISOが悪化したかを判定する(ステップS131)。スレーブ側中継装置でのISOが悪化している場合、スレーブ側中継装置でのMSアンテナ32bの偏波面の調整(調整D)が行われる(ステップS131でYes、ステップS132)。スレーブ側中継装置でのMSアンテナ32bの偏波面の調整の詳細については、図14の説明で述べる。MSアンテナ32bの偏波面を、スレーブ側中継装置でのアイソレーションを改善できるように調整すると、スレーブ側中継装置は、調整後の設定情報をマスタ側中継装置に通知するので、ステップS131以降の処理が繰り返される。
スレーブ側中継装置でのISOが悪化していない場合、解析部71aは、記憶部73aに記憶している情報を用いて、スレーブ側中継装置でRSCPが低下しているかを判定する(ステップS131でNo、ステップS133)。スレーブ側中継装置でRSCPが低下している場合、解析部71aは、マスタ側中継装置の送信電力が低下しているかを判定する(ステップS133でYes、ステップS134)。マスタ側中継装置の送信電力が低下していない場合、マスタ側中継装置とスレーブ側中継装置との間のパスロスを改善するための処理(調整E)が行われる(ステップS134でNo、ステップS135)。調整Eの詳細については、図15の説明で述べる。マスタ側中継装置とスレーブ側中継装置との間のパスロスを改善するための処理が終わると、ステップS131以降の処理が繰り返される。
ステップS134において、マスタ側中継装置の送信電力が低下していると判定された場合、解析部71aは、マスタ側中継装置でのアイソレーションが悪化しているかを判定する(ステップS134でYes、ステップS136)。マスタ側中継装置でのアイソレーションが悪化していない場合、解析部71aは、マスタ側中継装置が故障したと判定し、適宜、オペレータ向けの警報を出力して、処理を終了する(ステップS136でNo、ステップS137)。一方、マスタ側中継装置でのアイソレーションが悪化している場合、送信波の回り込みの影響が大きくなっている(ステップS136でYes)。そこで、マスタ側中継装置のMSアンテナ32aと、スレーブ側中継装置でのアンテナの偏波面の調整(調整G)が行われる(ステップS141)。調整Gの詳細については、図17の説明で述べる。ステップS141の処理が終わると、ステップS131以降の処理が繰り返される。
ステップS133において、スレーブ側中継装置でRSCPが低下していないと判定した場合、解析部71aは、マスタ側中継装置でRSCPが低下しているかを判定する(ステップS133でNo、ステップS138)。マスタ側中継装置でのRSCPが低下していない場合、解析部71aは、環境の変化による通信状況の悪化が発生していないと判定するので、ステップS131に戻る(ステップS138でNo)。
一方、ステップS138において、マスタ側中継装置でのRSCPが低下していると判定された場合、解析部71aは、マスタ側中継装置の出力電力の低下量と、RSCPの低下量が閾値Th2以内であるかを判定する(ステップS139)。マスタ側中継装置の出力電力の低下量と、RSCPの低下量が閾値Th2以内である場合、マスタ側中継装置のBSアンテナ31aの設定が伝搬路の状況に合っていないために、基地局10側からの送信信号の受信強度が低くなっていると考えられる。このため、マスタ側中継装置の出力電力の低下量と、RSCPの低下量が閾値Th2以内である場合、調整部74aにより、マスタ側中継装置のBSアンテナ31aについて、偏波面の調整(調整F)が行われる(ステップS139でYes、ステップS140)。調整Fについては、図16を参照しながら後述する。ステップS140の処理の後、BSアンテナ31aの設定の変化に合わせて、MSアンテナ32aやスレーブ側中継装置のアンテナの設定も変更される(ステップS141)。
図14は、スレーブ側中継装置での偏波面の調整の例を説明するフローチャートである。図14は、図13のステップS132(調整D)での処理の詳細を表わしている。ステップS151において、解析部71aは、スレーブ側中継装置に対してMSアンテナ32bの偏波面の調整を要求することを、生成部72aに対して依頼する。生成部72aは、解析部71aの依頼に応じて、スレーブ側中継装置に、MSアンテナ32bの調整を要求する要求信号(制御=5、図6のテーブルT1参照)を生成し、通信部60aを介して、スレーブ側中継装置に送信する。ステップS152において、スレーブ側中継装置に要求信号が届くと、スレーブ側中継装置の解析部71bは、MSアンテナ32bの調整が要求されたと判定する。そこで、解析部71bは、MSアンテナ32bの調整を調整部74bに要求する。MSアンテナ32bの調整処理は、図12を参照しながら説明したとおりである。
図15は、マスタ側中継装置とスレーブ側中継装置の間のパスロスを軽減する処理の例を説明するフローチャートである。図15は、図13のステップS135(調整E)での処理の詳細を表わしている。
ステップS161において、解析部71aは、マスタ側中継装置とスレーブ側中継装置との間のパスロスを改善するために、スレーブ側中継装置に対してBSアンテナ31bとMSアンテナ32bの調整を要求することを決定する。生成部72aは、解析部71aからの要求に応じて、スレーブ側中継装置に対してBSアンテナ31bとMSアンテナ32bの調整を要求する情報(制御=7)を含む要求信号を生成し、通信部60aなどを介して、スレーブ側中継装置に送信する。
ステップS162において、スレーブ側中継装置に要求信号が届くと、スレーブ側中継装置の解析部71bは、BSアンテナ31bとMSアンテナ32bの調整が要求されたことを調整部74bに通知する。調整部74bは、スレーブ側中継装置がユーザデータを中継中であるかを判定する。ここで、調整部74bは、ユーザデータを中継中であるかは、例えば、BSアンテナ31bでの受信電力とRSCPとの間の差が無視できるかによって判定できるものとする。BSアンテナ31bでの受信電力がRSCPよりも有意に高い場合、調整部74bは、スレーブ側中継装置がユーザデータを中継していると判定する。スレーブ側中継装置がユーザデータを中継中である場合、調整部74bは、アンテナの調整を行わずに待機する(ステップS162でYes)。
スレーブ側中継装置がユーザデータを中継していない場合、調整部74bは、BSアンテナ31bでの受信電力強度が大きくなるように、BSアンテナ31bを調整する(ステップS162でNo)。BSアンテナ31bの調整処理は、図11Aおよび図11Bを参照しながら説明したとおりである。
BSアンテナ31bの調整が終わると、調整部74bは、BSアンテナ31bの設定に合わせて、MSアンテナ32bの調整を行う(ステップS164)。なお、MSアンテナ32bの調整処理は、図12を参照しながら説明したとおりである。
図16は、マスタ側中継装置でのBSアンテナの調整の例を説明するフローチャートである。図16は、図13のステップS140(調整F)での処理の詳細を表わしている。なお、図16は一例であり、例えば、アンテナの偏波面の変更方向は、最初に反時計回りに設定されても良い。
調整部74aは、マスタ側中継装置がユーザデータを中継中であるかを判定する(ステップS171)。なお、調整部74aは、調整部74bと同様の手法により、ユーザデータを中継中であるかを判定できるものとする。マスタ側中継装置がユーザデータを中継中である場合、調整部74aは、アンテナの調整を行わずに待機する(ステップS171でYes)。マスタ側中継装置がユーザデータを中継していない場合、調整部74aは、マスタ側中継装置のBSアンテナ31aの偏波面の変更方向を時計回りに設定する(ステップS171でNo、ステップS172)。次に、調整部74aは、BSアンテナ31aの偏波面を、アンテナの偏波面の変更方向に所定の角度回転し、RSCPが減少したかを判定する(ステップS173、S174)。RSCPが減少した場合、調整部74bは、マスタ側中継装置のBSアンテナ31aの偏波面の変更方向を反時計回りに設定し、ステップS173に戻る(ステップS174でYes、ステップS175)。ステップS174でRSCPが減少していないと判定すると、調整部74aは、RSCPの測定値が初期値から閾値Th3以上増加したかを判定する(ステップS174でNo、ステップS176)。閾値Th3は、実装に応じた値が使用されうるが、例えば、2dB程度に設定されても良い。RSCPの変化量が閾値Th3以上増加している場合、調整部74aは、設定時に生成した近似カーブを用いて、現在の設定は、RSCPの極大値の偏波角との差が大きいと判定する(ステップS176でYes)。そこで、調整部74aは、BSアンテナ31aの偏波面を、アンテナの偏波面の変更方向に所定の角度回転し、ステップS176に戻る(ステップS176でYes、ステップS177)。
一方、RSCPの変化量が閾値Th3の増加より小さい場合、調整部74aは、設定時に生成した近似カーブを用いて、現在の設定は、RSCPの極大値の偏波角との差が小さいと判定する(ステップS176でNo)。そこで、調整部74aは、測定したRSCP値と、設置時の近似カーブより最大受信角度を求める(ステップS178)。調整部74aは、マスタ側中継装置のBSアンテナ31aを最大受信角度に設定する(ステップS179)。
図17は、マスタ側中継装置でのMSアンテナとスレーブ側の中継装置の調整の例を説明するフローチャートである。図17は、図13のステップS141(調整G)での処理の詳細を表わしている。
マスタ側中継装置の調整部74aは、MSアンテナ32aの偏波面を最適化する(ステップS191)。なお、MSアンテナ32aの調整処理は、図12を参照しながら説明したとおりである。ステップS192〜S195の処理は、図15を参照しながら説明したステップS161〜S164と同様である。
以上の処理により、環境の変化により伝搬路の状況が変化しても、設置環境の変化に合わせて中継装置の調整が行われる。このため、伝搬路の状況の変化により、スレーブ側中継装置からの送信電力の低下することや、スレーブ側中継装置を介して通信できるエリアが狭まることを防ぐことができる。
さらに、これらの調整は、中継装置30間で自律的に行われるので、通信システム内の管理も簡便である。
<その他>
なお、実施形態は上記に限られるものではなく、様々に変形可能である。以下にその例をいくつか述べる。
中継装置30間の通信に使用される信号は図6に示す形式に限定されず、実装に応じて変更され得る。例えば、マスタ側中継装置からスレーブ側中継装置に対して調整処理や設定状態の通知の停止を求めない場合、待機制御(制御=4)を行うための値が設定されていなくても良い。
さらに、マスタ側中継装置は、スレーブ側中継装置に対して、MSアンテナ32の偏波の変更を求める際には、MSアンテナ32の偏波の変更を求めるための信号(制御=6)の代わりに、設定値制御(制御=3)を用いても良い。この場合、マスタ側中継装置の生成部72は、記憶部73に格納されているスレーブ側中継装置の設定値を用いて、MSアンテナ32をBSアンテナ31に直交させるためのMSアンテナ32の偏波面を計算する。その後、生成部72は、得られた値への設定を要求する要求信号(制御=3)を用いて、スレーブ側中継装置に設定処理を要求する。
また、マスタ側中継装置は、スレーブ側中継装置に対して、MSアンテナ32の偏波の変更を求める際に、設定値制御(制御=3)とMSアンテナ32の偏波の変更を求めるための信号(制御=6)を併用しても良い。この場合、スレーブ側中継装置の解析部71は、MSアンテナ32の偏波の変更を求めるための信号から求めた偏波角と、設定値制御を求める信号(制御=3)で通知されてきた偏波情報を比較することにより、マスタ側中継装置からの要求信号の内容が正しいかを判定することができる。要求信号の内容が誤っている場合、生成部72は、制御ができない旨を通知する(応答=3)と共に、現在のスレーブ側中継装置の設定をマスタ側中継装置に通知する。
さらに、RSCPなど、計算値の変動が頻繁に起こる値を用いた処理では、特段に明記していなくても、適宜、所定の時間の平均値が用いられるものとする。例えば、図13のステップS133やS139で用いられているRSCPの値として、所定の時間範囲での平均値が使用され得る。
10 基地局
20 端末
30 中継装置
31 BSアンテナ
32 MSアンテナ
33 無停電電源装置
34、35 駆動装置
40 リピータ
41、45 デュプレクサ
42、46 A/Dコンバータ
43、47 D/Aコンバータ
44、48 アンプ
50 主信号処理部
51、54 利得処理部
52、53 キャンセラ部
55 計算部
60 通信部
61 アンテナ
70 制御部
71 解析部
72 生成部
73 記憶部
74 調整部
75 測定処理部
76 計測部
81 プロセッサ
82 メモリ
83 通信装置
84 モデム

Claims (9)

  1. 基地局の送信信号を複数の中継装置が中継するシステム中の中継装置であって、
    前記送信信号の受信に使用する第1のアンテナと、
    前記送信信号の中継先の中継装置である対象中継装置との通信に使用する第2のアンテナと、
    前記対象中継装置を含む他の中継装置への前記第1および第2のアンテナの設定情報の通知と、前記他の中継装置の設定情報の取得のための通信を行う通信部と、
    前記送信信号の中継状況が基準よりも悪い場合、前記中継状況が前記基準より悪い原因を解析する解析部、
    を備え、
    前記通信部は、前記対象中継装置の設定が前記原因である場合、前記対象中継装置が備えるアンテナの偏波面の調整を要求する要求信号を前記対象中継装置に送信する
    ことを特徴とする中継装置。
  2. 前記要求信号を生成する生成部
    をさらに備え、
    前記通信部は、前記対象中継装置での設定情報として、前記対象中継装置が前記送信信号の受信に使用する第3のアンテナと前記送信信号の送信に使用する第4のアンテナとの間のアイソレーションを表わす情報を受信し、
    前記解析部は、前記アイソレーションが閾値を下回ると、前記第4のアンテナの偏波面の設定を前記原因に決定し、
    前記生成部は、前記第4のアンテナの偏波面の変更を前記対象中継装置に要求するための要求信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の中継装置。
  3. 前記基地局から送信される所定の制御信号の受信電力である第1の受信電力を周期的に計測する計測部
    をさらに備え、
    前記通信部は、前記対象中継装置での設定情報として、前記対象中継装置での前記制御信号の受信電力である第2の受信電力を周期的に受信し、
    前記解析部は、前記第1の受信電力が減少しておらず、かつ、前記第2のアンテナからの送信電力が低下していない場合に、前記第2の受信電力が減少すると、前記対象中継装置が備える第3および第4のアンテナの偏波面の設定を前記原因に決定し、
    前記要求信号は、前記第3および第4のアンテナの偏波面の変更を、前記対象中継装置に要求する信号である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の中継装置。
  4. 前記第2のアンテナの偏波面を調整する調整部
    をさらに備え、
    前記解析部は、前記第2のアンテナからの送信電力が低下している場合、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間のアイソレーションの低下を前記原因として特定し、
    前記調整部は前記第2のアンテナの偏波面を前記第1のアンテナに合わせて調整し、
    前記通信部は、前記第2のアンテナの変更後の偏波面を前記対象中継装置に通知し、
    前記要求信号に、前記対象中継装置が前記送信信号の受信に使用する第3のアンテナ、および、前記対象中継装置が前記送信信号の送信に使用する第4のアンテナの偏波面の変更要求を含める
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の中継装置。
  5. 前記対象中継装置が動作していないときの前記第1のアンテナと前記第2のアンテナの間のアイソレーションである第1の値を保持する記憶部と、
    前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間のアイソレーションを計算する計算部
    をさらに備え、
    前記解析部は、
    前記計算部で計算された第2の値と前記第1の値の差が前記送信信号の中継状況に及ぼす影響が無視できない場合、前記第1〜第4のアンテナの偏波が同じかを判定し、
    前記第1〜第4のアンテナの偏波が同じ場合、前記第4のアンテナの設定を前記原因に決定し、
    前記生成部は、前記要求信号として、前記第4のアンテナの偏波面を前記第3のアンテナに直交させることを要求する信号を生成する
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の中継装置。
  6. 前記解析部は、
    前記第1〜第4のアンテナの偏波が一致しない場合、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナの偏波が同じかを判定し、
    前記第1のアンテナと前記第2のアンテナの偏波が同じ場合、前記第2のアンテナの設定を前記原因に決定し、
    前記調整部は、前記第2のアンテナの偏波面を前記第1のアンテナの偏波面に直交させ、
    前記生成部は、前記要求信号として、前記第3および第4のアンテナの偏波面を前記第2のアンテナの設定に合わせて調整することを要求する信号を生成する
    ことを特徴とする請求項5に記載の中継装置。
  7. 前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間のアイソレーションを計算する計算部と、
    前記第2のアンテナの偏波面を調整する調整部
    をさらに備え、
    前記第2のアンテナの偏波面の調整の要求を、前記送信信号の中継元の中継装置である要求元装置から、前記通信部が受信すると、前記調整部は、前記第2のアンテナの偏波面を、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間のアイソレーションが大きくなるように調整し、
    前記通信部は、調整後の前記第2のアンテナの情報と、前記第2のアンテナの調整後に得られた前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間のアイソレーションを、前記要求元装置に通知する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の中継装置。
  8. 前記通信部は、前記第1および第2のアンテナの偏波面の調整の要求を、前記要求元装置から受信し、
    前記調整部は、
    前記第1のアンテナでの受信電力の値を用いて、前記基地局と通信している端末宛のデータを中継しているかを判定し、
    前記端末宛のデータを転送していないときに、前記第1および第2のアンテナの偏波面を、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間のアイソレーションが大きくなるように調整し、
    前記通信部は、前記要求元装置に調整後の前記第1および第2のアンテナの情報と、調整後の前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間のアイソレーションを、前記要求元装置に通知する
    ことを特徴とする請求項7に記載の中継装置。
  9. 基地局の送信信号を複数の中継装置が中継するシステム中の中継装置が、
    第1のアンテナを使用して、前記送信信号を受信し、
    第2のアンテナを使用して、前記送信信号の中継先の中継装置である対象中継装置に前記送信信号を送信し、
    前記対象中継装置を含む他の中継装置への前記第1および第2のアンテナの設定情報の通知と、前記他の中継装置の設定情報の取得のための通信を、通信装置を用いて行い、
    前記送信信号の中継状況が基準よりも悪い場合、前記中継状況が前記基準より悪い原因を解析し、
    前記対象中継装置の設定が前記原因である場合、前記対象中継装置が備えるアンテナの偏波面の調整を要求する要求信号を前記対象中継装置に送信する
    処理を行うことを特徴とする中継装置の調整方法。
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